【文献】
Kobayashi, Nagao et al.,An Adjacent Dibenzotetraazaporphyrin: A Structural Intermediate between,Inorganic Chemistry,1999年,v.38(3),p.479-485
【文献】
Nevin, W. A. et al.,Electrochemistry and spectroelectrochemistry of mononuclear and binuclear cobalt phthalocyanines,Inorganic Chemistry,1987年,v.26(4),v.570-577
【文献】
Belogorokhov, I. A. et al.,,Infrared spectroscopy of semiconductor structures based on alkyl-substituted lanthanide (III) clam-shell mono-, di-, and di-trisphthalocyanine complexes,Journal of Nanoelectronics and Optoelectronics,2011年,v.6(4),,p.478-483
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
熱可塑性樹脂がポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂およびポリビニルアセタール樹脂から選ばれる少なくとも1種であり、熱硬化性樹脂がポリウレタン樹脂、ポリチオウレタン樹脂およびアリルジグリコールカーボネート樹脂から選ばれる少なくとも1種である、請求項6に記載の樹脂組成物。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を詳細に説明する。
[テトラアザポルフィリン二量体化合物]
本発明のテトラアザポルフィリン二量体化合物は、一般式(1)で表される。
[式(1)中、R
1〜R
14はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルコキシ基、アルキルチオ基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のアリールオキシ基または置換若しくは非置換のアリールチオ基を示し、X
1、X
2はそれぞれ独立に、酸素原子、または硫黄原子を示し、A
1、A
2はアルキレン基、または置換若しくは非置換のアリーレン基を示し、Yは酸素原子、硫黄原子、置換若しくは非置換のイミノ基、スルホニル基、カルボニル基、またはアルキレン基を示し、n、pはそれぞれ独立に0または1の整数を示す。Mは2個の水素原子、2個の1価の金属原子、2価の金属原子、3価の置換金属原子、4価の置換金属原子、または酸化金属原子を示す。]
【0019】
一般式(1)においてR
1〜R
14は好ましくは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のハロゲノアルキル基、炭素数2〜16のアルコキシアルキル基、炭素数2〜16のハロゲノアルコキシアルキル基、炭素数7〜20の置換若しくは非置換のアラルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のハロゲノアルコキシ基、炭素数2〜16のアルコキシアルコキシ基、炭素数1〜12のアルキルチオ基、炭素数6〜18の置換若しくは非置換のアリール基、炭素数6〜18の置換若しくは非置換のアリールオキシ基または炭素数6〜18の置換若しくは非置換のアリールチオ基である。
R
1〜R
14はより好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜4のハロゲノアルキル基、炭素数7〜12の非置換のアラルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のハロゲノアルコキシ基、1〜8のアルキルチオ基、炭素数2〜12のアルコキシアルコキシ基、炭素数6〜12の非置換若しくは置換基としてハロゲン原子を有するアリール基、炭素数6〜12のアリールオキシ基、または炭素数6〜12のアリールチオ基である。
R
1〜R
14は最も好ましくは、水素原子または炭素数1〜8の分岐アルキル基であって、かつR
2とR
3、R
4とR
5、R
6とR
7、R
9とR
10、R
11とR
12、R
13とR
14の各ペアにおいて、一方が水素原子であり他方が炭素数1〜8の分岐アルキル基である。
【0020】
R
1〜R
14の具体例を以下に示す。
R
1〜R
14がハロゲン原子であるものとしては塩素原子、フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられるが、臭素原子、フッ素原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
R
1〜R
14がアルキル基であるものとしては、直鎖、分岐または環状のいずれのアルキル基であっても良い。アルキル基の例としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、4−メチル−2−ペンチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、n−ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、2,4−ジメチルペンチル基、シクロヘキシルメチル基、n−オクチル基、tert−オクチル基、1−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、2−プロピルペンチル基、2,5−ジメチルヘキシル基、2,5,5−トリメチルヘキシル基、n−ノニル基、2,2−ジメチルヘプチル基、2,6−ジメチル−4−ヘプチル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、4−エチルオクチル基、n−ウンデシル基、1−メチルデシル基、n−ドデシル基、1,3,5,7−テトラメチルオクチル基、n−トリデシル基、1−ヘキシルヘプチル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−エイコシル基、n−トリコシル基、n−テトラコシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−tert−ブチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などが挙げられる。特に炭素数3〜8のiso-アルキル基、炭素数4〜8のsec−アルキル基、炭素数4〜8のtert-アルキル基或いはシクロペンチル基、シクロヘキシル基が好ましく、tert-ブチル基がより好ましい。
【0021】
R
1〜R
14が置換アルキル基であるものとしては、置換基としてハロゲン原子、アルコキシ基、ハロゲノアルコキシ基、アリール基を有するものが好ましく、置換基としてハロゲン原子、アリール基を有するものがより好ましい。
R
1〜R
14がハロゲノアルキル基であるものとしては、アルキル部分が直鎖、分岐または環状のいずれであっても良い。
ハロゲノアルキル基の例としてはフルオロメチル基、3−フルオロプロピル基、6−フルオロヘキシル基、8−フルオロオクチル基、トリフルオロメチル基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロエチル基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−プロピル基、1,1,3−トリヒドロ−パーフルオロ−n−プロピル基、2−ヒドロ−パーフルオロ−2−プロピル基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ブチル基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ペンチル基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ヘキシル基、6−フルオロヘキシル基、4−フルオロシクロヘキシル基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−オクチル基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−デシル基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ドデシル基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−テトラデシル基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ヘキサデシル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロ−n−プロピル基、パーフルオロ−n−ペンチル基、パーフルオロ−n−ヘキシル基、2,2−ビス(トリフルオロメチル)プロピル基、ジクロロメチル基、2−クロロエチル基、3−クロロプロピル基、4−クロロシクロヘキシル基、7−クロロヘプチル基、8−クロロオクチル基、2,2,2−トリクロロエチル基などの直鎖、分岐または環状のハロゲノアルキル基が挙げられる。特にパーフルオロアルキル基が好ましく、トリフルオロメチル基がより好ましい。
R
1〜R
14がアルコキシアルキル基であるものとしては、アルコキシ部分および/またはアルキル基部分のアルキルが、直鎖、分岐または環状のいずれであっても良い。
【0022】
アルコキシアルキル基の例としてはメトキシメチル基、エトキシメチル基、n−ブトキシメチル基、n−ペンチルオキシメチル基、n−ヘキシルオキシメチル基、(2−エチルブチルオキシ)メチル基、n−ヘプチルオキシメチル基、n−オクチルオキシメチル基、n−デシルオキシメチル基、n−ドデシルオキシメチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−n−プロポキシエチル基、2−イソプロポキシエチル基、2−n−ブトキシエチル基、2−n−ペンチルオキシエチル基、2−n−ヘキシルオキシエチル基、2−(2’−エチルブチルオキシ)エチル基、2−n−ヘプチルオキシエチル基、2−n−オクチルオキシエチル基、2−(2’−エチルヘキシルオキシ)エチル基、2−n−デシルオキシエチル基、2−n−ドデシルオキシエチル基、2−n−テトラデシルオキシエチル基、2−シクロヘキシルオキシエチル基、2−メトキシプロピル基、3−メトキシプロピル基、3−エトキシプロピル基、3−n−プロポキシプロピル基、3−イソプロポキシプロピル基、3−n−ブトキシプロピル基、3−n−ペンチルオキシプロピル基、3−n−ヘキシルオキシプロピル基、3−(2’−エチルブトキシ)プロピル基、3−n−オクチルオキシプロピル基、3−(2’−エチルヘキシルオキシ)プロピル基、3−n−デシルオキシプロピル基、3−n−ドデシルオキシプロピル基、3−n−テトラデシルオキシプロピル基、3−シクロヘキシルオキシプロピル基、4−メトキシブチル基、4−エトキシブチル基、4−n−プロポキシブチル基、4−イソプロポキシブチル基、4−n−ブトキシブチル基、4−n−ヘキシルオキシブチル基、4−n−オクチルオキシブチル基、4−n−デシルオキシブチル基、4−n−ドデシルオキシブチル基、5−メトキシペンチル基、5−エトキシペンチル基、5−n−プロポキシペンチル基、5−n−ペンチルオキシペンチル基、6−メトキシヘキシル基、6−エトキシヘキシル基、6−イソプロポキシヘキシル基、6−n−ブトキシヘキシル基、6−n−ヘキシルオキシヘキシル基、6−n−デシルオキシヘキシル基、4−メトキシシクロヘキシル基、7−メトキシヘプチル基、7−エトキシヘプチル基、7−イソプロポキシヘプチル基、8−メトキシオクチル基、8−エトキシオクチル基、9−メトキシノニル基、9−エトキシノニル基、10−メトキシデシル基、10−エトキシデシル基、10−n−ブトキシデシル基、11−メトキシウンデシル基、11−エトキシウンデシル基、12−メトキシドデシル基、12−エトキシドデシル基、12−イソプロポキシドデシル基、14−メトキシテトラデシル基、テトラヒドロフルフリル基などを挙げることができる。特に総炭素数2〜8のアルコキシアルキル基が好ましく、総炭素数2〜4のアルコキシアルキル基がより好ましい。
R
1〜R
14がハロゲノアルコキシアルキル基であるものとしては、アルコキシ部分および/またはアルキル基部分のアルキルが、直鎖、分岐または環状のいずれであっても良い。
【0023】
ハロゲノアルコキシアルキル基の例としては、フルオロメチルオキシメチル基、トリフルオロメチルオキシメチル基、2−フルオロエチルオキシメチル基、パーフルオロエチルオキシメチル基、3−フルオロ−n−プロピルオキシメチル基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロエチルオキシメチル基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−プロピルオキシメチル基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ブチルオキシメチル基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−テトラデシルオキシメチル基、フルオロメチルオキシエチル基、トリフルオロメチルオキシエチル基、2−フルオロエチルオキシエチル基、パーフルオロエチルオキシエチル基、2−(8−フルオロ−n−オクチルオキシ)エチル基、2−(6−フルオロ−n−ヘキシルオキシ)エチル基、フルオロメチルオキシプロピル基、トリフルオロメチルオキシプロピル基、2−フルオロエチルオキシプロピル基、パーフルオロエチルオキシプロピル基、3−(1,1−ジヒドロ−パーフルオロエチルオキシ)プロピル基、4−(パーフルオロ−n−ヘキシルオキシ)ブチル基、6−(2−クロロエチルオキシ)ヘキシル基などが挙げられ、フルオロメチルオキシメチル基、トリフルオロメチルオキシメチル基、2−フルオロエチルオキシメチル基、パーフルオロエチルオキシメチル基、3−フルオロ−n−プロピルオキシメチル基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロエチルオキシメチル基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ブチルオキシメチル基、フルオロメチルオキシエチル基、トリフルオロメチルオキシエチル基、2−フルオロエチルオキシエチル基、パーフルオロエチルオキシエチル基、2−(6−フルオロ−n−ヘキシルオキシ)エチル基、フルオロメチルオキシプロピル基、トリフルオロメチルオキシプロピル基、2−フルオロエチルオキシプロピル基、パーフルオロエチルオキシプロピル基、4−(パーフルオロ−n−ヘキシルオキシ)ブチル基、6−(2−クロロエチルオキシ)ヘキシル基などを挙げることが出来る。
特に炭素数1〜8のハロゲノアルコキシアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のハロゲノアルコキシアルキル基がより好ましい。
【0024】
R
1〜R
14が置換若しくは非置換のアラルキル基であるものとしては、アルキル基部分のアルキルが、直鎖、分岐または環状のいずれであっても良い。置換アラルキル基としては、置換基としてアルキル基、アリ−ル基、アラルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、水酸基、ハロゲン原子を有するものが好ましく、置換基としてアルキル基またはアルコキシ基を有するものがより好ましい。
置換若しくは非置換のアラルキル基の例としては、ベンジル基、α−メチルベンジル基、フェネチル基、α−メチルフェネチル基、α,α−ジメチルベンジル基、α,α−ジメチルフェネチル基、4−メチルフェネチル基、4−メチルベンジル基、4−イソプロピルベンジル基、4−ベンジルベンジル基、4−フェネチルベンジル基、4−フェニルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−n−テトラデシルオキシベンジル基、4−n−ヘプタデシルオキシベンジル基、3,4−ジメトキシベンジル基、4−メトキシメチルベンジル基、4−ビニルオキシメチルベンジル基、4−ベンジルオキシベンジル基、4−フェネチルオキシベンジル基、4−ヒドロキシベンジル基、4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジル基、4−フルオロベンジル基、3−クロロベンジル基、3,4−ジクロロベンジル基、2−フルフリル基、ジフェニルメチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基などが挙げられる。特に炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のアルコキシ基を有するアラルキル基が好ましく、メチル基またメトキシ基を有するベンジル基がより好ましい。
R
1〜R
14が置換若しくは非置換のアルコキシ基であるものとしては、アルキル部分が直鎖、分岐または環状のいずれであっても良い。置換アルコキシ基としては、置換基としてハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ジアルキルアミノ基を有するものが好ましく、置換基としてハロゲン原子、アルコキシ基を有するものがより好ましい。
【0025】
非置換のアルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、3,3−ジメチルブチルオキシ基、2−エチルブチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−エイコシルオキシ基、n−トリコシルオキシ基、n−テトラコシルオキシ基などが挙げられる。特に炭素数1〜12のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜8のアルコキシ基がより好ましい。
ハロゲノアルコキシ基の例としては、フルオロメチルオキシ基、3−フルオロプロピルオキシ基、6−フルオロヘキシルオキシ基、8−フルオロオクチルオキシ基、トリフルオロメチルオキシ基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロエチルオキシ基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−プロピルオキシ基、1,1,3−トリヒドロ−パーフルオロ−n−プロピルオキシ基、2−ヒドロ−パーフルオロ−2−プロピルオキシ基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ブチルオキシ基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ペンチルオキシ基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ヘキシルオキシ基、6−フルオロヘキシルオキシ基、4−フルオロシクロヘキシルオキシ基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−オクチルオキシ基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−デシルオキシ基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ドデシルオキシ基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−テトラデシルオキシ基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ヘキサデシルオキシ基、パーフルオロエチルオキシ基、パーフルオロ−n−プロピルオキシ基、パーフルオロ−n−ペンチルオキシ基、パーフルオロ−n−ヘキシルオキシ基、2,2−ビス(トリフルオロメチル)プロピルオキシ基、ジクロロメチルオキシ基、2−クロロエチルオキシ基、3−クロロプロピルオキシ基、4−クロロシクロヘキシルオキシ基、7−クロロヘプチルオキシ基、8−クロロオクチルオキシ基、2,2,2−トリクロロエチルオキシ基などが挙げられる。特に炭素数1〜8のハロゲノアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜8のパーフルオロアルコキシ基がより好ましい。
【0026】
アルコキシアルコキシ基の例としては、メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、n−プロピルオキシメトキシ基、nーブチルオキシメトキシ基、イソブチルオキシメトキシ基、tert−ブチルオキシメトキシ基、n−ペンチルオキシメトキシ基、2−メトキシエトキシ基、2−エトキシエトキシ基、2−n−プロピルオキシエトキシ基、2−イソプロピルオキシエトキシ基、2−nーブチルオキシエトキシ基、2−イソブチルオキシエトキシ基、2−tert−ブチルオキシエトキシ基、2−sec−ブチルオキシエトキシ基、2−n−ペンチルオキシエトキシ基、2−イソペンチルオキシエトキシ基、2−tert−ペンチルオキシエトキシ基、2−sec−ペンチルオキシエトキシ基、2−シクロペンチルオキシエトキシ基、2−n−ヘキシルオキシエトキシ基、2−(4−エチルシクロヘキシルオキシ)エトキシ基、2−n−ノニルオキシエトキシ基、2−(3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ)エトキシ基、2−n−デシルオキシエトキシ基、2−n−ドデシルオキシエトキシ基、3−メトキシプロピルオキシ基、3−エトキシプロピルオキシ基、3−(n−プロピルオキシ)プロピルオキシ基、2−イソペンチルオキシプロピルオキシ基、2−メトキシブチルオキシ基、4−エトキシブチルオキシ基、4−(n−プロピルオキシ)ブチルオキシ基、4−イソプロピルオキシブチルオキシ基、5−メトキシペンチルオキシ基、5−エトキシメトキシ基、6−n−プロピルヘキシルオキシ基等のアルコキシアルコキシ基が挙げられる。特に総炭素数2〜8のアルコキシアルコキシ基が好ましく、総炭素数2〜4のアルコキシアルコキシ基がより好ましい。
R
1〜R
14がアルキルチオ基であるものとしては、アルキル部分が直鎖、分岐または環状のいずれであっても良い。置換アルキルチオ基としては、置換基としてハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ジアルキルアミノ基を有するものが好ましく、置換基としてハロゲン原子、アルコキシ基を有するものがより好ましい。
【0027】
非置換のアルキルチオ基の例としてはメチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、シクロペンチルチオ基、n−ヘキシルチオ基、3,3−ジメチルブチルチオ基、2−エチルブチルチオ基、シクロヘキシルチオ基、n−ヘプチルチオ基、n−オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、n−ノニルチオ基、n−ウンデシルチオ基、n−ドデシルチオ基、n−トリデシルチオ基、n−テトラデシルチオ基、n−ペンタデシルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基、n−ヘプタデシルチオ基、n−オクタデシルチオ基、n−トリコシルチオ基、n−テトラコシルチオ基などが挙げられ、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプピルチオ基、n−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、n−ヘキシルチオ基、3,3−ジメチルブチルチオ基、2−エチルブチルチオ基、シクロヘキシルチオ基、n−ヘプチルチオ基、n−オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、n−ドデシルチオ基が好ましく、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、n−ヘキシルチオ基、2−エチルブチルチオ基、シクロヘキシルチオ基、n−ヘプチルチオ基、n−オクチルチオ基がより好ましい。
【0028】
アルコキシアルキルチオ基の例としてはメトキシメチルチオ基、エトキシメチルチオ基、n−プロピルオキシメチルチオ基、nーブチルオキシメチルチオ基、イソブチルオキシメチルチオ基、tert−ブチルオキシメチルチオ基、n−ペンチルオキシメチルチオ基、2−メトキシエチルチオ基、2−エトキシエチルチオ基、2−n−プロピルオキシエチルチオ基、2−イソプロピルオキシエチルチオ基、2−nーブチルオキシエチルチオ基、2−イソブチルオキシエチルチオ基、2−tert−ブチルオキシエチルチオ基、2−sec−ブチルオキシエチルチオ基、2−n−ペンチルオキシエチルチオ基、2−イソペンチルオキシエチルチオ基、2−sec−ペンチルオキシエチルチオ基、2−n−ヘキシルオキシエチルチオ基、2−(4−エチルシクロヘキシルオキシ)エチルチオ基、2−n−ノニルオキシエチルチオ基、2−(3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ)エチルチオ基、2−n−デシルオキシエチルチオ基、2−n−ドデシルオキシエチルチオ基、3−メトキシプロピルチオ基、3−エトキシプロピルチオ基、3−(n−プロピルチオ)プロピルチオ基、2−イソペンチルオキシプロピルチオ基、2−メトキシブチルチオ基、4−エトキシブチルチオ基、4−(n−プロピルオキシ)ブチルチオ基、5−メトキシペンチルチオ基、5−エトキシペンチルチオ基、6−n−プロピルオキシヘキシルチオ基等が挙げられる。特に総炭素数2〜8のアルコキシアルキルチオ基が好ましく、総炭素数2〜4のアルコキシアルキルチオ基がより好ましい。
ハロゲノアルキルチオ基の例としては、フルオロメチルチオ基、3−フルオロプロピルチオ基、6−フルオロヘキシルチオ基、8−フルオロオクチルチオ基、トリフルオロメチルチオ基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロエチルチオ基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−プロピルチオ基、1,1,3−トリヒドロ−パーフルオロ−n−プロピルチオ基、2−ヒドロ−パーフルオロ−2−プロピルチオ基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ブチルチオ基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ペンチルチオ基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ヘキシルチオ基、6−フルオロヘキシルチオ基、4−フルオロシクロヘキシルチオ基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−オクチルチオ基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−デシルチオ基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ドデシルチオ基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−テトラデシルチオ基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ヘキサデシルチオ基、パーフルオロエチルチオ基、パーフルオロ−n−プロピルチオ基、パーフルオロ−n−ペンチルチオ基、パーフルオロ−n−ヘキシルチオ基、2,2−ビス(トリフルオロメチル)プロピルチオ基、ジクロロメチルチオ基、2−クロロエチルチオ基、3−クロロプロピルチオ基、4−クロロシクロヘキシルチオ基、7−クロロヘプチルチオ基、8−クロロオクチルチオ基、2,2,2−トリクロロエチルチオ基などが挙げられる。特に炭素数1〜8のハロゲノアルキルチオ基が好ましく、炭素数1〜8のパーフルオロアルキルチオ基がより好ましい。
【0029】
R
1〜R
14が置換若しくは非置換のアリール基であるものとしては、ヘテロアリール基を含む。置換アリール基としては、置換基としてハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アミノ基を有するものが好ましく、置換基としてハロゲン原子を有するものがより好ましい。
置換若しくは非置換のアリール基の例としては、フェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−n−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−n−ブチルフェニル基、4−イソブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−n−ペンチルフェニル基、4−イソペンチルフェニル基、4−tert−ペンチルフェニル基、4−n−ヘキシルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、4−n−ヘプチルフェニル基、4−n−オクチルフェニル基、4−n−ノニルフェニル基、4−n−デシルフェニル基、4−n−ウンデシルフェニル基、4−n−ドデシルフェニル基、4−n−テトラデシルフェニル基、4−n−ヘキサデシルフェニル基、4−n−オクタデシルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、5−インダニル基、1,2,3,4−テトラヒドロ−5−ナフチル基、1,2,3,4−テトラヒドロ−6−ナフチル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、3−エトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、4−n−プロポキシフェニル基、4−イソプロポキシフェニル基、4−n−ブトキシフェニル基、4−イソブトキシフェニル基、4−n−ペンチルオキシフェニル基、4−n−ヘキシルオキシフェニル基、4−シクロヘキシルオキシフェニル基、4−n−ヘプチルオキシフェニル基、4−n−オクチルオキシフェニル基、4−n−ノニルオキシフェニル基、4−n−デシルオキシフェニル基、4−n−ウンデシルオキシフェニル基、4−n−ドデシルオキシフェニル基、4−n−テトラデシルオキシフェニル基、4−n−ヘキサデシルオキシフェニル基、4−n−オクタデシルオキシフェニル基、2,3−ジメトキシフェニル基、2,4−ジメトキシフェニル基、2,5−ジメトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,5−ジメトキシフェニル基、3,5−ジエトキシフェニル基、2−メトキシ−4−メチルフェニル基、2−メトキシ−5−メチルフェニル基、3−メトキシ−4−メチルフェニル基、2−メチル−4−メトキシフェニル基、3−メチル−4−メトキシフェニル基、3−メチル−5−メトキシフェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、4−ブロモフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジトリフルオロメチルフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、2−メチル−4−クロロフェニル基、2−クロロ−4−メチルフェニル基、3−クロロ−4−メチルフェニル基、2−クロロ−4−メトキシフェニル基、3−メトキシ−4−フルオロフェニル基、3−メトキシ−4−クロロフェニル基、3−フルオロ−4−メトキシフェニル基、4−フェニルフェニル基、3−フェニルフェニル基、2−フェニルフェニル基、4−(4’−メチルフェニル)フェニル基、4−(4’−メトキシフェニル)フェニル基、3,5−ジフェニルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、4−エトキシ−1−ナフチル基、6−n−ブチル−2−ナフチル基、6−メトキシ−2−ナフチル基、7−エトキシ−2−ナフチル基、2−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、4−アミノフェニル基、3−アミノフェニル基、2−アミノフェニル基、4−(N−メチルアミノ)フェニル基、3−(N−メチルアミノ)フェニル基、4−(N−エチルアミノ)フェニル基、2−(N−イソプロピルアミノ)フェニル基、4−(N−n−ブチルアミノ)フェニル基、2−(N−n−ブチルアミノ)フェニル基、4−(N−n−オクチルアミノ)フェニル基、4−(N−n−ドデシルアミノ)フェニル基、4−N−ベンジルアミノフェニル基、4−N−フェニルアミノフェニル基、
【0030】
2−N−フェニルアミノフェニル基、4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル基、3−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル基、2−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル基、4−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル基、2−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル基、4−(N,N−ジ−n−ブチルアミノ)フェニル基、4−(N,N−ジ−n−ヘキシルアミノ)フェニル基、4−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フェニル基、4−(N,N−ジエチルアミノ)−1−ナフチル基、4−ピロリジノフェニル基、4−ピペリジノフェニル基、4−モルフォリノフェニル基、4−ピロリジノ−1−ナフチル基、4−(N−ベンジル−N−メチルアミノ)フェニル基、4−(N−ベンジル−N−フェニルアミノ)フェニル基、4−(N−メチル−N−フェニルアミノ)フェニル基、4−(N−エチル−N−フェニルアミノ)フェニル基、4−(N−n−ブチル−N−フェニルアミノ)フェニル基、4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル基、2−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル基、4−〔N,N−ジ(4’−メチルフェニル)アミノ〕フェニル基、4−〔N,N−ジ(3’−メチルフェニル)アミノ〕フェニル基、4−〔N,N−ジ(4’−エチルフェニル)アミノ〕フェニル基、4−〔N,N−ジ(4’−tert−ブチルフェニル)アミノ〕フェニル基、4−〔N,N−ジ(4’−n−ヘキシルフェニル)アミノ〕フェニル基、4−〔N,N−ジ(4’−メトキシフェニル)アミノ〕フェニル基、4−〔N,N−ジ(4’−エトキシフェニル)アミノ〕フェニル基、4−〔N,N−ジ(4’−n−ブトキシフェニル)アミノ〕フェニル基、4−〔N,N−ジ(4’−n−ヘキシルオキシフェニル)アミノ〕フェニル基、4−〔N,N−ジ(1’−ナフチル)アミノ〕フェニル基、4−〔N,N−ジ(2’−ナフチル)アミノ〕フェニル基、4−〔N−フェニル−N−(3’−メチルフェニル)アミノ〕フェニル基、4−〔N−フェニル−N−(4’−メチルフェニル)アミノ〕フェニル基、4−〔N−フェニル−N−(4’−オクチルフェニル)アミノ〕フェニル基、4−〔N−フェニル−N−(4’−メトキシフェニル)アミノ〕フェニル基、4−〔N−フェニル−N−(4’−エトキシフェニル)アミノ〕フェニル基、4−〔N−フェニル−N−(4’−n−ヘキシルオキシフェニル)アミノ〕フェニル基、4−〔N−フェニル−N−(4’−フルオロフェニル)アミノ〕フェニル基、4−〔N−フェニル−N−(1’−ナフチル)アミノ〕フェニル基、4−〔N−フェニル−N−(2’−ナフチル)アミノ〕フェニル基、4−〔N−フェニル−N−(4’−フェニルフェニル)アミノ〕フェニル基、4−(N,N−ジフェニルアミノ)−1−ナフチル基、6−(N,N−ジフェニルアミノ)−2−ナフチル基、4−(N−カルバゾリイル)フェニル基、4−(N−フェノキサジイル)フェニル基などが挙げられる。特にフェニル基、アルキル置換フェニル基、ハロゲン置換フェニル基が好ましく、フェニル基、4−メチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、4−クロロフェニル基、4−ブロモフェニル基、4−フロロフェニル基がより好ましい。
【0031】
R
1〜R
14が置換若しくは非置換のアリールオキシ基であるものとしては、ヘテロアリールオキシ基を含む。置換アリールオキシ基としては、置換基としてハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アミノ基を有するものが好ましく、置換基としてハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基を有するものがより好ましい。
【0032】
置換若しくは非置換のアリールオキシ基の例としては、フェニルオキシ基、2−メチルフェニルオキシ基、4−メチルフェニルオキシ基、4−エチルフェニルオキシ基、4−イソプロピルフェニルオキシ基、4−イソブチルフェニルオキシ基、4−n−ペンチルフェニルオキシ基、4−tert−ペンチルフェニルオキシ基、4−シクロヘキシルフェニルオキシ基、4−n−オクチルフェニルオキシ基、4−n−デシルフェニルオキシ基、4−n−ドデシルフェニルオキシ基、4−n−ヘキサデシルフェニルオキシ基、2,3−ジメチルフェニルオキシ基、2,5−ジメチルフェニルオキシ基、3,4−ジメチルフェニルオキシ基、3,4,5−トリメチルフェニルオキシ基、5−インダニルオキシ基、1,2,3,4−テトラヒドロ−6−ナフチルオキシ基、3−メトキシフェニルオキシ基、3−エトキシフェニルオキシ基、4−n−プロポキシフェニルオキシ基、4−n−ブトキシフェニルオキシ基、4−n−ペンチルオキシフェニルオキシ基、4−シクロヘキシルオキシフェニルオキシ基、4−n−オクチルオキシフェニルオキシ基、4−n−デシルオキシフェニルオキシ基、4−n−ドデシルオキシフェニルオキシ基、4−n−ヘキサデシルオキシフェニルオキシ基、2,3−ジメトキシフェニルオキシ基、2,5−ジメトキシフェニルオキシ基、3,5−ジメトキシフェニルオキシ基、2−メトキシ−4−メチルフェニルオキシ基、3−メトキシ−4−メチルフェニルオキシ基、3−メチル−4−メトキシフェニルオキシ基、2−フルオロフェニルオキシ基、4−フルオロフェニルオキシ基、3−クロロフェニルオキシ基、4−ブロモフェニルオキシ基、3−トリフルオロメチルフェニルオキシ基、3,5−ジフルオロフェニルオキシ基、3,4−ジクロロフェニルオキシ基、2−メチル−4−クロロフェニルオキシ基、3−クロロ−4−メチルフェニルオキシ基、3−メトキシ−4−フルオロフェニルオキシ基、3−フルオロ−4−メトキシフェニルオキシ基、4−フェニルフェニルオキシ基、3−フェニルフェニルオキシ基、4−(4’−メチルフェニル)フェニルオキシ基、4−(4’−メトキシフェニル)フェニルオキシ基、1−ナフチルオキシ基、4−メチル−1−ナフチルオキシ基、6−n−ブチル−2−ナフチルオキシ基、7−エトキシ−2−ナフチルオキシ基、2−チエニルオキシ基、2−ピリジルオキシ基、4−ピリジルオキシ基などが挙げられる。特に2−クロロフェニルオキシ基、4−クロロフェニルオキシ基、2−ブロモフェニルオキシ基、4-ブロモフェニルオキシ基、2−フロロフェニルオキシ基、4-フロロフェニルオキシ基、4−メチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4-ブトキシフェニル基が好ましく、2−フロロフェニルオキシ基、4-フロロフェニルオキシ基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基がより好ましい。
【0033】
R
1〜R
14が置換若しくは非置換のアリールチオ基であるものとしては、ヘテロアリールチオ基も含まれ、フェニルチオ基、2−メチルフェニルチオ基、4−メチルフェニルチオ基、3−エチルフェニルチオ基、4−n−プロピルフェニルチオ基、4−n−ブチルフェニルチオ基、4−イソブチルフェニルチオ基、4−tert-ブチルフェニルチオ基、4−n−ペンチルフェニルチオ基、4−n−ヘキシルフェニルチオ基、4−シクロヘキシルフェニルチオ基、4−n−オクチルフェニルチオ基、4−n−ドデシルフェニルチオ基、4−n−オクタデシルフェニルチオ基、2,5−ジメチルフェニルチオ基、3,4−ジメチルフェニルチオ基、5−インダニルチオ基、1,2,3,4−テトラヒドロ−6−ナフチルチオ基、2−メトキシフェニルチオ基、3−メトキシフェニルチオ基、4−エトキシフェニルチオ基、4−n−プロポキシフェニルチオ基、2,4−ジメトキシフェニルチオ基、3,5−ジエトキシフェニルチオ基、2−メトキシ−4−メチルフェニルチオ基、2−メチル−4−メトキシフェニルチオ基、2−フルオロフェニルチオ基、4−フルオロフェニルチオ基、2−クロロフェニルチオ基、4−ブロモフェニルチオ基、4−トリフルオロメチルフェニルチオ基、3−トリフルオロメチルフェニルチオ基、2,4−ジフルオロフェニルチオ基、2,4−ジクロロフェニルチオ基、2−クロロ−4−メトキシフェニルチオ基、2−ナフチルチオ基、4−メチル−1−ナフチルチオ基、4−エトキシ−1−ナフチルチオ基、2−ピリジルチオ基、4−アミノフェニルチオ基、4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニルチオ基、4−(N,N−ジエチルアミノ)−1−ナフチルチオ基、4−〔N,N−ジ(4’−メチルフェニル)アミノ〕フェニルチオ基、4−(N−フェノキサジイル)フェニルチオ基などが挙げられ、フェニルチオ基、2−メチルフェニルチオ基、4−メチルフェニルチオ基、3−エチルフェニルチオ基、4−n−プロピルフェニルチオ基、4−n−ブチルフェニルチオ基、2,5−ジメチルフェニルチオ基、3,4−ジメチルフェニルチオ基、1,2,3,4−テトラヒドロ−6−ナフチルチオ基、2−メトキシフェニルチオ基、4−エトキシフェニルチオ基、2,4−ジメトキシフェニルチオ基、
【0034】
3,5−ジエトキシフェニルチオ基、2−メトキシ−4−メチルフェニルチオ基、2−フルオロフェニルチオ基、2−クロロフェニルチオ基、4−トリフルオロメチルフェニルチオ基、2,4−ジフルオロフェニルチオ基、2,4−ジクロロフェニルチオ基、2−クロロ−4−メトキシフェニルチオ基、2−ナフチルチオ基、4−メチル−1−ナフチルチオ基、2−ピリジルチオ基、4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニルチオ基、4−(N,N−ジエチルアミノ)−1−ナフチルチオ基が好ましく、フェニルチオ基、2−メチルフェニルチオ基、4−メチルフェニルチオ基、3−エチルフェニルチオ基、2,5−ジメチルフェニルチオ基、3,4−ジメチルフェニルチオ基、2−メトキシフェニルチオ基、4−エトキシフェニルチオ基、2,4−ジメトキシフェニルチオ基、2−メトキシ−4−メチルフェニルチオ基、2−クロロフェニルチオ基、4−トリフルオロメチルフェニルチオ基、2,4−ジクロロフェニルチオ基、2−クロロ−4−メトキシフェニルチオ基、2−ナフチルチオ基がより好ましい。
【0035】
一般式(1)においてX
1、X
2は酸素原子または硫黄原子であるが、特に好ましくは酸素原子である。
一般式(1)においてA
1、A
2は好ましくは炭素数1〜16のアルキレン基、または炭素数6〜24の置換若しくは非置換のアリーレン基である。A
1、A
2はより好ましくは、炭素数1〜12のアルキレン基、または炭素数6〜18の非置換若しくは置換基としてアルキル基、アルケニル基、ハロゲン原子、シアノ基若しくはアシル基を有するアリーレン基である。
A
1、A
2がアルキレン基であるものとしては、直鎖、分岐または環状のいずれのアルキレン基であっても良い
【0036】
アルキレン基の例としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3―ジイル基、プロパン-1.2-ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ブタン−2,3−ジイル基、1,1,2,2−テトラメチルエタン−1,2−ジイル基、ブタン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ペンタン−1,2−ジイル基、2,4−ジエチルペンタン-1,5−ジイル基、3−メチルペンタン−1,5−ジイル基、シシクロペンタン−1,3−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘキサン−1,4−ジイル基、ヘキサン−2,4−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロヘキサン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,2−ジイル基、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフロロヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、アダマンタン−1,3−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、1H,1H,10H,10H―ヘキサデカフルオロデカン−1,10−ジイル基が挙げられる。特に炭素数1〜12のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基がより好ましい。
A
1、A
2が置換若しくは非置換のアリーレン基であるものとしては、ヘテロアリーレン基を含む。置換アリーレン基としては、置換基としてアルキル基、アルケニル基、ハロゲン原子、シアノ基、アシル基を有するが好ましく、置換基としてアルキル基を有するものがより好ましい。
【0037】
置換若しくは非置換のアリーレン基の例としては、ベンゼン−1,4−ジイル基、ベンゼン−1,3−ジイル基、ベンゼン−1,2−ジイル基、2−メチルベンゼン−1,4―ジイル基、3−メチルベンゼン−1,4−ジイル基、2,6−ジメチルベンゼン−1,4−ジイル基、2,3,5,6−テトラメチルベンゼン−1,4−ジイル基、2−アリルベンゼン−1,4−ジイル基、2−イソプロピルベンゼン−1,4−ジイル基、2,3−ジプロピルベンゼン−1,4−ジイル基、2−t−ブチルベンゼン−1,4−ジイル基、3−t−ブチルベンゼン−1,4−ジイル基、2−t−ブチル-5−メチルベンゼン−1,4−ジイル基、2,5−ジ−t−ブチルベンゼン−1,4−ジイル基、2−シクロヘキシルベンゼン−1,4−ジイル基、3−シクロヘキシルベンゼン−1,4−ジイル基、2−フェニルベンゼン−1,4−ジイル基、3−フェニルベンゼン−1,4−ジイル基、2−メトキシベンゼン−1,4−ジイル基、3−メトキシベンゼン−1,4−ジイル基、2−クロロベンゼン−1,4−ジイル基、3−クロロベンゼン−1,4−ジイル基、2−フロロベンゼン−1,4−ジイル基、3−フロロベンゼン−1,4−ジイル基、2,3,5,6−テトラフロロベンゼン−1,4−ジイル基、2,3−ジシアノベンゼン−1,4−ジイル基、2−アシルベンゼン−1,4−ジイル基、ナフタレン−1,5−ジイル基、アントラキノン−2,6−ジイル基、ベンゾノルボルネン−3,6−ジイル基が挙げられる。特にベンゼン−1,4−ジイル基、ベンゼン−1,3−ジイル基、ベンゼン−1,2−ジイル基、2−メチルベンゼン−1,4−ジイル基、3−メチルベンゼン−1,4−イル基、2,6−ジメチルベンゼン−1,4−ジイル基、2−クロロベンゼン−1,4−ジイル基、3−クロロベンゼン−1,4−ジイル基、2−フロロベンゼン−1,4−ジイル基、3−フロロベンゼン−1,4−ジイル基、2,3,5,6−テトラフロロベンゼン−1,4−ジイル基、が好ましく、ベンゼン−1,4−ジイル基、2−メチルベンゼン−1,4−ジイル基、3−メチルベンゼン−1,4−イル基、2−フロロベンゼン−1,4−ジイル基、3−フロロベンゼン−1,4−ジイル基がより好ましい。
【0038】
一般式(1)においてYは好ましくは酸素原子、硫黄原子、炭素数0〜12の置換若しくは非置換のイミノ基、スルホニル基、カルボニル基、または炭素数1〜16のアルキレン基である。Yはより好ましくは、酸素原子、硫黄原子、炭素数0〜12の非置換若しくは置換基としてアルキル基若しくはアリール基を有するイミノ基、スルホニル基、カルボニル基、または炭素数1〜12のアルキレン基である。
Yが置換若しくは非置換のイミノ基であるもののうち、置換イミノ基は、置換基としてアルキル基、アリール基を有するが好ましく、置換基として炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基を有するものがより好ましい。
アルキル置換イミノ基の例としてはメチルイミノ基、エチルイミノ基、n−プロピルイミノ基、イソプロピルイミノ基、n−ブチルイミノ基、イソブチルイミノ基、sec−ブチルイミノ基が挙げられる。アリール置換イミノ基の例としてはフェニルイミノ基、トルイルイミノ基が挙げられる。特にメチルイミノ基、エチルイミノ基、n−プロピルイミノ基、イソプロピルイミノ基、フェニルイミノ基が好ましく、エチルイミノ基、フェニルイミノ基がより好ましい。
Yがアルキレン基であるものとしては、直鎖、分岐または環状のいずれのアルキレン基であっても良い。
【0039】
アルキレン基の例としてはメチレン基、エチレン基、プロパン−1,3―ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ブタン−2,3−ジイル基、1,1,2,2−テトラメチルエタン−1,2−ジイル基、ブタン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、2−メチルペンタン−4,4−ジイル基、2,4−ジメチルペンタン−1,5−ジイル基、シクロペンタン−1,3−ジイル基、ヘキサン−2,2−ジイル基、ヘキサン−3,4−ジイル基、シクロヘキサン−1,1−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基が挙げられる。特にメチレン基、エチレン基、プロパン−2,2−ジイル基が好ましく、メチレン基、エチレン基がより好ましい。
一般式(1)において、nが0または1であり、pが1であるものが好ましい。
一般式(1)においてMはCu、Zn、Fe、Co、Ni、Pt、Pd、Mn、Mg、Mn(OH)、Mn(OH)
2、VO、またはTiOが好ましく、Cu、Pd、VOがより好ましい。
本発明の一般式(1)で表されるテトラアザポルフィリン二量体化合物の具体例を下記表1に示すが、これらに限定されるものではない。
【0051】
[テトラアザポルフィリン二量体化合物の製造方法]
一般式(1)のテトラアザポルフィリン二量体化合物の製造方法について以下に説明する。
一般式(1)で表されるテトラアザポルフィリン二量体化合物は、一般式(2)で表されるテトラアザポルフィリン化合物と、一般式(3)で表される化合物とを、塩基の存在下に反応させることにより製造することが出来る。
[式(2)中、R
15〜R
21はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルコキシ基、置換若しくは非置換のアルキルチオ基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のアリールオキシ基、または置換若しくは非置換のアリールチオ基を示し、Zはハロゲン原子を示し、Mは2個の水素原子、2個の1価の金属原子、2価の金属原子、3価の置換金属原子、4価の置換金属原子、または酸化金属原子を示す。]
[式(3)中、X
1、X
2はそれぞれ独立に、酸素原子、または硫黄原子を示し、A
1、A
2はアルキレン基、または置換若しくは非置換のアリーレン基を示し、Yは酸素原子、硫黄原子、置換若しくは非置換のイミノ基、スルホニル基、カルボニル基、またはアルキレン基を示し、n、pはそれぞれ独立に0または1の整数を示す。]
一般式(3)の化合物の使用量は一般式(2)のテトラアザポルフィリン化合物1モルに対し0.2〜0.7倍モル、好ましくは0.3〜0.5倍モルである。
塩基としては、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、t−ブトキシカリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなどが使用できるが、好ましくは炭酸カリウムである。
塩基の使用量は一般式(2)のテトラアザポルフィリン化合物1モルに対し1〜10倍モル、好ましくは2〜5倍モルである。
【0052】
一般式(2)で表されるテトラアザポルフィリン化合物と、一般式(3)で表される化合物との反応は、有機溶剤存在下に行うことが好ましい。反応溶媒としては反応に悪影響を及ぼすものでなければ、特に制限はなく、トルエン、キシレン、メシチレン、プソイドクメン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族系炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、四塩化炭素、クロロホルム等の脂肪族炭化水素、酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸類、DMF、DMAC、DMI、DMSO等の非プロトン性溶媒が使用できるが、好ましくはDMAC、DMI、DMSO等の非プロトン性溶媒である。溶媒の使用量は、反応に使用する一般式(2)のテトラアザポルフィリン化合物に対して1〜500倍容量、好ましくは1〜200倍容量、より好ましくは5〜100倍容量である。
反応温度は室温〜200℃であり、好ましくは50〜150℃、より好ましくは50〜100℃である。
反応時間は10分〜200時間、好ましくは1時間〜100時間、より好ましくは5時間〜50時間である。
反応後、反応混合物を貧溶媒、例えばメタノール、水等に排出、析出物をろ取、乾燥して目的物を得る。必要に応じ、シリカゲルを用いるカラムクロマトグラフィーなどの公知の精製法で精製し、より高純度品を得ることができる。
【0053】
[樹脂組成物]
本発明の樹脂組成物について以下に説明する。
本発明の樹脂組成物は、一般式(1)で表されるテトラアザポルフィリン二量体化合物と、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂とを、少なくとも含有する。
なお、以降の説明において、熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂を、単に樹脂と略称することもある。
本発明の樹脂組成物における樹脂と一般式(1)のテトラアザポルフィリン二量体化合物の配合量は、用途や樹脂成形体の厚みにより異なるが、透光性、透明性が失われない限度内の濃度にあれば良く、通常成形体の厚み方向に対して可視光線透過率が12〜99%、好ましくは20〜90%となるように調整する。例えば、厚み2.15mmの眼鏡レンズでポリカーボネート樹脂へ混合するのであれば、一般式(1)のテトラアザポルフィリン二量体化合物の使用量はポリカーボネート樹脂に対し0.001重量%〜0.1重量%である。一般に、成形体の厚みが0.1mm〜20mmであれば、一般式(1)のテトラアザポルフィリン二量体化合物の使用量は樹脂に対し0.0001〜0.2重量%である。
本発明の樹脂組成物には、樹脂と一般式(1)のテトラアザポルフィリン二量体化合物以外に、必要に応じて他の色素、公知の紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、各種樹脂添加剤を配合することができる。各種樹脂添加剤としては、フェノール系酸化防止剤、離型剤、染顔料、リン系熱安定剤、耐候性改良剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤・アンチブロッキング剤、難燃剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、防菌剤などが挙げられる。
【0054】
本発明の樹脂組成物の製造方法を以下に説明する。
本発明の樹脂組成物は、一般式(1)のテトラアザポルフィリン二量体化合物と熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂を混合することによって得られ、少なくともこれを成型してなる成形体においてはテトラアザポルフィリン二量体化合物と樹脂は相溶状態であることが望ましい。
樹脂組成物の樹脂が熱可塑性樹脂の場合、テトラアザポルフィリン二量体化合物と熱可塑性樹脂の粉末あるいはペレットとを、タンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を使用して混合することで樹脂組成物が得られ、これを、バンバリーミキサー、加熱ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどの公知の溶融混練機で溶融混練することによって、テトラアザポルフィリン二量体化合物と熱可塑性樹脂が均一の樹脂組成物を製造できる。
また、熱可塑性樹脂およびテトラアザポルフィリン二量体化合物を溶解しうる有機溶媒に溶解混合後、有機溶媒を取り去ることにより製造することもできる。その際使用される有機溶媒としてはヘキサン、ヘプタン、アセトン、メチルエチルケトン、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタン、クロロホルムなどが挙げられるが、上記樹脂組成物に対して化学反応的に不活性で、かつ適度に低沸点のものであれば特に限定されるものではない。
【0055】
また、テトラアザポルフィリン二量体化合物を溶媒に溶解させた後、樹脂または樹脂成形体を接触させてテトラアザポルフィリン二量体化合物を樹脂内に拡散、侵入させることにより製造することも可能で、かくして得られた樹脂組成物も本発明の権利範囲内である。テトラアザポルフィリン二量体化合物を溶解させる有機溶媒は、特に限定はないが、テトラアザポルフィリン二量体化合物を分解するものや、熱可塑性樹脂を変質させるものであってはならない。通常、液体のケトンやアルコ−ル類がよく使用される。溶液の濃度は、目的に応じた任意であるが、通常0.01%〜30%程度が良好な範囲である。拡散の条件は、溶媒、熱可塑性樹脂の種類等により変化するが、通常、常圧もしくは加圧下で、25℃〜200℃、数分〜5時間である。
【0056】
さらに、熱可塑性樹脂の原料モノマーに上記方法でテトラアザポルフィリン二量体化合物を混合後、これを重合しても良い。この製造方法については、後記の樹脂組成物の樹脂が熱硬化性樹脂の場合においてまとめて説明する。
樹脂組成物の樹脂が熱硬化性樹脂の場合、テトラアザポルフィリン二量体化合物を溶媒に溶解させた後、樹脂または樹脂成形体を接触させてテトラアザポルフィリン二量体化合物を樹脂内に拡散、侵入させる方法、または熱硬化性樹脂の原料モノマーにテトラアザポルフィリン二量体化合物を混合後、これを重合する方法があるが、後者が多く用いられる。後者の方法について以下に説明する。
熱硬化性樹脂の原料モノマーにテトラアザポルフィリン二量体化合物を混合する工程において、テトラアザポルフィリン二量体化合物の混合対象により、モノマー混合物を構成するモノマー群のいずれかに混合させた後にモノマー混合物とする方法、モノマー混合物及びその他の添加剤からなる混合物に混合させた後、触媒を加える方法、あるいはモノマー混合物、触媒、及びその他の添加剤からなる混合物に混合させる方法などがある。
重合硬化に用いられるモノマーおよびテトラアザポルフィリン二量体化合物以外の成分として、重合触媒及びその他の添加剤がある。
【0057】
重合触媒としては、有機過酸化物が知られており、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステル、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイドなどの化合物系が挙げられる。
その他の添加剤としては、ジブチル錫ジクロライドなどの触媒、紫外線吸収剤、酸性リン酸エステルなどの内部離型剤、光安定剤、酸化防止剤、ラジカル反応開始剤などの反応開始剤、鎖延長剤、架橋剤、充填剤などがあり、さらに必要に応じ添加される、公知の樹脂改質剤、例えばヒドロキシ化合物、チオール化合物、エポキシ化合物、エピスルフィド化合物、有機酸及びその無水物、(メタ)アクリレート化合物等を含むオレフィン化合物等が挙げられる。
熱硬化性樹脂の原料モノマーにテトラアザポルフィリン二量体化合物を混合するにあたっては、テトラアザポルフィリン二量体化合物を直接混合させてもよいし、あるいは予めテトラアザポルフィリン二量体化合物を低沸点の有機溶媒に溶解させ、この有機溶媒溶液を原料モノマーに混合後、加熱及び/又は減圧等の条件下で前記有機溶媒を蒸発除去してもよい。その際使用される有機溶媒としてはヘキサン、ヘプタン、アセトン、メチルエチルケトン、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタン、クロロホルムなどが挙げられるが、原料モノマーに対して化学反応的に不活性で、かつ適度に低沸点のものであれば特に限定されない。
混合に当たっては、樹脂組成物に必要とされるテトラアザポルフィリン二量体化合物濃度に相当する量が樹脂組成物に含有されるように混合させてもよく、また一方の原料モノマーなどいずれかの成分に目的濃度より高濃度でテトラアザポルフィリン二量体化合物を含有させたマスターバッチを調製しておき、必要に応じて配合すべき他成分を加えて希釈させて目的の濃度の樹脂組成物を製造しても良い。またテトラアザポルフィリン二量体化合物の溶解にあたって、樹脂組成物の劣化や可使時間などの点で実施上支障がない範囲で加温することもできる。
重合硬化の条件については、下記成形体の注型重合法において説明する。重合硬化の条件については、下記成形体の注型重合法において説明する。
【0058】
[熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂]
次に、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂について以下に説明する。
本発明の樹脂組成物に用いられる樹脂は、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂のいずれであってもよいが、透明樹脂であることが好ましい。また本発明の防眩用光学物品の実用性を阻害しない範囲で、2種以上の樹脂を併用しても良い。
【0059】
[熱可塑性樹脂]
熱可塑性樹脂としては特に制限は無いが、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン樹脂、ノルボルネン樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−アクリル共重合体樹脂、ポリウレタン樹脂及びポリビニルアルコール樹脂が好ましく、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂がより好ましい。
【0060】
ポリカーボネート樹脂は、主にジヒドロキシジアリール化合物類とホスゲンを反応させるホスゲン法、またはジヒドロキシジアリール化合物類とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステル類とを反応させるエステル交換法によって得られる重合体であり、代表的なものとして、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)から製造されたポリカーボネート樹脂が挙げられる。
上記ジヒドロキシジアリール化合物類としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3、5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3、5−ジクロロフェニル)プロパンのような(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのような(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4‘−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3、3’−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4‘−ジヒドロキシジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4‘−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4‘−ジヒドロキシ−3,3‘−ジメチルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4‘−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4‘−ジヒドロキシ−3,3‘−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類などが挙げられる。
これらは単独又は2種類以上から選択されて使用される。これらの他にピペラジン、ジピペリジルハイドロキノン、レゾルシン、4,4‘−ジヒドロキシジフェニル等と併用して使用してもよい。なお、ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は通常10000〜100000、好ましくは10000〜400000である。
更に上記のジヒドロキシアリール化合物と以下に示すような3価以上のフェノール化合物を併用してもよい。3価以上のフェノールとしては、フロログルシン、1、3、5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゾール、1、1、1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタンなどが挙げられる。
【0061】
ポリアミド樹脂は、芳香族又は脂肪族基を含むジアミン化合物類と、芳香族又は脂肪族基を含むジカルボン酸化合物類との脱水重縮合物の構造を有する樹脂である。ここで脂肪族基は脂環式脂肪族基も含まれる。上記ジアミン化合物類とジカルボン酸化合物類との脱水重縮合物の構造を有する樹脂は必ずしも脱水重縮合反応から得られるものに限定はされず、例えば1種又は2種以上のラクタム化合物類の開環重合などからも得られることができる。
上記ジアミン化合物類としては、ヘキサメチレンジアミン、m−キシリレンジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ビス(アミノメチル)ノルボルナン、ビス(アミノメチル)テトラヒドロジシクロペンタジエンなどが挙げられ、これらのジアミン化合物類から1種又は2種以上を選択して使用することができる。
上記ジカルボン酸化合物類としては、アジピン酸、ドデカンジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ビス(ヒドロキシカルボニルメチル)ノルボルナン、ビス(ヒドロキシカルボニルメチル)テトラヒドロジシクロペンタジエンなどが挙げられ、これらのジカルボン酸化合物類から1種又は2種以上を選択して使用することができる。
特に透明性の観点から非結晶性のポリアミド樹脂が好ましく、一般的には透明ナイロンと称され、例えばエムス社のグリルアミドTR−55、グリルアミドTR−90、グリルアミドTR−XE3805、あるいはヒュルス社のトロガミドCX−7323などを例示することができる。
【0062】
アクリル樹脂としては、メタクリル酸アルキルを主体とする重合体であって、メタクリル酸アルキルの単独重合体又はメタクリル酸アルキルを2種以上用いた共重合体であってもよいし、メタクリル酸アルキル50重量%以上とメタクリル酸アルキル以外の単量体50重量%以下との共重合体であってもよい。メタクリル酸アルキルとしては通常、そのアルキル基の炭素数が1〜4のものが用いられ、なかでもメタクリル酸メチルが好ましく用いられる。
また、メタクリル酸アルキル以外の単量体は、分子内に1個の重合性炭素−炭素二重結合を有する単官能単量体であってもよいし、分子内に2個以上の重合性炭素−炭素二重結合を有する多官能単量体であってもよいが、特に単官能単量体が好ましく用いられる。その例としては、アクリル酸メチルやアクリル酸エチルのようなアクリル酸アルキル、スチレンやアルキルスチレンのようなスチレン系単量体、アクリロニトリルやメタクリロニトリルのような不飽和ニトリルなどが挙げられる。
アクリル系樹脂としては、単量体が実質的にメタクリル酸アルキルのみからなる重合体であるか、又はメタクリル酸アルキルが単量体組成の例えば70重量%以上、好ましくは90重量%以上を占め、それと、実質的にアクリル酸アルキル、スチレン系単量体及び不飽和ニトリルから選ばれる単量体のみとの共重合体であるのが好ましい。特に、単量体が実質的にメタクリル酸アルキルのみからなる重合体が最も好ましく、代表的にはポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)が挙げられる。ポリメタクリル酸メチル樹脂は綜研化学製MX150、日本触媒製エポスターMA、積水化成品工業製MBXシリーズなど多くの市販品が入手可能である。
また、アクリル樹脂の中で、ガラス転移温度が低く、例えばガラス転移温度が0℃未満、好ましくは−20℃以下のポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂は粘着剤、接着剤等として用いられ、例えば薄型ディスプレイ用光学フィルターの各層の張り合わせ、あるいは光学フィルターとディスプレイ画面の接着などに広く使用されている。
このポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂の粘着剤に、本発明のテトラアザポルフィリン二量体化合物、あるいはこれと前記一般式(4)のアゾ系化合物、一般式(5)のキノフタロン系化合物および一般式(6)のアントラキノン系化合物から選ばれる少なくとも1種を有機色素として含有した樹脂組成物も、本発明の権利範囲内である。
粘着剤として用いられるポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂としては、単量体として炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを50重量%以上使用してなるものが好ましい。
【0063】
炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルの例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、i−オクチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
その他、共重合可能な単量体の例としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類;α−メチルスチレン、ビニルトルエン、スチレンなどに代表されるスチレン系単量体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテルなどに代表されるビニルエーテル系単量体;フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステル、フマル酸のジアルキルエステル;マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステル、マレイン酸のジアルキルエステル、イタコン酸、イタコン酸のモノアルキルエステル、イタコン酸のジアルキルエステル、(メタ)アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、ビニルケトン、ビニルピリジン、ビニルカルバゾールなどを挙げることができる。
ポリエステル樹脂としては、代表的にはポリC
2−4アルキレンテレフタレートやポリC
2−4アルキレンナフタレートなどのホモポリエステル、C
2−4アルキレンアリレート単位(C
2−4アルキレンテレフタレート及び/又はC
2−4アルキレンナフタレート単位)を主成分として含むコポリエステルなどが挙げられるが、ポリアリレート系樹脂、アジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸を用いた脂肪族ポリエステル、ε−カプロラクトンなどのラクトンの単独又は共重合体も含まれる。
コポリエステルとしては、ポリC
2−4アルキレンアリレートの構成単位のうち、C
2−4アルキレングリコールの一部を、ポリオキシC
2−4アルキレングリコール、C
6−10アルキレングリコール、脂環式ジオール(シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなど)、芳香環を有するジオール(フルオレノン側鎖を有する9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン、ビスフェノールA、ビスフェノールA−アルキレンオキサイド付加体など)などで置換したコポリエステル、芳香族ジカルボン酸の一部を、フタル酸、イソフタル酸などの非対称芳香族ジカルボン酸、アジピン酸などの脂肪族C
6−12ジカルボン酸などで置換したコポリエステルが含まれる。
【0064】
ポリエステル樹脂としては、透明性が高い等の点で、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等が好ましい。また、C
2−4アルキレンアリレート系コポリエステルなどのような非結晶性コポリエステルも加工性に優れ好ましい。特にPETが、大量に生産され、耐熱性、強度等に優れているので好ましい。
ポリビニルアセタール系樹脂は、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)とアセトアルデヒドを反応させてアセタール化することにより製造できるが、PVAとホルムアルデヒドとを反応させて得られるポリビニルホルマール樹脂、PVAとn−ブチルアルデヒドとを反応させて得られるポリビニルブチラール樹脂(PVB)等も含まれる。
ポリビニルアセタール系樹脂の合成に用いられるPVAは、例えば、ポリ酢酸ビニルをけん化することにより得られる。上記PVAのけん化度は、一般に80〜99.8モル%の範囲内であるものが好ましい。さらに、PVAの平均重合度が200〜5000のものが好ましく、より好ましくは500〜2,500である。重合度が低すぎると、強度が弱くなりすぎ、重合度が高すぎると、得られるポリビニルアセタール系樹脂を製膜する際に不具合となることがある。
ポリビニルアセタール系樹脂の合成に用いられるアルデヒドは、一般には、炭素数が1〜10のアルデヒドが好ましく、より好ましくはプロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド又はイソブチルアルデヒドである。なお、これらのアルデヒドは、単独で用いられても良いし、2種以上が併用されても良い。
ポリビニルアセタール系樹脂は、水酸基の含有率が15〜40モル%の範囲内であることが好ましく、より好ましくは18〜35モル%の範囲内である。
アセチル化度については、0.1〜30モル%の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.5〜20モル%の範囲内である。
アセタール化度については、60〜85モル%の範囲内であることが好ましく、より好ましくは65〜75モル%の範囲内である。
ポリビニルアセタール系樹脂を可塑化するために用いられる可塑剤としては、従来公知の可塑剤を用いることができる。これら可塑剤は、単独で用いられても良いし、2種以上が併用されても良い。
【0065】
[熱硬化性樹脂]
熱硬化性樹脂としては、アリルジグリコールカーボネートモノマー、ジアリルフタレートモノマー、イソシアネート系化合物とポリオールやポリチオールなどの混合物、およびアクリルモノマーなどの矯正レンズの製造に使われるモノマー類の硬化物が挙げられるが、イソシアネート系化合物とポリオールとの重合反応で得られるポリウレタン樹脂、イソシアネート系化合物とポリチオール化合物とを重合で得られるポリチオウレタン樹脂、およびアリルジグリコールカーボネートモノマーの硬化であるアリルジグリコールカーボネート樹脂から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
ポリウレタン樹脂としては、ブロック型ポリイソシアネートとポリオールを主成分とするものであり、ブロック型ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネートのそれぞれの数分子を結合させた付加物、イソシアヌレートやアロファネートなどをアセト酢酸やマロン酸でブロックしたもの等が挙げられ、ポリオールとしては、水酸基を有するポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリカプトラクトン等が挙げられる。
ポリチオウレタン樹脂としては、代表的なものとして、メタキシリレンジイソシアネートとペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)から製造されたポリチオウレタン樹脂が挙げられる。
アリルジグリコールカーボネート樹脂としては、ポリジエチレングリコールビスアリルカーボネートが好ましく、例としてはCR−39樹脂(またはADC樹脂とも称される)が挙げられる。
【0066】
[その他の色素]
本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を妨げない範囲で、不要光カットや調色、無色化等の目的で他の色素を併用することができる。
例えば、380〜470nmの波長領域に極大吸収を有する色素を併用することで、ギラツキの原因となり、目に対して有害でもある短波長の光も同時にカットし、かつ樹脂組成物の着色を低減することができる。
このような色素としては、例えば下記一般式(4)で表されるアゾ系化合物、下記
【0067】
一般式(5)で表されるキノフタロン系化合物や下記一般式(6)で表されるアントラキノン系化合物が好ましい。これらの色素はどれか1種を用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
【0068】
[式(4)中、R
22 〜R
32はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、カルボキシル基、アルキル基、アルケニル基、ハロゲノアルキル基、アルコキシ基、ハロゲノアルコキシ基、アルキルチオ基、アルコキシアルキル基、アルコキシアルコキシアルキル基、ハロゲノアルコキシアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のアラルキル基、置換若しくは非置換のアミノ基、置換若しくは非置換のアミド基、置換もしくは非置換のアシル基、置換若しくは非置換のアリールオキシ基、置換若しくは非置換のアリールオキシアルキル基、置換若しくは非置換のアラルキルオキシ基、置換若しくは非置換のアラルキルオキシアルキル基、アルキルオキシカルボニル基、置換若しくは非置換のアリールオキシカルボニル基、または置換若しくは非置換のアリールチオ基を示す。]
【0069】
[式(5)中、R
33〜R
41はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、カルボキシル基、アルキル基、アルケニル基、ハロゲノアルキル基、アルコキシ基、ハロゲノアルコキシ基、アルキルチオ基、アルコキシアルキル基、アルコキシアルコキシアルキル基、ハロゲノアルコキシアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のアラルキル基、置換若しくは非置換のアミノ基、置換若しくは非置換のアミド基、置換もしくは非置換のアシル基、置換若しくは非置換のアリールオキシ基、置換若しくは非置換のアリールオキシアルキル基、置換若しくは非置換のアラルキルオキシ基、置換若しくは非置換のアラルキルオキシアルキル基、アルキルオキシカルボニル基、置換若しくは非置換のアリールオキシカルボニル基、または置換若しくは非置換のアリールチオ基を示し、R
38〜R
41から選ばれる互いに隣接する基は互いに結合して、置換している炭素原子と共に、置換若しくは非置換の5員環以上の環を形成していてもよい。]
【0070】
[式(6)中、R
42〜R
49はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲノアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルコキシアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のアラルキル基、または置換若しくは非置換のアリールチオ基を示す。ただしR
42〜R
49の少なくとも1つは必ず置換若しくは非置換のアリールチオ基である。]
【0071】
一般式(4)のアゾ系化合物において、R
22〜R
32が置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のアラルキル基、置換若しくは非置換のアリールオキシ基、置換若しくは非置換のアリールオキシアルキル基、置換若しくは非置換のアラルキルオキシ基、置換若しくは非置換のアラルキルオキシアルキル基、置換若しくは非置換のアリールオキシカルボニル基、置換若しくは非置換のアリールチオ基である場合の置換基としては、それぞれハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、アルキルチオ基、カルボキシル基、アルキル基、アルケニル基、ハロゲノアルキル基、アルコキシ基、ハロゲノアルコキシ基、アルキルチオ基、アルコキシアルキル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基が挙げられる。
R
22 〜R
32が置換若しくは非置換のアミノ基、置換若しくは非置換のアミド基、置換もしくは非置換のアシル基が置換である場合の置換基としては、それぞれアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のアラルキル基が挙げられる。
【0072】
一般式(4)において、R
22〜R
32は好ましくは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数1〜12のハロゲノアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のハロゲノアルコキシ基、炭素数1〜12のアルキルチオ基、炭素数2〜16のアルコキシアルキル基、炭素数3〜20のアルコキシアルコキシアルキル基、炭素数6〜18の置換若しくは非置換のアリール基、炭素数1〜18の置換若しくは非置換のアミノ基、炭素数1〜18の置換若しくは非置換のアミド基、炭素数7〜20の置換若しくは非置換のアラルキル基、炭素数6〜18の置換若しくは非置換のアリールオキシ基、炭素数7〜20の置換若しくは非置換のアリールオキシアルキル基、炭素数2〜13のアルキルオキシカルボニル基、炭素数7〜19の置換若しくは非置換のアリールオキシカルボニル基、炭素数6〜18の置換若しくは非置換のアリールチオ基である。
またR
22〜R
32はより好ましくは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のハロゲノアルコキシ基、炭素数1〜8のアルキルチオ基、炭素数2〜12のアルコキシアルキル基、炭素数2〜12のハロゲノアルコキシアルキル基、炭素数6〜14の置換若しくは非置換のアリール基、炭素数1〜14の置換若しくは非置換のアミノ基、炭素数7〜18の置換若しくは非置換のアラルキル基、炭素数6〜14の置換若しくは非置換のアリールオキシ基、炭素数6〜14の置換若しくは非置換のアリールチオ基である。
【0073】
R
22〜R
32の具体例について以下に説明する。
R
22〜R
32がハロゲン原子、アルキル基、ハロゲノアルキル基、アルコキシアルキル基、ハロゲノアルコキシアルキル基、置換若しくは非置換のアラルキル基、アルコキシ基、ハロゲノアルコキシ基、アルキルチオ基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のアリールオキシ基、または置換若しくは非置換のアリールチオ基である場合の具体例、好ましい例については、前記一般式(1)のテトラアザポルフィリン系化合物のR
1〜R
14がそれぞれこれらの置換基である場合に挙げた例と同様の例が挙げられる。
【0074】
R
22〜R
32がアルケニル基であるものとしては、ビニル基、プロペニル基、1−ブテニル基、イソブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、2−メチル−1−ブテニル基、1−ヘキセニル基などが挙げられ、ビニル基、プロペニル基、1−ブテニル基が好ましく、ビニル基、プロペニル基がより好ましい。
【0075】
R
22〜R
32がアルコキシアルコキシアルキル基であるものとしては、(2−メトキシエトキシ)メチル基、(2−エトキシエトキシ)メチル基、(2−n−ブチルオキシエトキシ)メチル基、(3−メトキシプロピルオキシ)メチル基、(3−エトキシプロピルオキシ)メチル基、(3−n−ペンチルオキシプロピルオキシ)メチル基、(6−メトキシヘキシルオキシ)メチル基、(10−エトキシデシルオキシ)メチル基、2−(2−メトキシエトキシ)エチル基、2−(2−エトキシエトキシ)エチル基、2−(3−エトキシプロピルオキシ)エチル基、2−(4−エトキシブチルオキシ)エチル基、2−(4−ブチルオキシブチルオキシ)エチル基、2−(5−メチルオキシペンチルオキシ)エチル基、3−(1−メトキシエトキシ)プロピル基、3−(2−エトキシエトキシ)プロピル基、3−(3−メトキシプロピルオキシ)プロピル基、3−(3−プロピルオキシプロピルオキシ)プロピル基、3−(4−エトキシブチルオキシ)プロピル基、3−(4−ブチルオキシブチルオキシ)プロピル基、3−(5−メチルオキシペンチルオキシ)プロピル基、4−(2−メトキシエトキシ)ブチル基、4−(2−エトキシエトキシ)ブチル基、4−(3−エトキシプロピルオキシ)ブチル基、4−(4−エトキシブチルオキシ)ブチル基、4−(4−ブチルオキシブチルオキシ)ブチル基、2−(5−メチルオキシペンチルオキシ)ブチル基、5−(2−メトキシエトキシ)ペンチル基、5−(2−エトキシエトキシ)ペンチル基、5−(3−エトキシプロピルオキシ)ペンチル基、5−(4−エトキシブチルオキシ)ペンチル基、5−(4−ブチルオキシブチルオキシ)ペンチル基、5−(5−ペンチルオキシペンチルオキシ)ペンチル基、6−(2−メトキシエトキシ)ヘキシル基、6−(2−エトキシエトキシ)ヘキシル基、6−(6−シブチルオキシシブチルオキシ)ヘキシル基、8−(2−エトキシエトキシ)オクチル基などが挙げられ、(2−メトキシエトキシ)メチル基、(2−エトキシエトキシ)メチル基、(2−n−ブチルオキシエトキシ)メチル基、(3−メトキシプロピルオキシ)メチル基、(3−エトキシプロピルオキシ)メチル基、2−(2−メトキシエトキシ)エチル基、2−(2−エトキシエトキシ)エチル基、2−(3−エトキシプロピルオキシ)エチル基、2−(4−エトキシブチルオキシ)エチル基、2−(4−ブチルオキシブチルオキシ)エチル基、2−(5−メチルオキシペンチルオキシ)エチル基、3−(1−メトキシエトキシ)プロピル基、3−(2−エトキシエトキシ)プロピル基、3−(3−メトキシプロピルオキシ)プロピル基、3−(3−プロピルオキシプロピルオキシ)プロピル基、3−(4−エトキシブチルオキシ)プロピル基、4−(2−メトキシエトキシ)ブチル基、4−(2−エトキシエトキシ)ブチル基、4−(3−エトキシプロピルオキシ)ブチル基、4−(4−ブチルオキシブチルオキシ)ブチル基、5−(2−メトキシエトキシ)ペンチル基、5−(2−エトキシエトキシ)ペンチル基、5−(3−エトキシプロピルオキシ)ペンチル基、5−(4−ブチルオキシブチルオキシ)ペンチル基、6−(2−メトキシエトキシ)ヘキシル基、6−(2−エトキシエトキシ)ヘキシル基、8−(2−エトキシエトキシ)オクチル基が好ましく、(2−メトキシエトキシ)メチル基、(2−エトキシエトキシ)メチル基、(3−メトキシプロピルオキシ)メチル基、(3−エトキシプロピルオキシ)メチル基、2−(2−メトキシエトキシ)エチル基、2−(2−エトキシエトキシ)エチル基、2−(3−エトキシプロピルオキシ)エチル基、2−(4−エトキシブチルオキシ)エチル基、3−(1−メトキシエトキシ)プロピル基、3−(2−エトキシエトキシ)プロピル基、3−(3−メトキシプロピルオキシ)プロピル基、3−(3−プロピルオキシプロピルオキシ)プロピル基、4−(2−メトキシエトキシ)ブチル基、4−(2−エトキシエトキシ)ブチル基、4−(3−エトキシプロピルオキシ)ブチル基、5−(2−エトキシエトキシ)ペンチル基、5−(3−エトキシプロピルオキシ)ペンチル基がより好ましい。
【0076】
R
22〜R
32が置換若しくは非置換のアミノ基であるものとしては、アミノ基、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−n−プロピルアミノ基、N−n−ブチルアミノ基、N−シクロヘキシルアミノ基、N−n−オクチルアミノ基、N−ベンジルアミノ基、N−フェニルアミノ基、N−(3−メチルフェニル)アミノ基、N−(4−メトキシフェニル)アミノ基、N−(3−フルオロフェニル)アミノ基、N−(4−クロロフェニル)アミノ基、N−(2−ナフチル)アミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−ジ−n−プロピルアミノ基、N,N−ジ−n−ブチルアミノ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノ基、N,N−ジ−n−デシルアミノ基、N−メチル−N−エチルアミノ基、N−エチル−N−n−ブチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N−n−ブチル−N−フェニルアミノ基、N−ベンジル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(3−メチルフェニル)アミノ基、N,N−ジ(4−エチルフェニル)アミノ基、N,N−ジ(4−tert-ブチルフェニル)アミノ基、N,N−ジ(4−メトキシフェニル)アミノ基、N,N−ジ(4−エトキシフェニル)アミノ基、N,N−ジ(4−n−ヘキシルオキシフェニル)アミノ基、N,N−ジ(2−ナフチル)アミノ基、N−フェニル−N−(4−メチルフェニル)アミノ基、N−フェニル−N−(4−メトキシフェニル)アミノ基、N−フェニル−N−(4−n−ヘキシルオキシフェニル)アミノ基、N−フェニル−N−(1−ナフチル)アミノ基、N−フェニル−N−(2−ナフチル)アミノ基、N−フェニル−N−(4−フェニルフェニル)アミノ基、N−フェノキサジイル基、N−フェノチアジイル基などが挙げられ、アミノ基、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−n−プロピルアミノ基、N−n−ブチルアミノ基、N−n−オクチルアミノ基、N−ベンジルアミノ基、N−フェニルアミノ基、N−(4−メトキシフェニル)アミノ基、N−(3−フルオロフェニル)アミノ基、N−(4−クロロフェニル)アミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−ジ−n−プロピルアミノ基、N,N−ジ−n−ブチルアミノ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノ基、N−メチル−N−エチルアミノ基、N−エチル−N−n−ブチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(3−メチルフェニル)アミノ基、N,N−ジ(4−メトキシフェニル)アミノ基、N−フェニル−N−(4−メチルフェニル)アミノ基が好ましく、アミノ基、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−n−プロピルアミノ基、N−n−ブチルアミノ基、N−n−オクチルアミノ基、N−フェニルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−ジ−n−プロピルアミノ基、N,N−ジ−n−ブチルアミノ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノ基、N−メチル−N−エチルアミノ基、N−エチル−N−n−ブチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(3−メチルフェニル)アミノ基、N,N−ジ(4−メトキシフェニル)アミノ基がより好ましい。
【0077】
R
22〜R
32が置換もしくは非置換のアミド基であるものとしては、アミド基、N−メチルアミド基、N−エチルアミド基、N−n−プロピルアミド基、N−n−ブチルアミド基、N−シクロヘキシルアミド基、N−n−オクチルアミド基、N−ベンジルアミド基、N−フェニルアミド基、N−(3−メチルフェニル)アミド基、N−(4−メトキシフェニル)アミド基、N−(3−フルオロフェニル)アミド基、N−(4−クロロフェニル)アミド基、N−(2−ナフチル)アミド基、N,N−ジメチルアミド基、N,N−ジエチルアミド基、N,N−ジ−n−プロピルアミド基、N,N−ジ−n−ブチルアミド基、N,N−ジ−n−オクチルアミド基、N,N−ジ−n−デシルアミド基、N−メチル−N−エチルアミド基、N−エチル−N−n−ブチルアミド基、N−メチル−N−フェニルアミド基、N−n−ブチル−N−フェニルアミド基、N−ベンジル−N−フェニルアミド基、N,N−ジフェニルアミド基、N,N−ジ(3−メチルフェニル)アミド基、N,N−ジ(4−エチルフェニル)アミド基、N,N−ジ(4−tert-ブチルフェニル)アミド基、N,N−ジ(4−メトキシフェニル)アミド基、N,N−ジ(4−エトキシフェニル)アミド基、N,N−ジ(4−n−ヘキシルオキシフェニル)アミド基、N,N−ジ(2−ナフチル)アミド基、N−フェニル−N−(4−メチルフェニル)アミド基、N−フェニル−N−(4−メトキシフェニル)アミド基、N−フェニル−N−(4−n−ヘキシルオキシフェニル)アミド基、N−フェニル−N−(1−ナフチル)アミド基、N−フェニル−N−(2−ナフチル)アミド基、N−フェニル−N−(4−フェニルフェニル)アミド基などが挙げられ、アミド基、N−メチルアミド基、N−エチルアミド基、N−n−プロピルアミド基、N−n−ブチルアミド基、N−n−オクチルアミド基、N−ベンジルアミド基、N−フェニルアミド基、N−(4−メトキシフェニル)アミド基、N−(3−フルオロフェニル)アミド基、N−(4−クロロフェニル)アミド基、N,N−ジメチルアミド基、N,N−ジエチルアミド基、N,N−ジ−n−プロピルアミド基、N,N−ジ−n−ブチルアミド基、N,N−ジ−n−オクチルアミド基、N−メチル−N−エチルアミド基、N−エチル−N−n−ブチルアミド基、N−メチル−N−フェニルアミド基、N,N−ジフェニルアミド基、N,N−ジ(3−メチルフェニル)アミド基、N,N−ジ(4−メトキシフェニル)アミド基、N−フェニル−N−(4−メチルフェニル)アミド基が好ましく、アミド基、N−メチルアミド基、N−エチルアミド基、N−n−プロピルアミド基、N−n−ブチルアミド基、N−n−オクチルアミド基、N−フェニルアミド基、N,N−ジメチルアミド基、N,N−ジエチルアミド基、N,N−ジ−n−プロピルアミド基、N,N−ジ−n−ブチルアミド基、N,N−ジ−n−オクチルアミド基、N−メチル−N−エチルアミド基、N−エチル−N−n−ブチルアミド基、N−メチル−N−フェニルアミド基、N,N−ジフェニルアミド基、N,N−ジ(3−メチルフェニル)アミド基、N,N−ジ(4−メトキシフェニル)アミド基がより好ましい。
【0078】
R
22〜R
32が置換もしくは非置換のアシル基であるものとしては、ホルミル基、アセチル基、プロパノイル基、n−プロピルカルボニル基、n−ブチルカルボニル基、イソブチルカルボニル基、tert-ブチルカルボニル基、n−ペンチルカルボニル基、イソペンチルカルボニル基、2−メチルブチルカルボニル基、プロペノイル基、ベンゾイル基、4−メチルベンゾイル基、2,4−ジメチルベンゾイル基、3−クロロベンゾイル基、4−ジメチルアミノベンゾイル基、2−メトキシベンゾイル基、3−ブトキシ−2−ナフトイル基、シンナモイル基などが挙げられ、ホルミル基、アセチル基、プロパノイル基、n−プロピルカルボニル基、n−ブチルカルボニル基、イソブチルカルボニル基、n−ペンチルカルボニル基、イソペンチルカルボニル基、プロペノイル基、ベンゾイル基、4−メチルベンゾイル基、2,4−ジメチルベンゾイル基、3−クロロベンゾイル基、4−ジメチルアミノベンゾイル基、2−メトキシベンゾイル基、シンナモイル基が好ましく、ホルミル基、アセチル基、プロパノイル基、n−プロピルカルボニル基、ベンゾイル基、4−メチルベンゾイル基、2,4−ジメチルベンゾイル基、3−クロロベンゾイル基、4−ジメチルアミノベンゾイル基、シンナモイル基がより好ましい。
【0079】
R
22〜R
32が置換若しくは非置換のアリールオキシアルキル基であるものとしては、例えば、フェニルオキシメチル基、4−メチルフェニルオキシメチル基、4−エチルフェニルオキシメチル基、4−n−ブチルフェニルオキシメチル基、4−n−ヘキシルフェニルオキシメチル基、4−n−デシルフェニルオキシメチル基、4−メトキシフェニルオキシメチル基、4−ブトキシフェニルオキシメチル基、4−n−ペンチルオキシフェニルオキシメチル基、4−フルオロフェニルオキシメチル基、2−フルオロフェニルオキシメチル基、3,4−ジフルオロフェニルオキシメチル基、4−クロロフェニルオキシメチル基、4−フェニルフェニルオキシメチル基、2−ナフチルオキシメチル基、1−フェニルオキシエチル基、2−(4’−メチルフェニルオキシ)エチル基、2−(4’−エチルフェニルオキシ)エチル基、2−(4’−メトキシフェニルオキシ)エチル基、2−(4’−n−ブトキシフェニルオキシ)エチル基、2−(4’−フルオロフェニルオキシ)エチル基、2−(3’−クロロフェニルオキシ)エチル基、2−(1’−ナフチルオキシ)エチル基、2−フェニルオキシプロピル基、3−フェニルオキシプロピル基、3−(4’−メチルフェニルオキシ)プロピル基、4−フェニルオキシブチル基、4−(2’−エチルフェニルオキシ)ブチル基、4−フェニルオキシペンチル基、5−(4’−tert-ブチルフェニルオキシ)ペンチル基、6−フェニルオキシヘキシル基、8−フェニルオキシオクチル基、10−(3’−メチルフェニルオキシ)デシル基などが挙げられ、フェニルオキシメチル基、4−メチルフェニルオキシメチル基、4−エチルフェニルオキシメチル基、4−n−ブチルフェニルオキシメチル基、4−n−ヘキシルフェニルオキシメチル基、4−n−デシルフェニルオキシメチル基、4−メトキシフェニルオキシメチル基、4−ブトキシフェニルオキシメチル基、4−フルオロフェニルオキシメチル基、3,4−ジフルオロフェニルオキシメチル基、4−クロロフェニルオキシメチル基、2−ナフチルオキシメチル基、1−フェニルオキシエチル基、2−(4’−メチルフェニルオキシ)エチル基、2−(4’−エチルフェニルオキシ)エチル基、2−(4’−メトキシフェニルオキシ)エチル基、2−(4’−n−ブトキシフェニルオキシ)エチル基、2−(4’−フルオロフェニルオキシ)エチル基、2−(3’−クロロフェニルオキシ)エチル基、2−(1’−ナフチルオキシ)エチル基、3−フェニルオキシプロピル基、3−(4’−メチルフェニルオキシ)プロピル基、4−フェニルオキシブチル基、4−フェニルオキシペンチル基、6−フェニルオキシヘキシル基、8−フェニルオキシオクチル基が好ましく、フェニルオキシメチル基、4−メチルフェニルオキシメチル基、4−エチルフェニルオキシメチル基、4−n−ブチルフェニルオキシメチル基、4−メトキシフェニルオキシメチル基、4−ブトキシフェニルオキシメチル基、4−クロロフェニルオキシメチル基、2−ナフチルオキシメチル基、1−フェニルオキシエチル基、2−(4’−メチルフェニルオキシ)エチル基、2−(4’−エチルフェニルオキシ)エチル基、2−(4’−メトキシフェニルオキシ)エチル基、2−(3’−クロロフェニルオキシ)エチル基、2−(1’−ナフチルオキシ)エチル基、3−フェニルオキシプロピル基、3−(4’−メチルフェニルオキシ)プロピル基、4−フェニルオキシブチル基、4−フェニルオキシペンチル基がより好ましい。
【0080】
R
22〜R
32が置換若しくは非置換のアラルキルオキシ基であるものとしては、ベンジルオキシ基、α−メチルベンジルオキシ基、α−エチルベンジルオキシ基、α,α−ジメチルベンジルオキシ基、α−フェニルベンジルオキシ基、α,α−ジフェニルベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、α−メチルフェネチルオキシ基、β−メチルフェネチルオキシ基、α,α−ジメチルフェネチルオキシ基、4−メチルフェネチルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、2−メチルベンジルオキシ基、4−エチルベンジルオキシ基、2−エチルベンジルオキシ基、4−tert-ブチルベンジルオキシ基、2−tert-ブチルベンジルオキシ基、4−n−ペンチルベンジルオキシ基、4−シクロヘキシルベンジルオキシ基、4−n−オクチルベンジルオキシ基、4−フェニルベンジルオキシ基、4−(4’−メチルフェニル)ベンジルオキシ基、4−(4’−tert-ブチルフェニル)ベンジルオキシ基、4−メトキシベンジルオキシ基、2−エトキシベンジルオキシ基、4−n−ヘプチルオキシベンジルオキシ基、3,4−ジメトキシベンジルオキシ基、4−フルオロベンジルオキシ基、3−クロロベンジルオキシ基、3,4−ジクロロベンジルオキシ基、2−フルフリルオキシ基、2−ナフチルメチルオキシ基などが挙げられ、ベンジルオキシ基、α−メチルベンジルオキシ基、α−エチルベンジルオキシ基、α,α−ジメチルベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、α−メチルフェネチルオキシ基、β−メチルフェネチルオキシ基、α,α−ジメチルフェネチルオキシ基、4−メチルフェネチルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、2−メチルベンジルオキシ基、4−エチルベンジルオキシ基、2−エチルベンジルオキシ基、4−tert-ブチルベンジルオキシ基、4−n−ペンチルベンジルオキシ基、2−エトキシベンジルオキシ基、3,4−ジメトキシベンジルオキシ基、4−フルオロベンジルオキシ基、3−クロロベンジルオキシ基、3,4−ジクロロベンジルオキシ基、2−フルフリルオキシ基、2−ナフチルメチルオキシ基が好ましく、ベンジルオキシ基、α−メチルベンジルオキシ基、α−エチルベンジルオキシ基、α,α−ジメチルベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、α−メチルフェネチルオキシ基、β−メチルフェネチルオキシ基、α,α−ジメチルフェネチルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、2−メチルベンジルオキシ基、4−エチルベンジルオキシ基、2−エチルベンジルオキシ基、2−エトキシベンジルオキシ基、3,4−ジメトキシベンジルオキシ基、3−クロロベンジルオキシ基、3,4−ジクロロベンジルオキシ基、2−フルフリルオキシ基、2−ナフチルメチルオキシ基がより好ましい。
【0081】
R
22〜R
32が置換若しくは非置換のアラルキルオキシアルキル基であるものとしては、ベンジルオキシメチル基、フェネチルオキシメチル基、4−メチルベンジルオキシメチル基、4−n−プロピルベンジルオキシメチル基、4−n−オクチルベンジルオキシメチル基、4−メトキシベンジルオキシメチル基、4−n−ブトキシベンジルオキシメチル基、4−フルオロベンジルオキシメチル基、3−フルオロベンジルオキシメチル基、4−クロロベンジルオキシメチル基、2−ベンジルオキシエチル基、2−フェネチルオキシエチル基、2−(4’−メチルベンジルオキシ)エチル基、2−(4’−フルオロベンジルオキシ)エチル基、2−(4’−クロロベンジルオキシ)エチル基、3−(4’−メトキシベンジルオキシ)プロピル基、4−ベンジルオキシブチル基、4−(4’―フェニルベンジルオキシ)ブチル基、6−ベンジルオキシヘキシル基などが挙げられ、ベンジルオキシメチル基、フェネチルオキシメチル基、4−メチルベンジルオキシメチル基、4−n−プロピルベンジルオキシメチル基、4−メトキシベンジルオキシメチル基、4−n−ブトキシベンジルオキシメチル基、3−フルオロベンジルオキシメチル基、4−クロロベンジルオキシメチル基、2−ベンジルオキシエチル基、2−フェネチルオキシエチル基、3−(4’−メトキシベンジルオキシ)プロピル基、4−ベンジルオキシブチル基、4−(4’―フェニルベンジルオキシ)ブチル基が好ましく、ベンジルオキシメチル基、フェネチルオキシメチル基、4−メチルベンジルオキシメチル基、4−メトキシベンジルオキシメチル基、4−n−ブトキシベンジルオキシメチル基、3−フルオロベンジルオキシメチル基、4−クロロベンジルオキシメチル基、2−ベンジルオキシエチル基、2−フェネチルオキシエチル基、3−(4’−メトキシベンジルオキシ)プロピル基、4−ベンジルオキシブチル基がより好ましい。
【0082】
R
22〜R
32がアルキルオキシカルボニル基であるものとしては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、シクロペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基、3,3−ジメチルブチルオキシカルボニル基、2−エチルブチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、n−ヘプチルオキシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、n−ノニルオキシカルボニル基、n−ウンデシルオキシカルボニル基、n−ドデシルオキシカルボニル基、n−トリデシルオキシカルボニル基、n−テトラデシルオキシカルボニル基、n−ペンタデシルオキシカルボニル基、n−ヘキサデシルオキシカルボニル基、n−ヘプタデシルオキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基、n−トリコシルオキシカルボニル基、n−テトラコシルオキシカルボニル基などが挙げられ、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基、3,3−ジメチルブチルオキシカルボニル基、2−エチルブチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、n−ヘプチルオキシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、n−ドデシルオキシカルボニル基が好ましく、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基、2−エチルブチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、n−ヘプチルオキシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基がより好ましい。
【0083】
R
22〜R
32が置換若しくは非置換のアリールオキシカルボニル基であるものとしては、フェニルオキシカルボニル基、2−メチルフェニルオキシカルボニル基、4−メチルフェニルオキシカルボニル基、4−エチルフェニルオキシカルボニル基、4−イソプロピルフェニルオキシカルボニル基、4−イソブチルフェニルオキシカルボニル基、4−n−ペンチルフェニルオキシカルボニル基、4−tert−ペンチルフェニルオキシカルボニル基、4−シクロヘキシルフェニルオキシカルボニル基、4−n−オクチルフェニルオキシカルボニル基、4−n−デシルフェニルオキシカルボニル基、4−n−ドデシルフェニルオキシカルボニル基、4−n−ヘキサデシルフェニルオキシカルボニル基、2,3−ジメチルフェニルオキシカルボニル基、2,5−ジメチルフェニルオキシカルボニル基、3,4−ジメチルフェニルオキシカルボニル基、3,4,5−トリメチルフェニルオキシカルボニル基、5−インダニルオキシカルボニル基、1,2,3,4−テトラヒドロ−6−ナフチルオキシカルボニル基、3−メトキシフェニルオキシカルボニル基、3−エトキシフェニルオキシカルボニル基、4−n−プロポキシフェニルオキシカルボニル基、4−n−ブトキシフェニルオキシカルボニル基、4−n−ペンチルオキシフェニルオキシカルボニル基、4−シクロヘキシルオキシフェニルオキシカルボニル基、4−n−オクチルオキシフェニルオキシカルボニル基、4−n−デシルオキシフェニルオキシカルボニル基、4−n−ドデシルオキシフェニルオキシカルボニル基、4−n−ヘキサデシルオキシフェニルオキシカルボニル基、2,3−ジメトキシフェニルオキシカルボニル基、2,5−ジメトキシフェニルオキシカルボニル基、3,5−ジメトキシフェニルオキシカルボニル基、2−メトキシ−4−メチルフェニルオキシカルボニル基、3−メトキシ−4−メチルフェニルオキシカルボニル基、3−メチル−4−メトキシフェニルオキシカルボニル基、2−フルオロフェニルオキシカルボニル基、4−フルオロフェニルオキシカルボニル基、3−クロロフェニルオキシカルボニル基、4−ブロモフェニルオキシカルボニル基、3−トリフルオロメチルフェニルオキシカルボニル基、3,5−ジフルオロフェニルオキシカルボニル基、3,4−ジクロロフェニルオキシカルボニル基、2−メチル−4−クロロフェニルオキシカルボニル基、3−クロロ−4−メチルフェニルオキシカルボニル基、3−メトキシ−4−フルオロフェニルオキシカルボニル基、3−フルオロ−4−メトキシフェニルオキシカルボニル基、4−フェニルフェニルオキシカルボニル基、3−フェニルフェニルオキシカルボニル基、4−(4’−メチルフェニル)フェニルオキシカルボニル基、4−(4’−メトキシフェニル)フェニルオキシカルボニル基、1−ナフチルオキシカルボニル基、4−メチル−1−ナフチルオキシカルボニル基、6−n−ブチル−2−ナフチルオキシカルボニル基、7−エトキシ−2−ナフチルオキシカルボニル基、2−チエニルオキシカルボニル基、2−ピリジルオキシカルボニル基、4−ピリジルオキシカルボニル基などが挙げられ、フェニルオキシカルボニル基、2−メチルフェニルオキシカルボニル基、4−メチルフェニルオキシカルボニル基、4−エチルフェニルオキシカルボニル基、4−イソプロピルフェニルオキシカルボニル基、4−イソブチルフェニルオキシカルボニル基、4−n−ペンチルフェニルオキシカルボニル基、4−n−オクチルフェニルオキシカルボニル基、4−n−ドデシルフェニルオキシカルボニル基、2,3−ジメチルフェニルオキシカルボニル基、2,5−ジメチルフェニルオキシカルボニル基、3,4,5−トリメチルフェニルオキシカルボニル基、1,2,3,4−テトラヒドロ−6−ナフチルオキシカルボニル基、3−メトキシフェニルオキシカルボニル基、3−エトキシフェニルオキシカルボニル基、4−n−プロポキシフェニルオキシカルボニル基、4−n−ブトキシフェニルオキシカルボニル基、2,3−ジメトキシフェニルオキシカルボニル基、3,5−ジメトキシフェニルオキシカルボニル基、2−メトキシ−4−メチルフェニルオキシカルボニル基、4−フルオロフェニルオキシカルボニル基、3−クロロフェニルオキシカルボニル基、4−ブロモフェニルオキシカルボニル基、3−トリフルオロメチルフェニルオキシカルボニル基、3,4−ジクロロフェニルオキシカルボニル基、3−クロロ−4−メチルフェニルオキシカルボニル基、1−ナフチルオキシカルボニル基、4−メチル−1−ナフチルオキシカルボニル基が好ましく、フェニルオキシカルボニル基、2−メチルフェニルオキシカルボニル基、4−メチルフェニルオキシカルボニル基、4−エチルフェニルオキシカルボニル基、4−イソプロピルフェニルオキシカルボニル基、4−イソブチルフェニルオキシカルボニル基、2,3−ジメチルフェニルオキシカルボニル基、2,5−ジメチルフェニルオキシカルボニル基、3,4,5−トリメチルフェニルオキシカルボニル基、3−メトキシフェニルオキシカルボニル基、3−エトキシフェニルオキシカルボニル基、4−n−プロポキシフェニルオキシカルボニル基、4−n−ブトキシフェニルオキシカルボニル基、2,3−ジメトキシフェニルオキシカルボニル基、3,5−ジメトキシフェニルオキシカルボニル基、2−メトキシ−4−メチルフェニルオキシカルボニル基、4−フルオロフェニルオキシカルボニル基、3−クロロフェニルオキシカルボニル基、4−ブロモフェニルオキシカルボニル基、3−トリフルオロメチルフェニルオキシカルボニル基、3,4−ジクロロフェニルオキシカルボニル基、1−ナフチルオキシカルボニル基、4−メチル−1−ナフチルオキシカルボニル基がより好ましい。
一般式(4)のアゾ系化合物の具体例を下記表2に示すが、これらの範囲に限定されるものではない。
【0087】
一般式(5)のキノフタロン系化合物において、R
33〜R
41が置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のアラルキル基、置換若しくは非置換のアリールオキシ基、置換若しくは非置換のアリールオキシアルキル基、置換若しくは非置換のアラルキルオキシ基、置換若しくは非置換のアラルキルオキシアルキル基、置換若しくは非置換のアリールオキシカルボニル基、置換若しくは非置換のアリールチオ基、R
38〜R
41から選ばれる互いに隣接する基が互いに結合して置換している炭素原子と共に形成した置換若しくは非置換の5員環以上の環が置換である場合の置換基としては、それぞれハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、アルキルチオ基、カルボキシル基、アルキル基、アルケニル基、ハロゲノアルキル基、アルコキシ基、ハロゲノアルコキシ基、アルキルチオ基、アルコキシアルキル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基が挙げられる。
R
33〜R
41 が置換若しくは非置換のアミノ基、置換若しくは非置換のアミド基、置換もしくは非置換のアシル基が置換である場合の置換基としては、それぞれアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のアラルキル基が挙げられる。
【0088】
一般式(5)において、R
33〜R
41は好ましくは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数1〜12のハロゲノアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のハロゲノアルコキシ基、炭素数1〜12のアルキルチオ基、炭素数2〜16のアルコキシアルキル基、炭素数3〜20のアルコキシアルコキシアルキル基、炭素数6〜18の置換若しくは非置換のアリール基、炭素数1〜18の置換若しくは非置換のアミノ基、炭素数1〜18の置換若しくは非置換のアミド基、炭素数7〜20の置換若しくは非置換のアラルキル基、炭素数6〜18の置換若しくは非置換のアリールオキシ基、炭素数7〜20の置換若しくは非置換のアリールオキシアルキル基、炭素数2〜13のアルキルオキシカルボニル基、炭素数7〜19の置換若しくは非置換のアリールオキシカルボニル基、炭素数6〜18の置換若しくは非置換のアリールチオ基、またはR
38〜R
41から選ばれる互いに隣接する基が互いに結合して、置換している炭素原子と共に形成した、置換若しくは非置換のベンゼン環またはナフタレン環である。
さらに好ましくは、R
33〜R
41はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルキルチオ基、炭素数2〜12のアルコキシアルキル基、炭素数6〜14の置換若しくは非置換のアリール基、炭素数1〜14の置換若しくは非置換のアミノ基、炭素数1〜14の置換若しくは非置換のアミド基、炭素数7〜18の置換若しくは非置換のアラルキル基、炭素原子数6〜14の置換若しくは非置換のアリールオキシ基、炭素原子数2〜9のアルキルオキシカルボニル基、炭素原子数7〜15の置換若しくは非置換のアリールオキシカルボニル基、炭素原子数6〜14の置換若しくは非置換のアリールチオ基である。
【0089】
R
33〜R
41の具体例について以下に説明する。
R
33〜R
41がハロゲン原子、アルキル基、ハロゲノアルキル基、アルコキシアルキル基、ハロゲノアルコキシアルキル基、置換若しくは非置換のアラルキル基、アルコキシ基、ハロゲノアルコキシ基、アルキルチオ基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のアリールオキシ基、または置換若しくは非置換のアリールチオ基である場合の具体例、好ましい例については、前記一般式(1)のテトラアザポルフィリン系化合物のR
1〜R
14がそれぞれこれらの置換基である場合に挙げた例と同様の例が挙げられる。
R
33〜R
41がアルケニル基、アルコキシアルコキシアルキル基、置換若しくは非置換のアミノ基、置換若しくは非置換のアミド基、置換若しくは非置換のアシル基、置換若しくは非置換のアリールオキシアルキル基、置換若しくは非置換のアラルキルオキシ基、置換若しくは非置換のアラルキルオキシアルキル基、アルキルオキシカルボニル基、置換若しくは非置換のアリールオキシカルボニル基である場合の具体例、好ましい例については、前記一般式(4)のアゾ系化合物のR
22〜R
32がそれぞれこれらの置換基である場合に挙げた例と同様の例が挙げられる。
一般式(5)のキノフタロン系化合物の具体例を下記表3に示すが、これらの範囲に限定されるものではない。
【0094】
一般式(6)のアントラキノン系化合物において、R
42〜R
49は好ましくは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のハロゲノアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアルキルチオ基、炭素数2〜16のアルコキシアルキル基、炭素数6〜18の置換若しくは非置換のアリールチオ基であり、R
42〜R
49の少なくとも1つが必ず炭素数6〜18の置換若しくは非置換のアリールチオ基である。
さらに好ましくは、R
42〜R
49はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルキルチオ基、炭素原子数6〜12の置換若しくは非置換のフェニルチオ基であり、R
42〜R
49の少なくとも1つが必ず炭素数6〜12の置換若しくは非置換のフェニルチオ基である。
【0095】
R
42〜R
49の具体例について以下に説明する。
R
42〜R
49がハロゲン原子、アルキル基、ハロゲノアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルコキシアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のアラルキル基、または置換若しくは非置換のアリールチオ基である場合の具体例、好ましい例については、前記一般式(1)のテトラアザポルフィリン系化合物のR
1〜R
14がそれぞれこれらの置換基である場合に挙げた例と同様の例が挙げられる。
一般式(6)のキノフタロン系化合物の具体例を下記表4に示すが、これらの範囲に限定されるものではない。
【0099】
また、480〜490nm付近の光をカットするために、下記一般式(7)のポルフィリン系化合物を併用することも好ましい。
[式(7)中、R
50〜R
57はそれぞれ独立に、エチニル基または置換基として炭素数1〜12のアルキル基を有するエチニル基を表し、M’は2個の水素原子、2個の1価の金属原子、2価の金属原子、3価の置換金属原子、4価の置換金属原子、または酸化金属原子を示す。]
特にR
50〜R
57がtert-ブチル基を有するエチニル基、すなわち3,3−ジメチル−1−ブチン基であるものが好ましく、M’はNiまたはCuであるものが好ましい。
【0100】
またカヤセットイエローA−Gのような黄色色素や、PSオレンジGGのような橙色色素等を併用しても良い。
また熱線遮断目的として、近赤外線吸収色素、例えば下記一般式(8)のフタロシアニン化合物や、一般式(9)のナフタロシアニン化合物を併用しても良い。
【0101】
[式(8)中、R
58〜R
73はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルコキシ基、置換若しくは非置換のアルコキシアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基、または置換若しくは非置換のアリールオキシ基を表す。M
1は2個の水素原子、2個の1価の金属原子、2価の金属原子、3価の置換金属原子、4価の置換金属原子、または酸化金属原子を示す。]
【0102】
一般式(8)において、R
58〜R
73は好ましくはそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、臭素原子、塩素原子、炭素数1〜12の置換若しくは非置換のアルキル基、炭素数1〜12の置換若しくは非置換のアルコキシ基、炭素数2〜18の置換若しくは非置換のアルコキシアルキル基、炭素数6〜24の置換若しくは非置換のアリール基、または炭素数6〜24の置換若しくは非置換のアリールオキシ基である。
一般式(8)において、M
1は好ましくはCu、Fe、Co、Pt、Pd、Mn、VOまたはTiOである。
【0103】
[式(9)中、R
74〜R
97はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルコキシ基、置換若しくは非置換のアルコキシアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基、または置換若しくは非置換のアリールオキシ基を表す。M
2は2個の水素原子、2個の1価の金属原子、2価の金属原子、3価の置換金属原子、4価の置換金属原子、または酸化金属原子を示す。]
一般式(9)において、R
74〜R
97は好ましくはそれぞれ独立に、水素原子、塩素原子、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜12の置換若しくは非置換のアルキル基、炭素数1〜12の置換若しくは非置換のアルコキシ基、炭素数2〜18の置換若しくは非置換のアルコキシアルキル基、炭素数6〜24の置換若しくは非置換のアリール基、または炭素数6〜24の置換若しくは非置換のアリールオキシ基である。
【0104】
一般式(9)において、M
2は好ましくはCu、Fe、Co、Pt、Pd、Mn、VOまたはTiOである。
これらその他の色素を一般式(1)で表されるテトラアザポルフィリン二量体化合物と併用する場合、その使用量は併用する目的により様々であり特に制限は無いが、テトラアザポルフィリン二量体化合物を含む色素全体の量が、先に規定した樹脂組成物における樹脂とテトラアザポルフィリン二量体化合物の配合量範囲内であることが好ましい。
すなわち、樹脂成形体の厚みが0.1mm〜20mmであれば、一般式(1)のテトラアザポルフィリン二量体化合物とその他の色素の合計量が、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂に対し0.0001〜0.2重量%であることが好ましい。
なお、無色化等の目的で380〜470nmの波長領域に極大吸収を有する色素を一般式(1)のテトラアザポルフィリン二量体化合物に併用する場合、その使用割合は、一般式(1)のテトラアザポルフィリン二量体化合物:380〜470nmの波長領域に極大吸収を有する色素の比率が重量比で、90:10〜30:70であることが好ましく、80:20〜40:60であることがより好ましい。
【0105】
[成形体]
以下に、本発明の成形体について説明する。
本発明の成形体は、本発明の樹脂組成物を成形してなる。
成形体の態様としては、樹脂組成物からなる光学物品、中間膜または樹脂組成物を部分的に含有する光学物品、中間膜であっても良いし、あるいは粉末やペレット状態など、光学物品、中間膜製造の中間材料であっても良い。
なお、本明細書において、樹脂組成物を部分的に含有する光学物品とは、光学物品の各種部材または膜などの内部に含有された状態、部材または各層の表面にコーティングした、または貼り付けられた状態を含むものである。
光学物品としては、後述する様に、眼鏡レンズ、サンバイザー、ヘルメット用シールド、合わせガラス用中間膜、情報機器の表示装置用防眩コートまたは防眩フィルム、各種フィルター、照明機器用カバーなどの防眩用光学物品が例示できる。
成形の方法としては、製品や使用樹脂の種類によって異なるが、熱可塑性樹脂を用いた樹脂組成物の場合はたとえば圧縮成形法、トランスファー成形法、押出成形法、射出成形法などの公知の方法による成形、熱硬化性樹脂を用いた樹脂組成物の場合はたとえば注型重合法が用いられる。
【0106】
注型重合法について以下に説明する。
樹脂組成物を注型用鋳型に注入、内蔵させ、次いで注型用鋳型をオーブン中または水中等の加熱可能装置内で所定の温度プログラムにて数時間から数十時間かけて加熱する。重合硬化の温度および時間は、混合物の組成、触媒の種類、モールドの形状等によって異なるが、およそ−50〜200℃の温度で1〜100時間である。通常、5℃から40℃の範囲の温度で開始し、その後徐々に80℃から130℃の範囲にまで昇温し、その温度で1時間から4時間加熱するのが一般的である。
硬化成形終了後、注型用鋳型から取り出すことで、目的の成形体を得ることができる。
【0107】
[防眩用光学物品]
本発明の樹脂組成物の成形体は、防眩用光学物品として非常に有用である。
防眩用光学物品としては、眼鏡レンズ、サンバイザー、ヘルメット用シールド、合わせガラス用中間膜、自動車や飛行機の風防ガラス用フィルム、自動車ヘッドライト用カバー、スキー用ゴーグル、情報機器の表示装置用防眩コートまたは防眩フィルム、LED照明用フィルターなどが挙げられるが、眩しさを防ぎ、コントラストや自然な色調を確保する目的の用途に限定なく使用できる。
防眩用光学物品の製造方法は、物品の形態や樹脂の種類により異なり、前記した成形体の製造方法が適用できる。
なお、防眩用光学物品に要求される機能に応じて、反射防止機能、ハードコート機能(耐摩擦機能)、帯電防止機能、防汚機能、ガスバリア機能、紫外線カット機能のいずれか一つ以上の機能を設けても構わない。
【0108】
[眼鏡レンズ]
本発明の樹脂組成物の成形体が眼鏡レンズである場合について以下に説明する。
眼鏡レンズの態様としては、一般式(1)のテトラアザポルフィリン二量体化合物を含有する樹脂組成物を成形した眼鏡レンズウエハーであって、眼鏡レンズウエハー全体にテトラアザポルフィリン二量体化合物が含まれるものであっても良いし、眼鏡レンズウエハー内の少なくとも片面表面から500μm以下の深さの範囲にテトラアザポルフィリン二量体化合物が局在しているものであってもよい。
また、テトラアザポルフィリン二量体化合物を含まない眼鏡レンズウエハーの片面又は両面に形成されるハードコート層やプライマー層その他の成分層のみにテトラアザポルフィリン二量体化合物が含まれるものであっても良い。成分層が複数層ある場合は、このうちの少なくとも一層にテトラアザポルフィリン二量体化合物を含有させても良い。
更に、眼鏡レンズウエハーと成分層の両方にテトラアザポルフィリン二量体化合物を含有させてもよい。
樹脂組成物の樹脂は、眼鏡レンズの種類や製法、あるいはテトラアザポルフィリン二量体化合物を含有させる手段により異なり、熱可塑性樹脂であっても、熱硬化性樹脂であっても良い。
【0109】
熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂が好ましく、これらの任意の混合物であっても良い。
熱硬化性樹脂としては、ポリウレタン樹脂、ポリチオウレタン樹脂、熱硬化性の(メタ)アクリル系樹脂が好ましい。
樹脂に対する上記テトラアザポルフィリン二量体化合物の含有量は、テトラアザポルフィリン二量体化合物を含む樹脂層の厚さによって異なり、例えば、厚み2.15mmの眼鏡レンズでポリカーボネート樹脂へ混合するのであれば、テトラアザポルフィリン二量体化合物の使用量はポリカーボネート樹脂に対し0.001重量%〜0.1重量%である。一般に、テトラアザポルフィリン二量体化合物を含む樹脂層の厚みが0.1mm〜20mmであれば、テトラアザポルフィリン二量体化合物の含有量は樹脂に対し0.0001〜0.2重量%であり、好ましくは0.0002重量%〜0.05重量%である。
また、単層又は多層積層で構成される成分層が眼鏡レンズウエハーの少なくとも片面に施されているとともに、成分層を構成する層のうちの少なくとも一層がテトラアザポルフィリン二量体化合物を含有している態様の場合は、テトラアザポルフィリン二量体化合物の成分層に対する濃度が0.02重量%〜5重量%の範囲であることが好ましい。
【0110】
眼鏡レンズを作製する方法としては、例えば、レンズウエハー材料が熱可塑性樹脂である場合は通常、圧縮成形法、トランスファー成形法、射出成形法、圧縮射出成形法などの公知の方法が採用される。また、レンズウエハー材料が熱硬化性樹脂である場合は、熱硬化性樹脂配合物(硬化前のモノマー等)にテトラアザポルフィリン二量体化合物を含有させ、樹脂配合物をレンズ注型用鋳型に供給して重合反応を行い眼鏡レンズに成型する。重合方法は特に限定されるものではないが、通常、注型重合が採用される。
本発明の眼鏡レンズは、本発明の眼鏡レンズは、必要に応じてマルチコート(反射防止層)、防曇処理、撥水処理、あるいは帯電防止処理など、従来の技術範囲で可能な機能処理が施されてもよい。
【0111】
[合わせガラス用中間膜]
本発明の樹脂組成物の成形体が合わせガラス用中間膜である場合について以下に説明する。
本発明の樹脂組成物は、自動車、鉄道車両、航空機、船舶、建築物等に使用される合わせガラス用の中間膜として非常に有用である。
合わせガラスは、少なくとも一対の板ガラスの間に、合わせガラス用中間膜を介在させ、これらを一体化させたものであり、外部衝撃を受けて破損した場合にガラス破片の飛散量を少なくして安全性を向上させるものである。このような合わせガラスにおいて、太陽光、対向車の前照灯等の強い光から内部に位置する人の眼を保護するために、合わせガラス用中間膜に防眩性を付与する要望が増大している。
本発明の樹脂組成物を用いる合わせガラス用中間膜は、樹脂として熱可塑性樹脂が好ましく用いられ、中間膜用熱可塑性樹脂としては、ポリビニルアルコール樹脂、可塑化ポリビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−アクリル共重合体樹脂、ポリウレタン樹脂、硫黄元素を含有するポリウレタン樹脂等が挙げられる。特に、ポリビニルアルコール樹脂の様な水溶性の高分子が好ましい。
熱可塑性樹脂100重量部に対する上記テトラアザポルフィリン二量体化合物の含有量は、0.001〜0.15重量部の範囲内であることが好ましく、0.005〜0.075重量部の範囲内であることがより好ましく、0.01〜0.05重量部の範囲内であることが特に好ましい。
【0112】
本発明の合わせガラス用中間膜には、本発明の効果を妨げない範囲で、他の色素として前記したアゾ系化合物、キノフタロン系化合物、ポルフィリン系化合物などを併用することが出来、特に熱線遮断目的として前記一般式(8)のフタロシアニン化合物や一般式(9)のナフタロシアニン化合物を併用することが好ましい。
本発明の合わせガラス用中間膜は、本発明の効果を阻害しない範囲でさらに、紫外線吸収剤、熱線遮蔽剤、酸化防止剤、老化防止剤、熱安定剤、寸法安定剤、接着力調整用の金属塩、接着力調整用のシリコンオイル、接着力調整用のシランカップリング剤、ブロッキング防止剤、顔料、染料、着色剤、光拡散剤、光拡散性粒子、耐電防止剤、中間膜の吸湿による白化防止に対して効果のある無機微粒子、微粒子系添加剤を分散させるための界面活性剤、遊離金属イオンをトラップするためのキレート剤、低分子化合物の中間膜内での移行を防止するための吸着剤、可塑剤、有機溶剤、可塑剤や有機溶剤の極性を調整するための添加剤、粘着性付与剤、中間膜用樹脂の結晶化によるヘーズ上昇を防ぐための結晶核剤、架橋剤、難燃剤を含有していてもよい。
【0113】
熱線遮蔽剤とは、波長780nm以上の赤外線を吸収することができる粒子を意味し、アルミニウムドープ酸化錫、インジウムドープ酸化錫、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、及びアルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)などの金属酸化物の他、タングステン酸化物、及び複合タングステン酸化物等を挙げることができる。特に、錫ドープ酸化インジウム(ITO)が好ましい。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾエート系化合物及びヒンダードアミン系化合物等を使用することができる。特に、ベンゾフェノン系化合物及びベンゾトリアゾール系化合物が好ましい。
合わせガラス用中間膜を作製する方法としては、例えば、熱可塑性樹脂とテトラアザポルフィリン二量体化合物、さらに必要に応じて上記の他の色素や添加物等を配合し、任意に加熱しながら混錬し、プレス成形、射出成形、カレンダー成形、押出成形等によりシート状に成形ことにより得る事ができる。
本発明の合わせガラス用中間膜は、必要に応じて、プライマー機能、紫外線カット機能、難燃機能、反射防止機能、防眩機能、反射防止防眩機能、帯電防止機能のいずれか一つ以上の機能を有する機能性透明層とあわせた複層構造としても良い。
【実施例】
【0114】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]テトラアザポルフィリン二量体化合物(具体例化合物(1)−5)の製造
下記化合物(2)−1 20g、4,4’−ビフェノール2.74g及び炭酸カリウム12.21gをDMI400mL中、内温100℃にて96時間撹拌した。
冷却後、反応混合物を水200mLに排出、析出物をろ取、水洗乾燥した。
この粗製物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/ヘキサン)にて精製して赤紫色粉末(分解点388℃)5.1gを得た。
【0115】
得られた化合物は、下記の分析結果より目的の化合物であることを確認した。
・MS:(EI)m/z 1380(M+)
・元素分析値:実測値(C:66.23%、H:6.31%、N:16.03%);理論値(C:66.02%、H:6.27%、N:16.21%)
[実施例2]テトラアザポルフィリン二量体化合物(具体例化合物(1)−6)の製造
実施例1における4,4’−ジヒドロキシジフェニルの代わりに2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)3.36gを使用した以外は実施例1と同様に合成、精製を行って赤紫色粉末(分解点401℃)6.3gを得た。得られた化合物は、下記の分析結果より目的の化合物であることを確認した。
・MS:(EI)m/z 1424(M+)
・元素分析値:実測値(C:66.83%、H:6.73%、N:15.55%);理論値(C:66.60%、H:6.51%、N:15.73%)
【0116】
[実施例3]
ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック(株)製H−3000FN)1000重量部とテトラアザポルフィリン二量体化合物として実施例1で製造した具体例化合物(1)−5を0.0148重量部とを、タンブラーによって20分混合した後、単軸押出機によって、シリンダー設定温度260℃、スクリュー回転数56rpmの条件下で溶融・混練してペレット化した。
【0117】
[実施例4]
具体例化合物(1)−12を0.0148重量部使用した以外は実施例3と同様な操作を行って、ペレットを製造した。
[実施例5]
具体例化合物(1)−20を0.0148重量部使用した以外は実施例3と同様な操作を行って、ペレットを製造した。
[実施例6]
具体例化合物(1)−27を0.0148重量部使用した以外は実施例3と同様な操作を行って、ペレットを製造した。
【0118】
[実施例7]
具体例化合物(1)−43を0.0148重量部使用した以外は実施例3と同様な操作を行って、ペレットを製造した。
[実施例8]
具体例化合物(1)−44を0.0148重量部使用した以外は実施例3と同様な操作を行って、ペレットを製造した。
[実施例9]
ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック(株)製H−3000FN)1000重量部とテトラアザポルフィリン化合物として具体例化合物(1)−5を0.0068重量部と、アゾ系化合物として具体例化合物(4)−4を0.008重量部とを、タンブラーによって20分混合した後、単軸押出機によって、シリンダー設定温度260℃、スクリュー回転数56rpmの条件下で溶融・混練してペレット化した。
【0119】
[実施例10]
テトラアザポルフィリン化合物として具体例化合物(1)−6を0.0068重量部、アゾ系化合物として具体例化合物(4)−2を0.008重量部とを使用した以外は実施例4と同様に操作を行って、ペレットを製造した。
[実施例11]
テトラアザポルフィリン化合物として具体例化合物(1)−5を0.0068重量部、アゾ系化合物として具体例化合物(4)−13を0.006重量部とキノフタロン系化合物として具体例化合物5−21を0.002重量部使用した以外は実施例4と同様に操作を行って、ペレットを製造した。
【0120】
[実施例12]
テトラアザポルフィリン化合物として具体例化合物(1)−5を0.0068重量部、アゾ系化合物として具体例化合物(4)−13を0.006重量部とキノフタロン系化合物として具体例化合物5−21を0.001重量部とアントラキノン系化合物として具体例6−1を0.001重量部使用した以外は実施例4と同様に操作を行って、ペレットを製造した。
[実施例13] 眼鏡レンズの製造
実施例3で製造したペレットを原料とし、250℃で溶融させ、所定の金型を用いて射出成形機により成形し、外径75mmφ、中心厚2mmのプラスチックレンズを得た。
得られたレンズを装着した眼鏡を通しての観察では、晴天下の長時間の使用においても眩しさを感じることが少なかった。
【0121】
[実施例14] 眼鏡レンズの製造
実施例4で製造したペレットを原料とした以外は実施例13と同様な操作を行って、外径75mmφ、中心厚2mmのプラスチックレンズを得た。
得られたレンズを装着した眼鏡を通しての観察では、晴天下の長時間の使用においても眩しさを感じることが少なかった。
[実施例15] 眼鏡レンズの製造
実施例5で製造したペレットを原料とした以外は実施例13と同様な操作を行って、外径75mmφ、中心厚2mmのプラスチックレンズを得た。
得られたレンズを装着した眼鏡を通しての観察では、晴天下の長時間の使用においても眩しさを感じることが少なかった。
【0122】
[実施例16] 眼鏡レンズの製造
実施例6で製造したペレットを原料とした以外は実施例13と同様な操作を行って、外径75mmφ、中心厚2mmのプラスチックレンズを得た。
得られたレンズを装着した眼鏡を通しての観察では、晴天下の長時間の使用においても眩しさを感じることが少なかった。
[実施例17] 眼鏡レンズの製造
実施例7で製造したペレットを原料とした以外は実施例13と同様な操作を行って、外径75mmφ、中心厚2mmのプラスチックレンズを得た。
得られたレンズを装着した眼鏡を通しての観察では、晴天下の長時間の使用においても眩しさを感じることが少なかった。
【0123】
[実施例18] 眼鏡レンズの製造
実施例8で製造したペレットを原料とした以外は実施例13と同様な操作を行って、外径75mmφ、中心厚2mmのプラスチックレンズを得た。
得られたレンズを装着した眼鏡を通しての観察では、晴天下の長時間の使用においても眩しさを感じることが少なかった。
[実施例19] 眼鏡レンズの製造
実施例9で製造したペレットを原料とした以外は実施例13と同様な操作を行って、外径75mmφ、中心厚2mmのプラスチックレンズを得た。
得られたレンズを装着した眼鏡を通しての観察では、晴天下の長時間の使用においても眩しさを感じることが少なかった。
[実施例20] 眼鏡レンズの製造
実施例10で製造したペレットを原料とした以外は実施例13と同様な操作を行って、外径75mmφ、中心厚2mmのプラスチックレンズを得た。
得られたレンズを装着した眼鏡を通しての観察では、晴天下の長時間の使用においても眩しさを感じることが少なかった。
【0124】
[実施例21]眼鏡レンズの製造
実施例11で製造したペレットを原料とした以外は実施例13と同様な操作を行って、外径75mmφ、中心厚2mmのプラスチックレンズを得た。
得られたレンズを装着した眼鏡を通しての観察では、晴天下の長時間の使用においても眩しさを感じることが少なかった。
[実施例22]眼鏡レンズの製造
実施例12で製造したペレットを原料とした以外は実施例13と同様な操作を行って、外径75mmφ、中心厚2mmのプラスチックレンズを得た。
得られたレンズを装着した眼鏡を通しての観察では、晴天下の長時間の使用においても眩しさを感じることが少なかった。
【0125】
[比較例1] 眼鏡レンズの製造
ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック(株)製H−3000FN)1000重量部と下記テトラアザポルフィリン化合物(比較例化合物(A))を0.0148重量部とを、タンブラーによって20分混合した後、単軸押出機によって、シリンダー設定温度260℃、スクリュー回転数56rpmの条件下で溶融・混練してペレット化した。
このペレットを原料とし、250℃で溶融させ、所定の金型を用いて射出成形機により成形し、外径75mmφ、中心厚2mmのプラスチックレンズを得た。
得られたレンズを装着した眼鏡を通しての観察では、晴天下の使用においても眩しさを感じることが少なかったが、表5に示すように、550W/hの光を2000時間照射した後は防眩効果が低下した。
比較例化合物(A)・・・下記構造のテトラアザポルフィリン化合物の置換基位置異性体混合物
【0126】
【0127】
[実施例23]合わせガラス用中間膜および合わせガラスの製造
有機エステル可塑剤として、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート40重量部に、テトラアザポルフィリン二量体化合物(具体例(1)−5)0.008重量部を溶解させ、この溶液を、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:BH−3、積水化学工業社製)100重量部に添加し、ミキシングロールで充分に溶融混練した後、押出機を用いて押出して、厚み0.76mmの合わせガラス用中間膜を得た。
上記中間膜を、100mm×100mmのサイズに切断し、2枚のフロート板ガラス(縦100mm×横100mm×厚さ2.0mm)で挟み込み、ゴムバック内に入れ、2.6kPaの真空度で20分間脱気した後、脱気したままオーブン内に移し、更に90℃で30分間保持して真空プレスした。その後、オートクレーブにて温度130℃、圧力1.3MPaの条件で20分間圧着し、合わせガラスのサンプルを得た。
[実施例24] 合わせガラス用中間膜および合わせガラスの製造
テトラアザポルフィリン二量体化合物として具体例化合物(1)−6を0.008g重量部使用した以外は実施例23と同様の操作を行い、合わせガラス用中間膜および合わせガラスを作製した。
【0128】
[実施例25] 合わせガラス用中間膜および合わせガラスの製造
テトラアザポルフィリン二量体化合物として具体例化合物(1)−12を0.008g重量部使用した以外は実施例23と同様の操作を行い、合わせガラス用中間膜および合わせガラスを作製した。
[実施例26] 合わせガラス用中間膜および合わせガラスの製造
テトラアザポルフィリン二量体化合物として具体例化合物(1)−20を0.008g重量部使用した以外は実施例23と同様の操作を行い、合わせガラス用中間膜および合わせガラスを作製した。
[実施例27] 合わせガラス用中間膜および合わせガラスの製造
テトラアザポルフィリン二量体化合物として具体例化合物(1)−44を0.008g重量部使用した以外は実施例23と同様の操作を行い、合わせガラス用中間膜および合わせガラスを作製した。
【0129】
[比較例2]合わせガラス用中間膜および合わせガラスの製造
実施例13におけるテトラアザポルフィリン二量体化合物の具体例化合物(1)−5を0.008重量部の代わりに、下記テトラアザポルフィリン化合物(比較例化合物(B))0.008重量部を使用した以外は実施例13と同様の操作を行って合わせガラス用中間膜および合わせガラスを作製した。
比較例化合物(B)・・・下記構造のテトラアザポルフィリン化合物の置換基位置異性体混合物
【0130】
【0131】
[比較例3](合わせガラス用中間膜および合わせガラスの製造)
実施例13におけるテトラアザポリフィリン二量体化合物の具体例化合物(1)−5を0.008重量部の代わりに、前記テトラアザポルフィリン化合物(比較例化合物(A))0.008重量部を使用した以外は実施例13と同様の操作を行って合わせガラス用中間膜および合わせガラスを作製した。
【0132】
[防眩性および耐光性試験]
実施例8〜14および比較例1〜3で製造した眼鏡レンズを使用した眼鏡レンズ、および合わせガラスを通して、モニター(20名)に、ディスチャージヘッドライトを装着した自動車を3分間観察させた。モニターが眩しさを感じることがないと判断した場合に、防眩性ありとし、防眩性ありと認定した人数により下記の判定とした。
◎:18名以上、○:14〜17名、△:10〜13名、×:9名以下
次いで、上記試験で使用した眼鏡レンズおよび合わせガラスに、キセノン耐光性試験機(東洋精機社製:サンテストXLS+)を用いて550W/hの光を2000時間照射した後、同様に防眩性試験を実施した。結果を下記表5に示す。
【0133】
【0134】
表6に耐光試験による透過率変化量を示す。透過率変化量が大きいほど、耐光性が劣る。耐光性測定は以下のようにして行った。
キセノンウェザリング装置(ATLAS社製サンテストXLS+II型)を用い、試験対象物に、ブラックスタンダード温度65℃、槽内温度45℃下でキセノンランプを放射照度550W/m
2で100時間、200時間、300時間照射した後、各サンプルの550nmから650nmにおける極小値の透過率を測定した。
透過率変化率は以下の式で表される。
耐光性試験n時間における透過率変化率=(耐光性試験n時間後の透過率−試験前の透過率)/試験前の透過率
【0135】