(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6235027
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】ワイヤライン通信環境においてノイズ信号を感知するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
H04B 1/10 20060101AFI20171113BHJP
G01R 29/08 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
H04B1/10 Z
G01R29/08 D
【請求項の数】19
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2015-537843(P2015-537843)
(86)(22)【出願日】2013年10月17日
(65)【公表番号】特表2015-537442(P2015-537442A)
(43)【公表日】2015年12月24日
(86)【国際出願番号】US2013065519
(87)【国際公開番号】WO2014062967
(87)【国際公開日】20140424
【審査請求日】2016年10月17日
(31)【優先権主張番号】61/715,198
(32)【優先日】2012年10月17日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506009350
【氏名又は名称】イカノス・コミュニケーションズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】IKANOS COMMUNICATIONS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(72)【発明者】
【氏名】アロワ、ローラン・フランシス
(72)【発明者】
【氏名】ケースラー、ジュニア・ウィリアム・エドワード
(72)【発明者】
【氏名】ピエールゲス、ローラン
(72)【発明者】
【氏名】ムラルト、アーノルド
【審査官】
佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】
特表2010−506497(JP,A)
【文献】
特開2006−115402(JP,A)
【文献】
特開2005−005922(JP,A)
【文献】
特開2010−050810(JP,A)
【文献】
特開平08−335915(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0235759(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/10
G01R 29/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤライン通信システムのカスタマ構内環境中の装置において、
前記ワイヤライン通信システムのデータ信号を受信するように結合されている一次センサと、
送電本線から発生するノイズソース干渉に対応する送電線信号を受信するように前記送電本線に結合されている送電線センサとを具備し、
前記送電線センサは、前記ノイズソース干渉を特徴付けるために、前記一次センサとともに使用され、
前記特徴付けは、前記一次センサと前記送電線センサとにおけるノイズソース電力と、前記一次センサと前記送電線センサとの間のノイズ相関とを推定することによって実行される装置。
【請求項2】
前記前記ワイヤライン通信システムは、デジタル加入者線(DSL)システム、マルチメディアオーバ同軸ケーブル(MoCA)システム、ホーム電話線ネットワーキングアライアンス(HPNA)ベースネットワーク、または、国際電気通信ユニオン(ITU)電話通信ホームネットワーク標準規格(ITU−T G.hn)ベースネットワークである請求項1記載の装置。
【請求項3】
電源ユニットをさらに具備し、前記送電線センサは、前記電源ユニットから前記送電線信号を受信する請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記送電線センサは、前記送電本線に結合されている外部プローブを含む請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記送電線信号は、前記送電本線の、ホットワイヤとニュートラルワイヤ、ニュートラルワイヤとグラウンドワイヤ、および、ホットワイヤとグラウンドワイヤ、のうちの1つまたは複数の組合せから生じる請求項1記載の装置。
【請求項6】
前記送電線信号は、前記送電本線の、ホットワイヤとニュートラルワイヤとの間の差動モード信号と、ホットワイヤとニュートラルワイヤとグラウンドワイヤとの間のコモンモード信号とのうちの1つまたは複数を含む請求項1記載の装置。
【請求項7】
前記送電線信号を使用して、前記データ信号に影響を与えるノイズをキャンセルするように適応されているキャンセラをさらに具備する請求項1記載の装置。
【請求項8】
前記キャンセラは、線形的に重み付けられた総和として、前記一次センサと前記送電線センサとからの出力の組み合わせを使用して、キャンセルを実行するように構成されている請求項7記載の装置。
【請求項9】
前記キャンセラは、前記データ信号と前記送電線信号とに適応線形フィルタリングを実行するように構成されているデジタル信号プロセッサを含む請求項7記載の装置。
【請求項10】
前記ワイヤライン通信システムは、マルチトーンシステムであり、前記キャンセラは、周波数領域において、トーン毎ベースで動作するように構成されている請求項7記載の装置。
【請求項11】
前記キャンセラは、二次センサを使用して実行される別のキャンセル処理を補足するために動作するように構成されている請求項7記載の装置。
【請求項12】
前記キャンセラのうちの1つからの出力を条件付きで選択するセレクタをさらに具備する請求項11記載の装置。
【請求項13】
前記送電線センサは、前記カスタマ構内環境中のノイズおよびそのソースを、ならびに、前記ワイヤライン通信システムにおける関係するインパクトを特徴付けるために、他のセンサと連携して使用される請求項1記載の装置。
【請求項14】
前記一次センサ、前記送電線センサ、および二次コモンモードセンサを使用して特徴付けが実行される請求項13記載の装置。
【請求項15】
特徴付けは、前記一次センサ、前記送電線センサ、および二次コモンモードセンサのうちの少なくとも2つの間のカップリングを決定することを含む請求項13記載の装置。
【請求項16】
前記ノイズソースの数および相対位置の決定は、前記特徴付けに少なくとも部分的に基づいている請求項1記載の装置。
【請求項17】
ワイヤライン通信システムのカスタマ構内環境中の装置において、
前記ワイヤライン通信システムのデータ信号を受信するように結合されている一次センサと、
前記データ信号にインパクトを与え、送電本線から発生するノイズに対応する送電線信号を受信するように前記送電本線に結合されている送電線センサと、
前記受信されたデータ信号と前記受信された送電線信号とにおけるノイズソース電力と、前記受信されたデータ信号と前記受信された送電線信号との間のノイズ相関とに少なくとも部分的に基づいて、前記ノイズの特徴付けを実行する組み込まれたノイズ分析エンジンとを具備する装置。
【請求項18】
前記ワイヤライン通信システムを使用する前記装置への送信および前記装置からの送信がサービスされていない間に、前記組み込まれたノイズ分析エンジンは、前記ノイズに関する情報を収集する請求項17記載の装置。
【請求項19】
前記ワイヤライン通信システムを使用する前記装置への送信および前記装置からの送信がサービスされている間に、前記組み込まれたノイズ分析エンジンは、前記ノイズに関する情報を収集する請求項17記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2012年10月17日に出願された先の同時係属中の米国仮特許出願第61/715,198号の米国特許法第119条(e)の下の優先権を主張する。この開示は、全体が参照によって本明細書によって組み込まれている。
【0002】
本発明は、一般に、ワイヤライン通信に関し、さらに詳しくは、DSLモデムにおけるノイズソースの特徴付けおよび/または緩和の際に使用されるために、送電線に結合されたセンサに関する。
【背景技術】
【0003】
DSL構成では、住宅環境において、定常ノイズおよびインパルス性ノイズが生成される。これは、IPTVのようなネットワークサービスを配信する住居デバイスのWANインターフェースの信頼性にインパクトを与える。そのような外乱のソースは、例えば電気掃除機やランプのような家電製品、または、プールポンプや洗濯機等のような機器を含む。主に差動モード(DM)からDMカップリングに帰結すると予想されているDMセルフFEXT信号とは別に、住宅環境では、DSLノイズソースは、家庭内のノイズソースのほとんどが生成される送電本線およびツイストペアが住宅内で近接していることによる静電カップリングから支配的に発生すると仮定されている。
【0004】
いくつかのノイズソースは、外部からツイストペアへダイレクトに放射しており、ツイストペアは、到来波に対してアンテナのように作用する。このようなものは、送電本線において必ずしも存在する必要のないDM信号へ変換されるコモンモード(CM)信号を、引込線上において生成させるRFIディスターバのケースである。しかし、家庭内のノイズソースのほとんどは、放射によってではなく、本線ネットワークとツイストペアとの間の静電カップリングによってDSL線への進路を見つけると予想されている。
【0005】
関連して、
図1および
図2に例示されるようなDSLモデムの、従来の電磁環境適合性(EMC)コンプライアンス試験では、電界条件を表す干渉に対するモデムの耐性を評価するために、被試験機器(EUT)へ、電気的な高速な過渡(EFT)102の印加が実行される。EFTのバーストは、典型的には、配電ネットワークに接続された配電スイッチギヤ、電気機械的なスイッチおよびモータの動作によって引き起こされる。典型的なバーストは、短い時間期間に、高い頻度で繰り返す多くのインパルスからなる。EFTは、本質的に、住宅内の配電ネットワーク上を移動しているので、これら過渡は、少なくとも2つの可能な経路、すなわち、第1に、これら過渡が近接する住宅内の送電線とDSLケーブル自身との静電カップリングまたは誘導カップリングを介して、第2に、電力を受け取るためにDSLモデムが接続されている電源リードを介したEFT信号の漏洩によって、これら過渡が干渉するDSLポートへ向かい得る。可能なカップリング経路の多様性の結果、EFTに対する耐性試験は、従来、テレコムポート(TP)および/または電源ポートにおいて実行されている。
図1は、カップリングクランプ104を用いることによる、DSL線自身へのEFT信号のダイレクトカップリングを例示する。
図2は、DSLモデムの電源ポート106を介したEFT信号のカップリングを例示する。
【0006】
EFT信号がDM DSL信号にインパクトを与える原理が、以下のように例示される。
図3は、住宅内の本線ネットワーク302とDSLツイストペア304からのEFT信号の静電カップリングによるループアンバランスによるEFT信号変換を例示する。EFT信号が送電本線住宅内ネットワーク上を移動すると、住宅内ネットワークのホット/ニュートラルペアにおいて、基準グラウンドに対する電圧V
EFTが発生する。住宅内送電本線ネットワーク302とDSLツイストペア304とが近接していることによって、住宅内の1つの特定のまたは複数のカップリングポイントにおいて、このV
EFT信号が、DSL線にカップリングし、DSLツイストペアのチップアンドリング(T&R)ペア308におけるCM信号として、電圧V
EFT-CMとして、自身を放射する。ツイストペアにおけるCM信号は、その後、グラウンドに対するツイストペアのアンバランスによって、DM電圧V
EFT-DMへ変換される。このV
EFT-DM信号は、有用なDSL信号上に、自身を重ね合わせ、有用なDSL信号を乱す。このシナリオは、
図1に図示される試験手順において得られる。
【0007】
図4は、住宅内本線ネットワーク404上を移動しているEFT信号がDSLモデムの電源ユニット402を介して漏洩し、DSLモデムポートのT&Rにおいて、自身をDM信号へ変換する原理を例示する。説明されるように、基準グラウンドに対する電圧V
EFTが、住宅内ネットワーク404のホット/ニュートラルペアにおいて発生している。それは、DSLモデムに電力を提供する電源リード406に存在する。電源ユニットが、この所望されない信号に、高い分離レベルを提供しても、ある電圧V
EFT-CMは、漏洩によって、DSLフロントエンドへ向かい得る。DSLフロントエンドは、グラウンドに対して電気的に浮遊しており、よって、モデムにおけるDSLツイストペアのT&Rペア408に存在するCM信号を誘導する。ツイストペアにおけるこのCM信号V
EFT-CMは、その後、印加のポイントにおいて見られるように、グラウンドに対するツイストペアのアンバランスによって、DM電圧V
EFT-DMへ変換される。このV
EFT-DM信号は、有用なDSL信号上に、自身を重ね合わせ、有用なDSL信号を乱す。このシナリオは、
図2の試験手順において得られる。
【0008】
しかしながら、実際のフィールドシナリオでは、EFT信号の印加は、静電カップリングおよび電源漏洩によって同時に生じる。なぜなら、EFT信号は、モデムの両インターフェースに同時にインパクトを与えると予想されているからである。この状況は、単に、いかなるモデム(すなわち、DSLリンク)も、そのいかなる物理的なインターフェース(例えば、TPポート、電源ポート、イーサネット(登録商標)ポート、シリアルポート等)において、環境的な干渉に影響され得るという事実を例示している。このイベントでは、2つのカップリング経路が、送電本線とDSLループとの間にともに存在する場合はいつでも、ループの静電カップリング(
図3)、または、電源の漏洩(
図4)の何れかによって、結果的にDSLペアにおいて得られるDMノイズは、実際に、ツイストペア上にCMモードにカップリングし、その後、異なる伝達関数によってDMにカップリングする2つの個別のノイズの重ね合わせである。
図3および
図4は、送電本線ノイズのカップリングの結果生じるCM信号の印加のポイントの正確さによって、2つのケースにおいて異なるであろう、2つの異なるモード変換伝達関数によって決定される、ループで発生する信号のCM−DM変換を例示する。ケーブル上の物理的に2つの別個のポイント(例えば、モデムから離れたどこかである1つのポイント(
図3)と、モデムに近い1つのポイント(
図4))であるこれらの2つのポイントにおいて、モデムによって認識されるようなCMノイズからDMへの変換をもたらすケーブルのアンバランスは、異なっている可能性が高い。
【0009】
したがって、
図5に例示されるように、興味のある2つのカップリング経路、すなわち、後にTPのアンバランスなポイントにおいてDMへ変換される、T&RのCMへの送電本線の静電/誘導カップリングによる信号変換経路502、および、T&RアンバランスによってCMからDMへローカルに変換され得る、電源ブロックを介した送電本線からT&Rへのノイズ信号変換504、が有効になるであろう。
【0010】
これら2つの興味のある経路は重なり合う。アンバランスな2つのポイントにカップリングするノイズソース信号が同一ならば、結果として得られるノイズは、重ね合わせの原理によって、単一の集合変換経路によってカップリングしているように見えるであろう。
【0011】
実際、電源ユニットを介したカップリング経路は、ボード設計者の制御下にある。それは、最小化され、住宅内ネットワークに沿ったDSL線と送電本線ネットワークとの間に存在し得るカップリング経路よりかなり下にあるレベルに低減されるべきである。この議論では、電源ユニットを介したノイズ漏洩の出現は、電源を介した送電本線ノイズへの接続経路が存在する、その後発生するポイントを例示するために役立つ。本発明者は、もしも制御されれば、この接続は、ノイズソースの特徴付け、および、DSL線への緩和のために、効率的に使用され得ることを認識する。
【0012】
電源を介したノイズのカップリングの状況は、EFTノイズソースに限定されず、モデムと同じ送電線に接続されたHP−AVディスターバを備えた、制御された実験室環境においても、本発明者によって観察され得る。たとえモデムのT&Rポートがケーブルに接続されていなくても、漏洩したHP−AV信号は、T&Rにおいて、測定可能なCM信号を生成する。モデムがケーブルに接続されている場合はいつでも、CM信号は、ループアンバランスによって、T&Rにおいて、DM信号に変換される。この状況は、実際に、送電本線に有効に存在するノイズソースが、電源漏洩によって、DSLポートへの進路を見つけ得るという例示である。
【0013】
何れのイベントにおいても、前述を考慮して、ノイズソースにおいて、DM DSL信号にカップリングする、送電本線によって生成されたCMノイズを特徴付けすることができることが望ましいであろう。
【発明の概要】
【0014】
本発明は、例えばDSLシステムにおけるカスタマ構内環境のようなワイヤライン通信環境においてノイズソースを感知するための方法および装置に関する。実施形態では、本発明は、ノイズソースにおいて、DSL線にカップリングしているノイズを特徴付けるため、および/または、DSL線へのインパクトを緩和するための何れかのために、DSLカスタマ構内環境における送電本線に接続された追加のセンサを含む。1つの目的は、ノイズ信号自身をより良好に特徴付けること、および、送電本線から感知される信号と、DSL線への可能な放射との相関性を導出すること、に役立つ診断に関連付けられる。別の目的は、DSL線への経路を形成する送電線ノイズを緩和または除去するために、これら送電線センサ信号を活用する。例示的な実施形態はさらに、二次コモンモードセンサ、差動モードセンサ、およびファントムモードセンサのような追加の二次センサからの信号を含め、活用する。
【0015】
これらおよびその他の態様に従って、本発明の実施形態に従うワイヤライン通信システムのカスタマ構内環境における装置は、ワイヤライン通信システムのデータ信号を受信するために結合された一次センサと、カスタマ構内環境における送電本線から発生するノイズソース干渉に対応する送電線信号を受信するために結合された送電線センサと、を含む。
【0016】
本発明のこれらおよびその他の態様および特徴は、添付図面と連携した本発明の具体的な実施形態の以下の記載を検討することによって、当業者に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】住宅内送電線とDSL線との間のカップリングを表す、テレコムポートにおけるEFT印加を例示する図解。
【
図2】電源ケーブルを介したDSL線へのカップリング経路を表す、電源ポートにおけるEFT印加を例示する図解。
【
図3】住宅内本線ネットワークとツイストペアの静電カップリング後のループアンバランスによる信号変換を例示する図。
【
図4】電源ユニット(PSU)を介した住宅内本線ネットワークノイズの漏洩後のループアンバランスによる信号変換を例示する図。
【
図5】カップリング経路の重ね合わせを例示する図。
【
図6】デュアルセンサ受信機において使用されるレガシーコモンモードセンサを例示する図。
【
図7】本発明の実施形態に従うデュアルセンサ受信機における例示的な送電線センサを例示する図。
【
図8】本発明に従う送電線センサの例示的な実施を例示する図。
【
図9】本発明に従うホット&ニュートラル接続およびニュートラル&グラウンド接続を用いたデュアルセンサを含む送電線センサの別の例を例示する図。
【
図10】本発明に従うデュアル「DMおよびCM」センサを含む送電線センサの別の例を例示する図。
【
図11】異なる重み付けがなされた集合ノイズXおよび集合ノイズYによるカップリング経路の縮退を例示する図。
【
図12】異なる重み付けがなされた集合ノイズXおよび集合ノイズYによるカップリング経路の縮退をさらに例示する図。
【
図13】本発明の実施形態に従う未使用のペアにおける二次DMセンサとの送電線センサの同時使用を例示する図。
【
図14】本発明の実施形態に従って未使用のペアを用いた二次DMおよびPMセンサとの送電線センサの同時使用の例を例示する図。
【
図15a】例示的なCPE環境における送電線ノイズのさまざまなモードを例示するグラフ。
【
図15b】例示的なCPE環境における送電線ノイズのさまざまなモードを例示するグラフ。
【
図16a】例示的なCPE環境における送電線ノイズのさまざまな放射を例示するグラフ。
【
図16b】例示的なCPE環境における送電線ノイズのさまざまな放射を例示するグラフ。
【
図17a】本発明の実施形態に従って、PSDを測定し、相関を計算し、ノイズのさまざまな放射をキャンセルするための例示的なアーキテクチャを例示するブロック図。
【
図17b】DM信号との再結合後、
図17aに図示されるキャンセラの出力における例示的なPSDを例示するグラフ。
【
図18】本発明の実施形態に従って、相関付けおよびキャンセルを実行するための、例示的なマルチセンサ受信機を例示するブロック図。
【
図19】本発明のマルチセンサ信号を用いた例示的なノイズモニタおよびノイズファインダモジュールを例示するブロック図。
【
図20】本発明の実施形態に従って、
図19に例示されるモジュールで使用するための例示的なノイズ分析処理を例示するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、当業者が本発明を実現することを可能にするように、本発明の例示的な例として提供されている図面を参照して詳細に記載される。特に、以下の図面および例は、本発明の範囲を、単一の実施形態に限定することは意図されておらず、記載または例示された要素のいくつかまたはすべてを交換することによって、その他の実施形態が可能である。さらに、本発明のいくつかの要素が、周知の構成要素を用いて部分的または完全に実現され得る場合、本発明の理解のために必要な、このような周知の構成要素のうちのこれら部分のみが記載され、このような周知の構成要素のうちの他の部分の詳細説明は、本発明を不明瞭にしないために省略され得る。ソフトウェアで実施されるものとして記載されている実施形態は、本明細書において他の方式で明示されていないのであれば、当業者に明らかになるように、それに限定されるべきではなく、ハードウェア、または、ソフトウェアとハードウェアとの組合せ、およびその逆で実現される実施形態を含み得る。本明細書では、単一の構成要素を示す実施形態は、本明細書において他の方式で明示的に述べられていないのであれば、限定であると考えられるべきではなく、むしろ、本発明は、複数の同じ構成要素を含む他の実施形態、およびその逆を包含することが意図されている。さらに、明示的に述べられていないのであれば、出願人は、明細書または特許請求の範囲における何れの用語についても、一般的ではない、または、特別な意味を割り当てられることを意図していない。さらに、本発明は、例示によって本明細書に対して称されている周知の構成要素に対する現在および将来における周知の均等物を包含している。
【0019】
とりわけ、本発明者は、住宅送電本線が、住宅内における多くの家庭内のノイズソースが伝搬する本線集中ポイントであるイベントでは、ツイストペアCMモードまたはDMモードへの静電カップリングまたは誘導カップリングによるカップリングの前に、(例えば、モデム電源ポートを介して)住宅送電本線へダイレクトに結合されたセンサは、ノイズソースにおけるノイズの収集を可能するであろうことを、認識している。このようなセンサは、DM信号へ変換されたCMノイズをキャンセルするために使用されるように従来考えられている、T&Rペアにおいて適用されるCMノイズセンサに対して相補的または代替的であり得る。
【0020】
図15aは、典型的な住宅環境に存在する信号を例示する。17MHz(興味のあるVDSL帯域幅)にわたって、3つの信号のPSDが表示される。CPEモデムが接続されている電源コンセントにおいて30dB減衰している送電線ホットニュートラル信号PSD1506、ツイストペアにおけるDM信号PSD1504、およびツイストペアにおけるCM信号PSD1502である。これら3つの曲線はすべて同じ周波数に位置するピーク1508を示しており、よって、3つのノイズ信号DM、CM、およびPLの高い相関レベルを示している。
図15bは、DM信号1510、CM信号1512、およびPL信号1514について、5.5MHz乃至7.7MHzのウィンドウで収集された周波数領域サンプルの時間領域ビューを提供する。繰り返すが、そこでは、ノイズの同様な時間領域構造が、3つすべての信号で検知可能であり、さらに、相関性の探索において、これら信号に注目することの利点を正当化する。
【0021】
図16aは、最初の8MHz帯域幅以上の時間における信号うちの2つの規格化された相関結果を例示する。曲線1602は、CMサンプルとPLサンプルとの相関にある。曲線1604は、CMサンプルとDMサンプルとの相関に対応する一方、曲線1606は、DMサンプルとPLサンプルとの相関に対応する。CM−PL相関1602が最高である一方、DM−PL相関1606は最低であることに注目する価値がある。
図16bはさらに、DMサンプルおよびPLサンプルの相関結果を、CMからDMへの相関結果と、PLからCMへの相関結果との乗算によって得られた結果と比較することによって、これら結果への見解を与える。以前に説明したように導出される2つの曲線のセットの相対的な一致は、ツイストペアにおけるCMノイズへのPLノイズの変換と、その後の、ツイストペアにおけるDMノイズへのCMノイズの変換とからなる2ステップ処理で、ツイストペアにおける差動モード信号に送電線ノイズ信号がカップリングするであろうという観察と適合する。
【0022】
図17aは、
図15および
図16に関連して、さまざまな量のPSD1706および相関1708がどの入力信号から導出されるのかを例示している。
図17aはまた、アダー1714おのおのから出力Yd’およびYd’’を生成するために、DMおよびCMにおいて入力Ydおよび入力Ycをそれぞれ演算し、DMおよびPLにおいて入力Ydおよび入力Yplを演算する2つのキャンセラK
DM-CM1702およびK
DM-PL1704が存在することを例示しており、ここでは、CMセンサからの、および、PLセンサの、相関ノイズが、キャンセラK
DM-CMおよびK
DM-PLによってそれぞれ除去されている。
図17bは、DM信号との再結合後、これらキャンセラの出力におけるPSDを例示する。各キャンセラを用いて、ノイズPSD出力が、DMモード信号のPSDに関して低減されており、よって、センサCMおよびPLのおのおのと相関付けられたDMノイズが除去される処理が例示されていることが認識され得る。CM(曲線1710)としてデュアルセンサ基準入力を有するPSDは、一般に、PL(曲線1712)としてデュアルセンサ基準入力を有するPSDよりも低いことに注目する価値がある。これらの結果は、PLセンサとDMセンサとの間では、CMセンサとDMセンサとの間で観察された相関と比べて、より少ない相関しか観察されないという観察と一致する。両シナリオにおいて、DM線における相関ノイズを緩和するために、2つのセンサのうちの何れかを用いて、顕著な改善が観察され、よって、DSL線にインパクトを与える外部ノイズを緩和するために、CMセンサに対する代用センサまたは補足センサとしてPLセンサを用いるという価値を正当化する。
【0023】
後述されるように、本発明の実施形態は、一端に、送電本線の壁コンセントに接続するための2極または3極のプラグと、他端に、DSLモデムのDC電源ポートに接続するためのジャックと、を典型的に含むAC電源アダプタから、センサ信号を生成する。追加のセンサは、代替として使用され得るか、または、コモンモードセンサのようなその他の二次センサと統合的に使用され得る。DSL線の一次センサと、電力センサ出力との結合は、可能なさまざまな代替を用いて、周波数領域および/または時間領域で実行され得る。本発明の利点は、住宅内で使用されるDSL線にカップリングした場合の住宅内送電本線ネットワークのように、発生した媒体においてAC電源ノイズを感知することにある。
【0024】
追加の態様によれば、本発明者はまた、DC電源出力に結合されたセンサを用いる場合におけるいくつかの限定を認識している。例えば、DC電源は、所望されないACノイズをフィルタするように設計されている。その結果として、著しく減衰されたノイズが、測定可能でなければならない。しかしながら、HP−AVノイズを伴う観察は、些細ではない信号レベルが、ケーブルに外部的に接続されることなくDSLポートにおいて測定されるので、DC電源出力において、ある使用可能な信号レベルが存在するに違いないことを示唆する。送電センサからの信号は、本線からの、興味のあるACノイズを含んでいるのみならず、モデム内のボード上のデバイスによって生成されたノイズをも含み得る。したがって、これら所望されないボードノイズに対するセンサの適切な分離が必要とされる。
【0025】
図6は、デュアルセンサDSLトランシーバにおいて使用されるレガシーコモンモードセンサを図示する。従来、CMノイズセンサは、T&Rペアにおいて適用され、その信号は、慣例的に、DMポートへ変換されたCMノイズをキャンセルするために用いるために考えられてきた。
図6に図示されるように、AFEおよびラインドライバ602の主要な接続は、差動DSL信号を感知するためのT&RペアへのDM接続である。追加のセンサ606は、基準グラウンドに対して、T&Rに存在するCM信号のレプリカを感知するための基準ポイントと、T&R変圧器608の中間ポイントとの間を接続する。
図6はさらに、今日存在し、モデム動作のためのDC基準電圧612を生成するモデム電源ユニット610を図示する。この構成では、デュアルセンサ受信機は、従来式のDMセンサ602とCMセンサ606とからなり、CMからDMへと変換する所望されないCMノイズソースを特徴付けること(キャラクタリゼーション)、または、DM DSL信号へのCMノイズ変換のインパクトを緩和すること(キャンセル)の何れかのために、統合的に使用され得る。
【0026】
図7は、本発明のいくつかの態様に従うDSLトランシーバの実施形態において使用される送電線センサを図示する。
図7に図示されるように、AFEおよびラインドライバ702の主要な接続は、依然として、DM DSL信号を感知するためのT&R704への差動モード接続である。追加のセンサ706は、送電本線に存在するノイズ信号のレプリカを感知するために、変圧器708を介して、送電本線から導出される電圧ポイントと、入力714を経由した基準ポイントV_TBDと、のうちの1つに接続している。
図7はさらに、代替センサ706が接続され得るポイントのうちの1つであり得る、モデム動作のためのさまざまなDC基準電圧712を生成するモデム電源ユニット710を図示する。この例示的な構成では、デュアルセンサ受信機は、従来式のDMセンサ702と送電線センサ706とからなり、ツイストペアにおけるCMにカップリングする所望されない送電本線ノイズソースを特徴付け、その後、DMへ変換すること(キャラクタリゼーション)、または、送電本線から発生し、DMへ変換され、これによってDSL信号に影響を与えるノイズソースのインパクトを緩和すること(キャンセル)の何れかのために統合的に使用され得る。
【0027】
図7の送電本線における電圧ポイントへ送電線センサ706を結合する入力714のさまざまな実施が記載される。
【0028】
1つの例示的な実施が
図8に例示されている。
図8では、送電線センサ804が、送電本線806における電圧ポイントであるホットおよびニュートラルに結合している。
図8はさらに、ツイストペア808における差動モードデータ信号(例えば、DSL信号)を感知するために結合された一次センサ802を図示している。
【0029】
図8における例は、壁コンセントによってホットおよびニュートラルに接続している2極を有する典型的なアダプタの機能を利用しているが、(例えば、アダプタにおける第3の極によって)グラウンドへのアクセスが可能とされるのであれば、2つのセンサが導出され得る。これは、
図9に例示される。
図9に図示されるように、送電線センサ904は、ホットおよびニュートラルに結合されたセンサ906と、ニュートラルおよびグラウンドに結合されたセンサ908とを含む。ホット、ニュートラル、およびグラウンドへのさまざまなワイヤ接続を用いて、2つのセンサ906、908が、さまざまな手法で実現され得る。ノイズ信号は、ホットとニュートラルとの間で、または、ニュートラルとグラウンドとの間で、または、ホットとグラウンドとの間で感知され得る。
【0030】
さらに、または、その代わりに、例えばHP−AVのような送電線通信信号のようなAC信号は、送電本線ネットワーク上で、ホットとニュートラルとの間で差動的に送信され、送電本線ネットワークのアンバランスによって、グラウンドに対してCMへ変換し得る。したがって、別の可能な実施が
図10に図示される。
図10に図示されるように、3つのワイヤ接続から2つの独立した出力を提供するために、これらDM信号がツイストペアのCMモードにカップリングする前に、送電本線ネットワーク1006に接続する差動およびコモンモード回路が考案され得る。ツイストペアのCM信号にカップリングすると考えられている送電本線上に存在するCM信号を感知するために、第1の送電線センサ1002がホットワイヤとニュートラルワイヤとの間に接続される一方、第2の送電線センサ1004が、グラウンドワイヤと第1のセンサとの中点に接続される。
【0031】
送電本線からDSLケーブルへの外部ノイズのカップリングが単一のポイントであるケースでは、CMとDMとの間のモード変換が、単一の伝達関数によって決定されるという事実によって、T&Rにおける単一のCMセンサが、DMチャネルへカップリングする複数のノイズソースのキャンセルを支援するために十分であると考えられている。送電本線上に複数のノイズソースがある場合であっても、この単一モード変換は、
図3で表される。しかしながら、
図5に関して前述したように、カップリングのポイントが複数あるケースでは、電源におけるノイズソースがユニークであるか、または、DSL線へのカップリングの2つのポイントにおいて少なくとも同一である場合にのみ、重ね合わせの原理は効力があるであろう。この状況ではまた、2つのカップリング経路が存在する場合であっても、単一のCMセンサは、放射されたノイズソースを緩和するのに十分であり得る。
【0032】
しかしながら、複数のノイズソースと、1つよりも多くのカップリング経路が存在する場合、重ね合わせの原理はもはや効力を持たないことがあり得る。例えば、縮退が導入されると、単一のCMセンサは、変換されたDMノイズを緩和するのに十分ではないことがあり得る。漏洩のポイント、および、DSL線とのカップリングのポイントに対する送電本線ネットワーク上における複数のノイズソースの物理的な距離は異なり得るので、縮退が予想され得る。
【0033】
この状況は
図11に例示される。
図11に図示されるように、2つの個別のノイズ信号S1、S2が、製品#1、#2によって送信される。
図11にさらに図示されるように、2つのカップリングのポイント1102(送電本線とツイストペアの一部の間の静電カップリング)、1104(壁コンセントに結合された電源を介した)における集合ノイズX、Yの実際の構成および漏洩はそれぞれ異なり得る。これは、例えば、ポイント1102は送電本線上において製品#1により近く、製品#1からのノイズ信号S1をより支配的にする一方、ポイント1104は送電本線上において製品#2により近いという事実による。支配におけるこの相違は、集合ノイズX、Yそれぞれにおける異なるセットの重み付け係数(C1、C2)、(C1’、C2’)として
図11に図示されている。異なるセットの重み付け係数によって、2つのノイズ信号S1、S2は、それぞれ2つのカップリングのポイント1102、1104および漏洩によって、異なって放射する。そのような縮退のケースでは、これら2つのノイズソースが周波数においてオーバラップするのであれば、支配的なノイズソースのみ(S1またはS2の何れか)が、単一のCMセンサを用いて完全にキャンセルされるであろう。
【0034】
同様に、1つのカップリング経路1202のみが表されている
図12に図示されるように、電力センサ1204は、ポイント1206において重み付け係数(C1’、C2’)を用いて重み付けされた2つのノイズ信号(S1、S2)からなる集合ノイズYを感知する。カップリングのポイント1202における同じ2つのノイズ信号(S1、S2)からなる集合ノイズXが、異なる重み付け係数(C1、C2)で重み付けられているのであれば、この状況は、同じ縮退問題を被る。このケースでは縮退が生じる。なぜなら、カップリングポイント1202を介した2つの信号S1、S2の放射は、電力センサ1204を介して感知された同じ2つの信号S1、S2の放射と同時に一致するようにならないからである。
【0035】
送電線センサが、二次CMセンサに対する代替であり得る一方、本発明の実施形態はまた、
図11に例示されるように、1つまたは複数の電力センサ1108と二次CMセンサ1106とを同時に使用する。重ね合わせの原理を満足しない複数のカップリング経路または複数のノイズソースが存在するケースでは、追加のセンサが、DSL線へのノイズ放射の縮退を取り払う(lift)追加の自由度を与える。
【0036】
さらに、または、その代わりに、
図13に図示されるように、オペレータによる共通の実施は、住居内の2つのペアのケーブルを用いることであるので、送電線センサ1306が同時に使用され得る二次センサは、「住宅内ケーブル」1304における未使用のペアに結合されている差動センサ1302であり得る。ケーブル1304はまた、F2ケーブル(二次配電ケーブル)に接続される場合もされない場合もあり得る外部のプラント引込ケーブルに接続された引込ケーブルの別の未使用のツイストペアであり得る。
【0037】
図14に図示されるように、さらに追加の、または、代替的な実施形態では、本発明に従う送電線センサ1402は、2つの差動DSLペア1406、1408の両方が結合環境において使用されていようといまいと、2つの差動DSLペア1406、1408間のファントムモード(PM)センサと同時に使用され得る。
【0038】
本発明に従う送電線センサの例示的な実施のためのいくつかの考慮は以下の通りである。
【0039】
1つの考慮は、外部の「アダプタ」電源から、低電圧DC(恐らく、稀な事例ではAC)入力で差動信号を提供すべきであるということである。DSLモデムのようなCPEデバイスにおけるDC電源は一般に、所望されないACノイズをフィルタアウトするように設計されている。したがって、ノイズソースの著しい減衰が予想される。したがって、代案は、差動信号をAC送電本線から(すなわち、外部AC:DC電源におけるAC:DC変換ステージからのHF/RF減衰をバイパスして)「ダイレクト」に(であるが「分離されて」)引き出すことである。
【0040】
送電センサ信号は、本線からの興味のあるACノイズを含み得るのみならず、ボード上のデバイスによって生成されたノイズをも含み得る。したがって、これら所望されないボードノイズに対するセンサの適切な分離が必要とされる。
【0041】
「一次」DMチャネル上で干渉する可能なノイズソースを推定およびキャンセルするために、「二次」センサの以下の可能なソースのうちの1つが使用され得る。(1)CMセンサ、(2)未使用のTP上のDMセンサ、(3)2つの差動モードのツイストペア間のファントムセンサ、または(4)電源リード(ホット、ニュートラル、グラウンド)における送電線センサまたはセンサのセット。あるいは、二次センサは、上記(1)乃至(4)の線形的に重み付けられた総和のような、上記個々のセンサのうちの1つの組合せであり得る。
【0042】
あるいは、「一次」チャネルにおいて干渉する可能なノイズソースを推定およびキャンセルするために、1つよりも多くの二次センサが使用され得る。例えば、2つまたはそれよりも多くの独立した二次センサが、上記(1)乃至(4)のうちの1つのみに結び付けられた各センサとともに使用され得る。あるいは、2つまたはそれよりも多くの独立したセンサは、(交差接続あり/なしで)上記(1)乃至(4)の線形的に重み付けられた総和に結び付けられた各センサとともに使用され得る。またさらに、2つまたはそれよりも多くの独立したセンサが、(交差接続あり/なしで)上記(1)乃至(4)の線形的に重み付けられたフィルタされたバージョンの総和に結び付けられた各センサとともに使用され得る。
【0043】
「一次」チャネルの出力信号と、複数の「二次」センサの出力とは、「一次」チャネルにおいて干渉する可能なノイズソースを推定およびキャンセルするために、時間領域または周波数領域において結合され得る。時間領域における結合は、複数のセンサ入力の一次信号および二次信号に対して、適応線形フィルタリングを用いて行われ得る。周波数領域では、一次経路の改善されたSNRバージョンを生成するために、2つまたはそれよりも多く(1つの一次および1つまたは複数の二次)のFFT出力ベクトルが、周波数領域等化器(FEQ)のような重み付けのセットと、線形的に結合され得る。
【0044】
図18は、DM受信機1802が2つの二次センサ、すなわち、1つのCMセンサ1804と、1つの送電線センサ1806に結合されている本発明の例示的な実施形態を示す。センサ1804、1806からのサンプルは、時間領域デジタル処理ブロック1808、1810によって、アナログから変換され、処理され、その後、FFTオペレータ1812、1814によって周波数領域へ変換される。CMセンサ1804の周波数領域サンプルは、FEQによって等化されスライサブロックに提示される前に、DM−CMパートーンキャンセラ(Per Tone Canceller)1816によってフィルタされ、パートーンアダー(Per Tone Adder)1818によってDMデマッパ内のDMサンプルに追加される。同様に、PLセンサの周波数領域サンプルが、DM−PLパートーンキャンセラ1820によってフィルタされ、パートーンアダー1818によって、DMデマッパ内のDMサンプルに追加される。パートーンアダー1818ブロックは、これらセンサのうちの1つまたは両方からの入力を同時に採用する。本発明における用途のために適応され得る
図18の構成要素のさらなる実施態様は、同時係属中の出願___(12IK05)により詳細に記載されており、その内容は、その全体が本明細書において参照によって組み込まれている。
【0045】
周波数領域結合の1つのバリエーションは、「最良の」SNRを有する試行結果を保つために、DM−CMパートーンキャンセラ1816およびDM−PLパートーンキャンセラ1820に対応する2つまたはそれ以上の二次重み付けのセットを保持し、試行的な重み付けベクトルと対応するCMおよびPL入力信号のおのおのを用いて、(トレリスコード変調を備えた、または、備えていない)スライサを用いて試行的な2次元スライス演算を実行することである。この試行は、トーン毎ベースで、または、ビンのサブセット(例えば、小さなサブセットまたは大きなサブセット)を用いて実行され得る。このバリエーションは、マルチパス縮退問題(すなわち、一次センサチャネルおよび二次センサチャネルへの異なるカップリング経路との2つまたはそれ以上のアグレッサ/干渉元)の、いくつかの改善を提供する。
【0046】
別のバリエーションは、周波数的にオーバラップするが時間的にオーバラップしない一次チャネルと複数のアグレッサ/干渉元が干渉する状況に対処するために、DMTフレーム毎ベースで、可能な二次重み付けセットのうちの1つを選択するために時間領域「フィーチャ」(別名「シグニチャ」)を活用することである。別のバリエーションは、DMTフレーム毎ベースで、可能な「二次重み付けセット」のうちの1つを選択するために、周波数領域フィーチャ/シグニチャを活用することである。
【0047】
図18に表された実施形態の別の目的は、住宅内のノイズ環境のキャラクタリゼーションを可能にすることである。DMポート、CMポート、およびPLポートにおいて信号を感知することによって、
図17aに関連して前述したように、(
図18のブロック1822、1824、1826を用いた)センサポート間の相互相関レベルの決定とともに、各センサにおけるノイズの相対的なPSDレベルの決定が可能となる。PSDレベルは、住宅内の送電線ネットワークとそれぞれの媒体ツイストペアにおけるノイズのレベルを示すインジケーションを与える一方、センサポートと関連付けられたキャンセラ係数との間の相関レベルは、ツイストペア媒体と送電線媒体の間、または、同じ媒体における伝搬モード間のカップリングのレベルを説明する。例えば、ツイストペアのCMおよびDMポート間の高い相関レベルは、DMノイズへCM信号をより容易に変換するツイストペアの高いアンバランスレベルに関連付けられる。同様に、ツイストペアのCMセンサおよびPLセンサ間の高い相関レベルは、住宅内のツイストペアへの送電線ネットワークの異常な接近の結果生じる送電線とツイストペアとの間の強いカップリングを示している。したがって、信号レベルと相関レベルとの両方が、住宅内のノイズ環境を特徴付けるために使用され得る。さらに、相関係数の比較は、送電線ノイズのDMセンサへのカップリングの縮退のレベルと、複数のカップリング経路の可能性とを判定することに役立つ。信号レベルと相関係数の比較から得られる情報は、縮退が観察された場合には常に、センサがそれぞれの信号を感知する場所に対するディスターバの相対位置を特定することのみならず、ディスターバの多様性を特定することにも役立つ。例えば、
図11に図示されるように送電線センサによって感知される2つのHPAV送信機のような信号S1、S2の相対電力は、これら2つの送信機のうちのどれが最も近いのかを特定することに役立つ。これらのうちの何れか一方がアクティブである場合に計算される相関係数を比較することによって観察される縮退は、送電線ネットワーク上の可能な送信機の数を判定することに役立つ。
【0048】
最後に、DMセンサ、PLセンサ、およびCMセンサの同時処理は、CMセンサおよびDMセンサにおいて見え、PLセンサにおいて見えない場合には常に、いくつかのDMノイズが、送電線ソースからカップリングされていないとの判定を可能にする。この状況は、CMおよびDMモードにおけるツイストペアの引込ケーブルへのRFIカップリングのケースのように、住宅の外部でノイズのカップリングが生じる場合に発生し得る。このシナリオでは、同じRFIノイズが、送電線センサにおいて見えないことがあり得る。
【0049】
最後に、送電線センサの追加によって、興味のあるDSL帯域にインパクトを与え得るので、ソースにおける家電製品の分類および特定が可能となる。住宅環境では、外乱のソースは、掃除機、ランプのような家電製品、または、プールポンプ、洗濯機のように、例えば狭帯域であるか広帯域であるか、本質的にインパルス的であるか連続的であるか、時間的に永続的であるか断続的であるかのような、その特徴に依存してDSL WANインターフェースに影響を与える機器を含む。送電線センサを使用して、機器のクラスが、送電線センサにおいて生成するノイズ外乱の信号特性(帯域幅、振幅、持続時間等)に基づいて導出される。後続するステップにおいて、DM DSLポートに対するインパクトは、送電線ノイズがDMセンサへ放射される程度を表す相関性メトリックおよび関連付けられたキャンセラ係数を導出することによって評価される。送電線センサによる信号シグニチャへのアクセスは、DM DSLポートにおけるノイズの存在およびシグニチャの優れた検知を可能にし、これによって、送電線ネットワークから発し、DSLチャネルに影響を与える集合ノイズ環境を構成しているさまざまなノイズソースを個々に特定し追跡するための優れたツールを提供する。
【0050】
図19は、DMポートへのPLノイズの放射の存在を判定するために、信号が二次PLセンサにおいて検知されDMセンサへ相関付けられる本発明の実施形態に従う例示的な処理を例示する。この実施形態は、ノイズや、内容が全体において参照によって本明細書に組み込まれている同時係属中の出願14/054,552に詳述されているDSLのような、通信システムに影響を与えるその他のイベントを効率的に検知および特徴付けるための方法および装置のバリエーションと考えられ得る。いくつかの態様によれば、この同時係属中の出願は、カスタマ構内で変動するノイズ環境に対する可視性を提供するように、および/または、この環境を遠隔エンティティへ報告するように、特定の特性に従ってノイズソースを分類し、各ノイズソースを動的な手法で追跡する、カスタマ構内機器に組み込まれたノイズ分析エンジンを記載している。本発明の実施形態は、ノイズ環境をより高い精度で特徴付けるために、追加のセンサを用いて動作するように、同時係属中の出願の態様を拡張する。
【0051】
図19は、本発明の実施形態に従って、CPEにおいてノイズファインダセッションを実施するための例示的なアーキテクチャを例示するブロック図である。これは、ノイズ分析エンジンに関連付けられたステートマシンおよび処理と、特に、本発明において記載されたようなマルチポートセンサの使用に適合するようにデータ収集スレッドがどのように実施されるのか例示している。このアーキテクチャのさまざまな要素は、以下のように、より詳細に記載されている。
【0052】
シンボルベースのステートマシン1902。データ収集処理は、1つ(one)がDM受信機を具現化し、別の1つ(a second one)が送電線センサまたはCMセンサポートを具現化する、2つのポートのためのFFT出力データが利用可能であることによってトリガされるシンボルベースのステートマシンで動作する。シンボルカウンタは、同期シンボルおよび1秒イベントの処理を可能にするであろう。
【0053】
インパルス検知器1904。インパルス検知は、2つのポートのおのおのにおけるインパルスノイズソースの存在の判定に役立つために、各センサポートの時間領域情報または周波数領域情報に基づいて、各シンボルに対して実行される。
【0054】
クワイエット(Quiet)ラインノイズ(QLN)メトリック1906。QLN測定は、ラインノイズ分析エンジンにプリミティブを与えるために、1秒ウィンドウにおける各ポートのノイズの電力のトーン毎の平均からなる。この平均は、インパルス検知器フラグにおいて条件付きで行われる。分析エンジン1920において、2つのポートのうちの何れかにおける長い持続時間を持つインパルス性ノイズと、短い連続性のノイズとの区別を、分析エンジン1920において判定するために、3つのPSD(a)インパルスなし、b)インパルスあり、c)インパルスのみあり)が生成される。
【0055】
INMヒストグラム1908。INMヒストグラムは、入力としてインパルス検知器フラグを用いてポピュレートされ得る。いくつかの検知器フラグが利用可能であれば(例えば、帯域毎、サブ帯域毎)、同数の対応するヒストグラムまたは代替的な時間プリミティブアレイが、1秒ウィンドウにポピュレートされる。
【0056】
相関ブロック1910。ブロック1910では、
図16aに示されるようなトーン毎のアレイを提供する2つのセンサ入力のおのおのの間で、相関信号処理(SP)が実行される。
【0057】
デュアルセンサキャンセラ(DSC)1912。デュアルセンサキャンセラブロックは、DM受信機内へのコモンモードセンサまたは送電線からの相関ノイズを予測しキャンセルするために、2つのセンサの出力を採用する。DSCブロックの出力は、ブロック1918におけるヒストグラムポピュレーションのインパルスと、ノイズモニタ分析エンジン1920へ取り込まれるQLNプリミティブとを検知するために、インパルス検知器ブロック1914と、処理された出力を用いるQLN平均化ブロック1916とに続く。
【0058】
本発明の実施形態に従ってノイズモニタ分析エンジン1920を実現するための例示的な処理が、
図20に例示されている。
【0059】
図示されるように、本発明の実施形態に従ってノイズモニタ分析エンジン1920を処理することは、CMセンサまたはPLセンサの何れか一方、または両方であり得る追加のセンサからの入力情報を採用することによって、同時係属中の出願の原理を拡張する。ノイズモニタ分析エンジン1920の目的は、特定および分類後、DSL線上に存在するさまざまなタイプのノイズを列挙することを含む。3つまたはそれよりも多くのプリミティブのセットが、このノイズモニタ分析処理に入力される。これらは、DMポート、PLポート、CMポートのおのおののQLN平均1906およびインパルスヒストグラム1908に関連付けられたプリミティブのみならず、DM−CM、DM−PLキャンセラ1914出力のおのおののQLN平均1916およびインパルスヒストグラム1918に関連付けられたプリミティブにも対応する。
図20に図示されるスレッド0、1、2、3、4、5において実行される処理の詳細は、同時係属中の出願に記載されており、当業者であれば、本開示によって教示された後、本発明の複数のセンサとともに使用するためにこの処理をどのように適用するのかを理解することができるであろう。
【0060】
図20に図示されるノイズ検知、分類、シグニチャ推定、およびロギングの処理は、キャンセラの出力、および/または、各センサに関連付けられたプリミティブを用いて行われる。その処理によって、同時係属中の出願に記載されるように、センサのおのおのにおける特定のクラスのノイズの存在の判定が可能となる。また、センサのうちの1つに存在するノイズが、他のセンサにどの程度存在するのかを判定することも可能となり、これによって、これらのセンサが接続されている媒体(ツイストペア、送電線)における信号の伝搬モード間のカップリングメカニズムの判定を可能とする。
【0061】
図20に図示されるノイズ検知、分類、シグニチャ推定、およびロギングの処理は、
図19に例示されるように、モデムがデータ送信のために使用されていない間に生成されたプリミティブに対してなされる。あるいは、この処理は、モデムがDSLデータ送信のために使用される場合には常に、センサ出力のおのおのにおいて生成されたプリミティブにおいて生じ得る。これらのモードは、同時係属中の出願に記載されているノイズファインダモードおよびノイズモニタ診断モードにそれぞれ対応する。
【0062】
本発明は、本明細書では特に、従来の電話網によるDSL通信に特に有用な応用に関連して記載されているが、本発明はこの応用に限定されない。むしろ、本発明の原理は、例えばマルチメディアオーバCOAX(別名MoCA)、HPNA(HPNA3.1オーバCOAXを含む)、およびITU−T G.hn(ツイストペア、ベースバンドcoax、およびRF coaxを含む)同軸ケーブルシステムのようなさまざまなタイプのワイヤライン送信システムに拡張され得る。これらの通信システムのために、送電線センサを追加することは、住宅内でのツイストペア上の通路を見つけるのと同様の手法で、同軸ケーブル媒体への通路を見つける送電線ノイズの侵入の特徴付けおよび緩和に役立つ。
【0063】
本発明は、その好適な実施形態に関して特に記載されているが、形態および詳細における変更および修正が、本発明の精神および範囲から逸脱することなくなされ得ることが当業者に容易に明らかになるべきである。添付された特許請求の範囲は、そのような変更および修正を包含していることが意図される。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] ワイヤライン通信システムのカスタマ構内環境における装置であって、
前記ワイヤライン通信システムのデータ信号を受信するために結合された一次センサと、
前記カスタマ構内環境における送電本線から発生するノイズソース干渉に対応する送電線信号を受信するために結合された送電線センサと、
を備える装置。
[2] 前記ワイヤライン通信システムはDSLシステムである、[1]に記載の装置。
[3] 前記ワイヤライン通信システムは同軸ワイヤラインシステムであり、前記同軸ワイヤラインシステムは、マルチメディアオーバCOAX、HPNA、およびITU−T G.hnである、[1]に記載の装置。
[4] 電源ユニットをさらに備え、前記送電線信号は、前記電源ユニットから生じる、[1]に記載の装置。
[5] 前記送電線センサは、前記送電本線に結合している外部プローブを含む、[1]に記載の装置。
[6] 前記送電線センサは、他の任意の二次センサを排除して前記ノイズソース干渉を特徴付けるために、前記一次センサとともに使用される、[1]に記載の装置。
[7] 前記送電線センサは、他の二次センサと連携して前記ノイズソース干渉を特徴付けるために、前記一次センサとともに使用される、[1]に記載の装置。
[8] 前記他の二次センサは、前記データ信号を受信するために結合されていない差動センサ、ファントムモードセンサ、およびコモンモードセンサのうちの1つまたは複数を含む、[7]に記載の装置。
[9] 前記送電線信号は、前記送電本線のホットワイヤとグラウンドワイヤ、ニュートラルワイヤとグラウンドワイヤ、および、ホットワイヤとニュートラルワイヤ、のうちの1つまたは複数の組合せから生じる、[1]に記載の装置。
[10] 前記送電線信号は、前記送電本線のホットワイヤ、ニュートラルワイヤ、およびグラウンドワイヤの間のCM信号と、ホットワイヤおよびニュートラルワイヤの間のDM信号、のうちの1つまたは複数を備える、[1]に記載の装置。
[11] 前記送電線信号を用いて、前記データ信号に影響を与えるノイズをキャンセルするように適応されたキャンセラ、をさらに備える[1]に記載の装置。
[12] 前記キャンセラは、前記データ信号および送電線信号に適応線形フィルタリングを実行するデジタル信号プロセッサを含む、[11]に記載の装置。
[13] 前記ワイヤライン通信システムは、マルチトーンシステムであり、前記キャンセラは、周波数領域において、トーン毎ベースで動作する、[11]に記載の装置。
[14] 前記キャンセラは、第3のセンサを用いて実行される別のキャンセル処理を補足するように動作する、[11]に記載の装置。
[15] 前記キャンセラのうちの1つの出力を条件付きで選択するセレクタ、をさらに備える[14]に記載の装置。
[16] 個々のセンサの組合せ出力を、線形的に重み付けられた総和として用いてキャンセル処理が実行される、[7]に記載の装置。
[17] 前記送電線センサは、前記カスタマ構内環境におけるノイズおよびそのソース、ならびに、前記ワイヤライン通信システムにおけるインパクトを特徴付けるために、他のセンサと連携して使用される、[1]に記載の装置。
[18] 少なくとも、前記一次センサ、前記送電線センサ、および二次コモンモードセンサを用いて特徴付けが実行される、[17]に記載の装置。
[19] 特徴付けは、前記一次センサ、前記送電線センサ、および二次コモンモードセンサのうちの少なくとも2つの間のカップリングを判定することを含む、[17]に記載の装置。
[20] 前記特徴付けは、前記センサにおけるノイズソース電力と、前記センサ間のノイズ相関とを推定することによって実行される、[17]に記載の装置。
[21] 前記ノイズソースの数および相対位置の判定が、前記特徴付けに基づく、[20]に記載の装置。
[22] ワイヤライン通信システムのカスタマ構内環境における装置であって、
前記ワイヤライン通信システムのデータ信号を受信するために結合された一次センサと、
前記データ信号を受信するために結合されておらず、前記データ信号にインパクトを与えるノイズに対応する二次信号を受信するために結合された二次センサと、
前記受信された信号に関する情報を、前記センサから収集し、前記情報に基づいて、前記ノイズの分類を実行する、組み込まれたノイズ分析エンジンと、
を備える装置。
[23] 前記二次センサは、コモンモードセンサおよび送電線センサのうちの1つである、[22]に記載の装置。
[24] 前記ワイヤライン通信システムを用いた前記装置への送信、および前記装置からの送信がサービスされていない間に、前記組み込まれたノイズ分析エンジンは、前記ノイズに関する情報を収集する、[22]に記載の装置。
[25] 前記ワイヤライン通信システムを用いた前記装置への送信、および前記装置からの送信がサービスされている間に、前記組み込まれたノイズ分析エンジンは、前記ノイズに関する情報を収集する、[22]に記載の装置。