【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成26年度 経済産業省「産業技術研究開発(三次元造形技術を核としたものづくり革命プログラム(次世代型産業用3Dプリンタ技術開発及び超精密三次元造形システム技術開発))」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
エネルギー線を射出させることにより加工面上に形成した溶融プールに向けて加工材料を射出させて加工を行なうため、前記エネルギー線が通過する経路を内部に備え、一端から前記エネルギー線を射出する筒状の内側筐体と、前記内側筐体を内包し、前記内側筐体から射出される前記エネルギー線の射出方向に内面が絞られた筒状の外側筐体と、を備えた加工ノズルの制御プログラムであって、
造形条件を入力する入力ステップと、
前記造形条件に応じて、前記内側筐体に対する前記外側筐体の相対位置を、前記エネルギー線の射出方向に沿って変化させることにより、前記内側筐体の外面と前記外側筐体の内面との間隙により形成された前記加工材料の射出口の大きさを変化させるステップと、
前記外側筐体の射出口側端部の内径をd、前記外側筐体の内面の傾斜角をθ、溶融プール径をD、溶融プール径に対する前記加工材料のスポット径の比の値をαとすると、前記加工面から前記外側筐体までの距離hが、以下の式で表わされるように前記外側筐体を移動させ、前記加工材料の吹き出し角を変化させずに溶融プール径を制御するステップと、
h={(d−αD)tanθ}/2
をコンピュータに実行させることを特徴とする加工ノズルの制御プログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記文献に記載の技術では、ノズルから射出した加工材料のスポット位置が固定されているため、例えば細書きから太書きに造形条件を変更しようとした場合、レーザ光の集光領域と加工材料のスポット領域が適切な関係にならない。供給した材料を効率よく造形に利用するには、細書き用、太書き用のノズルを用意しておき、条件切換え時にノズル本体を交換する必要があった。
【0005】
本発明の目的は、上述の課題を解決する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため本発明に係る加工ノズルは、
エネルギー線によって加工面上に形成した溶融プールに向けて加工材料を射出させて加工を行なう加工ノズルであって、
前記エネルギー線が通過する経路を内部に備え、一端から前記エネルギー線を射出する筒状の内側筐体と、
前記内側筐体を内包し、前記内側筐体から射出される前記エネルギー線の射出方向に内面が絞られた筒状の外側筐体と、
前記内側筐体に対する前記外側筐体の相対位置を、前記エネルギー線に沿って変化させるスライド機構と、
を備え、
前記スライド機構は、
外側筐体の射出口側端部の内径をd、外側筐体の内面の傾斜角をθ、溶融プール径をD、溶融プール径に対する
前記加工材料のスポット径の比の値をαとすると、加工面から外側筐体までの距離h
が、以下の式で表わされる
ように前記外側筐体を移動させ、前記加工材料の吹き出し角を変化させずに溶融プール径を制御することを特徴とする加工ノズル。
h={(d−αD)tanθ}/2
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る加工ヘッドは、
上記加工ノズルと、
前記エネルギー線を集束させる集束装置と、
を含む。
上記目的を達成するため、本発明に係る加工装置は、
エネルギー線によって加工面上に形成した溶融プールに向けて加工材料を射出させて加工を行なうため、
前記エネルギー線が通過する経路を内部に備え、一端から前記エネルギー線を射出する筒状の内側筐体と、
前記内側筐体を内包し、前記内側筐体から射出される前記エネルギー線の射出方向に内面が絞られた筒状の外側筐体と、
前記内側筐体に対する前記外側筐体の相対位置を、前記エネルギー線に沿って変化させるスライド機構と、
前記エネルギー線を集束させる集束装置と、
を備えた加工ヘッドと、
前記加工ヘッドに前記加工材料を供給する材料供給部と、
を備え、
前記スライド機構は、
前記外側筐体の射出口側端部の内径をd、前記外側筐体の内面の傾斜角をθ、溶融プール径をD、溶融プール径に対する前記加工材料のスポット径の比の値をαとすると、加工面から外側筐体までの距離hが、以下の式で表わされるように前記外側筐体を移動させ、前記加工材料の吹き出し角を変化させずに溶融プール径を制御することを特徴とする。
h={(d−αD)tanθ}/2
【0008】
上記目的を達成するため本発明に係る
加工方法は、
エネルギー線によって加工面上に形成した溶融プールに向けて加工材料を射出させて加工を行なうため、
前記エネルギー線が通過する経路を内部に備え、一端から前記エネルギー線を射出する筒状の内側筐体と、
前記内側筐体を内包し、前記内側筐体から射出される前記エネルギー線の射出方向に内面が絞られた筒状の外側筐体と、
を備えた加工ノズルを用いる加工方法であって、
前記内側筐体に対する前記外側筐体の相対位置を、前記エネルギー線に沿って変化させることにより、前記内側筐体の外面と前記外側筐体の内面との間隙により形成された前記加工材料の射出口の大きさを変化させ、
前記外側筐体の射出口側端部の内径をd、前記外側筐体の内面の傾斜角をθ、溶融プール径をD、溶融プール径に対する
前記加工材料のスポット径の比の値をαとすると、前記加工面から前記外側筐体までの距離hが、以下の式で表わされるように前記外側筐体を移動させ、前記加工材料の吹き出し角を変化させずに溶融プール径を制御することを特徴とする。
h={(d−αD)tanθ}/2
【0009】
上記目的を達成するため本発明に係る加工ノズルの制御プログラムは、
エネルギー線を射出させることにより加工面上に形成した溶融プールに向けて加工材料を射出させて加工を行なうため、前記エネルギー線が通過する経路を内部に備え、一端から前記エネルギー線を射出する筒状の内側筐体と、前記内側筐体を内包し、前記内側筐体から射出される前記エネルギー線の射出方向に内面が絞られた筒状の外側筐体と、を備えた加工ノズルの制御プログラムであって、
造形条件を入力する入力ステップと、
前記造形条件に応じて、前記内側筐体に対する前記外側筐体の相対位置を、前記エネルギー線の射出方向に沿って変化させることにより、前記内側筐体の外面と前記外側筐体の内面との間隙により形成された前記加工材料の射出口の大きさを変化させるステップと、
前記外側筐体の射出口側端部の内径をd、前記外側筐体の内面の傾斜角をθ、溶融プール径をD、溶融プール径に対する
前記加工材料のスポット径の比の値をαとすると、前記加工面から前記外側筐体までの距離hが、以下の式で表わされる
ように前記外側筐体を移動させ、前記加工材料の吹き出し角を変化させずに溶融プール径を制御するステップと、
h={(d−αD)tanθ}/2
をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、造形条件を変更する場合にも、ノズルを交換する必要なく、材料の利用効率を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態について例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の技術範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0013】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態としての加工ノズル100について、
図1を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係る加工ノズル100の概略断面図である。加工ノズル100は、エネルギー線110により加工面120上に形成した溶融プール121に向けて加工材料130を射出させて加工を行なうためのノズルである。加工ノズル100は、内側筐体101と外側筐体102とスライド機構103とを備える。エネルギー線110の線源としては、ここではレーザ光源を用いることとするが、LED、ハロゲンランプ、キセノンランプを用いることができる。材料の溶融に使うエネルギー線はレーザ光に限るものではなく、加工面で加工材料を溶融することができるものであればどのようなエネルギー線でもよい。例えば電子ビームや、マイクロ波から紫外線領域の電磁波などのエネルギー線であってもよい。
【0014】
内側筐体101は、筒状であって、エネルギー線110が通過する経路を内部に備え、その一端からエネルギー線110を射出する。内側筐体101の外面は内側筐体101から射出されるエネルギー線110の射出方向に絞られている。ただし、必ずしも絞られている必要は無い。
【0015】
外側筐体102も筒状であって、内側筐体101を内包し、内側筐体101から射出されるエネルギー線110の射出方向に内面が絞られている。このような構造にすることで、加工材料130を溶融プール121に向けて射出することができる。
【0016】
スライド機構103は、内側筐体101に対する外側筐体102の相対位置を、エネルギー線110に沿って変化させる。
【0017】
そして、内側筐体101の外面と外側筐体102の内面との間隙が加工材料130の射出口104を形成し、スライド機構103による相対位置の変化に応じて、射出口104の大きさが変化する。
【0018】
図1では、内側筐体101および外側筐体102の下流端が共に円錐筒形状として表わされているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、両方が多角錐筒形状であってもよい。また、内側筐体101が円筒形状で、外側筐体102の下流端のみが円錐筒形状であってもよい。
【0019】
以上の構成によれば、造形条件を変更する場合にも、加工ノズルを交換する必要なく、加工幅に合わせて加工材料の射出領域を変化させることができ、ひいては、加工精度および材料の利用効率を向上させることができる。
【0020】
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態に係る加工ノズルについて、
図2を用いて説明する。
図2は、本実施形態に係る加工ノズル200の内部構成を説明するための概略断面図である。
【0021】
加工ノズル200は、エネルギー線としてのレーザ光210により加工面220上に形成された溶融プール260に向けて加工材料としての粉体230を射出させるためのノズルである。加工ノズル200は、内側筐体201と外側筐体202とスライド機構203とを備える。
【0022】
内側筐体201は、円筒形であって、レーザ光210が通過する経路を内部に備え、その一端からレーザ光210を射出する。外側筐体202も円筒形であって、内側筐体201を内包している。また、内側筐体201および外側筐体202は、それぞれレーザ光210の光軸に向けて絞られた構造となっている。
【0023】
さらに、加工ノズル200は、内側筐体201の外面と外側筐体202の内面との間隙に対して粉体を含むキャリアガスを供給する粉体供給部250を備えている。内側筐体201の外面と外側筐体202の内面上端との間には、例えばOリングなどのシール部材221が設けられ、キャリアガスの漏洩を防いでいる。
【0024】
内側筐体201の下流端の外面と外側筐体202の下流端の内面とは、コーン(円錐)形状であり、そのリング状の間隙が射出口204となる。
【0025】
外側筐体202は、レーザ光210の光軸方向に沿ってスライド可能に設けられている。スライド機構203は、内側筐体201に対する外側筐体202の相対位置を、レーザ光210の光軸に沿って変化させる。スライド機構203による外側筐体202の位置変化に応じて、射出口204の大きさが変化する。ここで、スライド機構203は、不図示のリニアモータやボールネジを介して外側筐体202を移動させるものとするが、本発明はこれに限定されるものではなく、ラック&ピニオンなど、他の機構を用いてもよい。
【0026】
加工ノズル200に供給された粉体は、外側筐体202の側面に接続された粉体供給部250から、内側筐体201と外側筐体202の隙間空間に供給される。供給された粉体材料は隙間空間内で拡散し、リング状の射出口204から加工面220に向かって射出される。ここで、内側筐体201に対して外側筐体202を光軸方向に沿ってスライドさせると、内側筐体201および外側筐体202の下端部の相対位置がずれ、射出口204の形状が変化することにより粉体の射出状態が変更される。
【0027】
つまり、細書きモードとするためには、内側筐体201に対して外側筐体202を上方向にスライドさせることでリング状の射出口204のスリット幅を狭めることができ、材料のスポット径を小さくすることができる。一方、内側筐体201に対して外側筐体202を下方向にスライドさせることでリング状の射出口204のスリット幅を広げることができ、スポット径を大きくして太書きモードとすることができる。
【0028】
図3は、
図2におけるA−A断面で切断した断面図である。
図3に示すとおり、粉体供給部250は、外側筐体202に対して3個所から均等に粉体を供給するように配置されている。これにより、溶融プール260に対して、等方的に粉体が射出され、高精度加工を実現することができる。
【0029】
図4は、レーザ光210の光線を絞り、
図2の外側筐体202を図中上方にスライドした状態を示す図である。
図2から
図4に外側筐体202をスライドさせることにより、加工面220と外側筐体202との下端面との距離はh
1からh
2へと増加すると共に、射出口204のスリット幅が狭まり、粉体スポット径が小さくなることが分かる。
図5Aにその変化の前後の状態を示す。太書きモードから細書きモードへと遷移し、溶融プール260の幅がD
1からD
2に変化した場合に、それに合わせて粉体スポット径を変化させるため、ノズル高さをh
1からh
2へと変化させる。以下、
図5A、
図5Bを用いて、ノズル高さの算出方法について説明する。
【0030】
図5Aに示すように、外側筐体202の射出口204側端部の内径をd、外側筐体202の内面の傾斜角をθとすると、溶融プール径D
1、D
2と同一の粉体スポット径を実現するモードでは、底辺d、高さHの三角形501を取り出した場合、
図5Bのようにモデル化できる。これにより、加工面220と外側筐体202との距離h
1、h
2は、以下の式で表わされる。
h
1=H−(D
1/2)tanθ
=(d/2)tanθ−(D
1/2)tanθ
={(d−D
1)tanθ}/2
h
2={(d−D
2)tanθ}/2
【0031】
一方、粉体の無駄をより抑えるため、粉体スポット径を溶融プール径D
1、D
2の90%にするモードでは、
h
1={(d−0.9D
1)tanθ}/2
h
2={(d−0.9D
2)tanθ}/2
となる。
【0032】
また、逆に粉体を不足しないように大量に供給して加工速度を高めるため、粉体スポット径を溶融プール径D
1、D
2の120%にするモードでは、
h
1={(d−1.2D
1)tanθ}/2
h
2={(d−1.2D
2)tanθ}/2
となる。
【0033】
例えば、θ=60度、d=10mm、h
1=5mmとすると、h
2=6.825mmにしたときに、粉体スポット径が半分になり、h
1=6mmなら、h
2=7.325mmにしたときに粉体スポット径が半分になる。また、例えば、θ=60度、d=10mm、h
1=4mmとすると、h
3=7.1mmにしたときに、粉体スポット径が3分の1になる。
【0034】
以上の構成によれば、造形条件を変更する場合にも、加工ノズルを交換する必要なく、溶融プール径に合わせて加工材料の射出径および射出量を変化させることができ、ひいては、加工精度および材料の利用効率を向上させることができる。
【0035】
なお、内側筐体の外面および外側筐体の内面に設けられたネジ溝を螺合させることにより、内側筐体201と外側筐体202との相対位置を変化させる構成でもよい。例えば、外側筐体202を固定して内側筐体201を回転させることにより、外側筐体202に対して内側筐体201を、光軸に沿ってスライドさせてもよい。
【0036】
[第3実施形態]
次に本発明の第3実施形態に係る加工ノズルについて、
図6、
図7を用いて説明する。
図6、
図7は、本実施形態に係る加工ノズル600の内部構成を説明するための概略断面図である。本実施形態に係る加工ノズル600は、上記第2実施形態と比べると、内側筐体201をスライドさせるためのスライド機構601を有する点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0037】
図6においては、内側筐体201を下方にスライドさせている。これにより、射出口204を絞って、溶融プール260の径に合わせて粉体スポットを小さくすることができる。
【0038】
一方、
図7では、内側筐体201を上方にスライドさせている。これにより、射出口204の開口面積が大きくなり、射出される粉体の量が多くなるため、溶融プール260の径に合わせて粉体スポットを大きくすることができる。
【0039】
以上の構成によれば、造形条件を変更する場合にも、加工ノズルを交換する必要なく、溶融プール径に合わせて加工材料の射出径および射出量を変化させることができ、ひいては、加工精度および材料の利用効率を向上させることができる。
【0040】
[第4実施形態]
上記実施形態では、内側筐体と外側筐体とのいずれか一方のみをスライド移動させたが、本発明はこれに限定されるものではなく、内側筐体と外側筐体の両方を同時に上下動させてもよい。例えばレーザ出力を上げて加工温度を上昇させる場合、ノズルと加工面間距離を大きく取り、加工点からの熱輻射によるノズルへのダメージを低減することが望まれるからである。
【0041】
図8のように、粉体スポット径を変えることなく、内側筐体と外側筐体の両方を上方に移動させてもよい。この場合、
図5Bと同様に
図9に示すモデルを利用すれば、以下のようにh
3を導くことができる。
h
3 = (d/2)tanθ+(D
3/2)tanθ
=[(d+D
3)/2]tanθ
同じ溶融プール径D
1に対しては、D
1×tanθだけ、ノズル全体を上方にずらせば、粉体スポット径を変えることなく、加工点からの熱輻射によるノズルへのダメージを低減できる。
【0042】
以上、本実施形態によれば、粉体スポット径を維持しつつ、ノズルと加工面間距離を変更することができる。
【0043】
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態としての光加工装置(Optical Machining apparatus)800について、
図10を用いて説明する。光加工装置1000は、上述の実施形態で説明した加工ノズル100、200、600のいずれかを含み、集光した光が生み出す熱で材料を溶融することにより三次元的な造形物(あるいは肉盛溶接)を生成する装置である。ここでは一例として、加工ノズル200を備えた光加工装置1000について説明する。
【0044】
《装置構成》
光加工装置1000は、光源1001、光伝送部1015、ステージ1005、材料収容装置1006、材料供給部1030、加工ヘッド1008および制御部1007を備えている。
【0045】
光源1001としては、ここではレーザ光源を用いることとするが、LED、ハロゲンランプ、キセノンランプを用いることができる。材料の溶融に使うエネルギー線はレーザ光に限るものではなく、加工点で粉体材料を溶融することができるものであればどのようなエネルギー線でもよい。例えば電子ビームや、マイクロ波から紫外線領域の電磁波などのエネルギー線であってもよい。
【0046】
光伝送部1015は、例えばコア径がφ0.01〜1mmの光ファイバであり、光源1001で発生した光を加工ヘッド1008に導く。
【0047】
材料収容装置1006は、加工ヘッド1008に対し、材料供給部1030を介して材料を含むキャリアガスを供給する。例えば、材料は金属粒子、樹脂粒子などの粒子である。キャリアガスは、不活性ガスであり、例えばアルゴンガス、窒素ガス、ヘリウムガス、でよい。
【0048】
材料供給部1030は例えば樹脂あるいは金属のホースであり、キャリアガスに材料を混入させた粉体流を加工ヘッド1008へと導く。ただし、材料が線材の場合は、キャリアガスは不要となる。
【0049】
加工ヘッド1008は、エネルギー線としての光を集束させる集束装置を内部に備え、その集束装置の下流に、加工ノズル200が取り付けられている。加工ヘッド1008に供給されたレーザ光は、内部に設けられたレンズ等からなる光学系を介することで、加工面220において集光するように調整されており、加工ノズル200内部を経て加工面220に照射される。光学系は、レンズ間隔等を制御することで、集光位置を制御可能に設けられている。
【0050】
制御部1007は、細書きまたは太書きなどの造形条件を入力し、入力した造形条件に応じて光源1001からのレーザ光の出力値を変更すると共に、加工ノズル200の外側筐体202をスライドさせる。これにより、加工ノズル200から射出される粉体による粉体スポット径を溶融プール径に合わせて制御する。
【0051】
《装置動作》
次に、光加工装置1000の動作について説明する。造形物1010は、ステージ1005の上で作成される。加工ヘッド1008から射出される射出光は、造形物1010上の加工面220において集光される。加工面220は、集光によって昇温され、溶融され、一部に溶融プールを形成する。
【0052】
材料は加工ノズル200から加工面220の溶融プール260へと射出される。そして、溶融プール260に材料が溶け込む。その後、溶融プール260が冷却され、固化することで加工面220に材料が堆積され、3次元造形が実現する。
【0053】
以上の構成によれば、レーザ光の集光位置を制御しつつ、粉体材料のスポット位置を制御し、溶融領域の大きさに合わせた調整を行うことができる。したがって、加工条件の変更に対応した調整を、都度加工ノズルを交換することなく行うことができるので、溶融領域に効率よく粉体材料を供給できる。
【0054】
[他の実施形態]
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の範疇で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、それぞれの実施形態に含まれる別々の特徴を如何様に組み合わせたシステムまたは装置も、本発明の範疇に含まれる。さらに、本発明は、実施形態の機能を実現する制御プログラムが、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給される場合にも適用可能である。したがって、本発明の機能をコンピュータで実現するために、コンピュータにインストールされるプログラム、あるいはそのプログラムを格納した媒体、そのプログラムをダウンロードさせるWWW(World Wide Web)サーバも、本発明の範疇に含まれる。特に、少なくとも、上述した実施形態に含まれる処理ステップをコンピュータに実行させるプログラムを格納した非一時的コンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)は本発明の範疇に含まれる。