(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6234595
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】太陽光エアコンシステム
(51)【国際特許分類】
H02J 1/10 20060101AFI20171113BHJP
H02M 7/48 20070101ALI20171113BHJP
F24F 5/00 20060101ALI20171113BHJP
F24F 1/24 20110101ALI20171113BHJP
F25B 1/00 20060101ALI20171113BHJP
F25B 27/00 20060101ALI20171113BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
H02J1/10
H02M7/48 T
H02M7/48 R
F24F5/00 Z
F24F1/24
F25B1/00 321L
F25B27/00 M
H02J3/38 130
【請求項の数】11
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-544697(P2016-544697)
(86)(22)【出願日】2014年6月11日
(65)【公表番号】特表2016-536971(P2016-536971A)
(43)【公表日】2016年11月24日
(86)【国際出願番号】CN2014079689
(87)【国際公開番号】WO2015043234
(87)【国際公開日】20150402
【審査請求日】2016年4月26日
(31)【優先権主張番号】201310442150.3
(32)【優先日】2013年9月25日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516089359
【氏名又は名称】グリー エレクトリック アプライアンスィズ,インコーポレーテッド オブ ジュハイ
(74)【代理人】
【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100105463
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100129861
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 滝治
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ,ジーガン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,イン
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ファイカン
【審査官】
稲葉 崇
(56)【参考文献】
【文献】
実開平05−090223(JP,U)
【文献】
特開平05−328748(JP,A)
【文献】
特開2003−116224(JP,A)
【文献】
特開2000−283569(JP,A)
【文献】
特開平11−337193(JP,A)
【文献】
特開2013−075629(JP,A)
【文献】
特開平11−034640(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J1/00−5/00
F24F1/06−1/68
5/00
11/00−11/08
F25B1/00−7/00
19/00−30/06
H01L23/29
23/34−23/36
23/373−23/427
23/44
23/467−23/473
H02M7/00−7/98
H05K7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光電池アレイと、エアコンユニットと、電流変換ユニットと、第1の直流バスと、第2の直流バスと、を備え、
前記エアコンユニットは、前記エアコンユニットに給電する第1のインバータモジュールを含み、
前記電流変換ユニットは、第1端が公共電力網に接続され、第2端が前記第1の直流バスを介して前記第1のインバータモジュールに電気的に接続される構造独立したユニットであり、
前記太陽光電池アレイは、前記第2の直流バスを介して前記第1の直流バスに電気的に接続され、
電流変換ユニット冷却装置を更に備え、
前記エアコンユニットは、蒸発器と、第1の凝縮器とを更に含み、
前記電流変換ユニット冷却装置は、順に直列に接続される冷媒ポンプと、スロットリング素子と、熱交換器とを含み、
前記冷媒ポンプは、第1端が前記第1の凝縮器に連通され、第2端が前記スロットリング素子に連通され、
前記熱交換器は、第1端が前記スロットリング素子に連通され、第2端が前記蒸発器に連通され、
前記電流変換ユニットは、前記熱交換器と熱交換を行うことで、温度が下げられる太陽光エアコンシステム。
【請求項2】
前記太陽光電池アレイの出力電力が前記エアコンユニットの作動に必要な入力電力以上である時、前記エアコンユニットは前記太陽光電池アレイのみによって給電され、
前記太陽光電池アレイの出力電力が前記エアコンユニットの作動に必要な入力電力未満である時、前記公共電力網と前記太陽光電池アレイは連携して前記エアコンユニットに給電する請求項1に記載の太陽光エアコンシステム。
【請求項3】
前記太陽光電池アレイの出力電力が前記エアコンユニットの作動に必要な入力電力を超える時、又は前記エアコンユニットが作動しない時、前記電流変換ユニットは、前記太陽光電池アレイから出力された直流電流を交流電流に変換して前記公共電力網に伝送する請求項1に記載の太陽光エアコンシステム。
【請求項4】
前記電流変換ユニットは、整流モジュールと、第2のインバータモジュールと、を含む請求項1に記載の太陽光エアコンシステム。
【請求項5】
前記電流変換ユニットは、4象限コンバータである請求項4に記載の太陽光エアコンシステム。
【請求項6】
前記太陽光電池アレイと前記第2の直流バスとの間に設けられる太陽光コレクターユニットと、配電ユニットと、を更に備え、
前記太陽光電池アレイ、前記太陽光コレクターユニット、前記配電ユニット、及び前記第2の直流バスが順に接続される請求項1に記載の太陽光エアコンシステム。
【請求項7】
前記エアコンユニットは、遠心式冷水エアコンユニット、スクリュー式冷水エアコンユニット、及び多重連結式エアコンユニットのうちのいずれか1つである請求項1に記載の太陽光エアコンシステム。
【請求項8】
前記電流変換ユニット冷却装置は、前記冷媒ポンプと並列に接続され、入り口が前記第1の凝縮器に連通され、出口が前記スロットリング素子に連通される逆止弁を更に含む請求項1に記載の太陽光エアコンシステム。
【請求項9】
前記熱交換器と前記蒸発器との間に接続される第2の凝縮器を更に備える請求項1に記載の太陽光エアコンシステム。
【請求項10】
前記第1のインバータモジュールは、前記エアコンユニットの周波数コンバータに設けられ、容量が前記エアコンユニットのパワーに応じて設定され、
前記電流変換ユニットは、容量が前記太陽光電池アレイ及び/又は前記公共電力網の需要に応じて設定される請求項1に記載の太陽光エアコンシステム。
【請求項11】
前記第1のインバータモジュールは前記エアコンユニットの標準付属品として、容量が前記エアコンユニットのパワーに応じて設定され、
前記電流変換ユニットは、容量が前記太陽光電池アレイ及び/又は前記公共電力網の需要に応じて設定される請求項1に記載の太陽光エアコンシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力エレクトロニクス及びエアコン冷房技術分野に関し、特に、太陽光(発電)エアコンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
クリーンエネルギーとしての太陽エネルギーはますます人々の注目を集めており、電気技術及びエアコン技術の発展に伴って、太陽光をエアコンのエネルギーとする技術も開発され、既に多くの特許や論文には関連技術が開示されている。例えば、中国特許出願公開第CN102705944A号明細書には、インバータモジュールと、整流・インバージョン・系統連系モジュールを有するエアコン周波数コンバータを備え、太陽光電池によってエアコンに給電するとともに、系統連系型の発電を行うことのできる太陽エネルギー周波数可変エアコンシステムが開示された。
【0003】
しかしながら、既存技術における太陽光エアコンシステムには適用性に欠けている問題が存在し、付属施設に対する制限も多い。これは、既存技術において、系統連系に必要な系統連系インバータモジュールがエアコンユニットの周波数コンバータ(frequency converter)の一部であるため、系統連系型発電を行う時、エアコンユニットにも給電しなければならないからである。その結果、エネルギーを浪費してしまい、エアコンユニットの使用寿命にも影響を与えてしまう。また、エアコン周波数コンバータの容量の制限を受けて、エアコンのパワーに相当する太陽光電池モジュールを配置しなければならないので、エアコンユニットに合わせて太陽光発電システムを新たに構築するしかできず、エアコンシステムを既存の太陽光発電所に接続することができなく、接続すると、エアコン周波数コンバータの容量の制限を受けて、太陽光発電所から発電された電気エネルギーの全てを系統連系することができず、電気エネルギーをかなり浪費することになる。
【0004】
そして、既存技術には、エアコンユニットが作動停止された時、太陽光発電システム中のインバータや、コンバータ等の電子パワー素子が冷却されない問題も存在している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
既存技術の欠陥を解消するため、本発明の実施例は、既存技術において太陽光エアコンシステムの適用性が悪い問題を解決できる太陽光エアコンシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施例によって、以下の技術案が提供される。
太陽光(発電)エアコンシステム(photovoltaic air conditioning system)は太陽光電池アレイと、エアコンユニットと、電流変換ユニットと、第1の直流バスと、第2の直流バスと、を備える。エアコンユニットは、前記エアコンユニットに給電し、前記エアコンユニットの標準付属品である第1のインバータモジュールを更に含み、第1のインバータモジュールの容量は前記エアコンユニットのパワーに応じて設定され、電流変換ユニットは第1端が公共電力網に接続され、第2端が第1の直流バスを介して第1のインバータモジュールに電気的に接続される構造独立したユニットであり、電流変換ユニットの容量は太陽光電池アレイ及び/又は公共電力網の需要に応じて設定され、太陽光電池アレイは第2の直流バスを介して第1の直流バスに電気的に接続される。
【0007】
前記太陽光電池アレイの出力電力が前記エアコンユニットの作動に必要な入力電力以上である時、前記エアコンユニットは太陽光電池アレイのみによって給電され、前記太陽光電池アレイの出力電力がエアコンユニットの作動に必要な入力電力未満である時、公共電力網と太陽光電池アレイは連携してエアコンユニットに給電することが好ましい。
【0008】
前記太陽光電池アレイの出力電力がエアコンユニットの作動に必要な入力電力を超える時、又はエアコンユニットが作動しない時、電流変換ユニットは太陽光電池アレイから出力された直流電流を交流電流に変換して公共電力網に伝送することが好ましい。
【0009】
電流変換ユニットは整流モジュールと、第2のインバータモジュールと、を含むことが好ましい。
【0010】
前記電流変換(current conversion)ユニットは4象限コンバータであることが好ましい。
【0011】
太陽光電池アレイと第2の直流バスとの間に設けられる太陽光コレクターユニットと、配電ユニットとを更に備える太陽光エアコンシステムであって、前記太陽光電池アレイ、太陽光コレクターユニット、配電ユニット、及び第2の直流バスが順に接続されることが好ましい。
【0012】
エアコンユニットは遠心式冷水エアコンユニット、又はスクリュー式冷水エアコンユニットであることが好ましい。
【0013】
太陽光エアコンシステムは電流変換ユニット冷却装置を更に備えることが好ましい。
【0014】
エアコンユニットは蒸発器と、第1の凝縮器とを更に含み、電流変換ユニット冷却装置は順に直列に接続される冷媒ポンプと、スロットリング素子と、熱交換器とを含み、冷媒ポンプは第1端が前記第1の凝縮器に連通され、第2端がスロットリング素子に連通され、前記熱交換器は第1端がスロットリング素子に連通され、第2端が前記蒸発器に連通され、前記電流変換ユニットは前記熱交換器と熱交換を行うことで、温度が下げられることが好ましい。
【0015】
電流変換ユニット冷却装置は前記冷媒ポンプと並列に接続され、入り口が前記第1の凝縮器に連通され、出口が前記スロットリング素子に連通される逆止弁を更に含むことが好ましい。
【0016】
エアコンシステムは熱交換器と蒸発器との間に接続される第2の凝縮器を更に含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の実施例によれば、以下の有益な効果を実現できる。本発明の実施例に係る太陽光エアコンシステムは、さまざまな容量の異なる太陽光発電所に適用可能であり、太陽光発電所と暖房、換気、及び空調機能を有するエアコンとのシームレス且つ効率的な結合を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施例1に係る太陽光(発電)エアコンシステムの構造を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施例2に係る太陽光エアコンシステムの周波数変換ユニット冷却構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の目的、技術案及びメリットを一層明確化するため、以下、図面と実施例を結合して本発明を更に詳しく説明する。なお、ここで説明する具体的な実施例は本発明を解釈するためのものであって、本発明を限定するものではない。
【0020】
<実施例1>
図1は本発明の実施例1に係る太陽光エアコンシステムの構造を示すブロック図で、該太陽光エアコンシステムは、太陽光電池アレイ10と、電流変換ユニット20と、エアコンユニット30と、第1の直流バス40と、第2の直流バス50と、を備える。エアコンユニット30は第1のインバータモジュール31を更に含み、第1のインバータモジュール31はエアコン周波数コンバータの一部としてエアコンユニット30の標準付属品(standard accessory)であり、直流電流を交流電流に変換して負荷32に給電し、負荷32は少なくともエアコンユニットの周波数可変圧縮機を含み、第1のインバータモジュール31の容量はエアコンユニット30の電力需要に応じて配置される。第1のインバータモジュール31は機器に搭載され、エアコンユニット30に取り付けられることが好ましい。
【0021】
太陽光電池アレイ10は、第2の直流バス50を介して第1の直流バス40に接続され、太陽光電池アレイ10で発生した直流電流が第2の直流バス50と第1の直流バス40を経由して直接にエアコンユニット30に給電される。
【0022】
電流変換ユニット20は独立した構成要素で、一端が公共電力網60に接続され、他端が第1の直流バス40を介して第1のインバータモジュール31に接続される。電流変換ユニット20は整流モジュールと第2のインバータモジュールとを含み、整流モジュール21は公共電力網60の交流電流を直流電流に変換してエアコンユニット30に給電し、第2のインバータモジュールは太陽光系統連系型発電に用いられ、太陽光電池アレイ10で発生した直流電流を交流電流に変換して公共電力網60に供給する。電流変換ユニット20の容量は太陽光電池アレイ10及び/又は公共電力網60の需要に応じて配置される。電流変換ユニット20は独立した構成要素として、エアコンユニット自体の制限を受けず、太陽光発電所の建設の要求に応じて容易に配線されて取り付けられることができる。電流変換ユニット20の主な役割は太陽光電池アレイ10に対する最大電力点追従(MPPT)を実現することであり、もう一つの主な役割はエネルギーの最適配分を実現し、太陽光発電を優先的に使用し、太陽光電池アレイ10から出力された電力を優先的にエアコンユニット30に利用し、エネルギーが不足である時に公共電力網60から補足するように保証することである。電流変換ユニット20は4象限コンバータであることが好ましい。
【0023】
太陽光電池アレイ10の出力電力がエアコンユニット30の作動に必要な入力電力以上である時、太陽光電池アレイ10で発生した直流電流は第1のインバータモジュール31によって交流電流に逆変換された後、エアコンユニットに給電され、この時、前記エアコンユニット30は太陽光電池アレイ10のみによって給電され、公共電力網60によって給電される必要がなく、この場合、電流変換ユニット20は作動しない。
【0024】
太陽光電池アレイ10の出力電力がエアコンユニット30の作動に必要な入力電力未満である時、太陽光電池アレイ10で発生した直流電流が第1のインバータモジュール31に伝送されてエアコンユニット30に給電されるとともに、商用電源が電流変換ユニット20によって直流電流に整流されて第1のインバータモジュール31に伝送され、公共電力網60と太陽光電池アレイ10が連携してエアコンユニットに給電し、太陽光発電の不足を補充する。
【0025】
太陽光電池アレイ10の出力電力がエアコンユニット30の作動に必要な入力電力を超える時、又はエアコンユニット30が作動しない時、電流変換ユニット20は太陽光電池アレイから出力された直流電流の一部又は全部を交流電流に変換して公共電力網60に伝送することで、系統連系型発電を実現する。電流変換ユニット20がエアコンユニット30のコントローラに依存しないため、エアコンユニット30が作動しない状況でも、太陽光電池アレイ10によって系統連系型発電を行うことができる。
【0026】
本実施例の太陽光エアコンシステムは、太陽光コレクターユニットと、配電ユニットと、を更に含み、太陽光電池アレイ10、太陽光コレクターユニット、配電ユニット、及び第2の直流バス50が順に接続されることが好ましい。
【0027】
本実施例の太陽光エアコンシステムは、配電ユニットと第2の直流バス50との間に設けられる直流昇圧モジュールを更に含むことが好ましい。
【0028】
本実施例において、エアコンユニット30は中央式エアコンユニットであって、遠心式ウオーターチリングユニット、スクリュー式ウオーターチリングユニット、及び多重連結式エアコンユニットのうちのいずれか1つであることが好ましい。
【0029】
本実施例に係る太陽光エアコンシステムによれば、エアコンユニットへの正常な給電を保証するとともに、電流変換ユニット20のタイプを実際の需要に応じて任意に選択することができ、また、エアコンユニット出荷時の機器パラメーターの制限を受けず、エアコンユニットの適用性を向上させ、エアコンユニットが任意の太陽光発電所と整合可能となり、太陽光発電所の電気エネルギーを浪費することがなくなる。
【0030】
<実施例2>
本発明の実施例2に係る太陽光エアコンシステムは空冷方式、水冷方式、冷媒冷却等の冷却方式を利用する電流変換ユニット20の冷却装置を更に備える。空冷方式を利用する場合、放熱器と冷却ファンを設けて電流変換ユニット20の温度を下げる。水冷方式を利用する場合、水ポンプと水循環管路を設けて電流変換ユニット20の温度を下げる。
【0031】
冷媒冷却方式を利用して電流変換ユニットの冷却を行うことが好ましい。
図2に示すように、エアコンユニット30は、冷却サイクルシステムになるように接続された蒸発器33と、第1の凝縮器34と、圧縮機35と、第1のスロットリング素子36とを含む。
【0032】
電流変換ユニット冷却装置は順に直列に設置された冷媒ポンプ61と、第2のスロットリング素子62と、熱交換器(未図示)とを、含む。冷媒ポンプ61は第1端が第1の凝縮器34に連通され、第2端が第2のスロットリング素子62に連通され、熱交換器は第1端が第2のスロットリング素子62に連通され、第2端が蒸発器33に連通され、熱交換器は電流変換ユニット20に接触し、電流変換ユニット20と熱交換を行って電流変換ユニット20の温度を下げ、即ち、前記熱交換器は冷却器の役割を果たす。第2のスロットリング素子62は、毛細管、熱膨張弁、電子膨張弁又はスロットルオリフィスのうちの一つ又は複数の組み合せであってもよい。
【0033】
ここで、熱交換器は内部に冷却剤流路がはめ込まれた金属冷却板であり、金属冷却板は電流変換ユニットに接触している。そして、現場の環境状況、電流変換ユニットの形状、冷却需要等の要素に応じて、適切な冷却器のタイプを選択することもでき、例えば、接触して熱交換を行うことができないか、又は冷却要求があまり高くない素子の場合、フィン付管式熱交換器、プレートフィン式熱交換器等を冷却器として選択することができる。
【0034】
電流変換ユニット冷却装置は、冷媒ポンプ61と並列に設けられ、入り口が第1の凝縮器34に連通され、出口が第2のスロットリング素子62に連通される逆止弁63を更に含む。逆止弁63を設けることで、冷媒の逆移動及び冷媒バイパスの短絡を防止し、充分な冷媒によって周波数コンバータの冷却を行うように保証することができる。冷媒冷却の冷却方式による温度低下効果が顕著であるので、部品タイプの選択要求も適切に低減されることができる。
【0035】
冷媒は電流変換ユニットを流れた後、大量の熱エネルギーを吸収し、放出されないと、最終的にエアコンユニットの冷媒に累積され、作動停止状態でのエアコンユニットのシステム温度とシステム圧力が絶えずに上昇してしまうことを招く。エアコンユニットが作動停止している状態では、冷却システムを長期にわたって動作させると、システム温度は上昇し続け、電流変換ユニットの冷却効果に影響を与えることになり、システム圧力が絶えずに上昇すると、冷却サイクルシステム全体の安全性に影響を与えることになる。そこで、熱交換器と蒸発器33との間には第2の凝縮器64が設けられ、第2のスロットリング素子62から流出される低温の冷媒は冷却器にて、電流変換ユニットから放熱される熱を吸収して蒸発し、温度が比較的高い冷媒蒸気になり、冷媒蒸気は第2の凝縮器64に流れた時、空気又は水と熱交換を行い、放熱して凝縮し、再び液体状態の冷媒になって蒸発器33に入り、エアコンユニットに戻ることで、1冷却循環が完成する。
【0036】
第2の凝縮器64の役割は、システムの信頼性を向上させ、エアコンユニットが作動停止している状態でも冷却システムが長期にわたって正常に作動できるようにすることである。また、エアコンユニットが動作を開始する時、第2の凝縮器64はさらに、大量の熱エネルギーが蒸発器33に入ってエアコンのエネルギー効率を低減することを防止することができる。第2の凝縮器64としては、通常、フィン付管式熱交換器又はプレート式熱交換器が用いられる。
【0037】
電流変換ユニット20が複数の独立したモジュールからなる場合、対応して、冷媒ポンプ61と蒸発器33との間には、並列に接続された複数の熱交換支線が設けられ、各支線にスロットリング素子及び一つ又は複数の熱交換器が設けられ、これにより、各モジュールが放熱される。
【0038】
本発明に係る電流変換ユニット冷却装置付きの太陽光エアコンシステムによれば、エアコンユニットの作動状態及び作動停止状態のいずれの状態でも電子パワー素子の冷却を行うことができ、既存技術においてエアコンユニットが作動しない時には電子パワー素子の冷却を行うことができない問題を解決し、エアコンユニットが作動しない場合であっても太陽光発電システム中の電子パワー素子の冷却を実現でき、太陽光システムの信頼性を向上させると共に、エアコンユニットの使用寿命を延ばすことができる。
【0039】
上述のように、本発明は、さまざまな容量の異なる太陽光発電所に適用可能であり、太陽光発電所と暖房、換気、及び空調機能を有するエアコンとのシームレス且つ効率的な結合を実現することができ、同時に、エアコンユニットが作動しない場合であっても太陽光発電システム中の電子パワー素子の冷却を実現でき、太陽光システムの信頼性を向上させると共に、エアコンユニットの使用寿命を延ばすメリットを有する。
【0040】
上述した実施例は本発明の幾つかの実施形態を示すもので、その説明が具体的且つ詳細であったが、本発明の保護範囲を制限するものであると理解しではいけない。尚、本発明の主旨を離脱しない前提で、幾つかの変形や改善が可能であって、それらは全て本発明の保護範囲に含まれるものであることは当業者であれば理解できることである。よって、本発明の保護範囲は特許請求の範囲を基準とする。