【文献】
Renesas Mobile Europe Ltd,On UL Control Enhancement for Macro-RRH Deployments,3GPP TSG-RAN WG1 #70 R1-123571,2012年 8月 5日
【文献】
NTT DOCOMO,UL Control Signaling Enhancements for Rel-11 CA Scenarios ,3GPP TSG-RAN WG1 #68 R1-120397,2012年 2月 1日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
物理上りリンク共有チャネルが複数のセカンダリセルで設定されている場合において、前記制御部は、複数のセカンダリセルの物理上りリンク共有チャネルのうち、インデックスが最大もしくは最小のセカンダリセルの物理上りリンク共有チャネルを用いて前記上り制御情報を送信すると決定する
ことを特徴とする請求項1に記載のユーザ装置。
物理上りリンク共有チャネルを用いて前記上り制御情報を送信するセルがキャリアアグリゲーションにおけるセカンダリセルの場合、当該セカンダリセルは、アクティブであり、上り同期が取れている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のユーザ装置。
前記ユーザ装置は、前記無線基地局から、上り制御情報を送信するために用いる物理上りリンク共有チャネルを決定するための制御内容を示す情報を受信し、記憶手段に保持し、前記制御部は、前記無線基地局から受信した前記情報に従って、上り制御情報を送信するために用いる物理上りリンク共有チャネルを決定する
ことを特徴とする請求項1ないし3のうちのいずれか1項に記載のユーザ装置。
前記制御部は、前記上り制御情報が生じたセルを判定し、判定されたセルに対応した方法で、当該上り制御情報を送信するために用いる物理上りリンク共有チャネルを決定する
ことを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか1項に記載のユーザ装置。
【背景技術】
【0002】
LTE(Long Term Evolution)方式及びLTE−Advanced方式において、上りリンク制御情報(UCI(Uplink Control Information))を送信する制御チャネルとしてPUCCH(Physical Uplink Control Channel、物理上りリンク制御チャネル)が規定されている。PUCCHを用いて送信される上りリンク制御情報としては、例えば、チャネル品質情報であるCQI(Channel Quality Indicator)、下りリンクにおいて送信されたデータ信号に対する送達確認情報であるACK/NACK、上りリンクにおいて送信されるべきデータ信号が発生した際に送信されるスケジューリング要求(SR:Scheduling Request)等がある。
【0003】
また、LTE-Advanced方式では、ユーザ装置UE及び無線基地局eNBは、複数のセルを用いてCA(Carrier Aggregation)を行うことができるように構成されている。
【0004】
CAが行われる際には、ユーザ装置UEに対して、接続性を担保する信頼性の高いセルであるPCell(Primary cell)及び付随的なセルであるSCell(Secondary cell)が設定される。ユーザ装置UEは、第1に、PCellに接続し、必要に応じて、SCellを追加することができる。PCellは、RLM(Radio Link Monitoring)及びSPS(Semi-Persistent Scheduling)等をサポートするLTE方式におけるセルと同様のセルである。ユーザ装置UEのPCellを変更する場合には、ハンドオーバ処理が必要である。
【0005】
また、SCellは、PCellに追加されてユーザ装置UEに対して設定されるセルである。Scellの追加及び削除は、RRC(Radio Resource Control)シグナリングによって行われる。SCellは、ユーザ装置UEに対して設定された直後は、非アクティブ状態(deactivate状態)であるため、MAC(Media Access Control)レイヤにおいてアクティブ化することで初めて通信可能(スケジューリング可能)となるセルである。
【0006】
また、LTE−Advanced方式では、PUCCHと、データを送信するPUSCH(Physical Uplink Shared Channel、物理上りリンク共有チャネル)とを同時に送信するPUSCH−PUCCH同時送信が可能である。ここでのPUSCH−PUCCH同時送信の意味は、同一セル内でのPUSCH−PUCCH同時送信と、CAが構成された複数セル間でのPUSCH−PUCCH同時送信の両方を含むものとする。
【0007】
ここで、CAにおける各セルに対応するキャリアはCC(Component Carrier、コンポーネントキャリア)と呼ばれる。CAにおける各セルにおいて、上りリンクに対応するセルを上リンク用セル、下りリンクに対応するセルを下りリンク用セルと呼ぶことができる。また、信号を特定のセルで送信/受信するといった場合、当該セルに対応するコンポーネントキャリアを用いて信号を送信/受信することを意味する。
【0008】
LTE方式では、上り制御情報は、通常PUCCHを介してユーザ装置UEから無線基地局eNBに送信されるが、所定の場合に、通常はデータを送信するPUSCHを用いて上り制御情報を送信する。これはピギーバック(piggy back)と呼ばれる。
【0009】
図1を参照して、ピギーバックが行われる場合と、行われない場合についての例を説明する。
【0010】
図1(a)は通常の場合を示しており、CAが構成されていない場合で、上り制御情報の送信タイミングにおいて、PUSCHが割り当てられていない場合に、PUCCHで上り制御情報を送信することを示している。
【0011】
図1(b)は、CAが構成されていない場合であって、上り制御情報の送信タイミングで、PUSCHが割り当てられている場合に(つまり、スケジューリンググラントを受信し、無線リソースが割り当てられ、データを送信できるときに)、当該上り制御情報をPUSCHで送信することを示している。PUSCHが割り当てられる場合でも、PUSCH−PUCCH同時送信がユーザ装置UEに設定(configure)されている場合は、PUCCHで上り制御情報を送信するが、PUSCH−PUCCH同時送信が設定されていない(ユーザ装置UEがPUSCH−PUCCH同時送信の能力を持たない場合を含む)は、割り当てられているPUSCHで上り制御情報を送信する。
【0012】
図1(c)は、CAが構成されている場合であって、上り制御情報の送信タイミングにおいて、PCellでPUCCHが設定されており、SCellでPUSCHが設定されており、なおかつ、PUSCH−PUCCH同時送信が可能である場合を示す。この場合、PCellのPUCCHで上り制御情報が送信される。
【0013】
図1(d)は、CAが構成されている場合であって、上り制御情報の送信タイミングにおいて、SCellでPUSCHが設定されており、なおかつ、PUSCH−PUCCH同時送信が可能でない場合を示す。この場合、SCellのPUSCHで上り制御情報が送信される。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下で説明する実施の形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られるわけではない。
【0025】
<システム構成>
図2に、本発明の実施の形態に係る移動通信システムの構成例を示す。
図2に示す本実施の形態に係る移動通信システムは、LTE-Advanded方式の移動通信システムであり、PCell及びSCell#0〜#2を管理する無線基地局eNBと、ユーザ装置UEとを具備している。なお、
図2に示す例では、SCellが3つ設定されている場合を示しているが、これは一例に過ぎない。また、PCell及びSCell#0〜#2のそれぞれは、上りリンク用セルと下りリンク用セルを有するものとする。
【0026】
また、PCell及びSCell#0〜#2は、複数の無線基地局eNBによって管理されるように構成されていてもよいし、単一の無線基地局eNBによって管理されていてもよい。
【0027】
本実施の形態に係る移動通信システムにおいて、ユーザ装置UEは、PUCCHをサポートしているPcell/Scellを用いてCAを行うことができるように構成されている。すなわち、本実施の形態に係る移動通信システムでは、PCell及びSCellの両方で、PUCCHがサポートされている。また、PUSCHについても、PCell及びSCellの両方でサポートされている。なお、SCellでPUCCHが"サポートされている"とは、SCellでPUCCHを送信する能力のあるユーザ装置UEにおいて、SCellでPUCCHが設定されれば、SCellでPUCCHを送信できるという意味である。また、本実施の形態において、ユーザ装置UEにSCellでPUCCHを設定する方法は、LTE方式でPCellにおいてPUCCHを設定する方法と基本的に同様であることを想定している。ただし、SCellとPCellとでPUCCHの設定方法が異なっていてもよい。
【0028】
<装置構成>
図3に、本実施の形態に係るユーザ装置UEの機能構成例を示す。
図3に示すように、ユーザ装置UEは、DL信号受信部11、UL信号送信部12、無線設定管理部13、UL制御部14を備える。なお、
図3は、ユーザ装置UEにおいて本発明に特に関連する機能部のみを示すものであり、少なくともLTE-Advanded方式に準拠した動作を行うための図示しない機能も有するものとする。
【0029】
DL信号受信部11は、無線基地局eNBから各種の下り信号を受信し、受信した物理レイヤの信号からより上位のレイヤの情報を取得する機能を備え、UL信号送信部22は、ユーザ装置UEから送信されるべき上位のレイヤの情報から、物理レイヤの各種信号を生成し、無線基地局eNBに対して送信するように構成されている。
【0030】
無線設定管理部13は、例えば、無線基地局eNBからPDCCH(Physical Downlink Control Channel、物理下りリンク制御チャネル)を介して受信する下り制御情報に基づいて、上り/下りの無線リソースの割り当て等の実施、及び管理を行う機能部である。また、無線設定管理部13は、各種の無線設定情報を格納する記憶手段でもある。
【0031】
本実施の形態では、各タイミング(例:サブフレーム単位)において、CAを構成する各上りリンク用セルにおいて、PUCCHのリソースが割り当てられているかどうか(PUCCHがあるかどうか)、PUSCHのリソースが割り当てられているかどうか(PUSCHがあるかどうか、言い換えると、PUSCHが設定されているかどうか)の情報や、PUSCH−PUCCH同時送信が可能かどうかの情報が、無線設定管理部13に保持されており、無線設定管理部13を参照することで、各セル毎、各タイミング毎に、PUCCHの使用可否、PUSCHの使用可否、PUSCH−PUCCH同時送信可否が分かるものとする。
【0032】
UL制御部14は、上り制御情報送信の制御を行うとともに、本実施の形態に係るピギーバックによるPUSCHを介した上り制御情報送信の制御を行う機能部である。つまり、UL制御部14は、上り制御情報をPUSCHで送る場合に、どのセルのPUSCHで送信するかを決定する。UL制御部14による制御の内容の詳細については後述する。
【0033】
図4に、本実施の形態に係る無線基地局eNBの機能構成図を示す。
図4に示すように、無線基地局eNBは、UL信号受信部21、DL信号送信部22、無線設定管理部23を備える。なお、
図4は、無線基地局eNBにおいて本発明に特に関連する機能部のみを示すものであり、少なくともLTE-Advanded方式に準拠した動作を行うための図示しない機能も有するものである。
【0034】
UL信号受信部21は、ユーザ装置UEから各種の上り信号を受信し、受信した物理レイヤの信号からより上位のレイヤの情報を取得する機能を備え、DL信号送信部22は、無線基地局eNBから送信されるべき上位のレイヤの情報から、物理レイヤの各種信号を生成し、ユーザ装置UEに対して送信するように構成されている。
【0035】
無線設定管理部23は、ユーザ装置UE毎に、PDCCHを介して下り制御情報に基づき割り当てた無線リソース等の管理等を行う機能部である。また、無線設定管理部23は、各種の無線設定情報を格納する記憶手段でもある。本実施の形態では、各タイミング(例:サブフレーム単位)で、各UEにおいて、CAを構成する各上りリンク用セルにおいて、PUCCHにどのリソースが割り当てられているか、PUSCHにどのリソースが割り当てられているかの情報や、PUSCH−PUCCH同時送信が可能かどうかの情報が、無線設定管理部23に保持されており、無線設定管理部23を参照することで、各UEの各セル毎に、PUCCHのリソース、PUSCHのリソース、PUSCH−PUCCH同時送信可否が分かるものとする。
【0036】
また、無線設定管理部23には、各UEにおけるピギーバック時の制御内容(PUSCHの決定方法)を示す情報が格納されている。つまり、無線設定管理部23は、UE毎に、ピギーバックでどのCCのPUSCHにおけるどのリソースを使用して上り制御情報を送信するかの情報を保持しており、無線基地局eNBは、UEからピギーバックに係る上り制御情報を受信したときに、どのUEのどのCCの上り制御情報かを把握し、上り制御情報を取得できるものとする。また、上り制御情報が、下り信号のフィードバック情報である場合、例えば、上り制御情報を受信するリソースに基づいて、どの下り信号のフィードバック情報であるかも把握できるものとする。
【0037】
<動作例>
次に、
図5のフローチャートを参照して、ユーザ装置UEの動作例について説明する。まず、ステップ1において、UL制御部14が、上り制御情報(UCI)送信がトリガされたことを検知する。すなわち、上り制御情報の送信タイミングになったことを検知する。なお、ここでは、上り制御情報がどのセルで発生したものかは問わない。つまり、本例では、どのセルであっても、同じロジックで制御が行われるものとする。なお、上り制御情報が発生したセルにより、制御方法を変える例については後述する。
【0038】
ステップ1の後、UL制御部14は、無線設定管理部13を参照することにより、いずれかの上りリンク用セルにおいてPUSCH送信がトリガされているかどうかを判定する(ステップ2)。すなわち、UL制御部14は、上り制御情報の送信タイミングにおいて、いずれかのセルにおいて、PUSCHのリソースが割り当てられ、データをPUSCHを介して送信できる状態かどうかを無線設定管理部13を参照することにより判定する。
【0039】
ステップ2での判定の結果、いずれの上りリンク用セルにおいてもPUSCH送信がトリガされていないと判定された場合(ステップ2のNo)、UL制御部14は、PUCCHで上り制御情報を送るようにUL信号送信部12に指示し、UL信号送信部12は、PUCCHで上り制御情報を送信する(ステップ3)。ここで使用するPUCCHは、例えば、上り制御情報が下り信号に対するフィードバック情報(ACK/NACK、CQI等)である場合、下り信号を受けた下りリンク用セルと同一セルの上りリンク用セルにおけるPUCCHとしてよい。ただし、該当セルにPUCCHが設定されていない場合、例えば、予め定めたセル(例:PCell)のPUCCHを使用する。また、下り信号を受信する下りリンク用セルと、当該下り信号に対するフィードバック情報を送信する上りリンク用セルとを予め対応付け、対応付け情報を無線設定管理部13に保持し、当該対応付け情報に従って、どのセルのPUCCHで上り制御情報を送信するかを決定してもよい。
【0040】
また、上り制御情報が下り信号に対するフィードバック情報でない場合(例:SR)には、例えば、予め定めたセル(例:PCell)のPUCCHを使用することとしてよい。
【0041】
図5のステップ2における判定で、UL制御部14により、いずれかのセルにおいてPUSCH送信がトリガされていると判定された場合、UL制御部14は、無線設定管理部13を参照し、PUCCH−PUSCHの同時送信が可能かどうかを判定する(ステップ4)。PUCCH−PUSCHの同時送信が可能であると判定された場合(ステップ4のYes)、UL制御部14は、前述した場合と同様に、PUCCHで上り制御情報を送信するようUL信号送信部12に指示し、UL信号送信部12は、PUCCHで上り制御情報を送信する(ステップ3)。
【0042】
ここで、PUSCHと同時に送信可能なPUCCHが複数ある場合、例えば、このような場合のために予め定めたセル(例:PCell)のPUCCHを使用する。また、下り信号を受信する下りリンク用セルと、当該下り信号に対するフィードバック情報を送信する上りリンク用セルとを予め対応付け、対応付け情報を保持し、当該対応付け情報に従って、どのセルのPUCCHで上り制御情報を送信するかを決定してもよい。
【0043】
ステップ4において、UL制御部14により、PUCCHとPUSCHの同時送信ができないと判定された場合(ステップ4のNo)、UL制御部14は、以下のようにして、UL信号送信部12からPUSCHにより上り制御情報の送信を行わせるように制御を実施する(ステップ5)。
【0044】
(UL制御部14によるPUSCH送信制御例1)
ステップ5におけるPUSCH送信制御例1を
図6のフローチャートを参照して説明する。
【0045】
UL制御部14は、無線設定管理部13を参照することで、PCellでPUSCHがあるかどうか(PUSCHのリソースが割り当てられているかどうか)を判定し(ステップ51)、PCellでPUSCHが設定されている場合には(ステップ51のYes)、PCellのPUSCHで上り制御情報を送信すると決定する(ステップ52)。言い換えると、
図5のステップ2において判定された、データ送信がトリガされているPUSCHの中に、PCellのPUSCHがあるかどうかを判定し、ある場合に、PCellのPUSCHで上り制御情報を送信すると決定する。
【0046】
この場合の送信イメージを
図7に示す、
図7に示すように、複数のセルでPUSCHが設定されており、その中に、PCellがあるので、PCellのPUSCHで上り制御情報(UCI)を送信する。
【0047】
図6のステップ51における判定で、PCellにPUSCHがないと判定された場合(ステップ51のNo)、PUCCHが設定されているSCellのPUSCHで上り制御情報を送信するように制御を行う。ここでの「PUCCHが設定されている」の意味は、PUSCHとの同時送信が可能という意味ではなく、PUCCHのリソースが割り当てられており、PUSCHとは別のタイミングで送信可能であるという意味である。
【0048】
より具体的には、ステップ53において、UL制御部14は、PUSCHがあるSCellの中で、PUCCHが設定されているSCellがあるかどうかを無線設定管理部13を参照することにより判定する。
【0049】
ここでもし、PUCCHが設定されているSCellが1つだけであれば、当該ScellのPUSCHで上り制御情報を送信すると決定する(ステップ54)。この場合の送信イメージを
図8に示す、
図8に示すように、複数のSCellでPUSCH送信がトリガされており、そのうち、PUCCHが設定されているSCell#0のPUSCHを用いて上り制御情報が送信される。
【0050】
ステップ53において、PUCCHが設定されているSCellが複数であると判定された場合、もしくは、PUCCHが設定されているSCellが存在しないと判定された場合、ステップ55に進む。
【0051】
ステップ55では、PUCCHが設定されている複数のSCell間、もしくは、PUCCHが設定されていない1つ又は複数のSCell間において、SCellのInexが最小、もしくは、最大のScellのPUSCHを用いて上り制御情報を送信すると決定する。この場合の送信イメージを
図9に示す。
図9に示すように、Pcell以外の複数のScellでPUSCHが設定されており、PUCCHは設定されておらず、その中で、
図9の例では、Indexが最も小さいSCell#0のPUSCHで上り制御情報を送信する。
【0052】
上述したScellのIndexは、無線基地局eNBからのシグナリングによりSCellが設定されるときに通知されるものであり、無線設定管理部13に保持されている情報である。つまり、無線設定管理部13には、コンポーネントキャリアを識別する情報とIndexが対応付けて格納されている。
【0053】
なお、上記の例では、ステップ53でPUCCHの有無を確認した制御を行うこととしているが、PUCCHの有無に関わらずに、SCellのIndex値の大きさ(最大、最小)に基づいて上り制御情報をPUSCHで送るSCellを決定してもよい。
【0054】
また、上記の例では、PCellでのPUSCHで上り制御情報を送信することを最優先としているが、これは一例にすぎず、例えば、PUCCHが設定されているSCellのPUSCHで上り制御情報を送信することを最優先とし、PUSCH送信可能でPUCCHが設定されているSCellがない場合に、PCellでのPUSCH、Index最小/最大のSCellのPUSCHの順で、使用するPUSCHを決定してもよい。
【0055】
(UL制御部14によるPUSCH送信制御例2)
PUSCH送信制御例1は、制御のロジック(どのセルのPUSCHでUCIを送信すべきかを決定するロジック)を予め固定的に無線基地局eNBとユーザ装置UEにおいて設定しておくことを想定している。しかし、本発明は、制御のロジックを予め固定的に設定しておくことに限られず、無線基地局eNBがユーザ装置UEに対して、シグナリングにより、制御の内容を示す情報を通知し、ユーザ装置UEは通知された情報に従って、ピギーバックにおけるPUSCH送信制御を行うこととしてもよい。PUSCH送信制御例2はそのような場合の例である。
【0056】
この場合、無線基地局eNBがユーザ装置UEに対して通知する制御の内容を示す情報は、ユーザ装置UE毎に異なってもよく、無線基地局eNBは、各ユーザ装置UEについて、通知した制御の内容に応じて、各ユーザ装置UEからの上り制御情報の受信処理を行う。
【0057】
また、無線基地局eNBがユーザ装置UEに対して通知する制御の内容を示す情報は、上述したPUSCH送信制御例1で説明した各例と同じであってもよいし、PUSCH送信制御例1と異なる制御方法でもよい。
【0058】
異なる制御としては、例えば、上り制御情報が発生したセルにおけるPUSCHを最優先で使用し、上り制御情報が発生したセルにおけるPUSCHがない場合に、PUSCH制御例1と同様の制御を行う方法がある。つまり、例えば、SCell#0の下り信号に対するフィードバック情報を送信すべきタイミングにおいて、SCell#0にPUSCHがあれば当該PUSCHで送信し、SCell#0にPUSCHがなければ、
図6の手順に従って、PUSCHを決定する。なお、この例では、PCellで上り制御情報が発生した場合には、
図6のとおりの制御となる。
【0059】
上記の異なる制御内容は、シグナリングで通知される制御内容であってもよいし、PUSCH送信制御例1において固定的に設定される制御内容(PUSCH送信制御例1の別の例となる)であってもよい。
【0060】
無線基地局eNBがユーザ装置UEに対してする通知は、例えば、ユーザ装置UEが無線基地局eNBに接続するときに無線基地局eNBからユーザ装置UEに送られるRRCメッセージを用いて行うこととしてよい。この場合、通知による設定は、接続毎にsemi−staticに行われることになる。
【0061】
上記の他、無線基地局eNBがユーザ装置UEに対して送信するPDCCHに、制御の内容を含めて送信してもよい。例えば、無線基地局eNBがユーザ装置UEに対して、物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)のリソースを割り当てるためにPDCCHで下り制御情報を送信する場合に、当該PDCCHで割り当てるPDSCHで送信される下りデータのフィードバック情報をピギーバックで送る際のセルを指定する情報を当該下り制御情報に含めて送信してよい。ピギーバックで送る際のセルを指定する情報としては、例えば、優先順位の高いほうから、PCell、PUCCHの設定されたSCell、Indexの最大/最小のScell、といったように、セルの情報を羅列した情報を送ることが考えられる。なお、この羅列の例では、下りデータのフィードバック情報をピギーバックで送る際に、上述したPUSCH送信制御例1と同様の制御がなされることになる。また、下りデータのフィードバック情報以外の上り制御情報についても、上記のようにして指定された内容に従って送信制御を行ってもよいし、下りデータのフィードバック情報以外の上り制御情報については、別の下り制御情報(例:システム情報)を用いて指定してもよい。
【0062】
本例での無線基地局eNBの機能構成例を
図10に示す。
図4に示した構成との相違は、UE制御情報通知部24がある点である。UE制御情報通知部24がユーザ装置UEに対して上述した制御の内容を示す情報をDL信号送信部22に渡し、DL信号送信部22が制御の内容を示す情報をユーザ装置UEに送信する。送信した制御の内容を示す情報に対応する無線設定管理部23側の情報はユーザ装置UE毎に無線設定管理部23に格納されており、無線基地局eNBはこの情報を参照することで、各ユーザ装置UEから送信された上り制御情報を取得できる。
【0063】
ユーザ装置UEについては、
図3に示した構成のとおりである。本例では、無線基地局eNBから通知された情報は無線設定管理部13に格納され、UL制御部14が当該情報を参照することで、当該情報に従って制御を行う。
【0064】
(UL制御部14によるPUSCH送信制御例3)
PUSCH送信制御例1、PUSCH送信制御例2においては、
図5のステップ1において送信タイミングとなった上り制御情報の種別にかかわらず、同様の制御がなされると想定している。しかし、本発明はこれに限られず、PUSCH送信制御例1、PUSCH送信制御例2のそれぞれにおいて、送信タイミングとなった上り制御情報の種別に応じて、制御内容を異なるものとしてもよい。
【0065】
例えば、上り制御情報が、ACK/NACK、CQIなどの下り信号に対するフィードバック情報である場合には、PUSCH送信制御例1の各例と同様の制御を行い、上り制御情報が、SR等の下り信号に対するフィードバック情報でない場合には、当該上り制御情報が発生したセルにおけるPUSCHを最優先に使用することとし、当該PUSCHがない場合に、PUSCH送信制御例1と同様の制御を行う。あるいは、逆に、上り制御情報が、ACK/NACK、CQIなどの下り信号に対するフィードバック情報である場合には、当該上り制御情報が発生したセルにおけるPUSCHを最優先に使用することとし、当該PUSCHがない場合に、PUSCH送信制御例1と同様の制御を行い、上り制御情報が、下り信号に対するフィードバック情報でない場合には、PUSCH送信制御例1と同様の制御を行うこととしてもよい。
【0066】
なお、上り制御情報の種別はUL制御部14により判定可能である。また、上記の制御は一例に過ぎない。例えば、ACK/NACK、CQI、SRのそれぞれで特有の制御内容(どのセルのPUSCHで送信するかの制御)を持つこととしてもよい。
【0067】
どの種別の上り制御情報に対して、どのような制御を行うかは、PUSCH送信制御例1のように固定的に設定しておいてもよいし、PUSCH送信制御例2にように、無線基地局eNBからのシグナリングで設定してもよい。いずれの場合も、上り制御情報の種別識別情報と、当該種別に対応した制御方法を示す情報(例:優先度の高い順に、PCell、PUCCHの設定されたSCell、Indexが最大/最小のSCell、等)が無線設定管理部13に記憶され、UL制御部14は、当該情報を参照することで、各種別に対応した制御方法で、PUSCHを決定する処理を行うことができる。
【0068】
(UL制御部14によるPUSCH送信制御例4)
PUSCH送信制御例1、PUSCH送信制御例2、PUSCH送信制御例3においては、
図5のステップ1において送信タイミングとなった上り制御情報が、どのセルでの上り制御情報かにかかわらず同様の制御がなされると想定している。しかし、本発明はこれに限られず、送信タイミングとなった上り制御情報が発生したセル(CC)に応じて、制御内容を異ならせることとしてもよい。つまり、PUSCH送信制御例1、PUSCH送信制御例2、PUSCH送信制御例3のそれぞれにおいて、セル毎に、当該セルで上り制御情報が発生した場合におけるピギーバック時において、どのセルのPUSCHで上り制御情報を送信するかを決定してよい。
【0069】
どのセルで上り制御信号が発生した場合に、どのような制御を行うかは、PUSCH送信制御例1のように固定的に設定しておいてもよいし、PUSCH送信制御例2にように、無線基地局eNBからのシグナリングで設定してもよい。いずれの場合も、セルの識別情報と、当該セルに対応した制御方法を示す情報(例:優先度の高い順に、PCell、PUCCHの設定されたSCell、Indexが最大/最小のSCell、等)が無線設定管理部13に記憶され、UL制御部14は、当該情報を参照することで、各セルに対応した制御方法で、PUSCHを決定する処理を行うことができる。
【0070】
セル毎に制御を異ならせる例としては、例えば、上り制御情報が発生したセルにおけるPUSCHを最優先で使用し、上り制御情報が発生したセルにおけるPUSCHがない場合に、PUSCH制御例1と同様の制御を行う方法がある。また、セル毎に、どのセルのPUSCHで上り制御情報を送信するかを優先順位とともに予め決めておき、決めた情報を対応情報としてユーザ装置UEの無線設定管理部13と無線基地局eNBの無線設定管理部23に保持しておき、保持した情報に従って制御を行うこととしてもよい。この保持の仕方は、固定的に設定してもよいし、PUSCH送信制御例2のようにシグナリングで通知してもよい。
【0071】
<変形例>
LTE−Advanced方式では、下りリンク用セルに対して上り制御情報を送信すべき上りリンク用セルが予め設定されている(グルーピングされている)場合がある。例えば、Inter−site CAが構成されている場合である。つまり、移動通信システムにおいてCAによりアグリゲートされる複数のセルが、複数のグループにグループ分けされている場合がある。
【0072】
このようにグルーピングされている場合、各グループ内で、前述した実施の形態で説明した制御を行う。この場合の送信イメージを
図11に示す。
図11は、複数のセルが、PCellとSCell#0からなるグループ#1と、SCell#1とSCell#2からなるグループ#2に分けられている場合を示している。この場合、PCellもしくはSCell#0で発生する上り制御情報はグループ#1の上りリンク用セルで送信し、SCell#1とSCell#2で発生する上り制御情報はグループ#2の上りリンク用セルで送信する。このようなグループ分けの情報は、ユーザ装置UEでは、無線設定管理部13に格納され、無線基地局eNBでは無線設定管理部23に格納されており、ユーザ装置UEと無線基地局eNBはそれぞれこれらのグループ分けに従ったCA制御を行うことができる。
【0073】
さて、
図11に示す例では、各グループにおいて、前述したPUSCH制御例1と同様の制御が独立に行われるものとしている。
図11(a)のグループ#1では、上り制御情報を最優先のPCellのPUSCHで送信することを示し、
図11(b)のグループ#2では、上り制御情報をIndexの小さいScell#1のPUSCHで送信することとしている。もちろん、各グループで、PUSCH制御例2、PUSCH制御例3、PUSCH制御例4のいずれかの制御を行ってもよいし、各グループ間で制御方法が異なってもよい。
【0074】
上記のグループは、例えば、マルチプルタイミングアドバンス(MTA)におけるタイミングアドバンスグループ(TAG)に関連付けられていても良い。以下、MTA及びTAGの概要を説明する。
【0075】
上りリンク用セルにおいてPCell及びSCellの周波数やカバレッジが異なる場合、DL受信タイミングやUL送信タイミングがセル毎に異なるため、別々に上り同期(UL同期)をとる必要がある。LTE−Advanced方式において、無線基地局eNB及びユーザ装置UE間の上り同期を確立する事を目的に、無線基地局eNBがユーザ装置UEに対し、ユーザ装置の上り信号の送信タイミングを調整するためのタイミングアドバンス(TA)値を送信することが規定されている。
【0076】
無線基地局eNBはTA値を個々のユーザ装置UEに通知することで、個々のユーザ装置UEからの上り信号を同時に受信できるようになる。電波の伝搬遅延特性や減衰特性等はセル毎に異なるのが一般的であるので、複数のCCを用いてUL送信を行うUL CAを構成する場合には理想的にはセル毎に、すなわちコンポーネントキャリア(CC)毎にTA値を測定してユーザ装置UEに通知することが考えられる。しかしながら、そのようなことはシグナリングの削減やユーザ装置UE及び無線基地局eNBにおける処理負担の軽減等の観点からは好ましくない。そこで、ユーザ装置UEにとって無線特性が同等であるコンポーネントキャリア(CC)の群をタイミングアドバンスグループ(TAG)として定義し、TA値による送信タイミングの制御はTAG毎に行うことが検討されている。これはマルチプルタイミングアドバンス(Multiple Timing Advances:MTA)と言及される。なお、TAGは1つ以上のCCを含む。TA値だけでなく、タイムアライメントタイマ(同期タイマ、TA timer)や下りリンクの基準タイミングもTAG内のCCで共通に使用される。TATは、それが満了するとユーザ装置UEがUL非同期と見なしてリソースを解放することになるタイマである。この場合におけるリソースはPUCCHを送信するための時間及び周波数や、サウンディングリファレンス信号(SRS)を送信するための時間及び周波数を含む。
【0077】
図12は2つのTAGが形成されている様子を模式的に示す図である。図示の例の場合、PCellと3つのSCellが設定されている。更に、本例ではバンド毎にTAGが形成されている。図示の例の場合、バンドAに属するPCell及びSCell#1がTAG#Aに含まれ、バンドBに属するSCell#2及びSCell#3がTAG#Bに含まれる。
【0078】
本変形例では、このようにしてグループ分けされたTAGのグループ毎に、上り制御情報のピギーバック制御の方法が決められ、グループ毎のそれぞれの方法でピギーバック制御を行う。
【0079】
本例における無線基地局eNBの構成例を
図13に示す。
図13に示すように、グループ決定部25が備えられている点が
図10と異なる。本例では、グループ決定部25がセルの測定等を行うことで、グループであるTAGを決定する。無線基地局eNBにおいて、各ユーザ装置UE毎に、グループ決定部25により決定されたグループの情報(どのセルがどのグループに属するかを示す情報)が無線設定管理部23に保持されるとともに、該当のグループ情報が各ユーザ装置UEに通知され、ユーザ装置UEではグループの情報を無線設定管理部13が保持する。また、例えば、PUSCH制御例2によりシグナリングで制御内容の設定がされる場合に、グループ毎に無線基地局eNBからユーザ装置UEにPUSCH制御例2によるシグナリングがなされ、無線基地局eNBとユーザ装置UEは、グループ毎にシグナリングで通知した/通知された情報に従って制御を行う。
【0080】
また、グループがTAGか、それ以外のグループであるかにかかわらず、グループが予め定めたられている場合には、PUSCH制御例2によるシグナリングで制御内容の設定を行うことの他、PUSCH制御例1のように、固定的に設定しておいてもよい。いずれの場合でも、グループの識別情報と、グループに対応した制御方法を示す情報(例:優先度の高い順に、PCell、PUCCHの設定されたSCell、Indexが最大/最小のSCell、等)が、グループ毎に無線設定管理部13に保持され、UL制御部14は、当該情報を参照することで、グループ毎の制御を行うことが可能となる。
【0081】
<SCellの状態についての条件について>
上記の各例及び変形例を含む本発明の実施の形態において、SCellのPUSCHに上り制御情報をピギーバックする際、当該SCellは以下の条件を満たしていることが必要である。
【0082】
第1の条件は、当該SCellがアクティブ(Active)であることである。SCellがアクティブであるかどうかの情報はユーザ装置UEでは無線設定管理部13が保持し、UL制御部14は、無線設定管理部13を参照することにより、各SCellがアクティブかどうかを把握できる。
【0083】
第2の条件は、当該SCell(或いは当該SCellが属しているグループ)に対してUL同期が取れていることである。ユーザ装置UEは、SCellのUL同期が取れているか否かを、当該SCellの同期タイマ(TA timer)が起動しているか否かによって判定する。つまり、TA timerが満了せずに起動していれば、同期が取れていると判定する。同期タイマ(TA timer)は、例えば、無線設定管理部13が有し、UL制御部14は、無線設定管理部13を参照することにより、同期が取れているかどうかを判定できる。
【0084】
本実施の形態では、UL制御部14は、上記条件を満たすSCell及びPCellの中から、これまでに説明した方法で上り制御情報をPUSCHで送信するセルを決定する。
【0085】
<実施の形態のまとめ>
本実施の形態によれば、複数のセルを用いてキャリアアグリゲーションが行われる移動通信システムにおけるユーザ装置UEであって、前記ユーザ装置UEにおける上り制御情報の送信タイミングにおいて、当該ユーザ装置に物理上りリンク共有チャネルが設定されているか否かを判定し、物理上りリンク共有チャネルが設定されている場合に、当該物理上りリンク共有チャネルを用いて前記上り制御情報を送信すると決定するUL制御部14と、前記制御部により決定された物理上りリンク共有チャネルを用いて前記上り制御情報を前記移動通信システムにおける無線基地局に送信するUL信号送信部12とを備えるユーザ装置UEが提供される。
【0086】
前記UL信号送信部12は、前記複数のセルのうちの第1のセルにおいて物理上りリンク共有チャネルが設定されている場合に、当該物理上りリンク共有チャネルを用いて前記上り制御情報を送信すると決定し、前記第1のセルにおいて物理上りリンク共有チャネルが設定されていない場合に、第2のセルにおける物理上りリンク共有チャネルを用いて前記上り制御情報を送信すると決定する。
【0087】
前記第1のセルは、例えば、キャリアアグリゲーションにおけるプライマリセルであり、前記第2のセルは、物理上りリンク制御チャネルが設定されたセカンダリセルである。また、他の例においては、前記第1のセルは、物理上りリンク制御チャネルが設定されたキャリアアグリゲーションにおけるセカンダリセルであり、前記第2のセルは、セカンダリセル又はプライマリセルである。
【0088】
また、物理上りリンク共有チャネルが複数のセカンダリセルで設定されている場合において、前記UL制御部14は、複数のセカンダリセルの物理上りリンク共有チャネルのうち、インデックスが最大もしくは最小のセカンダリセルの物理上りリンク共有チャネルを用いて前記上り制御情報を送信すると決定するように構成される。なお、物理上りリンク共有チャネルを用いて前記上り制御情報を送信するセルがキャリアアグリゲーションにおけるセカンダリセルの場合、当該セカンダリセルは、アクティブであり、上り同期が取れていることが条件である。
【0089】
また、一実施形態において、前記ユーザ装置UEは、前記無線基地局eNBから、上り制御情報を送信するために用いる物理上りリンク共有チャネルを決定するための制御内容を示す情報を受信し、無線設定管理部13に保持し、前記UL制御部14は、前記無線基地局eNBから受信した前記情報に従って、上り制御情報を送信するために用いる物理上りリンク共有チャネルを決定する。
【0090】
また、一実施形態において、前記UL制御部14は、前記上り制御情報の種別を判定し、判定された種別に対応した方法で、当該上り制御情報を送信するために用いる物理上りリンク共有チャネルを決定する。また、一実施形態において、前記UL制御部14は、前記上り制御情報が生じたセルを判定し、判定されたセルに対応した方法で、当該上り制御情報を送信するために用いる物理上りリンク共有チャネルを決定する。
【0091】
更に、一実施形態において、前記移動通信システムにおいてアグリゲートされる前記複数のセルが、複数のグループにグループ分けされている場合において、前記UL制御部14は、個々のグループ毎に定められた方法で、グループ内で生じる上り制御情報を送信するために用いる物理上りリンク共有チャネルを決定する。
【0092】
また、本発明の一実施形態によれば、複数のセルを用いてキャリアアグリゲーションが行われる移動通信システムにおけるユーザ装置UEにより行われる上り制御情報送信方法であって、前記ユーザ装置UEにおける上り制御情報の送信タイミングにおいて、当該ユーザ装置UEに物理上りリンク共有チャネルが設定されているか否かを判定し、物理上りリンク共有チャネルが設定されている場合に、当該物理上りリンク共有チャネルを用いて前記上り制御情報を送信すると決定する制御ステップと、前記制御ステップにより決定された物理上りリンク共有チャネルを用いて前記上り制御情報を前記移動通信システムにおける無線基地局に送信する送信ステップとを備える上り制御情報送信方法が提供される。
【0093】
前記上り制御情報送信方法では、前記制御ステップにおいて、前記複数のセルのうちの第1のセルにおいて物理上りリンク共有チャネルが設定されている場合に、当該物理上りリンク共有チャネルを用いて前記上り制御情報を送信すると決定し、前記第1のセルにおいて物理上りリンク共有チャネルが設定されていない場合に、第2のセルにおける物理上りリンク共有チャネルを用いて前記上り制御情報を送信すると決定する。
明細書には以下の事項が開示されている。
(第1項)
複数のセルを用いてキャリアアグリゲーションが行われる移動通信システムにおけるユーザ装置であって、
前記ユーザ装置における上り制御情報の送信タイミングにおいて、当該ユーザ装置に物理上りリンク共有チャネルが設定されているか否かを判定し、物理上りリンク共有チャネルが設定されている場合に、当該物理上りリンク共有チャネルを用いて前記上り制御情報を送信すると決定する制御部と、
前記制御部により決定された物理上りリンク共有チャネルを用いて前記上り制御情報を前記移動通信システムにおける無線基地局に送信する送信部と、を備え、
前記制御部は、前記複数のセルのうちの第1のセルにおいて物理上りリンク共有チャネルが設定されている場合に、当該物理上りリンク共有チャネルを用いて前記上り制御情報を送信すると決定し、前記第1のセルにおいて物理上りリンク共有チャネルが設定されていない場合に、第2のセルにおける物理上りリンク共有チャネルを用いて前記上り制御情報を送信すると決定する
ことを特徴とするユーザ装置。
(第2項)
前記第1のセルは、キャリアアグリゲーションにおけるプライマリセルであり、前記第2のセルは、物理上りリンク制御チャネルが設定されたセカンダリセルである
ことを特徴とする第1項に記載のユーザ装置。
(第3項)
前記第1のセルは、物理上りリンク制御チャネルが設定されたキャリアアグリゲーションにおけるセカンダリセルであり、前記第2のセルは、セカンダリセル又はプライマリセルである
ことを特徴とする第1項に記載のユーザ装置。
(第4項)
物理上りリンク共有チャネルが複数のセカンダリセルで設定されている場合において、前記制御部は、複数のセカンダリセルの物理上りリンク共有チャネルのうち、インデックスが最大もしくは最小のセカンダリセルの物理上りリンク共有チャネルを用いて前記上り制御情報を送信すると決定する
ことを特徴とする第2項又は第3項に記載のユーザ装置。
(第5項)
物理上りリンク共有チャネルを用いて前記上り制御情報を送信するセルがキャリアアグリゲーションにおけるセカンダリセルの場合、当該セカンダリセルは、アクティブであり、上り同期が取れている
ことを特徴とする第1項ないし第4項のうちいずれか1項に記載のユーザ装置。
(第6項)
前記ユーザ装置は、前記無線基地局から、上り制御情報を送信するために用いる物理上りリンク共有チャネルを決定するための制御内容を示す情報を受信し、記憶手段に保持し、前記制御部は、前記無線基地局から受信した前記情報に従って、上り制御情報を送信するために用いる物理上りリンク共有チャネルを決定する
ことを特徴とする第1項ないし第5項のうちのいずれか1項に記載のユーザ装置。
(第7項)
前記制御部は、前記上り制御情報の種別を判定し、判定された種別に対応した方法で、当該上り制御情報を送信するために用いる物理上りリンク共有チャネルを決定する
ことを特徴とする第1項ないし第6項のうちいずれか1項に記載のユーザ装置。
(第8項)
前記制御部は、前記上り制御情報が生じたセルを判定し、判定されたセルに対応した方法で、当該上り制御情報を送信するために用いる物理上りリンク共有チャネルを決定する
ことを特徴とする第1項ないし第7項のうちいずれか1項に記載のユーザ装置。
(第9項)
前記移動通信システムにおいてアグリゲートされる前記複数のセルが、複数のグループにグループ分けされている場合において、前記制御部は、個々のグループ毎に定められた方法で、グループ内で生じる上り制御情報を送信するために用いる物理上りリンク共有チャネルを決定する
ことを特徴とする第1項ないし第8項のうちのいずれか1項に記載のユーザ装置。
(第10項)
複数のセルを用いてキャリアアグリゲーションが行われる移動通信システムにおけるユーザ装置により行われる上り制御情報送信方法であって、
前記ユーザ装置における上り制御情報の送信タイミングにおいて、当該ユーザ装置に物理上りリンク共有チャネルが設定されているか否かを判定し、物理上りリンク共有チャネルが設定されている場合に、当該物理上りリンク共有チャネルを用いて前記上り制御情報を送信すると決定する制御ステップと、
前記制御ステップにより決定された物理上りリンク共有チャネルを用いて前記上り制御情報を前記移動通信システムにおける無線基地局に送信する送信ステップと、を備え、
前記制御ステップにおいて、前記複数のセルのうちの第1のセルにおいて物理上りリンク共有チャネルが設定されている場合に、当該物理上りリンク共有チャネルを用いて前記上り制御情報を送信すると決定し、前記第1のセルにおいて物理上りリンク共有チャネルが設定されていない場合に、第2のセルにおける物理上りリンク共有チャネルを用いて前記上り制御情報を送信すると決定する
ことを特徴とする上り制御情報送信方法。
【0094】
以上、ピギーバックのためのPUSCHを決定する制御に関する実施の形態を説明してきたが、開示される発明はそのような実施形態に限定されず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。上記の説明における項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。機能ブロック図における機能部又は処理部の境界は必ずしも物理的な部品の境界に対応するとは限らない。複数の機能部の動作が物理的には1つの部品で行われてもよいし、あるいは1つの機能部の動作が物理的には複数の部品により行われてもよい。説明の便宜上、ユーザ装置UE及び無線基地局eNBは機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明に従って動作するソフトウェアは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク(HDD)、リムーバブルディスク、CD−ROM、データベース、サーバその他の適切な如何なる記憶媒体に保存されてもよい。本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が本発明に包含される。