【文献】
DOMINICK M. A.,SUBACUTE TOXICITY OF A NOVEL INHIBITOR OF ACYL-COA: 以下省略,FUNDAMENTAL AND APPLIED TOXICOLOGY,米国,SOCIETY OF TOXICOLOGY,1993年 2月 1日,V20 N2,P217-224
【文献】
Toxicol. Appl. Pharmacol., 1993, Vol.118, No.1, pp.30-38
【文献】
Int. J. Oncol., 1999, Vol.14, No.1, pp.133-138
【文献】
Treat. Endocrinol., 2002, Vol.1, No.2, pp.79-94
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
患者における副腎皮質癌腫を処置するための組成物であって、該組成物は、治療上有効な量のN−(2,6−ビス(1−メチルエチル)フェニル)−N’−((1−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)シクロペンチル)−メチル)ウレアヒドロクロリドを含む、組成物。
患者における転移性副腎皮質癌腫を処置するための組成物であって、該組成物は、治療上有効な量のN−(2,6−ビス(1−メチルエチル)フェニル)−N’−((1−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)シクロペンチル)−メチル)ウレアヒドロクロリドを含む、組成物。
患者における先天性副腎過形成を処置するための組成物であって、該組成物は、治療上有効な量のN−(2,6−ビス(1−メチルエチル)フェニル)−N’−((1−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)シクロペンチル)−メチル)ウレアヒドロクロリドを含む、組成物。
患者における21−ヒドロキシラーゼ欠損症を処置するための組成物であって、該組成物は、治療上有効な量のN−(2,6−ビス(1−メチルエチル)フェニル)−N’−((1−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)シクロペンチル)−メチル)ウレアヒドロクロリドを含む、組成物。
患者における副腎皮質腫瘍サイズを縮小するための組成物であって、有効量のN−(2,6−ビス(1−メチルエチル)フェニル)−N’−((1−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)シクロペンチル)−メチル)ウレアヒドロクロリドを含む、組成物。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(詳細な説明)
(定義)
本明細書で使用される場合、「処置」とは、異常な副腎皮質細胞活性と関連する障害の進行を遅らせるかもしくは停止させるための治療的適用、異常な副腎皮質細胞活性と関連する障害の発生を防止するための予防的適用、ならびに異常な副腎皮質細胞活性と関連する障害の逆転を含む。障害の逆転は、逆転させる方法で障害の進行が完全に停止されるのみならず、細胞の挙動がある程度まで、異常な副腎皮質細胞活性の非存在下で認められる正常な状態へと向かって動かされるという点で、障害を遅らせるかもしくは停止させる治療的適用とは異なる。
【0022】
本明細書で使用される場合、「異常な副腎皮質細胞挙動」とは、ホルモン生成の増大、良性腺腫、副腎皮質癌腫、転移性副腎皮質癌腫、先天性副腎過形成、アルドステロン症(コン症候群を含む)、片側アルドステロン生成腺腫、両側副腎過形成(もしくは特発性アルドステロン症(IHA))、レニン応答性腺腫、原発性副腎過形成およびグルココルチコイド反応性アルドステロン症(GRA)、および21−ヒドロキシラーゼ欠損症を含む。よって、「異常な副腎皮質細胞活性と関連する障害」は、直接的もしくは間接的のいずれでも、異常な副腎皮質細胞挙動から生じる症状および/もしくは状態を意味するために、本明細書で使用される。本明細書で明らかになるように、直接的もしくは間接的のいずれでも、異常な副腎皮質細胞挙動から生じるこれら症状および/もしくは状態は、非常に多い。本明細書で使用される場合、「副腎皮質(adrenocortical)」および「副腎皮質(adrenal cortex)」は、同じものを意味することが意図される。
【0023】
本明細書で使用される場合、「クッシング症候群」は、高レベルのコルチゾールへの身体組織の長時間の曝露によって引き起こされるホルモン障害を意味する。クッシング症候群は、ときおり、「コルチコイド過剰症」(過剰なコルチゾール生成)といわれる。クッシング症候群は、上記疾患の種々のサブタイプを含み、上記サブタイプとしては、クッシング病、副腎性クッシング症候群、および異所性ACTH症候群が挙げられ、コルチコイド過剰症の原因によって分類されている。クッシング病(下垂体性クッシング病としても公知)は、過剰なACTHを分泌する(続いて、このことから副腎が刺激されて、より多くのコルチゾールが作られる)下垂体腫瘍によって引き起こされる。異所性ACTH症候群は、ACTHを生成し得る(このことから、コルチゾール生成が刺激される)下垂体の外側に生じる腫瘍によって引き起こされる。副腎性クッシング症候群は、過剰なコルチゾール分泌を引き起こす副腎の異常(通常は、副腎腫瘍)によって引き起こされる。
【0024】
本明細書で使用される場合、語句「転移性癌」とは、身体の他の領域に拡がる可能性を有するかもしくは拡がり始めた癌として定義される。
【0025】
本明細書で使用される場合、語句「治療上有効な量」とは、ある疾患もしくは状態を処置、改善もしくは防止するか、または検出可能な治療効果もしくは予防効果を示すための治療剤の量に言及する。上記効果は、例えば、腫瘍サイズの縮小によって検出される。その効果はまた、例えば、化学的マーカーもしくは抗原レベルによって検出される。治療効果はまた、身体的症状の低下(例えば、体温の低下)を含む。被験体に対する正確な有効量は、被験体の大きさおよび健康状態、状態の性質および程度、投与のために選択される治療剤もしくは治療剤の組み合わせ、ならびに当業者に公知の他の変数に依存する。所定の状況に関する有効量は、慣用的な実験によって決定され、臨床医の判断の範囲内である。
【0026】
「プロドラッグ」とは、代表的には、それ自体はほとんどもしくは全く薬理学的活性を有しないが、被験体に投与した際に、例えば、エステル部分のような連結の加水分解もしくは代謝的切断によって、活性薬物を放出し得る化合物である。
【0027】
(方法)
異常な副腎皮質細胞活性と関連する障害を処置するための方法が本明細書で提供される。種々の局面において、異常な副腎皮質細胞活性と関連する障害の進行を遅らせるかもしくは停止させるための方法もまた、提供される。種々の局面において、異常な副腎皮質細胞活性と関連する障害を予防するための方法もまた、提供される。種々の局面において、異常な副腎皮質細胞活性と関連する障害を逆転するための方法もまた、提供される。
【0028】
本開示に従う方法はまた、進行を遅らせるかもしくは停止させること、異常な副腎皮質細胞挙動と関連する症状を防止するもしくは逆転することを含む。
【0029】
(処置)
種々の局面において、患者におけるホルモン生成の増大を処置するための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0030】
種々の局面において、患者における良性腺腫を処置するための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0031】
種々の局面において、患者における副腎皮質癌腫を処置するための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0032】
種々の局面において、患者における転移性副腎皮質癌腫を処置するための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0033】
種々の局面において、患者における先天性副腎過形成を処置するための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0034】
種々の局面において、患者におけるクッシング症候群を処置するための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0035】
種々の局面において、患者における過剰なコルチゾール生成を処置するための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する
種々の局面において、患者における過剰なコルチゾール生成と関連する症状を処置するための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0036】
種々の局面において、患者におけるアルドステロン症を処置するための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0037】
種々の局面において、患者におけるコン症候群を処置するための方法が提供され、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0038】
種々の局面において、患者における片側アルドステロン生成腺腫を処置するための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0039】
種々の局面において、患者における両側副腎過形成(もしくは特発性アルドステロン症(IHA))を処置するための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0040】
種々の局面において、患者におけるレニン応答性腺腫を処置するための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0041】
種々の局面において、患者における原発性副腎過形成を処置するための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0042】
種々の局面において、患者におけるグルココルチコイド反応性アルドステロン症(GRA)を処置するための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0043】
種々の局面において、患者における21−ヒドロキシラーゼ欠損症を処置するための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0044】
種々の局面において、患者における副腎皮質腫瘍サイズを縮小するための方法が提供され、上記方法は、有効量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0045】
種々の局面において、患者における異常な副腎ホルモン生成を阻害するための方法が提供され、上記方法は、上記方法は、ホルモン生成を阻害するために有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0046】
(進行を遅らせるかもしくは停止させること)
種々の局面において、患者におけるホルモン生成の増大の進行を遅らせるかもしくは停止させるための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0047】
種々の局面において、患者における良性腺腫の進行を遅らせるかもしくは停止させるための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0048】
種々の局面において、患者における副腎皮質癌腫の進行を遅らせるかもしくは停止させるための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0049】
種々の局面において、患者における転移性副腎皮質癌腫の進行を遅らせるかもしくは停止させるための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0050】
種々の局面において、患者におけるクッシング症候群の進行を遅らせるかもしくは停止させるための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0051】
種々の局面において、患者における過剰なコルチゾール生成の進行を遅らせるかもしくは停止させるための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0052】
種々の局面において、患者における過剰なコルチゾール生成と関連する症状の進行を遅らせるかもしくは停止させるための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0053】
種々の局面において、患者における先天性副腎過形成の進行を遅らせるかもしくは停止させるための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0054】
種々の局面において、患者におけるアルドステロン症の進行を遅らせるかもしくは停止させるための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0055】
種々の局面において、患者におけるコン症候群の進行を遅らせるかもしくは停止させるための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0056】
種々の局面において、患者における片側アルドステロン生成腺腫の進行を遅らせるかもしくは停止させるための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0057】
種々の局面において、患者における両側副腎過形成(もしくは特発性アルドステロン症(IHA))の進行を遅らせるかもしくは停止させるための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0058】
種々の局面において、患者におけるレニン応答性腺腫の進行を遅らせるかもしくは停止させるための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0059】
種々の局面において、患者における原発性副腎過形成の進行を遅らせるかもしくは停止させるための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0060】
種々の局面において、患者におけるグルココルチコイド反応性アルドステロン症(GRA)の進行を遅らせるかもしくは停止させるための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0061】
種々の局面において、患者における21−ヒドロキシラーゼ欠損症の進行を遅らせるかもしくは停止させるための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0062】
(予防すること)
種々の局面において、患者におけるホルモン生成の増大を予防するための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0063】
種々の局面において、患者における良性腺腫を予防するための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0064】
種々の局面において、患者における副腎皮質癌腫を予防するための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0065】
種々の局面において、患者における転移性副腎皮質癌腫を予防するための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0066】
種々の局面において、患者におけるクッシング症候群を予防するための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0067】
種々の局面において、患者における過剰なコルチゾール生成を予防するための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0068】
種々の局面において、患者における過剰なコルチゾール生成と関連する症状の進行を予防するための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0069】
種々の局面において、患者における先天性副腎過形成を予防するための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0070】
種々の局面において、患者におけるアルドステロン症を予防するための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0071】
種々の局面において、患者におけるコン症候群を予防するための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0072】
種々の局面において、患者における片側アルドステロン生成腺腫を予防するための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0073】
種々の局面において、患者における両側副腎過形成(もしくは特発性アルドステロン症(IHA))を予防するための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0074】
種々の局面において、患者におけるレニン応答性腺腫を予防するための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0075】
種々の局面において、患者における原発性副腎過形成を予防するための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0076】
種々の局面において、患者におけるグルココルチコイド反応性アルドステロン症(GRA)を予防するための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0077】
種々の局面において、患者における21−ヒドロキシラーゼ欠損症を予防するための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0078】
(逆転させること)
種々の局面において、患者におけるホルモン生成を逆転させるための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0079】
種々の局面において、患者における良性腺腫を逆転させるための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0080】
種々の局面において、患者における副腎皮質癌腫を逆転させるための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0081】
種々の局面において、患者における転移性副腎皮質癌腫を逆転させるための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0082】
種々の局面において、患者におけるクッシング症候群を逆転させるための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0083】
種々の局面において、患者における過剰なコルチゾール生成を逆転させるための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0084】
種々の局面において、患者における先天性副腎過形成を逆転させるための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0085】
種々の局面において、患者におけるアルドステロン症を逆転させるための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0086】
種々の局面において、患者におけるコン症候群を逆転させるための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0087】
種々の局面において、患者における片側アルドステロン生成腺腫を逆転させるための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0088】
種々の局面において、患者における両側副腎過形成(もしくは特発性アルドステロン症(IHA))を逆転させるための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0089】
種々の局面において、患者におけるレニン応答性腺腫を逆転させるための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0090】
種々の局面において、患者における原発性副腎過形成を逆転させるための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0091】
種々の局面において、患者におけるグルココルチコイド反応性アルドステロン症(GRA)を逆転させるための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0092】
種々の局面において、患者における21−ヒドロキシラーゼ欠損症を逆転させるための方法が提供され、上記方法は、治療上有効な量のATR−101を上記患者に投与する工程を包含する。
【0093】
(化合物)
本開示の方法において有用な化合物は、種々の局面において、副腎皮質細胞において休止状態を誘導するものを含む。種々の局面において、化合物および方法は、副腎幹細胞を死滅させない。種々の局面において、本開示の化合物および方法は、上記副腎皮質細胞を選択的に除去する。種々の局面において、本開示の化合物は、副腎皮質細胞中のシトクロムCオキシダーゼ(Complex IV)の酵素活性を阻害し、そして/または標的副腎皮質細胞の呼吸を選択的に阻害する。種々の局面において、本開示の化合物および方法は、副腎皮質細胞における(および副腎皮質細胞からの)ホルモン生成を調節する。
【0094】
一実施形態において、本開示の方法は、PD132301もしくはPD132301−2(N−(2,6−ビス(1−メチルエチル)フェニル)−N’−((1−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)シクロペンチル)−メチル)ウレアヒドロクロリド;PD−132301−2;PD 132301−2;尿素, N−(2,6−ビス(1−メチルエチル)フェニル)−N’−((1−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−シクロペンチル)メチル)−, モノヒドロクロリド)と称されるアシル−コエンザイムA:コレステロールO−アシルトランスフェラーゼ(ACAT; EC 2.3.1.26)のインヒビターを利用する。PD132301のプロドラッグ、ならびにその塩もまた、企図される。以下の構造によって示されるとおり、上記遊離塩基のモノヒドロクロリド塩は、本明細書で「ATR−101」といわれる。
【0095】
【化1】
ATR−101は、当該分野で公知の技術によって((例えば、) Trivedi, B.K.ら、J. Med. Chem., 37(11):1652−1659, 1994および/もしくは米国特許第5,015,644号によって開示される手順によって)作製され得る。上記モノヒドロクロリド塩に加えて、他の企図される塩形態としては、生物学的有効性を保持し、かつ生物学的にも他の点でも望ましくないものではなく、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などが挙げられるが、これらに限定されない)ともしくは有機酸(例えば、酢酸、2,2−ジクロロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、樟脳酸、カンファー−10−スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、炭酸、ケイ皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチジン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グルタル酸、2−オキソ−グルタル酸、グリセロリン酸、グリコール酸、馬尿酸、イソ酪酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、オレイン酸、オロチン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、プロピオン酸、ピログルタミン酸、ピルビン酸、サリチル酸、4−アミノサリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、酒石酸、チオシアン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、ウンデシレン酸などが挙げられるが、これらに限定されない)と形成される塩が挙げられる。
【0096】
(試験)
本発明の方法もしくは化合物の標的となる患者集団が、慣用的な試験を介して同定されることは、当該分野で理解される。一実施形態において、標的患者は、副腎皮質刺激ホルモン(ACTHレベル)が低いかもしくは抑制されている、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)レベルが低いか抑制されている、アルドステロンレベルが高い、コルチゾールレベルが高い、および/もしくはカリウムレベルが低い者として同定される。
【0097】
高レベルのコルチゾールに関しては、コルチゾールがDHEAおよびプロゲステロンを抑制し得ることは、当該分野で公知である。それはまた、甲状腺活性を抑制する。コルチゾールは、骨からカルシウムを動員させ得、それを血流の中へと戻して循環させる。種々の局面において、過剰なコルチゾールは、骨の喪失、従って、骨粗鬆症を引き起こし得る。過剰なコルチゾールは、免疫系を抑制し得、疾患(寄生生物性疾患およびウイルス性疾患が挙げられる)を引き起こし得る。例えば、カンジダおよび寄生生物性の状態は、高コルチゾールによって引き起こされ得る。なぜなら過剰なコルチゾールは、抗生物質がそうするように、都合の良いことには細菌を破壊するからである。高コルチゾールはまた、血糖を上昇させ、このことから、糖尿病状態を開始し得るか、または悪化させ得る。従って、腹部領域まわりの重量増加は、ストレス誘導性高コルチゾールから一般的なものである。
【0098】
上昇したコルチゾールは、傷の付きやすさ、不十分な筋緊張もしくは筋消耗、不十分な創傷治癒、薄い皮膚、皮膚線条、過剰な瘢痕組織、脂肪パッドの発生、慢性的な酵母感染、皮膚の加齢の加速、ぶくぶくしてたるんだ皮膚、水分の滞留、満月様顔貌、記憶喪失および一般認知(学習)能力の喪失、ならびに/または気分変動が現れ得る。コルチゾールもしくは他の副腎ホルモン生成の増大を示唆する症状としては、背側の首の直ぐ下にある脂肪がついて丸くなった高さのあるこぶ(バッファロー瘤)、肥満、身長の成長の妨げ(低身長)、男性的特徴の出現(体毛(特に、顔面部)、陰毛、ざ瘡の増大、声の低音化を含む)を含む男性化が挙げられる。
【0099】
(共治療(Co−therapy))
提供される方法は、第2の治療剤(既知の化学療法剤、標的化因子、副腎分解因子(adrenalysis agents)、メトホルミン、エベロリムス、および/もしくはIGF1Rアンタゴニストが挙げられる)の投与による共治療を企図する。共治療を含む方法はまた、放射線治療の使用を含む。
【0100】
(臨床試験レジメン)
企図される方法は、臨床試験において、現在含まれるか、以前含まれていたか、または将来的に含まれると予測される他の処置法との組み合わせでの化合物の使用を含む。
【0101】
例えば、3週間にわたって1日に4回経口で化合物とミトタンの投与を含む方法が提供される。そのレジメンは、2日間で6時間のシスプラチン注入、ならびに1週間めに3日間で1時間のエトポシド注入および2日間でドキソルビシン注入を含む。G−CSFは、1週間めに始まって血球数が正常に戻るまで1日に1回投与されるか、または1週間めに1回ペグフィルグラスチムの注射が投与される。
【0102】
根治的切除を受けたかもしくは今後受ける患者における化合物とミトタンの使用を含む方法が提供される。
【0103】
本開示の化合物と経口ソラフェニブ400mg p.o. bid+静脈内パクリタキセル60mg/mq/週 i.v.とを含む方法が企図される。
【0104】
化合物とアンチネオプラストンとを投与することを含む方法が提供される。いくつかの局面において、ステージIV 副腎癌の処置のための方法が企図される。
【0105】
侵襲性のもしくは他の点で処置不能な副腎皮質癌腫を有する個体において化合物とアキシチニブとを投与するための方法もまた、企図される。
【0106】
本開示の化合物とスニチニブもしくはテムシロリムスとを利用する方法が企図される。化合物の投与とスニチニブヒドロキシクロロキン投与を含む方法もまた、企図される。
【0107】
本開示の化合物およびドビチニブ(TKI−258)を利用する方法もまた企図され、5日間オン/2日間オフの予定で500mg/日の一定のスケールで投与される。
【0108】
本開示の化合物と腫瘍がある場合に腹部もしくは腹腔の内層に注射される抗体8H9を利用する方法もまた、企図される。腫瘍に放射線を送達するために放射性ヨウ素がこの抗体に結合され得る方法もまた、企図される。
【0109】
(化学療法剤/放射線治療剤)
適切な化学療法剤および放射線治療剤の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:代謝拮抗物質;DNA損傷因子;化学療法剤として有用なサイトカイン;共有結合性DNA結合薬;トポイソメラーゼインヒビター;抗有糸分裂因子;抗腫瘍抗生物質;分化因子;アルキル化剤;メチル化剤;ホルモンもしくはホルモンアンタゴニスト;ナイトロジェンマスタード;放射線増感剤;光増感剤;線源(必要に応じて、放射線増感剤もしくは光増感剤とともに);または他の一般に使用される治療剤。
【0110】
使用が企図される化学療法剤としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:アルキル化剤(ナイトロジェンマスタード(例えば、メクロレタミン(mechlor−ethamine)、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファランおよびクロラムブシル)を含む);ニトロソウレア(例えば、カルムスチン(BCNU)、ロムスチン(CCNU)、およびセムスチン(メチル−CCNU));エチレンイミン/メチルメラミン(例えば、トリエチレンメラミン(thriethylenemelamine)(TEM)、トリエチレン、チオホスホルアミド(チオテパ)、ヘキサメチルメラミン(HMM,アルトレタミン));アルキルスルホネート(例えば、ブスルファン);トリアジン(例えば、ダカルバジン(DTIC));代謝拮抗物質(葉酸アナログ(例えば、メトトレキサートおよびトリメトレキサート)、ピリミジンアナログ(例えば、5−フルオロウラシル、フルオロデオキシウリジン、ゲムシタビン、シトシンアラビノシド(AraC, シタラビン)、5−アザシチジン、2,2’−ジフルオロデオキシシチジン、プリンアナログ(例えば、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、アザチオプリン、2’−デオキシコホルマイシン(ペントスタチン)、エリスロヒドロキシノニルアデニン(EHNA)、リン酸フルダラビンおよび2−クロロデオキシアデノシン(クラドリビン, 2−CdA)を含む);天然の生成物(抗有糸分裂薬(例えば、パクリタキセル、ビンカ・アルカロイド(ビンブラスチン(VLB)、ビンクリスチン、およびビノレルビン)、タキソテール、エストラムスチン、およびリン酸エストラムスチンが挙げられる);エピポドフィロトキシン(例えば、エトポシドおよびテニポシド);抗生物質(例えば、アクチノマイシンD、ダウノマイシン(ルビドマイシン)、ドキソルビシン、ミトキサントロン、イダルビシン、ブレオマイシン、プリカマイシン(ミトラマイシン)、マイトマイシンC、およびアクチノマイシン);酵素(例えば、L−アスパラギナーゼ);生物学的応答改変因子(例えば、インターフェロン−α、IL−2、G−CSFおよびGM−CSF);その他の因子(白金配位化合物(例えば、シスプラチン、Pt(IV)およびカルボプラチン)、アントラセンジオン(例えば、ミトキサントロン、置換されたウレア(例えば、ヒドロキシウレア、N−メチルヒドラジン(MIH)およびプロカルバジンを含むメチルヒドラジン誘導体、副腎皮質抑制剤(例えば、ミトタン(o,p’−DDD)およびアミノグルテチミド)を含む);ホルモンおよびアンタゴニスト(副腎皮質ステロイドアンタゴニスト(例えば、プレドニゾンおよび等価物)、デキサメタゾンおよびアミノグルテチミドを含む);プロゲスチン(例えば、ヒドロキシプロゲステロンカプロエート、メドロキシプロゲステロンアセテートおよび酢酸メゲストロール);エストロゲン(例えば、ジエチルスチルベストロールおよびエチニルエストラジオール等価物);抗エストロゲン(例えば、タモキシフェン);アンドロゲン(プロピオン酸テストステロンおよびフルオキシメステロン/等価物を含む);抗アンドロゲン(例えば、フルタミド、性腺刺激ホルモン放出ホルモンアナログおよびロイプロリド);ならびに非ステロイド性抗アンドロゲン(例えば、フルタミド)。
【0111】
いくつかの実施形態において、化学療法剤は、共投与されるかもしくは共処方され、ここで上記化学療法剤は、以下からなる群より選択される:5−フルオロウラシル(5−FU)、アドリアマイシン、ダクチノマイシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、シスプラチン、アシビシン;アクラルビシン;塩酸アコダゾール;アクロニン;アドゼレシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アンボマイシン(ambomycin);酢酸アメタントロン;アミノグルテチミド;アムサクリン;アナストロゾール;アントラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン(asperlin);アザシチジン;アゼテパ;アゾトマイシン(azotomycin);バチマスタット;ベンゾデパ;ビカルタミド;塩酸ビサントレン;ビスナフィドジメシレート;ビゼレシン;硫酸ブレオマイシン;ブレキナルナトリウム;ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン;カルステロン;カラセミド;カルベチマー(carbetimer);カルボプラチン;カルムスチン;塩酸カルビシン;カルゼレシン;セデフィンゴール;クロラムブシル;シロレマイシン(cirolemycin);クラドリビン;クリスナトールメシレート;シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;塩酸ダウノルビシン;デシタビン;デキソルマプラチン;デザグアニン;デザグアニンメシレート;ジアジコン;ドキソルビシン;塩酸ドキソルビシン;ドロロキシフェン;クエン酸ドロロキシフェン;プロピオン酸ドロモスタノロン;デュアゾマイシン(duazomycin);エダトレキサート;塩酸エフロルニチン(eflomithine hydrochloride);エルサミトルシン;エンロプラチン;エンプロマート;エピプロピジン;塩酸エピルビシン;エルブロゾール;塩酸エソルビシン;エストラムスチン;リン酸エストラムスチンナトリウム;エタニダゾール;エトポシド;リン酸エトポシド;エトプリン;塩酸ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フロクスウリジン;リン酸フルダラビン;フルオロウラシル;フルオロシタビン;ホスキドン;ホストリエシンナトリウム;ゲムシタビン;塩酸ゲムシタビン;ヒドロキシウレア;塩酸イダルビシン;イホスファミド;イルモホシン;インターロイキンII(組換えインターロイキンII、もしくはrIL2を含む)、インターフェロンβ−2a;インターフェロンβ−2b;インターフェロンβ−n1;インターフェロンβ−n3;インターフェロンβ−Ia;インターフェロンβ−Ib;イプロプラチン;塩酸イリノテカン;酢酸ランレオチド;レトロゾール;酢酸ロイプロリド;塩酸リアロゾール;ロメトレキソールナトリウム;ロムスチン;塩酸ロソキサントロン;マソプロコール;メイタンシン;塩酸メクロレタミン;酢酸メゲストロール;酢酸メレンゲストロール;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキサート;メトトレキサートナトリウム;メトプリン;メツレデパ;ミチンドミド;ミトカルシン(mitocarcin);ミトクロミン(mitocromin);ミトギリン(mitogillin);ミトマルシン(mitomalcin);マイトマイシン;ミトスペル(mitosper);ミトタン;塩酸ミトキサントロン;ミコフェノール酸;ノコダゾール;ノガラマイシン;オルマプラチン;オキシスラン;ペグアスパルガーゼ;ペリオマイシン;ペンタムスチン;硫酸ペプロマイシン;ペルホスファミド;ピポブロマン;ピポスルファン;塩酸ピロキサントロン;プリカマイシン;プロメスタン;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン;塩酸プロカルバジン;ピューロマイシン;塩酸ピューロマイシン;ピラゾフリン;リボプリン;ログレチミド;サフィンゴール;塩酸サフィンゴール;セムスチン;シムトラゼン;スパルホサートナトリウム;スパルソマイシン;塩酸スピロゲルマニウム;スピロムスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェヌル;タリソマイシン;テコガランナトリウム(tecogalan sodium);テガフール;塩酸テロキサントロン;テモポルフィン;テニポシド;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン(tirapazamine);クエン酸トレミフェン;酢酸トレストロン;リン酸トリシリビン;トリメトレキサート;グルクロン酸トリメトレキサート;トリプトレリン;塩酸ツブロゾール;ウラシルマスタード;ウレデパ;バプレオチド;ベルテポルフィン;硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;硫酸ビンデシン;硫酸ビネピジン;硫酸ビングリシナート;硫酸ビンロイロシン;酒石酸ビノレルビン;硫酸ビンロシジン;硫酸ビンゾリジン;ボロゾール;ゼニプラチン;ジノスタチン;および塩酸ゾルビシン。
【0112】
他の化学療法剤としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:20−エピ−1,25 ジヒドロキシビタミンD3;5−エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノール;アドゼレシン;アルデスロイキン;ALL−TKアンタゴニスト;アルトレタミン;アンバムスチン;アミドックス;アミホスチン;アミノレブリン酸;アムルビシン;アナグレリド;アンドログラホリド;脈管形成インヒビター;アンタゴニストD;アンタゴニストG;アンタレリックス;抗背側化形態形成タンパク質(anti−dorsalizing morphogenetic protein)−1;抗アンドロゲン、前立腺癌腫;抗エストロゲン;アンチネオプラストン;アンチセンスオリゴヌクレオチド;アフィジコリングリシナート;アポトーシス遺伝子調節因子;アポトーシス調節因子;アプリン酸;ara−CDP−DL−PTBA;アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン;アタメスタン;アトリムスチン;アキシナスタチン(axinastatin)1;アキシナスタチン2;アキシナスタチン3;アザセトロン;アザトキシン;アザチロシン;バッカチンIII誘導体;バラノール;バチマスタット;BCR/ABLアンタゴニスト;ベンゾクロリン;ベンゾイルスタウロスポリン;βラクタム誘導体;β−アレチン;ベタクラマイシンB;ベツリン酸;bFGFインヒビター;ビカルタミド;ビサントレン;ビスアジリジニルスペルミン;ビスナフィド;ビストラテンA;ビゼレシン;ブレフラート;ブロピリミン;ブドチタン;ブチオニンスルホキシミン;カルシポトリオール;カルホスチンC;カンプトテシン誘導体;カナリポックスIL−2(canarypox IL−2);カペシタビン;カルボキサミド−アミノ−トリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaRest M3;CARN 700;軟骨由来インヒビター;カルゼレシン;カゼインキナーゼインヒビンター(ICOS);カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリックス;クロリン(chlorlns);クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;cis−ポルフィリン;クラドリビン;クロミフェンアナログ;クロトリマゾール;コリスマイシンA;コリスマイシンB;コンブレタスタチンA4;コンブレタスタチンアナログ;コナゲニン;クランベシジン816;クリスナトール;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA誘導体;クラシンA;シクロペンタントラキノン(cyclopentanthraquinones);シクロプラタム(cycloplatam);シペマイシン;シタラビンオクホスファート;細胞溶解因子;シトスタチン;ダクリキシマブ;デシタビン;デヒドロジデムニンB;デスロレリン;デキサメタゾン;デキシホスファミド(dexifosfamide);デクスラゾキサン;デクスベラパミル;ジアジクオン;ジデムニンB;ジドックス;ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ−5−アザシチジン;9−ジオキサマイシン;ジフェニルスピロムスチン;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドロロキシフェン;ドロナビノール;デュオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン;エデルホシン;エドレコロマブ;エフロミチン(eflomithine);エレメン;エミテフル;エピルビシン;エプリステリド;エストラムスチンアナログ;エストロゲンアゴニスト;エストロゲンアンタゴニスト;エタニダゾール;リン酸エトポシド;エキセメスタン;ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチム;フィナステリド;フラボピリドール;フレゼラスチン;フルアステロン;フルダラビン;塩酸フルオロダウノルビシン(fluorodaunorunicin hydrochloride);ホルフェニメクス;ホルメスタン;ホストリエシン;ホテムスチン;ガドリニウムテキサフィリン;硝酸ガリウム;ガロシタビン;ガニレリクス;ゼラチナーゼインヒビター;ゲムシタビン;グルタチオンインヒビター;ヘプスルファム;ヘレグリン(heregulin);ヘキサメチレンビスアセトアミド;ヒペリシン;イバンドロン酸;イダルビシン;イドキシフェン;イドラマントン;イルモホシン;イロマスタット;イミダゾアクリドン(imidazoacridones);イミキモド;免疫刺激ペプチド;インスリン様増殖因子−1レセプターインヒビター;インターフェロンアゴニスト;インターフェロン;インターロイキン;イオベングアン;ヨードドキソルビシン;イポメアノール, 4−;イロプラクト(iroplact);イルソグラジン;イソベンガゾール(isobengazole);イソホモハリコンドリンB(isohomohalicondrin B);イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラリドF;ラメラリン−N トリアセテート;ランレオチド;レイナマイシン;レノグラスチム;硫酸レンチナン;レプトルスタチン;レトロゾール;白血病阻害因子;白血球αインターフェロン;ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン;リュープロレリン;レバミゾール;リアロゾール;直鎖状ポリアミンアナログ;親油性ジサッカリドペプチド;親油性白金化合物;リッソクリナミド7;ロバプラチン;ロンブリシン;ロメトレキソール;ロニダミン;ロソキサントロン;ロバスタチン;ロキソリビン;ルルトテカン;ルテチウムテキサフィリン;リソフィリン(lysofylline);溶解性ペプチド(lytic peptides);マイタンシン;マンノスタチンA;マリマスタット;マソプロコール;マスピン(maspin);マトリリシンインヒビター;マトリクスメタロプロテイナーゼインヒビター;メノガリル;メルバロン;メテレリン;メチオニナーゼ(methioninase);メトクロプラミド;MIFインヒビター;ミフェプリストン;ミルテホシン;ミリモスチム;ミスマッチ二本鎖RNA;ミトグアゾン;ミトラクトール;マイトマイシンアナログ;ミトナフィド;マイトトキシン(mitotoxin)線維芽細胞増殖因子−サポリン;ミトキサントロン;モファロテン;モルグラモスチム;モノクローナル抗体,ヒト絨毛性ゴナドトロピン;モノホスホリルリピドA+マイコバクテリウム(myobacterium)細胞壁sk;モピダモール;多剤耐性遺伝子インヒビター;多重腫瘍抑制因子(multiple tumor suppressor)1ベースの治療;マスタード抗癌剤;ミカペルオキシドB;マイコバクテリウム細胞壁抽出物;ミリアポロン;N−アセチルジナリン;N置換ベンズアミド;ナファレリン;ナグレスチップ(nagrestip);ナロキソン+ペンタゾシン;ナパビン(napavin);ナフテルピン;ナルトグラスチム;ネダプラチン;ネモルビシン;ネリドロン酸(neridronic acid);中性エンドペプチダーゼ;ニルタミド;ニサマイシン;一酸化窒素調節因子;ニトロキシド抗酸化剤;ニトルリン(nitrullyn);06−ベンジルグアニン;オクトレオチド;オキセノン;オリゴヌクレオチド;オナプリストン;オンダンセトロン;オラシン;経口サイトカイン誘導因子;オルマプラチン;オサテロン;オキサリプラチン;オキサウノマイシン;パラウアミン;パルミトイルリゾキシン;パミドロン酸;パナキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン;パゼリプチン;ペグアスパルガーゼ;ペルデシン;ペントサンポリ硫酸ナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール(pentrozole);ペルフルブロン;ペルホスファミド;ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;フェニルアセテート;ホスファターゼインヒビター;ピシバニル;塩酸ピロカルピン;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチン(placetin)A;プラセチンB;プラスミノゲンアクチベーターインヒビター;白金錯体;白金化合物;白金−トリアミン錯体;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニゾン;プロピル ビス−アクリドン;プロスタグランジンJ2;プロテアソームインヒビター;プロテインAベースの免疫調節因子;プロテインキナーゼCインヒビター;プロテインキナーゼCインヒビター、微細藻類;プロテインチロシンホスファターゼインヒビター;プリンヌクレオシドホスホリラーゼインヒビター;プルプリン;ピラゾロアクリジン;ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレン結合体(pyridoxylated hemoglobin polyoxyethylene conjugate);rafアンタゴニスト;ラルチトレキセド;ラモセトロン;rasファルネシルプロテイントランスフェラーゼインヒビター;rasインヒビター;ras−GAPインヒビター;脱メチル化レテリプチン(retelliptine demethylated);レニウムRe 186エチドロネート;リゾキシン;リボザイム;RIIレチナミド;ログレチミド;ロヒツキン;ロムルチド;ロキニメクス;ルビギノンB1;ルボキシル;サフィンゴール;サイントピン;SarCNU;サルコフィトールA;サルグラモスチム;Sdi 1摸倣物;セムスチン;老化由来インヒビター(senescence derived inhibitor)1;センスオリゴヌクレオチド;シグナル伝達インヒビター;シグナル伝達調節因子;一本鎖抗原結合タンパク質;シゾフラン;ソブゾキサン;ナトリウムボロカプテート(sodium borocaptate);フェニル酢酸ナトリウム;ソルベロール(solverol);ソマトメジン結合タンパク質;ソネルミン;スパルホス酸;スピカマイシンD;スピロムスチン;スプレノペンチン;スポンギスタチン1;スクアラミン;幹細胞インヒビター;幹細胞分裂インヒビター;スチピアミド;ストロメリシンインヒビター;スルフィノシン;スーパーアクティブ血管作用性腸ペプチドアンタゴニスト;スラジスタ(suradista);スラミン;スワインソニン;合成グリコサミノグリカン;タリムスチン;タモキシフェンメチオジド;タウロムスチン;タザロテン;テコガランナトリウム(tecogalan sodium);テガフール;テルラピリリウム(tellurapyrylium);テロメラーゼインヒビター;テモポルフィン;テモゾロミド;テニポシド;テトラクロロデカオキシド;テトラゾミン;タリブラスチン;チオコラリン;トロンボポエチン;トロンボポエチン摸倣物;チマルファシン;チモポエチン(thymopoietin)レセプターアゴニスト;チモトリナン;甲状腺刺激ホルモン;エチルエチオプルプリンスズ;チラパザミン;二塩化チタノセン;トプセンチン;トレミフェン;全能性幹細胞因子(totipotent stem cell factor);翻訳インヒビター;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビン;トリメトレキサート;トリプトレリン;トリピセトロン;ツロステリド;チロシンキナーゼインヒビター;チルホスチン;UBCインヒビター;ウベニメクス;尿生殖洞由来増殖阻害因子;ウロキナーゼレセプターアンタゴニスト;バプレオチド;バリオリンB;ベクター系、赤血球遺伝子治療;ベラレソール;ベラミン(veramine);ベルジン(verdin);ベルテポルフィン;ビノレルビン;ビンキサルチン(vinxaltine);ビタキシン;ザノテロン;ジラスコルブ;およびジノスタチンスチマラマー。
【0113】
(サイトカイン)
癌増殖および転移を阻害するのに有効なサイトカインはまた、組み合わせ治療での使用について企図される。このようなサイトカイン、リンホカイン、もしくは他の造血因子としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:M−CSF、GM−CSF、TNF、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13、IL−14、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18、IFN−αもしくはIFN−γ、TNFα、TNF1、TNF2、G−CSF、Meg−CSF、GM−CSF、SCF、MIP−1、LIF、c−kitリガンド、トロンボポエチン、幹細胞因子、およびエリスロポエチン。
【0114】
(共起刺激化合物)
他の刺激分子との共治療を含む方法がまた、企図される。刺激分子としては、CD40、B7−1、B7−2、CD54、ICAMファミリーのメンバー(ICAM−1、−2、もしくは−3が挙げられる)、CD58、SLAMリガンド、熱安定性抗原を結合するポリペプチド、TNFレセプターファミリーのメンバーに結合するポリペプチド(4−1BBL、TRAF−1、TRAF−2、TRAF−3、OX40L、TRAF−5、CD70が挙げられるが、これらに限定されない)、CD 154、ケモカイン(CCL3、CCL5 CXCL10およびCCL7が挙げられるが、これらに限定されない)が挙げられる。
【0115】
(投与)
(標準ケア)
いくつかの実施形態において、本明細書で記載される方法は、上記被験体に癌治療の標準ケアを施す工程をさらに包含する。本発明の方法の状況において、「標準ケア」とは、あるタイプの病気と診断されたあるタイプの患者に関して臨床医によって一般に受容される処置をいう。
【0116】
(投与経路)
上記化合物は、全身もしくは局所のいずれかで、任意の適切な手段によって(非経口、皮下、肺内、筋肉内、経口、および鼻内を介するものが挙げられる)投与される。非経口経路としては、静脈内、動脈内、硬膜外、および髄腔内投与が挙げられる。種々の局面において、上記化合物は、パルス注入によって投与される。他の投与法が企図され、局所、特に、経皮、経粘膜、直腸、経口もしくは局部投与が挙げられる。
【0117】
(薬学的組成物/処方物)
本開示の別の局面は、ある状態を処置するための薬学的組成物を提供する。本開示のさらに別の局面では、ATR−101および第2の治療剤を単位用量において含む組成物が提供される。
【0118】
Remington’s Pharmaceutical Sciences 16th edition, Osol, A. Ed. (1980)に記載されるとおりの1種以上の他の薬学的に受容可能な成分は、これらが上記処方物の所望の特性に悪影響を及ぼさないことを条件として、上記処方物中に含まれる。薬学的組成物の処方例としては、液剤、懸濁剤、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、ロゼンジ、チュアブル錠(chews)、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、リポソーム調製物、ナノ粒子状調製物、注射用調製物、浣腸、坐剤、吸入用散剤、スプレー可能な液体、エアロゾル、パッチ、デポーおよびインプラントが挙げられるが、これらに限定されない。種々の局面において、薬学的組成物である処方物は、錠剤もしくはカプセル剤の形態にある。錠剤は、種々の局面において、被覆されていないか、あるいは例えば、非機能性フィルムまたは放出改変もしくは腸溶性コーティングで被覆されているコアを含む。種々の局面において、カプセル剤は、例えば、ゼラチンおよび/もしくはHPMCを、必要に応じて、1種以上の可塑剤と一緒に含む硬質もしくは軟質の殻を有する。凍結乾燥処方物もしくは水性溶液が企図される。徐放性処方物もまた、提供される。
【0119】
提供される薬学的組成物の種々の成分は、選択される投与経路および所望の送達法に依存する。
【0120】
(キャリア)
適切なキャリアは、上記化合物と組み合わされた場合、活性を保持しかつ上記被験体の免疫系と反応しない任意の物質を含む。例としては、多くの標準的な薬学的キャリアが挙げられるが、これらに限定されない。種々の水性キャリアが企図され、これらとしては、水、緩衝化された水、生理食塩水、0.4% 食塩水、および0.3% グリシンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0121】
(安定化剤)
種々の局面において、薬学的組成物である処方物は、安定性の増強のためのタンパク質(例えば、アルブミン、リポタンパク質およびグロブリンが挙げられるが、これらに限定されない)を含む。
【0122】
(希釈剤)
種々の局面において、薬学的組成物である処方物は、個々にもしくは組み合わせのいずれかで(例えば、無水ラクトースおよびラクトース一水和物を含むラクトース;ラクチトール;マルチトール;マンニトール;ソルビトール;キシリトール;デキストロースおよびデキストロース一水和物;フルクトース;スクロースおよびスクロースベースの希釈剤(例えば、圧縮糖(compressible sugar)、粉糖および糖スフェア(sugar sphere);マルトース;イノシトール;加水分解穀類固形物(hydrolyzed cereal solid);デンプン(例えば、コーンスターチ、コムギデンプン、コメデンプン、ジャガイモデンプン、タピオカデンプンなど)、デンプン成分(例えば、アミロースおよびデキストレート(dextrate))、および改変もしくは加工デンプン(例えば、α化デンプン));デキストリン;セルロース(粉末化セルロース、微結晶性セルロース、ケイ化微結晶性セルロース、食品グレードの供給源のα−セルロースおよび無定形セルロースならびに粉末化セルロース、ならびに酢酸セルロースが挙げられる);カルシウム塩(炭酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム二水和物、硫酸カルシウム一水和物、硫酸カルシウムおよび顆粒状乳酸カルシウム三水和物が挙げられる);炭酸マグネシウム;酸化マグネシウム;ベントナイト;カオリン;塩化ナトリウム;などが挙げられるが、これらに限定されない)希釈剤を含む。
【0123】
希釈剤は(存在するのであれば)、代表的には、上記組成物の重量で、合計約5%〜約99%、約10%〜約85%、もしくは約20%〜約80%を構成する。選択される希釈剤は、適切な流動特性、および錠剤が所望であれば、圧縮性を示す。
【0124】
(結合剤)
種々の局面において、薬学的組成物である処方物は、特に、上記組成物が錠剤の形態にある場合に、有用な賦形剤である結合剤もしくは接着剤を含む。このような結合剤および接着剤は、通常の加工操作(例えば、サイジング、滑沢化(lubrication)、圧縮および包装)を可能にするために、錠剤中に処方されているブレンドに十分な粘着を付与するべきであるが、服用の際に錠剤が崩壊しかつ上記化合物が吸収されることをなお可能にする。適切な結合剤および接着剤としては、個々にもしくは組み合わせにおいて、以下が挙げられる:アカシア;トラガカント;グルコース;ポリデキストロース;デンプン(α化デンプンが挙げられる);ゼラチン;改変セルロース(メチルセルロース、カルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCもしくはヒプロメロース)、ヒドロキシプロピル−セルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよびエチルセルロースが挙げられる);デキストリン(マルトデキストリンが挙げられる);ゼイン;アルギン酸およびアルギン酸の塩(例えば、アルギン酸ナトリウム);ケイ酸マグネシウムアルミニウム;ベントナイト;ポリエチレングリコール(PEG);ポリエチレンオキシド;ガーゴム;多糖酸(polysaccharide acid);ポリビニルピロリドン(ポビドン、例えば、ポビドンK−15、K−30およびK−29/32);ポリアクリル酸(カルボマー);ポリメタクリレート;など。1種以上の結合剤および/もしくは接着剤は(存在するのであれば)、種々の局面において、上記組成物の重量で、合計約0.5%〜約25%、例えば、約0.75%〜約15%、もしくは約1%〜約10%を構成する。
【0125】
(緩衝剤)
種々の局面において、水性薬学的組成物である上記化合物の処方物は、緩衝剤を含む。緩衝剤の例としては、アセテート(例えば、酢酸ナトリウム)、スクシネート(例えば、コハク酸ナトリウム)、グルコネート、ヒスチジン、シトレートおよび他の有機酸緩衝剤が挙げられる。上記緩衝剤濃度は、例えば、上記緩衝剤および上記処方物の所望の等張性に依存して、約1mM〜約200mM、もしくは約10mM〜約60mMであり得る。種々の局面において、水性薬学的組成物である上記化合物の処方物は、pH緩衝化溶液中、例えば、約4.5〜約8.0、もしくは約4.8〜約6.5、もしくは約4.8〜約5.5の範囲、もしくは代わりに約5.0のpHで、調製される。
【0126】
(崩壊剤)
種々の局面において、薬学的組成物である処方物は、崩壊剤を含む。
【0127】
適切な崩壊剤としては、個々にもしくは組み合わせのいずれかで、以下が挙げられる:デンプン(α化デンプンおよびデンプングリコール酸ナトリウムが挙げられる);クレイ;ケイ酸マグネシウムアルミニウム;セルロースベースの崩壊剤(例えば、粉末化セルロース、微結晶性セルロース、メチルセルロース、低置換型ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウムおよびクロスカルメロースナトリウム;アルギネート;ポビドン;クロスポビドン;ポラクリリンカリウム(polacrilin potassium);ゴム(例えば、アガー、グアール、イナゴ豆、カラヤ、ペクチンおよびトラガカントゴム);コロイド性二酸化ケイ素;など。1種以上の崩壊剤は、存在するのであれば、代表的には、上記組成物の重量で、合計約0.2%〜約30%、例えば、約0.2%〜約10%、もしくは約0.2%〜約5%を構成する。
【0128】
(湿潤剤)
種々の局面において、薬学的組成物である処方物は、湿潤剤を含む。湿潤剤は、存在するのであれば、通常、水と密に会合した状態(上記組成物のバイオアベイラビリティーを改善すると考えられる状態)の化合物を維持するように選択される。湿潤剤として使用され得る界面活性剤の非限定的な例としては、個々にもしくは組み合わせのいずれかで、以下が挙げられる:四級アンモニウム化合物(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムおよび塩化セチルピリジニウム);スルホコハク酸ジオクチルナトリウム;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(例えば、ノノキシノール9、ノノキシノール10およびオクトキシノール9);ポロキサマー(ポリオキシエチレンおよびポリオキシプロピレンブロックコポリマー);ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリドおよび油(例えば、ポリオキシエチレン(8) カプリル/カプリンモノ−グリセリドおよびジグリセリド、ポリオキシエチレン(35)ヒマシ油およびポリオキシエチレン(40)水素化ヒマシ油);ポリオキシエチレンアルキルエーテル(例えば、セテス−10、ラウレス−4、ラウレス−23、オレス−2、オレス−10、オレス−20、ステアレス−2、ステアレス−10、ステアレス−20、ステアレス−100およびポリオキシエチレン(20)セトステアリルエーテル);ポリオキシエチレン脂肪酸エステル(例えば、ポリオキシエチレン(20)ステアレート、ポリオキシエチレン(40)ステアレートおよびポリオキシエチレン(100)ステアレート);ソルビタンエステル;ポリオキシエチレンソルビタンエステル(例えば、ポリソルベート20およびポリソルベート80);プロピレングリコール脂肪酸エステル(例えば、プロピレングリコールラウレート);ラウリル硫酸ナトリウム;脂肪酸およびその塩(例えば、オレイン酸、オレイン酸ナトリウムおよびオレイン酸トリエタノールアミン);グリセリル脂肪酸エステル(例えば、グリセリルモノオレエート、グリセリルモノステアレートおよびグリセリルパルミトステアレート);ソルビタンエステル(例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノパルミテートおよびソルビタンモノステアレート);チロキサポール;など。1種以上の湿潤剤は、存在するのであれば、代表的には、上記組成物の重量で、合計で約0.25%〜約15%、好ましくは、約0.4%〜約10%、およびより好ましくは、約0.5%〜約5%を構成する。
【0129】
(滑沢剤)
種々の局面において、薬学的組成物である処方物は、滑沢剤を含む。滑沢剤は、錠剤処方物を圧縮する間、錠剤化する混合物および錠剤化装置との間の摩擦を減らす。適切な滑沢剤としては、個々にもしくは組み合わせのいずれかで、以下が挙げられる:グリセリルベヘネート;ステアリン酸およびその塩(ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムおよびステアリン酸ナトリウムを含む);水素化植物性油;グリセリルパルミトステアレート;タルク;ろう;安息香酸ナトリウム;酢酸ナトリウム;フマル酸ナトリウム;フマル酸ステアリルナトリウム;PEG(例えば、PEG 4000およびPEG 6000);ポロキサマー;ポリビニルアルコール;オレイン酸ナトリウム;ラウリル硫酸ナトリウム;ラウリル硫酸マグネシウム;など。1種以上の滑沢剤は、存在するのであれば、代表的には、上記組成物の重量で、合計で約0.05%〜約10%、例えば、約0.1%〜約8%、もしくは約0.2%〜約5%を構成する。ステアリン酸マグネシウムは、特に有用な滑沢剤である。
【0130】
(接着防止剤(anti−adherents))
種々の局面において、薬学的組成物である処方物は、接着防止剤を含む。接着防止剤は、装置表面への錠剤処方物の貼り付きを減らす。適切な接着防止剤としては、個々にもしくは組み合わせのいずれかで、以下が挙げられる:タルク、コロイド性二酸化ケイ素、デンプン、DL−ロイシン、ラウリル硫酸ナトリウムおよび金属ステアレート。1種以上の接着防止剤は、存在するのであれば、代表的には、上記組成物の重量で、合計で約0.1%〜約10%、例えば、約0.1%〜約5%、もしくは約0.1%〜約2%を構成する。
【0131】
(滑剤(glidant))
種々の局面において、薬学的組成物である処方物は、滑剤を含む。滑剤は、流動特性を改善し、錠剤化する混合物における静電気(static)を減らす。適切な滑剤としては、個々にもしくは組み合わせのいずれかで、以下が挙げられる:コロイド性二酸化ケイ素、デンプン、粉末化セルロース、ラウリル硫酸ナトリウム、三ケイ酸マグネシウムおよび金属ステアレート。1種以上の滑剤は、存在するのであれば、代表的には、上記組成物の重量で、合計で約0.1%〜約10%、例えば、約0.1%〜約5%、もしくは約0.1%〜約2%を構成する。
【0132】
(張度剤(tonicity agent))
種々の局面において、薬学的組成物である処方物は、張度剤を含む。張度剤は、安定化のために上記組成物中に含まれ得る。例示的な張度剤としては、ポリオール(例えば、マンニトール)、スクロースもしくはトレハロースが挙げられる。好ましくは、上記水性処方物は等張性であるが、高張性もしくは低張性の溶液も企図される。上記処方物中のポリオールの例示的濃度は、約1%〜約15% w/vの範囲にあり得る。
【0133】
(界面活性剤)
種々の局面において、薬学的組成物である処方物は、界面活性剤を含む。界面活性剤はまた、上記化合物の凝集を低下させるために、および/もしくは上記処方物中の粒子の形成を最小限にするために、および/もしくは吸着を低下させるために、添加され得る。例示的な界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリソルベート(例えば、ポリソルベート20もしくはポリソルベート80)またはポロキサマー(例えば、ポロキサマー188))が挙げられる。界面活性剤の例示的濃度は、約0.001%〜約0.5%、もしくは約0.005%〜約0.2%、もしくは代わりに約0.004%〜約0.01% w/vの範囲にあり得る。
【0134】
(保存剤)
種々の局面において、薬学的組成物である処方物は、1種以上の保存剤(例えば、ベンジルアルコール、フェノール、m−クレゾール、クロロブタノールおよびベンゼトニウム)を本質的に含まない。他の局面において、保存剤は、上記処方物中に、例えば、約0.1%〜約2%、もしくは代わりに約0.5%〜約1%の範囲の濃度で含まれる。
【0135】
(徐放性処方物)
徐放性薬学的組成物である処方物もまた、提供される。徐放性調製物の適切な例としては、抗体を含む固体疎水性ポリマーの半透性マトリクス(上記マトリクスは、成形物品の形態(フィルム、もしくはマイクロカプセルが挙げられるが、これらに限定されない)にある)を含む。徐放性マトリクスの例としては、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、ポリ(2−ヒドロキシエチル−メタクリレート)、もしくはポリ(ビニルアルコール))、ポリラクチド(米国特許第3,773,919号)、L−グルタミン酸とエチル−L−グルタメートとのコポリマー、非分解性エチレン−ビニルアセテート、分解性の乳酸−グリコール酸コポリマー(例えば、Lupron Depot
TM(乳酸−グリコール酸コポリマーおよび酢酸ロイプロリドから構成される注射用マイクロスフェア)、およびポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸が挙げられる。ポリマー(例えば、エチレン−ビニルアセテートおよび乳酸−グリコール酸)は、100日間超にわたって分子を放出し得る一方で、特定のヒドロゲルは、より短期間にわたってタンパク質を放出する。
【0136】
上記活性成分はまた、例えば、コアセルベーション技術によって、もしくは界面重合によって調製されるマイクロカプセル(例えば、それぞれ、ヒドロキシメチルセルロースもしくはゼラチン−マイクロカプセルおよびポリ−(メチルメタクリレート)マイクロカプセル)の中に、コロイド性薬物送達系(例えば、リポソーム、アルブミンマイクロスフェア、マイクロエマルジョン、ナノ粒子およびナノカプセル)の中に、またはマクロエマルジョンの中に、捕捉され得る。このような技術は、Remington’s Pharmaceutical Sciences 16th edition, Osol, A. Ed.(1980)で開示されている。
【0137】
(凍結乾燥処方物)
凍結乾燥処方物での薬学的組成物もまた、提供される。得られる「凍結乾燥ケーキ」は、使用前に再構成される。上記凍結乾燥ケーキの再構成には、一定容積の水性溶液(代表的には、凍結乾燥の間に除去された容積に等しい)を添加する。
【0138】
(投与量)
投与される予定の化合物の量、および他の投与パラメーター(例えば、治療の頻度および継続期間)は、使用することが意図された化合物もしくはプロドラッグ、および他の要因(例えば、投与経路、投与間隔、排出速度、上記化合物の処方、レシピエント、レシピエントの処置されている被験体の年齢、体重、性別、食餌、病歴、および全身の状態(例えば、健康状態)、上記疾患の重篤度、および/もしくは処置される予定である腫瘍のサイズ、悪性度および侵襲性に依存する。従って、上記化合物は、所望の治療効果もしくは予防効果を達成するために十分な投与量で投与され、その場その場で決定される。
【0139】
いくつかの実施形態において、上記化合物は、約1.0μg/kg〜約100mg/kg、約0.01mg/kg〜約100mg/kg、約0.01mg/kg〜約50mg/kg、約0.01mg/kg〜約30mg/kg、約0.01mg/kg〜約10mg/kg、約0.01mg/kg〜約5mg/kg、約0.05mg/kg〜約10mg/kg、約0.1mg/kg〜約200mg/kg、約0.1mg/kg〜約50mg/kg、約0.1mg/kg〜約10mg/kg、約0.5mg/kg〜約25mg/kg、約1mg/kg〜約10mg/kg、もしくは約2mg/kg〜約10mg/kgの投与量で投与される。
【0140】
投与は、応答もしくは状態、および上記治療のレシピエント寛容性に依存して、1日1回;1日に2回、3回、もしくは4回;隔日;3日ごと;または1週間に2回、3回、4回、5回、もしくは6回;1週間に1回;1ヶ月に2回;1ヶ月に1回または必要であればより多い頻度もしくはより少ない頻度であるレジメンで、企図される。より長期間にわたる(例えば、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、10週間もしくは12週間またはより長く)維持投与量が企画され、投与量は、必要な場合に調節され得る。上記治療の進捗は、従来技術およびアッセイによってモニターされ、当該分野の技術範囲内である。
【0141】
以下の実施例は、本発明を例示するためにのみ与えられ、その範囲を限定するためには決して与えられない。
【実施例】
【0142】
(実施例1)
副腎皮質癌腫(ACC)のマウスモデルにおけるATR−101の潜在的治療効果を調査するために、SCIDマウス(6〜7週齢の雄性)においてヒトACC由来細胞株H295Rの異種移植片を樹立した。上記異種移植片が測定可能なサイズにまで増殖した後、上記マウスを2群に無作為化した。処置群には、300mg/kg/日 ATR−101を経口胃管栄養によって投与した。コントロール群には、ATR−101なしのビヒクルを投与した。腫瘍サイズを、ATR−101の投与前および投与開始後の示された日数で、カリパスを使用して測定した。
【0143】
上記処置群におけるマウスのうちの4匹および上記コントロール群におけるマウスのうちの2匹が、バイオハザード因子封じ込め施設(biohazardous agent containment facility)へと上記マウスを移し、投与を開始して2日以内に死亡した。これら死亡の原因は、未知であるが、ATR−101処置には関連しなかった。これらマウスは、分析から排除した。
【0144】
上記処置群におけるマウスのうちの1匹および上記コントロール群におけるマウスのうちの2匹は、処置を開始して6日後に死亡した。上記処置群において生存しているマウスの腫瘍は、ATR−101投与の開始後8日間でサイズが50%低下した(n=3、相対標準偏差32%)(
図1、実線)。それに対して、上記コントロール群におけるマウスの腫瘍は、同じ期間でサイズが400%増大した(n=4、相対標準偏差160%)(
図1,破線)。腫瘍測定の再現性は、投与開始の2日前および1日前、ならびに再び、投与開始の6日後および8日後に、逐次的に測定することによって確証した。上記処置群におけるマウスのボディーコンディションスコア(body condition score)(BCS)(3.0)はまた、上記コントロール群におけるマウスのもの(2.0)より高かった。
【0145】
ビヒクルの投与およびATR−101の投与の開始と同時に上記マウスのかなりの割合が死亡したことから、ATR−101の処方を、ATR−101投与の第1週目の後に、10% DMSO、0.9% NaCl、0.5% CMC pH3.9、0.2% Tween−20(処方I)から、0.5% CMC pH 1.9、0.2% Tween−20(処方II)へと変更した(
図1)。上記処置群におけるマウスの腫瘍は、上記処方変更の2日以内に増殖を再開したが、この群における腫瘍サイズは、ATR−101投与を開始して15日後、上記コントロール群におけるマウスのものより有意に小さかった(p<0.05)。
【0146】
ACC由来細胞株異種移植片を有するマウスへのATR−101投与は、300mm
3より小さい腫瘍を有する全てのマウスにおいて、ATR−101投与の開始前のそのサイズの半分未満へと上記異種移植片の退縮を迅速にかつ再現性をもって引き起こした。300mm
3および900mm
3の腫瘍を有する2匹のマウスでは、ATR−101投与は、腫瘍増殖を停止させず、上記マウスは、直ぐに瀕死状態になった。H295R細胞異種移植片の退縮は、他の薬剤(ミトタン、ならびに現在臨床試験中の薬物を含む)を使用する以前の研究(Barlaskar, F.M.ら、J. Clin. Endocrinol. Metab., 94(1):204−12, 2009; Luconi, M.ら、Endocr. Relat. Cancer, 17(1):169−77, 2010)において未だ報告されていない。これらの結果は、ATR−101を臨床試験に進めて用量−応答関係の決定および毒物学研究の延長に供し、上記ATR−101の治療ウインドウを確立することを裏付けた。
【0147】
両方の実験では、ATR−101の治療効果は、ATR−101投与を開始して最大6〜8日後であった。両実験において、上記腫瘍は、ATR−101投与を開始して7〜9日で増殖を再開し、ATR−101投与を開始して8〜15日後に、処置前のサイズを上回った。上記処置したマウスにおける腫瘍のうちのいくらかは、ATR−101投与を開始してから15日後に、上記コントロールマウスにおける腫瘍に匹敵する大きさに達した。腫瘍増殖の再開および上記マウスの再発の理由は未知である。上記再発の時間経過の再現性および処置前サイズへの急激な拡大のため、上記再発は、上記腫瘍細胞の遺伝的変化に起因する可能性は低いようである。
【0148】
上記H295R細胞株は、ACC腫瘍細胞の特徴のうちの多くを保持すると一般に認められている1種のACC由来細胞株である。患者から単離されたACC腫瘍細胞の単一の初代異種移植片は、文献で報告された(Yamazaki,H.ら、APMIS、106(7−12):1056〜1060、1998)。上記初代異種移植片は、移植して8日間以内に増殖を示した。初代ACC腫瘍が入手可能である症例の数が少ないことから、初代腫瘍細胞を使用する研究は困難である。
【0149】
(実施例2)
ACC由来細胞株異種移植片に対するATR−101の効果に再現性があったか否かを決定するために、SCIDマウス(10〜11週齢の雄性)において同じH295R細胞株の異種移植片を使用する実験を反復した。
【0150】
処置群におけるマウスのうちの1匹が、4週間早く移植したH295R細胞によって生じたより大きな腫瘍を有した。このマウスは、ATR−101投与から6日後に死亡したので、分析には含めない。上記処置群の残っているマウス(n=2)の腫瘍は、ATR−101投与を開始して6日後に、検出不能なサイズにまで縮小した(
図2)。それに対して、コントロール群におけるマウス(n=2)の腫瘍は、サイズが2倍を超えて大きかった。上記処置群におけるマウスの腫瘍は、ATR−101投与を開始して8日後以内に増殖を再開した。上記処置したマウスの腫瘍は、ATR−101投与を開始して13日後に、上記コントロールマウスにおける腫瘍のサイズの1/8から1/3であった。腫瘍増殖の再開は、ATR−101の新たなバッチへの切り替わりと同時であった。このバッチは、第1の用量を、ATR−101投与を開始して6日後に投与する前に上記調製物を一晩インキュベートしなかったことを除いて、同じプロトコルを使用した同じ合成からのATR−101を使用して調製した。
【0151】
両実験を、上記処置群およびコントロール群の両方において少数のマウスで行った。これら実験において小さなマウス群を使用したのには、いくつか理由がある。資源/人員が限られていたことに加えて、上記マウスのうちの一部のみ(23/25)が輸送に耐えた。また、上記マウスの部分集団(16/23)が、腫瘍を発生させ、多くのマウスが、ATR−101投与のために封じ込め施設へと移動させた後、最初の2日間の間に死亡し、処置を開始した後の測定では少数しか残らなかった(10/16および5/7)。
【0152】
上記第1の実験の処置群およびコントロール群からのマウスの腫瘍および器官の死後分析から、上記処置群において生き残ったマウスの腫瘍(平均0.71g,平均の標準偏差0.13g)が、上記コントロール群におけるマウスの腫瘍(平均1.23g,平均の標準偏差0.28g)(
図3)より有意に小さい(p<0.05)ことが確認された。腫瘍形態は、上記処置群およびコントロール群の間で検出可能な差異はなかった。上記処置群におけるマウスの全体重(平均24g,平均の標準偏差1g)は、上記コントロール群におけるマウスのもの(平均19g,平均の標準偏差3g)より有意に高かった。この体重差は、上記コントロール群におけるマウスの腫瘍負荷がより大きいことを反映し得る。
【0153】
(実施例3)
異種移植片サイズを、ビヒクルで処置したコントロールマウス(丸)に対して300mg/kg/日 ATR−101(三角)の経口投与開始後の時間の関数としてカリパスを使用して測定した(
図4)。データは、各群における9匹および10匹のマウスの平均と標準偏差を示す。上記処置群に含まれる1匹のマウスを排除した。なぜなら、異種移植片の腹部の位置からそのサイズの正確な測定が妨げられてしまったからである。20匹のマウスを、上記研究の処置アームおよびコントロールアームとの間で無作為化した。上記異種移植片を、各マウスに100,000,000個のH295R細胞を皮下注射することによって生成した。
【0154】
(実施例4)
異種移植片のサイズを、ビヒクルで処置したコントロールマウス(白丸)に対して、300mg/kg/日 ATR−101+300mg/kg/日 メトホルミン(黒丸)の経口投与開始後の時間の関数として、カリパスを使用して測定した(
図5)。上記データは、各群における3匹および10匹のマウスの平均と標準偏差を示す。上記マウスの2つの群に注射をし、一緒に飼育したが、マウスの同じ群の一部として無作為化しなかった。上記異種移植片を、各マウスにおいて100,000,000個のH295R細胞を皮下注射することによって生成した。
【0155】
(実施例5)
異種移植片のサイズを、ビヒクルで処置したコントロールマウス(丸)に対して300mg/kg/日 PD132301−02+4mg/kg/日 エベロリムス(四角)の経口投与の開始後の時間の関数として、カリパスを使用して測定した(
図6)。上記データは、各群において3匹および10匹のマウスの平均と標準偏差を示す。上記マウスの2つの群に注射し、一緒に飼育したが、マウスの同じ群の一部としては無作為化しなかった。上記異種移植片を、各マウスにおいて100,000,000個のH295R細胞の皮下注射によって生成した。
【0156】
(実施例6)
ACCのマウスモデルにおけるACC異種移植片の樹立においてATR−101の潜在的治療効果を調査するために、ACC由来細胞株H295Rを、SCIDマウス(6〜7週齢雄性)に注射した。0.2ml DMEM中の1×10
8 細胞を、SCIDマウスの右背側側腹領域の皮膚の下に注射した。注射して2週間後、上記マウスを、10の群に無作為化した。ATR−101を、700mg/kg/日において4日間にわたって投与し、続いて、300 mg/kg/日を、10% DMSO、0.5% CMC、0.9% NaCl、0.2% Tween, pH 3中で経口胃管栄養によって投与した。コントロールマウスには、ビヒクルを投与した。腫瘍サイズを、1週間に3回カリパスを使用して測定した。尿コルチゾールを、ATR−101もしくはビヒクルの投与を開始した後の種々の時点で測定した。
【0157】
ビヒクルで処置した10匹のマウスのうち、7匹は、注射後50日以内に、触診できる異種移植片を発生させた。上記マウスのうちの5匹は、注射して100日後までに2,000mm
3より大きな異種移植片で瀕死状態になったので、安楽死させた。ATR−101で処置した10匹のマウスのうち、2匹は、触診できる異種移植片を発生させ、異種移植片形成までのメジアン時間は、上記ビヒクル処置群のものより2倍を超えて長かった。全てのマウスは、注射して100日後に生存しており、その2つの異種移植片は、500mm
3まで増殖しなかった(
図7)。ATR−101に対してビヒクルで処置したマウスの体重に有意差はなかった。従って、ATR−101処置は、異種移植片樹立を阻害し、異種移植片の増殖速度を低下させ、ACC由来細胞を注射したSCIDマウスの生存を延ばした。
【0158】
全ての副腎皮質癌腫のうちの約60%は、ホルモン過剰(最も一般的には、コルチゾール)の徴候を示す(Peppaら、Cases J. 2:8951、2009)。いくつかの症例では、クッシング症候群は、過剰なコルチゾールを生成するACCによって引き起こされ得る。元のH295細胞株は、過剰なコルチゾールを生成するACCから単離された(Gazdarら、Cancer Res. 50:5488〜5496, 1990)。H295R細胞株は、コルチゾール生成を示し続ける(Samandariら、J. Endocrinol. 195:459〜472, 2007)。尿コルチゾールレベルを、細胞注射の22日後(ATR−101もしくはビヒクル投与を開始して8日後)に開始して、数回測定した(
図8)。ビヒクルで処置したマウスの尿コルチゾールレベルは、それらの異種移植片のサイズに関連して変動した。ATR−101で処置したマウスの平均尿コルチゾールレベルは、ビヒクルを投与したマウスのものより低かった。従って、ATR−101処置は、SCIDマウスに異種移植したH295R細胞によって生成されるコルチゾールのレベルを低下させた。
【0159】
(実施例7)
SCIDマウスにおけるACC由来異種移植片に対する高用量ATR−101の効果もまた、研究した。異種移植片を、ATR−101処置群に3匹のマウスおよびコントロール群に3匹のマウスで先に記載されるとおりに生成した。
図9に示されるように、異種移植片サイズを、ビヒクルで処置したコントロールマウス(菱形)に対して1,000mg/kg/日 ATR−101(四角)の経口投与の開始後の時間の関数として、カリパスを使用して測定した。高用量(1,000mg/kg/日)でのATR−101投与は、ビヒクル処置コントロールと比較して、腫瘍増殖を有意に低下させた。
図10に示されるように、異種移植片重量を、1,000mg/kg/日 ATR−101処置マウス 対 ビヒクル処置コントロールマウスで測定した。
【0160】
(実施例8)
ATR−101細胞傷害性の機構を、通常条件およびコレステロール枯渇条件において増殖させたACC由来H295R細胞のATPレベルに対する効果および還元活性に対する効果を測定することによって調査した。
【0161】
H295R細胞のATPレベルおよび還元能力を測定するために、これら細胞を、100μl中50,000細胞でプレートした96ウェル平底細胞培養プレート(BD Biosciences)の中で培養させた。上記細胞を、グルコース非含有DMEM培地(GIBCO 11966)+10mM ガラクトース+5mM ナトリウム−HEPES+2mM グルタミン(添加)+1mM ピルビン酸ナトリウム+100U/ml ペニシリン/ストレプトマイシン+0%もしくは5%いずれかのウシ胎仔血清の中でプレートした。一晩(16〜20時間)のインキュベーションの後、5% ウシ胎仔血清を含む20μlの培地および最終濃度を生じるために必要なATR−101のアリコートを、上記細胞に添加した。ATPレベルを測定するために、100μlのCellTiter−Glo(登録商標)(Promega Corp., Madison, WI)試薬を添加して、示された時間で上記細胞を溶解させ、ルシフェリン発光を測定して、上記溶解物中のATPの量を決定した。還元活性を測定するために、PrestoBlue(登録商標) Cell Viability試薬(Life Technologies Corp.)を、ATR−101の直後に上記細胞に添加した。上記細胞を37℃でCO
2とともにインキュベートし、レゾルフィン蛍光を示された時間で測定した。
【0162】
H295R細胞へのATR−101の添加は、時間依存性様式および濃度依存性様式でATP依存性ルシフェラーゼアッセイの発光シグナルを低下させた(
図11A)。16μM ATR−101は、4時間で最大半量の効果を有した。同時に、64μM ATR−101は、上記発光シグナルを約90%低下させた。これら結果は、ATR−101がH295R細胞においてATPの迅速な枯渇を引き起こしたことを示す。
【0163】
細胞の還元活性を、PrestoBlue(登録商標) Cell Viability Reagent(Invitrogen)を使用してレサズリン還元を測定することによって決定した。H295R細胞への最大8μMまでのATR−101の添加は、時間依存性および濃度依存性様式において蛍光シグナルを増大させたのに対して、より高濃度のATR−101は、蛍光を減少させた(
図11B)。レサズリン還元活性に対する種々の濃度のATR−101の反対方向の効果は、ATR−101が細胞に対して複数の影響を有することを示唆する。低濃度から中程度の濃度のATR−101は、還元活性を増大させたが、ATPレベルに対してはほとんど影響を有しなかった。高濃度のATR−101は、細胞生存性の低下が恐らく原因で、還元活性およびATPレベルの両方を低下させた。
【0164】
ATR−101が培養物中の細胞を死滅させる機構を調査するために、ATR−101の存在下で培養したH295R細胞のATPレベルに対するコレステロール枯渇の効果を調査した。上記細胞を、メチル−β−シクロデキストリン(MβCD)(これは、コレステロールを隔離し得、それによって、上記細胞中の遊離コレステロールを枯渇させ得る)の存在下で培養した。H295R細胞におけるATPのレベルは、2mM MβCDの存在下での培養によって有意に変化しなかった(
図12B)。重大なことには、MβCDの存在下で培養した細胞のATPレベルは、最大32μMまでのATR−101によって影響を受けなかった。MβCDは、4倍より高いATPレベルの最大半量での枯渇に必要とされるATR−101の濃度を増大させた。
【0165】
ATR−101細胞傷害性に対するMβCDの効果がコレステロール枯渇に起因したか否かを決定するために、H295R細胞を、コレステロールと複合体化した等量のMβCDの存在下で培養した(
図12C)。これら細胞の並行した分析から、コレステロールと複合体化したMβCDのみで、H295R細胞のATPレベルが低下することが実証された。ATR−101での上記細胞の処理は、上記細胞におけるATPのレベルのさらなる低下を引き起こした。MβCDの存在下での培養によるATR−101の細胞傷害性からのH295R細胞の保護は、従って、これら細胞におけるコレステロール枯渇に起因した。
【0166】
MβCDの存在下でのH295R細胞の培養が細胞へのATR−101進入を変化させたか否かを決定するために、還元活性におけるATR−101誘導性変化に対するMβCDの影響を調べた(
図12D〜F)。MβCDのみが存在するもとでの培養は、上記細胞の還元活性に対してほとんど影響を有しなかった(
図12E)。MβCDは、ATR−101によって引き起こされるレサズリン還元活性の増大を抑制しなかった。むしろ、MβCDの存在下で培養した細胞は、ATR−101に応じて、潜在的には、ATR−101細胞傷害性のMβCD抑制によって引き起こされる、還元活性のより大きな増大を示した。コレステロールと複合体化したMβCDの存在下で培養した細胞は、ATR−101の非存在下および存在下の両方でより低い還元活性を示した。還元活性の低下は、コレステロールと複合体化したMβCDによって引き起こされるATPレベルの低下に関連しているようであった。
【0167】
上記結果は、ATPレベルの低下が、上記細胞の還元活性の変化に直接関連せず、ATR−101細胞傷害性の機構が、ATR−101が単離されたミトコンドリアにおいて電子伝達系の複合体IIを阻害することがたとえ公知であるとしても、呼吸の阻害によってのみでは決定されないことを示す。合わせて、これら結果は、MβCDがH295R細胞へのATR−101の進入を妨げず、ATR−101細胞傷害性からのMβCD保護が上記細胞中の遊離コレステロールの隔離に起因するようであることを示す。
【0168】
(実施例9)
基底のおよび副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)に刺激されたコルチゾールレベルを、試験前に、ならびに種々の用量(0mg/kg/日、0.3mg/kg/日、3mg/kg/日、および30mg/kg/日)でのATR−101処置の間に、1日、7日、14日および28日に、イヌで測定した。6頭のイヌ/性別/投与量群を研究した。処置の28日間後に、4頭のイヌ/性別/群を安楽死させた一方で、2頭のイヌ/性別/群は、4週間の薬物なし回復期間を有し、その後、安楽死させた。雄性および雌性のイヌでの血漿コルチゾール濃度(ng/ml)を、ACTH刺激前、ならびにACTH刺激の0.5時間後および1時間後に決定した。ACTH応答における顕著な薬物関連の低下は、処置の7日目に開始し、処置の14日目および28日目まで継続して、3mg/kg/日および30mg/kg/日でATR−101処置した雄性および雌性のイヌで起こった(
図13および
図14)。回復期の間の42日目および56日目に、コルチゾール抑制効果の逆転が観察される(
図13および
図14)。
【0169】
(実施例10)
高用量300mg/kg/日のATR−101で28日間にわたって処置されたイヌに由来する、およびコントロール動物に由来する左副腎および右副腎を、剖検時に集め、10%中性緩衝化ホルマリン中で固定し、慣用的なパラフィン技術によって処理し、縦方向に切片にし、ヘマトキシリンおよびエオシンで慣用的な光学顕微鏡検査用に染色した(
図15A〜E)。有意な効果は、28日目にATR−101で処置したイヌの副腎において認められた(線維症(皮髄移行部(corticomedullary junction)内の緩いないし密な繊維状血管組織(fibrovascular tissue)の沈着)、空胞形成(皮質の束状帯および網状帯の細胞質内の小さいないし中程度のサイズの透明な空胞)、および皮質萎縮(束状帯および網状帯を含む、細胞サイズおよび細胞数の低下に起因する副腎皮質の厚みの低下)が挙げられる)(
図15D、15E)。
【0170】
(実施例11)
種々の用量のATR−101(0mg/kg/日、0.3mg/kg/日、3mg/kg/日、もしくは30mg/kg/日)で28日間にわたって処置した雄性および雌性のイヌからの左副腎および右副腎を、剖検時に集め、秤量した。副腎の重量の用量関連変化は、両方の性別で起こった(
図16Aおよび
図17A)。絶対的および相対的な(副腎−対−体重(副腎:BW(%))および副腎−対-脳(副腎:BrW)重量比)副腎重量は、≧3mg/kg/日において両方の性別で14%〜55%低下した(
図16A〜Cおよび
図17A〜C)。4週間の回復期間の後、副腎重量は、3mg/kg/日で雄性において6%〜11%および30mg/kg/日で両方の性別において10%〜32%低下したままであった。副腎重量変化は、実施例10(
図15A〜E)に記載されるように、≧3mg/kg/日で両方の性別において副腎皮質萎縮、線維症および空胞形成を含む組織変化と関連した。副腎の組織変化は、上記回復期間後も続いた。
【0171】
(実施例12)
3匹のラットおよび3頭のイヌにおけるATR−101の組織分布を調べた。ATR−101濃度を、血漿、赤血球、副腎、肝臓、腎臓、骨格筋、卵巣、皮下脂肪、および脳脊髄液で測定した。
図18は、100mg/kg/日を7日間にわたって投与した雌性ラットにおけるATR−101の組織分布(ng/mLもしくはng/g)を示す。ラットにおけるATR−101濃度は、血漿中より副腎(約2×)および卵巣(約1.4×)で高かった。
図19は、3mg/kg/日を7日間にわたって投与した雌性イヌでのATR−101の組織分布(ng/mLもしくはng/g)を示す。イヌでのATR−101濃度は、副腎および血漿で類似であった。ラットおよびイヌの副腎でのATR−101濃度は、副腎毒性に対するこれら種の相対的感受性と対応しなかった。このことは、組織蓄積のみが副腎分解作用機構を説明するわけではないことを示唆する。
図20は、血漿濃度のパーセンテージとしてラットおよびイヌにおけるATR−101の組織分布を示す。ATR−101は、いずれの種においても血液脳関門を横断しないようである。ラットの脳脊髄液(CSF)中で認められた低レベルのATR−101は、CSFと血液との夾雑によって引き起こされた可能性が高い。
【0172】
本明細書で引用される刊行物、特許出願、および特許を含む全ての参考文献は、各参考文献が個々にかつ具体的に参考として援用されることが示され、その全体が本明細書で記載されるのと同程度まで、本明細書に参考として援用される。
【0173】
本発明を記載する状況において(特に、以下の特許請求の範囲の状況において)、用語「1つの、ある(a)」および「1つの、ある(an)」ならびに「この、その、上記(the)」および類似の指示語は、本明細書で示されなければ、あるいは明らかに文脈から矛盾するのでなければ、単数形および複数形の両方を網羅すると解釈されるべきである。用語「含む、包含する(comprising)」、「有する(having)」、「含む、包含する(including)」および「含む、含有する(containing)」は、オープンエンドの用語として解釈されるべきである(すなわち、別段述べられなければ、「〜を含む(〜が挙げられる)が、これらに限定されない」を意味する。
【0174】
本明細書中の値の範囲の記載は、本明細書中で別段示されなければ、上記範囲および各エンドポイント内に入る各別個の値に個々に言及する略記法として役立つことが意図されるにすぎず、各別個の値及びエンドポイントは、それが本明細書で個々に記載されるかのように、本明細書に組みこまれる。
【0175】
本明細書で記載される全ての方法は、本明細書で別段示されなければ、そうでなければ文脈が明らかに矛盾しているのでなければ、任意の適切な順序で行われ得る。任意のおよび全ての例、または本明細書で提供される例示的言語(例を挙げると「例えば、〜のような」)の使用は、本発明をよりよく例証することが意図されるに過ぎず、別段特許請求されるのでなければ、本発明の範囲に対する限定を与えない。本明細書中のことばは、本発明の実施に必須であるとして、いかなる特許請求されていない要素をも示すと解釈されるべきではない。
【0176】
Veronica BurnsおよびYunhui Chengには、Tom Kerppolaの直接指導の下で行われたH295R細胞および異種移植片の実験に関する彼らの作業に謝意を表したい。
【0177】
本発明の全ての実施形態は、本発明を実施することに関して本発明者らが知っている最良の態様を含め、本明細書に記載される。それら好ましい実施形態のバリエーションは、前述の説明を読めば、当業者に明らかになり得る。本発明者らは、当業者が適切な場合にこのようなバリエーションを使用することを予測し、本発明者らは、本発明に関して、本明細書で具体的に記載されるとおり以外に実施されることを意図する。よって、本発明は、適用法によって許容される場合、本明細書に添付される特許請求の範囲に記載される主題の全ての改変および等価物を含む。さらに、その全ての考えられるバリエーションでの上記の要素の任意の組み合わせは、本明細書で別段示されなければ、さもなければ文脈が明らかに矛盾していなければ、本発明によって包含される。