(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6234583
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】燃料噴射器
(51)【国際特許分類】
F02M 61/18 20060101AFI20171113BHJP
F02M 61/10 20060101ALI20171113BHJP
F02M 45/08 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
F02M61/18 350B
F02M61/18 320D
F02M61/10 F
F02M45/08 Z
【請求項の数】12
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-537197(P2016-537197)
(86)(22)【出願日】2014年8月5日
(65)【公表番号】特表2016-532816(P2016-532816A)
(43)【公表日】2016年10月20日
(86)【国際出願番号】EP2014066770
(87)【国際公開番号】WO2015028261
(87)【国際公開日】20150305
【審査請求日】2016年2月24日
(31)【優先権主張番号】102013217371.7
(32)【優先日】2013年8月30日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】501125231
【氏名又は名称】ローベルト ボッシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 始
(72)【発明者】
【氏名】ジュンダーハウフ ゲアハルト
(72)【発明者】
【氏名】ケーニンガー アンドレーアス
【審査官】
中川 康文
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−322957(JP,A)
【文献】
特開平10−281038(JP,A)
【文献】
特開2003−049751(JP,A)
【文献】
特開昭54−007020(JP,A)
【文献】
特開昭54−111012(JP,A)
【文献】
実開昭63−036662(JP,U)
【文献】
特開平10−141179(JP,A)
【文献】
米国特許第05947389(US,A)
【文献】
特開平11−280610(JP,A)
【文献】
特開2000−145586(JP,A)
【文献】
特表2005−517122(JP,A)
【文献】
特開2006−063951(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 39/00−71/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
噴射器本体(10)内に形成されている加圧室(30)を用いて高圧で燃料を噴射するための内燃機関用燃料噴射器(100)であって、前記加圧室内にノズルニードル(20)が長手方向に変位可能に配置され、前記ノズルニードルが、その燃焼室側端部に、燃焼室方向に先細りになっている円錐領域(22)と、一定の直径d23を持ったピン領域(23)とを有し、前記噴射器本体(10)は、第1の噴射穴(1)が出ている実質的に円錐状のノズルニードル着座部(17)と、燃焼室側で前記ノズルニードル着座部(17)に接続し、直径d31を持った円筒状部分と孔底とを備えた袋穴穿孔部(31)とを有し、前記孔底から第2の噴射穴(2)が出ており、前記ノズルニードル(20)の前記円錐領域(22)が前記ノズルニードル着座部(17)と協働し、これによって前記第1の噴射穴(1)と前記第2の噴射穴(2)とが前記加圧室(30)に対し開閉するようにした前記噴射器において、
少なくとも前記ノズルニードル(20)の部分ストローク(s)の間、前記第1の噴射穴(1)と前記第2の噴射穴(2)とが、前記袋穴穿孔部(31)内で前記ピン領域(23)と前記袋穴穿孔部(31)の壁との間に形成されている絞り隙間(32)を介して、互いに結合され、前記絞り隙間(32)が、少なくとも前記ノズルニードル(20)の前記部分ストローク(s)にわたって、不変であり、
1つまたは複数の第2の噴射穴(2)が設けられ、
前記部分ストローク(s)の間、前記絞り隙間(32)による絞り作用は、すべての前記第2の噴射穴(2)による総絞り作用よりも強く、前記絞り隙間(32)による貫流横断面が、すべての前記第2の噴射穴(2)による総貫流横断面よりも小さいことを特徴とする燃料噴射器。
【請求項2】
下記式(1)を満足するように前記絞り隙間(32)の幅を構成したことを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射器。
【請求項3】
前記袋穴穿孔部(31)の直径d31と前記ピン領域(23)の直径d23との差が、6μmよりも大きく、30μmよりも小さいことを特徴とする、請求項1または2に記載の燃料噴射器。
【請求項4】
前記絞り隙間(32)による前記貫流横断面が、前記部分ストローク(s)にわたって、すべての前記第2の噴射穴(2)による前記総貫流横断面の15%...70%であることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか一つに記載の燃料噴射器。
【請求項5】
前記部分ストローク(s)よりも大きな前記ノズルニードル(20)のストロークの際に、前記ピン領域(23)が前記袋穴穿孔部(31)から浮上し、該袋穴穿孔部(31)内への貫流横断面が前記絞り隙間(32)に比べて大きくなることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか一つに記載の燃料噴射器。
【請求項6】
前記ノズルニードル(20)が、燃焼室側で前記ピン領域(23)に接続している端部領域(24)を有していることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか一つに記載の燃料噴射器。
【請求項7】
前記端部領域(24)が円錐部として実施されていることを特徴とする、請求項6に記載の燃料噴射器。
【請求項8】
前記端部領域(24)が、実質的に円筒状に実施され、少なくとも1つの側部繰り抜き部(27)を有していることを特徴とする、請求項6に記載の燃料噴射器。
【請求項9】
前記少なくとも1つの繰り抜き部(27)が平面研削部として実施されていることを特徴とする、請求項8に記載の燃料噴射器。
【請求項10】
前記少なくとも1つの繰り抜き部(27)が横断面にて実質的に半円形に実施されていることを特徴とする、請求項8に記載の燃料噴射器。
【請求項11】
前記部分ストローク(s)よりも大きな前記ノズルニードル(20)の最大ストローク(v)の際、前記袋穴穿孔部(31)内への貫流横断面がすべての前記第2の噴射穴(2)による総貫流横断面よりも大きいことを特徴とする、請求項5から10までのいずれか一つに記載の燃料噴射器。
【請求項12】
複数の前記第1の噴射穴(1)および/または複数の前記第2の噴射穴(2)が設けられていることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一つに記載の燃料噴射器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の燃焼室内へ高圧で燃料噴射するために使用できるような内燃機関用燃料噴射器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1から、内燃機関用の燃料噴射ノズルもしくは燃料噴射器が知られている。この公知の燃料噴射器では、ノズルニードルは長手方向に変位可能に噴射器本体内に配置され、該ノズルニードルに形成されている密封エッジでもって、噴射器本体に形成されているノズルニードル着座部と協働して、その長手方向への移動により複数の第1の噴射穴を開閉させる。ノズルニードルは、燃焼室側で接続して、ピン領域を有し、該ピン領域は、噴射器本体内に形成されている袋穴穿孔部内へ突出し、これによって複数の第2の噴射穴を閉鎖する。ノズルニードルの部分ストロークまでは、燃料は第1の噴射穴のみを通じて内燃機関の燃焼室内へ流れ、他方ピン領域は第2の噴射穴を密封する。部分ストローク以降は、ピン領域が袋穴穿孔部から浮上し、したがって第2の噴射穴を解放する。これにより、好適な最少量供給能力のある段階的噴射特性を得ることができる。しかしながら、袋穴穿孔部に浸漬されるピン領域の密封機能は、高い製造精度と高い耐摩耗性とを必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許出願公開第2920100A1号明細書
【発明の概要】
【0004】
これに対して、本発明による燃料噴射器は、噴射特性は類似しているものの、摩耗はより少なくて済み、同時に高い製造精度はより低くて済む。
【0005】
このため、燃料噴射器は、噴射器本体内に形成される加圧室を有し、該加圧室内にノズルニードルが長手方向に変位可能に配置され、該ノズルニードルは、その燃焼室側端部に、燃焼室方向に先細りになっている円錐領域と、一定の直径d
23を持つピン領域とを有している。噴射器本体は、さらに、第1の噴射穴が出ている実質的に円錐状のノズルニードル着座部と、燃焼室側でノズルニードル着座部に接続し、直径d
31を持った円筒状部分と孔底とを備えた袋穴穿孔部とを有し、孔底から第2の噴射穴が出ている。ノズルニードルの円錐領域はノズルニードル着座部と協働し、これによって第1の噴射穴と第2の噴射穴とが加圧室に対し開閉する。少なくともノズルニードルの部分ストロークの間、第1の噴射穴と第2の噴射穴とは、袋穴穿孔部内でピン領域と袋穴穿孔部の壁との間に形成されている絞り隙間を介して、互いに結合され、絞り隙間は、少なくとも部分ストロークにわたって、不変である。絞り隙間により、ピン領域とノズルニードルとの間に接触はなく、もしくは、わずかな当接があるにすぎず、従ってこの領域での摩耗はなく、または、わずかな摩耗しか生じない。さらに、製造は、ピン領域が密封機能を果たさねばならない場合よりも大きな公差を有することができる。
【0006】
本発明による燃料噴射器の好適な実施態様では、袋穴穿孔部の直径d
31とピン領域の直径d
23との差は、6μmよりも大きく、30μmよりも小さい。これにより絞り隙間は平均で3μmよりも大きく、ノズルニードルが横力によって荷重されない限りは、ピン領域と袋穴穿孔部の壁との間の公差連鎖を3μmまで比較的大きく選定できる。同時に、絞り隙間の十分な絞り機能を達成するには、隙間幅は15μmよりも小さくなければならない。
【0007】
更なる好適な実施態様では、1つまたは複数の第2の噴射穴が設けられ、絞り隙間による貫流横断面は、1つまたはすべての第2の噴射穴による総貫流横断面よりも小さい。好ましくは絞り隙間による貫流横断面は、部分ストロークにわたって、1つまたはすべての第2の噴射穴による総貫流横断面の15%ないし70%である。これにより、絞り隙間が設けられている限り、第2の噴射穴への燃料供給が絞られ、このことは燃料噴射器の好適な最少量供給能力を意味している。
【0008】
好適には、部分ストロークよりも大きなストロークの際に、ピン領域は袋穴穿孔部から浮上し、該袋穴穿孔部内への貫流横断面が絞り隙間に比べて大きくなる。これにより、第2の噴射穴にはより多くの燃料が供給され、このことはより高いエンジンパワーを実現するために必要である。
【0009】
更なる好適な実施態様では、ノズルニードルは、燃焼室側でピン領域に接続している端部領域を有している。これにより、エンジンの部分負荷から全負荷への移行をより穏やかに構成でき、よって燃料消費をより少なく構成できる。というのは、この移行では、時間に対するもしくはストロークに対する噴射率の曲線がより平坦に延びるからである。
【0010】
好適な実施態様では、端部領域は円錐部として実施されている。これにより、第2の噴射穴に供給される燃料量は、部分ストローク以降直線状に上昇し、このことは、適用例に応じては好適な噴射特性を生じさせることになる。
【0011】
他の好適な実施態様では、端部領域は、実質的に円筒状に実施され、少なくとも1つの側部繰り抜き部を有している。これにより、ノズルニードルはピン領域の拡張に伴って部分ストローク以降も袋穴穿孔部内へ突出し、その結果噴射器本体とノズルニードルとの間の非同軸化(Desachsierungen)がより少なくなり、従ってノズルニードルが閉鎖している間の摩耗リスクもより少なくなる。側部繰り抜き部の形状は適用例に応じて構成してよく、その結果第2の噴射穴に供給される燃料は、部分ストローク以降、強くまたは多少強く上昇する。
【0012】
好適には、少なくとも1つの繰り抜き部は平面研削部として実施されている。これにより、部分ストローク以降の絞り機能の所望の抑制を製造技術的に簡単に達成できる。
【0013】
他の好適な実施態様では、少なくとも1つの繰り抜き部は横断面にて実質的に半円形に実施されている。これにより、端部領域と袋穴穿孔部の壁との間のポテンシャル接触面積が大きくなり、これは袋穴穿孔部内でのノズルニードルの案内を改善させ、よって摩耗リスクも少なくさせる。
【0014】
好適には、部分ストロークよりも大きなノズルニードルの最大ストロークの際、袋穴穿孔部内への貫流横断面はすべての第2の噴射穴による総貫流横断面よりも大きい。これにより、最大ストロークの際、噴射特性は実質的に第1および第2の噴射穴の幾何学によって特定される。すなわち、噴射器本体とノズルニードルとの間での絞り機能は実際にはもはや存在しない。従って、最大ストロークに対しては、両噴射穴の製造精度が重要であり、他方この点での絞り隙間の公差は副次的な意義を持っているにすぎない。
【0015】
好適には、複数の第1の噴射穴および/または複数の第2の噴射穴が設けられている。これにより、燃焼室内への燃料の均一な噴射を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明による燃料噴射器の一部分の縦断面図であり、主要な領域のみを図示したものである。
【
図2】本発明による燃料噴射器の他の実施例の縦断面図であり、同様に主要な領域のみを図示したものである。
【
図3】本発明による燃料噴射器の他の実施例による横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1には、取り付け位置で内燃機関の燃焼室110内へ突出している、燃料噴射器100の端部が図示されている。燃料噴射器100は加圧室30を備えた噴射器本体10を有し、加圧室は、図示していない高圧通路を介して、図示していない高圧下にある燃料源、例えばコモンレールと結合されている。
【0018】
加圧室30内には、ノズルニードル20が長手方向に変位可能に配置されている。図示した部分では、ノズルニードル20は、中央部分21と、燃焼室側で該中央部分に配置されている円錐領域22と、ピン領域23と、端部領域24とを有している。円錐領域22と端部領域24とは燃焼室110の方向に先細りになっており、ピン領域23は直径d
23を備えて円筒状に実施されている。
【0019】
噴射器本体10は、図示した部分に、円筒状の本体軸部11と、燃焼室側で該本体軸部に接続して、円錐状のノズルニードル着座部17と、加圧室30の部分領域である袋穴穿孔部31とを有している。ノズルニードル着座部17からは直径d
1を持った少なくとも1つの第1の噴射穴1が、袋穴穿孔部31からは直径d
2を持った少なくとも1つの第2の噴射穴2が、燃焼室110内へ通じている。袋穴穿孔部31は、直径d
31を持った円筒状部分と、燃焼室側で該円筒状部分に接続し、図示した実施例では丸みを帯びるように実施されている孔底とを有している。なお、第1の噴射穴1も第2の噴射穴2も1つまたは複数設けられていてよい。
【0020】
図示した閉じた作動状態では、ノズルニードル20は、中央部分21から円錐領域22への移行部に形成された密封エッジ22aにおいて、ノズルニードル着座部17と協働し、したがって第1の噴射穴1および第2の噴射穴2に対する加圧室30の液圧結合を遮断する。これによって袋穴穿孔部31は残りの加圧室30から液圧的に切り離される。直径d
23を持った円筒状のピン領域23は、直径d
31を持った袋穴穿孔部31の円筒状部分内へ突出して、袋穴穿孔部31の壁とともに、幅t/2を持った絞り隙間32を形成する。ここでt=d
31−d
23である。絞り隙間32を介して第1の噴射穴1と第2の噴射穴2とは常に互いに液圧結合されている。
【0021】
両噴射穴1,2を通じた燃料を噴射するため、図示していない制御部により、たとえばノズルニードル20の燃焼室とは逆の側の端部に設けた制御室内の圧力を降下させることによって、ノズルニードル20を開口方向29へ移動させ、その結果円錐領域22もしくは密封エッジ22aがノズルニードル着座部17から持ち上げられ、両噴射穴1,2および袋穴穿孔部31に対する加圧室30の液圧結合が解放される。
【0022】
ノズルニードル20の部分ストロークsまでピン領域23が袋穴穿孔部31内へ突出し、その結果袋穴穿孔部31内の絞り隙間32はピン領域23と袋穴穿孔部31の壁との間にある。この部分ストロークsの間、絞り隙間32による絞り作用は、第2の噴射穴2による絞り作用もしくはすべての第2の噴射穴2による総絞り作用よりも強い。従って、絞り隙間32による貫流横断面は、すべての第2の噴射穴2による総貫流横断面よりも小さい。このため、絞り隙間32の幅t/2もしくは袋穴穿孔部31内部のピン領域23の遊びtは、次のように設定すべきである。
【0023】
絞り隙間A
DSによる貫流横断面積は、
A
DS=Π/4・d
312−Π/4(d
31−t)
2=Π/4・(2・d
31・t−t
2)
になり、ここで
d
31>>t:A
DS≒Π/2・d
31・t
である。
【0024】
すべてのxの第2の噴射穴A
2.EOによる貫流横断面積は、
A
2.EO=x・d
22/4・Π
であり、部分ストローク(s)まではA
DS<A
2.EOが適用されるべきである。すなわち
Π/2・d
31・t<x・d
22/4・Π
⇒t<x/2・d
22/d
31
であるべきである。
【0025】
好ましくは、部分ストローク(s)までは
15%・A
2.EO<A
DS<70%・A
2.EO
⇒1/10・x・d
22/d
31<t<3/10・x・d
22/d
31
が適用されるべきである。
【0026】
したがって、部分ストロークsまでは噴射特性は実質的に第1の噴射穴1および絞り隙間32の幾何学によって特定される。
【0027】
部分ストロークs以降はピン領域23が袋穴穿孔部31から浮上するが、しかし当初は端部領域24はまだ袋穴穿孔部31内に浸ったままである。端部領域24の円錐状形状のために、袋穴穿孔部31とノズルニードル20との間の貫流横断面はストロークの増大に伴って拡大する。最大ストロークvでは、噴射器本体10とノズルニードル20との間の貫流横断面がすべての第2の噴射穴2による総貫流横断面よりも大きくなるほど、ピン領域23と端部領域24とが袋穴穿孔部31から浮上する。
【0028】
したがって最大ストロークvでは、噴射特性は実質的に第1および第2の噴射穴1,2の幾何学によって特定される。
【0029】
図2の実施例は、端部領域24の実施態様によって
図1の実施例と区別される。その他全ての構成は
図1の実施例で述べたとおりのものなので、再度説明しない。
【0030】
図2は、ピン領域23と同じ直径d
23を有している、実質的に円筒状に実施した端部領域24を示している。端部領域24には側部に繰り抜き部27が形成され、その結果部分ストロークs以降は、噴射器本体10とノズルニードル20との間の貫流横断面が拡大する。このため、通常は3つの繰り抜き部27(図示した実施例では、平面研削部として形成されている)が周方向に配分され、その結果第2の噴射穴2への略均一な向流が与えられているとともに、同時に袋穴穿孔部31内での端部領域24の好適な案内が与えられている。しかし、ノズルニードル20の最大ストロークvでは、端部領域24は袋穴穿孔部31から浮上していてよい。
【0031】
図3は
図2の断面A−Aを示している。この断面は、ピン領域23から端部領域24への移行部の面内にある。噴射器本体10の袋穴穿孔部31内には、噴射器本体10とノズルニードル20との間に、幅t/2を持った絞り隙間32が形成され、この絞り隙間は、端部領域24に配置されている側部繰り抜き部27とともに袋穴穿孔部31内に貫流横断面を形成している。図示した実施形態では、3つの繰り抜き部27があり、これらの繰り抜き部27は横断面にて半円状に構成されている。
【符号の説明】
【0032】
1 第1の噴射穴
2 第2の噴射穴
10 噴射器本体
17 ノズルニードル着座部
20 ノズルニードル
22 円錐領域
23 ピン領域
24 端部領域
27 繰り抜き部
30 加圧室
31 袋穴穿孔部
32 絞り隙間
100 燃料噴射器
d
23 ピン領域の直径
d
31 円筒状部分の直径
s 部分ストローク
v 最大ストローク