(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6234512
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】検出システムおよびそれを利用する検出方法
(51)【国際特許分類】
G01C 9/18 20060101AFI20171113BHJP
G01C 5/04 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
G01C9/18 F
G01C5/04 A
【請求項の数】13
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-124146(P2016-124146)
(22)【出願日】2016年6月23日
(65)【公開番号】特開2017-201283(P2017-201283A)
(43)【公開日】2017年11月9日
【審査請求日】2016年6月23日
(31)【優先権主張番号】105114060
(32)【優先日】2016年5月6日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】512107846
【氏名又は名称】財團法人國家實驗研究院
【氏名又は名称原語表記】NATIONAL APPLIED RESEARCH LABORATORIES
(74)【代理人】
【識別番号】100167689
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 征二
(72)【発明者】
【氏名】李路生
(72)【発明者】
【氏名】張國鎮
(72)【発明者】
【氏名】葉芳耀
(72)【発明者】
【氏名】黄廷垣
【審査官】
櫻井 仁
(56)【参考文献】
【文献】
実開平02−081412(JP,U)
【文献】
特開2002−022492(JP,A)
【文献】
特開2014−010148(JP,A)
【文献】
特開2004−212247(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 9/18
9/20
G01C 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの被検ユニットと光ファイバ測定ユニットを有する検出システムであって、
前記被検ユニットは、収容体、変形アームと浮体を備え、
前記収容体は流体を収納する収容空間を規定し、前記収容体に流体を収容した際に液面が接する面を側壁と規定した際に、前記変形アームは、前記側壁から前記収容空間まで横方向に延在するとともに、固定端と自由端を有し、前記固定端は前記収容体の側壁に固定され、前記自由端は前記収容空間に延在して前記浮体に接続され、
前記浮体は、その一部が流体の液面下に浸り前記浮体にかかる浮力が前記浮体の重力に等しいときは変形アームが変形前の状態にあり、前記浮体の液体に浸る体積が変化すると、前記浮体が浮力の変化によって移動し、前記変形アームを湾曲変形させ、
前記光ファイバ測定ユニットは、少なくとも一つの検出部を備え、前記検出部は前記変形アームに結合していて、前記固定端と前記自由端の間に延設され、前記変形アームの湾曲変形を検出することを特徴とする検出システム。
【請求項2】
前記検出部に回折格子が形成され、前記変形アームの湾曲変形によって前記回折格子の格子の間隔が変化することを特徴とする請求項1記載の検出システム。
【請求項3】
前記検出システムは被検体の表面の傾斜または沈みの状況を検出し、前記光ファイバ測定ユニットは前記変形アームの湾曲変形の程度により、傾斜または沈みの状況に関する物理的パラメータを提供することを特徴とする請求項1記載の検出システム。
【請求項4】
前記被検ユニットは、前記収容体を載せて前記収容体が被検体に設置されたときに水平度を調整できる調整台を備えることを特徴とする請求項1記載の検出システム。
【請求項5】
前記調整台は、設置領域を規定し、設置領域に固定するように前記収容体を前記調整台に設置できる制限構造を有することを特徴とする請求項4記載の検出システム。
【請求項6】
前記収容体には水平基準線が取り付けられ、前記流体の液面が前記水平基準線に合った場合、前記変形アームは水平かつ変形前の状態にあることを特徴とする請求項1記載の検出システム。
【請求項7】
前記光ファイバ測定ユニットは光ファイバ、光学モジュールと信号処理モジュールを備え、前記光ファイバは前記変形アームに対応した位置に前記検出部を有し、前記光学モジュールは入力信号を前記光ファイバに入力し、前記入力信号の入力後、前記検出部の作動によって出力信号を生成して前記光学モジュールに送り、前記信号処理モジュールで前記出力信号を分析し、物理的パラメータを取得することを特徴とする請求項1記載の検出システム。
【請求項8】
前記浮体にかかる浮力は前記収容体の傾斜によって変化し、前記変形アームの湾曲変形の程度は前記収容体の傾斜角度に関連性があることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の検出システム。
【請求項9】
前記被検ユニットは、前記収容体を封じて飽和空気の水分を吸収する水分吸収板を備えることを特徴とする請求項8記載の検出システム。
【請求項10】
前記被検ユニットは複数個であり、前記検出システムは、前記収容体の前記収容空間を連通する連通チューブを備え、複数の前記収容空間にある前記流体は連通管の原理によって同じ高さを維持することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の検出システム。
【請求項11】
複数の前記収容体に垂直方向の相対移動が発生した場合、前記浮体にかかる浮力は変化し、前記変形アームの湾曲変形の程度は前記収容体の相対移動量に関連性があることを特徴とする請求項10記載の検出システム。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれかに記載の検出システムを利用する検出方法であって、
前記収容空間で流体を収納している前記収容体を被検体に設置するステップと、
前記光ファイバ測定ユニットを駆動し、入力信号を前記検出部に送り、前記検出部の作動によって出力信号を生成し、前記被検体の表面に傾斜または沈みが発生した場合、前記浮体にかかる浮力は傾斜または沈みの状況によって変化し、前記出力信号を変化させるステップと、
前記出力信号を分析し、傾斜または沈みの状況に関する物理的パラメータを取得するステップと、
を有することを特徴とする検出方法。
【請求項13】
前記浮体の重量に等しい浮力を前記流体が提供し、前記変形アームが水平かつ変形前の初期状態にあるように、前記収容体を水平に前記被検体に設置し、前記初期状態に対応した測定値を、傾斜または沈みが発生したかどうかを判別する初期値とすることを特徴とする請求項12記載の検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、検出システムおよびそれを利用する検出方法であり、特に傾斜や沈みの状況を検出する検出システムおよびそれを利用する検出方法である。
【背景技術】
【0002】
近年、世界各国に深刻な自然災害が頻発しており、国民の人命と財産を脅かすだけではなく、国内の経済に悪影響を及ばすこともあるので、環境や建造物の状況を予め把握し、自然災害が発生する前に予報を出すことは、災害によるダメージを抑えるための重要課題である。特に、災害が発生する前に環境や建造物の状況を適切にモニターすることによって、緊急時対策に役立つだけではなく、災害による人命や財産の損失を抑えることができる。また、モニターのデータも災害後の再建に活用でき、災害後の復興を早めることができると考えられる。
【0003】
過去のやり方としては、ある程度の時間をあけて、環境や建造物に対して基本的な点検を行い、安全性に関する状態をチェックする。ただし、環境や建造物に対して常時監視や分析を行っているわけではないので、環境や建造物における日々の変化を把握することが難しい。そのため、補強やメンテナンスのタイミングを逃してしまい、ひいては災害が発生する前に災害予報を知らせることもできなくなる。現在、技術の進歩により安全性に関する監視に応用できる様々な検出システムが開発されており、環境や建造物の安全性に関する情報を把握することができるようになった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、安全性の監視用に応用されている既存の検出システムは、設置の難しさ、コストの高さ、メンテナンスの難しさ、短い製品寿命や電磁妨害の受けやすさなどの欠点により、なかなか普及していない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、簡単な構造、低コスト、施工の簡単さ、メンテナンスのしやすさ、長い製品寿命や電磁妨害を受けにくいことなどの長所を持ち、環境や建造物(例えば、建築物、橋、道路等)などの傾斜や沈みの状況を検出することに応用でき、環境や建造物の安全性に関する情報を把握できる検出システムを提供することを目的とする。
【0006】
本発明に係る検出システムは、少なくとも一つの被検ユニットと光ファイバ測定ユニットを有し、被検ユニットは収容体、変形アームと浮体を備え、収容体は流体を収納する収容空間を規定し、変形アームは固定端と自由端を有し、変形アームの固定端は収容体の側壁に固定され、自由端は収容空間に延在して浮体に接続され、浮体は浮力の変化によって移動し、変形アームを湾曲変形させ、光ファイバ測定ユニットは少なくとも一つの検出部を備え、検出部は変形アームに結合していて、固定端と自由端の間に延設され、変形アームの湾曲変形を検出する。ここで、本発明に係る検出システムは、実際の状況によって一つまたは複数の被検ユニットを設置することが可能であり、複数の被検ユニットを設置した場合、検出システムはさらにそれらの収容体の収容空間を連通する連通チューブを備え、収容空間における流体は連通管の原理によって同じ高さを維持する。
【0007】
また、本発明は前記検出システムを利用する検出方法を提供し、その検出方法は、収容空間で流体を収納している収容体を被検体に設置するステップと;光ファイバ測定ユニットを駆動し、入力信号を検出部に送り、検出部の作動によって出力信号を生成し、被検体の表面に傾斜や沈みが発生した場合、浮体にかかる浮力は傾斜や沈みの状況によって変化し、出力信号を変化させるステップと;出力信号を分析し、傾斜や沈みの状況に関する物理的パラメータを取得するステップと、を有する。そこで、浮体の重量に等しい浮力を流体が提供し、変形アームが水平かつ変形前の初期状態にあるように、収容体を水平に被検体に設置することが好ましい。それによって初期状態に対応した測定値を、傾斜や沈みが発生したかどうかを判別する初期値とすることができる。
【0008】
収容体の水平度や収容体の相対位置の変化によって、浮体の流体に浸る体積が変化し、変形アームも浮力の変化によって変形するため、収容体を被検体(例えば、地面、橋、建築物や道路など)の被検面に設置し、変形アームの長手方向における湾曲変形の程度を検出することで、被検面の傾斜や沈みの状況と変化を検知することができる。例えば、被検面に一つの収容体を設置し、被検面に傾斜や局部の崩れが発生した場合、収容体は被検面と共に傾き、流体も液面を水平に維持するように、傾斜の方向に流れる。そのため、浮体にかかる浮力が変化するので、変形アームは力の変化によって変形する。それによって、変形アームの湾曲変形の程度と収容体の傾斜角度に関連性があるので、変形アームの自由端と固定端の間に発生した変形の具合を調べれば、被検体の表面の変化を知ることができる。また、被検面に複数の収容体を設置し、各収容体の間に連通チューブで連通することで、連通の構造体に構成してもよい。被検面に収容体が設置された位置に垂直方向の相対移動が発生した場合、各収容体の垂直位置の変化で各収容体にある液面の高さが異なるので、各収容体の流体は連通管の原理によって同じ高さを維持するように、低い位置における収容体に流れ込む。そのため、低い位置にある浮体にかかる浮力が増加し、変形アームを上に向けて湾曲変形させ、一方、高い位置にある浮体にかかる浮力が減少し、変形アームを下に向けて湾曲変形させる。それによって、変形アームの湾曲変形の程度と各収容体の相対移動量に関連性があるので、変形アームの変形の具合に基づいて被検体の表面の変化を検知することができる。
【0009】
本発明において、被検ユニットの数量は特に制限がなく、実際の需要により適切な数量の被検ユニットを設置することが望ましい。例えば、本発明の検出システムを橋の安全監視に利用する場合、被検ユニットの数量は橋脚の数で決まり、つまり、橋脚ごとに一つの被検ユニットを設置することが望ましい。
【0010】
本発明において、光ファイバ測定ユニットは光ファイバ、光学モジュールと信号処理モジュールを備え、光ファイバは変形アームに対応した位置に前記検出部を有し、光学モジュールは入力信号を光ファイバに入力し、入力信号の入力後、検出部の作動によって出力信号を生成して光学モジュールに送り、信号処理モジュールはその出力信号を分析し、物理的パラメータを取得する。そこで、光ファイバ測定ユニットの検出部は回折格子であり、変形アームに湾曲変形が発生した場合、変形アームに結合している検出部は、変形アームが湾曲変形すると共に、格子の間隔が変化する。それによって、格子の間隔の変化による信号の変動を分析すれば、変形アームの変形の具合を検知することができ、傾斜や沈みの状況に関連する物理的パラメータを取得することが可能になる。
【0011】
本発明において、収容体に水平基準線を取り付けることが望ましい。流体の液面が水平基準線に合った場合、変形アームは水平かつ変形前の状態にある。それによって、変形アームが水平かつ変形前の状態にあったときに取得した測定値を、傾斜なし/沈みなしの初期値とする場合、その水平基準線を初期状態を表す参考線として使える。つまり、収容体における流体の液面を水平基準線に合わせることによって、変形アームを水平かつ変形前の初期状態にすることができる。
【0012】
本発明において、収容体の傾斜の度合いで被検体に傾斜や沈みが発生したかどうかを判別するとき、蒸発によって流体の液面が低下して信号の変化につながるので、なるべく蒸発による判別の誤差を無くすために、蒸発効果を抑えられる密封空間に流体を収容することが望ましい。例えば、被検ユニットはさらに収容体を封じて飽和空気の水分を吸収する水分吸収板を備え、流体の蒸発を抑える。
【0013】
本発明において、被検ユニットは、さらに収容体を載せて収容体が被検体に設置されたときに水平度を調整できる調整台を備える。それによって、被検体の表面が均整でない場合でも、調整台で被検ユニットの水平度を調整できる。つまり、均整でない被検体の表面によって収容体を水平に設置できないことを防ぐ。ここで、調整台は設置領域を規定する制限構造を有し、設置領域に固定するように収容体を調整台に設置することによって、収容体の位置ずれを防ぐことが可能である。
【0014】
本発明において、信号処理モジュールは前記取得した物理的パラメータを無線または有線の送信手段で受信側に送る。また、即時警報として、前記物理的パラメータが予め設定された限界値を超えた場合、信号処理モジュールは警告メッセージを受信側に送り、例えば、SMS、メールや音声メッセージなどの手段で、監視にあたる人員に知らせる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の検出システムは簡単な構造、低コスト、簡単な施工、メンテナンスのしやすさ、長い製品寿命や電磁妨害を受けにくいことなどの長所を持ち、環境や建造物などの安全性に関する情報を監視することに適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施例において検出システムを示す斜視図。
【
図2】本発明の実施例において検出システムで傾斜の状況を検出することを示す模式図。
【
図3】本発明の実施例において検出方法を表すフローチャート。
【
図4】本発明のもう一つの実施例において、検出システムを示す斜視図。
【
図5】本発明のもう一つの実施例において、検出システムで沈みの状況を検出することを示す模式図。
【
図6】本発明の実施例において被検ユニットのもう一つの形態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、具体的な実施例に基づいて本発明の実施形態を説明する。当業者はこの明細書の記載によって本発明のメリットと効果を理解することができる。以下の図面は簡略化した図面であり、部材の数量と、形状と、サイズとは必要に応じて種々変更することができ、実際の構造は図面より複雑な場合もある。また、複数の実施例を組合せ、必要に応じて種々変更することができる。この明細書の詳細内容についても、様々な観点や応用などに基づいて、本発明の原理を背けないことを前提として、種々変更することができる。
【0018】
図1を参照する。
図1は本発明の実施例において検出システム100を示す斜視図である。
図1に示すように、検出システム100は被検ユニット10と光ファイバ測定ユニット20を有する。被検ユニット10は収容体11、変形アーム13と浮体15を有する。光ファイバ測定ユニット20は光ファイバ21、光学モジュール23と信号処理モジュール25を備える。
【0019】
収容体11は流体Wを収納する収容空間111を規定する。変形アーム13は収容体11の側壁113から収容空間111に延在し、長手方向の両端は固定端131と自由端133である。そのうち、固定端131は収容体11の側壁113に固定され、自由端133は収容空間111に延在して浮体15に接続される。そこで、変形アーム13は長手方向に湾曲可能な弾力性を持つため、浮体15は流体Wの上昇または低下と共に移動し、変形アーム13を長手方向に湾曲変形させる。詳しく言うと、収容体11に水平基準線Lが取り付けられ、流体Wの液面が水平基準線Lに合った場合、浮体15の一部が流体Wの液面下に浸り、浮体15にかかる浮力が浮体15の重量に等しいため、変形アーム13は水平かつ変形前の状態にある。しかし、流体Wの液面が上昇して浮体15にかかる浮力が増加した場合、浮体15は液面が上がるにつれて浮力で上に移動し、変形アーム13を上に向けて湾曲変形させる。一方、流体Wの液面が低下して浮体15にかかる浮力が減少した場合、浮体15は液面が下がるにつれて下に移動し、浮体15の重量で変形アーム13を下に向けて湾曲変形させる。
【0020】
そこで、変形アーム13の湾曲変形を検出するため、光ファイバ21が変形アーム13に対応した位置に検出部211が設けられている。検出部211は変形アーム13に結合していて、変形アーム13の長手方向に固定端131と自由端133の間に延設される。そこで、光ファイバ21は光学モジュール23と接続され、信号処理モジュール25は光学モジュール23と接続される。それによって、光学モジュール23は入力信号を光ファイバ21に入力することができ、入力信号の入力後、検出部211の作動によって出力信号を生成して光学モジュール23に送り、信号処理モジュール25で出力信号を分析する。
【0021】
詳しく言うと、上記の本発明の実施例において、検出部211に回折格子が形成されている。変形アーム13に湾曲変形が発生した場合、変形アーム13に結合している検出部211も湾曲変形し、格子の間隔を変化させるので、光信号の波長が変化する。それで、出力信号の波長の変化をモニターすると、変形アーム13の変形の具合がわかる。
【0022】
さらに、
図2に示すように、本実施例において被検ユニット10は、収容体11を封じて収容空間111を密封空間にし、蒸発による液面の変化を抑える水分吸収板17を備える。詳しく言うと、本実施例に使われている水分吸収板17はカバー171とコットン層173を有し、カバー171は収容体11を密封し、コットン層173はカバー171の裏側に固定され、飽和空気の水分を吸収し、流体の蒸発を抑える。
【0023】
よって、本実施例にかかる検出システム100は、被検体(例えば、橋、建築物、道路等)が傾斜や沈みの状態にあるかを検知することに利用できる。なお、
図3は本発明の実施例において検出方法を表すフローチャートである。
【0024】
ステップS1:収容体11を被検体Gに設置する。収容体11は収容空間111で流体Wを収容している。ここで、収容体11は水平に被検体Gに設置されており、流体W(例えば、水又は他の液体)の液面は水平基準線Lに合っている。そのとき、浮体15にかかる浮力は浮体15の重量に等しい。変形アーム13は初期状態として(
図1に示すように)水平かつ変形前の状態にある。
【0025】
ステップS2:光ファイバ測定ユニット20を駆動し、入力信号を検出部211に送る。検出部211の作動によって出力信号を生成する。被検体Gの表面に傾斜や沈みが発生した場合、浮体15にかかる浮力はそれによって変化し、出力信号を変化させる。
図2に示された傾斜状態を示す模式図に基づいて説明する。被検体Gの表面が左に傾いた場合、収容体11は被検体Gと共に左に傾き、流体Wは液面の水平を維持するよう、左側に移動する。それによって浮体15にかかる浮力が増加するので、浮体15は上に移動し、変形アーム13を上に湾曲変形させる。そのとき、変形アーム13に結合している検出部211(
図2に示されていないので
図1に参照する)も変形アーム13と共に湾曲変形する。それによって回折格子の間隔が変化するので、光学モジュール23(
図2に示されていないので
図1に参照する)で受信する反射光の信号(即ち、出力信号)は変化する。
【0026】
ステップS3:出力信号を解析し、傾斜や沈みの状況に関する物理的パラメータを取得する。詳しく言うと、変形アーム13は傾斜や沈みの度合によって湾曲変形し、取得された出力信号と傾斜や沈みの程度に関連性があるので、初期状態に対応した測定値を傾斜や沈みの状況を判別する基準とした上で、信号処理モジュール25(
図2に示されていないので
図1に参照する)で出力信号を傾斜角度や沈みの深さに変換することによって、被検体Gの表面の傾斜/沈みの程度を知ることができる。
【0027】
図4を参照する。
図4は本発明のもう一つの実施例において検出システム200を示す斜視図である。検出システム100との相違点として、この実施例において検出システム200は複数の被検ユニット10を有し、被検ユニット10の間に収容体11、12の収容空間111、121を連通する連通チューブ30が設置されている。収容空間111、121において流体Wは連通管の原理によって同じ高さを維持できる。また、光ファイバ測定ユニット20の光ファイバ21には、変形アーム13、14に結合している複数の検出部211、212が設けられている。ここで、この実施例においては2つの被検ユニット10と1つの連通チューブ30の組み合わせを一例として説明する。
図4に示すように、被検体Gの2つの表面A、Bが同じ水平面(高さ)にあった場合、2つの被検ユニット10における流体Wは収容体11、12の水平基準線Lに合っていて、変形アーム13、14は水平かつ変形前の状態にある。
【0028】
次に、
図5に基づいて収容体11、12が垂直方向Vに相対移動するメカニズムを説明する。
図5に示すように、被検面Aが沈んだ場合、被検面Bの上にある収容体12内の流体Wは連通管の原理によって、連通チューブ30を経過し、被検面Aの上にある収容体11に流れ込む。それによって、収容体11、12における流体Wの液面は同じ水平面(高さ)を維持できる。そのとき、収容体11の中にある流体Wの液面は上昇して水平基準線Lを上回る。それと共に浮体15は浮力の増加で上に移動し、変形アーム13を上に湾曲変形させる。一方、収容体12の中にある流体Wの液面は下降して水平基準線Lを下回る。それと共に浮体16は浮力の減少で下に移動し、変形アーム14を下に湾曲変形させる。そのため、変形アーム13、14の湾曲変形によって検出部211、212(
図5に示されていないので
図4に参照する)の回折格子の間隔が変化するので、光学モジュール23(
図5に示されていないので
図4に参照する)で受信する反射光の信号(即ち、出力信号)は変化する。取得された出力信号と収容体11、12の相対移動量に関連性があるので、信号処理モジュール25(
図5に示されていないので
図4に参照する)で出力信号を相対移動量に変換することによって、被検体Gの表面における沈みの状況を検知することができる。
【0029】
実際に実施する際には、被検ユニット10の数量は本実施例に示した数量に限定されず、実際の需要に応じてN個の被検ユニット10と、(N−1)個の連通チューブ30(N≧2)を設置し、それぞれの連通チューブ30の両端をそれぞれの被検ユニット10の収容体11に接続してもよい。
【0030】
さらに、
図6を参照する。初期状態において収容体11を被検体Gに水平に設置できるよう、被検ユニット10はさらに調整台18を備えてもよい。それによって、収容体11内にある流体Wの液面は水平基準線Lに合っていて、変形アーム13は水平かつ変形前の状態にある。詳しく言うと、調整台18は、収容体11の設置面の水平度を調整できる調整部品181を備える。それによって、初期状態として収容体11を水平に調整台18に設置することができ、被検体Gの表面が均整でないことが原因で水平に設置できないことを防げる。この実施例においては、一例として、調整台18の四隅に調整用のネジが設置されている。また、調整台18は制限構造183を備えることが望ましい。制限構造183は収容体11の四辺に対応して設置領域を規定し、設置領域に固定するように収容体11を調整台18に設置することによって、収容体11の位置ずれを防ぐことが可能である。制限構造183の構造は特に制限がなく、収容体11の位置ずれを防げる構造であればよい。例えば、制限構造183として調整台18の表面に凸状の構造または凹溝が形成される。ここで、この実施例においては一例として突出ブロックを制限構造183として説明する。
【0031】
上述のように、本発明の検出システムは簡単な構造、低コスト、簡単な施工、メンテナンスのしやすさ、長い製品寿命や電磁妨害を受けにくいことなどの長所を持ち、環境や建造物などの安全性に関する情報を監視することに適用可能である。
【0032】
上記の実施例は、本発明の実施形態と特徴を説明するための例である。本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その他種々の変更が可能である。特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限り、種々の実施の形態を含むことは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、簡単な構造、低コスト、施工の簡単さ、メンテナンスのしやすさ、長い製品寿命や電磁妨害を受けにくいことなどの長所を持ち、環境や建造物(例えば、建築物、橋、道路等)などの傾斜や沈みの状況を検出することに応用でき、環境や建造物などの安全性に関する情報を監視することに適用可能である。
【符号の説明】
【0034】
100、200 検出システム
10 被検ユニット
11,12 収容体
111、121 収容空間
113 側壁
13,14 変形アーム
131 固定端
133 自由端
15 浮体
17 水分吸収板
171 カバー
173 コットン層
18 調整台
181 調整部品
183 制限構造
20 光ファイバ測定ユニット
21 光ファイバ
211、212 検出部
23 光学モジュール
25 信号処理モジュール
30 連通チューブ
W 流体
L 水平基準線
G 被検体
A,B 被検面
V 垂直方向