特許第6234875号(P6234875)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6234875画像形成システムおよびユーザー間連携プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6234875
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】画像形成システムおよびユーザー間連携プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20171113BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
   G06F3/12 339
   G06F3/12 367
   G06F3/12 392
   G06F3/12 387
   G06F3/12 304
   B41J29/38 Z
【請求項の数】7
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-88142(P2014-88142)
(22)【出願日】2014年4月22日
(65)【公開番号】特開2015-207192(P2015-207192A)
(43)【公開日】2015年11月19日
【審査請求日】2016年6月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114971
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修
(72)【発明者】
【氏名】内海 大祐
【審査官】 三橋 竜太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−157028(JP,A)
【文献】 特表2011−515735(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/00−29/70
G06F 3/09 −3/12
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピアツーピア型ユーザー間コミュニケーションサービスに登録されている第1ユーザーがログインする画像形成装置と、
前記ピアツーピア型ユーザー間コミュニケーションサービスに登録されており、かつ前記第1ユーザーの連絡先リストに含まれている第2ユーザーのユーザー端末装置とを備え、
前記画像形成装置および前記第2ユーザーのユーザー端末装置は、前記ピアツーピア型ユーザー間コミュニケーションサービスを利用してユーザー間コミュニケーションを実現するピアツーピア型ユーザー間コミュニケーションプログラムを実行し、
前記画像形成装置は、ログイン中の前記第1ユーザーの操作に基づいて文書スキャンまたは文書コピーを実行する場合、前記ピアツーピア型ユーザー間コミュニケーションサービスに登録されている前記第1ユーザーの登録情報に基づいて、ログイン中の前記第1ユーザーの連絡先リストに含まれているユーザーを特定し、特定した前記ユーザーに対して、(a)前記第1ユーザーの識別情報、(b)前記画像形成装置の識別情報、および(c)前記文書スキャンまたは前記文書コピーの設定情報または画像情報を含む動作データを配信し、
前記第2ユーザーのユーザー端末装置は、前記動作データを受信し、受信した前記動作データを表示し、前記第2ユーザーの操作に基づいて、受信した前記動作データにより通知された前記第1ユーザーの前記文書コピーに対する同一印刷物の追加印刷要求または前記文書スキャンもしくは前記文書コピーによる読取画像データの送信要求を、受信した前記動作データにより通知された前記識別情報の前記画像形成装置へ送信し、
前記画像形成装置は、前記第2ユーザーのユーザー端末装置から前記追加印刷要求または前記送信要求を受け付けた場合、前記第1ユーザーの前記文書コピーに対する追加印刷または前記読取画像データの前記第2ユーザーのユーザー端末装置への送信を実行すること、
を特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
ピアツーピア型ユーザー間コミュニケーションサービスに登録されているユーザーのユーザー端末装置内のコンピューターに、
前記ユーザーの操作に基づいて、画像形成装置に印刷を要求する場合、前記ピアツーピア型ユーザー間コミュニケーションサービスに登録されている前記ユーザーの登録情報に基づいて、前記ユーザーの連絡先リストに含まれているユーザーを特定するユーザー特定ステップ、
特定した前記ユーザーに対して、(a)前記ユーザーの識別情報、(b)前記画像形成装置の識別情報、および(c)前記印刷の設定情報または画像情報を含む動作データを配信する配信ステップ、並びに
他のユーザーのユーザー端末装置から前記動作データを受信し、受信した前記動作データを表示し、前記ユーザーの操作に基づいて、受信した前記動作データにより通知された前記他のユーザーの前記印刷に対する同一印刷物の追加印刷要求を、受信した前記動作データにより通知された前記識別情報の前記画像形成装置へ送信する要求送信ステップ、
を実行させ
前記画像形成装置は、ログインユーザーの操作に基づいて文書スキャンまたは文書コピーを実行する場合、前記ピアツーピア型ユーザー間コミュニケーションサービスに登録されている前記ログインユーザーの登録情報に基づいて、前記ログインユーザーの連絡先リストに含まれているユーザーを特定し、特定した前記ユーザーに対して、(a)前記ログインユーザーの識別情報、(b)前記画像形成装置の識別情報、および(c)前記文書スキャンまたは前記文書コピーの設定情報または画像情報を含む動作データを配信し、
前記コンピューターに、前記画像形成装置から前記動作データを受信し、受信した前記動作データを表示し、前記ユーザーの操作に基づいて、受信した前記動作データにより通知された前記ログインユーザーの前記文書コピーに対する同一印刷物の追加印刷要求または前記文書スキャンまたは前記文書コピーによる読取画像データの送信要求を、受信した前記動作データにより通知された前記識別情報の前記画像形成装置へ送信するステップをさらに実行させること、
を特徴とするユーザー間連携プログラム。
【請求項3】
前記コンピューターに、
前記動作データを受信したときに、前記ピアツーピア型ユーザー間コミュニケーションサービスに登録されている、前記ユーザー端末装置のユーザーの登録情報に基づいて、前記ユーザー端末装置のユーザーの連絡先リストに含まれているユーザーを特定する拡散ユーザー特定ステップ、並びに
前記特定した前記ユーザーに対して前記動作データを拡散配信する拡散配信ステップをさらに実行させること、
を特徴とする請求項記載のユーザー間連携プログラム。
【請求項4】
前記拡散ユーザー特定ステップにおいて、前記ピアツーピア型ユーザー間コミュニケーションサービスに登録されている、前記ユーザー端末装置のユーザーの登録情報に基づいて、前記ユーザー端末装置のユーザーの連絡先リストにおける特定のカテゴリーに含まれているユーザーを特定し、
前記拡散配信ステップにおいて、前記特定のカテゴリーに含まれているすべてのユーザーに対して、前記動作データを拡散配信すること、
を特徴とする請求項記載のユーザー間連携プログラム。
【請求項5】
前記コンピューターに、前記動作データに関連付けられている拡散配信設定または前記動作データにより通知されたユーザーに関連付けられている拡散配信設定を特定し、特定した前記拡散配信設定に基づいて、前記拡散配信ステップを実行するか否かを判定するステップをさらに実行させることを特徴とする請求項または請求項記載のユーザー間連携プログラム。
【請求項6】
前記ユーザー特定ステップにおいて、前記ピアツーピア型ユーザー間コミュニケーションサービスに登録されている前記ユーザーの登録情報に基づいて、前記ユーザーの連絡先リストにおける特定のカテゴリーに含まれているユーザーを特定し、
前記配信ステップにおいて、前記特定のカテゴリーに含まれているすべてのユーザーに対して、前記動作データを配信すること、
を特徴とする請求項から請求項のうちのいずれか1項記載のユーザー間連携プログラム。
【請求項7】
前記ユーザー特定ステップにおいて、前記ピアツーピア型ユーザー間コミュニケーションサービスに登録されている前記ユーザーの登録情報に基づいて、前記ユーザーの連絡先リストにおける複数の特定のカテゴリーに含まれているユーザーをそれぞれ特定し、
前記配信ステップにおいて、前記複数の特定のカテゴリーに含まれているすべてのユーザーに対して、前記カテゴリーごとに異なる内容を有する前記動作データを配信すること、
を特徴とする請求項から請求項のうちのいずれか1項記載のユーザー間連携プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システムおよびユーザー間連携プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
あるシステムでは、あるユーザーがある端末装置を操作して印刷を行う際に、その端末装置が、予定情報を他のユーザーの端末装置に通知し、他のユーザーの必要部数を集計して、集計した部数の印刷をプリンターなどの出力装置に実行させる(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−157028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のシステムでは、最初に印刷を要求したユーザーが操作した端末装置が、他のユーザーの必要部数を集計して、集計した部数の印刷を出力装置に実行させるため、最初に印刷を要求したユーザーが操作した端末装置が、必要部数の集計、および集計した部数の印刷の実行要求が完了するまでにシャットダウンしたり、最初に印刷を要求したユーザーが操作した端末装置と他のユーザーの端末装置との間に通信障害が発生したりすると、他のユーザーは印刷を要求したにも拘わらず、他のユーザーのための印刷が実行されない。
【0005】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、あるユーザーが画像形成装置で印刷物または画像データを生成させる際に、他のユーザーが同一画像の印刷物または画像データをその画像形成装置で確実に取得できる画像形成システムおよびユーザー間連携プログラムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る画像形成システムは、ピアツーピア型ユーザー間コミュニケーションサービスに登録されている第1ユーザーがログインする画像形成装置と、前記ピアツーピア型ユーザー間コミュニケーションサービスに登録されており、かつ前記第1ユーザーの連絡先リストに含まれている第2ユーザーのユーザー端末装置とを備える。前記画像形成装置および前記第2ユーザーのユーザー端末装置は、前記ピアツーピア型ユーザー間コミュニケーションサービスを利用してユーザー間コミュニケーションを実現するピアツーピア型ユーザー間コミュニケーションプログラムを実行する。前記画像形成装置は、ログイン中の前記第1ユーザーの操作に基づいて文書スキャンまたは文書コピーを実行する場合、前記ピアツーピア型ユーザー間コミュニケーションサービスに登録されている前記第1ユーザーの登録情報に基づいて、ログイン中の前記第1ユーザーの連絡先リストに含まれているユーザーを特定し、特定した前記ユーザーに対して、(a)前記第1ユーザーの識別情報、(b)前記画像形成装置の識別情報、および(c)前記文書スキャンまたは前記文書コピーの設定情報または画像情報を含む動作データを配信する。前記第2ユーザーのユーザー端末装置は、前記動作データを受信し、受信した前記動作データを表示し、前記第2ユーザーの操作に基づいて、受信した前記動作データにより通知された前記第1ユーザーの前記文書コピーに対する同一印刷物の追加印刷要求または前記文書スキャンもしくは前記文書コピーによる読取画像データの送信要求を、受信した前記動作データにより通知された前記識別情報の前記画像形成装置へ送信する。前記画像形成装置は、前記第2ユーザーのユーザー端末装置から前記追加印刷要求または前記送信要求を受け付けた場合、前記第1ユーザーの前記文書コピーに対する追加印刷または前記読取画像データの前記第2ユーザーのユーザー端末装置への送信を実行する。
【0008】
本発明に係るユーザー間連携プログラムは、ピアツーピア型ユーザー間コミュニケーションサービスに登録されているユーザーのユーザー端末装置内のコンピューターに、前記ユーザーの操作に基づいて、画像形成装置に印刷を要求する場合、前記ピアツーピア型ユーザー間コミュニケーションサービスに登録されている前記ユーザーの登録情報に基づいて、前記ユーザーの連絡先リストに含まれているユーザーを特定するユーザー特定ステップ、特定した前記ユーザーに対して、(a)前記ユーザーの識別情報、(b)前記画像形成装置の識別情報、および(c)前記印刷の設定情報または画像情報を含む動作データを配信する配信ステップ、並びに他のユーザーのユーザー端末装置から前記動作データを受信し、受信した前記動作データを表示し、前記ユーザーの操作に基づいて、受信した前記動作データにより通知された前記他のユーザーの前記印刷に対する同一印刷物の追加印刷要求を、受信した前記動作データにより通知された前記識別情報の前記画像形成装置へ送信する要求送信ステップを実行させる。前記画像形成装置は、ログインユーザーの操作に基づいて文書スキャンまたは文書コピーを実行する場合、前記ピアツーピア型ユーザー間コミュニケーションサービスに登録されている前記ログインユーザーの登録情報に基づいて、前記ログインユーザーの連絡先リストに含まれているユーザーを特定し、特定した前記ユーザーに対して、(a)前記ログインユーザーの識別情報、(b)前記画像形成装置の識別情報、および(c)前記文書スキャンまたは前記文書コピーの設定情報または画像情報を含む動作データを配信し、前記コンピューターに、前記画像形成装置から前記動作データを受信し、受信した前記動作データを表示し、前記ユーザーの操作に基づいて、受信した前記動作データにより通知された前記ログインユーザーの前記文書コピーに対する同一印刷物の追加印刷要求または前記文書スキャンまたは前記文書コピーによる読取画像データの送信要求を、受信した前記動作データにより通知された前記識別情報の前記画像形成装置へ送信するステップをさらに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、あるユーザーが画像形成装置で印刷物または画像データを生成させる際に、他のユーザーが同一画像の印刷物または画像データをその画像形成装置で確実に取得できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成システムの構成を示すブロック図である。
図2図2は、ピアツーピア型ユーザー間コミュニケーションサービス上での、複数のユーザーの関係の一例を示す図である。
図3図3は、図1におけるユーザー端末装置1の構成例を示すブロック図である。
図4図4は、図1における画像形成装置3の構成例を示すブロック図である。
図5図5は、実施の形態1において、ユーザー#1のユーザー端末装置1から画像形成装置3へ印刷要求が発行された場合のユーザー間連携処理について説明するシーケンス図である。
図6図6は、実施の形態1において、ユーザー#1のユーザー端末装置1から画像形成装置3へ印刷要求が発行された場合のユーザー間連携処理によってユーザー#3のユーザー端末装置1に表示される動作データの一例を示す図である。
図7図7は、実施の形態1において、ユーザー#1が画像形成装置3にログインし文書スキャンを実行した場合のユーザー間連携処理について説明するシーケンス図である。
図8図8は、実施の形態1において、ユーザー#1が画像形成装置3にログインし文書コピーを実行した場合のユーザー間連携処理について説明するシーケンス図である。
図9図9は、実施の形態2において、ユーザー#1のユーザー端末装置1から画像形成装置3へ印刷要求が発行された場合のユーザー間連携処理について説明するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0012】
実施の形態1.
【0013】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成システムの構成を示すブロック図である。図1に示すシステムでは、複数のユーザーが使用する複数のユーザー端末装置1が、コンピューターネットワーク2に接続して画像形成装置3と通信可能となっている。
【0014】
ユーザー端末装置1の複数のユーザーは、Skype(商標)、LINE(商標)などの、通話、チャット、メッセージ交換などが可能なピアツーピア型ユーザー間コミュニケーションサービスに登録されているとともに、画像形成装置3にログイン可能なユーザーとして画像形成装置3または図示せぬ認証サーバーなどに登録されている。コミュニケーション管理サーバー4は、ピアツーピア型ユーザー間コミュニケーションサービスの登録ユーザーの登録情報(ユーザー名、宛先リスト、設定情報など)を管理するとともに、クライアントからの要求に応じて、クライアント間(つまり、ユーザー端末装置1におけるピアツーピア型ユーザー間コミュニケーションプログラム間)の接続制御(接続の確立、切断など)を実行する。
【0015】
図2は、ピアツーピア型ユーザー間コミュニケーションサービス上での、上述の複数のユーザーの関係の一例を示す図である。図2に示す例では、ユーザー#1の連絡先リストには、ユーザー#2とユーザー#3が登録されており、ユーザー#2はカテゴリーAに分類されており、ユーザー#3はカテゴリーBに分類されている。ユーザー#3の連絡先リストには、ユーザー#1とユーザー#4が登録されている。カテゴリーとしては、例えば、「友達」、「仕事」などが考えられる。
【0016】
図3は、図1におけるユーザー端末装置1の構成例を示すブロック図である。
【0017】
図3に示すユーザー端末装置1は、パーソナルコンピューターなどであって、通信装置11、表示装置12、入力装置13、記憶装置14、および演算処理装置15を備える。
【0018】
通信装置11は、無線通信または有線通信でコンピューターネットワーク2に接続可能なネットワークインターフェイスなどの通信装置である。
【0019】
表示装置12は、液晶ディスプレイなどであって、各種情報をユーザーに対して表示する。入力装置13は、タッチパネル、キーボードなどであって、ユーザー操作を検出する。
【0020】
記憶装置14は、フラッシュメモリー、ハードディスクドライブなどの不揮発性の記憶装置であって、各種プログラムおよびデータを記憶する。
【0021】
記憶装置14には、ドライバープログラム21、ユーザー間連携プログラム22、およびP2P型ユーザー間コミュニケーションプログラム23が記憶されている。
【0022】
ドライバープログラム21は、画像形成装置3を制御して遠隔から印刷などを実行させるためのプログラムである。
【0023】
ユーザー間連携プログラム22は、後述の処理を実行するためのプログラムである。
【0024】
P2P型ユーザー間コミュニケーションプログラム23は、ピアツーピア型ユーザー
間コミュニケーションサービスのクライアント側プログラムである。
【0025】
演算処理装置15は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などで構成されるコンピューターを有し、ROMや記憶装置14に記憶されているプログラムをRAMにロードし、CPUで実行する。
【0026】
図4は、図1における画像形成装置3の構成例を示すブロック図である。
【0027】
図4に示す画像形成装置3は、複合機であって、通信装置31、操作パネル32、印刷装置33、画像読取装置34、記憶装置35、およびコントローラー36を備える。
【0028】
通信装置31は、通信装置11は、無線通信または有線通信でコンピューターネットワーク2に接続可能なネットワークインターフェイスなどの通信装置である。
【0029】
操作パネル32は、液晶ディスプレイなどの表示装置およびタッチパネルなどの入力装置を有する。
【0030】
印刷装置33は、印刷要求に従って記録用紙への印刷を実行する内部装置である。
【0031】
画像読取装置34は、原稿台などに載置された原稿の原稿画像を光学的に読み取り、原稿画像の画像データを生成する内部装置である。
【0032】
記憶装置35は、フラッシュメモリー、ハードディスクドライブなどの不揮発性の記憶装置であって、各種プログラムおよびデータを記憶する。
【0033】
記憶装置35には、ユーザー間連携プログラム41、およびP2P型ユーザー間コミュニケーションプログラム42が記憶されている。
【0034】
ユーザー間連携プログラム41は、後述の処理を実行するためのプログラムである。
【0035】
P2P型ユーザー間コミュニケーションプログラム42は、ピアツーピア型ユーザー
間コミュニケーションサービスのクライアント側プログラムである。
【0036】
コントローラー36は、印刷装置33、画像読取装置34などの内部装置を制御するとともに、内蔵コンピューターで、記憶装置35に記憶されているプログラムを実行する。
【0037】
次に、上記システムにおけるユーザー間連携処理について説明する。
【0038】
(1)印刷に関するユーザー間連携処理
【0039】
ここでは、ユーザー間の関係が図2に示すものであり、ユーザー#1が画像形成装置3で印刷を行う場合について説明する。
【0040】
図5は、実施の形態1において、ユーザー#1のユーザー端末装置1から画像形成装置3へ印刷要求が発行された場合のユーザー間連携処理について説明するシーケンス図である。
【0041】
ユーザー#1のユーザー端末装置1では、演算処理装置15が、ドライバープログラム21に従って、入力装置13により検出されたユーザー#1の操作に基づいて、画像形成装置3に印刷を要求する(ステップS1)。具体的には、ユーザー端末装置1において、文書ファイルから印刷データ(例えばPDL(Page Description Language)データ)が生成され、生成された印刷データが印刷要求として通信装置11で画像形成装置3へ送信される。
【0042】
画像形成装置2では、コントローラー36が、通信装置31でその印刷データを受信し、記憶装置35に保存し(ステップS2)、印刷データに基づく印刷を印刷装置33に開始させる(ステップS3)。
【0043】
また、ユーザー#1のユーザー端末装置1では、演算処理装置15は、ユーザー間連携プログラム22に従って、ドライバープログラム21による印刷要求を検出すると、P2P型ユーザー間コミュニケーションプログラム23を使用してコミュニケーション管理サーバー4にアクセスし、ピアツーピア型ユーザー間コミュニケーションサービスに登録されているユーザー#1の登録情報を取得し、まず、連絡先リストのカテゴリーを特定し、カテゴリーごとに、動作データを配信するか否か、および動作データの内容を特定する(ステップS4)。
【0044】
なお、動作データを配信するカテゴリー、および動作データを配信する各カテゴリーについての動作データの内容(つまり、動作データに含められる情報の項目)は、ユーザー間連携プログラム22の設定情報として予めユーザーによって指定され保存されている。
【0045】
そして、演算処理装置15は、ユーザー間連携プログラム22に従って、取得した登録情報に基づいて、ユーザー#1の連絡先リストに含まれているユーザーをカテゴリーごとに特定し、各カテゴリー向けの動作データを生成し(ステップS5)、P2P型ユーザー間コミュニケーションプログラム23を使用して、ピアツーピア型ユーザー間コミュニケーションサービス上のメッセージとして、各カテゴリー向けの動作データを、各カテゴリーに含まれるすべてのユーザーに配信する(ステップS6)。
【0046】
例えば、図2に示す例の場合、カテゴリーA向けの動作データには、(a)ユーザー#1の識別情報および(b)印刷の設定情報または画像情報を含む動作データが含まれる。この場合、画像形成装置3の識別情報が含まれていないので、カテゴリーAのユーザー#2は、追加印刷を要求することはできず、単に、ユーザー#1が印刷を行ったことを知るだけである。
【0047】
一方、カテゴリーB向けの動作データには、(a)ユーザー#1の識別情報、(b)画像形成装置3の識別情報(例えばIPアドレスなどのコンピューターネットワーク2上での識別情報)、および(c)印刷の設定情報(カラー設定、サイズ設定など)または画像情報(印刷に使用される文書データの文書画像など)を含む動作データが含まれる。この場合、画像形成装置3の識別情報が含まれているので、カテゴリーBのユーザー#3は、追加印刷を要求することができる。
【0048】
ユーザー#3のユーザー端末装置1では、演算処理装置15が、P2P型ユーザー間コミュニケーションプログラム23に従って、通信装置11を使用して、動作データを受信し、P2P型ユーザー間コミュニケーションプログラム23により動作データが受信されると、ユーザー間連携プログラム22に従って、受信した動作データを表示装置12に表示する(ステップS7)。
【0049】
図6は、実施の形態1において、ユーザー#1のユーザー端末装置1から画像形成装置3へ印刷要求が発行された場合のユーザー間連携処理によってユーザー#3のユーザー端末装置1に表示される動作データの一例を示す図である。
【0050】
例えば図6に示すように、ユーザー#3のユーザー端末装置1には、ユーザー#1による印刷についての文書画像101、ユーザー#1が画像形成装置3(識別情報:MFPxxxxx1)で印刷を実行した旨を示すメッセージ102、追加印刷の指示のためのソフトキー103が表示される。
【0051】
そして、ユーザー#3のユーザー端末装置1では、演算処理装置15が、ソフトキー103へのユーザー#3の操作を入力装置13で検出すると(ステップS8)、ユーザー間連携プログラム22に従って、通信装置11を使用して、受信した動作データにより通知されたユーザー#1の印刷に対する同一印刷物の追加印刷要求を、受信した動作データにより通知された識別情報の画像形成装置3へ送信する(ステップS9)。なお、この追加印刷要求には、ユーザー#1の識別情報が含まれている。
【0052】
画像形成装置3では、コントローラー36が、ユーザー間連携プログラム41に従って、ユーザー#3のユーザー端末装置1から追加印刷要求を受信し、受信した追加印刷要求により指定されたユーザー#1のユーザー端末装置1からの印刷データに基づく印刷に対する追加印刷を印刷装置33で実行する(ステップS10)。
【0053】
なお、コントローラー36は、追加印刷要求を受信した時点で、ユーザー#1からの印刷要求に基づく印刷がまだ完了していない場合には、印刷部数をユーザー#3の分(つまり1部)だけ増加させて印刷を行う。一方、コントローラー36は、追加印刷要求を受信した時点で、ユーザー#1からの印刷要求に基づく印刷が完了している場合には、保存している印刷データを読み出して、ユーザー#3の分(つまり1部)の印刷を新たに行う。
【0054】
また、コントローラー36は、追加印刷要求を受信した時点で追加印刷を行わず、受信後、ユーザー#3による画像形成装置3の操作パネル32に対する操作(例えば、ログイン後の所定操作)に基づいて、追加印刷を行うようにしてもよい。このようにすることで、ユーザー#3は、印刷部数や印刷設定を、画像形成装置3を操作してユーザー#3の所望のものに変更してから印刷を行うことができる。
【0055】
(2)文書スキャンに関するユーザー間連携処理
【0056】
ここでは、ユーザー間の関係が図2に示すものであり、ユーザー#1が画像形成装置3で文書スキャンを行う場合について説明する。
【0057】
図7は、実施の形態1において、ユーザー#1が画像形成装置3にログインし文書スキャンを実行した場合のユーザー間連携処理について説明するシーケンス図である。
【0058】
まず、ユーザー#1が、画像形成装置3の操作パネル32を操作してログインし、原稿を原稿台などに載置した後で、文書スキャンのための操作を操作パネル32に対して行う。
【0059】
コントローラー36は、その操作が操作パネル32で検出されると、その原稿の原稿画像の読み取りを画像読取装置34で実行し(ステップS21)、画像読取装置34による読取画像データを保存するとともに(ステップS22)、必要に応じて、ユーザー#1により予め指定された宛先に送信する。
【0060】
次に、コントローラー36は、ユーザー間連携プログラム41に従って、P2P型ユーザー間コミュニケーションプログラム42を使用してコミュニケーション管理サーバー4にアクセスし、ピアツーピア型ユーザー間コミュニケーションサービスに登録されているユーザー#1の登録情報を取得し、まず、連絡先リストのカテゴリーを特定し、カテゴリーごとに、動作データを配信するか否か、および動作データの内容を特定する(ステップS23)。
【0061】
例えば、図2に示す例の場合、カテゴリーA向けの動作データには、(a)ユーザー#1の識別情報および(b)文書スキャンの設定情報または画像情報を含む動作データが含まれる。この場合、画像形成装置3の識別情報が含まれていないので、カテゴリーAのユーザー#2は、読取画像データの送信を要求することはできず、単に、ユーザー#1が文書スキャンを行ったことを知るだけである。
【0062】
一方、カテゴリーB向けの動作データには、(a)ユーザー#1の識別情報、(b)画像形成装置3の識別情報、および(c)文書スキャンの設定情報(カラー設定、解像度設定など)または画像情報(読取画像データ、その縮小画像データなど)を含む動作データが含まれる。この場合、画像形成装置3の識別情報が含まれているので、カテゴリーBのユーザー#3は、読取画像データの送信を要求することができる。
【0063】
なお、動作データを配信するカテゴリー、および動作データを配信する各カテゴリーについての動作データの内容(つまり、動作データに含められる情報の項目)は、ユーザー間連携プログラム41の設定情報として予めユーザーによって指定され保存されている。
【0064】
そして、コントローラー36は、ユーザー間連携プログラム41に従って、取得した登録情報に基づいて、ユーザー#1の連絡先リストに含まれているユーザーをカテゴリーごとに特定し、各カテゴリー向けの動作データを生成し(ステップS24)、P2P型ユーザー間コミュニケーションプログラム42を使用して、ピアツーピア型ユーザー間コミュニケーションサービス上のメッセージとして、各カテゴリー向けの動作データを、各カテゴリーに含まれるすべてのユーザーに配信する(ステップS25)。
【0065】
ユーザー#3のユーザー端末装置1では、演算処理装置15が、P2P型ユーザー間コミュニケーションプログラム23に従って、通信装置11を使用して、その動作データを受信し、P2P型ユーザー間コミュニケーションプログラム23により動作データが受信されると、ユーザー間連携プログラム22に従って、受信した動作データを表示装置12に表示する(ステップS26)。
【0066】
そして、ユーザー#3のユーザー端末装置1では、演算処理装置15が、読取画像データの送信要求のためのユーザー#3の操作を入力装置13で検出すると(ステップS27)、ユーザー間連携プログラム22に従って、通信装置11を使用して、受信した動作データにより通知されたユーザー#1の文書スキャンによる読取画像データの送信要求を、受信した動作データにより通知された識別情報の画像形成装置3へ送信する(ステップS28)。なお、この送信要求には、ユーザー#1の識別情報が含まれている。
【0067】
画像形成装置3では、コントローラー36が、ユーザー間連携プログラム41に従って、通信装置31を使用して、ユーザー#3のユーザー端末装置1から送信要求を受信し、受信した送信要求により指定されたユーザー#1による文書スキャンで得られた読取画像データを読み出してユーザー#3のユーザー端末装置1へ送信する(ステップS29)。
【0068】
(3)文書コピーに関するユーザー間連携処理
【0069】
ここでは、ユーザー間の関係が図2に示すものであり、ユーザー#1が画像形成装置3で文書コピーを行う場合について説明する。
【0070】
図8は、実施の形態1において、ユーザー#1が画像形成装置3にログインし文書コピーを実行した場合のユーザー間連携処理について説明するシーケンス図である。
【0071】
まず、ユーザー#1が、画像形成装置3の操作パネル32を操作してログインし、原稿を原稿台などに載置した後で、文書コピーのための操作を操作パネル32に対して行う。
【0072】
コントローラー36は、その操作が操作パネル32で検出されると、その原稿の原稿画像の読み取りを画像読取装置34で実行するとともに、読み取られた画像の印刷を印刷装置33で実行する(ステップS41)。その際、コントローラー36は、画像読取装置34による読取画像データを保存する(ステップS42)。
【0073】
次に、コントローラー36は、ユーザー間連携プログラム41に従って、P2P型ユーザー間コミュニケーションプログラム42を使用してコミュニケーション管理サーバー4にアクセスし、ピアツーピア型ユーザー間コミュニケーションサービスに登録されているユーザー#1の登録情報を取得し、まず、連絡先リストのカテゴリーを特定し、カテゴリーごとに、動作データを配信するか否か、および動作データの内容を特定する(ステップS43)。
【0074】
例えば、図2に示す例の場合、カテゴリーA向けの動作データには、(a)ユーザー#1の識別情報および(b)文書コピーの設定情報または画像情報を含む動作データが含まれる。この場合、画像形成装置3の識別情報が含まれていないので、カテゴリーAのユーザー#2は、読取画像データの送信を要求することはできず、単に、ユーザー#1が文書コピーを行ったことを知るだけである。
【0075】
一方、カテゴリーB向けの動作データには、(a)ユーザー#1の識別情報、(b)画像形成装置3の識別情報、および(c)文書コピーの設定情報(カラー設定、解像度設定など)または画像情報(読取画像データ、その縮小画像データなど)を含む動作データが含まれる。この場合、画像形成装置3の識別情報が含まれているので、カテゴリーBのユーザー#3は、追加印刷を要求することができる。
【0076】
なお、動作データを配信するカテゴリー、および動作データを配信する各カテゴリーについての動作データの内容(つまり、動作データに含められる情報の項目)は、ユーザー間連携プログラム41の設定情報として予めユーザーによって指定され保存されている。
【0077】
そして、コントローラー36は、ユーザー間連携プログラム41に従って、取得した登録情報に基づいて、ユーザー#1の連絡先リストに含まれているユーザーをカテゴリーごとに特定し、各カテゴリー向けの動作データを生成し(ステップS44)、P2P型ユーザー間コミュニケーションプログラム42を使用して、ピアツーピア型ユーザー間コミュニケーションサービス上のメッセージとして、各カテゴリー向けの動作データを、各カテゴリーに含まれるすべてのユーザーに配信する(ステップS45)。
【0078】
ユーザー#3のユーザー端末装置1では、演算処理装置15が、P2P型ユーザー間コミュニケーションプログラム23に従って、通信装置11を使用して、その動作データを受信し、P2P型ユーザー間コミュニケーションプログラム23により動作データが受信されると、ユーザー間連携プログラム22に従って、受信した動作データを表示装置12に表示する(ステップS46)。
【0079】
そして、ユーザー#3のユーザー端末装置1では、演算処理装置15が、追加印刷のためのユーザー#3の操作を入力装置13で検出すると(ステップS47)、ユーザー間連携プログラム22に従って、通信装置11を使用して、受信した動作データにより通知されたユーザー#1の文書コピーの同一印刷物の追加印刷要求を、受信した動作データにより通知された識別情報の画像形成装置3へ送信する(ステップS48)。なお、この追加印刷要求には、ユーザー#1の識別情報が含まれている。
【0080】
画像形成装置3では、コントローラー36が、ユーザー間連携プログラム41に従って、ユーザー#3のユーザー端末装置1から追加印刷要求を受信し、受信した追加印刷要求により指定されたユーザー#1による文書コピーに基づく印刷に対する追加印刷を印刷装置33で実行する(ステップS49)。
【0081】
なお、コントローラー36は、追加印刷要求を受信した時点で、ユーザー#1による文書コピーに基づく印刷がまだ完了していない場合には、印刷部数をユーザー#3の分(つまり1部)だけ増加させて印刷を行う。一方、コントローラー36は、追加印刷要求を受信した時点で、ユーザー#1による文書コピーに基づく印刷が完了している場合には、保存している印刷データを読み出して、ユーザー#3の分(つまり1部)の印刷を新たに行う。
【0082】
また、コントローラー36は、追加印刷要求を受信した時点で追加印刷を行わず、受信後、ユーザー#3による画像形成装置3の操作パネル32に対する操作(例えば、ログイン後の所定操作)に基づいて、追加印刷を行うようにしてもよい。このようにすることで、ユーザー#3は、印刷部数や印刷設定を、ユーザー#3の所望のものに変更してから印刷を行うことができる。
【0083】
以上のように、上記実施の形態1によれば、ある第1ユーザーのユーザー端末装置1は、第1ユーザーの操作に基づいて画像形成装置3に印刷を要求する場合、ピアツーピア型ユーザー間コミュニケーションサービスに登録されている第1ユーザーの登録情報に基づいて、第1ユーザーの連絡先リストに含まれている他のユーザーを特定し、特定した他のユーザーに対して、(a)その第1ユーザーの識別情報、(b)画像形成装置3の識別情報、および(c)その印刷の関連情報を含む動作データを配信する。上述の他のユーザーに含まれる第2ユーザーのユーザー端末装置1は、その動作データを受信して表示し、第2ユーザーの操作に基づいて、受信した動作データにより通知された第1ユーザーの印刷に対する同一印刷物の追加印刷要求を、受信した動作データにより通知された識別情報の画像形成装置へ送信する。
【0084】
これにより、第1ユーザーから第2ユーザーへピアツーピア型ユーザー間コミュニケーションサービスで動作データがただちに通知され、第2ユーザーの端末装置1から画像形成装置3へ直接的に(つまり、第1ユーザーの端末装置1を介さずに)追加印刷要求を発行するので、第1ユーザーが画像形成装置3で印刷物または画像データを生成させる際に、他のユーザーが同一画像の印刷物または画像データをその画像形成装置で確実に取得できる。
【0085】
実施の形態2.
【0086】
実施の形態2に係るシステムは、実施の形態1に係るシステムと同様の構成を有し、あるユーザーが動作データを受信した際に、受信した動画データを他のユーザーへ拡散配信し、拡散配信によって動画データを受信した他のユーザーも、追加印刷や読取画像データを要求できるようにしたものである。
【0087】
ここでは、印刷の場合の動作データの拡散配信について説明するが、文書スキャンおよび文書コピーの場合の動作データの拡散配信についても同様に可能である。
【0088】
図9は、実施の形態2において、ユーザー#1のユーザー端末装置1から画像形成装置3へ印刷要求が発行された場合のユーザー間連携処理について説明するシーケンス図である。なお、ここでは、ユーザー間の関係が図2に示すものであり、ユーザー#1が画像形成装置3で印刷を行う場合について説明する。
【0089】
実施の形態2では、実施の形態1の例と同様にユーザー#1が印刷要求を行った場合、ユーザー#3のユーザー端末装置1において、演算処理装置15が、ユーザー間連携プログラム22に従って、動作データが受信されたときに、動作データに関連付けられている拡散配信設定または動作データにより通知されたユーザー(ここではユーザー#1)に関連付けられている拡散配信設定を特定し、特定した拡散配信設定に基づいて、拡散配信を実行するか否かを判定する(ステップS101)。ここで、拡散配信を実行しないと判定された場合、後述の拡散配信は実行されない。
【0090】
なお、拡散配信設定は、拡散配信を許可するか否かなどの情報を含む。また、動作データに関連付けられている拡散配信設定は、例えば、動作データの発行元のユーザー(ここではユーザー#1)のユーザー端末装置1によって動作データに含められる。あるいは、動作データにより通知されたユーザー(ここではユーザー#1)に関連付けられている拡散配信設定は、例えば、そのユーザーのユーザー端末装置1のユーザー間連携プログラム22の設定情報として予めそのユーザーのユーザー端末装置1に保存され、動作データとともに送信されてくる。
【0091】
拡散配信を実行すると判定した場合、ユーザー#3のユーザー端末装置1における演算処理装置15は、ユーザー間連携プログラム22に従って、P2P型ユーザー間コミュニケーションプログラム23を使用してコミュニケーション管理サーバー4にアクセスし、ピアツーピア型ユーザー間コミュニケーションサービスに登録されている、このユーザー端末装置1のユーザー(つまり、ユーザー#3)の登録情報を取得し、その登録情報に基づいて、まず、このユーザー端末装置1のユーザー(ユーザー#3)の連絡先リストのカテゴリーを特定し、カテゴリーごとに、動作データを拡散配信するか否かを特定する(ステップS102)。
【0092】
なお、ユーザー#3が拡散配信を許可するカテゴリーが、予めユーザー間連携プログラム22の設定情報として保存され、その設定情報に従って、動作データを拡散配信するカテゴリーが特定される。
【0093】
そして、演算処理装置15は、ユーザー間連携プログラム22に従って、取得した登録情報に基づいて、ユーザー#3の連絡先リストに含まれているユーザーのうち、拡散配信の対象となるカテゴリーに含まれているユーザーを特定し、P2P型ユーザー間コミュニケーションプログラム23を使用して、ピアツーピア型ユーザー間コミュニケーションサービス上のメッセージとして、受信した動作データを、特定したユーザーに拡散配信する(ステップS103)。
【0094】
例えば、図2に示す例の場合、ユーザー#3によって、カテゴリーBに対して拡散配信が許可されている場合には、ユーザー#4に対して、動作データが拡散配信される。
【0095】
ユーザー#4のユーザー端末装置1では、演算処理装置15が、P2P型ユーザー間コミュニケーションプログラム23に従って、通信装置11を使用して、その動作データを受信し、P2P型ユーザー間コミュニケーションプログラム23により動作データが受信されると、ユーザー間連携プログラム22に従って、受信した動作データを例えば図6に示すように表示装置12に表示する(ステップS104)。
【0096】
そして、ユーザー#4のユーザー端末装置1では、演算処理装置15が、ソフトキー103へのユーザー#4の操作を入力装置13で検出すると(ステップS105)、ユーザー間連携プログラム22に従って、通信装置11を使用して、受信した動作データにより通知されたユーザー#1の印刷に対する同一印刷物の追加印刷要求を、受信した動作データにより通知された識別情報の画像形成装置3へ送信する(ステップS106)。なお、この追加印刷要求には、ユーザー#1の識別情報が含まれている。
【0097】
画像形成装置3では、コントローラー36が、ユーザー間連携プログラム41に従って、ユーザー#4のユーザー端末装置1から追加印刷要求を受信し、受信した追加印刷要求により指定されたユーザー#1のユーザー端末装置1からの印刷データに基づく印刷に対する追加印刷を印刷装置33で実行する(ステップS107)。
【0098】
なお、実施の形態2においても、ユーザー#3は、実施の形態1と同様に追加印刷を実行させることができる。
【0099】
なお、上述の各実施の形態は、本発明の好適な例であるが、本発明は、これらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【0100】
例えば、上記実施の形態1,2において、画像形成装置3はプリンターでもよい。
【0101】
また、上記実施の形態2において、画像読取装置34による文書スキャンまたは文書コピーの際に、原稿台(プラテンガラス)に原稿が載置されたか、自動原稿送り器(ADF)に原稿が載置されたかに応じて、拡散配信設定を変更するようにしてもよい。原稿台(プラテンガラス)に原稿が載置された場合、書籍である可能性が高く、ADFに原稿が載置された場合、印刷物である可能性が高い。したがって、原稿の著作権を考慮して、原稿台(プラテンガラス)に原稿が載置された場合には、拡散配信を禁止し、ADFに原稿が載置された場合には、拡散配信を許可するようにしてもよい。また、原稿台(プラテンガラス)に原稿が載置された場合であっても、読み取られた画像において余白領域にページ番号が存在しないと判定されるときには、拡散配信を許可するようにしてもよい。また、ADFに原稿が載置された場合であっても、読み取られた画像において余白領域にページ番号が存在すると判定されるときには、拡散配信を禁止するようにしてもよい。
【0102】
さらに、上記実施の形態2において、拡散配信が許可されるカテゴリーを、会社などの組織に属するユーザーのみで構成される所定のカテゴリーとするようにしてもよい。このようにすることで、会社内の機密文書などが外部に拡散配信される可能性が低くなる。
【0103】
さらに、上記実施の形態1,2において、動作データの配信または拡散配信の対象であるユーザーのユーザー端末装置1が、所定のエリア外に存在しているときには、動作データを配信または拡散配信しないようにしてもよい。この場合、例えば、社内LANに接続されているユーザー端末装置1にログイン中ではないユーザーには動作データを配信または拡散配信しないようにしてもよい。動作データの配信または拡散配信の対象であるユーザーがピアツーピア型ユーザー間コミュニケーションサービスへ現在ログインしており、かつ、そのログインに使用されているユーザー端末装置1の現在位置(GPSなどで取得される位置)が会社敷地内である場合には動作データを配信または拡散配信し、そうではない場合、動作データを配信または拡散配信しないようにしてもよい。
【0104】
さらに、上記実施の形態1,2において、画像形成装置3は、追加印刷要求または読取画像データの送信要求の頻度が所定の閾値より高いユーザーを管理者に通知するようにしてもよい。
【0105】
さらに、上記実施の形態1,2において、登録されている著作物の複製に該当するか否かの判定をクラウドサービスとして提供する著作物マッチングサービスに登録されている著作物に、印刷、文書スキャンおよび文書コピーの対象の画像が合致する場合には、追加印刷要求または読取画像データの送信要求を拒否するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明は、例えば、画像形成装置を複数のユーザーが使用可能なネットワークシステムに適用可能である。
【符号の説明】
【0107】
1 ユーザー端末装置
3 画像形成装置
15 演算処理装置(コンピューターの一例)
22,41 ユーザー間連携プログラム
23,42 ピアツーピア型ユーザー間コミュニケーションプログラム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9