(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記7−モノヒドロキシエチルルトシドを精製するステップにおいて、7−モノヒドロキシエチルルトシドを純度95%以上に精製してから次のステップを行うことを特徴とする、請求項1に記載の調製方法。
前記7−モノヒドロキシエチルルトシドを精製するステップにおいて、7−モノヒドロキシエチルルトシドを純度98%以上に精製してから次のステップを行うことを特徴とする、請求項1に記載の調製方法。
前記7−モノヒドロキシエチルルトシドを精製するステップにおいて、7−モノヒドロキシエチルルトシドを純度99%以上に精製してから次のステップを行うことを特徴とする、請求項1に記載の調製方法。
ステップ1)における7−モノヒドロキシエチルルトシドの調製工程において、ヒドロキシ基保護剤を用いてルチンのヒドロキシ基を保護し、その後、ヒドロキシエチル化剤を添加して溶媒中で反応させ、ここで、ヒドロキシ基保護剤はホウ砂であり、ヒドロキシエチル化剤はエチレンオキシドであり、反応溶媒は、水、メタノール、エタノールから選ばれ、反応温度は30〜50℃、反応時間は4〜12時間であり、
ステップ2)における7−モノヒドロキシエチルルトシドの精製は、再結晶法を利用し、再結晶溶媒は、水、メタノール、エタノール、イソプロパノールまたはそれらの混合物から選ばれ、再結晶のステップには、溶解、結晶化、ろ過の工程が含まれ、
ステップ3)における精製された7−モノヒドロキシエチルルトシドを用いて7,3’,4’−トリヒドロキシエチルルトシドを調製する工程において、7−モノヒドロキシエチルルトシドを溶媒に分散または溶解してから、ヒドロキシエチル化剤を添加して反応させ、ここでヒドロキシエチル化剤はエチレンオキシドであり、反応溶媒は水、メタノール、エタノール、ピリジンまたはそれらの混合物から選ばれ、触媒は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、およびアンモニア水から選択して使用し、反応温度は50〜80℃、反応時間は3〜8時間であり、反応完了後に、カチオン樹脂およびアニオン樹脂をそれぞれ通過させるか、またはマクロ孔質樹脂を用いて処理し、
前記カチオン樹脂およびアニオン樹脂を通過させる工程において、カチオン樹脂は、強酸性スチレン系カチオン交換樹脂であり、アニオン樹脂は、強塩基性スチレン系アニオン交換樹脂であり、
前記マクロ孔質樹脂は、弱スチレン系非極性マクロ孔質樹脂、および弱極性マクロ孔質樹脂から選ばれ、
ステップ4)における前記精製は再結晶法を利用し、再結晶溶媒は水、メタノール、エタノール、イソプロパノールまたはそれらの混合物から選ばれ、再結晶のステップには、溶解、結晶化、ろ過の工程が含まれる
ことを特徴とする、請求項1に記載の調製方法。
ステップ1)における7−モノヒドロキシエチルルトシドの調製において、ヒドロキシ基保護剤はホウ砂であり、ヒドロキシエチル化剤はエチレンオキシドであり、反応溶媒は水、メタノール、エタノールから選ばれ、反応温度は30〜50℃、反応時間は4〜12時間であり、
ステップ2)における7−モノヒドロキシエチルルトシドの精製は再結晶法を利用し、再結晶溶媒は水、メタノール、エタノールまたはそれらの混合物から選ばれ、
ステップ3)における精製された7−モノヒドロキシエチルルトシドを用いて7,3’,4’−トリヒドロキシエチルルトシドを調製する工程において、ヒドロキシエチル化剤はエチレンオキシドであり、反応溶媒は水、メタノール、エタノールまたはそれらの混合物から選ばれ、反応温度は50〜80℃、反応時間は3〜13時間であり、反応完了後に、カチオン樹脂およびアニオン樹脂をそれぞれ通過させて脱塩するか、またはマクロ孔質樹脂によって不純物を除去し、
ステップ4)における前記精製は再結晶法を利用し、再結晶溶媒は水、メタノール、エタノールまたはそれらの混合物から選ばれる
ことを特徴とする、請求項6に記載の調製方法。
【背景技術】
【0002】
トロキセルチン(Troxerutin)はベノルトンとも称され、その主成分の化学名は7,3’,4’−トリヒドロキシエチルルトシド(略称はトリヒドロキシエチルルトシド)であり、分子式はC
33H
42O
19、CAS番号は7085−55−4、分子量は742.69、構造式は以下の通りである。
【化1】
【0003】
トロキセルチンは、抗凝血剤や血栓溶解薬の一種であり、その調製においては、一般にルチンおよびエチレンオキシドを原料とし、メタノールおよび水を媒体として塩基触媒の存在下でトロキセルチンを合成している。現在市販されている既製のトロキセルチン原薬には、純度60%、80%、88%等の異なる規格がある。
【0004】
トリヒドロキシエチルルトシドはトロキセルチンにおける活性成分であり、その含有量が高いほど品質が優れる。しかしながら、高純度のトロキセルチンの調製において、従来技術による技術的手法は満足のいくものではない。
【0005】
現在、市販のトロキセルチン製品としては、トロキセルチン注射剤、トロキセルチン経口投与溶液、トロキセルチンカプセルがある。特に注射製剤は、従来技術により調製されるトロキセルチンの純度が満足のいくものではないため、不純物の存在により臨床応用の安全性に大きなリスクを抱えていた。実際に、薬剤を注入する際に副反応が多発し、通常はアレルギー反応が主たるものであった。したがって、トロキセルチンの純度の向上、特に、主要有効成分である高純度のトリヒドロキシエチルルトシドを得ることは、多くの研究者により常に鋭意研究されてきた。
【0006】
現在、トロキセルチンの調製プロセスは全てワンステップ反応法である、すなわち、ルチンを直接ヒドロキシエチル化させて反応を完了する。ヒドロキシエチル化プロセスの違いにより、例えば、ヒドロキシエチル化剤、反応溶媒、触媒、反応条件の制御などの要因の変化により、以下のような様々なプロセスが構成されている。
【0007】
1.ブルガリア特許第2888号明細書においては、水を溶媒とし、アンモニア水を触媒とし、エチレンオキシドをヒドロキシエチル化剤として用いることにより、純度85.8%のトリヒドロキシエチルルトシドが得られた。
【0008】
2.中国特許第1331697号明細書(米国特許第6855697号明細書)においては、水を溶媒とし、金属塩基を触媒とし、エチレンオキシドをヒドロキシエチル化剤として用い、結晶条件を制御することにより、純度92%のトリヒドロキシエチルルトシドが得られた。
【0009】
3.米国特許第3420815号明細書においては、水酸化ナトリウムを触媒として用いることにより、クロマトグラフ純度87.4%、含有量85.3%、融点181〜183℃のトロキセルチンが得られた。
【0010】
4.中国特許第1554353号明細書においては、有機溶媒(メタノール、エタノール)を溶媒とし、ピリジンを触媒として用いることにより、含有量90%のトリヒドロキシエチルルトシドが得られた。
【0011】
5.中国特許第1814613号明細書においては、樹脂を用いて反応液のpH値を制御することにより、含有量85%のトリヒドロキシエチルルトシドが得られた。
【0012】
単体のトリヒドロキシエチルルトシドが得られにくい原因の一つは、ルチンには活性ヒドロキシ基が四つあり、いずれもヒドロキシエチル化されうるため、反応生成物が混合物として得られることである。さらに別の重要な原因は、天然由来のルチンとその不純物が構造上非常に類似しているため、ルチンの精製が難しくなり、通常の方法では高純度のルチンが得られにくいことである。中国特許願200810007927.2号明細書には、ルチンの精製方法が開示されている。当該方法においては、複雑な逆相クロマトグラフィーを用いてはじめて、グラムスケールの純度98%のルチンを得ることができた。実際のところ、現在トロキセルチンの調製は全て市販の低純度ルチンを原料としており、これらの原料に含まれる不純物もヒドロキシエチル化反応に加わることとなるが、最終生成物において、トリヒドロキシエチルルトシドと性質が同様で極めて類似しているため、不純物を除去しにくい。実際に、高純度トリヒドロキシエチルルトシドの調製は非常に難しく、分取クロマトグラフィー(李軍ら、分取液体クロマトグラフィーによるトロキセルチン標準物質の分離、中国医薬工業雑誌、2004、35(5)、285−7)により、純度99%のトリヒドロキシエチルルトシド標準物質が得られたことを除いては、通常の方法による純度98%以上のトリヒドロキシエチルルトシド単体の調製に関する報告は見られない。市場には含有量99%と称する製品もあるものの、その調製方法は開示されておらず、入手可能な製品もない。従来技術により、溶液を複数回再結晶させて調製されたトリヒドロキシエチルルトシド標準物質であっても、そのクロマトグラフ純度は96〜97%にすぎない。
【0013】
従来技術に存在する問題を解決するために、本発明は、不純物の含有量が低いトロキセルチンの調製方法を提供する。具体的には、当該方法とは、ルチンのヒドロキシエチル化による生成物以外に、非ヒドロキシエチル化ルチン誘導体である不純物の含有量が2質量%未満のトロキセルチンおよび純度98%超のトリヒドロキシエチルルトシド単体の調製方法を指す。本発明の要点は、ツーステップ合成法でトリヒドロキシエチルルトシドを調製し、反応中間体を精製することにより、高純度の最終生成物を得ることにある。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の調製方法において、ステップ1)における7−モノヒドロキシエチルルトシドの調製方法は従来技術であり、米国特許第4153788号明細書の技術、例えば、ホウ砂を用いてルチンの5位および3’,4’位ヒドロキシ基を保護して、ルチンから7−モノヒドロキシエチルルトシドを得てもよく、また、米国特許第3420815号明細書における技術を用いて、有機溶媒中で直接合成してもよい。
【0019】
調製過程において、ヒドロキシ基保護剤を用いてルチンのヒドロキシ基を保護し、その後、ヒドロキシエチル化剤を添加して溶媒中で反応させることができる。ここで、ルチンは市場で入手可能であり、ヒドロキシ基保護剤はホウ砂であり、ヒドロキシエチル化剤はエチレンオキシドであり、反応溶媒は、水、メタノール、エタノールから選ばれ、反応温度は30〜50℃、反応時間は4〜12時間である。反応完了後、反応液を静置または低温で静置し、必要に応じて溶液のpH値を酸性に調節してもよく、得られた沈殿をろ過すると次の作業を行うことができる。
【0020】
ステップ2)における7−モノヒドロキシエチルルトシドの精製は、工業的使用に適合するいずれの方法を用いてもよく、例えば再結晶法が用いられる。ここで、前記7−モノヒドロキシエチルルトシドを精製することにおいては、7−モノヒドロキシエチルルトシドを95%以上の純度に精製してから、次のステップを行う。純度は98%以上が好ましく、99%以上が最も好ましい。
【0021】
再結晶法に用いられる溶媒は、水、メタノール、エタノール、イソプロパノールまたはそれらの混合物から選ばれ、再結晶のステップには、溶解、結晶化、ろ過の過程が含まれる。
【0022】
ステップ3)における精製された7−モノヒドロキシエチルルトシドを用いたトリヒドロキシエチルルトシドの調製は、通常のヒドロキシエチル化プロセス、例えば、エチレンオキシド等のヒドロキシエチル化剤で7−モノヒドロキシエチルルトシドをさらにヒドロキシエチル化させるプロセスを用いてもよく、反応完了後に得られた反応液は、カチオン樹脂、アニオン樹脂をそれぞれ通過させることによる脱塩、またはマクロ孔質樹脂による不純物除去の後に、ステップ4)の操作を行う。
【0023】
この過程において、溶媒を用いて7−モノヒドロキシエチルルトシドを溶解または懸濁し、ヒドロキシエチル化剤を添加して反応させる。ここで、ヒドロキシエチル化剤はエチレンオキシドであり、反応溶媒は、水、メタノール、エタノール、ピリジンまたはそれらの混合物から選ばれ、反応温度は50〜80℃、反応時間は3〜8時間である。反応完了後、反応液を静置または低温で静置し、必要に応じて溶液のpH値を酸性に調節してもよく、得られた反応液は次の作業に直接用いられる。
【0024】
前記カチオン樹脂およびアニオン樹脂を通過させることにおいて、カチオン樹脂は、007×7(732)、001×12、001×14、001×16のような強酸性スチレン系カチオン交換樹脂から選ばれ、アニオン樹脂は、201×4(711)、201×7(717)のような強塩基性スチレン系アニオン交換樹脂から選ばれ、樹脂を通過させる方法は、反応液を樹脂カラムをそれぞれ通過させるか、または反応液に樹脂をそれぞれ添加して攪拌し、分離後に粗トリヒドロキシエチルルトシド溶液が得られる方法を用いてもよい。
【0025】
前記マクロ孔質樹脂は、D101、D201、DAB−8、D301から選ばれ、通常の方法で精製処理を行うことができる。すなわち、反応物の水溶液をろ過してから直接樹脂カラムを通過させた後、精製水を用いて洗浄してから、濃度の異なる有機溶媒による勾配法を用いて洗浄する。有機溶媒はエタノールであり、得られた生成物は粗トリヒドロキシエチルルトシド溶液であり、粗溶液を濃縮乾燥した後に次のステップの再結晶作業が行われる。
【0026】
ステップ4)において、再結晶法を用いて精製すると、純粋なトリヒドロキシエチルルトシドが得られる。前記再結晶に用いられる溶媒は、水、メタノール、エタノール、イソプロパノールまたはそれらの混合物から選ばれ、再結晶のステップには、溶解、結晶化、ろ過の過程が含まれる。
【0027】
全ての比率および百分率は、別途説明する以外はいずれも質量百分率であり、クロマトグラフ純度は、欧州薬局方第7.0版のトロキセルチンの項目における成分検出方法により得られた検出結果を指す。調製の具体的な実例は本発明の実施例に示す通りである。
【0029】
従来の報告において、含有量が98%超の高純度トリヒドロキシエチルルトシドの取得は、実験室での分取クロマトグラフィーの利用に限られ、コストが高く、実験研究に限られており、大規模生産および広範な適用は不可能である。本発明の方法を用いると、簡単なプロセスを適用することで高純度のトリヒドロキシエチルルトシドが得られ、コストが低く、実用性が優れている。
【0030】
本発明は、従来技術に比べ、生産コストが大幅に低減される。特に、通常の精製方法を用いてトリヒドロキシエチルルトシドを精製することにより、生産コストを大幅に節減している。関連の実験データは以下の通りである。
【0031】
米国特許3420815号明細書の方法では、純度98%のトリヒドロキシエチルルトシドを得ることはできず、得られた生成物の検出を行うと、クロマトグラフ純度は87.4%、含有量は84.2%であり、生成物の色は濃い黄色で、融点は178〜182℃、コストは400〜500元/キログラムである。分取クロマトグラフ分離により、純度99%のトリヒドロキシエチルルトシドが得られるが、コストは約5000〜10000元/キログラムと大幅に増大する。
【0032】
他の文献の方法による調製プロセスの比較データは以下の通りである。
【0033】
米国特許6855697号明細書の方法では、純度98%のトリヒドロキシエチルルトシドを得ることはできず、得られた生成物の検出を行うと、クロマトグラフ純度は92.1%、含有量は90.3%であり、生成物の色は黄色で、融点は179〜183℃、コストは500〜800元/キログラムである。分取クロマトグラフ分離により、純度99%のトリヒドロキシエチルルトシドが得られるが、コストは約5000〜10000元/キログラムと大幅に増大する。
【0034】
本発明では純度98%のトリヒドロキシエチルルトシドが得られ、生成物の色は薄い黄色で、融点は185〜187℃、コストは2000〜3000元/キログラムである。
【0035】
更に本発明では純度99%のトリヒドロキシエチルルトシドが得られ、生成物の色は薄い黄色で、融点は186〜188℃、コストは3000〜5000元/キログラムである。
【0036】
本発明のステップ1)における反応完了後の反応生成物および精製後の成分に対して検出を行ったところ、検出結果は以下の通りであった。
【0038】
上記の表からわかるように、7−モノヒドロキシエチルルトシドと反応物中の不純物1〜7との物理化学的性質の差は大きく、精製後の精製効果は明らかである。
【0039】
本発明の優位性を検証するため、本発明を本発明に最も近い従来技術とさらに比較した。米国特許6855697号明細書の方法を用いてトリヒドロキシエチルルトシドを調製し、反応終了後に、反応液中のトリヒドロキシエチルルトシドを分離して精製する方法は以下の通りである。
【0040】
トリヒドロキシエチルルトシド含有反応液を、732カチオン樹脂カラム、717アニオン樹脂カラムをそれぞれ通過させて脱塩した後、減圧濃縮して、スプレー乾燥し、8000mlのメタノールを添加して、加熱して溶解し、注射薬用活性炭を添加して30分間還流し、熱いうちにろ過した。ろ液を室温で6時間自然に結晶化させてからろ過し、40〜50℃で固体を乾燥して、トリヒドロキシエチルルトシドが得られた。検出された含有量は88.2%であった。得られた固体を同じ結晶化方法で、さらに20倍量のメタノールを用いて再結晶させて精製しかつ乾燥すると、トリヒドロキシエチルルトシドの含有量は90.6%となった。
【0041】
トリヒドロキシエチルルトシド含有反応液を、732カチオン樹脂カラム、711アニオン樹脂カラムをそれぞれ通過させて脱塩した後、減圧濃縮して、スプレー乾燥し、7000mlのメタノール−水(37:3)を添加して、加熱して溶解し、注射薬用活性炭を添加して30分間還流し、熱いうちにろ過した。ろ液を室温で6時間自然に結晶化させてからろ過し、40〜50℃で固体を乾燥して、トリヒドロキシエチルルトシドが得られた。検出された含有量は90.1%であった。得られた固体を同じ結晶化方法で、さらに20倍量のメタノール−水(37:3)を用いて再結晶させて精製しかつ乾燥すると、トリヒドロキシエチルルトシドの含有量は91.60%となった。
【0042】
トリヒドロキシエチルルトシド含有反応液を、001×14カチオン樹脂カラム、717アニオン樹脂カラムをそれぞれ通過させて脱塩した後、減圧濃縮して、スプレー乾燥し、9000mlのメタノール−イソプロパノール(95:5)を添加して、加熱して溶解し、注射薬用活性炭を添加して30分間還流し、熱いうちにろ過した。ろ液を室温で6時間自然に結晶化させてからろ過し、40〜50℃で固体を乾燥して、トリヒドロキシエチルルトシドを得た。検出された含有量は91.7%であった。得られた固体を同じ結晶化方法で、さらに20倍量のメタノール−イソプロパノール(95:5)を用いて再結晶させて精製しかつ乾燥することにより、トリヒドロキシエチルルトシドの含有量は92.4%となった。
【0043】
本発明の方法を用いてトリヒドロキシエチルルトシドを調製し、反応終了後に、反応液中のトリヒドロキシエチルルトシドを分離して精製する方法は以下の通りである。
【0044】
トリヒドロキシエチルルトシド含有反応液を、732カチオン樹脂カラム、717アニオン樹脂カラムをそれぞれ通過させて脱塩した後、減圧濃縮して、スプレー乾燥し、8000mlのメタノールを添加して、加熱して溶解し、注射薬用活性炭を添加して30分間還流し、熱いうちにろ過した。ろ液を室温で6時間自然に結晶化させてからろ過し、40〜50℃で固体を乾燥して、トリヒドロキシエチルルトシドを得た。検出された含有量は92.4%であった。得られた固体を同じ結晶化方法で、さらに20倍量のメタノールを用いて再結晶させて精製しかつ乾燥すると、トリヒドロキシエチルルトシドの含有量は98.2%となった。
【0045】
トリヒドロキシエチルルトシド含有反応液を、732カチオン樹脂カラム、711アニオン樹脂カラムをそれぞれ通過させて脱塩した後、減圧濃縮して、スプレー乾燥し、7000mlのメタノール−水(37:3)を添加して、加熱して溶解し、注射薬用活性炭を添加して30分間還流し、熱いうちにろ過した。ろ液を室温で6時間自然に結晶化させてからろ過し、40〜50℃で固体を乾燥して、トリヒドロキシエチルルトシドを得た。検出された含有量は93.5%であった。得られた固体を同じ結晶化方法で、さらに20倍量のメタノール−水(37:3)を用いて再結晶させて精製しかつ乾燥すると、トリヒドロキシエチルルトシドの含有量は98.3%となった。
【0046】
トリヒドロキシエチルルトシド含有反応液を、001×14カチオン樹脂カラム、717アニオン樹脂カラムをそれぞれ通過させて脱塩した後、減圧濃縮して、スプレー乾燥し、9000mlのメタノール−イソプロパノール(95:5)を添加して、加熱して溶解し、注射薬用活性炭を添加して30分間還流し、熱いうちにろ過した。ろ液を室温で6時間自然に結晶化させてからろ過し、40〜50℃で固体を乾燥して、トリヒドロキシエチルルトシドを得た。検出された含有量は95.8%であった。得られた固体を同じ結晶化方法で、さらに20倍量のメタノール−イソプロパノール(95:5)を用いて再結晶させて精製しかつ乾燥すると、トリヒドロキシエチルルトシドの含有量は98.6%となった。
【0047】
以上の比較からわかるように、同様の方法で精製しても、本発明の調製過程を用いた方が、精製効果がより良好である。
【0048】
従来技術、例えば米国特許6855697明細書の技術で調製された純度91.3%のトリヒドロキシエチルルトシドを、引き続き20〜25倍量のメタノール−イソプロパノール(95:5)混合溶媒を用いて再結晶を複数回繰り返して精製しても、純粋な生成物を得ることはできなかった。結果は以下の通りである。
【0050】
本発明の実施例は以下に示す通りである。ただし、本発明を限定するものではない。
【実施例1】
【0051】
1) 0.86モルのホウ砂(Na
2B
4O
7・10H
2O)328gを脱イオン水2500ml中に添加して、攪拌して溶解し、さらに0.82モルのルチン605gを添加し、溶解されるまで40〜45℃で攪拌し、ろ過することにより、清澄なルチン−ホウ砂複合体の水溶液が得られた。当該溶液を40〜45℃に維持し、攪拌状態で、2モルのエチレンオキシド88gを徐々に導入し、反応時間を約6時間とした。反応が完了したことをHPLCにより検出し、5N塩酸を用いて反応液のpHを2.0に調節し、3〜5℃の条件で12時間放置してからろ過することにより、固体のろ過ケーキが得られた。7−モノヒドロキシエチルルトシドを504g含有し、収率は95%であった。
【0052】
2) 1)において得られた7−モノヒドロキシエチルルトシドの含水固体1460gを脱イオン水4750mlに添加し、攪拌状態で60℃まで加熱して全て溶解し、ろ過した。ろ液を3〜5℃で一夜放置してからろ過し、得られた固体を40〜50℃で12時間乾燥することにより、7−モノヒドロキシエチルルトシド450gが得られた。得られた7−モノヒドロキシエチルルトシドの無水物換算による含有量は98.3%、クロマトグラフ純度は98.6%、収率は89.3%であり、総収率は84.8%であった。
【0053】
3) 2において得られた0.7モルの7−モノヒドロキシエチルルトシド490gおよび水酸化ナトリウム5.6gを脱イオン水1880ml中に添加し、攪拌しながら加熱して75〜80℃に維持し、エチレンオキシド92g(2.1モル)を反応液中に徐々に導入し、5〜6時間反応を保持した。HPLC検出によるトリヒドロキシエチルルトシドの割合が75〜78%に達したら、エチレンオキシドの添加を停止すると共に、窒素ガスを反応液に導入して速やかに降温させ、反応液が40℃以下になったら、3N塩酸を添加してpH値が5.0±0.2になるように調節した。反応液を732カチオン樹脂カラム、717アニオン樹脂カラムにそれぞれ通過させて脱塩し、その後減圧濃縮して、スプレー乾燥することにより、固体粉末520gを得た。トリヒドロキシエチルルトシドの含有量は92.3%、融点は180〜183℃、収率は98%であり、総収率は83.1%であった。
【0054】
4) 3)において得られた固体粉末500gをメタノール10000mlに添加して、加熱して溶解し、注射薬用活性炭1.0gを添加して30分間還流し、熱いうちにろ過した。ろ液を室温で6時間自然に結晶化させ、ろ過して、40〜50℃で固体を乾燥することにより、トリヒドロキシエチルルトシド410gが得られ、その純度は96.8%、収率は82%であり、総収率は68.1%であった。
【0055】
5) 4)において得られた固体粉末410gをメタノール9500mlに添加して、加熱して溶解し、30分間還流し、熱いうちにろ過した。ろ液を室温で6時間自然に結晶化させ、ろ過して、40〜50℃で固体を真空乾燥することにより、トリヒドロキシエチルルトシド338gが得られ、その純度は98.2%、クロマトグラフ純度は98.4%、融点は184〜186℃、収率は82.5%であり、総収率は56%であった。
【実施例2】
【0056】
1) 0.43モルのホウ砂(Na
2B
4O
710H
2O)164g、0.3モルの水酸化ナトリウム(NaOH)12gを脱イオン水2000ml中に添加し、攪拌して溶解し、さらに0.82モルのルチン605gを添加し、40〜45℃に加熱して維持し、攪拌状態で、2モルのエチレンオキシド88gを徐々に導入し、反応時間を約12時間とした。反応が完了したことをHPLCにより検出し、5N塩酸を用いて反応液のpHを2.0に調節し、3〜5℃の条件で12時間放置してからろ過することにより、固体のろ過ケーキが得られた。7−モノヒドロキシエチルルトシドを510g含有し、収率は96%であった。
【0057】
2) 1)において得られた7−モノヒドロキシエチルルトシド510g(総重量1450、含水量940g)を脱イオン水2000mlに添加して、攪拌状態で40℃まで加熱し、固体が全て溶解されるまで飽和炭酸水素ナトリウム溶液を滴下し、ろ過した。0.1モルの塩酸を用いてろ液のpHを4.0に調節し、3〜5℃で一夜放置してからろ過し、得られた固体を40〜50℃で12時間乾燥することにより、7−モノヒドロキシエチルルトシド433g(総重量470g)が得られた。無水物換算による含有量は98.6%、クロマトグラフ純度は98.8%、収率は85%であり、総収率は81.6%であった。
【0058】
3) 2)において得られた0.67モルの7−モノヒドロキシエチルルトシド433gおよびアンモニア水5.6gを脱イオン水1880ml中に添加し、攪拌しながら加熱して75〜80℃に維持し、エチレンオキシド92g(2.1モル)を反応液中に徐々に導入し、5〜6時間反応を保持した。HPLC検出によるトリヒドロキシエチルルトシドの割合が75〜78%に達したら、エチレンオキシドの添加を停止すると共に、窒素ガスを反応液に導入して速やかに降温させ、反応液が40℃以下になったら、前処理したD101マクロ孔質樹脂に反応液を直接ロードして精製した。樹脂用量は20kgであり、ローディングが完了すると、まず、洗浄液が中性になるまで脱イオン水で洗浄して、硝酸銀試薬によりクロロイオンが陰性を示すことを検査した。60%エタノールで液体が無色になるまで樹脂を洗浄して、洗浄液を収集し、2500mlまで減圧濃縮して、スプレー乾燥することにより、固体粉末465gが得られた。トリヒドロキシエチルルトシドの含有量は92%、収率は86%であり、総収率は70.2%であった。
【0059】
4) 3)において得られた固体粉末465gをメタノール8000mlに添加して、加熱して溶解し、注射薬用活性炭1.0gを添加して30分間還流し、熱いうちにろ過した。ろ液を室温で6時間自然に結晶化させ、ろ過して、40〜50℃で固体を乾燥することにより、トリヒドロキシエチルルトシド381gが得られ、その純度は97.2%、収率は82%であり、総収率は57.6%であった。
【0060】
5) 4)において得られた固体粉末381gをメタノール10500mlに添加して、加熱して溶解し、30分間還流し、熱いうちにろ過した。ろ液を室温で6時間自然に結晶化させ、ろ過して、40〜50℃で固体を真空乾燥することにより、トリヒドロキシエチルルトシド314gが得られ、その純度は98.3%、クロマトグラフ純度は98.3%、融点は184〜186℃、収率は82.5%であり、総収率は47.5%であった。
【実施例3】
【0061】
1) 0.86モルのホウ砂(Na
2B
4O
7・10H
2O)328gを脱イオン水2000ml中に添加し、攪拌して溶解し、さらに0.82モルのルチン605gを添加し、40〜45℃で溶解するまで攪拌してろ過することにより、清澄なルチン−ホウ砂複合体の水溶液が得られた。当該溶液を40〜45℃に維持し、攪拌状態で、2モルのエチレンオキシド88gを反応液に徐々に導入した。反応時間を約6時間とし、反応が完了したことをHPLCにより検出した。通常の方法で前処理したD101マクロ孔質樹脂を用いて反応液を直接分離して精製した。樹脂用量は25kgであり、ローディングが完了すると、溶離液のpHが中性に近くなるまで脱イオン水を用いて洗浄した。先に10%エタノール2000mlを用いて洗浄し、次に60%エタノール10000mlを用いて洗浄し、続いて90%エタノールを用いて完全に洗浄した。60%エタノール溶離液を収集してアルコール臭が無くなるまで真空濃縮し、12000mlになるまで水を添加し、溶液を3〜5℃で一夜放置してからろ過して、ろ過ケーキを氷水ですすぐことにより、7−モノヒドロキシエチルルトシド473g(総重量1440g)が得られた。無水物換算による純度は99.3%、クロマトグラフ純度は99.3%、収率は89.3%であった。
【0062】
2) 1)において得られた7−モノヒドロキシエチルルトシドの含水固体1440gを脱イオン水4750mlに添加し、攪拌状態で、60℃まで加熱して、全て溶解し、ろ過した。3N塩酸を用いてろ液のpHを2.0に調節して、3〜5℃で一夜放置してからろ過し、得られた固体を40〜50℃で12時間乾燥することにより、7−モノヒドロキシエチルルトシド463g(含水量8%)が得られた。無水物換算による純度は99.5%、クロマトグラフ純度は99.5%、収率は90.1%であり、総収率は80.5%であった。
【0063】
3) 2)において得られた0.71モルの7−モノヒドロキシエチルルトシド463gおよび水酸化ナトリウム5.6gを脱イオン水1880ml中に添加し、攪拌しながら加熱して75〜80℃に維持し、エチレンオキシド92g(2.1モル)を反応液中に徐々に導入し、5〜6時間反応を保持した。HPLC検出によるトリヒドロキシエチルルトシドの割合が75〜78%に達すると、エチレンオキシドの添加を停止すると共に、窒素ガスを反応液に導入して速やかに降温させた。反応液が40℃以下になったら、3N塩酸を添加してpH値が5.0±0.2になるまで調節し、反応液を732カチオン樹脂カラム、717アニオン樹脂カラムにそれぞれ通過させて脱塩し、その後減圧濃縮して、スプレー乾燥することにより、固体粉末531gを得た。トリヒドロキシエチルルトシドの含有量は85%、融点は180〜183℃、収率は85%であり、総収率は68.4%であった。
【0064】
4) 3)において得られた固体粉末531gをメタノール8000mlに添加して、加熱して溶解し、注射薬用活性炭1.0gを添加して30分間還流し、熱いうちにろ過した。ろ液を室温で6時間自然に結晶化させてからろ過し、40〜50℃で固体を乾燥することにより、トリヒドロキシエチルルトシド435gが得られた。その含有量は95.8%、収率は82%であり、総収率は56%であった。
【0065】
5) 4)において得られた固体粉末435gをメタノール10500mlに添加して、加熱して溶解し、30分間還流し、熱いうちにろ過した。ろ液を室温で6時間自然に結晶化させてからろ過し、40〜50℃で固体を真空乾燥することにより、トリヒドロキシエチルルトシド354gが得られた。その含有量は98.4%、クロマトグラフ純度は98.4%、融点は184〜186℃、収率は81.5%であり、総収率は45.6%であった。
【実施例4】
【0066】
1) 7−モノヒドロキシエチルルトシドの調製は実施例1と同様である。
【0067】
2) 1)において得られた0.71モルの7−モノヒドロキシエチルルトシド510gおよび水酸化ナトリウム5.6gを脱イオン水1000mlとエタノール800mlとの混合溶液中に添加し、攪拌しながら加熱して70〜75℃に維持し、エチレンオキシド92g(2.1モル)を反応液中に徐々に導入して添加した。10〜13時間反応を保持し、トリヒドロキシエチルルトシドの割合が75〜78%に達したことをHPLCにより検出したら、エチレンオキシドの添加を停止すると共に、窒素ガスを反応液に導入して速やかに降温させた。反応液が40℃以下になったら、3N塩酸を添加してpH値が5.0±0.2になるまで調節し、エタノールを減圧回収した。反応液を732カチオン樹脂カラム、717アニオン樹脂カラムにそれぞれに通過させて脱塩し、スプレー乾燥することにより、固体粉末480gが得られた。トリヒドロキシエチルルトシドの含有量は93.4%、融点は181〜184℃、収率は85%であった。
【0068】
3) 得られた固体を、実施例1の方法に応じてメタノールを用いて再結晶化を2回行うことにより、トリヒドロキシエチルルトシド323gが得られた。クロマトグラフ純度は98.6%、純度は98.5%、融点は185〜186℃であり、総収率は53.5%であった。
【実施例5】
【0069】
1) 7−モノヒドロキシエチルルトシドの調製は実施例1と同様である。
【0070】
2) 1)において得られた0.71モルの7−モノヒドロキシエチルルトシド510gおよび水酸化ナトリウム5.6gを脱イオン水1000mlとメタノール800mlとの混合溶液中に添加し、攪拌しながら加熱して60〜70℃に維持し、エチレンオキシド92g(2.1モル)を反応液中に徐々に導入し添加した。10〜13時間反応を保持し、HPLC検出によるトリヒドロキシエチルルトシドの割合が75〜78%に達したら、エチレンオキシドの添加を停止すると共に、窒素ガスを反応液に導入して速やかに降温させた。反応液が40℃以下になったら、3N塩酸を添加してpH値が5.0±0.2になるまで調節し、さらに、反応液を732カチオン樹脂カラム、717アニオン樹脂カラムにそれぞれ通過させて脱塩した。メタノールを減圧回収し、スプレー乾燥することにより、固体粉末474gが得られた。トリヒドロキシエチルルトシドの含有量は94.5%、融点は181〜184℃、収率は84%であった。
【0071】
3) 得られた固体を、実施例1の方法に応じてメタノールで再結晶を2回行うことにより、トリヒドロキシエチルルトシド317gが得られた。クロマトグラフ純度は98.7%、融点は185〜186℃であり、総収率は52.5%であった。
【実施例6】
【0072】
1) 7−モノヒドロキシエチルルトシドの調製は実施例1と同様である。
【0073】
2) 5000mlのオートクレーブ中に、1)において得られた0.71モルの7−モノヒドロキシエチルルトシド510gおよびトリエチルアミン10ml、メタノール2000mlを添加し、最後にエチレンオキシド132g(3.0モル)を添加して、直ちに密封し、攪拌して昇温させ、加熱して75〜80℃に維持し、2〜3時間反応を保持した。40℃以下に降温したら圧力を解放し、反応液をろ過してから、732カチオン樹脂カラム、717アニオン樹脂カラムにそれぞれ通過させた後、pH値が5.0±0.2になるまで5N塩酸を用いて調節し、室温に6〜8時間放置してから結晶をろ過することにより、ろ過ケーキ380gが得られた。
【0074】
3) さらに、ろ過ケーキを20倍量のメタノールを用いて加熱して溶解し、30分間還流してろ過した。ろ液を室温に6〜8時間放置してから結晶をろ過し、40〜50℃で真空乾燥することにより、固体粉末304gが得られた。トリヒドロキシエチルルトシドの含有量は98.1%、融点は184〜186℃、収率は58%であった。
【実施例7】
【0075】
1) 7−モノヒドロキシエチルルトシドの調製は実施例1と同様である。
【0076】
2) 5000mlのオートクレーブ中に、1)において得られた0.71モルの7−モノヒドロキシエチルルトシド510gおよびジエチルアミン12ml、メタノール2000mlを添加し、最後にエチレンオキシド132g(3.0モル)を添加して、直ちに密封し、攪拌して昇温させ、加熱して75〜80℃に維持し、2〜3時間反応を保持した。40℃以下に降温したら圧力を解放し、反応液をろ過してから、732カチオン樹脂カラム、717アニオン樹脂カラムにそれぞれ通過させた後、pH値が5.0±0.2になるまで5N塩酸を用いて調節し、室温に6〜8時間放置してから結晶をろ過することにより、ろ過ケーキ375gが得られた。
【0077】
3) さらに、ろ過ケーキを20倍量のメタノール−イソプロパノール(37:3)を用いて加熱して溶解し、30分間還流してろ過した。ろ液を室温に6〜8時間放置してから結晶をろ過し、40〜50℃で真空乾燥することにより、固体粉末302gが得られた。トリヒドロキシエチルルトシドの含有量は98.3%、融点は184〜186℃、収率は57%であった。
【実施例8】
【0078】
1) 7−モノヒドロキシエチルルトシドの調製は実施例1と同様である。
【0079】
2) 5000mlのオートクレーブ中に、1)において得られた0.71モルの7−モノヒドロキシエチルルトシド510gおよびアンモニア水30ml、メタノール2000ml、エチレンオキシド154g(3.5モル)を添加して、直ちに密封し、攪拌して昇温させ、加熱して75〜80℃に維持し、2〜3時間反応を保持した。40℃以下に降温したら圧力を解放し、反応液をろ過してから、732カチオン樹脂カラム、717アニオン樹脂カラムにそれぞれ通過させた後、pH値が5.0±0.2になるまで5N塩酸を用いて調節し、室温に6〜8時間放置してから結晶をろ過することにより、ろ過ケーキ360gが得られた。
【0080】
3) さらに、ろ過ケーキを20倍量のメタノールを用いて加熱して溶解し、30分間還流してろ過し、ろ液を室温に6〜8時間放置して、結晶をろ過し、40〜50℃で真空乾燥することにより、固体粉末290gが得られた。トリヒドロキシエチルルトシドの含有量は98.2%、融点は184〜186℃、収率は55%であった。
【実施例9】
【0081】
1) 7−モノヒドロキシエチルルトシドの調製は実施例1と同様である。
【0082】
2) 5000mlのオートクレーブ中に、1において得られた0.71モルの7−モノヒドロキシエチルルトシド510gおよびピリジン10ml、メタノール1600ml、エタノール400mlを添加し、最後にエチレンオキシド154g(3.5モル)を添加して、直ちに密封し、攪拌して昇温させ、加熱して77〜82℃に維持し、2〜3時間反応を保持した。40℃以下に降温したら圧力を解放し、反応液をろ過してから、717アニオン樹脂カラムに通過させた後、pH値が5.0±0.2になるまで5N塩酸を用いて調節し、室温に6〜8時間放置して、結晶をろ過することにより、ろ過ケーキ420gが得られた。
【0083】
3) さらに、ろ過ケーキを20倍量のメタノール−エタノール(95:5)を用いて加熱下で溶解し、30分間還流した後にろ過した。ろ液を室温に6〜8時間放置してから結晶をろ過し、40〜50℃で真空乾燥することにより、固体粉末336gが得られた。トリヒドロキシエチルルトシドの含有量は98.2%、融点は184〜186℃、収率は64%であった。
【実施例10】
【0084】
1) 7−モノヒドロキシエチルルトシドの調製は実施例1と同様である。
【0085】
2) 5000mlのオートクレーブ中に、1)から得られた0.71モルの7−モノヒドロキシエチルルトシド510gおよびピリジン10ml、メタノール2000mlを添加し、最後にエチレンオキシド154g(3.5モル)を添加して、直ちに密封し、攪拌して昇温させ、加熱して75〜80℃に維持し、2〜3時間反応を保持した。40℃以下に降温したら圧力を解放し、5N塩酸を用いて反応液のpH値が5.0±0.2になるまで調節し、室温に6〜8時間放置してから結晶をろ過することにより、ろ過ケーキ410gが得られた。
【0086】
3) さらに、ろ過ケーキを20倍量のメタノールを用いて加熱して溶解し、30分間還流した後にろ過した。ろ液を室温に6〜8時間放置して、結晶をろ過し、40〜50℃で真空乾燥することにより、固体粉末310gが得られた。トリヒドロキシエチルルトシドの含有量は98.3%、融点は184〜186℃、収率は61%であった。
【実施例11】
【0087】
1) 実施例5において得られた98.7%のトリヒドロキシエチルルトシド100gをメタノール−エタノール(50:50)3000mlに添加し、30分間還流して、熱いうちにろ過し、ろ液を室温で6時間自然に結晶化させた。ろ過した後、40〜50℃で固体を真空乾燥することにより、トリヒドロキシエチルルトシド80.2gが得られた。クロマトグラフ純度は98.8%、純度は98.8%、融点は186〜188℃であった。
【0088】
2) 1)において得られた純度98.8%のトリヒドロキシエチルルトシド80gをメタノール−イソプロパノール(95:5)2400mlに添加し、30分間還流して、熱いうちにろ過し、ろ液を室温で6時間自然に結晶化させた。ろ過して、40〜50℃で固体を真空乾燥することにより、トリヒドロキシエチルルトシド64.3gが得られた。クロマトグラフ純度は99.2%、純度は99.2%、融点は187〜189℃であった。