【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、この目的を、請求項1による操作装置及び請求項16による方法によって達成する。好ましい開発は、詳細には従属クレームの内容である。
【0013】
本発明の利点は、入力領域内の可動要素の適切な動きによって、特に制御モードである少なくとも2つの異なる制御規則を使用できるので、移動装置の制御に融通性があることである。ユーザは、更に、制御規則を手動で変更しなくてもよく、ユーザが可動要素を第1の入力ゾーンから第2の入力ゾーンに移動させるとき変更が自動的に行われるという点で、2つの制御規則の間のこの変更を直感的に実現する。
【0014】
可動要素は、ジョイスティックレバー、スライドレギュレータ、ロッカ要素、トラックボールなどのユーザが操作できる操作要素でよい。この場合、可動要素は、入力装置の構成要素でよい。しかしながら、可動要素は、例えばユーザの指先であるという点で、入力装置の構成要素でなくてもよい。この場合、入力装置は、例えば、ユーザの指先を範囲内で移動させることができるタッチパッドやタッチスクリーンなどのタッチセンス式のストリップ、面又は空間として構成された入力領域を含むことができる。指先に割り当てられた位置値が、入力装置によって検出される。例えば、入力領域は、タッチセンス式でもよく、例えば光学的測定によって可動要素の位置値の無接触取得を行なってもよい。本発明による操作装置は、詳細には、動きの直感的な片手の制御を可能にし、それにより、ユーザの手の一方が自由のままであり他の活動に利用できる。
【0015】
この説明の意味での位置値は、可動要素の位置及び/又は動きを特徴付けることができる様々な物理パラメータの一般名である。位置は、後述するように、x,y,zなどの位置変数、又は角度を指す。動きは、速度を示し、場合によっては位置変数のうちの1つに関する加速度を示す。位置値は、スカラ値でもベクトル値でもよい。このように、位置値は、1つ又は複数の寸法を含むことができ、したがって、少なくとも1つ及び好ましくは複数の値を含むことができる。位置値は、デカルト座標系における変数x、y及び/又はz、極座標系における半径と角度α、及び/又は球座標系における半径と立体角β,χ、あるいは単に位置変化と呼ばれるこれらのパラメータに対する変化(即ち、相対位置)などの少なくとも1つの絶対又は相対位置データを含む。位置データの代替又は追加として、位置値が、代替又は追加として、前記座標の速度、即ち、この位置データの時間vx,vy,vz,vR,vα,vβ,vχによる位置の変化率を含んでもよい。この代替又は追加として、位置値は、代替又は追加として、前記座標の速度、即ち、この位置データの時間ax,ay,az,aR,aα,aβ,aχによる速度の変化率を含んでもよい。これらのパラメータは、正値又は負値を採ることができ、したがって、可動要素の方向を明確に特徴付けることができる。入力装置は、詳細には、一次元、二次元又は三次元で可動要素の移動と取得を提供することができる。入力信号は、更に、時間情報を含むことができる。
【0016】
第1の制御規則と第2の制御規則は常に異なる。第1の制御規則は、比例制御を行なうように設計されることが好ましい。好ましくは、又はこれと無関係に、第2の制御規則は、動的制御を行なうように設計される。これらの用語は両方とも、本明細の文脈で説明される。第1の制御規則と第2の制御規則は、両方とも比例制御を含むか両方とも動的制御を含むことができ、その違いは好ましくは、係数cが異なることであり、c2がc1と等しくない場合に、例えば、第1の比例定数c1が第1の制御規則に使用され、第2の比例定数c2が第2の制御規則に使用されることである。
【0017】
本発明の意味における制御規則は、制御装置で提供される仕様であり、それにより、可変出力信号が、制御装置において可変入力信号に依存して導出される。これと無関係に、入力信号は常に位置値に依存し、それにより出力信号も常に位置値に依存する。仕様は、数学関数によって、デジタル及び/又はアナログ電気回路によって、並びに/又は制御装置に記憶できる表に従って必要とされる出力から入力信号及び/又は値への一定割り当てによって提供されうる。これらの制御規則により、例えば、移動装置の比例制御を第1の制御規則に従って実行するか又は移動装置の動的制御を第2の制御規則に従って実行することができる。
【0018】
比例制御下では、移動装置によって行われる位置の変化、詳細には変位は、可動要素によって行なわれる位置の変化に比例する。比例制御下では、制御装置の出力信号は、移動装置によって行われる位置の変化に比例して、可動要素によって行なわれる位置の変化、詳細には変位を達成するように構成される。
【0019】
比例制御の利点は、ユーザが移動装置のきわめて正確な動きを実現できることである。詳細には、特に大きい減少によって、即ち、小さい係数cによって、マニピュレータのツール位置の微調整が可能であり、これは特に細胞操作に適する。細胞操作は、顕微操作、即ち、他の場所では単にツールと呼ばれる微小ツール(例えば、毛細管)を使用する細胞の保持と移送を、顕微注射と顕微解剖と共に含む。
【0020】
位置の変化は、位置(例えば、デカルト座標系ではx、y及び/又はz座標)、及び/又は極座標系又は球座標系の半径及び/又は角座標を決定するパラメータを指すことができる。
【0021】
操作装置の可動要素は、例えば、そのような位置の変化を実行することができ、及び/又はこの位置の変化は、適切に取得されうる。例えば、可動要素は、例えばx軸に沿った一次元並行移動でもよく、この軸のまわりに回転されてもよい。好ましくは、二次元運動(例えば、x−y平面に平行な並行移動)でもよく、少なくともx軸とy軸のまわりの回転でもよい。また、三次元運動(例えば、x−y−z座標系の空間内の並行移動)及び/又は座標系の少なくともx、y軸及び/又はz軸のまわりの回転でもよい。x、y及び/又はz軸に沿った距離だけが使用されてもよく、そのような軸のまわりの角度だけが使用されてもよい。しかしながら、距離と角度の両方を使用することもでき、即ち、例えば、可動要素を動かし回転することができ、対応するパラメータを測定することができる。
【0022】
移動装置によって動かされる被移動要素(例えば、マイクロマニピュレータのツール)が、可動要素の位置の変化に対応する位置のある種の変化(例えば、x、y、z座標、又はそのような軸のまわりの角度)を正確に実行することが好ましい。例えば、x軸に沿った可動要素の並進位置の変化は、これに対応して、x軸に沿った、即ち、異なる座標系(x’,y’,z’)のx’軸に沿った移動装置の被移動要素の並進運動をもたらす。更に他の例として、x軸のまわりの可動要素の回転位置の変化は、x軸のまわり、即ち、異なる座標系(x’,y’,z’)のx’軸のまわりの移動装置の被移動要素の回転運動をもたらす。
【0023】
また、移動装置によって動かされる要素、例えば、マイクロマニピュレータのツールが、可動要素の位置変化のタイプに対応する位置と異なる種類の位置変化を実行することができるか又は実行することが好ましい。例えば、x軸に沿った可動要素の並進位置変化は、y軸又はz軸に沿った被移動要素の並進位置の変化となる。また、x軸に沿った可動要素の並進位置変化は、軸(x、y若しくはz軸、又は他の幾つかの軸)のまわりの被移動要素の回転位置変化となることができる。
【0024】
比例関係が存在する位置パラメータの選択は、比例制御に重要ではない。比例制御にとって重要なことは、移動装置によって動かされる要素の位置変化dP2が、ユーザによって操作される入力装置の可動要素の位置変化dP1に比例し、これは、例えば次のように数学的に表わすことができる。
【0025】
dP2〜dP1又はdP2=c
*dP1
【0026】
ここで、cは数値定数である。変数dP1,dP2は、変位の変化又は角度の変化を表わすことができる。dP1が変位の変化に関連することができ、同時にdP2が角度の変化でよく、その逆でもよい。
【0027】
比例制御と対照的に、動的制御下の移動装置によって維持される速度vは、可動要素によって採用される相対位置P_relに依存する。即ち、vは、P_relの関数であることが好ましい。
【0028】
v=v(P_rel)
【0029】
動的制御の利点は、(速度)制御方式では、速度を高めることによって、より被移動要素が、例えば、同じ距離を取り扱うために可動要素の繰り返し移動又は何らかの入力手段が必要とされ、それにより必要な時間が長くなり労力が増える比例モードよりも、長い距離をより迅速に取り扱うことができ、したがって好都合であることである。
【0030】
しかしながら、関係v(P_rel)は、制御装置に記憶することができる二次元、三次元以上の表での割り当てにより定義されうる。パラメータvは、スカラ量でもよく、ベクトルでもよく、例えば、様々な移動方向x及び/又はy及び/又はzの速度値vx,vy,vz及び/又は角速度vαを含むことができる。
【0031】
好ましくは、移動装置によって維持される速度vは、可動要素がとる相対位置P_relに比例する。
【0032】
v=c
*P_rel
【0033】
ここで、cは、標準化係数であり、即ち、例えば単位「1秒当たり1つ」を有する数値であり、vは、スカラ又はベクトル量でよい。次に、P_relは、ゼロ速度を表す開始点から可動要素の現在位置までの距離として理解されうる。しかしながら、関係v(P_rel)は、他の方法で定義されてもよい。
【0034】
動的制御は、P_relに依存する速度v(P_rel)の変化がヌルと異なり、好ましくはヌルより大きくなるように構成されることが好ましい。即ち、位置x=P_relに関する関数v(P_rel)の微分が、ヌルより大きく、したがって、(d/dx)v(P_rel)>0又は(d/dP_rel)v(P_rel)>0となることが好ましく、その結果、P_relが大きくなるほど速度が大きくなる。特に、第1の制御規則及び/又は第3の制御規則が比例制御であるように構成された場合、(d/dx)v(P_rel)>0である第2の制御規則が、第1の入力ゾーンと第2の入力ゾーンの間の可動要素の動きの移行を提供することができ、その移行をユーザが快適で滑らかな連続的な移行として受け取ることができ、前記連続的な移行は、操作の正確さも高める。
【0035】
好ましくは、動的制御は、P_relに依存する速度v(P_rel)の変化が、P_relに依存する関数f、即ち(d/dP_rel)v(P_rel)=f(P_rel)となるように構成され、f(P_rel)は、詳細にはヌルより大きくてもよい。このように、P_relに依存する速度v(P_rel)の変化は、一定ではなくP_relにより変化し、これにより、動的制御のより融通性のある設計が可能になる。このようにして、可動要素が、ゼロ位置から始まる方向P_rel、例えば原点から始まるデカルト座標系のx軸に沿った方向に外方に移動された場合、速度が不釣り合いに上昇することが達成されうる。ユーザは、速度の不釣り合いな増大を示すことがある、詳細には信号装置によるフィードバック信号、詳細には例えばリセット装置、例えばばね装置の緊張による触覚式フィードバック信号を受け取る場合に、速度のより直感的制御を有することにより利益を得る。
【0036】
好ましくは、動的制御は、P_relに依存する速度v(P_rel)の変化が、P_rel:(d/dx)v(P_rel)〜P_relにそれぞれ比例するように構成される。(d/dx)v(P_rel)=c
*P_relであり、ここで、x=P_relであり、cは、適切な標準化係数であり、例えば、物理単位1/(秒
*メートル)を有する数値である。このように、速度は、P_rel(例えば、v〜(P_rel)2)に関して2次的に増大する。詳細には、そのような制御は、より快適で正確に動作可能な操作装置を提供する。
【0037】
動的制御は、P_relに依存する速度v(P_rel)の変化が一定ではなく、詳細にはヌルよりも大きくなるように構成され、前記変化は、連続関数によって記述されず、例えば、P_relによる速度の変化の値を含む値の表によって記述されることが好ましい。詳細には、第1の値範囲内W1=P_re_1〜P_rel_2で、速度の変化が、(d/dx)v(P_rel)〜c1であり、第2の値範囲内W2=P_re_2〜P_rel_3で、速度の変化が、(d/dx)v(P_rel)〜c2であり、第3の値範囲内W3=P_re_3〜P_rel_4で、速度の変化が(d/dx)v(P_rel)〜c3であり、第nの値範囲内W_n=P_re_n〜P_rel_n+1で、速度の変化が、(d/dx)v(P_rel)〜c_nであり、ここで、nは、1より大きな自然数でよく、例えば、n=1、2、3、4、5、6以上であり、標準化係数c1,c2,c3,…c_nの好ましくは全て又はその少なくとも一部分は、異なる値を有する。(d/dx)v(P_rel)〜P_relのそのような説明は、技術的に容易に理解されうる。
【0038】
好ましくは、第2の入力ゾーン(好ましくは、第2の入力ゾーンの領域全体)が、少なくとも第1のゾーン区分(W1)と第2のゾーン区分(W2)を有し、第1のゾーン区分(W1)が、第1の入力ゾーン(41)と第2のゾーン区分(W2)の間に配置され、位置値P_relに対する速度v(P_rel)の変更fの値が、W1内の方がW2内より低く、fが、P_relに対するv(P_rel)の微分、即ちf=(d/dP_rel)v(P_rel)であるように説明されうる。このようにして、操作装置のより快適で直感的で正確な操作が達成される。第2の入力ゾーンは、また、少なくとも第3のゾーン区分(W3)を有し、位置値P_relに対する速度v(P_rel)の変化fの値が、W2内の方がW3より低いことが好ましい。このように、操作装置のより快適で直感的で正確な操作が達成される。そのような実施形態は、十分に融通性があるように考慮され、技術的により容易に理解されうる。
【0039】
相対位置P_relは、好ましくは速度ゼロを有する可動要素の開始位置に関して測定されることが好ましい。
【0040】
動的制御下では、制御装置からの出力信号は、この速度vを使用して移動装置の被移動要素を駆動するように構成される。
【0041】
速度は、デカルト座標系ではx、y及び/又はz座標に沿った速度、並びに/又は極座標系又は球座標系の半径に沿った速度及び/又は角座標に沿った角速度を決定するパラメータを指すことができる。
【0042】
第3の入力ゾーンは、デッドゾーンでよく、そのようなデッドゾーンを含んでもよい。第3の入力ゾーンは、好ましくは、第1と第2の入力ゾーンの間にある。可動要素が、第3の入力ゾーン、詳細にはデッドゾーン内にあるとき、制御装置からの出力信号は、第3の制御規則、詳細にはデッドゾーンの制御規則に従って生成されることが好ましい。デッドゾーンの制御規則は、可動要素がデッドゾーン内にあるときに移動装置の被移動要素が移動されないような性質の出力信号が生成される効果を有することが好ましい。第3の制御規則は、また、出力信号がゼロ、詳細には出力信号に割り当てられた少なくとも1つのデータ値又は出力信号に割り当てられた少なくとも1つの信号電圧レベルが0であることを提供することができる。デッドゾーンの制御規則は、可動要素がデッドゾーン内で移動されたときに移動装置の被移動要素が移動されないような性質の出力信号が生成される効果を有することが好ましい。
【0043】
入力領域が、少なくとも1つの第3の入力ゾーンを有することが好ましく、制御装置は、可動要素が第3の入力ゾーン内に配置された場合に、出力信号が入力信号に依存する第3の制御規則に従って制御装置によって生成されるように構成されることが好ましい。
【0044】
第3の入力ゾーン、詳細にはデッドゾーンTは、全入力領域Eの小部分fを含み、即ちT=f
*Eであり、ここで、TとEは、立体角領域、即ち、円錐形又は部分円錐形の空間セクタ、領域、線、体積を含むことができ、fが1より小さい数の場合、fは、好ましくは好ましい範囲の群{(0.00001<f<0.001);(0.001<f<0.01);(0.01<f<0.03);(0.03<f<0.08);(0.08<f<0.15)}から選択される。fが0.00001より小さくてもよい。入力ゾーンの物理単位は、平方メートル、度によって表わされてもよく、他の方法で定義されてもよい。第3のゾーン(詳細にはデッドゾーン)の目的は、例えば、ジョイスティックレバーが第1と第2の入力ゾーンのちょうど境界にあるときに変動中間状態の発生を防ぐために、2つの制御規則間の移行を定義された方式で構成することである。このように、特に入力装置の構造に含まれる特定の公差が補償される。しかしながら、これは、例えば、制御規則が、移動装置の駆動を停止せずに動作させる第3のゾーン内のゾーン移行に使用されるので、デッドゾーンなしでも達成されうる。
【0045】
また、第3の入力ゾーン、詳細にはデッドゾーンの第3の制御規則は、比例制御であることが好ましい。このことは、可動要素が第3の入力ゾーン内に不動に配置された場合に被移動要素が移動されないという利点を提供する。即ち、第3のゾーンの比例制御規則は、可動要素が第3のゾーン内にあるときに移動装置の被移動要素が移動されないような性質の出力信号が生成される効果を有する。第3の入力ゾーンの比例制御と第1の入力ゾーンの比例制御は同一でもよい。あるいは、第3の入力ゾーンの制御と第1の入力ゾーンの比例制御は異なってもよい。特に、可動要素が、ユーザによって解放された後、リセット装置によって、比例制御を有する入力ゾーン、例えば第3の及び/又は第1の入力ゾーンに自動的にリセットされた場合、第3の制御規則のそのような構成は、高い操作信頼性を提供する。これについては、後で更に詳しく説明される。操作装置は、制御装置と入力領域を備えた入力装置とを支持することが好ましい基体を含むことができる。更に、操作装置は、制御装置と好ましくは入力装置を周囲環境から少なくとも部分的に又は完全にスクリーニング又は取り囲むハウジング装置を含むことができる。操作装置は、入力装置に加えて、ユーザ用の他の入力機構、詳細には1つ又は複数のボタン及び/又はコントローラ及び/又はキーボード、及び/又は表示画面やタッチスクリーンなどの表示装置を含む。操作装置は、エネルギー源、詳細にはバッテリ、又は外部エネルギー供給源用のケーブルと、適切な場合は電源ユニットを含むことができる。操作装置は、出力信号を外部位置決め装置の移動装置に渡す働きをするインタフェース装置を有することが好ましい。このインタフェース装置は、好ましくはケーブルによって接続されるが、無線でもよい。インタフェース装置は、複数の相互に絶縁された電線(即ち、ケーブル)を含むことが好ましい。この場合、ステッピングモータの位置と速度を制御しかつ/又は調整するために、移動装置の各ステッピングモータを直流制御するための2本のケーブルを接続できることが好ましい。
【0046】
電気制御装置は、基体及び/又はハウジング装置の中に配置されてもよく、基体及び/又はハウジング装置の外に配置されてもよいが、どちらの場合も入力装置への信号接続を有しうることが好ましい。
【0047】
制御装置は、後で説明されるように、本発明の方法により、出力信号が、入力信号に応じて、詳細には適切なコンピュータデータ、詳細には実行可能プログラムコードを使用して生成されるように構成されることが好ましい。コンピュータデータは、本発明による方法を実行するために、操作装置、詳細には本発明による操作装置の電気制御装置によって使用されることが好ましい。
【0048】
本発明による電気制御装置は、デジタルデータを処理するためのコンピュータ機構、好ましくはマイクロプロセッサを含むことが好ましい。制御装置は、好ましくはプログラム可能であり、好ましくはプログラム可能なコンピュータ機構を含む。好ましくは、制御装置は、データの永久及び/又は非持久記憶のためのメモリ装置、更にはコンピュータデータ(詳細には実行可能プログラムコード)の永久記憶のためのプログラムメモリを有することが好ましい。プログラムメモリは、コンピュータデータ及び/又は実行可能プログラムコードを含む。プログラムメモリは、例えば、フラッシュメモリ又はEEPROMでよい。実行可能プログラムコードは、操作装置の一部分であるファームウェア内に保持されてもよい。
【0049】
コンピュータデータ、詳細には実行可能プログラムコードは、本発明の方法による入力信号に応じた出力信号を生成するように設計されることが好ましい。コンピュータデータ、詳細には実行可能プログラムコードは、可動要素が第1の入力ゾーン内にあるときに、第1の制御規則に従う入力信号に基づいて第1の出力信号を生成するように設計されることが好ましい。コンピュータデータ、詳細には実行可能プログラムコードは、可動要素が第2の入力ゾーン内にあるときに、第2の制御規則に従う入力信号に基づいて第2の出力信号を生成するように設計されることが好ましい。コンピュータデータ、詳細には実行可能プログラムコードは、可動要素が第3の入力ゾーン内にあるときに、第3の制御規則に従う入力信号に基づいて第3の出力信号を生成するように設計されることが好ましい。
【0050】
制御装置は、好ましくは移動装置の少なくとも1つの駆動を調整するように設計された駆動コントローラを含むことが好ましい。駆動コントローラは、好ましくは制御装置によって決定され、かつ移動装置の少なくとも1つの駆動の位置決め及び/又は速度及び/又は加速度に関する値を含む第2の入力信号によって制御されることが好ましい。次に、駆動コントローラは、移動装置を制御することができる制御装置の出力信号を生成する。駆動コントローラは、制御装置の外部、詳細には操作装置の一部分として提供されてもよく、操作装置の外部に提供されてもよい。この場合、制御装置によって生成された出力信号は、駆動コントローラのための入力信号であり、駆動コントローラは、移動装置を駆動するための第2の出力信号を生成する。この場合もやはり、移動装置は、制御装置の出力信号によって制御されうる。
【0051】
駆動コントローラは、所望の動作状態を採り、即ち所望の位置及び/又は速度及び/又は加速度を維持するように、少なくとも1つの駆動機構を制御するように設計されることが好ましい。この目的のため、駆動コントローラは、駆動の律動的負荷と振動の発生を防ぐために、駆動機構を現在の動作状態から所望の動作状態に制御式又は調整式に変化させる制御の手段を含むことができる。例えば、ステッピングモータなどの駆動コントローラは既知であり、市販されている。
【0052】
移動装置は、少なくとも1つの駆動機構を含むことができる。駆動機構は、モータ、詳細には電動モータ、好ましくはリニアモータ、好ましくは直流電力によって操作されるステッピングモータでよい。しかしながら、駆動機構は、油圧又は空気アクチュエータ、又は圧電アクチュエータを含むことができる。被移動要素は、駆動機構によって移動されうる。被移動要素は、ツールホルダなどの単一構成要素でよく、あるいは、例えば、可動式摺動要素、及び/又はツールホルダを保持する保持装置、詳細には毛細管ホルダ、及び/又はそのような構成要素を接続する締結装置などの複数の構成要素を有する組立体でよい。
【0053】
移動装置は、出力信号によって制御されうる。しかしながら、移動装置は、本発明の操作装置の一部分ではない。移動装置が、インタフェース装置を介して操作装置に接続された場合、これにより、移動装置を制御装置の出力信号によって制御することが可能になる。次に、移動装置と操作装置は、信号によって接続される。
【0054】
制御装置は、また、少なくとも1つの出力信号を生成するように設計されうる。制御装置は、更に、少なくとも2つの出力信号を生成するように設計されてもよく、各出力信号は、詳細には同じ構造を有することも異なる構造を有することもできる移動装置を制御するように設計される。したがって、制御装置は、例えば、更に、ユーザが、操作装置のユーザ・インタフェース、例えばキーボード、ボタン、スイッチによって、制御される所望の操作装置及び/又は生成される出力信号を選択するように開発されてもよい。最低1つ又は2つの移動装置が、操作装置に永久的に接続されうるか、信号によって接続されうるか、又は必要に応じて接続可能でよい。
【0055】
信号によって接続されることは、何らかの技術手法、例えば配線接続、例えばケーブル、又は無線、例えば無線接続、好ましくは電線によって、又は光伝送若しくは何らかの他の伝送技術によって情報を交換できることを意味する。例えば、入力装置と制御装置は、例えばケーブル又は無線接続などの無線データインタフェースを介して、信号によって接続され、それにより、ユーザによって作成された入力信号を制御装置に送信することができる。
【0056】
本発明による微小位置決め装置は、本発明による操作装置を含み、更に移動装置を含む。
【0057】
微小位置決め装置は、好ましくはツールホルダ、詳細には毛細管ホルダを含む本発明による微小操作装置の一部でよい。
【0058】
入力装置は、ジョイスティック装置でよい。これは、ジョイスティックレバーを含む。可動要素は、操作装置に面する端に取り付けられることが好ましい。可動要素は、ジョイスティックレバーを含むか、ジョイスティックレバーでよく、又はジョイスティックレバー上の点又は区分でもよい。ジョイスティックレバーは、支点のまわりで旋回できるように入力装置に取り付けられることが好ましい。
【0059】
入力領域は、立体角領域でもよく、ジョイスティックレバーが中で旋回することができる1つ又は複数の立体角領域を含んでもよい。その場合、様々な入力ゾーンは、立体角領域の様々な部分領域、即ち立体角領域自体でよい。立体角領域は、例えば、第1の角度と第2の角度によって適切に規定される。第1の角度βは、デカルト座標系のx−z平面内で測定されてもよく、第2の角度χは、座標系のy−z平面内で測定されてもよい。この測定は、少なくとも1つのセンサ、好ましくはちょうど2つ又は少なくとも2つのセンサ、詳細には距離センサを含む入力装置内のセンサ装置によって実現されることが好ましい。センサ又は距離センサは、非接触センサ、好ましくはホールセンサ又は光センサであることが好ましい。光センサは、詳細には、フォトセル機構として構成されてもよい。座標系は、z軸に対する回転対称で動くことができるジョイスティックレバーが、z軸と平行に調整されるゼロ位置を有するようなものでよい。この場合、x−y平面は、z軸に垂直である。ジョイスティックレバーの支点は、座標系のゼロ点であることが好ましい。
【0060】
入力装置は、また、ストリップ又は他の表面の形の入力領域、詳細には、例えばタッチパッド又はタッチスクリーン上の摺動要素又はタッチセンス面を有する入力装置の場合である平面入力領域を有することができ、その場合、位置値は、例えば容量動作センサ装置によって決定される。この場合、可動要素は、ユーザの指先でよい。入力装置は、更に、トラックボール、1つ又は複数の軸のまわりで振動することができる操作ロッカ、又は1つ又は複数の方向に押すことができる摺動要素を含むことができる。市販の入力装置が位置値を決定することができ、また制御装置の入力信号を生成できる場合には、入力装置としてその市販の入力装置を使用することができる。
【0061】
入力装置は、操作装置の一部分である。入力装置は、操作装置の物理的部分であることが好ましく、また詳細には操作装置の基体上、詳細には制御装置を含む操作装置のハウジング装置の少なくとも部分的に内側に配置される。しかしながら、入力装置は、入力信号を制御装置に渡すために、入力装置が制御装置への信号接続を有する限り、制御装置を含む操作装置のハウジング装置の外部に配置されてもよい。
【0062】
ジョイスティックレバーは、z軸のまわりに回転対称で回転できるようにジンバルから懸架されることが好ましい。この目的のため、ジンバルサスペンションは、x軸とy軸に平行でよい互いに垂直な2つの旋回軸を有する。ジョイスティックレバーは、ジョイスティックレバーの下側端に配置され、したがって座標系の下側半空間の方向を指し、それにより負z値を有する点の領域内を指すブーム部分を含むことが好ましい。2つの立体角の位置を決定するため、好ましくは少なくとも2つのセンサが、好ましくは半空間の下側領域内で、互いに離れて配置される。第1のセンサは、z軸上のブーム部分の下に配置されてもよく、第2のセンサは、好ましくは支点の高さ又はその下にz軸からずらされて配置されてもよい。
【0063】
ジョイスティックレバーは、詳細にはブーム部分の下側端に、センサと相互作用して位置値を決定するブーム部分上の相互作用要素を有することができる。更に、相互作用要素は、ジンバルサスペンションに配置されかつ/又は取り付けられてもよい。相互作用要素は、磁気要素でよく、詳細には永久磁石を含むことができる。ホールセンサからの距離は、前記センサによって決定されてもよく、それにより、例えば立体角を検出することができる。相互作用要素は、また、トランスミッタ又はリフレクタでもよく、例えば光学フォトセルとして働く開口装置を含んでもよい。
【0064】
操作装置は、センサ装置を含むことが好ましい。これは、入力装置の一部分であることが好ましい。好ましくは、これは、位置又は位置の変化を検出するのに適したN_sens個のセンサの数を含み、ここで、N_sens≧1である。好ましくは、N_sens=2であり、その理由は、この値が、特に、2つの位置パラメータ(例えば、2つの角度、2つの距離)の好ましい検出を容易にするのに適切で経済的だからである。可動要素が一次元運動の場合、1つのセンサが使用されることが好ましく、二次元運動の場合には、2つのセンサが使用されることが好ましく、三次元運動の場合には、3つのセンサが使用されることが好ましい。より高い精度を達成するために、各場合に2倍の数のセンサが使用されることが好ましい。
【0065】
センサは、好ましくは非接触センサ、好ましくは距離センサである。センサは、ホールセンサであることが好ましい。更に、センサは、光センサでよく、例えば、可視スペクトル又は赤外スペクトルで放射することができる少なくとも1つのLEDを含むことができる。光センサ装置は、位置値を決定するためにフォトセル装置を含むことができる。
【0066】
しかしながら、センサは、また、接触動作原理を有してもよく、例えば、ポテンショメータを含むことができる。
【0067】
操作装置は、可動要素がその位置を2つの入力ゾーン間で変更するときにユーザにその変更を示すように設計された信号装置を含むことが好ましい。その結果、移動装置の動きの制御が、より便利、即ちより直感的になる。
【0068】
信号装置は、2つの異なる入力ゾーン間のこの変更が行われたときにユーザに触覚及び/又は光学及び/又は音響信号を提供するように設計されることが好ましい。触覚認識は、対抗力、詳細には増大する対抗力の知覚でよい。
【0069】
信号装置は、デッドゾーンと第2の入力ゾーンの間の変更が行われたときにユーザに触覚信号を提供するように設計されることが好ましい。詳細には、第1の入力ゾーンが比例制御に使用され、第2の入力ゾーンが動的制御に使用されるとき、ユーザは、動的制御に従って「高速運動モード」になるように伝えられるか警告される。
【0070】
ユーザが可動要素の位置を変更するときに、可動要素の位置と運動方向に依存する変更可能な対抗力をユーザに提供するために、力フィードバック用の装置が、提供され設計されることが好ましい。この原理は、「力フィードバック」として知られ、直感的制御を可能にし、制御されるパラメータは、フィードバック力の大きさも決定する。制御されるこのパラメータは、例えば、好ましくは移動装置の駆動の速度に比例する、第2の入力領域内の可動要素の相対位置でよい。その結果、この制御は、直感的になる。力フィードバック用の装置は、切欠きを有することができる摺動ガイド要素を含みうる。
【0071】
力フィードバック用の装置は、この信号装置として働き、ゾーンの変更をユーザに示す触覚信号を生成することが好ましい。
【0072】
操縦装置は、リセット装置を有することが好ましい。力フィードバック用の装置は、また、リセット装置として働くことが好ましい。リセット装置は、詳細には対抗力によって、可動要素を初期位置に戻すように構成される。この目的のため、好ましくは入力装置、又はリセット装置はそれぞれ、この再位置決めを実施するばね装置を含む。前記初期位置は、好ましくは、第1の入力ゾーン内、又は第3の入力ゾーン内、又は第1の入力ゾーンと第3の入力ゾーンの境界上にあってもよい。
【0073】
リセット装置及び/又は力フィードバック用の装置が、可動要素のまわりにばね装置によって可動式にばね取り付けされた摺動ガイド要素を含むことが好ましい。
【0074】
摺動ガイド要素は、板の形態、詳細には円盤の形態、詳細には円環の形態を有することが好ましい。摺動ガイド要素は、摺動ガイドとして働く切欠きを有することが好ましい。切欠きに隣り合った摺動ガイド要素の内側面、詳細には摺動ガイド要素の内縁は、この場合、操作装置の可動要素又は操作要素がこの内側面と接触するときに好ましくは設けられる可動要素及び/又は操作要素のガイドトラック及び/又は摺動トラックとして構成される。摺動ガイド要素は、入力装置に対して移動可能に支持され、詳細には、可動要素がこの内側面に力を受けるときにゼロ位置から動かされる。
【0075】
摺動ガイド要素の切欠きの外側輪郭は、好ましくは、第1の入力ゾーンから第2又は第3の入力ゾーンあるいは第3の入力ゾーンから第2の入力ゾーン内に移行する輪郭と同じ形状及び/又はサイズを有し、したがって、いずれの場合もゾーン境界を構成する。このように、制御規則の変化は、信号装置及び/又は力フィードバック及び/又は再位置決め機能による信号生成に結合されうる。詳細には、信号は、ユーザが可動要素を前記ゾーン境界の上で動かすときに力フィードバック又は再位置決めを正確に開始又は停止することができる。したがって、ユーザが、例えば、比例ゾーン(又は、デッドゾーン)から動的ゾーンへの移行を完了した場合、ユーザは、例えば、摺動ガイドの内側面にジョイスティックの操作レバーを当て、これにより移行がユーザに伝わる。移動装置の駆動速度の増大と同等の動的ゾーン内の更なる振れによって、ユーザは、ユーザがレバーを振らす力に対抗するばね装置による力を知覚する。駆動の速度が、ばね装置によって生成された対抗力とほとんど比例する場合、力フィードバックは、特に情報となり、その結果、操作装置の制御が直感的になる。しかしながら、ゾーン境界の輪郭と外側輪郭は、異なるように構成されてもよい。
【0076】
摺動ガイド要素の切欠きの外側輪郭は、第1の入力ゾーンから第3の入力ゾーンへの移行を形成する輪郭(即ち、ゾーン境界)と同じ形状及び/又はサイズを有することが好ましい。これは、摺動ガイド要素が、リセット装置の一部分であるように構成された場合、可動要素が第2の入力ゾーン内にある間にユーザが可動要素を放した場合に、可動要素が、第2の入力ゾーンから安全に出され、詳細には第3及び/又は第1の入力ゾーン内に設定されるか、少なくとも第3のゾーンと第1のゾーンの境界に設定されるという利点を提供する。この利点は、詳細には、ガイド摺動要素の切欠きの外側輪郭が、第1の入力ゾーンから第3の入力ゾーンへの移行を形成する輪郭と比較して形状及び/又はサイズにわずかなずれを有する場合、又は摺動ガイド要素のゼロ位置が、操作装置の寿命中に劣化によって変化した場合、又は他の理由によって摺動ガイド要素の切欠きの外側輪郭と第1と第3のゾーンの境界の間が完全に一致しない場合に提供される。それぞれの場合に、利点は、可動要素が、解放後に第2の入力ゾーン内にもう配置されないことである。この状況では、第3の入力ゾーンのサイズ及び/又は形状が、前記ずれが第3の入力ゾーンを超えないように構成されることは明白である。
【0077】
例えば、第2の入力ゾーンの第2の制御規則が動的制御であり、第1の入力ゾーンの第1の制御規則が比例制御である場合に、詳細には第3の入力ゾーンの第3の制御規則も比例制御である場合、又は第3のゾーンがデッドゾーンである場合は、前述の構成は、摺動ガイド要素が第3及び/又は第1の入力ゾーンにリセットされることによって可動要素が短い減速段階から解放された場合に、被移動要素がそれ以上動かないことを保証する。この利点は、生体細胞の操作、詳細にはICSIの状況でヒト生卵母細胞を操作する操縦装置を使用する場合に明白になる。そのような状況では、ジョイスティックレバーである可動要素が、第2のゾーン内のユーザによって解放された後、毛細管である被移動要素が、それ以上動かされないことが特に重要である。このように、貴重な卵母細胞の破損又は微小位置決め装置の破損の危険性を減らすことができる。
【0078】
ばね摺動ガイド要素は、ばね装置のばね要素の釣り合いによって規定された規定ゼロ位置を有することが好ましい。ばね装置は、ゼロ位置を調整するために調整手段によって調整されうることが好ましい。ジョイスティックレバーの支点を通るz軸は、ゼロ位置にあるときに摺動ガイド要素の切欠きの幾何学的中心を通ることが好ましい。ジョイスティックレバーは、ゼロ位置にあるとき、詳細にはz軸がジョイスティックレバーを通る中心軸と一致するように、z軸と平行であることが好ましい。ジョイスティックレバーは、入力ゾーン内のその位置が、ユーザ又は再位置決め装置によって押されない場合は変化しないように取り付けられることが好ましい。
【0079】
入力装置は、摺動ガイド要素を交換できるように構成されうる。操作装置は、ゾーン境界の輪郭が、ユーザによって選択され、詳細には摺動ガイド要素の切欠きの外側輪郭と合致するように構成されうる。このようにして、操作装置の使用の融通性が高まる。
【0080】
摺動ガイド要素の切欠きの外側輪郭とゾーン境界の輪郭は両方とも、形状が円形であることが好ましい。その結果、操作装置は、好ましい方向がないので、操作が直感的になる。しかしながら、外側輪郭とゾーン境界の輪郭は、他の形態を有してもよく、その幾つかの例が、
図6aと
図6bに示されている。例えば
図6bに示されたように、内側の方にずらされた領域を有し、したがって部分的に心臓形の輪郭の1つの形態は、操作装置の特定の用途に有利なことがある。したがって、細胞操作中、詳細にはICSI中に、矢印Aの方向のジョイスティックレバー又は可動要素の比較的小さい振れによる動的制御下の移動装置によって毛細管を素早く動かし、次に矢印Bの方向の比例制御による動きを行なうことができる。
【0081】
第1の制御規則は、位置値に依存する移動装置の被移動要素の動きの比例制御を生成することが好ましい。第2の制御規則は、位置値に依存する移動装置の被移動要素の動きの動的制御を生成することが好ましい。
【0082】
特に好ましい実施形態では、入力領域は、第1の入力ゾーンと第2の入力ゾーンの間にあるデッドゾーンを有し、第1の制御規則は、位置値に依存する移動装置の被移動要素の動きの比例制御を達成し、第2の制御規則は、位置値に依存する移動装置の被移動要素の動きの動的制御を達成する。この構成は、操作装置の直感的操作を達成する。ユーザは、被移動要素を動的モードで素早く移動させることができ、デッドゾーンによって、比例モードに確実に変化して移動装置の被移動要素の位置の微調整を行なうことができる。
【0083】
本発明は、更に、移動装置、詳細には生体細胞を操作するためのマイクロマニピュレータの移動装置を制御するための、詳細には操作装置の電気制御装置、詳細には本発明による操作装置において出力信号を生成する方法に関し、操作装置の入力装置によって、電気制御装置の入力信号として働く電気信号が生成され、入力信号に依存する電気制御装置によって出力信号が生成され、それにより、移動装置の動きを制御することができ、この入力領域は、第1の入力ゾーンを有し、出力信号は、可動要素が第1の入力ゾーン内に配置されたときに入力信号に依存する第1の制御規則に従って制御装置によって生成され、入力領域が第2の入力ゾーンを有し、出力信号は、可動要素が第2の入力ゾーン内に配置されたときに入力信号に依存する第2の制御規則に従って制御装置によって生成される。
【0084】
本発明は、更に、本発明による方法のステップを実行するコンピュータデータ、詳細には実行可能プログラムコードに関する。本発明は、更に、電気制御装置において本発明による方法の実行を可能にするコンピュータデータ、詳細には実行可能プログラムコードを含むデータ記憶媒体、例えばコンパクトディスク又はフラッシュメモリに関する。
【0085】
本発明による方法の更に好ましい実施形態は、本発明による操作装置の記述から明らかになる。
【0086】
本発明による操作装置及び本発明による方法の更に好ましい実施形態は、図面及びその説明と関連した例示的な実施形態の以下の記述から明らかになる。例示的な実施形態の同じ構成要素は、一般に、他のことが記述されるか状況から明らかにならない限り、同じ参照番号によって示される。