(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1の無線機に接続された第1のデータ処理装置が、第2の無線機に接続された第2のデータ処理装置への送信データに、上記第2のデータ処理装置の識別子である局番を挿入して上記第1の無線機に与え、上記第1の無線機が、内蔵する局番・アドレス対応情報を参照して、送信データの無線での送信先となる上記第2の無線機のアドレスを得て上記第2の無線機へ向けて送信データを送信する無線通信システムにおいて、
上記局番・アドレス対応情報を上記第1の無線機に保持させるために、
上記第1の無線機が、
アドレスを含まないで局番だけを含む仮の局番・アドレス対応情報を取得する仮対応情報取得手段と、
上記仮対応情報取得手段が取得した仮の局番・アドレス対応情報を上記第2の無線機に送信する仮対応情報送信手段と、
上記第2の無線機から、接続している上記第2のデータ処理装置の局番が通知された場合に、仮の局番・アドレス対応情報における通知された局番に対応するアドレスとして、通知してきた上記第2の無線機のアドレスを追加する局番対応アドレス追加手段とを備えると共に、
上記第2の無線機が、
上記第1の無線機が送信した仮の局番・アドレス対応情報を受信する仮対応情報受信手段と、
受信した仮の局番・アドレス対応情報に記述されている局番を宛先に用いて、接続されている上記第2のデータ処理装置にその局番が割り当てられているかの局番確認送信を行う局番取得用送信手段と、
局番確認送信後に、それに応じた確認肯定の返信が上記第2のデータ処理装置からあったとき、確認送信の局番が接続先の上記第2のデータ処理装置に割り当てられた局番であると認識し、上記第1の無線機にその旨を通知する収容局番認識・送信手段とを備え、
上記第2のデータ処理装置が、局番確認送信に応じ、その局番が自装置に割り当てられている局番かを確認し、割り当てられている局番の場合に、確認肯定の返信を行う局番確認応答手段を備える
ことを特徴とする無線通信システム。
上記仮対応情報取得手段は、上記第1のデータ処理装置が順次送信した局番を含むフレームから局番を抽出し、上記仮の局番・アドレス対応情報を形成して上記仮の局番・アドレス対応情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
上記局番取得用送信手段は、受信した上記仮の局番・アドレス対応情報に記述されている全ての局番について、順次、局番確認送信を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の無線通信システム。
第1の無線機に接続された第1のデータ処理装置が、第2の無線機に接続された第2のデータ処理装置への送信データに、上記第2のデータ処理装置の識別子である局番を挿入して上記第1の無線機に与え、上記第1の無線機が、内蔵する局番・アドレス対応情報を参照して、送信データの無線での送信先となる上記第2の無線機のアドレスを得て上記第2の無線機へ向けて送信データを送信する無線通信システムにおける、上記第1の無線機及び上記第1のデータ処理装置の組を有する無線通信装置において、
上記局番・アドレス対応情報を上記第1の無線機に保持させるために、
上記第1の無線機が、
アドレスを含まないで局番だけを含む仮の局番・アドレス対応情報を取得する仮対応情報取得手段と、
上記仮対応情報取得手段が取得した仮の局番・アドレス対応情報を上記第2の無線機に送信する仮対応情報送信手段と、
上記第2の無線機から、接続している上記第2のデータ処理装置の局番が通知された場合に、仮の局番・アドレス対応情報における通知された局番に対応するアドレスとして、通知してきた上記第2の無線機のアドレスを追加する局番対応アドレス追加手段とを備える
ことを特徴とする無線通信装置。
上記仮対応情報取得手段は、上記第1のデータ処理装置が順次送信した局番を含むフレームから局番を抽出し、上記仮の局番・アドレス対応情報を形成して上記仮の局番・アドレス対応情報を取得することを特徴とする請求項4に記載の無線通信装置。
第1の無線機に接続された第1のデータ処理装置が、第2の無線機に接続された第2のデータ処理装置への送信データに、上記第2のデータ処理装置の識別子である局番を挿入して上記第1の無線機に与え、上記第1の無線機が、内蔵する局番・アドレス対応情報を参照して、送信データの無線での送信先となる上記第2の無線機のアドレスを得て上記第2の無線機へ向けて送信データを送信する無線通信システムにおける、上記第1の無線機が該当する無線機において、
上記局番・アドレス対応情報を自己に保持させるために、
アドレスを含まないで局番だけを含む仮の局番・アドレス対応情報を取得する仮対応情報取得手段と、
上記仮対応情報取得手段が取得した仮の局番・アドレス対応情報を上記第2の無線機に送信する仮対応情報送信手段と、
上記第2の無線機から、接続している上記第2のデータ処理装置の局番が通知された場合に、仮の局番・アドレス対応情報における通知された局番に対応するアドレスとして、通知してきた上記第2の無線機のアドレスを追加する局番対応アドレス追加手段とを備える
ことを特徴とする無線機。
上記仮対応情報取得手段は、上記第1のデータ処理装置が順次送信した局番を含むフレームから局番を抽出し、上記仮の局番・アドレス対応情報を形成して上記仮の局番・アドレス対応情報を取得することを特徴とする請求項6に記載の無線機。
第1の無線機に接続された第1のデータ処理装置が、第2の無線機に接続された第2のデータ処理装置への送信データに、上記第2のデータ処理装置の識別子である局番を挿入して上記第1の無線機に与え、上記第1の無線機が、内蔵する局番・アドレス対応情報を参照して、送信データの無線での送信先となる上記第2の無線機のアドレスを得て上記第2の無線機へ向けて送信データを送信する無線通信システムにおける、上記第2の無線機及び上記第2のデータ処理装置の組を有する無線通信装置において、
上記局番・アドレス対応情報を上記第1の無線機に保持させるために、
上記第2の無線機が、
上記第1の無線機が送信した仮の局番・アドレス対応情報を受信する仮対応情報受信手段と、
受信した仮の局番・アドレス対応情報に記述されている局番を宛先に用いて、接続されている上記第2のデータ処理装置にその局番が割り当てられているかの局番確認送信を行う局番取得用送信手段と、
局番確認送信後に、それに応じた確認肯定の返信が上記第2のデータ処理装置からあったとき、確認送信の局番が接続先の上記第2のデータ処理装置に割り当てられた局番であると認識し、上記第1の無線機にその旨を通知する収容局番認識・送信手段とを備え、
上記第2のデータ処理装置が、局番確認送信に応じ、その局番が自装置に割り当てられている局番かを確認し、割り当てられている局番の場合に、確認肯定の返信を行う局番確認応答手段を備える
ことを特徴とする無線通信装置。
上記局番取得用送信手段は、受信した上記仮の局番・アドレス対応情報に記述されている全ての局番について、順次、局番確認送信を行うことを特徴とする請求項8に記載の無線通信装置。
上記第2の無線機と、1又は複数の上記第2のデータ処理装置とが、RS485ケーブルを介して接続されていることを特徴とする請求項8又は9に記載の無線通信装置。
第1の無線機に接続された第1のデータ処理装置が、第2の無線機に接続された第2のデータ処理装置への送信データに、上記第2のデータ処理装置の識別子である局番を挿入して上記第1の無線機に与え、上記第1の無線機が、内蔵する局番・アドレス対応情報を参照して、送信データの無線での送信先となる上記第2の無線機のアドレスを得て上記第2の無線機へ向けて送信データを送信する無線通信システムにおける、上記第2の無線機が該当する無線機において、
上記局番・アドレス対応情報を上記第1の無線機に保持させるために、
上記第1の無線機が送信した仮の局番・アドレス対応情報を受信する仮対応情報受信手段と、
受信した仮の局番・アドレス対応情報に記述されている局番を宛先に用いて、接続されている上記第2のデータ処理装置にその局番が割り当てられているかの局番確認送信を行う局番取得用送信手段と、
局番確認送信後に、それに応じた確認肯定の返信が上記第2のデータ処理装置からあったとき、確認送信の局番が接続先の上記第2のデータ処理装置に割り当てられた局番であると認識し、上記第1の無線機にその旨を通知する収容局番認識・送信手段とを備える
ことを特徴とする無線機。
上記局番取得用送信手段は、受信した上記仮の局番・アドレス対応情報に記述されている全ての局番について、順次、局番確認送信を行うことを特徴とする請求項11に記載の無線機。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(A)第1の実施形態
以下に、本発明による無線通信システム、無線通信装置及び無線機の第1の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。第1の実施形態の無線通信システムは、センサネットワーク(センサネットワークシステム)である。
【0019】
(A−1)第1の実施形態の構成
図1は、第1の実施形態に係るセンサネットワークの全体構成を示すブロック図である。
【0020】
図1において、センサネットワーク1は、データ収集装置2と複数のセンサ装置3とを有し、データ収集装置2とセンサ装置3とは、無線マルチホップネットワーク4を介して通信する。無線マルチホップネットワーク4は、データ収集装置2にケーブル5を介して接続されている無線親機6と、センサ装置3(3−1、3−2)にケーブル7(7−1、7−2)を介して接続されている無線子機8(8−1、8−2)とを含んでいる。
【0021】
無線通信システム1を構成する各装置の数は限定されないものである。
図1は、データ収集装置2が1台、センサ装置3が2台(3−1、3−2)の場合を示している。データ収集装置2と無線親機6とは、1対1、M対1、1対N、M対Nのいずれの関係で対応付けられたものであっても良いが、
図1は、データ収集装置2と無線親機6とが1対1の関係の場合を示している。センサ装置3と無線子機8とは、1対1又はM対1の関係で対応付けられたものであっても良いが(他の対応関係でも良い)、
図1は、センサ装置3と無線子機8とが1対1の関係の場合を示している。
【0022】
なお、無線親機6や無線子機8が発明の名称における「無線機」に該当し、データ収集装置2と無線親機6との組や、センサ装置3と無線子機8との組が発明の名称における「無線通信装置」に該当する。
【0023】
エンドツーエンド通信の関係にある無線親機6と無線子機8とは、通信可能ならば直接通信しても良く(1ホップで通信しても良く)、
図1では記載していない中継専用の無線機や他の無線子機を介して通信しても良い(2ホップ以上で通信しても良い)。無線マルチホップネットワーク4が適用している通信プロトコル(ネットワークへの参加手順等を含んでいても良い)は限定されるものではない。例えば、無線マルチホップネットワーク4の通信プロトコルとして、いわゆるZigBee IPプロトコルを適用することができる。
【0024】
データ収集装置2及び無線親機6間のケーブル5や、センサ装置3及び無線子機8間のケーブル7の種類も限定されるものではない。例えば、両装置間の多様な対応関係やその変更に容易に対応できるように、RS485ケーブルを適用することができる。
【0025】
各センサ装置3はそれぞれ、後述するような所定の物理量などを計測し、データ収集装置2から計測データが要求されたときにデータ収集装置2に向けて送信するものである。センサ装置3による計測タイミングは問われないものである。例えば、周期的に計測するものであっても良く、計測データが要求されてから計測するものであっても良い。また、計測項目(言い換えると搭載しているセンサ)は限定されない。センサ装置3が搭載するセンサとして、例えば、電力、温度、湿度、ガス濃度、照度等のセンサを挙げることができる。計測項目数も限定されるものではない。
【0026】
データ収集装置2は、各センサ装置3が取得した計測データを収集、管理するものである。データ収集装置2は、計測データを収集しようとするセンサ装置3の局番を含むデータ読出し要求フレームを接続している無線親機6に与えて送信させ、それに応じて、無線親機6から到来したデータ読出し応答フレームを取込むものである。なお、データ収集装置2が計測データの収集に関する最上位の装置であっても良く、また、データ収集装置2より上位の装置が存在し、データ収集装置2が上位装置に対して収集した計測データ若しくはそれを情報処理したデータを与えるようにしても良い。
【0027】
無線親機6は、データ収集装置2からデータ読出し要求フレームが与えられたときに、データ読出し要求フレームに含まれている局番をキーとして、内蔵する局番リスト6Tをアクセスし、そのデータ読出し要求フレームを無線送信する相手となる無線子機8のアドレスを取得し、そのアドレスに係る無線子機8にデータ読出し要求フレームを無線送信するものである。また、無線親機6は、データ読出し要求フレームに対するデータ読出し応答フレームが該当する無線子機3から返信された際に、データ収集装置2に転送するものである。
【0028】
無線子機8は、受信したデータ読出し要求フレームを自身に接続されているセンサ装置3に与え、センサ装置3から、計測データを含むデータ読出し応答フレームが与えられたときに、無線親機6に向かって送信(返信)するものである。
【0029】
図2は、データ読出し要求フレーム及びデータ読出し応答フレームの構成を示す説明図である。
【0030】
データ読出し要求フレームFR1は、
図2(A)に示すように、計測データを要求するセンサ装置3を特定する局番F10と、当該フレームがデータ読出し要求フレームであることを表す読出要求コードF11と、要求する計測データの項目(電力消費量や温度や湿度)を表す要求データF12と、エラーチェックコードF13とを含んでいる。
【0031】
データ読出し応答フレームFR2は、
図2(B)に示すように、計測データを送信したセンサ装置3を特定する局番F20と、当該フレームがデータ読出し応答フレームであることを表す読出応答コードF21と、現フレームに挿入されている計測データのデータ長を表す応答データ長F22と、現フレームに挿入されている計測データである応答データF23と、エラーチェックコードF24とを含んでいる。
【0032】
図3は、無線親機6が保持している局番リスト6Tの構成を示す説明図である。局番リスト6Tは、各センサ装置3に割当てられている局番と、そのセンサ装置3に接続されている無線子機8のアドレスとの対情報を、センサ装置3の数だけ記述しているものである。
【0033】
図4は、無線親機6又は無線子機8の内部構成を示すブロック図である。
【0034】
無線親機6及び無線子機8は共に、所望する機能を、CPUが搭載されているアプリケーションプログラムを実行することにより実現するものであり、アプリケーションプログラムを除けば、同様な構成を有している。そのため、
図4は、無線親機6又は無線子機8を区別することなく内部構成を示している。
【0035】
図4において、無線機10(無線親機6又は無線子機8)は、有線インタフェース部(以下、有線IF部と呼ぶ)11、有線・無線データ処理部12及び無線インタフェース部(以下、無線IF部と呼ぶ)13を有する。
【0036】
有線IF部11は、データ収集装置2又はセンサ装置3が該当するデータ処理装置20と接続されているケーブル21(ケーブル5又は7)を終端し、ケーブル21を介して与えられたデータ処理装置20が送信したデータを受信したり、データ処理装置20へのデータをケーブル21へ送り出したりするものである。
【0037】
無線IF部13は、無線回線を介して対向する無線機と接続するためのネットワークインタフェースである。無線IF部13の通信プロトコル(言い換えると、無線マルチホップネットワーク4の通信プロトコル)は限定されるものではないが、上述したように、ZigBee IPプロトコルを適用することができる。ZigBee IPプロトコルを適用した場合、無線IF部13は、
図4に示すような階層構造の通信プロトコルを実行するものとなる。
【0038】
すなわち、無線IF部13は、物理層・MAC層処理部131、6LowPAN(IPv6 over Low power Wireless Personal Area Networks)処理部132、IPv6/RPL(Routing Protocol for Low power and Lossy Networks)処理部133、トランスポート層処理部134及びアプリケーション層処理部135を有する。
【0039】
物理層・MAC層処理部131は、IEEE802.15.4gに従った物理層処理と、IEEE802.15.4eに従ったMAC層処理を行う。6LowPAN処理部132及びIPv6/RPL処理部133は、IEEE802.15.4上でIPv6ネットワークを実現するためのネットワーク層の処理を行うものである。6LowPAN処理部132は、6LowPANに従った処理(例えば、ヘッダ圧縮やパケット分割など)を行うものである。IPv6/RPL処理部133は、IPv6でマルチホップルーティングを実現させるための処理を行うものである。トランスポート層処理部134及びアプリケーション層処理部135の機能説明は省略する。
【0040】
有線・無線データ処理部12は、当該無線機10で必要なデータ処理などを実行するものである。例えば、有線・無線データ処理部12は、データ収集装置2と授受するデータ(以下、有線データと呼ぶこともある)と、センサ装置3と授受するデータ(以下、無線データと呼ぶこともある)との間の変換(例えば、フォーマットの変換)を行ったり、局番リストを完成させるための処理を行ったりするものである。なお、
図4において、通信アプリケーション以外の処理を行うものとして、アプリケーション層処理部135以外に有線・無線データ処理部12を書き出しており、これらが融合された処理部を構成しても良い。
【0041】
第1の実施形態は、無線親機6及び無線子機8(さらにはデータ収集装置2やセンサ装置3)が協働して局番リスト6Tを自動作成することを特徴としている。
【0042】
図5は、無線親機6の局番リスト6Tの自動作成に関連する機能的な構成を示す機能ブロック図であり、
図6は、無線子機8の局番リスト6Tの自動作成に関連する機能的な構成を示す機能ブロック図である。なお、局番リスト6Tの自動作成は、有線・無線データ処理部12やアプリケーション層処理部135が担当する機能であるが、機能的に表現すると、
図5や
図6に示すようになる。
【0043】
無線親機6は、仮局番リスト作成部20、仮局番リスト送信部21及び局番対応アドレス追加部22を有する。無線子機8は、仮局番リスト受信部25、局番取得フレーム送信部26及び収容局番認識・送信部27を有する。
【0044】
仮局番リスト作成部20は、データ収集装置2と協働し、アドレスを含まないで局番だけを含む局番リスト(以下、仮局番リストと呼ぶ)を作成するものである。
【0045】
仮局番リスト送信部21は、作成された仮局番リストを無線子機8に送信するものである。
【0046】
局番対応アドレス追加部22は、無線子機8から、接続しているセンサ装置3の局番が通知された場合に、仮局番リストにおける通知された局番に対応するアドレスとして、通知してきた無線子機8のアドレスを追加するものである。
【0047】
仮局番リスト受信部25は、無線親機6が送信した仮局番リストを受信して一時記憶するものである。
【0048】
局番取得フレーム送信部26は、受信した仮局番リストに記述されている局番を宛先としたコマンド(局番取得フレーム)を、自己に接続されているセンサ装置3に送信するものである。局番取得フレーム送信部26は、このような局番取得フレームの宛先とする局番を代え、仮局番リスト内の全ての局番について局番取得フレームの送信を順次実行する。
【0049】
収容局番認識・送信部27は、局番取得フレームの送信後、所定時間内にそれに応じた返信コマンドを受信したとき、局番取得フレームに挿入した局番が接続先のセンサ装置3に割り当てられた局番であると認識し、無線親機6にその旨を通知するものである。
【0050】
第1の実施形態におけるデータ収集装置2やセンサ装置3が、従来のデータ収集装置やセンサ装置と異なる点は少なく、機能ブロック図の図示は省略し、以下の動作説明の項でその相違点を明らかにする。
【0051】
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第1の実施形態のセンサネットワーク(無線通信システム)1における局番リストの自動作成動作を、図面を参照しながら説明する。
図7は、センサネットワーク1における局番リストの自動作成動作を示すシーケンス図である。
【0052】
なお、局番リストの自動作成動作を開始する際には、既に、データ収集装置2及び無線親機6間がケーブル5を介して接続され、センサ装置3及び無線子機8間がケーブル7を介して接続されていることを要する。
【0053】
また、無線子機8に対して、センサ装置3から局番を取得するための局番取得フレームを設定しておくことを要する(S201)。例えば、工場出荷時点で無線子機8に、局番取得フレームを設定して(書き込んで)おくようにしても良い。また例えば、現場において、無線子機8の電源を短期間だけオンして、図示しない保守端末から局番取得フレームを設定するようにしても良く、また、無線子機8に設定用のディップスイッチを設けて電源オフ状態で設定するようにしても良い。
【0054】
以上のような無線子機8に対して局番取得フレームが設定されている状態で、システム管理者などのオペレータは、無線親機6及びデータ収集装置2の電源を順に入れる(S202、S203)。
【0055】
データ収集装置2は、無線親機6が立ち上がった後、無線親機6に、1つの局番が挿入されている局番通知フレームを送信し(S204)、無線親機6は、局番通知フレームを受信すると、受信した局番通知フレームから挿入されている局番を抽出して局番リスト6Tの局番の欄に追記し(S205)、その後、データ収集装置2が管理している全ての局番が局番リスト6Tに記述されているか否かを判別し(S206)、データ収集装置2が管理している全ての局番が局番リスト6Tに記述されるまで、上述したステップS204及びS205の処理を繰り返す。
【0056】
局番通知フレームは、専用のフレームであっても良く、他のフレームを利用するものであっても良い。例えば、データ読出し要求フレームを局番通知フレームとして流用しても良く、この場合、無線親機6は、局番リスト6Tにアドレスが記述されていない状態で到来したデータ読出し要求フレームを局番通知フレームと捉えるようにすれば良い。無線親機6には、局番通知フレームのフォーマットの内容(開始文字コード、終了文字コード、局番形式など)が記述されており、このフォーマット内容に基づいて、局番通知フレームから局番を抽出する。
【0057】
データ収集装置2が管理している全ての局番が局番リスト6Tに記述されているか否かの判断を、無線親機6が自動的に行っても良く、また、オペレータが無線親機6の表示等に基づいて行なうようにしも良い。前者の場合であれば、例えば、オペレータが保守端末を用いて予め局番の数を無線親機6に設定し、無線親機6が局番リスト6Tに追記した数が設定されている局番の数に到達したか否かを判断し、到達したときに、保守端末に到達した旨のレスポンスを与えて表示させ、若しくは、当該無線親機6に設けられたLEDを点灯させるようにしても良い。後者の場合であれば、例えば、無線親機6に局番リスト6Tに追記した数の表示機能が持たせ、若しくは、無線親機6に接続された保守端末に局番リスト6Tに追記した数の表示機能が持たせ、表示された数が局番の数に一致したか否かをオペレータが判定するようにしても良い。
【0058】
データ収集装置2に次の局番通知フレームの送信を促すことを、無線親機6が実行しても良く、また、オペレータが保守端末を用いて、若しくは、データ収集装置2が有するキー入力部等を用いて実行しても良い。
【0059】
データ収集装置2が管理している全ての局番が局番リスト6Tに記述された状況(すなわち、仮局番リストになった状況)において、オペレータは、センサ装置3の電源を入れ(S207)、センサ装置3が立ち上がった後、無線子機8の電源を入れる(S208)。
【0060】
無線子機8は、電源オンにより、初期動作を開始し、無線親機6に対してネットワーク参加認証処理を要求し(S209)、この要求に応じて、無線親機6は、要求した無線子機8を認証し、認証できたときにその無線子機8に対してネットワーク参加許可を与える(S210)。
【0061】
無線親機6は、無線子機8がセンサネットワーク1に参加したときには、その無線子機8に対して、上述のようにして作成された仮局番リストを送信する(S211)。
【0062】
仮局番リストが与えられた無線子機8は、無線親機6から局番リストを受け取ると、仮局番リスト上の各局番宛に、上述したように設定された局番取得フレームを自己に接続されているセンサ装置3に送信し(S212)、センサ装置3は、受信した局番取得フレームが自装置宛の場合(局番取得フレームの宛先局番が自装置に割り当てられている局番と一致している場合)には、その局番取得フレームに応答して局番応答フレームを返信する(S213)。なお、センサ装置3は、自局番以外の局番を宛先としている局番取得フレームに対しては無応答である。
【0063】
無線子機8は、センサ装置3から局番応答フレームが所定時間内に返信された場合には、自装置に接続されているセンサ装置3の局番として保持する(S214)。
【0064】
無線子機8は、局番応答フレームが返信されてセンサ装置3の局番として保持した後、若しくは、所定時間内に局番応答フレームが返信されてこなかった場合には、仮局番リスト上の全ての局番について、局番取得フレームの送信を行ったかを確認し(S215)、局番取得フレームの送信を実行していない局番が残っていれば、上述したステップS212の新たな局番取得フレームの送信に戻る。
【0065】
局番取得フレームや局番応答フレームは、専用のフレームであっても良く、他のフレームを利用するものであっても良い。例えば、データ読出し要求フレームを局番通知フレームとして流用し、データ読出し応答フレームを局番応答フレームとして流用するようにしても良い。このような場合でも、無線子機8やセンサ装置3は、処理段階に基づいて、局番通知フレームとしてデータ読出し要求フレームが流用され、局番応答フレームとしてデータ読出し応答フレームが流用されていることを認識することができる。
【0066】
無線子機8は、仮局番リスト上の全ての局番について局番取得フレームを順次送信し、その局番応答フレームの返信を確認したときには、自装置に接続されているセンサ装置3の局番として保持した全ての局番を、無線親機6に通知する(S216)。
【0067】
無線親機6は、無線子機8から保持局番の通知を受け取ると、局番リスト(仮局番リスト)6Tの該当局番のアドレス部分に、通知を送信してきた無線子機8のアドレスを記述する(S217)。
【0068】
図7では、無線子機8を1台だけ記述しているが、複数の無線子機8がある場合には、それぞれの無線子機8が
図7に記述した処理を実行する。
【0069】
無線親機6が、全ての無線子機8から、保持局番の通知を受け取り、局番対応のアドレスの追記を行うことにより、局番リスト6Tが完成される。
【0070】
図7では、無線子機8とセンサ装置3とが1対1で対応する場合を示したが、無線子機8とセンサ装置3とが1対Nで対応していても良く、この場合であっても、局番リスト6Tに局番とアドレスとが適切に対応付けられる。また、無線子機8は、今後、自装置に接続されているセンサ装置3の局番として保持した局番に基づいて、無線親機6から到来したフレームを、接続されているいずれかのセンサ装置3に与えるか、中継送信するかを決定する。
【0071】
(A−3)第1の実施形態の効果
第1の実施形態によれば、システム管理者などは、完成された局番リスト6Tを事前に作成する必要がなく、また、保守端末を用いて局番リスト6Tを無線親機6に設定する手間を省略することができる。すなわち、システム管理者などは、各種装置の電源をオンにする程度の操作により、局番リスト6Tを容易に作成することができる。また、第1の実施形態によれば、局番リスト6Tの内容に誤りが生じることもなく、システムの円滑な運用を行うことができる。
【0072】
(B)他の実施形態
第1の実施形態の説明においても、種々変形実施形態に言及したが、さらに、以下に例示するような変形実施形態も挙げることができる。
【0073】
(B−1)第1の実施形態においては、局番だけが記述されている仮局番リストの作成も自動的に行う場合を示したが、システム管理者等が、仮局番リストを作成して無線親機に設定し、その後、第1の実施形態で説明した方法によって完成された局番リストを作成するようにしても良い。
【0074】
また、データ収集装置が自己が管理している局番を1つずつ無線親機に与えるのではなく、データ収集装置が自己が管理している局番を1回の通信でまとめて無線親機に与えるようにしても良い。
【0075】
(B−2)第1の実施形態においては、宛先でない局番取得フレームを受信したセンサ装置が局番応答フレームを返信しない場合を示したが、自己に無関係であることを記述した局番応答フレームを無線子機に返信するようにしても良い。
【0076】
(B−3)第1の実施形態では、無線親機から無線子機へ仮局番リストを認証後に送付する個別送付の場合を示したが、認証済み及び認証直後の全ての無線子機に対して同報送信を行うようにしても良い。
【0077】
(B−4)第1の実施形態では、仮局番リストの全ての局番についての局番取得フレームを送信するものを示したが、無線子機が接続しているセンサ装置の数を把握しているようにしておき、接続している全てのセンサ装置の局番を認識した時点で、新たな局番取得フレームの送信を中止するようにしても良い。
【0078】
(B−5)第1の実施形態では、局番リストの作成が終了した時点で、一連の作成動作を終了する場合を示したが、データ収集装置若しくは無線親機が主導権をとって、所定のフレームの授受を行い、作成したばかりの局番リストの正当性を確認するようにしても良い。
【0079】
(B−6)第1の実施形態では、データ収集装置と無線親機とが別装置であるものを示したが、一体化した装置であっても良い。同様に、無線子機とセンサ装置とが一体化した装置であっても良い。
【0080】
特許請求の範囲の表現は、このような一体化した装置をも含むものとする。
【0081】
(B−7)第1の実施形態においては、本発明をセンサネットワークに適用した場合を示したが、本発明の用途は、これに限定されるものではない。例えば、人の健康管理(体温、血圧)、自動販売機の在庫管理等の様々な用途で利用されるネットワークに適用することができる。
【0082】
(B−8)第1の実施形態においては、無線親機又は無線子機に係る通信プロトコルがZigBee IPプロトコルである例について示したが、通信プロトコルはこれに限定されるものではない。
【0083】
(B−9)無線親機及び無線子機は、ハードウェアで構成するとも可能であり、また、その一部を、CPUが実行するソフトウェアとCPUで実現することも可能である。