(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記対象体の特性は、前記対象体を構成する組織の構造、各組織の割合、及び特定組織の緻密度の内の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1に記載のエックス線画像装置。
前記制御部は、前記対象体が乳房の場合に、乳房の全体組織に対する実質組織の割合を算出して乳房の緻密度を算出し、該算出された緻密度があらかじめ設定された基準値を超えるか否かを判断することを特徴とする請求項2に記載のエックス線画像装置。
前記エックス線発生部は、前記対象体の特性が、多重エネルギーエックス線画像に対応するものであると判断された場合、前記対象体の種類又は前記対象体の特性によって設定された互いに異なるエネルギー帯域の複数のエックス線をそれぞれ照射することを特徴とする請求項4に記載のエックス線画像装置。
前記エックス線発生部は、前記対象体の特性が単一エネルギーエックス線画像に対応するものであると判断された場合、前記対象体の種類又は前記対象体の特性によって設定された単一エネルギー帯域のエックス線を照射することを特徴とする請求項4に記載のエックス線画像装置。
前記エックス線発生部は、前記対象体の特性が多重エネルギーエックス線画像に対応するものであると判断された場合、前記対象体の種類又は前記対象体の特性によって設定された複数の互いに異なるエネルギー帯域を含むエックス線を照射することを特徴とする請求項4に記載のエックス線画像装置。
前記エックス線検出部は、前記照射された複数の互いに異なるエネルギー帯域を含むエックス線を検出し、該検出されたエックス線を前記複数のエネルギー帯域別に分離して各エネルギー帯域に対応する複数の画像信号を取得することを特徴とする請求項8に記載のエックス線画像装置。
前記エックス線発生部は、前記制御部が判断した対象体の特性が単一エネルギーエックス線画像に対応するものである場合、前記対象体の種類又は前記対象体の特性によって設定された単一エネルギー帯域のエックス線を照射することを特徴とする請求項4に記載のエックス線画像装置。
前記エックス線検出部は、前記対象体の特性が多重エネルギーエックス線画像に対応するものである場合、前記検出されたエックス線を、前記対象体の種類又は前記対象体の特性によって設定された複数のエネルギー帯域別に分離して、各エネルギー帯域に対応する複数の画像信号を取得することを特徴とする請求項1に記載のエックス線画像装置。
前記エックス線検出部は、前記検出されたエックス線を、前記対象体に対してあらかじめ設定された複数のエネルギー帯域別に分離して、各エネルギー帯域に対応する複数の画像信号を取得し、
前記制御部で分析する画像信号は、前記複数の画像信号の内の一つであることを特徴とする請求項1に記載のエックス線画像装置。
前記制御部は、前記対象体の特性が多重エネルギーエックス線画像に対応するものである場合、前記複数の画像信号を多重エネルギー画像処理して多重エネルギーエックス線画像を生成することを特徴とする請求項13に記載のエックス線画像装置。
前記エックス線発生部は、前記判断された対象体の特性が多重エネルギーエックス線画像に対応するものである場合、前記対象体に対して設定された互いに異なるエネルギー帯域の複数のエックス線を照射することを特徴とする請求項1に記載のエックス線画像装置。
前記対象体の特性を判断する段階は、前記対象体が乳房の場合に、乳房の全体組織に対する実質組織の割合を算出して乳房の緻密度を算出し、該算出された緻密度があらかじめ設定された基準値を超えるか否かを判断する段階を含むことを特徴とする請求項18に記載のエックス線画像生成方法。
前記対象体の特性に基づいて単一エネルギーエックス線画像又は多重エネルギーエックス線画像の少なくとも一方を生成する段階は、前記判断された対象体の特性が多重エネルギーエックス線画像に対応するものである場合、前記対象体の種類又は前記対象体の特性に対して設定された互いに異なるエネルギー帯域の複数のエックス線を照射する段階を含むことを特徴とする請求項20に記載のエックス線画像生成方法。
前記対象体の特性に基づいて単一エネルギーエックス線画像又は多重エネルギーエックス線画像の少なくとも一方を生成する段階は、前記複数のエックス線を検出して各エネルギー帯域に対応する複数の画像信号を取得する段階と、
前記複数の画像信号を多重エネルギー画像処理して前記対象体に関する多重エネルギーエックス線画像を生成する段階とを含むことを特徴とする請求項21に記載のエックス線画像生成方法。
前記対象体の特性に基づいて単一エネルギーエックス線画像又は多重エネルギーエックス線画像の少なくとも一方を生成する段階は、前記判断された対象体の特性が単一エネルギーエックス線画像に対応するものである場合、前記対象体に対して設定された単一エネルギー帯域のエックス線を照射する段階を含むことを特徴とする請求項20に記載のエックス線画像生成方法。
前記対象体の特性に基づいて単一エネルギーエックス線画像及び多重エネルギーエックス線画像の少なくとも一方を生成する段階は、前記判断された対象体の特性が多重エネルギーエックス線画像に対応するものである場合、前記対象体に対して設定された複数のエネルギー帯域を含むエックス線を照射する段階を含むことを特徴とする請求項20に記載のエックス線画像生成方法。
前記対象体の特性に基づいて単一エネルギーエックス線画像又は多重エネルギーエックス線画像の少なくとも一方を生成する段階は、前記照射された複数のエネルギー帯域を含むエックス線を検出し、該検出されたエックス線を複数のエネルギー帯域別に分離して、各エネルギー帯域に対応する複数の画像信号を取得する段階を含むことを特徴とする請求項24に記載のエックス線画像生成方法。
前記対象体の特性に基づいて単一エネルギーエックス線画像又は多重エネルギーエックス線画像の少なくとも一方を生成する段階は、前記判断された対象体の特性が単一エネルギーエックス線画像に対応するものである場合、前記対象体によって設定された単一エネルギー帯域のエックス線を照射する段階を含むことを特徴とする請求項20に記載のエックス線画像生成方法。
前記対象体の特性に基づいて単一エネルギーエックス線画像又は多重エネルギーエックス線画像の少なくとも一方を生成する段階は、前記照射されたエックス線を検出して前記対象体に関する画像信号を取得する段階と、
前記画像信号を画像処理して前記対象体に関する単一エネルギーエックス線画像を生成する段階とを含むことを特徴とする請求項23又は26に記載のエックス線画像生成方法。
前記対象体の特性に基づいて単一エネルギーエックス線画像又は多重エネルギーエックス線画像の少なくとも一方を生成する段階は、前記判断された対象体の特性が多重エネルギーエックス線画像に対応するものである場合、前記検出されたエックス線を、前記対象体に対して設定された複数のエネルギー帯域別に分離して、各エネルギー帯域に対応する複数の画像信号を取得する段階を含むことを特徴とする請求項17に記載のエックス線画像生成方法。
前記対象体に関する画像信号を取得する段階は、前記検出されたエックス線を、前記対象体に対してあらかじめ設定された複数のエネルギー帯域別に分離して、各エネルギー帯域に対応する複数の画像信号を取得する段階を含み、
前記対象体の特性判断に用いられる画像信号は、前記複数の画像信号から選択されることを特徴とする請求項17に記載のエックス線画像生成方法。
前記対象体の特性に基づいて単一エネルギーエックス線画像又は多重エネルギーエックス線画像の少なくとも一方を生成する段階は、前記対象体の特性が多重エネルギーエックス線画像に対応するものである場合、前記複数の画像信号を多重エネルギー画像処理して多重エネルギーエックス線画像を生成する段階を含むことを特徴とする請求項29に記載のエックス線画像生成方法。
前記対象体の特性に基づいて単一エネルギーエックス線画像又は多重エネルギーエックス線画像の少なくとも一方を生成する段階は、前記判断された対象体の特性が多重エネルギーエックス線画像に対応するものである場合、前記対象体に対して設定された互いに異なるエネルギー帯域の複数のエックス線を照射する段階を含むことを特徴とする請求項17に記載のエックス線画像生成方法。
前記対象体の特性に基づいて単一エネルギーエックス線画像又は多重エネルギーエックス線画像の少なくとも一方を生成する段階は、前記互いに異なるエネルギー帯域の複数のエックス線をそれぞれ検出して各エネルギー帯域に対応する複数の画像信号を取得する段階と、
前記対象体の特性判断に用いられた画像信号と前記複数の画像信号を多重エネルギー画像処理して多重エネルギーエックス線画像を生成する段階とを含むことを特徴とする請求項31に記載のエックス線画像生成方法。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明に係るエックス線画像装置及びエックス線画像生成方法を実施するための形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
【0010】
図1は、本発明の実施形態によるエックス線画像装置の概略的な構成を示すブロック図である。
図1を参照すると、エックス線画像装置100は、エックス線を発生させて対象体に照射するエックス線発生部110、対象体を透過したエックス線を検出するエックス線検出部120、検出されたエックス線を用いて対象体の特性を判断し、その結果に基づいて単一エネルギーエックス線画像又は多重エネルギーエックス線画像を生成する制御部130、及び生成されたエックス線画像を表示するディスプレイ部140を備える。
【0011】
エックス線発生部110は、一定レベルのエネルギーを有するエックス線を発生させて対象体に照射する。
エックス線発生部110は、電源供給部(図示せず)から供給される電源によりエックス線を発生させるもので、供給される管電圧によってエックス線のエネルギーを制御でき、管電流及びエックス線露出時間によってエックス線の強度又は線量を制御することができる。
【0012】
エックス線発生部110から照射されるエックス線は、単色光(monochromatic)エックス線でもよく、多色光(polychromatic)エックス線でもよいが、説明の便宜のために、以下に詳述する実施形態ではエックス線発生部から多色光エックス線を照射するとして説明する。
【0013】
したがって、エックス線発生部110は、所定のエネルギー帯域を有するエックス線を照射し、照射されるエックス線のエネルギー帯域は上限と下限により定義される。
エックス線のエネルギーは、平均エネルギー、最大エネルギー、エネルギー帯域などにより表すことができ、以下に詳述するエックス線画像装置の実施形態では、エックス線のエネルギー帯域又はエネルギー帯域の最大エネルギーによりエックス線のエネルギーを表すものとする。
【0014】
エネルギー帯域の上限、すなわち、照射されるエックス線の最大エネルギーは管電圧の大きさによって調節し、エネルギー帯域の下限、すなわち、照射されるエックス線の最小エネルギーは、エックス線発生部110の内部又は外部に設けられたフィルタにより調節することができる。
フィルタを用いて低エネルギー帯域のエックス線をフィルタリングすることによって、照射されるエックス線の平均エネルギーを上げることができる。
【0015】
エックス線検出部120は、対象体を透過したエックス線を検出し、検出されたエックス線を電気的な信号に変換する。
エックス線発生部110から照射されたエックス線は対象体を透過しながら減衰するが、エックス線が照射された部分を構成する組織の特性又はエックス線が照射された部分の厚さによってエックス線の減衰率が変わるため、対象体の内部構成によって検出されるエックス線の量が異なってくる。
したがって、エックス線検出部120で変換された電気的な信号を用いて対象体を画像化できることから、エックス線検出部120から出力する信号は一種の画像信号といえる。
【0016】
エックス線検出部120は、互いに異なるエネルギー帯域に対する複数の画像信号を取得することができ、複数の画像信号を取得する方式には、エックス線発生部110から互いに異なるエネルギー帯域を有する複数のエックス線をそれぞれ照射し、それをエックス線検出部120でそれぞれ検出する方式と、エックス線発生部110で所定のエネルギー帯域を有するエックス線を一回照射し、エックス線検出部120で当該エックス線を特定エネルギー帯域別に分離する方式と、がある。
ここでいう「互いに異なるエネルギー帯域」とは、エネルギー帯域の上限及び下限の少なくとも一方が異なるエネルギー帯域のことを指す。エックス線画像装置の実施形態では上記の2方式とも適用可能であり、具体的な適用例については後述する。
【0017】
制御部130は、エックス線検出部120から取得した画像信号を分析して対象体の特性を判断する。
ここで、対象体の特性としては、対象体を構成する組織の構造、各組織の割合、特定組織の緻密度のうち少なくとも一つとすることができ、その他にも、その特性によって分析しやすいエックス線画像が変わるものであれば、制御部130で判断する対象体の特性とすることができる。
【0018】
制御部130は、対象体の特性判断の結果に基づいて単一エネルギーエックス線画像又は多重エネルギーエックス線画像の少なくとも一方を生成する。
ここで、単一エネルギーエックス線画像とは、一般的に用いられるエックス線画像で、単一エネルギー帯域のエックス線を検出して生成されたエックス線画像を意味し、多重エネルギーエックス線画像とは、互いに異なるエネルギー帯域を有する複数のエックス線を検出し、それらを用いて組織間のコントラストを増加させたエックス線画像を意味する。
【0019】
単一エネルギー帯域のエックス線から生成される画像信号は、信号対雑音比(SN比)に優れており、これにより、単一エネルギーエックス線画像は、空間分解能及びコントラストが高い。
多重エネルギーエックス線画像は、組織間のコントラストが高いため、病変などの特定組織を判別するのに有用である。
【0020】
そのため、対象体の特性に対応して、組織間コントラストの高い画像が要求される場合には多重エネルギーエックス線画像を生成し、組織間コントラストの高い画像が要求されない場合には、信号対雑音比に優れた単一エネルギーエックス線画像を生成する。
【0021】
一例として、制御部130は、対象体が脂肪組織よりも実質組織の割合が高い緻密な組織特性を有する場合には、組織間コントラストの増加した多重エネルギーエックス線画像を生成し、対象体が脂肪組織の割合が実質組織の割合よりも高い組織特性を有する場合には、単一エネルギーエックス線画像を生成することができる。
【0022】
また、制御部130は、事前撮影(Pre−shot)により取得された画像信号を分析して、エックス線発生部110に供給される管電圧と管電流の大きさ及びエックス線露出時間などの撮影条件を制御することができる。
事前撮影は、本撮影に先立ってエックス線撮影条件を対象体の特性に合うように調節するための撮影で、管電流及びエックス線露出時間を調節してエックス線の線量を低くした状態で行われる。
【0023】
また、制御部130は、エックス線発生部110でエックス線の発生のために用いられるターゲット物質(正極)又は発生したエックス線のフィルタリングのために用いられるフィルタを選択することもある。
【0024】
ディスプレイ部140は、制御部130で最終的に生成したエックス線画像を表示し、使用者が画像分析を用いた診断を行えるようにする。
【0025】
対象体を人体とするとき、診断目的によって人体の胸部、口腔、乳房、及びその他各種の骨を撮影するためにエックス線画像装置を用いることができ、撮影部位によってエックス線画像装置の構造がやや異なることがある。
【0026】
エックス線画像装置は、その撮影部位に制限はないが、説明の便宜のために、以下に詳述する実施形態では、乳房を撮影するエックス線画像装置(Mammography:マンモグラフィー)の主な例としてエックス線画像装置の具体的な動作を説明する。
【0027】
図2は、エックス線画像装置のうち、乳房撮影のためのエックス線画像装置を例示する全体外観図であり、
図3は、一般的な乳房組織の構成を示す断面図である。
【0028】
図2を参照すると、乳房を撮影するためのエックス線画像装置100には、エックス線発生部110及びエックス線検出部120を支持するは筺体106と、乳房を圧迫する圧迫パドル20とが設けられている。
エックス線検出部120と圧迫パドル20との間に対象体の乳房を位置させ、圧迫パドル20で乳房を圧迫して乳房の厚さを減少させた状態で、エックス線発生部110からエックス線を照射してエックス線撮影を行う。
【0029】
制御部130は、乳房の特性に基づいてエックス線撮影条件を制御することができ、そのために、エックス線画像装置は、乳房の特性を把握するための事前撮影(Pre−shot)を実行する。
【0030】
制御部130は、事前撮影により取得された画像信号を分析して乳房の密度及び圧迫された乳房の厚さを推定又は算出し、これらの情報を分析要素(factor)として対象体の特性に合う撮影条件を設定する。
圧迫された乳房の厚さに関する情報は、圧迫パドル20から伝達されてもよい。
【0031】
制御部130は、エックス線画像装置の動作全般を制御するワークステーション(又はホスト装置)に備えられるが、制御部はその機能によって他の構成要素と区別されるものであるから、その位置には制限がない。
【0032】
図3を参照すると、乳房50の組織は、乳房の周りを囲みながら形態を保持させる線維組織51、乳房全体に分布する脂肪組織52、母乳を生産する乳腺組織53、母乳の移動通路である乳管組織54などで構成されている。
この中、乳腺組織53及び乳管組織54などのように母乳の生産及び供給に係わる組織を乳房の実質組織という。実質組織は、エックス線に対する吸収特性が腫瘍などの病変に似ている。そのため、実質組織が多く分布している乳房のエックス線画像では病変を検出し難く、実質組織が少なく分布している乳房のエックス線画像は相対的に病変を検出しやすい。
【0033】
したがって、エックス線画像装置100で対象体を乳房50とする場合には、対象体の乳房50が、実質組織が多く分布している緻密乳房であると、組織間コントラストの向上した多重エネルギーエックス線画像を生成し、緻密乳房でないと、信号対雑音比に優れた単一エネルギーエックス線画像を生成すればよい。
【0034】
上述したように、多重エネルギーエックス線画像を生成する方式には、エックス線発生部110から互いに異なるエネルギー帯域を有する複数のエックス線をそれぞれ照射する方式と、エックス線検出部120で検出されたエックス線をエネルギー帯域別に分離する方式があり、これらの方式によって具体的な実施形態が異なってくる。
以下、エックス線画像装置の具体的な実施形態に係る動作について説明する。
【0035】
図4は、本発明の一実施形態によるエックス線画像装置の具体的な構成及び制御を示すブロック図である。
本実施形態に係るエックス線画像装置200は、多重エネルギーエックス線画像を生成するために互いに異なるエネルギー帯域のエックス線をそれぞれ照射し、本撮影の前に事前撮影を行う。
【0036】
エックス線発生部210、エックス線検出部220、及びディスプレイ部240の基本的な動作は
図1で上述した通りである。
【0037】
制御部230は、エックス線検出部220で取得した画像信号を分析して対象体の特性を判断する画像分析部231、対象体の特性に基づいてエックス線撮影条件を設定する撮影制御部232、及びエックス線検出部220で取得した画像信号を用いて単一エネルギーエックス線画像又は多重エネルギーエックス線画像を生成する画像処理部233を備える。
【0038】
エックス線発生部210は、まず、事前撮影を行うために、本撮影に比べて線量が低いエックス線を対象体に照射し、エックス線検出部220は、対象体を透過したエックス線を検出して対象体に関する画像信号を取得する。
一実施例として、エックス線の線量を4mAs程度に調節して事前撮影を行うことができる。
【0039】
画像分析部231は、エックス線検出部220で取得した画像信号を分析して対象体の特性を判断する。
例えば、対象体が乳房である場合に、画像分析部220は乳房の緻密度を判断することができる。
図3で上述した通り、乳房の実質組織が発達した場合には乳房組織中の病変の有無が判別し難く、乳房中の実質組織の発達度合を乳房の緻密度という。
【0040】
画像分析部231で乳房の緻密度を判断する一実施例として、エックス線検出部220で取得した画像信号から乳房領域を抽出し、乳房領域から実質組織と推定される領域を抽出した後、乳房領域の全体面積に対する実質組織領域の面積割合を算出する。
こうして算出された値を乳房の緻密度とすることができる。
【0041】
具体的には、実質組織に該当する領域は、画像信号の明度値や強度値が高く示されると推定されるので、あらかじめ設定された第1の基準値と画像信号の明度値又は強度値とをピクセル領域ごとに比較する。
画像信号の明度値又は強度値が第1の基準値を超えると、当該ピクセル領域は実質組織に該当すると推定する。
ここで、実験、統計又は理論によって第1の基準値を予め設定することができる。
【0042】
撮影制御部232は、画像分析部231で判断した対象体の特性に基づいて本撮影を制御する。
具体的には、撮影制御部232は、対象体の特性に基づいて本撮影で単一エネルギーエックス線画像を撮影するか、或いは多重エネルギーエックス線画像を撮影するかを判断、決定し、その結果に基づいてエックス線発生部210を制御する。
すなわち、対象体の特性が単一エネルギーエックス線画像に対応する場合単一エネルギーエックス線画像を撮影するようにし、対象体の特性が多重エネルギーエックス線画像に対応する場合多重エネルギーエックス線画像を撮影するようにする。
【0043】
対象体が乳房である場合に、画像分析部231で算出された乳房の緻密度があらかじめ設定された第2の基準値を超えると、対象体の特性が多重エネルギーエックス線画像に対応する場合であるとし、越えないと、単一エネルギーエックス線画像に対応する場合であるとすることができる。
ここで、第2の基準値は、対象体の乳房が緻密乳房であるか否かを判断する基準値を意味する。
【0044】
第2の基準値は、設計者又は使用者があらかじめ設定することができ、一例として、BI−RADS(Breast Imaging Reporting and Database System)の分類基準によって緻密度が50%を超えると緻密乳房と判断するように設定することができる。これに限定されず、エックス線画像装置200では実験又は統計によって他の基準値を設定してもよい。
【0045】
また、撮影制御部232は、対象体の特性に基づいて、エックス線発生部210に供給する管電圧、管電流、エックス線露出時間などの撮影条件を制御することもできる。
【0046】
対象体の特性が多重エネルギーエックス線画像に対応するものである場合、エックス線発生部210は、本撮影のために、互いに異なるエネルギー帯域を有する複数のエックス線をそれぞれ照射する。
ここで、照射されるエックス線のエネルギー帯域は、対象体の種類又は対象体の特性に基づいて設定されたものでよい。
【0047】
図5は、エックス線画像装置から照射可能なエックス線のエネルギー帯域を示すグラフである。
図5を参照すると、エックス線発生部は、第1のエネルギー帯域E1のエックス線、第2のエネルギー帯域E2のエックス線、及び第3のエネルギー帯域E3のエックス線を照射することができ、これらの複数のエネルギー帯域は部分的に重なり合うこともある。
【0048】
各エネルギー帯域のエックス線を照射する一実施例として、第1のエネルギー帯域E1のエックス線を照射するために、エックス線発生部210に25kVpの管電圧を供給して、25keVを最大エネルギーE1maxとして有するエックス線を発生させる。
そして、エックス線発生部210の内部又は外部に設けられたフィルタを用いて、照射されるエックス線の最小エネルギーE1minを10keVに調節する。
これにより、第1のエネルギー帯域(E1:10〜25keV)を有するエックス線が照射される。
【0049】
同様に、第2のエネルギー帯域E2のエックス線を照射するために、エックス線発生部110に35kVpの管電圧を供給して、35keVを最大エネルギーE2maxとして有するエックス線を発生させ、フィルタを用いて照射されるエックス線の最小エネルギーE2minを15keVに調節する。
これにより、第2のエネルギー帯域(E2:15〜35keV)を有するエックス線が照射される。
【0050】
同様に、第3のエネルギー帯域E3のエックス線を照射するために、エックス線発生部110に50kVpの管電圧を供給して、50keVを最大エネルギーE3maxとして有するエックス線を発生させ、フィルタを用いて、照射されるエックス線の最小エネルギーE3minを30keVに調節する。
これにより、第3のエネルギー帯域(E3:30〜50keV)を有するエックス線が照射される。
【0051】
再び
図4を参照すると、エックス線検出部220は、対象体を透過した複数のエックス線をそれぞれ検出し、検出されたエックス線から各エネルギー帯域に対する複数の画像信号を取得して第1の画像処理部233aに伝送する。
第1の画像処理部233aは、受信した画像信号を処理して、組織間コントラストの増加した多重エネルギーエックス線画像を生成する。
以下の実施形態では、第1の画像処理部233aが多重エネルギーエックス線画像を生成するために複数の画像信号に対して行う画像処理を多重エネルギー画像処理と称する。
【0052】
多重エネルギー画像処理は、互いに異なるエネルギー帯域を有する複数の画像信号から、エックス線吸収特性が相互に似ている軟組織と病変とのコントラストが増加した画像を生成したり、軟組織と硬組織(骨、石灰化物質など)とのコントラストが増加した画像を生成する画像処理方式であり、エックス線画像装置にはいかなる多重エネルギー画像処理方式が適用されてもよい。
【0053】
以下、多重エネルギー画像処理方式の一つを具体的な実施例として説明する。
図6は、人体を構成する物質別エックス線減衰係数の変化を概略的に示すグラフである。
上述のように、エックス線は、透過する物質の特性によって透過性が異なり、それを数値的に表したのが減衰係数(attenuation coefficient)である。
【0054】
図6のグラフには、人体を構成する物質のうち、骨、筋肉、及び脂肪に対する、エックス線のエネルギーによる減衰係数の変化を示している。
図6から、骨、筋肉、及び脂肪の減衰係数変化がそれぞれ異なり、エックス線のエネルギーによって各物質別減衰係数差も異なることがわかる。
【0055】
図6には、骨、筋肉、及び脂肪に対してのみ減衰係数変化を示したが、脂肪を含む種々の軟組織間にも減衰係数変化に相違がある。
したがって、互いに異なるエネルギー帯域に対する複数の画像信号を用いると、一つの画像内で互いに異なる減衰特性を示す物質を分離することができる。
【0056】
エネルギーEを有するN
0個の光子からなるエックス線の減衰係数をμ(E)とすると、厚さTの対象体を通過した後の光子の数Nは、下記の数式1で表すことができる。
(数1)
N=N
0×e
−μ(E)T
【0057】
エックス線が透過する物質の種類がM個の場合に、m番目の物質の厚さをTmとすると、上記の数式1を下記の数式2のように表すことができる。
(数2)
N=N
0×e
−{μ1(E)T1+μ2(E)T2+…+μM(E)TM}
【0058】
上記の式に基づいて、両辺を測定可能なN
0で除算し、−logを取ることで、画像画素値が決定される。同様の方式により、L個の互いに異なるエネルギーE1,E2,…,ELに対してL個のエックス線画像を得ると、画素値I(E1)は下記の数式3で表すことができる。
(数3)
I(E1)=−log(N(E
1)/N
0)
=μ
1(E
1)T
1+μ
2(E
1)T
2+…+μ
M(E
1)T
M
【0059】
したがって、L個のエックス線画像から各画素に対して上記の数式3のようなL個の方程式を得ることができ、これを行列式で表現すると、下記の数式4のようになる。
(数4)
I=μ・T
【0060】
したがって、L=Mの場合、物質別分離画像は行列演算T=μ
−1・Iを計算して得ることができる。
上記の数式4は、理想的な単色光(Monochromatic)エックス線画像を仮定して誘導した式であるが、一定のエネルギー帯域を有するエックス線画像を用いる場合には、それに合うように上記の数式4を変更して用いることができる。
【0061】
第1の画像処理部233aで生成する多重エネルギーエックス線画像は、上記の方法により物質別に分離された複数の画像、特定物質のみを分離した画像、物質別に分離された複数の画像を用いて、物質の比率差が正常範囲から外れた部分を異常組織として区別して表示する画像、又は、上記複数の画像を合成し、一つの画像において複数物質がそれぞれ強調して表示された画像であってもよい。
【0062】
多重エネルギー画像処理方式の他の実施形態として、互いに異なるエネルギー帯域に対して取得された複数の画像信号から、撮影されていない他のエネルギー帯域に対する画像信号を得る方法もある。
【0063】
図6のグラフに示すように、主に、物質間の減衰係数差は、エックス線のエネルギーが大きくなるほど小さくなり、エックス線のエネルギーが小さくなるほど大きくなる。
そのため、実質組織、脂肪組織、線維組織などの軟組織で構成された乳房に対するエックス線画像を得ようとする場合には、物質間の減衰係数差が大きく現れる低エネルギー帯域のエックス線を用いることが有利である。
【0064】
しかしながら、低エネルギー帯域のエックス線を用いることは、物理的な特性又はエックス線被爆量の制限により限界があり、よって、エックス線被爆量に大きく制限することなく撮影できる複数のエネルギー帯域に対してそれぞれの画像信号を取得し、それらの画像信号から、物質間の減衰係数差が大きく現れる低エネルギー帯域に対する画像信号を推定することで、物質間コントラストの増加したエックス線画像を生成することができる。
【0065】
上記の実施形態は、第1の画像処理部233aで多重エネルギーエックス線画像を生成する例示に過ぎず、これらの実施形態にエックス線画像装置が限定されるわけではない。
【0066】
生成された画像は、ディスプレイ部240で表示され、使用者は、コントラストの増加した画像から病変を容易に判別することができる。
【0067】
再び
図4を参照すると、撮影制御部232は、対象体の特性が単一エネルギーエックス線画像に対応する場合、すなわち、対象体の乳房が緻密乳房でないと判断された場合には、エックス線発生部210が対象体に単一エネルギー帯域のエックス線を照射するようにする。
【0068】
エックス線検出部220は、対象体を透過したエックス線を検出して対象体に関する画像信号を取得する。
取得された画像信号は、第2の画像処理部233bに伝送され、第2の画像処理部233bは該画像信号を画像処理してエックス線画像を生成する。
ここでいう画像処理は、一般的な単一エネルギーエックス線画像を生成するためのノイズ除去、エッジ強化、コントラスト調整などの画像処理を意味する。
【0069】
具体的には、第2の画像処理部233bは、階調処理及び周波数処理などを用いて画像の階調及び周波数対応特性を制御することができる。
空間周波数処理を用いて診断画像の質を向上させることができ、階調処理を用いて客観的な画像強調(image enhancement)を実現することができる。
第2の画像処理部233bでの画像処理に関する内容は周知の技術であるから、その詳細な説明は省略する。
【0070】
生成されたエックス線画像は、ディスプレイ部240で表示され、使用者は、信号対雑音比(SN比)に優れているエックス線画像を分析して病変を判別することができる。
【0071】
上記の実施形態では、事前撮影時に取得された画像信号を分析して対象体の特性を判断するとしたが、
図4の実施形態では、本撮影の画像を分析して対象体の特性を判断することも可能である。
【0072】
具体的には、エックス線発生部210が対象体に第1のエネルギー帯域のエックス線を照射し、エックス線検出部220が対象体を透過したエックス線を検出して画像信号を取得する。
ここで、第1のエネルギー帯域は、単一エネルギーエックス線画像を生成できるエネルギー帯域に該当するもので、事前撮影により設定されてもよく、事前撮影無しに対象体の種類(胸部、腹部、乳房、その他骨格など)に基づいて設定されてもよい。
例えば、対象体が胸部の場合は、最大エネルギーを140keVとする高エネルギー帯域を第1のエネルギー帯域に設定することができ、対象体が乳房の場合は、最大エネルギーを30keVとする低エネルギー帯域を第1のエネルギー帯域に設定することができる。
【0073】
取得された画像信号は、画像分析部231に伝送され、画像分析部231は画像信号を分析して対象体の特性を判断する。
対象体の特性を判断する方法は、前述の通りである。
【0074】
画像分析部231で判断した対象体の特性が多重エネルギーエックス線に対応する場合、撮影制御部232は、エックス線発生部210が第2のエネルギー帯域乃至第nのエネルギー(n≧2、整数)帯域のエックス線を照射するようにし、エックス線検出部220は当該エックス線をそれぞれ検出して画像信号に変換する。
ここで、nは対象体の特性によって設定することができ、nの順序とエネルギーレベルとは相関がない。
【0075】
例えば、対象体が胸部の場合は、n=2に設定して、最大エネルギーを70keVとするエネルギー帯域のエックス線を照射することができ、対象体が乳房の場合は、n=2に設定して、最大エネルギーを50keVとするエネルギー帯域のエネルギーを照射することができる。
高エネルギー及び低エネルギーは相対的な概念であり、対象体が胸部である場合は、最大エネルギーを70keVとするエネルギー帯域のエックス線が低エネルギー帯域のエックス線になり、対象体が乳房の場合は、最大エネルギーを50keVとするエネルギー帯域のエックス線が高エネルギー帯域のエックス線になり得る。
【0076】
変換された画像信号は、第1の画像処理部233aに伝送され、第1の画像処理部233aは、第1のエネルギー帯域に対応する画像信号と残りのエネルギー帯域に対応する画像信号を多重エネルギー画像処理して、組織間コントラストの増加した多重エネルギーエックス線画像を生成し、それをディスプレイ部240に表示する。
【0077】
画像分析部231で判断された対象体の特性が単一エネルギーエックス線画像に対応する場合、エックス線をさらに照射することなく、第1のエネルギーエックス線信号を第2の画像処理部233bに伝送して単一エネルギーエックス線画像を生成する。
【0078】
以上、エックス線発生部で複数のエックス線を照射して多重エネルギーエックス線画像を取得する方式を適用した実施形態を説明した。
以下では、エックス線検出部でエネルギー帯域別にエックス線を分離する方式を適用した実施形態について説明する。
【0079】
図7は、本発明の他の実施形態に係るエックス線画像装置の構成及び制御を示すブロック図である。
図7を参照すると、エックス線画像装置300は、エックス線を発生させて対象体に照射するエックス線発生部310、対象体を透過したエックス線を検出して画像信号を取得するエックス線検出部320、検出されたエックス線を用いて対象体の特性を判断し、その結果に基づいて単一エネルギーエックス線画像又は多重エネルギーエックス線画像を生成する制御部330、及び生成されたエックス線画像を表示するディスプレイ部340を備える。
【0080】
エックス線発生部310は、エックス線の線量を低くして事前撮影を行うことができ、この時、エックス線発生部310で照射するエックス線は、広いエネルギー帯域を含む広帯域エックス線でよい。
ここで、広帯域とは、互いに異なる複数の単一エネルギー帯域を含むエネルギー帯域を意味する。照射されるエックス線のエネルギー帯域は対象体の種類によって異なるように設定することができ、例えば、対象体が胸部の場合は、10〜140keVのエネルギー帯域を有するエックス線を照射することができ、対象体が乳房の場合は、10〜50keVのエネルギー帯域を有するエックス線を照射することができる。
【0081】
照射されたエックス線は、対象体を透過し、対象体を透過したエックス線はエックス線検出部320により検出される。
エックス線検出部320は、光子計数ディテクタ(Photon Counting Dector:以下、PCDと記す)を備えており、検出されたエックス線をエネルギー帯域別に分離することができる。
図8に、PCDの簡略的な回路図を示す。
【0082】
図8を参照すると、PCD500は、エックス線を検出するセンサー領域501と、信号を読みだす読み出し回路領域502とからなり、センサー領域501は、フォトダイオードのような受光素子で構成することができる。
これらの両領域は、バンプボンディング(bump bonding)などのボンディングにより接続することができる。
対象体を透過したエックス線がPCDのセンサー領域501に到達すると、価電子帯に留まっていた電子がエックス線の光子エネルギーを受けてバンドギャップを飛び越えて伝導帯まで励起する。
この励起によって電子−正孔対が空乏領域にも多量発生し、センサー領域501に印加された電界により電子と正孔がそれぞれ反対方向に移動する。
【0083】
電界により移動した電子又は正孔は、バンプボンディングを通じて読み出し回路領域502に入力され、読み出し回路領域502の増幅器502aは、一つの光子から発生した入力電荷を蓄積(charging)し、それに対応する電圧信号を出力する。
出力された電圧信号は比較器502bに入力され、分離しようとするエネルギー帯域に対応する電圧を閾電圧として入力すると、比較器502bは、入力された電圧信号と閾電圧とを比較し、その結果をパルス形態で計数器502cに出力する。
計数器502cは、単位時間当たり比較器の出力パルスを計数することで、入射したエックス線から、一定エネルギー帯域におけるエックス線の大きさ(光子の数で表現される。)を測定する。
【0084】
対象体を透過したエックス線を第1のエネルギー帯域、第2のエネルギー帯域、第3のエネルギー帯域に分離して検出する場合に、読み出し回路領域502には各エネルギー帯域に対応する3個の比較器を設けることができる。
【0085】
エックス線検出部320から最終的に出力する信号は、エネルギー帯域別エックス線画像信号であり、本実施形態において、エックス線画像信号は、ピクセル当たりの光子の数に関する情報を含む。
エックス線検出部320から出力する信号は、第1のエネルギー画像信号、第2のエネルギー画像信号、及び第3のエネルギー画像信号であってもよく、分離されていない全体エネルギー帯域における画像信号であってもよい。
【0086】
ただし、事前撮影時には対象体の特性のみを判断すればよく、ディスプレイ部340に出力される画像は本撮影で再び撮影するので、エックス線検出部320がエネルギー帯域別にエックス線を分離せずに全体エネルギー帯域における画像信号のみを出力することも可能である。
【0087】
再び
図7を参照すると、制御部330は、画像信号を分析して対象体の特性を判断する画像分析部331、画像分析部331の分析結果に基づいてエックス線発生部310又はエックス線検出部320を制御する撮影制御部332、及び多重エネルギーエックス線画像又は単一エネルギーエックス線画像を生成する画像処理部333を備える。
【0088】
画像分析部331は、エックス線検出部320から出力した画像信号のうち少なくとも一つを分析して対象体の特性を判断する。
分析に用いられる画像信号は、第1のエネルギー画像信号、第2のエネルギー画像信号、第3のエネルギー画像信号、及び全体エネルギー帯域における画像信号のいずれであってもよい。
【0089】
画像分析部331は、対象体の組織特性を判断することができ、一実施例として、対象体が乳房であるとき、乳房の緻密度を判断することができる。
画像分析部331の具体的な動作は、前述の実施形態で説明した通りであり、ここではその具体的な説明を省略する。
【0090】
撮影制御部332は、画像分析部331の判断結果に基づいて、対象体の特性が多重エネルギーエックス線画像に対応するか、或いは単一エネルギーエックス線画像に対応するかを判断、決定し、その結果に基づいてエックス線発生部310又はエックス線検出部320を制御して本撮影を始める。
【0091】
対象体の特性が多重エネルギーエックス線画像に対応する場合は、エックス線発生部310から事前撮影時に照射したエックス線よりも大きい線量を有する広帯域エックス線を対象体に照射し、エックス線検出部320は、対象体を透過したエックス線を検出する。
照射されるエックス線のエネルギー帯域は、事前撮影時に照射されたエックス線のエネルギー帯域と同一にしてもよく、対象体の特性に基づいて新しく設定してもよい。
【0092】
エックス線検出部320は、エックス線を検出して電圧信号に変換し、変換された電圧信号を一定エネルギー帯域別に分離する。ここで、分離されるエネルギー帯域は、撮影制御部332又は使用者が対象体の種類によって設定したものであってもよく、撮影制御部332が画像分析部331で分析した対象体の特性によって設定したものであってもよい。
対象体に関する画像信号は、エネルギー帯域別に取得され、取得された画像信号は第1の画像処理部333aに伝送される。
【0093】
第1の画像処理部333aは、エネルギー帯域別の複数の画像信号を多重エネルギー画像処理して組織間コントラストの向上した多重エネルギーエックス線画像を生成し、ディスプレイ部340に表示する。
第1の画像処理部333aの具体的な画像処理動作は、前述の実施形態で説明した通りである。
【0094】
上述の実施形態では事前撮影で取得された画像信号を分析して対象体の特性を判断するとしたが、エックス線画像装置のさらに他の実施形態では、本撮影で取得された画像信号を分析して対象体の特性を判断することも可能である。
【0095】
図9は、本発明のさらに他の実施形態に係るエックス線画像装置の構成及び制御を示すブロック図である。
【0096】
複数のエックス線画像を取得するためにエックス線をエネルギー帯域別に分離して検出する方式を適用する場合には、本撮影時にもエックス線の線量を少なくすることができ、一応エックス線を照射した後に対象体の特性に合うエネルギー帯域を設定することができるので、事前撮影を実行しなくてもよい。
図9の実施形態に係るエックス線画像装置400は、事前撮影の実行有無にかかわらず、本撮影で取得された画像信号を分析するとする。
【0097】
エックス線発生部410から複数のエネルギー帯域を含む広帯域エックス線を対象体に照射する。
対象体を透過したエックス線はエックス線検出部420で電気信号に変換され、PCDを備えているエックス線検出部420は、変換された電気信号を、対象体の種類によってあらかじめ設定されたエネルギー帯域別に分離したり、対象体の特性判断に用いられるエネルギー帯域のみを分離したり、或いは、分離せずに全体エネルギー帯域に対する画像信号を取得する。
【0098】
制御部430の画像分析部431は、対象体に関する画像信号を分析して対象体の特性を判断する。
この時、対象体の特性判断に用いられる画像信号はエックス線検出部420で変換された画像信号の一つであり、エックス線検出部420でエックス線をあらかじめ設定されたエネルギー帯域別に分離した場合には、分離されたエネルギー帯域から一つのエネルギー帯域を選択して当該帯域の画像信号を分析することができる。
例えば、対象体が乳房の場合は、低エネルギー帯域に該当する画像信号を分析することができ、対象体が胸部の場合は、高エネルギー帯域に該当する画像信号を分析することができる。
対象体の特性判断に関する具体的な動作は、前述の実施形態で説明した通りである。
【0099】
撮影制御部432は、画像分析部431で判断した対象体の特性が多重エネルギーエックス線画像に対応するか、或いは単一エネルギーエックス線画像に対応するかを判断、決定する。
【0100】
以下、多重エネルギーエックス線画像又は単一エネルギーエックス線画像を生成する具体的な実施形態を説明する。
エックス線検出部420で複数のエネルギー帯域別に複数の画像信号を取得した場合、これらの複数の画像信号を、エックス線検出部420又は制御部430に設けられたメモリー(図示せず)に記憶させる。
【0101】
撮影制御部432で対象体の特性が多重エネルギーエックス線画像に対応すると判断された場合は、メモリーが複数の画像信号を第1の画像処理部433aに伝送し、第1の画像処理部433aは、多重エネルギー画像処理によって組織間コントラストの増加した多重エネルギーエックス線画像を生成する
【0102】
撮影制御部432で対象体の特性が単一エネルギーエックス線画像に対応すると判断された場合は、メモリーが複数の画像信号のいずれか一画像信号を第2の画像処理部433bに伝送する。
ここで、第2の画像処理部433bから伝送される画像信号は、対象体の種類又は特性によって選択されたものでもよく、画像分析部431で用いられた画像信号でもよい。
【0103】
そして、エックス線検出部420が対象体の特性判断に用いられるエネルギー帯域のみを分離した場合には、対象体の特性が多重エネルギーエックス線画像に対応するものである場合、複数のエネルギー帯域のうち、分離されていない残りの帯域についてもエックス線を分離して、各エネルギー帯域に対する画像信号、及び対象体の特性判断に用いられた画像信号を第1の画像処理部433aに伝送し、対象体の特性が単一エネルギーエックス線画像に対応するものである場合、特性判断に用いられた画像信号を第2の画像処理部433bに伝送する。
【0104】
また、エックス線検出部420がエックス線を分離せずに全体エネルギー帯域のエックス線を画像信号に変換した場合には、対象体の特性が多重エネルギーエックス線画像に対応するものである場合、エックス線検出部420は、複数のエネルギー帯域のそれぞれに対して画像信号を取得して第1の画像処理部433aに伝送する。
対象体の特性が単一エネルギーエックス線画像に対応するものである場合、全体エネルギー帯域の画像信号が第2の画像処理部433bに伝送するか、又はエックス線検出部420が対象体の種類又は対象体の特性によって設定された単一エネルギー帯域に対して画像信号を取得して第2の画像処理部433bに伝送する。
【0105】
エックス線検出部420で分離する複数のエネルギー帯域又は単一エネルギー帯域は、使用者又は撮影制御部432が対象体の種類又は対象体の厚さによってあらかじめ設定したものでもよく、撮影制御部432が画像分析部431で判断した対象体の特性によって設定したものでもよい。
【0106】
以上の実施形態では、対象体の特性に基づいて多重エネルギーエックス線画像及び単一エネルギーエックス線画像のいずれか一方を生成して表示するとしたが、エックス線画像装置は、多重エネルギーエックス線画像、単一エネルギーエックス線画像の両方を生成して表示する実施形態も含むことができる。
【0107】
以下、エックス線画像生成方法の実施形態について詳細に説明する。
図10は、本発明の一実施形態に係るエックス線画像生成方法を説明するためのフローチャートである。
本実施形態は、多重エネルギーエックス線画像を取得するためにエックス線を複数回照射する方式を適用する実施形態のうち、事前撮影時に取得された画像信号を分析する場合に関する。
【0108】
図10を参照すると、まず、事前撮影のために対象体にエックス線を照射する(ステップS611)。
この時に照射されるエックス線は、本撮影に比べて管電流と露出時間を低く調節してエックス線の線量を少なくしたエックス線であり、該エックス線のエネルギー帯域は対象体に対して適切な値に設定する。
例えば、対象体が胸部の場合には120〜140keV程度の高エネルギー帯域を設定でき、対象体が乳房の場合には10〜30keV程度の低エネルギー帯域を設定することができる。
【0109】
次に、対象体を透過したエックス線を検出して(ステップS612)、画像信号を取得する(ステップS613)。
前述したように、対象体を透過したエックス線は、エックス線検出部でピクセル別に検出され、検出されたエックス線は電気信号に変換される。
ここで、電気信号はアナログ信号でもよく、デジタル信号でもよい。ピクセル別電気信号を全体ピクセルに対応するように全部まとめると対象体に関する一つの画像を取得できるので、該電気信号は対象体に関する画像信号に該当する。
【0110】
次に、取得した画像信号を分析して対象体の特性を判断する(ステップS614)。
対象体の特性は、対象体の内部構造に関する特性のうち、画像分析に影響を及ぼす特性とすることができ、例えば、対象体の組織の構成、各組織の割合、特定組織の割合の一つとすることができる。
【0111】
具体的には、対象体が乳房である場合には乳房の緻密度を判断する。
乳房の緻密度は、全体乳房組織に対する実質組織の割合で表すことができ、実質組織の推定基準になる基準値は、実験、統計又は理論によってあらかじめ設定することができる。
【0112】
判断された対象体の特性が多重エネルギーエックス線画像に対応するものであると判断されると(ステップS615のはい)、本撮影を用いて多重エネルギーエックス線画像を生成する。
【0113】
そのために、互いに異なるエネルギー帯域を有する複数のエックス線をそれぞれ対象体に照射する(ステップS616)。
これは、エックス線発生部からエックス線を複数回照射することを意味し、エックス線は順次に照射されるとよい。
照射されるエックス線のエネルギー帯域及びエックス線の照射回数は、対象体の種類によってあらかじめ設定されたものでもよく、画像信号を分析して判断された対象体の特性によって設定されたものでもよい。
【0114】
照射されたエックス線は対象体を透過し、対象体を透過した複数のエックス線をそれぞれ検出して複数の画像信号に変換する(ステップS616)。
図10では、複数のエックス線を照射した後にそれらを検出する例を記載したが、これは説明の便宜のための記載に過ぎず、エックス線画像生成方法は、一番目のエックス線を照射して検出した後に、その次のエックス線を照射して検出する実施例も含む。
【0115】
次に、複数の画像信号を多重エネルギー画像処理して多重エネルギーエックス線画像を生成する(ステップS618)。
ここで、多重エネルギー画像処理は、複数の画像信号から組織間コントラストの向上した一つの画像を取得するための処理で、その具体的な工程は、前述の実施形態で説明した通りである。
【0116】
そして、生成された多重エネルギーエックス線画像をディスプレイ部に表示する(ステップS619)。
使用者は、緻密乳房を組織間コントラストの高い多重エネルギーエックス線画像を用いて分析することによって、病変の有無を効率よく判別することができる。
【0117】
一方、ステップS615で判断された対象体の特性が多重エネルギーエックス線画像に対応するものでない場合(ステップS615のいいえ)、すなわち、対象体の特性が単一エネルギーエックス線画像に対応するものである場合、本撮影を用いて単一エネルギーエックス線画像を生成する。
【0118】
そのために、単一エネルギー帯域のエックス線を対象体に照射する(ステップS621)。
ここで、照射されるエックス線のエネルギーは、事前撮影時に照射されたエックス線のエネルギーと同一にすることができるが、管電流及び露出時間を増加させてエックス線の線量を事前撮影時に比べて増加させることもできる。
【0119】
次に、対象体を透過したエックス線を検出して(ステップS622)画像信号を取得し(ステップS623)、取得した画像信号を画像処理して単一エネルギーエックス線画像を生成する(ステップS624)。
ここで、画像処理は、エックス線画像を生成するのに用いられる一般的な画像処理を意味するので、その詳細な説明は省略する。
その後、生成された画像をディスプレイ部に表示する(ステップS619)。
【0120】
図11は、本発明の他の実施形態に係るエックス線画像生成方法を説明するためのフローチャートである。
本実施形態は、多重エネルギーエックス線画像を取得するためにエックス線を複数回照射する方式を適用した実施形態のうち、事前撮影を実行しない場合に関する。
【0121】
図11を参照すると、まず、第1のエネルギーエックス線を対象体に照射する(ステップS631)。
ここで、第1のエネルギーエックス線は、単一エネルギーエックス線画像を生成するのに使用可能なエックス線を意味し、対象体の種類によって異なるように設定することができる。
【0122】
次に、対象体を透過したエックス線を検出し(ステップS632)、検出されたエックス線から対象体に関する第1のエネルギー画像信号を取得する(ステップS633)。
ここで、第1のエネルギー画像信号は、一般的な単一エネルギーエックス線画像を示す画像信号に該当する。
【0123】
次に、第1のエネルギー画像信号を分析して対象体の特性を判断する(ステップS634)。
対象体の特性判断に関する説明は、
図8で説明した通りである。
【0124】
対象体の特性を判断した結果、対象体の特性が多重エネルギーエックス線画像に対応するかどうかを判断し、対応すると判断された場合(ステップS635のはい)、例えば、対象体の組織が緻密なため、組織間コントラストの向上した画像が要求される場合に、対象体に関する多重エネルギーエックス線画像を生成する。
【0125】
そのために、対象体に第2のエネルギー乃至第nのエネルギー(n≧2、nは整数)帯域のエックス線をそれぞれ照射する(ステップS636)。
ここで、第2のエネルギー乃至第nのエネルギー帯域は互いに異なるエネルギー帯域であり、第1のエネルギー帯域とも異なるエネルギー帯域である。
エックス線はエックス線発生部から順次に照射され、第1のエネルギー乃至第nのエネルギーは、単にエックス線の照射順序を示すもので、エネルギーレベルとは関係していない。エックス線のエネルギーレベル及び互いに異なるエネルギー帯域の数(n)は、対象体の種類によってあらかじめ設定されたものでもよく、画像信号を分析して判断された対象体の特性によって設定されたものでもよい。
【0126】
次に、対象体を透過した第2のエネルギー乃至第nのエネルギーをそれぞれ検出し(ステップS637)、検出されたエックス線から対象体に関する第2のエネルギー画像信号乃至第nのエネルギー画像信号をそれぞれ取得する(ステップS638)。
図11では、第2のエネルギー乃至第nのエネルギーエックス線を照射した後にそれらを検出する例を記載したが、これは説明の便宜のための記載に過ぎず、エックス線画像生成方法は、第2のエネルギーエックス線を照射して検出した後に、その次のエックス線を照射して検出する実施例も含む。
【0127】
次に、第1のエネルギー画像信号乃至第nのエネルギー画像信号を多重エネルギー画像処理して多重エネルギーエックス線画像を生成し(ステップS639)、生成された画像をディスプレイ部に表示する(ステップS640)。
第1のエネルギー画像信号は、対象体の特性判断に用いられた画像信号である。
【0128】
一方、対象体の特性を判断した結果、ステップS635で対象体の特性が多重エネルギーエックス線画像に対応するものでないと判断された場合(ステップS635のいいえ)、例えば、対象体の組織が緻密でなく、単一エネルギーエックス線画像だけでも病変を判別できる場合には、対象体に関する単一エネルギーエックス線画像を生成する。
そのために、取得した第1のエネルギー画像信号を画像処理して第1のエネルギーエックス線画像を生成し(ステップS641)、該画像をディスプレイ部に表示する(ステップS640)。
【0129】
図12は、本発明のさらに他の実施形態に係るエックス線画像生成方法を説明するためのフローチャートである。
本実施形態は、多重エネルギーエックス線画像を取得するためにエックス線をエネルギー帯域別に分離して検出する方式を適用した実施形態のうち、事前撮影を行う場合に関する。
【0130】
図12を参照すると、まず、事前撮影のために対象体にエックス線を照射する(ステップS651)。
この時に照射されるエックス線は、管電流と露出時間を低くしてエックス線の線量又は被爆量を小さくしたエックス線である。
このエックス線は、対象体の種類によって設定されたエネルギー帯域を有すものでもよく、複数のエネルギー帯域を含む広帯域エックス線でもよい。
【0131】
次に、対象体を透過したエックス線を検出し(ステップS652)、検出されたエックス線から対象体に関する画像信号を取得する(ステップS653)。
照射されたエックス線が所定のエネルギー帯域を有する多色光エックス線であると、画像信号取得時に対象体に基づく適切なエネルギー帯域に分離することができる。
例えば、対象体が乳房であると、30keV以下のエネルギー帯域に対する画像信号を取得することができる。
【0132】
次に、対象体に関する画像信号を分析して対象体の特性を判断する(ステップS654)。
対象体の特性判断は、前述の実施形態で説明した通りである。
【0133】
次に、対象体の特性が多重エネルギーエックス線画像に対応すると判断された場合(ステップS655のはい)、例えば、対象体の組織が緻密なため、病変の判別のために組織間コントラストの向上した多重エネルギーエックス線画像が要求される場合には、多重エネルギーエックス線画像を生成する。
【0134】
そのために、対象体にエックス線を照射して本撮影を始める(ステップS656)。
この時に照射されるエックス線は、所定のエネルギー帯域を有する多色光エックス線でもよく、低エネルギー帯域及び高エネルギー帯域の両方を含むものでもよい。
例えば、対象体が乳房であると、10〜50keV帯域を含むエックス線を照射することができる。
【0135】
次に、対象体を透過したエックス線を検出し(ステップS657)、検出されたエックス線をエネルギー帯域別に分離して複数の画像信号を取得する(ステップS658)。
ここで、分離されるエネルギー帯域は、対象体の種類によってあらかじめ設定されたものでもよく、対象体の種類に加えて対象体の特性も考慮して設定されたものでもよい。
複数の画像信号は、エネルギー帯域別画像信号である。
【0136】
次に、複数の画像信号を多重エネルギー画像処理して、組織間コントラストの向上した多重エネルギーエックス線画像を生成し(ステップS659)、生成された画像をディスプレイ部に表示する(ステップS660)。
【0137】
一方、対象体の特性が多重エネルギーエックス線画像に対応するものでないと判断された場合(ステップS655のいいえ)、例えば、対象体の組織が緻密でなく、単一エネルギーエックス線画像からも病変の判別が可能な場合には、単一エネルギーエックス線画像を生成する。
【0138】
そのために、対象体にエックス線を照射して本撮影を始める(ステップS661)。
この時、対象体の種類や特性によって設定された特定エネルギー帯域のエックス線を照射してもよく、上記の特定エネルギー帯域を含む広帯域エックス線を照射してもよい。
【0139】
次に、対象体を透過したエックス線を検出し(ステップS662)、検出されたエックス線から対象体に関する画像信号を取得する(ステップS663)。
照射されたエックス線が特定エネルギー帯域を含む広帯域エックス線である場合は、検出された広帯域エックス線から対象体の種類や特性によって設定された特定エネルギーレベルのエックス線を分離し、当該エネルギーレベルに対する画像信号を取得する。
【0140】
取得した画像信号を画像処理して単一エネルギーエックス線画像を生成し(ステップS664)、生成された画像をディスプレイ部に表示する(ステップS660)。
【0141】
図13は、本発明のさらに他の実施形態に係るエックス線画像生成方法を説明するためのフローチャートである。
本実施形態は、多重エネルギーエックス線画像を取得するためにエックス線をエネルギー帯域別に分離して検出する方式を適用した実施形態のうち、事前撮影を行わない場合に関する。
【0142】
図13を参照すると、まず、対象体にエックス線を照射する(ステップS671)。
この時に照射されるエックス線は、本撮影のためのもので、対象体によって設定された複数のエネルギー帯域を含むエックス線である。
【0143】
次に、対象体を透過したエックス線を検出し(ステップS672)、検出されたエックス線から対象体に関する画像信号を取得する(ステップS673)。
次に、画像信号を分析して対象体の特性を判断する(ステップS674)。
対象体の特性判断に関する説明は、前述の実施形態で説明した通りである。
【0144】
対象体の特性が多重エネルギーエックス線画像に対応すると判断された場合(ステップS675のはい)、例えば、対象体の組織が緻密なため、組織間コントラストの向上した画像が要求される場合には、対象体に関する多重エネルギーエックス線画像を生成する。
【0145】
そのために、ステップS672で検出されたエックス線をエネルギー帯域別に分離して、各エネルギー帯域に対応する複数の画像信号を取得する(ステップS676)。
ここで、分離されるエネルギー帯域は、対象体の種類又は対象体の特性によって設定されたものでよい。
【0146】
取得された複数の画像信号を多重エネルギー画像処理して多重エネルギーエックス線画像を生成し(ステップS677)、生成された画像をディスプレイ部に表示する(ステップS678)。
【0147】
一方、対象体の特性が単一エネルギーエックス線画像に対応すると判断された場合(ステップS675のいいえ)、例えば、対象体の組織が緻密でなく、単一エネルギーエックス線画像からも病変の判別が可能な場合には、対象体に関する単一エネルギーエックス線画像を生成する。
【0148】
そのために、ステップS673段階で取得された画像信号を画像処理して単一エネルギーエックス線画像を生成する(ステップS679)。
すなわち、検出されたエックス線の全体エネルギー帯域に対応するエックス線画像を生成してもよく、他の実施形態として、ステップS673で検出されたエックス線から所望のエネルギー帯域のエックス線を抽出し、抽出されたエックス線から画像信号を取得し、この画像信号から単一エネルギーエックス線画像を生成してもよい。
例えば、対象体が乳房の場合は、低エネルギー帯域10〜30keVのエックス線を抽出することができ、対象体が胸部の場合は、高エネルギー帯域120〜140keVのエックス線を抽出することができる。
【0149】
生成された画像はディスプレイ部に表示され(ステップS678)、使用者は、優れた画質の単一エネルギーエックス線画像を分析して病変を判別することができる。
【0150】
図14は、本発明のさらに他の実施形態に係るエックス線画像生成方法を説明するためのフローチャートである。
本実施形態は、事前撮影を実行せず、対象体の特性判断前にエックス線をエネルギー帯域別に分離する場合に関する。
【0151】
図14を参照すると、まず、対象体にエックス線を照射する(ステップS681)。
この時に照射されるエックス線は、本撮影のためのもので、対象体によってあらかじめ設定された複数のエネルギー帯域を含む。
【0152】
次に、対象体を透過したエックス線を検出し(ステップS682)、検出されたエックス線を上記のエネルギー帯域別に分離して複数の画像信号を取得する(ステップS683)。
これに加えて、全体エネルギー帯域に対する画像信号も取得することができる。
【0153】
次に、複数の画像信号のいずれか一つを分析して対象体の特性を判断する(ステップS684)。
ここで、分析される画像信号は、全体エネルギー帯域に対する画像信号でもよく、対象体に基づく、低エネルギー帯域に対する画像信号又は高エネルギー帯域に対する画像信号でもよい。
【0154】
対象体の特性が多重エネルギーエックス線画像に対応すると判断された場合(ステップS685のはい)、例えば、対象体の組織が緻密なため、組織間コントラストの向上した画像が要求される場合には、多重エネルギーエックス線画像を生成する。
【0155】
そのために、ステップS683で取得した複数の画像信号を多重エネルギー画像処理して多重エネルギーエックス線画像を生成し(ステップS686)、生成された画像をディスプレイ部に表示する(ステップS687)。
【0156】
一方、対象体の特性が多重エネルギーエックス線画像に対応しないと判断された場合(ステップS685のいいえ)、例えば、対象体の組織が緻密でなく、単一エネルギーエックス線画像からも病変の判別ができる場合には、単一エネルギーエックス線画像を生成する。
そのために、上記取得された画像信号の一つを画像処理して単一エネルギーエックス線画像を生成し(ステップS688)、生成された画像をディスプレイ部に表示する(ステップS687)。
【0157】
尚、本発明は、上述の実施形態に限られるものではない。本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。