特許第6234859号(P6234859)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6234859
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】画像処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06T 19/00 20110101AFI20171113BHJP
   G06T 17/05 20110101ALI20171113BHJP
【FI】
   G06T19/00 600
   G06T17/05
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-61712(P2014-61712)
(22)【出願日】2014年3月25日
(65)【公開番号】特開2015-184985(P2015-184985A)
(43)【公開日】2015年10月22日
【審査請求日】2016年10月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000223182
【氏名又は名称】TOA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100163979
【弁理士】
【氏名又は名称】濱名 哲也
(72)【発明者】
【氏名】小川 雄三
【審査官】 真木 健彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−219390(JP,A)
【文献】 特開平10−239074(JP,A)
【文献】 特開2004−102544(JP,A)
【文献】 パソコンで「グーグルマップ」を使いこなす,日経PC21 2012年6月号,日本,日経BP社,2012年 4月24日,第17巻 第9号,P.14-19,ISSN 1341-9900
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 19/00
G06T 17/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視場所の周囲に設置される監視用のカメラから出力された撮影画像の少なくとも一部を射影変換して得られた変換撮影画像と前記撮影画像の背景となるエリア画像とを合成することにより3次元空間上において前記監視場所に対応した合成モデルを形成する合成部と、
前記合成モデルを、予め設定された第1視点または操作者により設定された第2視点からみた画像に変換することにより合成画像を形成する変換部と、
前記第1視点に係る前記合成画像及び前記第2視点に係る前記合成画像のうちからいずれの画像を表示部に表示するかを選択する選択部とを備える
画像処理システム。
【請求項2】
使用者の現在位置の周りの景色を撮影する携帯電話のカメラから出力された撮影画像の少なくとも一部を射影変換して得られた変換撮影画像と前記撮影画像の背景となるエリア画像とを合成することにより3次元空間上において前記現在位置の前記景色に対応した合成モデルを形成する合成部と、
前記合成モデルを、予め設定された第1視点または操作者により設定された第2視点からみた画像に変換することにより合成画像を形成する変換部と、
前記第1視点に係る前記合成画像及び前記第2視点に係る前記合成画像のうちからいずれの画像を表示部に表示するかを選択する選択部とを備える
画像処理システム。
【請求項3】
前記第2視点を設定するための設定部を更に備え、
前記設定部は、前記第2視点に関する視点情報を受け付け、前記視点情報に係る前記合成画像を前記変換部に形成させて、この合成画像を前記表示部に出力させる
請求項1または2に記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記設定部は、
操作者の操作に基づく保存指令により、前記視点情報を前記選択部のスイッチに対応付ける
請求項3に記載の画像処理システム。
【請求項5】
前記設定部は、
前記第2視点の設定のための操作が行われている最中は、前記合成部に、前記カメラから出力される前記撮影画像のうちの一枚の画像を用いて前記合成モデルを形成させる
請求項3または請求項4に記載の画像処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影画像を含む合成画像を形成する画像処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
カメラにより撮影された撮影画像は必ずしもその使用者にとって見易いものではない。
例えば、車両に設置された複数台のカメラから出力される個々の撮影画像は、運転者にとって見易いものではなく、監視対象物(例えば、車両の死角となる車両背後の道路)の状況が把握しづらいものとなっている場合がある。そこで、特許文献1に記載の技術では、これらのカメラにより得られた撮影画像に基づいて、監視対象物を運転者が最も把握しやすい特定の視点(仮想上の視点)から撮影したとしたならば形成されたであろう画像を合成する。例えば、車両の天井に配置した複数台のカメラの撮影画像を合成することにより、車両を上空から俯瞰したとしたならば得られたであろう合成画像を形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第00/07373号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、使用者の要求に応じて監視対象物が設定される画像処理システムにおいては、次の問題がある。すなわち、使用者が指定する監視対象物によって、監視対象物に対する最も見易い角度はそれぞれ異なるため、予め設定された所定の視点(例えば、撮影対象物を俯瞰することができる視点)からの合成画像だけでは、使用者の要求を十分に満たすことができない場合がある。
【0005】
例えば、市街地の交通状態や人の混雑状態を監視する監視システムの場合では、監視エリアの空中写真画像とカメラにより撮影した撮影画像とに基づいて、市街地の交通状況を示す合成画像を形成する。しかし、撮影対象となる街並みは一様ではないため、予め設定された所定の視点からの合成画像だけでは、街並みによっては監視対象物が視認し難くなる場合がある。
【0006】
また、上記技術、すなわちカメラの撮影画像と撮影画像の背景となる画像(エリア画像)とを合成する技術は、ゲーム等の映像産業分野にも活用される技術であるが、この場合においても同様の課題がある。例えば、人物を撮影対象としてカメラによって撮影された撮影画像とエリア画像とを合成する技術があるが、予め設定された所定の視点からの合成画像だけではこの画像を観る者の要求を満たさない場合がある。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、使用者の要求にあった視点の合成画像を出力することができる画像処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する画像処理システムは、カメラから出力された撮影画像の少なくとも一部を射影変換して得られた変換撮影画像と前記撮影画像の背景となるエリア画像とを合成することにより3次元空間上に合成モデルを形成する合成部と、前記合成モデルを、予め設定された第1視点または操作者により設定された第2視点からみた画像に変換することにより合成画像を形成する変換部と、前記第1視点に係る前記合成画像及び前記第2視点に係る前記合成画像のうちからいずれの画像を表示部に表示するかを選択する選択部とを備える。
例えば、カメラは、監視場所の周囲に設置される監視用のものである。または、カメラは、使用者の現在位置の周りの景色を撮影する携帯電話のカメラである。
【0009】
この構成によれば、合成モデルに基づいて、予め設定された第1視点からみた画像(合成画像)、または操作者により設定された第2視点からみた画像(合成画像)を形成することができる。また、選択部を介して表示部に表示する画像を選択することができる。すなわち、この画像処理システムは、使用者の要求にあった視点の合成画像を出力することができる。
【0010】
なお、操作者とは、画像処理システムを操作する人を示す。操作者には、画像処理システムの使用者、使用者から依頼を受けて画像処理システムを操作して第2視点を設定する人が含まれる。
【0011】
上記画像処理システムにおいて、前記第2視点を設定するための設定部を更に備え、前記設定部は、前記第2視点に関する視点情報を受け付け、前記視点情報に係る前記合成画像を前記変換部に形成させて、この合成画像を前記表示部に出力させることが好ましい。
【0012】
画像処理システムがこのような設定部を有しない場合は、使用者の要求にあった視点を予め画像処理システムのプログラム上に組み込む必要があるが、上記構成によれば、設定部を介して使用者の要求に応じた視点を容易に設定することができる。
【0013】
上記画像処理システムにおいて、前記設定部は、操作者の操作に基づく保存指令により、前記視点情報を前記選択部のスイッチに対応付けることが好ましい。この構成によれば、過去に設定した視点からの合成画像の表示を、簡単な操作により行うことができる。
【0014】
上記画像処理システムにおいて、前記設定部は、前記第2視点の設定のための操作が行われている最中は、前記合成部に、前記カメラから出力される前記撮影画像のうちの一枚の画像を用いて前記合成モデルを形成させることが好ましい。
【0015】
第2視点の設定のための操作が行われている最中は画像処理システムが実行する演算処理数が増大するため、合成画像の形成において遅延が生じるおそれがある。
この点、上記構成では、カメラから出力される撮影画像のうちの一枚の画像を用いて合成モデルが形成される。これにより、撮影画像の更新の都度、合成モデルを形成しこの合成モデルに基づいて合成画像を形成する場合に比べて、所定期間内における合成モデル及び合成画像の形成に関連する演算処理数が少なくなる。この結果、合成画像の形成におけるその遅延の発生が抑制される。
【0016】
上記画像処理システムにおいて、前記エリア画像は、前記カメラが撮影する撮影場所を含む空中写真地図画像であり、前記合成部は、前記撮影画像上において設定された幾何学的図形を有する設定領域と前記エリア画像上における前記設定領域に対応する部分とが外形上において一致するように前記撮影画像を射影変換することにより前記変換撮影画像を形成することが好ましい。
【0017】
この構成によれば、撮影画像上の設定領域とエリア画像上における前記設定領域に対応する部分とが互いに一致するように撮影画像が射影変換されるため、変換撮影画像とエリア画像との境界における画像のずれが小さくなる。
【発明の効果】
【0018】
上記画像処理システムは、使用者の要求にあった視点の合成画像を出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】監視システムの模式図。
図2】画像処理システムのブロック図。
図3】合成画像の合成について、そのフローを示すブロック図。
図4】射影変換を説明するための図であり、(a)は、監視場所の撮影画像を示す図、(b)は監視場所付近一帯の地図画像を示す図。
図5】射影変換を説明するための図であり、(a)は、撮影画像において、予め設定された幾何学的図形の各点の座標を示す座標図、(b)は、地図画像において、予め設定された幾何学的図形の各点の座標を示す座標図。
図6】合成モデルを示す図。
図7】第1視点に係る合成画像を示す図。
図8】第2視点に係る合成画像を示す図。
図9】第1視点に係る合成画像を示す図。
図10】第2視点に係る合成画像を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1図10を参照して、本技術の実施形態の一例として、市街の一角を監視する監視システムについて説明する。
図1に示すように、監視システム1は、画像処理システム10と、1台または複数台のカメラ20とを備える。
【0021】
カメラ20は、通信ネットワーク100を介して画像処理システム10に接続される。通信ネットワーク100としては、例えば、LAN(ローカルエリアネットワーク)、インターネット、無線ネットLAN等が挙げられる。なお、カメラ20が、直接、画像処理システム10に接続される場合もある。
【0022】
カメラ20は、予め設定された監視場所を上方から撮影する。例えば、カメラ20は、屋外または屋内に設置される。屋外では、カメラ20は、ビルの屋上やビルの外壁、電柱等に設置される。屋内では、カメラ20は、建物の天井面、壁面、柱等に設置される。
【0023】
また、複数台のカメラ20を用いて、それぞれ異なる監視場所を監視する場合には、各カメラ20は異なる場所に設置される。
また、監視場所が広い場合には、カメラ20が撮影する範囲がその範囲の境界において互いに重なるように、カメラ20が設置される。
【0024】
カメラ20は、周期的または所定(または任意)のタイミングで、監視場所を連続的に撮影する。そして、カメラ20は、撮影画像FIをパケット化して出力する。監視場所を複数台のカメラ20を用いて監視する場合には、各カメラ20により撮影された撮影画像FIの関連性が維持されるように各カメラ20が制御される。例えば、各カメラ20が毎回、同じタイミングで(例えば、同時刻で)撮影するように、各カメラ20において撮影タイミングが設定される。
【0025】
撮影画像FIの関連性とは、同時刻に撮影された撮影画像FIの関係を示す。複数の撮影画像FIに基づいて人や車両を追跡する場合には、撮影画像FIの関連性が維持されていることが好ましいため、各カメラ20の撮影タイミングが制御される。
【0026】
画像処理システム10は、カメラ20から出力される撮影画像FIと地図画像MI(エリア画像)と基づいて、3次元空間上(3次元データ空間上)の構築される合成モデルSM(後述)と表示部17に表示する合成画像SI(後述)とを形成する。
【0027】
図2を参照して、画像処理システム10の構成を説明する。
画像処理システム10は、本体装置10Aと、本体装置10Aに接続される表示部17と、操作部18とを備える。
【0028】
表示部17は、例えば、液晶モニターにより構成される。操作部18は、キーボードやマウス(ポインティングデバイス)により構成される。なお、表示部17としてタッチパネルで構成することもできる。この場合、操作部18を省略することが可能である。
【0029】
本体装置10Aは、撮影画像FI等を蓄積する蓄積部11と、撮影画像FIを画像処理する画像処理部12と、地図画像MIを記憶する記憶部13と、合成モデルSMを形成する合成部14と、合成モデルSMを所定の視点から見た画像(以下、「合成画像SI」という。)に変換する変換部15とを備える。また、本体装置10Aは、合成モデルSMを見る視点を設定するための設定部16を備えることが好ましい。
【0030】
画像処理部12は、歪み補正部12Aと、射影変換部12Bとを備える。
歪み補正部12Aは、カメラ20のレンズによって生じる撮影画像FIの歪みを補正する。具体的には、撮影画像FIにおいて光学中心軸から離れた部分にレンズによる歪みが生じるため、この部分の歪みがなくなるように、撮影画像FIの全体が補正される。この補正によれば、直線となるべき道路の境界線や建物の稜線が歪曲した状態で示されている場合、これらの境界線や稜線が直線に補正される。
【0031】
射影変換部12Bは、撮影画像FIのうちの地面上の幾何学的図形を有する設定領域と地図上における設定領域に対応する部分とが外形上において一致するように撮影画像FIを射影変換する。更に、射影変換部12Bは、射影変換された撮影画像FIから不要部分を除去する。例えば、監視対象領域が残されるように、これ以外の部分が除去される。射影変換された撮影画像FIにおいて不要部分がない場合には、このような除去処理は実行されない。以上のようにして形成された画像は、以降の説明で、「変換撮影画像CFI」という。
【0032】
記憶部13は、地図画像MI等を記憶する。地図画像MIは、カメラ20が撮影する撮影場所を含む画像である。
地図画像MIとして、例えば、道路地図画像、空中写真地図画像、建築図面画像等が挙げられる。道路地図画像とは、少なくとも道路が記載された地図を示す。空中写真地図画像とは、上空から地上を撮影することにより得られた写真に基づいて作成された地図を示す。例えば、空中写真地図画像の例としては、航空機により撮影された写真に基づいて作成された航空写真地図画像や、人工衛星により撮影された写真に基づいて作成された衛星写真地図画像が挙げられる。
【0033】
合成部14は、地図画像MIと変換撮影画像CFIとに基づいて3次元空間上に2次元の合成モデルSMを形成する(図6参照)。
具体的には、合成部14は、3次元空間上に地図画像MIを配置し、変換撮影画像CFIにおいて設定された4つの設定点と、地図画像MIにおいて設定された4つの対応点とがそれぞれ一致するように、地図画像MIに変換撮影画像CFIを重畳する(図4図6参照)。
【0034】
「重畳する」とは、元の画像の上に、他の画像を重ねることを示す。すなわち、重畳することにより得られた画像において元の画像の上に他の画像が重ねられた部分では、元の画像が透けて見えることがないように、元の画像(地図画像MI)の上に他の画像(変換撮影画像CFI)が重ねられる。
【0035】
変換部15は、合成モデルSMを投影面PPPに透視投影変換する。具体的には、変換部15は、合成モデルSMを、この合成モデルSMと所定の視点との間に配置した投影面PPPに透視投影することにより、透視投影画像(合成画像SI)を形成する。この変換は、例えば、グラフィックスインターフェイスプログラムや所定の変換関数を用いて行われる。
【0036】
視点は、少なくとも次の3つのパラメータ(以下、各パラメータを「第1〜第3パラメータ」という。)により構成される。
なお、この3つのパラメータは視点情報ともいう。
・第1パラメータは、視点の位置を示す座標点(視点位置VP)である。
・第2パラメータは、視点に配置される仮想カメラが注視する点(注視点LAP)であり、3次元空間上に設定される座標点(x1,y1,z1)である。
・第3パラメータは、合成モデルSMが投影される投影面PPPの上下方向を示す単位ベクトルEVである。
【0037】
これら3つのパラメータは、操作者により設定することができるパラメータとして構成される。
視点に関連するパラメータとして、投影面PPPの位置及び大きさ、仮想カメラの視野角等のパラメータがあるが、これらパラメータとしては、グラフィックスインターフェイスプログラムに設定されているデフォルト値が用いられる。なお、これらのパラメータを操作者による設定可能なパラメータとして構成することもできる。
【0038】
代表的な視点として少なくとも一つの視点が記憶部13に記憶される。例えば、合成モデルSMを俯瞰するような視点が第1視点FFP(図6参照)として予め記憶部13に記憶される。操作者が視点を変更しなければ、合成モデルSMを第1視点FFPから見たときの画像(合成画像SI)が形成される。
【0039】
設定部16は、予め設定された第1視点FFPとは別の視点(以下、「第2視点SFP」)を設定するためのユーザインターフェイスである。例えば、設定部16は次のように構成される。
【0040】
設定部16は、合成モデルSMを表示部17に表示させる第1表示指示機能と、操作部18を介して入力される視点情報を受け付ける受信機能と、視点情報に係る視点(以下、「入力視点」)を表示部17に表示する第2表示指示機能と、変換部15に合成モデルSMを入力視点からの画像に変換させる変換指示機能とを有する。更に、設定部16は、操作部18を介して入力される操作者の保存指令に基づいて視点情報を記憶部13に記憶させる保存機能を有する。
【0041】
この設定部16は次のように動作する。
設定部16は、表示部17に、3次元座標軸及び合成モデルSMを表示させる。
また、設定部16は、操作部18を介して入力される視点情報を受信し、視点情報を受信したときに、表示部17に、その視点情報に基づいた入力視点を3次元座標上に表示させる。更に、設定部16は、変換部15に、合成モデルSMを入力視点から見た合成画像SIに変換する変換処理を実行させる。そして、設定部16は、表示部17に合成画像SIを表示させる。これにより、使用者(または操作者)は、合成モデルSMを入力視点からみたとすれば得られたであろう画像(合成画像SI)を確認することができる。
【0042】
また、設定部16は、操作部18から視点情報を保存するための保存指令を受け付けたときには、入力視点に係る視点情報を第2視点SFPとして記憶部13に記憶し、使用者(または操作者)が第1視点FFPと第2視点SFPのうちから選択することができるように、表示部17に表示される2個のボタンそれぞれに、これらの視点を対応付ける。これらのボタンは、操作部18の操作により表示部17の画面上で移動するポインタを介して、使用者(または操作者)に選択されうる。すなわち、表示部17及び操作部18は、第1視点FFP及び第2視点SFPのうちからいずれの視点を用いるかを選択するための選択部19として機能する。
【0043】
このため、使用者(または操作者)は、操作部18を介して、表示部17に示される2個のボタンのいずれか一方を選択することにより、合成モデルSMを第1視点FFPから見て得られる合成画像SIと合成モデルSMを第2視点SFPから見て得られる合成画像SIのうちのいずれかを表示部17に表示させることができる。
【0044】
更に、設定部16は次の構成を備えることが好ましい。
画像処理システム10が、操作者が入力する視点情報を受け付けるときの状態(以下、この状態を「視点設定モード」という。)にあるとき(例えば、表示部17に合成モデルSMを表示するとき)、設定部16は、合成部14に、カメラ20から出力される撮影画像FIのうちの一枚の画像だけを用いて合成モデルSMを形成させる。
【0045】
これは次の理由による。
視点設定モードでは、本体装置10Aは、3次元座標軸とともに合成モデルSMを表示したり、3次元座標上に視点を表示したり、合成画像SIを表示したりと、様々な演算処理を実行する。これらは、本体装置10Aの演算処理数を増大させる。このため、蓄積部11に新たな変換撮影画像CFIが蓄積される都度、合成部14に変換撮影画像CFIと地図画像MIに基づいて合成モデルSMを形成させるとすると、本体装置10Aの演算処理数がその演算能力を超える虞がある。一方、視点設定モードでは、視点を設定することだけを目的としているため、カメラ20から出力される撮影画像FIの最新の情報(例えば、撮影場所における混雑度合等)は必要とされない。このようなことから、視点設定モードにおいては、設定部16は、合成部14に、カメラ20から出力される撮影画像FIのうちの一枚の画像だけを用いて合成モデルSMを形成させる。これにより、本体装置10Aにかかる演算負担が軽減するため、本体装置10Aの演算処理数がその演算能力を超えるといった事態の発生が抑制される。
【0046】
図3を参照して、合成画像SIの合成のフローを説明する。
合成部14は、記憶部13から地図画像MIを取得し、この地図画像MIに変換撮影画像CFIを重畳する。変換撮影画像CFIが複数ある場合には、図3に示すように、変換撮影画像CFIを順に重畳する。このようにして、合成部14は合成モデルSMを形成する。
【0047】
また、時間の経過とともにカメラ20から出力される撮影画像FIに基づいて新たな変換撮影画像CFIが形成され、この変換撮影画像CFIが蓄積部11(または記憶部13)に蓄積される。このため、新たな変換撮影画像CFIが蓄積される都度(または変換撮影画像CFIが蓄積されるタイミングとは異なる所定のタイミングで)、上記処理(地図画像MIに変換撮影画像CFIを重畳する処理)が実行される。そして、新たな合成モデルSMが形成される都度、変換部15は合成モデルSMを透視投影変換して合成画像SIを形成する。表示部17は、合成画像SIが形成される都度、新たな合成画像SIを画面に表示する。これにより、表示部17の画面には、合成画像SIの一部(変換撮影画像CFIに対応する部分)が動画のように表示される。
【0048】
図4及び図5を参照して、撮影画像FIの射影変換について説明する。
図4(a)は、カメラ20により撮影された撮影画像FIを示す。なお、この撮影画像FIは、歪み補正後の画像である。図4(b)は、撮影場所を含む地図画像MIを示す。図4(a)に示される点p1〜点p4は、地図画像MIの点P1〜点P4(図4(b)上の点)にそれぞれ対応する。なお、図4(a)に示される点p1〜点p4に囲まれる領域が設定領域である。
【0049】
カメラ20等、レンズを介して撮影された撮影対象の撮影画像FIは、中心投影法により形成される画像とみなすことが出来る。このような撮影画像FIでは、射影変換により、撮影画像FIに含まれる平面上の幾何学的図形要素と、地図画像MI上においてこの幾何学的図形要素に対応する平面上の図形要素とを一致させることができる。
【0050】
画像の射影変換は、次の式により表される。
X=(a1・x+b1・y+c1)/(a3・x+b3・y+c3)・・・(1)
Y=(a2・x+b2・y+c2)/(a3・x+b3・y+c3)・・・(2)
ここで、x,yは、撮影画像FIの座標を示す(図5(a)参照)。X,Yは、地図画像MIの座標を示す(図5(b)参照)。a1,b1,c1,a2,b2,c2,a3,b3,c3は定数である。c3は、任意に設定可能である。c3を除く残りの定数(8個のパラメータ)は、撮影画像FIにおいて設定された4つの座標点p1〜p4と、これに対応する地図画像MI上の4つの座標点P1〜P4とを(1)式及び(2)式に代入して得られた式の連立方程式を解くことにより、導出される。
【0051】
図5(a)に、撮影画像FI上における4つの座標点p1〜p4の設定例を示す。
図5(b)に、地図画像MIにおいて、撮影画像FI上における4つの座標点p1〜p4に対応する4つの座標点P1〜P4を示す。
【0052】
図5(a)に示されるように、撮影画像FI上の4つの座標点は、いずれの3つの点も一直線上に並ばないように、設定される。また、撮影画像FI上の4つの座標点は、地図画像MI上において表される点(例えば、道路の角や道路上に描画されたラインの端)に対応するように設定される(図5(b)参照)。図5(a)の撮影画像FI上に設定された設定点とこの設定点に対応して設定された図5(b)の地図画像MI上の対応点とに基づいて射影変換に係る式(1)及び式(2)が導出される。なお、これらの式は予め導出され、記憶部13に記憶され、射影変換部12Bにおいて用いられる。
【0053】
図6は、合成部14により形成される合成モデルSMの模式図である。また、図6には、第1視点FFPと第2視点SFPが示されている。
合成モデルSMは、上記したように、3次元空間上の2次元の画像として構成される。図6に示されている合成モデルSMは、2次元の地図画像MIに、2台のカメラ20それぞれから出力される撮影画像FIに基づいて形成された2枚の変換撮影画像CFIを重畳することにより得られたものである。
【0054】
図6では、第1視点FFPは、合成モデルSMを俯瞰する視点として設定されている。第1視点FFPは、Z軸上かつ原点から離れた視点位置VP(0,0,α)と、3次元座標の原点に設定された注視点LAP(0,0,0)と、Y軸に平行な単位ベクトルEV(0,1,0)とにより構成されている。
【0055】
第2視点SFPは、合成モデルSMを斜めから見る視点として設定されている。この第2視点SFPは、変換撮影画像CFIが配置された部分の上方に設定された視点位置VP(β1,β2,β3)と、変換撮影画像CFIが配置された部分付近に設定された注視点LAP(γ1,γ2,0)と、単位ベクトルEV(ε1,ε2,ε3)とにより構成されている。
【0056】
図7に、第1視点FFPからみた合成画像SIを示す。この合成画像SIは、市街地の撮影画像FIに基づいて形成された合成モデルSMを第1視点FFPから見た透視投影画像である。
【0057】
合成画像SIは、俯瞰画像のように表示されるため、空中写真地図上において監視場所(カメラ20により撮影された部分)の状況を把握することができる。例えば、どの場所で渋滞が生じているかを合成画像SIから容易に把握することができる。
【0058】
図8に、第2視点SFPからみた合成画像SIを示す。
この合成画像SIは、図7の合成画像SIの元となる合成モデルSMを第2視点SFPから見た透視投影画像である。
【0059】
図7に示す俯瞰画像では、監視場所の細部が把握しにくい。これは、第1視点FFPが合成モデルSMから遠く離れた位置に設定されていることにより、合成画像SIでは変換撮影画像CFIに対応する部分が圧縮された状態で表示されるためである。すなわち、図7に示す俯瞰画像では変換撮影画像CFIの画像情報が十分に表示されない。
【0060】
これに対して、図8では、第2視点SFPが、変換撮影画像CFIが配置された部分に近い位置に設定されているため、第1視点FFPに係る合成画像SIに比べて変換撮影画像CFIに対応する部分が拡大されて表示される。これにより、監視場所の細部が把握し易くなる。
【0061】
図9に、図7に示した場所とは別の場所について、第1視点FFPからみた合成画像SIを示す。この合成画像SIは、建物の周囲の撮影画像FIに基づいて形成された合成モデルSMを第1視点FFPから見た透視投影画像である。
【0062】
合成画像SIを形成するための第1視点FFPは建物の上空に設定されている。このような設定の合成画像SIは俯瞰画像として構成される。このため、使用者は監視場所(カメラ20により撮影された部分)の状況を容易に把握することができる。従来では、複数台のモニターに映し出される撮影画像FIを見比べて状況を把握する必要があり、複数台の車両が同時に移動しているときはその状況を全体的に把握することが困難であったが、この合成画像SIであればその状況を全体的に把握することが容易である。また、カメラ20から遠くに離れたところに駐車している車両の移動も容易に把握することができる。
【0063】
図10に、第2視点SFPからみた合成画像SIを示す。
この合成画像SIは、図9の合成画像SIの元となる合成モデルSMを第2視点SFPから見た透視投影画像である。合成画像SIを形成するための第2視点SFPは、カメラ20の設置高さに対応する位置に設定されている。
【0064】
図9の合成画像SIでは、カメラ20の設置位置から離れた部分が大きく歪み、撮影対象物(車両等)が分かりにくくなっているため、この合成画像SIは使用者に違和感を与える。この点、図10に示す合成画像SIは、カメラ20の設置高さに対応する位置に第2視点SFPが設定されているため、このような歪みが抑制される。このため、この第2視点SFPからの合成画像SIによれば使用者に与える違和感を緩和することができる。
【0065】
このように、上記画像処理システム10は、予め設定された第1視点FFPとは別の視点として設定可能な第2視点SFPを有するため、この画像処理システム10によれば、使用者の要求を満たすことができる。また、第1視点FFPの合成画像SIと第2視点SFPの合成画像SIとは使用者により選択可能となっているため、使用者は、その時々の要求に応じて合成画像SIを選択することができる。例えば、使用者が、カメラ20から遠くに離れたところに駐車している車両の移動も含めて全体的に車両の移動を把握したいと望むときには、第1視点FFPが選択されうる。一方、違和感のない自然な画像で監視場所を監視したいと望むときには、第2視点SFPが選択されうる。
【0066】
以上に説明したように、本実施形態に係る画像処理システム10は次の効果を奏する。
(1)本実施形態に係る画像処理システム10は変換部15を備える。この変換部15は、合成モデルSMを、予め設定された第1視点FFPまたは操作者により設定された第2視点SFPからみた画像に変換することにより、合成画像SIを形成する。また、画像処理システム10は、第1視点FFPに係る合成画像SI及び第2視点SFPに係る合成画像SIのうちからいずれの画像を表示部17に表示するかを選択する選択部19を備える。このような構成により、この画像処理システム10は、使用者の要求にあった第2視点SFPの合成画像SIを出力することができる。
【0067】
(2)上記実施形態では、画像処理システム10において、第2視点SFPを設定するための設定部16を更に備える。この設定部16は、第2視点SFPに関する視点情報を受け付け、合成モデルSMを第2視点SFPから見たときに得られるであろう合成画像SIを変換部15に形成させて、合成画像SIを表示部17に出力させる。
【0068】
画像処理システム10がこのような設定部16を有しない場合は、使用者の要求にあった視点を予め画像処理システム10に組み込む必要があるが、上記構成によれば、設定部16を介して使用者の要求に応じた視点を容易に設定することができる。
【0069】
(3)上記実施形態では、画像処理システム10において、設定部16は、操作者の操作に基づく保存指令により、第2視点SFPに係る視点情報を選択部19のボタン(スイッチ)に対応付けることが好ましい。この構成によれば、過去に設定した第2視点SFPからの合成画像SIの表示を、簡単な操作により行うことができる。
【0070】
(4)上記実施形態では、画像処理システム10において、設定部16は、第2視点SFPの設定のための操作が行われている最中は、合成部14に、カメラ20から出力される撮影画像FIのうちの一枚の画像を用いて合成モデルSMを形成させる。
【0071】
第2視点SFPの設定のための操作が行われている最中は画像処理システム10が実行する演算処理数が増大するため、合成画像SIの形成において遅延が生じるおそれがある。この点、上記構成では、カメラ20から出力される撮影画像FIのうちの一枚の画像を用いて合成モデルSMが形成される。これにより、所定期間内における合成モデルSM及び合成画像SIの形成に関連する演算処理数が少なくなる。この結果、合成画像SIの形成においてその遅延の発生が抑制される。
【0072】
(5)上記実施形態では、画像処理システム10において、地図画像MI(エリア画像)として空中写真地図画像が用いられる。合成部14は、撮影画像FI上において設定された幾何学的図形を有する設定領域と地図画像MI上における設定領域に対応する部分とが外形上において一致するように撮影画像FIを射影変換することにより変換撮影画像CFIを形成する。このため、変換撮影画像CFIと地図画像MIとの境界における画像のずれが小さくなる。
【0073】
(変形例)
なお、上記実施形態は以下のように変更することができる。
・上記実施形態の設定部16は、予め設定された第1視点FFPとは別の第2視点SFPを設定するものであるが、複数の第2視点SFP(互いに異なる使用者設定の視点)を設定することができるものとして設定部16を構成してもよい。
【0074】
・上記実施形態では、設定部16は、第2視点SFPを、第1視点FFPとは別の視点位置に設定するが、第2視点SFPの構成はこれに限定されない。例えば、別形態に係る第2視点SFPは、第1視点FFPと同一の視点位置VPと、第1視点FFPと同一の注視点LAPと、第1視点FFPと同一の単位ベクトルと、表示部に表示する部分を指定するクリッピング範囲とにより構成される。クリッピング範囲は、注視点LAPを基準点として合成モデル上に設定される範囲である。この場合、第1視点FFPとは異なる視点情報だけが操作者により設定される。すなわち、クリッピング範囲が設定可能とされる。
【0075】
この構成の場合、合成部14は、上記実施形態と同様に合成モデルSMを形成する。そして、変換部15は合成モデルSMを別形態に係る第2視点SFPの投影面PPPに透視投影変換し、更に、クリッピング範囲のみを抽出し、こうして得られた画像を合成画像SIとする。
【0076】
このような第2視点SFPの設定によれば、使用者は、この第2視点SFPの選択により、第1視点FFPから見た画像の所定範囲(クリッピング範囲)を容易に拡大することができる。すなわち、使用者は、視点の方向を変えずに、監視要部(使用者の指定により予め設定された所定範囲)を拡大して視認することが可能となる。
【0077】
・上記実施形態では、画像処理システム10は、好ましい例として、合成モデルSMを見る視点を設定するための設定部16を備えるが、この設定部16を画像処理システム10とは別の装置(例えば、PC(personal computer))に設けることもできる。この場合、この装置は、地図画像MIと変換撮影画像CFIとに基づいて3次元空間上に2次元の合成モデルSMを形成し、これを画面上に表示する。そして、この装置は、実施形態に係る設定部16と同様に、操作者が入力する視点情報を受信して、この視点情報に係る入力視点を画面に表示し、更に、この入力視点から見た合成画像SIを表示する。また、この装置は、操作者の操作により視点情報を保存する。
【0078】
この構成において、画像処理システム10は、視点情報を第2視点SFPとして組み込む機能を有する。組み込み機能は、使用者に利用可能にするためにボタン等に第2視点SFPを対応付けるための機能である。第2視点SFPを設定するための視点情報は、画像処理システム10に直接入力されるか、または通信ネットワーク100を介して遠隔操作により入力される。このような構成の場合、画像処理システム10は、設定部16を有しない分、装置が簡略化される。
【0079】
・上記実施形態では、表示部17に表示される2個のボタンが合成モデルSMの視点を切り替えるボタンとして用いられているが、これらのボタンに代えて、操作部18の2個のキーを用いることもできる。
【0080】
・上記実施形態では、合成部14において、地図画像MIに変換撮影画像CFIを重畳するが、この重畳の前に、地図画像MIの前加工として、地図画像MIと変換撮影画像CFIとが視覚的に識別可能なように地図画像MIを画像処理してもよい。例えば、地図画像MIを、変換撮影画像CFIとは異なる色調の画像または、変換撮影画像CFIよりも低解像度の画像に変換する。これにより、このような前加工を行って形成された合成モデルSMまたは合成画像SIにおいて変換撮影画像CFI(すなわち使用者が監視する部分または使用者が注視する部分)の部分が容易に判別されるようになる。
【0081】
・上記実施形態では、合成部14は、撮影画像FIを射影変換した変換撮影画像CFIと地図画像MI(エリア画像)とに基づいて2次元の合成モデルSMを形成するが、3次元の合成モデルSMを形成してもよい。例えば、3次元空間上に撮影対象をモデル化したオブジェクトを形成する。更に、オブジェクトを構成するポリゴンに対応するように撮影画像FIを分割して、それぞれを射影変換することにより、変換撮影画像CFIを形成する。一方、オブジェクトを構成するポリゴンに対応するように空中写真地図画像(地図画像MI)を分割し、空中写真地図画像の分割片を所定のポリゴンに貼り付ける。このようにして3次元の合成モデルSMが構成される。3次元の合成モデルSMは変換部15により合成画像SIに変換される。
【0082】
・本技術は、カメラ20により得られた撮影画像FIを用いて合成画像SIを形成するものであるが、撮影画像FIを形成するカメラ20についてその構造は特に限定されない。例えば、撮影画像FIを形成するためのカメラ20として、監視用カメラ、広角カメラ、パノラマカメラ(例えば、魚眼レンズを有するカメラ、曲面ミラーを介して撮影対象を撮影するカメラ等が挙げられる。)等が挙げられる。
【0083】
・本技術の用途は、監視システム1への適用だけに限定されない。本技術は、背景となるエリア画像に対してカメラ20により撮影された撮影画像FIを重畳することにより合成画像SIを形成する技術に対して適用可能である。例えば、ゲーム機において、背景画(エリア画像)として撮影画像FIに類似する風景画像が用いられる場合に、本技術における課題と同様の課題が生じ得る。このため、このような映像産業分野において本技術を適用することができる。この場合においても、上記実施形態に示した効果に準じた効果が得られる。
【0084】
・本技術は、携帯電話等における地図検索技術に対しても適用されうる。
例えば、携帯電話の表示装置に空中写真地図画像(エリア画像)を表示させつつ、携帯電話のカメラにより周辺を撮影して、両者を合成させることにより、周りの景色と表示装置に表示される撮影画像FIとから使用者に現在位置(特に、建物に対する自身の位置)を容易に把握させることができる。この技術において、表示部に表示される合成画像SIとしては、俯瞰画像よりも使用者が見る実際の風景(または街並み)に合った画像であることが好ましい。そこで、俯瞰画像を示す第1視点FFPとは別に、使用者が風景(または街並み)を見る視線に合致した第2視点SFPによる合成画像SIの表示があることが好ましい。このようなことから、本実施形態に係る技術が携帯電話等における地図検索技術に対して好適に適用される。
【符号の説明】
【0085】
1…監視システム、10…画像処理システム、11…蓄積部、12…画像処理部、12A…歪み補正部、12B…射影変換部、13…記憶部、14…合成部、15…変換部、16…設定部、17…表示部、18…操作部、19…選択部、20…カメラ、100…通信ネットワーク。
図1
図2
図3
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