特許第6235034号(P6235034)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6235034閉塞部分を有するハードマクロ、同じものを含む集積回路、およびハードマクロを通過するル―ティングの方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6235034
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】閉塞部分を有するハードマクロ、同じものを含む集積回路、およびハードマクロを通過するル―ティングの方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/82 20060101AFI20171113BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20171113BHJP
   H01L 23/522 20060101ALI20171113BHJP
   H01L 21/822 20060101ALI20171113BHJP
   H01L 27/04 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
   H01L21/82 C
   H01L21/90 B
   H01L27/04 D
【請求項の数】13
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-542043(P2015-542043)
(86)(22)【出願日】2013年11月14日
(65)【公表番号】特表2016-503583(P2016-503583A)
(43)【公表日】2016年2月4日
(86)【国際出願番号】US2013070014
(87)【国際公開番号】WO2014078487
(87)【国際公開日】20140522
【審査請求日】2016年10月14日
(31)【優先権主張番号】61/726,031
(32)【優先日】2012年11月14日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/753,193
(32)【優先日】2013年1月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100194814
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 元宏
(72)【発明者】
【氏名】サマディ、カンビズ
(72)【発明者】
【氏名】パンス、シェーパッド・エー.
(72)【発明者】
【氏名】ドゥ、ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ジルモア、ロバート・ピー.
【審査官】 市川 武宜
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/077280(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0140288(US,A1)
【文献】 特開平09−064190(JP,A)
【文献】 特開2001−298094(JP,A)
【文献】 特開2006−019328(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/82
H01L 21/768
H01L 21/822
H01L 23/522
H01L 27/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハードマクロ領域を定義する外面を有し、および、上面と、底面と、前記上面から前記底面までのハードマクロの厚さを有するハードマクロであって、前記ハードマクロは、前記上面から前記底面まで前記ハードマクロを通過して延伸する複数のビアを含み、前記複数のビアは、前記複数のビアまで延伸する、前記ハードマクロを含む層の上方の第1の層に含まれる導電配線、および前記ハードマクロを含む前記層の下方の第2の層に含まれる導電配線に接続され、前記ハードマクロは、前記ハードマクロの上面に複数の閉塞部分を含み、前記複数の閉塞部分は、前記ハードマクロの底面まで前記ハードマクロを通過して延伸し、そこにおいて、前記複数のビアが前記閉塞部分のうちの少なくともいくつかに形成される、ハードマクロ。
【請求項2】
前記複数の閉塞部分が規則的なパターンに配置される、請求項1に記載のハードマクロ。
【請求項3】
前記規則的なパターンはアレイを備える、請求項2に記載のハードマクロ。
【請求項4】
複数の閉塞部分の前記アレイ内のブロック部分は、ジグザグパターンまたは不規則なパターンに、少なくとも2行および少なくとも2列に配列される、請求項3に記載のハードマクロ。
【請求項5】
少なくとも1つの半導体ダイに組み込まれる、請求項1−4のうちのいずれか1つに記載のハードマクロ。
【請求項6】
セット・トップ・ボックス、音楽プレイヤー、映像プレイヤー、エンターテーメントユニット、ナビゲーションデバイス、通信デバイス、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、定位置データユニット、およびコンピュータから成るグループから選択され、請求項1−4のうちのいずれか1つの前記ハードマクロを含む、デバイス。
【請求項7】
コンピュータによって実行される時、請求項1−4のうちのいずれか1記載のハードマクロを生成することをコンピュータ制御されるデバイスに行わせる命令を記憶する不揮発性コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項8】
上面層、底面層、および少なくとも1つの中間層を備える集積回路であって、前記上面層は上面層導電配線を含み、前記少なくとも1つの中間層はハードマクロを含み、前記底面層は底面層導電配線を含む、ここにおいて、前記上面層導電配線は前記ハードマクロを通過して延伸する複数のビアによって前記底面層導電配線に接続され、前記上面層導電配線および前記底面層導電配線は前記複数のビアまで延伸し、前記ハードマクロは、前記ハードマクロの上面に複数の閉塞部分を含み、前記複数の閉塞部分は、前記ハードマクロを通過して延伸し、そこにおいて、前記複数のビアが前記閉塞部分のうちの少なくともいくつかに形成される、集積回路。
【請求項9】
前記上面層は上面層のアクティブな要素を含みならびに前記底面層は底面層のアクティブな要素を含む、およびここにおいて、前記上面層のアクティブな要素は、前記ビアによって前記底面層のアクティブな要素に接続される、請求項8に記載の集積回路。
【請求項10】
少なくとも1つの半導体ダイに組み込まれる、請求項8または9に記載の集積回路。
【請求項11】
セット・トップ・ボックス、音楽プレイヤー、映像プレイヤー、エンターテーメントユニット、ナビゲーションデバイス、通信デバイス、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、定位置データユニット、およびコンピュータから成るグループから選択され、請求項8または9に記載の前記集積回路を含む、デバイス。
【請求項12】
集積回路の第1の層を形成することと、
前記集積回路の前記第1の層上に前記集積回路の第2の層を形成することと、前記第2の層は少なくとも1つのハードマクロを含む、
前記ハードマクロを通過する少なくとも1つのビアを形成することと、
前記第2の層の上面に第3の層を形成することと、
前記少なくとも1つのビア、ならびに前記少なくとも1つのビアまで延伸する前記第1の層に含まれる導電配線および前記第3の層に含まれる導電配線を用いて前記第3の層上の要素に前記第1の層上の要素を電気的に接続することと、
を備え、
前記ハードマクロは、複数の閉塞部分を含む、およびそこにおいて、前記少なくとも1つのビアを形成することは、前記複数の閉塞部分のうちの1つに前記少なくとも1つのビアを形成することを備える、方法。
【請求項13】
ンピュータ・プログラムであって、請求項12にしたがった方法を実行することをコンピュータまたはプロセッサに行わせるための少なくとも1つの命令を備える、コンピュータ・プログラム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]本願は、平成24年11月14日に出願された「閉塞領域を有するハードマクロ、同じものを含む集積回路、ハードマクロを通過するルーティングの方法」と題された米国仮特許出願61/726,031に対する優先権を主張し、この譲受人に譲渡され、かつこれによってここでの参照より明確に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
[0002]本開示は、閉塞部分を有するハードマクロに関し、および、ハードマクロを通ってルーティングする方法に関し、より具体的には、ビアが形成され得る複数の閉塞部分を有するハードマクロに関し、および、閉塞部分にビアを形成することによって、ハードマクロを通過する電気的接続をルーティングする方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]「マクロ」または「コア」は、機能回路の要素、または、構築ブロック、または、論理のユニットであり、それは特定用途向け集積回路(ASIC)またはフィールド・プログラマブル・ゲイト・アレイ(FPGA)を生成するためにチップ製造装置によって用いられ得る。マクロの2つの一般的なタイプは、「ソフト」および「ハード」マクロと称される。ソフトマクロは、ソフトマクロの外部の他の要素にソフトマクロの部分を接続するため、および/または、ソフトマクロの一部を接続するため、様々な相互接続規則に沿って特定の機能を実行するため、論理を含む。それらは、例えば、ゲートレベルネットリストを備え得る。ソフトマクロは、物理配線パターンを特定しないため最後の物理インプリメンテーションにおける柔軟性を可能にする、しかし、予め特定された物理配線パターンがないため、それらは、フロアプランにおける所望の性能および/または最終的な配置のために最適化される必要があり得る。ハードマクロは決まった配線パターンを特定し、かつ変更できない。このように、ハードマクロは、ソフトマクロほど柔軟性はないが使用前に性能と物理配置のために最適化され得る。
【0004】
[0004]ハードおよびソフトマクロは、2次元集積回路において用いられる。しかし、より高いデバイスパッキング密度、より短い相互接続RC遅延時間、および低コストを実現するために複数の集積回路層を積層し、かつ3次元集積回路、すなわち「3DIC’s」を形成することがさらに一般的になってきている。マクロのサイズおよび構成は、チップ、特に3DICのフロアプランニングの間考慮されなくてはならない。ソフトマクロは、ある程度は変更され得るため、場合によってはソフトマクロを通過するようにソフトマクロの上方の層にある要素からソフトマクロの下方の層にある要素までの接続を可能にすることもあり得る。しかし、ハードマクロは、決められたフォームファクタを有し、かつ一般的にそれらの周囲に層間接続の経路を定める必要がある。このことが、様々な相互接続の長さを増大し、かつ、補償するために付加的なバッファの使用を要し得る。ハードマクロの端部近辺の領域はまた、チップの別の層に到達するようにハードマクロを通過する必要のあるハードマクロの上方または下方の要素からの伝導経路によって密集することになり得る。
【0005】
[0005]図1は、第1の回路要素104を有する第1の層102と、ハードマクロ108を有する第2の層106と、および第2の回路要素112を有する第3の層110、を有するマルチレイヤチップ100を示す。第1の回路要素104および/または第2の回路要素112は、実回路要素よりむしろマルチレイヤチップ100に関するピンまたは接続パッドを代わりに表し得る。チップ100の設計は、第1の回路要素104がハードマクロの直下で第1の回路要素104の2層下方の層に設置された第2の回路要素112に接続されることを必要とする。この接続を行うために、ビア114は、ハードマクロ108から離れた場所に提供され、および第1の回路要素104は、第1の配線116によってビア114に接続され、ならびに第2の回路要素は、第2の配線118によってビア114に接続される。ハードマクロ108が存在しなかった場合、ビアは、それらの間の接続パスを短縮するために、第1の回路要素104または第2の回路要素112に対して、直接下にあるいはより接近して提供され得る。第1および第2の回路要素104、112の間の第2の層106内のハードマクロ108の存在は、第1および第2の回路要素104、112の間の接続の長さを増大させる。
【0006】
[0006]いくつかの場合において、単一の大きいハードマクロを2つ以上のより小さいハードマクロに分割し、それらが単一のハードマクロであるかのように動作または通信することをハードマクロに可能にするために必要な相互接続規則を提供することが可能であり得る。しかし、この配置は、オンチップの最適化を必要とし、かつチップの性能の低下につながり得る。そのため、上で論じられたハードマクロの利点を保持し、かつルーティングにおける優れた柔軟性を可能にするハードマクロを提供することが望ましいだろう。
【発明の概要】
【0007】
[0007]下記の概要は、全ての検討された観点の包括的な要約ではない。その唯一の目的は、後に提示されるより詳細な説明の前置きとなるように簡略化された形式で1つまたは複数の観点のいくつかの概念を提示することである。
【0008】
[0008]本開示の観点は、ハードマクロ領域を定義する外面を有し、および、上面と、底面と、上面から底面までのハードマクロの厚さを有するハードマクロを備え、該ハードマクロは、上面から底面までのハードマクロの厚さを通過して延伸する複数のビアを含む。
【0009】
[0009]本開示の別の観点は、コンピュータによって実行される時、ハードマクロ領域を定義する外面を有し、および、上面と、底面と、上面から底面までのハードマクロの厚さを有し、ならびに上面から底面までハードマクロを通過して延伸する複数のビアを有するハードマクロを生成することをコンピュータ制御されるデバイスに行わせる命令を記憶する不揮発性コンピュータ可読媒体を備える。
【0010】
[0010]さらに本開示の観点は、ハードマクロ領域を定義する外面を有し、および、上面と、底面と、上面から底面までのハードマクロの厚さを有するハードマクロを備える。ハードマクロは、ハードマクロの上面に閉塞部分の規則的なパターンを含み、該閉塞部分は、上面から底面までのハードマクロを通過して延伸する。
【0011】
[0011]本開示のさらに別の観点は、コンピュータによって実行される時、ハードマクロ領域を定義する外面を有し、および、上面と、底面と、上面から底面までのハードマクロの厚さ、およびハードマクロ上面に閉塞部分の規則的なパターンを有するハードマクロを生成することをコンピュータ制御されるデバイスに行わせる命令を記憶する不揮発性コンピュータ可読媒体を備え、該閉塞サイトは、上面から底面までハードマクロを通過して延伸する。
【0012】
[0012]さらに本開示の観点は、上面層、底面層、および少なくとも1つの中間層を含む集積回路を備え、該上面層は上面層導電配線を含み、該中間層はハードマクロを含み、および該底面層は底面層導電配線を含む。該上面層導電配線はハードマクロを通過して延伸するビアによって底面層導電配線に接続される。
【0013】
[0013]他の本開示の観点は、コンピュータによって実行される時、上面層、底面層、および少なくとも一つの中間層を有する集積回路を生成することをコンピュータ制御されるデバイスに行わせる命令を記憶する不揮発性コンピュータ可読媒体を備え、該上面層は上面層導電配線を含み、該中間層はハードマクロを含み、および該底面層は底面層導電配線を含む。該上面層導電配線は、ハードマクロを通過して延伸するビアによって該底面層導電配線に接続される。
【0014】
[0014]さらに本開示の観点は、集積回路の第1の層を形成することと、集積回路の第1の層上に集積回路の第2の層を形成することと、該第2の層は少なくとも1つのハードマクロを含み、ハードマクロを通過する少なくとも1つのビアを形成することと、第2の層の上面に第3の層を形成することと、第1の層上の要素を少なくとも1つのビアを使用して第3の層上の要素に電気的に接続することとを含む方法を備える。
【0015】
[0015]本開示のさらに別の観点は、上面層、底面層、および少なくとも1つの中間層を備える集積回路を備え、該上面層は上面層導電配線を含み、該中間層は動作を実行するためのハードマクロ手段を含み、および該底面層は底面層導電配線を含む。上面層導電配線は、ハードマクロ手段によって底面層導電配線に接続される。
【0016】
[0016]本開示のさらに別の観点は、集積回路の第1の層を形成するためのステップ、集積回路の第1の層上に集積回路の第2の層を形成するためのステップ、該第2の層は少なくとも1つのハードマクロを含む、該ハードマクロを通過するビアを形成するためのステップ、該第2の層の上面に第3の層を形成するためのステップ、および第1の層上の要素を、該ビアを使用して該第3の層上の要素に電気的に接続するためのステップを含む方法を備える。
【図面の簡単な説明】
【0017】
[0017]添付の書類中の添付の図面は、本発明の実施例の説明の際に一助となるように提示され、かつそれらは単に実施例の例示のためであって、それらの限定のためではない。
図1】[0018] 図1は、中央の層内にハードマクロを有する従来のマルチレベルチップの概略立断面図であり、ならびにハードマクロの上方および下方の要素を接続するために必要とされるルーティングを示す。
図2】[0019] 図2は、ハードマクロを通過して形成される少なくとも1つのビアを有するハードマクロを有する本開示に従ったマルチレベルチップの概略立断面図であり、ならびにハードマクロを通過する第1の接続パスを示す。
図3】[0020] 図3は、ハードマクロを有する本開示に従ったマルチレベルチップの概略立断面図であり、ならびにハードマクロ内の1つの閉塞部分を通過する第1の接続パスを示す。
図4】[0021] 図4は、ハードマクロ内の別の閉塞部分を通過する代替接続パスを示す図3のマルチレベルチップの概略立断面図である。
図5】[0022] 図5は、ビアが形成され得る閉塞部分の第1の配置を示すハードマクロの概略平面図である。
図6】[0023] 図6は、本開示の実施例が用いられ得る例示的な無線通信システムの概略図である。
図7】[0024] 図7は、本開示に従った方法を示すフロー図である。
【詳細な説明】
【0018】
[0025]本発明の観点は下記の説明において開示され、ならびに関連する図面は本発明の特定の実施例に関する。代替実施例は、本発明の範囲から逸脱することなく考案され得る。さらに、本発明の周知の要素は、詳細に説明されないため、あるいは本発明の関連する詳細を曖昧にしないために省略されるであろう。
【0019】
[0026]単語「例示的」は、「例、実例、または図解としての役割を果たすことを」を意味するためにここで用いられる。「例示的な」とここに記載された任意の実施例は、必ずしも他の実施例よりも好適であるあるいは利点があると解釈されるべきではない。同様に、用語「本発明の実施例」は、本発明の全ての実施例が、論じられた特徴、利点、または動作のモードを含むことを必要としているわけではない。
【0020】
[0027]ここで用いられた用語は、実施例に従って特定の具体例を説明するためだけのものであって、かつ本発明の実施例を限定することを意図するものではない。ここで用いられたように、単数の「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかに別の意味を示すのでなければ、複数の意味も含むことを意図している。ここで用いられたように、「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「含む(includes)」および/または「含む(including)は、言及された構造的かつ機能的な特徴、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を特定するが、1つまたは複数の他の構造的かつ機能的な特徴、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらから成るグループの存在または追加を除外するものではない。
【0021】
[0028]「の直下の(under)」、「下方の(below)」、「より下の(lower)」、「上方の(over)」、「より上の(upper)」、「側面(lateral)」、「上面(top)」、「底面(bottom)」「左側の(left)」「右側の(right)」、などの空間的関係の用語は、図面に示された別の要素または特徴に対する1つの要素または特徴の関係を記載するため、説明の簡単のためにここで用いられ得る。空間的関係の用語は、図面に明示された位置に加えて、使用または動作の際のデバイスの異なる位置を含むことを意図している。例えば、図面においてデバイスが逆に配置された場合、他の要素または特徴「の直下に(under)」または「より下に(beneath)」と記載された要素は、該他の要素または特徴の「上方(over)」に配置されることになる。デバイスは、(90度回転して、あるいは他の位置に)異なった状態で配置され得、かつここで用いられた相対的な空間関係の記述語はそれにしたがって解釈される。
【0022】
[0029]当業者は、情報および信号が様々な異なる技術と技法のうちのいずれかを用いて表され得ることを理解するだろう。例えば、上記の説明を通して言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、記号、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場または磁性粒子、光場、電子スピン粒子、電子スピン、またはそれらの任意の組合せによって表され得る。
【0023】
[0030]ここで用いられるような用語「トポロジー」は、回路構成要素の相互接続を示唆しており、特に明記されない限り、相互に関係する構成要素の物理的な配置またはそれらの物理的な位置を示すものではない。トポロジーを示すように表されたあるいは別の方法で特定された図面は、トポロジーの図を用いた描写にすぎず、かつ必ずしも物理的な配置または構成要素の相関的な位置を表すものではない。
【0024】
[0031]図2は、第1の回路要素204を有する第1の層202、ハードマクロ208を有する第2の層206、および第2の回路要素212を有する第3の層210を有するマルチレイヤチップ200を示す。第1の回路要素204および/または第2の回路要素212は、実回路要素よりむしろマルチレイヤチップ200に関するピンまたは接続パッドを代わりに表し得る。マルチレイヤチップ200の設計は、第1の回路要素204がハードマクロ208の直下の層で第1の回路要素204の2層下方の層に設置された第2の回路要素212に接続されることを必要とする。ハードマクロ208には、論理要素または接続なしに形成される少なくとも1つおよび好ましくは複数の閉塞部分214が設けられ、およびそこ閉塞部分214には、ビア216がハードマクロ208の動作に不利な影響を与えることなく形成され得る。図2において、3つの閉塞部分214が例示されているが、より多くまたは少数の閉塞部分214がチップ200に提供されてもよい。ハードマクロ208の端部の周囲に第1の回路要素204から第2の回路要素212までの接続をルーティングする代わりに、ビア216は、第1の回路要素204から第2の回路要素212までのより短い接続パスを提供するように閉塞部分214のうちの1つに形成される。閉塞部分214は、ハードマクロ208を通って直線に延伸する。
【0025】
[0032]図3および4は、第1の回路要素304を有する第1の層302、ハードマクロ308を有する第2の層306、および第2の回路要素312を有する第3の層310を有するマルチレイヤチップ300を示す。第1の回路要素304および/または第2の回路要素312は、実回路要素よりむしろマルチレイヤチップ300に関するピンまたは接続パッドを代わりに表し得る。マルチレイヤチップ300の設計は、第1の回路要素304がハードマクロ308の直下の層で第1の回路要素304の2層下方の層に設置された第2の回路要素312に接続されることを必要とする。ハードマクロ308には、論理要素または接続なしに形成される少なくとも1つおよび好ましくは複数の閉塞部分314が設けられ、およびそこ閉塞部分314には、ビア318がハードマクロ308の動作に不利な影響を与えることなく形成され得る。2つの閉塞部分314のみが図3および図4に例示されているが、一般的により多数の閉塞部分が提供されることもある。図2のマルチレイヤチップ200とは異なり、チップ300の閉塞部分314は、第1の回路要素304と第2の回路要素312のうちの少なくとも1つから水平にオフセットされる。しかし、こういったオフセットを用いたとしても、第1の回路要素304から第2の回路要素312までの接続は、ハードマクロ308の周囲に完全にルーティングするために必要とされている従来技術の接続よりも短い。
【0026】
[0033]図3は、第1の回路要素304に近接する閉塞部分314のうちの1つ内のビア318を経由して第1の回路要素304から第2の回路要素312に第1の回路要素304を接続する第1の接続経路316を示す。図4は、第2の回路要素312に近接する閉塞部分314に形成されたビア404を経由して第2の回路要素312に第1の回路要素304を接続する第2の接続経路402を示す。ビアの配置に関してこれら2つの経路のうちのいずれが選択されるかは、第1、第2および第3の層302、306および310上の第1および第2の回路要素304、312および/または他の回路要素(不図示)および/または他の電気経路(不図示)への、および、それらの間の他の接続に依存し得る。
【0027】
[0034]3D集積回路と該集積回路が含む種々の要素の望ましい最終設計に基づいて既定の位置に設置された閉塞部分を有するハードマクロを設計することが可能であり得る。しかし、回路の相互接続を配線するときに必要とされる少ないあるいは多い閉塞部分にビアを設置することが可能な回路設計者に柔軟性をもたらすためにハードマクロ上に比較的多数の閉塞部分をもたらすことがより現実的になり得る。図5を参照すると、ハードマクロ500は、XおよびY方向の複数の閉塞部分502の間に一定の空間を有する規則的なパターンに配列された該複数の閉塞部分502を含み、この場合、行と列のメッシュまたは配列である。規則的なパターンは、二者択一的に、1方向のみに規則的な間隔を有するか、あるいはジグザグまたは非長方形パターンに配列されることもある。閉塞部分の位置は、不規則なパターンにも配列され得る。閉塞部分は、非常に小さな空間を占有し、かつ種々のビアを収容するのに十分な大きさを要することが留意されるべきである。ビアは非常に小さいので、いくつかは非常に小さい閉塞領域にも形成され得る。ハードマクロと回路要素と比べると閉塞部分のサイズは、図面において非常に誇張されている。
【0028】
[0035]回路設計者が、最終的にこれらの閉塞部分のすべてにビアを形成することは無さそうである。また、相互接続を要する要素が閉塞部分の上方および下方に直接設置され、その結果、それらが単一の垂直な電気的接続によって接続され得ることも無さそうである。しかし、ハードマクロの面一面に広がった多数の閉塞部分は、向上したルーティングの柔軟性をもたらし、かつ、ハードマクロの端部周囲にルーティングする必要性を低減させ、むしろ、必要に応じて用いられ得るハードマクロを通過する様々な経路を提供する。
【0029】
[0036]閉塞部分のための位置は、ブロック・レベルの設計ネットリストからのブロック・ツー・ブロックピン(block-to-block pin)の統計データに一部基づいて決定される。関連する設計規則(層間 (inter-tier) ビア/ランディングパッドピッチ(landing pad pitch)などを含む)とブロック・ツー・ブロックピンの統計データに基づいて、閉塞部分に使用可能な領域が算出される。許容可能な領域オーバヘッド予算(モノリシックの3D層間ビアの非常に小さいサイズに起因して最も小量である)が付与されると、ブロックをわたる閉塞部分の数が決定され得る。閉塞の挿入後、変更されたブロックが、例えば配置およびルーティング(「P&R」)、物理インプリメンテーションによって取得される。
【0030】
[0037]図6は、1つまたは複数の本開示の実施例が有利に用いられ得る例としての無線通信システム600を示す。例示の目的のために、図6は、3つの遠隔ユニット620、630、および650および2つの基地局640を示す。従来の無線通信システムは、より多くの遠隔ユニットと基地局を有し得ることが評価されるだろう。遠隔ユニット620、630、および650は、集積回路または(ここに開示されたようなハードマクロを含む)他の半導体デバイス625、635および655を含み、それは、以下でさらに論じられるように本開示の実施例のうちにある。図6は、基地局640と遠隔ユニット620、630、および650からの順方向リンク信号680と遠隔ユニット620、630、および650から基地局640までの逆方向リンク信号690を示す。
【0031】
[0038]図6において、遠隔ユニット620は、モバイル電話として示され、遠隔ユニット630は、ポータブルコンピュータとして示され、および遠隔ユニット650は、無線ローカルループシステム内の決まった場所にある遠隔ユニットとして示される。例えば、遠隔ユニットは、携帯電話、ハンドヘルドパーソナル通信システム(PCS)ユニット、パーソナルデータアシスタント(PDA)のようなポータブルデータユニット、(GPS対応デバイスのような)ナビゲーションデバイス、セット・トップ・ボックス、音楽プレイヤー、映像プレイヤー、エンターテーメントユニット、メートル読み出し機器のような定位置データユニット、またはデータまたはコンピュータ命令、またはそれらの任意の組合せを格納または検索する任意の他のデバイスのうちの1つのまたは組合せであり得る。図6は本開示の教示にしたがって遠隔ユニットを例示するが、本開示は、これらの例として実例となるユニットに限定されるものではない。本開示の実施例は、テストおよび特徴づけのためのメモリおよびオンチップ回路を有するアクティブな集積回路を有する任意のデバイスにおいて適切に用いられ得る。
【0032】
[0039]実施例に従った方法は、集積回路の第1の層を形成するブロック702、集積回路の第1の層上に集積回路の第2の層を形成する、第2の層は少なくとも1つのハードマクロを含む、ブロック704、ハードマクロを通過するビアを形成するブロック706、第2の層の上面に第3の層を形成するブロック708、およびビアを使用して、第3の層上の要素に第1の層上の要素を電気的に接続するブロック710を備える。
【0033】
[0040]先に開示された(図2−5のデバイスまたはそれらの任意の組合せのような)デバイスおよび機能は、コンピュータ可読媒体に記憶されたコンピュータファイル(例えば、RTL、GDSII、GERBER、など)の内部に設計されかつ構成され得る。いくつかのまたは全てのこういったファイルは、こういったファイルに基づいてデバイスを製造する製造取扱者に提供される。その結果もたらされる製品は、次に半導体ダイにカットされかつ半導体チップにパッキングされる半導体ウエハースを含む。半導体チップは、上述されたような電子デバイスに用いられ得る。
【0034】
[0041]ここで開示された実施例に関連して記載された方法、シーケンスおよび/またはアルゴリズムは、直接ハードウェアにおいて、プロセッサによって実行されるソフトウェア・モジュールにおいて、またはその2つの組合せにおいて具体化され得る。ソフトウェア・モジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROM(登録商標)メモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブル・ディスク、CD−ROM、または当技術分野において周知の記憶媒体の任意の他の形式に属し得る。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み出し、および記憶媒体へ情報を書き出すためにプロセッサに結合される。代わりに、記憶媒体は、プロセッサに統合され得る。
【0035】
[0042]従って、本発明の実施例は、実施のための方法を具体化するコンピュータ可読媒体を含み得る。従って、本発明は、例示された具体例に限定されることはなく、かつここに記載された機能を実行するための手段は、本発明の実施例に含まれる。
【0036】
[0043]前述の開示は例示された本発明の実施例を示すが、様々な変更および修正が添付の請求項によって定義されるように本発明の範囲から逸脱することなくここで行われ得るだろう。ここに記載された本発明の実施例にしたがった方法の請求項の機能、ステップおよび/または動作は、任意の特定の順序で実行される必要はない。さらに、本発明の要素は、単数で記載されるか、または請求され得るが、単数への限定が明らかに述べられていなければ、複数が検討される。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
ハードマクロ領域を定義する外面を有し、および、上面と、底面と、前記上面から前記底面までのハードマクロの厚さを有するハードマクロであって、前記ハードマクロは、前記上面から前記底面まで前記ハードマクロを通過して延伸する複数のビアを含む、ハードマクロ。
[C2]
前記ハードマクロの上面に複数の閉塞部分を含み、前記複数の閉塞部分は、前記ハードマクロの底面まで前記ハードマクロを通過して延伸し、そこにおいて、前記複数のビアが前記閉塞部分のうちの少なくともいくつかに形成される、C1に記載のハードマクロ。
[C3]
前記複数の閉塞部分が規則的なパターンに配置される、C2に記載のハードマクロ。
[C4]
前記規則的なパターンはアレイを備える、C3に記載のハードマクロ。
[C5]
少なくとも1つの半導体ダイに組み込まれる、C1−C4のうちのいずれか1つに記載のハードマクロ。
[C6]
セット・トップ・ボックス、音楽プレイヤー、映像プレイヤー、エンターテーメントユニット、ナビゲーションデバイス、通信デバイス、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、定位置データユニット、およびコンピュータから成るグループから選択され、C1−C4のうちのいずれか1つの前記ハードマクロを含む、デバイス。
[C7]
コンピュータによって実行される時、C1−C4のうちのいずれか1つに従ってハードマクロを生成することをコンピュータ−制御されるデバイスに行わせる命令を記憶する不揮発性コンピュータ可読媒体。
[C8]
上面層、底面層、および少なくとも1つの中間層を備える集積回路であって、前記上面層は上面層導電配線を含み、前記少なくとも1つの中間層はハードマクロを含み、前記底面層は底面層導電配線を含む、ここにおいて、前記上面層導電配線はハードマクロを通過して延伸するビアによって前記底面層導電配線に接続される、集積回路。
[C9]
前記上面層は上面層のアクティブな要素を含みならびに前記底面層は底面層のアクティブな要素を含む、およびここにおいて、前記上面層のアクティブな要素は、前記ビアによって前記底面層のアクティブな要素に接続される、C8に記載の集積回路。
[C10]
少なくとも1つの半導体ダイに組み込まれる、C8またはC9に記載の集積回路。
[C11]
セット・トップ・ボックス、音楽プレイヤー、映像プレイヤー、エンターテーメントユニット、ナビゲーションデバイス、通信デバイス、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、定位置データユニット、およびコンピュータから成るグループから選択され、C8またはC9に記載の前記集積回路を含む、デバイス。
[C12]
集積回路の第1の層を形成することと、
前記集積回路の前記第1の層上に前記集積回路の第2の層を形成することと、前記第2の層は少なくとも1つのハードマクロを含む、
前記ハードマクロを通過する少なくとも1つのビアを形成することと、
前記第2の層の上面に第3の層を形成することと、
前記少なくとも1つのビアを用いて前記第3の層上の要素に前記第1の層上の要素を電気的に接続することと、
を備える方法。
[C13]
前記ハードマクロは、複数の閉塞部分を含む、およびそこにおいて、前記ビアを形成することは前記複数の閉塞部分のうちの1つに前記ビアを形成することを備える、C12に記載の方法。
[C14]
コンピュータ可読媒体を備えるコンピュータ・プログラム・プロダクトであって、前記コンピュータ可読媒体は、C12またはC13にしたがった方法を実行することをコンピュータまたはプロセッサに行わせるための少なくとも1つの命令を備える、コンピュータ・プログラム・プロダクト。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7