特許第6234567号(P6234567)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6234567
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】追加加工モジュールを備えたプレス機械
(51)【国際特許分類】
   B30B 11/00 20060101AFI20171113BHJP
   B30B 11/02 20060101ALI20171113BHJP
   B22F 3/10 20060101ALI20171113BHJP
   B22F 3/03 20060101ALI20171113BHJP
   B23P 23/04 20060101ALN20171113BHJP
   B23P 15/28 20060101ALN20171113BHJP
【FI】
   B30B11/00 Q
   B30B11/02 K
   B30B11/02 H
   B30B11/02 F
   B22F3/10 B
   B22F3/03
   !B23P23/04
   !B23P15/28 Z
【請求項の数】16
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-526773(P2016-526773)
(86)(22)【出願日】2014年10月27日
(65)【公表番号】特表2016-540643(P2016-540643A)
(43)【公表日】2016年12月28日
(86)【国際出願番号】AT2014000194
(87)【国際公開番号】WO2015061815
(87)【国際公開日】20150507
【審査請求日】2016年6月27日
(31)【優先権主張番号】GM356/2013
(32)【優先日】2013年10月31日
(33)【優先権主張国】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】500005837
【氏名又は名称】セラティチット オーストリア ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 浩
(72)【発明者】
【氏名】ジンガー−シュネラー、アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】シュトーフ、マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ヴェーバー、アドリアン
【審査官】 石川 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−152766(JP,A)
【文献】 特開平11−320196(JP,A)
【文献】 実開昭60−046994(JP,U)
【文献】 特開2004−345222(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0020082(US,A1)
【文献】 特開平07−148597(JP,A)
【文献】 特開昭62−290804(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B30B 11/00
B22F 3/03
B22F 3/10
B30B 11/02
B23P 15/28
B23P 23/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末材料から成形体を形成し加工する、追加加工モジュールを備えたプレス機械であって、
コントローラと、
プレスフレームと、
前記プレスフレームに配置され、粉末材料から成形体(10,10’)を加圧成形する加圧ユニット(2,2’)と、
成形体(10,10’)を加工する少なくとも1つの加工ユニット(12a,12b)を備えた追加加工モジュールであって、前記少なくとも1つの加工ユニット(12a,12b)が、穿孔ユニット、切削ユニット、研削ユニット、又は工具キャリアを有する、追加加工モジュールと、
を有し、
前記加圧ユニット(2,2’)は、粉末材料を収容するキャビティをもつダイ(4,4’)と、前記キャビティと共同して成形体用の型を提供する少なくとも2つのパンチ(6,8;6’,8’)と、前記加圧ユニットの加圧軸(A)の方向において少なくとも1つの前記パンチ(6,6’)を少なくとも1つの他方の前記パンチ(8,8’)に対し作動させる少なくとも1つの駆動ユニットと、を有し、
前記コントローラは、加圧工程の後に成形体(10,10’)を前記ダイ(4,4’)から少なくとも部分的に排出し、この少なくとも部分的な排出の後、前記少なくとも2つのパンチ(6,8;6’,8’)の間に当該成形体を保持するように構成され、
前記コントローラは、前記ダイ(4,4’)から少なくとも部分的に排出されて前記少なくとも2つのパンチ(6,8;6’,8’)の間にクランプして保持されている成形体(10,10’)を、前記少なくとも1つの加工ユニット(12a,12b)により加工するように構成されている、プレス機械。
【請求項2】
前記追加加工モジュールが前記プレスフレームに配置される、請求項1に記載のプレス機械。
【請求項3】
前記追加加工モジュールは、前記少なくとも1つの加工ユニット(12a,12b)が配置される作業端部にマニピュレータを有する、請求項1又は請求項2に記載のプレス機械。
【請求項4】
前記追加加工モジュールは、クランプされた成形体(10,10’)へ前記少なくとも1つの加工ユニット(12a,12b)を向かわせる少なくとも1つのガイドユニットを有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のプレス機械。
【請求項5】
前記追加加工モジュールは、前記少なくとも1つの加工ユニット(12a,12b)を第1の方向に移動させる第1ガイドユニットを有すると共に、該第1の方向と並走しない第2の方向、好ましくは、前記第1の方向と直交する第2の方向に、前記少なくとも1つの加工ユニット(12a,12b)を移動させる第2ガイドユニットを有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のプレス機械。
【請求項6】
前記追加加工モジュールは、前記第1及び第2の方向と並走しない第3の方向、好ましくは、前記第1及び第2の方向と直交する第3の方向に、前記少なくとも1つの加工ユニット(12a,12b)を移動させる第3ガイドユニットを有する、請求項5に記載のプレス機械。
【請求項7】
前記追加加工モジュールは、回転軸、好ましくは、前記加圧軸と直交する回転軸を中心に、前記少なくとも1つの加工ユニット(12a,12b)を回転させる回転継手を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のプレス機械。
【請求項8】
前記追加加工モジュールは、前記プレスフレームに取り付けられる回転プラットフォームを有し、該回転プラットフォームに前記少なくとも1つの加工ユニットが配置され、この回転プラットフォームは、前記加圧軸を中心に回転可能である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のプレス機械。
【請求項9】
前記追加加工モジュールは、前記加工ユニット(12a,12b)を成形体へアクセス可能にして少なくとも2つ有し、好ましくは、当該少なくとも2つの加工ユニットを、前記加圧軸(A)を挟んで対角線上に又は対称に対向させて配置して有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載のプレス機械。
【請求項10】
前記追加加工モジュールは、クランプされた成形体へ前記少なくとも2つの加工ユニットを個別にアクセスさせるために、前記少なくとも2つの加工ユニット(12a,12b)のそれぞれに対し、第1ガイドユニット、第2ガイドユニット、第3ガイドユニット、回転ガイド、及び回転継手のいずれか1つ以上を有するか、又は、前記追加加工モジュールは、前記少なくとも2つの加工ユニットを共同して1つの方向に動作させるために、前記少なくとも2つの加工ユニットに対し少なくとも1つの共用ガイドユニットを有する、請求項9に記載のプレス機械。
【請求項11】
前記プレスフレーム又はガイドユニットに配置され、成形体を把持する少なくとも1つの把持手段を有するハンドリング装置を有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載のプレス機械。
【請求項12】
前記ハンドリング装置の1つ又は複数の前記把持手段が、前記パンチ間にクランプされた成形体へアクチュエータ装置によってアクセス可能であり、好ましくは、前記ハンドリング装置の1つ又は複数の前記把持手段は、回転可能アーム、伸縮可能アーム、又は回転及び伸縮可能アームに配置される、請求項11に記載のプレス機械。
【請求項13】
粉末材料から成形体(10,10’)を形成し加工する方法であって、
ダイ(4,4’)のキャビティに粉末材料を投入するステップと、
少なくとも2つのパンチ(6,8;6’,8’)により加圧軸(A)の方向に前記粉末材料を加圧して成形体(10,10’)を形成するステップと、
前記少なくとも2つのパンチ(6,8;6’,8’)の間に前記成形体をクランプして保持しておいて、前記キャビティから前記成形体(10,10’)を少なくとも部分的に排出するステップと、
前記少なくとも2つのパンチ(6,8;6’,8’)の間に前記成形体をクランプして保持した状態で、穿孔ユニット、切削ユニット、研削ユニット、又は工具キャリアからなる少なくとも1つの加工ユニット(12a,12b)により前記成形体(10,10’)を加工するステップと、
を含む方法。
【請求項14】
前記成形体(10,10’)を排出するために、前記ダイ(4,4’)が下降するか又は前記少なくとも2つのパンチ(6,8;6’,8’)が上昇する、あるいは、前記成形体(10,10’)を排出するために、前記ダイ(4,4’)が上昇するか又は前記少なくとも2つのパンチ(6,8;6’,8’)が下降する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記加工ステップの後に、
前記2つのパンチ(6,6’)の少なくとも一方を前記成形体から離すステップと、
把持手段を備えたハンドリング装置により前記成形体を把持するステップと、
前記ハンドリング装置により前記成形体を取り出すステップと、を含む、
請求項13又は請求項14に記載の方法。
【請求項16】
粉末材料から成形体を形成して加工するために請求項1〜12のいずれか1項に記載のプレス機械を使用する、使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、追加加工モジュールを備えたプレス機械、プレス機械の使用法、及び、粉末材料から成形体を形成し加工する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、粉末材料からアンダーカット付きの成形体を製造するプレス装置を開示する。アンダーカッティングした型穴を形成してあるダイがプレスフレーム上に配置される。上パンチと下パンチとが型穴と相互作用する。型穴は、上及び下パンチの縦方向主加圧軸に対して横方向に移動可能な、少なくとも1つのスライド、横方向加圧パンチ、又はダイの可動部品により、仕切られている。スライド、横方向加圧パンチ及び可動ダイ部品の調節駆動の実際の状態をセンサが測定し、当該実際の状態が調節装置において目標値と比較される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許出願公開DE 10 2006 020 213 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、粉末材料からの成形体加工を改善する、プレス機械、プレス機械の使用法及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的は、請求項1,14及び17における特徴により達成される。
【0006】
有益な態様が独立形式請求項の主題である。
【0007】
請求項1によれば、粉末材料から成形体を形成し加工する追加加工モジュールを備えたプレス機械が提供される。例えば、金属材料、硬質金属、サーメット又はセラミック材料から切削工具(インデキサブルインサート(スローアウェイチップ)など)の成形体を製造するために。硬質金属及びサーメットは、延性バインダーからなるマトリックス中に硬質材料粒子が埋め込まれている材料である。このプレス機械はプレスフレームを有し、該プレスフレームに、粉末材料から成形体を加圧成形する加圧ユニットが配置又は固定される。加圧ユニットは、(加圧される)粉末材料を収容するキャビティと、該キャビティと協働して成形体用の型を形成する少なくとも2つのパンチと、を備える。少なくとも1つの駆動ユニット(例えば、気圧式、電気式、液圧式)が、主加圧軸の方向において少なくとも1つのパンチを少なくとも1つの他方のパンチに対し作動させるために設けられる。パンチが互いに向かって作動すれば、キャビティに注入された粉末材料に圧力がかかり、当該粉末が成形体を形成すべく圧縮される。パンチが相手に対し互いに離れる方向へ作動すれば、成形体を加圧ユニットから取り出すことができる。例えば、主加圧軸は縦方向に設定され、そして少なくとも1つずつの上パンチと下パンチが提供され、これらが加圧のために少なくとも部分的にキャビティ内へ移動してキャビティ内にある粉末材料を圧縮する。ダイは、単一部品の形態とすることができ、この場合の成形体は加圧後にキャビティから下方又は上方へ排出される。あるいは、ダイは、多部品設計でもよく、この場合、成形体の排出のために、分割されたダイの個々の部品が例えば放射方向外向きに可動とされる。
【0008】
当該プレス機械は、成形体加工用に少なくとも1つの加工ユニットを備えた追加加工モジュールを有する。例えば、少なくとも1つの穿孔ユニット、切削ユニット又は研削ユニット、あるいは複数の同じ又は異なる加工ユニットの組み合わせである。プレス機械は追加加工モジュールと共にコントローラによって制御される。このコントローラは、プレス機械の標準的コントロールユニットで、追加加工にも対応設計されたものでもよいし、例えば加圧工程と追加加工とに別々に提供されたサブコントローラとしての設計も可能である。後者の場合、コントローラは複数のサブコントローラを有し、これらサブコントローラは、例えば、お互いに機能面で組み合わされていてもよいし、互いに独立していてもよい。コントローラは(例えばコントローラの第1サブコントローラ)、加圧工程の後にダイから成形体を排出し、排出後、少なくとも2つのパンチの間にクランプされた成形体を保持する、すなわち、所定の保持力又はクランプ力でパンチ間に成形体を保持するように、構成される。少なくとも2つのパンチは、成形体を位置固定する。成形体は、例えば、ダイのみが下降し、パンチは位置を保つ解放方法で排出可能である。あるいは、ダイが静止したままで、少なくとも2つのパンチが共に上方又は下方へ移動する排出方法でもよい。
【0009】
コントローラは(例えばコントローラの第2サブコントローラ)、さらに、ダイから排出されて少なくとも2つのパンチ間にクランプ保持されている成形体を、少なくとも1つの加工ユニットで加工するように、構成される。この加工を開始する前に完全に排出しておくことも可能であるが、例えば、加工に先立って始めに部分的にのみ成形体を排出することも可能である。例えば、加圧及び少なくとも部分的な排出の後、何らかの構造を成形体に導入することが可能であり、これは、例えば肉の薄い接線インサートなど、現状の加圧技術では限界である構造の場合である。加工の別の例としては、例えばネジ孔や冷却路孔を形成するための切削がある。特に、アンダーカットやその他の構造が、上述のプレス機械で事後的に作成可能となる。
【0010】
すなわち、アンダーカットの作成に(複雑な)分割ダイは不要である。要するに、多様な追加オプションが、上述の追加加工で(焼結前に)、現状の直接加圧に提供され、これは、そうでなければ、例えば射出成形によってのみ実現可能であったことである。
【0011】
粉末冶金製品の製造において、(最終)製品の形は、圧縮されて成形体又は圧粉体を形成する粉末から、加圧によって生成される。後に続く成形体の焼結時において初めて、圧縮された粉末粒子間に固い結合が生成される。言い換えると、加圧後(焼結前)の成形体は機械的損傷に敏感である。追加加工モジュールを備えた上述のプレス機械の場合、成形体をつかみ出すことなく加圧工程直後にプレス機械内で成形体を加工するので、損傷のリスクが大きく減る。
【0012】
成形体のクランプに有効な力、すなわち保持又はクランプ力は、プレス機械の駆動ユニットにより提供される。例えば気圧式、電気式又は液圧式で提供されて少なくとも2つのパンチを介して作用するクランプ力は、コントローラにより、例えば、選択力により直接的に、制御又は調節あるいは制御及び調節をすることができる。少なくとも1つの加工ユニットは、好ましくは、穿孔ユニット、切削ユニット又は研削ユニットを有する。例えば、2つの加工ユニットが(主)加圧軸を挟んで対向させて提供され、時間を短縮するべく両側から成形体を加工する。この代わりに、又は、これに追加して、少なくとも1つの加工ユニットが、異なる工具を装備した工具キャリアを有し、1つの加工ユニットであっても複数の工具を用いて弾力的に成形体を加工し得る。
【0013】
追加加工モジュールは、好適には、プレスフレームに配置又は固定される。これにより、プレス機械に対する追加加工モジュールの確実な連結が提供される。あるいは、追加加工モジュールは、少なくとも1つの加工ユニットを搭載するためにモジュール基礎又はモジュールフレームを有する。モジュールフレームは、例えばプレスフレームの隣に配置又は組み付け可能である。これにより、成形体を加工する追加加工モジュールは、要求に応じて自由に選択可能な加圧ユニットのサイドに配置することができる。
【0014】
追加加工モジュールは、好ましくは、少なくとも1つの加工ユニットが配置される作業端部に、少なくとも1つのマニピュレータ又はロボットアームを有する。マニピュレータ、例えば回転可能アーム、伸縮可能アーム、又は回転及び伸縮可能アームは、プレスフレームかモジュール基礎に設置可能であり、コントローラによって制御可能である。マニピュレータは、例えば、6軸設計であるか、6自由度をもち、これにより加工ユニットは、クランプされた成形体に対し多様な角度でアクセスすることができる。例えば、マニピュレータは、直線ガイド、又は主加圧軸周囲の環形ガイドに配置可能であり、このようなマニピュレータは、クランプされた成形体へ向かって単純に進むことができる。
【0015】
追加加工モジュールは、好適には、少なくとも1つの駆動ユニットと、クランプした成形体へ少なくとも1つの加工ユニットを向かわせるための少なくとも1つのガイドユニットと、を有する。例えば、ガイドユニットは、穿孔ユニットを固定する台車を備えた直線ガイドとして設計される。例えば、駆動ユニットは、液圧式、電気式又は気圧式のものが提供される。
【0016】
好ましい態様によれば、追加加工モジュールは、少なくとも1つの加工ユニットを第1の方向に移動させる第1ガイドユニットと、該第1の方向と並走しない第2の方向に少なくとも1つの加工ユニットを移動させる第2ガイドユニットと、を有する。これにより、加工ユニットは、平面内で、例えば主加圧軸に直交するX−Y平面内で、自在に移動可能となる。このような2方向コントロール式加工ユニットを使用することで、例えば、成形体をある高さで加工することが可能である。
【0017】
例えば、パンチによりダイから上方又は下方(主加圧軸の方向又はZ方向)へ成形体を排出する加圧ユニットが用いられる場合、クランプされた成形体は、Z方向の2つのパンチ又は成形体とX−Y平面内の案内とを組み合わせた動作により、どの高さにおいても加工可能である。例えば、穴を所望の(アクセス可能な)箇所に開けることができる。あるいは、加工平面が、主加圧軸に対し多様な角度に設定される。例えば、加工平面が主加圧軸と平行に延伸するか、又は、ガイドユニットが主加圧軸(Z軸)の方向に可動性を提供する。
【0018】
追加加工モジュールは、好ましくは、第1及び第2の方向と並走しない第3の方向に少なくとも1つの加工ユニットを移動させる第3ガイドユニットを有する。例えば、第1及び第2の方向と直交する第3の方向によって、上述したように、成形体はどの高さでも加工される。
【0019】
追加加工モジュールは、具体的に好ましくは、回転軸を中心に少なくとも1つの加工ユニットを回転させるための回転継手を有する。例えば、加圧軸と直交する回転軸を中心とする。これにより、クランプされた成形体は、多様な調節可能な角度で加工され得る。
【0020】
追加加工モジュールは、好ましくは、プレスフレームに取り付けられた回転ガイドを有し、この回転ガイドに少なくとも1つの加工ユニットが配置される。回転ガイドにより、加工ユニットが主加圧軸を中心に回転可能に設置され、この加工ユニットは、多様な箇所で成形体に対し回転して進んでいくことができる。回転軸は、好ましくは、加圧軸と並行に形成される。
【0021】
好適な態様によれば、追加加工モジュールは、成形体へアクセス可能な少なくとも2つの加工ユニットを有する。2つの加工ユニットは、好適には、加圧軸を挟んで対角線上に又は対称に対向した配置で設けられ、これにより成形体は、両側から、又は複数の側から、迅速且つ効率的に同時に加工され得る。例えば、クランプされた成形体の第1の部位が第1加工ユニットによって加工される一方、この第1の加工部位に対して軸方向にオフセットした当該成形体の第2の部位が、第2加工ユニットにより加工される。
【0022】
追加加工モジュールは、特に好ましくは、第1ガイドユニット、第2ガイドユニット、第3ガイドユニット、回転ガイド、及び回転継手のいずれか1つ以上を少なくとも2つの加工ユニットのそれぞれに有し、これによって少なくとも2つの加工ユニットが個別に動作するか、又は、個別に同時に成形体へアクセスする。あるいは、追加加工モジュールは、少なくとも2つの加工ユニットに対し少なくとも1つの共用ガイドユニットを有し、これにより少なくとも2つの加工ユニットが共同して少なくとも1つの方向に動作する。例えば、共用直線ガイドに共用台車が設けられ、このガイドに、2つの加工ユニットが成形体又は主加圧軸を挟んで両側において配置される。この態様において、例えば、2つの加工ユニットは、成形体に貫通孔を形成する穿孔ユニットとして設計可能である。
【0023】
第1工程において、穿孔ユニットが第1の側から成形体に穿孔するがこれは成形体を貫通するには至らない。続いて、第2穿孔ユニットにより反対側から貫通孔を完成させる。片側から貫通孔を形成しないことにより、貫通孔の入口開口が両側ともきれいに区切りよく形成される。2つの穿孔ユニットの穿孔軸が互いに整列していれば、簡単な動作シーケンス(共用直線ガイドを用いた)により、迅速、きれいに成形体に孔を形成することができる。
【0024】
プレス機械は、好ましくは、プレスフレーム又はガイドユニットに配置されたハンドリング装置を有し、そして、成形体を把持する少なくとも1つの把持手段を有する。例えば、ハンドリング装置の1つ又は複数の把持手段は、パンチ間にクランプされた成形体へアクチュエータ装置によってアクセスすることができる。具体的には、ハンドリング装置の1つ又は複数の把持手段は、回転可能アーム、伸縮可能アーム、回転及び伸縮可能アーム、又はマニピュレータに配置される。例えば、成形体の加工後、上パンチが上方へ移動し、追加加工された成形体が、次の焼結のためにハンドリング装置によって取り出される。
【0025】
粉末材料から成形体を形成し加工する方法について次に説明する。この方法は、上述したプレス機械により実行可能である。
【0026】
当該方法は、粉末材料をダイのキャビティに投入するステップと、少なくとも2つのパンチにより加圧軸の方向に前記粉末材料を加圧して成形体を形成するステップと、この成形体を前記少なくとも2つのパンチの間に保持しておいてキャビティから少なくとも部分的に排出するステップと、前記少なくとも2つのパンチの間に成形体を保持した状態で、少なくとも1つの加工ユニットによりこの成形体を加工するステップと、を含む。この方法によっても、上記プレス機械に関連して述べた利点が得られる。
【0027】
好ましくは、成形体を排出するために、ダイが下降するか、又は、少なくとも2つのパンチが上昇する。あるいは、成形体を排出するために、ダイが上昇するか、又は、少なくとも2つのパンチが一緒に下降する。すなわち、排出後のダイは成形体の上又は下に配置されるので、成形体の側部には加工するために自由にアクセス可能である。
【0028】
加工後の成形体は、好ましくは、把持手段を備えたハンドリング装置によって把持され、2つのパンチの少なくとも一方が成形体から離れると、ハンドリング装置によって加圧ユニットから成形体を取り出すことが可能となる。あるいは、まず最初にハンドリング装置によって成形体を把持し、続いて2つのパンチの少なくとも一方のみを離すようにすることも可能である。成形体は、例えば後の搬送に備えて、保管場所に移しておける。
【0029】
成形体を形成し加工するプレス機械及び方法の前述した及び後述する態様の個々の特徴は、どのようにも互いに組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
次の図面を参照して本発明の実施形態をより詳細に説明する。
図1】プレス機械の加圧ユニットの概略側面図を示す。
図2】成形体の追加加工をしている、追加加工モジュールを備えたプレス機械の要部について、斜視図を示す。
図3】4つのステップi)〜iv)における成形体の追加加工を説明する、図2a〜図2cのプレス機械の拡大図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1a及び図1bは、追加加工モジュールを備えたプレス機械の加圧ユニット2’の要部を概略側面図で示している。加圧ユニット2’は、粉末材料が投入されるキャビティを備えたダイ4’を有する。成形体10’用の型は、ダイ4’のキャビティと共に上パンチ6’及び下パンチ8’によって提供される。使用可能な粉末材料の例としては、具体的にはインデキサブルインサートなどの工具用の、金属粉末、硬質金属、サーメットの合成物がある。以下に説明する、プレス機械で成形体を形成し加工する方法は、コントローラによって制御可能なものである。
【0032】
図1aにおいて、加圧ユニット2’は加圧工程中で示してあり、上パンチ6’が駆動ユニットによって主加圧軸Aの方向に、固定の下パンチ6’へ向かって移動する。これにより粉末材料に圧力がかかり、粉末材料が圧縮されて成形体10’を形成する。図1bに矢印で示すように、加圧工程後のダイ4’は下降し、これによって成形体10’の側部が露出する。成形体10’の排出中、当該成形体10’は、2つのパンチ6’,8’にクランプされて保持されている。成形体10’にかかる負荷Fが維持され、加圧ユニット2’における成形体10’の位置を固定する。成形体10’をクランプする有効力は駆動ユニットにより発生される。例えば気圧式、電気式又は液圧式で発生され、少なくとも2つのパンチ6’,8’を通して成形体10’に作用する保持力又はクランプ力は、コントローラによって、例えば選択力によって直接的に、制御又は調節、あるいは制御及び調節される。
【0033】
図2a〜図2cは、追加加工モジュールを備えたプレス機械の要部を斜視図で示す。上述したのと同じ機能の要素は同じ符号で示してある。
【0034】
図2aは、ダイ4から排出された成形体10を示している。上述したように、成形体10は、上下パンチ6,8の間にクランプされ、該成形体側部が排出後の追加加工のために自由にアクセス可能になっている。図示の例とは別に、実行される加工によっては、加工前に成形体10を部分的にのみ排出することも可能である。
【0035】
この実施形態において、追加加工モジュールは、ドリル14a,14bをもつ穿孔ユニット12a,12bを有し、穿孔ユニット12a,12bは、成形体10又は主加圧軸Aを挟んで反対側に配置される。穿孔ユニット12a,12bのドリル14a,14bは、互いに軸方向において整列しており、以下に説明するようにして、2つのドリル14a,14bにより成形体10に貫通孔16が形成される。
【0036】
図3は、貫通孔16を形成するシーケンスi)〜iv)を、横から見た断面図で概略的に説明している。穿孔ユニット12a,12bは、それぞれが直線ガイド上に配置されており、穿孔ユニット12a,12bはそれぞれ他方から独立して成形体10へアクセス可能になっている。最初のステップにおいて、成形体は始めに第1穿孔ユニット12bによって片側から穿孔されるが、ただしこの穿孔は貫通しない(図3ii)、図2b)。続いて、第1穿孔ユニット12b、つまりドリル14bが穴16から抜き出され(図2c)、そして、第2穿孔ユニット12a、つまり第2ドリル14aにより、孔が完成、すなわち貫通孔16が反対側から形成される(図3iii))。この方法により、成形体を完全に貫通する穿孔でドリル14bの出口側において成形体10の一部が砕けてしまうことが防止され、確実に、穿孔した孔の両側の縁がきれいに区切りよく画定される。図3iv)に図示するように、孔16の完成後、上パンチ6が上昇し、加工後の成形体10を加圧ユニット2から取り出せるようになる。追加加工された成形体10は、次に焼結される。
【0037】
別の例では、2つの穿孔ユニット12a,12bが共用直線ガイド又は共用台車に配置され、第1穿孔ユニットが成形体にアクセスする間、第2穿孔ユニットは成形体から遠ざけられる。
【符号の説明】
【0038】
2,2’ 加圧ユニット
4,4’ ダイ
6,6’ 上パンチ
8,8’ 下パンチ
10,10’ 成形体/粉末材料
12a,12b 穿孔ユニット
14a,14b ドリル
16 貫通孔
A 主加圧軸
F 負荷/加圧圧力
図1
図2
図3