【実施例】
【0038】
図1には、本発明に係るドレン中和器の一実施例が模式的な分解斜視図により示されており、
図2(a)にはドレン中和器のA−A’断面図が模式的に示されている。ドレン中和器2は、例えばポリプロピレン等の、水が当たっても錆びない樹脂により形成されており、
図1および
図2(a)に示されるように、上側開口
(上端開口)の最も外側のケースであるケース部材39と、ケース部材39の上部内側に挿入配置される上側開口
(上端開口)のケースである内部ケース41と、これらケース部材39と内部ケース41の上側の開口部を覆う蓋部材36とを有して形成されており、蓋部材36には燃焼装置の潜熱回収用熱交換器6で発生するドレンを導入するドレン導入部3が形成されている。なお、
図2(b)には、内部ケース41の平面図(上段)とケース部材39の平面図(下段)とが模式的に示されている。
【0039】
図1、
図2に示されるように、ケース部材39と内部ケース41によって、ドレン導入部3から導入されるドレンが通過するドレン通過室7が形成されており、ケース部材39にはドレン通過室7を通過したドレンを外部に導出するドレン導出部9が形成されている。
【0040】
ドレン通過室7は、ドレン導入部3に連通して設けられた排気の水封室11と、水封室11に連通して設けられたドレン中和室12とを有しており、水封室11とドレン中和室12とは隔壁13によって水平方向に隣り合わせに間取り配置されている。水封室11は、潜熱回収用熱交換器6(
図4等、参照)側からドレンと共に流れてくる排気をドレンによって水封する排気の水封室であり、
図2(a)、(b)には、ドレンが水封室11に導入されていることによって排気が水封されている状態を,水封室11内に斜線を記して示している。
【0041】
ドレン中和室12は、上下に複数段(ここでは2段)に仕切り配置されており、ドレン中和室12a(上段部)が内部ケース41内に形成され、ドレン中和室12b(下段部)がケース部材39に形成されている。なお、ドレン中和室12aの斜視図は
図3にも示されている。
【0042】
ドレン中和室12は水封室11から流れてくるドレンを中和する中和室であり、ドレン中和室12の各段部(ここでは上段部と下段部)には、例えば
図2(a)に示されているように、天然の炭酸カルシウムにより形成された複数の固形の中和剤34(
図1および
図2(b)には図示せず)が、ドレンの通過する隙間を有して充填されている。水封室11とドレン中和室12とを仕切る隔壁13の一部にはスリット33が形成されており、中和剤34が水封室11内に入ることが防止できるように構成されている。
【0043】
なお、中和剤34をケース部材39のドレン中和室12bの上端部まで充填した状態で、その上に内部ケース41を乗せようとすると、ドレン中和室12b内全体に中和剤34を充填することが難しいため、例えば中和剤34をドレン中和室12bの高さ(
図2(a)のHb、参照)の8割程度まで入れた状態で内部ケース41を乗せた後にケース部材39をゆすり、内部ケース41内に設けられる中和剤34を開口K(
図2(b)、参照)を通して内部ケース41(上段のドレン中和器12a)から下段のドレン中和器12b側に移動させることにより、ドレン中和室12b内の中和剤34の充填率を向上させることができる。
【0044】
なお、中和剤34の種類等は特に限定されるものでなく、適宜設定されるものであり、合成された人工の炭酸カルシウムにより形成されていてもよいし、他の中和剤としてもよい。また、
図2(a)では、図の簡略化のために中和剤34を一部のみ示しているが、中和剤34はドレン中和室12(12a,12b)の全領域に配置される。また、ドレン中和器2の大きさは限定されるものでなく適宜設定されるものであるが、例えば
図1のLの長さが18cm、Wの長さが11cm、高さHは11cmに形成される(なお、
図1〜
図3は模式図であり、この大きさとは異なる)。
【0045】
ドレン中和室12の各段(上段と下段)の底面側には、該底面側から起立した通路壁14が設けられており、ドレンがドレン中和室12の底面側領域を通路壁14の伸長方向に沿って通過するドレン通過通路15が形成されている。本実施例では、ドレン通過通路15は、上段と下段の各段部の底面側をドレンが蛇行する態様で通過する態様に形成されて、上段と下段とを合わせたドレン通過通路15の長さは例えば80cm以上に形成されている。また、ドレン通過通路15の底面は、該ドレン通過通路15を通ってドレンが流れる上流側よりも下流側が低位置になるように傾斜が形成されており、その傾斜角度は特に限定されるものではないが、例えば
図2(b)のX方向が約1.5度、Y方向が約3度に形成されている。
【0046】
本実施例においては、ドレンは
図2(a)に示されるように、ドレン導入部3からドレン中和器2に導入されて、その水封室11を通り、オーバーフローしたドレンが隔壁13のスリット33を通って、ドレン中和室12の最上段部(本実施例においては上段のドレン中和室12a)に導入され、ドレン中和室12aのドレン通過通路15を通って、
図2(b)に示されるように最上段部のドレン中和室12aの底面側を通過し、その後、最上段部より1段下の段部(本実施例においては下段のドレン中和室12b)の底面側を、ドレン通過通路15を通って通過するといった如く、各段部の底面側を通過するときに中和剤34によって中和されて、水封室11を除いてはドレン中和器2の内部に貯留することなく、ドレン導出部9から外部に導出される構成と成している。
【0047】
なお、本実施例のドレン中和器2には、ドレンの凍結防止用のヒータ(図示せず)が設けられているが、そのヒータは、ドレンを中和器2内に溜めながら中和して導出する構成の従来例に設けられていた凍結予防用のヒータに比べて小型でワット数の少ないヒータが適用されている。
【0048】
つまり、従来のドレン中和器は、ドレンを溜めながら中和するために、多くの量のドレンの凍結防止のためにワット数の大きいものを使用していたが、本実施例においては、水封室11に少量のドレンを溜めるようになってはいるものの、ドレン中和室12においてはドレンを溜めずに複数の固形の中和剤の隙間を通って通過するときに中和される構成としているため、貯留するドレン量が従来に比べて少ないため、小型でワット数の少ないヒータで十分にドレンの凍結防止を行うことができる。
【0049】
さらに、本実施例では、固形(石状)の炭酸カルシウム等の中和剤を使用しており、このような固形(石状)の中和剤は金属等と比べ熱伝導率が悪い。そのため、中和剤が冷えていたとしても、ドレンが中和剤の間を通る間に凍りにくいため、凍結予防用のヒータは、より一層、小型でワット数の少ないもの使用することができ、省エネ効果を奏することができる。
【0050】
図4には、本実施例のドレン中和器2を設けた燃焼装置(給湯器17)の一実施例が、模式的なシステム構成図により示されており、
図5には、この給湯器17の一部断面構造が示されている。この給湯器17は、例えば従来例と同様に、浴室壁10に形成された壁穴16に設置され、器具ケース40内に、バーナ1と燃焼ファン5、メインの熱交換器4、潜熱回収用熱交換器6を設けて形成されているが、この実施例では、さらに、
図1、
図2に示したドレン中和器2を器具ケース40内に設けて形成されている。なお、
図5の符号23は給水管、符号24は給湯管をそれぞれ示す。また、浴室壁10の厚みは特に限定されるものではないが、一般には150mm〜300mm程度であり、
図4、
図5等に示されている例は例えば150mm程度の厚みの壁を示す。
【0051】
ドレン中和器2は燃焼室20の外部において潜熱回収用熱交換器6よりも下部側に設けられ、吸気口19の近傍位置に配置されている。なお、
図4において、ドレン中和器2は
図2(a)に示した断面図を用いて示されているために、ドレン中和器2のドレン導出部9が示されていないが、実際には例えば図の手前側にドレン導出部9が配置されてドレン中和器2を通ったドレンが、浴室30側に向けて下り勾配が形成されたドレン排出管路32を通って浴室30側に向けて流れ、器具ケース40の外部に導出され、浴室30内に排出される。また、ドレン中和器2のドレン導入部3の近傍位置は、燃焼室20外の気圧と燃焼ファン5の圧力を受け、ドレン中和器2の内部は、浴室内の気圧を受けることになる。そのため、ドレン水封室11内におけるドレンの水位は、給湯バーナ1の燃焼中には非燃焼中よりも下がることが多い。
【0052】
なお、
図4に示されるように、例えば給湯器17は、ねじ35等の固定部材を用いて固定されているが、
図5においてはねじの図示は省略されている。また、
図5の破線枠Dは、
図6に示したような高さの高いドレン中和器を給湯器17内に設ける場合の配置例を示すものであり、このように、高さが高いドレン中和器でも給湯器17内に設けることはできるが、その場合、そのドレン中和器の幅に対応する長さだけ給湯器17の水平方向の長さが長くなり(
図5のDw、参照)、
図7の矢印Fに示したテコの原理に基づく応力が大きくなって給湯器17のケースに作用し、
図7のAに示される壁穴16の角部に給湯器17の器具ケース40がぶつかってしまうといった不具合も生じることになる。
【0053】
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものでなく、様々な態様を採り得る。例えば、前記実施例では、ドレン中和室12は上段と下段との2段構成としたが、3段以上の適宜の複数段に形成してもよい。
【0054】
また、ドレン通過通路15の幅は適宜形成されるものであり、例えば各段部毎に、ドレンが流れる上流側よりも下流側の方が連続的または段階的に幅広になるように形成されていてもよい。
【0055】
さらに、前記実施例では、ドレン通過通路15は、各段部の底面側をドレンが蛇行して通過する態様に形成したが、ドレン通過通路15は例えばドレンが周回して通過する態様に形成してもよく、ドレン通過通路15の形成態様は適宜設定されるものである。
【0056】
さらに、上記実施例は、燃焼装置として、ガス燃焼式の給湯器17について説明したが、本発明の燃焼装置は給湯器とは限らず、潜熱回収用熱交換器を有していれば、風呂釜等、適宜の燃焼装置を適用することができる。また、その燃焼方式も、石油燃焼式のものとしてもよく、さらに、燃焼装置のシステム構成も特に限定されるものでなく、適宜設定されるものである。
【0057】
さらに、上記実施例では、給湯器17を浴室30の壁穴16に設置する例を述べたが、給湯器17等の燃焼装置の配置位置は適宜設定されるものであり、また、
図5等に示したような横置きタイプの燃焼装置とするとは限らず,縦置き(縦長)の燃焼装置としてもよい。