(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、例えば、成績管理システムで使用する教科名称が「図工」であるのに対し、校務支援システムで使用する教科名称が「図画工作」である等、成績管理システムで使用する得点データや通知表データのデータ名称と、校務支援システムで使用するデータ名称とが不一致の場合、成績管理システムで生成された表計算形式のデータファイルを校務支援システムに取り込むことができなかった。
尚、上記したデータ名称が不一致な場合と同様に、成績管理システムで使用する得点データや通知表データのデータ記号(例えばA、B等)と、校務支援システムで使用するデータ記号(例えば◎、○等)とが不一致の場合にも成績管理システムで生成された表計算形式のデータファイルを校務支援システムに取り込むことができなかった。
【0009】
斯かる場合、従来は、成績管理システムで生成された表計算形式のデータファイル中のデータを「コピーアンドペースト」して校務支援システムに入力しており、入力作業に手間がかかると共に、入力ミスが生じ易かった。
【0010】
この発明は、上記問題を解決するために案出されたものであり、その目的は、成績管理システムで使用する得点データや通知表データの名称や記号が、校務支援システムで使用するデータ名称・記号と不一致の場合であっても、校務支援システムで取り込み可能な表計算形式のデータファイルを生成できる成績管理システムを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の成績管理システムは、
各児童・生徒と、各児童・生徒の各種の通知表データとを関連付けて登録しておく通知表情報記憶手段と、
上記通知表データのデータ項目の名称及び/又は記号を所定の名称・記号に変換する変換対応関係を規定した変換テーブルと、
上記変換テーブルで規定された変換対応関係に従って、データ項目の名称及び/又は記号を変換する手段と、
出力するデータ項目の種類、出力する児童・生徒のデータをランダム配置するか否かを定義する定義情報と、
変換されたデータ項目の名称及び/又は記号を含
み、且つ、上記定義情報で定義された出力データ項目・データ配置に従って、各児童・生徒の通知表データを、所定の表計算形式のデータファイルに生成する手段
を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の成績管理システムは、請求項1に記載の成績管理システムにおいて、
上記通知表データには教科名称が含まれており、また、
上記変換テーブルが、上記教科名称を所定の教科名称に変換する変換対応関係を規定した変換テーブルであることを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の成績管理システムは、請求項1又は2に記載の成績管理システムにおいて、
上記通知表データには観点名称が含まれており、また、
上記変換テーブルが、上記観点名称を所定の観点名称に変換する変換対応関係を規定した変換テーブルであることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の成績管理システムは、請求項1〜3の何れかに記載の成績管理システムにおいて、
上記通知表データには評価記号が含まれており、また、
上記変換テーブルが、上記評価記号を所定の評価記号に変換する変換対応関係を規定した変換テーブルであることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の成績管理システムは、請求項1〜4の何れかに記載の成績管理システムにおいて、
上記通知表データには児童名が含まれており、また、
上記変換テーブルが、上記児童名を所定の児童名に変換する変換対応関係を規定した変換テーブルであることを特徴とする。
【0016】
請求項6に記載の成績管理システムは、
各児童・生徒と、各児童・生徒の各種の得点データとを関連付けて登録しておく得点情報記憶手段と、
上記得点データのデータ項目の名称及び/又は記号を所定の名称・記号に変換する変換対応関係を規定した変換テーブルと、
上記変換テーブルで規定された変換対応関係に従って、データ項目の名称及び/又は記号を変換する手段と、
出力するデータ項目の種類、出力する児童・生徒のデータをランダム配置するか否かを定義する定義情報と、
変換されたデータ項目の名称及び/又は記号を含
み、且つ、上記定義情報で定義された出力データ項目・データ配置に従って、各児童・生徒の得点データを、所定の表計算形式のデータファイルに生成する手段
を備えたことを特徴とする。
【0017】
請求項7に記載の成績管理システムは、請求項6に記載の成績管理システムにおいて、
上記得点データには教科名称が含まれており、また、
上記変換テーブルが、上記教科名称を所定の教科名称に変換する変換対応関係を規定した変換テーブルであることを特徴とする。
【0018】
請求項8に記載の成績管理システムは、請求項6又は7に記載の成績管理システムにおいて、
上記得点データには観点名称が含まれており、また、
上記変換テーブルが、上記観点名称を所定の観点名称に変換する変換対応関係を規定した変換テーブルであることを特徴とする。
【0019】
請求項9に記載の成績管理システムは、請求項6〜8の何れかに記載の成績管理システムにおいて、
上記得点データには評価記号が含まれており、また、
上記変換テーブルが、上記評価記号を所定の評価記号に変換する変換対応関係を規定した変換テーブルであることを特徴とする。
【0020】
請求項10に記載の成績管理システムは、請求項6〜9の何れかに記載の成績管理システムにおいて、
上記得点データには児童名が含まれており、また、
上記変換テーブルが、上記児童名を所定の児童名に変換する変換対応関係を規定した変換テーブルであることを特徴とする。
【0021】
請求項11に記載の成績管理システムは、請求項1〜10の何れかに記載の成績管理システムにおいて、
上記表計算形式のデータファイルが、エクセル形式のデータファイルであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
請求項1に記載の成績管理システムにあっては、通知表データのデータ項目の名称・記号を、所定の名称・記号に変換する変換対応関係を規定した変換テーブルを備えており、上記変換テーブルで規定された変換対応関係に従って、データ項目の名称・記号を変換した上で、変換されたデータ項目の名称・記号を含む各児童・生徒の通知表データを所定の表計算形式のデータファイルに生成することができる。
従って、本システムの通知表データのデータ名称・記号と、本システムで生成する表計算形式のデータファイルを取り込んで使用する「校務支援システム」側の通知表データのデータ名称・記号とが不一致の場合であっても、上記変換テーブルに、「校務支援システム」側で使用している通知表データのデータ項目の名称・記号に変換する変換対応関係を規定しておくことにより、「校務支援システム」で取り込み可能な表計算形式のデータファイルを生成することができる。
【0023】
請求項2〜請求項5に記載の成績管理システムの如く、変換テーブルが、「教科名称を所定の教科名称に変換する変換対応関係を規定した変換テーブル」、「観点名称を所定の観点名称に変換する変換対応関係を規定した変換テーブル」、「評価記号を所定の評価記号に変換する変換対応関係を規定した変換テーブル」、「児童名を所定の児童名に変換する変換対応関係を規定した変換テーブル」の場合には、通知表データ中の「教科名称」、「観点名称」、「評価記号」、「児童名」を規定された変換対応関係に従って変換することができる。
【0024】
また、請求項6に記載の成績管理システムにあっては、得点データのデータ項目の名称・記号を、所定の名称・記号に変換する変換対応関係を規定した変換テーブルを備えており、上記変換テーブルで規定された変換対応関係に従って、データ項目の名称・記号を変換した上で、変換されたデータ項目の名称・記号を含む各児童・生徒の得点データを所定の表計算形式のデータファイルに生成することができる。
従って、本システムの得点データのデータ名称・記号と、本システムで生成する表計算形式のデータファイルを取り込んで使用する「校務支援システム」側の得点データのデータ名称・記号とが不一致の場合であっても、上記変換テーブルに、「校務支援システム」側で使用している得点データのデータ項目の名称・記号に変換する変換対応関係を規定しておくことにより、「校務支援システム」で取り込み可能な表計算形式のデータファイルを生成することができる。
【0025】
請求項7〜請求項10に記載の成績管理システムの如く、変換テーブルが、「教科名称を所定の教科名称に変換する変換対応関係を規定した変換テーブル」、「観点名称を所定の観点名称に変換する変換対応関係を規定した変換テーブル」、「評価記号を所定の評価記号に変換する変換対応関係を規定した変換テーブル」、「児童名を所定の児童名に変換する変換対応関係を規定した変換テーブル」の場合には、得点データ中の「教科名称」、「観点名称」、「評価記号」、「児童名」を規定された変換対応関係に従って変換することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、本発明に係る成績管理システム10(以下、本システム10と称する)の機能構成を示すブロック図であり、制御部12と記憶部14を備えている。
【0027】
上記制御部12は、入出力制御部16を介してマウスや物理キーボード等より成る入力部18及び表示画面を備えた液晶ディスプレイ(LCD)等より成る表示部20と接続されている。
上記入出力制御部16は、入力部18から入力された指令を制御部12に入力すると共に、制御部12から出力された表示指令に基づき上記表示部20に対する表示制御を行うインターフェースとして機能するものである。
【0028】
上記制御部12は、パソコン等の情報処理端末のCPU並びにその動作を制御するOSやアプリケーションプログラムを有して成り、上記入出力制御部16を介して与えられた入力部18の指令に基づき、上記アプリケーションプログラムの記述内容に従った演算処理及び制御を実行し、入出力制御部20を介して実行結果を表示部20に出力制御する。
【0029】
上記記憶部14は、得点情報データベース22、通知表情報データベース24、変換テーブルデータベース26、定義ファイル記憶部27、変換ファイル記憶部28、作業データ記憶部30、画面定義記憶部32を備えている。
上記得点情報データベース22、通知表情報データベース24、変換テーブルデータベース26、定義ファイル記憶部27、変換ファイル記憶部28、画面定義記憶部32は情報処理端末を構成するハードディスク等の記憶装置内に置かれ、作業データ記憶部30はメインメモリ(RAM)等の一時記憶装置内に置かれている。
【0030】
上記作業データ記憶部30は、本システム10が起動されると上記制御部12によって確保され、入力データや演算結果を一時的に記憶する記憶部である。
上記画面定義記憶部32は、本システム10が上記表示部20の表示画面に表示する各種画面の画面定義情報を記憶した記憶部である。
【0031】
上記得点情報データベース22には、各児童・生徒毎に、テストの各種得点データが関連付けられて登録されている。
すなわち、表示部20の表示画面34に表示された得点集計画面36(
図2)に示す通り、得点情報データベース22は、各児童の名前(児童A、児童B等)、出席番号等の各児童の番号(1、2等)、学年(5年)、組(9組)、学期(1学期)、教科名(国語)、観点名(話・聞、書く等)、各観点に属する単元名(話す・聞く、しょうかいポスター等)、各児童の単元テストの得点、各観点毎の到達度(%)、各観点毎の判定評価(評価記号:A、B等)、全単元テストの総得点・到達度(%)・判定評価(評価記号:A、B等)等を相互に関連付けて登録している。
制御部12は、上記入力部18から入力された指令に基づき、上記画面定義記憶部30に登録されている得点集計画面36の画面定義情報を読み出すと共に、得点情報データベース22から所定の得点データを読み出して
図2の得点集計画面36を生成し、表示画面34に表示するのである。
【0032】
尚、「単元」とは、教科書等の教材内容を区分した学習単位のことをいい、「観点」とは小中学校における児童・生徒の学習到達度の評価を多面的に行うために定められているものである。
【0033】
また
図2に示す得点集計画面36においては、各単元テストの得点、全単元テストの総得点の到達度が90%以上の場合にA判定、60%以上90%未満の場合にB判定、60%未満の場合にC判定としている。
【0034】
上記通知表情報データベース24には、各児童・生徒毎に、各種通知表データが関連付けられて登録されている。
図3は、表示部20の表示画面34に表示された通知表入力画面38の一例を示すものであり、制御部12は、上記入力部18から入力された指令に基づき、上記画面定義記憶部30に登録されている通知表入力画面38の画面定義情報を読み出すと共に、上記通知表情報データベース24から各児童の観点毎の判定評価(A、B等)等の通知表データを読み出して
図3の通知表入力画面38を生成し、表示画面34に表示するのである。
【0035】
尚、
図3の通知表入力画面38において、例えば、国語の観点「話・聞」の箇所の「集」(集計の略称)の欄に表示された「A、B」は、得点情報データベース22から読み出して表示した各児童の観点毎のテストの判定評価データであり、従って、
図2の得点集計画面36における国語の観点「話・聞」の判定評価データと一致している。
因みに、
図3の通知表入力画面38において、例えば、国語の観点「関・意・態」の箇所の「集」の欄が空欄となっているが、これは、
図2の得点集計画面36において、上記国語の観点「関・意・態」及びこれに対応する判定評価データが存在しないことから明らかな通り、得点情報データベース22に国語の観点「関・意・態」の判定評価データ登録されていないためである。
【0036】
通知表を作成する先生は、通知表入力画面38中の「集」の欄に表示された各児童の観点毎のテストの判定評価データを参考にしながら、各児童の授業態度等も考慮して「評」(評価の略称)の欄に通知表の評価データ(A〜C)を入力していくのである。
また、通知表入力画面38中の各教科の「評定」欄に評定データ(1〜3)も入力する。この「評定」とは、テストの得点、学習の様子、宿題等を総合的に判断して各教科毎に付ける評価である。
【0037】
制御部12は通知表入力画面38で入力されたデータを通知表情報データベース24に登録し、この結果、各児童の名前(児童A、児童B等)、各児童の出席番号(1、2等)、学年(5年)、組(9組)、学期(1学期)、教科名(国語、社会等)、観点名(話・聞、書く等)、各観点毎の評価データ(A〜C)、各教科の評定データ(1〜3)等が相互に関連付けられて通知表情報データベース24に登録される。
【0038】
上記変換テーブルデータベース26には、本システム10の得点データや通知表データを表計算形式のデータファイルに生成する場合において、本システム10のデータ名称・データ記号を所定のデータ名称・データ記号に変換するための変換対応関係を規定する変換テーブルが登録されている。
本システム10の変換テーブルデータベース26には、「教科名称の変換対応関係を規定する変換テーブル」、「観点名称の変換対応関係を規定する変換テーブル」、「評価記号の変換対応関係を規定する変換テーブル」、「児童の名前(児童名)の変換対応関係を規定する変換テーブル」の4種類が登録されている。
尚、変換対応関係を規定する変換テーブルを設けるデータ項目の種類や数は適宜設定可能である。
【0039】
図4は、表示部20の表示画面34に表示された「教科名称の変換対応関係を規定する変換テーブル」の設定画面40であり、
図4においては、本システム10の教科名称「図工」を変換表示名称「図画工作」と成す変換対応関係、教科名称「体育・保健」を変換表示名称「体育」と成す変換対応関係が設定されている。
上記設定画面40で設定された教科名称の変換対応関係を規定する変換テーブルは、制御部12により変換テーブルデータベース26に登録される。
【0040】
図5は、表示部20の表示画面34に表示された「観点名称の変換対応関係を規定する変換テーブル」の設定画面42であり、
図5においては、本システム10における5年生の国語の観点名称「関・意・態」を変換表示名称「関心・意欲」と成す変換対応関係、観点名称「話・聞」を変換表示名称「話す・聞く1」と成す変換対応関係、観点名称「書く」を変換表示名称「書く能力」と成す変換対応関係、観点名称「読む」を変換表示名称「読む能力」と成す変換対応関係が設定されている。
上記設定画面42で設定された観点名称の変換対応関係を規定する変換テーブルは、制御部12により変換テーブルデータベース26に登録される。
【0041】
図6は、表示部20の表示画面34に表示された「評価記号の変換対応関係を規定する変換テーブル」の設定画面44であり、
図6においては、本システム10における評価記号「A」を変換表示記号「◎」と成す変換対応関係、評価記号「B」を変換表示記号「○」と成す変換対応関係、評価記号「C」を変換表示記号「△と成す変換対応関係が設定されている。
上記設定画面44で設定された評価記号の変換対応関係を規定する変換テーブルは、制御部12によりを変換テーブルデータベース26に登録される。
【0042】
図7は、表示部20の表示画面34に表示された「児童名の変換対応関係を規定する変換テーブル」の設定画面46であり、
図7においては、本システム10における「児童名A」、「児童名B」等を変換表示名称「JD1505001」、「JD1505002」等と成す変換対応関係が設定されている。
尚、本システム10においては、児童名の変換表示名称として「JD1505001」、「JD1505002」等の「生徒管理コード」と称される各児童固有の識別コードを採用している。この「生徒管理コード」は、「校務支援システム」で一般的に使用している児童の識別コードであり、本システム10の上記「JD1505001」、「JD1505002」等の「生徒管理コード」は、本システム10で生成する表計算形式のデータファイルを取り込んで使用する「校務支援システム」側で使用している「生徒管理コード」と同一のものである。
上記設定画面46で設定された児童名の変換対応関係を規定する変換テーブルは、制御部12によりを変換テーブルデータベース26に登録される。
【0043】
尚、上記においては、変換テーブルとして、「教科名称の変換対応関係を規定する変換テーブル」、「観点名称の変換対応関係を規定する変換テーブル」、「評価記号の変換対応関係を規定する変換テーブル」、「児童名の変換対応関係を規定する変換テーブル」の4種類の変換テーブルを例示したが、これに限定されるものではなく、変換テーブルの数や種類は適宜設定可能である。
【0044】
上記定義ファイル記憶部27には、本システム10の得点データや通知表データを表計算形式のデータファイルに生成する場合において、上記データファイルに出力するデータ項目の種類、出力する児童・生徒のデータをランダム配置するか否かの定義情報が登録されている。
【0045】
図8は、表示部20の表示画面34に表示された上記定義情報の設定画面48であり、
図8においては、出力するデータ項目として「生徒管理コード」、「学年」、「評価」、「評定」が設定されており、また、「出力するデータのランダム配置」は「未設定」となっている。
上記設定画面48で設定された定義情報が登録された定義ファイルは、制御部12により定義ファイル記憶部27に登録される。
【0046】
以下、本システム10において、通知表データを、表計算形式としてのエクセル形式のデータファイルに生成する場合の処理手順を
図1のブロック図及び
図9のフローチャート49に基づいて説明する。
【0047】
本システム10のユーザである小中学校の先生等が、
図3の通知表入力画面38において、「エクセル出力ボタン50」を入力部18としてのマウスを介してクリックすると、入出力制御部16を介して、エクセル形式のデータファイルの生成要求が制御部12に入力される(S10)。
尚、
図3の通知表入力画面38の状態においては、通知表入力画面38に表示されている児童の通知表データは、制御部12により上記通知表情報データベース24内から抽出されて作業データ記憶部30に保持されている。
【0048】
上記データファイルの生成要求を受けた制御部12は、変換テーブルデータベース26を参照し、変換テーブルの有無を確認する(S12)。
【0049】
ここで、変換テーブルが有り、当該変換テーブルが「教科名称の変換テーブル」の場合(S14)、制御部12は、変換テーブルで規定された変換対応関係に従って、通知表データの教科名称を変換する(S16)。
図4に示す通り、「教科名称の変換テーブル」には、本システム10で使用する教科名称「図工」を変換表示名称「図画工作」と成す変換対応関係、教科名称「体育・保健」を変換表示名称「体育」と成す変換対応関係が規定されていることから、「図工」→「図画工作」、「体育・保健」→「体育」に変換する。
【0050】
また、変換テーブルが有り、当該変換テーブルが「観点名称の変換テーブル」の場合(S18)、制御部12は、変換テーブルで規定された変換対応関係に従って、通知表データの観点名称を変換する(S20)。
図5に示す通り、「観点名称の変換テーブル」には、本システム10で使用する観点名称「関・意・態」を変換表示名称「関心・意欲」と成す変換対応関係、観点名称「話・聞」を変換表示名称「話す・聞く1」と成す変換対応関係、観点名称「書く」を変換表示名称「書く能力」と成す変換対応関係、観点名称「読む」を変換表示名称「読む能力」と成す変換対応関係が規定されていることから、「関・意・態」→「関心・意欲」、「話・聞」→「話す・聞く1」、「書く」→「書く能力」、「読む」→「読む能力」に変換する。
【0051】
また、変換テーブルが有り、当該変換テーブルが「評価記号の変換テーブル」の場合(S22)、制御部12は、変換テーブルで規定された変換対応関係に従って、通知表データの評価記号を変換する(S24)。
図6に示す通り、「評価記号の変換テーブル」には、本システム10で使用する評価記号「A」を変換表示記号「◎」と成す変換対応関係、評価記号「B」を変換表示記号「○」と成す変換対応関係、評価記号「C」を変換表示記号「△と成す変換対応関係が規定されていることから、「A」→「◎」、「B」→「○」、「C」→「△」に変換する。
【0052】
また、変換テーブルが有り、当該変換テーブルが「児童名の変換テーブル」の場合(S26)、制御部12は、変換テーブルで規定された変換対応関係に従って、通知表データの児童名を変換する(S28)。
図7に示す通り、「児童名の変換テーブル」には、本システム10で使用する児童名である「児童名A」、「児童名B」等を変換表示名称「JD1505001」、「JD1505002」等と成す変換対応関係が規定されていることから、「児童名A」→「JD1505001」、「児童名B」→「JD1505002」等に変換する。
【0053】
次に、制御部12は、定義ファイル記憶部27を参照し、定義ファイルの有無を確認する(S30)。
【0054】
図8に示した通り、出力データ項目を「生徒管理コード」、「学年」、「評価」、「評定」の4項目に制限する定義情報が登録された定義ファイルが存在することから、制御部12は、上記定義情報に従って、出力データ項目を「生徒管理コード」、「学年」、「評価」、「評定」の4項目に設定する(S32)。
【0055】
上記した変換テーブルに従って、教科名称・観点名称・評価記号・児童名が変換されると共に、定義ファイルの定義情報に従って出力データ項目が設定された通知表データを、制御部12はエクセル形式のデータファイルに生成する(S34)。
生成されたエクセル形式のデータファイルは制御部12によって変換ファイル記憶部28に登録される。
【0056】
図10〜
図16は、上記フローチャート49の処理手順に従って、生成されたエクセル形式のデータファイルのデータシート52を示すものである。
【0057】
図10は、変換テーブル及び定義ファイルが存在しない場合、すなわち、
図9のフローチャート49において、「S12がN」及び「S30がN」の場合のデータシート52である。
この場合、「データ項目の名称・評価記号の変更」及び「出力データ項目の制限」が行われることなく、通知表データがエクセル形式のデータファイルに出力されることとなる。
【0058】
尚、
図10に示すように、制御部12は、データシート52に各児童の生徒管理コードを入力するデータ項目列54を追加してエクセル形式のデータファイルを生成しており、該データ項目列54に、上記した「JD1505001」、「JD1505002」等の「校務支援システム」側で使用している各児童の生徒管理コードを入力することができるようになっている。
【0059】
図11は、教科名称の変換テーブルのみ存在し、且つ、定義ファイルが存在しない場合、すなわち、
図9のフローチャート49において、「S12、S14がY」であり、且つ、「S18、S22、S26、S30がN」の場合のデータシート52である。
この場合、「教科名称」のみが変換されることとなり、
図11に示すように、「図工」が「図画工作の教科名称56」に、「体育・保健」が「体育の教科名称56」に変換されている。
【0060】
図12は、観点名称の変換テーブルのみ存在し、且つ、定義ファイルが存在しない場合、すなわち、
図9のフローチャート49において、「S12、S18がY」であり、且つ、「S14、S22、S26、S30がN」の場合のデータシート52である。
この場合、「観点名称」のみが変換されることとなり、
図12に示すように、「関・意・態」が「関心・意欲の観点名称58」、「話・聞」が「話す・聞く1の観点名称58」、「書く」が「書く能力の観点名称58」、「読む」が「読む能力の観点名称58」に変換されている。
【0061】
図13は、評価記号の変換テーブルのみ存在し、且つ、定義ファイルが存在しない場合、すなわち、
図9のフローチャート49において、「S12、S22がY」であり、且つ、「S14、S18、S26、S30がN」の場合のデータシート52である。
この場合、「評価記号」のみが変換されることとなり、
図13に示すように、「A」が「◎の評価記号60」、「B」が「○の評価記号60」、「C」が「△の評価記号60」に変換されている。
【0062】
図14は、児童名の変換テーブルのみ存在し、且つ、定義ファイルが存在しない場合、すなわち、
図9のフローチャート49において、「S12、S26がY」であり、且つ、「S14、S18、S22、S30がN」の場合のデータシート52である。
この場合、「児童名」のみが変換されることとなり、
図14に示すように、「児童名A」が「JD1505001の児童名62」等に変換されている。
【0063】
尚、上記の通り、本システム10においては、児童名の変換表示名称として、本システム10で生成するエクセル形式のデータファイルを取り込んで使用する「校務支援システム」側で使用している「生徒管理コード」と同一のもの(JD1505001等)を採用しているので、
図14に示すように、制御部12は、データシート52中の生徒管理コード入力用のデータ項目列54に、各児童の変換表示名称(JD1505001等)をコピーしてデータファイルを生成している。
この結果、各児童の生徒管理コードを別途入力する必要が無く、利便性が向上する。
【0064】
図15は、教科名称の変換テーブル・観点名称の変換テーブル・評価記号の変換テーブル・児童名の変換テーブルが全て存在し、且つ、定義ファイルが存在しない場合、すなわち、
図9のフローチャート49において、「S12、S14、S18、S22、S26がY」であり、且つ、「S30がN」の場合のデータシート52であり、上記変換テーブルに従って、教科名称・観点名称・評価記号・児童名が変換されている。
【0065】
図16は、児童名の変換テーブルのみ存在し、且つ、定義ファイルも存在する場合、すなわち、
図9のフローチャート49において、「S12、S26、S30がY」であり、且つ、「S14、S18、S22がN」の場合のデータシート52である。
この場合、児童名の変換テーブルに従って「児童名」が変換されると共に、定義ファイル(
図8参照)に従って、出力データ項目が「生徒管理コード」、「学年」、「評価」、「評定」の4項目に限定されており、「クラス名」、「出席番号」、「児童名」が表示されていない。
尚、上記の通り、制御部12は、データシート52中の生徒管理コード入力用のデータ項目列54に、生徒管理コードと一致する各児童の変換表示名称(JD1505001等)をコピーしてデータファイルを生成するので、
図16のデータ項目列54には生徒管理コード(JD1505001等)が入力されている。
【0066】
上記の如く、出力データ項目を制限する定義ファイルによって、「クラス名」、「出席番号」、「児童名」等の児童を特定する情報を出力データ項目から除外することにより、万一、エクセル形式のデータファイルが外部流出しても児童の個人情報が特定されることを防止できる。
尚、
図16に示す通り、生徒管理コード入力用のデータ項目列54に、「校務支援システム」側で使用している生徒管理コード(JD1505001等)が入力されているので、上記「クラス名」、「出席番号」、「児童名」等の児童特定情報が存在しなくても、「校務支援システム」側は上記生徒管理コードをキーにして各児童の通知表データを特定することができる。
【0067】
図17は、表示部20の表示画面34に表示された定義情報の設定画面48であり、「ランダム出力」欄にチェックが入れられており、「出力するデータのランダム配置」の設定が成されている点以外は
図8の場合と同じである。
上記設定画面48で設定された定義情報が登録された定義ファイルは、制御部12により定義ファイル記憶部27に登録される。
【0068】
図18は、児童名の変換テーブルのみ存在し、且つ、
図17の設定の定義ファイルが存在する場合、すなわち、
図9のフローチャート49において、「S12、S26、S30がY」であり、且つ、「S14、S18、S22がN」の場合のデータシート52である。
この場合、児童名の変換テーブルに従って「児童名」が変換されると共に、定義ファイル(
図17参照)に従って、出力データ項目が「生徒管理コード」、「学年」、「評価」、「評定」の4項目に限定されており、「クラス名」、「出席番号」、「児童名」が表示されていない。また、出力データをランダム配置する定義情報に従って、児童の通知表データがランダム配置されている。
【0069】
出力データ項目の制限及びデータのランダム配置を定義する定義ファイルによって、「クラス名」、「出席番号」、「児童名」等の児童特定情報を出力データ項目から除外することに加え、通常、出席番号順に配置されている通知表データをランダム配置することにより、より一層確実に、児童の個人情報が特定されることを防止できる。
【0070】
上記においては、
図1のブロック図及び
図9のフローチャート49に基づき、「通知表データ」をエクセル形式のデータファイルに生成する場合の処理手順について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、テストの「得点データ」(
図2参照)についても、フローチャート49のS10〜S34の手順と同様の手順に従ってエクセル形式のデータファイルに生成することができる。
【0071】
すなわち、小中学校の先生等のユーザが、
図2のテストの得点集計画面36において「エクセル出力ボタン50」をマウスを介してクリックすると、入出力制御部16を介して、エクセル形式のデータファイルの生成要求が制御部12に入力される(S10)。
尚、
図2のテストの得点集計画面36の状態においては、得点集計画面36に表示されている児童の得点データは、制御部12により上記得点情報データベース22内から抽出されて作業データ記憶部30に保持されている。
【0072】
上記データファイルの生成要求を受けた制御部12は、変換テーブルデータベース26を参照し、変換テーブルの有無を確認する(S12)。
【0073】
ここで、変換テーブルが有り、当該変換テーブルが「教科名称の変換テーブル」(
図4参照)の場合(S14)、制御部12は、変換テーブルで規定された変換対応関係に従って、得点データの教科名称を変換する(S16)。
【0074】
また、変換テーブルが有り、当該変換テーブルが「観点名称の変換テーブル」(
図5参照)の場合(S18)、制御部12は、変換テーブルで規定された変換対応関係に従って、得点データの観点名称を変換する(S20)。
【0075】
また、変換テーブルが有り、当該変換テーブルが「評価記号の変換テーブル」(
図6参照)の場合(S22)、制御部12は、変換テーブルで規定された変換対応関係に従って、得点データの評価記号を変換する(S24)。
【0076】
また、変換テーブルが有り、当該変換テーブルが「児童名の変換テーブル」(
図7参照)の場合(S26)、制御部12は、変換テーブルで規定された変換対応関係に従って、得点データの児童名を変換する(S28)。
【0077】
次に、制御部12は、定義ファイル記憶部27を参照し、定義ファイルの有無を確認する(S30)。
【0078】
ここで、
図8の定義情報の設定画面48で設定された定義ファイルが存在する場合、定義情報に従って、出力データ項目を「生徒管理コード」、「学年」、「評価」、「評定」の4項目に設定する(S32)。
また、
図17の定義情報の設定画面48で設定された定義ファイルが存在する場合、定義情報に従って、出力データ項目を「生徒管理コード」、「学年」、「評価」、「評定」の4項目に設定すると共に、出力データのランダム配置を設定する(S32)。
【0079】
変換テーブルに従って、教科名称・観点名称・評価記号・児童名が変換されると共に、定義ファイルの定義情報に従って出力データ項目が設定された得点データを、制御部12はエクセル形式のデータファイルに生成する(S34)。
生成されたエクセル形式のデータファイルは制御部12によって変換ファイル記憶部28に登録される。
【0080】
尚、本システム10で生成する表計算形式のデータファイルは上記エクセル形式に限定されるものではなく、本システム10で生成するデータファイルを取り込んで使用する「校務支援システム」側で取り込み可能な適宜な表計算形式を選定することができる。
【0081】
上記の通り、本システム10は、教科名称56・観点名称58・評価記号60・児童名62等の本システム10で使用する通知表データのデータ項目の名称・記号を、所定の名称・記号に変換する変換対応関係を規定した変換テーブルを備えており、制御部12は、上記変換テーブルで規定された変換対応関係に従って、データ項目の名称・記号を変換した上で、変換されたデータ項目の名称・記号を含む各児童の通知表データをエクセル形式等の表計算形式のデータファイルに生成することができる。
従って、本システム10の通知表データのデータ名称・記号と、本システム10で生成する表計算形式のデータファイルを取り込んで使用する「校務支援システム」側の通知表データのデータ名称・記号とが不一致の場合であっても、上記変換テーブルに、「校務支援システム」側で使用している通知表データのデータ項目の名称・記号に変換する変換対応関係を規定しておくことにより、「校務支援システム」で取り込み可能な表計算形式のデータファイルを生成することができる。
【0082】
同様に、本システム10は、教科名称・観点名称・評価記号・児童名等の本システム10で使用する得点データのデータ項目の名称・記号を、所定の名称・記号に変換する変換対応関係を規定した変換テーブルを備えており、制御部12は、上記変換テーブルで規定された変換対応関係に従って、データ項目の名称・記号を変換した上で、変換されたデータ項目の名称・記号を含む各児童の得点データをエクセル形式等の表計算形式のデータファイルに生成することができる。
従って、本システム10の得点データのデータ名称・記号と、本システム10で生成する表計算形式のデータファイルを取り込んで使用する「校務支援システム」側の得点データのデータ名称・記号とが不一致の場合であっても、上記変換テーブルに、「校務支援システム」側で使用している得点データのデータ項目の名称・記号に変換する変換対応関係を規定しておくことにより、「校務支援システム」で取り込み可能な表計算形式のデータファイルを生成することができる。
【0083】
上記において、本システム10は、通知表データ及びテストの得点データを備え、上記通知表データ及びテストの得点データの両方のデータを表計算形式のデータファイルに生成する場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、通知表データ及びテストの得点データの少なくとも一方のデータを備え、上記通知表データ及びテストの得点データの少なくとも一方のデータを表計算形式のデータファイルに生成する場合も本発明の技術的範囲に入ることは云うまでもない。