特許第6234555号(P6234555)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6234555
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】冷却システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 3/14 20060101AFI20171113BHJP
   B01D 53/26 20060101ALI20171113BHJP
   F24F 3/044 20060101ALI20171113BHJP
   F24F 13/02 20060101ALI20171113BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20171113BHJP
   G06F 1/20 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
   F24F3/14
   B01D53/26 100
   B01D53/26 220
   F24F3/044
   F24F13/02 D
   H05K7/20 J
   G06F1/20 B
   G06F1/20 D
【請求項の数】15
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2016-514124(P2016-514124)
(86)(22)【出願日】2014年5月16日
(65)【公表番号】特表2016-526142(P2016-526142A)
(43)【公表日】2016年9月1日
(86)【国際出願番号】US2014038384
(87)【国際公開番号】WO2014186703
(87)【国際公開日】20141120
【審査請求日】2015年12月17日
(31)【優先権主張番号】13/895,607
(32)【優先日】2013年5月16日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/895,597
(32)【優先日】2013年5月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507303550
【氏名又は名称】アマゾン・テクノロジーズ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】タウナー,リチャード・チャドウィック
(72)【発明者】
【氏名】エイチェルバーグ,ジョン・ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】クザメラ,マイケル・フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】モラレス,オスヴァルド・ピー
(72)【発明者】
【氏名】ロス,ピーター・ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】バウアリー,ウィリアム・チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】ギロリー,アラン・ドナルド
(72)【発明者】
【氏名】グッドナウ,クリストファー・アロン
【審査官】 田中 一正
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭51−116620(JP,A)
【文献】 特開昭62−066033(JP,A)
【文献】 特開2002−126441(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0000152(US,A1)
【文献】 米国特許第08151578(US,B1)
【文献】 特開2007−255780(JP,A)
【文献】 米国特許第05380243(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 3/14
F24F 3/044
G06F 1/20
H05K 7/20
B01D 53/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥剤を備えた1つまたは複数の除湿装置と、
1つまたは複数の蒸発冷却装置と、
1つまたは複数の空気移送装置と、
1つまたは複数の空気流制御装置と、を備え、
さらに、少なくとも1つの前記除湿装置の上流にダクトのくびれ部を備える、電気システムから熱を除去するシステムであって、
少なくとも1つの前記空気移送装置は、少なくとも1つの前記除湿装置と、1つまたは複数の前記蒸発冷却装置と、1つまたは複数の前記電気システムを介して空気を移送するように構成され、
少なくとも1つの前記空気流制御装置は、少なくとも1つの前記除湿装置を介して流速を制御するように構成され
少なくとも1つの前記空気移送装置は、空気中の水分の少なくとも一部が水蒸気から水滴に変換されるように前記ダクトの前記くびれ部を介して空気を移送するように構成されている、
前記電気システムから熱を除去するシステム。
【請求項2】
少なくとも1つの前記除湿装置は、デシカント・ホイールを備える請求項1に記載の前記システム。
【請求項3】
少なくとも1つの前記空気流制御装置は、1つまたは複数の組みのダンパを備え、少なくとも1つの前記空気流制御装置が、前記除湿装置を介する空気流の速度を変化させるために、少なくとも1つの前記ダンパの開閉をするように構成されている請求項1に記載の前記システム。
【請求項4】
少なくとも1つの前記除湿装置をバイパスするように構成可能な1つまたは複数のダクトを更に備える請求項1に記載の前記システム。
【請求項5】
少なくとも1つの前記空気流制御装置は、制御器を備え、前記制御器は少なくとも1つの前記除湿装置を介する空気の流速を制御するように構成されている請求項1に記載の前記システム。
【請求項6】
更に、前記制御システムに連結された1つまたは複数の温度センサを備え、前記制御システムは、少なくとも1つの前記温度センサからの情報に少なくとも部分的に基づき、前記ダクトの空気流を制御するように構成されている請求項5に記載の前記システム。
【請求項7】
更に、前記制御システムに連結された1つまたは複数の湿度センサを備え、前記制御システムは、少なくとも1つの前記湿度センサからの情報に少なくとも部分的に基づき、前記ダクトの空気流を制御するように構成されている請求項5に記載の前記システム。
【請求項8】
更に、混合プレナムを備え、前記システムは、外気と少なくとも1つの前記除湿装置によって調整された空気を混合するように構成されている請求項1に記載の前記システム。
【請求項9】
前記1つまたは複数の除湿装置は2つ以上のデシカント・ホイールを備え、少なくとも2つ以上の前記デシカント・ホイールの各々は異なった空気流の空気を除湿するように構成されている請求項1に記載の前記システム。
【請求項10】
前記電気装置が前記データセンタにあり、前記システムは前記データセンタの前記電気装置からの加熱空気を少なくとも1つの前記デシカント・ホイールを介して移送するように構成され、前記加熱空気は前記デシカント・ホイールの再活性化を促進する請求項1に記載の前記システム。
【請求項11】
空気を加熱するように構成されたソーラ加熱装置を更に備え、前記システムは前記デシカント・ホイールの再活性化を促進するために、前記ソーラ加熱装置によって加熱された前記空気の少なくとも一部を少なくとも1つの前記デシカント・ホイールを介して移送するように構成される請求項1に記載の前記システム。
【請求項12】
前記電気システムによって加熱された第1空気流から第2空気流の熱に変換するように構成された熱交換器を更に備え、前記システムは前記デシカント・ホイールの再活性化を促進するために、前記第2空気流からの前記空気の少なくとも一部を少なくとも1つの前記デシカント・ホイールを介して移送するように構成されている請求項1に記載の前記システム。
【請求項13】
1つまたは複数の空気流の流速を制御することと、
前記空気から水蒸気を除去するために、
少なくとも1つの前記空気流の少なくとも一部を、くびれ部に通すことで飽和水蒸気の一部を水滴に変換させた後に乾燥剤を通して移送することと、
湿った媒体を介して前記空気流の少なくとも一部を移送することと、
前記湿った媒体からの前記空気の少なくとも一部を使用して1つまたは複数の電気システムからの熱を除去することと、
を含む、電気システムからの熱を除去する方法。
【請求項14】
建物の部屋に連結されるダクトであって、前記ダクトが1つまたは複数のくびれ部を備える、前記ダクトと、
1つまたは複数の空気移送装置と、を備え、
前記空気移送装置の少なくとも1つは、空気中の水分の少なくとも一部が水蒸気から水滴に変換されるように、空気を前記ダクトの少なくとも1つの前記くびれ部の少なくとも1つを介して移送するように構成され、
前記水滴の少なくとも一部分は空気と水とを含む2相混合物により少なくとも1つの前記くびれ部から前記部屋に向かう下流に運ばれるように構成されるシステム。
【請求項15】
前記1つまたは複数の除湿装置は、1つまたは複数のデシカント・ホイールを含み、
前記1つまたは複数の蒸発冷却装置は、前記デシカント・ホイールの少なくとも1つより下流にあり、
前記1つまたは複数の蒸発冷却装置は、前記空気流を冷却するために前記1つまたは複数の蒸発冷却装置内を流れる空気流に液体を蒸散させるように構成され、
前記1つまたは複数の蒸発冷却装置内を流れる空気流の少なくとも一部分が、前記1つまたは複数の蒸発冷却装置の上流に位置する前記デシカント・ホイールの少なくとも1つの中を流れ、
前記1つまたは複数の蒸発冷却装置内を流れる空気流の少なくとも前記一部分以外の部分が、前記1つまたは複数の蒸発冷却装置の上流に位置する前記デシカント・ホイールの少なくとも1つをバイパスする請求項1に記載の前記システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
電子部品は、使用の時に、廃熱エネルギーを発生する。この熱エネルギーは、コンポーネントが過熱し、誤動作となる可能性を緩和するため、除去されるべきである。一般にコンピュータシステムは、印刷回路基板、大容量記憶装置、電源及びプロセッサを含むが、これらに限らない、多くのそのようなコンポーネント、すなわち廃熱源を有している。例えば、1つのパーソナル・コンピュータ・システムが100ワットから150ワットの廃熱を発生することもあり、複数のプロセッサを持つより大きいコンピュータの中には、250ワットの廃熱を発生するものもある。既知のコンピュータシステムには、ラック搭載コンポーネントとされる、より大きい複数のプロセッサ・コンピュータを複数有し、ラッキング・システム内に設置されるものもある。既知のラッキング・システムでは、そのようなラック搭載コンポーネントを40も有するものもあり、従って、そのようなラッキング・システムは、10キロワット程度の廃熱を発生することになる。更に、既知のデータセンタには、そのようなラッキング・システムを複数有しているものもある。
【0002】
更に、既知のデータセンタには、複数のラッキング・システムから廃熱の除去を容易にするように構成された方法と装置を含んだものもある。更に、既知のデータセンタには、コンポーネント密度と使用に関して均一ではない複数の構成を含んだ複数のラッキング・システムを有し、各ラッキング・システムが残りのラッキング・システムに比べて均一ではない速度で廃熱を生ずるものもある。そのようなデータセンタにおいては、均一な熱除去方法と装置を均一ではない廃熱発生源に適用しても、廃熱除去において必ずしも十分に効率的で効果的であるとは限らない。
【0003】
データセンタには、重要な冷却空気として、外気を利用するものもある。しかし、外気の特徴および品質は、所与の場所でさえ広く変わることもあり得る。季節の変化によって起こる温度や湿度の顕著な変化は別として、外気の環境品質は、無数の外部の要因のため変わることもある。入手可能性、冷却能力及び外気の品質の時間的変化は、データセンタの効果的な規模や空気冷却システムの運用において難しい課題を生じる。例えば、1年のより涼しい、より乾燥している期間で規模が決められる機械的冷却システムは、暑く、湿気が多い天候に適正な冷却を提供することができないこともある。逆に言えば、暑く、湿気が多い夏の数ヶ月間に効果的な冷却を提供するために規模が決定される機械的冷却システムは、1年の内のより涼しく、より乾燥している時期には、著しく過大な規模のシステムとなり得る。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】空気と水滴の2相混合物が形成されるベンチュリ・セクションを含むデータセンタの一実施形態を図示するものである。
図2】ベンチュリ・セクションと空気及び霧の2相混合物を帰還空気と混ぜるバイパスダクトを含むデータセンタの一実施形態を図示するものである。
図3】ベンチュリ・セクションと空気及び水滴の2相混合物を乾燥するように作動し得るデシカント・ホイールを含むデータセンタの一実施形態を図示するものである。
図4】デシカント・ホイールの一実施形態を図示するものである。
図5】デシカント・ホイールとデシカント・バイパス・ダクトの空気の流れを制御するダンパを備えたデシカント・ホイールを有するデータセンタの一実施形態を図示するものである。
図6】デシカント・ホイールに対する空気の流れを制御するダンパを備えた複数のデシカント・ホイールを有するデータセンタの一実施形態を図示するものである。
図7】データセンタの電気負荷からの熱を乾燥剤再活性化ループに転換する熱交換器を有するデータセンタの一実施形態を図示するものである。
図8】乾燥剤の再活性化を促進するソーラ熱システムを有するデータセンタの一実施形態を図示するものである。
図9】乾燥剤を再活性化するために逆流配列を備えたデシカント・ホイールを有する建物の一実施形態を図示するものである。
図10】空気と水滴の2相混合物を使用するデータセンタの電気システムの冷却の一実施形態を図示するものである。
図11】デシカント・ホイールに対して制御された空気流を備えたデータセンタの電気システムの冷却の一実施形態を図示するものである。
図12】上部と下部の蒸発媒体バンクを有する蒸発冷却システムの一実施形態を図示する流体概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
この明細書で記述されるいろいろな実施形態は、さまざまな修正や変形態様が可能である。特定の実施形態が、図面に例示され、本明細書で詳細に説明される。しかし、図面やそれに対する詳細な記述は、本開示を特定の開示された形態に限定することを意図するものではなく、反対に、添付の特許請求の範囲の趣旨と範囲内にある全ての修正、均等及び代替を包摂することを意図している。本明細書の見出しは、体系的な目的でのみ使用され、記述または特許請求の範囲を限定するために使用されることを意図していない。本出願のいたるところで使用されている通り、「してもよい」は、強制的な感覚(つまり、しなければならない)というよりは、むしろ許容の感覚(つまり、可能性があるという意味である)で使用されている。同様に、「含む」、「含んでいる」及び「含む」(三人称単数)という用語は、含むが、それに限定されないことを意味する。
【0006】
データセンタにおける冷却電気装置のためのシステムと方法のさまざまな実施形態が開示される。一実施形態によれば、建物の熱発生コンポーネントを冷却するシステムは、建物の部屋に連結されたダクトと1つまたは複数の空気移送装置を含んでいる。ダクトは、ベンチュリ・セクションを含んでいる。空気移送装置は、空気中の水分の少なくとも一部が水蒸気から水滴に変換されるように、ダクトのベンチュリ・セクションを介して空気を移送する。水滴は、ベンチュリ・セクションから下流に、空気と水とを含む2相混合物により運ばれる。
【0007】
一実施形態によれば、建物の熱発生コンポーネントを冷却するシステムは、建物の部屋に連結されたダクトと1つまたは複数の空気移送装置を含んでいる。ダクトは、くびれ部を含んでいる。空気移送装置は、空気中の水分が水蒸気から水滴に変換されるように、ダクトのくびれ部を介して空気を移送する。水滴は、くびれ部から下流に、空気と水とを含む2相混合物により運ばれる。
【0008】
一実施形態によれば、建物の電気システムから熱を除去する方法は、空気中の水分の少なくとも一部が水蒸気から水滴に変換されるように、ダクトのくびれ部を介して空気を移送する。2相混合物の空気と水滴が移送される。電気装置は2相混合物を使用して冷却される。
【0009】
一実施形態によれば、データセンタは、電気装置と冷却システムと方法を含んでいる。冷却システムは、デシカント・ホイール、デシカント・ホイールより下流の蒸発冷却装置、空気移送装置及び空気流制御装置を備えている。空気移送装置は、デシカント・ホイール、蒸発冷却装置を介し、電気装置の熱発生コンポーネントを横切って、空気を移送する。空気流制御装置は、少なくとも1つのデシカント・ホイールを介して、流れを制御する。
【0010】
一実施形態によれば、電気システムからの熱を除去するシステムは、デシカント、蒸発冷却装置及び空気移送装置を備えた除湿装置と空気流制御装置を含んでいる。空気移送装置は、除湿装置、蒸発冷却装置、及び電気システムを介して、空気を移送する。空気流制御装置は、除湿装置を介する流れの速度を制御する。
【0011】
一実施形態によれば、電気システムからの熱を除去する方法は、1つまたは複数の空気流の速度を制御することを含んでいる。空気流は、空気から水蒸気を除去するために、デシカントを横切って通過される。空気流は、湿気のある媒体を介して移送される。熱は湿気のある媒体からの空気を使用して電気システムから除去される。
【0012】
この明細書で使用される「データセンタ」は、コンピュータ・オペレーションが実行される任意の設備または設備の一部を含むものである。データセンタは、サーバ、他のシステム及び特定の機能(例えば、イーコマース、データベースマネジメント)または多機能提供に特化したコンポーネントを含んでもよい。コンピュータ・オペレーションの実施例は、情報処理、通信及び作動制御を含んでいる。
【0013】
この明細書で使用される「機械的冷却」とは、蒸気圧縮冷却システムで生じるような、少なくとも1流体について機械的な作用をすることに関係するプロセスによる空気の冷却を言う。
【0014】
この明細書で使用される「蒸発冷却」とは、液体の蒸発によって空気を冷却することを言う。
【0015】
この明細書で使用される「直接蒸発冷却」とは、冷却される空気流への液体の直接的な蒸発によって空気を冷却することを言う。
【0016】
この明細書で使用される「断熱システム」とは、液体の蒸発によって冷却するシステムを言う。
【0017】
この明細書で使用される「周囲の」とは、システムまたはデータセンタがある場所の外気の状況を言う。周囲温度は、例えば、空気処理システムの摂取フードの場所又はその近辺で計測され得る。
【0018】
この明細書で使用される「計算装置」とは、計算オペレーションが実行されるシコンピュータシステムまたはそのコンポーネントなどの任意のさまざまな装置を言う。計算装置の一実施例は、ラック搭載サーバである。この明細書で使用される計算装置は、この技術分野でコンピュータと言われる集積回路に限らず、広くプロセッサ、サーバ、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)、特定用途集積回路及びその他のプログラマブル回路を指し、本明細書ではこれらの用語は互換可能に使用される。いくつかの例示的な計算装置には、イーコマース・サーバ、ネットワーク装置、通信機器、医療機器、電力管理制御装置及び業務用オーディオ機器(デジタル、アナログまたはその組み合わせ)が含まれる。さまざまな実施形態において、メモリはランダム・アクセス・メモリ(RAM)などのコンピュータリーダブル媒体を含むが、これに限らないものであってよい。代替えとして、コンパクトディスク―リード・オンリ・メモリ(CD−ROM)、磁気光学ディスク(MOD)及び/またはデジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)もまた使用し得る。また、追加的入力チャンネルは、マウスやキーボードなどのオペレータインタフェイスに関連するコンピュータ周辺装置を含んでいる。代替として、例えば、スキャナを含み得るその他のコンピュータ周辺装置も使用され得る。更に、このいくつかの実施形態において、追加的出力チャンネルは、オペレータ・インタフェイス・モニタ及び/またはプリンタを含んでもよい。
【0019】
この明細書で使用される「ダンパ」とは、ダクトまたはその他の経路を介して流体の流れを制御(例えば、増加または減少)するために移動され得る任意の装置またはコンポーネントを含んでいる。ダンパの実施例は、プレート、ブレード、パネルまたはディスクもしくはそれらの任意の組み合わせを含んでいる。例えば、ダンパは、ダクトの近くで同時に回転され得る、互いに平行な一連のプレートを含んでもよい。この明細書で使用されるダンパを「位置決めする」とは、開く、閉じるまたは部分的に開くなど、ダンパを介して所望の流れ特性を達成するために、1つまたは複数のダンパ素子を配置するまたは置いておくことを言う。4つの空気処理サブシステムを有するシステムにおいて、外気ダンパを位置決めすることは、当該サブシステムの1つにおける外気ダンパを開き、その他の3つのサブシステムにおいて外気ダンパを閉じたままにすることである。
【0020】
この明細書で使用される「フリー冷却モード」は、空気処理サブシステムが外部発生源(設備外の空気など)から少なくとも部分的に空気を引き込み、空気処理サブシステムが空気を積極的に冷たくしないで電気機器に吹きかける(例えば、空気処理サブシステムの冷気コイルを介した流体の流れが、流動制御弁を閉じることによって遮断される)作動モードを含んでいる。
【0021】
この明細書で使用される「部屋」とは、建物の部屋または空間のことである。「コンピュータ部屋」とは、ラック搭載サーバなどのコンピュータシステムが作動されている部屋を言う。
【0022】
実施形態には、冷却システムが除湿システムを含んでいるものもある。所定の実施形態では、除湿システムが蒸発冷却システムなどの冷却システムの他の装置より上流に設置されている。除湿システムはデータ部屋及び/または空気処理サブシステムの冷却装置に、例えば、外気と比べて比較的乾燥している空気を供給し得る。
【0023】
実施形態によっては、水蒸気が水滴に変換されるくびれ部を備えたダクトを有するシステムもある。水滴は下流に、空気と水の2相混合物により運ばれる。水滴の少なくとも一部は、その混合物から除去される。
【0024】
実施形態には、建物の熱発生コンポーネントを冷却するシステムが、空気中の水蒸気を水滴(例えば、霧)に変換するベンチュリ・セクションを有するダクトを含んでいるものもある。水滴は、ベンチュリ・セクションから下流に、空気と水の2相混合物により運ばれる。水滴は、当該混合物から除去され得る。
【0025】
図1は、除湿システムと直接蒸発冷却セクションを備えたデータセンタ冷却システムの一実施形態の概略図である。冷却システム100は、データセンタ102で動作するコンピュータシステムから熱を除去し得る。冷却システム100は、図1の実施形態において、冷却システム100は、空気処理サブシステム104を含んでいる。空気処理サブシステム104は、冷却空気をデータセンタ102に向け得る。
【0026】
冷却システム100の空気処理サブシステム104の数は、変えてもよい。一実施形態では、冷却システム100は多くの空気処理サブシステム104を含み得る。一実施形態では、冷却システム100は4つの空気処理サブシステム104を含み得る。別の実施形態では、冷却システム100は1つのみ空気処理サブシステム104を含んでいる。多数の空気処理サブシステム及び/または多数のデータセンタを有する設備では、空気処理サブシステムからの冷却空気がデータセンタ内またはデータセンタ間で分配及び/または再配向されるように、クロス・オーバ・ダクトが設けられる(例えば、供給側、帰還側または両方で)。空気処理サブシステムは、共通に、分離して又はその組み合わせで、制御されてもよい。所定の実施形態では、データセンタ用統合空気処理サブシステムの一部のみが外気ベントを有している。例えば、データセンタの空気処理システムの半分が外気ベントベントと帰還空気ベントとの両方を有し、その一方でデータセンタの空気処理システムの別の半分が帰還空気ベントのみを有してもよい。
【0027】
各空気処理サブシステム104が、供給ダクト108と帰還ダクト110によってデータセンタ102と連結され得る。冷却空気は、空気処理サブシステム104から供給ダクト108を介してプレナム112に流入することができる。プレナム112から、冷却空気は流動制限装置114を介して部屋116に通過することができる。冷却空気は、ラック118を通過することができる。空気がラック118によって暖められた後、空気は帰還ダクト110を通過することができる。空気は1つまたは複数の空気処理サブシステムを再循環されるか、または当該システムから排気ベント120を介して排出される。排気ベント120は、排気ダンパ122を含んでいる。
【0028】
空気冷却システム100の空気は、外気、再循環空気または外気と再循環空気を組み合わせから取り込まれ得る。空気処理サブシステム104は、外気ベント124を備えている。外気ベント124は、外気ダンパ126を備えている。空気処理サブシステム104は、混合空気ダンパ130を備えている。
【0029】
冷却システム100は、除湿システム132、蒸発冷却器136、供給ファン138及び帰還ファン144を備えている。冷却システム100は、バイパスダクト140を備えている。バイパスダクト140は、供給空気の全てまたは一部を蒸発冷却器136にバイパスすることができる。蒸発冷却器バイパスダンパ141と蒸発冷却器フェイスダンパ142は、蒸発冷却器136を介する流動を制御するため選択的に位置決めされ得る。冷却システム100は、帰還空気バイパス151と帰還空気バイパスダンパ152を有している。供給ファン138と帰還ファン144は、VFD146に連結されている。VFD146は、制御ユニット150に連結されている。
【0030】
除湿システム132は、ダクト170、インピンジメント・プレート・システム172及びバイパスシステム173を有している。ダクト170は、ベンチュリ・セクション174を備えている。ベンチュリ・セクションは、ベンチュリ・ノズルの形態であり得る。ベンチュリ・セクション174は、ダクトの断面積が減少されているくびれ部を有している。ベンチュリ・セクション174は、収束セクション176、狭いセクション178、拡大セクション180を有している。ベンチュリ・セクション174は、二次元のベンチュリ形または三次元のベンチュリ形であってもよい。
【0031】
外気、帰還空気または両方の組み合わせは、源泉空気として提供され得る。源泉空気は、ベンチュリ・セクション174を介して、供給ファン138によって吸い込まれ得る。ベンチュリ・セクション174に入る空気の速度及びプレッシャーと比較して、狭いセクション178では、空気速度が増大し、圧力が減少する。狭いセクション178において、またはその近くでは、空気中の水蒸気の一部が、飽和状態から脱することができ、水滴が空気中に形成される。空気と霧の多相混合物が形成される。所定の実施形態において、狭いセクション178の温度は低下することもある。
【0032】
インピンジメント・プレート・システム172は、プレート182、排出パン184及び排出パイプ186を有している。供給ファン138は、ベンチュリ・セクション174から、インピンジメント・プレート・システム172を横切って、空気を引き込む。インピンジメント・プレート・システム172は、水分除去装置として資することができる。ベンチュリ・セクション174から空気と水滴の混合物がプレート182を横切って流れるので、水はプレート182上に蓄積する(例えば、凝縮物という形で)ことができる。プレート上の水がプレート182から落下し、排出パン184に集まることができる。排出パン184に集まった水は、空気処理サブシステム104から排出パイプ186に運び去られ得る。
【0033】
供給ファン138は、蒸発冷却器136を介して凝縮プレートシステム172を通過した空気を移動する。源泉空気の水分は除去されたものもあるので、蒸発冷却器136に供給された空気は比較的乾燥していることもある。蒸発冷却器136に、比較的乾燥している空気を提供することは、冷却システムの有効性を増大できる。
【0034】
バイパスシステム173は、ダクトとベンチュリ・セクション174と、インピンジメント・プレート・システム172のいずれかまたは両方のバイパスを許容するダンパセットを備えている。
【0035】
図1において、インピンジメント・プレート・システム172が、くびれ部178の下流であるとして、例示目的で示されている。実施形態の中には、水分除去装置が、ダクトのくびれ部とは別の位置に置かれているものもある。例えば、水を集めるためのインピンジメント・プレートは、ダクトの最も狭いセクション(例えば狭いセクション178)またはダクトの拡大部分(例えば、拡大セクション180)に置かれ得る。実施形態には、空気と霧の2相混合物から霧の除去を最適化するために、水分除去装置がダクトに置かれるものもある。
【0036】
図1に図示された冷却システム100において、除湿システム132が、外気、再循環空気または外気と再循環空気の組み合わせから、空気の除湿をするために、冷却システム100の作動モードに従って使用される。
【0037】
制御装置150は、空気処理サブシステム102と除湿システム132の制御装置を制御するようにプログラムされる。制御装置150は、供給ファン138、帰還ファン144、外気ダンパ126、排気ダンパ122及び混合空気ダンパ130に連結される。制御装置150は、温度センサ、湿度センサ及び圧力センサとデータ通信をする。例えば、制御装置150は、冷却システム100の摂取フードの近くに置かれた温度センサ190とデータ通信をする。一実施形態では、制御装置150は、除湿システム132の下流にあるセンサ192とデータ通信する。
【0038】
一実施形態においては、全てのデータセンタの空気処理サブシステムと除湿システムは、共通の制御装置によって制御される。他の実施形態においては、別個の制御器が個々の空気処理サブシステム及び除湿サブシステムのために設けられ、または空気処理サブシステム及び/または除湿サブシステムのサブセットのために設けられる。空気処理サブシステム及び除湿サブシステムにおける装置は自動、手動またはその組み合わせで制御され得る。
【0039】
所定の実施形態においては、制御装置150は少なくとも1つのプログラム化可能なロジックコントローラを有している。とりわけ、PLCは、普及している作動条件に必要となる、データセンタ102を介する空気流のチャンネルを作るために、オペレータからのコマンド信号に基づき、空気処理システム104のダンパを開閉することができる。代わりに、PLCは、気流を調整する完全に開いた位置と完全に閉じられた位置の間でダンパを調整できる。
【0040】
冷却システム100は、一実施形態では、熱電対である複数の温度測定装置含んでいる。代替として、温度測定装置は、抵抗温度検出器(RTD)及び本明細書で記述している冷却システム100の作動を促進する任意の装置を含むが、これらに限らないものである。
【0041】
図1に示された実施形態において、空気処理サブシステム104は、供給ダクト108を介して空気をプレナム112に流し込むことができる。他の実施形態において、プレナムを通ることなく、冷却空気を供給ダクトを介して部屋116に直接流し込むことができる。さまざまな実施形態において、流速と部屋116のラック118の間の空気の分布を制御するために、流動制限装置114を選択することができる。
【0042】
さまざまな実施形態において、冷却システムの1つまたは複数の空気処理サブシステム、除湿システム、または蒸発冷却装置の作動が、1つまたは複数の条件に応答して制御される。例えば、温度や湿度など、1つまたは複数の所定の条件が満たされているときには、制御器が空気処理サブシステムの空気源を帰還空気から外気に切り替えるようにプログラムされ得る。
【0043】
さまざまな実施形態において、データセンタの冷却システムは2つ以上の違ったモードで作動される。所与の時間の作動モードは、外気特性、冷却システムのいろいろな位置での空気特性及びデータセンタまたはその近くで優勢な他の特性に基づいて選ぶことができる。さまざまな実施形態において、マルチモード冷却システムは、データセンタを冷却するために必要なエネルギーの量を最小化できる。マルチモードシステムは、冷却空気システムのコンポーネントをより効率的な使用のために、システムの1つまたは複数の要素のサイズ/能力を減少し、冷却システムの運用費を減少し及び/または冷却有効性を(データセンタのコンピュータシステムをより低い作動温度などを通じて)改善する。
【0044】
実施形態によっては、データセンタの冷却が、源泉空気(外気など)の前除湿を含むものもある。一実施形態では、外気温度及び/または除湿システムの上流の温度が監視され、除湿コイルの流体は、測定された気温より数度涼しく維持される。夏の数ヶ月間に南部フロリダで見受けられるように、外気は比較的暑く、湿気がある空気であることもある。除湿システムを出口とする空気は、比較的暑く乾燥している。一実施態様では、冷却モードは、蒸発冷却であってもよい。実施態様の中には、冷却モードが、機械的冷却と蒸発冷却を含むハイブリッドモードとするものもある。所定の実施態様では、除湿システムの作動パラメータが、冷却装置に対して供給空気が所望の特性を達成するように制御される。一実施形態では、除湿システムのコイルの水が外気及び/または除湿システムの到来空気より数度涼しい温度に維持されるものもある。所定の実施形態においては、データ部屋からの空気が除湿システム及び/または冷却装置を介して再循環され得る。
【0045】
制御条件が割り当てられるシーケンスは、実施形態ごとに異なることができる。制御条件は時系列(連続的にまたは定期的にあるいは不定期に)監視され、モードスイッチは条件の変化に基づいて行うことができる。除湿システムは、連続的に、または空気の状態に基づいて、本明細書で説明される様々な動作モードで有効化または無効化され得る。
【0046】
一つの実施形態では、建物の供給ファンは、Greenheck製QEP−54については、1分あたり180,000立方フィートである。一つの実施形態では、建物の帰還ファンは、Comefri製ATLI0−40T2については、1分あたり180,000立方フィートである。
【0047】
実施形態には、空気および液状の水(例えば霧)の多相混合物が、建物の熱発生コンポーネントからの帰還空気と混ぜられ得るものもある。図2は、空気と霧の2相混合物を帰還空気と混ぜるためのベンチュリ・セクションとバイパスダクトを含むデータセンタの一実施形態を図示している。図2に図示されたシステムは、図1に関連する上述のシステム同様であってもいい。冷却システム200は、ベンチュリ・セクション174、混合領域202及びバイパス204を有している。混合領域202は、ベント206を経て、帰還ダクト110と流動的連通状態に選択的に置かれる。ダンパ208は、帰還ダクト110から混合領域202までの空気の流れを制御するために作動される。
【0048】
源泉空気は、ベンチュリ・セクション174を介して供給ファン138により吸い込まれ得る。狭いセクション178では、空気速度は増大し、圧力は、ベンチュリ・セクション174に到来する空気の速度と圧力と関連して減少する。狭いセクション178において、またはその近くでは、空気中の水蒸気の一部が、飽和状態から脱することができ、水滴が空気中に形成される。水滴が、空気と霧の2相混合物の空気中に形成され得る。
【0049】
帰還ダクト110からの空気は、ダクト206を介して混合領域202に導入され得る。混合領域202では、空気と霧の2相混合物は、帰還ダクト110からの空気と混合できる。帰還ダクト110から導入された空気は、データセンタ102のコンポーネントにより熱せられていることもある。帰還ダクト110からの空気からの熱は、2相混合物の水滴の一部を飽和に戻し得る。このようにして、帰還空気は、データセンタ102に再循環される前に冷却され得る。
【0050】
実施形態の中には、建物のコンポーネントを冷却するために空気が使われる前に、デシカントシステムは源泉空気から水を取り除く。所定の実施形態において、デシカントシステムによって除湿された空気が、コンポーネントを冷却するために使用される前に、直接蒸発冷却器を使用して冷却される。
【0051】
実施形態においては、デシカントシステムは、空気と霧の2相混合物から水を取り除くために使用されるものもある。図3は、ベンチュリ・セクションと空気及び水滴の2相混合物を乾燥するように作動できるデシカント・ホイール・システムを備えたデータセンタの一実施形態を図示している。冷却システム220は、除湿システム222を有している。除湿システム222は、ベンチュリ・セクション170、デシカント・ホイール・システム224及びバイパス226を有している。
【0052】
デシカント・ホイール・システム224は、デシカント・ホイール228とホイール・ドライブ・ユニット230を有している。デシカント・ドライブ・ユニット230は、デシカント・ホイール228の一部分がデータセンタ102の熱発生コンポーネントへの供給空気の流れの中にあり、かつ、デシカント・ホイール228の他の部分がデータセンタ102の熱発生コンポーネントからの帰還空気の流れの中にあるように、デシカント・ホイール228を回転させ得る。
【0053】
デシカント・ホイール224は、空気が供給ファン138によってデシカント・ホイール228を介して引き入れられるときに空気から水を除去する乾燥剤材料を備えている。帰還ダクト110を介して流れる空気は、乾燥剤材料を再活性化するためにデシカント・ホイール228の一部を介して移送される。実施形態には、ヒータ232は、空気が再活性化されるデシカント・ホイール228の一部を通る前に、帰還ダクト110内の空気を加熱するように作動されるものもある。ヒータ232は、さまざまな実施形態では、ガスヒータまたは電気ヒータであってもよい。
【0054】
実施形態には、デシカント装置の再活性化のための空気は外気から引き出されるものもある。例えば、図3に図示されている一実施形態では、デシカント・ホイール228を再活性化するために外気を使用するために、帰還空気ダンパ235及び帰還空気バイパスダンパ162が閉じられ、または部分的に閉じられる。空気移送装置144がデシカント・ホイール228の一部を介して空気を移送させてデシカント・ホイール228が再活性化されるように、外気再活性化ダンパ236が開いてもよい。実施形態には、再活性化空気が、外気と帰還空気の混合物であるものもある。例えば、外気再活性化ダンパ236と帰還空気ダンパ235の両方を部分的に開いて、コンピューティング部屋からの空気と外気の混合物が、デシカント・ホイール228の再活性化部に供給されるようにしてもよい。
【0055】
図4は、デシカント・ホイールの一実施形態を図示している。デシカント・ホイール240は乾燥剤材料242を含んでいる。デシカント・ホイール240は、デシカント・ホイール240の各部分が交互に乾燥ゾーン244及び再活性化ゾーン246を通過するように回転(例えば、ベルトドライブを使用して)させる。除湿される空気の流れを乾燥ゾーン244に、また再活性化する(例えば、乾燥材料を乾燥する)空気の流れを再活性化ゾーン246に導くためにダクトのシステム(ダクトは記述を明確にするために図4に図示されていない)が使用され得る。デシカント・ホイールで使用することができる例示的な乾燥剤はシリカゲル、活性炭、塩化カルシウムまたは塩化リチウムを含んでいる。デシカント・ホイール240が回転するとき、デシカント・ホイール240の各部分が、乾燥モードと再活性化モードの間を循環する。
【0056】
実施形態には、電気システムから熱を除去するためのシステムは、1つ以上の乾燥剤除湿デバイス及び蒸発冷却装置を含んでいるものもある。除湿装置への空気流は、空気流制御装置を使用して制御される。
【0057】
実施形態の中には、データセンタが、電気機器及び冷却システムを備えているものもある。冷却システムは、デシカント・ホイールと、デシカント・ホイールの下流に蒸発冷却デバイスを含んでいる。デシカント・ホイールに空気の流れを制御するために空気流制御装置(例えば、ルーバのセット)が使用される。
【0058】
実施形態には、空気がルーバのセットを介してユニットに入るものもある。ルーバは、入口の空気の流れを制御するように動力化されている。そこから、空気がデシカント・ホイールを通過する。デシカント・ホイールは、空気の水分含有量(又は相対湿度(%))を減少する。空気は、ファン区画を介し、次いで空気を冷却する蒸発冷却媒体を通過する。最後に、空気が空調空間に送られる。
【0059】
図5は、デシカント・ホイールに空気の流れを制御するダンパを備えたデシカント・ホイール及びデシカント・バイパス・ダクトを有するデータセンタの一実施形態を図示している。 冷却システム260。冷却システム260は、除湿システム262を含んでいる。冷却する除湿システム262は、デシカント・ホイール・システム234、バイパス264、ホイールダンパ266及びバイパスダンパを備えている。ホイールダンパ266及びバイパスダンパ268は、制御ユニット150に接続してもよい。デシカント・ホイール224への空気流は、ホイールダンパ266とバイパスダンパ268を使用して制御される。例えば、空気が蒸発冷却器136に導入される前に除湿が要求される場合、ホイールダンパ266を開き、バイパスダンパ268を閉じることができる。空気の除湿が要求されない場合には、ホイールダンパ266を閉じ、バイパスダンパ268を開くことができる。実施形態には、蒸発冷却器136に導入される空気が、デシカント・ホイール・システム262の1つまたは複数の使用によって除湿された空気と外気の混合物であるものもある。
【0060】
実施形態には、複数のデシカント・ホイールは、処理された空気の量を空間に送るために使用されるものもある。ダクトを通った新鮮な空気とダンパ機構を使用して、空調空間に送られる空気の一定量を維持しながら、処理される空気の量が増加または減少される。
【0061】
図6は、デシカント・ホイールへの空気の流れを制御するためのダンパを有する複数のデシカント・ホイールを備えたデータセンタの一実施形態を図示している。冷却システム280は、デシカント・ホイール・システム282、デシカント・ダクト・システム284、再活性化ダクトシステム286、デシカント・システム・バイパス287及び再活性化システムバイパス288を含んでいる。デシカント・システム・メイン・ダンパ289及びデシカント・システム・バイパス・ダンパ290は、供給ファン138への源泉空気を制御するように作動されてもよい。再活性化メインダンパ291及び再活性化バイパスダンパ292は、デシカント・ホイール・システム282内の乾燥剤を再活性化するために、空気の流れを制御するように作動されてもよい。
【0062】
各デシカント・ホイール・システム282は、デシカント・ホイール・システム294、デシカントダンパ296及び再活性化ダンパ298を含んでいる。デシカント・ホイール・システム294、デシカントダンパ296及び再活性化ダンパ298は、制御ユニット150によって制御される。
【0063】
実施形態の中には、空気が蒸発冷却器136を横切って通過する前に、空気の除湿をするために、1つまたは複数のデシカント・ホイール・システム282が作動されるものもある。活性化デシカント・ホイール・システムの数、従って各活性化デシカント・ホイール・システムの動作パラメータは、データセンタ内の条件またはデータセンタの内外の環境条件に基づいてもよい。再活性化されるデシカント・ホイール・システムの数は、同様に、データセンタ内の条件またはデータセンタの内外の環境条件に基づいてもよい。例えば、外気の湿度が比較的低い場合、デシカント・ホイール・システム282の3つ全てが、デシカント・システム・バイパス287を使用してバイパスとされ得る。また、逆に、外気の湿度が比較的高い場合、デシカント・システム・ダンパ296とデシカント・システム・メイン・ダンパ2989を開くことによって、デシカント・ホイール・システム282の3つ全てが作動される。実施形態には、デシカント・ホイール・システム282のサブセットのみが作動され得る(例えば、デシカント・ホイール・システム282の1つまたは2つのみ)ものもある。実施形態の中には、蒸発冷却器136に供給される空気が、外気と1つまたは複数のデシカント・ホイール・システム282を使用して、除湿された空気と混合物であるものもある。
【0064】
図7は、データセンタ内の電気負荷からの熱を乾燥剤再活性化ループに伝達するための熱交換器を備えたデータセンタを図示している。冷却システム320は、除湿システム322、コンピューティング部屋排気ダクト324、コンピューティング部屋排気ファン326及び再活性化ループ328を含んでいる。再活性化ループ328は、再活性化熱交換器330を備えている。再活性化熱交換器330は、コンピューティング部屋排気ダクト324を通過する空気から、熱を再活性化ループ330内の空気に伝達できる。加熱された空気は、ホイール内の乾燥剤を再活性化するために、強制的にデシカント・ホイール228の再活性化ゾーンを通され得る。一実施形態では、再活性化熱交換器330は、サーマルホイールである。別の実施形態では、再活性化熱交換器330は、平板枠熱交換器である。所定の実施形態では、コンピューティング部屋排気ダクト324内の空気は、再活性化熱交換器330を通過する前に、ヒータ232を使用して予備加熱される。
【0065】
図7に図示されているように、再活性化ループのための空気は、主供給空気ダクトからコンピュータ部屋に引き入れられる。しかしながら、所定の実施形態では、再活性化ループのための空気は、供給空気ダクトに加えて、またはその代わりに外気から引き入れられてもよい。
【0066】
図8は、乾燥剤の再活性化を促進するためのソーラ熱システムを有するデータセンタを示している。冷却システム360は、除湿システム362とソーラ加熱装置364を含んでいる。ソーラ加熱装置364は、太陽の熱を再活性化ループ366の空気に伝達することができる。ホイール内の乾燥剤を再活性化するために、加熱された空気はデシカント・ホイール228の再活性化ゾーンを強制的に通され得る。所定の実施形態では、再活性化ループ366内の空気のソーラ加熱は、電気ヒータやガス加熱器のような他の熱源を用いて補充される。
【0067】
実施形態には、処理空気からデシカント・ホイールを再活性化するための空気が、デシカント・ホイールを使用して除湿されているものもある。一実施形態では、コンピューティング部屋のデシカント・ホイールの再活性化のための空気がデータセンタ内の電気システムを通過する空気から隔離される。
【0068】
実施形態の中には、デシカント・ホイールを再活性化するための空気が、除湿されるホイールの同じ側に導入されるものもある。図9は、乾燥剤の再活性化のための逆流配列のデシカント・ホイールを有する建物の一実施形態を図示している。システム380は、再活性化ダクトシステム382を含んでいる。再活性化されるデシカント・ホイール228の一部が、再活性化ダクトシステム382を通過する。再活性化空気移送装置384は、再活性化されているデシカント・ホイール228の一部を介して、空気を移送する(図9において右から左へ)。再活性化ダクトシステム382は、帰還ダクト110から隔離される。
【0069】
実施形態には、建物内の電気システムから熱を除去する方法は、空気中の水分の一部を水滴に変換するために、空気流をダクトのくびれ部を介して移送させることを含んでいるものもある。
【0070】
図10は、空気と水の液滴の2相混合物を使用して、データセンタ内の電気システムを冷却する一実施形態を図示している。400において、空気中の水分の少なくとも一部が水蒸気から水滴に変換されるように、空気がダクトのくびれ部を介して移送される。一実施形態では、くびれ部がダクトのベンチュリ・セクションに含まれている。水蒸気は、高速かつ低圧力の領域で飽和状態から脱する。
【0071】
402において、空気と水の液滴を含んでいる2相混合物は、ダクトを通して送られる。実施形態には、2相混合物が霧を含んでいるものもある。2相混合物を、くびれ部の下流にある空気移送装置によってくびれ部から引き出されてもよい。
【0072】
404において、電気機器は、2相混合物を使用して冷却される。実施形態には、水がインピンジメント・プレート・システムまたはデシカント・ホイールのような水分除去装置によって2相混合物から除去されるものもある。水分除去装置の下流の乾燥した空気は蒸発冷却器を通すことができる。蒸発冷却器からの空気は、データセンタ内のサーバ等の電気機器を冷却するために使用される。
【0073】
実施形態には、除湿システム内の空気の流れや他の動作特性は、建物の内外にあるセンサからの情報に基づいて制御されるものもある。除湿を制御するために使用されるセンサの種類は、温度センサ、湿度センサ、圧力センサ及び空気速度センサを含んでいる。
【0074】
実施形態には、電気システムから熱を除去するための方法は、空気の流れの流量を制御することを含んでいるものもある。空気の流れは、空気を除湿するために、乾燥剤を横切って移送される。除湿空気は湿った媒体を通じて移送される。熱は、湿った媒体からの空気を使用して電気システムから除去される。
【0075】
図11は、デシカント・ホイールへの空気流を制御して、データセンタの電気システムを冷却する一実施形態を図示している。420において、空気流の速度が制御される。
【0076】
422において、1つまたは複数の空気流が、空気から水蒸気を除去するために、乾燥剤を横切って移送される。実施形態には、空気がデシカント・ホイールを通過するものもある。実施形態には、2以上のデシカント・ホイールへの空気流が独立に制御されるものもある。各デシカント・ホイールへの空気流は、データセンタ内の条件、外気、またはその両方に基づいて制御される。例えば、冷却システムに導入される源泉空気が比較的乾燥している場合、1つのデシカント・ホイールへのダンパが開くか、またはいずれのデシカント・ホイールも開かないことがあり得る。冷却システムの源泉空気が比較的湿度が高い場合、2つ以上のデシカント・ホイールに空気を供給するためにダンパを開くことができる。
【0077】
424において、空気流が湿った媒体を横切ってまたは媒体を通して通過する。実施形態には、空気が蒸発冷却器を通過するものもある。
【0078】
426において、熱は湿った媒体からの空気を用いて電気システムから除去される。実施形態には、電気システムが、データセンタのコンピューティング部屋内のラック搭載計算装置であるものもある。
【0079】
図12は、上部及び下部の蒸発媒体バンクを含む蒸発冷却システムの一実施形態を図示している流体回路図である。蒸発冷却システム500は、蒸発媒体上部バンク502及び蒸発媒体下部バンク504を備えている。一実施形態では、蒸発媒体は、Munters Corporation製Celdek媒体である。国内の水供給施設からの供給は、供給弁506を介してなされる。水は、分配マニホールド508を介して、蒸発媒体上部バンク502及び蒸発媒体下部バンク504にそれぞれ供給される。水は、ポンプ510を用い、ボトムサンプ512から分配マニホールド508に供給されてもよい。マニホールド508への流れ及び/または媒体内の水レベルの均衡を保つために、バランス弁514が制御される。水は、三方弁520を介して、サンプ512に再循環することができる。水は、ドレイン弁522を介して、システムから排出または除去することができる。
【0080】
所定の実施形態では、蒸発冷却システムは、他の蒸発媒体バンクを通る流れが阻害されるが、蒸発媒体バンクのいずれかを使用して作動させることができる。蒸発冷却器からの空気は、供給ベント402を介して、データセンタの1つまたは複数の部屋に通すことができる。
【0081】
データセンタからの帰還空気は、帰還空気室に収容される。実施形態には、帰還空気室の空気が、排気口を介して外部に排出されるものもある。他の実施形態では、混合空気ダンパは、帰還空気の一部または全てを混合領域に入ってくる外気と混合するように作動される。所定の実施形態では、帰還空気室の空気が、帰還空気バイパスを介して、押し出される。帰還空気バイパスを通る流れは、帰還空気バイパスダンパによって制御される。
【0082】
所定の実施形態では、蒸発冷却システムに代えて、またはその代わりに機械的な冷却システムを備えている。一実施形態では、熱除去サブシステムは、空調用冷媒サブシステムを備えている。別の実施形態では、熱除去サブシステムは、冷却タワーのサブシステムを備えている。更に、別の実施形態では、熱除去サブシステムは、水道水サブシステムを備えている。所定の実施形態では、空調用冷媒システムのような機械的冷却システムは、図1に関連して上述した空気処理サブシステム104のような空気処理サブシステム内の冷却空気に直接熱伝達の連通をしていてもよい。
【0083】
所定の実施形態では、冷却システムの総出力を増加または低下させるように1つまたは複数のサブシステム(例えば、CRAC)の動作が制御される。所定の実施形態において、冷却性能の所望のレベルを達成するために、通常モードからフリー冷却モードに切り替えるユニット数を選択することができる。実施形態の中には、外気と帰還空気との間の切り替え及び/または冷凍機の遮断が、段階的に発生するようにプログラミングできるものもある。
【0084】
上記の図では、明確な記述のために、制御ユニットとダンパとファンとの間の接続は図示されていない。しかしながら、さまざまな実施形態では、図示されているダンパの一部またはすべては自動的に制御される(例えば、プログラマブル・ロジック・コントローラ)。また、図面に示されたいずれかまたは全てのダンパは、ダンパの位置を制御するためにアクチュエータまたは他の機構を含んでもよい。
【0085】
本明細書の多くの実施形態に記載されたことにも関わらず、除湿を含む非機械的な冷却は、データセンタ内の電気システムのための例示の目的で記載されている。しかし、除湿は、さまざまな実施形態において、他のタイプの建物と他のタイプの熱発生コンポーネントの場合に実行されてもよい。例えば、除湿を含む非機械的な冷却は、パワープラント、製造工場、医療設備またはオフィスビルを冷却するために使用することができる。
【0086】
開示の実施形態は、次節を考慮して、記述することができる。
1.熱発生コンポーネントを含む複数の電気装置、及び、
冷却システムであって、
1つまたは複数のデシカント・ホイールと、
少なくとも1つのデシカント・ホイールの下流にある1つまたは複数の蒸発冷却装置と、
1つまたは複数の空気移送装置と、
1つまたは複数の空気流制御装置を備える、
前記冷却システムと、
少なくとも1つの空気移送装置は、少なくとも1つのデシカント・ホイールと、少なくとも1つまたは複数の蒸発冷却装置と、電気装置の少なくとも1つの熱発生コンポーネントを介して空気を移送するように構成され、
少なくとも1つの空気流制御装置は少なくとも1つのデシカント・ホイールを介して流れを制御するように構成されている、
を備えるデータセンタ。
2.冷却システムは、デシカント・ホイールを再活性化するために、少なくとも1つのデシカント・ホイールを介して空気を移送するように構成され、冷却システムは電気装置からの熱を、少なくとも1つのデシカント・ホイールの再活性化を促進するために供給される空気の少なくとも一部に変換するように構成されている第1節のシステム。
3.1つまたは複数のデシカント・ホイールは2つ以上のデシカント・ホイールを備え、少なくとも2つのデシカント・ホイールの各々は異なった空気流を除湿するように構成されている第1節のシステム。
4.電気システムから熱を除去するシステムであって、
乾燥剤を備えた1つまたは複数の除湿装置と、
1つまたは複数の蒸発冷却装置と、
1つまたは複数の空気移送装置と、
1つまたは複数の空気流制御装置を備え、
少なくとも1つの空気移送装置は、少なくとも1つの除湿装置と、少なくとも1つまたは複数の蒸発冷却装置と、1つまたは複数の電気システムを介して空気を移送するように構成され、
1つまたは複数の空気流制御装置は、少なくとも1つの除湿装置を介して流速を制御するように構成されている
システム。
5.少なくとも1つの除湿装置は、デシカント・ホイールを備える第4節のシステム。
6.少なくとも1つの空気流制御装置は、1つまたは複数の組みのダンパを備え、少なくとも1つの空気流制御装置が、除湿装置を介する空気の流速を変化させるために、少なくとも1つのダンパの開閉をするように構成されている第4節のシステム。
7.少なくとも1つの除湿装置をバイパスするように構成可能な1つまたは複数のダクトを更に備える第4節のシステム。
8.少なくとも1つの空気流制御装置は、制御器を備え、その制御器は少なくとも1つの除湿装置を介する空気の流速を制御するように構成されている第4節のシステム。
9.更に、制御システムに連結された1つまたは複数の温度センサを備え、制御システムは、少なくとも1つの温度センサからの情報に少なくとも部分的に基づき、ダクトの空気流を制御するように構成されている、第8節のシステム。
10.更に、制御システムに連結された1つまたは複数の湿度センサを備え、制御システムは、少なくとも1つの湿度センサからの情報に少なくとも部分的に基づき、ダクトの空気流を制御するように構成されている、第8節のシステム。
11.第4節のシステムであって、更に、混合プレナムを備え、当該システムは、外気と少なくとも1つの除湿装置によって調整された空気を混合するように構成されている、システム。
12.1つまたは複数の除湿装置は2つ以上のデシカント・ホイールを備え、少なくとも2つ以上のデシカント・ホイールの各々は異なった空気流を除湿するように構成されている第4節のシステム。
13.1つまたは複数の空気流制御装置は、2つ以上空気流制御装置を備え、少なくとも2つの空気流制御装置の各々は、デシカント・ホイールの異なる1つのデシカント・ホイールを介する空気流速度を制御するように構成可能な第12節のシステム。
14.少なくとも1つの除湿装置の上流のダクトにくびれ部を更に備え、少なくとも1つの空気移送装置は、空気中の水分の少なくとも一部が水蒸気から水滴に変換するようにダクトのくびれ部を介して空気を移動するように構成されている、第4節のシステム。
15.電気装置がデータセンタにあり、当該システムはデータセンタの電気装置からの加熱空気を少なくとも1つのデシカント・ホイールを介して移送するように構成され、加熱空気はデシカント・ホイールの再活性化を促進する、第4節のシステム。
16.第4節のシステムであって、空気を加熱するように構成されたソーラ加熱装置を、更に、備えて、システムはデシカント・ホイールの再活性化を促進するために、ソーラ加熱装置によって加熱された空気の少なくとも一部を少なくとも1つのデシカント・ホイールを介して移送するように構成される、システム。
17.第4節のシステムであって、電気システムによって加熱された第1空気流から第2空気流の熱に変換ように構成された熱交換器を、更に、備えて、システムはデシカント・ホイールの再活性化を促進するために、第2空気流からの空気の少なくとも一部を少なくとも1つのデシカント・ホイールを介して移送する構成にされる、システム。
18.ダクトに1つまたは複数のベンチュリ・セクションを、更に、備えて、ベンチュリ・システムは少なくとも1つのデシカント・ホイールの再活性化を促進するために使用される空気の少なくとも一部の圧力を減少させるように構成される、第4節のシステム。
19.1つまたは複数の空気流の流速を制御することと、
空気から水蒸気を除去するために、乾燥剤を通して少なくとも1つの空気流の少なくとも一部を移送することと、
湿った媒体を介して上記空気流の少なくとも一部を移送することと、
その湿った媒体からの上記空気の少なくとも一部を使用して1つまたは複数の電気システムからの熱を除去することと、
を含む、電気システムからの熱を除去する方法。
20.電気システムによって加熱された空気の少なくとも一部を、乾燥剤を再活性化するために、乾燥剤の少なくとも一部を通して移送することを、更に含み、第19節の方法。
21.空気流をソーラ加熱することと、
ソーラ加熱された空気の少なくとも一部を、乾燥剤を再活性化するために、乾燥剤を通して移送することと、
を更に含む第19節の方法。
22.1つまたは複数の空気流の流速を制御することは、乾燥剤に対する空気流の速度を変化させるために、1つまたは複数のダンパを作動することを含む、第19節の方法。
23.1つまたは複数の空気流の流速を制御することは、第1デシカント・ホイールに対して第1空気流の流速を制御することと、第2デシカント・ホイールに対して第2空気流の流速を制御することとを含み、空気流の少なくとも1つの少なくとも一部を乾燥剤を通して移送することは、第1空気流を第1デシカント・ホイールを通過させ、第2空気流を第2デシカント・ホイールを通過させることである、第19節の方法。
24.建物の部屋に連結されるダクトであって、1つまたは複数のベンチュリ・セクションを備えるダクトと、
1つまたは複数の空気移送装置と、を備え、
その空気移送装置の少なくとも1つは、空気中の水分の少なくとも一部が水蒸気から水滴に変換されるように、空気をダクトの少なくとも1つのベンチュリ・セクションの少なくとも1つを介して移送するように構成され、
水滴の少なくとも一部分は、空気と水とを含む2相混合物により少なくとも1つのベンチュリ・セクションから下流に運ばれる、建物の熱発生コンポーネント冷却システム。
25.混合物から水の少なくとも一部を取り除くように構成された1つまたは複数の水分除去装置を更に備える、第24節のシステム。
26.ダクトの少なくとも1つのベンチュリ・セクションから下流に蒸発冷却装置を更に備え、その蒸発冷却装置は、当該蒸発冷却装置を通過する空気の少なくとも一部を冷却するように構成されている第24節のシステム。
27.部屋がデータセンタのコンピューティング部屋であり、少なくとも1つの空気移送装置が、電気装置からの熱を除去するために、コンピューティング部屋の電気装置を介して空気を移送するように構成されている第24節のシステム。
28.建物の部屋に連結されたダクトであって、1つまたは複数のくびれ部を備えるダクトと、
1つまたは複数の空気移送装置と、を備え、
少なくとも1つの空気移送装置が、空気中の水分の少なくとも一部が水蒸気から水滴に変換されるようにダクトのくびれ部の少なくとも1つを介して空気を移送するように構成され、水滴の少なくとも一部が、空気と水とを含む2相混合物により少なくとも1つのくびれ部の下流に運ばれる、
システム。
29.少なくとも1つの空気移送装置が、ダクトの少なくとも1つのくびれ部より下流である、第28節のシステム。
30.空気の温度が下がるように、空気移送装置がダクトのくびれ部を介して、空気を移送するように構成されている、第28節のシステム。
31.部屋がデータセンタのコンピューティング部屋であり、少なくとも1つの空気移送装置がコンピューティング部屋の電気装置を介して空気を移送して、空気移送装置から熱を除去するように構成されている、第28節のシステム。
32.当該混合物から水分の少なくとも一部を除去するように構成されている1つまたは複数の水分除去装置を更に備える、第28節のシステム。
33.少なくとも1つの水分除去装置が、凝縮物として混合物の液体水分の少なくとも一部を集めるように構成された1つ又は複数のプレートを備える、第32節のシステム。
34.少なくとも1つの水分除去装置が、混合物から液体水分の少なくとも一部を除去するように構成されている1つまたは複数のデシカント装置を備える、第32節のシステム。
35.更に、ダクトのくびれ部の下流の蒸発冷却装置を備え、その蒸発冷却装置が蒸発冷却装置を越えて通過する空気の少なくとも一部を冷却するように構成されている第28節のシステム。
36.2相混合物の少なくとも一部が、部屋から戻された加熱された空気と混合するように構成されたプレナムを更に備える、第28節のシステム。
37.少なくとも1つの空気移送装置を制御するように構成されたコントロールシステムを更に備える、第28節のシステム。
38.第28節のシステムであって、システムが、1つまたは複数の水分除去装置を備え、制御システムが、1つまたは複数の水分除去装置を介して空気を導くことなく、ダクトの少なくとも1つのくびれ部を介して、空気を導くように構成可能な、システム。
39.制御システムが、ダクトの1つまたは複数のくびれ部を介して空気を導くことなく、少なくとも1つの水分除去装置を介して空気を導くように構成可能な、第28節のシステム。
40.制御システムが、外気とダクトのくびれ部の下流空気と混合するように構成可能な、第28節のシステム。
41.制御システムに連結された1つまたは複数の温度センサを更に備え、制御システムが、少なくとも1つの温度センサからの情報に少なくとも部分的に基づいて、ダクトの空気流を制御するように構成される、第28節のシステム。
42.制御システムに連結された1つまたは複数の湿度センサを更に備え、制御システムが、少なくとも1つの湿度センサからの情報に少なくとも部分的に基づいて、ダクトの空気流を制御するように構成される、第28節のシステム。
43.空気中の水分の少なくとも一部が水蒸気から水滴に変換されるようにダクトのくびれ部を介して空気を移送することと、
空気と少なくとも水滴の一部とを含む2相混合物を移送することと、
2相混合物の少なくとも一部を使用して1つまたは複数の電気装置を冷却することと、
を含む、建物の電気システムからの熱を除去する方法。
44.2相混合物から水滴の少なくとも一部を除去することを更に含む第43節の方法。
45.くびれ部から下流の空気中に水を蒸発させて空気を冷却することを更に含む、第44節の方法。
46.1つまたは複数の電気装置を冷却することが、データセンタの計算装置からの熱を除去することを更に含む、第43節の方法。
47.1つまたは複数の電気装置を冷却することが、
2相混合物と建物の部屋からの帰還空気を混合して帰還空気を冷却することと、
帰還空気の少なくとも一部を部屋に再循環させることを含む、第43節の方法。
【0087】
上述の実施形態はかなり詳細に及んだが、上述の開示を十分理解すれば、数多くの変形や修正が、この分野の通常の知識を有する者にとって明らかとなる。次の特許請求の範囲は、全てのそのような変形や修正を包摂するものである。
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