(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記移動機構部は、前記第2の位置として、前記表示部が前記入力部に対して所定の角度で傾斜した第1傾斜位置、および、前記表示部が前記第1傾斜位置よりも大きな角度で前記入力部に対して傾斜した第2傾斜位置に、前記表示部を固定配置させることが可能であり、
前記押圧ボタンが押圧され、前記表示部が前記第2傾斜位置から前記第1傾斜位置に向かって前記回転軸回りに回動される際に、前記第1傾斜位置の周辺において前記表示部の回動を規制する回動規制部を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
前記表示部が前記第2の位置に配置された状態において、前記押圧ボタンが押圧されると、前記ガイドピンが前記移動用溝に進入した後、前記表示部の自重によって前記移動用溝を上方から下方に移動することで、前記表示部が前記第2の位置から前記第1の位置に移動することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された技術では、操作部の前端側が下方に傾動した場合、操作部が胴内排紙部の前方を塞いでしまう。この結果、操作部の操作性は向上されても、胴内排紙部に排出されたシートの取り出しやすさが悪化するという問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、排紙部に排出されたシートの取り出し易さを維持し、表示部が傾動可能とされる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面に係る画像形成装置は、内部空間を備える下部筐体と、前記内部空間に配置され、シートに画像を形成する画像形成部と、前記下部筐体の上面部に配置され、前記シートが排出される排紙部と、前記排紙部の上方に間隔をおいて配置される上部筐体と、画像形成情報が入力される入力部と、前記入力部に隣接して配置され、前記画像形成情報が表示される表示部とを含み、前記上方筐体から前方に向かって突設される操作部とを有し、前記表示部は、前記入力部と略面一に配置される第1の位置と、前記第1の位置から前端側を支点として後端側が上方に回動され、前記入力部よりも、前方に向かって先下がりに傾斜した第2の位置との間で位置変更が可能であ
るとともに、左右方向に所定の幅をもった矩形形状からなり、前記表示部を、前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動させる移動機構部を更に有し、前記移動機構部は、前記表示部の左右方向の一端側に配置された押圧ボタンを備え、前記押圧ボタンが押圧されることで、前記表示部が前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動可能とされ、前記押圧ボタンの前記押圧が解除されることで、前記表示部が前記第1の位置または前記第2の位置にロックされ、前記移動機構部は、前記表示部の左右方向の一端側および他端側に配置され、前記押圧ボタンの前記押圧が解除されることに連動して、前記表示部を前記第1の位置または前記第2の位置において前記上部筐体にロックする一対のロック部を備え、前記表示部は、前記矩形形状からなるフレーム部と、前記フレーム部に配置され、前記画像形成情報が表示される表示パネルと、を有し、前記押圧ボタンは、前記表示部の前記一端側において前記フレーム部から露出され、かつ、前記表示部の前記一端側から前記他端側に向かう押圧方向に押圧可能とされ、前記移動機構部は、前記押圧ボタンを含み、前記表示部の後端側において前記フレーム部の内部に配置される移動部材と、前記移動部材と前記フレーム部との間に圧縮して配置され、前記押圧ボタンを前記押圧方向とは反対の付勢方向に付勢する付勢ばねと、前記ロック部の一部として前記移動部材から後方に向かって突設され、左右方向に間隔をおいて配置される一対のガイドピンと、前記上部筐体に固定され、前記ロック部の一部として前記一対のガイドピンが移動可能に挿通される一対の案内溝を含むガイド板と、を有することを特徴とする。
【0007】
本構成によれば、操作部は、入力部と表示部とを備える。表示部は、入力部と略面一に配置される第1の位置と、第1の位置から前端側を支点として後端側が上方に回動され、入力部よりも、前方に向かって先下がりに傾斜した第2の位置との間で位置変更が可能とされる。このため、表示部が位置変更した場合であっても、表示部の前端側が、操作部の下方に配置された排紙部を塞ぐことがない。したがって、排紙部に排出されたシートの視認性および取り出し性が好適に維持される。更に、入力部に対して相対的に表示部だけが回動可能とされる。この結果、車いすの使用者を含め、さまざまな姿勢の使用者によって、表示部に表示された画像形成情報が安定して視認される。また、画像形成装置の設置環境において、表示部に電灯の光が映り込んでも、表示部の位置変更によって表示部の視認性が好適に確保される。
また、本構成によれば、移動機構部によって、表示部の移動が好適に実現される。また、本構成によれば、押圧ボタンの押圧および前記押圧の解除によって、表示部の位置変更が好適に実現される。更に、本構成によれば、表示部の一端側に配置された押圧ボタンの操作に連動して、表示部の一端側および他端側に配置された一対のロック部が表示部を第1の位置または第2の位置にロックする。このため、左右方向に所定の幅をもった表示部が、安定して上部筐体にロックされる。また、本構成によれば、押圧ボタンと、移動部材と、付勢ばねと、一対のガイドピンと、一対の案内溝を含むガイド板とによって、表示部の位置変更が好適に実現される。
【0010】
上記の構成において、前記移動機構部は、前記第2の位置として、前記表示部を段階的に複数の傾斜角度で固定させることが望ましい。
【0011】
本構成によれば、表示部が第2の位置としての複数の傾斜角度で固定可能とされる。この結果、さまざまな姿勢の使用者によって、表示部に表示された画像形成情報がより安定して視認される。
【0014】
上記の構成において、前記表示部が前記第2の位置にロックされた状態において、前記表示部の後端側が下方に押圧されると、前記表示部のロックが解除されることが望ましい。
【0015】
本構成によれば、ユーザーによって表示部の後端側が押圧されることで、表示部のロックが解除され、表示部を下方に移動させることができる。
【0016】
上記の構成において、前記移動機構部は、前記第2の位置として、前記表示部が前記入力部に対して所定の角度で傾斜した第1傾斜位置、および、前記表示部が前記第1傾斜位置よりも大きな角度で前記入力部に対して傾斜した第2傾斜位置に、前記表示部を固定配置させることが可能であり、前記押圧ボタンが押圧され、前記表示部が前記第2傾斜位置から前記第1傾斜位置に向かって前記回転軸回りに回動される際に、前記第1傾斜位置の周辺において前記表示部の回動を規制する回動規制部を備えることが望ましい。
【0017】
本構成によれば、ユーザーが第2の位置の第2傾斜位置から第1傾斜位置に向かって表示部を回動させる際に、表示部が第1傾斜位置近傍に至ったことが容易に把握される。
【0022】
上記の構成において、前記案内溝は、上下方向に延設され、前記表示部の前記第1の位置と前記第2の位置との間の移動に伴って、前記ガイドピンが上下に移動する移動用溝と、前記移動用溝に連設して前記移動用溝の上下方向の複数の位置から前記付勢方向に延設され、前記表示部の前記第1の位置および前記第2の位置での固定に伴って、前記ガイドピンが係合される係合用溝と、を備え、前記押圧ボタンが前記押圧方向に押圧されると、前記付勢ばねの付勢力に抗して、前記ガイドピンが前記係合用溝から脱離された後、前記移動用溝を上下方向に移動可能とされることで、前記移動部材を介して前記押圧ボタンと前記フレーム部とが一体的に回動可能とされ、前記押圧ボタンの前記押圧が解除されると、前記付勢ばねの付勢力によって、前記ガイドピンが前記係合用溝に係合されることで、前記表示部が前記第1の位置または前記第2の位置に固定されることが望ましい。
【0023】
本構成によれば、押圧ボタンが押圧方向に押圧されると、ガイドピンが付勢ばねの付勢力に抗して係合用溝から脱離された後、移動用溝を上下方向に移動可能とされる。この結果、移動部材を介して押圧ボタンとフレーム部とが一体的に回動可能とされ、表示部の位置変更が可能とされる。一方、押圧ボタンの押圧が解除されると、付勢ばねの付勢力によってガイドピンが係合用溝に係合される。この結果、表示部が第1の位置または第2の位置に安定して固定される。
【0024】
上記の構成において、前記表示部が前記第2の位置に配置された状態において、前記押圧ボタンが押圧されると、前記ガイドピンが前記移動用溝に進入した後、前記表示部の自重によって前記移動用溝を上方から下方に移動することで、前記表示部が前記第2の位置から前記第1の位置に移動することが望ましい。
【0025】
本構成によれば、表示部が第2の位置に配置された状態において、押圧ボタンが押圧されるだけで、表示部の自重によって表示部が第2の位置から第1の位置に移動される。
【0026】
上記の構成において、前記操作部は、前記入力部および前記表示部を下方で支持する支持フレームを備え、前記表示部の前記フレーム部が前記支持フレームに対して回動することで、前記表示部が前記第1の位置および前記第2の位置に配置されることが望ましい。
【0027】
本構成によれば、フレーム部が支持フレームに対して回動することによって、表示部の位置変更が実現される。この結果、支持フレームの一部が表示部とともに回動する場合と比較して、支持フレームの一部が分断される必要がなく、操作部の強度が好適に維持される。
【0028】
上記の構成において、前記画像が形成されたシートを後方から前方に向かって前記排紙部に排紙する排出手段を備え、前記操作部の前端部は、前後方向において下部筐体の前端部よりも後方に配置されることが望ましい。
【0029】
本構成によれば、左右方向にシートが排紙される場合と比較して、シートが排紙される様子が、操作部の下方において好適に視認される。また、操作部の前端部が下部筐体の前端部よりも前方に突出していないため、前記シートの視認性が一層確保される。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、排紙部に排出されたシートの取り出し易さを維持し、表示部が傾動可能とされる画像形成装置が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の斜視図である。また、
図2は、
図1に示される画像形成装置1の下部筐体200Aの内部構造を概略的に示す断面図である。
図1および
図2に示される画像形成装置1は、いわゆるモノクロプリンター機であるが、他の実施形態において、画像形成装置は、カラープリンター、ファクシミリ装置、これらの機能を備える複合機やトナー画像をシートに形成するための他の装置であってもよい。尚、以下の説明で用いられる「上」や「下」、「前」や「後」、「左」や「右」といった方向を表す用語は、単に、説明の明瞭化を目的とするものであり、画像形成装置の原理を何ら限定するものではない。
【0033】
画像形成装置1は、下部筐体200Aと、連結筐体200Bと、上部筐体200Cと、自動原稿読取装置3とを備える。
【0034】
下部筐体200Aは、画像形成装置1の下方部分に配置され、略立方体形状からなる。下部筐体200Aは、内部にシートSに画像を形成するための様々な装置を収容する。上部筐体200Cは、下部筐体200Aの上方に間隔をおいて配置される。上部筐体200Cは扁平状の直方体形状からなる。上部筐体200Cの中には、不図示の読取手段が配置される。上部筐体200Cの前面部は、上部前壁200C1(
図3)によって画定される。連結筐体200Bは、下部筐体200Aおよび上部筐体200Cの左方部分、右方部分および後方部分を上下方向に連結する。連結筐体200Bは、上面視で前方部分が開放されたコの字型からなる壁部である。下部筐体200A、連結筐体200Bおよび上部筐体200Cによって囲まれる領域に、胴内排紙空間が形成される。該胴内排紙空間の底面は、後記の胴内排紙部210によって画定される。
【0035】
下部筐体200Aは複数の外壁によって画定される。下部筐体200Aは、下部筐体200Aの上面を規定する上壁201と、下部筐体200Aの底面を規定する底壁220(
図2)と、上壁201と底壁220との間で立面する背面壁230(
図2)と、背面壁230とは反対側に立面する前壁250と、を含む。下部筐体200Aは、各種の装置が配置される本体内部空間260(内部空間)を備える。
【0036】
下部筐体200Aの上面部である上壁201の中央部には、胴内排紙部210が配置される。胴内排紙部210は、上壁201の前方部分から後方部分にかけて下方に傾斜した傾斜面からなる。胴内排紙部210には、後記の画像形成部120において、画像が形成されたシートSが排出される。前述の上部筐体200Cは、胴内排紙部210の上方に間隔をおいて配置される。また、前壁250の上下方向の中央部には、手差しトレイ240が配置される。手差トレイ240は、下端を支点として、前壁250に対して上下に回動可能である(
図2の矢印D1)。また、前壁250と上壁201の前方部分は一体で手差トレイ240とともに上下に回動可能であり、上端側が下方に回動されると、下部筐体200Aに形成された開口部290が開放される。開口部290は、下部筐体200Aの本体内部空間260に連通する。使用者は、開口部290を介して、下部筐体200Aの本体内部空間260に収容された様々な装置にアクセスすることができる。前壁250が上方に回動すると、開口部290は閉じられる。この結果、使用者の不必要な本体内部空間260へのアクセスは防止される。
【0037】
画像形成装置1は、カセット110と、ピックアップローラー112と、第1給紙ローラー113と、第2給紙ローラー114と、搬送ローラー115と、レジストローラー対116と、画像形成部120とを備える。
【0038】
カセット110は、内部にシートSを収容する。カセット110は、シートSを支持するリフト板111を備える。リフト板111は、シートSの先頭縁を押し上げるように傾斜する。
【0039】
ピックアップローラー112は、リフト板111によって押し上げられたシートSの先頭縁上に配置される。ピックアップローラー112が回転すると、シートSはカセット110から引き出される。
【0040】
第1給紙ローラー113は、ピックアップローラー112の下流に配設される。第1給紙ローラー113は、シートSを更に下流に送り出す。第2給紙ローラー114は、手差しトレイ240の支点付近に配設される。第2給紙ローラー114は、手差トレイ240上のシートSを下部筐体200A内に引き込む。使用者は、カセット110に収容されたシートS、または手差トレイ240の上に載置されたシートSを選択的に使用することができる。
【0041】
搬送ローラー115は、第1給紙ローラー113、第2給紙ローラー114の下流に配設される。搬送ローラー115は、第1給紙ローラー113、第2給紙ローラー114によって送り出されたシートSを更に下流へ搬送する。
【0042】
レジストローラー対116は、搬送方向のシートの位置を規定する。これにより、シートS上に形成される画像の位置が調整される。レジストローラー対116は、画像形成部120による画像形成のタイミングに合わせて、シートSを画像形成部120に供給する。
【0043】
画像形成部120は、本体内部空間260に配置される。画像形成部120はシートに画像を形成する。画像形成部120は、感光体ドラム121と、帯電器122と、露光装置123と、現像装置124と、トナーコンテナ125と、転写ローラー126と、クリーニング装置127とを備える。
【0044】
感光体ドラム121は、円筒体の形状を有する。感光体ドラム121は、周面に静電潜像が形成されるとともに、該静電潜像に応じたトナー画像を担持する。
【0045】
帯電器122は、所定の電圧が印加され、感光体ドラム121の周面を略一様に帯電させる。
【0046】
露光装置123は、帯電器122によって帯電された感光体ドラム121の周面に、レーザー光を照射する。該レーザー光は、プリンター100に通信可能に接続されたパーソナルコンピュータといった外部装置(図示せず)から出力された画像データに従って、照射される。この結果、感光体ドラム121の周面には、画像データに対応する静電潜像が形成される。
【0047】
現像装置124は、静電潜像が形成された感光体ドラム121の周面にトナーを供給する。トナーコンテナ125は、現像装置124へトナーを供給する。トナーコンテナ125は、現像装置124に順次又は必要に応じてトナーを供給する。現像装置124がトナーを感光体ドラム121に供給すると、感光体ドラム121の周面に形成された静電潜像が現像(可視化)される。この結果、感光体ドラム121の周面に、トナー画像が形成されることとなる。
【0048】
転写ローラー126は、感光体ドラム121の周面に当接するように、回転可能に配設される。レジストローラー対116から搬送されたシートSが、感光体ドラム121と転写ローラー126との間を通過するときに、感光体ドラム121の周面に形成されたトナー画像が、シートSに転写される。
【0049】
クリーニング装置127は、シートSへトナー画像が転写された後に、感光体ドラム121の周面に残るトナーを除去する。クリーニング装置127によって、清浄化された感光体ドラム121の周面は、再度、帯電器122の下方を通過し、一様に帯電される。その後、上述のトナー画像の形成が新たに行われる。
【0050】
画像形成装置1は、画像形成部120よりも搬送方向下流側に、シートS上のトナー画像を定着させる定着装置130を更に備える。定着装置130は、シートS上のトナーを溶融させる加熱ローラー131と、シートSを加熱ローラー131に密着させる圧力ローラー132と、を備える。シートSが加熱ローラー131と圧力ローラー132との間を通過すると、トナー画像は、シートSに定着される。
【0051】
画像形成装置1は、定着装置130の下流に配設された複数の搬送ローラー対133と、搬送ローラー対133の下流に配設された排出ローラー対134(排出手段)と、を更に備える。シートSは、搬送ローラー対133によって上方に搬送され、最終的に、排出ローラー対134によって、下部筐体200Aから排出される。下部筐体200Aから排出されたシートSは、胴内排紙部210上に積み重ねられる。
【0052】
自動原稿読取装置3は、上部筐体200Cの上面部に配置された不図示のコンタクトガラスに対して、開放可能とされる。自動原稿読取装置3の後端部を支点として、自動原稿読取装置3の前方部分が上方に開放される。自動原稿読取装置3の開状態において、前記コンタクトガラス上に固定原稿が載置される。また、自動原稿読取装置3は、原稿シートを前記コンタクトガラス上の画像読取位置に搬送する。自動原稿読取装置3は、原稿トレイ30と、原稿搬送部31と、原稿排紙部32とを備える。原稿トレイ30には、原稿シートが載置される。原稿搬送部31は、原稿トレイ30に載置された原稿シートを前記画像読取位置に搬送した後、原稿排紙部32に排出する。原稿搬送部31の前面の下方には、自動原稿読取装置3を開閉するための取手部33が形成されている。
【0053】
更に、画像形成装置1は、操作部5を備える。操作部5は、上部筐体200Cの上部前壁200C1から前方に向かって突設される。本実施形態では、前後方向において、操作部5の前端部は、下部筐体200Aの前壁250(前端部)よりも後方に配置される。また、操作部5は、前述の胴内排紙部210の上方に間隔をおいて配置される。次に、
図3乃至
図11を参照して、本実施形態に係る操作部5について、更に詳述する。
【0054】
図3は、本実施形態に係る操作部5の斜視図である。
図4乃至
図6は、本実施形態に係る表示部50およびガイド部53を後方から見た斜視図である。
図7は、本実施形態に係る表示部50を後方から見た斜視図である。
図8は、表示部50の内部の様子を示した斜視図である。なお、
図8は、表示部50の表示フレーム51の天板51Tを取り外した状態に相当する。
図9は、本実施形態に係る移動部材54の斜視図である。
図10は、移動部材54の背面図である。
図11は、本実施形態に係るガイド部53の正面図である。
図12は、本発明の実施形態に係るガイド部の変形例の正面図である。また、
図13は、画像形成装置1が使用される際に、蛍光灯LTの光が表示パネル52に映り込む様子を示した模式的な側面図である。
【0055】
操作部5は、上部筐体200Cの上部前壁200C1に沿って、左右方向に延設される扁平状のユニットである。操作部5は、左操作部5Aと、表示部50と、右操作部5B(入力部)とを備える。画像形成装置1の使用者によって、左操作部5Aおよび右操作部5Bから、シート枚数、シートサイズなどの各種の画像形成情報が入力される。
【0056】
表示部50は、左操作部5Aと右操作部5Bとの間において、左操作部5Aおよび右操作部5Bに隣接して配置される。表示部50は、表示フレーム51(フレーム部)と、表示パネル52とを備える。表示フレーム51は、左右方向に所定の幅をもった矩形形状からなる。表示パネル52は、表示フレーム51に嵌め込まれた液晶パネルである。表示パネル52には、前記画像形成情報が表示される。更に、操作部5は、支持フレーム5Pを備える。支持フレーム5Pは、左操作部5A、表示部50および右操作部5Bを下方において支持する。
【0057】
本実施形態では、表示部50は、右操作部5Bと略面一に配置される第1の位置と、前記第1の位置から前端部51A(前端側)を支点として後端部51B(後端側)が上方に回動され(
図3の矢印DR)、右操作部5Bよりも、前方に向かって先下がりに傾斜した第2の位置との間で位置変更が可能とされる。なお、
図3および
図4は、表示部50が第1の位置に配置された状態を示し、
図5は、表示部50が第2の位置に配置された状態を示す。このように、本実施形態では、表示部50が前端部51Aを支点として回動するため、表示部50が位置変更した場合であっても、表示部50の前端部51Aが、操作部5の下方に配置された胴内排紙部210(
図1)を塞ぐことがない。したがって、胴内排紙部210に排出されたシートSの視認性および取り出し性が好適に維持される。更に、左操作部5Aおよび右操作部5Bに対して相対的に表示部50だけが回動可能とされる。この結果、
図13に示される車いすの使用者を含め、さまざまな姿勢の使用者によって、表示部50に表示された画像形成情報が安定して視認される。また、
図13に示すように、画像形成装置1の設置環境において、表示部50の表示パネル52に蛍光灯LT(電灯)の光LEが映り込んだ場合であっても、表示部50の前記位置変更によって表示パネル52の視認性が好適に確保される。特に、
図13に示されるように、画像形成装置1が小型デスクトップ型の画像形成装置としてテーブルの上に設置された場合、車いすの作業者にとって、左操作部5Aおよび右操作部5Bの入力作業に支障はなくても、表示部50における前記映り込みが作業性を悪化させやすい。このため、上記のように、表示部50が単独で傾動可能とされることによって、車いすに座った作業者にとっても、操作部5の操作性が好適に確保される。
【0058】
次に、本実施形態に係る表示部50の移動機構について説明する。操作部5は、傾動手段50A(移動機構部)(
図4)を備える。傾動手段50Aは、表示部50を前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動させる。また、傾動手段50Aは、前記第2の位置として、表示部50を段階的に複数の傾斜角度で固定させる。
【0059】
図7および
図8を参照して、前述の表示フレーム51は、天板51T(
図3)と、右側壁510Aと、左側壁510Bと、回転軸511と、背面壁512と、を備える。天板51Tは、表示フレーム51の上面部に相当する。前述の表示パネル52は、天板51Tに開口された不図示の開口部に嵌め込まれている。右側壁510Aおよび左側壁510Bは、天板51Tの左右の端縁に連設される一対の側壁である。回転軸511は、右側壁510Aおよび左側壁510Bの前端部から左右方向に突設される軸部である。回転軸511は、表示部50の回動における支点となる。なお、回転軸511は、左操作部5Aおよび右操作部5Bにそれぞれ開口された不図示の孔部に挿通される。背面壁512は、表示フレーム51の後端面に相当する。背面壁512は、右側壁510Aおよび左側壁510Bの後縁部を左右方向に連設する。
【0060】
右側壁510Aは、ばね当接部510A1と、右ガイド溝510A2と、右規制部510A3と、を備える。ばね当接部510A1は、右側壁510Aの内壁部の後端部分である。ばね当接部510A1には、後記の付勢ばね545の右端部が当接する。右ガイド溝510A2は、ばね当接部510A1の下端部から左方に向かって突設される。右ガイド溝510A2は、左右方向に延設される溝形状を備える。右ガイド溝510A2には、後記の移動部材54の第1下端部544Aがスライド移動可能に係合される。右規制部510A3は、ばね当接部510A1の前方において、右側壁510Aの内壁部から左方に向かって突設される箱型の突起部である。右規制部510A3は、後記の移動部材54が前方に脱離することを防ぐ機能を備える。
【0061】
同様に、左側壁510Bは、切欠き部510B1と、左ガイド溝510B2と、左規制部510B3と、を備える。切欠き部510B1は、左側壁510Bの上端縁の後端部分において、矩形形状に切り欠かれた切欠き部である。切欠き部510B1には、後記の操作ボタン541が挿通される。左ガイド溝510B2は、切欠き部510B1の下方において、左側壁510Bの内壁部から右方に向かって突設される。左ガイド溝510B2は、左右方向に延設される溝形状を備える。左ガイド溝510B2には、後記の移動部材54の第2下端部544Bがスライド移動可能に係合される。左規制部510B3は、切欠き部510B1の前方において、左側壁510Bの内壁部から右方に向かって突設される箱型の突起部である。左規制部510B3は、後記の移動部材54が前方に脱離することを防ぐ機能を備える。
【0062】
背面壁512は、第1開口部513Aおよび第2開口部513B(
図7)を備える。第1開口部513Aおよび第2開口部513Bは、背面壁512の下端部において、それぞれ左右方向の両端部に開口される開口部である。
図7に示されるように、第1開口部513Aおよび第2開口部513Bは、背面壁512の後面視において、略L字形状に開口される。第1開口部513Aおよび第2開口部513Bには、後記の移動部材54の第1係合片543Aおよび第2係合片543Bが挿通され、後方に向かって突出される。
【0063】
傾動手段50Aは、ガイド部53および移動部材54を備える。
【0064】
ガイド部53は、上部筐体200Cの上部前壁200C1に固定される。ガイド部53は、表示フレーム51の背面壁512に対向して配置される。なお、
図4乃至
図6では、表示フレーム51の後方に配置されるガイド部53を示し、上部筐体200C(上部前壁200C1)の図示を省略している。また、ガイド部53は、
図3には現れていないが、
図3の領域PAに示す位置に配置される。
図4および
図11を参照して、ガイド部53は、ガイドパネル530と、第1ガイド部531と、第2ガイド部532と、を備える。
【0065】
ガイドパネル530は、ガイド部53の本体部分である。ガイドパネル530は上下および左右方向に延設される板状部材である。ガイドパネル530は、下端部が部分的に切りかかれた略コの字形状からなる。
【0066】
第1ガイド部531および第2ガイド部532(一対の案内溝)は、ガイドパネル530の左右方向の両端部に開口される一対の開口部である。第1ガイド部531および第2ガイド部532には、後記の移動部材54の第1係合片543Aおよび第2係合片543B(一対のガイドピン)が上下および左右方向に移動可能に挿通される。また、第1ガイド部531および第2ガイド部532は、後記のロック部5Lの一部として機能する。
【0067】
第1ガイド部531は、
図4に示されるガイド部53の後面視において、略Eの字形状からなる開口部である。第1ガイド部531は、第1移動溝531A(移動用溝)と、第11係合溝531B、第12係合溝531C、第13係合溝531D(係合用溝)とを備える。第1移動溝531Aは、第1ガイド部531のうち上下方向に延設される開口部分である。表示部50の前記第1の位置と前記第2の位置との間の移動に伴って、後記の第1係合片543Aが第1移動溝531Aを上下に移動する。第11係合溝531B、第12係合溝531C、第13係合溝531Dは、第1移動溝531Aに連設して第1移動溝531Aの上下方向の複数の位置から左方(後記の付勢ばね545の付勢方向)に延設される。そして、第11係合溝531B、第12係合溝531C、第13係合溝531Dには、表示部50の前記第1の位置および前記第2の位置での固定に伴って、第1係合片543Aが係合される。第11係合溝531Bは、第1移動溝531Aの下端部に連設され、第12係合溝531Cは、第1移動溝531Aの上下方向の中央部に連設され、第13係合溝531Dは、第1移動溝531Aの上端部に連設される。なお、表示部50が前記第1の位置に配置される場合、後記の第1係合片543Aが第11係合溝531Bに係合される。また、表示部50が前記第2の位置に配置される場合、第1係合片543Aが第12係合溝531Cまたは第13係合溝531Dに係合される。第1係合片543Aが第12係合溝531Cに係合された場合よりも、第1係合片543Aが第13係合溝531Dに係合された場合の方が、表示部50の傾斜角度が大きく設定される。
【0068】
同様に、第2ガイド部532は、
図4に示されるガイド部53の後面視において、略Eの字形状からなる開口部である。第2ガイド部532は、第2移動溝532A(移動用溝)と、第21係合溝532B、第22係合溝532C、第23係合溝532D(係合用溝)とを備える。第2移動溝532Aは、第2ガイド部532のうち上下方向に延設される開口部分である。表示部50の前記第1の位置と前記第2の位置との間の移動に伴って、後記の第2係合片543Bが第2移動溝532Aを上下に移動する。第21係合溝532B、第22係合溝532C、第23係合溝532Dは、第2移動溝532Aに連設して第2移動溝532Aの上下方向の複数の位置から左方(後記の付勢ばね545の付勢方向)に延設される。そして、第21係合溝532B、第22係合溝532C、第23係合溝532Dには、表示部50の前記第1の位置および前記第2の位置での固定に伴って、第2係合片543Bが係合される。第21係合溝532Bは、第2移動溝532Aの下端部に連設され、第22係合溝532Cは、第2移動溝532Aの上下方向の中央部に連設され、第23係合溝532Dは、第2移動溝532Aの上端部に連設される。なお、表示部50が前記第1の位置に配置される場合、後記の第2係合片543Bが第21係合溝532Bに係合される。また、表示部50が前記第2の位置に配置される場合、第2係合片543Bが第22係合溝532Cまたは第23係合溝532Dに係合される。第2係合片543Bが第22係合溝532Cに係合された場合よりも、第2係合片543Bが第23係合溝532Dに係合された場合の方が、表示部50の傾斜角度が大きく設定される。
【0069】
図8乃至
図10を参照して、移動部材54は、表示部50の後端側において表示部50の表示フレーム51の内部に配置される(
図8)。移動部材54は、移動パネル540と、操作ボタン541(押圧ボタン)と、突出部542と、第1係合片543Aおよび第2係合片543B(一対のガイドピン)と、第1下端部544Aおよび第2下端部544Bと、付勢ばね545とを備える。
【0070】
移動パネル540は、移動部材54の本体部分である。移動パネル540は、表示フレーム51の背面壁512の内側に配置される。移動パネル540は、上下および左右方向に延設される板状部材である。移動パネル540は、後面視において下方部分が開放された略コの字形状からなる。移動パネル540の下端部は、部分的に矩形形状に切り欠かれた移動パネル切欠き部546を備える。移動パネル切欠き部546には、表示部50の表示パネル52から延伸された不図示の電気配線が挿通される。前記電気配線は、上部筐体200C内の不図示のコネクタ部に連結される。
【0071】
操作ボタン541は、表示部50の移動パネル540の左端部かつ上端部に配置される。
図10に示される後面視において、操作ボタン541は、略L字形状を備える。操作ボタン541は、押圧部541Aと、基端部541Bとを備える。押圧部541Aは、操作ボタン541の左端部に配置され、画像形成装置1の使用者によって右方に向かって押圧または把持される。基端部541Bは、操作ボタン541の右端部に配置され、移動パネル540に連結される。後記のとおり、操作ボタン541が押圧されることで、表示部50が前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動可能とされる。また、操作ボタン541の前記押圧が解除されることで、表示部50が前記第1の位置または前記第2の位置にロックされる。
【0072】
突出部542は、移動パネル540から後方に向かって突設される板状の突起部である。突出部542は、水平突出部542Aと、ばね係止部542Bとを備える。水平突出部542Aは、移動パネル540の上下方向に中央部において、左右方向に延設される。ばね係止部542Bは、水平突出部542Aの右端部から上方に向かって延設される。ばね係止部542Bは、左右方向に面して配置される。ばね係止部542Bには、後記の付勢ばね545の左側端部が係止される。
【0073】
第1係合片543Aおよび第2係合片543Bは、移動パネル540の左右方向の両端部であって、移動パネル540の下端部から後方に向かって突設される一対の突起部である。第1係合片543Aおよび第2係合片543Bは、左右方向に間隔をおいて配置される。第1係合片543Aおよび第2係合片543Bは、後記のとおり、傾動手段50Aのロック部5Lの一部として機能する。
【0074】
第1下端部544Aおよび第2下端部544Bは、移動パネル540の下端部の右方部分および左方部分に相当する。第1下端部544Aおよび第2下端部544Bは、左右方向に沿って延設される。
【0075】
付勢ばね545は、ばね係止部542Bから右方に向かって延設される。前述のとおり、付勢ばね545の左端部がばね係止部542Bに係止され、付勢ばね545の右端部は、前述の右側壁510Aのばね当接部510A1(
図8)に当接される。本実施形態では、付勢ばね545の付勢力は2.5Nに設定されている。
【0076】
図8に示されるように、移動部材54は表示部50の表示フレーム51の内部に装着される。詳しくは、操作ボタン541は、左側壁510Bの切欠き部510B1に上方から挿入される。また、第1下端部544Aおよび第2下端部544Bは、表示フレーム51の右ガイド溝510A2および左ガイド溝510B2に挿通される。また、付勢ばね545は、移動部材54のばね係止部542Bと表示フレーム51のばね当接部510A1との間に圧縮して配置される。この結果、移動部材54が、右ガイド溝510A2および左ガイド溝510B2に沿って左右方向に移動可能とされる。また、操作ボタン541は、表示部50の左端部(左右方向の一端側)において表示フレーム51から露出される。なお、
図3に示されるように、左操作部5Aの後端かつ右端部には、左方に突出した操作ボタン541が収容されるために、左開口部5A1が形成されている。左開口部5A1は、左操作部5Aの角部が部分的に切りかかれて形成される。また、操作ボタン541は、表示部50の左端部から右端部(左右方向の他端側)に向かう押圧方向(
図8の矢印D81方向、右方向)に押圧可能とされる。更に、付勢ばね545は、操作ボタン541を前記押圧方向とは反対の付勢方向(左方向)に付勢する。
【0077】
なお、前述のように、表示フレーム51の右側壁510Aおよび左側壁510Bの内壁部からは、それぞれ右規制部510A3および左規制部510B3が突設される。そして、右規制部510A3および左規制部510B3は、移動部材54が表示フレーム51の内部において前方に傾動すること、換言すれば、移動部材54の第1下端部544Aおよび第2下端部544Bが、右ガイド溝510A2および左ガイド溝510B2から前方に脱離することを防止する。なお、移動部材54が表示フレーム51の内部に装着されると、
図7に示すように、第1係合片543Aおよび第2係合片543Bが、背面壁512に開口された第1開口部513Aおよび第2開口部513Bに挿通される。また、第1係合片543Aおよび第2係合片543Bは、第1開口部513Aおよび第2開口部513Bを貫通した後、
図4に示すように、背面壁512の後方に配置されたガイド部53の第1ガイド部531および第2ガイド部532に挿通される。なお、L字型に開口された第1開口部513Aおよび第2開口部513Bのうち上下方向に開口された部分は、移動部材54の表示フレーム51への装着時に、第1係合片543Aおよび第2係合片543Bが通過するために使用される。
【0078】
上記の第1ガイド部531、第2ガイド部532、第1係合片543A、第2係合片543Bは、傾動手段50Aの一対のロック部5L(
図4)の一部として機能する。換言すれば、一対のロック部5Lは、表示部50の左右方向の一端側および他端側に配置され、操作ボタン541の前記押圧が解除されることに連動して、表示部50を前記第1の位置または前記第2の位置において上部筐体200Cにロックする。
【0079】
図3に示されるように、表示部50が左操作部5Aおよび右操作部5Bと略面一の第1の位置に配置された場合に、第1係合片543Aおよび第2係合片543Bは、第11係合溝531Bおよび第21係合溝532Bに係合されている。この時、第1係合片543Aおよび第2係合片543Bの円弧状の上端部は、
図7に示すように、それぞれ第1開口部513Aおよび第2開口部513Bの第11当接部A1および第21当接部B1に当接している。
【0080】
この状態で、画像形成装置1の使用者によって操作ボタン541が右方向(
図8の矢印D81)に押圧されると、付勢ばね545の付勢力に抗して、第1係合片543Aおよび第2係合片543Bが、第11係合溝531Bおよび第21係合溝532Bから右方に脱離される。その後、第1係合片543Aおよび第2係合片543Bは、第1移動溝531Aおよび第2移動溝532Aに進入し、第1移動溝531Aおよび第2移動溝532Aに沿って上方に移動可能とされる。このとき、第1係合片543Aおよび第2係合片543Bの円弧状の上端部は、それぞれ第1開口部513Aおよび第2開口部513Bの第12当接部A2および第22当接部B2に当接している。したがって、画像形成装置1の使用者が、操作ボタン541を把持し、操作ボタン541を上方に引き上げると、移動部材54を介して操作ボタン541と表示フレーム51とが、回転軸511を支点として一体的に上方に回動可能とされる。
【0081】
やがて、
図6に示すように、第1係合片543Aおよび第2係合片543Bが、それぞれ第12係合溝531Cおよび第22係合溝532Cの右方に至り、操作ボタン541の前記押圧が解除されると、付勢ばね545の付勢力によって、第1係合片543Aおよび第2係合片543Bが、それぞれ第12係合溝531Cおよび第22係合溝532Cに係合される。この結果、表示部50が
図5に示される第2の位置に固定される。なお、表示部50が第2の位置のうち更に上方の位置に固定される場合であっても、同様に、第1係合片543Aおよび第2係合片543Bが、それぞれ第13係合溝531Dおよび第23係合溝532Dに係合される。
【0082】
次に、
図4〜
図8および
図11に示すガイド部53の変形例について説明する。
図12に示すガイド部63は、
図4〜
図6に示す構成においてガイド部53の代わりに取り付けられる。なお、
図12のガイド部63では、
図4〜
図8および
図11に示すガイド部53と同様の要素に対して、同一の符号がカッコ内に付されている。なお、ガイド部53と同一の符号を付した構成はガイド部53と同一の構成であることを示し、その詳細な説明を省略する。
【0083】
ガイド部63はガイド部53と同様に、ガイドパネル630と、第1ガイド部631と、第2ガイド部632と、を備える。そして、第1ガイド部631は、第1移動溝631Aと、第11係合溝631Bと、第12係合溝631Cと、第13係合溝631Dとを備える。第2ガイド部632は、第2移動溝632Aと、第21係合溝632Bと、第22係合溝632Cと、第23係合溝632Dとを備える。
【0084】
次に、ガイド部63がガイド部53と異なる構成について説明する。第12係合溝631Cと第13係合溝631Dの下端縁には、水平方向に対して約45度の角度で第1移動溝631Aに向かって下方に傾斜する傾斜面631Eが形成されている。同様に、第22係合溝632Cと第23係合溝632Dの下端縁には、水平方向に対して約45度の角度で第2移動溝632Aに向かって下方に傾斜する傾斜面632Eが形成されている。また、第2移動溝632Aの下方部分の左右方向の幅は、
図11に示すガイド部53の第2移動溝532Aと同じとされ、上方部分の左右方向の幅は下方部分よりも広い幅になっている。そのため、第2移動溝632Aの右壁面は、上下方向の中央付近に段差面632F(回動規制部)を有する段差形状になっている。段差面632Fは水平な面であり、左右方向において第22係合溝632Cに対向する位置に形成されている。また、第1移動溝631Aは、第2移動溝632Aの上方部分と同じように、
図11に示すガイド部53の第1移動溝531Aよりも広い幅で上下方向に延設されている。
【0085】
次に、ガイド部63を操作部5に用いた構成における表示部50の動作について、ガイド部53を用いた構成との違いについて説明する。表示部50が第2の位置に配置される場合、移動部材54の第1係合片543Aが第12係合溝631Cまたは第13係合溝631Dに係合され、第2係合片543Bが第22係合溝632Cまたは第23係合溝632Dに係合される。そして、表示部50の後端部51B(
図3)は右操作部5Bよりも上方に突出している。このとき、ユーザーが第2の位置に配置されている表示部50の後端部51Bを上方から所定の力以上で押圧すると、表示フレーム51が回転軸511を支点として下方に回動する。この際、移動部材54では、付勢ばね545の付勢力に抗して、第1係合片543Aおよび第2係合片543Bが傾斜面631Eおよび傾斜面632Eに沿って第1移動溝531Aおよび第2移動溝532Aに進入する。すなわち、上記の押圧動作によって、第2の位置における表示部50のロックが解除される。このため、ユーザーは操作ボタン541を操作することなく、表示部50の後端部51Bを上方から押圧することによって、第2の位置に配置された表示部50を第1の位置に移動させることが可能である。
【0086】
また、上記の構成によれば、ユーザーが、取手部33以外の自動原稿搬送装置3の前方部分を把持して、自動原稿搬送装置3を閉じようとした場合や、自動原稿搬送装置3を上方に開放し、原稿を上部筐体200Cのコンタクトガラスに載置する場合に、ユーザーの手が第2の位置に配置された表示部50の後端部51Bに接触しても、表示部50が下方に退避するため、ユーザーの操作が妨げられることが防止される。
【0087】
なお、第2の位置に配置された表示部50が回動するために、表示部50の後端部51Bに上方から作用する力は、付勢ばね545の付勢力または傾斜面631E、632Eの水平方向に対する傾斜角度の設定などにより調整が可能である。
【0088】
次に、ガイド部63が適用された表示部50の第2の位置において、操作ボタン541が操作され、表示部50が傾斜角度の大きな位置(第2傾斜位置)から傾斜角度の小さな位置(第1傾斜位置)に移動する場合の、ガイド部53を用いた構成との違いについて説明する。前述のように、傾動手段50Aは、第2の位置として、表示部50が右操作部5Bに対して所定の角度で傾斜した第1傾斜位置、および、表示部50が第1傾斜位置よりも大きな角度で右操作部5Bに対して傾斜した第2傾斜位置に、表示部50を固定配置させることが可能である。表示部50が第2傾斜位置に配置されているとき、移動部材54の第1係合片543Aが第13係合溝631Dに係合され、第2係合片543Bが第23係合溝632Dに係合している。まず、ユーザーが操作ボタン541を右方に押し込むと、移動部材54が付勢ばね545の付勢力に抗して右に移動し、第1係合片543Aおよび第2係合片543Bが第1移動溝631Aおよび第2移動溝632Aの右壁面に当接する。次に、ユーザーが操作ボタン541を右方に押し込んだ状態で下方に移動させると、第2係合片543Bが第2移動溝632Aの段差面632Fに当接して、表示部50の回動が停止する。すなわち、段差面632Fが、表示部50の回動を規制する。このとき、ユーザーは表示部50が第1傾斜位置付近まで回動したことを認識する。そして、ユーザーが操作ボタン541を左方に戻すことで、第1係合片543Aが第12係合溝631Cに係合され、第2係合片543Bが第22係合溝632Cにスムーズに挿入される。また、表示部50を第1傾斜位置から第1の位置に移動させたい場合は、ユーザーは、第2係合片543Bを段差面632Fで停止させ、操作ボタン541を少し左方に戻したのち更に下方に移動させることで、第1係合片543Aおよび第2係合片543Bを第11係合溝631Bおよびに第21係合溝632Bに係合させることが可能となる。
【0089】
以上のように本実施形態によれば、傾動手段50Aによって、表示部50の移動が好適に実現される。また、表示部50が第2の位置としての複数の傾斜角度で上部筐体200Cに固定可能とされる。この結果、さまざまな姿勢の使用者によって、表示部50に表示された画像形成情報がより安定して視認される。更に、操作ボタン541の押圧および前記押圧の解除によって、表示部50の位置変更が好適に実現される。
【0090】
特に、表示部50の一端側に配置された操作ボタン541の操作に連動して、表示部50の一端側および他端側に配置された一対のロック部5Lが表示部50を第1の位置または第2の位置にロックする。このため、左右方向に所定の幅をもった表示部50が、安定して上部筐体200Cにロックされる。
【0091】
一方、
図5に示す第2の位置に表示部50が配置された状態において、操作ボタン541が押圧されると、第1係合片543Aおよび第2係合片543Bが、それぞれ第12係合溝531Cおよび第22係合溝532Cの右方に至り、第1移動溝531Aおよび第2移動溝532Aに進入する。この際、第1係合片543Aおよび第2係合片543Bが、表示部50の自重によって第1移動溝531Aおよび第2移動溝532Aを上方から下方に移動する。そして、第1係合片543Aおよび第2係合片543Bが、第1移動溝531Aおよび第2移動溝532Aの下端部に至ると、付勢ばね545の付勢力によって、第1係合片543Aおよび第2係合片543Bが、第11係合溝531Bおよび第21係合溝532Bに係合する。この結果、表示部50が前記第2の位置から
図4に示される第1の位置に移動する。このように、本実施形態によれば、表示部50が第2の位置に配置された状態において、操作ボタン541が押圧されるだけで、表示部50の自重を利用して表示部50が第2の位置から第1の位置に移動される。したがって、表示部50の第1の位置への復帰が、使用者のプッシュ動作だけで容易に実現される。
【0092】
なお、表示部50の表示フレーム51が、回転軸511を支点として、操作部5の支持フレーム5Pに対して回動することで、表示部50が前記第1の位置および前記第2の位置に配置される。このため、常に、表示部50の下方部分は、支持フレーム5Pによって支持されている。この結果、表示部50の下方を支持する支持フレーム5Pの一部が、表示部50とともに回転軸511を支点として回動する場合と比較して、支持フレーム5Pの一部が分断される必要がなく、操作部5の強度が好適に維持される。
【0093】
また、上記の実施形態では、排出ローラー対134(排出手段)(
図2)が、表面に画像が形成されたシートSを後方から前方に向かって胴内排紙部210に排紙する。また、操作部5の前端部は、前後方向において下部筐体200Aの前端部よりも後方に配置される。このため、左右方向にシートSが排紙される場合と比較して、シートSが排紙される様子が、操作部5の下方において使用者によって好適に視認される。また、操作部5の前端部が下部筐体200Aの前端部よりも前方に突出していないため、使用者が操作部5よりも高い位置から胴内排紙部210を見た場合であっても、前記シートSの視認性が一層確保される。
【0094】
以上、本発明の実施形態に係る操作部5及びこれを備えた画像形成装置1について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば次のような変形実施形態を取ることができる。
【0095】
(1)上記の実施形態では、表示部50の左右方向の両端部に第1係合片543A、第2係合片543Bおよび第1ガイド部531、第2ガイド部532が配置される態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。操作ボタン541の押圧動作に連動するロック部として、表示部50の左右方向の一端側、または中央部などに、同様の係合片おとびガイド部が1か所配置されてもよい。
【0096】
(2)また、上記の実施形態では、移動部材54とガイド部53との間に、背面壁512が配置される態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。他の変形実施形態において、背面壁512が配置されない態様であってもよい。この場合、移動部材54が天板51Tの下面を押しあげることで、移動部材54と表示フレーム51とが一体的に回動する。