(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記データパケットフローに関連付けられる情報を判断する前記ステップが、送信元ポートまたは宛先ポートのうちの少なくとも1つを判断するステップを備え、分類する前記ステップが、圧縮可能なデータを搬送するポートに対応する前記送信元ポートまたは前記宛先ポートのうちの前記少なくとも1つに基づいて、前記データパケットフローを前記圧縮可能なデータパケットフローに分類するステップをさらに含み、分類する前記ステップが、圧縮されるべきではないデータを搬送するポートに対応する前記送信元ポートまたは前記宛先ポートのうちの前記少なくとも1つに基づいて、前記データパケットフローを前記非圧縮データパケットフローに分類するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
前記データパケットフローに関連付けられる情報を判断する前記ステップが、送信元アドレスまたは宛先アドレスのうちの少なくとも1つを判断するステップを備え、分類する前記ステップが、圧縮可能なデータを搬送するアドレスに対応する前記送信元アドレスまたは前記宛先アドレスのうちの前記少なくとも1つに基づいて、前記データパケットフローを前記圧縮可能なデータパケットフローに分類するステップをさらに備え、分類する前記ステップが、圧縮されるべきではないデータに関連付けられるアドレスに対応する前記送信元アドレスまたは前記宛先アドレスのうちの前記少なくとも1つに基づいて、前記データパケットフローを前記非圧縮データパケットフローに分類するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
前記データパケットフローに関連付けられるアプリケーションを、前記アプリケーションに対応する前記1つまたは複数のデータパケットの前記送信元情報または前記宛先情報を含む情報を判断する前記ステップに基づいて、識別するステップと、
前記アプリケーションを、圧縮可能なデータもしくは圧縮されるべきではないデータを送信するステップまたは受信するステップに関連付けられているものと識別するステップと
をさらに含み、
分類する前記ステップが、前記アプリケーションが圧縮可能なデータを送信するステップまたは受信するステップに関連付けられていることに基づいて、前記データパケットフローを前記圧縮可能なデータパケットフローに分類するステップをさらに含み、分類する前記ステップが、前記アプリケーションが圧縮されるべきではないデータを送信するステップまたは受信するステップに関連付けられていることに基づいて、前記データパケットフローを前記非圧縮データパケットフローに分類するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
前記データパケットフローに関連付けられている前記アプリケーションを識別する前記ステップが、前記アプリケーションの識別情報を前記データパケットフローに対応するものとして受信するステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
前記1つまたは複数のデータパケットを分析する前記ステップが、前記1つまたは複数のデータパケットの内容を分析するステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
前記フロー情報判断構成要素が、送信元ポートまたは宛先ポートのうちの少なくとも1つを判断するようにさらに構成され、前記分類構成要素が、圧縮可能なデータを搬送するポートに対応する前記送信元ポートまたは前記宛先ポートのうちの前記少なくとも1つに基づいて、前記データパケットフローを前記圧縮可能なデータパケットフローに分類するようにさらに構成され、前記分類構成要素が、圧縮されるべきではないデータを搬送するポートに対応する前記送信元ポートまたは前記宛先ポートのうちの前記少なくとも1つに基づいて、前記データパケットフローを前記非圧縮データパケットフローに分類するようにさらに構成される、請求項11に記載の装置。
前記データパケットフローに関連付けられる前記判断された情報が、送信元アドレスまたは宛先アドレスのうちの少なくとも1つを含み、前記分類構成要素が、圧縮可能なデータを搬送するアドレスに対応する前記送信元アドレスまたは前記宛先アドレスのうちの前記少なくとも1つに基づいて、前記データパケットフローを前記圧縮可能なデータパケットフローに分類するようにさらに構成され、前記分類構成要素が、圧縮されるべきではないデータに関連付けられるアドレスに対応する前記送信元アドレスまたは前記宛先アドレスのうちの前記少なくとも1つに基づいて、前記データパケットフローを前記非圧縮データパケットフローに分類するようにさらに構成される、請求項11に記載の装置。
前記データパケットフローに関連付けられている前記アプリケーションを識別するために、前記分類構成要素が、前記アプリケーションの識別情報を前記データパケットフローに対応するものとして受信するようにさらに構成される、請求項14に記載の装置。
前記データパケットフローに関連付けられている前記アプリケーションを識別するために、前記分類構成要素が、前記パケット特性が前記アプリケーションに対応すると判断するようにさらに構成される、請求項14に記載の装置。
前記フロー情報判断構成要素が、パケット特性を判断するために、前記1つまたは複数のデータパケットを分析し、前記パケット特性を、圧縮可能なデータもしくは圧縮されるべきではないデータを送信するステップまたは受信するステップに関連付けられているものと判断するようにさらに構成され、前記分類構成要素が、圧縮可能なデータを送信するステップまたは受信するステップに関連付けられている前記パケット特性に基づいて、前記データパケットフローを前記圧縮可能なデータパケットフローに分類するようにさらに構成され、
前記分類構成要素が、圧縮されるべきではないデータを送信するステップまたは受信するステップに関連付けられている前記パケット特性に基づいて、前記データパケットフローを前記非圧縮データパケットフローに分類するようにさらに構成される、請求項11に記載の装置。
前記分類構成要素が、前記判断された情報に基づいて、前記データパケットフローを前記圧縮可能なデータパケットフローに分類するようにさらに構成され、前記出力構成要素が、前記1つまたは複数の圧縮されたデータパケットを送信するようにさらに構成される、請求項11に記載の装置。
前記分類構成要素が、前記判断された情報に基づいて、前記データパケットフローを前記非圧縮データパケットフローに分類するようにさらに構成され、前記コンプレッサが、前記データパケットフローを前記非圧縮データパケットフローに分類するステップに基づいて、前記データパケットフローに関連付けられる前記1つまたは複数のデータパケットを圧縮するステップをスキップするようにさらに構成され、前記出力構成要素が、前記1つまたは複数のデータパケットを送信するようにさらに構成される、請求項11に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0018】
添付の図面に関する下記の詳細な説明は、様々な構成の説明として意図されており、本明細書で説明する概念が実行され得る唯一の構成を表すように意図されているわけではない。詳細な説明は、様々な概念の完全な理解をもたらす目的で、具体的な詳細を含んでいる。しかし、これらの概念がこれらの具体的な詳細なしに実行され得ることが、当業者には明らかであろう。場合によっては、そのような概念を曖昧にするのを回避する目的で、周知の構造および構成要素がブロック図の形式で示されている。
【0019】
上述のように、本ソリューション以前のワイヤレス通信システムでは、コンプレッサ構成要素は、圧縮が試みられるべきではないデータパケットフローから1つまたは複数のデータパケットを圧縮しようとすることがある。たとえば、暗号化されたトラフィックまたはビデオを搬送しているフローにおけるデータパケットは圧縮することができない場合があり、または、圧縮の努力に値するように、圧縮した後にサイズの所望の縮小を実現することはできない場合がある。このように、コンプレッサ構成要素(または、対応するデコンプレッサ構成要素)は、パケットサイズの縮小をほとんどまたは全くもたらさない特定のデータパケットを圧縮(または、デコンプレッサ構成要素の場合は、解凍)しようとして処理リソースを費やしてしまう場合がある。
【0020】
この問題を軽減するために、本態様によれば、コンプレッサ構成要素(または、デコンプレッサ構成要素)は、データパケットフローに関連付けられる1つまたは複数のデータパケットに関連する、判断された送信元情報または宛先情報に基づいて、データパケットフローを、圧縮可能なデータパケットフロー、または非圧縮データパケットフローに分類するように構成され得る。
【0021】
したがって、本態様によって構成されたコンプレッサ構成要素(または、デコンプレッサ構成要素)は、圧縮を適用するために、または圧縮をスキップするためにデータフローを効率的に分類することができ、処理およびメモリリソースを節約することができる。
【0022】
図1を参照すると、一態様では、ワイヤレス通信システム100は、1つまたは複数のデータパケット104を含むデータパケットフロー103を受信して、圧縮アルゴリズム106をデータパケット104に適用して、デコンプレッサ構成要素110に送信するために、圧縮されたデータパケット108を生成するように構成されたコンプレッサ構成要素102を含む。デコンプレッサ構成要素110は、圧縮されたデータパケット108を受信して、解凍アルゴリズム112を圧縮されたデータパケット108に適用して、データパケット104を再生成するように構成されている。上述のように、場合によっては、データパケット104を圧縮することが望ましくない場合がある。このように、圧縮アルゴリズム106を実行しているコンプレッサ構成要素102は、データパケットフロー103を、圧縮可能なデータパケットフロー114、または非圧縮データパケットフロー116に分類して、分類に基づいて、それに対応してデータパケット104に圧縮を適用するか否かを判断するようにさらに構成される。本明細書で使用されるように、「非圧縮データパケットフロー(uncompressed data packet flow)」という用語は、圧縮に基づくパケットサイズの縮小が適切に圧縮処理のオーバーヘッド以上ではない場合などの、圧縮されることが不可能なデータパケットフロー、または圧縮が望ましくないデータパケットフローを意味し得る。たとえば、暗号化された、および/またはビデオデータを搬送するデータパケットフローは、非圧縮データパケットフローに分類され得る。圧縮アルゴリズム106を実行しているコンプレッサ構成要素102は、たとえば、データパケットフロー103に関連付けられる1つまたは複数のデータパケット104からデータパケットフロー103に関連付けられる情報を判断するように構成されている。たとえば、判断された情報は、データパケットフロー103の1つまたは複数のデータパケット104に対応する送信元情報120または宛先情報122を含み得る。場合によっては、送信元情報120または宛先情報122は、1つまたは複数のデータパケット104の内容、たとえば、ヘッダ情報、および/またはペイロード情報を分析することに基づいて取得されてよく、他の態様では、送信元情報120または宛先情報122は、これに限定されないが、無線アクセスネットワークエンティティまたはコアネットワークエンティティを含むネットワークエンティティから、無線リソース制御(RRC)シグナリングを介して、コンプレッサ構成要素102にシグナリングするなど、別のデバイスから取得されてよい。データパケットフロー103を分類した結果、コンプレッサ構成要素102は、圧縮を適用するか否かを判断して、データパケット104を圧縮された現在のデータパケット108として、または非圧縮の現在のデータパケット118として送信することができる。
【0023】
限定と解釈されるべきではない、本態様の可能な実装形態の一例では、ワイヤレス通信システム100は、これに限定されないが、ワイヤレスサービングノード128を含む1つまたは複数のサービングノードを介して、1つまたは複数のワイヤレスリンク130を介して、1つまたは複数のネットワーク126とワイヤレスに通信し得る少なくとも1つのUE124を含み得る。1つまたは複数のワイヤレスリンク130は、これに限定されないが、シグナリング無線ベアラおよび/またはデータ無線ベアラを含み得る。UE124は、1つまたは複数の信号132を、1つまたは複数のワイヤレスリンク130を介してワイヤレスサービングノード128に送信するように構成されてよく、および/またはワイヤレスサービングノード128は1つまたは複数の信号134をUE124に送信してよい。ある態様では、信号132および信号134は、これに限定されないが、ワイヤレスサービングノード128を介してUE124からネットワーク126に、もしくはその逆に送信されている1つまたは複数のメッセージ、または1つまたは複数のデータパケットを含む、1つまたは複数のデータパケットフローを含み得る。
【0024】
ある態様では、UE124は、ネットワーク126を介して到達可能な別のデバイス宛ての1つまたは複数のデータパケット104を含むデータパケットフロー103を受信して、データパケットフロー103を、圧縮可能なデータパケットフロー114、または非圧縮データパケットフロー116に分類するために圧縮アルゴリズム106を適用して、ワイヤレスサービングノード128およびネットワーク126に送信するために、圧縮されたデータパケット108、または非圧縮データパケット118を生成するように構成されたコンプレッサ構成要素102を含み得る。それに対応して、ワイヤレスサービングノード128およびネットワーク126は、送信されたデータパケットを受信して、受信されたデータパケットが圧縮されているかどうかに応じて解凍動作を実行する、または実行しないために解凍アルゴリズム112を適用するように構成されたデコンプレッサ構成要素110を含み得る。その結果、デコンプレッサ構成要素110は、たとえば、音声またはデータ呼の出力を生成するために、宛先デバイスに転送するためなどのさらなる処理のために元のデータパケット104を生成する。ある態様では、コンプレッサ構成要素102およびデコンプレッサ構成要素110は、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)層エンティティなどの1つまたは複数のプロトコル層エンティティを含んでもよく、それに実装されてもよいが、コンプレッサ構成要素102およびデコンプレッサ構成要素110は、代替で、または追加で、UE124およびワイヤレスサービングノード128のそれぞれのプロトコルスタックのより高い、もしくはより低い層のエンティティ、またはネットワーク126に関連付けられる他のエンティティを含んでもよく、それによって実装されてもよい。
【0025】
さらに、代替または追加の態様(点線のボックスによって示される)では、UE124は、デコンプレッサ構成要素110を含むことができ、ネットワーク126またはワイヤレスサービングノード128は、コンプレッサ構成要素102を含むことができる。この態様では、ネットワーク126またはワイヤレスサービングノード128は、データパケットフロー103を受信および分類して、圧縮されたデータパケット108または非圧縮データパケット118をUE124に送信するために、コンプレッサ構成要素102を操作することができ、受信されたデータパケットを分析し、圧縮された現在のデータパケット108を任意に解凍して、呼に関連する動作を実行するためなどのさらなる処理のために現在のデータパケット104を生成するために、デコンプレッサ構成要素110を操作することができる。
【0026】
さらに、代替または追加の態様では、コンプレッサ構成要素102およびデコンプレッサ構成要素110は、それぞれのデバイスが、たとえば、1つまたは複数の無線アクセス技術プロトコルおよび/または規格に従って、音声および/またはデータ呼を送信および/または受信することを可能にするように構成された呼処理構成要素136の一部でよい。
【0027】
これらの態様では、UE124はモバイル装置を備えてよく、移動局、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、遠隔ユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、遠隔デバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、遠隔端末、ハンドセット、端末、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれることもある。
【0028】
さらに、これに限定されないが、ワイヤレスサービングノード128、および/またはネットワーク126に関連付けられるエンティティを含む、これらの態様における1つまたは複数のワイヤレスノードは、基地局またはNodeBもしくはeNodeB、リレー、ピアツーピアデバイス、認証、許可、課金(AAA)サーバ、モバイル交換センター(MSC)、無線ネットワークコントローラ(RNC)等を含むアクセスポイントなどの、任意のタイプのネットワーク構成要素のうちの1つまたは複数を含み得る。さらに、ワイヤレスサービングノード128は、これに限定されないが、フェムトセル、ピコセル、マクロセル、または、マクロセルもしくはマクロ基地局のカバレージエリアまたは送信電力レベルと比較して、任意の他の比較的小さいカバレージまたは低電力基地局などの、小さいセルまたは小さい基地局を含み得る。
【0029】
図2および
図3を参照すると、本装置および方法による、コンプレッサ構成要素102および/またはデコンプレッサ構成要素110(
図1)のある態様の1つまたは複数の動作の例が、1つまたは複数の方法、およびこれらの方法の動作または機能を実行することができる1つまたは複数の構成要素を参照して説明されている。以下で説明される動作は、特定の順序で、および/または例示的構成要素によって実行されているものとして提示されているが、実装形態に応じて、これらの動作の順序および動作を実行している構成要素は変更されてよいことが理解されるべきである。さらに、以下の動作もしくは機能は、特別にプログラムされたプロセッサ、特別にプログラムされたソフトウェアまたはコンピュータ可読媒体を実行しているプロセッサ、または上述の動作または機能を実行することができるハードウェア構成要素および/またはソフトウェア構成要素の任意の他の組合せによって実行され得ることが理解されるべきである。
【0030】
特定の態様では、ワイヤレス通信の方法200は、ブロック202(
図2)で、データパケットフローを受信するステップを含む。ある態様では、たとえば、コンプレッサ構成要素102は、1つまたは複数のデータパケット104を含み得るデータパケットフロー103を受信するために、インターフェースによって定義される、またはそれを含む、受信機構成要素140(
図3)を含み得る。ある態様では、コンプレッサ構成要素102は、それぞれのデータフローの分類に基づいて、データフロー103などの1つまたは複数のデータフローに関連付けられる1つまたは複数のデータパケット104への圧縮を実行またはスキップするために、圧縮アルゴリズム106を実行することができる。さらに、たとえば、受信機構成要素140は、デバイスのプロトコルスタックの1つのプロトコル層もしくはプロトコル層エンティティを、別のより上位のプロトコル層もしくはプロトコル層エンティティ、または、たとえば、コンプレッサ構成要素102が動作しているUE124もしくはワイヤレスサービングノード128でよい、デバイス上で実行しているアプリケーションに通信可能に接続するインターフェースでよい。たとえば、データフロー103は、これに限定されないが、1つまたは複数のサービス品質(QoS)パラメータなどの、1つまたは複数のパラメータに基づいて送信のためにデータパケットを整理またはグループ化する論理データフローでもよく物理データフローでもよい。
【0031】
ブロック204で、方法200のある態様は、データパケットフローに関連付けられる1つまたは複数のデータパケットから前記データパケットフローに関連付けられる情報を判断するステップであって、判断された情報が、データパケットフローの1つまたは複数のデータパケットに対応する送信元情報または宛先情報を備える、ステップをさらに含み得る。たとえば、ある態様では、コンプレッサ構成要素102は、データパケット104をデータフロー103に関連付けられているものとして識別するために、およびデータフロー103を圧縮可能なデータパケットフロー114に分類するか、または非圧縮データパケットフロー116に分類するかを判断するために使用され得るデータパケット104および/もしくはデータフロー103に関連する情報をさらに判断するために、受信機構成要素140からデータパケットフロー103および1つまたは複数のデータパケット104を受信して、これに限定されないが、それぞれのデータパケット104のヘッダ情報などの内容を分析するように構成された、フロー情報判断構成要素142を含み得る。たとえば、フロー情報判断構成要素142は、データパケット104に対応するポートもしくはアドレスのうちの少なくとも1つを検出して、検出されたポートのうちの1つまたは複数、または1つまたは複数のアドレス、またはそれらの組合せを、それぞれのデータフローと相互に関連付けるために動作する、圧縮アルゴリズム106の一部でよいアルゴリズムを実行することができる。たとえば、この例に限定されないが、現在のデータパケット104は、ヘッダ内などに、送信元アドレス、宛先アドレス、送信元ポート、または宛先ポートなどの情報を含み得る。たとえば、いくつかの例では、データフローは、TCPベースのパケットの(TCP送信元ポート、TCP宛先ポート、IP送信元アドレス、IP宛先アドレス)の組合せ、およびUDPベースのパケットの(UDP送信元ポート、UDP宛先ポート、IP送信元アドレス、IP宛先アドレス)の組合せに基づいて識別され得る。一例では、この例に限定されないが、データパケット104に対応するポートもしくはアドレスのうちの少なくとも1つを検出するために、フロー情報判断構成要素142は、たとえば、そのような情報の知られている構成に基づいて、または知られている一致する値に基づいて、データパケット104内の特定の位置のデータ値を識別してもよく、ポートもしくはアドレス情報に対応するデータパケット104内の特定のデータ値を識別してもよい。さらに、一例では、この例に限定されないが、検出されたポートもしくはアドレスを、それぞれのデータフローと相互に関連付けるために、フロー情報判断構成要素142は、これに限定されないが、表を参照すること、またはポートもしくはアドレスをデータフローにリレーショナルデータベースマッピングすることに基づいて、検出されたポートもしくはアドレスを、それぞれのデータフローと相互に関連付けることができる。
【0032】
さらに、いくつかの態様では、フロー情報判断構成要素142は、圧縮する目的でデータパケットフロー103を分類する際に使用するための、データパケットフロー103の1つまたは複数のデータパケット104に対応する送信元情報120と宛先情報122のうちの少なくとも1つを含む、判断された情報を集めるか、またはそれを参照することができる。送信元情報120および/もしくは宛先情報122は、上述のように同じ情報、たとえば、データフロー103を識別するために使用される情報でもよく、または、送信元情報120および/もしくは宛先情報122は、1つまたは複数のデータパケット104のさらなる分析、またはそれらとの知られている関係に基づいて判断されてもよい。
【0033】
たとえば、ある態様では、フロー情報判断構成要素142は、送信元ポートまたは宛先ポートのうちの少なくとも1つを判断するように構成されてよく、他の態様では、フロー情報判断構成要素142は、送信元アドレスまたは宛先アドレスのうちの少なくとも1つを判断するように構成されてよい。上述のように、フロー情報判断構成要素142は、1つまたは複数のデータパケット104のパケットヘッダ内のデータを構文解析することによって、この判断された情報を識別することができる。
【0034】
また、たとえば、代替または追加の態様では、フロー情報判断構成要素142は、アプリケーションに対応する1つまたは複数のデータパケットの送信元情報または宛先情報に基づいて、データパケットフローに関連付けられるアプリケーションを識別するように構成され得る。たとえば、ある態様では、フロー情報判断構成要素142は、送信元アドレスと宛先アドレスのうちの1つまたは両方と、送信元アドレスおよび/もしくは宛先アドレスに対応するアプリケーションとの間の関連性または関係を維持することができる。このように、送信元情報120と宛先情報122のうちの少なくとも1つは、フロー情報判断構成要素142が対応するアプリケーションを判断することを可能にすることができる。
【0035】
さらに、たとえば、フロー情報判断構成要素142は、アプリケーションの識別情報をデータパケットフローに対応するものとして受信するステップに基づいて、データパケットフロー103に関連付けられているアプリケーションを識別するように構成され得る。たとえば、フロー情報判断構成要素142は、これに限定されないが、アプリケーションのためのソケットを開いたソケットマネージャによって、またはデータフローを有するアプリケーションを識別するネットワークエンティティから信号を受信することによってなど、別のエンティティによって特定のデータフローに関連付けられるアプリケーションを知っていてよい。
【0036】
別の、代替または追加の態様では、たとえば、データパケットフロー103に関連付けられているアプリケーションを識別するステップは、パケット特性を判断するために1つまたは複数のデータパケットを分析するステップと、パケット特性が、圧縮可能なデータに関連付けられている(または、関連付けられていない)ことが知られている特定のアプリケーションに対応すると判断するステップとを含み得る。たとえば、フロー情報判断構成要素142は、1つまたは複数のデータパケット104に統計分析を実行するか、または1つまたは複数のデータパケット104の内容を検査するように構成され得る。たとえば、これに限定されないが、フロー情報判断構成要素142は、たとえば、パケットサイズ、到着時間間隔、またはパケット内容のうちの少なくとも1つの測定値を判断するために、1つまたは複数のパケット104に統計分析を実行することができる。たとえば、フロー情報判断構成要素142は、相対的なパケットサイズ、相対的な到着時間間隔、または相対的なパケット内容と、たとえば複数のアプリケーションのそれぞれの1つとを関連付ける、表またはリレーショナルデータベースを含み得る。このように、これらの要因は、あるタイプのアプリケーション、または別のタイプのアプリケーションのインジケータを提供することができ、次いで、それぞれのパケットが圧縮可能でよいか否かに関連付けることができる。
【0037】
別の、代替または追加の態様では、たとえば、データパケットフロー103に関連付けられる判断された送信元情報120および/または宛先情報122は、パケット特性を判断するために1つまたは複数のデータパケット104を分析するステップと、パケット特性が、圧縮可能なデータとして知られている、または圧縮可能なデータではないことが知られているデータに対応すると判断するステップとに基づいてよい。たとえば、フロー情報判断構成要素142は、1つまたは複数のデータパケット104に統計分析を実行するか、または1つまたは複数のデータパケット104の内容を検査するように構成され得る。たとえば、これに限定されないが、フロー情報判断構成要素142は、たとえば、パケットサイズ、到着時間間隔、またはパケット内容のうちの少なくとも1つの測定値を判断するために、1つまたは複数のパケット104に統計分析を実行することができる。たとえば、フロー情報判断構成要素142は、相対的なパケットサイズ、相対的な到着時間間隔、または相対的なパケット内容と、データが圧縮可能か否かを関連付ける、表またはリレーショナルデータベースを含み得る。たとえば、この例に限定されないが、パケット内容を検査することによって、フロー情報判断構成要素142は、データフロー103が、圧縮可能に分類され得るHTTPトラフィックを搬送していると判断することができる。さらに、たとえば、パケット内容を分析すること、または検査することによって、フロー情報判断構成要素142は、データフロー103が特定のタイプのトラフィックを搬送していると判断することができ、次いで、トラフィックが圧縮可能に分類され得るか否かの判断を可能にすることができる。たとえば、フロー情報判断構成要素142は、特定のタイプのデータ、または1つまたは複数のデータパケット104のパケット内容内の特定の位置のデータを識別するように構成されてよく、また、識別されたデータが、圧縮可能でよいトラフィックに対応する、知られているタイプに一致する(または、一致しない)と判断するように構成されてよい。したがって、データパケットフローに関連付けられる情報を判断するステップは、パケット特性を判断するために1つまたは複数のデータパケットを分析するステップと、パケット特性を、圧縮可能なデータもしくは圧縮されるべきではないデータを送信するステップまたは受信するステップに関連付けられているものと判断するステップとを含む。
【0038】
ブロック206で、方法200のある態様は、判断された情報に基づいて、データパケットフローを、圧縮可能なデータパケットフロー、または非圧縮データパケットフローに分類するステップをさらに含み得る。たとえば、ある態様では、コンプレッサ構成要素102は、圧縮アルゴリズム106の一部でよい、フロー情報判断構成要素142と通信して、たとえば送信元情報120および宛先情報122のうちの少なくとも1つを含む、判断された情報を、データフロータイプの知られている分類に相互に関連付ける、または一致するように動作するアルゴリズムを実行するように構成された分類構成要素144を含み得る。上述のように、コンプレッサ構成要素102、および/または分類構成要素144は、すべては送信元情報120および宛先情報122のうちの少なくとも1つの一部であってよい送信元もしくは宛先ポート、送信元または宛先アドレス、アプリケーション、パケット特性、またはパケット内容のうちの1つまたは複数と、圧縮可能なデータパケットフロー114または非圧縮データパケットフロー116のそれぞれの分類とを関連付ける表またはデータベースを維持することができ、次いで、分類構成要素144は、データフロー103に割り当てることができる。一例では、限定と解釈されるべきではないが、HTTPS(暗号化されたHTTP)トラフィックが、HTTPサーバでポート443に関連付けられ、したがって、ポート443に関連付けられるフローは、非圧縮データパケットフロー116に分類され得る。さらに、たとえば、特定のアドレスへのトラフィックは常に暗号化され、したがって、そのようなトラフィックは圧縮可能ではなく、対応するデータフローは非圧縮データパケットフロー116に分類され得ることが知られ得る。さらに、たとえば、圧縮不可能なデータを送信するアプリケーションに属するデータフロー、および圧縮可能なデータを送信するアプリケーションに属するデータフローは、たとえば、ソケットマネージャを介してローカルに、またはネットワークエンティティを介して遠隔に識別され得る。このように、たとえば、画像アップロードアプリケーションに属している1つまたは複数のデータパケット104は圧縮不可能であると知ることができ、したがって、対応するデータフロー103は非圧縮データパケットフロー116に分類され得る。また、たとえば、1つまたは複数のデータパケット104またはそれらの内容を分析するステップに基づいて、データフロー103はHTTPトラフィックを搬送していると判断されてよく、次いで、データフロー103が圧縮可能なデータパケットフロー114に分類されることを可能にすることができる。さらに、分類構成要素144は、判断された送信元情報120および/または宛先情報122と、圧縮可能なデータパケットフロー114または非圧縮データパケットフロー116のうちの知られている1つとの相互関係または一致の欠如を識別して、相互関係または一致が見つからなかった結果、データパケットフロー103を、圧縮可能なデータパケットフロー114または非圧縮データパケットフロー116のうちの反対の1つに分類するように構成されていることが理解されるべきである。
【0039】
任意で、ブロック208で、方法200のある態様は、データパケットフローが圧縮可能なデータパケットフローに分類されたときに送信するための1つまたは複数の圧縮されたデータパケットを生成するために、データパケットフローに関連付けられる1つまたは複数のデータパケットを圧縮するステップをさらに含み得る。たとえば、ある態様では、コンプレッサ構成要素102は、任意の受信されたデータパケットを厳密に圧縮することができないが、代わりに、対応するデータフローの分類に基づいて、データパケットを選択的に圧縮するように構成され得る。たとえば、ある態様では、コンプレッサ構成要素102は、分類構成要素144と通信して、分類構成要素144がデータフロー103を圧縮可能なデータパケットフロー114に分類した場合、データパケットフロー103の1つまたは複数のデータパケット104を圧縮するように動作する、圧縮アルゴリズム106の一部でよい、アルゴリズムを実行するように構成されたコンプレッサ146を含み得る。
【0040】
任意で、ブロック210で、方法200のある態様は、データパケットフローを非圧縮データパケットフローに分類するステップに基づいて、データパケットフローに関連付けられる1つまたは複数のデータパケットを圧縮するステップをスキップするステップをさらに含み得る。たとえば、ある態様では、コンプレッサ構成要素102は、分類構成要素144と通信して、分類構成要素144がデータフロー103を非圧縮データパケットフロー116に分類した場合、データパケットフロー103の1つまたは複数のデータパケット104に圧縮を適用することをスキップするように動作する、圧縮アルゴリズム106の一部でよいアルゴリズムを実行するように構成されたコンプレッサ146を含み得る。
【0041】
ブロック212で、方法200の態様は、データパケットフローが圧縮可能なデータパケットフローに分類されたときに、1つまたは複数の圧縮されたデータパケットを送信する、または、データパケットフローが非圧縮データパケットフローに分類されたときに、1つまたは複数のデータパケットを送信するステップをさらに含み得る。たとえば、ある態様では、コンプレッサ構成要素102は、コンプレッサ146の動作に応じて、1つまたは複数の圧縮されたデータパケット108、または1つまたは複数の非圧縮データパケット118を送信するために、圧縮アルゴリズム106の一部でよいアルゴリズムを実行するように構成された出力構成要素148を含み得る。ある態様では、出力構成要素148は、実装形態に応じて、UE124、もしくはワイヤレスサービングノード128、またはネットワーク126の他の何らかのエンティティなどの、送信機構成要素、あるいはデバイスのトランシーバへのインターフェースでよい。さらに、別の態様では、出力構成要素148は、実装形態に応じて、UE124、もしくはワイヤレスサービングノード128、またはネットワーク126の他の何らかのエンティティなどの、送信機構成要素、あるいはデバイスのトランシーバでよい。このように、出力構成要素148は、1つまたは複数の圧縮されたデータパケット108、または1つまたは複数の非圧縮データパケット118の、デコンプレッサ構成要素110への送信を少なくとも開始するように構成され得る。
【0042】
図示されていないが、いくつかの態様では、コンプレッサ構成要素102は、それぞれのデータパケットが圧縮されているか、圧縮されていないかを示すために、1つまたは複数の圧縮されたデータパケット108、あるいは、1つまたは複数の非圧縮データパケット118のそれぞれをシグナリングで送信するように構成され得る点に留意されたい。たとえば、シグナリングは、各データパケットに付加されたインジケータでもよく、インジケータは、圧縮状態、たとえば、圧縮されているか圧縮されていないか、または以前のパケットと比較して圧縮における変化を識別するように構成されている。このように、デコンプレッサ構成要素110は、1つまたは複数の圧縮されたデータパケット108、または1つまたは複数の非圧縮データパケット118を、それぞれのシグナリングとともに受信して、元の1つまたは複数のデータパケット104を再生成するために、解凍アルゴリズム112を適用するか否かを判断することができる。
【0043】
図4を参照すると、一態様では、コンピュータシステム400は、特別にプログラムされた、または構成されたコンピュータデバイス402でよく、本明細書に記載されるように、特別なプログラミングまたは構成は呼処理構成要素136を含む。たとえば、UE124としての実装形態(
図1および
図3)では、コンピュータデバイス402は、コンプレッサ構成要素102の動作、および受信されたデータパケットフロー103の分類に基づいて、圧縮されたデータパケット108または非圧縮データパケット118を計算して、ワイヤレスサービングノード128を介してUE124からネットワーク126に送信するための1つまたは複数の構成要素を含み得る。たとえば、呼処理構成要素136は、特別にプログラムされたコンピュータ可読命令もしくはコード、ファームウェア、ハードウェア、またはそれらの何らかの組合せに実装され得る。コンピュータデバイス402は、本明細書に記載の構成要素および機能のうちの1つまたは複数に関連付けられる処理機能を実行するためのプロセッサ404を含む。プロセッサ404は、単一または複数のセットのプロセッサまたはマルチコアプロセッサを含むことができる。さらに、プロセッサ404は、統合処理システムおよび/または分散処理システムとして実装され得る。
【0044】
コンピュータデバイス402は、本明細書で使用されるデータ、および/または、呼処理構成要素136などの、プロセッサ404によって実行されているアプリケーションのローカルバージョンを格納するためなどの、メモリ406をさらに含み得る。メモリ406は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、テープ、磁気ディスク、光ディスク、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、およびそれらの任意の組合せなどの、コンピュータによって使用可能な任意のタイプのメモリを含むことができる。
【0045】
さらに、コンピュータデバイス402は、本明細書に記載のハードウェア、ソフトウェア、およびサービスを利用して1つまたは複数のエンティティとの通信を確立して維持するステップを提供する、通信構成要素408を含むことができる。たとえば、通信構成要素408は、コンピュータデバイス402上の構成要素間、かつコンピュータデバイス402と、通信ネットワーク126にわたって配置されたデバイスおよび/もしくはコンピュータデバイス402に連続的またはローカルに接続されたデバイスなどの外部デバイスとの間の通信を搬送することができる。たとえば、通信構成要素408は、1つまたは複数のバスを含むことができ、送信機に関連付けられる送信チェーン構成要素、および受信機に関連付けられる受信チェーン構成要素、または外部デバイスとインターフェースするために動作可能なトランシーバをさらに含むことができる。たとえば、ある態様では、通信構成要素408の受信機は、1つまたは複数のデータパケット104を含むデータフロー103を受信するために、かつ1つまたは複数の圧縮されたデータパケット108および/あるいは、1つまたは複数の非圧縮データパケット118を、ワイヤレスサービングノード128および/またはネットワーク126に送信するために動作する。
【0046】
さらに、コンピュータデバイス402は、呼処理構成要素136などの、本明細書に記載の態様に関連して用いられる情報、データベース、およびプログラムの大容量記憶装置を提供する、ハードウェアおよび/またはソフトウェアの任意の適切な組合せでよい、データストア410をさらに含み得る。たとえば、データストア410は、プロセッサ404によって現在実行されていないアプリケーションのためのデータリポジトリでよい。
【0047】
コンピュータデバイス402は、コンピュータデバイス402のユーザから入力を受け取るように動作可能で、ユーザへの提示のための出力を生成するようにさらに動作可能な、ユーザインターフェース構成要素412をさらに含み得る。ユーザインターフェース構成要素412は、これに限定されないが、キーボード、ナンバーパッド、マウス、タッチ感知式ディスプレイ、ナビゲーションキー、ファンクションキー、マイクロフォン、音声認識構成要素、ユーザからの入力を受け取ることが可能な任意の他の機構、またはそれらの任意の組合せを含む、1つまたは複数の入力デバイスを含み得る。さらに、ユーザインターフェース構成要素412は、これに限定されないが、ディスプレイ、スピーカー、触覚フィードバック機構、プリンタ、ユーザに出力を提示することが可能な任意の他の機構、またはそれらの任意の組合せを含む、1つまたは複数の出力デバイスを含み得る。
【0048】
さらに、コンピュータデバイス402、またはコンピュータデバイス402の任意の構成要素は、本明細書に記載の機能を実行するように構成され得る呼処理構成要素136を含んでもよく、それと通信してもよい。
【0049】
図5を参照すると、装置500は、本明細書に記載の呼処理構成要素136を含むように構成された処理システム514を用いることができる。装置500は、たとえば、UE124(
図1および
図3)、および/もしくはワイヤレスサービングノード128、または、これに限定されないが、呼処理構成要素136などの上述の構成要素を実装しているネットワーク126(
図1)の他の何らかのエンティティを含むように構成されてもよく、それを含んでもよい。この例では、処理システム514は、バス502によって全般的に表されるバスアーキテクチャで実装され得る。バス502は、処理システム514の具体的な用途および全体的な設計制約に応じて、任意の数の相互接続するバスおよびブリッジを含み得る。バス502は、プロセッサ504によって概略的に表される1つまたは複数のプロセッサ、およびコンピュータ可読媒体506によって概略的に表されるコンピュータ可読媒体を含む様々な回路を互いにリンクさせる。バス502は、タイミングソース、周辺機器、電圧調整器、および電力管理回路など、様々な他の回路をリンクさせることもでき、これらの回路は当技術分野でよく知られており、したがって、これ以上は説明しない。バスインターフェース508は、バス502とトランシーバ510との間にインターフェースを提供する。トランシーバ510は、送信媒体上の様々な他の装置と通信するための手段を提供する。また、装置の性質に応じて、ユーザインターフェース512(たとえば、キーパッド、ディスプレイ、スピーカー、マイクロフォン、ジョイスティックなど)が設けられてもよい。
【0050】
プロセッサ504は、バス502の管理、およびコンピュータ可読媒体506上に記憶されたソフトウェアの実行を含む全般的な処理を受け持つ。ソフトウェアは、プロセッサ504によって実行されると、任意の特定の装置の以下で説明される様々な機能を処理システム514に実行させる。コンピュータ可読媒体506は、ソフトウェアを実行するときにプロセッサ504によって操作されるデータを記憶するために使用されてもよい。
【0051】
ある態様では、プロセッサ504、コンピュータ可読媒体506、またはその両方の組合せは、本明細書に記載の呼処理構成要素136(
図1〜
図3)の機能を実行するように構成されてもよく、そのように特別にプログラムされてもよい。
【0052】
本開示全体にわたって提示される様々な概念は、広範な電気通信システム、ネットワークアーキテクチャ、および通信規格にわたって実装され得る。
【0053】
図6を参照すると、例として、およびこれに限定されないが、本開示の態様は、本明細書に記載の呼処理構成要素136を含むように構成されたUE810および/またはNodeB808を含む、W-CDMAエアインターフェースを用いるUMTSシステム800を参照して提示される。UMTSネットワークは、コアネットワーク(CN)804、UMTS Terrestrial Radio Access Network(UTRAN)802、およびユーザ機器(UE)810の3つの相互作用する領域を含む。この例では、UTRAN802は、電話、ビデオ、データ、メッセージング、ブロードキャスト、および/または他のサービスを含む様々なワイヤレスサービスを提供する。UTRAN802は、無線ネットワークコントローラ(RNC)806などのそれぞれのRNCによって各々制御される、無線ネットワークサブシステム(RNS)807などの複数のRNSを含み得る。ここで、UTRAN802は、本明細書で説明するRNC806およびRNS807に加えて、任意の数のRNC806およびRNS807を含むことができる。RNC806は、とりわけ、RNS807内の無線リソースの割り当て、再構成、および解放を担う装置である。RNC806は、任意の適切なトランスポートネットワークを使用する、直接の物理接続、仮想ネットワークなど様々なタイプのインターフェースを介して、UTRAN802中の他のRNC(図示せず)に相互接続され得る。
【0054】
UE810とNodeB808との間の通信は、物理(PHY)層および媒体アクセス制御(MAC)層を含むものと見なされ得る。さらに、それぞれのNodeB808によるUE810とRNC806との間の通信は、無線リソース制御(RRC)層を含むものと見なされ得る。本明細書では、PHY層は、層1と見なされ、MAC層は、層2と見なされ、RRC層は、層3と見なされ得る。以下、情報は、参照により本明細書に組み込まれるRRC Protocol Specification、3GPP TS 25.331に述べられている用語を使用する。
【0055】
RNS807によってカバーされる地理的領域は、いくつかのセルに分けることができ、無線トランシーバ装置が各セルにサービスする。無線トランシーバ装置は、通常、UMTS適用例ではNodeBと呼ばれるが、当業者によって、基地局(BS)、送受信基地局(BTS)、無線基地局、無線トランシーバ、トランシーバ機能、基本サービスセット(BSS)、拡張サービスセット(ESS)、アクセスポイント(AP)、または何らかの他の適切な用語で呼ばれることもある。明快にするために、各RNS807に3つのNodeB808が示されているが、RNS807は、任意の数のワイヤレスNodeBを含んでもよい。NodeB808は、ワイヤレスアクセスポイントを任意の数のモバイル装置のためのCN804に提供する。モバイル装置の例には、携帯電話、スマートフォン、セッション開始プロトコル(SIP)電話、ラップトップ、ノートブック、ネットブック、スマートブック、携帯情報端末(PDA)、衛星ラジオ、全地球測位システム(GPS)デバイス、マルチメディアデバイス、ビデオ装置、デジタルオーディオプレーヤ(たとえば、MP3プレーヤなど)、カメラ、ゲーム機、または任意の他の類似の機能デバイスなどがある。UE810は、通常、UMTS適用例ではUEと呼ばれるが、当業者によって、移動局、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、遠隔ユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、遠隔デバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、遠隔端末、ハンドセット、端末、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれることもある。UMTSシステムでは、UE810は、ネットワークへのユーザの加入情報を含む汎用加入者識別モジュール(USIM)811をさらに含み得る。説明のために、1つのUE810がいくつかのNodeB808と通信しているように示される。順方向リンクとも呼ばれるダウンリンク(DL)は、NodeB808からUE810への通信リンクを指し、逆方向リンクとも呼ばれるアップリンク(UL)は、UE810からNodeB808への通信リンクを指す。
【0056】
CN804は、UTRAN802など1つまたは複数のアクセスネットワークとインターフェースをとる。図示のように、CN804は、GSM(登録商標)コアネットワークである。しかしながら、当業者が認識するように、GSM(登録商標)ネットワーク以外のタイプのCNへのアクセスをUEに提供するために、本開示全体にわたって提示される様々な概念を、RANまたは他の適切なアクセスネットワークにおいて実装することができる。
【0057】
CN804は、回線交換(CS)領域およびパケット交換(PS)領域を含む。回線交換要素のいくつかは、モバイルサービス交換センター(MSC)、ビジターロケーションレジスタ(VLR)、およびゲートウェイMSCである。パケット交換要素は、サービングGPRSサポートノード(SGSN)、およびゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN)を含む。EIR、HLR、VLR、およびAuCのようないくつかのネットワーク要素は、回線交換領域とパケット交換領域の両方によって共有され得る。図示の例では、CN804は、MSC812およびGMSC814によって回線交換サービスをサポートする。いくつかの用途では、GMSC814は、メディアゲートウェイ(MGW)とも呼ばれ得る。RNC806のような1つまたは複数のRNCが、MSC812に接続され得る。MSC812は、呼設定、呼ルーティング、およびUEモビリティ機能を制御する装置である。MSC812は、UEがMSC812のカバレッジエリア内にある間に加入者関連の情報を格納するVLRも含む。GMSC814は、UEが回線交換ネットワーク816にアクセスするためのゲートウェイを、MSC812を通じて提供する。GMSC814は、特定のユーザが加入したサービスの詳細を反映するデータのような加入者データを格納するホームロケーションレジスタ(HLR)815を含む。HLRは、加入者に固有の認証データを格納する認証センター(AuC)とも関連付けられている。特定のUEについて、呼が受信されると、GMSC814は、UEの位置を判断するためにHLR815に問い合わせ、その位置でサービスする特定のMSCに呼を転送する。
【0058】
CN804はまた、サービングGPRSサポートノード(SGSN)818およびゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN)820によって、パケットデータサービスをサポートする。汎用パケット無線サービスを表すGPRSは、標準の回線交換データサービスで可能なものよりも速い速度でパケットデータサービスを提供するよう設計されている。GGSN820は、パケットベースネットワーク822へのUTRAN802の接続を提供する。パケットベースネットワーク822は、インターネット、プライベートデータネットワーク、または何らかの他の適切なパケットベースネットワークでもよい。GGSN820の一次機能は、UE810にパケットベースネットワーク接続を提供することである。データパケットは、MSC812が回線交換領域において実行するのと同じ機能をパケットベース領域において主に実行するSGSN818を介して、GGSN820とUE810との間で転送され得る。
【0059】
UMTSのエアインターフェースは、スペクトラム拡散直接シーケンス符号分割多元接続(DS-CDMA)システムを利用してよい。スペクトラム拡散DS-CDMAは、チップと呼ばれる一連の疑似ランダムビットとの乗算によって、ユーザデータを拡散させる。UMTSの「広帯域」W-CDMAエアインターフェースは、そのような直接シーケンススペクトラム拡散技術に基づいており、さらに周波数分割複信(FDD)を必要とする。FDDは、NodeB808とUE810との間のULおよびDLに異なるキャリア周波数を使用する。DS-CDMAを利用し、時分割複信(TDD)を使用するUMTSの別のエアインターフェースは、TD-SCDMAエアインターフェースである。本明細書で説明される様々な例は、W-CDMAエアインターフェースを指し得るが、基礎をなす原理はTD-SCDMAエアインターフェースに等しく適用可能であり得ることを、当業者は理解するだろう。
【0060】
HSPAエアインターフェースは、スループットの向上および遅延の低減を支援する、3G/W-CDMAエアインターフェースに対する一連の拡張を含む。前のリリースに対する他の修正には、HSPAが、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)、チャネル送信の共有、ならびに適応変調および適応符号化を利用する。HSPAを定義する規格は、HSDPA(高速ダウンリンクパケットアクセス)およびHSUPA(高速アップリンクパケットアクセス、拡張アップリンクまたはEULとも呼ばれる)を含む。
【0061】
HSDPAは、高速ダウンリンク共有チャネル(HS-DSCH)を、トランスポートチャネルとして利用する。HS-DSCHは、高速物理ダウンリンク共有チャネル(HS-PDSCH)、高速共有制御チャネル(HS-SCCH)、および高速専用物理制御チャネル(HS-DPCCH)という、3つの物理チャネルによって実装される。
【0062】
これらの物理チャネルの中でも、HS-DPCCHは、対応するパケット送信の復号が成功したかどうかを示すための、HARQ ACK/NACKシグナリングをアップリンクで搬送する。つまり、ダウンリンクに関して、UE810は、ダウンリンク上のパケットを正常に復号したかどうかを示すために、HS-DPCCHを通じてフィードバックをノードB808に与える。
【0063】
HS-DPCCHはさらに、変調方式と符号化方式の選択、およびプリコーディングの重みの選択に関して、ノードB808が正しい決定を行うのを支援するための、UE810からのフィードバックシグナリングを含み、このフィードバックシグナリングはCQIおよびPCIを含む。
【0064】
「HSPA Evolved」またはHSPA+は、MIMOおよび64-QAMを含むHSPA規格の進化形であり、スループットの増大およびパフォーマンスの向上を可能にする。つまり、本開示のある態様では、ノードB808および/またはUE810は、MIMO技術をサポートする複数のアンテナを有し得る。MIMO技術の使用により、ノードB808は空間領域を活用して、空間多重化、ビームフォーミング、および送信ダイバーシティをサポートすることができる。
【0065】
多入力多出力(MIMO)は、マルチアンテナ技術、すなわち複数の送信アンテナ(チャネルへの複数の入力)および複数の受信アンテナ(チャネルからの複数の出力)を指す際に一般に使用される用語である。MIMOシステムは一般にデータ伝送パフォーマンスを高め、ダイバーシティ利得がマルチパスフェージングを低減させて伝送品質を高めること、および空間多重化利得がデータスループットを向上させることを可能にする。
【0066】
空間多重化を使用して、同じ周波数で同時に様々なデータストリームを送信することができる。データストリームを単一のUE810に送信してデータレートを上げること、または複数のUE810に送信して全体的なシステム容量を拡大することができる。これは、各データストリームを空間的にプリコーディングし、次いで空間的にプリコーディングされた各ストリームをダウンリンクで異なる送信アンテナを介して送信することによって達成される。空間的にプリコーディングされたデータストリームは、様々な空間シグネチャを伴いUE810に到着し、これによりUE810の各々は、当該UE810に向けられた1つまたは複数のデータストリームを回復することができる。アップリンク上では、各UE810は、1つまたは複数の空間的にプリコーディングされたデータストリームを送信することができ、これによりノードB808は空間的にプリコーディングされた各データストリームのソースを識別することができる。
【0067】
空間多重化は、チャネル状態が良好なときに使用できる。チャネル状態がさほど好ましくないときは、ビームフォーミングを使用して送信エネルギーを1つもしくは複数の方向に集中させること、またはチャネルの特性に基づいて送信を改善することができる。これは、複数のアンテナを介して送信するデータストリームを空間的にプリコーディングすることによって達成できる。セルの端において良好なカバレージを達成するために、シングルストリームビームフォーミング伝送を送信ダイバーシティと組み合わせて使用できる。
【0068】
一般に、n個の送信アンテナを利用するMIMOシステムの場合、同じチャネル化コードを利用して同じキャリアでn個のトランスポートブロックが同時に送信され得る。n個の送信アンテナで送られる異なるトランスポートブロックは、互いに同じまたは異なる変調方式および符号化方式を有し得ることに留意されたい。
【0069】
一方、単入力多出力(SIMO)は一般に、単一の送信アンテナ(チャネルへの単一の入力)および複数の受信アンテナ(チャネルからの複数の出力)を利用するシステムを指す。それによって、SIMOシステムでは、単一のトランスポートブロックがそれぞれのキャリアで送られ得る。
【0070】
図7を参照すると、UTRANアーキテクチャ内のアクセスネットワーク900が示されており、本明細書に記載の呼処理構成要素136で構成されたUEおよび/またはNodeBを含む。多元接続ワイヤレス通信システムは、セル902、904、および906を含む複数のセルラー領域(セル)を含み、セルの各々は、1つまたは複数のセクタを含み得る。複数のセクタはアンテナのグループによって形成されてよく、各々のアンテナがセルの一部にあるUEとの通信を担う。たとえば、セル902において、アンテナグループ912、914、および916は、各々異なるセクタに対応し得る。セル904において、アンテナグループ918、920、および922は、各々異なるセクタに対応する。セル906において、アンテナグループ924、926、および928は、各々異なるセクタに対応する。セル902、904、および906は、各セル902、904、または906の1つまたは複数のセクタと通信していてもよい、いくつかのワイヤレス通信デバイス、たとえばユーザ機器またはUEを含み得る。たとえば、UE930および932は、NodeB942と通信していてもよく、UE934および936は、NodeB944と通信していてもよく、UE938および940は、NodeB946と通信していてもよい。ここでは、各NodeB942、944、946は、CN804へのアクセスポイントを、それぞれのセル902、904、および906内のUE930、932、934、936、938、940のすべてに提供するように構成される。上述のように、NodeB942、944、946、およびUE930、932、934、936、938、940は、それぞれ、たとえば、上述の構成要素を実装している呼処理構成要素136(
図1および
図3)を含むように構成され得る。
【0071】
UE934がセル904における図示された位置からセル906に移動するとき、サービングセル変更(SCC)またはハンドオーバが生じて、UE934との通信が、ソースセルと呼ばれ得るセル904からターゲットセルと呼ばれ得るセル906に移行することがある。UE934において、それぞれのセルに対応するNodeBにおいて、無線ネットワークコントローラ806(
図8参照)において、またはワイヤレスネットワークにおける別の適切なノードにおいて、ハンドオーバプロシージャの管理が生じ得る。たとえば、ソースセル904との呼の間、または任意の他の時間において、UE934は、ソースセル904の様々なパラメータ、ならびに、セル906、および902のような近隣セルの様々なパラメータを監視することができる。さらに、これらのパラメータの品質に応じて、UE934は、近隣セルの1つまたは複数との通信を保つことができる。この期間において、UE934は、UE934が同時に接続されるセルのリストであるアクティブセットを保持することができる(すなわち、ダウンリンク専用物理チャネルDPCHまたはフラクショナルダウンリンク専用物理チャネルF-DPCHをUE934に現在割り当てているUTRAセルが、アクティブセットを構成し得る)。
【0072】
アクセスネットワーク900によって用いられる変調方式および多元接続方式は、導入されている特定の電気通信規格に応じて異なり得る。例として、規格は、Evolution-Data Optimized(EV-DO)またはUltra Mobile Broadband(UMB)を含み得る。EV-DOおよびUMBは、CDMA2000規格ファミリーの一部として第3世代パートナーシッププロジェクト2(3GPP2)によって公表されたエアインターフェース規格であり、CDMAを用いて移動局にブロードバンドインターネットアクセスを提供する。規格は代替的に、広帯域CDMA(W-CDMA)およびTD-SCDMAなどのCDMAの他の変形態を用いるUniversal Terrestrial Radio Access(UTRA)、TDMAを用いるGlobal System for Mobile Communications(GSM)、ならびにOFDMAを用いるEvolved UTRA(E-UTRA)、Ultra Mobile Broadband(UMB)、およびFlash-OFDMであり得る。CDMA2000およびUMBは、3GPP2団体による文書に記述されている。実際の利用されるワイヤレス通信規格、多元接続技術は、具体的な用途およびシステム全体に課される設計制約に依存する。
【0073】
無線プロトコルアーキテクチャは、具体的な用途に応じて様々な形態をとり得る。ここでHSPAシステムに関する一例を、
図8を参照して提示する。
【0074】
図8を参照すると、例示的な無線プロトコルアーキテクチャ1000は、ユーザ装置(UE)もしくはNodeB/基地局のユーザプレーン1002と制御プレーン1004のために実装され得る。たとえば、アーキテクチャ1000は、本明細書に記載の呼処理構成要素136で構成されたワイヤレスネットワーク126および/またはUE124(
図1および
図3)内のエンティティなどの、ネットワークエンティティおよび/またはUEに含まれてよい。UEおよびNodeBの無線プロトコルアーキテクチャ1000は、層1 1006、層2 1008、および層3 1010という3つの層で示される。層1 1006は最下層であり、様々な物理層の信号処理機能を実装する。したがって、層1(L1層)1006は、物理層1007を含む。層2(L2層)1008は、物理層1007の上にあり、物理層1007を通じたUEとノードBとの間のリンクを担う。層3(L3層)1010は、無線リソース制御(RRC)サブレイヤ1015を含む。RRCサブレイヤ1015は、UEとUTRANとの間のLayer 3の制御プレーンシグナリングを処理する。
【0075】
ユーザプレーンでは、L2層1008は、媒体アクセス制御(MAC)サブレイヤ1009、無線リンク制御(RLC)サブレイヤ1011、およびパケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)サブレイヤ1013を含み、これらはネットワーク側のノードBで終端する。示されないが、UEは、ネットワーク側のPDNゲートウェイで終端するネットワーク層(たとえばIP層)と、接続の他の端部(たとえば、遠端のUE、サーバなど)で終端するアプリケーション層とを含めて、L2層1008より上にいくつかの上位層を有し得る。
【0076】
PDCPサブレイヤ1013は、異なる無線ベアラと論理チャネルとの間の多重化を行う。PDCPサブレイヤ1013はまた、無線送信のオーバーヘッドを低減するための上位層データパケットのヘッダ圧縮、データパケットの暗号化によるセキュリティ、および、ノードB間のUEのハンドオーバのサポートを実現する。RLCサブレイヤ1011は、上位層のデータパケットのセグメント化および再構築、失われたデータパケットの再送信、ならびに、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)による順序の狂った受信を補償するためのデータパケットの再順序付けを行う。MACサブレイヤ1009は、論理チャネルとトランスポートチャネルとの間の多重化を行う。MACサブレイヤ1009はまた、1つのセルの中の様々な無線リソース(たとえばリソースブロック)の複数のUEへの割り当てを担う。MACサブレイヤ1009はまた、HARQ動作も担う。
【0077】
図9を参照すると、例示的な通信システム1100は、UE1150と通信しているNodeB1110を含み、NodeB1110はネットワーク126内のエンティティでよく、UE1150は
図1および
図3に記載の態様によるUE124でよく、いずれかまたは両方は本明細書に記載の呼処理構成要素136を含み得る。ダウンリンク通信では、送信プロセッサ1120は、データ源1112からデータを受信し、コントローラ/プロセッサ1140から制御信号を受信することができる。送信プロセッサ1120は、参照信号(たとえばパイロット信号)とともに、データ信号および制御信号のための様々な信号処理機能を提供する。たとえば、送信プロセッサ1120は、誤り検出のための巡回冗長検査(CRC)コード、順方向誤り訂正(FEC)を支援するための符号化およびインターリービング、様々な変調方式(たとえば、二位相偏移変調(BPSK)、四位相偏移変調(QPSK)、M-位相偏移変調(M-PSK)、M-直角位相振幅変調(M-QAM)など)に基づいた信号配列へのマッピング、直交可変拡散率(OVSF)による拡散、および、一連のシンボルを生成するためのスクランブリングコードとの乗算を、提供することができる。送信プロセッサ1120のための、符号化方式、変調方式、拡散方式および/またはスクランブリング方式を決定するために、チャネルプロセッサ1144からのチャネル推定が、コントローラ/プロセッサ1140によって使われ得る。これらのチャネル推定は、UE1150によって送信される参照信号から、またはUE1150からのフィードバックから、導出され得る。送信プロセッサ1120によって生成されたシンボルは、フレーム構造を作成するために、送信フレームプロセッサ1130に与えられる。送信フレームプロセッサ1130は、コントローラ/プロセッサ1140からの情報とシンボルとを多重化することによって、このフレーム構造を作成し、一連のフレームが得られる。次いでこのフレームは送信機1132に与えられ、送信機1132は、アンテナ1134を通じたワイヤレス媒体によるダウンリンク送信のために、増幅、フィルタリング、およびフレームのキャリア上への変調を含む、様々な信号調整機能を提供する。アンテナ1134は、たとえば、ビームステアリング双方向適応アンテナアレイまたは他の同様のビーム技術を含む、1つまたは複数のアンテナを含み得る。
【0078】
UE1150において、受信機1154は、アンテナ1152を通じてダウンリンク送信を受信し、その送信を処理してキャリア上へ変調されている情報を回復する。受信機1154によって回復された情報は、受信フレームプロセッサ1160に与えられ、受信フレームプロセッサ1160は、各フレームを解析し、フレームからの情報をチャネルプロセッサ1194に提供し、データ信号、制御信号、および参照信号を受信プロセッサ1170に提供する。受信プロセッサ1170は次いで、NodeB1110中の送信プロセッサ1120によって実行される処理の逆を実行する。より具体的には、受信プロセッサ1170は、シンボルを逆スクランブルおよび逆拡散し、次いで変調方式に基づいて、NodeB1110によって送信された、最も可能性の高い信号配列点を求める。これらの軟判定は、チャネルプロセッサ1194によって計算されるチャネル推定に基づき得る。そして軟判定は、データ信号、制御信号、および参照信号を回復するために、復号されてデインターリーブされる。そして、フレームの復号が成功したかどうか判断するために、CRCコードが確認される。次いで、復号に成功したフレームによって搬送されるデータがデータシンク1172に与えられ、データシンク1172は、UE1150および/または様々なユーザインターフェース(たとえばディスプレイ)において実行されているアプリケーションを表す。復号に成功したフレームが搬送する制御信号は、コントローラ/プロセッサ1190に与えられる。受信プロセッサ1170によるフレームの復号が失敗すると、コントローラ/プロセッサ1190は、確認応答(ACK)プロトコルおよび/または否定応答(NACK)プロトコルを用いて、そうしたフレームの再送信要求をサポートすることもできる。
【0079】
アップリンクでは、データ源1178からのデータおよびコントローラ/プロセッサ1190からの制御信号が、送信プロセッサ1180に与えられる。データ源1178は、UE1150で実行されているアプリケーションおよび様々なユーザインターフェース(たとえばキーボード)を表し得る。NodeB1110によるダウンリンク送信に関して説明する機能と同様に、送信プロセッサ1180は、CRCコード、FECを支援するための符号化およびインターリービング、信号配列へのマッピング、OVSFによる拡散、および、一連のシンボルを生成するためのスクランブリングを含む、様々な信号処理機能を提供する。NodeB1110によって送信される参照信号から、または、NodeB1110によって送信されるミッドアンブル中に含まれるフィードバックから、チャネルプロセッサ1194によって導出されるチャネル推定が、適切な符号化方式、変調方式、拡散方式、および/またはスクランブリング方式を選択するために、使われ得る。送信プロセッサ1180によって生成されたシンボルは、フレーム構造を作成するために、送信フレームプロセッサ1182に与えられる。送信フレームプロセッサ1182は、コントローラ/プロセッサ1190からの情報とシンボルとを多重化することによって、このフレーム構造を作成し、一連のフレームが得られる。次いでこのフレームは送信機1156に与えられ、送信機1156は、アンテナ1152を通じたワイヤレス媒体によるアップリンク送信のために、増幅、フィルタリング、およびフレームのキャリア上への変調を含む、様々な信号調整機能を提供する。
【0080】
アップリンク送信は、UE1150において受信機機能に関して説明されたのと同様の方式で、NodeB1110において処理される。受信機1135は、アンテナ1134を通じてアップリンク送信を受信し、その送信を処理してキャリア上へ変調されている情報を回復する。受信機1135によって回復された情報は、受信フレームプロセッサ1136に与えられ、受信フレームプロセッサ1136は、各フレームを解析し、フレームからの情報をチャネルプロセッサ1144に提供し、データ信号、制御信号、および参照信号を受信プロセッサ1138に提供する。受信プロセッサ1138は、UE1150中の送信プロセッサ1180によって実行される処理の逆を実行する。次いで、復号に成功したフレームによって搬送されるデータ信号および制御信号が、データシンク1139およびコントローラ/プロセッサにそれぞれ与えられ得る。フレームの一部が、受信プロセッサによる復号に失敗すると、コントローラ/プロセッサ1140は、確認応答(ACK)プロトコルおよび/または否定応答(NACK)プロトコルを用いて、そうしたフレームの再送信要求をサポートすることもできる。
【0081】
コントローラ/プロセッサ1140および1190は、それぞれNodeB1110およびUE1150における動作を指示するために使われ得る。たとえば、コントローラ/プロセッサ1140および1190は、タイミング、周辺インターフェース、電圧調整、電力管理、および他の制御機能を含む、様々な機能を提供することができる。メモリ1142および1192のコンピュータ可読媒体は、それぞれ、NodeB1110およびUE1150のためのデータおよびソフトウェアを記憶することができる。NodeB1110におけるスケジューラ/プロセッサ1146は、リソースをUEに割り振り、UEのダウンリンク送信および/またはアップリンク送信をスケジューリングするために、使われ得る。
【0082】
W-CDMAシステムを参照して、電気通信システムのいくつかの態様を示してきた。当業者が容易に諒解するように、本開示全体にわたって説明する様々な態様は、他の電気通信システム、ネットワークアーキテクチャおよび通信規格に拡張され得る。
【0083】
例として、様々な態様は、他のUMTS、たとえばTD-SCDMA、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)、高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)、高速パケットアクセスプラス(HSPA+)およびTD-CDMAに拡張され得る。様々な態様はまた、Long Term Evolution(LTE)(FDD、TDD、またはこれら両方のモードによる)、LTE-Advanced(LTE-A)(FDD、TDD、またはこれら両方のモードによる)、CDMA2000、Evolution-Data Optimized(EV-DO)、Ultra Mobile Broadband(UMB)、IEEE 802.11(Wi-Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、Ultra-Wideband(UWB)、Bluetooth(登録商標)、および/または他の適切なシステムを利用するシステムに拡張され得る。実際の利用される電気通信規格、ネットワークアーキテクチャ、および/または通信規格は、具体的な用途およびシステム全体に課される設計制約に依存する。
【0084】
本開示の様々な態様によれば、要素または要素の一部分または要素の組合せを、1つまたは複数のプロセッサを含む「処理システム」またはプロセッサ(
図5または
図6)で実装できる。プロセッサの例として、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、状態機械、ゲート論理回路、個別ハードウェア回路、および本開示全体にわたって説明する様々な機能を実施するように構成された他の適切なハードウェアがある。処理システム内の1つまたは複数のプロセッサは、ソフトウェアを実行することができる。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。ソフトウェアはコンピュータ可読媒体706(
図6)上に存在し得る。コンピュータ可読媒体706(
図6)は、非一時的コンピュータ可読媒体であってよい。非一時的コンピュータ可読媒体は、例として、磁気記憶デバイス(たとえば、ハードディスク、フロッピーディスク(登録商標)、磁気ストリップ)、光ディスク(たとえば、コンパクトディスク(CD)、デジタル多目的ディスク(DVD))、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(たとえば、カード、スティック、キードライブ)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、レジスタ、取り外し可能ディスク、ならびに、コンピュータがアクセスし読み取ることができるソフトウェアおよび/または命令を記憶するための任意の他の適切な媒体を含む。また、コンピュータ可読媒体は、例として、搬送波、伝送路、ならびに、コンピュータがアクセスし読み取ることができるソフトウェアおよび/または命令を送信するための任意の他の適切な媒体も含み得る。コンピュータ可読媒体は、処理システムの中に存在してもよく、処理システムの外に存在してもよく、または処理システムを含む複数のエンティティに分散してもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータプログラム製品として具現化され得る。例として、コンピュータプログラム製品は、パッケージング材料内のコンピュータ可読媒体を含み得る。当業者は、具体的な用途およびシステム全体に課される全体的な設計制約に応じて、本開示全体にわたって示される説明する機能を最善の形で実装する方法を認識するだろう。
【0085】
開示した方法におけるステップの特定の順序または階層は例示的なプロセスを示していることを理解されたい。設計上の選好に基づいて、方法におけるステップの特定の順序または階層は再構成可能であることを理解されたい。添付の方法クレームは、サンプル的順序で様々なステップの要素を提示しており、クレーム内で明記していない限り、提示した特定の順序または階層に限定されるように意図されているわけではない。
【0086】
上記の説明は、本明細書で説明する様々な態様を当業者が実施できるようにするために与えられる。これらの態様への様々な変更は当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義した一般的原理は他の態様に適用され得る。したがって、請求項は本明細書で示す態様に限定されるよう意図されているわけではなく、請求項の文言と整合するすべての範囲を許容するように意図されており、単数の要素への言及は、そのように明記されていない限り、「唯一無二の」ではなく、「1つまたは複数の」を意味するよう意図されている。別段に明記されていない限り、「いくつかの」という用語は「1つまたは複数の」を意味する。項目の列挙「のうちの少なくとも1つ」という語句は、単一の要素を含め、それらの項目の任意の組合せを意味する。たとえば、「a、bまたはcのうちの少なくとも1つ」は、「a」、「b」、「c」、「aおよびb」、「aおよびc」、「bおよびc」、「a、bおよびc」を含むことが意図されている。当業者が知っているか、後に知ることになる、本開示全体にわたって説明した様々な態様の要素と構造的かつ機能的に同等のものはすべて、参照により本明細書に明確に組み込まれ、請求項によって包含されることが意図される。また、本明細書で開示する内容は、そのような開示が請求項で明記されているか否かにかかわりなく、公に供することは意図されていない。請求項のいかなる要素も、「のための手段」という語句を使用して要素が明記されている場合、または方法クレームで「のためのステップ」という語句を使用して要素が記載されている場合を除き、米国特許法第112条第6項の規定に基づき解釈されることはない。