特許第6235007号(P6235007)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6235007蒸発式加湿器及びこれと同じものを有する屋内気候制御システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6235007
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】蒸発式加湿器及びこれと同じものを有する屋内気候制御システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 6/00 20060101AFI20171113BHJP
   F24F 6/04 20060101ALI20171113BHJP
   F24F 11/02 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
   F24F6/00 B
   F24F6/00 E
   F24F6/04
   F24F11/02 102D
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-519403(P2015-519403)
(86)(22)【出願日】2013年6月17日
(65)【公表番号】特表2015-523537(P2015-523537A)
(43)【公表日】2015年8月13日
(86)【国際出願番号】IB2013054947
(87)【国際公開番号】WO2014001952
(87)【国際公開日】20140103
【審査請求日】2016年6月8日
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2012/000887
(32)【優先日】2012年6月28日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163810
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 広和
(72)【発明者】
【氏名】マクガルファ ジョン ロベルト
(72)【発明者】
【氏名】サンドベルグ エマ
(72)【発明者】
【氏名】チェン レイ タオ
(72)【発明者】
【氏名】ダイ ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ブレーケル エン バルト
【審査官】 金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05143656(US,A)
【文献】 実開昭50−005462(JP,U)
【文献】 米国特許第03864437(US,A)
【文献】 特開2006−170460(JP,A)
【文献】 特開2007−057171(JP,A)
【文献】 特開2002−081718(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0151280(US,A1)
【文献】 実開昭59−113137(JP,U)
【文献】 実開昭54−114343(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 6/00
F24F 6/04
F24F 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸発式加湿器であって、
水タンクと、
前記水タンクからの水を吸収するように構成される芯ユニットと、
ファンハウジング内に設けられ、エアフローが前記芯ユニットを通って流れるようにるファンユニットとを有し、
前記ファンハウジングは、上部カバーユニットの外周に隣接する外側部分において少なくとも1つの環状空気出口を規定し、
前記芯ユニットは、芯と、前記芯を取り付けるための芯ホルダと、前記水タンクにおける水位と関連付けるために前記芯ホルダに設けられたフロートとを有し、
前記芯ホルダは、前記フロートが移動するように構成される略垂直ガイドを形成し、前記フロートは、前記芯ホルダに収まり、前記芯ホルダは、前記フロートから上昇力を体験したときに変動しないほど十分な重さである、蒸発式加湿器。
【請求項2】
前記上部カバーユニットの底面壁は、前記ファンユニットのファンが回転したときに前記ファンハウジング中のエアを前記環状空気出口に向かって流れるように指向するための空気力学的設計の全体形状を有する、請求項1に記載の蒸発式加湿器。
【請求項3】
前記空気力学的設計は、凸形状の流線型設計である、請求項2に記載の蒸発式加湿器。
【請求項4】
前記ファンユニットは、モータと、前記モータを作動させるためのアクチュエータとを有し、
作動中において、前記フロートは、前記水タンク内の水により浮揚されるように前記芯ホルダ内に設けられ、従って、当該蒸発式加湿器の動作は、前記水タンクにおける水位に少なくとも部分的に基づいて制御される、請求項1に記載の蒸発式加湿器。
【請求項5】
前記アクチュエータは、前記水位が水位閾値より低くなった後しばらくの間、前記モータを動作中のままにし、その後、前記モータを停止するように構成される、請求項4に記載の蒸発式加湿器。
【請求項6】
前記アクチュエータは、
前記フロートの検出された高さが予め決められた高さまで若しくはそれより高い場合に前記モータを作動させる、センサベースのアクチュエータ、又は、
前記フロートが接触コンポーネントに衝突した場合に前記モータを作動させる、接触コンポーネントである、請求項4に記載の蒸発式加湿器
【請求項7】
当該加湿器の外部空気湿度を検出するための湿度センサが、新たに湿らされた出ていく空気から分離され、この空気によっては干渉されないように、当該蒸発式加湿器の外部ハウジング上に設けられる、請求項1に記載の蒸発式加湿器。
【請求項8】
前記ファンユニットが第1の時間期間の間動作した後にのみ前記外部空気湿度の検知が実行されること、及び/又は、検知された外部空気湿度の測定値が前記ファンユニットが動作を停止した後の第2の時間期間の間停止されることを保証するように構成されたプログラム制御ユニットを更に有する、請求項に記載の蒸発式加湿器。
【請求項9】
前記プログラム制御ユニットは、検知された外部空気湿度が予め設定された湿度より低いときに、前記ファンユニットを自動的に作動させるように更に構成される、請求項に記載の蒸発式加湿器。
【請求項10】
請求項1−のうちいずれか一項に記載の蒸発式加湿器と、
前記蒸発式加湿器に結合された主制御ユニットとを有し、
前記主制御ユニットは、前記蒸発式加湿器の動作を自動制御するように構成される、屋内気候制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、蒸発式加湿器及び斯様な蒸発式加湿器を用いた屋内気候制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
加湿器は、単一の部屋又は住宅全体における湿度(水分)を増大させる器具である。
【0003】
最も一般に用いられている加湿器は、水タンク、水に浸された芯(wick)及び芯の隣にあるファンを含む、蒸発式又はウィック式加湿機である。タンクは、動作の前及び/又はその間に満たされる水の収容タンクであり、水分出力のための水を供給する。芯は、タンクから水を吸収するフィルタ、水吸収媒体、又は、水スクリーンである。ファンは、芯を通過し、部屋に水分を運ぶエアフローを生成し、それ故、芯の範囲内の水の蒸発及び湿度の強化を支援する。
【0004】
蒸発効率要求のために、従来の蒸発式加湿器は、通常、湿らされた空気を加湿器の外へ再指向するためにファンの回転面のほぼ全体に延在するファンハウジング及び対応する大面積格子内に設けられた大きなファンを含む。この従来の蒸発式加湿器は、蒸発式加湿器の上面が全体的に格子により占有されるので、大きなユーザインタフェース装置を可能にしないという欠点を有する。更に、ファンの端で湿らされた空気をファンの中央に再指向するための大面積格子又は他の試みは、ファンハウジングの圧力降下を増大させ、ファンの効率を低減し、ファンの大きいノイズをもたらし、それ故、蒸発式加湿器の効率評価を低下させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、改良されたエアフローパス及び効率評価を有する新たな蒸発式加湿器の必要性が存在する。
【0006】
本発明は、前述された1又はそれ以上の欠点を全体的又は部分的に克服することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
幾つかの実施形態によれば、水タンク、芯ユニット及びファンユニットを有する蒸発式加湿器を提供される。芯ユニットは、水タンクからの水を吸収するように構成される。ファンユニットは、ファンハウジング内に設けられ、エアフローが芯ユニットを介して流れるように構成される。ファンハウジングは、上部カバーユニットの外周に隣接する外側部分において少なくとも1つの環状空気出口を規定する上部カバーユニットを有する。環状空気出口は、より大きな中央ユーザインタフェースユニット(UI)を可能とし、これは、ユーザによりよく受信され得る。加えて、ユーザが手でUIを操作するときには、ユーザの手首は直観的に空気フローの強度を感知することができ、その結果、ユーザは、インジケータを見ることができない場合(例えば、ユーザが盲目である場合、又は、何かがユーザの視野をブロックしている場合)も、加湿速度を制御することができる。
【0008】
本発明の一例によれば、上部カバーユニットの底面壁は、ファンが回転したときにファンハウジング中のエアを環状空気出口に向かって流れるように指向するための空気力学的設計の全体形状を有する。
【0009】
本発明の一例によれば、空気力学的設計は、略U形状、略V形状又は略台形の形状のような、凸形状の流線型設計である。
【0010】
本発明の一例によれば、大面積ユーザインタフェースユニットは、上部カバーユニット上に取り付けられ、環状空気出口により囲まれる。環状空気出口により囲まれたこのUIによれば、ユーザは、手首により空気が出るのを感じることができ、これは、出ていくエアフローの強度をユーザが良好に感じるための極めて便利な手段であり得る。代わりに又は追加的に、ユーザは、UI上のインジケータ(例えば、LED)を見ることもでき、これは、エアフローの強度の視覚的な表示を与える。本発明の一実施形態において、より強いエアフローは、より高い加湿速度をもたらし、逆もまた同じである。
【0011】
本発明の一例によれば、芯ユニットは、芯と、芯を取り付けるための芯ホルダと、水タンクにおける水位と関連付けるために芯ホルダに設けられたフロートとを有し、ファンユニットは、モータと、モータを作動させるためのアクチュエータとを有し、作動中において、フロートは、フロートが芯ホルダによりガイドされて水タンク内の水により浮揚されるように、芯ホルダ内に設けられ、従って、蒸発式加湿器の動作は、水タンクにおける水位に少なくとも部分的に基づいて制御される。
【0012】
本発明の一例によれば、アクチュエータは、水位が水位閾値より低くなった後しばらくの間、モータを動作中のままにし、その後、モータを停止するように構成される。
【0013】
本発明の一例によれば、アクチュエータは、フロートの検出された高さが予め決められた高さまで又はそれより高い場合にモータを作動させる、センサベースのアクチュエータ、又は、フロートが接触コンポーネントに衝突した場合にモータを作動させる、接触コンポーネントであり得る。
【0014】
本発明の一例によれば、フロート及び/又は芯は、容易にクリーニングするために芯ホルダから除去され得る。
【0015】
本発明の一例によれば、芯ホルダは、フロートが移動するように構成される略垂直ガイドを形成する。
【0016】
本発明の一例によれば、動作中のフロートは、数ミリメートルの範囲で変位を変動させ得る。
【0017】
本発明の一例によれば、フロートは、芯ホルダに収まる(クリック(click)する)。
【0018】
本発明の一例によれば、芯ホルダは、フロートから上昇力を体験したときに変動しないほど十分な重さである。
【0019】
本発明の一例によれば、部屋の外にある外部空気湿度を検出するための湿度センサが、新たに湿らされた出ていく空気から分離され、この空気によっては干渉されないように、蒸発式加湿器の外部ハウジング上に設けられる。
【0020】
本発明の一例によれば、蒸発式加湿器は、蒸発式加湿器内部の湿らされた空気によりもたらされる測定値の激しい増加によりユーザを混乱させないように、ファンユニットが第1の時間期間の間動作した後にのみ外部空気湿度の検知が実行されること、及び/又は、検知された外部空気湿度の測定値がファンユニットが動作を停止した後の第2の時間期間の間停止されることを保証するように構成されたプログラム制御ユニットを更に有する。
【0021】
本発明の他の例によれば、第1及び/又は第2の時間期間は10分である。
【0022】
本発明の更に他の例によれば、プログラム制御ユニットは、検知された外部空気湿度が予め設定された湿度より低いときに、ファンユニットを自動的に作動させるように更に構成される。
【0023】
また、本発明は、前述した蒸発式加湿器と、蒸発式加湿器に結合された主制御ユニットとを有する屋内気候制御システムであって、主制御ユニットは、蒸発式加湿器の動作を自動制御するように構成される、屋内気候制御システムを提供する。
【0024】
このタイプの蒸発式加湿器の他の目的、利点、特定の効果及び新規な特徴は、本発明の好ましい実施形態を参照して以下でより詳細に述べられる。しかしながら、本発明の基本となる概念が、芯を介したエアフローを強制する空気排出システムを用いる他のタイプの加湿器においても有利に用いられ得ることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一例による組み立てられた状態の蒸発式加湿器100の概略構造図である。
図2図1における蒸発式加湿器100の上側部分110の概略構造図である。
図3図1における蒸発式加湿器100の下側部分120における芯ユニット1201の概略構造図である。
図4図1における蒸発式加湿器100の下側部分120における水タンク1202の概略構造図である。
図5】本発明の一実施形態による蒸発式加湿器の完成した製品図である。
図6図5の概略的な上面図である。
図7】本発明による湿度表示を制御するための方法を示す概略ブロック図である。
図8】本発明によるファンの回転を制御するための方法を示す概略的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1−4によれば、本発明の一実施形態による蒸発式加湿器100は、上側部分110及び下側部分120を有する。ファンユニット1101が上側部分110に設けられる一方で、水タンク1202及び芯ユニット1201が下側部分120に設けられる。芯ユニット1201は、水タンク1202から水を吸収するように構成され、ファンユニット1101は、ファンハウジング1102内に設けられるとともに、エアフローに芯ユニット1201を介して流れさせるように構成される。
【0027】
ファンユニット1101は、ファン11011と、電気モータ11012と、モータ11012を作動させるためのアクチュエータ1105とを含む。ファンハウジング1102は、上部カバーユニット1103の外周に隣接する外側部分において少なくとも1つの環状空気出口1104を規定する上部カバーユニット1103を有する。上部カバーユニット1103の底面壁11031は、ファン11011が回転したときに環状空気出口1104に向かって流れるように、例えばファンハウジング1102の中心に、ファンハウジング1102内の空気を指向するための空気力学的な設計の全体形状を有する。空気力学的な設計は、略U形状、略V形状又は略台形の形状のような、凸形状の流線型設計である。UI1106をもつ大面積ユーザインタフェース(UI)ユニット及びUI1106の表示を制御するための制御回路1107は、上部カバーユニット1103上に取り付けられ、環状空気出口1104により囲まれる。環状空気出口1104により囲まれたこのUI1106により、ユーザは、外に出る空気を手首により感じることができ、これは、UI1106のインジケータ(LED)を見ることに加えて、ユーザが外に出るエアフローの強度を良好に感じるための極めて便利な手段であり得る。
【0028】
芯ユニット1201は、芯12011と、芯12011を取り付けるための芯ホルダ12012と、水タンク1202における水位と関連づけるための、芯ホルダ12012に設けられたフロート12013とを有する。動作中、フロート12013は、水タンク1202において水により浮揚するように、芯ホルダ12012に設けられ、従って、蒸発式加湿器100の動作は、水タンク1202における水位に少なくとも部分的に基づいて制御される。芯ホルダ12012は、フロート12013が移動するように構成される略垂直ガイドを形成する。
【0029】
アクチュエータ1105は、水位が水位閾値より低くなった後しばらくの間モータを実行させたままにして、その後、モータを停止するように構成される。アクチュエータ1105は、フロートの検出された高さが予め決められた高さまでの場合又はそれより高い場合にモータを作動させるセンサベースのアクチュエータ、又は、フロート12013(例えばその球形状の先端部分12014)が接触コンポーネントに衝突した場合にモータ11012を作動させる接触コンポーネント(例えば接触スイッチ)であり得る。
【0030】
フロート12013及び/又は芯12011は、容易にクリーニングするために芯ホルダ12012から除去され得る。動作中のフロート12013は、数ミリメートル(例えば5−100mm)の範囲において変位を変動させ得る。好ましくは、フロート12013が芯ホルダ12012にクリックし、芯ホルダ12012は、フロート12013から上昇力を体験したときに浮かないほど十分重い。
【0031】
加湿器から外部の空気湿度を検出するための湿度センサ150(図1に示される)は、新たに湿らされて出て行く空気から分離され、斯様な空気により干渉されないように、蒸発式加湿器100の外部ハウジング130上に設けられる。具体的には、及び、手本となるように、湿度センサ150は、一方側が外部の空気を入れるために小さな穴をもち、他方側がファンの負圧力側に接続された経路内に設けられ得る。逆流防止コンポーネント(例えば、逆止弁又は逆流防止フラップ)は、エアフローが逆流するのを阻止するために経路内に設けられてもよく、それ故、ファンの負圧力側の湿らされた空気はセンサの正確な測定に影響を与えないだろう。
【0032】
水タンク1202は、外気が水タンク1202に流れるのを可能にする空気入口格子12021と、ユーザが水タンク1202における水位をまっすぐに観察するための表示窓12022とを含む。
【0033】
図7−8に示すように、湿度センサの正確な測定を保証するために、ソフトウェアアルゴリズムは、ファンが固定された時間期間の間動作した後にのみ測定値が表示/使用されることを保証するように採用され得る。これは、湿らされていない外部空気がセンサを介して引き込まれ、正確な測定値が供給されることを保証する。ファンが停止した場合、プロダクト内部の湿った空気は、湿度センサでの測定値が上昇することをもたらし得る。また、ソフトウェアは、湿度の不正確な表示を阻止するためにディスプレイを一時的にフリーズさせることができる。この点について、本発明による蒸発式加湿器100は、蒸発式加湿器100内部の湿らされた空気によりもたらされた測定値の急激な増加によりユーザを混乱させないように、ファンユニット1101が第1の時間期間の間動作した後にのみ外部の空気湿度の検知が実行されることを保証するように構成され、及び/又は、検知された外部の空気湿度の測定値がファンユニット1101が動作を停止した後の第2の時間期間の間フリーズされるように構成される、プログラム制御ユニット(図示省略)を更に有する。
【0034】
具体的には、図7に示すように、湿度は、ステップ701において計算され、ステップ702において表示される。ステップ703,704,705及び706は、ファンが停止したときに生ずる湿度の上昇に対処するためのプログラムの部分である。より具体的には、ステップ703は、ファンが10分を超える間回転しているかどうかを決定する機能を実行し、回転している場合には、ステップ701に戻り、そうでなければ、湿度が設定値より低いかどうかを決定し(ステップ704)、低い場合は、ステップ701に戻り、そうでなければ、ディスプレイをフリーズさせ(ステップ705)、そして、湿度を再計算し(ステップ706)、ステップ703に戻る。
【0035】
プログラム制御ユニットは、検知された外部空気の湿度が予め設定された湿度より低いときに、ファンユニット1101を自動的に作動させるように更に構成される。図8に示すように、ステップ801−810の機能は以下の表1に記載され、ファンの速度1は速度2より大きい。
【表1】
【0036】
組立て及び動作において、第1に、水は、水タンク1202に注入される。第二に、フロート12013及び芯12011が芯ホルダ12012に取り付けられ、それ故、芯ユニット1201を形成する。そして、芯ユニット1201は、水タンク1202内に置かれ、それ故、蒸発式加湿器100の下側部分120を形成する。最後に、蒸発式加湿器100の上側部分110は、蒸発式加湿器100の下側部分120とともに組み立てられる。図5および6は、環状空気出口504を有する蒸発式加湿器500の完成製品図である。図5に示された環状空気出口504は連続的であるが、環状空気出口504が別々に又は分離して形成され得ることが理解されるべきである。
【0037】
図1において矢印140で示すように、動作において、蒸発式加湿器100の外の空気は、最初に、ファン11011を用いて吸引されるか、又は、蒸発式加湿器100の外側ハウジング130に対流によって移動される。そして、空気のほとんどの部分は、芯12011を介して流れることができ、ファンハウジング1102に湿度(水分)を運ぶことができる。最後に、湿らされた空気は、上部カバーユニット1103の底面壁11031の空気力学的な設計を用いて、環状空気出口1104を介して吹きつけられ、それ故、単一の部屋又は全体の住宅の湿度を強化する。
【0038】
本発明の蒸発式加湿器100の他の利点、効果及び特徴は、代わりに又は追加的に、より詳細に後述される。
【0039】
本発明による蒸発式加湿器100は、直線面ファンハウジング1102を有する。ファン11011は、回転する際に、ファンハウジング1102の外縁において、及び、ファンハウジング1102の中央でないところで、エアフローを集中させる傾向にある。ファンハウジング端部において、空気は、上向きの螺旋上で非常に速く流れる。それ故、空気のための最適の出口は、空気が最も速く移動するファン11011の外縁部である。それ故、本発明において、効率的な空気除去のための比較的小さな環状出口1104が生成される。ファン11011からの空気は、高い出口速度でこの環状出口に集中される。これは、以下の複数の利益を与える。
− 加湿器からの湿った空気と部屋内の乾燥空気との混合を促進する螺旋状空気の高い出口速度。これは、部屋内の湿度の均等な分布を向上させる。
− 格子を用いてファンの端部の空気をファンの中央に速く移動させるよう再指向するのを必要としない低ノイズ(これは、ノイズを潜在的にもたらす望ましくない圧力降下を生成するだろう)。
− 小さな環状出口のみがファンエアのために必要とされる。空気がこの領域において既に集中されるためである。多くの空間が、洗練されたユーザインタフェース及びPCBをファンの上に直接取り付けるために利用可能である。湿度レベル、タイマー機能、水位についての警告及びファン速度制御の自動表示を含む機能ボタンは、ファンの中央にすべて取り付けられ得る。
− 環状螺旋フローの使用は、高速フローが外縁部に集中されるので、洗練されたユーザインタフェースのために用いられるべき大面積の横断面エリアを可能にする。
− ユーザインタフェースを動作させたときに、ユーザの手首は、高速度の空気にさらされる。これは、製品が効率的に作用しているという安心を与える。
【0040】
加えて、下側部分が取り外されてユーザにより洗浄されるので、通常、蒸発式加湿器の下側部分に任意のアクティブコンポーネントを有することは望ましくない。これを実現するために、蒸発式加湿器の上側部分で水タンク設定において水位を検出するための検出ポイントを有するフロートシステムが芯ホルダと組み合わせて開発されている。このシステムは、ユーザにより組み立て及び分解するのを非常に容易にする。これは、以下の複数の利益を与える。
− 芯及びフロートを保持する芯ホルダは、これを水タンクの外へ持ち上げることによりユーザにより容易に除去され得る。それ故、下側部分全体は、クリーニングが非常に容易である。
− 芯ホルダは、フロートからの上昇力を体験したときに浮かないほど十分重く、従って、下側部分のハウジングにクリップされる必要はない。これは、まさに下側部分のハウジングに置かれる。
− フロートは、好ましくは、芯ホルダにクリックする単純なプラスチックフロートである。フロートは、クリーニングのために容易に除去され得る。芯ホルダは、上側部分のアクチュエータを活性化するように、フロートの運動を制限する。
− 芯自体は、湿ったときに柔らかくてもよく、従って、着脱可能な芯ホルダがユーザに、芯が容易に除去されて所定の位置で洗浄され得るような構造を与える。代わりに、芯は、ハウジングから容易に外してクリーニングされてもよい。
− 芯及びフロートが除去されたときに芯ホルダ自体が容易にクリーニングされる。
− また、芯ホルダは、より低い容器に取り付けられる抗バクテリアカートリッジを可能にするという特徴を与える。カートリッジは、芯ホルダから容易に外され得ない。
【0041】
しかしながら、本発明の多数の特徴及び利点は、本発明の構造及び機能の詳細と共に、前述の説明において記載されたにもかかわらず、開示は、例証を示すのみであり、とりわけ形状、サイズ、数の問題において詳細の変更が行われてもよく、本発明の原理の範囲内の部分の構成は、添付の特許請求の範囲が表わす用語の幅広い一般的な意味により示されることが理解されるべきである。
【0042】
上述の実施形態は、本発明を限定するよりはむしろ例示であり、当業者は、添付の特許請求の範囲の要旨を逸脱しない範囲で代替実施形態を設計することが可能であることが留意されるべきである。例えば、ユーザインタフェース1106を取り付けるために、ファン11011の出口経路に渡る幾つかの機械的取り付け部材(図示省略)が必要である。しかしながら、これは、ファン11011からのフローに大幅に影響を与えない3つほどの薄い接続ブリッジ(図示省略)により実現され得る。
【0043】
請求項において、"有する"という単語は、請求項又は詳細な説明に記載されていない要素又はステップの存在を除外するものではない。要素の単数表記は、複数の斯様な要素の存在を除外するものではない。幾つかのユニットを列挙する装置に係る請求項において、これらのユニットの幾つかは、ハードウェア又はソフトウェアの全く同一のアイテムにより具現化され得る。第1,第2及び第3等の単語の使用は、任意の順序を示すものではない。これらの用語は名前と解釈されるべきである。
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