特許第6234722号(P6234722)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6234722
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】情報提供システム、及び情報提供サーバ
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20171113BHJP
   G07C 5/00 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
   G08G1/00 D
   G07C5/00 Z
【請求項の数】6
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-141987(P2013-141987)
(22)【出願日】2013年7月5日
(65)【公開番号】特開2015-14959(P2015-14959A)
(43)【公開日】2015年1月22日
【審査請求日】2015年9月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】592138787
【氏名又は名称】株式会社昭文社
(74)【代理人】
【識別番号】100114720
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100128749
【弁理士】
【氏名又は名称】海田 浩明
(72)【発明者】
【氏名】吉橋 誠
【審査官】 岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−234414(JP,A)
【文献】 特開2011−237947(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00
G07C 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される車載端末と、ユーザが使用するユーザ端末と前記車載端末とのそれぞれに通信ネットワークを介して接続される情報提供サーバとを備えた情報提供システムであって、
前記車載端末は、
前記車両の乗員により実行される他の車両の運転態様を評価する評価操作を検出する評価操作検出手段と、
前記評価操作が検出されたことに応じて、前記車両の車外の映像を撮影する撮影手段により撮影されている他の車両の外観映像と、当該外観映像に映る他の車両の運転態様の評価を示す評価情報とを含む外観映像関連情報を取得する外観映像関連情報取得手段と、
該外観映像関連情報取得手段により取得された外観映像関連情報を前記情報提供サーバに対して送信する外観映像関連情報送信手段とを含み、
前記情報提供サーバは、
前記車載端末からの外観映像関連情報を受信する外観映像関連情報受信手段と、
該外観映像関連情報受信手段により受信された外観映像関連情報に、当該外観映像関連情報における外観映像に含まれる車両識別標識を画像認識した車両識別情報を対応付けた運転評価関連情報を格納する運転評価関連情報格納手段と、
前記車両識別情報に対応する運転評価関連情報を前記ユーザ端末に提供する運転評価関連情報提供手段とを含み、
前記車載端末は、車両操作の内容を示す車両操作内容と、車両操作に対応する評価情報とを含む車両操作関連情報を記憶する車両操作関連情報記憶手段を含み、
前記評価操作検出手段は、前記車両の乗員により前記車両操作内容が示す車両操作が実行されたことを検出し、
前記外観映像関連情報取得手段は、前記車両操作関連情報を参照して、前記評価操作検出手段により検出された車両操作に対応する評価情報を含む外観映像関連情報を取得し、
前記車両操作内容は、他の車両への意思表示を示す車両操作を含む
ことを特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
前記車両識別情報は、外観映像に含まれる車両のナンバーを画像認識したナンバー情報を含み、
前記運転評価関連情報格納手段は、前記外観映像関連情報受信手段により受信された外観映像関連情報に、前記ナンバー情報を対応付けて格納し、
前記運転評価関連情報提供手段は、前記ユーザ端末から車両のナンバーを提示した運転評価関連情報提供要求を受け付け、受け付けた車両のナンバーに対応する運転評価関連情報を前記ユーザ端末に提供する
請求項1記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記車両識別情報は、外観映像に含まれる車両の種別を画像認識した車両種別情報を含み、
前記運転評価関連情報格納手段は、前記外観映像関連情報受信手段により受信された外観映像関連情報に、前記車両種別情報を対応付けて格納し、
前記運転評価関連情報提供手段は、前記ユーザ端末から車両の種別を提示した運転評価関連情報提供要求を受け付け、受け付けた車両の種別に対応する運転評価関連情報を前記ユーザ端末に提供する
請求項1または請求項2記載の情報提供システム。
【請求項4】
前記撮影手段は、前記車両の車外の映像を常時撮影し、
前記外観映像関連情報取得手段は、前記評価操作を検出したときの所定時間前からの外観映像を含む外観映像関連情報を取得する
請求項1から請求項3のうち何れかに記載の情報提供システム。
【請求項5】
車両に搭載される車載端末と、ユーザが使用するユーザ端末と前記車載端末とのそれぞれに通信ネットワークを介して接続される情報提供サーバであって、
前記車両の乗員により実行される他の車両の運転態様を評価する評価操作を検出する評価操作検出手段と、前記評価操作が検出されたことに応じて、前記車両の車外の映像を撮影する撮影手段により撮影されている他の車両の外観映像と、当該外観映像に映る他の車両の運転態様の評価を示す評価情報とを含む外観映像関連情報を取得する外観映像関連情報取得手段と、該外観映像関連情報取得手段により取得された外観映像関連情報を前記情報提供サーバに対して送信する外観映像関連情報送信手段とを含む前記車載端末から、外観映像関連情報を受信する外観映像関連情報受信手段と、
該外観映像関連情報受信手段により受信された外観映像関連情報に、当該外観映像関連情報における外観映像に含まれる車両識別標識を画像認識した車両識別情報を対応付けた運転評価関連情報を格納する運転評価関連情報格納手段と、
前記車両識別情報に対応する運転評価関連情報を前記ユーザ端末に提供する運転評価関連情報提供手段とを含み、
前記車載端末は、
車両操作の内容を示す車両操作内容と、車両操作に対応する評価情報とを含む車両操作関連情報を記憶する車両操作関連情報記憶手段を含み、
前記評価操作検出手段は、前記車両の乗員により前記車両操作内容が示す車両操作が実行されたことを評価操作として検出し、
前記外観映像関連情報取得手段は、前記車両操作関連情報を参照して、前記評価操作検出手段により検出された車両操作に対応する評価情報を含む外観映像関連情報を取得し、
前記車両操作内容は、他の車両への意思表示を示す車両操作を含む
ことを特徴とする情報提供サーバ。
【請求項6】
車両に搭載される車載端末と、ユーザが使用するユーザ端末と前記車載端末とのそれぞれに通信ネットワークを介して接続される情報提供サーバとを備えた情報提供システムであって、
前記車載端末は、
前記車両の乗員により実行される他の車両の運転態様を評価する評価操作を検出する評価操作検出手段と、
前記評価操作が検出されたことに応じて、前記車両の車外の映像を撮影する撮影手段により撮影されている他の車両の外観映像と、当該外観映像に映る他の車両の運転態様の評価を示す評価情報とを含む外観映像関連情報を取得する外観映像関連情報取得手段と、
該外観映像関連情報取得手段により取得された外観映像関連情報に、当該外観映像関連情報における外観映像に含まれる車両識別標識を画像認識した車両識別情報を対応付けた運転評価関連情報を前記情報提供サーバに送信する運転評価関連情報送信手段とを含み、
前記情報提供サーバは、
前記車載端末からの運転評価関連情報を受信する運転評価関連情報受信手段と、
前記車両識別情報に対応する運転評価関連情報を前記ユーザ端末に提供する運転評価関連情報提供手段とを含み、
前記車載端末は、車両操作の内容を示す車両操作内容と、車両操作に対応する評価情報とを含む車両操作関連情報を記憶する車両操作関連情報記憶手段を含み、
前記評価操作検出手段は、前記車両の乗員により前記車両操作内容が示す車両操作が実行されたことを検出し、
前記外観映像関連情報取得手段は、前記車両操作関連情報を参照して、前記評価操作検出手段により検出された車両操作に対応する評価情報を含む外観映像関連情報を取得し、
前記車両操作内容は、他の車両への意思表示を示す車両操作を含む
ことを特徴とする情報提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載される車載端末と、ユーザが使用するユーザ端末と車載端末とのそれぞれに通信ネットワークを介して接続される情報提供サーバとを備えた情報提供システム、およびその情報提供サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両走行時に撮影された動画を収集する装置(例えばドライブレコーダ)に関する技術が知られている。
【0003】
このような技術には、例えば、ユーザの車両に取り付けられて該車両に事故が起きた際に事故の状況を撮影して記録するドライブレコーダと、各車両のドライブレコーダから事故画像データをネットワークを介して収集して管理するサーバとを備えることにより、それら各事故画像データをユーザの交通安全に関する教育に用いるものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−11148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1のように、サーバで収集された動画情報は、事故原因の分析などの限られた範囲に用いられているだけであり、その用途が限定的であった。そのため、動画情報の有用性は十分に発揮されていないという課題があった。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決すべく、車両の車外の映像を効率的に収集し、収集した動画情報の有用性を活かした利用方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の情報提供システムは、車両に搭載される車載端末と、ユーザが使用するユーザ端末と前記車載端末とのそれぞれに通信ネットワークを介して接続される情報提供サーバとを備えた情報提供システムであって、前記車載端末は、前記車両の乗員により実行される他の車両の運転態様を評価する評価操作を検出する評価操作検出手段と、前記評価操作が検出されたことに応じて、前記車両の車外の映像を撮影する撮影手段により撮影されている他の車両の外観映像と、当該外観映像に映る他の車両の運転態様の評価を示す評価情報とを含む外観映像関連情報を取得する外観映像関連情報取得手段と、該外観映像関連情報取得手段により取得された外観映像関連情報を前記情報提供サーバに対して送信する外観映像関連情報送信手段とを含み、前記情報提供サーバは、前記車載端末からの外観映像関連情報を受信する外観映像関連情報受信手段と、該外観映像関連情報受信手段により受信された外観映像関連情報に、当該外観映像関連情報における外観映像に含まれる車両識別標識を画像認識した車両識別情報を対応付けた運転評価関連情報を格納する運転評価関連情報格納手段と、前記車両識別情報に対応する運転評価関連情報を前記ユーザ端末に提供する運転評価関連情報提供手段とを含み、前記車載端末は、車両操作の内容を示す車両操作内容と、車両操作に対応する評価情報とを含む車両操作関連情報を記憶する車両操作関連情報記憶手段を含み、前記評価操作検出手段は、前記車両の乗員により前記車両操作内容が示す車両操作が実行されたことを検出し、前記外観映像関連情報取得手段は、前記車両操作関連情報を参照して、前記評価操作検出手段により検出された車両操作に対応する評価情報を含む外観映像関連情報を取得し、前記車両操作内容は、他の車両への意思表示を示す車両操作を含むことを特徴とする。
【0008】
上記の構成としたことで、車両の車外の映像を効率的に収集し、収集した動画情報の有用性を活かした利用方法を提供することができるようになる。
【0009】
前記車両識別情報は、外観映像に含まれる車両のナンバーを画像認識したナンバー情報を含み、前記運転評価関連情報格納手段は、前記外観映像関連情報受信手段により受信された外観映像関連情報に、前記ナンバー情報を対応付けて格納し、前記運転評価関連情報提供手段は、前記ユーザ端末から車両のナンバーを提示した運転評価関連情報提供要求を受け付け、受け付けた車両のナンバーに対応する運転評価関連情報を前記ユーザ端末に提供する構成とされていてもよい。
【0010】
前記車両識別情報は、外観映像に含まれる車両の種別を画像認識した車両種別情報を含み、前記運転評価関連情報格納手段は、前記外観映像関連情報受信手段により受信された外観映像関連情報に、前記車両種別情報を対応付けて格納し、前記運転評価関連情報提供手段は、前記ユーザ端末から車両の種別を提示した運転評価関連情報提供要求を受け付け、受け付けた車両の種別に対応する運転評価関連情報を前記ユーザ端末に提供する構成とされていてもよい。
【0011】
前記撮影手段は、前記車両の車外の映像を常時撮影し、前記外観映像関連情報取得手段は、前記評価操作を検出したときの所定時間前からの外観映像を含む外観映像関連情報を取得する構成とされていてもよい。
【0012】
本発明の情報提供システムは、車両に搭載される車載端末と、ユーザが使用するユーザ端末と前記車載端末とのそれぞれに通信ネットワークを介して接続される情報提供サーバとを備えた情報提供システムであって、前記車載端末は、前記車両の乗員により実行される他の車両の運転態様を評価する評価操作を検出する評価操作検出手段と、前記評価操作が検出されたことに応じて、前記車両の車外の映像を撮影する撮影手段により撮影されている他の車両の外観映像と、当該外観映像に映る他の車両の運転態様の評価を示す評価情報とを含む外観映像関連情報を取得する外観映像関連情報取得手段と、該外観映像関連情報取得手段により取得された外観映像関連情報に、当該外観映像関連情報における外観映像に含まれる車両識別標識を画像認識した車両識別情報を対応付けた運転評価関連情報を前記情報提供サーバに送信する運転評価関連情報送信手段とを含み、前記情報提供サーバは、前記車載端末からの運転評価関連情報を受信する運転評価関連情報受信手段と、前記車両識別情報に対応する運転評価関連情報を前記ユーザ端末に提供する運転評価関連情報提供手段とを含み、前記車載端末は、車両操作の内容を示す車両操作内容と、車両操作に対応する評価情報とを含む車両操作関連情報を記憶する車両操作関連情報記憶手段を含み、前記評価操作検出手段は、前記車両の乗員により前記車両操作内容が示す車両操作が実行されたことを検出し、前記外観映像関連情報取得手段は、前記車両操作関連情報を参照して、前記評価操作検出手段により検出された車両操作に対応する評価情報を含む外観映像関連情報を取得し、前記車両操作内容は、他の車両への意思表示を示す車両操作を含むことを特徴とする情報提供システム。
【0014】
また、本発明の情報提供サーバは、車両に搭載される車載端末と、ユーザが使用するユーザ端末と前記車載端末とのそれぞれに通信ネットワークを介して接続される情報提供サーバであって、 前記車両の乗員により実行される他の車両の運転態様を評価する評価操作を検出する評価操作検出手段と、前記評価操作が検出されたことに応じて、前記車両の車外の映像を撮影する撮影手段により撮影されている他の車両の外観映像と、当該外観映像に映る他の車両の運転態様の評価を示す評価情報とを含む外観映像関連情報を取得する外観映像関連情報取得手段と、該外観映像関連情報取得手段により取得された外観映像関連情報を前記情報提供サーバに対して送信する外観映像関連情報送信手段とを含む前記車載端末から、外観映像関連情報を受信する外観映像関連情報受信手段と、該外観映像関連情報受信手段により受信された外観映像関連情報に、当該外観映像関連情報における外観映像に含まれる車両識別標識を画像認識した車両識別情報を対応付けた運転評価関連情報を格納する運転評価関連情報格納手段と、前記車両識別情報に対応する運転評価関連情報を前記ユーザ端末に提供する運転評価関連情報提供手段とを含み、前記車載端末は、車両操作の内容を示す車両操作内容と、車両操作に対応する評価情報とを含む車両操作関連情報を記憶する車両操作関連情報記憶手段を含み、前記評価操作検出手段は、前記車両の乗員により前記車両操作内容が示す車両操作が実行されたことを評価操作として検出し、前記外観映像関連情報取得手段は、前記車両操作関連情報を参照して、前記評価操作検出手段により検出された車両操作に対応する評価情報を含む外観映像関連情報を取得し、前記車両操作内容は、他の車両への意思表示を示す車両操作を含むことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、車両の車外の映像を効率的に収集し、収集した動画情報の有用性を活かした利用方法を提供することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】情報提供システムの構成の例を示すブロック図である。
図2】情報提供サーバの構成の例を説明するための説明図である。
図3】運転評価関連情報の格納状態の例を示す説明図である。
図4】車両操作関連情報の格納状態の例を示す説明図である。
図5】情報提供システムが実行する動作の概念を説明するための説明図である。
図6】運転評価関連情報収集処理の例を示すフローチャートである。
図7】運転評価関連情報提供処理の例を示すフローチャートである。
図8】運転評価関連情報の表示例を示す画面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施の形態に係る情報提供システム100の構成の例を示すブロック図である。
【0019】
図1に示すように、情報提供システム100は、情報提供サーバ10と、複数のユーザがそれぞれ使用するユーザ端末21〜2N(Nは任意の整数)と、車両に搭載される複数の車載端末31〜3N(Nは任意の整数)とを備える。なお、情報提供装置100の構成はこれに限定されず、複数のサーバを含む構成としてもよいし、ユーザ端末と車載端末を同一の端末とする構成としてもよい。
【0020】
情報提供サーバ10と、複数のユーザ端末21〜2Nと、複数の車載端末31〜3Nは、それぞれインターネットなどの通信ネットワーク40,41に接続されている。なお、図示しないが、複数のユーザ端末21〜2Nおよび複数の車載端末31〜3Nは、通信業者によって管理される基地局と無線通信回線によるデータ通信を行うことによって、それぞれ通信ネットワーク40,41と接続する。
【0021】
情報提供システム100は、情報提供サーバ10により車載端末31〜3Nから収集された運転評価関連情報(例えば、車両の車外の映像や、当該映像に映る車両の運転態様の評価に関する評価情報など)をユーザ端末21〜2Nに提供するための各種機能を有する。
【0022】
情報提供サーバ10は、情報提供システム100の管理者によって管理され、複数の車載端末31〜3Nから送信される車両の車外の映像および当該映像に映る車両の運転態様の評価に関する評価を対応付けした外観映像関連情報を収集するための機能や、収集した外観映像関連情報をユーザ端末21〜2Nに対して提供するための機能などの各種機能を有する。
【0023】
情報提供サーバ10は、WWWサーバなどの情報処理装置によって構成され、各種情報を格納する記憶媒体を備える。
【0024】
図2は、情報提供サーバ10の構成の例を示すブロック図である。図2に示すように、情報提供サーバ10は、制御部11と、通信部12と、記憶部13とを含む。
【0025】
制御部11は、CPUやROMなどを含み、記憶部13に記憶された制御プログラムに従って情報提供サーバ10全体の制御を行うための機能を有する。例えば、制御部11は、映像解析プログラムに従って車載端末31〜3Nから送信される外観映像に含まれる車両識別標識(例えば、車両のナンバーや、車両の種別など)を画像認識するための画像解析処理などを実行する機能を有する。なお、画像解析処理には、公知の技術を用いるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0026】
通信部12は、インターネット等の通信ネットワーク40を介して複数のユーザ端末21〜2Nとの間で通信を行い、通信ネットワーク41を介して車載端末31〜3Nとの間で通信を行うための機能を有する。
【0027】
記憶部13は、例えばデータベース装置によって構成され、制御部10を制御するために必要な各種情報や制御プログラムなどの各種のデータが格納される記憶媒体である。
【0028】
記憶部13は、運転評価関連情報記憶部13aを含む(図2参照)。
【0029】
運転評価関連情報記憶部13aは、情報提供サーバ10が収集した外観映像などを含む運転評価関連情報を記憶する記憶媒体である。図3は、運転評価関連情報記憶部13aが記憶する運転評価関連情報の格納例を示す説明図である。図3に示すように、運転評価関連情報は、車両識別情報(第一車両識別情報および第二車両識別情報)と、外観映像関連情報(外観映像および当該外観映像に対する評価を示す評価情報)とを含む。
【0030】
ここで、「車両識別情報」とは、車両を識別するための車両識別標識を画像認識することにより特定される情報である。本実施の形態における車両識別情報は、第一車両識別情報と、第二車両識別情報との2つの車両識別情報を含む。
【0031】
ここで、「第一車両識別情報」とは、車両の種別を示す情報である。本実施の形態における「第一車両識別情報」は、タクシー会社の種類を示す情報としているが、このような構成に限られず、例えば、車種や運送会社の種類などであってもよい。
【0032】
ここで、「第二車両識別情報」とは、車両を一意に特定可能な車両のナンバーを示すナンバー情報である。第二車両識別情報は、外観映像に含まれる車両のナンバーを画像認識することにより特定される。特定されたナンバー情報が設定されることにより、車両の所有者(つまり個人)を特定することが可能となる。
【0033】
ここで、「外観映像」とは、車両に搭載される常時記録型の車載カメラが撮影する車外の映像を示す動画情報である。
【0034】
ここで、「評価情報」とは、外観映像に映る車両の運転態様の評価を示す情報である。本実施の形態では、図4に示すように、良い印象を受けた運転内容であることを示す「GOOD」と、悪い印象内容を受けた運転内容であることを示す「BAD」との2種類の評価が評価情報として用いられる。なお、評価情報は、このような構成に限られず、例えば「1〜5(1に近づくにつれて良い運転内容であることを示し、5に近づくにつれて悪い運転内容であることを示す)」の複数の段階的にランク付けされる構成としてもよい。
【0035】
ユーザ端末21〜2Nは、それぞれ、ユーザによって管理され、PCや携帯電話端末などのネットワーク通信可能な通信端末によって構成される。複数のユーザ端末21〜2Nは、それぞれ、通信ネットワーク40に接続し、情報提供サーバ10との通信を行うことにより運転評価関連情報の提供サービスを受けるためのハードウェア(例えば、表示装置や入力装置など)およびソフトウェアを備える。
【0036】
車載端末31〜3Nは、それぞれ、車載端末31〜3Nを搭載する車両の管理者によって管理され、ネットワーク通信可能な通信端末によって構成される。車載端末31〜3Nは、それぞれ所定の情報を記憶する記憶部を備え、車両の乗員(運転者または同乗者)からの操作に応じた外観映像関連情報を取得するための外観映像関連情報取得機能や、通信ネットワーク41に接続し情報提供サーバ10に対して外観映像関連情報を送信するための機能を実行するためのハードウェアおよびソフトウェアを備える。
【0037】
車載端末31〜3Nが備えるそれぞれの記憶部は、図1に示すように、車両操作関連情報記憶部31a〜3Naを含む。
【0038】
車両操作関連情報記憶部31a〜3Naは、車両31〜3Nの乗員により実行される他の車両の運転態様の評価を決定するための車両操作関連情報を格納する記憶媒体である。図4は、車両操作関連情報記憶部31a〜3Naがそれぞれ記憶する車両操作関連情報の格納例を示す説明図である。図4に示すように、車両操作関連情報は、他の車両の運転態様を評価する評価操作と、評価操作に対応する評価情報とを含む。
【0039】
ここで、「評価操作」とは、車両の乗員により実行される他の車両の運転態様を評価するための操作を示す。具体的には、図3に示すように、「ハザードランプ点灯」、「パッシング1回」、「パッシング複数回」、「クラクション(ショート)」、「クラクション(ロング)」、「急ハンドル(左)」、「急ハンドル(右)」、「急ブレーキ」、「第一スイッチ」、および「第二スイッチ」などの各種の操作を示す。特に本実施の形態における「評価操作」は、「意思表示系の車両操作」と、「緊急操作系の車両操作」と、「その他」とに大別される。
【0040】
ここで、「意思表示系の車両操作」とは、意思表示系の車両操作は、他車両に対して感謝を示すときの車両操作や、無理な割り込みや停車などに対して抗議するときの車両操作などの他車両への意思表示を示す車両操作のことを示す。本実施の形態では、「ハザードランプ点灯」、「パッシング1回」、「パッシング複数回」、「クラクション(ショート)」、および「クラクション(ロング)」が、意思表示系の車両操作に含まれる。
【0041】
ここで、「緊急操作系の車両操作」とは、緊急回避時に実行される車両操作のことを含む。本実施の形態では、「急ハンドル(左)」、「急ハンドル(右)」、および「急ブレーキ」が、緊急操作系の車両操作に含まれる。
【0042】
ここで、「その他」とは、例えば、車両に設けられた専用のスイッチに対する操作を含む。特に図示はしないが、スイッチの配設位置は、ハンドル部分やウィンカー表示に用いられるバー部分やハザードランプ点灯スイッチ近傍などのように、比較的運転中であっても容易に操作可能な位置に設けられることが好ましい。本実施の形態では、「第一スイッチ」および「第二スイッチ」が、その他に含まれる。
【0043】
車載端末31〜3Nにおける外観映像関連情報取得機能は、車両の乗員により実行される評価操作を検出し、評価操作を検出したことに応じて当該車両の車載カメラにより撮影されている外観映像と、当該外観映像に映る他の車両の評価情報とを含む外観映像関連情報を取得する。
【0044】
ここで、「車載カメラ」とは、搭載する車両の車外の映像を撮影する、いわゆるドライブレコーダである。ドライブレコーダは、車両の中または車両の外に取り付けられており、いずれの位置に取り付けられている場合でも、車両の車外の映像を撮影するように構成される。また、ドライブレコーダは、電源が供給されている間は、常時録画を行う構成とされている。常時録画されている映像の一部の区間を抽出した動画情報が、本実施の形態における「外観映像」として用いられる。
【0045】
次に、情報提供システム100が実行する動作(特に、運転評価関連情報収集処理)の概念について図を参照して説明する。
【0046】
図5は、情報提供システム100が実行する動作の概念を説明するための説明図である。特に、図5A図5C、は、ドライブレコーダが映す映像の一部であり、時系列順に並べて実際の運転シーンの例を再現した説明図である。また、図5Dは、図5B図5Cとの間において、車両501の運転者Yが行った車両操作の例を示す説明図である。
【0047】
先ず、実際の運転シーンの例を具体的に説明すると、車両501の運転者Yは、先行する先行車両502とおおよそ車1.5台分程度の車間を空けて運転を行っている(図5A)。その少ない車間に対して、割り込み車両503が無理に割り込んでくる(図5B)。無理に割り込まれた車両501の運転者Yは、割り込み車両503に対してクラクションをならす(図5D)。その後、割り込み車両503が、車両501と先行車両502との間に収まる(図5C)。
【0048】
このような運転シーンにおいて、本実施の形態における情報提供システム100は、クラクションが運転者Yによって鳴らされたことをトリガとして(つまり、図5Dに示す場面をトリガとして)常時記録を行うドライブレコーダから図5A図5Cに示す流れの一部始終を映す映像を抽出する。さらに、情報提供システム100は、抽出した映像に、映像の評価と個人を特定可能な情報とを対応付けして所定の記憶媒体に格納する。そして、情報提供システム100は、格納した情報をユーザ端末21〜2Nに送信する。すなわち、本実施の形態における情報提供システム100のユーザは、ドライブレコーダが捉えた価値のある映像を閲覧することができることとなる。
【0049】
このように、図5A図5Cに示す流れの一部始終を映す映像を視聴することができるようになるための本実施の形態における情報提供システム100の動作について、以下で詳しく説明する。
【0050】
次に、本実施の形態の情報提供システム100の動作について説明する。情報提供システム100では、外観映像関連情報を収集して運転評価関連情報として格納する運転評価関連情報収集処理と、運転評価関連情報をユーザに提供する運転評価関連情報提供処理とが主として実行される。なお、本発明に関係しない動作や処理については、その内容を省略している場合がある。
【0051】
まず、運転評価関連情報収集処理について説明する。なお、本実施の形態では、車載端末31を例にして説明するが、車載端末32〜3Nと情報提供サーバ10との間においては、車載端末31と情報提供サーバ10との間で実行される処理と同様の処理が実行されるものとする。
【0052】
図6は、情報提供システム100における運転評価関連情報収集処理の例を示すフローチャートである。運転評価関連情報収集処理では、運転者Yが、強引な割り込みを行った車両に対してクラクションを短く鳴らした場合を例にして説明を行う。
【0053】
運転評価関連情報収集処理において、先ず、車載端末31は、運転者Yからのクラクションを短く鳴らすという評価操作を検出する(ステップS101)。すなわち、運転者Yにより実行される他の車両の運転態様を評価する評価操作を検出する。
【0054】
評価操作を検出すると、車載端末31は、車両操作関連情報に基づいて評価操作に対応する評価情報を特定する(ステップS102)。具体的には、車載端末31は、図4に示す車両操作関連情報を参照して、クラクションを短く鳴らすという評価操作に対応する評価情報がBADであることを特定する。
【0055】
評価情報を特定すると、車載端末31は、ドライブレコーダから外観映像を取得するための外観映像取得区間を特定する(ステップS103)。例えば、外観映像取得区間は、評価操作を検出した5秒前から2分間などとして予め定めておく。なお、外観映像取得区間の長さは、自由に設定可能に構成されていてもよい。
【0056】
外観映像取得区間を特定すると、車載端末31は、特定した外観映像取得区間に基づいてドライブレコーダが記録する映像を取得する(ステップS104)。すなわち、車載端末31は、常時撮影型のドライブレコーダに対して撮影映像の抽出区間を示す情報を送信し、当該情報を受信したドライブレコーダから当該情報が示す区間の撮影映像を外観映像として取得する。
【0057】
外観映像を取得すると、車載端末31は、ステップS102で特定した評価情報と、ステップS104で取得した外観映像とを含む外観映像関連情報を情報提供サーバ10に送信する(ステップS105)。具体的には、車載端末31は、評価情報がBADの外観映像を情報提供サーバ10に送信する。
【0058】
情報提供サーバ10は、車載端末31から外観映像関連情報を受信すると(ステップS106)、外観映像を画像認識処理し(ステップS107)、車両識別情報を特定する(ステップS108)。すなわち、情報提供サーバ10は、外観映像関連情報における外観映像に含まれる車両識別標識を画像認識した車両識別情報を特定する。
【0059】
車両識別情報を特定すると、情報提供サーバ10は、ステップS106で受信した外観映像関連情報に、ステップS108で特定した車両識別情報を対応付けて運転評価関連情報として自己の記憶部13(運転評価関連情報記憶部13a)に格納する(ステップS109)。
【0060】
このようにして、情報提供システム100では、運転評価関連情報が収集されることとなる。次に、収集した運転評価関連情報をユーザに提供する運転評価関連情報提供処理について説明する。なお、本実施の形態では、ユーザ端末21を例にして説明するが、ユーザ端末22〜2Nと情報提供サーバ10との間においては、ユーザ端末21と情報提供サーバ10との間で実行される処理と同様の処理が実行されるものとする。
【0061】
図7は、運転評価関連情報提供処理の例を示すフローチャートである。運転評価関連情報提供処理では、情報提供サーバ10が、ユーザ端末21からの運転評価関連情報提供要求に応じて、ユーザ端末21に運転評価関連情報を提供する処理が実行される。
【0062】
運転評価関連情報提供処理において、先ず、ユーザ端末21が車両識別情報を提示した運転評価関連情報の提供要求を情報提供サーバ10に対して送信する(ステップS201)。例えば、ユーザ端末21がナンバー情報を提示した運転評価関連情報の提供要求を送信する。
【0063】
情報提供サーバ10は、運転評価関連情報の提供要求をユーザ端末21から受信すると(ステップS202)、運転評価関連情報の提供要求に含まれる車両識別情報が対応付けされている運転評価関連情報を特定する(ステップS203)。
【0064】
運転評価関連情報を特定すると、情報提供サーバ10は、特定した運転評価関連情報をユーザ端末21に送信する(ステップS204)。
【0065】
ユーザ端末21は、運転評価関連情報を情報提供サーバ10から受信すると(ステップS205)、自己の表示装置に受信した運転評価関連情報を表示する(ステップS206)。
【0066】
図8は、運転評価関連情報の表示例を示す画面図である。図8に示すように、運転評価関連情報を表示する表示画面801は、外観映像表示領域802と、評価情報表示領域803と、動画一覧表示領域804とを含む。外観映像表示領域802は、運転評価関連情報に含まれる外観映像を再生する領域である。評価情報表示領域803は、運転評価関連情報に含まれる評価情報を表示する領域である。動画一覧表示領域804は、同じ車両識別情報を含む他の外観映像のリンクを一覧表示する領域である。ユーザは、動画一覧表示領域804に表示される他の動画リンクを選択操作(例えば押下げ)することにより、同じ車両識別情報を含む他の外観映像を閲覧することができる。
【0067】
以上に説明したように、上述した実施の形態においては、車両に搭載される車載端末31と、ユーザが使用するユーザ端末21と車載端末31とのそれぞれに通信ネットワークを介して接続される情報提供サーバ10とを備えた情報提供システム100であって、車載端末31は、車両の乗員により実行される他の車両の運転態様を評価する評価操作を検出し、評価操作を検出したことに応じて、車両の車外の映像を撮影する撮影手段(例えばドライブレコーダ)により撮影されている他の車両の外観映像と、当該外観映像に映る他の車両の運転態様の評価を示す評価情報とを含む外観映像関連情報を取得し、取得した外観映像関連情報を情報提供サーバ10に対して送信する構成とし、情報提供サーバ10は、車載端末31からの外観映像関連情報を受信し、受信した外観映像関連情報に、当該外観映像関連情報における外観映像に含まれる車両識別標識を画像認識した車両識別情報を対応付けた運転評価関連情報を格納し、車両識別情報に対応する運転評価関連情報をユーザ端末21に提供する構成としている。このような構成によれば、車両の車外の映像を効率的に収集し、収集した動画情報の有用性を活かした情報提供システムを提供することができるようになる。
【0068】
特に、情報提供システム100が、評価操作を検出したことに応じて、他の車両の外観映像と、当該外観映像に映る他の車両の運転態様の評価を示す評価情報とを含む外観映像関連情報を取得する構成としている。そのため、外観映像の送信者に評価付けをさせるときの負担が大幅に軽減された情報提供システムを提供することができるようになる。
【0069】
また、上述した実施の形態において、情報提供システム100における車両識別情報が、外観映像に含まれる車両のナンバーを画像認識したナンバー情報を含み、情報提供サーバ10が、受信した外観映像関連情報にナンバー情報を対応付けて格納し、ユーザ端末21から車両のナンバーを提示した運転評価関連情報提供要求を受け付け、受け付けた車両のナンバーに対応する運転評価関連情報をユーザ端末21に提供する構成としている。このような構成によれば、情報提供サーバに対してナンバーを提示することにより、そのナンバーに対応する動画情報を取得することができるようになる。したがって、収集した動画情報の有用性をより活かした利用方法を提供することができるようになる。さらに、例えば、ユーザが有する車両のナンバーを提示することによりユーザ自身の映像を閲覧することが可能となるため、運転技術の向上につながる有用な情報を提供することができるようになる。
【0070】
また、上述した実施の形態において、情報提供システム100における車両識別情報が、車両識別情報は、外観映像に含まれる車両の種別を画像認識した車両種別情報を含み、情報提供サーバ10が、受信した外観映像関連情報に車両種別情報を対応付けて格納し、ユーザ端末21から車両の種別を提示した運転評価関連情報提供要求を受け付け、受け付けた車両の種別に対応する運転評価関連情報をユーザ端末21に提供する構成としている。このような構成によれば、車両の種別(例えばタクシー会社や運送会社)に関する評価を容易に把握することができるようになるとともに、他の競業会社との比較を容易に行うことができるようになる。したがって、ユーザにとって利用価値の高いシステムを提供することができるようになる。
【0071】
また、上述した実施の形態において、情報提供システム100におけるドライブレコーダが、車両の車外の映像を常時撮影し、車載端末31が、評価操作を検出したときの所定時間前からの外観映像を含む外観映像関連情報を取得する構成としている。このような構成によれば、運転者(または同乗者)が評価することを希望する場面を体験した後に外観映像取得操作をした場合であっても、所望の場面を映す動画情報を確実に取得・送信することができるようになる。すなわち、情報提供サーバは、適切に利用価値の高い外観映像を格納することができるようになる。したがって、収集した動画情報の有用性をより活かした情報提供システムを提供することができるようになる。
【0072】
また、上述した実施の形態において、情報提供システム100における車載端末31が、、車両操作の内容を示す車両操作内容と、車両操作に対応する評価情報とを含む車両操作関連情報を記憶する車両操作関連情報記憶部31aを備え、車両の乗員により車両操作内容が示す車両操作が実行されたことを検出し、車両操作関連情報を参照して、検出した車両操作に対応する評価情報を含む外観映像関連情報を取得する構成としている。このような構成によれば、車両の運転に関連する操作(例えば、急ブレーキなど(図4参照))と連動してユーザに提供する運転評価関連情報が取得できるようになるため、運転評価関連情報の収集に要する負担が大幅に軽減されることとなる。すなわち、運転評価関連情報の収集効率が大幅に向上するとともに、併せてユーザの利用価値の高い情報が集まりやすくなるため、利用価値の高い情報提供システムを簡単な構成で提供することができるようになる。
【0073】
また、上述した実施の形態において、情報提供システム100における車両操作内容は、他の車両への意思表示を示す車両操作を含む構成としている。このような構成によれば、他車両に対する意思表示のための操作内容に対応する運転評価関連情報を収集することができるようになるために、通常の運転を行うだけで、運転評価関連情報が収集されることとなる。したがって、運転評価関連情報の収集効率が大幅に向上するとともに、併せてユーザの利用価値の高い情報が集まりやすくなるため、ユーザの利用効率を大幅に高めることができるようになる。
【0074】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、情報提供サーバ10は、外観映像に関するコメントを運転評価関連情報に対応付けて登録する構成としてもよい。このような構成によれば、どのような運転が他人を不快にさせるのか、またはどのような運転が喜ばれるのかについて、客観的に把握することができるようになる。そのため、次の運転へのフィードバックを期待することができるようになり、運転技術の向上につながる情報提供サーバを提供することができるようになる。
【0075】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、上述した実施の形態における情報提供サーバ10が、格納されている車両識別情報に対応する運転評価関連情報の格納数(または評価数)をユーザ端末21に送信する構成としてもよい。例えば、情報提供サーバ10は、同じナンバーに対応付けされて格納されている良い運転内容であることを示す良評価情報の格納数と、悪い運転内容であることを示す悪評価情報の格納数とを算出し、算出した格納数のうち少なくとも何れか一方をユーザ端末21に送信するように構成されていてもよい。このような構成によれば、ユーザは、より簡易な方法で自己の運転内容に関する情報を知得することができるようになる。したがって、動画情報の収集過程で対応付けた評価情報の格納数や評価数を活かして、より有用な情報を提供する情報提供システムとすることができるようになる。
【0076】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、情報提供システム100における車載端末31が、外観映像取得操作に応じて進行方向側を撮影する車載カメラ、進行方向と逆側(車両の後方)を撮影する車載カメラ、および車両の左右側面側を撮影する車載カメラのうち少なくとも何れか一方から外観映像を取得する構成とされていてもよい。このような構成によれば、評価操作が検出される車両と運転態様の評価を希望する車両との位置関係に関わらず外観映像を取得することができるようになる。したがって、様々なケースに対応して車両の車外の映像を収集することができるようになり、収集効率が向上することとなる。なお、さらに、車載端末31が検出した評価操作が、意思表示系の車両操作である場合に、意思を表示した方向を映す映像を取得する構成とされていてもよい。すなわち、情報提供システム100は、パッシングが行われたときには、前方の外観を映す映像を取得するなどといった構成とされていてもよい。
【0077】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが情報提供システム100が、取得した外観映像に車両識別情報が含まれているか否かを判定し、車両識別情報が含まれていないと判定したときに、当該外観映像を格納しない構成としてもよい。このような構成によれば、無駄なデータを記憶することなく、目的に応じた情報を適切に管理することができるようになる。したがって、設備負担を軽減して情報提供システムを提供することができるようになる。なお、取得した外観映像に車両識別情報が含まれているか否かを判定する処理や、車両識別情報が含まれていないと判定したときに当該外観映像を格納しないとする処理は、情報提供サーバ10または車載端末31の何れが実行する構成としてもよいし、情報提供サーバ10と車載端末31の両方により処理が実行される構成としてもよい。
【0078】
なお、上述した実施の形態では、ユーザ端末21と車載端末31とを別々の端末とする構成としているが、ユーザ端末と車載端末が同じ端末となるように構成されていてもよい。すなわち、ドライブレコーダから外観映像を取得し、情報提供サーバ10に外観映像を送信する端末と、情報提供サーバ10から運転評価関連情報を受信する端末が同じ端末となるように構成されていてもよい。また、上述した実施の形態における車載端末31は、各種機能(撮影機能や、通信機能や、入力・出力機能など)を有するドライブレコーダであるように構成されていてもよい。すなわち、ドライブレコーダが、情報提供サーバ10と通信を行う通信機能を有し、車両の乗員による評価操作に応じて決定された映像抽出区間に対応する外観映像を情報提供サーバ10に送信する構成とされていてもよい。
【0079】
なお、上述した実施の形態では、情報提供サーバ10が、画像解析処理を実行する制御部11を含む構成としているが、車載端末31〜3N(またはドライブレコーダ)が画像解析処理を実行する制御部を含み、外観映像をドライブレコーダから取得するとともに外観映像に含まれる車両識別情報(例えば車両のナンバー)を特定し、特定した車両識別情報と、外観映像と、評価情報とを含む運転評価関連情報を情報提供サーバ10に送信する構成とされていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、車両走行時に撮影された動画を収集し、収集した動画情報を利用する技術に有用である。
【符号の説明】
【0081】
10 情報提供サーバ
11 制御部
12 通信部
13 記憶部
13a 運転評価関連情報記憶部
21〜2N ユーザ端末
31〜3N 車載端末
31a〜3Na 車両操作関連情報記憶部
40,41 通信ネットワーク
100 情報提供システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8