(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
光変調器信号が黒と白との間で遷移するときに、PWM信号を複数の第1の更新期間に亘って段階的に増加させるステップをさらに含む、請求項3に記載のディスプレイ方法。
【発明を実施するための形態】
【0007】
画像処理技術に関連する可能な実施形態を本明細書で説明する。以下の説明において、本発明を完全に理解するための説明を目的として、多数の具体的な詳細を記載する。ただし、本発明をこれらの具体的な詳細を用いずに実行しえることは明らかであろう。別の事例では、本発明を不必要に妨害し、不明瞭にし、または分かりにくくすることを避けるために、周知の構造および装置を詳細には記載しない。
【0008】
このようなディスプレイの一部では、バックライトは空間光変調器の領域を照明するためのLEDなどの複数の発光素子を含む。このような発光素子またはこのような発光素子の群は別々に制御可能であってもよい。それによってバックライトが発する光度を空間光変調器上で所望の方法で変化させることができる。本明細書ではこのようなディスプレイを二重変調ディスプレイと称する。二重変調ディスプレイの一部の例は次の共有特許および特許出願に記載されている。(1)「ハイダイナミックレンジディスプレイ装置」という題名の米国特許第6891672号(「’672特許」という)、(2)「ハイダイナミックレンジディスプレイ装置」という題名の米国特許第7403332号(「’332特許」)、および(3)「二重変調ディスプレイ上の高速画像表現」という題名の米国特許出願公開第2008/0180466号(「’466出願」)。これらすべてはその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0009】
さらに、共有特許出願である(1)「省電力ディスプレイ」という題名の国際公開第/2011/011548号(「’548出願」)および(2)「光変調ディスプレイの2次元画像素子アレイの制御」という題名の国際公開第/2011/011446号(「’446出願」)の両方とも、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。これらの特許出願において、独立して制御可能なバックライトのアレイ(たとえば、LED、OLED、エレクトロルミネセントパネル(ELP)、CCFL、白熱灯、量子ドットおよび/またはその他の制御可能な発光体など)と、光変調器(たとえばLCDなど)とを備えるディスプレイシステムが記載されている。これらのディスプレイシステムは、通常用いられるその他のディスプレイシステムよりも明らかに良いダイナミックレンジ性能を有する。これは主に、(通常は実質的にリアルタイムで表現すべき画像データに依存して)バックライトを局所的な方法で別々に変調することと、光変調器と掛け合わせることを組み合わせた効果によるものである。
【0010】
これらのディスプレイシステムの一部の実施形態は、合理的に多くの発光体をバックライトに用いることもあるため、これらのシステムの全体的な消費電力は関心事項となる。具体的には、’446出願は、このような独自のディスプレイ構成の合計消費電力を低減するように意図されている複数の技術、システムおよび方法を記載する。様々なパルス幅変調(PWM)方式を適用することによって、’446出願の技術は全体的な消費電力を低減することに役立つ。PWMは通常は、バックライト上の発光体の輝度を制御することを含む。LEDなどの発光素子は、素子を流れる適切な定電流をオンおよびオフに切り替えることによって、100%の輝度のオン状態と0%の輝度のオフ状態との間で切り替えられてもよい。PWMは、繰り返し期間の一定の割合に亘って、各発光体をそのオン状態にパルスすることによって動作する。期間が十分に短い(たとえば1ミリ秒)場合は、人間の視覚系は発光体がオン状態とオフ状態との間を循環していることを検知しない。観察者は単に平均発光強度を認知する。平均発光強度は、装置がオン状態であるPWM期間の割合に比例する。この割合はPWM信号のデューティーサイクルと称される。たとえば、75%のデューティーサイクルでPWM信号によって駆動される発光体は各PWM期間の75%の間に亘ってオンとなり、観察者には最大の輝度の75%の輝度を有する光を安定して発しているかのように見える。(本明細書に記載する)これらのPWM方式に対するさらなる改良によって、全体的な消費電力がさらに大きく改善される。
【0011】
図1Aは本出願で用いる一般的なディスプレイシステム10を示す。システム10は光源コントローラ12と、光変調器コントローラ15とを備える。光変調器コントローラ15は、一実施形態では、タイミングおよび画像データ信号I1を入力してもよい。コントローラ12および15は光源14および光変調器17を通信経路13および16それぞれを介して制御する。光源14が発する光18は変調器17を照射し、経路19を通じて視聴者まで到達する。
【0012】
図1Bはディスプレイシステム20の一実施形態を(ある程度拡大した図で)示す。本実施形態では、
図1の基本的構造はパーティション化、セグメント化またはその他の方法でストライプ化されてもよい。ディスプレイシステム20はその光変調器27を(たとえば、セグメント28において図示するようにA、B、C、Dに、または任意のその他の方法で)セグメント化させてもよい。さらに、光源24も同様に、(たとえば、図示するようにセグメント26A、B、C、Dに、または任意のその他の方法で)セグメント化またはストライプ化されてもよい。各光源ストライプは発光体28のアレイを(たとえば20x4または、3列の16個のLEDなど任意のその他の列で)備えていてもよい。
【0013】
PWMの従来の一例として、
図2は、バックライト上の4つの発光体または発光体群を駆動するための4つのPWM駆動信号I1−I4を例示する。PWM信号I1−I4はそれぞれ期間Tと、Tの75%のオン時間、即ちデューティーサイクルを有する。すべての信号は互いに同相である。すべての信号はそれぞれ電流I
onによって時間t0で共に立ち上がり、時間t3で共に立ち下がる。電流I
onはオン状態の発光体を駆動するために必要な電流に相当する。PWM駆動信号I1−I4は例示しやすいように
図2と同一に示される。ただし、二重変調ディスプレイでは、各信号は特定のデューティーサイクルを有するように個別に制御可能であってもよい。このように、異なる発光体は異なる輝度レベルで動作してもよい。
図2に例示する一般的なPWMでは、PWMサイクル内で各発光体をオフにする時間を変更することによって、輝度レベルは制御される。つまり、デューティーサイクルは各PWMサイクルの開始時から計時される。
【0014】
図2の波形P
totalは、4つのPWM駆動信号I1−I4によって制御される発光体を駆動するために必要な総電力を表す。総電力、P
totalはこのような発光体のそれぞれが任意の時間に消費する電力の合計であり、P=IVで示される。この式において、Iは発光体を流れる駆動電流であり、Vはその時間の発光体の対応する電圧降下である。
図2に示すように、P
totalは時間t0で直ちに最大値であるP
maxまで跳ね上がる。たとえば、各PWM信号I1−I4がオン状態で電力(I
on)(V
on)を消費する発光体を駆動した場合、P
maxは4(I
on)(V
on)に等しくなる。P
totalはt0からt3までの期間、P
maxに留まり、その後、すべての発光体がオフ状態に切り替えられると、各PWMサイクルの最後の1/4でゼロに降下する。同様に、4つのLEDは4(I
on)の総電流を時間t0からt3まで流し、その後、ゼロの総電流を各サイクルの最後の1/4で流す。
【0015】
複数の発光体と共に用いるときのPWMの欠点は、発光体が各PWMサイクルの開始中に一定の時間、(任意のゼロではない輝度設定で)すべて同時にオンとなることである。その結果、ディスプレイの電源は、少なくとも短時間、すべての発光体を完全に駆動するための十分な電力を供給できなければならず、しかも、ディスプレイの効率的な輝度レベルにかかわらず、この電力をほとんど瞬間的に提供できなければならない。この要件によって、特に大量の発光体を有するバックライトのためにディスプレイの電源の費用がかさみ、複雑さが増す。一部のバックライトは何ダース、何百または何千もの個々の発光体を有することもある。この問題は特に、ディスプレイがたとえば、一部のハイダイナミックレンジ(HDR)ディスプレイの場合のように、非常に明るい画像を表示する能力を有する場合に重大となる。このようなディスプレイは、2000cd/m
2以上の局部光度を有する画像を表示することが可能であってもよい。このようなディスプレイでは、発光素子はオン状態でかなりの電力を消費する種類であり得る。
【0016】
一部の実施形態では、このような過渡電力要件は、バックライトの発光体を複数の群に分割し、異なる群の発光体のPWMサイクルの開始時間を時間的にずらすことによって、低減される。発光体は任意の便利な方法で群に分割することができる。
【0017】
図3は一実施形態によるPWM駆動信号I1’−I4’を例示する。本実施形態では、バックライトの発光体は4つの群に分割されている。各発光体の群はPWM信号I1’−I4’の一つによって制御される。
図2に示すように、各PWM信号は75%のデューティーサイクルを有し、それによって発光体は75%の効率的な輝度で動作する。ただし、
図2とは反対に、
図3のPWM信号I1’−I4’は互いに90度位相が異なる。図示するように、各群のPWMサイクルの開始点をずらすことによって、4つの発光体群が必要とする総電力P
total’は第1のPWMサイクル中の時刻t0、t1およびt2において段階的に最大値P
max’まで上昇する。総電力P
totalはその後、図示するように後続するPWMサイクルにおいて、最大値P
max’で一定に留まる。
【0018】
電力要件の差異が容易に分かるように、
図2の波形P
totalを点線で
図3のP
total’の上に示す。図から分かるように、各PWMサイクルの開始時に同時にスイッチをオンにするすべての発光体に関連するP
totalで繰り返される電力の急上昇は、P
total’では回避される。むしろ、P
total’は第1のPWMサイクルでレベルP
max’まで次第に上昇する。PWM信号が変化して後続する画像を表示するまでP
total’はレベルP
max’に留まる。電力の急上昇を回避し、または削減することに加え、発光体の開始時間をずらすことによって、任意のセットの駆動信号の最大電力要件を低減し得る。例示実施形態では、P
max’はP
maxよりΔP
maxだけ小さい。
【0019】
たとえば、簡略化するために各PWM信号I1’−I4’が、オン状態のときに電力(I
on)(V
on)を消費する発光体を駆動すると仮定すると、P
total’は時刻t0、t1およびt2において(I
on)(V
on)だけ段階的に増加し、3(I
on)(V
on)の最大P
max’に到達する。このように、最大電力P
max’は、PWM信号が
図2に例示する位相にあるときに必要となる4(I
on)(V
on)の最大電力P
maxの75%に等しい。
【0020】
このコンセプトを拡張して、PWM信号間で任意の適切な相対位相シフトを有する、任意の数の発光体群を有する実施形態を提供してもよい。たとえば、一部の実施形態では、発光体はN群に分割されるが、各群のPWM信号は互いに対して360/Nだけ位相シフトされる。バックライトの電力要件は複数の要因によって変動する。複数の要因には発光体の数、各発光体に印加されるデューティーサイクルおよびPWM信号の位相オフセットが含まれる。発光体のデューティーサイクル(したがって輝度)は前述のように独立して制御可能であってもよい。一部の実施形態では、PWM信号を位相シフトすることによって得られる有利点には、同じPWM信号が同位相で印加される場合よりも、総電力がより段階的に増加し、より均一に分散され、より低い最大値に維持されるという有利点が挙げられる。
【0021】
任意の画像のPWM信号は、画像が表示されている限り、変化せずに繰り返されてもよい。新規の画像が表示されると、PWM駆動信号を更新して、新規の画像の画像データを反映してもよい。各新規の画像の第1のPWMサイクル中に、総電力はゼロから、更新されたPWM信号によって決定される最大値まで上昇する必要があり得る。前述したように、この初期立ち上がり時間を、PWM信号の群を互いに位相不一致となるように構成することによって延長してもよい。同じ画像の後続するPWMサイクル中に、総電力は、(
図3に例示するように)この最大値で一定であるか、あるいは第1のPWMサイクルの初期立ち上がりに対してある程度変動してもよい。
【0022】
映像画像では、画像データおよび対応するPWM駆動信号を各映像フレームの始めに更新してもよい。複数のPWMサイクルが単一の映像フレーム内で発生するように、PWM期間は映像フレーム期間よりはるかに短くてもよい。たとえば、一部の実施形態では、映像フレーム期間は3から16.7ミリ秒の範囲内である一方、PWM期間は0.1から2ミリ秒の範囲内である。フレーム期間およびPWM期間を表す波形例を
図4Aに例示する。波形50はTフレームの期間を有する映像フレームサイクル例を表す。波形52は期間Tを有するPWMサイクル例を表す。この非限定例では、波形50の各フレームサイクルは波形52の12個のPWMサイクルを含有する。
【0023】
別の実施形態によると、画像更新後の第1のPWMサイクルの期間は、同じ画像の後続するPWMサイクル期間に対して時間的に延長される。画像は映像フレームであっても、静止画像であってもよい。電力変動またはサージは第1のPWMサイクル中に最大となる傾向があるため(
図3に例示するゼロから最大値までの電力上昇のように)、第1のPWMサイクルを長くすることによって、この初期電力立ち上がりが生じる時間を長くすることができ、したがって、電源に対する電力サージの要求を低減することができる。画像更新後の第1のPWMサイクルのみを延長する(それでもフレーム期間より短く設定する)場合は、発光体輝度には何も目に見える効果はないはずである。更新後の第1のPWMサイクル期間は、たとえば、2ミリ秒まで時間的に延長されてもよい。
【0024】
図4Aの波形54は波形52と類似しているが、各フレームサイクルの第1のPWMサイクルが期間T1を有することが異なる。期間T1は、本発明の実施形態によるフレームサイクル内の後続するPWMサイクルの期間T2より長い。期間T1は期間T2より長い任意の適切な長さとしてもよい。一部の実施形態では、期間T1は期間T2の整数倍である。一部の実施形態では、T1/T2の割合は、たとえば1.5から10の範囲内である。実施形態では、非限定例として、期間T1は期間T2の2倍である(T2は波形52の期間Tと等しい)。
【0025】
図4Bは、
図3に例示する位相シフトと、
図4Aに例示するPWMサイクルの延長を組み合わせた実施形態を示す。
図4Bでは、信号I1”−I4”の第1のPWMサイクルの期間は後続するPWMサイクルの2倍の長さである。その他の点では、
図4BのPWM信号I1”−I4”は
図3に示すI1’−I4’と同じである。図から分かるように、総電力P
total”は第1のPWMサイクルの時刻t0、t2およびt4においてゼロから最大値P
max”(
図3のP
max’と等しい)まで上昇する。初期電力立ち上がり時間はしたがって
図3の実施形態と比べて2倍である。
【0026】
前述したようにバックライトの電力変動の増加率、規模および頻度を低減することによって、同様にバックライトに電力を供給するために必要な電源の複雑さと費用を低減してもよい。たとえば、サージ容量、負荷レギュレーションおよび過渡応答などの電源の様々なパラメータは、PWM信号が
図3および4で例示するようにオフセットされる場合に軽減されてもよい。サージ容量は電源が任意の期間に亘って任意のデューティーサイクルで供給可能な最大電流の基準である。電源のサージ容量は、平均出力電力容量よりもかなり大きいこともある。負荷レギュレーションは出力負荷の変動に応じて定出力電圧を維持するための電源の能力の基準である。過渡応答は、出力負荷が変化した後に、出力電圧を安定させるための時間の基準である。電源が必要とする出力電流の変動を抑えれば、本発明の実施形態によるバックライトによって、電源は適度なサージ容量、負荷レギュレーション、および過渡応答のうちの少なくとも一つを持てる。また、バックライトに供給されるサージ電流を低減することによって、複雑なサージ保護回路を用いずに電源を用いることが可能になる。
【0027】
さらに、
図3および4で例示されるように、PWM信号がオフセットされる場合は電源の効率および信頼性は増加することもある。比較的一定の電流を提供するように操作される場合には電源はより効率的になりやすく、全負荷と軽負荷との間で変動する場合には効率的ではなくなることが多い。同様に、電源からの電流が全負荷と軽負荷との間で変動しない場合には、電源の電子部品にはストレスがあまりかからず、寿命が長くなりやすい。
【0028】
図5Aはバックライト60の一部を例示する。バックライト60は本発明の実施形態による発光体64の複数のタイル62を備える。発光体64はたとえばLEDであってもよい。一部の実施形態では、バックライト60はタイル62の2次元のアレイを備え、各タイルは発光体64の2次元の構成を備える。一部の実施形態では、各タイル62は、LEDまたはその他の発光体のアレイを含むプリント基板(PCB)を備える。
【0029】
バックライト60を組み込むディスプレイはまた、入力画像データ70による輝度信号68を生成するコントローラ66も備えていてもよい。輝度信号68は、一つまたは複数の発光体64に関して所望の輝度レベルを表すアナログまたはデジタル信号であってもよい。バックライト60はまた、輝度信号68をPWM駆動信号74に変換するための一つまたは複数のPWMコントローラ72も備えていてもよい。PWMコントローラ72は、発光体64の輝度を直接制御してもよい。一部の実施形態では、バックライト60は複数のPWMコントローラ72を備え、それぞれがLEDなどの複数の発光体64を制御する。一部の実施形態では、各タイル62は、そのタイル上の発光体64を制御する一つまたは複数のPWMコントローラ72を備える。たとえば、タイル62は、PCB内に組み込まれ、PCB上の発光体64を制御するPWMコントローラ72を有するPCBを備える。コントローラ66およびPWMコントローラ72は個別の物理デバイスであってもよく、同じ物理デバイス内で結合されていてもよい。
【0030】
PWM駆動信号74は、任意の期間、デューティーサイクルおよび位相オフセットを有する一連のサイクルを備える波形であってもよい。PWM駆動信号74は、発光体64を流れる定電流をオンおよびオフに変えるために動作してもよい。一部の実施形態では、一つのタイルのPWM駆動信号74は(たとえば
図3に例示するように)別のタイルのPWM駆動信号74に対して位相シフトされる。一部の実施形態では、表示される画像の第1のPWMサイクルの期間は(たとえば
図4Bに例示するように)同じ画像の後続するPWMサイクルの期間より長い。
【0031】
例示実施形態では、PWMコントローラ72は複数のPWM駆動信号74を出力する。各PWM駆動信号74は個々のタイル62を制御する。一部の実施形態では、タイル62上のすべての発光体64は、そのタイルのために生成される共通のPWM駆動信号74によって制御される。その他の実施形態では、各発光体64のPWM駆動信号74のデューティーサイクルは一つまたは複数のPWMコントローラ72によって独立して制御可能である。
【0032】
一部の実施形態では、コントローラチップまたは回路は複数の発光体を個別に制御する。一部の実施形態では、PWMコントローラチップまたは回路は、発光体のために生成されるPWM信号の開始時間が互いにずれるように構成される。このようなPWMコントローラチップまたは回路を用いて構成されるバックライトでは、異なる発光体群がオンになる時間は自動的にずれる。
【0033】
バックライト60はまた、バックライト上の発光体64に電力を供給するための電源76を備える。電源76は所望の範囲の発光体64の輝度を生成するために必要な特定の電力要件を満たすように構成されてもよい。このような電力要件は、たとえば負荷レギュレーション、過渡応答およびサージ容量のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。PWM信号の群の開始時間が
図3または4に例示するようにずれる場合には、発光体64のすべてが同時に100%の輝度にオンされるわけではなく、このようにして電力要件は前述したように低減され得る。特に、一部の実施形態では、電源76のサージ容量は、すべての発光体64が同時にオンになる場合に必要となるサージ容量より少なくなる。電源76のサージ容量の減少の割合は、同じ位相オフセットを有するPWM信号によって駆動される発光体の数の減少の割合に比例していてもよい。一部の実施形態では、電源76の最大サージ容量は、すべての発光体64が同時にオンになる場合に必要となるサージ容量の半分である。
【0034】
同様に、一部の実施形態では、電源76は、すべての発光体64が同時にオンにされた場合に発光体64が必要とする総突入電流よりも小さい最大出力サージ電流(アウトラッシュ電流)を出力可能である。たとえば、バックライト60がN個の発光体を備え、各発光体がオンになるときに突入電流I
rushを必要とする場合には、電源76は必要な平均電流を供給可能である一方、N(I
rush)未満の最大アウトラッシュ電流を有していてもよい。一部の実施形態では、電源76は0.75(N)(I
rush)未満の最大アウトラッシュ電流を有する。一部の実施形態では、電源76は0.5(N)(I
rush)未満の最大アウトラッシュ電流を有する。
【0035】
電源76は、バックライト60の所望の平均輝度を維持するのに十分な連続出力電流を提供する容量を有するように構成されてもよい。一部の実施形態では、電源76は最大平均光度をバックライト60全体で生成可能である。この最大平均光度はバックライト60の一部上で生成することができる局所光度より小さい。たとえば、電源76は、バックライト60の一部上に、2000cd/m
2以上の局所光度を生成することが可能である一方、バックライト60全体では400cd/m
2の最大平均光度を生成可能である。
【0036】
’548出願では、本発明の実施形態による画像を表示するために、PWM信号を生成して、バックライト上の発光体群を駆動する方法(’548出願の
図6のラベル付き方法100)を記載する。この方法は、たとえばバックライト用の一つまたは複数のコントローラにおいて具体化されてもよい。
【0037】
方法100のブロック102は、ディスプレイのバックライト上のすべての発光体の輝度値を表示すべき画像データに基づいて決定することを含む。この方法で、発光体を複数の群に分ける。輝度値は独立して各個別の発光体または各個別の群に対して決定されてもよく、それによってバックライトが発する光度および空間光変調器の入射を空間光変調器に対して所望の方法で変化させることができる。輝度値はたとえば、電子アナログまたはデジタル信号で表されてもよい。
【0038】
方法100のブロック104で、PWMデューティーサイクルは各群の発光体に対してブロック102で決定した輝度値に基づいて決定される。デューティーサイクルは、たとえば、所望の輝度レベルを生成するために発光体がオン状態である各PWM期間の割合または比率として表されてもよい。
【0039】
方法100のブロック106で、ブロック104で決定されたデューティーサイクルと、各群に対する所定の位相オフセットとを有するPWM駆動信号が生成され、各発光体に印加される。各群に適用される位相オフセットはそれぞれ異なり、それによってPWMサイクルの異なる群の開始時間(
図3に例示)はずれる。たとえば、各群の位相オフセットは360/Nの単位で適用されてもよい(Nは群の数)。
【0040】
ブロック108で、各PWMサイクルの期間は、画像の第1のPWMサイクルが任意の画像の後続するPWMサイクルの期間(
図4Bに図示)より長くなるように設定される。たとえば、第1のPWMサイクルは後続するPWMサイクルの2倍にされてもよい。第1のサイクルを延長する一つの利点は、発光体が得る電力および電流に必要な立ち上がり時間を延長することである。
【0041】
PWMサイクルが隣接するオン時間部分の後に隣接するオフ時間部分を常に備えている必要はない。任意のデューティーサイクルに対して、オン時間およびオフ時間のパターンは、サイクル内のオン時間とオフ時間の全体的な比率が維持される限り、変化させてもよい。たとえば、サイクル内のオン時間とオフ時間の順序は逆になってもよい。それによって発光体はサイクルの第1の部分はオフとなり、サイクルの残りの部分はオンとなる。この事例では、異なる輝度レベルを有する発光体は、同じPWMサイクル内の異なる時間においてオンとなってもよい(サイクル終了時に同時にオフになってもよい)。本出願の
図6は4つの波形80A−80Dを例示し、それぞれ25%、50%、75%および100%のデューティーサイクルと、期間Tとを有するPWM信号を表す。図中、各期間のオン時間はオフ時間の後に続く。
図6に例示するように、結果として得られる総電力波形82は各サイクルの開始時に最大値まで瞬間的に上がるのではなく、各サイクル中に最大値84まで段階的に上がる。
【0042】
別の例として、オン時間はPWMサイクル内の中心とされてもよく、それによって異なる電力レベルが異なる時間に立ち上がりかつ立ち下がる。オン時間およびオフ時間は、サイクル内のオフ時間に対するオン時間の全体的な割合が同じである限り、任意のその他の選択した様式でPWMサイクル内に散在されてもよい。輝度レベルの個別の数がディスプレイの発光体に対して画定される(たとえばnが輝度を画定する複数のビットであるとき、2
nの輝度レベル)場合、各サイクルは、発光体がオンまたはオフに設定されてもよいセグメント数(たとえば2
nセグメント)に分割されてもよい。各輝度レベルはPWMサイクル内のオン/オフセグメントの特定のパターンに対応してもよい。異なる発光体の群は、各輝度レベルに対して異なる組のオン/オフパターンを用いてもよい。それによって群が同じ輝度レベルに設定される場合であっても、群間のオン時間はずれる。総電力要件は、したがって、PWMサイクル全体により均等に分散されてもよい。
【0043】
PWMサイクル内のオン時間およびオフ時間の分散の変化は、前述したように、PWM信号の群の位相オフセットの変化と組み合わせてもよい。たとえば、共通の位相オフセットを有する群内の個々の発光体の開始時間は、各PWMサイクルの終了時から測定デューティーサイクルだけずれる。各新規の画像の第1のサイクル期間が初期値のPWM期間より長くされる場合は、必要な初期立ち上がり時間も対応して延長される。
【0044】
図5Bは別の実施形態によるバックライト120を例示する。本実施形態では、複数のPWMコントローラ122A−122D(まとめてPWMコントローラ122という)はそれぞれ個別のクロック信号124A−124D(まとめてクロック信号124という)によって制御される。PWMコントローラ122はそれぞれ一つまたは複数の発光体126の群125に対しPWM駆動信号123を生成する。クロック信号124は共通の期間Tを有するが、互いに位相シフトされる。それによってPWMコントローラ122によって生成されるPWMサイクルの開始時間はずれる。クロック信号124は共通の光源クロックの出力を異なる長さだけ位相シフトすることによって生成されてもよい。たとえば、4つのPWMコントローラを例示する例では、クロック信号124Aは0だけ位相シフトされてもよく、クロック信号124Bは90だけ位相シフトされてもよく、クロック信号124Cは180だけ位相シフトされてもよく、クロック信号124Dは270だけ位相シフトされてもよい。別の実施形態では、一つまたは複数のPWMコントローラに対するクロック信号は、一つまたは複数のその他のPWMコントローラに対するクロック信号に対して反転される。
【0045】
一部の実施形態では、各クロック信号124は、表示画像の第1のPWMサイクルに用いられる第1のクロック信号と、同じ画像の後続するPWMサイクルに用いられる第2のクロック信号との間で切り替えられてもよい。第1のクロック信号は対応する第2のクロック信号よりも長い期間(たとえばTに比べて2Tの期間)を有していてもよいが、同じ位相オフセットを有する。したがって、第1のクロック信号を用いて、各表示画像の第1のPWMサイクルの期間を、同じ画像の後続するPWMサイクルの期間に対して延長してもよい。代替的な実施形態では、クロック信号の周波数を変化させ、それによって第1のPWMサイクルの期間を後続するPWMサイクルの期間より長くしてもよい。
【0046】
改良位相関係
ここで、位相関係およびディスプレイシステムの別の実施形態を説明する。本明細書で記載する一部の実施形態は以下のような影響を与えることがある。(1)瞬間的な電力需要の低減、(2)PWMドライバおよびコントローラのうちの少なくとも一方のビット深度の増加にともなうバックライト精度の増加、(3)バックライトと表現される画像とのより良い適合(4)バックライトブランキングを所望の回数にて提供することによる、より良いテキスト可読性を提供することができる。
【0047】
このような位相関係を備えるディスプレイシステムの一実施形態を特定の基準仕様と共にここで説明する。本明細書に記載する仕様は代表的なものであり、本出願の範囲を限定するものではないことが理解されよう。
【0048】
一実施形態では、システムは単一のフレームを取り、単一のフレームを複数のPWMサイクルに分割する。これらのPWMサイクルは、個別に制御されてもよく、PWM期間ごとにリロードすることができる。それによって、システムは、そのフレームに対して与えられた単一のビット深度のPWM値をリロードすることができる。システムは次に、PWMサイクルをさらに最適化して、位相内の開始時間を分散してもよい。この制御は、PWM期間を位相に分割し、そのPWM期間の値をその位相に分散することによって作用し得る。このようなシステムは、それほど瞬間的な電力を必要としないこともある。なぜなら、低い値のPWM LEDが後の位相で停止する際に、別のLEDがオンし初めてもよいためである。これによって、LED PWMのオン状態の重複を効率的に分散することができ、したがって、同時に、電源の寿命が長くなり、電源の要件が緩和される。
【0049】
PWMコントローラが比較的速いフレームレート(たとえば、3.6Khz)で動作し、このPWMフレームレートを、光変調器(たとえば60−120hz)を操作する映像フレームと比較してもよいので、任意の映像フレーム内で約60PWMフレームを有することが可能である。さらに、12ビットPWMコントローラを用いると、4096段階を任意のデューティーサイクルに用いることが可能となる。
【0050】
LEDを利用する駆動システムでPWMの最大ピーク電流負荷を低減するために、位相コンセプトを設定して、常にオンになっていてもよいLEDの数の制限を設定してもよい。一例として、この数はシステム内のLEDの総数の分数として画定してもよい。たとえば、システムがn個の位相に対して設計されている場合には、N/n個以下のLEDが常にオンであってもよい(NはLEDの総数)。本事例では、位相の重複はない。このように、一実施形態では、ディスプレイシステムのバックライトをストライプ化して、全体的な電力需要を節約してもよい。
図7はディスプレイシステムの一例であり、バックライトはストライプ化されている(図示するようにストライプ0、1、2、および3)。これらのストライプは、図示するようにオン−オフ状態をずらして、ディスプレイシステムの瞬間的な電力需要を低減してもよい。
【0051】
常にオンであるLEDの数が制限されている場合に、ピーク電流制限を超えて、重複してもよい追加の位相を加えることによって、さらに改良が可能である。各LEDのPWMサイクルの開始をずらすことによって、電流負荷衝撃は(前述の
図3に示すように)時間と共に広がり、したがってdi/dtが減少する。これをピーク電流制限コンセプトと組み合わせることによって、ピーク電流制限の利点を得ることができ、電力サブシステムに対するdi/dt衝撃負荷を低減することができる。これは単にピーク電流制限の規則を維持するだけで実現される。この規則はN/n個以下のLEDが常にオンであってもよいこと、つまり少なくともn個の位相があり得るということを意味する。ここで、2つのコンセプトを組み合わせ、位相を重複可能であるが、N/n個以下のLEDが常にオンとなってもよいことによって、位相が重複しないという規則を修正すると、di/dtとピーク電流の制限が可能となる。
【0052】
別の実施形態では、LEDがPWMサイクルの開始時点から一時的なオフセットでオンとなり、LEDがPWMサイクルの境界を超えない場合に、システムはPWM制限、PWM(最大)=100%−PWM(オフセット)を設計しえる。代替的な方法として、オフセットによる任意の重複をPWMサイクルの開始時に移動することが可能であってもよい。たとえば、LEDの一時的なPWMオフセットがPWMサイクルで25%であり、PWM値が80%である場合に、LEDのオン時間を次の2つの部分に分けることができる。(1)PWMサイクルの0%オフセットからの5%オン時間、(2)25%オフセットからの75%オン時間。
【0053】
拡張ビット深度
本システムの一実施形態は、低ビット深度PWM LEDドライバコントローラを取り、かつ映像フレームごとのビット深度を増加させる設計を備える。この設計によって、そのフレーム中に発光される光をより制御可能となる。現在、一部の市販のドライバは12ビットPWM制御のみを用いる。これらの市販のドライバに関する一つの問題は、LEDを低い輝度で制御するほど、LEDは色の混合を制御することに問題を生じるようになることである。その理由は、十分な制御が下端部にないためである。ただし、人間の視覚系はこの低レベルでは光に敏感である。
【0054】
一例として、非常に薄い青に調整される非常に低い輝度の白色光を作ることを所望する場合であり、PWM制御を1のPWM値まで落とすことが可能である場合に、赤および緑をPWM=0として、青色LEDをPWM=1でオンにすることが可能であるとしたら、システムはこの低レベルで青のみを得て、白を得ないだろう。また、システムはR,G,Bの3色すべてに対してPWM=1を有していてもよいが、システムはこのレベルでこれらの3色が提示するあらゆる混合を表現しなければならない。
【0055】
このように、一実施形態では、システムは、比率を満たす一方でPWM=0になることがないような最低の輝度を判断してもよい。つまり、赤がPWM=1以下になり、緑および青が白の混合を保つために高い値である場合には、このような設定によって、システムのバックライトの最低輝度レベルを画定することができる。このように、低レベルでより良く制御することが可能となり、その結果、システムは、より良い黒およびより正確なグレースケールトラッキングを表現することが可能となる。
【0056】
特定のPWMフレームレートが映像フレームレートより大きい場合は、これらのレートを適合させることによって、PWM制御のビット深度を増加することが可能となる。たとえば、一実施形態では、
図8に示すように、12ビットPWMコントローラは、2ビットだけ延長した効率的なビット深度を有し、効率的な14ビットコントローラになってもよい。拡張ビット((0,0)、(0,1)、(1,0)および(1,1))を一つのストライプに用いて、図示するように追加のオン状態を加えてもよい。本例では、追加のオン状態を段階値4096で示すが、デューティーサイクル内のその他の段階値を想定し、輝度の異なる効率的なレベルを想定してもよいことが理解されるであろう。
図9は、拡張ビットがストライプ方式でどのようにして最初に戻される(wrapped around)のかを示す。たとえば、
図9はストライプ1が拡張ビットを用いてどのように駆動されるのかを示し、拡張ビット(1,1)は、所望の結果を提供するために、最初に戻された状態(wrapped)で示されている。
【0057】
一実施形態では、より多くのビットを得るためにドライバサイクルを複数回繰り返すことによって、PWMビットを増加させる能力を用いて、R,G,Bがより多くのビットを持つことが可能である。それによって、システムははるかに低い黒レベルを持つことができる。これが可能となるのは、黒は、すべてのRGB値がすべてゼロであることによって表されなくてもよいためである。この理由は、白となるためのRGB混合比率は1,1,1ではなく、1,3,5であるので、次のレベルアップが光において大きなジャンプであるからである。そのため、拡張ビットPWM方式では、任意のLEDの1の表示は低ビットPWM方式の1の表示よりもはるかに薄暗い。このように、低輝度の白色光の追加のレベル、または真に近くより黒い黒レベルは、ディスプレイシステムがこれらの拡張ビットPWM方式を用いて制御されるときに、表現されてもよい。
【0058】
画質改善
改良位相方式では、LCD応答時間をLED位相方式に適合させることによって、画質を改善することが可能である。
【0059】
一実施形態では、特に、(
図1Bに示すように)バックライトのストライプが空間的にLCDセグメントに適合する場合には、バックライトをロールしてセグメント内のLCDのタイミングを適合させることが可能となる。これは、LCDフレームのセグメントが同時に更新できない場合に可能であるが、代わりに、フレームをオフセットで更新してもよい。このように、LED画像は同じセグメント内でLCDと適合してもよい。たとえば、LED画像は同じセグメント内で、たとえば、上から下へ4から8セグメントのLCDとして更新してもよい。
【0060】
さらに、任意の応答時間を用いて、各LEDストライプを有利に消灯する(たとえばオフにする)ことが可能である。一実施形態では、LEDストライプは、フレームのほんのわずかの時間で消灯され、LCDの更新中の時間での視聴を避けることができる。この方式によって、LCDの不鮮明さを大幅に回避しえる。
【0061】
一実施形態では、PWMコントローラ(第1の更新期間を備える)は映像フレームにおいて何回も更新することができるため、このPWM更新を、有利にはLCD応答時間(第1の応答期間)と適合させることができる。たとえば、LCDが黒から白に、一つのフレームから別のフレームに切り替わるとき、いくらか時間がかかり、わずかな時間ではあるがフレームのかなりの時間をとることもある。このわずかな時間をLEDドライバのPWMサイクルと適合させてもよい。たとえば、ディスプレイがLCD値0から255まで(たとえば完全にオフから完全にオンまで)移行するとき、フレーム内のPWMは、4095、4095、4095、4095、4095、4095と単に繰り返し表示するのではなく、0、64、256、512、2048、4095、4095、4095と進んでもよい。このように、複数の更新期間に亘ってPWM信号は段階的に増加する。
【0062】
細かな明るい特徴
その他の実施形態では、ディスプレイシステムの最大輝度を異なるように画定してもよい。実際に、最大輝度は(1)全画面の最大輝度および(2)細かな明るい特徴の最大輝度の複数の方法で画定してもよい。第1の例では、最大輝度はLEDのPWMが100%で完全に開放したLCDとして確定しえる。このような事例では、一つの位相のみが必要であり、di/dtの改良がここでも実現されてもよいように、駆動電流を設定することが可能である。
【0063】
ただし、細かな明るい特徴(Small Bright Featurs:SBF)のコンセプトを持つディスプレイシステムの効率的なダイナミックレンジを改良することが可能である。SBFは画像内に時折発生することがあり、ヘッドルームがディスプレイシステム内に設計されてLEDダイナミックレンジを増加している場合に、付随して起きることがある。画像データがバッファに読み込まれるときに、SBFを画像フレームバッファ内で検出してもよい。このようなバッファは
図1Aの光源コントローラ12および光変調器コントローラ15のうちの少なくとも一方において影響を受けてもよい。このようなバッファは、従来技術で既知のように、その他のディスプレイシステムの画像パイプラインのその他の部分において実装されてもよい。
【0064】
図10は、LEDバックライトの一実施形態に現れるSBFの発生を描く。図示するように、LEDバックライトはさらに、複数のパーティションのうちの一つに割り当てられてもよい。たとえば、
図10のLEDはI、II、III、およびIVの4つのパーティションのうちの一つに割り当てられてもよい。本事例では、パーティションは実際にバックライト自体の区域の物理的パーティションであってもよい。ただし、多くのその他のパーティションも可能であり、本出願の範囲に含まれることが理解されよう。ただし、たとえばその他の実施形態では、実質的に任意の2つの隣接するLEDを異なるパーティションに割り当てることも可能である。
【0065】
SBFはLEDの任意の群によって画定され、時には位相の規則を無視して、100%のPWMサイクルでオンされ得る。たとえば、夜間の爆発には、たとえば、画面の総区域の20%の明るい小区域を備える主に暗い画面が必要となってもよい。最大総電流制限を超えない限り、爆発を背後から照らすために必要なLEDは位相制限によって設定される規則の例外となりえる。
【0066】
図11は、それにしたがってSBFを対処しえる2つの例を示す。上部のタイミング図は、ある任意のSBFに対して、パーティションIIのLEDがそのサイクルの約15%照明されてもよいことを示す。その下の3つの図は、50%のサイクルを産出するためにパーティションIIおよびIIIのLEDがどのように照明され、75%のサイクルを産出するためにパーティションII、III、およびIVのLEDがどのように照明され、90%のサイクルを産出するために部分的なパーティションIのLEDがパーティションII、III、およびIVのLEDと組み合わせられてどのように照明されるかを例示する。別の照明パターンももちろんこの方式を用いて可能である。
【0067】
この例外を可能とするために、システムは任意のシーンに対する予測電力をモニタしてもよく、それにともなって、所望のPWM値の100%を許容するか、またはシステムピーク電流およびdi/dt制限のうちの少なくとも一方を満たすために、所望のPWM値を縮小することによって、SBFを許容(または部分的に許容)してもよい。
【0068】
以上、本発明の一つまたは複数の実施形態の詳細な説明を、本発明の原則を例示する添付図と合わせて説明してきた。本発明をこのような実施形態に関連して説明してきたが、本発明は任意の実施形態に限定されないことを理解されたい。本発明の範囲は請求項のみによって限定され、本発明は多数の代替、修正および同等物を内包する。本発明を完全に理解するために、多数の具体的な詳細を本明細書に記載してきた。これらの詳細は例として提示したものであり、本発明はこれらの具体的な詳細の一部またはすべてを用いずに、請求項にしたがって実施されてもよい。明確さを期すために、本発明が不必要にあいまいにならないように、本発明に関する技術分野で既知の技術事項については詳細には記載していない。