特許第6235038号(P6235038)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6235038
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】ポケットを備える吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/532 20060101AFI20171113BHJP
   A61F 13/53 20060101ALI20171113BHJP
   A61F 13/494 20060101ALI20171113BHJP
   A61F 13/495 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
   A61F13/532 100
   A61F13/53 100
   A61F13/494 300
   A61F13/495
【請求項の数】9
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2015-547422(P2015-547422)
(86)(22)【出願日】2013年12月5日
(65)【公表番号】特表2015-536800(P2015-536800A)
(43)【公表日】2015年12月24日
(86)【国際出願番号】US2013073351
(87)【国際公開番号】WO2014093129
(87)【国際公開日】20140619
【審査請求日】2015年6月10日
(31)【優先権主張番号】13/709,244
(32)【優先日】2012年12月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 一真
(72)【発明者】
【氏名】ドナルド、キャロル、ロー
(72)【発明者】
【氏名】カルシュテン、ハインリヒ、クロイツァー
(72)【発明者】
【氏名】マヤ、ビオルカ
【審査官】 ▲高▼橋 杏子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−075464(JP,A)
【文献】 特表2009−505783(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0004334(US,A1)
【文献】 特開平09−141091(JP,A)
【文献】 特表2011−502693(JP,A)
【文献】 特開2009−077927(JP,A)
【文献】 特許第4255196(JP,B2)
【文献】 特開2012−024418(JP,A)
【文献】 特開2007−037660(JP,A)
【文献】 特開2007−090056(JP,A)
【文献】 特開2008−289640(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15 − 13/84
A61L 15/16 − 15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性物品であって、
前方腰部領域(5)と、
後方腰部領域(6)と、
前記前方腰部領域と前記後方腰部領域との間に延びる股部領域(7)と、
前方腰縁部(10)と、
前記前方腰縁部と長手方向反対側の、後方腰縁部(12)と、
第1側縁部(3)と、
前記第1側縁部の横方向反対側の第2側縁部(4)と、
前記前方腰縁部の中点から前記後方腰縁部の中点へと延びる長手方向軸(80)と、
前記第1側縁部の中点から前記第2側縁部の中点へと延びる横方向軸(90)と、
液体透過性トップシート(24)と、
液体不透過性バックシート(25)と、
少なくとも一部が前記長手方向軸の両側で前記前方腰縁部と前記後方腰縁部との間に延びるバリアレッグカフ(34)の対であって、各バリアレッグカフが、前記トップシート又は前記バックシートに接合された近位縁部(64)と、自由端縁部(66)と、を含む、というバリアレッグカフ(34)の対と、
少なくとも一部が前記トップシートと前記バックシートとの中間に配置され、吸収性材料を含むコアラップを含む、吸収性コア(28)と、
を備え、
前記コアラップは、第1材料(16)及び第2材料(16’)を含み、
前記第1材料は、前記第2材料の周囲の少なくとも一部にCラップを形成し、
前記第1材料は、前記液体透過性トップシートに近い側に配置され、
前記第1材料は、前記第2材料と前記バックシートとの間の領域まで延び、
前記吸収性材料は、当該吸収性材料の少なくとも80重量%の超吸収性ポリマーを含み、
前記吸収性コアは、1%未満の前記超吸収性ポリマーを含むポケット(29)を含み、
前記ポケットの一部は、前記後方腰部領域において、前記長手方向軸の一部に沿って延び、
前記ポケットは、前記横方向軸と平行に測定して、20mm〜70mmの範囲の横方向幅を有
前記吸収性コアは、恒久的な第1チャネル(26)および恒久的な第2チャネル(26’)を含み、
恒久的な前記第1チャネルおよび恒久的な前記第2チャネルの各々は、1%未満の超吸収性ポリマーを含み、
恒久的な前記第1チャネルおよび恒久的な前記第2チャネルの各々は、少なくとも2mmの前記横方向軸に沿った幅と、少なくとも70mmの前記長手方向軸に沿った長さを有しており、
恒久的な前記第1チャネルおよび恒久的な前記第2チャネルは、前記長手方向軸に対して対称に存在し、全体的な長手方向寸法にわたり、少なくとも5mmの間隔で互いから離間している、吸収性物品。
【請求項2】
恒久的な前記第1チャネルおよび恒久的な前記第2チャネルは、前記長手方向軸に向かって凹状に湾曲している、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
恒久的な前記第1チャネルおよび恒久的な前記第2チャネルは、前記吸収性コアの前記縁部のいずれまでも延びていない、請求項2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記ポケットは、少なくとも部分的に前記第1チャネルおよび前記第2チャネルの間に前記横方向軸に沿って位置している、請求項3に記載の吸収性物品。
【請求項5】
恒久的な前記第1チャネルおよび恒久的な前記第2チャネルの後側縁部は、前記ポケットの後側縁部と比較して、前記吸収性コアの後側縁部に近く位置している、請求項4に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記コアラップは、内部に前記吸収性物品を含むために必要であるよりも、大きな領域に及んでいる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記第1チャネルは、前記横方向軸と平行にとった横方向幅を有し、
前記第2チャネルは、前記横方向軸と平行にとった横方向幅を有し、
前記ポケットは、前記横方向軸と平行にとった横方向幅を有し、
前記長手方向軸に沿ってとった少なくとも30mmの長手方向長さにわたる、前記第1チャネル、前記第2チャネル、及び前記ポケットの横方向幅の合計のプロファイルは、2つの実質的に一定の部分、及び前記2つの実質的に一定の部分よりも大きな1つの部分を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記ポケットは、前記横方向軸と平行にとった横方向幅を有し、
前記第1チャネルは、前記横方向軸と平行にとった横方向幅を有し、
前記第2チャネルは、前記横方向軸と平行にとった横方向幅を有し、
前記長手方向軸に沿ってとった少なくとも50mmの長手方向長さにわたる、前記第1チャネル及び前記第2チャネルの前記横方向幅及び前記ポケットの前記横方向幅の合計のプロファイルは、2つの別個の実質的に一定の部分を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項9】
前記長手方向軸に沿った点における、前記第1チャネル、前記第2チャネル、及び前記ポケットの前記横方向幅の前記合計は、20mm〜100mmの範囲内である、請求項8に記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は全体的に、乳児用おむつ、トレーニングパンツ、成人用失禁製品、及び/又は生理用ナプキンなどの、個人衛生用吸収性物品を対象としている。吸収性物品はそれぞれ、チャネル及び/又はポケットを含み得る。
【背景技術】
【0002】
乳児のための使い捨ておむつ、歩き始めの幼児のトレーニングパンツ、成人用失禁下着、及び/又は生理用ナプキンなどの、個人衛生用吸収性物品は、身体滲出物、特に大量の尿又は経血を吸収及び収容するように設計される。これらの吸収性物品は、他の層の中でもとりわけ、トップシート、バックシート、及びトップシートとバックシートとの間に配置された吸収性コアなど、様々な機能をもたらすいくつかの層を含む。
【0003】
吸収性コアの機能は、例えば、おむつの場合は一晩など長時間にわたって排泄物を吸収及び保持し、着用者が常に乾いているように再度濡れることを最小限にし、衣服又はベッドシーツが汚れることを防ぐことである。現在市販されている、吸収性物品の大部分は、粉砕木材パルプと吸収性ゲル化材料(AGM)とも称される、特定の形態の超吸収性ポリマー(SAP)とのブレンドである、吸収性材料を含む。吸収性材料としてSAPから本質的になるコア(いわゆる、「エアフェルトフリー」コア)を有する吸収性物品も提案されているが、伝統的な混合型コアほど一般的ではない。
【0004】
いくつかの吸収性物品は典型的には、液体及び他の身体滲出物の収容の改善をもたらすレッグカフを含み得る。レッグカフはまた、レッグバンド、サイドフラップ、バリアカフ、又は弾力性カフと称されることがある。通常、各レッグカフは、吸収性物品の使用中に、効果的な封止をもたらすために、例えば、脚部開口部の領域において、トップシートとバックシートとの間のおむつのシャーシに含まれる、1つ以上の弾性ストリング又は要素を含む。吸収性物品のシャーシと実質的に平面にある、これらの伸縮性要素は、本明細書においてガスケットカフと称される。レッグカフが、脚部と胴体の接合領域における流体の収容を改善する、本明細書においてバリアレッグカフと称される、隆起した伸縮性のフラップを含むこともまた有用である。
【0005】
吸収性物品は一般的に、高い吸収能力を有し、吸収性コアの重量及び堆積は、数倍にまで増加し得る。この増加により、吸収性物品は、股部領域に液体が最大限に充填されると、これが垂れ下がり、これによってバリアレッグカフと着用者の皮膚との接触が部分的に弱くなることがある。これは、バリアレッグカフの機能の損失につながることがあり、漏れの可能性が高くなる。
【0006】
この問題に対して様々な解決法が提示されてきたが、吸収性物品の漏れ防止を改善する、追加的なチャネル及び/又はポケット構成により、この分野における利益が得られる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態において、本開示は一部、前方腰縁部又は前縁部と、前方腰縁部と長手方向反対側の後縁部又は後縁部と、第1側縁部と、第1側縁部と横方向反対側の第2側縁部と、前方腰縁部の中点から後方腰縁部の中点へと延びる長手方向軸と、第1側縁部の中点から第2側縁部の中点へと延びる横方向軸とを含み得る、吸収性物品を対象とする。吸収性物品はまた、液体透過性トップシートと、液体不透過性バックシートと、少なくとも一部が長手方向軸の両側の前方腰縁部と後方腰縁部との間に延びている、一対のバリアレッグカフとを含む場合がある。各バリアレッグカフは、トップシート又はバックシートと接合された近位縁部と、自由端縁部とを含み得る。吸収性物品はまた、少なくとも一部がトップシートとバックシートの中間に配置された吸収性コアを含んでもよく、吸収性材料を含むコアラップを含んでもよい。吸収性材料は、吸収性材料の少なくとも80重量%の超吸収性ポリマーを含んでもよい。吸収性コアは、超吸収性ポリマーを実質的に含まない、少なくとも一部が物品の長手方向軸に向けられた、第1チャネルを含み得る。吸収性コアは、超吸収性ポリマーを実質的に含まない、少なくとも一部が物品の長手方向軸に向けられた、第2チャネルを含み得る。第1及び第2チャネルはそれぞれ、横方向軸と平行にとった、横方向幅を有する。吸収性コアは、超吸収性ポリマーを実質的に含まず、長手方向軸上の部分を有する、ポケットを含み得る。ポケットは、横方向軸と平行にとった、横方向幅を有する。長手方向軸に沿ってとった50mmの長手方向長さにわたる、第1、及び第2チャネルの横方向幅、及びポケットの横方向幅の合計のプロファイルは、2つの別個の、実質的に一定の部分を有し得る。生理用ナプキンの実施形態を含む、他の実施形態もまた本開示の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
添付図面と関連してなされる本開示の非限定的な実施形態の以下の説明を参照することにより、本開示の上記の及び他の特徴及び利点、並びにそれらを達成する方法がより明らかとなり、本開示自体が一層よく理解されよう。
図1】本開示の非限定的な実施形態により、いくつかの層が部分的に除去された、吸収性物品の平面図である。
図2】本開示の非限定的な実施形態による、図1の直線2−2の周辺でとった、吸収性物品の断面図である。
図3】本開示の非限定的な実施形態による、吸収性物品に液体が充填された、図2の吸収性物品の図である。
図4】本開示の非限定的な実施形態により、いくつかの層が部分的に除去された、別の吸収性物品の平面図である。
図5】本開示の非限定的な実施形態による、図4の直線5−5の周辺でとった、吸収性物品の断面図である。
図6】本開示の非限定的な実施形態により、いくつかの層が部分的に除去された、図4の吸収性物品の吸収性コアの平面図である。
図7】本開示の非限定的な実施形態による、図6の直線7−7の周辺でとった、吸収性コアの断面図である。
図8】本開示の非限定的な実施形態による、図6の直線8−8の周辺でとった、吸収性コアの断面図である。
図9】本開示の非限定的な実施形態により、吸収性物品の吸収性コアの平面図である。
図10】本開示の非限定的な実施形態による、封入領域「EA」内における、チャネルの長手方向長さに対してグラフ化された、図9の2つのチャネルの横方向幅の合計のプロファイルである。
図11】本開示の非限定的な実施形態による、図1の直線Aと直線Bとの間のチャネルの長手方向長さに対してグラフ化された、図1のチャネルの一部の横方向幅の合計のプロファイルである。
図12】本開示の非限定的な実施形態による、吸収性物品の吸収性コアの平面図である。
図13】本開示の非限定的な実施形態による、図12の直線Cと直線Dとの間のチャネルの長手方向長さに対してグラフ化された、図12のチャネル及びポケットの一部の横方向幅の合計のプロファイルである。
図14】本開示の様々な非限定的な実施形態による、吸収性物品の吸収性コアの平面図である。
図15】本開示の様々な非限定的な実施形態による、吸収性物品の吸収性コアの平面図である。
図16】本開示の様々な非限定的な実施形態による、吸収性物品の吸収性コアの平面図である。
図17】本開示の様々な非限定的な実施形態による、吸収性物品の吸収性コアの平面図である。
図18】本開示の様々な非限定的な実施形態による、吸収性物品の吸収性コアの平面図である。
図19】本開示の様々な非限定的な実施形態による、吸収性物品の吸収性コアの平面図である。
図20】本開示の様々な非限定的な実施形態による、吸収性物品の吸収性コアの平面図である。
図21】本開示の様々な非限定的な実施形態による、吸収性物品の吸収性コアの平面図である。
図22】本開示の非限定的な実施形態による、層の一部が切り取られた、生理用ナプキンである、吸収性物品の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書に開示する、チャネル構成を有する吸収性物品の構造、機能、製造、及び使用の原理、並びにその作成方法についての全体的な理解を提供するため、本開示の様々な非限定的実施形態について以下に記載する。これらの非限定的な実施形態の1つ以上の実施例が添付図面に示される。当業者であれば、本明細書に記載し添付図面に例示する、チャネル構成を有する吸収性物品並びにその作成方法は非限定的な例示の実施形態であり、本開示の様々な非限定的実施形態の範囲は請求項によってのみ定義されることを理解するであろう。1つの非限定的な実施形態に関連して示されるか又は説明される特徴を、他の非限定的な実施形態の特徴と組み合わせてもよい。このような修正及び変形は、本開示の範囲に含まれることが意図される。
【0010】
緒言
本明細書において使用するとき、用語「吸収性物品」とは、身体から排泄される様々な排泄物を吸収及び収容するために、着用者の身体に対して、又はこれに近接して配置される乳幼児、子供、又は成人用のおむつ、トレーニングパンツ、生理用ナプキンなどの使い捨て装置を指す。典型的には、これらの物品は、トップシート、バックシート、吸収性コア、任意により獲得システム(これは1つ以上の層を含み得る)、及び典型的に他の構成要素を含み、通常吸収性コアが少なくとも一部、バックシートと獲得システムとの間、又はトップシートとバックシートとの間に配置されている。本開示の吸収性物品は、以下の説明及び図において、テープ付きおむつの形態で更に例示される。しかしながら、この記載は請求範囲を限定するものとみなされるべきではない。したがって、本開示は、任意の好適な形態の吸収性物品に適用される(例えば、トレーニングパンツ、成人用失禁製品、生理用ナプキンなど)。
【0011】
本明細書で使用する場合、用語「不織布ウェブ」は、一方向に又は不規則に配向され、摩擦、及び/又は粘着、及び/又は接着により固着された繊維の、人造シート、ウェブ、又はバットを指し、紙と、ニードル加工の有無を問わず、織られた、編まれた、房状の、糸若しくはフィラメントの結合を組み込んでステッチボンドされた、又は湿式ミリングによるフェルト加工された製品と、を除く。繊維は天然起源のものであっても人工起源のものであってもよく、ステープル又は連続フィラメントであっても、若しくはその場で形成されてもよい。市販の繊維は、約0.001mm未満から約0.2mm超の範囲の直径を有し得、短繊維(ステープル繊維又は細断繊維として知られる)、連続単繊維(フィラメント又はモノフィラメント)、連続フィラメントの撚っていない束(麻くず)、及び連続フィラメントの撚り束(編み糸)などのいくつかの異なる形態によって提供され得る。不織布ウェブは、メルトブロー、スパンボンド、溶媒紡糸、電界紡糸、カード及びエアレイなどの多くのプロセスにより形成され得る。不織布ウェブの坪量は、通常は、グラム毎平方メートル(g/m、又はgsm)で表される。
【0012】
本明細書において使用するとき、用語「接合された」、又は「結合された」、又は「取り付けられた」は、1つの要素を他の要素に直接固着することによりその要素を他の要素に直接固定した形体と、1つの要素を中間部材に固着し、次にその中間部材を他の要素に固着することによりその要素を他の要素に間接的に固定した形体とを包含する。
【0013】
吸収性物品の一般的な記載
乳児用おむつ20の形態である、本開示による代表的な吸収性物品が、図1〜3に示される。図1は広げた状態の代表的なおむつ20の平面図であり、おむつ20の構造をより明瞭に示すために構造体の一部が切り取られている。本開示は、多種多様なおむつ又はその他の吸収性物品類を製造するために用いられ得るため、このおむつ20は例示目的のみのために示される。
【0014】
吸収性物品は、液体透過性トップシート24、液体不透過性バックシート25、少なくとも一部がトップシート24とバックシート25との間に位置付けられた吸収性コア28、及びバリアレッグカフ34を含み得る。吸収性物品はまた、獲得分布システム(「ADS」)50を含んでもよく、これは示される実施例においては、分配層54、及び獲得層52を含み、以下により詳細に記載される。吸収性物品はまた、典型的にはトップシート及び/又はバックシートを介して吸収性物品のシャーシへと結合され、おむつのシャーシと実質的に平面にある、伸縮性ガスケットカフ32を含み得る。
【0015】
図はまた、物品の後縁部に向かって取り付けられ、物品の前部のランディングゾーン44と協働する、接着性タブ42を含む、締結システムなどの典型的なテープ付きオムツ構成要素を示す。吸収性物品はまた、例えば、後方弾性縁部機構、前方弾性縁部機構、横方向バリアカフ、及び/又はローションの適用など、他の典型的な要素(示されていない)を含んでもよい。
【0016】
吸収性物品20は、前方腰縁部10、前方腰縁部10と長手方向反対側の後方腰縁部12、第1側縁部3、及び第1側縁部3と横方向反対側の第2側縁部4を含む。前方腰縁部10は、着用の際に、ユーザの前部に向かうように配置されることを意図された物品の縁部であり、後方腰縁部12は反対の縁部である。吸収性物品は、前方腰縁部10の横方向中点から、物品の後方腰縁部12の横方向中点まで延びる、長手方向軸80を有してもよく、これは物品を平坦に配置して図1の上方から観察した際に、物品を長手方向軸80を中心に2つの実質的に対称な半体に分割する。吸収性物品はまた、第1側縁部3の長手方向中点から、第2側縁部4の長手方向中点まで延びる横方向軸90を有してもよい。物品の長さLは、長手方向軸80に沿って、前方腰縁部10から後方腰縁部12まで測定され得る。物品の幅は、第1側縁部3から第2側縁部4まで、横方向軸90に沿って測定され得る。物品は、物品20の前方縁部10から始まって、Lの5分の2(2/5)の距離において、長手方向軸上に位置する点として定義される、股部点Cを含み得る。物品は、前方腰部領域5、後方腰部領域6、及び股部領域7を含み得る。前方腰部領域、後方腰部領域、及び股部領域はそれぞれ、吸収性物品の長手方向長さの1/3を画定する。
【0017】
トップシート24、バックシート25、吸収性コア28、及び他の物品の構成要素は特に、例えば、接着剤又は熱エンボス加工により、様々な構成で組み立てることができる。代表的なおむつの構成は、一般的に、米国特許番号第3,860,003号、同第5,221,274号、同第5,554,145号、同第5,569,234号、同第5,580,411号、及び同第6,004,306号に記載される。吸収性物品は薄くてもよい。物品の後部点C又は股部領域7におけるキャリパーは、例えば、4.0mm〜12.0mm、又は代替的に6.0mm〜10.0mmであり得る。
【0018】
吸収性コア28は、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、又は少なくとも99重量%の超吸収性ポリマー、及び超吸収性ポリマーを封入するコアラップを含み得る。コアラップは典型的には、コアの上側及び下側用に、2つの材料、基材、又は不織布材料16、及び16’を含み得る。4つのチャネル26、26’、及び27、27’として図1に示される1つ以上のチャネルを含んでもよい。
【0019】
ここから、物品のこれらの、及び他の構成要素が、より詳細に記載される。
【0020】
トップシート
トップシート24は、着用者の肌に直接接する吸収性物品の一部である。トップシート24は、バックシート25、コア28及び/又は当業者により既知の他のいずれかの層に接合され得る。通常、トップシート24及びバックシート25は、一部の場所(例えばおむつ外周部上又はおむつ外周部に近接した)で互いに直接接合され、他の場所では、おむつ20の1つ以上の他の要素にこれらを直接接合することにより、互いに間接的に接合される。
【0021】
トップシート24は、柔軟であり、柔軟な感触を有し、着用者の皮膚に対する刺激がなくてもよい。トップシート24の少なくとも一部が、液体透過性であり、液体がその厚さを通じて容易に浸透できるようにしてもよい。適切なトップシートは、例えば、多孔質発泡体、網状発泡体、孔あきプラスチックフィルム、あるいは天然繊維(例えば、木材繊維若しくは綿繊維)、合成繊維若しくはフィラメント(例えば、ポリエステル繊維若しくはポリプロピレン繊維若しくはPE/PPの2成分繊維又はこれらの混合物)、又は天然繊維と合成繊維との組み合わせの織布若しくは不織布材料などの、広範囲の材料から製造され得る。トップシート24が繊維を含む場合、繊維は、スパンボンド処理、カード処理、湿式堆積処理、メルトブロー処理、水流交絡処理、又は当該技術分野において既知の別の方法で処理されてよく、特にスパンボンドPP不織布である。短繊維長ポリプロピレン繊維のウェブからなる好適なトップシートとして、Veratec,Inc.,a Division of International Paper Company,(Walpole,MA)から、P−8の製品名にて製造されるものがある。
【0022】
好適に形成されたフィルムトップシートはまた、米国特許番号第3,929,135号、同第4,324,246号、同第4,342,314号、同第4,463,045号、及び同第5,006,394号に記載される。他の好適なトップシート30は、Curro et al.に発行された米国特許第4,609,518号及び同第4,629,643号に従って製造されてもよい。そのように形成されたフィルムは、Cincinnati,OhioのThe Procter & Gamble Companyの「DRI−WEAVE」、及びTredegar Corporation(Richmond,VAに拠点)の「CLIFF−T」として入手できる。
【0023】
トップシート24の任意の部分が、当該技術分野で既知のローションでコーティングされてよい。好適なローションの例としては、米国特許番号第5,607,760号、同第5,609,587号、同第5,643,588号、同第5,968,025号、及び同第6,716,441号に記載のものが挙げられる。トップシート24は更に、抗菌剤を含むか、又は抗菌剤で処理されてもよく、その例のいくつかは国際特許公開第95/24173号に開示されている。更に、トップシート24、バックシート25、又はトップシート若しくはバックシートの任意の部分は、より布様の外観をもたらすために、エンボス加工及び/又はつや消し仕上げされてもよい。
【0024】
トップシート24は、尿及び/又は糞便(固体、半固体、又は液体)などの、排出物のトップシート24への浸透を容易にするための1つ以上の開口を含んでもよい。少なくとも一次開口のサイズは、所望の排泄物封入性能を得るために重要である。一次開口が小さ過ぎると、排泄物は、排泄物源と開口位置との位置あわせがよくないことが原因で、あるいは開口より大きい直径を有する糞便の塊が原因で、開口を通過しないことがある。開口が大き過ぎると、物品からの「再湿潤」によって汚される可能性のある皮膚の領域が拡大する。典型的には、おむつの表面の開口部の総面積は、約10cm〜約50cm、又は約15cm〜35cmの面積であってもよい。有孔のトップシートの例は、BBA NONWOVENS SIMPSONVILLEに譲渡された、米国特許番号第6632504号に開示される。国際特許公開第2011/163582号にも、12〜18gsmの坪量を有し、かつ複数の結合点を有する、好適な着色トップシートが開示されている。接合箇所のそれぞれは、2mm〜5mmの表面積を有し、複数の接合箇所の累積表面積は、トップシートの総表面積の10〜25%である。
【0025】
典型的なおむつトップシートは、約10〜約21gsm、又は約12〜約18gsmの坪量を有するが、他の坪量も本開示の範囲内である。
【0026】
バックシート
バックシート25は、概して、その中に吸収して封じ込められた排泄物がベッドシーツや下着などの物品を汚すのを防止する、又は少なくとも妨げる、吸収性コア28の衣類に面する表面に隣接して位置付けられる物品20の部分である。バックシート25は典型的には、液体(例えば、尿)に対して不透過性であるか、又は実質的に不透過性である。バックシートは、例えば、厚さが約0.012mm〜約0.051mmである熱可塑性フィルムなどの薄型プラスチックフィルムであってもよく、又はそれを含んでもよい。例示的なバックシートフィルムは、Tredegar Corporation(Richmond、VAに拠点)により製造され、商標名CPC2フィルムで販売されるものを含む。他の好適なバックシート材としては、おむつ20から蒸気を逃す一方で、依然として排泄物がバックシート25を通過することを防ぐ、又は少なくとも妨げる通気性材料が挙げられる。代表的な通気性のある材料として、織布ウェブ、不織布ウェブ、フィルム被覆された不織布ウェブなど複合材料などの材料や、日本国の三井東圧化学株式会社により、表記ESPOIRで製造され、かつTredegar Corporation(Richmond、VA)によって、表記EXAIREで販売されているような、微孔性フィルム、及びHYTEL blend P18−3097の商品名にて、Clopay Corporation(Cincinnati、OH)により製造されたモノリシックフィルムを挙げることができる。
【0027】
バックシート25は、当該技術分野において既知のいずれかの取り付け方法により、トップシート24、吸収性コア28、及び/又はおむつ20の他のいずれかの要素に接合されてもよい。好適な取り付け方法は、トップシート24を物品20の他の要素に接合するための方法に関し、先に記載されている。例えば、取り付け方法としては、接着剤の連続的な層、接着剤のパターン化層、又は接着剤の別個の線、螺旋、又は点の配列を使用することが挙げられる。好適な取り付け方法は、米国特許番号第4,573,986号に開示される、接着剤のフィラメントの開いたパターンネットワークを含む。他の好適な取り付け方法としては、米国特許番号第3,911,173号、同第4,785,996号、及び同第4,842,666号に示される装置及び方法により例示されるように、螺旋パターンへ渦巻状にした接着剤フィラメントのいくつかの線を使用することが挙げられる。良好であることがわかっている接着剤は、St.Paul,MinnesotaのH.B.Fuller Companyにより製造され、HL−1620、及びHL 1358−XZPとして市販される。あるいは、取り付け方法は、当業者に既知である、熱結合、圧力結合、超音波結合、動的機械的結合、若しくは他のいずれかの好適な取り付け方法又はこれらの取り付け方法の組み合わせの使用を含み得る。
【0028】
吸収性コア
本明細書において使用するとき、用語「吸収性コア」は、最も高い吸収能力を有し、吸収性材料を含み、吸収性材料を封入するコアラップを含む、物品の個別の要素を指す。用語「吸収性コア」は、獲得−分配システム、若しくは層、又はコアラップの一体部分ではなく、コアラップの内部にも配置されない、物品の他のいずれの構成要素を含まない。コアは、コアラップ、下記に定義される吸収性材料、コアラップ内に封入される接着剤を含むか、これらから本質的になるか、又はこれらからなり得る。
【0029】
本開示の吸収性コア28は、コアラップ内に封入された、多量の超吸収性ポリマー(本明細書においては「SAP」と略される)を備える、吸収性材料を含み得る。SAPは、コアラップ内に収容された吸収性材料の、70重量%〜100重量%、又は少なくとも70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、90重量%、95重量%、99重症%、又は100重量%を呈し得る。コアラップは、吸収性コア内のSAPの割合を評価する目的にあたり、吸収性材料とみなされない。
【0030】
「吸収性材料」とは、例えば、SAP、セルロース繊維、加えて合成繊維などの、一定の吸収特性又は液体保持特性を有する材料を意味する。典型的には吸収性コアを作製するために使用される接着剤は、吸収特性を有さず、吸収性材料とはみなされない。SAP含有量は、例えば、コアラップ内に収容される吸収性材料の80重量%超、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも99重量%、及び更に最大100重量%までであり得る。これは、セルロース繊維の40〜60重量%のSAP及び多量のセルロース繊維を含む、従来的なコアと比べて、比較的薄いコアをもたらす。吸収性材料は特に、15重量%未満、又は10重量%未満の天然又は合成繊維、5重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満の天然及び/又は合成繊維を含むことがあり、あるいは更に実質的にこれを含まないことがある。吸収性材料は好適には、エアフェルト(セルロース)繊維を殆ど、又は全く含まず、特に吸収性コアは、吸収性コアの15重量%、10重量%、5重量%、3重量%、2重量%、1重量%未満のエアフェルト(セルロース)繊維を含んでもよく、又は更にこれを実質的に含まないことがある。
【0031】
図4〜5の吸収性物品の代表的な吸収性コア28が、図6〜8に別個に示される。吸収性コアは、前側280、後側282、及び前側280を後側282と接合する2つの長手方向側部284、286を含み得る。吸収性コアはまた、ほぼ平坦な上側、及びほぼ平坦な下側を含み得る。コアの前側280は、吸収性物品の前方腰縁部10に向けて配置されることを意図されるコアの側である。コア28は、図1の平面図を上部から見た際の、物品の長手方向軸80と実質的に対応する長手方向軸80’を有し得る。一実施形態において、特定の物品の前部においてより高い吸収性が要求され得るために、後側よりも前側に向かってより多量に吸収性材料が分配されてもよい。一実施形態において、コアの前側及び後側は、コアの長手方向側部よりも短いことがある。コアラップは、2つの不織布材料、基材、ラミネート、又は他の材料16、16’により形成されてもよく、これらは少なくとも一部が吸収性コアの側部に沿って封止され得る。コアラップは、少なくとも一部が、その前側280、後側282、及び2つの長手方向側部284、286に沿って封止され、吸収性材料が吸収性コアラップから実質的に漏れ出ないようにしてもよい。第1材料、基材、又は不織布16は、第2材料、基材、又は不織布16’の少なくとも一部を囲み、図7に例示されるようにコアラップを形成してもよい。第1材料16は、第1側縁部284、及び第2側縁部286に近接する、第2材料16’の一部を囲むことがある。
【0032】
本開示の吸収性コアは、コアラップ内のSAPを不動化するのに役立ち、及び/又は、特にコアラップが2つ以上の基材から作製されるときにコアラップの一体性を確保するために、接着剤を含み得る。コアラップは、内部に吸収性材料を含むために厳密に必要であるよりも、大きな領域に及び得る。
【0033】
様々なコア設計で比較的多量のSAPを含むコアは、米国特許番号第5,599,335号(Goldman)、欧州特許1,447,066号(Busam)、国際特許公開第95/11652号(Tanzer)、米国特許公開番号2008/0312622A1号(Hundorf)、及び国際特許公開第2012/052172号(Van Malderen)号に開示される。
【0034】
吸収性材料は、コアラップ内に存在する連続的な層であり得る。他の実施形態において、吸収性材料は、コアラップ内に封入された吸収性材料の個別のポケット又はストライプを含むことがある。第1の場合において、吸収性材料は例えば、吸収性材料の単一の連続的層の適用により得られることがある。吸収性材料、特にSAPの連続的な層はまた、非連続的な吸収性材料適用パターンを有する2つの吸収性層を組み合わせることにより得ることができ、生じる層は、例えば、米国特許公開番号第2008/0312622A1(Hundorf)に開示されるように、吸収性粒子ポリマー材料領域にわたって実質的に連続的に分布する。吸収性コア28は、第1吸収性層及び第2吸収性層を含み得る。第1吸収性層は、第1材料16、及び吸収性材料(100%以下のSAPであり得る)の第1層61を含み得る。第2吸収性層は第2材料16’、及び吸収性材料(やはり100%以下のSAPであり得る)の第2層62を含み得る。吸収性コア28はまた、吸収性材料61、62の各層を、その対応する材料16、16’に少なくとも部分的に結合する、線維性熱可塑性接着剤51を含み得る。これは図7〜8に例として例示され、第1及び第2SAP層は、その対応する基材上に、所望の吸収性材料堆積領域と同じ幅を有する横方向の縞又は「ランド領域」として、組み合わされる前に、適用されている。縞は、コア80の長手方向軸に沿ってプロファイルを伴う坪量(profiled basis weight)をもたらすために、様々な量の吸収性材料(SAP)を含み得る。第1材料16及び第2材料16’は、コアラップを形成し得る。
【0035】
線維性熱可塑性材料51は、ランド領域の吸収性材料61、62と少なくとも部分的に接触し、接合領域の材料16及び16’と少なくとも部分的に接触し得る。このことは、それ自体が本質的に長さ方向及び幅方向の寸法に比べて比較的小さい厚さの二次元構造体である熱可塑性接着剤材料51の繊維性層に、本質的に三次元の構造を付与する。これにより線維性熱可塑性接着材料は、ランド領域の吸収性材料を被覆するために空洞をもたらし、これにより吸収性材料(これは100%以下のSAP)を不動化することができる。
【0036】
熱可塑性接着剤材料51は、ASTM法D−36−95「環球法」によって測定するとき、50℃〜300℃の範囲の軟化点を有する、単一の熱可塑性ポリマー若しくは熱可塑性ポリマーのブレンドをその全体に含み得、並びに/又は熱可塑性接着剤材料は、粘着付与樹脂、可塑剤、及び酸化防止剤などの添加剤など、その他の熱可塑性希釈剤と組み合わせた少なくとも1つの熱可塑性ポリマーを含む、ホットメルト接着剤であってもよい。
【0037】
線維性層に使用される熱可塑性接着剤は、SAP層上に繊維により形成されるウェブは、SAPが膨張するに伴って伸張することができるように、エラストマー特性を有し得る。例示的なエラストマーホットメルト接着剤としては、エチレンビニルアセテート、ポリウレタン、硬質成分(一般にはポリプロピレン又はポリエチレンなどの結晶質ポリオレフィン)及び軟質成分(エチレン−プロピレンゴムなど)のポリオレフィンブレンドなどの熱可塑性エラストマー、ポリ(エチレンテレフタレート−コ−エチレンアゼレート)などのコポリエステル、及びA−B−Aブロックコポリマーとして指定される熱可塑性末端ブロックとゴム状中間ブロックとを有する熱可塑性エラストマーブロックコポリマー:構造が異なるホモポリマー又はコポリマーの混合物(例えばポリエチレン又はポリスチレンとA−B−Aブロップコポリマーとの混合物)、熱可塑性エラストマーと低分子量の樹脂改質剤との混合物(例えばスチレンーイソプレン−スチレンブロックコポリマーとポリスチレンとの混合物)、並びに本明細書で説明するエラストマーホットメルト感圧接着剤が挙げられる。これらのタイプのエラストマーホットメルト接着剤は、1988年3月15日にKorpmanに発行された、米国特許第4,731,066号に、より詳細に説明される。
【0038】
熱可塑性接着材料は繊維として塗布され得る。繊維は、約1〜約50マイクロメートル、又は約1〜約35マイクロメートルの平均厚さ、及び約5mm〜約50mm、又は約5mm〜約30mmの平均長さ(特に、上記の範囲内の0.1マイクロメートル刻みの全ての値、及びそれらの内部に又はそれらにより形成されるいずれかの範囲)を有してもよい。材料16又は16’、又は任意の他の層、特に任意の他の不織布層に対する熱可塑性接着材料の接着性を改善するために、かかる層は、補助接着剤により前処理されてもよい。繊維は互いに接着して、メッシュとも説明され得る繊維層を形成する。
【0039】
超吸収性ポリマー(SAP)
「超吸収性ポリマー」(「SAP」)は、本明細書で使用される場合、遠心分離保持容量(CRC)試験(EDANA法WSP 241.2−05E)を使用して測定したときに、0.9%の生理食塩水溶液をその重量の少なくとも10倍吸収可能な架橋ポリマー材料である、吸収性材料を指す。使用されるSAPは、20g/g超、24g/g超、20〜50g/g、20〜40g/g、又は24〜30g/g(特に、上記の範囲内の0.1g/g刻みの全ての値、及びそれらの内部に又はそれらにより形成されるいずれかの範囲)のCRC値を有し得る。本開示で有用なSAPとしては、様々な、非水溶性ではあるが大量の流体を吸収できる水膨潤性のポリマーが挙げられる。
【0040】
超吸収性ポリマーは、乾燥状態で流動可能となるような粒子形態を有し得る。粒子状吸収性ポリマー材料は、ポリ(メタ)アクリル酸ポリマーから形成され得る。しかしながら、デンプン系粒子状吸収性ポリマー材料、並びにポリアクリルアミドコポリマー、エチレン無水マレイン酸コポリマー、架橋カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールコポリマー、架橋ポリエチレンオキシド、及びポリアクリロニトリルのデンプングラフト化コポリマーを用いてもよい。超吸収性ポリマーは、内部及び/又は表面架橋されたポリアクリル酸塩及びポリアクリル酸ポリマーであってもよい。好適な材料は例えば、PCT特許出願番号国際特許公開第07/047598号、同第07/046052号、同第2009/155265号、及び同第2009/155264号に記載される。いくつかの実施形態により、好適な超吸収性ポリマー粒子は、例えば、国際特許公開第2006/083584号に記載される一般的に既知の製造プロセスにより得ることができる。超吸収性ポリマー粒子は、内部で架橋されてよく、即ち、重合は、ポリマー網状組織へとフリーラジカル的に共重合され得る、2つ以上の重合可能な基を有する化合物の存在下において行なわれる。有用な架橋剤としては、例えばエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、アリルメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリアリルアミン、欧州特許第A 530 438号に記載されるテトラアリルオキシエタン、同第A 547 847号、同第A 559 476号、同第A 632 068号、国際特許公開第93/21237号、同第03/104299号、同第03/104300号、同第03/104301号及び独国特許出願第A 103 31 450号に記載されるジ−及びトリアクリレート類、同第103 31 456号、及び同第A 103 55 401号に記載されるような、アクリレート基とエチレン性不飽和基とを更に含む混合アクリレート類、又は例えば独国特許第A 195 43 368号、同第A 196 46 484号、国際特許公開第90/15830号及び同第02/32962号に記載されるような架橋剤混合物、加えて国際特許公開第2009/155265号に記載の架橋剤が挙げられる。超吸収性ポリマー粒子は、外部に表面架橋されてもよく、又は後架橋されてもよい。有用な後架橋剤としては、ポリマーのカルボキシレート基と共有結合を形成可能な2つ以上の基を含む化合物が挙げられる。有用な化合物としては、例えば欧州特許A 083 022号、同A 543 303号及び同第A 937 736号に記載されるアルコキシシリル化合物、ポリアジリジン、ポリアミン、ポリアミドアミン、ジ−又はポリグリシジル化合物、独国特許出願C 33 14 019号に記載される多価アルコール類、独国特許出願A 40 20 780号に記載される環状炭酸塩、同第A 198 07 502号に記載されるN−(2−ヒドロキシエチル)−2−オキサゾリドン等の2−オキサゾリドン及びそれの誘導体、同A 198 07 992号に記載されるビス−及びポリ−2−オキサゾリドン、同A 198 54 573号に記載される2−オキソテトラヒドロ−1,3−オキサジン及びそれの誘導体、同A 198 54 574号に記載されるN−アシル−2−オキサゾリドン、同A 10204937号に記載される環状ウレアーゼ、同A 103 34 584号に記載される二環式アミドアセタール、欧州特許A 1,199,327号に記載されるオキセタン及び環状ウレアーゼ、並びに国際特許公開第03/031482号に記載されるモルホリン−2,3−ジオン及びそれの誘導体を含む。
【0041】
いくつかの実施形態において、SAPは、例えば、ナトリウム対イオンを有する、60%〜90%、又は約75%の中和度を有する、ポリアクリル酸ポリマー/ポリアクリレートポリマーから形成され得る。
【0042】
本開示に有用なSAPは、様々な形状であってもよい。「粒子」という用語は、顆粒、繊維、フレーク、球体、粉末、小板、並びに超吸収性ポリマー粒子の当業者に既知のその他の形状及び形態のことを指す。いくつかの実施形態では、SAP粒子は、繊維の形状、即ち細長い針状の超吸収性ポリマー粒子であってもよい。これらの実施形態において、超吸収性ポリマー粒子は、約1mm未満、通常約500μm未満、又は250μm〜50μm(特に、上記の範囲内の1μm刻みの全ての値、及びそれらの内部に又はそれらにより形成されるいずれかの範囲)の小さな寸法(すなわち、繊維の直径)を有し得る。繊維の長さは、約3mm〜100mmであり得る(特に、上記の範囲内の1mm刻みの全ての値、及びそれらの内部に又はそれらにより形成されるいずれかの範囲)。繊維はまた、織ることのできる長いフィラメントの形態であってもよい。
【0043】
SAPは、球状粒子である。繊維とは対照的に、「球状粒子」は、微粒子の最長粒子寸法対最短粒子寸法の比が1〜5の範囲内である、最長及び最短の寸法を有し、値1は完全な球形粒子と等しく、値5は、かかる球形粒子から幾分か逸脱する。超吸収性ポリマー粒子は、EDANA法WSP 220.2−05により測定した際に、850μm未満、50〜850μm、100〜710μm、又は150〜650μm(特に、上記の範囲内の1μm刻みの全ての値、及びそれらの内部に又はそれらにより形成されるいずれかの範囲)の粒形を有し得る。比較的小さな粒径を有するSAPは、液体排泄物と接する吸収性材料の表面積の増加に役立ち、したがって液体排泄物の素早い吸収を助け得る。
【0044】
SAPは、45μm〜4000μm、より具体的に45μm〜約2000μm、又は約100μm〜約1000、850、又は600μmの範囲(特に、上記の範囲内の1μm刻みの全ての値、及びそれらの内部に又はそれらにより形成されるいずれかの範囲)の粒形を有し得る。粒子形態の材料の粒径分布は、例えば乾式篩分け分析試験(EDANA 420.02「Particle Size distribution」)によって決定され得る。
【0045】
本明細書におけるいくつかの実施形態において、超吸収性材料は、EP−A−0,691,133において説明される方法により測定され得るように、最大2mm、50マイクロメートル〜2mm、若しくは1mm、又は100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、1000μm、800μm、又は700μmまでの質量中央粒径を備える、粒子の形態であり得る。本開示の実施形態では、超吸収性ポリマー材料は、粒子の形態であり、少なくとも80重量%は、50μm〜1200μmのサイズであり、上記の任意の範囲の組み合わせの間の質量中央粒径を有する粒子である。加えて、又は本開示の別の実施形態において、粒子は本質的に球形であり得る。本開示の更に別の、又は追加的な実施形態において、超吸収性ポリマー材料は、大部分(例えば、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、又は更に少なくとも99重量%)の粒子が、50μm〜1000μm、100μm〜800μm、又は200μm〜600μm(特に、上記の範囲内の1μm刻みの全ての値、及びそれらの内部に又はそれらにより形成されるいずれかの範囲)の比較的狭い粒径の範囲を有してもよい。
【0046】
SAPの表面は、例えば、カチオン性ポリマーでコーティングされてもよい。特定のカチオン性ポリマーは、ポリアミン又はポリイミン材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、SAPは、米国特許第7,537,832 B2号に開示されるようなキトサン材料でコーティングされてもよい。いくつかの他の実施形態では、SAPは、国際特許公開第99/34841号及び同第99/34842号に開示されるものなどの混合床イオン交換吸収性ポリマーを含んでもよい。
【0047】
吸収性コアは、1種以上のSAPを含んでもよい。
【0048】
ほとんどの吸収性物品において、着用者からの液体排出は、物品、特におむつの前方半分において主に生じる。物品の前方半分(前方縁部と、前側腰縁部10又は後側腰縁部12から、Lの半分の距離に位置する横断線との間の区域により画定される)はしたがって、コアの吸収能力の大部分を含み得る。SAPの少なくとも60%、又はSAPの少なくとも65%、70%、75%、80%、又は85%が、吸収性物品の前方半分に位置してもよく、残りのSAPは吸収性物品の後側半分に配置される。他の実施形態において、SAP分布は、コアにわたって均一であってもよく、又は他の好適な分布を有してもよい。
【0049】
吸収性コアに存在するSAPの合計量は、想定されるユーザに応じて変動してもよい。新生児のおむつは、乳幼児、子供、又は大人用失禁おむつよりも必要とされるSAPが少ないことがある。コア内のSAPの量は、約5〜60g、又は5〜50g(特に、特定の範囲、及びその中又は付近のいずれかの範囲の0.1刻みの全ての値)であり得る。SAPの(複数が存在する場合「少なくとも1つの」)堆積領域8内の平均SAP坪量は、少なくとも50、100、200、300、400、500g/m以上であってもよい。吸収性材料堆積面積8のチャネル(例えば、27、27’)の面積は、平均坪量を算出するために、吸収性材料堆積面積から推定される。
【0050】
コアラップ
コアラップは、吸収性材料の周囲に折りたたまれた、単一の基材、材料、又は不織布から作製することができ、又は互いに取り付けられた2つ(以上)の基材、材料、又は不織布を含んでもよい。典型的な取り付けは、いわゆるCラップ及び/又はサンドイッチラップである。Cラップにおいて、例えば、図2及び図7に例示されるように、基材の1つの長手方向及び/又は横断方向縁部が、フラップを形成するように他の基材の上に折り返されてもよい。これらのフラップはその後、典型的には接着剤によって、他の基材の外面に結合される。
【0051】
コアラップは、吸収性材料を受容及び収容するために好適ないずれかの材料により形成され得る。従来型のコアを製造する場合に使用される典型的な基材の材料は、具体的に、紙、ティッシュ、フィルム、織布若しくは不織布、又はこれらのいずれかの積層体又は複合体で使用され得る。コアラップは、カード不織布、スパンボンド不織布(「S」)又はメルトブローン不織布(「M」)、及びこれらのいずれかの積層体などの不織布ウェブから形成され得る。例えば、スパンメルトされたポリプロピレン不織布は、好適であり得、具体的に、積層体ウェブのSMS、SMMS、又はSSMMS型の構造体を有するもの、及び坪量が約5gsm〜15gsmの範囲であるものが好適であり得る。好適な材料は、米国特許番号第7,744,576号、米国特許公開番号第2011/0268932A1号、同第2011/0319848A1号、及び同第2011/0250413A1号に開示される。例えば、PE、PET、及び/又はPPなどの合成繊維からもたらされる不織布材料が使用されてもよい。
【0052】
コアラップが第1基材、不織布、又は材料16、及び第2基材、不織布、又は材料16’を含む場合、これらは同じ種類の材料から作製されてもよく、異なる材料から作製されてもよく、又は基材の1つがこれに異なる特性をもたらすために別様に処理されてもよい。不織布の製造に使用されるポリマーは、本質的に疎水性であるので、これらは、吸収性コアの流体受容側に配置されている場合は、親水性コーティングで被覆され得る。コアラップの上部(すなわち、吸収性物品内で着用者により近く配置される側)は、コアラップの下側よりも親水性であり得る。耐久性のある親水性コーティングを持つ不織布を製造するための考えられる方法は、親水性モノマー及びラジカル重合反応開始剤を不織布上に塗布し、紫外線で活性化して重合を起こすことによって、不織布の表面に化学結合したモノマーを生成させるものである。耐久的親水性コーティングした不織布の生産が可能な代替的方法は、例えば国際特許公開第02/064877号で説明されるような、不織布を親水性ナノ粒子でコーティグする方法である。
【0053】
恒久的に親水性の不織布も、いくつかの実施形態では有用である。米国特許第7,744,576号(Busam et al.)で説明される表面張力は、どれほど恒久的に特定の親水性レベルが達成されるのかを測定するために用いられ得る。親水性レベルを測定するために、米国特許番号第7,744,576号に記載されるような液体の裏抜けが使用されてもよい。第1及び/又は第2基材は、生理食塩水で湿潤した際に、少なくとも55、少なくとも60、又は少なくとも65mN/mの表面張力を有してもよい。基材は、また、液体の5回の噴出に対し、5秒未満の液体裏抜け時間を有してもよい。これらの値は、米国特許第7,744,576B2号の「Determination Of Surface Tension」及び「Determination of Strike Through」それぞれに記載の試験方法を使って測定できる。
【0054】
親水性及び湿潤性は、典型的には、流体の接触角、及び流体の染み出し時間、例えば不織布を通る裏抜け時間により規定される。これは、Robert F.Gould(Copyright 1964)により編集された、American Chemical Society発行の、表題「Contact angle,wettability and adhesion」に詳細に記載されている。水と基材表面との間の接触角が低い基材は、他の基材よりも親水性が高いと言ってもよい。
【0055】
基材は更に、空気透過性であってもよい。したがって、本明細書において有用なフィルムは微小孔を含み得る。基材は、EDANAによる方法140−1−99(125Pa、38.3cm)によって決定される空気透過性が、40又は50〜300又は200m/(m×分)までのものであってよい。コアラップの材料はあるいは、例えば真空を含む移動表面での取り扱いを容易にするために、例えば非空気透過性などの、より低い空気透過性を有してもよい。
【0056】
コアラップは、実質的に吸収性材料がコアから漏れないように、吸収性コアの全ての辺において少なくとも一部封止され得る。「実質的に吸収性材料が漏れない」とは、コアラップから逃れるのが、吸収性材料の5重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、又は0重量%であることを意味する。用語「封止」は、広義に理解される。封止は、コアラップの周辺部全体に沿って連続的である必要はないが、その一部又は全体に沿って非連続的であってもよい(例えば、線状で離間した一連の封止点により形成される)。封止は、接着剤及び/又は熱結合により形成されてもよい。
【0057】
コアラップが2つの基材16、16’により形成される場合、コアラップ内に吸収性材料60を封入するために4つの封止部が使用されてもよい。例えば、第1基材16が、コアの一方の側に配置されてもよく(図においては上側)コアの長手方向縁部に沿って延びて、コアの反対側の下側を少なくとも一部被覆してもよい。第2基材16’は、第1基材16の被覆されたフラップと、吸収性材料60との間に存在してもよい。第1基材16のフラップは、第2基材16’に接着されて、強い封止をもたらし得る。このいわゆるCラップ構成は、サンドイッチ封止と比較して、湿潤充填状態への抵抗の改善などの利益をもたらすことがある。コア周辺全体にわたり吸収性材料の完全な封入をもたらすために、第1基材及び第2基材を別のものに接着することによって、コアラップの前側及び後側もその後封止され得る。コアの前側及び後側において、第1及び第2基材は実質的に平坦な方向に延び、一緒に接合されて、これらの縁部に関していわゆるサンドイッチ構成が形成されてもよい。いわゆるサンドイッチ構成において、第1及び第2基材がまたコアの全ての側部で外側に延び、典型的には接着及び/又は熱/圧力結合によってコアの周辺部の前部又は一部に沿って平坦、又は実質的に平坦に封止されてもよい。一実施形態において、第1基材も第2基材も成形される必要はなく、これらは製造の容易性のために矩形に切断されてもよいが、他の形状も本開示の範囲内である。
【0058】
コアラップはまた、単一基材により、小包におけるように吸収性材料を封入し、コアの前側及び後側を封止し、1つの長手方向で封止することにより形成され得る。
【0059】
SAP堆積領域
吸収性材料堆積領域8は、吸収性コアの上側から見て、コアラップ内の吸収性材料60により形成される層の周辺部により画定され得る。吸収性材料堆積領域8は、特に、所謂「ドッグボーン」又は「砂時計」形状(これは、その幅に沿って、コアの中央又は「股部」領域に向かってテーパ形状を示す)の様々な形状を有してもよい。このように、吸収性材料堆積領域8は、図1に例示されるように、吸収性物品の股部領域に配置されることを意図されたコアの領域において、比較的狭い幅を有し得る。これはより高い、装着時の快適性をもたらし得る。吸収性材料堆積領域8は、したがって、最も狭い点が約100mm、90mm、80mm、70mm、60mm、又は更には約50mm未満である(横方向を測定した場合の)幅を有してもよい。この最も狭い幅は、更に、堆積領域8の前側及び/又は後側領域の最も大きい点の堆積領域8の幅よりも、例えば、少なくとも5mm又は少なくとも10mm小さくてもよい。吸収性材料堆積領域8はまた、図4〜6に示されるように、ほぼ矩形であってもよいが、例えば「T字」、「Y字」、「砂時計」、又は「ドッグボーン」型などの他の堆積領域もまた本開示の範囲内である。
【0060】
SAPの坪量(単位表面当たり堆積される量)はまた、堆積領域8に沿って変化してもよく、コアの長手方向、横断方向、又はその両方の方向に、吸収性材料(特に、SAP)のプロファイル分布を形成してもよい。したがって、コアの長手方向軸に沿って、吸収性材料の坪量は、横断方向軸に沿って、又はこれらの軸のいずれかと平行な任意の軸に沿って異なっていてもよい。比較的坪量の高い領域におけるSAPの坪量はしたがって、比較的坪量が低い領域よりも、少なくとも10%、20%、30%、40%、又は50%高いことがある。一実施形態において、股部点Cのレベルにおける吸収性材料堆積領域8に存在するSAPは、吸収性材料堆積領域8の別の領域と比較して単位表面当たりにより多くのSAPが堆積されていてもよい。
【0061】
吸収性材料は、比較的高速で比較的正確なSAPの堆積を可能にし得る、既知の技術を用いて堆積され得る。特に、米国特許公開番号第2008/0312617号、及び同第2010/0051166A1号(両方とも、Hundorf et al.)に開示されるSAP印刷技術が使用され得る。この技術は、印刷ロールを用いて、複数のクロスバーの間を延在するチャンネルを形成するように、互いに実質的に平行かつ離間して延在する、複数のクロスバーを含み得る、支持体のグリッド上に配置された基材上に、SAPを堆積させる。この技術は、基材上への高速かつ正確なSAPの堆積を可能にする。吸収性コアのチャネルは、例えば、グリッドのパターン及び受容ドラムを修正して、チャネルと対応する領域にSAPが適用されないようにすることによって、形成することができる。EP出願番号11169396.6は、この修正についてより詳細に開示している。
【0062】
チャネル
吸収性材料堆積領域8は、少なくとも一部が物品80の長手方向に向けられている(すなわち、長手方向のベクトル成分を有する)、少なくとも1つのチャネル26を含み得る。他のチャネルは少なくとも部分的に、横方向(すなわち、横方向ベクトル成分を有する)、又は他のいずれかの方向に向けられてもよい。以下において複数形の「チャネル(channels)」は、「少なくとも1つのチャネルを意味するものとして使用される。チャネルは、物品の長さLの少なくとも10%である、物品の長手方向軸80上に投影される長さL’を有し得る。チャネルは、様々な方法で形成され得る。例えば、チャネルは、吸収性材料、特にSAPを実質的に含まないか、又は含まないことがある、吸収性材料堆積領域8内のゾーンにより形成され得る。加えて、又は代替的に、チャネルはまた、コアラップの上側を、コアラップの下側に、吸収性材料堆積領域8を通じて連続的又は非連続的に結合することによって形成され得る。チャネルは、連続的であり得るが、チャネルは断続的であり得ることも想到される。物品の獲得分配システム若しくは層50、又は別の層はまた、吸収性コアのチャネルと対応してもしなくてもよい、チャネルを含み得る。
【0063】
いくつかの実施形態において、チャネルは少なくとも、図1に示されるように、吸収性物品の股部点C又は横方向軸60と同じ長手方向レベルで存在してもよく、2つのチャネル26、26’が長手方向に延びている。チャネルはまた、股部区域7から延びてもよく、又は物品の前方腰部領域5及び/又は後方腰部領域6に存在してもよい。
【0064】
吸収性コア28はまた、3つ以上(例えば、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、又は少なくとも6つ以上)のチャネルを含んでもよい。物品の前部に向かう、図1のチャネルの対27、27’により表されるように、コアの後方腰部領域6、又は前方腰部領域5に、より短いチャネルが存在してもよい。チャネルは、長手方向軸80に対して対称的に、ないしは別の方法で配置される、1つ以上のチャネルの対を含んでもよい。
【0065】
チャネルは、吸収性材料堆積領域が矩形である場合、吸収性コアで特に有用であり得るが、これは、非矩形(特定の形状を有する)のコアを使う利点が少なくなる程度までチャネルがコアの可撓性を向上できるからである。無論、チャネルは、特定の形状を有する堆積領域を有するSAPの層にも存在してもよい。
【0066】
チャネルは、実質的に長手方向に延在するが、これは、各チャネルが、横方向よりも長手方向に延在し、横断方向よりも長手方向に少なくとも2倍延在する(対応する軸上に投影させてから測定した際に)という意味である。他の実施形態において、チャネルは、実質的に横方向に延在するが、これは、各チャネルが、横断方向よりも横方向に延在し、横断方向よりも長手方向に少なくとも2倍延在する(対応する軸上に投影させてから測定した際に)という意味である。
【0067】
チャネルは、長手方向に、長手方向軸と平行に、完全に向けられてもよく、又は横断方向に、横方向軸と平行に完全に向けられてもよいが、また湾曲していてもよい。例えば、チャネルの対26、26’に関して図1に表されるように、様々な実施形態において、一部の又は全部のチャネル、特に股部領域7に存在するチャネルが、長手方向軸80に向かって凹状であってもよい。曲率半径は典型的には、吸収性層の平均横断方向寸法と少なくとも同等(この平均横断方向寸法の少なくとも1.5又は少なくとも2.0倍であり得る)であり得、また直線的であるが、長手方向軸と平行な直線と、(例えば、5°〜)、最大30°、最大20°、最大10°の角度を成す。チャネルの曲率半径は一定であってもよく、又はその長さに沿って異なっていてもよい。これはまた、内部に角度を備えるチャネルを含んでもよく、ただし、チャンネルの2つの部分の間の角度が少なくとも120°、少なくとも150°であり、またこれらのいずれの場合においても、チャンネルの長手方向への延びが、横断方向への延びを上回る。また、チャネルは分岐していてもよい。例えば、股部領域7の長手方向軸と重ねて配置された中央チャネルは、物品の後方腰縁部12に向かって、及び/又は前方腰縁部10に向かって分岐している。
【0068】
いくつかの実施形態において、物品又はコアの長手方向軸80と一致するチャネルが存在しない。長手方向軸80に対して対称な対として存在するとき、チャネルは、その全体的な長手方向寸法にわたり、互いに離間していてもよい。例えば、最小間隔は、少なくとも5mm、少なくとも10mm、又は少なくとも16mmであり得る。
【0069】
更に、流体が漏れる危険性を低減するために、吸収性材料堆積領域8の縁部のいずれかまで延びないことがあり、したがってコアの吸収性材料堆積領域8内に完全に包囲され得る。チャネルと、吸収性材料堆積領域8の最も近い縁部との間の最小間隔は、少なくとも5mmであり得る。
【0070】
チャネルは、その長さの少なくとも一部に沿って、例えば、少なくとも2mm、少なくとも3mm、少なくとも4mm、例えば、最大20mm、16mm、又は12mmの幅Wcを有し得る。チャネルの幅は、チャネル長さの実質的全体にわたり一定であってもよく、又はその長さに沿って異なっていてもよい。吸収性材料堆積領域8内の吸収性材料を含まないゾーンによりチャネルが形成されるとき、チャネルの幅は、チャネル内にコアラップが存在する可能性を無視して、材料のないゾーンの幅としてみなされる。チャネルが、吸収性材料を有さないゾーンにより形成されない場合、例えば、主に吸収性材料ゾーンを通じたコアラップの結合による場合、チャネルの幅はこの結合部の幅である。
【0071】
チャネルの少なくとも一部又は全部が恒久的なチャネルであり、これは、その一体性が乾燥状態及び湿潤状態の両方において少なくとも部分的に維持されることを意味する。恒久的チャネルは、例えば、チャネルの壁内の吸収性材料に対する基材の粘着を補助する接着材料又は構成グルーの繊維性層など、1つ以上の接着材料を供給することにより得られてもよい。恒久的なチャネルはまた、コアラップの上面及び下面(例えば、第1基材16、及び第2基材16’)、及び/又はトップシート24をバックシート25に、チャネルと通じて一緒に結合することによって形成され得る。典型的に、コアラップの両面と、トップシート及びバックシートをチャネルを通じて結合するために接着剤が使用され得るが、圧力結合、超音波結合、熱結合、又はこれらの組み合わせなどの他の既知のプロセスによって結合することが可能である。コアラップ、又はトップシート24及びバックシート25は、チャネルにそって連続的に結合されるか、又は断続的に結合され得る。チャネルは、吸収性物品に液体が完全に充填されるときに、少なくともトップシート、及び/又はバックシートを通じて有利に可視のままであるか、又は可視になり得る。SAPを実質的に含まないチャネルを作製する(よってこれらは膨張せず、湿潤時に閉じないために十分な大きさである)ことにより達成され得る。更に、コアラップをそれ自体に、又はトップシートをバックシートにチャネルを通じて結合することが有利であり得る。
【0072】
図9は、本開示の代表的な吸収性コア28を例示する。このコア28、及び図12及び14〜20に例示されるコアは、本開示の吸収性物品に使用されてもよく、本明細書に記載される特徴の多く又は全てを有し得る。様々な実施形態において、1つ以上のチャネルの横方向の幅の合計のプロファイル(Y軸上にプロットされる)が、1つ以上のチャネルの部分の長手方向軸80’に沿った長手方向長さ(X軸上にプロットされる)に対してプロットされてもよい。換言すると、1つ以上のチャネルの長手方向軸80’に沿った、特定の長手方向長さにわたる、1つ以上のチャネルの横方向幅の合計が、プロットされて、プロファイルを形成し得る。
【0073】
このようなプロファイルのためのデータを得るためにまず、吸収性物品、又は吸収性コアが、吸収性コア内のチャネルを観察するために好適なライトテーブル、又は光源の上に配置されるべきである。吸収性コアが使用されているなら、これは好適な技術を使用して、吸収性物品から取り外されるべきである。吸収性物品、又は吸収性コアの着用者に面する表面が、ライトテーブルの表面の反対側を向くべきである。吸収性物品又は吸収性コアは、テープ又は他の取付部材を使用して、ライトテーブル又は光源の表面を照明するライトに取り付けられるべきである。次に、長手方向軸80、又は80’に沿った長手方向長さ(例えば、5mm、10mm、15mm、20mm、50mm、100mm)が測定のために選択されるべきである。剛性又は可撓性テープの目盛(mmごと)を使用して、長手方向軸80又は80’に沿って長手方向長さを測定するべきである。長手方向軸80、又は80’の長手方向長さのいずれかの端部において、吸収性物品又は吸収性コア上に点を配置するべきである。次に、各点を通じて横方向軸90’と平行な線を引くべきである。線の間のこの封入領域「EA」が測定すべき領域である。封入領域「EA」は、吸収性物品又は吸収性コアの長手方向長さの一部、又は吸収性物品若しくは吸収性コアの全長(それぞれ、前方腰縁部10又は前側280から、後方腰縁部12又は後側282)であり得る。いくつかの場合において、吸収性物品又は吸収性コアの大きな長手方向長さをプロファイリングすることが望ましい場合があるが、いくつかの例において、小さな長手方向長さをプロファイリングすることが望ましい場合がある。使用される長手方向長さが吸収性物品又は吸収性コア上に一度示されると、封入領域内のチャネルの横方向幅の合計が、テープ目盛を使用して長手方向長さに沿って5mmおきに、横方向軸と平行に測定されるべきである。封入領域「EA」内の特定の5mmの刻み幅において1つのチャネルのみが存在する場合、この特定の刻み幅において、1つの幅のみがチャネルの横方向幅の合計となり、封入領域「EA」内の特定の5mmの刻み幅において2つ以上のチャネルが存在する場合、この刻み幅における横方向の幅の合計が、チャネルのこれらの2つ以上の横方向幅の合計となる。これらの結果はその後、プロットされてプロファイル又はグラフを生成し、1つ以上のチャネルの横方向幅がY軸にプロットされ、長手方向軸80、又は80’に沿った長手方向長さがX軸上にとられる。X軸は5mm刻みであり、長手方向軸80又は80’に沿って5mmごとにとられる横方向幅測定値と対応するべきである。Y軸は、1つ以上のチャネルの横方向幅の合計値によって、1mm刻み、2mm刻み、又は2mm超の刻み幅であってもよい。
【0074】
図9を参照し、例として、封入領域「EA」は、長手方向軸80’に沿った1つ以上のチャネルの長手方向長さL’の端部における2本の破線の間にある。全ての吸収性コア28の実施形態において、長手方向軸80’は吸収性物品の長手方向軸80と対応し、横方向軸90’が吸収性物品の横方向軸90と対応する。チャネル26及び26’の横方向幅測定値は、横方向軸90’と平行に5mmごとにとられる。各5mmの刻み幅は、図9の直線「L」として示される。第1測定値は、上部点線「TL」から封入領域「EA」内に5mmのところでとられる。図9は縮尺通りではないが、横方向軸90’と平行な方向で、長手方向軸80’に沿って5mmごとにとられる横方向幅の合計のプロファイルは、ほぼ図10の代表的なプロファイルのような外観となる。長手方向軸80に沿った長手方向長さは、X軸上にプロットされ、横方向の幅の合計がY軸上にプロットされる。この例として、封入領域内のチャネルの横方向幅の合計(5mmごと)は全て10mm(各チャネル5mm)。チャネルの横方向幅の他の合計も、本開示の範囲内である。代表的な横方向幅の合計は、5mm〜120mmの範囲内であり得る(特に、指定範囲内の1mm刻みの全ての値、及びそれらの内部に又はそれらにより形成されるいずれかの範囲)。封入領域は、例えば、長手方向軸90’に沿って、少なくとも5mm、少なくとも10mm、少なくとも15mm、少なくとも20mm、少なくとも30mm、少なくとも40mm、少なくとも50mm、少なくとも60mm、又は少なくとも70mmで延び得る。封入領域は、生理用ナプキンにおいては、その吸収性コアが典型的にはおむつより小さいために、より小さいことがある。したがって、図9のプロファイルは、長手方向軸80’に沿って5mmおきにとったチャネル26、26’の横方向幅の合計が同じ値をとるはずであるため、一定であるか、又は実質的に一定である。チャネル26のみが図9の封入領域に存在する場合、この実施形態においては、長手方向長さL’に沿って、横方向軸90’に対して平行に測定されるチャネル26の横方向幅が一定、又は実質的に一定であるために、プロファイルはもまた一定又は実質的に一定となる。第2チャネル26’は、長方向軸80’を挟んで、第1チャネル26の反対側に位置付けられ得る。第2チャネル26’のプロファイルはまた、例えば、図9のL’などの長手方向長さを中心に一定、又は実質的に一定であり得るが、これは第2チャネル26’の横方向幅がチャネルの長手方向長さL’を中心に一定であるか、又は実質的に一定であるためである。他の実施形態において、各チャネル26、及び26’の横方向幅は一定であるか、実質的に一定であるか、又は長手方向長さ若しくはその一部に沿って異なっていてもよい。他の実施形態において、1つのチャネル(例えば、チャネル26)は、長手方向長さを中心に一定、又は実質的に一定の横方向幅を有してもよく、他のチャネル(例えば、チャネル26’)はその長手方向長さを中心に異なる横方向幅を有してもよい。図9の実施形態において、チャネル26及びチャネル26’は、長手方向軸80’に沿って同じ長手方向長さを有し得る。他の実施形態において、第1及び第2の、又はより多くのチャネルがそれぞれ、長手方向軸80’に沿って異なる長手方向長さを有し得る。
【0075】
上記は、長手方向軸80’に沿った、特定の長手方向長さにわたる、横方向幅の合計を測定する方法の、単に代表的な非限定的設定である。以下に記載されるように、他のプロファイルもまた、測定される長手方向長さ及び/又は封入領域内の、チャネルの構成及び/又は向きに基づく本開示の範囲内である。
【0076】
再び図9を参照し、横方向軸90’の第1の側の長手方向の一部にわたる、チャネル26、及び26’の横方向幅の合計のプロファイルは、横方向軸90’の第2の側の長手方向長さの別の部分にわたる、チャネル26及び26’の横方向幅の合計のプロファイルとは異なり得る。他の実施形態にわたり、横方向軸90’の第1の側の長手方向の一部にわたる、チャネル26、及び26’の横方向幅の合計のプロファイルは、横方向軸90’の第2の側の長手方向長さの一部にわたる、チャネル26及び26’の横方向幅の合計のプロファイルとは同じであるか、又は実質的に同じであり得る。
【0077】
一実施形態において、図1を参照し、吸収性コア28は、少なくとも3つのチャネル又は4つのチャネル(例えば、26、26’、27、27’)を含み得る。これらのチャネルは、超吸収性ポリマーを含まない、又は実質的に含まない(例えば、10%未満、5%未満、3%未満、2%未満、又は1%未満)ことがあり、少なくとも一部が長手方向に向けられてもよく、及び/又は少なくとも一部が横方向に向けられてもよい。様々な実施形態において、長手方向軸80を中心としてチャネル26及び26’の長手方向長さは同じであるか、実質的に同じ(例えば、互いに2mm以下の差)、又は異なっていてもよく、長手方向軸80を中心としたチャネル27、27’の長手横行長さは、同じであるか、実質的に同じであるか、又は異なっていてもよい。チャネル26、及び26’の長手方向長さは、チャネル27及び27’の長手方向長さよりも長いことがある。チャネル27及び27’の長手方向長さにわたる平均横方向幅は同じ、実質的に同じであってもよく、又は異なっていてもよい。同様に、チャネル26及び26’の長手方向長さにわたる平均横方向幅は同じ、実質的に同じであってもよく、又は異なっていてもよい。チャネル26、26’、27、及び27’のいずれかの平均横方向幅は、同じ、実質的に同じであってもよく、又は異なっていてもよい。この理論的根拠は、本明細書において開示されるあらゆるチャネル構成に適用することができる。
【0078】
一実施形態において、図1を再び参照し、3つのチャネル26、26’、27、及び27’の少なくとも2つが、少なくとも部分的に物品の長手方向軸80に沿って長手方向に向けられてもよい。チャネル26、26’、27、及び27’のそれぞれが、横方向軸90と平行にとられた横方向幅を有し得る。図11を参照し、長手方向軸80に沿ってとった、少なくとも5mm、少なくとも10mm、少なくとも15mm、少なくとも20mm、少なくとも25mm、少なくとも30mm、少なくとも35mm、少なくとも40mm、少なくとも45mm、少なくとも50mm以上である、長手方向軸80に沿った長手方向長さにわたる、チャネルの横方向幅の合計のプロファイルは、2つの最大ピーク「MP」を有し得る。最大ピークは、長手方向軸80に沿って、少なくとも1mm、少なくとも3mm、少なくとも5mm、少なくとも10mm、少なくとも15mm、少なくとも20mm以上の長手方向長さにわたり延びる、空隙「G」によって互いに分離していてもよい。このようなプロファイルの例は、図11に例示されている。図11のプロファイルは、長手方向長さにおいて5mmごとの、線A及びBにより表された長手方向長さ(第1側縁部3に沿った点により表される)の間でとられた。横方向軸90に平行であり、各点と交差する直線が、吸収性物品上に描かれるべきである。横方向軸90と平行にとられたチャネルの横方向幅の合計は、テープ目盛を使用して各線上で測定されるべきである。図11の最大ピーク「MP」は、5mmの空隙「G」により分離しているものとして例示され、この空隙は1mm未満、又は1mm超、例えば、1〜15mm又は1〜9mmであり得る。
【0079】
再び図11を参照し、長手方向軸80に沿ってとった、少なくとも20mmの長手方向長さにわたる、チャネル26、26’、27、及び/又は27’の横方向幅の合計のプロファイルは、二峰性であってもよく、2つのモードの間に、チャネル26、26’、27及び27’の少なくとも3つ、又はチャネル全ての横方向幅の合計がゼロである部分を有することがある。チャネル26、26’27、及び27’の少なくとも3つ、又はチャネル全ての横方向幅の合計がゼロである部分が、図11の空隙Gにより示される。
【0080】
別の実施形態により、図12を参照し、吸収性コア28は、上記の第1チャネル26、及び第2チャネル26’、並びに超吸収性ポリマーを含まないか、又は実質的に含まない1つ以上のポケット29を含み得る。例として、ポケット29は例えば90mmなど、20mm〜110mm、又はそれを下回るか若しくは上回る幅寸法(横方向軸90’に沿って)、及び例えば、50mmなどなど、30mm〜00mm、又はそれを下回るか若しくは上回る長さ寸法(長手方向軸80’に沿って)を有し得る。1つ以上のポケット29は、一部が長手方向軸80’上に位置してもよく、前方腰部領域5、後方腰部領域6、及び/又は股部領域7に位置付けられてもよい。別の実施形態において、ポケットは2つ以上の領域に延びてもよい。図9、12、及び14〜20は吸収性コア28のみを示すが、前方腰部領域5、後方腰部領域6、及び股部領域7は、一般的に図1に例示される吸収性物品のこのような領域と対応することが理解される1つ以上のポケット29の一部が、長手方向軸80’に位置しないことがある。一実施形態において、1つ以上のポケット29は、横方向軸90’に位置する部分を有し得る。ポケット29は、横方向軸90’と平行に測定した横方向幅、及び長手方向軸80’と平行に測定した長手方向幅を有する。長手方向軸80’に沿ってとった50mmの長手方向長さにわたる、第1チャネル26、及び第2チャネル26’の横方向幅、及びポケット29の横方向幅の合計のプロファイルは、図13の代表的な形態において例示される、2つの別個の、一定の、又は実質的に一定の部分を有し得る。図13は、図12の直線C〜直線Dでとった、チャネル26及び26’並びにポケット29の、超吸収性ポリマーを含まない、又は超吸収性ポリマーを実質的に含まない領域の横方向幅の合計である。直線Cと直線Dとの間の、長手方向軸80’に沿った長手方向長さは、少なくとも50mm、又はより短い、若しくは長い。図13に見られるように、プロファイルは、チャネルの横方向幅のみの合計を表す、2つの一定の、又は実質的に一定の部分と、チャネル26及び26’の横方向幅、及びポケット29の横方向幅の合計を表す、一定又は実質的に一定な部分よりも大きな一部分とを有する。直線Cと直線Dとの中間点における、第1チャネル26、第2チャネル26’、及びポケット29の横方向幅の合計は、例えば、約20mm〜約100mmの範囲であり得る。横方向幅は、上記の長手方向軸80’に沿って、直線Cと直線Dとの間で、5mmごとに測定されるべきである。ポケット29は、排便「BM」ポケットであり得、BMを保持するように構成され得る。別の実施形態において、図14を参照し、ポケット29’は少なくとも一部が前方腰縁部5に位置付けられてもよく、尿管理又は保持ポケットであってもよい。更に別の実施形態において、図15を参照し、ポケット29’’は少なくとも一部が股部領域7に位置付けられてもよく、尿管理若しくは保持ポケット、及び/又はBMポケットであり得る。ポケット29’’は、チャネル26及び26’の横方向内側側部により形成される、長手方向側縁部を有してもよく、又はチャネル26、及び26’の横方向内側側縁部とは別個の形成される長手方向側縁部を有してもよい。ポケット29、29’、又は29’’は、10mm〜110mm、20mm〜100mm、又は30mm〜95mmの範囲(特に、上記の範囲内の1mm刻みの全ての値、及びそれらの内部に又はそれらにより形成されるいずれかの範囲)で、長手方向軸80’に沿って5mmごとに、横方向軸90’と平行に測定された横方向幅を有する。
【0081】
更に別の実施形態において、図16を参照し、吸収性コア28は、第1チャネル26及び/又は第2チャネル26’、並びにチャネル26’’(第1チャネル26、及び第2チャネル26’が記載されない場合、請求項においては、第2チャネルと称される場合がある)を含み得る。第3チャネル26’’は、超吸収性ポリマーを含まないか、又は実質的に含まないことがあり、後方腰部領域6、股部領域7、及び/又は前方腰部領域5に位置付けられてもよい。第3チャネル26’’は、後方腰縁部12又は後側282から0〜50mmの範囲内、前方腰縁部10又は前側280から0〜50mmの範囲内に位置付けられてもよい。上記の特定の範囲内の全ての1mmの刻み幅は本明細書において特に組み込まれ、それらの内部に又はそれらにより形成されるあらゆる範囲を含む。後側282若しくは後方腰縁部12、又は前側280若しくは前方腰縁部10から、50mm、又は30mm、又は20mm、又は15mm、又は10mm、又は5mm、又は1mm未満である、長手方向軸に沿った点(例えば、図16の点E)における、第1チャネル26及び第3チャネル26’’、又は第1チャネル26、第2チャネル26’及び第3チャネル26’’の横方向幅の合計は、ゼロよりも大きいことがある。図17は、第1チャネル26、第2チャネル26’、第3チャネル31、及び第4チャネル31’を含む、吸収性コア28を例示する。これらのチャネルのいずれも、任意であり得る。後方腰縁部12、後側282、前方腰縁部10、又は前側280から50mm、又は30mm、又は20mm、又は15mm、又は10mm、又は5mm、又は3mm、又は1mm以下である、長手方向軸80’に沿った点(例えば、図17の点F)において、第3チャネル31及び第4チャネル31’の横方向幅の合計は、ゼロよりも大きいことがある。
【0082】
一実施形態において、図18を参照し、第1チャネル26及び第2チャネル26’はそれぞれ、前方腰部領域5の第1弓状部分33、及び後方腰部領域6の第2弓状部分33’を有し得る。弓状部分33及び33’は、長手方向軸80’に面してもよい。第1チャネル26、及び第2チャネル26’はまた、股部領域7に第3弓状部分33’’を、又は股部領域7に非弓状部分33’’を有し得る。弓状部分33’’又は部分33’’はまた、長手方向軸80’に面していてもよい。弓状部分33の接線35は、長手方向軸80’と交差して、角度A1を形成し得る。接線35と長手方向軸80’との間の交差角A1は、10°〜80°、20°〜75°、30°〜60°、又は45°の範囲であり得る。弓状部分33の接線35は、長手方向軸80’と交差して、角度A2を形成し得る。接線35’と長手方向軸80’との間の交差角A2は、10°〜80°、20°〜75°、30°〜60°、又は45°の範囲であり得る。弓状部分33’’の接線35’’は、長手方向軸80’と交差して、角度A3を形成し得る。接線35’’と長手方向軸80’との間の交差角A3は、0.1°〜35°、又は1°〜20°の範囲であり得る。一実施形態において、接線は、股部領域7の非弓状部分33’’から延びてもよい。接線は長手方向軸80’と交差しないことがあり、代わりに長手方向軸80’と平行な方向に延びてもよい。この項に指定される範囲内の全ての0.5°刻みの値は本明細書に組み込まれ、その内部又はそれにより形成されるあらゆる範囲を含む。
【0083】
図18に見られるように、長手方向軸80’の第1の側の第1弓状部分33からとられる第1接線35は、正の傾き(y軸増加/x軸増加)を有してもよく、長手方向軸80’の第2の側の第1弓状部分33からとった第1接線35は、負の傾きを有し得る。長手方向軸80’の第1の側の第2弓状部分33’からとられる第2接線35’は、負の傾きを有してもよく、長手方向軸80’の第2の側の第2弓状部分33’からとった第2接線35’は、正の傾きを有し得る。接線35’’はまた、正又は負の傾きを有し得る。様々な接線の傾きは、チャネルの構成が異なる場合に異なり得る。
【0084】
図18を再び参照し、長手方向軸80’の第1側部の角度A1、A2、及びA3は、長手方向軸80’の第2側部の角度A1、A2、及びA3と異なるか、これと同じであるか、又は実質的に同じであり得る。一実施形態において、長手方向軸80’の一方の側の角度に関し、角度A1は、角度A2及びA3より大きいことがあり、角度A2は、角度A3よりも大きいことがある。他の実施形態において、長手方向軸80’の一方の側の角度に関し、角度A1及び角度A2は、同じ、又は実質的に同じであってもよく、角度A3は角度A1及びA2よりも小さいことがある。更に他の実施形態において、長手方向軸80’の一方の側の角度のいずれかは、同じであるか、又は異なっていてもよい。
【0085】
接線35は、前方腰部領域5の弓状部分33の一部からとられる。接線35’は、後方腰部領域6の弓状部分33’の一部からとられる。接線35’’は、股部領域7の弓状部分33’’の一部からとられる。
【0086】
長手方向軸80、又は80’はそれぞれ、第1腰縁部10又は第1側部280と第2腰縁部12又は第2側部282との中点を接続することによって、吸収性物品又は吸収性コア上に描かれるべきである。接線は、直線状の縁部を使用して、吸収性物品又は吸収性コア上に描かれ得る。多数の接線が、前方腰部領域5、後方腰部領域6、及び/又は股部領域7の弓状部分に描かれてもよい。接線は、これらが長手方向軸80又は80’と平行に位置付けられない限り、長手方向軸80又は80’と交差するように十分に長く描かれるべきである。次に、1°刻みの分度器を使用して、接線と長手方向軸80又は80’との間の角度(A1、A2、及びA3)を測定してもよい。吸収性コア28に追加的なチャネルが存在する場合、同じ又は同様の方式で、これらのチャネルに追加的な接線が描かれ得る。
【0087】
実施形態において、図19を参照し、上記の第1チャネル26及び第2チャネル26’に加えて、吸収性コアは、超吸収性ポリマーを含まない、又は実質的に含まない、チャネル又はポケット37を含み得る。チャネル又はポケット37の一部は、長手方向軸80’の上に位置してもよい。チャネル又はポケット37は、側部284又は第2側縁部4に面する弓状部分39と、側部282又は第1側縁部3に面する別の弓状部分39’を含み得る。弓状部分39’(又は39)の接線41’(又は41)と、長手方向軸80’との間の角度A4は、約0.1°〜40°、0.1°〜20°、0.1°〜15°、0.1°〜10°、又は0.1°〜5°の範囲であってもよい(特に、上記の範囲内の0.1°刻みの全ての値、及びそれらの内部に又はそれらにより形成されるいずれかの範囲)。一実施形態において、接線41(又は41’)は、長方向軸80’と平行に延び、長手方向軸80’と決して交わらないことがある。チャネル又はポケット37は、少なくとも一部が、前方腰部領域5、後方腰部領域6、及び/又は股部領域7内に位置付けられ得る。
【0088】
一実施形態において、図20を参照し、第1チャネル26、及び第2チャネル26’に加えて、吸収性コア28は、一部が長手方向軸80’上に位置付けられたチャネル又はポケット43を含み得る。チャネル又はポケット43は、10mm〜150mmの範囲の長手方向長さ、及び10mm〜約150mmの横方向幅を有してもよい(特に、上記の特定の範囲、及びその内部又はそれにより形成されるいずれかの範囲の1mm刻みの全ての値)。他の寸法もまた、本開示の範囲内である。チャネル又はポケット43は、前方腰部領域5若しくは後方腰部領域6、又はその両方に位置してもよい。チャネル又はポケット43は、チャネル又はポケット43が前方腰部領域5に位置する場合、前側280及び前方腰縁部10に面する弓状部分45と、チャネル又はポケット43が後方腰部領域6に位置する場合に後側282又は後方腰部領域12に面する弓状部分45を有し得る。チャネル又はポケット43は、いくつかの場合において股部領域7へと延びることがある。弓状部分45の接線47は、70°〜110°、80°〜100°、85°〜85°、約90°、又は90°の範囲の角度を長手方向軸80’と形成してもよい(特に、上記の特定の範囲、及びその内部又はそれにより形成されるいずれかの範囲の0.5°刻みの全ての値)。
【0089】
一実施形態において、図21を参照し、第1チャネル26及び26’に加えて、吸収性コア28は、股部領域7及び/又は後方腰縁部6のポケット53と、後方腰部区域6及び/又は股部領域7の1つ以上のチャネル55を含み得る。別の実施形態において、ポケット53は、股部領域7及び/又は前方腰部領域5に位置してもよく、1つ以上のチャネル55は、股部領域7及び/又は前方腰部領域5にあり得る。ポケット53及び1つ以上のチャネル55は、BMポケット若しくはチャネル、並びに/又は尿管理ポリケット及び/若しくはチャネルであり得る。チャネル55は一般的に、横方向軸90’の周辺で横方向に延びてもよい。本明細書に記載される様々なパラメータが好適であれば、図21に適用され得る。例えば、チャネル55の少なくとも1つ又は全てが、その弓状部分57から延びる接線59を有してもよい。接線59と長手方向軸80’との間に形成される角度は、例えば、80°〜100°、約90°、又は90°であり得る。
【0090】
バリアレッグカフ
吸収性物品は、一対のバリアレッグカフ34を含み得る。各レッグカフは、物品に結合される一片の材料により形成されてもよく、これは物品の内側表面から上方に延び、着用者の胴体と脚部の境界付近における液体及び他の身体滲出物の改善された収容をもたらす。トップシート24及び/又はバックシート25に直接、又は間接的に接合される近位縁部64、並びに着用者の皮膚と接触してこれに対してシールを形成することを意図された自由端縁部66により画定される。バリアレッグカフは少なくとも一部が、吸収性物品の前方腰縁部10と後方腰縁部12との間で、長手方向軸80の双方の側に延び、少なくとも股部点(C)又は股部領域のレベルに存在する。バリアレッグカフは、膠着、溶融結合、又は他の好適な結合プロセスの組み合わせにより作製され得る、結合部65によって、近位縁部64において、物品のシャーシと接合され得る。近位縁部64における結合部65は、は連続的であるか、又は断続的であり得る。レッグカフの隆起区分に最も近い結合部65は、レッグカフの起立区分の近位縁部64を画定する。
【0091】
バリアレッグカフは、トップシート24、若しくはバックシート25と一体であってもよく、又は物品のシャーシに接合された別個の材料であってもよい。バリアレッグカフの材料は、おむつの全長を通じて延びてもよいが、物品の前方腰縁部10及び後方腰縁部12に向かってトップシート24に「タック結合」されてもよく、これによりこらの区分では、レッグカフ材料がトップシート24と面一になる。
【0092】
各バリアレッグカフ34は、より良好な封止をもたらすために、この自由端縁部66の近くに1つ、2つ又はそれ以上の弾性糸35を含み得る。
【0093】
バリアレッグカフ34に加えて、物品はガスケットカフ32を含んでもよく、これは吸収性物品のシャーシ、特にトップシート24及び/又はバックシート25に接合され、バリアレッグカフに対して外側に配置される。ガスケットカフ32は、着用者の大腿部周囲により良好なシールをもたらし得る。各ガスケットレッグカフは、吸収性物品のシャーシ内において、脚部開口部の領域のトップシート24とバックシート25との間に1つ以上の弾性糸又は弾性要素を含み得る。
【0094】
米国特許第3,860,003号は、弾性レッグカフ(ガスケットカフ)を提供するためにサイドフラップ及び1つ以上の弾性部材を有する収縮性脚部開口部を提供する、使い捨ておむつを記載している。米国特許番号第4,808,178号、及び同第4,909,803号(Aziz et al.に発行)は、脚部領域の収容性を改善する、「起立」フラップ(バリアレッグカフ)を有する、使い捨ておむつについて記載する。米国特許番号第4,695,278号、及び同第4,795,454号(それぞれ、Lawson、及びDragooに発行)は、ガスケットカフ及びバリアレッグカフを含む二重カフを有する使い捨ておむつについて記載する。バリアレッグ及び/又はガスケットカフの全部又は一部がローションにより処理され得る。
【0095】
獲得分配システム
本開示の吸収性物品は、獲得分配層、又はシステム50(本明細書において「ADS」)を含むことがある。ADSの1つの機能は、流体を素早く獲得し、これを吸収性コアへと効率的な様式で分配することである。ADSは、一体層を形成するか、又は互いに取り付けることができる別個の層のままである、1つ、又は2つ以上の層を含み得る。一実施形態において、ADSは、吸収性コアとトップシートとの間に配置された2つの層:分配層54及び獲得層52を含み得るが、本開示はこの実施形態に制限されない。
【0096】
ADSはSAPを含んでもよく、これは流体の獲得及び分配を遅くすることがある。好適なADSは、例えば、国際特許公開第2000/59430号(Daley)、国際特許公開第95/10996号(Richards)、米国特許番号第5,700,254号(McDowall)及び国際特許公開第02/067809号(Graef)に記載される。
【0097】
分配層
ADSの分配層は、少なくとも50重量%の架橋セルロース繊維を含み得る。架橋セルロース繊維は、捲縮されても、撚り合わされても、若しくはカールされてもよく、又は捲縮される、撚り合わせられる、及びカールされることを含むそれらの組み合わせであってもよい。この種類の材料は、米国特許出願番号第2008/0312622 A1(Hundorf)に記載される。架橋セルロース繊維は、製品のパッケージ内の圧縮に対して、又は、例えば、乳幼児の重量下の使用状況下において、第1の吸収性層に対して、高い復元力、及びそれ故高い耐性を付与する。これにより、コアに、高い空隙容積、透過性、及び液体吸収作用が付与されるので、漏れが減り、乾燥状態が改善される。
【0098】
分配層に好適な代表的な化学的に架橋したセルロース繊維は、米国特許番号第5,549,791号、同第5,137,537号、国際特許公開第9534329号、又は米国特許出願番号第2007/118087に開示される。例示的な架橋剤は、クエン酸などのポリカルボン酸及び/又はアクリル酸及びマレイン酸共重合体などのポリアクリル酸を含む。
【0099】
本開示の架橋セルロース繊維を含む分配層は、他の繊維を含んでもよいが、この層は、層の少なくとも50重量%、又は60重量%、又は70重量%、又は80重量%、又は90重量%、又は更に最大100重量%の架橋セルロース繊維(架橋剤を含む)を好適に含み得る。かかる架橋セルロース繊維の混合層の例として、化学架橋セルロース繊維を約70重量%、ポリエステル(PET)繊維を約10重量%、及び未処理のパルプ繊維を約20重量%が挙げられる。他の例では、架橋セルロース繊維の層は、化学架橋セルロース繊維を約70重量%、リヨセル繊維を約20重量%、及びPET繊維を約10重量%含んでもよい。他の例では、層は、化学架橋セルロース繊維を約68重量%、未処理のパルプ繊維を約16重量%、及びPET繊維を約16重量%含んでもよい。他の例では、架橋セルロース繊維の層は、化学架橋セルロース繊維を約90〜100重量%含んでもよい。
【0100】
分配層54は、米国特許番号第5,137,537号に開示される手順に示されるように測定した際に、25〜60、又は30〜45の保水値を有する材料であり得る。
【0101】
分配層は典型的には、30〜400g/m又は100〜300g/mの平均坪量を有してもよい(特に、上記の範囲内の1.0g/m刻みの全ての値、及びそれらの内部に又はそれらにより形成されるいずれかの範囲)。分配層の密度は、物品の圧縮度により変化し得るが、0.03〜0.15g/cm又は0.08〜0.10g/cmであり得る(特に、2.07kPa(0.30psi)で測定した、上記の範囲内の1.0g/cm刻みの全ての値、及びそれらの内部に又はそれらにより形成されるいずれかの範囲)。
【0102】
獲得層
ADSは獲得層52を含み得る。獲得層は、分配層54とトップシート24との間に配置されてもよい。獲得層52は、不織布材料、例えば、スパンボンド、メルトブローン、及び更にスパンボンドされた層を含むSMS、又はSMMS材料、あるいはカーディングを施された化学接合された不織布であってもよく、又は含んでもよい。不織布材料は、ラテックス結合されていてもよい。代表的な上方獲得層52は、米国特許出願番号第7,786,341号に開示される。特に用いられる繊維が円形中実、又は円形中空PET短繊維(6デニール繊維と9デニール繊維との50/50又は40/60混合)である場合、カード加工された樹脂結合不織布を用いてもよい。例示的な結合剤は、ブタジエン/スチレンラテックスである。不織布は、これらが加工ライン外で製造され、材料のロールとして保存及び使用され得るという、利点を有する。
【0103】
獲得層52は、例えば、スチレンーブタジエンラテックス結合剤(SBラテックス)などラッテクス結合剤により安定化されてもよい。
【0104】
上記の第1獲得層に加えて、更なる獲得層が使用され得る。例えば、組織層は、第1獲得層と分配層との間に配置されてもよい。この組織は、上記の獲得層と比較してより高い毛管分配特性を有し得る。この組織及び第1獲得層は、同じ大きさであってもよく、又は異なる大きさであってもよい。例えば、組織層は、第1獲得層よりも、吸収性物品の後部へと更に延びていてもよい。親水性の例としては、Havixから供給される、セルロース繊維により作製される、13〜15gsmの高湿潤強度のセルロース繊維が挙げられる。
【0105】
締結システム
吸収性物品は締結システムを含み得る。締結システムは、テープ付きおむつにおいて典型的であるように、物品を着用者上に保持するために、吸収性物品の周辺部周囲に横方向の張力をもたらすために、使用されてもよい。この締結システムは、トレーニングパンツ物品においては、これらの物品の腰部領域が既に結合されているために必要ではない場合がある。締結システムは、テープタブ、フック・ループ締結構成要素、相互連結締結具(タブ及びスロット、バックル、ボタンスナップ、及び/又は雌雄型コネクタ締結構成要素)などの締結具を含み得るが、他の任意の好適な締結機構がまた、本開示の範囲内であり得る。ランディングゾーン44は通常、締結具が取り外し可能に取り付けられるように、前方腰部領域5の衣類に面する表面に設けられる。いくつかの代表的な表面締結システムが、米国特許番号第3,848,594号、同第4,662,875号、同第4,846,815号、同第4,894,060号、同第4,946,527号、同第5,151,092号、同第5,221,274号に開示される。代表的な相互連結が、米国特許番号第6,432,098号に開示される。締結システムはまた、Robertson et al.に発行された、米国特許番号第4,963,140号に開示される、使い捨て式の構成で物品を保持するための機構をもたらしてもよい。
【0106】
締結システムはまた、米国特許番号第5,242,436号、同第5,499,978号、同第5,507,736号、及び同第5,591,152号に開示されるように、重複部分のずれを低減するか、又はフィットを改善するために、米国特許番号第4,699,622号に開示される第1及び第2締結システムを含み得る。
【0107】
前方及び後方耳部
一実施形態において、吸収性物品は、前方耳部46、及び後方耳部40を含み得る。耳部は、例えばトップシート24及び/又はバックシート26などから、サイドパネルとして形成されるなど、シャーシの一体部分であってもよい。あるいは、図1に表されるように、耳部は、接着、熱エンボス加工及び/又は圧力結合により、取り付けられた別個の要素であってもよい。後方耳部40は、タブ42のランディングゾーン44への取り付けを促進し、テープ付きおむつを、着用者の腰部周囲の位置に維持するために伸縮性であり得る。後部耳部40はまた、弾性耳部がおむつの側部を伸縮させるために、まずおむつを着用者にぴったりとフィットさせ、続いておむつが排出物で充填されてからかなり後の着用期間中もこのフィットを維持することにより、より快適で体形に合ったフィットを提供するように、弾性又は延伸性であってもよい。
【0108】
弾性的腰縁部構造部
吸収性物品はまた、フィット及び収容性の改善をもたらすのに役立つ、少なくとも1つの弾性腰部機構(示されない)を含み得る。弾性腰部機構は、一般に、弾性的に伸縮して、着用者の腰部に動的に適合することが意図される。弾性腰部機構は、吸収性コア28の少なくとも1つの腰縁部から少なくとも長手方向外側に延びてもよく、一般的に吸収性物品の端縁部の少なくとも一部を形成する。使い捨ておむつは、2つの弾性縁部機構を有するように構成可能であるが、一方は、前方腰部領域に位置付けられ、他方は、後方腰部領域38に位置付けられる。弾性腰部機構は、米国特許番号第4,515,595号、同第4,710,189号、同第5,151,092号、及び同第5,221,274号に記載されるものを含む、多数の異なる構成で構成されてもよい。
【0109】
層間の関係
典型的には隣接する層及び構成要素は、層表面の全体又は一部へのスロットコーティング若しくは噴霧による接着剤コーティング、熱結合、圧力結合、又はその組み合わせなど、従来的な結合方法を使用して一緒に結合することができる。この結合は、明瞭性及び読みやすさのために図には示されないが(レッグカフ65の隆起要素とトップシート24との間の結合を除く)、物品の層の間の結合は、明示的に排除されない限り存在するものと考えるべきである。接着剤は、バックシート25とコアラップとの間の様々な層の接着を改善するために使用され得る。接着剤は、当該技術分野において既知のいずれかの好適なホットメルトであり得る。
【0110】
獲得層52が存在する場合、この獲得層は、長手方向及び/又は横方向寸法において、分配層54よりも大きいか、又は少なくとも同じぐらい大きいことが望ましい場合がある。したがって、分配層52は、獲得層上に堆積されてもよい。これは特に、獲得層が、ストック材料のロールから巻き出され得る不織布であるときに、取り扱いを単純化する。獲得層はまた、吸収性コアのコアラップの上側、又は物品の別の層上に直接堆積されてもよい。分配層よりも大きな獲得層52を有することにより、獲得層を、貯蔵コアに(より大きな面積で)直接接着することが可能となる。これは、パッチ一体性の改善、及びより良好な液体連通をもたらし得る。
【0111】
吸収性コア、及び特にその吸収性材料堆積領域8は、獲得分配システム(ADS)と同程度の大きさ及び長さであるか、少なくとも部分的により大きい、及び/又はより長い。これは、コア内の吸収性材料がADSよりも広範囲にわたり、流体をより効果的に保持し、乾燥の利点をもたらし得るためである。吸収性物品は、矩形のSAP層、及び非矩形の(成形された)ADSを有し得る。吸収性物品はまた、矩形の(非成形の)ADS、及びSAPの矩形の層を有し得る。
【0112】
生理用ナプキンの特徴
一実施形態において、図22を参照すると、吸収性物品は生理用ナプキン3010であってもよい。生理用ナプキン3010は、液体透過性トップシート3014、液体不透過性若しくは実質的に液体不透過性のバックシート3016、及び吸収性コア3018を含む場合がある。吸収性コア3018は、吸収性コア28に関して本明細書において記載される機構のいずれか、又は全てを有してもよく、いくつかの実施形態において、上記の獲得分配システムの変わりに二次トップシートを有してもよい。生理用ナプキン3010は、生理用ナプキン3010の長手方向軸線3080に関して外向きに延在する羽根3020も含んでもよい。生理用ナプキン3010はまた横方向軸3090を含んでもよい。羽根3020は、トップシート3014、バックシート3016、及び/又は吸収性コア3018に接合されていてもよい。生理用ナプキン3010はまた、前縁部3022、前縁部3022と長手方向反対側の後縁部3024、第1側縁部3026、及び第1側縁部3026と長手方向反対側の第2側縁部3028を有してもよい。長手方向軸3080は、前縁部3022の中点から、後縁部3024の中点まで延びてもよい。横方向軸3090は、第1側縁部3028の中点から、第2側縁部3028の中点まで延びてもよい。生理用ナプキン3010には、当該技術分野において既知の通り、生理用ナプキンに一般的に見出される追加の特徴も提供されてもよい。
【0113】
物品の作製方法
本開示の吸収性物品及び生理用ナプキンは、当該技術分野において既知の任意の好適な方法により作製され得る。特に、物品は、手作りであるか、又は高速で工業生産されてもよい。
【0114】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らない限り、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0115】
任意の相互参照又は関連特許若しくは関連出願を包含する本明細書に引用される全ての文献は、明確に除外ないしは別の方法で限定されない限り、その全てを本明細書中に参照により組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本明細書で開示若しくは請求される任意の実施形態に関する先行技術であること、又はそれが単独で若しくは任意の他の参照(単数又は複数)との任意の組み合わせで任意のこのような実施形態を教示、提案、若しくは開示することを認めるものではない。更に、本文書において、用語の任意の意味又は定義の範囲が、参考として組み込まれた文書中の同様の用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合には、本文書中で用語に割り当てられる意味又は定義に準拠するものとする。
【0116】
本開示の特定の実施形態が図示及び説明されたが、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行い得ることは、当業者には明白であろう。したがって、本開示の範囲内に属する全てのこのような変更及び修正を、添付された特許請求の範囲に網羅することが意図される。
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