特許第6234769号(P6234769)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝メディカルシステムズ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6234769-医療情報システム 図000002
  • 特許6234769-医療情報システム 図000003
  • 特許6234769-医療情報システム 図000004
  • 特許6234769-医療情報システム 図000005
  • 特許6234769-医療情報システム 図000006
  • 特許6234769-医療情報システム 図000007
  • 特許6234769-医療情報システム 図000008
  • 特許6234769-医療情報システム 図000009
  • 特許6234769-医療情報システム 図000010
  • 特許6234769-医療情報システム 図000011
  • 特許6234769-医療情報システム 図000012
  • 特許6234769-医療情報システム 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6234769
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】医療情報システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/24 20120101AFI20171113BHJP
   G06F 17/30 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
   G06Q50/24
   G06F17/30 310Z
【請求項の数】5
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-218830(P2013-218830)
(22)【出願日】2013年10月22日
(65)【公開番号】特開2015-82156(P2015-82156A)
(43)【公開日】2015年4月27日
【審査請求日】2016年9月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】東芝メディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000866
【氏名又は名称】特許業務法人三澤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長島 正晃
(72)【発明者】
【氏名】吉田 昌史
(72)【発明者】
【氏名】小西 勇人
【審査官】 宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−238225(JP,A)
【文献】 特開2008−090715(JP,A)
【文献】 特開2007−249251(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
G06F 17/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ーザが所持可能に構成された移動体通信端末に設けられ、他の前記移動体通信端末が定められた距離内に位置したとき、他の前記移動体通信端末からユーザ情報を受信するユーザ情報送受信部と、
医療情報とユーザ情報とを関連付けて記憶し、医療に係るイベントを表すイベント情報を、前記イベントの開催日時と前記ユーザ情報送受信部が前記ユーザ情報を受信した受信日時とに基づいて関連付けて記憶し、前記イベント情報と前記医療情報とを関連付けて記憶する記憶部と、
前記ユーザ情報送受信部により受信された前記ユーザ情報に関連付けられた前記イベント情報に関連付けられた前記医療情報を検索する検索部と
を有することを特徴とする医療情報システム。
【請求項2】
前記検索部は、
前記ユーザ情報に関連付けられた前記イベント情報及び該イベント情報に関連付けられた他のユーザ情報との近接度を算出する近接度算出部を含み、
算出された前記近接度が高い前記医療情報を検索する
ことを特徴とする請求項に記載の医療情報システム。
【請求項3】
前記移動体通信端末の位置を測定する測位部をさらに有し、
前記憶部は、前記信日時と前記測位部が測定した位置とに基づいて前記イベント情報と前記ユーザ情報とを関連付けて記憶する
ことを特徴とする請求項に記載の医療情報システム。
【請求項4】
新たにイベント情報を作成するためのイベント情報作成条件を予め記憶し、前記信日時と前記測位部が測定した位置とによって前記イベント情報作成条件が満されたとき、イベント情報を新たに作成し、前記憶部に記憶させるイベント情報作成部をさらに有することを特徴とする請求項に記載の医療情報システム。
【請求項5】
前記近接度算出部は、前記近接度の算出のために用いた情報を当該医療情報に付与し、
前記近接度算出部から、前記医療情報と該医療情報に付与された情報とを受け、該情報を異なる表示態様で表示部に表示させる表示制御部をさらに有する
ことを特徴とする請求項に記載の医療情報システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は医療情報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子カルテシステム、医学論文データベースなどの医療情報システムは、病院、診療所などの医療機関において、医師や看護師が診断や処置についての判断を行う際に、コンピュータを介して診断や処置を支援する情報システムである。
【0003】
このような医療情報システムは、医師、看護師、臨床工学技士、薬剤師、理学・作業療法士、診療情報管理士、医療情報技師、社会福祉士、栄養士などの医療従事者によって使用される。
【0004】
医療従事者は、例えばMDT(Multi Disciplinary Team)ミーティングを行うことによって、患者の治療方針の決定に役立てる場合がある。MDTミーティングとは、参加者の職種ごとの専門性や職務実績などに基づく情報交換を行うミーティングである。また、医療従事者は、学会や展示会などでも研究論文の内容や、医療機器に関する情報など、医療情報の情報交換を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−80212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、医療従事者は、一般的に、多くの患者に関する医療行為を行っており、多忙である。それにより、MDTミーティング、学会、展示会などでの情報交換の内容は、MDTミーティングの議題、学会の趣旨、展示会のテーマに直接関係する内容が主であり、限定的なものとなっていた。従って、医療従事者は、MDTミーティング、学会、展示会などで同席した他の医療従事者が情報交換した内容とは異なる分野の医療分野について詳しい知見を持っていたとしても、異なる分野に詳しいことすら知らない場合があった。また、医療従事者(医療情報システムのユーザ)が、従来の医療情報システムを用いて、カルテ情報やMDTミーティングの議事録及びミーティングで用いられたスライド資料、論文などの学会資料、医療機器の仕様書などの情報を調べる場合、従来の医療情報システムは、例えば入力されたキーワードを含む情報を、表示するものであった。従って、ユーザは、調べたい情報に医学的に関連する情報や、詳しい知見を備えるユーザを調べたいとき、自分自身でキーワードを工夫して考えて入力しなければならず、煩わしい作業を強いられていた。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、所望の医療情報に関わる医療従事者及び関連した医療情報を簡便に検索することができる医療情報システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態に係る医療情報システムは、ーザ情報送受信部と、記憶部と、検索部とを有する。ーザ情報送受信部は、ユーザが所持可能に構成された移動体通信端末に設けられ、他の移動体通信端末が定められた距離内に位置したとき、他の移動体通信端末からユーザ情報を受信する。記憶部は、医療情報とユーザ情報とを関連付けて記憶し、医療に係るイベントを表すイベント情報を、イベントの開催日時とユーザ情報送受信部がユーザ情報を受信した受信日時とに基づいて関連付けて記憶し、イベント情報と医療情報とを関連付けて記憶する。検索部は、ユーザ情報送受信部により受信されたユーザ情報に関連付けられたイベント情報に関連付けられた医療情報を検索する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る医療情報システムの構成を表すブロック図である。
図2】実施形態に係る医療情報システムの概略を表す模式図である。
図3】実施形態に係る医療情報システムの概略を表す模式図である。
図4】実施形態に係る医療情報システムの概略を表す模式図である。
図5】実施形態に係る医療情報システムの概略を表す模式図である。
図6】実施形態に係る医療情報システムの動作を表すフローチャートである。
図7】実施形態に係る医療情報システムの動作を表すフローチャートである。
図8】実施形態に係る医療情報システムの動作を表すフローチャートである。
図9】実施形態に係る医療情報システムの構成を表すブロック図である。
図10】実施形態に係る医療情報システムの動作を表すフローチャートである。
図11】実施形態に係る医療情報システムの構成を表すブロック図である。
図12】実施形態に係る医療情報システムの動作を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〈第1の実施形態〉
[構成]
図1は、この実施形態の医療情報システム1の構成を表すブロック図である。医療情報システム1は、記憶部10と、移動体通信端末5と、検索部6と、ネットワーク7と、入出力端末8とを有する。記憶部10は、医療情報とユーザ情報とを関連付けて記憶する(詳細は後述)。記憶部10は、ユーザ情報記憶部2と、医療情報記憶部3と、イベント情報記憶部4とを有する。
【0011】
(ユーザ情報記憶部2)
ユーザ情報記憶部2は、ユーザを特定可能な情報であるユーザ情報を予め記憶する。図2は、ユーザ情報の概略を表す模式図である。ユーザ情報は、ユーザ識別情報、職歴情報、学歴情報、及び研究歴情報を含む。ユーザ識別情報は、医療情報システム1の使用者(ユーザ)を識別するための情報である。ユーザ識別情報は、ユーザID、氏名、生年月日、職歴ID、学歴ID、研究歴IDを含む。職歴情報は、ユーザの職歴を表す情報である。職歴情報は、職歴ID、職歴組織名、職歴組織部門、職歴開始日、及び職歴終了日を含む。学歴情報は、ユーザの学歴を表す情報である。学歴情報は、学歴ID、学歴組織名、学歴組織部門、学歴開始日、及び学歴終了日を含む。研究歴情報は、ユーザの研究歴情報を表す情報である。研究歴情報は、研究歴ID、研究機関名、研究機関部門、研究歴開始日、研究歴終了日を含む。
【0012】
(医療情報記憶部3)
医療情報記憶部3は、ユーザによる医療情報の入力を受け、入力された医療情報と該医療情報を入力したユーザのユーザ情報とを関連付けて記憶する。例えば医療情報記憶部3は、入出力端末8、ネットワーク7、及び検索部6を介してユーザによる医療情報の入力を受ける。図3は、医療情報の概略を表す模式図である。医療情報は、例えば、カルテ情報、論文情報、及び医療機器情報を含む。カルテ情報は、カルテ識別情報及びカルテ内容情報を含む。カルテ識別情報は、カルテ情報を識別するための情報である。カルテ識別情報は、カルテ情報作成ユーザID、作成日時、カルテ情報更新ユーザID、更新日時、医療情報ID、患者ID、オーダー情報、診療開始日時、及び入院・外来区分を含む。カルテ内容は、患者の診療録を表す情報であり、例えば所見を表す情報を含む。医療情報記憶部3は、カルテ情報の入力を受けたとき、該カルテ情報を入力したユーザのユーザIDをカルテ情報作成ユーザIDとして記憶する。それにより、カルテ情報を入力したユーザのユーザ情報と該カルテ情報とが関連付けられる。また、医療情報記憶部3は、カルテ情報を更新する入力を受けたとき、該カルテ情報を更新したユーザのユーザIDをカルテ情報更新ユーザIDとして記憶する。それにより、カルテ情報を更新する入力をしたユーザのユーザ情報と該カルテ情報とが関連付けられる。なお、医療情報は、医師、看護師、臨床工学技士、薬剤師、理学・作業療法士、診療情報管理士、医療情報技師、社会福祉士、栄養士等の医療従事者による他の情報を含んでもよい。カルテ内容情報は、当該患者についての診療記録を表す情報である。
【0013】
論文情報は、論文識別情報及び論文内容情報を含む。論文識別情報は、論文情報を識別するための情報である。論文識別情報は、論文情報作成ユーザID、医療情報ID、及び論文題名を含む。医療情報記憶部3は、論文情報の入力を受けたとき、該論文情報を入力したユーザのユーザIDを論文情報作成ユーザIDとして記憶する。それにより、論文情報を入力したユーザのユーザ情報と該論文情報とが関連付けられる。論文内容情報は、当該論文の内容を表す文字情報や図表情報である。
【0014】
医療機器情報は、医療機器識別情報及び仕様情報を含む。医療機器識別情報は、医療機器情報を識別するための情報である。医療機器識別情報は、医療機器情報作成ユーザID、医療情報ID、及び機器種別情報を含む。医療情報記憶部3は、医療機器情報の入力を受けたとき、該医療機器情報を入力したユーザのユーザIDを医療機器情報作成ユーザIDとして記憶する。それにより、医療機器情報を入力したユーザのユーザ情報と該医療機器情報とが関連付けられる。機器種別情報は、例えばX線CT装置や超音波診断装置などの医療機器の種別を表す情報である。仕様情報は、当該機器の使用を表す文字情報や図表情報である
【0015】
(イベント情報記憶部4)
イベント情報記憶部4は、複数のユーザが参加する医療に係るイベントについて、該イベントの開催日時を含む情報であるイベント情報の入力を受け、該イベント情報を記憶する。医療に係るイベントは、MDTミーティング、学会、及び展示会を含む。図4は、イベント情報の概略を表す模式図である。イベント情報は、イベント識別情報、資料情報、参加者情報及び単語情報を含む。例えばイベント情報記憶部4は、入出力端末8、ネットワーク7、及び検索部6を介してユーザによるイベント識別情報の入力を受ける。イベント識別情報は、イベント情報を識別するための情報である。イベント識別情報は、イベントID、イベント名、開催場所、イベント情報作成ユーザID、開始日時、終了日時、及びイベント種別を含む。ここで、開始日時と終了日時とが当該イベントの開催日時を表す。また、例えばイベント情報記憶部4は、入出力端末8、ネットワーク7、及び検索部6を介してユーザによる資料情報の入力を受ける。資料情報は、例えば、MDTミーティングの会議資料や議事録、学会の予稿集、展示会の概要資料を表す情報である。参加者情報は、イベント情報毎に作成される。参加者情報は、イベントID及び参加者IDを含む。単語情報については後述する。
【0016】
(移動体通信端末5)
移動体通信端末5は、ユーザが所持可能に構成される。移動体通信端末5は、ネットワーク7を介して検索部6と情報を送受信することができる。移動体通信端末5は、所持ユーザ情報記憶部50とユーザ情報送受信部51とを有する。
【0017】
(所持ユーザ情報記憶部50)
所持ユーザ情報記憶部50は、移動体通信端末5に設けられる。所持ユーザ情報は、当該移動体通信端末5を所持するユーザのユーザ情報である。例えば、所持ユーザ情報記憶部50は、少なくとも該ユーザのユーザ情報のうちのユーザIDを所持ユーザ情報として予め記憶する。
【0018】
(ユーザ情報送受信部51)
ユーザ情報送受信部51は、移動体通信端末5に設けられ、他の移動体通信端末5が定められた距離内に位置したとき、該移動体通信端末5からユーザ情報を受信する。このとき、ユーザ情報送受信部51は、ユーザ情報を互いに送受信する。ユーザ情報送受信部51は、定められた距離内に位置する移動体通信端末5同士で直接通信が可能な所定の近距離通信規格に基づいて構成される。ここで定められた距離とは、移動体通信端末5同士の距離であり、MDTミーティング、学会、又は展示会の各種イベントにおいて、ユーザ同士が情報交換を行うとき、ユーザ同士が互いに位置する距離(例えば、数メートルや数十メートルなど)を想定した距離である。この距離は、適宜設計されてよい。ユーザ情報送受信部51は、例えば一定の時間間隔で他の移動体通信端末5を捜索し、定められた距離内に他のユーザの移動体通信端末5が位置したとき、該移動体通信端末5を検知する。ここで、ユーザに所持される移動体通信端末5のそれぞれによってこの捜索及び検知が行われるので、一方の移動体通信端末5が他方の移動体通信端末5を検知したとき、他方の移動体通信端末5も一方の移動体通信端末5を検知する。そして、ユーザ情報送受信部51は、他のユーザの移動体通信端末5を検知したとき、ユーザ情報を互いに送受信する。移動体通信端末5は、受信した他のユーザのユーザ情報を記憶する。
【0019】
また、ユーザ情報送受信部51がユーザ情報を送受信したとき、移動体通信端末5は、送受信した日時である送受信日時と該移動体通信端末5のユーザのユーザ情報とを関連処理部60へネットワーク7を介して出力する。
【0020】
(検索部6)
検索部6は、ユーザ情報送受信部51により受信されたユーザ情報に基づいて、医療情報記憶部3に記憶された医療情報を検索する。例えば、検索部6は、ユーザ情報送受信部51により受信されたユーザ情報に関連付けられた医療情報を検索する。また、検索部6は、ユーザ情報送受信部51により受信されたユーザ情報に関連付けられたイベント情報に関連付けられた医療情報を検索してもよい。このことは、検索部6が、イベント情報を介して間接的にユーザ情報に関連付けられた医療情報を検索することに相当する。また、検索部6は、後述する近接度算出部62により算出された近接度が高い医療情報を検索してもよい。検索部6は、移動体通信端末5又は入出力端末8とネットワーク7を介して情報を送受信する。また、検索部6は、ユーザ情報記憶部2、医療情報記憶部3、又はイベント情報記憶部4に対して各種情報を書き込み又は読み出しを行う。検索部6は、関連処理部60と解析部61と近接度算出部62とを有する。
【0021】
(関連処理部60)
関連処理部60は、イベント情報記憶部4による開催日時とユーザ情報送受信部51がユーザ情報を送受信した日時である送受信日時とに基づいて、イベント情報とユーザ情報とを関連付ける。このとき、関連処理部60は、イベント情報記憶部4に記憶されているイベント情報について、受けた送受信日時を開催日時のうちに含むイベント情報を検索する。関連処理部60は、検索したイベント情報とユーザ情報とを関連付ける。このとき、関連処理部60は、参加者情報を作成し、イベント情報記憶部4に記憶させる。参加者情報は、イベント情報毎に作成される。参加者情報は、イベントID及び参加者IDを含む。関連処理部60は、受けたユーザIDを参加者IDとしてイベント情報記憶部4に記憶させる。それにより、イベントの開催日時にユーザ情報を送受信したユーザのユーザ情報と該開催日時におけるイベント情報とが関連付けられる。
【0022】
例えば、MDTミーティングが開催されているとき、該MDTミーティングに参加しているユーザ及び該ユーザの移動体通信端末5は、ユーザ情報送受信部51において定められた距離内に位置している。このとき、関連処理部60は、ユーザ情報送受信部51が互いにユーザ情報を送受信した送受信日時を受け、受けた送受信日に該当するイベント情報について、参加者情報を作成する。それにより、当該MDTミーティングに参加したユーザを参加者とした参加者情報が作成される。関連処理部60は、イベント情報記憶部4にイベント情報と参加者情報とを関連付けてイベント情報記憶部4に記憶させる。
【0023】
また、関連処理部60は、ユーザによる医療情報の入力を受けイベント情報と医療情報とを関連づけて医療情報記憶部3及びイベント情報記憶部4に記憶させる。このとき、関連処理部60は、医療情報にイベント情報のイベントIDを付帯させて記憶させる。また、関連処理部60は、イベント情報に医療情報の医療情報IDを付帯させて記憶させる。例えば、関連処理部60は、MDTミーティングにおける患者のカルテ情報や参照された症例を表す論文情報等の医療情報を該MDTミーティングのイベント情報に関連付ける。それにより、ユーザは、イベント情報を参照したとき、該イベントに用いられた医療情報を簡便に閲覧することができる。
【0024】
(解析部61)
解析部61は、医療情報記憶部3が医療情報を記憶したとき、医療情報の内容を解析する。例えば、解析部61は、医療情報について構文解析を行う。この構文解析の方法は、適宜設計されてよい。例えば、解析部61は、医療情報に含まれる単語についてその出現回数を求め、単語情報を作成する。図5は、単語情報の概略を表す模式図である。単語情報は、イベントIDと単語とその出現回数とを含む。また、単語情報は、関連付けられた医療情報の医療情報IDを含んでもよい。また、単語情報は、関連付けられたイベント情報のイベントIDを含んでもよい。解析部61は、作成した単語情報を当該医療情報に関連付けて医療情報記憶部3に記憶させる。
【0025】
また、解析部61は、医療情報に関連付けられたイベント情報を検索し、該医療情報に関連付けられたイベント情報の単語情報をイベント情報記憶部4に記憶させる。このとき、イベント情報に既に単語情報が記憶されているとき、既に記憶されている単語情報と新たな単語情報とを合成した合成単語情報を、当該イベント情報に関連付けられた単語情報としてイベント情報記憶部4に記憶させる。既に記憶されている単語情報と新たな単語情報との双方に含まれる単語について、解析部61は、該単語について既に記憶されている単語情報における出現回数と新たな単語情報における出現回数とを合計する。既に記憶されている単語情報と新たな単語情報とのいずれか一方に含まれる単語について、解析部61は、該単語及び出現回数を合成し、単語情報に新たに加える。
【0026】
また、解析部61は、特定のユーザによる医療情報の入力を新たに受け、該医療情報について構文解析を行い、単語情報を近接度算出部62へ出力する。
【0027】
(近接度算出部62)
近接度算出部62は、ユーザ情報に関連付けられたイベント情報及び該イベント情報に関連付けられた他のユーザ情報との近接度を算出する。例えば、近接度算出部62は、特定のユーザによる医療情報の入力を新たに受け、該特定のユーザのユーザ情報に関連付けられたイベント情報及び該イベントに関連付けられたユーザ情報と新たに受けた医療情報との近接度を算出する。ここで、特定のユーザとは、新たな医療情報を入力したユーザである。以下、該特定のユーザのユーザ情報を特定のユーザ情報と称する。例えば、近接度算出部62は、受けた新たな医療情報についての単語情報を解析部61から受ける。また、近接度算出部62は、既に記憶されている医療情報に関連付けられた単語情報について、新たな医療情報に共通して含まれる単語の数とその単語の出現回数とを算出する。近接度算出部62は、算出された共通して含まれる単語の数とその単語の出現回数とが多いほど近接度を高く算出する。このことは、近接度算出部62が、相関の高い情報同士について近接度を高く算出することに相当する。近接度算出部62は、算出した近接度が高い所定数の医療情報を入出力端末8へネットワーク7を介して出力する。つまり、新たに入力された医療情報に類似した内容の医療情報が入出力端末8へ出力される。なお、近接度算出部62は、一般的な協調フィルタリング技術によって、近接度を算出してもよい。
【0028】
また、近接度算出部62は、特定のユーザ情報が関連付けられたイベント情報について、新たに受けた医療情報との近接度を算出する。このことは、新たに受けた医療情報と特定のユーザが参加したイベントのイベント情報との近接度が算出されることに相当する。近接度算出部62は、特定のユーザ情報が関連付けられたイベント情報を読み出す。また、近接度算出部62は、読み出したイベント情報に資料情報として関連付けられた医療情報を読み出す。近接度算出部62は、読み出した医療情報についての単語情報と新たに受けた医療情報についての単語情報とを解析部61から受け、読み出した医療情報について、新たに受けた医療情報との近接度を算出する。近接度算出部62は、特定のユーザ情報に関連付けられたイベント情報のうち、新たに受けた医療情報との近接度が高い医療情報が多く関連付けられたイベント情報ほど近接度を高く算出する。近接度算出部62は、算出した近接度が高い所定数のイベント情報を入出力端末8へネットワーク7を介して出力する。つまり、特定のユーザが過去に参加したイベントのイベント情報のうち、新たに入力された医療情報に類似した資料情報が関連付けられたイベント情報が入出力端末8へ出力される。例えば、特定のユーザが或る症例に関する医療情報を入力したとき、該症例に類似した症例について開催された過去のMDTミーティングのイベント情報は近接度が高く算出される。そして、近接度が高く算出されたMDTミーティングのイベント情報が入出力端末8へ出力される。
【0029】
また、近接度算出部62は、特定のユーザ情報が関連付けられたイベント情報の参加者情報として関連付けられた他のユーザのユーザ情報を読み出し、読み出したユーザ情報に関連付けられた医療情報について、新たに受けた医療情報との近接度を算出する。このことは、特定のユーザが参加したイベントに参加した他のユーザ、即ち、特定のユーザと互いにユーザ情報を送受信したユーザによって入力された医療情報と新たに入力された医療情報との近接度が算出されることに相当する。近接度算出部62は、特定のユーザ情報が関連付けられたイベント情報を読み出す。また、近接度算出部62は、読み出したイベント情報に参加者情報として関連付けられたユーザ情報を読み出す。さらに、近接度算出部62は、読み出したユーザ情報に関連付けられた医療情報を読み出す。近接度算出部62は、読み出した医療情報についての単語情報と新たに受けた医療情報についての単語情報とを解析部61から受け、読み出した医療情報について、新たに受けた医療情報との近接度を算出する。近接度算出部62は、特定のユーザ情報が関連付けられたイベント情報の参加者情報として関連付けられた他のユーザのユーザ情報のうち、新たに受けた医療情報との近接度が高い医療情報が多く関連付けられたユーザ情報ほど新たに受けた医療情報との近接度を高く算出する。近接度算出部62は、算出した近接度が高い所定数のユーザ情報を入出力端末8へネットワーク7を介して出力する。このことは、特定のユーザと互いにユーザ情報を送受信したユーザのユーザ情報のうち、新たな医療情報に類似した医療情報を過去に入力したユーザのユーザ情報が入出力端末8へ出力されることに相当する。
【0030】
ネットワーク7は、移動体通信端末5、検索部6、及び入出力端末8との間で各種情報を通信する。ネットワーク7は、通信回線によって構成される。この通信回線は適宜設計されてよい。
【0031】
入出力端末8は、ユーザ情報記憶部2に記憶されたユーザ情報、医療情報記憶部3に記憶された医療情報、若しくはイベント情報記憶部4に記憶されたイベント情報をユーザが閲覧するとき、又はユーザによって医療情報が入力されるときに用いられる。入出力端末8は、キーボード等の操作部及び液晶ディスプレイ等の表示部を有する。入出力端末は、例えばパーソナルコンピュータやシンクライアント型端末等によって構成される。例えば、入出力端末8は、新たに受けた医療情報との近接度が高い所定数の医療情報を近接度算出部62から受け、表示部に表示する。また、入出力端末8は、新たに受けた医療情報との近接度が高い所定数のイベント情報を近接度算出部62から受け、表示部に表示する。また、入出力端末8は新たに受けた医療情報との近接度が高い所定数のユーザ情報を近接度算出部62から受け、表示部に表示する。
【0032】
[動作]
この実施形態の医療情報システム1の動作について説明する。図6は医療情報システム1が医療情報及びイベント情報を記憶する動作を表すフローチャートである。
【0033】
(S001)
医療情報記憶部3は、ユーザによる医療情報の入力を受け、入力された医療情報と該医療情報を入力したユーザのユーザ情報とを関連付けて記憶する。
【0034】
(S002)
解析部61は、医療情報記憶部3が記憶した医療情報を解析する。例えば解析部61は、医療情報に含まれる単語についてその出現回数を求め、単語情報を作成する。解析部61は、作成した単語情報を医療情報及び該医療情報に関連付けられたイベント情報に関連付けて医療情報記憶部3及びイベント情報記憶部4に記憶させる。
【0035】
(S003)
イベント情報記憶部4は、複数のユーザが参加する医療に係るイベントについて、該イベントの開催日時を含む情報であるイベント情報の入力を受け、該イベント情報を記憶する。
【0036】
図7は医療情報システム1がイベント情報とユーザ情報とを関連付ける動作を表すフローチャートである。
【0037】
(S101)
ユーザ情報送受信部51は、定められた距離内について、他の移動体通信端末5を捜索する。
【0038】
(S102)
ユーザ情報送受信部51が、定められた距離内に他の移動体通信端末5を検知したとき、ステップS103へ進む。ユーザ情報送受信部51が、定められた距離内に他のユーザの移動体通信端末5を検知しないとき、ステップS101へ戻る。
【0039】
(S103)
ユーザ情報送受信部51は、検知した他のユーザの移動体通信端末5のユーザ情報送受信部51とユーザ情報を互いに送受信する。
【0040】
(S104)
移動体通信端末5は、送受信した日時である送受信日時と該移動体通信端末5のユーザのユーザ情報とを関連処理部60へネットワーク7を介して出力する。
【0041】
(S105)
関連処理部60は、イベント情報記憶部4に記憶されているイベント情報について、受けた送受信日時を開催日時のうちに含むイベント情報を検索する。
【0042】
(S106)
イベント情報記憶部4に、送受信日時を開催日時のうちに含むイベント情報が記憶されていたとき、ステップS107へ進む。イベント情報記憶部4に、送受信日時を開催日時のうちに含むイベント情報が記憶されていないとき、ステップS101へ戻る。
【0043】
(S107)
関連処理部60は、検索したイベント情報とユーザ情報とを関連付ける。このとき、関連処理部60は、参加者情報を作成し、イベント情報記憶部4に記憶させる。
【0044】
図8は医療情報システム1が新たに医療情報の入力を受けたときの動作を表すフローチャートである。
【0045】
(S201)
解析部61は、特定のユーザによる医療情報の入力を新たに受け、該医療情報について構文解析を行い、単語情報を近接度算出部62へ出力する。
【0046】
(S202)
近接度算出部62は、既に記憶されている医療情報について、新たに受けた医療情報との近接度を算出する。近接度算出部62は、算出した近接度が高い所定数の医療情報を入出力端末8へネットワーク7を介して出力する。
【0047】
(S203)
近接度算出部62は、特定のユーザ情報が関連付けられたイベント情報について、新たに受けた医療情報との近接度を算出する。算出した近接度が高い所定数のイベント情報を入出力端末8へネットワーク7を介して出力する。
【0048】
(S204)
近接度算出部62は、特定のユーザ情報が関連付けられたイベント情報の参加者情報として関連付けられた他のユーザのユーザ情報を読み出し、読み出したユーザ情報に関連付けられた医療情報について、新たに受けた医療情報との近接度を算出する。近接度算出部62は、特定のユーザ情報が関連付けられたイベント情報の参加者情報として関連付けられた他のユーザのユーザ情報のうち、新たに受けた医療情報との近接度が高い医療情報が多く関連付けられたユーザ情報ほど新たに受けた医療情報との近接度を高く算出する。近接度算出部62は、算出した近接度が高い所定数のユーザ情報を入出力端末8へネットワーク7を介して出力する。
【0049】
(S205)
入出力端末8は、新たに受けた医療情報との近接度が高い所定数の医療情報を近接度算出部62から受け、表示部に表示する。また、入出力端末8は、新たに受けた医療情報との近接度が高い所定数のイベント情報を近接度算出部62から受け、表示部に表示する。また、入出力端末8は新たに受けた医療情報との近接度が高い所定数のユーザ情報を近接度算出部62から受け、表示部に表示する。
【0050】
[効果]
この実施形態の医療情報システム1の効果について説明する。医療情報システム1は、記憶部10と、ユーザ情報送受信部51と、検索部6とを有する。記憶部10は、医療情報とユーザ情報とを関連付けて記憶する。ユーザ情報送受信部51は、ユーザが所持可能に構成された移動体通信端末5に設けられ、他の移動体通信端末5が定められた距離内に位置したとき、他の移動体通信端末5からユーザ情報を受信する。検索部6は、ユーザ情報送受信部51により受信されたユーザ情報に基づいて、記憶部10に記憶された医療情報を検索する。また、検索部6は、ユーザ情報送受信部51により受信されたユーザ情報に関連付けられた医療情報を検索する。また、記憶部10は、イベント情報記憶部4を含む。イベント情報記憶部4は、医療に係るイベントを表すイベント情報を、イベントの開催日時とユーザ情報送受信部51がユーザ情報を受信した受信日時とに基づいて関連付けて記憶する。記憶部10は、イベント情報と医療情報とを関連付けて記憶する。検索部6は、ユーザ情報送受信部51により受信されたユーザ情報に関連付けられたイベント情報に関連付けられた医療情報を検索する。また、検索部6は、近接度算出部62を含む。近接度算出部62は、ユーザ情報に関連付けられたイベント情報及び該イベント情報に関連付けられた他のユーザ情報との近接度を算出する。検索部6は、算出された近接度が高い医療情報を検索する。このように、医療情報システム1は、新たに入力された、医療情報との相関が高く、かつ、該医療情報を入力したユーザと互いにユーザ情報を送受信した他のユーザ及び該ユーザに係る医療情報を求めることができる。それにより、所望の医療情報に関わる医療従事者及び関連した医療情報を簡便に検索するができる医療情報システム1を提供することができる。
【0051】
〈第2の実施形態〉
[構成]
図9は、この実施形態の医療情報システム1の構成を表すブロック図である。この実施形態の医療情報システム1は、第1の実施形態の医療情報システム1と異なり、イベント情報記憶部4に記憶された開催日時及び開催場所に基づいて、ユーザ情報とイベント情報とが関連付けられる。この実施形態の医療情報システム1は、さらに測位部9を有する。以下、第1の実施形態の医療情報システム1に対して構成が異なる構成要素について説明する。
【0052】
(測位部9)
測位部9は、ユーザ毎に所有される移動体通信端末5の位置を測定する。例えば測位部9は、移動体通信端末5の位置を測定するための測位送信信号を移動体通信端末5へ送信する。また、測位部9は、ネットワーク7を介して移動体通信端末5からの測位受信信号を受ける。測位部9は、受けた測位受信信号に基づいて移動体通信端末5の位置を測定する。なお、測位部9は、例えば一般的なNSS(navigation satellite system)に基づいて設計されてよい。測位部9は、測定した位置を関連処理部60へネットワーク7を介して出力する。なお、測位部9は、所定の時間間隔で移動体通信端末5の位置を測定し、測定した位置を所定の時間間隔で関連処理部60へ出力する。
【0053】
(移動体通信端末5)
移動体通信端末5は、さらに位置情報部52を有する。位置情報部52は、測位部9からの測位送信信号を受信したとき、受信した事象を表す測位受信信号を測位部9へネットワーク7を介して出力する。なお、位置情報部52は、例えば一般的なNSSに基づいて設計されてよい。
【0054】
(関連処理部60)
関連処理部60は、イベント記憶部による開催日時及び開催場所とユーザ情報送受信部51がユーザ情報を送受信した日時である送受信日時及び移動体通信端末5の位置とに基づいて、イベント情報とユーザ情報とを関連付ける。関連処理部60は、移動体通信端末5による送受信日時を受けるとともに、測位部9が測定した移動体通信端末5の位置を受ける。関連処理部60は、受けた送受信日時を開催日時のうちに含み、且つ、受けた位置を開催場所に含むイベント情報を検索する。ここで、関連処理部60は、所定の時間間隔で移動体通信端末5の位置を受けている。関連処理部60は、送受信時間を受けたとき、移動体通信端末5の最新の位置に基づいてイベント情報を検索する。関連処理部60は、検索したイベント情報とユーザ情報とを関連付ける。このとき、関連処理部60は、参加者情報を作成し、イベント情報記憶部4に記憶させる。
【0055】
[動作]
この実施形態の医療情報システム1の動作について説明する。図10はこの実施形態の医療情報システム1の動作を表すフローチャートである。
【0056】
(S301)
測位部9は、移動体通信端末5の位置を測定する。測位部9は、測定した位置を関連処理部60へ出力する。関連処理部60は測定された位置を受ける。
【0057】
(S302)
ユーザ情報送受信部51は、定められた距離内について、他の移動体通信端末5を捜索する。
【0058】
(S303)
ユーザ情報送受信部51が、定められた距離内に他の移動体通信端末5を検知したとき、ステップS304へ進む。ユーザ情報送受信部51が、定められた距離内に他の移動体通信端末5を検知しないとき、ステップS301へ戻る。
【0059】
(S304)
ユーザ情報送受信部51は、検知した他の移動体通信端末5のユーザ情報送受信部51とユーザ情報を互いに送受信する。
【0060】
(S305)
移動体通信端末5は、送受信した日時である送受信日時と該移動体通信端末5のユーザのユーザ情報とを関連処理部60へネットワーク7を介して出力する。
【0061】
(S306)
関連処理部60は、受けた送受信日時を開催日時のうちに含み、且つ、受けた位置を開催場所に含むイベント情報を検索する。
【0062】
(S307)
イベント情報記憶部4に、受信日時を開催日時のうちに含み、且つ、受けた位置を開催場所に含むイベント情報が記憶されていたとき、ステップS308へ進む。イベント情報記憶部4に、受信日時を開催日時のうちに含むイベント情報が記憶されていないとき、ステップS301へ戻る。
【0063】
(S308)
関連処理部60は、検索したイベント情報とユーザ情報とを関連付ける。このとき、関連処理部60は、参加者情報を作成し、イベント情報記憶部4に記憶させる。
【0064】
[効果]
この実施形態の医療情報システム1の効果について説明する。医療情報システム1は、測位部9をさらに有する。測位部9は、移動体通信端末5の位置を測定する。また、関連処理部60は、送受信日時と測位部9が測定した位置とに基づいて前記イベント情報と前記ユーザ情報とを関連付ける。このように、医療情報システム1は、移動体通信端末5の送受信日時に加え、移動体通信端末5の位置に基づいて、イベント情報とユーザ情報とを関連付ける。それにより、ユーザが参加したイベントについて好適な関連付けを行うことができ、所望の医療情報に関わる医療従事者及び関連した医療情報を簡便に検索するができる医療情報システム1を提供することができる。
【0065】
〈第3の実施形態〉
[構成]
図11は、この実施形態の医療情報システム1の構成を表すブロック図である。この実施形態の医療情報システム1は、第2の実施形態の医療情報システム1と異なり、新たなイベント情報を自動的に作成し、イベント情報記憶部4に記憶させる。この実施形態の医療情報システム1の検索部6は、イベント情報作成部63をさらに有する。
【0066】
(測位部9)
測位部9は、ユーザ毎に所有される移動体通信端末5の位置を測定する。測位部9は、測定した位置を関連処理部60及びイベント情報作成部63へネットワーク7を介して出力する。なお、測位部9は、所定の時間間隔で移動体通信端末5の位置を測定し、測定した位置を所定の時間間隔で関連処理部60及びイベント情報作成部63へ出力する。
【0067】
(イベント情報作成部63)
イベント情報作成部63は、イベント情報作成距離とイベント情報作成端末数とイベント情報作成滞在時間とを予め記憶する。イベント情報作成距離、イベント情報作成端末数、及びイベント情報作成滞在時間をイベント情報作成条件と称する。イベント情報作成部63は、所定の時間間隔で移動体通信端末5の位置を受け、イベント情報作成距離内に、イベント情報作成端末数以上の移動体通信端末5がイベント情報作成滞在時間以上位置したか否か、即ち、イベント情報作成条件が満たされたか否かを判断する。ここで、イベント情報作成部63が、イベント情報作成距離として「10メートル」を記憶し、イベント情報作成端末数として「8」を記憶し、イベント情報作成滞在時間として「30分間」を予め記憶した例について説明する。イベント情報作成部63は、測定された移動体通信端末5の位置を受ける度に、受けた位置に基づいて、移動体通信端末5から10メートル以内に他のユーザの移動体通信端末5が8個以上位置しているか否かを判断する。イベント情報作成部63は、この判断を一定の時間間隔で繰り返し、30分間以上に亘り、10メートル以内に8個以上の移動体通信端末5が位置したとき、イベント情報を作成する。また、イベント情報作成部63は、複数のイベント情報作成条件を予め記憶してもよい。このとき、イベント情報作成部63は、記憶した複数のイベント情報作成条件のうち何れかが満たされたと判断したとき、イベント情報を作成する。
【0068】
自動的に作成されたイベント情報は、イベント識別情報及び参加者情報を含む。該イベント識別情報は、イベントID、開催場所、開始日時、及び終了日時を含む。イベント情報作成部63は、例えば通し番号をイベントIDとしてイベント識別情報に付与する。また、イベント情報作成部63は、移動体通信端末5の位置を開催場所としてイベント識別情報に付与する。また、イベント情報作成部63は、イベント情報作成距離内に、イベント情報作成端末数以上の移動体通信端末5が位置し始めた日時を開始日時として付与する。また、イベント情報作成部63は、イベント情報作成距離内に、イベント情報作成端末数以上の移動体通信端末5が位置してからイベント情報作成滞在時間が経過した後、イベント情報作成距離内に、イベント情報作成端末数以上の移動体通信端末5が位置しなくなった日時を終了日時としてイベント識別情報に付与する。また、イベント情報作成部63は、イベント条件作成条件が満たされたときの当該移動体通信端末5のユーザのユーザ情報に含まれるユーザIDを参加者IDとして参加者情報を作成する。イベント情報作成部63は、作成したイベント情報をイベント情報記憶部4に新たに記憶させる。このように、複数のユーザが一定の距離内に所定時間滞在したとき、イベント情報作成部63は、自動的にイベント情報を作成し、作成したイベント情報と該複数のユーザのユーザ情報とを関連付けてイベント情報記憶部4に新たに記憶させる。それにより、予め記憶されていないイベント情報の日時又は場所において、イベントが開催された場合においても、イベント情報を作成し、参加したユーザのユーザ情報を該イベント情報に関連付けることができる。
【0069】
[動作]
この実施形態の医療情報システム1の動作について説明する。図12はこの実施形態の医療情報システム1の動作を表すフローチャートである。
【0070】
(S401)
測位部9は、ユーザ毎に所有される移動体通信端末5の位置を測定する。測位部9は、測定した位置をイベント情報作成部63へ出力する。イベント情報作成部63は測定された位置を受ける。
【0071】
(S402)
イベント情報作成部63は、予め記憶したイベント情報作成条件が満たされたか否かを判断する。イベント情報作成条件が満たされたとき、ステップS403へ進む。イベント情報作成条件が満たされないとき、ステップS401へ戻る。
【0072】
(S403)
イベント情報作成部63は、イベント情報を作成する。このとき、イベント情報作成部63は、移動体通信端末5の位置を開催場所としてイベント識別情報に付与する。また、イベント情報作成部63は、イベント情報作成距離内に、イベント情報作成端末数以上の移動体通信端末5が位置し始めた日時を開始日時として付与する。また、イベント情報作成部63は、イベント情報作成距離内に、イベント情報作成端末数以上の移動体通信端末5が位置してからイベント情報作成滞在時間が経過した後、イベント情報作成距離内に、イベント情報作成端末数以上の移動体通信端末5が位置しなくなった日時を終了日時としてイベント識別情報に付与する。
【0073】
(S404)
イベント情報作成部63は、作成したイベント情報に含まれる参加者情報を作成する。このとき、イベント情報作成部63は、イベント条件作成条件が満たされたときの当該移動体通信端末5のユーザのユーザ情報に含まれるユーザIDを参加者IDとして参加者情報を作成する。
【0074】
(S405)
イベント情報作成部63は、作成したイベント情報をイベント情報記憶部4に新たに記憶させる。
【0075】
[効果]
この実施形態の医療情報システム1の効果について説明する。医療情報システム1は、イベント情報作成部63をさらに有する。イベント情報作成部63は、新たにイベント情報を作成するためのイベント情報作成条件を予め記憶し、前記送受信日時と前記測位部9が測定した位置とによって前記イベント情報作成条件が満されたとき、イベント情報を新たに作成し、前記イベント情報記憶部4に記憶させる。それにより、医療情報システム1は、予め記憶されていないイベント情報の日時又は場所において、イベントが開催された場合においても、イベント情報を作成し、参加したユーザのユーザ情報を該イベント情報に関連付けることができ、所望の医療情報に関わる医療従事者及び関連した医療情報を簡便に検索するができる医療情報システム1を提供することができる。
【0076】
〈第4の実施形態〉
[構成]
この実施形態の医療情報システム1は、第1の実施形態の医療情報システム1に加え、新たに入力された医療情報との近接度が高く算出された医療情報を異なる表示態様で入出力端末の表示部に表示させる。この実施形態の医療情報システム1は、さらに表示制御部を有する。以下第1の実施形態の医療情報システム1に対して構成が異なる構成要素について説明する。
【0077】
(近接度算出部62)
近接度算出部62は、近接度の算出に用いられた単語情報を当該医療情報に付与して表示制御部へ出力する。このことは、医療情報において、その医療情報のうちどの単語が近接度の算出に用いられたかを医療情報の中に関連付けることを意味する。
【0078】
(表示制御部)
表示制御部は、入出力端末のそれぞれ又は検索部6に設けられる。表示制御部は医療情報及び該医療情報に付与された単語情報を受け、該単語情報の単語を他の部分とは異なる表示態様で表示部に表示させる。例えば、カルテ情報を表示させるとき、付与された単語情報の単語を表示部にハイライト表示させる。また、表示制御部は論文情報や医療機器情報を表示させるときにも、付与された単語情報の単語を表示部にハイライト表示させてよい。また、表示制御部は、付与された単語情報の単語を含む所定範囲の情報を異なる表示態様で表示させてもよい。例えば、表示制御部は、カルテ情報において、単語情報の単語を含むシェーマ図、又は、論文情報において、単語情報の単語を含む段落を異なる表示提要で表示させてもよい。
【0079】
[効果]
この実施形態の効果について説明する。医療情報システム1の近接度算出部62は、近接度の算出のために用いた情報を当該医療情報に付与する。また、医療情報システム1は表示制御部をさらに有する。表示制御部は、近接度算出部62から、医療情報と該医療情報に付与された情報とを受け、該情報を異なる表示態様で表示部に表示させる。それにより、所望の医療情報に関わる医療従事者及び関連した医療情報を簡便に検索し、検索した情報を視認性よく表示するができる医療情報システム1を提供することができる。
【0080】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0081】
1 医療情報システム
2 ユーザ情報記憶部
3 医療情報記憶部
4 イベント情報記憶部
5 移動体通信端末
6 検索部
7 ネットワーク
8 入出力端末
9 測位部
10 記憶部
50 所持ユーザ情報記憶部
51 ユーザ情報送受信部
52 位置情報部
60 関連処理部
61 解析部
62 近接度算出部
63 イベント情報作成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12