(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の電子部品が搭載されると共に外部への複数のインタフェース部を有する上面と、いずれかの電子部品経由でいずれかのインタフェース部との接続を要する第1のプローブと電子部品を介することなくいずれかのインタフェース部との接続を要する第2のプローブとに接続される下面とを有すると共に、上面側積層部と下面側積層部とが結合層を介して結合される配線基板に設けられるビアの配置を決定する配線基板ビア配置決定装置において、
配置が決まったビアの情報を記憶するビア配置情報記憶手段と、
電子部品の位置情報に基づいて、貫通ビアが配置できない領域を抽出する貫通ビア不可領域抽出手段と、
縦横所定ピッチ毎に位置するそれぞれの格子点を中心とした複数の箇所候補の中から、貫通ビアが配置できない領域と、上面のパッド間及び下面のパッド間で最低限確保しなければならないクリアランスとに基づいて、貫通ビアを配置可能な箇所を抽出する貫通ビア配置可能箇所抽出手段と、
貫通ビアが配置できない領域とクリアランスとに基づいて、上記第1のプローブが接続する点の上方に貫通ビアを配置可能か否かを判別する貫通ビア配置可否判別手段と、
貫通ビアを配置できない場合に、配線経路長を短くなるように、貫通ビアを配置可能な箇所の中から、中継貫通ビアを設ける箇所を決定する中継貫通ビア配置決定手段と、
貫通ビアを配置可能な場合に、上記ビア配置情報記憶手段に配置可能な貫通ビアの情報を記述すると共に、貫通ビアを配置できない場合に、上記ビア配置情報記憶手段に決定された中継貫通ビアの情報を記述するビア情報書込手段と
を有することを特徴とする配線基板ビア配置決定装置。
複数の電子部品が搭載されると共に外部への複数のインタフェース部を有する上面と、いずれかの電子部品経由でいずれかのインタフェース部との接続を要する第1のプローブと電子部品を介することなくいずれかのインタフェース部との接続を要する第2のプローブとに接続される下面とを有すると共に、上面側積層部と下面側積層部とが結合層を介して結合される配線基板に設けられるビアの配置を決定する配線基板ビア配置決定方法において、
ビア配置情報記憶手段は、配置が決まったビアの情報を記憶するものであり、
貫通ビア不可領域抽出手段は、電子部品の位置情報に基づいて、貫通ビアが配置できない領域を抽出し、
貫通ビア配置可能箇所抽出手段は、縦横所定ピッチ毎に位置するそれぞれの格子点を中心とした複数の箇所候補の中から、貫通ビアが配置できない領域と、上面のパッド間及び下面のパッド間で最低限確保しなければならないクリアランスとに基づいて、貫通ビアを配置可能な箇所を抽出し、
貫通ビア配置可否判別手段は、貫通ビアが配置できない領域とクリアランスとに基づいて、上記第1のプローブが接続する点の上方に貫通ビアを配置可能か否かを判別し、
中継貫通ビア配置決定手段は、貫通ビアを配置できない場合に、配線経路長を短くなるように、貫通ビアを配置可能な箇所の中から、中継貫通ビアを設ける箇所を決定し、
ビア情報書込手段は、貫通ビアを配置可能な場合に、上記ビア配置情報記憶手段に配置可能な貫通ビアの情報を記述すると共に、貫通ビアを配置できない場合に、上記ビア配置情報記憶手段に決定された中継貫通ビアの情報を記述する
ことを特徴とする配線基板ビア配置決定方法。
複数の電子部品が搭載されると共に外部への複数のインタフェース部を有する上面と、いずれかの電子部品経由でいずれかのインタフェース部との接続を要する第1のプローブと電子部品を介することなくいずれかのインタフェース部との接続を要する第2のプローブとに接続される下面とを有すると共に、上面側積層部と下面側積層部とが結合層を介して結合される配線基板に設けられるビアの配置を決定する配線基板ビア配置決定装置に搭載されるコンピュータを、
配置が決まったビアの情報を記憶するビア配置情報記憶手段と、
電子部品の位置情報に基づいて、貫通ビアが配置できない領域を抽出する貫通ビア不可領域抽出手段と、
縦横所定ピッチ毎に位置するそれぞれの格子点を中心とした複数の箇所候補の中から、貫通ビアが配置できない領域と、上面のパッド間及び下面のパッド間で最低限確保しなければならないクリアランスとに基づいて、貫通ビアを配置可能な箇所を抽出する貫通ビア配置可能箇所抽出手段と、
貫通ビアが配置できない領域とクリアランスとに基づいて、上記第1のプローブが接続する点の上方に貫通ビアを配置可能か否かを判別する貫通ビア配置可否判別手段と、
貫通ビアを配置できない場合に、配線経路長を短くなるように、貫通ビアを配置可能な箇所の中から、中継貫通ビアを設ける箇所を決定する中継貫通ビア配置決定手段と、
貫通ビアを配置可能な場合に、上記ビア配置情報記憶手段に配置可能な貫通ビアの情報を記述すると共に、貫通ビアを配置できない場合に、上記ビア配置情報記憶手段に決定された中継貫通ビアの情報を記述するビア情報書込手段と
して機能させることを特徴とする配線基板ビア配置決定プログラム。
【背景技術】
【0002】
プローブカードとして、複数の電子回路が形成された被試験体である半導体ウェハを試験するものがある(特許文献1、特許文献2参照)。このようなプローブカードは、一端が半導体ウェハの各パッドにそれぞれ接続する多数のプローブを保持しているプローブホルダと、各プローブの他端が接続するパッドを下面に備え、上面周縁部にテスターと接続するためのコネクタなどでなるインタフェース部(以下、テスターインタフェース部と呼ぶ)を備えた円板状の配線基板(カード基板と呼ばれることもある)とを有する。
【0003】
なお、この明細書においては、プローブカードの実際の使用時における姿勢に関係なく、プローブの他端が接続する配線基板の面を「下面」と呼び、テスターと接続するためのインタフェース部を有する面を「上面」と呼んでいる。
【0004】
配線基板の上面には、リレー、コンデンサ、抵抗器、コイルなどの電子部品も設けられている。また、テスターインタフェース部に直接的な配線経路によって接続することを要するプローブパッドもあれば、テスターインタフェース部に電子部品を介する配線経路によって接続することを要するプローブパッドもある。
【0005】
多数の配線経路を実現するため、従来においては、単なる貫通ビアだけでなく、
図8に示すように、中継貫通ビアも適宜の位置で採用されている。
図8は、配線基板の縦断面の一部を取出して示す概略縦断面図である。
【0006】
図8において、配線基板1は、20層程度を有するトップ側積層部2と20層程度を有するボトム側積層部3とを結合層4を介して結合したものである。ポゴピン(なお、他の種類の電気的相互接続要素であっても良い;ポゴピンを含め電気的相互接続要素を特許請求の範囲ではプローブと呼んでいる)5−2のパッドP5−2は電子部品6−2のパッドP6−2と接続することを要し、パッドP5−2に貫通ビアを適用した場合には他の電子部品6−1の直下に当該貫通ビアの他端が位置し、他の電子部品6−1の動作に悪影響を及ぼす恐れがある。そのため、IVH(Interstitial Via Hole)技術を採用し、ポゴピン5−2のパッドP5−2から結合層4まで延びる非貫通ビア(以下、ボトム側IVHと呼ぶ)7−2と、中継貫通ビア8と、電子部品6−2のパッドP6−2から結合層4まで延びる非貫通ビア(以下、トップ側IVHと呼ぶ)9−2とを設け、ボトム側IVH7−2及び中継貫通ビア8間を任意の層の配線10−2で接続すると共に、中継貫通ビア8及びトップ側IVH9−2間を任意の層の配線11−2で接続している。
【0007】
図8におけるポゴピン5−1、5−3〜5−5は電子部品との接続が不要なものであり、ポゴピン5−1、5−3及び5−5は貫通ビアに接続されて任意の層の配線経路(図示せず)によってテスターインタフェース部12と接続され、ポゴピン5−4はボトム側IVHに接続されて任意の層の配線経路(図示せず)によってテスターインタフェース部12と接続されている。
【0008】
従来では、以下のような条件や制約(以下、これらをまとめて条件と呼ぶ)を満たすようにビアの配置を設計者が配線基板CAD(Computer Aided Design)を用いて定めていた。
【0009】
(a)配線基板上面に配置された電子部品との接続が必要なポゴピンに対するビア配置
(a−1)電子部品との干渉(電子部品に悪影響を及ぼす恐れがあることをここでは干渉と呼んでいる)が生じる場合のみボトム側IVHを用いる。
【0010】
(a−2)貫通ビアが配置できる箇所は貫通ビアを用い、中継貫通ビアの配置数を抑制する。
【0011】
(b)テスターインタフェース部との接続のみが必要なポゴピンに対するビア配置
(b−1)テスターインタフェース部との接続のみが必要なポゴピン数が、ボトム側積層部に配線収容数と同数までは、全てボトム側IVHを用いる。
【0012】
(b−2)ボトム側積層部の配線収容数を超過したポゴピンについては貫通ビアを用いる。この際、基板上面の電子部品と干渉しないポゴピン箇所を貫通ビアにする。なお、この(b−2)の制約は、ボトム側積層部の層数を増大させずに配置させるためのものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ところで、プローブカードの中には、配線基板と半導体ウェハとの間で電気的接続を形成するポゴピンが、6万ピン以上となる場合がある。ポゴピンと接続するビアを、上記条件に応じ、貫通ビアとボトム側IVHとを使い分けて配置することが望ましい。しかし、このような条件に応じ、ビアを自動配置する機能は、通常の基板設計CADには存在しないため、1つ1つのポゴピンをCAD上にて目視確認しながらの手動配置となり、設計時間が膨大となる。
【0015】
1ポゴピンに対するビア種類(貫通ビア又はボトム側IVH)の確定時間を平均10秒とした場合、全6万ピンのビア配置時間は166時間要する。
【0016】
上述のように、全てのポゴピンに関するビアを最適条件にて配置することは、かなりの困難を伴う。
【0017】
そこで、
図9に示すように、被試験体(半導体ウェハ)上の1DUT(Device underTest;試験対象の電子デバイス)分のポゴピン数を格子点上に含むエリアを1ブロックとして扱い、各ブロック単位に、貫通ビアのブロックにするかボトム側IVHのブロックにするかを決めた上で、各ポゴピンの配置を決めることも行われている。すなわち、ブロック内ポゴピン箇所に全て貫通ビアを配置できる場合は、全て貫通ビアのブロックとし、ブロック内ポゴピンのうち1つでも貫通ビアを配置できない箇所が存在する場合は、全てボトム側IVHを配置するブロックにするという設計手法である。
【0018】
例えば、100ピンのポゴピンを1ブロックとして扱い、1ブロックのビア種類(貫通ビア又はボトム側IVH)の確定時間を30秒とした場合、全6万ピンのビアの配置時間は5時間となる。すなわち、この設計手法を用いることで、設計時間の大幅な短縮が可能となる。
【0019】
ここで、あるポゴピンブロックのエリアが、その上方の電子部品配置エリアと一部でも重複する場合には、そのブロックは、ボトム側IVHを配置するブロックに決定されるが、重複していない領域は、本来であれば、貫通ビアを配置することもできる。このように、ブロック単位でビア種類を決定する設計手法では、貫通ビアを配置可能であるにも関わらず、ボトム側IVHを配置する場合があるため、電子部品と接続する必要があるポゴピンに接続する中継貫通ビアの数が、ビア種類をブロック単位に決定しない場合に比較して大幅に増加する。
【0020】
トップ側積層部においてもボトム側積層部においてもビアが多いほど、各層で配線可能な領域が少なくなる。すなわち、その層の配線収容率が低下する。上述のような中継貫通ビアの過剰配置は、配線収容率の低下に繋がる。本来ならば、トップ側積層部内の1層によって接続可能なポゴピン及び電子部品間の接続が、過剰な中継貫通ビアを用いる場合には、トップ側積層部で1層、ボトム側積層部で1層の計2層が必要となり、配線収容率の低下の課題は、特に大きい。
【0021】
また、過剰な中継貫通ビアの存在のため配線経路も長くなり易く、その分、その配線経路を経由する信号等の電気的な特性が低下する恐れがある。
【0022】
そのため、できるだけ少ない数のビアで要求されている上下の構成要素間を接続できるように配線基板上へ各種のビアを配置でき、その配置に要する工数や期間を減少させることができる配線基板ビア配置決定装置、方法及びプログラムが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0023】
第1の本発明は、複数の電子部品が搭載されると共に外部への複数のインタフェース部を有する上面と、いずれかの電子部品経由でいずれかのインタフェース部との接続を要する第1のプローブと電子部品を介することなくいずれかのインタフェース部との接続を要する第2のプローブとに接続される下面とを有すると共に、上面側積層部と下面側積層部とが結合層を介して結合される配線基板に設けられるビアの配置を決定する配線基板ビア配置決定装置において、(1)配置が決まったビアの情報を記憶するビア配置情報記憶手段と、(2)電子部品の位置情報に基づいて、貫通ビアが配置できない領域を抽出する貫通ビア不可領域抽出手段と、(3)縦横所定ピッチ毎に位置するそれぞれの格子点を中心とした複数の箇所候補の中から、貫通ビアが配置できない領域と、上面のパッド間及び下面のパッド間で最低限確保しなければならないクリアランスとに基づいて、貫通ビアを配置可能な箇所を抽出する貫通ビア配置可能箇所抽出手段と、(4)貫通ビアが配置できない領域とクリアランスとに基づいて、上記第1のプローブが接続する点の上方に貫通ビアを配置可能か否かを判別する貫通ビア配置可否判別手段と、(5)貫通ビアを配置できない場合に、配線経路長を短くなるように、貫通ビアを配置可能な箇所の中から、中継貫通ビアを設ける箇所を決定する中継貫通ビア配置決定手段と、(6)貫通ビアを配置可能な場合に、上記ビア配置情報記憶手段に配置可能な貫通ビアの情報を記述すると共に、貫通ビアを配置できない場合に、上記ビア配置情報記憶手段に決定された中継貫通ビアの情報を記述するビア情報書込手段とを有することを特徴とする。
【0024】
第2の本発明は、複数の電子部品が搭載されると共に外部への複数のインタフェース部を有する上面と、いずれかの電子部品経由でいずれかのインタフェース部との接続を要する第1のプローブと電子部品を介することなくいずれかのインタフェース部との接続を要する第2のプローブとに接続される下面とを有すると共に、上面側積層部と下面側積層部とが結合層を介して結合される配線基板に設けられるビアの配置を決定する配線基板ビア配置決定方法において、(1)ビア配置情報記憶手段は、配置が決まったビアの情報を記憶するものであり、(2)貫通ビア不可領域抽出手段は、電子部品の位置情報に基づいて、貫通ビアが配置できない領域を抽出し、(3)貫通ビア配置可能箇所抽出手段は、縦横所定ピッチ毎に位置するそれぞれの格子点を中心とした複数の箇所候補の中から、貫通ビアが配置できない領域と、上面のパッド間及び下面のパッド間で最低限確保しなければならないクリアランスとに基づいて、貫通ビアを配置可能な箇所を抽出し、(4)貫通ビア配置可否判別手段は、貫通ビアが配置できない領域とクリアランスとに基づいて、上記第1のプローブが接続する点の上方に貫通ビアを配置可能か否かを判別し、(5)中継貫通ビア配置決定手段は、貫通ビアを配置できない場合に、配線経路長を短くなるように、貫通ビアを配置可能な箇所の中から、中継貫通ビアを設ける箇所を決定し、(6)ビア情報書込手段は、貫通ビアを配置可能な場合に、上記ビア配置情報記憶手段に配置可能な貫通ビアの情報を記述すると共に、貫通ビアを配置できない場合に、上記ビア配置情報記憶手段に決定された中継貫通ビアの情報を記述することを特徴とする。
【0025】
第3の本発明の配線基板ビア配置決定プログラムは、複数の電子部品が搭載されると共に外部への複数のインタフェース部を有する上面と、いずれかの電子部品経由でいずれかのインタフェース部との接続を要する第1のプローブと電子部品を介することなくいずれかのインタフェース部との接続を要する第2のプローブとに接続される下面とを有すると共に、上面側積層部と下面側積層部とが結合層を介して結合される配線基板に設けられるビアの配置を決定する配線基板ビア配置決定装置に搭載されるコンピュータを、(1)配置が決まったビアの情報を記憶するビア配置情報記憶手段と、(2)電子部品の位置情報に基づいて、貫通ビアが配置できない領域を抽出する貫通ビア不可領域抽出手段と、(3)縦横所定ピッチ毎に位置するそれぞれの格子点を中心とした複数の箇所候補の中から、貫通ビアが配置できない領域と、上面のパッド間及び下面のパッド間で最低限確保しなければならないクリアランスとに基づいて、貫通ビアを配置可能な箇所を抽出する貫通ビア配置可能箇所抽出手段と、(4)貫通ビアが配置できない領域とクリアランスとに基づいて、上記第1のプローブが接続する点の上方に貫通ビアを配置可能か否かを判別する貫通ビア配置可否判別手段と、(5)貫通ビアを配置できない場合に、配線経路長を短くなるように、貫通ビアを配置可能な箇所の中から、中継貫通ビアを設ける箇所を決定する中継貫通ビア配置決定手段と、(6)貫通ビアを配置可能な場合に、上記ビア配置情報記憶手段に配置可能な貫通ビアの情報を記述すると共に、貫通ビアを配置できない場合に、上記ビア配置情報記憶手段に決定された中継貫通ビアの情報を記述するビア情報書込手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、できるだけ少ない数のビアで要求されている上下の構成要素間を接続できるように配線基板上へ各種のビアを配置でき、その配置に要する工数や期間を減少できる配線基板ビア配置決定装置、方法及びプログラムを実現できる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(A)主たる実施形態
以下、本発明による配線基板ビア配置決定装置、方法及びプログラムを、プローブカードの配線基板におけるビア配置に適用した一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0029】
(A−1)実施形態の構成
実施形態の配線基板ビア配置決定装置は、配線基板CAD専用装置の一部として構築されたものであっても良く、また、パソコン等の汎用コンピュータに実施形態の配線基板ビア配置決定プログラムをインストールすることにより構築されたものであっても良いが、いずれの構築方法を採用した場合であっても、例えば、
図1に示すようなハードウェア構成を有する。
【0030】
図1において、配線基板ビア配置決定装置20は、主制御部21に、外部記憶部22、表示部23及び入力部24が接続されて構成されている。
図1では省略されているが、プリンタ部や通信部が主制御部21に接続されていても良い。
【0031】
主制御部21は、CPUや主メモリやワーキングメモリ等を有し、搭載されている実施形態の配線基板ビア配置決定プログラム21Pを実行するものである。
【0032】
外部記憶部22は、ハードディスク装置、USBメモリなどの主制御部21外部のメモリが該当し、各種データを格納するものである。外部記憶部22は、例えば、後述する基板設計CADデータ22Aや基板設計CAD用ビア追加配置ファイル22Bを格納する。
【0033】
表示部23は、設計者に対して、ガイダンス情報や設計イメージ情報などを表示出力するためのものである。入力部24は、キーボードやマウス等が該当し、設計者からの入力情報を取込むものである。すなわち、表示部23及び入力部24は、設計者とのマンマシンインタフェースを構成している。
【0034】
図2は、実施形態の配線基板ビア配置決定プログラム21Pの機能部(ルーチン)構成を示す説明図である。なお、
図2に示す全て又は一部の機能部は、ソフトウェアによる実現方法に限定されず、専用チップなどのハードウェアで実現しても良いものである。
【0035】
配線基板ビア配置決定プログラム21Pは、設計データ読込部30、ポゴピン位置抽出部31、電子部品配置情報抽出部32、貫通ビア禁止領域抽出部33、ポゴピン分類部34、クリアランス入力受付部35、中継貫通ビア配置可能箇所抽出部36、貫通ビア配置可否判断部37、中継貫通ビア配置部38、ボトム側積層部配線収容可能数入力受付部39、ボトム側IVH仮配置部40、配置ビア情報置換部41、ビア配置情報出力部42等を有する。
【0036】
これら各機能部30〜42が実行する機能については、後述する動作説明の項で明らかにする。
【0037】
(A−2)実施形態の動作
次に、実施形態の配線基板ビア配置決定装置20が実行する動作(実施形態の配線基板ビア配置決定方法)を、図面を参照しながら説明する。ここで、
図3は、実施形態の配線基板ビア配置決定装置20の動作(メインフロー)を示すフローチャートである。なお、
図3において、ブロックで示す各処理間の一部又は全ての移行を設計者の指示に委ねるようにしても良く、また、自動的に行うようにしても良い。
【0038】
配線基板ビア配置決定装置20の主制御部21は、配線基板ビア配置決定方法を開始すると、まず、基板設計CADデータ22Aを、外部記憶部22から主制御部21内のワーキングメモリ(すなわち、作業エリア)に読み込む(ステップS100)。
【0039】
ここで、基板設計CADデータ22Aは、配線基板上面の電子部品配置情報、配線基板下面のパッド情報、パッド間の接続情報などを含んでいる。
【0040】
配線基板上面の電子部品配置情報は、例えば、配線基板上面に搭載される電子部品毎に整理されたパッド情報であり、パッドの位置(座標)や形状(寸法を含む)と、パッドが接続する電子部品の電極、端子の情報とを含んでいる。リード(足)を有する電子部品の場合には、リードが挿入されるビアが必要となるが、このようなリード挿入用ビアも、この明細書では、電子部品との接続用のパッドと呼ぶこととする。すなわち、配線基板上面のパッド情報には、このようなパッド(正確に言えばリード挿入用ビア)の情報も含まれている。
【0041】
配線基板下面のパッド情報は、ポゴピンの先端が接触することを要する位置(配線基板下面における位置ではあるが、以下、ポゴピン位置と呼ぶこととする)の情報であり、ポゴピンの特定情報も含まれている。ポゴピンの先端が接続するパッドの形状は全て同一であって予め定まっており、パッド毎の情報には含まれておらず、パッドに共通した形状情報となっている。
【0042】
パッド間の接続情報は、配線基板下面のパッド(言い換えるとポゴピン)が、配線基板上面のどのテスターインタフェース部、どの他のパッドと接続するのかを表すネット情報である。
【0043】
例えば、プローブカードの配線基板は円板状であり、円形の中心を原点としたXY座標系で各点の位置を規定している。配線基板上面及び配線基板下面の位置は、厚み方向(Z座標)の位置は異なるが、同じXY座標系で表現されている。
【0044】
上記から明らかなように、ビア配置を決定する動作を開始する前には、配線基板上面の電子部品配置情報、配線基板下面のパッド情報、パッド間の接続情報が少なくとも定まっていることを要する。
【0045】
主制御部21は、基板設計CADデータ22Aをワーキングメモリに読み込むと、基板設計CADデータ22Aから、全てのポゴピン位置の情報を抽出してポゴピン位置情報ファイル(
図3では省略)を形成する(ステップS101)。
【0046】
また、主制御部21は、全ての電子部品の配置情報を抽出して電子部品配置情報ファイル(
図3では省略)を作業エリア上に形成した後(ステップS102)、抽出した電子部品配置情報に基づいて、貫通ビア禁止領域を抽出し、貫通ビア禁止領域情報ファイル(
図3では省略)を作業エリア上に形成する(ステップS103)。例えば、電子部品の種類毎に適用図形の形状を予め定めておき、電子部品用の適用図形が電子部品の全てのパッドを内包するような位置を探索し、探索後の適用図形の領域を貫通ビア禁止領域とする。
【0047】
図3では、ポゴピン位置情報の抽出を、電子部品配置情報の抽出及び貫通ビア禁止領域の抽出より先に行うように示しているが、これらの動作の順序は限定されるものではなく、電子部品配置情報の抽出及び貫通ビア禁止領域の抽出を、ポゴピン位置情報の抽出より先に行うようにしても良い。
【0048】
その後、主制御部21は、例えば、ポゴピン位置及びパッド間の接続情報に基づいて、電子部品との接続が必要なポゴピンと、テスターインタフェース部との接続のみが必要なポゴピンとを分類する(ステップS104)。主制御部21は、まず、電子部品との接続が必要なポゴピン群に対して、ステップS105〜S108の処理を行い、その後、テスターインタフェース部との接続のみが必要なポゴピン群に対して、ステップS109〜S112の処理を行う。
【0049】
図3は、上述したステップS100〜S104をも、配線基板のビア配置の一連の決定動作に含めている場合を示しているが、ステップS104までの処理を別途行い、配線基板ビア配置決定装置20が読み込むデータに、ステップS101〜S104で得るデータが既に含まれているようにしても良い。
【0050】
電子部品との接続が必要なポゴピン群に対しては、主制御部21はまず、設計者からクリアランス値を取込む(ステップS105)。なお、
図3は、設計者からクリアランス値を取込む場合を示しているが、当初の基板設計CADデータ22Aに含まれていても良く、また、配線基板ビア配置決定プログラム21P若しくはシステムが固定データとして保持していても良い。
【0051】
図4は、クリアランスの説明図である。クリアランスは、中継貫通ビア50の上端のパッド50Uと、他の貫通ビア51の上端のパッド51Uとの間で最小限確保しなければならない距離であり、また、中継貫通ビア50の上端のパッド50Uと、電子部品のパッド52との間で最小限確保しなければならない距離であり、さらに、中継貫通ビア50の下端のパッド50Dと、ポゴピン53と接触するパッド54との間で最小限確保しなければならない距離である。この実施形態の場合、入力されたクリアランス値が上述した3種類のクリアランスに共通して用いられるものであるが、3種類のクリアランス値が異なっていても良い。
【0052】
クリアランス値を取込むと、主制御部21は、中継貫通ビアの配置可能箇所(XY座標系で表現される)を抽出して中継貫通ビア配置可能箇所情報ファイルF1を形成する(ステップS106)。この実施形態の場合、X方向及びY方向に所定ピッチ(方向によって値が異なっていても良い)を有する格子点(X方向及びY方向の線が交わる格子における交点)を中心とした、貫通ビア上端パッドの領域が、中継貫通ビアを配置する箇所の候補となっており、各候補が、抽出された貫通ビアの禁止領域に含まれない領域(ビア配置可能領域)内で、しかも、近傍パッドとの間で取り込まれたクリアランス値を確保できる場合に、貫通ビアの配置可能箇所と判定される。
【0053】
さらに、主制御部21は、電子部品との接続が必要な各ポゴピンについて、貫通ビアの配置可否を判断し、可の場合は貫通ビア、不可の場合はボトム側IVHを適用するというビア配置情報ファイルF2を形成して保持する(ステップS107)。例えば、主制御部21は、対象となっているポゴピンの位置が、貫通ビア禁止領域に含まれない領域内で、しかも、近傍パッドとの間で取り込まれたクリアランス値を確保できる場合に、対象ポゴピンについて貫通ビアを適用すると判断し、これ以外の場合に、対象ポゴピンについてボトム側IVHを適用すると判断する。
【0054】
上述したステップS106及びS107の処理順序は、
図3の順序に限定されず、逆の順序であっても良い。
【0055】
その後、主制御部21は、ボトム側IVHを適用する各ポゴピンについて、適用する中継貫通ビア(の位置)を決定する(ステップS108)。
【0056】
図5は、ボトム側IVHを適用する各ポゴピンに対応する中継貫通ビアの決定処理(ステップS108)の詳細を示すフローチャートである。
【0057】
主制御部21は、ビア配置情報ファイルF2にボトム側IVHを適用すると記述されたポゴピンの中で未処理のものがなくなるまで、ステップS200及びS201でなる処理ループLP1を繰り返す。
【0058】
主制御部21は、ある未処理のポゴピンを処理対象とすると(ステップS200)、中継貫通ビア配置可能箇所情報ファイルF1に記述されている中継貫通ビアの配置可能箇所のうち、処理対象のポゴピンとの経路長が最短となる配置可能箇所を探索し、処理対象のポゴピンに、探索された配置可能箇所と最短経路長とを対応付けて中継貫通ビアの仮配置情報ファイルF3に記述する(ステップS201)。
図6は、中継貫通ビアの仮配置情報ファイルF3の構成例を示す説明図である。中継貫通ビアの仮配置情報ファイルF3はテーブル構成でなり、1行(1レコード;以下、仮配置レコードと呼ぶことがある)は、ポゴピン識別情報(ID)と、中継貫通ビアの仮配置情報(探索された配置可能箇所)と、最短経路長とを含む(他の情報をさらに含んでいても良い)。ここで、経路長は、XY座標系でのポゴピン位置と、配置可能箇所のXY座標系で記述された中心位置との直線距離として算出されたものであっても良く、2点のX方向の差の絶対値とY方向の差の絶対値の合算値として算出されたものであっても良い。これ以外の算出方法で算出されたものであっても良い。
【0059】
ボトム側IVHを適用することとなった全てのポゴピンについて、中継貫通ビアの仮配置情報を得ると、主制御部21は、中継貫通ビアの仮配置情報ファイルF3における情報(各仮配置レコード)を、最短経路長の長い方から短い方に並べ直す(ステップS202)。
【0060】
その後、主制御部21は、並べ直された中継貫通ビアの仮配置情報ファイルF3の仮配置レコードの中で未処理のものがなくなるまで、ステップS203〜S207でなる処理ループLP2を繰り返す。
【0061】
まず、主制御部21は、その時点で未処理の仮配置レコードの中から、最短経路長が最も長い仮配置レコードを処理対象とする(ステップS203)。そして、その仮配置レコードに係るポゴピンについての中継貫通ビアの配置として仮配置レコードに記述されている情報を得て、ビア配置情報ファイルF2にその情報を追加すると共に(ステップS204)、中継貫通ビア配置可能箇所情報ファイルF1の配置可能箇所の中から、追加された仮配置レコードの中継貫通ビアの配置箇所と同じものを削除する(ステップS205)。
【0062】
ここで、上述したステップS203の処理では、処理対象とした仮配置レコードをそのまま残しても良く、また、削除するようにしても良い。また、ステップS204のビア配置情報ファイルF2に中継貫通ビアの情報を追加する処理では、中継貫通ビアの情報に加え、その中継貫通ビアと組をなすボトム側IVHやトップ側IVHの情報をも併せて追加するようにしても良い。
【0063】
その後、主制御部21は、処理対象の仮配置レコードにおける仮配置情報(中継貫通ビアの配置可能箇所)と同じ仮配置情報を有する仮配置レコードを探索して抽出し(ステップS206)、抽出できたときには、抽出できた全ての仮配置レコード(のポゴピン)のそれぞれに対し、上述したステップS201と同様な処理を行って仮配置情報を更新させ、その後、上述したステップS202と同様に、更新された仮配置レコードを含め、最短経路長の長い方から短い方に仮配置レコードを並べ直す(ステップS207)。ここで、仮配置情報の更新時には、ステップS205の処理により、中継貫通ビア配置可能箇所情報ファイルF1の配置可能箇所の中から適用が決定された配置可能箇所の情報が削除されているので、更新前の配置可能箇所が更新処理時に選択されることはない。
【0064】
以上のような
図5に示す処理により、ボトム側IVHを適用する各ポゴピンに対応する中継貫通ビアの配置が決定される。この決定後においては、テスターインタフェース部との接続のみが必要なポゴピン群に対する処理に移行する。
【0065】
この実施形態では、テスターインタフェース部との接続のみが必要なポゴピンに対応するビアを、ボトム側IVHを基本としながら、一部のポゴピンについては、貫通ビアを適用しようとしたものである。なお、ボトム側積層部やトップ側積層部における配線の配置決定処理は、当該配線基板ビア配置決定装置20の処理後に実行されるが、ボトム側IVHを適用すると決定されたポゴピンについてはボトム側積層部における配線でテスターインタフェース部に接続すると決定されることが多くなり、貫通ビアを適用すると決定されたポゴピンについてはトップ側積層部における配線でテスターインタフェース部に接続すると決定されることが多くなるであろう。
【0066】
テスターインタフェース部との接続のみが必要なポゴピン群に対する処理では、まず、主制御部21は、設計者が入力したボトム側積層部での配線収容可能数を取込む(
図3のステップS109)。なお、
図3は、設計者からボトム側積層部での配線収容可能数を取込む場合を示しているが、当初の基板設計CADデータ22Aに含まれていても良く、また、配線基板ビア配置決定プログラム21P若しくはシステムが固定データとして保持していても良い。
【0067】
ステップS109で取り込む配線収容可能数は、テスターインタフェース部との接続のみが必要なポゴピン群に対する配線収容可能数である。但し、中継貫通ビアや、中継貫通ビアと組をなすボトム側IVHをも考慮した配線収容可能数を取込み、ビア配置情報ファイルF2に記述されている中継貫通ビアの数の2倍を、取り込んだ配線収容可能数から減算することにより、テスターインタフェース部との接続のみが必要なポゴピン群に対する配線収容可能数を算出するようにしても良い。
【0068】
その後、主制御部21は、テスターインタフェース部との接続のみが必要なポゴピンの位置情報をボトム側IVHの仮配置情報としてボトム側IVH仮配置情報ファイルF4に格納する(ステップS110)。なお、上述したステップS104でポゴピンを分類する際に、ボトム側IVH仮配置情報ファイルF4を形成しておくようにしても良い。
【0069】
次に、主制御部21は、ボトム側積層部全体での配線収容可能数を満たすように、仮配置されたボトム側IVHの中から貫通ビア配置可能な箇所を抽出し、抽出されたボトム側IVHの仮配置情報を貫通ビア配置情報へ置き換えてビア配置情報ファイルF2に記述する(ステップS111)。
【0070】
図7は、一部のボトム側IVHの仮配置情報を貫通ビア配置情報へ置き換える処理(ステップS111)の詳細を示すフローチャートである。
【0071】
ボトム側IVHの仮配置情報を貫通ビア配置情報へ入れ替える処理ではまず、主制御部21は、ボトム側IVH仮配置情報ファイルF4に記述されているボトム側IVHの仮配置の数を現状のボトム側積層部の配線数として算出する(ステップS300)。
【0072】
その後、主制御部21は、現状のボトム側積層部の配線数が配線収容可能数を超えているか否かを判別する(ステップS301)。
【0073】
現状のボトム側積層部の配線数が配線収容可能数を超えている場合には、主制御部21は、ボトム側IVH仮配置情報ファイルF4から1つのボトム側IVHの仮配置情報を取り出し(ステップS302)、そのボトム側IVHの仮配置情報(の位置)は、貫通ビアに置き換えることが可能か否かを判断する(ステップS303)。ステップS302におけるボトム側IVH仮配置情報ファイルF4からのボトム側IVHの仮配置情報の取出しでは、その情報がボトム側IVH仮配置情報ファイルF4から削除される。ここで、ボトム側IVHの仮配置情報の取出しを記述順に従って行っても良く、また、乱数を用いた記述順に従わない順序の取出しであっても良い。ステップS303における貫通ビアへの置換え可否の判断では、仮配置されたボトム側IVHを上方に延長させた配線基板上面の位置が、貫通ビア禁止領域に含まれない領域内で、しかも、近傍パッドとの間でクリアランス値を確保できるか否かを判断する。
【0074】
貫通ビアへ置き換えることができない場合には、主制御部21は、処理対象のボトム側IVHの仮配置情報をそのまま、そのポゴピンに係るビア情報をして、ビア配置情報ファイルF2に追加させ(ステップS304)、上述したステップS302に戻る。一方、貫通ビアへ置き換えることができる場合には、主制御部21は、処理対象のボトム側IVHの仮配置情報に対応するポゴピンのビア情報をして貫通ビアの情報をビア配置情報ファイルF2に追加させると共に、現状のボトム側積層部の配線数を1だけ減少させ(ステップS305)、上述したステップS301に戻る。
【0075】
ステップS305による貫通ビアへの置き換えが繰り返し実行されることにより、現状のボトム側積層部の配線数が徐々に小さくなり、やがて配線収容可能数に等しくなる。
【0076】
主制御部21は、上述したステップS301の判別で、現状のボトム側積層部の配線数が配線収容可能数を超えていないという結果を得たときには、ボトム側IVH仮配置情報ファイルF4から1つのボトム側IVHの仮配置情報を取り出し(ステップS306)、処理対象のボトム側IVHの仮配置情報をそのまま、そのポゴピンに係るビア情報をして、ビア配置情報ファイルF2に追加させた後(ステップS307)、ボトム側IVH仮配置情報ファイルF4が空になったか否かを判別する(ステップS308)。ボトム側IVH仮配置情報ファイルF4が空でなければ、上述したステップS306に戻り、ボトム側IVH仮配置情報ファイルF4が空であれば
図7に示す一連の処理を終了する。
【0077】
一部のボトム側IVHの仮配置情報を貫通ビア配置情報へ置き換える処理(ステップS111)が終了すると、主制御部21は、ビア配置情報ファイルF2に記述されている情報を、基板設計CADで入力可能なフォーマットで外部記憶部22に出力する。
【0078】
(A−3)実施形態の効果
上記実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
【0079】
電子部品との接続を有するポゴピンに対する貫通ビアや中継貫通ビアを、ブロック単位の許容領域を設けることなく、電子部品領域とクリアランスとを考慮して決定するようにしたので、余分(過剰)なビアが生じることがなく、その結果、配線収容性を向上させることができる。
【0080】
また、ポゴピンとの間が最短な配線経路となるように中継貫通ビアの箇所を定めるようにしたので、配線経路長が短くなり、配線経路を経由する信号等の電気的な特性の劣化を未然に防止することができる。
【0081】
テスターインタフェース部とのみ接続を有するポゴピン群に対しては、ボトム側積層部の配線収容可能数を超える分については、ボトム側IVHではなく、貫通ビアを適用して、トップ側積層部で配線可能としたので、ボトム側積層部の層数を徒に増大させることを回避できる。
【0082】
上記実施形態によれば、ほぼ全てのビアの配置を主制御部がプログラムを実行することにより実行できるようにしたので、配線基板の製作コストを抑えることができると共に、製作工数を減少させることができる。
【0083】
(B)他の実施形態
上記実施形態では、プローブカードに本発明を適用したものを示したが、他の配線基板に本発明の技術思想を適用することができる。