(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
[第1の実施の形態]
以下に、本発明に係る電動工具用トリガスイッチを実施するための各種の実施の形態について図面を参照しながら説明する。まず、第1の実施の形態について説明する。
図1の平面図は、携帯式マルノコ10を模式的に示すものであり、電源コード29の配設箇所を一部切り欠いて示している。
図2の平面図は、
図1の携帯式マルノコ10の内部を模式的に示すものである。なお、この携帯式マルノコ10を説明するにあたっては、切断材の切断進行方向に基づいて規定される前後上下左右の方向を利用して説明する。
図1および
図2に示す携帯式マルノコ10は、本発明に係る電動工具に相当し、電力源としてAC電源が利用されている。この携帯式マルノコ10は、不図示のブレードが鋸刃として取り付けられる。この携帯式マルノコ10は、不図示の切断材の材面上に載置されて材面上を滑らせるようにして切断材を切断する切断機として利用される。この携帯式マルノコ10は、概略、ブレードが取り付けられる工具本体11と、切断材の材面上に載置されるベース27とを備える。工具本体11は、概略、切断機として駆動するための機能を有する駆動部13と、工具使用者が操作するための機能を有するハンドル部21とを備える。
【0014】
駆動部13は、概略、電動モータ15と、減速ギヤユニット(不図示)とを備える。電動モータ15および減速ギヤユニットは、金属製のモータハウジング130にて支持されている。モータハウジング130の内部には、電動モータ15が装置されている。この電動モータ15は、所謂ブラシモータにて構成される。
図2に示すように、電動モータ15は、モータハウジング130に支持されるフィールド151と、モータ軸155に取り付けられるアーマチュア152とを有する。フィールド151は、電線が巻回されたコイル(不図示)を有して形成されてモータハウジング130に支持されている。アーマチュア152は、永久磁石を有して形成されてモータ軸155に支持されている。モータ軸155は、適宜のベアリング(不図示)を介してモータハウジング130に支持されている。
【0015】
減速ギヤユニットは、
図1に示すブレードが取り付けられる出力軸18と、この出力軸18に支持される減速ギヤ(不図示)とを有する。出力軸18は、適宜のベアリング(不図示)を介してモータハウジング130に支持されている。減速ギヤは、モータ軸155に取り付けられたギヤと噛合する。このようにして、回転駆動するモータ軸155の回転駆動力は、減速ギヤにより減速されて出力軸18を回転駆動させる。この出力軸18の一部は、外部に露出されている。出力軸18には、ブレード(不図示)が取り付け可能にされている。このブレードが取付けられる出力軸18の外周には、ブレードケース20が設けられている。このブレードケース20は、モータハウジング130に一体に結合されている。
【0016】
ハンドル部21は、概略、メインハンドル部23と、サブグリップ部25とを備える。このメインハンドル部23は、ループ形状をなす樹脂製のハンドルハウジング230により形成されている。メインハンドル部23は、駆動部13に対して相対的に上側かつ後側に配置されている。すなわち、ハンドルハウジング230は、メインハンドル部23を形成するにあたって、上側連接部231および後側連接部235によりモータハウジング130に連接支持されている。上側連接部231は、モータハウジング130に対して相対的に上側配置される。後側連接部235は、モータハウジング130に対して相対的に後側配置される。このため、メインハンドル部23は、出力軸18よりも相対的に後側に配置されている。このメインハンドル部23は、前から後に向かうにしたがって下側に向いて傾斜するように設けられている。このようなメインハンドル部23の傾斜は、工具使用者が携帯式マルノコ10を使用するにあたって、この携帯式マルノコを前側に向けて押し易くする。なお、メインハンドル部23は、本発明に係る本体ハンドルに相当する。
【0017】
これに対して、メインハンドル部23の前側には、サブグリップ部25が設けられている。このサブグリップ部25は、出力軸18に取り付けられたブレードを下側の切断材に向けて押え付けるためのものである。このため、サブグリップ部25は、出力軸18よりも相対的に前側に配置され、下側に押し付け易い形状が選択されている。このサブグリップ部25も、メインハンドル部23と同様に、樹脂製のグリップハウジング250により形成されている。このサブグリップ部25も、モータハウジング130に連接支持されている。なお、ハンドルハウジング230の最後部には、電源コード29が引き出されている。この電源コードは、家庭用電源コンセント(AC電源)に接続されるものである。この電源コード29は、次に説明するトリガスイッチ30に電気的に接続されている。
【0018】
このメインハンドル部23の上部には、後述するトリガスイッチ30が取り付けられている。このトリガスイッチ30は、工具使用者がメインハンドル部23を手で握った状態でも引き操作することができるようにハンドルハウジング230に取り付けられている。より詳しく言えば、トリガスイッチ30は、ハンドルハウジング230のうち、工具使用者がメインハンドル部23を手で握った際の握った手の人差指の対面位置に配置されている。このため、引き操作されるトリガスイッチ30の引き操作部材33は、ハンドルハウジング230のループ形状の内周側に突き出されるように配置されている。
【0019】
次に、このトリガスイッチ30について説明する。
図3の平面図は、規制状態のトリガスイッチ30を側面視した外観を示している。
図4の平面図は、
図3のトリガスイッチ30を上面視した外観を示している。
図5の平面図は、退避状態のトリガスイッチ30を側面視した外観を示している。
図6の平面図は、
図5のトリガスイッチ30を上面視した外観を示している。
図7の平面図は、収容状態のトリガスイッチ30を側面視した外観を示している。
図8の平面図は、
図7のトリガスイッチ30を上面視した外観を示している。
図9の断面図は、引き操作部材33の断面図であり、
図7における(IX)-(IX)断面矢視を示している。
【0020】
なお、このトリガスイッチ30を説明するにあたっては、トリガスイッチ30の引き操作に基づいて規定される前後上下左右の方向を利用して説明する。ちなみに、このトリガスイッチ30を説明するにあたっての前後上下左右の方向と、上記した携帯式マルノコ10を説明するにあたっての前後上下左右の方向とは、メインハンドル部23が有する前後方向の傾斜角度分だけずらされる前後上下方向として規定されている。また、
図3および
図4に示すトリガスイッチ30(T1)の状態が、引き操作が不可とされるロックの状態である。この状態では、後に詳述する規制部材61は規制状態となっている。また、
図5および
図6に示すトリガスイッチ30(T2)の状態が、引き操作が可能とされるロックオフの状態(退避状態)である。この状態では、規制部材61は退避状態となっている。また、
図7および
図8に示すトリガスイッチ30(T3)の状態が、引き操作された状態である。この状態では、規制部材61は収容状態となっている。
【0021】
図3〜
図8に示すトリガスイッチ30は、上記した携帯式マルノコ10の工具本体11に設けられる操作スイッチである。このトリガスイッチ30は、スイッチをオンにするにあたって2つの異なる操作アクションを順次行うことにより操作可能となる所謂ツーアクション操作のスイッチとなっている。このトリガスイッチ30にあっては、このようなツーアクション操作のスイッチとするために、通常のトリガスイッチの構成に加えてロック機構40が設けられる構成となっている。すなわち、トリガスイッチ30は、概略、トリガスイッチ本体31と、トリガスイッチ本体31に関する操作の規制をするロック機構40とを備える。トリガスイッチ本体31のみの構成については、通常のワンアクション操作のトリガスイッチと略同様に構成される。このトリガスイッチ本体31は、概略、スイッチ本体32と、引き操作部材33とを備える。このスイッチ本体32は、外装をなすスイッチハウジング320を備える。このスイッチハウジング320の内部には、通常のスイッチと同様に電気的接点(不図示)が設けられていると共に、この電気的接点を開状態とするための内部付勢ばね(不図示)が設けられている。
【0022】
スイッチ本体32の電気的接点は、次に説明する引き操作部材33による引き操作が無い限り、この内部付勢ばねの付勢力により開状態とされる常態維持がなされている。逆に、この内部付勢ばねの付勢力に抗して引き操作部材33による引き操作がされると、このスイッチ本体32の電気的接点は閉状態とされる。なお、電気的接点が閉状態となると、モータ軸155を回転駆動させるように電動モータ15に電力供給する。逆に、電気的接点が開状態となると、電動モータ15の電力供給をオフとして、モータ軸155を回転駆動は止まることとなる。
【0023】
引き操作部材33は、引いて動かすことによりスイッチ本体32の電気的接点を閉状態とする操作入力をする操作入力部材である。ちなみに、この電気的接点を閉状態とする操作入力は、スイッチ本体32の内部付勢ばねの付勢力に抗して引き操作部材33を引き操作することによりなされる。引き操作部材33は、工具使用者がメインハンドル部23を手で握った状態で、このメインハンドル部23を握った状態の手の人差し指あるいは中指で引き操作が可能に構成されている。この引き操作部材33は、概略、操作体35と、架状部37とを備える。操作体35は、工具使用者が引いて動かせるように外部に露出される箇所として設定される。この操作体35は、図示されるように略矩形に形成される。この操作体35の前側外周面となる指掛かり部351は、適宜に丸みを帯びる凹形状を有して形成される。この指掛かり部351は、メインハンドル部23を握った状態の手の人差し指あるいは中指で引き操作をし易くされている。
【0024】
操作体35の後部には、架状部37が連接されている。この架状部37は、操作体35に一体にされて、スイッチ本体32の内部に入り込んでいる。このスイッチ本体32の内部に入り込んでいる架状部37の後端部分は、スイッチ本体32に内蔵される電気的接点に作用するように構成されている。すなわち、操作体35を引き操作した場合には、架状部37は電気的接点を閉状態とするように作用するようになっている。また、操作体35を引き操作していない場合には、架状部37は、スイッチ本体32の内部付勢ばねの付勢力を受けてスイッチ本体32の内部から前側に出た初期状態に戻る。このため、スイッチ本体32に内蔵される電気的接点は開状態となる。
【0025】
このトリガスイッチ30には、上記した引き操作部材33の引き操作を規制あるいは許可するロック機構40が設けられている。このロック機構40は、上記したワンアクション操作のトリガスイッチ本体31にツーアクション操作を加える機構である。すなわち、ロック機構40は、この引き操作部材33の引き操作の規制あるいは許可をする機能を有する。このロック機構40は、概略、押込み操作部41とロック作用部51とを備える。押込み操作部41は、トリガスイッチ本体31の操作体35と同様、外部に露出して操作可能に構成されている。押込み操作部41は、概略、操作体42と、コイルばね47と、キャップカバー48とを備える。操作体42は、ツーアクション操作のために工具操作者の押込み操作を受ける部材である。この操作体42は、工具使用者がメインハンドル部23を手で握った状態で、このメインハンドル部23を握った状態の手の親指で押込み操作が可能にされている。この操作体42は、左側から右側へ押し込む操作ができるようにスイッチハウジング320に支持されている。なお、スイッチハウジング320は、この操作体42を支持するにあたって、適宜に貫通された貫通部325が設けられている。
【0026】
操作体42は、
図4、
図6、
図8に示すように、スイッチハウジング320から左側外部に突出される操作軸43と、操作軸43と一体にされロック作用部51に作用する鉤形部45とを備える。操作軸43は、スイッチハウジング320から左側に突き出される軸形をなしている。この操作軸43の一側となる内部側は、スイッチハウジング320の貫通部325内に入り込んでいる。この操作軸43の他側となる外部側は、スイッチハウジング320の貫通部325から外部側に突き出されている。この操作軸43の外部端には、キャップカバー48が被せられている。このキャップカバー48は、親指による押込み操作時の指当たりを良好にする。貫通部325内に入り込んだ操作軸43の内部端は、鉤型をなすように折れ曲がる鉤形部45と連接している。このため、鉤形部45は、
図4、
図6、
図8に示すように、操作軸43の左右方向の動きと一体に動くようになっている。折れ曲がった鉤形部45は、後に説明する規制部材61の係止凹部69に掛止されている。このため、鉤形部45は、
図4、
図6、
図8を比較して分かるように、操作軸43の左右方向の動きと一体で規制部材61も動くようになっている。
【0027】
また、操作軸43の外部露出部分には、コイルばね47が取り付けられている。このコイルばね47は、押込み操作部41を押込み前の初期位置に戻す付勢ばねである。このコイルばね47は、一端となる左端がスイッチハウジング320に固定されるフランジ体327に当接されており、他端となる右端がキャップカバー48の内部壁487に当接されている。このようにして、キャップカバー48と一体になる操作軸43は、常時左側に向けて付勢されている。なお、このコイルばね47は、押込み操作部41を押込み前の初期位置に戻すことにより、次に説明する規制部材61を規制状態に配置させるようにする。つまり、このコイルばね47は、規制部材61を規制状態とするように規制部材61を連動させる操作体42を左側に向けて付勢していることとなる。
【0028】
次に、ロック作用部51について説明する。ロック作用部51は、上記した押込み操作部41により操作されて引き操作部材33の引き操作を規制したり許可したりする。ロック作用部51は、概略、空間構造部52と規制部材61とを備える。空間構造部52は、引き操作部材33に収容空間Sを形成するための周囲壁として形成される。この空間構造部52により形成される収容空間Sは、トリガスイッチ30を引き操作をした場合の、退避状態の規制部材61を収容可能とする空間構造として設けられる。この空間構造部52は、引き操作部材33の上部に略矩形の切欠き部53(収容空間S)を設けることにより形成されている。この切欠き部53は、引き操作部材33の引き操作方向に延びる形状を有する。また、この切欠き部53が切り欠かれる上下方向の高さは、次に説明する規制部材61の厚み以上の高さ(長さ)を有している。
【0029】
具体的には、空間構造部52は、切欠き部53により空間周縁部54を有する。この空間周縁部54は、引き操作部材33の前面および側面と面一に連なるように、切欠き部53に対して前側左側右側を囲うように設けられている。この空間周縁部54は、切欠き部53の内部面531(収容空間Sの底面)よりも一段上側に突き出された形状を有する。この空間周縁部54の後部は、切欠き部53の内部面531と面一にされた収容開口部55が設けられている。このため、空間構造部52の内部面531は、上記した架状部37の上面371と面一に連なるものとなっている。この収容開口部55は、規制部材61を入り込ませることが可能な開口形状を有している。規制部材61は、架状部37の上面371を摺接しながら収容開口部55から空間構造部52による収容空間Sに入り込ませることができて、この収容空間Sに規制部材61を収容させておくことができる。
【0030】
空間構造部52の略中央箇所には、リベット部材57が取り付けられている。このリベット部材57は、
図9に示すように、軸部571と、掛止フック部573と、抜け止め鍔部575とを有する。軸部571は、上下方向に延びるように設定される。この軸部571は、規制部材61に設けられるガイド長孔63内を移動可能に遊嵌される。この軸部571の下端部には、掛止フック部573が設けられている。掛止フック部573は、空間構造部52に設けられる掛止孔58に軸部571を留めておく。抜け止め鍔部575は、ガイド長孔63の溝幅より長い直径をなす円形平板形に形成されている。このため、この抜け止め鍔部575は、ガイド長孔63に遊嵌した軸部571の抜けを規制する。
【0031】
ここで、空間周縁部54の後端の左側部分は、次に説明する規制部材61を係止させる係止端部56として設定されている。この係止端部56は、
図4、
図6、
図8に示すように、規制部材61に設定される段差凸部66の段差面661を係止させる形状が選択されている。具体的には、係止端部56の端面は、内側(右側)から外側(左側)に向かうにしたがって前側に向かって傾斜する端面形状を有する。なお、この係止端部56に当接する規制部材61の段差面661は、この傾斜する端面形状により係止端部56から外側(左側)へ向けた抗力を受けることとなる。このため、係止端部56の当接する段差面661の係止は、係止端部56に対しての段差面661の当接する力が高まるにしたがって、より強固に係止するようになっている。なお、この空間周縁部54の内周面540のうち左右両側の内周面540は、次に説明する規制部材61の摺接外周面70を摺りながら接する箇所となっている。この左右両側の内周面540は、後に詳述する摺接内周面80として設定される。
【0032】
規制部材61について説明する。この規制部材61は、プレス加工により成形される金属製の部材となっている。また、この規制部材61は、
図3および
図4に示す規制状態(T1)と、
図5および
図6に示す退避状態(T2)とに状態切替可能にされる。なお、規制状態(T1)の規制部材61は引き操作部材33の引き操作を規制し、退避状態(T2)の規制部材61は引き操作部材33の引き操作を可能(許可)とする。この規制部材61は、略矩形をなしている。この規制部材61は、引き操作部材33の引き操作方向と一致する前後方向に延びている。ガイド長孔63は、引き操作部材33の引き操作方向(前後方向)に延びている長孔として規制部材61の略中央に設けられている。このガイド長孔63には、上記したようにリベット部材57の軸部571が遊嵌される。規制部材61の後部には、係止凹部69が設けられている。この係止凹部69は、上記した押込み操作部41の鉤形部45が差し込まれて係止される。
【0033】
この規制部材61の外周面610の左側箇所には、段差凸部66が設けられている。この段差凸部66は、外周面610から左側に突き出されるようにして設けられている。この段差凸部66の前面は、段差面661として設定されている。この段差面661は、規制部材61が規制状態(T1)となっている場合に、上記したように空間周縁部54の後端の係止端部56に当接する。この段差面661は、係止端部56に対応した形状が選択されている。すなわち、段差面661は、係止端部56と面当接可能な形状が選択されている。具体的には、段差凸部66も、係止端部56と同様、内側(右側)から外側(左側)に向かうにしたがって前側に向かって傾斜する端面形状を有する。このため、この段差凸部66の段差面661と、空間周縁部54の係止端部56とは、互いに傾斜する面同士で面当接する。つまり、係止端部56の当接する段差面661の係止は、上記したように互いの当接する力が高まるにしたがってより強固に係止する。
【0034】
図5および
図6に示す規制部材61は退避状態(T2)においては引き操作部材33を引き操作することが可能である。また、
図7および
図8に示す規制部材61の収容状態では、引き操作された引き操作部材33(T3)を初期状態に戻すように引き操作部材33(T2)を作用させることも可能である。これら引き操作部材33の引き操作状態(T3)と引き操作部材33の初期状態(T2)戻し操作との相互の往復移動の間では、規制部材の外周面610は空間周縁部54(空間構造部52)の内周面540に対して摺りながら接するようになっている。すなわち、規制部材61の外周面610には、空間周縁部54(空間構造部52)の摺接内周面80に対して摺りながら接する摺接外周面70が設けられている。この摺接外周面70は、右左の両側の外周面610に設定されている。具体的には、規制部材61の外周面610のうち右側に向く面の全周についてを、右側摺接外周面71として設定している。また、規制部材61の外周面610のうち段差凸部66に関しての外周面610についてを、左側摺接外周面75として設定している。これら右側摺接外周面71と左側摺接外周面75とは、上記した空間周縁部54(空間構造部52)の摺接内周面80に対して摺りながら接するようになっている。
【0035】
第1の実施の形態の右側摺接外周面71と左側摺接外周面75とには、右側凸形摺接部72と左側凸形摺接部76が設けられている。これら右側凸形摺接部72と左側凸形摺接部76は、摺接内周面80に向かって凸をなすように形成されている。このため、これら右側凸形摺接部72と左側凸形摺接部76は、摺接内周面80に対して互いの摺接箇所の範囲が狭小なものとなっている。これら右側凸形摺接部72と左側凸形摺接部76は、引き操作部材33の引き操作の方向となる前後方向と交差する左右方向で突き出される凸をなしている。また、これら右側凸形摺接部72と左側凸形摺接部76は、上記したメインハンドル部23が延在する方向と交差する方向で突き出される凸をなしている。
【0036】
具体的には、右側摺接外周面71に設けられる右側凸形摺接部72は、
図9に示すように断面視外側(右側)に尖った凸をなす右接触端部73を有して形成されている。この尖った右接触端部73は、平らな摺接内周面80に対して狭小な接触範囲で接触するようになっている。このように尖った右接触端部73は、前後方向で延びる線条をなしている。また、左側摺接外周面75に設けられる左側凸形摺接部76も、
図9に示すように断面視外側(左側)に尖った凸をなす左接触端部77を有して形成されている。この尖った左接触端部77も、平らな摺接内周面80に対して狭小な接触範囲で接触するようになっている。このように尖った左接触端部77も、前後方向で延びる線条をなしている。なお、この第1の実施の形態の摺接内周面80は、上下前後方向で平らに延びる平面形状をなしている。
【0037】
これら尖った右接触端部73と左接触端部77とは、上下前後方向で平らに延びて平面形状をなす摺接内周面80に対して、面で接触するのではなく線で接触するようになっている。このため、
図5および
図6に示す退避状態(T2)に規制部材61が状態切替され、
図7および
図8に示す収容状態(T3)に規制部材61が空間周縁部54(空間構造部52)に対して相対的に移動する場合には、次のような摺接軌跡となる、すなわち、これら尖った右接触端部73と左接触端部77との摺接内周面80に対する相対的な移動軌跡は、線接触を移動させた軌跡となって狭小の接触範囲の接触軌跡とすることができる。なお、線条をなす右接触端部73と左接触端部77とは、線条が適宜に分割されてより接触範囲が小さくされるように設定されるものであってもよい。
【0038】
上記した第1の実施の形態のトリガスイッチ30によれば次のように作動する。すなわち、
図3および
図4に示す状態では、規制部材61が規制状態(T1)となっている。この場合、引き操作部材33を引き操作しようとすると、規制部材61の段差面661が引き操作部材33の係止端部56と面当接する。つまり、引き操作部材33は引き操作することができずにロックされた状態となっている。ここで、ロック機構40の押込み操作部41を押込み操作をすると、
図5および
図6に示す状態の規制部材61が退避状態(T2)にされる。この場合、規制部材61の段差面661が引き操作部材33の係止端部56と当接することが無いので、引き操作部材33を引き操作することが可能である。つまり、引き操作部材33は引き操作することができるロックオフされた状態となっている。ここで、引き操作部材33を引き操作すると、
図7および
図8に示す状態の規制部材61が収容空間Sに収容されて収容状態(T3)にされる。なお、押込み操作部41の押込み操作と引き操作部材33の引き操作との両方を止めると、上記したコイルばね47やトリガスイッチ31の内部付勢ばねによる付勢力を受ける。そうすると、収容空間Sに収容されていた規制部材61は収容空間Sから出されて
図3および
図4に示す規制状態(T1)に戻るように戻し操作される。
【0039】
上記した第1の実施の形態のトリガスイッチ30によれば、次のような作用効果を奏することができる。すなわち、上記したトリガスイッチ30によれば、引き操作部材33を引き操作あるいは戻し操作するに際して右側凸形摺接部72および左側凸形摺接部76によって摺接外周面70と摺接内周面80との間の摺接範囲を狭小にすることができる。これによって、切り粉などの粉塵が摺接外周面70と摺接内周面80との間に入り込むことがあったとしても、この狭小な範囲によって粉塵を抜け出し易くして、摺接外周面70と摺接内周面80との間の摩擦の増大を抑えることができる。したがって、上記したトリガスイッチ30によれば、ツーアクション操作をするためのロック機構40を有するトリガスイッチ30としながら、引き操作部材33の引き操作や戻り動作の良好性を向上させることができる。また、上記したトリガスイッチ30によれば、摺りながら接し易い引き操作方向と交差する方向において右側凸形摺接部72および左側凸形摺接部76を設けることができる。これによって、摺接し易い箇所に生ずる摩擦力を小さくすることができる。また、上記したトリガスイッチ30によれば、規制部材61は金属製であるので磨耗に有利に形成されて耐久性を高めたトリガスイッチ30とすることができる。また、上記したトリガスイッチ30によれば、規制部材61はプレス加工により成形されるので、簡単に右側凸形摺接部72および左側凸形摺接部76を設けることが可能となる。これによって、製造に有利なトリガスイッチ30とすることができる。
【0040】
[第2の実施の形態]
これ以降、上記した第1の実施の形態のトリガスイッチ30についての各種の変形例を説明する。なお、これ以降に説明する各種の変形例は、上記した第1の実施の形態の摺接外周面70および摺接内周面80に関しての変形例である。このため、これ以降に説明する各種の変形例については、上記した第1の実施の形態にて参照した
図9に相当する図面を参照しながら説明する。なお、摺接外周面70および摺接内周面80以外の箇所については、上記した第1の実施の形態のトリガスイッチ30と同様に構成されるものとなっている。このため、これ以降の実施の形態の説明では、第1の実施の形態の説明の際に付した符号を流用して説明を省略するものとする。すなわち、
図10の断面図にて示すトリガスイッチ30Aは、第1の実施の形態の変形例となる第2の実施の形態を示している。
【0041】
第2の実施の形態のトリガスイッチ30Aは、本発明に係る凸形摺接部が摺接外周面70ではなく摺接内周面80に設けられている。
図10に示すように、右側摺接内周面81と左側摺接内周面85とには、右側凸形摺接部82Aと左側凸形摺接部86Aが設けられている。これら右側凸形摺接部82Aと左側凸形摺接部86Aは、摺接外周面70に向かって凸をなすように形成されている。このため、これら右側凸形摺接部82Aと左側凸形摺接部86Aは、摺接外周面70に対して互いの摺接箇所の範囲が狭小なものとなっている。これら右側凸形摺接部82Aと左側凸形摺接部86Aは、引き操作部材33の引き操作の方向となる前後方向と交差する左右方向で突き出される凸をなしている。また、これら右側凸形摺接部82Aと左側凸形摺接部86Aは、上記したメインハンドル部23が延在する方向と交差する方向で突き出される凸をなしている。
【0042】
具体的には、右側摺接内周面81に設けられる右側凸形摺接部82Aは、
図10に示すように断面視内側(左側)に尖った凸をなす右接触端部83Aを有して形成されている。この尖った右接触端部83Aも、平らな摺接外周面70に対して狭小な接触範囲で接触するようになっている。このように尖った右接触端部83Aは、前後方向で延びる線条をなしている。また、左側摺接内周面85に設けられる左側凸形摺接部86Aも、
図10に示すように断面視右側に尖った凸をなす左接触端部87Aを有して形成されている。この尖った左接触端部87Aも、平らな摺接外周面70に対して狭小な接触範囲で接触するようになっている。このように尖った左接触端部87Aも、前後方向で延びる線条をなしている。なお、この第2の実施の形態の摺接外周面70は、上下前後方向で平らに延びる平面形状をなしている。
【0043】
これら尖った右接触端部83Aと左接触端部87Aとは、上下前後方向で平らに延びて平面形状をなす摺接外周面70に対して、面で接触するのではなく線で接触するようになっている。このため、これら尖った右接触端部83Aと左接触端部87Aとの摺接外周面70に対する相対的な移動軌跡は、線接触を移動させた軌跡となって狭小の接触範囲の接触軌跡とすることができる。なお、線条をなす右接触端部83Aと左接触端部87Aとは、線条が適宜に分割されてより接触範囲が小さくされるように設定されるものであってもよい。なお、このように構成される第2の実施の形態のトリガスイッチ30Aにあっては、引き操作部材33に対して操作体35に設けられることによる点で有利である。このほか、このように構成される第2の実施の形態のトリガスイッチ30Aにあっても、上記した第1の実施の形態のトリガスイッチ30と同様の略作用効果を奏することができる。
【0044】
[第3の実施の形態]
図11の断面図にて示すトリガスイッチ30Bは、第1の実施の形態の変形例となる第3の実施の形態を示している。
図11に示す第3の実施の形態の右側凸形摺接部72Bおよび左側凸形摺接部76Bの形状は、第1の実施の形態の右側凸形摺接部72および左側凸形摺接部76の形状と比較して、突き出される鋭利さを鋭くしている点で相違する。これら尖った右接触端部73Bと左接触端部77Bとは、平面形状をなす摺接内周面80に対して、面で接触するのではなく点で接触して移動軌跡を線状とする。このように構成した場合には、上記した第1の実施の形態の右側凸形摺接部72および左側凸形摺接部76の形状と比較して周囲のクリアランスを大きくすることができる。したがって、切り粉などの粉塵の抜け出すスペースを拡大できる点で有利である。このほか、このように構成される第3の実施の形態のトリガスイッチ30Bにあっても、上記した第1の実施の形態のトリガスイッチ30と同様の略作用効果を奏することができる。
【0045】
[第4の実施の形態]
図12の断面図にて示すトリガスイッチ30Cは、第2の実施の形態の変形例となる第4の実施の形態を示している。
図12に示す第4の実施の形態の右側凸形摺接部82Cおよび左側凸形摺接部86Cの形状は、第2の実施の形態の右側凸形摺接部82Aおよび左側凸形摺接部86Aの形状と比較して、突き出される鋭利さを鋭くしている点で相違する。これら尖った右接触端部83Cと左接触端部87Cとは、平面形状をなす摺接外周面70に対して、面で接触するのではなく点で接触して移動軌跡を線状とする。このように構成した場合には、上記した第2の実施の形態の右側凸形摺接部82Aおよび左側凸形摺接部86Aの形状と比較して周囲のクリアランスを大きくすることができる。したがって、切り粉などの粉塵の抜け出すスペースを拡大できる点で有利である。このほか、このように構成される第4の実施の形態のトリガスイッチ30Cにあっても、上記した第1の実施の形態のトリガスイッチ30と同様の略作用効果を奏することができる。
【0046】
[第5の実施の形態]
図13の断面図にて示すトリガスイッチ30Dは、第1の実施の形態の変形例となる第5の実施の形態を示している。
図13に示す第5の実施の形態の右側凸形摺接部72Dおよび左側凸形摺接部76Dの形状は、第1の実施の形態の右側凸形摺接部72および左側凸形摺接部76の形状と比較して、当たり面が円弧形状を有して形成されている点で相違する。これら円弧形状の右接触端部73Dと左接触端部77Dとは、平面形状をなす摺接内周面80に対して、面で接触するのではなく点で接触して移動軌跡を線状とする。このように構成した場合には、上記した第1の実施の形態の右側凸形摺接部72および左側凸形摺接部76の形状と比較して当たり面が受ける当接力を円弧方向で分散し易くすることができて、摺接させるための剛性を確保できる点で有利である。このほか、このように構成される第5の実施の形態のトリガスイッチ30Dにあっても、上記した第1の実施の形態のトリガスイッチ30と同様の略作用効果を奏することができる。
【0047】
[第6の実施の形態]
図14の断面図にて示すトリガスイッチ30Eは、第2の実施の形態の変形例となる第6の実施の形態を示している。
図14に示す第6の実施の形態の右側凸形摺接部82Eおよび左側凸形摺接部86Eの形状は、第2の実施の形態の右側凸形摺接部82Aおよび左側凸形摺接部86Aの形状と比較して、当たり面が円弧形状を有して形成されている点で相違する。これら円弧形状の右接触端部83Eと左接触端部87Eとは、平面形状をなす摺接外周面70に対して、面で接触するのではなく点で接触して移動軌跡を線状とする。このように構成した場合には、上記した第2の実施の形態の右側凸形摺接部82Aおよび左側凸形摺接部86Aの形状と比較して当たり面が受ける当接力を円弧方向で分散し易くすることができて、摺接させるための剛性を確保できる点で有利である。このほか、このように構成される第6の実施の形態のトリガスイッチ30Eにあっても、上記した第1の実施の形態のトリガスイッチ30と同様の略作用効果を奏することができる。
【0048】
[第7の実施の形態]
図15の断面図にて示すトリガスイッチ30Fは、第5の実施の形態の変形例となる第7の実施の形態を示している。
図15に示す第7の実施の形態の右側凸形摺接部72Fおよび左側凸形摺接部76Fの形状は、第5の実施の形態の右側凸形摺接部72Dおよび左側凸形摺接部76Dの形状と比較して、当たり面の円弧形状が小さくされている点で相違する。これら小さい円弧形状の右接触端部73Fと左接触端部77Fとは、平面形状をなす摺接内周面80に対して、面で接触するのではなく点で接触して移動軌跡を線状とする。このように構成した場合には、上記した第5の実施の形態の右側凸形摺接部72Dおよび左側凸形摺接部76Dの形状と比較して周囲のクリアランスを大きくすることができる。したがって、切り粉などの粉塵の抜け出すスペースを拡大できる点で有利である。このほか、このように構成される第7の実施の形態のトリガスイッチ30Fにあっても、上記した第1の実施の形態のトリガスイッチ30と同様の略作用効果を奏することができる。
【0049】
[第8の実施の形態]
図16の断面図にて示すトリガスイッチ30Gは、第6の実施の形態の変形例となる第8の実施の形態を示している。
図16に示す第8の実施の形態の右側凸形摺接部82Gおよび左側凸形摺接部86Gの形状は、第6の実施の形態の右側凸形摺接部82Eおよび左側凸形摺接部86Eの形状と比較して、当たり面の円弧形状が小さくされている点で相違する。これら小さい円弧形状の右接触端部83Gと左接触端部87Gとは、平面形状をなす摺接外周面70に対して、面で接触するのではなく点で接触して移動軌跡を線状とする。このように構成した場合には、上記した第6の実施の形態の右側凸形摺接部82Eおよび左側凸形摺接部86Eの形状と比較して周囲のクリアランスを大きくすることができる。したがって、切り粉などの粉塵の抜け出すスペースを拡大できる点で有利である。このほか、このように構成される第8の実施の形態のトリガスイッチ30Gにあっても、上記した第1の実施の形態のトリガスイッチ30と同様の略作用効果を奏することができる。
【0050】
[第9の実施の形態]
図17の断面図にて示すトリガスイッチ30Hは、第1の実施の形態の変形例となる第9の実施の形態を示している。
図17に示す第9の実施の形態の右側凸形摺接部72Hおよび左側凸形摺接部76Hの形状は、第1の実施の形態の右側凸形摺接部72および左側凸形摺接部76の形状と比較して、上側に偏って傾斜する傾斜面を有している点で相違する。これら傾斜する上端の右接触端部73Hと左接触端部77Hとは、平面形状をなす摺接内周面80に対して、面で接触するのではなく点で接触して移動軌跡を線状とする。このように構成した場合には、上記した第1の実施の形態の右側凸形摺接部72および左側凸形摺接部76の形状と比較して周囲の下側のクリアランスを大きくすることができる。したがって、切り粉などの粉塵の抜け出すスペースを下に溜まらせるように拡大できる点で有利である。このほか、このように構成される第9の実施の形態のトリガスイッチ30Hにあっても、上記した第1の実施の形態のトリガスイッチ30と同様の略作用効果を奏することができる。
【0051】
[第10の実施の形態]
図18の断面図にて示すトリガスイッチ30Iは、第2の実施の形態の変形例となる第10の実施の形態を示している。
図18に示す第10の実施の形態の右側凸形摺接部82Iおよび左側凸形摺接部86Iの形状は、第2の実施の形態の右側凸形摺接部82Aおよび左側凸形摺接部86Aの形状と比較して、上側に偏って傾斜する傾斜面を有している点で相違する。これら傾斜する上端の右接触端部83Iと左接触端部87Iとは、平面形状をなす摺接外周面70に対して、面で接触するのではなく点で接触して移動軌跡を線状とする。このように構成した場合には、上記した第2の実施の形態の右側凸形摺接部82Aおよび左側凸形摺接部86Aの形状と比較して周囲の下側のクリアランスを大きくすることができる。したがって、切り粉などの粉塵の抜け出すスペースを下に溜まらせるように拡大できる点で有利である。このほか、このように構成される第10の実施の形態のトリガスイッチ30Iにあっても、上記した第1の実施の形態のトリガスイッチ30と同様の略作用効果を奏することができる。
【0052】
[第11の実施の形態]
図19の断面図にて示すトリガスイッチ30Jは、第9の実施の形態の変形例となる第11の実施の形態を示している。
図19に示す第11の実施の形態の右側凸形摺接部72Jおよび左側凸形摺接部76Jの形状は、第9の実施の形態の右側凸形摺接部72Hおよび左側凸形摺接部76Hの形状と比較して、下側のクリアランスを更に大きくしている点で相違する。これら傾斜する上端の右接触端部73Jと左接触端部77Jとは、平面形状をなす摺接内周面80に対して、面で接触するのではなく点で接触して移動軌跡を線状とする。このように構成した場合には、上記した第9の実施の形態の右側凸形摺接部72Hおよび左側凸形摺接部76Hの形状と比較して周囲の下側のクリアランスが更に大きくなっているので、切り粉などの粉塵の抜け出すスペースをより拡大できる点で有利である。このほか、このように構成される第11の実施の形態のトリガスイッチ30Jにあっても、上記した第1の実施の形態のトリガスイッチ30と同様の略作用効果を奏することができる。
【0053】
[第12の実施の形態]
図20の断面図にて示すトリガスイッチ30Kは、第8の実施の形態の変形例となる第12の実施の形態を示している。
図20に示す第12の実施の形態では規制部材61Kの形状が相違する。この規制部材61Kは、リベット部材57に対して右側部分が削除される形状を有する。つまり、この規制部材61Kは、リベット部材57に対して右側部分を空間周縁部54の摺接内周面80に摺接させることなく、リベット部材57に対して左側部分のみを空間周縁部54の摺接内周面80に摺接させるようになっている。このため、第8の実施の形態と比較して右側凸形摺接部82Gは設けられておらず、左側凸形摺接部86Kのみが設けられている。また、左側摺接内周面85に設けられる左側凸形摺接部86Kも、
図20に示すように断面視右側に尖った凸をなす左接触端部87Aを有して形成されている。このように構成した場合には、上記した第8の実施の形態の規制部材61と比較して簡素な構成とすることができる点で有利である。このほか、このように構成される第12の実施の形態のトリガスイッチ30Kにあっても、上記した第1の実施の形態のトリガスイッチ30と同様の略作用効果を奏することができる。
【0054】
なお、本発明に係る電動工具用トリガスイッチにあっては、上記した実施の形態に限定されるものではなく、適宜箇所が変更されて構成されるものであってもよい。すなわち、本発明に係る電動工具としては携帯式マルノコ10に限定されることなく、ドライバドリル等の適宜の電動工具を選択することができる。また、本発明に係るロック機構としても、上記したロック機構40に限定されることなく、適宜の構成を選択することができる。つまり、本発明に係るロック機構は、引き操作部材の引き操作を規制する規制状態と引き操作部材の引き操作を可能とする退避状態とに状態切替えされる規制部材を有する構成であればよいものである。また、本発明に係る凸形摺接部については、凸をなす形状を有して摺りながら接する範囲を狭小に設定するものであればよいものであり、上記した変形例のように適宜の形状を選択することができる。