(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
下端に前輪を転動自在に支持する左右の前輪脚部と、下端に後輪を転動自在に支持する左右の後輪脚部と、ハンドルを下方から支持する上下方向に長い左右のハンドル支柱部と、前記各ハンドル支柱部を上下方向にスライド自在に支持するとともに、前記各前輪脚部及び各後輪脚部が使用状態の開脚位置と折り畳み状態の閉脚位置とに選択可能となるように当該各前輪脚部及び各後輪脚部の上端部を回動自在に枢支する枢支部を下端に有する左右の縦筒フレームと、前記各縦筒フレームの上下両端同士の間を左右方向へ延びて連結する上下の横フレームとを備えた手押し車であって、
前記各縦筒フレームに沿って起立する格納位置と前方に倒伏して着座可能な着座位置とに変換される腰掛部と、前記各前輪脚部同士の間に収容され、上方に開口する開口部より荷物を本体部内に収納する収納用バスケットとが設けられており、
前記腰掛部は、その左右両側に沿って延びる左右の腰掛フレームを備え、この各腰掛フレームの基端がそれぞれ前記各縦筒フレームに回転自在に支持されている一方、
前記収納用バスケットは、その後面の左右両側端を支持しつつ前記開口部に向かって上方へ延びる左右の上下フレームを備え、この各上下フレームの上端がそれぞれ前記各腰掛フレームの先端部に回転自在に支持されているとともに、
前記収納用バスケットは、前記各前輪脚部に一端が回転自在に支持された左右のアームを備え、この各アームの他端が前記各上下フレームに回転自在に支持されており、
前記各アームの他端が前記各上下フレームの上端部に回転自在に支持され、
前記各アームの一端から他端までの長さは、前記各腰掛フレームの基端から前記各上下フレームの上端との支持点までの長さよりも若干短い長さに設定されていることを特徴とする手押し車。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態に係る手押し車を図面に基づいて説明する。
【0024】
図1は本発明の実施の形態に係る手押し車を開脚した状態で腰掛部を格納位置に変換した姿勢を斜め前方から視た斜視図、
図2は手押し車を側方から視た側面図、
図3は手押し車を閉脚した状態で側方から視た側面図、
図4は手押し車を正面から視た正面図をそれぞれ示している。この
図1〜
図4では、小径筒部を大径筒部に対して固定する小径筒部固定部材及び筒状キャップを取り外している。
【0025】
図1〜
図4に示すように、この手押し車Aは、シルバーカーとして用いられ、左右一対の前輪脚部11,11と、左右一対の後輪脚部12,12と、ハンドルフレーム13と、左右一対の縦筒フレーム14,14と、を備えている。
【0026】
左右の前輪脚部11,11は、それぞれの下端に回転自在に支持された前輪15を備えている。一方、左右の後輪脚部12,12は、それぞれの下端に回転自在に支持された後輪16を備えている。また、左右の後輪脚部12,12の下端部には、各後輪16をそれぞれ制動するブレーキ17が回動自在に支持されている。
【0027】
ハンドルフレーム13は、略コの字状のハンドル21と、このハンドル21の両端(図では下端)を下方から支持する左右のハンドル支柱部22,22とで構成されている。ハンドル21は、その底部(図では上端部)を左右方向に延びるハンドル部材23と、このハンドル部材23の左右両側にそれぞれ設けられた左右一対のブレーキレバー(図示せず)と、この左右のブレーキレバーにより操作される左右一対のブレーキ操作ワイヤー(図示せず)とを備えている。各ブレーキレバーは、その操作時にブレーキ操作ワイヤーを介してブレーキ17を回動させて後輪16を制動するようになっている。
【0028】
また、左右のハンドル支柱部22,22は、小径筒部24と、この小径筒部24を内壁面でガイドしながらスライド自在に支持する大径筒部25とを備えている。小径筒部24及び大径筒部25は、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、又は鉄鋼等を押出成形したパイプから形成され、小径筒部24が真円形状であるのに対し、大径筒部25が楕円形状となっている。
【0029】
左右の縦筒フレーム14,14は、硬質のナイロン樹脂により成形され、内周面が各ハンドル支柱部22の大径筒部25の外周面と略一致する楕円形状に形成されている。左右の縦筒フレーム14,14は、その上端同士の間を左右方向へ延びる上側横筒フレーム26によって連結されている。この上側横筒フレーム26は、断面略円環状に形成されている。また、左右の縦筒フレーム14,14は、その下端同士の間を左右方向へ延びる下側横筒フレーム27によって連結されている。この下側横筒フレーム27は、断面略トラック形状に形成されている。
【0030】
左右の縦筒フレーム14,14には、その上端部において互いに対向する左右方向内方向きにそれぞれ突出する上側筒片141,141と、下端部において互いに左右方向内方向きにそれぞれ突出する下側筒片142,142とが設けられている。そして、各上側筒片141の内周面は、上側横筒フレーム26の外周面と一致する形状に形成され、上側横筒フレーム26の左右両端を挿通させた状態でビスによって止着している。また、各下側筒片142の内周面は、下側横筒フレーム27の外周面と一致する形状に形成され、下側横筒フレーム27の左右両端を挿通させた状態でビスによって止着している。上側横筒フレーム26及び下側横筒フレーム27は、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、又は鉄鋼等を押出成形したパイプから形成されている。
【0031】
そして、左右の縦筒フレーム14,14は、上側横筒フレーム26及び下側横筒フレーム27によって略矩形枠状の枠体ベース2として形成されている。この枠体ベース2の各縦筒フレーム14には、左右のハンドル支柱部22,22の大径筒部25がそれぞれ上下方向にスライド自在に挿通されている。そして、左右のハンドル支柱部22,22の大径筒部25の下端部は、各縦筒フレーム14の下端より下方へ突出している。
【0032】
また、枠体ベース2の左右の縦筒フレーム14,14の下端部には、それぞれ前方へ突出する枢支部としての略矩形状の支持プレート143が一体的に突設されている。この各支持プレート143の下部には、前輪脚部11の上端部の後端が枢支部としての左右方向へ延びる軸144を介してそれぞれ回動自在に枢支されている。左右の前輪脚部11,11の上端部には、その後端より前方へ延びる前方延設部111が設けられている。また、枠体ベース2の各縦筒フレーム14の下端部には、それぞれ左右方向外方へ膨出する枢支部としての支持部145が一体的に設けられている。この各支持部145には、後輪脚部12の上端部が枢支部としての左右方向へ延びる軸146を介してそれぞれ回動自在に枢支されている。
【0033】
左右の前輪脚部11,11は、その上下方向の略中間位置でそれぞれ左右個別のリンク機構31,31を介して左右の後輪脚部12,12の上下方向の略中間位置に連結されている。各リンク機構31は、それぞれ第1リンク板311と、第2リンク板312と、連結軸313とを備えている。第1リンク板311は、一端が前輪脚部11の第1リンク枢支軸32に軸支され、他端が連結軸313を介して第2リンク板312の他端に連結されている。第2リンク板312は、一端が後輪脚部12の第2リンク枢支軸33に軸支されている。連結軸313には、大径筒部25の下端が枢支されている。すなわち、各前輪脚部11及び各後輪脚部12は、各縦筒フレーム14に対する大径筒部25の上方へのスライド移動によって連結軸313が上側に動かされ、
図2に示す使用状態である開脚位置になる一方、各縦筒フレーム14に対する大径筒部25の下方へのスライド移動によって連結軸313が下側に動かされ、
図3に示す折り畳み状態である閉脚位置になるように各リンク機構31によって連動して回動する。
【0034】
図5は手押し車Aのハンドル支柱部22のスライドロックピンによるロック状態を概略的に説明する断面図、
図6は手押し車Aの大径筒部25をその軸線方向から見た平面図をそれぞれ示している。この
図5及び
図6において、大径筒部25の内周面には、その長径方向一側において小径筒部24をスライド自在にガイドする一対のガイド突条251,251が突設されている。この小径筒部24と大径筒部25内の長径方向他側との間には、隙間252が形成されるようになっている。
【0035】
図7は手押し車Aの小径筒部24と大径筒部25とのスライド固定状態を概略的に説明する断面図を示している。この
図7にも示すように、小径筒部24の長手方向つまり上下方向には、3対の第1ピン挿通孔241(
図7では一対のみ示す)が穿設されている。
【0036】
各大径筒部25の下端部は、一対の第2ピン挿通孔253,253と、1つの上部ロックピン挿通孔254と、1つの下部ロックピン挿通孔255とを備えている。
【0037】
一対の第2ピン挿通孔253,253は、大径筒部25の中心を通らず、大径筒部25の上端においてその中心軸が小径筒部24の中心軸に直交するように穿設されている。そして、大径筒部25は、小径筒部24をスライドさせて、第2ピン挿通孔253の位置に、小径筒部24の3対のうちのいずれかの一対の第1ピン挿通孔241を一致させて第1ピン挿通孔241を介して一方の第2ピン挿通孔241から他方の第2ピン挿通孔253まで後述する小径筒部固定ピン362を貫通させることによって小径筒部24を上下動しないように固定できる。すなわち、ハンドル21を上下3段階のいずれかの高さ位置に固定できるようになっている。
【0038】
上部ロックピン挿通孔254は、前輪脚部11,11及び後輪脚部12,12が正常な閉脚位置となったとき、後述するスライドロックピン281のピン先端部289が挿通されて隙間252内に入り込んで大径筒部25がスライドロックされる位置に穿設されている。また、下部ロックピン挿通孔255は、各前輪脚部11及び各後輪脚部12が正常な開脚位置となったとき、スライドロックピン281のピン先端部289が挿通されて隙間252内に入り込んで大径筒部25がスライドロックされる位置に穿設されている。
【0039】
各前輪脚部11の下端同士は、その両者11,11間を左右方向へ延びる第1脚連結部34によって連結されている。各前輪15は、前輪脚部11の軸線回りに回転可能なキャスター輪となっている。また、各後輪脚部12は、その両者12,12間を左右方向へ延びる第2脚連結部35によって連結されている。各後輪16は、後輪脚部12の軸線回りに回転不能な固定輪となっている。
【0040】
そして、各第1リンク板311及び各第2リンク板312の回動によって左右の前輪脚部11,11及び後輪脚部12,12を開閉動作させる。
【0041】
大径筒部25には、小径筒部24を大径筒部25に対してスライド不可状態に固定する小径筒部固定部材36が設けられている。この小径筒部固定部材36は、
図7に示すように、大径筒部25に弾性変形しつつ嵌合される合成樹脂からなる略Cの字形をした部材本体361と、小径筒部固定ピン362とを備えている。そして、小径筒部固定部材36は、部材本体361を大径筒部25の上端部に弾性変形しつつ外側から嵌合するとともに、小径筒部固定ピン362を一方の第2ピン挿通孔253から一致した一対の第1ピン挿通孔241を介して他方の第2ピン挿通孔253まで貫通させることによって、小径筒部24を大径筒部25に対してスライド不可状態に固定するようになっている。
【0042】
小径筒部固定部材36は、外側に筒状キャップ37が嵌め込まれている。すなわち、筒状キャップ37は、小径筒部24に遊嵌されていて、上記のように装着された小径筒部固定部材36の上方から大径筒部25側に向かって押し下げることによって小径筒部固定部材36の部材本体361に外嵌されている。
【0043】
また、筒状キャップ37は、上記のように部材本体361に外嵌された状態で、その周壁に設けられた係止孔371に小径筒部固定ピン362の先端が係合され、上方への離脱が防止されている。さらに、筒状キャップ37は、上部ロック位置規制突部の働きをするようになっていて、各前輪脚部11及び各後輪脚部12が閉脚状態にあるとともに、後述するスライドロックピン281のピン先端部289と大径筒部25の上部ロックピン挿通孔254とが一致した状態となったとき、各縦筒フレーム14の上端に当接するようになっている。
【0044】
各縦筒フレーム14は、少なくとも各前輪脚部11及び各後輪脚部12を開脚位置にして前輪15及び後輪16を水平面に設置した状態で、各縦筒フレーム14の筒軸中心と水平面との傾斜が大径筒部25の下端部での中途部付近との屈曲角に一致するように設けられている。すなわち、各縦筒フレーム14によって大径筒部25がガイドされることによって、当該各大径筒部25の下端部がその筒中心軸を鉛直方向に保ちながら上下にスライドするようになっている。
【0045】
図8は手押し車Aの上側横筒フレーム26及びスライドロックピンの分解斜視図、
図9は上側横筒フレーム26のスライドロックピン付近の背面図、
図10は上側横筒フレーム26の斜視図をそれぞれ示している。
図8〜
図10において、上側横筒フレーム26は、各前輪脚部11及び各後輪脚部12を開脚位置と閉脚位置とに開閉させる開閉機構を備えている。この開閉機構は、上側横筒フレーム26の内部に収容された左右一対のスライドロックピン281,281と、固定レバー282と、ピン操作レバー283とを備えている。また、開閉機構は、上側横筒フレーム26に内装され、かつ各スライドロックピン281を左右方向外方に向かって付勢するコイルバネ284を備えている。更に、上側横筒フレーム26には、左右一対の第1長孔261,261が穿設されている。
【0046】
固定レバー282は、上側横筒フレーム26にねじ285により固定されている。また、開閉機構は、上側横筒フレーム26に対し回動自在に外嵌される円筒部286を備え、この円筒部286には、略ハの字形の左右一対の第2長孔287,287が穿設されている。また、ピン操作レバー283は、第2長孔287及び第1長孔261を介してスライドロックピン281に対しねじ288によってねじ込まれている。
【0047】
すなわち、2つのスライドロックピン281,281は、上側横筒フレーム26内のコイルバネ284によって常にピン先端部289を上側横筒フレーム26外に突出する方向に付勢されている。
【0048】
そして、ピン操作レバー283が固定レバー282方向に押圧されると、ねじ288が第2長孔287の傾斜によって第1長孔261に沿って
図9の矢印方向に動き、スライドロックピン281,281が後退する。この後退によって、
図5に二点鎖線で示すように、ピン先端部289が上側横筒フレーム26側に入り込んで、下部ロックピン挿通孔255(又は上部ロックピン挿通孔254)周縁への係合が解除され、大径筒部25が上下方向にスライド可能になる。また、ピン操作レバー283への押圧が解除された状態で、ピン先端部289が下部ロックピン挿通孔255(又は上部ロックピン挿通孔254)の位置にあれば、下部ロックピン挿通孔255(又は上部ロックピン挿通孔254)に入り込んで大径筒部25をスライドロック状態とする。
【0049】
図11は腰掛部を着座位置に変換した姿勢を斜め前方から視た手押し車Aの斜視図、
図12は手押し車Aを側方から視た側面図、
図13は手押し車Aを正面から視た正面図をそれぞれ示している。この
図11〜
図13では、小径筒部24を大径筒部25に対して固定する小径筒部固定部材36及び筒状キャップ37を取り外している。
【0050】
図11〜
図13にも示すように、左右の縦筒フレーム14,14同士の間には、疲れた際に着座可能な腰掛部41が設けられている。この腰掛部41は、各縦筒フレーム14の支持プレート143の上部に基端が左右方向へ延びる軸421を介してそれぞれ回転自在に支持された左右の腰掛フレーム42,42を備えている。各腰掛フレーム42は、左右両側に沿って延び、その先端同士を連結する腰掛先端フレーム422と、各腰掛フレーム42の長手方向略中間部同士を連結する腰掛連結フレーム423とを備えている。そして腰掛部41は、各縦筒フレーム14の前方でその各縦筒フレーム14に沿って起立する格納位置(
図1〜
図4に示す位置)と、各前輪脚部11の上端部の前方延設部111に沿って前方に倒伏する着座可能な着座位置(
図11〜
図13に示す位置)とに変換される。この場合、腰掛部41が着座位置に変換されたとき、各腰掛フレーム42が前方延設部111に当接して変換姿勢が保持されるようにしてもよい。
【0051】
また、各前輪脚部11同士の間には、後述する収納用バスケット52を取り付けるためのバスケットフレーム43が収容されている。このバスケットフレーム43は、収納用バスケット52の後面の左右両側端を支持しつつ開口部520(後述する)に向かって上方へ延び、かつその上端が各腰掛フレーム42の先端部付近に左右方向へ延びる軸431を介してそれぞれ回転自在に支持された左右の上下フレーム432,432を備えている。各上下フレーム432の下端には、前後方向へ延びる左右の前後フレーム433,433の後端がそれぞれ一体的に取り付けられている。この各前後フレーム433の前端には、左右方向へ延びる前端フレーム434の左右両端がそれぞれ一体的に取り付けられている。また、各上下フレーム432の上端部同士の間には、左右方向へ延びる上端フレーム435の左右両端がそれぞれ連結されているとともに、各上下フレーム432の下端(各前後フレーム433の後端)同士の間には、左右方向へ延びる下端フレーム436の左右両端がそれぞれ連結されている。
【0052】
更に、各上下フレーム432の上端部における上端フレーム435との連結点よりも若干下側に位置する下側位置と、各縦筒フレーム14の下端部における支持プレート143の下部との間には、それぞれアーム44が設けられている。この各アーム44は、各上下フレーム432の上端部の下側位置に対し左右方向へ延びる軸441を介して一端(
図1では上端)が回転自在に支持されているとともに、他端(
図1では下端)が各縦筒フレーム14下端部の支持プレート143の下部の軸144に回転自在に支持されている。
【0053】
また、左右の支持プレート143,143のうちの一方(図では右側)の支持プレート143には、上下の軸421,441により固着されて上方へ突出するステー45が設けられている。このステー45の先端(上端)には、拘束具40が設けられている。この拘束具40は、左右の腰掛フレーム42,42のうちの一方(図では右側)の腰掛フレーム42の基部より外方へ突出するピン451と、ステー45に左右方向へ延びる軸453を介して回転自在に支持され、ピン451に対し係脱自在に係合するフック452とを備えている。このフック452は、図示しないコイルスプリングによってピン451に対する係合方向へ付勢され、軸453よりも後方へ突出する操作部454によって、ピン451に対する係脱操作が行えるようにしている。
【0054】
図14は手押し車Aに腰掛カバー及び収納用バスケットを取り付けた状態で腰掛部41を格納位置に変換した姿勢を斜め前方から視た斜視図、
図15は手押し車Aを側方から視た側面図、
図16は手押し車Aを閉脚して側方から視た側面図、
図17は手押し車Aを正面から視た正面図をそれぞれ示している。また、
図18は手押し車Aを開脚して腰掛部41を着座位置に変換した姿勢を斜め前方から視た斜視図、
図19は手押し車Aを側方から視た側面図、
図20は手押し車Aを正面から視た正面図をそれぞれ示している。この
図14〜
図20では、小径筒部24を大径筒部25に対して固定する小径筒部固定部材36及び筒状キャップ37を取り外している。
【0055】
図14〜
図20に示すように、腰掛部41は、各腰掛フレーム42、腰掛先端フレーム422及び腰掛連結フレーム423を被覆する腰掛カバー51を備えている。腰掛カバー51は、合板等の板材からなる芯材が樹脂シート等からなる化粧シートで覆われて形成されている。腰掛カバー51の裏面側には、腰掛カバー51の先端側部分とで袋状をなす先端側カバー材511が取り付けられ、腰掛先端フレーム422をその先端側から各腰掛フレーム42の先端部と共に覆っている。また、腰掛カバー51の裏面側には、その基端より延設された基端側カバー材(図示せず)が取り付けられている。この基端側カバー材は、下側横筒フレーム27に巻き掛けてスナップボタン(図示せず)により取り付けられ、腰掛先端フレーム422及び各腰掛フレーム42の先端部からの先端側カバー材511の離脱を防止している。
【0056】
バスケットフレーム43には、上方に開口する開口部520より荷物を本体部521内に収納する収納用バスケット52が取り付けられている。この収納用バスケット52は、人工皮革、又は樹脂シートの表面を覆う布材等の可撓性材料よりなる。収納用バスケット52には、開口部520の背面上縁より前方へ延設された蓋体522が設けられ、図示しないマジックテープ(登録商標)により本体部521に係止されている。また、収納用バスケット52には、開口部520の背面上縁より後方へ延設された上縁カバー材523が設けられている。この上縁カバー材523は、上端フレーム435に巻き掛けてスナップボタン(図示せず)により取り付けられている。
【0057】
また、収納用バスケット52の下面には、収納用バスケット52とで袋状をなす前端側カバー材524が取り付けられ、前端フレーム434をその前方から各前後フレーム433と共に覆っている。また、収納用バスケット52の下面には、その後端より延設された後端側カバー材525が取り付けられている。この後端側カバー材525の前端は、下端フレーム436を下方から通して前端側カバー材524の後端にスナップボタン(図示せず)により取り付けられ、前端フレーム434からの前端側カバー材524の離脱を防止している。
【0058】
ここで、手押し車Aの使用方法について説明する。
【0059】
先ず、使用者は、
図1及び
図14に示す左右の前輪脚部11,11と左右の後輪脚部12,12とが開脚状態となった使用状態においては、ハンドル21を持ちながら歩行する。
【0060】
次いで、荷物などは蓋体522を開放し、収納用バスケット52の本体部521内に開口部520より収容する。
【0061】
そして、不使用状態の場合には、ピン操作レバー283を下方の固定レバー282側に押して、左右のスライドロックピン281,281を後退させてピン先端部289の上部ロックピン挿通孔254への挿通を解除し、ハンドル21を押し下げる。なお、押し下げ途中ではピン操作レバー283への押圧は解除しておく。
上記のようにハンドル21を押し下げることによって、小径筒部24及び大径筒部25が連動して下方へ押し下げられ、連結軸313も下方へ押し下げられる。連結軸313が押し下げられると、第1リンク板311及び第2リンク板312の連結軸313側が下方に移動するように、第1リンク板311が第1リンク枢支軸32を中心に回動し、第2リンク板312が第2リンク枢支軸33を中心に回動する。
【0062】
そして、
図3及び
図17に示すように、第1リンク板311及び第2リンク板312の回動によって、前輪脚部11が軸144を中心に後輪脚部12側に、後輪脚部12が軸146を中心に前輪脚部11側にそれぞれ回動して閉脚状態となる。
筒状キャップ37の下端が縦筒フレーム14の上端に当たるまで押し下げられると、ピン先端部289が下部ロックピン挿通孔255に一致してコイルバネ284の付勢力によって下部ロックピン挿通孔255を介して隙間252内に入り込み、閉脚状態にロックされる。
【0063】
更に、閉脚状態から開脚状態にする場合には、ピン操作レバー283を下方の固定レバー282側に押して、スライドロックピン281を後退させてピン先端部289の下部ロックピン挿通孔255への挿通を解除し、ハンドル21を引き上げる。なお、引き上げ途中ではピン操作レバー283への押圧は解除しておく。
上記のようにハンドル21を引き上げることによって、小径筒部24及び大径筒部25が連動して上方へ引き上げられ、連結軸313も上方へ引き上げられる。連結軸313が引き上げられると、第1リンク板311及び第2リンク板312の連結軸313側が上方に移動するように、第1リンク板311が第1リンク枢支軸32を中心に回動し、第2リンク板312が第2リンク枢支軸33を中心に回動する。
【0064】
そして、
図2及び
図15に示すように、第1リンク板311及び第2リンク板312の回動によって、前輪脚部11が軸144を中心に後輪脚部12から離れる方向に、後輪脚部12が軸146を中心に前輪脚部11から離れる方向にそれぞれ回動して開脚状態となる。
縦筒フレーム14が押し上げられると、ピン先端部289が上部ロックピン挿通孔254に一致してコイルバネ284の付勢力によって上部ロックピン挿通孔254を介して隙間252内に入り込み、開脚状態にロックされる。
【0065】
また、使用者の身長や身体的特徴に合うように、開脚位置でのハンドル21の高さ位置を調節する場合、筒状キャップ37をハンドル21側にスライドさせて、小径筒部固定部材36を外部に露出させる。その後、部材本体361を持って小径筒部固定ピン362を引き抜き、小径筒部24を大径筒部25に対しスライド可能にする。そして、ハンドル21が所望の高さになるいずれか一対の第1ピン挿通孔241を第2ピン挿通孔253に一致する位置までを小径筒部24を大径筒部25に対してスライドさせ、小径筒部固定部材36で再び小径筒部24がスライドしないように固定し、筒状キャップ37を押し下げて小径筒部固定部材36の外側に嵌合する。
【0066】
更に、歩行に疲れたときには、ブレーキレバーを操作し、ブレーキ17によって後輪16をロック状態にしておき、
図18〜
図20に示すように、操作部454の操作によってコイルスプリングの付勢力に抗してフック452をピン451に対し離脱させることで、腰掛部41は、各腰掛フレーム42がその基端の軸421回りに回転して着座位置に変換され、着座可能となる。
【0067】
このとき、収納用バスケット52は、腰掛部41が格納位置に変換されると、開口部520を上方向きに開口させた状態でバスケットフレーム43の各上下フレーム432に沿って本体部521を上下方向へ延ばした姿勢で配置されている。一方、腰掛部41が格納位置から着座位置に変換されると、開口部520を上方向きに開口させた状態で各上下フレーム432に沿って本体部521が上下方向へ延びた姿勢で配置されている。
【0068】
また、バスケットフレーム43は、各腰掛フレーム42の回転に連動して当該各腰掛フレーム42の先端部付近の軸431回りに回転し、各アーム44によって各上下フレーム432の上端部の下側位置を若干後方へ引き寄せながら下方へ移動し、本体部521を上下方向へ延ばしつつ前傾気味の姿勢となるように収納用バスケット52を移動させている。このとき、各上下フレーム432の上端が腰掛部41の先端から基端側寄りに離間した位置で各腰掛フレーム42に支持されているので、腰掛部41が着座位置に変換されたときに当該腰掛部41によって開口部520の略三分の一程度の開口面積を塞いでいる。
【0069】
このように、収納用バスケット52は、各縦筒フレーム14の支持プレート143の上部に軸421を介して基端が支持された各腰掛フレーム42の先端部に軸431を介して上端が回転自在に支持された各上下フレーム432に対し本体部521を沿わせて取り付けられ、各上下フレーム432の上端部の下側位置に、各縦筒フレーム14下端部の支持プレート143の下部の軸144を介して他端が回転自在に支持されたアーム44の一端が軸441を介して回転自在に支持されている。この場合、各アーム44の一端から各上下フレーム432の上端部に支持される他端までの長さが、各腰掛フレーム42の基端から各上下フレーム432の上端との支持点までの長さよりも若干短い長さに設定されている。
【0070】
このため、収納用バスケット52は、腰掛部41が格納位置に変換されると、開口部520を上方向きに開口させた状態で各上下フレーム432に沿って本体部521が上下方向へ延びた姿勢で配置される。一方、腰掛部41が格納位置から着座位置に変換されると、各腰掛フレーム42の回転に連動して回転する各上下フレーム432の上端部の下側位置を各アーム44によって若干後方へ引き寄せながら下方へ移動し、開口部520を上方向きに開口させた状態で本体部521を上下方向へ延ばしつつ前傾気味の姿勢で収納用バスケット52を移動させる。これにより、収納用バスケット52の姿勢が、腰掛部41の格納位置と着座位置との間でほとんど変更されずに本体部521が常時上下方向へ延びた姿勢で配置されることになり、本体部521内に収納した荷物の横倒しを防止し、型くずれし易い荷物や漏れが危惧される荷物などを本体部521内に安心して収納することができる。
【0071】
しかも、各上下フレーム432の上端部における下側位置と各縦筒フレーム14の支持プレート143の下部との間のアーム44によって、バスケットフレーム43の上下フレーム432上端の軸431回りの回転が規制され、収納用バスケット52を姿勢保持する上で非常に有利なものとなる。
【0072】
また、各上下フレーム432の上端を腰掛部41の先端から基端側寄りに離間した位置で各腰掛フレーム42に支持し、腰掛部41が着座位置に変換されたときに開口部520の略三分の一程度の開口面積が塞がれているので、腰掛部41を着座位置に変換した際に開口部520の略三分の一程度の開口面積が腰掛部41によって塞がれて収納用バスケット52が着座時に邪魔になり難いものとなり、安定した着座姿勢を取ることができる上、収納用バスケット52の大型化を図ることもできる。
【0073】
また、各アーム44の一端から各上下フレーム432の上端部に支持される他端までの長さが、各腰掛フレーム42の基端から各上下フレーム432の上端との支持点までの長さよりも若干短い長さに設定されているので、腰掛部41を格納位置から着座位置に変換する際に各アーム44が各上下フレーム432の上端部の下側位置を若干後方へ引き寄せて、本体部521を上下方向へ延ばした僅かな前傾姿勢で配置することができる。
【0074】
更に、腰掛部41を格納位置に変換したときに各腰掛フレーム42のうちの一方を回転不能に拘束する拘束具40が縦筒フレーム14下端部の一方の支持プレート143のステー45に設けられているので、腰掛部41を格納位置に確実に拘束することができる上、収納用バスケット52も姿勢保持されて開口部520から本体部521内への荷物の出し入れを円滑に行うことができる。
【0075】
なお、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その他種々の変形例を包含している。例えば、前記実施の形態では、小径筒部24を真円形状とし、大径筒部25を楕円形状としたが、
図21及び
図22に示すように、小径筒部61の周壁に軸方向に連続する断面円弧状の凹部611を形成する一方、大径筒部62を断面真円形状に形成し、凹部611と大径筒部62の内壁面との間に軸方向に連続する隙間63を形成するようにしてもよい。そして、
図21において、622は上部ロックピン挿通孔及び下部ロックピン挿通孔のいずれか一方を示し、
図22において、613は一対の第1ピン挿通孔、621は一対の第2ピン挿通孔を示している。この一対の第2ピン挿通孔621,621は、凹部611に交差せず、大径筒部62の上端にその中心軸が大径筒部62の中心軸に直交するように穿設されている。
【0076】
また、本実施の形態では、各上下フレーム432の上端部における下側位置と各縦筒フレーム14の支持プレート143の下部との間にそれぞれアーム44,44を設けたが、各アームは必ずしも必要なものではなく、バスケットフレーム43の上下フレーム432の上端が軸431を介して腰掛部41の各腰掛フレーム42にのみ支持されていてもよい。
【0077】
また、本実施の形態では、各上下フレーム432の上端を腰掛部41の先端から基端側寄りに離間した位置で各腰掛フレーム42に支持し、腰掛部41が着座位置に変換されたときに当該腰掛部41によって開口部520の略三分の一程度の開口面積を塞いだが、腰掛部41が着座位置に変換されたときに当該腰掛部41によって開口部520の開口面積をもう少し多め、例えば開口部520の略半分程度の開口面積が塞がれるようにしてもよい。
【0078】
また、本実施の形態では、左右の支持プレート143,143のうちの一方の支持プレート143に設けたステー45の先端に拘束具40を設けたが、左右の支持プレート143,143の双方にステーを設け、その各ステーの先端にそれぞれ拘束具が設けられていてもよい。この場合には、腰掛部を格納位置により確実に拘束することができる上、収納用バスケットも確実に姿勢保持されて開口部から本体部内への荷物の出し入れを安心して円滑に行うことができる。
【0079】
また、本実施の形態では、ハンドル21の高さを3段階で変更できるようにしたが、ハンドルの高さが2段階又は4段以上に変更できるようにしていてもよい。
【0080】
更に、本実施の形態では、手押し車Aをシルバーカーとして用いたが、ショッピングカー等の手押し車であってもよい。
【0081】
また、本実施の形態では、バスケットフレーム43を、各アーム44によって各上下フレーム432の上端部の下側位置を若干後方へ引き寄せながら下方へ移動させ、本体部521を上下方向へ延ばしつつ前傾気味の姿勢となるように収納用バスケット52を移動させたが、バスケットフレームを、各アームによって各上下フレームの上端部の下側位置を若干前方へ突き放しながら下方へ移動させ、本体部521を上下方向へ延ばしつつ後傾気味の姿勢となるように収納用バスケットを移動させるようにしてもよい。
【0082】
更に、本実施の形態では、各前輪脚部11及び各後輪脚部12を、各縦筒フレーム14に対する大径筒部25の上下方向へのスライド移動に連動して開脚位置と閉脚位置とに回動させたが、各前輪脚部及び各後輪脚部の開脚位置と閉脚位置との回動が、各縦筒フレームに対する大径筒部の上下方向へのスライド移動に連動して行われるようにする必要がなく、各縦筒フレームに対する大径筒部の折曲動作に連動して各前輪脚部及び各後輪脚部が開脚位置と閉脚位置とに回動するようにしていてもよい。また、各縦筒フレームに対する大径筒部の動作と、各前輪脚部及び各後輪脚部の開脚位置と閉脚位置との回動動作とが、連動することなくそれぞれ個別に行われるようにしていてもよい。