特許第6234580号(P6234580)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6234580受信信号強度に基づくV2Xネットワーク内における受信データ削減
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6234580
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】受信信号強度に基づくV2Xネットワーク内における受信データ削減
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/09 20060101AFI20171113BHJP
   G08G 1/16 20060101ALN20171113BHJP
【FI】
   G08G1/09 H
   !G08G1/16 A
【請求項の数】8
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-535495(P2016-535495)
(86)(22)【出願日】2014年8月22日
(65)【公表番号】特表2016-529624(P2016-529624A)
(43)【公表日】2016年9月23日
(86)【国際出願番号】EP2014067938
(87)【国際公開番号】WO2015025046
(87)【国際公開日】20150226
【審査請求日】2016年4月8日
(31)【優先権主張番号】102013216624.9
(32)【優先日】2013年8月22日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】399023800
【氏名又は名称】コンティネンタル・テーベス・アクチエンゲゼルシヤフト・ウント・コンパニー・オッフェネ・ハンデルスゲゼルシヤフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】グローテンドルスト・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】メンツェル・マルク
(72)【発明者】
【氏名】シェルピング・リヒャルト
(72)【発明者】
【氏名】シュテーリン・ウルリヒ
【審査官】 相羽 昌孝
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/008448(WO,A1)
【文献】 特開2004−206624(JP,A)
【文献】 特開2008−085924(JP,A)
【文献】 特開2007−013961(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0083679(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0098664(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00−99/00
G01C 21/00−21/36
G01C 23/00−25/00
G09B 23/00−29/14
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両アドホックネットワーク(1)において中継される中継信号(18)であって、少なくともピア(3,5,8)に対する位置データ(12)をデータパケット(43)内に有する中継信号(18)のフィルタリングの方法であって、当該方法が、
中継信号(18)の受信(19)、
中継信号(18)からのデータパケット(45)の復調の為の予め定められた受信フィルター規則を有する受信フィルター(45)と、追加的な予め定められた条件(54,55)に基づく、中継信号(18)からデータパケット(43)のフィルタリング(45,47,48)
受信フィルター(45)に上位配置されたデータ処理装置(13,46)へのフィルタリングされたデータパケット(50)の出力、
を含み、
予め定められた条件(54,55)が、最低信号強度(54,55)を含み、この最低信号強度を、中継信号(18)が、決定されたデータパケット(43)の箇所において有する必要があること、
最低信号強度(54,55)が、受信フィルター(45)及び/又はデータ処理装置(13,46)の処理負荷(59)に応じていることを特徴とする方法。
【請求項2】
最低信号強度(54,55)が、予め定められたタイムフレーム(63)内の中継信号(18)の為の少なくとも一つの規格値に応じていることを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項3】
予め定められたタイムフレーム(63)内において、当該タイムフレーム(63)中に中継信号(18)によって最も高い信号強度(52)でもって中継されるデータパケット(43)の数量(55)が、中継信号(18)から選択されるよう、最低信号強度(54,55)が選択されることを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項4】
データパケット(43)が、まず、受信フィルター(45)及び/又はデータ処理装置(13,46)の処理負荷(59)に応じた最低信号強度(54)に基づいて、そしてその後、規格値に関する別の最低信号強度(55)に基づいてフィルタリングされることを特徴とする請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
別の最低信号強度(55)が、最低信号強度(54)よりも大きいことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項6】
最低信号強度(54,55)が、その値において絶対的な最大値を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
請求項1からのいずれか一項に記載の方法を実施するためのフィルター装置(45,47,48)。
【請求項8】
車両アドホックネットワーク(1)内の中継信号(18)による複数のデータパケット(43)内にパッケージ化された情報(17)の受信の為の、車両(3)の為のレシーバー(16)であって、
中継信号(18)の受信の為のアンテナ(19)を有し、
中継信号(18)からデータパケット(43)の少なくとも一部をフィルタリングするための、請求項に記載のフィルター装置(45,47,48)を有し、及び、
フィルタリングされたデータパケット(50)から情報(17)を摘出するための表示装置(46)を有することを特徴とするレシーバー(16)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも、車両アドホックネットワーク内のピアに対する位置データをデータパケット内に有している、車用アドホックネットワーク内を中継される中継信号のフィルタリングの為の方法、本方法を実施するためのフィルター装置、及び当該フィルター装置を有するレシーバーに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1からCar2Xと称される移動式のアドホックネットワークが公知である。そのノードは、車両又は信号のような道路交通における他の対象のような、所定の道路交通ピアである。このネットワークを介してCar2Xネットワークに参加する道路交通ピアに、事故、重体、危険状況のような道路交通状況に関するヒントが提供されることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2010/139 526 A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
課題は、そのような移動式アドホックネットワークの活用を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、独立請求項に記載の特徴によって解決される。好ましい発展形は、従属請求項の対象である。
【0006】
本発明の一つの観点に従い、データパケット内に車両に対する少なくとも位置データを有する、車両アドホックネットワーク内を中継される中継信号のフィルタリングの為の方法は、
中継信号の受信することを有し、
中継信号からデータパケットを復調するための予め定められた受信フィルター規則と、追加的な予め定められた条件を有する受信フィルターに基づいて中継信号からデータパケットをフィルタリングすることを有し、
フィルタリングされたデータパケットを、受信フィルターに上位配置されたデータ処理装置へと出力することを有する。
【0007】
記載した方法は、車両アドホックネットワーク内には、交通状況に応じて様々な高いデータ負荷(データ負荷が、車両アドホックネットワークに参加する車両内の対応するレシーバーによって処理される必要がある)が発生する可能性があるという思慮を基礎としている。車両アドホックネットワーク内で送信されるべきデータは、大まかに言うとまずデータパケットに分割される。これらデータパケットは、その後、再び中継信号に変調される。相応して、送信されるデータのレシーバーは、まずデータパケットを中継信号からフィルタリングし、そしてその後データパケットを、送信されるデータにまとめる必要がある。その後要約、送信されるデータが処理されることが可能である。
【0008】
送信されるデータの処理の為に、発生するデータ負荷に応じて、対応する演算能力が提供される必要がある。これは、最大限可能なチャネル負荷における極限状態に合わせられている。最大限可能なチャネル負荷は、しかし、例えば極めて高い交通量(渋滞、…)のような、特に極端な状況においてのみ利用されつくされる。そのような状況においては、しかし、車両アドホックネットワーク内で送信される全てのデータを評価することは必要なかろう。というのは、該当する車両に対してこのような送信されるデータの一部のみが重要だからである。
【0009】
送信されるデータのいずれが重要であるか否かを決定するために、しかし、これらはまず、相応して高い演算能力でもって中継信号から、そしてその中に含まれるデータパケットから、まとめられる必要がある。送信されるデータは、位置データの他に通常、タイムスタンプ、交通状況ニュース、又は他のメッセージにような別のデータを含むので、上述した極端な場合に送信されるデータパケットの集合に対する演算能力は、送信されるデータの何らかの評価が行われない場合、著しく高い。送信されるデータが、データ種類に応じて同じ量の際にあっても異なる労力の処理ステップを要求する可能性があるということが有り、このことは最大限用意しておくべき演算負荷の決定を困難とする。これは例えば、渋滞ニュースのような、まだ、通信すべき事象の直接の通信範囲に存在していない車両に送られるべきデータにおいて観察され得る。
【0010】
ここで、記載したフィルタリング方法は、データパケットを送信されたデータにまとめた後に送信されたデータを初めて評価するのではなく、まとめる前に中継信号のレベル、及び/又は、データパケットのレベルで評価するという思慮と結びつく。この為、ある所定の条件が導入される。この条件に基づいて、中継信号とデータパケットによって送信されるデータが、重要ととらえられるか、又は拒絶されるかが判断されることが可能である。
【0011】
そのようなアプローチは、すでにカメラシステムによる対象検出において既知である。これに基づいて同様に部分的に交通安全上クリティカルな決定が行われる必要がある。対象検出の基礎を成しているカメラのデータ量は、カメラからの直接のピクセルデータ量が、全ての必要な対象検出の為に直接使用されることは不可能であるほど多い。よってピクセルデータ量から必要な情報が中間段階で集められ、そして更に圧縮される。よって、第一の中間段階で、例えばピクセルデータ量から所定の対象情報及びシーン情報が集められる。これは例えば走行軌跡が車両の左及び/又は右であるか等である。しかし中間段階において、誤った判断がなされると、この誤った判断は、全ての後続する中間段階で現れ、そして重要な対象又はシーンがもしかするとそのようなものとして検出されないということに通じる。しかし、時間にわたって、全ての重要な対象のできるだけ良い検出が保証される。というのは、常に演算労力と検出性能の間の慎重な検討が実施されるからである。
【0012】
車両内の処理システムの為の車両アドホックネットワーク内のデータパケットのような、カメラからのピクセルはある種のローデータを意味するという知見と共に、カメラシステムによる対象検出の原理は、車両アドホックネットワークによる情報伝達にも転用されることが可能である。その際、重要なデータの選択は、既に記載した方法で中継信号及び/又はデータパケットのレベルで実施される。このようにして、全ての重要なデータパケットが対応する送信されたデータへとまとめられることはもはや保証されないが、しかし、例えば道路上の残置物(故障車等)のようなものからの相応するデータパケットは、しばしば送信されるということが考えられる。同じセンダーの送信される同じデータを有する二つの送信されるデータパケットの間の変化する境界条件によって、統計的な平均において、データパケットは適時に、所定の条件によって定義されたフィルターを通過するので、相応する車両が反応することができるということが考えられる。上述したカメラシステムによる対象検出においてのように、これによって、本発明の枠内で、演算労力と検出性能の間で慎重に検討を行うことが提案される。これは、予め定められた条件によって実行される。目的に適っては、当該条件は、演算量力と検出性能の間で慎重に検討を行うため、時間にわたって変化する。
【0013】
記載した方法の発展形においては、予め定められる条件は、最低信号強度を有する。これは、定められたデータパケットの箇所における中継信号を有する必要がある。この発展形は、車両アドホックネットワークの遠く離れた車両の又は他のピアの中継信号は、レシーバーの近くに存在するピアの中継信号よりも、レシーバーに弱い信号強度で到達するということに基礎を置く。車両は、安全技術上の観点から、遠く離れて位置するピアよりも、直接近傍に存在するピア(車両、信号等)により早く反応する必要があるので、予め定められた条件における最低信号強度の選択によって、道路交通における安全は損なわれない。場合によっては、渋滞ニュースのような車両アドホックネットワーク内におけるメッセージがもはや伝達されない。しかしこれは、道路交通における安全の為に、まずはより低い重要性を有する。
【0014】
あらかじめ定められる条件と、特に最低信号強度は、固定的に選択されることが可能であるが、しかし好ましくは、受信フィルター及び/又はデータ処理装置の処理負荷に応じていることも可能である。つまり、データパケットからの送信されるデータをまとめ、そしてこれらを処理するデータ処理装置が、所定のパーセンテージまで負荷をかけられるとき、最低信号強度の上昇によって、車両アドホックネットワークから受信可能なデータの半径が制限される。当該パーセンテージを再び、定められた目標パーセンテージより下に導くためである。予め定められた条件と、特に最低信号強度の可変的な調整は、長期間観察において許容できる処理負荷の限界が、同じ理想的な、全ての使用可能な演算リソースを使用した際に与えられることを保証する。更に、予め定められた条件と、特に最低信号強度の可変の調整によって、受信フィルター及び/又はデータ処理装置の為の少ないチャネル負荷と、これに伴う処理負荷の状況において、不必要に多くの送信されたデータがフィルター抽出されないことが保証される。
【0015】
記載した方法の特別な発展形において、予め定められる状況と、特に最低信号強度の、受信フィルター及び/又はデータ処理装置の処理負荷への依存性が補正される。この補正のために、例えば、処理負荷の為の定められたパーセンテージが、参照変数(独語:Fuehrungsgroesse)として基礎とされることが可能である。調整変数(独語:Stellgroesse)としてのフィルタリングを介して、補正の現状値として処理負荷が調整されることが可能である。これによって、上述した、予め定められる条件と、特に最低信号強度が、この補正内において調整変数であるか、又は少なくともこの中に含められる。換言すると、予め定められる条件と、特に最低信号強度は、直接調整されず、間接的に参照変数を介して調整される。参照変数及び現状値は、当然、この発展形の例に限定されず、アプリケーションに応じて任意に選択されることが可能である。更に、コントローラの構成の際に、例えば無駄時間のような遅延が考慮されるべきである。これは、中継信号の受信の際、及びデータパケットの復調の際の通信ハードウェアの惰性によってシステム内にもたらされる。
【0016】
記載した方法の他の発展形においては、最低信号強度は、予め定められたタイムフレーム内の中継信号の為の少なくとも一つの規格値に応じている。そのような規格値は、良く知られている。というのはこれらは、交換信号の効果と、これに伴い時間にわたっての中継信号の効果を意味するからである。規格値に対する例は、中継信号の信号レベルの最大値、平均値、及び最小値のような統計的な値である。適当な規格値に基づく最低信号強度が観察されると、最低信号強度の設定の際に、別の境界条件も合わせて考慮されることが可能である。よって、例えば中継信号の信号レベルが、中継信号の信号レベルの最大値と最小値の間の間隔に規格化されて観察される、中継信号の信号レベルの平均値に規格化されて観察される、又は、中継信号の信号レベルの中央値に規格化されて観察されるとき、例えば都市部における受信状況は、地方(田舎)における受信状況から切り離されることができる。
【0017】
上述した方法の他の発展形では、最低信号強度は、予め定められたタイムフレーム内で、予め定められた数量のデータパケットが、中継信号から選択されるよう選択される。これらは、中継信号によってタイムフレーム内に最も高い信号強度で中継される。このようにして、常に、受信フィルター及び/又はデータ処理装置の演算能力が許容する、可能な限り最大の数量のデータパケットが常に処理されるということが保証されている。
【0018】
上述した方法の他の発展形においては、データパケットは、まず、処理負荷に応じた最低信号強度に基づいてフィルタリングされ、そしてその後、規格値に応じた別の最低信号強度に基づいてフィルタリングされる。換言すると、フィルタリングは段階的に行われる、その際、まず例えばまず中継信号がフィルタリングされることが可能である。定められた受信感度を越えない全てのデータパケットを中継信号から既にフィルター抽出するためである。その際、予め定められた条件と、これに伴いこの第一のフィルター段階の最低信号強度は、データ処理装置の演算能力が処理することができるより多くのデータパケットが、次のフィルター段階において到達するよう構成されていることが可能である。次のフィルター段階においては、データパケットは、その後、別の最低信号強度に基づいて、データ処理装置の演算能力に合わせて精細フィルタリングされることが可能であろう。この為、別の最低信号強度は、当該最低信号強度よりも大きくあるべきである。
【0019】
上述した方法の特別な発展形では、最低信号強度は、その値において絶対的な最大を有する。この絶対的な最大は、例えば最小の受信感度に相応することが可能である。これは、車両アドホックネットワークを定義する標準内で供給される。そのような標準は、例えば「ドラフトC2C−CCベーシックシステム標準プロファイル」である。
【0020】
本発明の別の観点に従い、フィルター装置は、上述した請求項のいずれか一項に記載の方法を実施するよう構成されている。
【0021】
上述したフィルター装置の発展形においては、上述した装置は、メモリーとプロセッサーを有する。その際、上述した方法は、コンピュータプログラムの形式でメモリー内に保管され、そして、コンピュータプログラムがメモリーからプロセッサー内へとロードされるとき、本方法を実施するためのプロセッサーが設けられている。
【0022】
本発明の別の観点に従い、コンピュータプログラムは、コンピュータプログラムが、コンピュータ上で又は上述した装置上で実施されるとき、上述した方法の全てのステップを実施するためのプログラムコード手段を有する。
【0023】
本発明の別の観点に従い、コンピュータプログラム製品は、コンピュータで読むことが可能なデータストレージ上に保存されており、そしてデータ処理装置上で実施されるとき、上述した方法の一つを実施するプログラムコードを含む。
【0024】
本発明の別の観点に従い、車両アドホックネットワーク内の中継信号により、データパケット内にパッケージ化された情報を受信する為の、車両の為のレシーバーは、
中継信号の受信の為のアンテナ、
中継信号からデータパケットの少なくとも一部をフィルタリングするための上述したフィルター装置、
フィルタリングされたデータパケットから情報を摘出するための表示装置
を有する。
【0025】
本発明の別の観点に従い、車両は上述したレシーバーの一つを含む。
【0026】
この発明の上述した特性、特徴及びメリット、及びこれらがどのようにして達成されるかという方法は、実施例の以下の説明との関係でより明らかとなる。実施例は、図面と関連して詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】道路上を走行する社yろうの原理図。
図2図1の車両の原理図。
図3】車両アドホックネットワークの原理図。当該ネットワークに、図1および2の車両が参加することが可能である。
図4図3の車両アドホックネットワーク内を中継される信号の原理図。
図5図3の車両アドホックネットワークから受信され、フィルタリングされた信号の原理図。
図6図3の車両アドホックネットワークから受信され、フィルタリングされた代替的な信号の原理図。
図7a図4の信号のフィルタリングの為の受信フィルターの原理図。
図7b図4の信号のフィルタリングの為の受信フィルターの原理図。
図8a図3の車両アドホックネットワークを介して受信された信号からフィルタリングされたデータパケットの原理図を示す図。
図8b図3の車両アドホックネットワークを介して受信された信号からフィルタリングされたデータパケットの原理図を示す図。
図9】いくつかの受信されたパケットの信号レベル。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図中で同じ技術要素は、同じ参照符号を付されており、一度のみ説明される。
【0029】
本発明は、図3に示された車両アドホックネットワーク(簡単の為、以下ではCar2Xネットワーク1と称する)の為のネットワークプロトコルに関する。このCar2ネットワーク1の技術的バックグラウンドの良好な理解の為に、先ず、このCar2Xネットワーク1対する詳細について詳細に説明する前に、その限定的な適用例が与えられる。
【0030】
よって図1が参照される。図1は、道路2上を走行する車両3の原理図を示す。
【0031】
本実施形内では、道路2上に、横断歩道4が存在している。そこでは、車両3、または場合によっては複数の車両8及び/又は9が、道路2上で横断歩道4を横切っても良いか、又は図示されていない歩行者が横断歩道4上で道路2を横切っても良いかの補正が信号5によって行われている。横断歩道4と信号5の間には、本実施の枠内で、カーブ9の形式の障害が存在する。このカーブは、横断歩道4を、車両3の運転者並びに更に説明されるべき車両3の環境センサー技術に対し覆い隠している。
【0032】
走行方向7における車両3の前には、図1において別の車両8が表されている。この車両は、横断歩道4上で交通事故10にて、点線で表された車両9ともつれており、そして車両3の走行方向7における走行軌跡はブロックされている。
【0033】
横断歩道4と交通事故10は、道路2上における危険状況を表している。車両3の運転者が、横断歩道4を見過ごし、よってこの前で規則に反して停止しないとき、彼は、横断歩道4を横切る際に、規則に合致した車両3の運転者の態度を信じている歩行者をひいてしまうかもしれない。両方の危険状況において、危険状況における危険対象との衝突、つまり歩行者及び/又は別の車両8との衝突を防止するために、車両3の運転者は、車両3を停止させせる必要がある。この為、Car2Xネットワーク1が使用されることができる。これについては後に詳細に説明する。
【0034】
車両3は、本実施において、グローバルサテライトナビゲーションシステム(以下GNSSレシーバー11と称する)のためのレシーバー11を有する。これを介して車両3は、公知の方法で、位置データを、絶対的地理的位置12の形式で検出し、そして例えば、ナビゲーションシステム13の枠内で利用することができ、これを、これ以上説明しない地理的マップ上に表示する。グローバルサテライトナビゲーションシステムの対応する信号14(以下GNSS信号14と称する)は、例えば、対応するGNSSアンテナ15を介して受信され、そして公知の方法でGNSSレシーバー11に伝送されることが可能である。
【0035】
車両は、本実施においては、更にトランシーバー16を有する。これを介して車両3は、ノードとしてCar2Xネットワーク1に参加し、そして例えば別の車両8及び/又は信号5のような他のノードと、以下にCar2X情報17と称する情報を交換することができる。このトランシーバー16は、GNSSレシーバー11に対する区別の為に、Car2Xトランシーバー16と称される。
【0036】
Car2Xネットワーク1を介して交換されるCar2X情報17内では、個々のノード3,5,8によって異なる情報が記載されたデータを交換することができる。これを介して、例えば道路2上における交通安全性が高められることができる。Car2X情報内で交換されることが可能である情報の例は、GNSSレシーバー11によって検出される、Car2Xネットワーク1の各ノード3,5,8の絶対的な地理的位置12等であろう。その様なデータは、位置データと称されることが可能である。Car2Xネットワーク1の地理的な位置12を受信したノード3,5,8が、車両、例えば交通事故10に参加していない車両3と、交通事故10に参加した車両8であるとき、Car2Xネットワーク1を介して受信された地理的位置12は、例えば、受信された車両3のナビゲーションシステム13上で、例えば交通の移動(動き)の表示の為に、使用されることができる。絶対的な地理的位置12の他に、交通事故10も、データを有する情報としてCar2X情報17内に記載されるとき、例えば交通事故10のような所定の交通状況がナビゲーションシステム13上により具体的に表されることができる。Car2X情報17と交換可能な情報は、後に図2の枠内で詳細に説明される。
【0037】
Car2X情報17の交換の為に、トランシーバー16は、Car2X情報17を、以下にCar2X信号18と称される中継信号に変調し、そしてこれを、以下にCar2Xアンテナ19と称されるアンテナを介して、Car2Xネットワーク1内の他のノード3,5,8に送るか、又は、Car2Xアンテナ19を介してCar2X信号18を受信し、そしてこれから、相応するCar2X信号17を摘出する。この点については、後の箇所で図3の枠内で詳細に説明する。その際、図1には、Car2Xトランシーバー16がCar2X情報17をナビゲーションシステム13に、これが上述した方法で、これに表すことが可能である情報を含んでいるという仮定の下、出力する点が表されている。しかしこれは、限定的に理解されるべきでない。特に、目的に適って、GNSSレシーバー11も直接、又は図2に示されるように間接的にCar2Xトランシーバー16と接続されていることが可能であり、固有の絶対的な地理的位置12をCar2Xネットワーク内で送信する。
【0038】
Car2X情報17及びCar2X信号18の構造と、これに伴いCar2Xネットワークの構造が、通信プロトコル内において定義されることが可能である。既にそのような通信プロトコルは、特に欧州内のETSIにおけるETSI TC ITSの枠内で及びIEEEにおける並びにアメリカ合衆国内のSAEにおけるIEEE1609の枠内で、各国特有のものとして存在している。これについての更な情報は、上述した仕様書内に見ることができる。
【0039】
車両3は、オプションとして、カメラ20及びレーダーセンサー21の形式の上述した環境センサー技術を有することが可能である。カメラ20によって車両は、画角22内で、車両3の走行方向7内で車両3の前に位置する一つのビューの画像を撮影することができる。この為、車両3はレーダーセンサー21及び相応するレーダー放射23によって車両3の走行方向7において観察して対象を検出し、そして公知の方法で車両3に対する間隔を決定することができる。
【0040】
Car2X情報17によって中継可能な情報を具体的にするために、以下にまず車両3及び別の車両5の構造について、車両3に基づき例示的に説明されるべきである。車両3は、様々な安全コンポーネントを有している。図2にはそれらのうち電気的ブレーキアシスト24(EBA24と称される)と、公知の走行ダイナミクス制御25が示されている。特許文献1からEBA24の詳細が見て取れる一方で、特許文献2からは走行ダイナミクス制御25の詳細が見て取ることが出来る。
【0041】
車両3は、シャシー26及び車輪27を有している。各車輪27は、シャシー26に位置固定的に固定されたブレーキ28を介して、シャシー26に対して減速されることが可能である。道路2上における車両3の移動を原則させるためである。
【0042】
その際、当業者に公知の方法で、車両3の車輪27がその大地密着性を失い、そして車両3が、例えばこれ以上示されないハンドルを介して予め与えられる軌道から、アンダーステア又はオーバーステアによって離れて移動することさえ可能である。これは車両ダイナミクス制御25によって防止される。
【0043】
当該実施においては、車両4は、この為、複数の車輪27に複数の回転数センサー29を有する。これらは、車輪27の回転数30を検出する。
【0044】
検出された回転数30に基づいて、コントローラ31は、当業者に公知の方法で、車両3が走行路状で滑るか、又は上述した、予め与えられた軌道から逸脱し得さえし、そして相応して、それ自体公知のコントローラ出力信号32によってこれに反応するかを検出することができる。コントローラ出力信号32は、調整装置33によって使用されることが可能である。調整信号34によってブレーキ28のようなアクチュエータを駆動するためである。これらは、スリップや予め与えられた軌道からの逸脱に対して公知の方法で反応を行う。
【0045】
EBA24は、カメラ20を介して取得された画像データ35を介して、及び、レーダーセンサー21を介して取得された、走行方向7における車両3の前の車両のような対象までの間隔36を介して、評価を行い、そしてこれに基づいて危険状況を認識する。これは例えば、対象が、車両3の前において、これに高すぎる速度で接近するときに与えられることが可能であろう。その様な場合、EBA24は、調整信号34を介してブレーキ28による緊急ブレーキが実施されるよう、緊急ブレーキ信号37を介して調整装置33に支持を与える。
【0046】
EBA24又は車両ダイナミクス制御25が、調整装置33を介して車両4内に介入するたびに、例えば調整装置33は、図2に点線で表された報告信号38を出力する。目的に適って、報告信号38は、EBA24によって又は車両ダイナミクス制御25によって、介入が行われたかを具体的にする。その様な報告信号38は、車両3内の任意のインスタンスによって、つまり例えば車両ダイナミクス制御25のコントローラ31によっても作りだされることが可能である。その後、情報生成装置39は、報告信号38、接待的な地理的位置12及び図2に示された、タイマー40から出力されるタイムスタンプ41に基づいてCar2X情報17を生成し、これによって、EBA24及び/又は車両ダイナミクス制御25の介入が、情報としてCar2Xネットワーク1を介して他のノード5,8に報告されることが可能である。そのようにして生成されたCar2X情報17は、Car2Xアンテナ19を介してCar2Xネットワーク1内で使用されることが可能である。
【0047】
図1の例において、Car2X状17内で交換される、個々のノード3,5,8の絶対的な地理的位置12に関する情報、及び/又は、交通事故10及び/又は、EBA24及び/又は車両ダイナミクス制御25の介入ような事象に関する情報は、ナビゲーションシステム13上に運転者の情報提供の為に表されることが可能である。代替的に、又は追加的に、Car2X情報17内で交換される情報に基づいて、能動的な調整信号34も、例えば調整装置33によって生成されることが可能である。例えばEBA24の介入が、Car2X情報17内の情報として伝送されると、例えばこのCar2X情報17の受信に基づいて、受信された車両3,8内でEBA24が自動的に作動させられることが可能である。
【0048】
以下に、図3に基づいて、Car2Xネットワーク1を介してのCar2X情報17の伝送が説明される。これは、図3内では、視認性の観点からクラウドによって示唆されている。Car2X情報17の内容として、例えば、調整装置33によって報告信号38によって報告される、交通事故10に参加した事故車両8内へのEBA24の介入が推測可能である。
【0049】
既に説明したように、情報生成装置39は、報告信号38、絶対的な地理的位置12、及びタイムスタンプ41に基づいて、上述した通信プロトコルに従うCar2X情報17を生成する。情報生成装置39は、その際、Car2Xトランシーバー16の部分であることも基本的に可能である。
【0050】
Car2X情報17から、事故車両8のCar2Xトランシーバー16内で、データパケット生成装置42内で、データパケット43が生成される。データパケット43の生成によって、様々なアプリケーションからのCar2X情報17は、事故車両8内で唯一のデータストリームにまとめられることが可能である。Car2X信号18を生成する為である。データパケット生成装置42は、よって、ネットワーク層及びトランスポート層(英語:network and transport layer)に相当する。その課題は、様々なアプリケーションのネットワークデータを輸送することである。データパケット生成装置42の構造は、Car2Xネットワークの為の通信プロトコルの上述したスペックに応じる。
【0051】
生成されたデータパケット43は、変調装置44内で、Car2X信号18に変調され、そしてCar2Xネットワーク1内を無線で送信される。変調装置44は、よってインターフェース層に相当する。その課題は、事故車両8を、物理的にCar2Xネットワーク1内にリンクさせることである。変調装置44の課題も、Car2Xネットワーク1の為の通信プロトコルの上述したスペックに応じる。
【0052】
交通事故10に参加していない車両3の側で、事故車両8から送られたCar2X信号18は、その後、Car2Xアンテナ19を介して受信されることが可能である。
【0053】
Car2X信号18から、Car2X情報17を抽出するために、車両3のCar2Xトランシーバー16は、復調装置45を有する。これは、データパケット43のセンダー側の変調を公知の方法で元に戻す。相応して、情報抽出装置46は、Car2X情報17をデータパケットから抽出し、そしてこれを、車両3内のアプリケーション(ナビゲーションシステム13や調整装置33のようなもの)に提供する。最終的に、復調装置45と情報抽出装置46は、インターフェース層と上述したネットワークとトランスピート層に相応する受信側の対向ピースを意味し、そして同様に、Car2Xネットワーク1の為の通信プロトコルの上述したスペックに応じる。
【0054】
個々のネットワーク層の詳細は、よって関連するスペックが参照される。
【0055】
特に、高負荷状況において、道路2上に多数のノード3,5,8がCar2Xネットワーク内に存在するとき、各ノード3,5,8内で、Car2Xネットワーク1内を送信される全てのCar2X情報17の処理の為に、相応して高い演算リソースが確保される必要がある。受信側で、所定の時間枠内の全てのCar2X情報17の処理を保証する為である。この高い演算リソースの提供は、相応して高いコストと結びつく。これは、本実施の枠内において、プレフィルター47,48の導入によって減少されるべきである。
【0056】
プレフィルター47,48の背景にある思想は、潜在的に重要でないCar2X情報17を可能な限り早期に選出し、これらが、受信側チェーン内の要素によって不必要に処理されなければならないということを防止することである。というのは、これらはいずれにせよ受信側ノードの為に重要でない情報を含むからである。第一のプレフィルター47が、その際、Car2X信号18を本来のCar2X情報17の知識無しにフィルタリングすべきである一方、第二のプレフィルター48は、データパケット43を本来のCar2X情報17の知識無しにフィルタリングすべきである。これによって確かに、もはや、車両アドホックネットワーク1内を送信されるCar2X情報17のうち、全ての安全上クリティカルなCar2X情報17(例えばEBA24の介入に関する通知)が、実際に車両3においても受け取られるということが保証されない。しかし、通常、そのような安全上クリティカルなCar2X情報17は、一度送信されるだけではないので、統計的な平均内において、そのような安全上クリティカルなCar2X情報17は、適切な時間枠内においてプレフィルター47,48を通過するということが考えられ得る。この適切な時間枠をできるだけ小さく保つために、プレフィルター47,48は、平均以上の確率でもって安全上クリティカルなデータがプレフィルター47,48を通過するよう構成されることが可能である。
【0057】
プレフィルター47,48内における可能な限り効率的なプレフィルタリングの為に、所定の条件が導入される。この条件に従い、Car2X信号18は、第一のプレフィルター47内で、及び/又はデータパケット43は第二のプレフィルター48内でプレフィルタリングされる。この所定の条件は、以下に図4および5に基づいて説明される。これら図は、Car2X信号18とCar2X信号18に属するデータパケット43を運ぶ信号51の一例を信号強度52−時間53のグラフで示す。
【0058】
Car2X信号18は、キャリア信号であることが可能である。このキャリア信号上でデータパケット43が、任意の方法で変調される。Car2X情報18は、Car2Xネットワーク1に参加する全てのノード3,5,8のデータパケット43を伝送するので、事故車両8のデータパケット43の他に、例えば両方の信号5の一方のような、車両3から離れている別のノード3,5,8のデータパケット43も存在する。図4から見て取れるように、そのような、離れている別のノード5は、そのデータパケット43が、事故車両8のデータパケット43の信号強度52よりも明らかに低い信号強度でもって伝送されることによって認識されることが可能である。この箇所においては、プレフィルタリングが行われ、そしてCar2X信号18から、所定の最低信号強度54を超える信号強度52を有するデータパケット43のみがフィルター抽出される。この為、プレフィルタリングされたCar2X信号49と、相当するノード8のデータパケット43が、フィルター抽出されるよう、第一のプレフィルター47が例えばCar2X信号18を、プレフィルタリングすることが可能である。
【0059】
第二のプレフィルター48内では、プレフィルタリングされたCar2X信号49がもう一度、図6に示されるように、別の最低信号強度55に基づいて後フィルタリングされる。その際、これは、その後各データパケット43に対するCar2X信号18の信号強度52を知る必要があろう。その際、図4及び5の最低信号強度54は、フィルタリングされたCar2X信号49から生じるデータパケット43の数量が、使用可能な演算能力よりも未だ高いように選択されることが可能であろう。第二のプレフィルター48内の別の最低信号強度55によって、そのようにフィルタリングされたデータパケット50の数量は、必要な演算能力が、使用可能な演算能力に合わせられ得るように減ぜられることが可能であろう。ここでその後、事故車両8のデータパケット43も、これが例えば車両3から未だあまりに遠く離れているとき、フィルター抽出されることが可能であろう。目的に適って、最低信号強度54は、別の最低信号強度55よりも小さく選択されるべきであろう。というのは、さもないと第二のプレフィルター48が効き目の無いものとなるからである。
【0060】
最低信号強度54,55に基づくCar2X信号18及び/又はデータパケット43のフィルタリングは、車両3にとって安全上クリティカルであるにはあまりに遠く離れているノード5,8(Car2Xネットワーク1内のノード5,8)が、Car2X信号18内に来る全てデータパケット43の処理の為に上述したデータ処理装置にとってあまりに高い演算負荷が生じる際には注目されないままとなる、という効果を有する。というのは、この場合、Car2Xネットワーク1内で確実に車両3の近傍に位置するノード5,8が存在する、及び/又は交通安全性の観点から重要であろう事象10が存在するから、さもないと高い演算負荷が生じないであろうからである。具体的に言うと、最低信号強度54,55によって、余りに高い演算負荷の場合に、車両3の周りに受信半径を敷き、その外側ではCar2Xネットワーク1のノード5,8データパケット43が無視される。よって、これらノード5,8が内容的に実際に送信されたということとならない。
【0061】
しかし最低信号強度54,55と、これに伴い受信半径は、静的には敷かれない。というのは、処理の為に十分な信号処理リソースの場合には、Car2X信号18内のデータパケット43は、不必要にデータパケット43が無視される、又は取り除かれるからである。
【0062】
よって、最低信号強度54,55は、可変に選択されるべきであろう。これは、例えば第一のプレフィルター47内で、図7a及び7bに示されている補正(制御)に基づき行われることが可能であろう。この為、純粋に視認上の観点から、及び本発明の限定無しに、第二のプレフィルター48が省略されるべきである。実際には、第二のプレフィルター48は、当然、存在することが可能である。
【0063】
情報抽出装置46内において、フィルタリングされたCar2X信号49のデータパケット43から相応する信号処理装置56を介してCar2X情報17が抽出されるとき、これは、上位配置された信号処理装置(例えばナビゲーションシステム13及び/又は調整装置33のようなもの)によって即座に処理されることが不可能であれば、キュー57内に保管される。全演算能力が十分であるかどうかのインジケーターとして、ここでは、キュー57の現状充填度合が援用されることが可能である。現状充填度合58が、所定の目標充填度合59(これを越えると全システムの演算能力が、全てのデータパケット43を処理するのにもはや十分でない)を上回ると、最低信号強度54は、第一のプレフィルター47内でコントローラ60によって、目標充填度合59と現状充填度合58の間の補正差61に基づいて、相応して引き上げられ、情報抽出装置46に至るデータパケット71の数量を、相応する、最低信号強度54に応じた図4および5のフィルター要素62によって減少させる。
【0064】
第一のプレフィルター47の代替として、又はこれに追加的に、図8aおよび8bの第二のプレフィルター48がフィルタリングを行うことが可能である。
【0065】
まず、図8aおよび8b内において符号43.1から43.7を付されているデータパケットの数量の為に、観察期間63内において規格化が行われる。このため、各データパケット43.1から43.7の信号強度52は、任意の規格化規則、例えばAnorm(A)=(A−Amin)/(Amax−Amin)に従い、可能である。
【0066】
その際、Aは信号強度52を、Anormは規格化された信号強度64を、Aminは、観察期間63内における最小信号強度65を、そしてAmaxは、観察期間63内における最大信号強度66を表す。代替的な規格化規則は、例えばAnorm(A)=A/(Amax−Amin)である。
【0067】
その信号強度52において、そのように規格化されたデータパケット43.1から43.7は、図8bに従いソートされる、又は第二のプレフィルター48の為の別の最小信号強度65を下回った際に取り除かれる。
【0068】
規格化によって、データパケット43が様々な受信シナリオ(例えば街の中、又は開かれた地域において)に標準化された処理されるということが保証されることが可能である。
【0069】
プレフィルター47,48は、図示されていない別のプレフィルターの分だけ拡張(増加)されることが可能である。一つの可能性は、車両3における受信セクターを定義し、そしてCar2Xアンテナ19を指向性を有するよう形成することである。よって、これら定義された受信ファクターの各々において、Car2Xアンテナ19は指向性を有していることが可能である。これによって、Car2X信号18及び/又はデータパケット43の受信方向が検出されることが可能であろう。その際、指向性を有する各Car2Xアンテナ19に対して、独自のトランシーバー16が提供されていることは必ずしも必要でない。例えば、受信セクターは、車両3の走行方向7から出発してみて車両3の前方、車両3の後方、車両3の左、そして車両3の右に定義されることが可能であろう。これら受信セクターに応じたデータパケット43の評価に基づいて、道路2上の交差点のような状況が、より良好に評価されることが可能である。通常、走行方向7で見て前から又は後ろから車両3に向かって受信されるCar2X信号18は、左から又は右から車両3に向かって受信されるCar2X信号18よりも高い信号レベル52を有する。これは、その後、規格化された信号レベル64の決定の際に、考慮されることが可能であろう。というのは、車両3の左及び右にある受信セクターから、例えば、道路2上の交差点における衝突の直前に来る、データパケット43を伝達するCar2X信号18はしばしば危険だからである。規格化された信号レベル64への信号レベル52の規格化の際に、例えば、車両3の考えられる走行マニューバも考慮されることが可能である。というのは、車両が例えば左に曲がると、左から来るCar2X信号18が、車両3の後退の際よりも重要だからである。代替として、受信セクターは、規格化の枠内に替えて、重みづけの枠内においても考慮されることが可能である。
【0070】
受信方向に応じた受信したデータパケット43の評価の際、信号レベル52の規格化に、又は重みづけに、相応するCar2Xアンテナ19の各受信方向に対する指向性が同様に考慮されることが可能である。この指向性は、例えば測定されることが可能であり、そして多くの場合、受信方向の決定の為にいずれにせよ既に必要である。よって、Car2Xアンテナ19の指向性から自体生じる、複数の受信されるデータパケット42の信号レベル52における相違は、更なる処理又は評価の為に算出されることが可能である。
【0071】
このため、本来の処理すべきデータパケット43の数量が、使用可能である演算能力を超える状況においても、一つ及び同一のセンダーの、(つまり例えば事故車両8の)、処理すべきデータパケット43の数量は、例えば事故10を示唆する同様なデータパケット43が、意図的に省略され、これによって却下されることによって、減少されることが可能である。
【0072】
フィルタリングは、受信されるデータパケットの処理チェーンないでできる限り早期に、つまり、Car2X信号18の物的な受信の直後かつ、その中に含まれるデータパケット43の本来の処理の前に開始されるべきである。
【0073】
以下に、本発明の別の観点を説明する。これは、センテンス1の上位概念に係る、車両toX通信システム内における処理すべきデータの数量の減少の為のデータ選出方法に関する。
【0074】
車両toX通信システムが、先行技術において既に公知である。これは、交通に関するデータの伝達の為にも、例えばアミューズメントアプリケーションのような様々なサービスデータの伝達の為にも形成されている。車両toX通信は、その際、複数の車両の間の相互のデータ交換(車両to車両通信)にも、車両とインフラ装置の間のデータ交換(車両toインフラ通信)にも基づいている。車両toX通信によって伝達される情報の信頼性とデータ安全性に軟する高い要求に基づいて、そのような情報は、必要に応じて、高コストのセキュリティ署名又はデータ暗号化を設けられる。
【0075】
そのようなセキュリティ署名またはデータ暗号化のデコーディングは、しかし、比較的高い演算労力と結びつく。演算労力と、これに伴う、十分演算の強い演算モジュールの為の調達コストを可能な限り低く抑える為に、穿孔技術では様々な予処理方法が公知である。これらは、受信する全ての車両toXメッセージの下で、デコードすべき車両toXメッセージの選択を行う。しばしば、そのような予処理方法は、車両toXメッセージのセンダーに対するレシーバーの間隔に基づいている。これは、間隔から、レシーバーの為の車両toXメッセージの重要性が導き出されることによって行われる。
【0076】
車両toX通信においては、よって状況に応じて、特に通信ピアの数量に応じて、極めて異なるデータの量が処理される必要がある。これは、極端な場合に対して、つまり予想される最も高い演算要求に対して設計される必要があるハードウェアが提供される必要があるが、しかしこの演算能力は多くの場合必要とされないということに通じる。この極端な場合は、その際、最大限可能なチャネル負荷によって定義される。つまり、使用可能である通信チャネルを介して最大限伝達されることが可能であるデータ量によって定義される。同じ量の異なるデータが異なる労力の処理ステップ(例えばパケット伝送又は完全なデコーディング)を必要とするということが、必要な演算能力の探出を更に困難にする。
【0077】
車両toX通信の際、一般的に、ほぼ完全に決定的なシステムを構築するというアプローチが存在する。該システムにおいては、レシーバーによって受信される各パケットが、このような種類のパケットに対する所望のリアクションに確実に通じる。データロスは、通信の物理的なレベルでのみ許容される。これは、極めて高い演算労力へと通じる。というのは、通信スタックの全てのレベルにおける最終アプリケーションに至るまで、全てのデータが処理されるからである。「パケット」の概念は、本発明の意味においては、いわゆる車両toXメッセージに含まれているデータパケットを意味する。車両toXメッセージは、送信する通信ピアから、受信する通信ピアへと伝送される。
【0078】
本発明の別の観点の課題は、車両toX通信システムの演算労力、特にデコードの演算労力を減らすことである。これによって、車両toX通信システムのコスト集中的なハードウェアも、簡単かつ安価に構成されることが可能である。
【0079】
この課題は、請求項1に従う、車両toX通信システム内の処理すべきデータの数量を減少させるためのデータ選出方法によって解決される。
【0080】
発明に係る方法は、減少された演算労力の為、受信するパケットの完全な処理を放棄することを意図する。処理すべきパケットと処理すべきでないパケット又は拒絶すべきパケットの選出の為の基準として、受信フィールド強さが援用される。
【0081】
しかし、受信フィールド強さの一つの固定的な閾値は、しばしば満足のいく解決策を意味しない。というのは、レシーバーハードウェアは、典型的には、処理すべきパケットと拒絶すべきパケットの数量に関する長期観察において、信頼できる再現性を有さないからである。そのうえ、固定的な閾値は、少ないチャネル負荷を有する状況において、不必要に多くのパケットをフィルターアウトする。
【0082】
しかし、可能な限り全ての状況でフィルターとしての受信フィールドによって処理を行い得るように、発明に従い、以下の実施形が特に有利である。
【0083】
1.単位時間当たり受信するパケットの数量が所定の値を越えて上昇するとき、通信ハードウェアの受信感度が下げられ、場合によっては、車両toX通信ハードウェア内で要求される最小値まで下げられる。逆の場合、つまり実際受信されるよりも多くのパケットが処理されることが可能である場合、通信ハードウェアの受信感度は上げられる。この措置は、有利には、補正(又は調整、独語:Regelung)として構成されることが可能である。しかしその際、補正の際の受信感度の補正に関して通信ハードウェアの所定の惰性が考慮される必要がある。
【0084】
通信ハードウェアの受信感度を補正する、又は制御する代わりに、ソフトウェアを使って信号レベルに応じて、又は受信フィールド強さに応じてフィルタリングが行われることが可能である。ここで、まず、信号レベルの最大値、最小値、中央値、及び/又は平均値のような、統計的な大きさを、時間帯T1にわたって検出することが有効である。引き続いて、時間帯T2(好ましくはT1よりも短い)にわたって、パケットが信号レベルに従いソートされる、又は閾を下回った際に拒絶される。その際、信号レベルは、例えば(信号レベル−最小値)/(最大値―最小値)に、又は(信号レベル/平均値又は信号レベル/中央値)に規格化することも行われるか、又は、パーセンタイルへの分類が行われることが可能である。その際、基本的に、より高い信号レベルは、センダーがレシーバーの近傍にあり、そしてこれによって受信する車両にとって又は受信する通信ピアにとって重要であることを意味する。規格化を介して、受信状況が考慮される、つまり開かれた地域においては、例えば街中においてと異なるパケットが拒絶されるということが保証され得る。
【0085】
3.受信感度の補正又は制御の為又は信号レベル若しくは受信フィールド強さのフィルタリングの為の両方法(ハードウェア及びソフトウェア)は、組み合わせられることも可能である。その際、受信感度の調整に関する通信ハードウェアの惰性に基づいて、好ましくは第一のフィルタリングがハードウェアによって実施され、そして第二の、比較的細かいフィルタリング(「精細フィルタリング」)がソフトウェアで実施される。これは、疑わしい場合には多すぎるよりも少なすぎるパケットが受信されるよう、受信フィールド強さが調整されることを意味する。ソフトウェアによって、更に処理されるパケットの数量が、所望の数量へと減少される。
【0086】
記載した方法は、好ましくは、受信セクターに従い分離して実施される、つまりパケットの受信方向に従い分離して実施される。特にこの為に、複数のアンテナ及び例えばダイバーシティを有する受信モジュールが適している。受信セクターは、好ましくは「前方」、「後方」、「左」、「右」といった方向に相当する。受信セクターに従うパケットの分離した移動を介して、交差点のような状況がより良好に評価されることが可能である。通常は、前方及び後方からの信号が、左又は右からの信号よりも高い信号レベルを有するということから出発する。しかししばしば、例えば交差点における衝突の直前の側方からの信号は危険である。セクターの処理によって、好ましくは、重みづけも行われることが可能である。車両の考え得る走行マニューバに応じて行われる。車両が例えば左に向かって曲がるとき、左からの信号が、後退走行におけるものよりも重要である。
【0087】
受信方向に応じたパケットの評価の為の別の好ましい実施形は、相応する計測から既知のアンテナの指向性に応じた信号レベルの重みづけである。計測は、多くの場合、受信方向の決定の為にいずれにせよ既に必要である。よって、受信する複数のパケット信号レベルの相違(これは、アンテナの指向性のみから生じる)は、更なる処理又は評価の為に算出されることが可能である。
【0088】
つまり記載した方法は、全ての重要なパケットが通常は受信されることを、高い確率で保証することができる。これは、特に、重要なパケットが、比較的重要でないパケットよりも多く送信されることによってサポートされる。同一のセンダーの二つのパケット送信過程の間の変化する境界条件によっても、統計的に、パケットが十分早期にレシーバーのプレフィルターを通過し、ひいては適時の反応が保証されることが可能であるということを想定している。
【0089】
本発明の別の有利な実施形に従い、いわゆる過負荷状況、つまり、本来処理すべきパケットの数量が、使用可能である演算能力を超える状況において、同じようなパケットが意図的に省略され、ひいては拒絶されることによって、あるセンダーによって及び同一のセンダーによって処理すべきパケットの数量が減少されるということが意図されている。
【0090】
好ましくは、本発明に係る方法は、受信するパケットの為の処理チェーン内において、できる限り早期に使用される。つまり、例えば、パケットの物理的な受信の直後かつパケットの本来の処理の前に使用される。
【0091】
別の有利な実施形は、下位の請求項、図面を参照しての以下の実施例の説明からも生ずる。
【0092】
図9 受信するパケットの数量の信号レベル
【0093】
図9の符号は、図1から8の符号と異なる技術要素を記載している。
【0094】
図9aは、受信するパケット11,12,13,14,15,16および17の数量の信号レベル(y軸)を示す。これらは、時間帯T1(x軸)内に受信されたものである。パケット11,12,13,14,15,16および17の信号レベルは、その際、車両toX通信システムの使用される受信ハードウェアの、調整された及び変化可能である受信性閾値の上にある。パケット11,12,13,14,15,16および17の数量は、未だ、適当な時間内にデコード又は評価が可能でないほど大きいので、受信されるパケット11,12,13,14,15,16および17は図9bにおいて信号レベルの平均値に規格化され、そして引き続いてその信号レベルに従いソートされる。そのようにソートされ及び規格化された信号レベルは、図9bに見て取ることができる。パケット11,17,14及び15の信号レベルは、閾値18の上に位置している。他方、パケット16および13の信号レベルは閾値18の下に位置している。パケット16および13は、よって拒絶される。よって、処理すべきパケットの数量は、操作可能でかつ使用できる状態の演算能力へと適当に減少される。
【0095】
本発明の別の観点は、以下のセンテンスによっても記載される。
【0096】
センテンス1.車両toX通信システム内で処理すべきデータの数量を減少させるための、データ選出方法であって、
その際、通信ユニットによって車両toXメッセージが受信され及び送信され、そして、
その際、受信された車両toXメッセージが処理すべきデータを含んでいる方法において、
処理すべきデータの選択が、データを含む車両toXメッセージの受信フィールド強さに応じて行われることを特徴とする方法。
【0097】
センテンス2.全ての受信される車両toXメッセージのデータが処理されることを特徴とするセンテンス1に記載の方法。
【0098】
センテンス3.通信ユニットの受信感度が調整可能及び/又は補正可能であることを特徴とするセンテンス1および2の少なくとも一つに記載の方法。
【0099】
センテンス4.処理すべきデータの量の処理の為に必要な演算能力が、存在する演算能力を超えないよう、通信ユニットの受信感度が補正される及び/又は調整されることを特徴とするセンテンス1から3の少なくとも一つに記載の方法。
【0100】
センテンス5.車両toXメッセージに含まれ、その受信フィールド強さが予め与えられた閾値を越えるデータが処理されることを特徴とするセンテンス1から4の少なくとも一つに記載の方法。
【0101】
センテンス6.車両toXメッセージに含まれ、その受信フィールド強さが予め与えられた閾値を下回るデータが、拒絶されることを特徴とするセンテンス1から5の少なくとも一つに記載の方法。
【0102】
センテンス7.閾値が、処理すべきデータの量に適合可能であることを特徴とするセンテンス1から6の少なくとも一つに記載の方法。
【0103】
センテンス8.必要な演算能力が、存在する演算能力よりも低いとき、閾値が下げられることを特徴とするセンテンス1から7の少なくとも一つに記載の方法。
【0104】
センテンス9.存在する演算能力が、必要な演算能力よりも低いとき、閾値が上げられることを特徴とするセンテンス1から8のいずれか一つに記載の方法。
【0105】
センテンス10.閾値が補正可能及び/又は調整可能であることを特徴とするセンテンス1から9の少なくとも一つに記載の方法。
【0106】
センテンス11.受信フィールド強さが規格化されることを特徴とするセンテンス1から10の少なくとも一つに記載の方法。
【0107】
センテンス12.異なる受信方向に対して受信フィールド強さが、異なるよう、規格化の際に、異なって重みづけされることを特徴とするセンテンス11に記載の方法。
【0108】
車両toXメッセージが、その受信フィールド強さに従いソートされることを特徴とするセンテンス1から12の少なくとも一つに記載の方法。
【0109】
規格化の際の重みづけが、車両の、予定される走行マニューバに応じていることを特徴とするセンテンス13に記載の方法。
【0110】
規格化の際に、通信ユニットの指向性が考慮されることを特徴とするセンテンス1から14の少なくとも一つに記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図8a
図8b
図9