(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記カプセル化有益剤の香料が、Quadrant I、II、IIIの香料原材料及びこれらの混合物からなる群から選択される香料原材料を含み、Quadrant Iの香料原材料が、250℃未満の沸点及び3未満のClogPを有し、Quadrant IIの香料原材料が、250℃超過の沸点及び3未満のClogPを有し、Quadrant IIIの香料原材料が、250℃未満の沸点及び3超過のClogPを有する、請求項1又は2に記載の消費者製品の製造方法。
a.前記香料が、Quadrant I、II、IIIの香料原材料及びこれらの混合物からなる群から選択される香料原材料を含み、Quadrant Iの香料原材料が、250℃未満の沸点及び3未満のClogPを有し、Quadrant IIの香料原材料が、250℃超過の沸点及び3未満のClogPを有し、Quadrant IIIの香料原材料が、250℃未満の沸点及び3超過のClogPを有し、
b.前記1つ以上の加工助剤が、水、凝集阻害物質、汚れ懸濁ポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択され、並びに
c.前記1つ以上のキャリアが、水、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール、鉱油、香料原材料、シリコーンオイル、炭化水素パラフィン油、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の消費者製品の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0006】
定義
本明細書で用いる「消費者製品」は、販売される形態での使用又は消費を意図し、後続する商業的製造又は変性を意図しない、ベビーケア、ビューティケア、衣類及びホームケア、ファミリーケア、フェミニンケア、ヘルスケア、スナック、並びに/又は飲料製品若しくは装置を意味する。このような製品としては、限定するものではないが、おむつ、よだれかけ、拭き取り用品;脱色、着色、染色、コンディショニング、洗髪、スタイリングが挙げられる、毛髪(ヒト、イヌ、及び/又はネコ)を取り扱うための製品及び/又は毛髪の取扱に関する方法;防臭剤及び制汗剤;パーソナルクレンジング;化粧品;クリーム適用、ローション適用、及び他の、消費者が使用するために局所的に適用される製品、が挙げられる、スキンケア用品;並びに剃毛製品、布地、硬質表面、並びに:エアケア、自動車の手入れ、皿洗い、布地コンディショニング(柔軟化が挙げられる)、洗濯洗浄、洗濯及びすすぎ添加剤及び/又はケア剤、硬質表面洗浄及び/又はトリートメント、消費者用又は業務用の他の洗浄法、が挙げられる、布地及びホームケア分野における任意の他の表面を処理するのに関する、製品及び/又は方法;トイレットペーパー、化粧紙、紙ハンカチ、及び/又は紙タオルに関する製品及び/又は方法;タンポン、女性用ナプキン;練り歯磨き、歯用ジェル、歯用リンス、義歯接着剤、歯ホワイトニングが挙げられる、口腔ケアに関する製品及び/又は方法;咳及び風邪治療薬、鎮痛剤、処方薬、ペットヘルスと栄養、及び水精製が挙げられる、店頭販売のヘルスケア;主として慣習的な食事間用又は食事随伴物としての消費が意図される加工食品(非限定的な実施例としては、ポテトチップス、トルティーヤチップス、ポップコーン、プレッツェル、コーンチップス、シリアルバー、野菜チップス又はクリスプ、スナックミックス、パーティミックス、マルチグレインチップス、スナッククラッカー、チーズスナック、ポークラインズ、コーンスナック、ペレットスナック、押出成形スナック及びベーグルチップが挙げられる);並びにコーヒーが挙げられる。
【0007】
本明細書で用いる用語「洗浄組成物」は、特に指示がない限り、顆粒又は粉末状の多目的すなわち「強力」洗浄剤、特にクリーニング洗剤、液体、ゲル又はペースト状の多目的洗浄剤、特にいわゆる強力液体型、液体高級衣類用洗剤、手洗い用食器洗い洗剤又は軽質食器洗い用洗剤、特に泡立ちのよいもの、家庭用又は業務用の各種錠剤、顆粒、液体、及びリンスエイド型などの食器洗い機用洗剤、抗菌手洗い用洗剤、手洗い石鹸、マウスウォッシュ、入れ歯洗浄剤、歯磨剤、自動車又はカーペット用シャンプー、トイレクリーナーなどの液状の洗浄殺菌剤、ヘアシャンプー、及びヘアリンス、シャワー用ジェル、発泡入浴剤、及び金属洗浄剤、並びに漂白添加剤、及び「ステインスティック」などのクリーニング補助剤、又はドライヤー付与シート、乾燥及び湿潤型拭取り布、パッドなどの前処理型基材付与製品、不織基材、及びスポンジ、並びにスプレー剤及びミスト剤を含む。
【0008】
本明細書で使用するとき、用語「布地ケア組成物」は、他に指示がない限り、布地柔軟化組成物、布地向上組成物、布地フレッシュニング組成物及びこれらの組合せを含む。
【0009】
本発明で使用する場合、用語「有益剤送達粒子」は、香料マイクロカプセルを含むマイクロカプセルを包含する。
【0010】
本発明で使用する場合、用語「粒子」、「有益剤送達粒子」、「カプセル」及び「マイクロカプセル」は同義である。
【0011】
本明細書で使用するとき、「a」及び「an」を包含する冠詞は、特許請求の範囲で使用されるときには、請求又は記載されるものの1つ以上を意味するものと理解される。
【0012】
本明細書で使用するとき、「包含する(include)」、「包含する(includes)」及び「包含している(including)」という言葉は、限定されないことを意味する。
【0013】
本出願人らの発明のパラメータの各値を求めるためには、本出願の試験方法の項で開示する試験方法を用いるべきである。
【0014】
特に記載のない限り、成分又は組成物の濃度は全て、当該成分又は組成物の活性部分に関するものであり、かかる成分又は組成物の市販の供給源に存在し得る不純物、例えば残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0015】
百分率及び比率は全て、特に指示しない限り、重量で計算される。百分率及び比率は全て、特に指示しない限り、組成物全体を基準にして計算される。
【0016】
本明細書全体にわたって記載されるあらゆる最大数値限定は、それより小さいあらゆる数値限定を、そのような小さい数値限定が本明細書に明示的に記載されたものとして包含すると理解されるべきである。本明細書全体を通じて記載される最小数値限定は、それより大きいあらゆる数値限定を、そのような大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書全体を通じて記載される数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入るそれよりも狭いあらゆる数値範囲を、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明確に記載されているかのように含む。
【0017】
有益剤送達組成物
通常、封入プロセスでは、2つ以上の単量体材料を、有益剤をコートする1つ以上の巨大分子へと変換する。封入プロセス時に望ましくない副産物が形成される場合がある。例えば、アミノ樹脂の縮合反応はホルムアルデヒドを生成し得る。このような望ましくない副産物を取り除くための試みとしては、ケミカルスカベンジャーの使用が挙げられる。驚くべきことに、出願者らは、前述の化学的手段によって残留副産物を管理する場合でさえ、このような副産物を低減させるには限界があり、副産物濃度は経時的に増加する場合があるということを発見した。このような観測結果に基づき、出願者らはカプセル化有益剤と、主に前述の巨大分子を含む外殻粒子とを生成する封入プロセスを発見した。手短に言えば、このような外殻粒子は本質的には有益剤を欠いているものの、副産物のリザーバとして機能する。したがって、このような外殻粒子が取り除かれると、劇的に低濃度の副産物が得られ、かつ維持されるように、副産物濃度を管理することができる。
【0018】
したがって出願者らは、有益剤送達組成物の総重量に基づいて、
a.)約2重量%〜約95重量%、約20重量%〜約75重量%、約30重量%〜約70重量%、又は更には約30重量%〜約65重量%のカプセル化有益剤であって、かかるカプセル化有益剤が、所望により、有益剤送達組成物の総重量に基づいて、約1重量%〜約85重量%、約8重量%〜約80重量%、約12重量%〜約75重量%、約15重量%〜約65重量%、約20重量%〜約60重量%、又は更には約25重量%〜約55重量%の有益剤を提供するのに十分な量の有益剤を含む、カプセル化有益剤と、
b.)約1重量%〜約30重量%未満、約1重量%〜約20重量%未満、約2重量%〜約20重量%未満、約5重量%〜約20重量%未満、約5重量%〜約15重量%未満、又は更には約5重量%〜約12重量%未満の外殻粒子と、
c.)加工助剤及び/又はキャリアになる、かかる有益剤送達組成物の残部と、を含み得る、有益剤送達組成物を開示する。
【0019】
前述の有益剤送達組成物の1つの態様において、かかるカプセル化有益剤は、香料、光沢剤、防虫剤、シリコーン、ワックス、芳香剤、ビタミン、布地柔軟化剤、パラフィンが挙げられるスキンケア剤、酵素、抗菌剤、漂白剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される有益剤を含んでもよい。
【0020】
前述の有益剤送達組成物の1つの態様において、かかる外殻粒子はアミノ樹脂、例えば、メラミン及び/又は尿素樹脂を含み得る。
【0021】
前述の有益剤送達組成物の1つの態様において、かかる香料は、Quadrant I、II、IIIの香料原材料及びこれらの混合物からなる群から選択される香料原材料を含む。
【0022】
前述の有益剤送達組成物の1つの態様において、かかる1つ以上の加工助剤は、水、二価の塩などの凝集阻害物質、汚れ懸濁ポリマー及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0023】
前述の有益剤送達組成物の1つの態様において、かかる1つ以上のキャリアは、限定するものではないが水、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロールが挙げられる極性溶媒;限定するものではないが鉱油、香料原材料、シリコーンオイル、炭化水素パラフィン油及びこれらの混合物が挙げられる非極性溶媒、からなる群から選択され得る。
【0024】
前述の有益剤送達組成物の1つの態様において、
a.かかる香料は、Quadrant I、II、IIIの香料原材料及びこれらの混合物からなる群から選択される香料原材料を含み得、
b.かかる1つ以上の加工助剤は、水、二価の塩などの凝集阻害物質、汚れ懸濁ポリマー及びこれらの混合物からなる群から選択され得、
c.かかる1つ以上のキャリアは、水、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール;鉱油、香料原材料、シリコーンオイル、炭化水素パラフィン油及びこれらの混合物などの非極性溶媒、からなる群から選択され得る。
【0025】
1つの態様において、出願者らは、本明細書に開示される任意のプロセスにより製造される有益剤送達組成物を開示する。
【0026】
有益剤送達組成物の製造プロセス
1つの態様において、出願者らは、1つ以上のカプセル化有益剤と、0.9%超の、2.0%超の、5%超の、10%超の又は更には10%〜約40%超の外殻粒子とを含む有益剤送達組成物を、かかる有益剤送達組成物中のかかる外殻粒子のパーセンテージを、少なくとも20%、少なくとも50%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99.9%又は更には約99.9%〜約99.999%低減させるのに十分な時間にわたって、濾過、溶媒交換、フラッシュ蒸発、デカンテーション、フローテーション分離、噴霧乾燥、反応吸着、反応吸収、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される操作にかけることを含み得る、プロセスを開示する。
【0027】
前述のプロセスの1つの態様において、かかる遠心分離は、以下のプロセス:
a.)かかる有益剤送達組成物に対して、重力の約100〜約20,000、約200〜約10,000、約300〜約5,000、約500〜約4,000、約1000〜約3000倍の遠心力を印加することを含み得る、バッチ遠心分離であって、他の態様では、かかる有益剤送達組成物に対して、重力の約100〜約20,000、約200〜約10,000、約300〜約9,000、約500〜約8,000、約2,000〜約7,000倍の遠心力を印加することを含み得る、バッチ遠心分離と、
b.)以下のプロセスパラメータ:かかる有益剤送達組成物に対しての、重力の約100〜約20,000、約200〜約10,000、約300〜約5,000、約500〜約4,000、約1,000〜約3,000倍の遠心力;約0.1〜約2000センチポアズ、約1〜500センチポアズ、約10〜100センチポアズの取り込み流体粘度;1秒当たり約0.2〜約5メートル、1秒当たり約0.5〜約5メートル、1秒当たり約1〜約4メートル、又は更には1秒当たり約2〜約3メートルの有益剤送達組成物の取り込み速度;約68.9kPa(10psig)〜約827.4kPa(120psig)、約137.9kPa(20psig)〜約551.6kPa(80psig)、約275.8kPa(40psig)〜約413.7kPa(60psig)の有益剤送達組成物の取り込み圧;及び/又は約20.7〜約344.7kPa(約3〜約50psig)、約34.5〜約275.8kPa(約5〜約40psig)、約68.9〜約206.8kPa(約10〜約30psig)又は更には約68.9〜約137.9kPa(約10〜約20psig)の、入口から出口にわたる連続遠心分離中の圧力低下;約0.5〜90%、約1〜50%、約5〜40%及び約10〜35%の有益剤送達組成物の固体濃度;の少なくとも1つを有し得る連続遠心分離であって、1つの態様においては、かかる有益剤送達組成物に対してのかかる遠心力が重力の約100〜約20,000、約200〜約10,000、約300〜約9,000、約500〜約8,000、約2,000〜約7,000倍であり得る、連続遠心分離と、
c.)これらの組み合わせと、からなる群から選択されるプロセスを含み得る。
【0028】
前述のプロセスの1つの態様においては、かかる連続プロセスパラメータは、以下のパラメータを含み得る:
a.)かかる有益剤送達組成物に対して、重力の約100〜約20,000、約200〜約10,000、約300〜約5,000、約500〜約4,000、約1,000〜約3,000倍の遠心力;他の態様では、かかる有益剤送達組成物に対して、重力の約100〜約20,000、約200〜約10,000、約300〜約9,000、約500〜約8,000、約2,000〜約7,000倍の遠心力、
b.)約0.1〜約2000センチポアズ、約1〜500センチポアズ、約10〜100センチポアズの取り込み流体粘度、
c.)1秒当たり約0.2〜約5メートル、1秒当たり約0.5〜約5メートル、1秒当たり約1〜約4メートル、又は更には1秒当たり約2〜約3メートルの有益剤送達組成物の取り込み速度、
d.)約68.9kPa〜約827.4kPa(約10psig〜約120psig)、約137.9kPa〜約551.6kPa(約20psig〜約80psig)、約275.8〜約413.7kPa(約40psig〜約60psig)の有益剤送達組成物の取り込み圧、
e.)約20.7〜約344.7kPa(約3〜約50psig)、約34.5〜約275.8kPa(約5〜約40psig)、約68.9〜約206.8kPa(約10〜約30psig)、又は更には約68.9〜約137.9kPa(約10〜約20psig)の、入口から出口にわたる、連続遠心分離中の圧力低下。
【0029】
前述のプロセスの1つの態様においては、かかるプロセスは、バッチ濾過、連続濾過及びこれらの組み合わせからなる群から選択される濾過プロセスを含み得、かかるプロセスは、少なくとも1つの以下のプロセスパラメータを含み得る:
a.)約10kDa〜約30マイクロメートル、約300kDa〜約20マイクロメートル、約0.15マイクロメートル〜約18マイクロメートル、約5〜約15マイクロメートルの中央孔径を有する濾材をまたぐ圧力差、
b.)約34.5kPa(5psig)〜約689.5kPa(100psig)、約68.9kPa(10psig)〜約551.6kPa(80psig)、約137.9kPa(20psig)〜約413.7kPa(60psig)、又は更には約206.8kPa(30psig)〜約344.7kPa(50psig)の濾材をまたぐ圧力差、
c.)約1.1kg/分/m
2(0.1kg/分/ft
2)〜約555.5kg/分/m
2(50kg/分/ft
2)、約5.5kg/分/m
2(0.5kg/分/ft
2)〜約333.3kg/分/m
2(30kg/分/ft
2)、約11.1kg/分/m
2(1.0kg/分/ft
2)〜約222.2kg/分/m
2(20kg/分/ft
2)、約16.7kg/分/m
2(1.5kg/分/ft
2)〜約111.1kg/分/m
2(10kg/分/ft
2)、又は更には約22.2kg/分/m
2(2kg/分/ft
2)〜約55.6kg/分/m
2(5kg/分/ft
2)の透過除去速度(permeate removal rate)。
【0030】
前述のプロセスの1つの態様においては、かかるプロセスは、以下のプロセスパラメータを含み得る:
a.)約10kDa〜約30マイクロメートル、約300kDa〜約20マイクロメートル、約0.15マイクロメートル〜約18マイクロメートル、約5〜約15マイクロメートルの中央孔径を有する濾材をまたぐ圧力差、
b.)約34.5kPa(5psig)〜約689.5kPa(100psig)、約68.9kPa(10psig)〜約551.6kPa(80psig)、約137.9kPa(20psig)〜約413.7kPa(60psig)、又は更には約206.8kPa(30psig)〜約344.7kPa(50psig)の濾材をまたぐ圧力差、及び
c.)約1.1kg/分/m
2(0.1kg/分/ft
2)〜約555.5kg/分/m
2(50kg/分/ft
2)、約5.5kg/分/m
2(0.5kg/分/ft
2)〜約333.3kg/分/m
2(30kg/分/ft
2)、約11.1kg/分/m
2(1.0kg/分/ft
2)〜約222.2kg/分/m
2(20kg/分/ft
2)、約16.7kg/分/m
2(1.5kg/分/ft
2)〜約111.1kg/分/m
2(10kg/分/ft
2)、又は更には約22.2kg/分/m
2(2kg/分/ft
2)〜約55.6kg/分/m
2(5kg/分/ft
2)の透過除去速度(permeate removal rate)。
【0031】
前述のプロセスの1つの態様において、かかるプロセスはかかる有益剤送達組成物の乾燥を含み得、かかる乾燥は、かかる有益剤送達組成物を噴霧して、約2マイクロメートル〜約200マイクロメートル、約10マイクロメートル〜約150マイクロメートル、約15マイクロメートル〜約100マイクロメートル、約20マイクロメートル〜約100マイクロメートル、約30マイクロメートル〜約80マイクロメートル、約50マイクロメートル〜約70マイクロメートルの液滴直径を有する有益剤送達組成物滴を形成することを含み得、かかる液滴は少なくとも1つの入口及び少なくとも1つの出口を有する噴霧ユニット中に噴霧され、かかる入口の少なくとも1つは約100℃〜約280℃、約150℃〜約230℃、約180℃〜210℃、又は更には約190℃〜約200℃の吸気温度を有し、かかる出口の少なくとも1つは約50℃〜約130℃、約70℃〜約120℃、約90℃〜約110℃、又は更には約95℃〜約105℃の排気温度を有する。
【0032】
前述のプロセスの1つの態様において、かかるプロセスは、吸着及び/又は吸収を含み得、有益剤送達組成物を、約20℃〜約110℃、約30℃〜約90℃、約40℃〜約80℃、約50℃〜約80℃、約60℃〜約80℃の有益剤送達組成物温度で、約5分〜約500分、約10分〜約400分、約15分〜約300分、約20分〜約200分、約30分〜約120分、約30分〜約60分にわたって吸着及び/又は吸収媒体と接触させ、次いでかかる吸着及び/又は吸収媒体とかかる有益剤送達物とを分離することを含み得る。
【0033】
前述のプロセスの1つの態様において、かかるプロセスは、フローテーション及び/又はデカンテーションを含み得、有益剤送達組成物は2つ以上の有益剤送達組成物成分へと分離され、かかる成分の1つ目はかかる外殻粒子の大部分を含み、成分の2つ目はかかるカプセル化有益剤の大部分を含み、かかるカプセル化有益剤の大部分を含むかかる2つ目の成分は、かかる有益剤送達成分の残部から分離され得る。1つの態様において、相分離は、塩(例えば塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、及び同様物など)を添加することで水相の密度を調整することにより促進される。1つの態様において、相分離は、有益剤送達組成物の温度を上昇させることにより促進される。
1つの態様において、相分離は、更に水相を添加して有益剤送達組成物の希釈をもたらすことにより促進される。本発明のこれらの態様の任意の1つ又は組み合わせにおいて、かかる有益剤送達組成物は、約0.5時間〜約96時間、約1時間〜約72時間、約3時間〜約48時間、約5時間〜約24時間、約8時間〜約20時間、約10時間〜約16時間、又は更には約12時間〜約16時間にわたる時間で分離される。
【0034】
出願者らはまた、脱溶媒和プロセスによる汚染物質の除去も含むことができる物理的なプロセスも開示し、一般的に、かかるプロセスは(1)混和性の又は不混和性の溶媒を有益剤送達組成物に添加して、溶媒相中の汚染物質の濃度を最大化させる工程、(2)高濃度の汚染物質を含有している溶媒相を除去する工程、並びに(3)所望により、有益剤送達組成物に1つ以上の追加のプロセスを経過させるための手段として、又は別の方法としては、汲み出し可能及び操作可能であるように、非常に濃縮された有益剤送達組成物の特性を改善するための手段として、溶媒を含まない有益剤送達組成物のケーキを再構成する工程、を含む。これらの工程を含むプロセスの例としては、限定するものではないが、遠心分離、濾過、溶媒交換、フラッシュ蒸発、デカンテーション、フローテーション分離、噴霧乾燥、反応吸着、反応吸収、電気泳動による分離、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0035】
1つの態様において、バッチ又は連続遠心分離は、有益剤送達組成物を精製するために使用される。バッチプロセスにおいて、有益剤送達組成物は遠心分離容器に充填され、相分離を達成するのに十分な重力が印加される。重力の倍数で遠心加速度を記載する、遠心力測定値は、次の等式:w
2r/g、つまり、角速度(1秒当たりのラジアン)の2乗に、遠心分離機の中央から遠心管の端部(センチメートルでの、液体層の外側表面)までの距離を乗じ、これを重力(1秒当たり981センチメートル、毎秒)により除することにより算出される。有益剤送達組成物に印加される遠心力は、重力の100〜20,000、200〜10,000、300〜5,000、500〜4,000、1,000〜3,000倍である。他の態様では、有益剤送達組成物に印加される遠心力は、重力の100〜20,000、200〜10,000、300〜9,000、500〜8,000、2,000〜7,000倍であり得る。連続プロセスにおいて、有益剤送達組成物は、有益剤送達組成物に遠心力をかける装置中に汲み出され得る。通常、このようなプロセスは、高速の取り込み速度及び高い取り込み圧、並びに装置内の流体の円運動を含むことで、外側壁への高密度の物質の移動、及び中央へのより低密度の物質の移動をもたらす。装置には流体のための2つの出口点がある。ハイドロサイクロンについて言えば、中央にある低密度の流体が、装置の中央へと延びるチューブを介して除去され、この流れの流速は流れの出口での圧力低下により統制される。より高密度の流体は装置の底で除去され、この流れの流速は、流れの出口での圧力により統制される。
【0036】
ディスクスタック遠心分離について言えば、機械は一体化ディスクスタックを備える、垂直の回転ボウルから構成される。ディスクスタックは、この狭い間隔又はコーキングにより分離された切頭円錐形ディスク一式を含有する。供給物は、入口スピンドルを通して非破壊的な方法で、回転ボウルへと最大でディスクスタックのボトム側まで導入される。
次いで誘導リブを使用して、スラリーをボウルの回転速度に加速させる。ディスクスタックの狭い流路で分離が生じる。遠心力により、より重い固体が外側へと飛ばされ、これらの固体は、ひとたびディスクの下面に達すると、ディスク表面に沿って滑り落ちる。最後には、固体はボウルの最も外側の位置へと飛ばされ、沈降物保持空間中に収集され始める。収集された固体は、ボウルの頂部出口を通って圧力下で連続的に除去される。より軽いと分類される液体は遠心管の中央へと移動し、最終的にはボウルの頂部へと移動し、同様に圧力下で排出される。両方の流れの流速は、遠心管にわたる圧力低下により統制される。より高密度の流体にわたる圧力低下を操作することで、固形分%と、より低密度の液体の粘度とを制御して、連続的な分離操作を達成できる。
【0037】
有益剤送達組成物の取り込み速度(有益剤送達組成物の体積流量を流管の断面積で除することで決定される)は、1秒当たり0.2〜5メートル、1秒当たり0.5〜5メートル、1秒当たり1〜4メートル、又は1秒当たり2〜3メートルであり得る。ハイドロサイクロン又はディスクスタック遠心管に対する取り込み圧は68.9kPa(10psig)〜827.4kPa(120psig)、137.9kPa(20psig)〜551.6kPa(80psig)、275.8(40psig)〜413.7kPa(60psig)であり得る。ハイドロサイクロンのボトムは大気圧へと曝露され、この出口は高密度粒子とバルク相を収集する。サイクロン頂部での排出圧を制御することで、高密度バルク流体と、所望される有益剤送達粒子由来の粒子との適切な程度の分離を達成することができる。ディスクスタック遠心分離では、低密度流体相が大気圧で収集される一方で、より高密度の流体相における圧力が操作されて所望の相分離が達成される。優先的に、遠心管の入口と出口との間には、少なくとも圧力差が存在し、例えばハイドロサイクロンでは20.7〜344.7kPa(3〜50psig)、34.5〜275.8kPa(5〜40psig)、68.9〜206.8kPa(10〜30psig)、68.9〜137.9kPa(10〜20psig)の圧力差が存在する。濃縮された有益剤送達組成物の連続希釈は、第2の連続遠心分離サイクルの前に行うことができる。複数サイクルが、有益剤送達組成物の精製の改善をもたらす。所望により、有益剤送達組成物に易搭載性、易操作性をもたらすために、最後の遠心分離サイクルの後で、有益剤送達組成物を追加の加工材料で希釈することができる。このような加工材料としては、限定するものではないが、有益剤送達組成物分散化剤及び懸濁化剤が挙げられる。このような加工装置は、Alfa−Lavel(Warminster,PA,USA)、Andritz Bird(Walpole,MA,USA)、Anhydro Inc.(Olympia Fields,IL,USA)、Contec Centrifuges(San Leandro,CA,USA)、Barrett Centrifugals(Worcester,MA,USA)、Ferrum(Houston,TX,USA)、KMPT
USA Inc(Florence,KY,USA)から入手可能である。
【0038】
1つの態様において、有益剤送達組成物は濾過プロセスによって精製される。所望により材料の流動性を調節するために希釈された有益剤送達組成物が、圧力濾過ユニット中に充填される。圧力濾過ユニットは膜を具備し、有益剤送達組成物はそれを通って濾過される。このような膜は織布又は不織布材であり得る。織ポリプロピレン、ポリスチレンが、織布材の例である。スパンボンドメルトブローンポリプロピレン、又はスパンボンドメルトブローンポリスチレンが不織布材の例である。膜の中央孔径は、10kDa〜30マイクロメートル、300kDa〜20マイクロメートル、0.15マイクロメートル〜18マイクロメートル、5〜15マイクロメートルで変化し得る。プレ充填された有益剤送達組成物のヘッドスペースは、次いで空気により34.5kPa(5psig)〜689.5kPa(100psig)、68.9kPa(10psig)〜551.6kPa(80psig)、137.9kPa(20psig)〜413.7kPa(60psig)、206.8kPa(30psig)〜344.7kPa(50psig)の圧力に加圧される。有益剤送達組成物からの、溶媒相の除去速度は監視される。この速度は、次いでフィルタ面積(有益剤送達組成物が通って濾過される総面積であり、すなわち濾過のために積層される膜表面の面積)により除される。溶媒相は、1.1kg/分/m
2(0.1kg/分/ft2〜555.5kg/分/m
2(50kg/分/ft2)、5.5kg/分/m
2〜333.3kg/分/m
2(0.5〜30kg/分/ft2)、11.1〜222.2kg/分/m
2(1.0〜20kg/分/ft2)、16.7kg/分/m
2〜111.1kg/分/m
2(1.5〜10kg/分/ft2)、22.2kg/分/m
2〜55.6kg/分/m
2(2〜5kg/分/ft2)の透過速度で除去される。このようなプロセス装置は、Precision Filtration Products(Pennsburg,PA,USA)、Vacudyne,Inc.(Chicago Heights,IL,USA)、Strainrite Companies(Auburn,ME,USA)、Fil−Trek Corporation(Cambridge,Ontario,Canada)、Oberlin Filter Co.(Waukesha,WI,USA)から入手可能である。
【0039】
1つの態様において、有益剤送達組成物は連続濾過プロセスによって精製される。所望により有益剤送達組成物は希釈され、交差流濾過セルを通して連続的に汲み出される。有益剤送達組成物の溶媒相部分は、透過するにつれて膜により除去される。濾過セルは精密濾過膜又は限外濾過膜を含む。膜の中央孔径は、10kDa〜30マイクロメートル、300kDa〜20マイクロメートル、0.15マイクロメートル〜18マイクロメートル、5〜15マイクロメートルで変化し得る。経膜圧(膜弾性率から透過圧力を引く前及び引いた後の圧力の算術平均)は、有益剤送達組成物の流速についての関数であり、透過流速が最大になる圧力を決定することにより最適化することができる。経膜圧は34.5kPa(5psig)〜150psig、68.9kPa(10psig)〜689.5kPa(100psig)、137.9kPa(20psig)〜551.6kPa(80psig)、206.8kPa〜344.7kPa(30psig〜50psig)であり得る。有益剤送達組成物からの、溶媒相の除去率は監視される。この率は次いで総フィルタ面積により除される。溶媒相は、1.1kg/分/m
2(0.1kg/分/ft2)〜555.5kg/分/m
2(50kg/分/ft2)、5.5kg/分/m
2〜333.3kg/分/m
2(0.5〜30kg/分/ft2)、11.1kg/分/m
2〜222.2kg/分/m
2(1.0〜20kg/分/ft2)、16.7kg/分/m
2〜111.1kg/分/m
2(1.5〜10kg/分/ft2)、22.2kg/分/m
2〜55.6kg/分/m
2(2〜5kg/分/ft2)の透過速度で除去される。このようなプロセス装置は、Pall Corporation(East Hills,NY,USA)、GEA Filtration(Hudson,WI,USA)、及びMillipore Corporation(Kankakee,IL,USA)から入手可能である。
【0040】
1つの態様において、有益剤送達組成物は噴霧乾燥プロセスによって精製される。有益剤送達組成物は、物質の望ましい流動性を達成するために、所望により希釈される。次いで組成物は遠心ノズル、圧力ノズル、2流体ノズル、又はこれらの組み合わせにより、乾燥チャンバ中に噴霧される。チャンバを通る空気流は並流又は逆流であり、好ましくは100℃〜280℃、150〜230℃、180〜210℃、190〜200℃の入口温度下で並流である。有益剤送達組成物は、2マイクロメートル〜200マイクロメートル、10マイクロメートル〜150マイクロメートル、15マイクロメートル〜100マイクロメートル、20マイクロメートル〜100マイクロメートル、30マイクロメートル〜80マイクロメートル、50マイクロメートル〜70マイクロメートルの液滴直径に噴霧される。乾燥粒子は、50〜130℃、70〜120℃、90〜110℃、95〜105℃の排気温度で、サイクロンを介して噴霧乾燥チャンバから収集される。このようなプロセス装置は、GEA Niro Inc.(Columbia,MD,USA)、American Custom Drying(Burlington,NJ,USA)、Spray−Tek Inc.(Middlesex,New Jersey,USA)から入手可能である。
【0041】
1つの態様において、有益剤送達組成物はデカンテーションプロセスによって精製される。有益剤送達組成物はバットに配置され、経時処理される。所望により、相分離速度を増加させるために有益剤送達組成物に空気を貫流させる。有益剤送達組成物は0.5時間〜96時間、1時間〜72時間、3時間〜48時間、5時間〜24時間、8時間〜20時間、10時間〜16時間、又は更には12時間〜16時間にわたって経時処理される。相分離した有益剤送達粒子は、バット中の有益剤送達組成物の頂部からすくい取られる。このようなプロセス装置は、Alfa−Lavel Separation(Warminster,PA,USA)、Braodbent(Fort Worth,TX,USA)、Centrisys Corporation(Kenosha,WI,USA)、Contec Centrifuges(San Leandro,CA,USA)、Flottweg(Vilsbiburg,Germany)、Decanter Machine(Johnson City,TN,USA)、Jenkins Centrifuge(North Kansas City,MO,USA)、Pennwalt India(Searing Town,NY,USA)から入手可能である。
【0042】
1つの態様において、有益剤送達組成物は、電気泳動による分離によって精製される。
有益剤送達組成物は所望により希釈され、アノードプレートとカソードプレートを備える容器に配置される。1つの態様において、アノードは容器の末端部付近に位置づけられる。カソードは頂部付近に位置づけられる。電位が印加される。外殻粒子は、外殻粒子の極性に応じて、対応する電極へと移動する。尿素ホルムアルデヒドカプセル粒子については、カソードへと移動するのが見られた。
【0043】
一般的にカソードは、分極した電気装置の外側に電流が流れる電極であり、カソードでは還元が発生している。正に帯電しているカチオンはカソードに向かって移動する傾向があり、その場所では酸化が生じる。アノードはアニオンを誘引する傾向がある。カチオン性帯電粒子はカソードへと移動する傾向がある。
【0044】
電気泳動による分離のために、乾燥セルを備えるものなどの電極間に、又は他の電圧供給源間に電位が印加される。
【0045】
例えば、10%固形分で、あるカプセルスラリーを、銅アノードプレートとカソードプレートを用いながらビーカー中に配置することができる。6ボルトのランタン電池(lantern battery)を用いることで、6ボルトの電荷がプレートにわたって印加される。ほんの20分ほどでカプセルがカソードに移動するのが見られる。
【0046】
代替的な態様においては、電気泳動による分離は単独で、あるいは遠心分離、濾過、溶媒交換、フラッシュ蒸発、デカンテーション、フローテーション分離、噴霧乾燥、反応吸収、反応吸着、及びこれらの組み合わせの任意のプロセスと組み合わせて使用できる。
【0047】
カプセルスラリーは60を超えるゼータ電位を有することが判明しており、したがって一般的に安定なエマルションである。十分な電荷の電場又は磁場を印加することにより、コロイド粒子を凝固又は一方の電極に凝集させることができる。
【0048】
電気泳動による分離は、バッチプロセス又は連続プロセスで適用することができる。
【0049】
カプセル化
好適なカプセル化は本明細書に記載の技術によりなすことができ、あるいはFirmenich(Geneva,Switzerland)、Givaudan(Argenteuil,France)、IFF(Hazlet,New Jersey USA)、BASF(Ludwigshafen,Germany)、Cognis(Monheim,Germany)、Syngenta(Germany)、Ciba(Basel,Switzerland)、Rhodia Chimie(Lyon,France)、Appleton Papers(Appleton,Wisconsin,USA)、Aveka(Minneapolis,Minnesota,USA)、R.T.Dodge(Dayton,Ohio,USA)から購入され得る。有用なカプセル体の壁材料には、ポリエチレン、ポリアミド、ポリスチレン、ポリイソプレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリオレフィン、多糖、エポキシ樹脂、ビニルポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料が挙げられる。1つの態様において、有用な壁材料は、送達効果を得られるように、コア材料に対して、及びカプセル化有益剤が採用される環境中の物質に対して十分に不透過性である材料を包含する。好適な不透過性壁材料としては、1つ以上のアミンと1つ以上のアルデヒドとの反応生成物、例えば、ホルムアルデヒド又はグルテルアルデヒド(gluteraldehyde)と架橋した尿素、ホルムアルデヒドと架橋したメラミン、任意にグルテルアルデヒド(gluteraldehyde)と架橋したゼラチン−ポリリン酸塩コアセルベート、ゼラチン−アラビアゴムコアセルベート、架橋シリコーン流体、ポリイソシアネートと反応したポリアミン、並びにこれらの混合物からなる群から選択される材料が挙げられる。1つの態様では、壁材料は、ホルムアルデヒドで架橋されたメラミンを含む。
【0050】
カプセル化有益剤のコアは、香料原材料、シリコーンオイル、ワックス、炭化水素、高級脂肪酸、芳香油、脂質、皮膚冷却剤、ビタミン、日焼け止め剤、酸化防止剤、グリセリン、触媒、漂白剤粒子、二酸化ケイ素粒子、悪臭軽減剤、臭気抑制物質、キレート化剤、帯電防止剤、柔軟化剤、昆虫類及び蛾類忌避剤、着色剤、酸化防止剤、キレート剤、増粘剤、ドレープ及び形状制御剤、スムージング剤、しわ制御剤、浄化剤、殺菌剤、細菌抑制剤、カビ制御剤、白カビ制御剤、抗ウイルス剤、乾燥剤、染み防止剤、汚れ遊離剤、布地リフレッシュ剤及び洗い立て感維持剤、塩素漂白臭気抑制剤、染料固定剤、移染防止剤、色保全剤、蛍光増白剤、色回復/再生剤、退色防止剤、白色度増強剤、抗摩擦剤、耐摩耗剤、布地保全剤、磨耗防止剤、けば立ち防止剤、消泡剤及び起泡防止剤、布地及び皮膚用紫外線保護剤、太陽光劣化阻害剤、抗アレルギー剤、酵素、防水加工剤、布地調整剤、防縮剤、伸び防止剤、伸び回復剤、スキンケア剤、グリセリン、並びに天然活性物質(例えば、アロエベラ、ビタミンE、シアバター、ココアバターなど)、増白剤、抗菌活性物質、制汗活性物質、カチオン性ポリマー、並びにこれらの混合物を含み得る。1つの態様では、かかる香料原材料は、アルコール、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、ニトリル、アルケンからなる群から選択される。1つの態様において、コア材料は香料を含んでもよい。1つの態様において、香料は、アルコール、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、ニトリル、アルケン、及びこれらの混合物からなる群から選択される香料原材料を含んでもよい。1つの態様では、香料は、約250℃未満の沸点(B.P.)及び約3未満のClogPを有する香料原材料、約250℃超過のB.P.及び約3超過のClogPを有する香料原材料、約250℃超過のB.P.及び約3未満のClogPを有する香料原材料、約250℃未満のB.P.及び約3超過のClogPを有する香料原材料、並びにこれらの混合物からなる群から選択される香料原材料を含んでもよい。約250℃未満の沸点B.P.及び約3未満のClogPを有する香料原材料はQuadrant
Iの香料原材料として知られ、約250℃超過のB.P.及び約3超過のClogPを有する香料原材料はQuadrant IVの香料原材料として知られ、約250℃超過のB.P.及び約3未満のClogPを有する香料原材料はQuadrant IIの香料原材料として知られ、約250℃未満のB.P.及び約3超過のClogPを有する香料原材料はQuadrant IIIの香料原材料として知られる。1つの態様では、香料は、約250℃未満のB.P.を有する香料原材料を含む。1つの態様において、香料は、Quadrant I、II、IIIの香料原材料及びこれらの混合物からなる群から選択される香料原材料を含んでもよい。1つの態様では、かかる香料は、Quadrant IIIの原料香料を含む。好適なQuadrant I、II、III及びIV香料原材料は、米国特許第6,869,923(B1)号に開示されている。
【0051】
1つの態様において、香料は、Quadrant IVの香料原材料を含んでもよい。
理論に束縛されるものではないが、かかるQuadrant IVの香料原材料は香料の香りの「バランス」を改善することができると考えられている。かかる香料は、香料の総重量に基づいて、約30%未満、約20%未満、又は更には約15%未満のかかるQuadrant IVの香料原材料を含んでもよい。
【0052】
香料の未加工原料及び調和物は、次の企業、Firmenich(Geneva,Switzerland)、Givaudan(Argenteuil,France)、IFF(Hazlet,NJ)、Quest(Mount Olive,NJ)、Bedoukian(Danbury,CT)、Sigma Aldrich(St.Louis,MO)、Millennium Specialty Chemicals(Olympia Fields,IL)、Polarone International(Jersey City,NJ)、Fragrance Resources(Keyport,NJ)、及びAroma & Flavor Specialties(Danbury,CT)から入手してもよい。
【0053】
カプセル化有益剤の製造プロセス
本明細書において採用されるカプセル化有益剤は、米国特許第6,592,990 B2号及び/又は米国特許第6,544,926(B1)号の教示、並びに本明細書に開示される実施例を介して製造されてもよい。
【0054】
アニオン性乳化剤は典型的にはカプセル化プロセス中にマイクロカプセル形成に先立って有益剤を乳化するために使用される。理論に束縛されるものではないが、アニオン性物質は、布地ケア組成物などの組成物中に見出されることが多いカチオン性界面活性剤とは不利に相互作用して、このことにより、組成物中に採用された物質の審美的に不快な粒子の凝集を生じると考えられている。許容不可能な審美性に加え、このような凝集は結果的にバルク相からの粒子の急速な相分離を生じる可能性がある。本出願人らはこのような凝集が、塩、ポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される物質を含む特定の凝集阻害物質を加えることにより、防止できることを発見した。有用な凝集阻害剤としては、マグネシウム塩(例えば、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、ギ酸マグネシウム、臭化マグネシウム、チタン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム七水和物)、カルシウム塩(例えば、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、酢酸カルシウム(calcium calcium acetate)、臭化カルシウム)などの二価の塩;アルミニウム塩(例えば、硫酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、塩化アルミニウムn−水和物)などの三価の塩;及び汚れ懸濁ポリマーなどの、アニオン性粒子を懸濁する能力を有するポリマー(例えば、ポリエチレンイミン、アルコキシル化ポリエチレンイミン、ポリクオタニウム−6及びポリクオタニウム−7)、キサンタンガム、ジェランガム、カラギーナンガム、カルボキシメチルセルロース、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0055】
本発明の1つの態様では、カプセル化有益剤は、製造されるのに引き続いて、粒子が例えば界面活性剤、ポリマー及び溶媒を含有するバルク環境に曝露されるときに、粒子からの有益剤の漏洩率を削減する材料によりコーティングされる。バリア材料としての機能を果たすことができるコーティング材料の非限定的な例としては、ポリビニルピロリドンホモポリマー並びにスチレン、酢酸ビニル、イミダゾール、1級及び2級アミン含有モノマー、メチルアクリレート、ポリビニルアセタール、無水マレイン酸とポリビニルピロリドンホモポリマーとの種々のコポリマー;ポリビニルアルコールホモポリマー並びに酢酸ビニル、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホネート、1級及び2級アミン含有モノマー、イミダゾール、メチルアクリレートとポリビニルアルコールホモポリマーとの種々のコポリマー;ポリアクリルアミド;ポリアクリル酸;マイクロクリスタリンろう;パラフィンろう;変性多糖(例えば、ろう状のトウモロコシ又はデントコーンデンプン、オクテニルコハク酸塩デンプン、ヒドロキシエチル化若しくはヒドロキシプロピル化デンプンのような誘導体化デンプン、カラギーナン、グアーガム、ペクチン、キサンタンガム);変性セルロース(例えば、加水分解した酢酸セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロースなど);変性タンパク質(例えば、ゼラチン);水素化及び非水素化ポリアルケン;脂肪酸;硬化シェル(例えば、ホルムアルデヒドと架橋した尿素、ゼラチン−ポリリン酸塩、メラミン−ホルムアルデヒド、四ホウ酸ナトリウム若しくはグルテルアルデヒド(gluteraldehyde)と架橋したポリビニルアルコール);スチレン−ブタジエン、エチルセルロースのラテックス;ケイ酸マグネシウム、アルミノケイ酸塩、ケイ酸ナトリウムなどを含める粘土のような無機物質;並びにこれらの混合物からなる群より選択される材料が挙げられる。このような材料は、CP Kelco Corp.(San Diego,California,USA)、Degussa AG(Dusseldorf,Germany)、BASF AG(Ludwigshafen,Germany)、Rhodia Corp.(Cranbury,New Jersey,USA)、Baker Hughes Corp.(Houston,Texas,USA)、Hercules Corp.(Wilmington,Delaware,USA)、Agrium Inc.(Calgary,Alberta,Canada)、ISP(New Jersey U.S.A.)から入手可能である。
【0056】
本明細書で開示されるプロセス用に好適な設備としては、連続撹拌槽型反応器、ホモジナイザー、タービン撹拌器、再循環ポンプ、パドルミキサー、プラウせん断(ploughshear)ミキサー、リボンブレンダー、垂直軸造粒機及びドラムミキサー(両方ともバッチ式であり、利用可能な場合は連続プロセスの形状のものには、スプレー乾燥機、及び押出成形機)が挙げられる。そのような設備は、Lodige GmbH(Paderborn,Germany)、Littleford Day,Inc.(Florence,Kentucky,U.S.A.)、Forberg AS(Larvik,Norway)、Glatt Ingenieurtechnik GmbH(Weimar,Germany)、Niro(Soeborg,Denmark)、Hosokawa Bepex Corp.(Minneapolis,Minnesota,USA)、Arde
Barinco(New Jersey,USA)から入手可能である。
【0057】
ホルムアルデヒドスカベンジング
1つの態様において、カプセル化有益剤はホルムアルデヒドスカベンジャーと組み合わされてもよい。1つの態様において、カプセル化有益剤は、本発明のカプセル化有益剤を含んでもよい。好適なホルムアルデヒドスカベンジャーには、亜硫酸水素ナトリウム、尿素、エチレン尿素、システイン、システアミン、リシン、グリシン、セリン、カルノシン、ヒスチジン、グルタチオン、3,4−ジアミノ安息香酸、アラントイン、グリコウリル、アントラニル酸、アントラニル酸メチル、メチル4−アミノベンゾエート、エチルアセトアセテート、アセトアセトアミド、マロンアミド、アスコルビン酸、1,3−ジヒドロキシアセトン二量体、ビウレット、オキサミド、ベンゾグアナミン、ピログルタミン酸、ピロガロール、メチルガラート、エチルガラート、プロピルガラート、トリエタノールアミン、スクシンアミド、チアベンダゾール、ベンゾトリアゾール、トリアゾール、インドリン、スルファニル酸、オキサミド、ソルビトール、グルコース、セルロース、ポリ(ビニルアルコール)、部分的に加水分解されたポリ(ビニルホルムアミド)、ポリ(ビニルアミン)、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(オキシアルキレンアミン)、ポリ(ビニルアルコール)−コ−ポリ(ビニルアミン)、ポリ(4−アミノスチレン)、ポリ(L−リシン)、キトサン、ヘキサンジオール、エチレンジアミン−N,N’−ビスアセトアセトアミド、N−(2−エチルヘキシル)アセトアセトアミド、2−ベンゾイルアセトアセトアミド、N−(3−フェニルプロピル)アセトアセトアミド、リリアール、ヘリオナール、メロナール、トリプラール、5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキサンジオン、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセンカルボキシアルデヒド、2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン、2−ペンタノン、ジブチルアミン、トリエチレンテトラミン、水酸化アンモニウム、ベンジルアミン、ヒドロキシシトロネロール、シクロヘキサノン、2−ブタノン、ペンタンジオン、デヒドロ酢酸、又はこれらの混合物からなる群から選択される物質が挙げられる。これらホルムアルデヒドスカベンジャーは、Sigma/Aldrich/Fluka(St.Louis,MO.U.S.A.)又はPolySciences,Inc.(Warrington,PA U.S.A.)から入手可能である。
【0058】
1つの態様において、有益剤送達組成物に不溶性の樹脂は、かかるホルムアルデヒドスカベンジャーで表面修飾される。通常は、50マイクロメートル〜5000マイクロメートル、100マイクロメートル〜4500マイクロメートル、200マイクロメートル〜3500マイクロメートル、500マイクロメートル〜2000マイクロメートル、800マイクロメートル〜1500マイクロメートルの高分子ビーズは、ホルムアルデヒドスカベンジング物質で表面修飾される。このような表面修飾樹脂は、有益剤送達組成物に組み込まれて、ホルムアルデヒドをスカベンジする。通常、有益剤送達組成物温度は20〜110℃、30〜90℃、40〜80℃、50〜80℃、60〜80℃に調節される。このようなホルムアルデヒドスカベンジャーは5〜500分、10〜400分、15〜300分、20〜200分、30〜120分、30〜60分にわたって有益剤送達組成物からホルムアルデヒドをスカベンジする。続いて、濾過プロセスにより有益剤送達組成物から不溶性樹脂が除去され、有益剤送達組成物を含まないポリマー樹脂が生成される。このような樹脂の例としては、限定するものではないがアミノエチル化ポリスチレン、ポリマー結合ジエチレントリアミン、ポリマー結合p−トルエンスルホニルヒドラジンが挙げられる。このような材料はAldrich(Milwaukee,WI,USA)から入手可能である。商標名ScavengePore(登録商標)、Argopore(登録商標)−NH2−L、JandaJel−NH2、Stratospheres PL−AMSを有する、市販のスカベンジング樹脂がまたAldrich(Milwaukee,WI,USA)から入手可能である。
【0059】
かかるホルムアルデヒドスカベンジャーは、典型的には、かかる有益剤送達粒子を含有しているスラリーに、スラリーの総重量に基づいて、約2重量%〜約18重量%、約3.5重量%〜約14重量%、又は更には約5重量%〜約13重量%の濃度で組み合わされる。
【0060】
1つの態様では、かかるホルムアルデヒドスカベンジャーは、有益剤送達粒子を含有する製品と組み合わされてもよく、かかるスカベンジャーは、かかる製品に、製品の総重量に基づいて、製品配合の約0.005%〜約0.8%、あるいは約0.03%〜約0.5%、あるいは約0.065%〜約0.25%の濃度で混合される。
【0061】
別の態様では、かかるホルムアルデヒドスカベンジャーは、スラリーの総重量に基づいて、約2重量%〜約14重量%、約3.5重量%〜約14重量%、又は更には約5重量%〜約14重量%の濃度で、かかるカプセル化有益剤を含有するスラリーと組み合わされてもよく、かかるスラリーは、製品マトリックスに添加されてもよく、この添加には同一又は異なるスカベンジャーが、製品の総重量に基づいて、製品配合の約0.005%〜約0.5%、あるいは約0.01%〜約0.25%、あるいは約0.05%〜約0.15%の濃度で添加されてもよい。
【0062】
1つの態様において、1つ以上の前述のホルムアルデヒドスカベンジャーは、液体布地増強製品の総重量に基づいて約0.005%〜約0.8%、あるいは約0.03%〜約0.4%、あるいは約0.06%〜約0.25%の濃度でカプセル化有益剤を含有する消費者製品と混合させてもよい。
【0063】
1つの態様においては、このようなホルムアルデヒドスカベンジャーは、有益剤送達粒子を含有している液体洗濯洗剤製品と組み合わせることができ、かかるスカベンジャーは、重亜硫酸ナトリウム、尿素、エチレン尿素、システイン、システアミン、リジン、グリシン、セリン、カルノシン、ヒスチジン、グルタチオン、3,4−ジアミノ安息香酸、アラントイン、グリコールウリル(glycouril)、アントラニル酸、アントラニル酸メチル、4−アミノ安息香酸メチル、アセト酢酸エチル、アセトアセトアミド、マロンアミド、アスコルビン酸、1,3−ジヒドロキシアセトン二量体、ビウレット、オキサミド、ベンゾグアナミン、ピログルタミン酸、ピロガロール、没食子酸メチル、没食子酸エチル、没食子酸プロピル、トリエタノールアミン、スクシンアミド、チアベンダゾール、ベンゾトリアゾール、トリアゾール、インドリン、スルファニル酸、オキサミド、ソルビトール、グルコース、セルロース、ポリ(ビニルアルコール)、部分加水分解ポリ(ビニルホルムアミド)、ポリ(ビニルアミン)、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(オキシアルキレンアミン)、ポリ(ビニルアルコール)−co−ポリ(ビニルアミン)、ポリ(4−アミノスチレン)、ポリ(l−リジン)、キトサン、ヘキサンジオール、エチレンジアミン−N,N’−ビスアセトアセトアミド、N−(2−エチルヘキシル)アセトアセトアミド、2−ベンゾイルアセトアセトアミド、N−(3−フェニルプロピル)アセトアセトアミド、リリアール、ヘリオナール、メロナール、triplal、5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキサンジオン、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセンカルボアルデヒド、2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン、2−ペンタノン、ジブチルアミン、トリエチレンテトラミン、水酸化アンモニウム、ベンジルアミン、ヒドロキシシトロネロール、シクロヘキサノン、2−ブタノン、ペンタンジオン、デヒドロ酢酸、及びこれらの混合物からなる群から選択され、並びにかかる液体洗濯洗剤製品の総重量に基づいて、約0.003重量%〜約0.20重量%、約0.03重量%〜約0.20重量%又は更には約0.06重量%〜約0.14重量%の濃度で液体洗濯洗剤製品と組み合わされる。
【0064】
1つの態様において、かかるホルムアルデヒドスカベンジャーは、毛髪コンディショニング製品の総重量に基づいて、約0.003重量%〜約0.30重量%、約0.03重量%〜約0.20重量%、又は更には約0.06重量%〜約0.14重量%の濃度で、有益剤送達粒子を含有する毛髪コンディショニング製品と組み合わされてもよく、かかるスカベンジャーの選択は液体洗濯洗剤製品に関する前段落におけるスカベンジャーのリストと同一である。
【0065】
有益剤送達組成物を含む組成物
1つの態様において、本明細書に前述される製品の様々な態様のいずれかに記載されるような有益剤送達組成物を含む消費者製品と、消費者製品添加剤とが開示される。1つの態様において、かかる消費者製品添加剤は、ポリマー、例えばカチオン性ポリマー、界面活性剤、ビルダー、キレート剤、移染防止剤、分散剤、酵素、及び酵素安定剤、触媒物質、漂白活性剤、ポリマー分散剤、粘土汚れ除去/再付着防止剤、光沢剤、抑泡剤、染料、追加の香料及び香料送達系、構造弾性化剤、柔軟仕上げ剤、キャリア、ヒドロトロープ、加工助剤、及び/又は顔料、並びにこれらの混合物、からなる群から選択される。
【0066】
1つの態様において、かかる消費者製品は、消費者製品の総重量に基づいて約0.1%〜約20%、約0.2%〜約15%、約0.3%〜約10%、約0.4%〜約8%、又は更には約0.5%〜約5%の、本明細書に開示されるいずれかの有益剤送達組成物を含有し得る。
【0067】
1つの態様において、本明細書に記載のいずれかの有益剤送達組成物を含み得る組成物と材料は、染料;香料;蛍光増白剤;付着助剤;及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0068】
1つの態様において、消費者製品の総重量に基づいて、
a.)約0.1%〜約5%のカプセル化有益剤であって、かかる有益剤がアミノ樹脂を含む、カプセル化有益剤と、
b)約1ppm〜約150ppm、約1ppm〜約100ppm、約1ppm〜約50ppm、又は更には約1ppm〜約10ppmのホルムアルデヒドと、
c)消費者製品の総重量に基づいて、約0.3重量%未満、約0.1重量%未満、約0.01重量%未満、約0.01重量%未満〜約0.0001重量%のホルムアルデヒドスカベンジャーと、
を含み得る消費者製品が開示される。
【0069】
1つの態様において、かかる消費者製品は、粉末、顆粒、又はその他の本質的に乾燥した洗剤であってもよい。
【0070】
本発明の態様には、洗濯洗剤組成物(例えば、TIDE(商標))、硬質表面洗浄剤(例えば、MR CLEAN(商標))、自動食器洗浄用液体(例えば、CASCADE(商標))、及び床洗浄剤(例えば、SWIFFER(商標))中での本発明の有益剤送達組成物の使用が挙げられる。洗浄組成物の非限定的実施例としては、米国特許第4,515,705号、米国特許第4,537,706号、米国特許第4,537,707号、米国特許第4,550,862号、米国特許第4,561,998号、米国特許第4,597,898号、米国特許第4,968,451号、米国特許第5,565,145号、米国特許第5,929,022号、米国特許第6,294,514号、及び米国特許第6,376,445号に記載されるようなものを挙げてよい。本明細書に開示される洗浄組成物は、通常、水性洗浄操作での使用中に、洗浄水のpHが約6.5〜約12、又は約7.5〜10.5となるように配合される。液体食器洗浄製品の配合は、典型的には約6.8〜約9.0のpHを有する。洗浄製品は、通常、約7〜約12のpHを有するように配合される。推奨される使用量でのpHを制御する技術には、緩衝剤、アルカリ、酸などの使用を含み、当業者には周知である。
【0071】
使用方法
1つの態様において、部位の処理及び/又は洗浄方法が開示される。所望によりかかる方法は、かかる部位を洗浄及び/又はすすぐ工程と、かかる部位を本明細書に開示される有益剤送達組成物の単独、又は組み合わせと接触させる工程と、並びに所望によりかかる部位を洗浄及び/又はすすぐ工程と、を含み得る。
【0072】
1つの態様において、このような方法により処理される部位が開示される。
【0073】
補助物質
本発明の目的には必須でないが、以下に例示される補助剤の非限定的なリストは、本組成物において使用するのに適しており、例えば、性能を補助若しくは向上させるために、洗浄される基材の処理のために、又は香料、着色剤、染料などを用いる場合のように組成物の審美性を変化させるために、望ましくは本発明の特定の実施形態に組み込まれてもよい。こうした補助剤は、本出願人らの凝集体/粒子を介して供給される構成成分に追加されると理解される。このような追加的構成成分の明確な性質、及びそれを組み込む濃度は、組成物の物理的形態及び使用されるべき作業の性質によって決まる。好適な補助物質としては、ポリマー、例えばカチオン性ポリマー、界面活性剤、ビルダー、キレート化剤、移染防止剤、分散剤、酵素及び酵素安定剤、触媒作用性物質、漂白活性化剤、ポリマー分散剤、粘土汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、染料、追加の香料及び香料送達系、構造弾性化剤、柔軟仕上げ剤、キャリア、向水性物質、加工助剤、及び/又は顔料が挙げられるが、これらに限定されない。下記の開示に加え、このようなその他の補助剤の適した例及び使用濃度は、米国特許第5,576,282号、米国特許第6,306,812(B1)号及び米国特許第6,326,348(B1)号に見出され、これらを本明細書に参考として組み込む。
【0074】
上述のように、補助成分は、本出願人らの洗浄及び布地ケア組成物には必須ではない。
したがって、本出願人らの組成物の特定の実施形態は、以下の補助物質の1つ以上を含有しない:漂白活性化剤、界面活性剤、ビルダー、キレート化剤、移染防止剤、分散剤、酵素及び酵素安定剤、触媒金属錯体、ポリマー分散剤、粘土及び汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、染料、追加の香料及び香料送達系、構造弾性化剤、柔軟仕上げ剤、キャリア、向水性物質、加工助剤、及び/又は顔料。しかし、1つ以上の補助剤が存在する場合、このような1つ以上の補助剤は、以下に詳細に記載されるように存在してもよい。
【0075】
界面活性剤−本発明による組成物は、界面活性剤又は界面活性剤系を含むことができ、その際、界面活性剤は、非イオン性及び/若しくはアニオン性及び/若しくはカチオン性界面活性剤並びに/又は両性及び/若しくは双極性及び/若しくは半極性非イオン性界面活性剤から選択できる。界面活性剤は、典型的には洗浄組成物の約0.1重量%から、約1重量%から、又は更には約5重量%から、洗浄組成物の約99.9重量%まで、約80重量%まで、約35重量%まで、又は更には約30重量%までの濃度で存在する。
【0076】
ビルダー−本発明の組成物は、1つ以上の洗剤ビルダー又はビルダー系を含むことができる。存在する場合、組成物は典型的には、少なくとも約1重量%のビルダー、又は約5重量%又は10重量%から約80重量%まで、50重量%まで、又は更には30重量%までのかかるビルダーを含む。ビルダーとしては、ポリホスフェートのアルカリ金属、アンモニウム及びアルカノールアンモニウム塩、アルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ土類及びアルカリ金属炭酸塩、アルミノシリケートビルダー、ポリカルボキシレート化合物、エーテルヒドロキシポリカルボキシレート、無水マレイン酸とエチレン又はビニルメチルエーテルとのコポリマー、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン−2,4,6−トリスルホン酸、及びカルボキシメチルオキシコハク酸、エチレンジアミン四酢酸及びニトリロ三酢酸のようなポリ酢酸の種々のアルカリ金属、アンモニウム及び置換アンモニウム塩、並びにメリット酸、コハク酸、オキシジコハク酸、ポリマレイン酸、ベンゼン1,3,5−トリカルボン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、及びそれらの可溶性塩のようなポリカルボン酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0077】
キレート化剤−本明細書の組成物はまた、任意で1つ以上の銅、鉄、及び/又はマンガンキレート化剤を含有してもよい。使用される場合、キレート化剤は、一般に本明細書の組成物の約0.1重量%〜約15重量%、又は更には本明細書の組成物の約3.0重量%〜約15重量%を構成する。
【0078】
移染防止剤−本発明の組成物はまた、1つ以上の移染防止剤を含んでもよい。好適なポリマー移染抑制剤としては、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN−オキシドポリマー、N−ビニルピロリドンとN−ビニルイミダゾールのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドン及びポリビニルイミダゾール又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書の組成物中に存在する場合、移染防止剤は、洗浄組成物の約0.0001重量%から、約0.01重量%から、約0.05重量%から、洗浄組成物の約10重量%まで、約2重量%まで、又は更には約1重量%までの濃度で存在する。
【0079】
分散剤−本発明の組成物はまた、分散剤を含有することができる。好適な水溶性有機物質は、ホモポリマー又はコポリマーの酸又はそれらの塩であり、それらのうちのポリカルボン酸は、互いに炭素原子2個を超えない程度に離れている少なくとも2個のカルボキシルラジカルを含み得る。
【0080】
酵素−組成物は、洗浄性能効果、及び/又は布地ケア効果を提供する1つ以上の洗浄性酵素を含むことができる。好適な酵素の例としては、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ケラタナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、及びアミラーゼ、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。典型的な組み合わせは、プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、及び/又はセルラーゼのような従来の適用可能な酵素をアミラーゼと組み合わせた混液である。
【0081】
酵素安定剤−組成物、例えば洗剤において使用するための酵素は、種々の技術によって安定化させることができる。本明細書に用いられる酵素は、カルシウムイオン及び/又はマグネシウムイオンを酵素に供給する、最終組成物中のカルシウム及び/又はマグネシウムイオンの水溶性供給源の存在によって安定化させることができる。
【0082】
触媒金属錯体−本出願人らの組成物は、触媒金属錯体を含んでもよい。金属含有漂白触媒の1つの種類は、銅、鉄、チタン、ルテニウム、タングステン、モリブデン、又はマンガンのカチオンのような、限定された漂白触媒活性の遷移金属カチオン、亜鉛又はアルミニウムのカチオンのような、漂白触媒活性をほとんど又は全くもたない補助金属カチオン、並びに触媒金属及び補助金属のカチオンに対して限定された安定度定数を有する金属イオン封鎖剤、特にエチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)及びそれらの水溶性の塩類を含む触媒系である。このような触媒は、米国特許第4,430,243号に開示される。
【0083】
所望する場合、本明細書の組成物はマンガン化合物を用いて触媒作用され得る。このような化合物及び使用濃度は当該技術分野で周知であり、例えば、米国特許第5,576,282号に開示されるマンガン系触媒が挙げられる。
【0084】
本明細書において有用なコバルト漂白触媒は既知であり、例えば、米国特許第5,597,936号及び第5,595,967号に記載されている。このようなコバルト触媒は、既知の手順、例えば、米国特許第5,597,936号及び第5,595,967号において教示されているような手順によって容易に製造される。
【0085】
本明細書の組成物はまた、好適なことに、大多環状の剛性配位子(「MRL」と省略される)の遷移金属錯体を含んでもよい。実用的な事柄として、限定するためではないが、本明細書の組成物及び洗浄プロセスは、水性洗浄媒体において少なくとも1億分の1のオーダーの有益剤MRL種を提供するように調整することができ、約0.005ppm〜約25ppm、約0.05ppm〜約10ppm、又は更には約0.1ppm〜約5ppmのMRLを洗浄溶液中に提供してよい。
【0086】
当該遷移金属漂白剤触媒中の好ましい遷移金属には、マンガン、鉄、及びクロムが挙げられる。本明細書における好ましいMRLは、架橋した特定の種類の超剛性配位子、例えば、5,12−ジエチル−1,5,8,12−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンである。
【0087】
好適な遷移金属MRLは、既知の手順、例えば、国際公開第00/32601号及び米国特許第6,225,464号で教示されているような手順によって容易に製造される。
【0088】
組成物の製造プロセス及び使用プロセス
本発明の組成物は、任意の好適な形態に配合することができ、配合者によって選択される任意のプロセスによって調製することができるが、その非限定的な例は、米国特許第5,879,584号、同第5,691,297号;同第5,574,005号;同第5,569,645号;同第5,565,422号;同第5,516,448号;同第5,489,392号;同第5,486,303号に記載されており、その全てが本明細書に参照することにより組み込まれる。
【0089】
使用方法
本明細書に開示されるカプセル化有益剤を含有する組成物は、ある部位、とりわけ表面又は布地を洗浄又は処理するのに使用することができる。通常、このような場所の少なくとも一部は、希釈されない形態又は希釈された液体、例えば洗浄液の、本出願人らの組成物の実施形態と接触させ、そしてその後、任意に、その場所を洗浄及び/又はすすぎ洗いしてもよい。1つの態様において、部位は、所望により、洗浄及び/又はすすがれ、本発明の有益剤送達組成物の1種類以上、又は本発明の有益剤送達組成物の1種類以上を含む消費者製品と接触させ、その後、任意に洗浄及び/又はすすがれる。本発明の目的のために、洗浄には擦ること及び機械的撹拌が含まれるが、これらに限定されない。布地には、通常の消費者の使用条件で洗濯又は処理することが可能なほとんどいかなる布地が含まれていてもよい。開示される組成物を含み得る液体のpHは、約3〜約11.5であってよい。こうした組成物は、典型的には溶液中で約500ppm〜約15,000ppmの濃度で使用される。洗浄溶媒が水である場合、水の温度は通常約5℃〜約90℃であり、部位が布地を含む場合、水対布地の比は通常約1:1〜約30:1である。
【0090】
試験方法
本出願の「試験方法」の項で開示される試験方法は、本出願人らの発明が本明細書に記載され及び特許請求されているように、本出願人らの発明のパラメータの各値を求めるために使用されるべきであると理解される。
【0091】
(1)ClogP
「logPの計算値」(ClogP)は、Hansch及びLeoのフラグメント手法(参考A.Leo,Comprehensive Medicinal Chemistry,Vol.4,C.Hansch,P.G.Sammens,J.B.Taylor,and C.A.Ramsden,Eds.P.295,Pergamon Press,1990、参考文献として本明細書に組み込む)により決定される。ClogP値は、Daylight Chemical Information Systems Inc.(Irvine,California U.S.A.)から入手可能な「CLOGP」プログラムを用いることにより計算されてもよい。
【0092】
(2)沸点
沸点は、ASTM法D2887−04a「Standard Test Method
for Boiling Range Distribution of Petroleum Fractions by Gas Chromatography」(ASTM International)により測定する。
【0093】
(3)遊離ホルムアルデヒド
遊離ホルムアルデヒドは以下の調節に従うNIOSH 5700により測定される。
【0094】
・DNPH濃度の調節:誘導体化反応時のポリマー分解を最小化し、続くLC解析時の誘導体化試薬の動態を監視するための条件を設置する(香料カルボニルなどの他の試料構成成分による、潜在的な試薬消費について確認)。
【0095】
・酸濃度低下、及び過塩素酸に対する塩酸の代用:誘導体化のためによりマイルドな条件を設置して、過剰なポリマー/樹脂分解を回避する。(約10分の時点にて反応プラトーに到達することを示すかどうかについて、これらの条件での誘導体化動態をチェックする>>これらの反応動態曲線を組み込む必要があるだろうか?)。
【0096】
・溶媒抽出(アセトニトリル):試料からの固体物質の迅速な分離を確実にし、濾過を容易にする。濾液は解析のためのホルムアルデヒドを含有する。解析される試料と溶媒組成が適合するように標準的な較正溶液を作製することにより、誘導体化についての均等な反応条件を確実にする。
【0097】
試験プロトコル及び装置
装置
1)WatersのHPLC装置及びMillenniumシステムコントロール及びデータ収集システム。
2)溶離液連続流出真空脱気ユニット(Erma ERC−3612又は同等物。別の方法としてはHe散布を使用)
3)溶媒送達モジュール(Waters 600E又は同等の複数通路溶媒送達システム)
4)変数容量注入器(Waters 717 plus、自動注入器又は同等物)
5)Analytical HPLCカラム/ガードカラム(Symmetry C8、3.9×150mm、WAT番号054235と、ガードカラムWAT番号054250又は同等物)
6)紫外検出器(Waters 996 Photo Diode Array Detector又は同等物)
7)データステーション(Waters Millennium 2010、2020
C/S、又はデータを貯蔵し、加工することができる同等のシステム)
8)使い捨てフィルタユニット(0.45μm、PTFE又は0.45μm 25mm、例えば試料濾過用。Millipore Millex HV、カタログ番号SLSR025NS)
9)使い捨て注入器(ポリプロピレン2mL、ルアー付属品付き。濾過ユニットは雌型ルアーに適合する物でなくてはならない。
10)使い捨てガラス製試料バイアル瓶、4mL、カップ付き(Watersのカップ付き4mL透明ガラス製バイアル瓶、番号WAT025051、又は同等物)
11)使い捨てフィルタカップ、0.45μm、溶離液濾過用Millipore、カタログ番号SJHVM4710、又は同等物
12)Lab Shaker+Lab Therm(Applitek Scientific Instruments又は同等物)
13)以下の物から構成される滴定装置:
a.自動滴定装置(Mettler DL70又は同等物)
b.白金電極(Mettler DM140−Sc又は同等物)
c.滴定容器(100mL、DL70に適合する物又は同等の自動滴定装置システム)
【0098】
試薬及び溶液
試薬/溶媒
(1)HPLC等級水(固有抵抗18M:cmを超え、有機物質を含まない)
(2)アセトニトリル(HPLC超勾配等級、J.T.Baker、番号9017又は同等物)
(3)イオン対試薬:テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩Pic reagent A Low UV、Waters番号WAT084189又は同等物
(4)2,4−ジニトロフェニルヒドラジン(C
6H
6N
4O
4)Aldrich番号19,930−3又は同等物
(5)ホルムアルデヒド37重量%水溶液(標準物質として使用)Aldrich、番号25,254−9又は同等物
(6)無水エタノール(J.T.Baker、番号8006又は同等物)
(7)塩酸36〜38%(J.T.Baker、番号6081又は同等物)
(8)ヨウ素、体積測定用標準品、0.1N水溶液、Aldrich、番号31,898−1又は同等物
(9)1N水酸化ナトリウム(Aldrich、番号31,951−1又は同等物)
(10)1N塩酸(Aldrich、番号31,894−9又は同等物)
(11)チオ硫酸ナトリウム、体積測定用標準品、0.1N水溶液、Aldrich、番号31,954−6又は同等物
【0099】
溶液
(1)溶離液A:5mMのPicを備える、水/ACN 90:10。900mLのHPLC等級水中に、Pic A Low UVをボトル1本分溶解させる。激しく撹拌しながら100mLのアセトニトリルを添加する。0.45μm使い捨て濾過カップを介して濾過する。
(2)溶離液B:5mM Picを備える、水/ACN 30:70。300mLのHPLC等級水中に、Pic A Low UVをボトル1本分溶解させる。激しく撹拌しながら700mLのアセトニトリルを非常にゆっくりと添加する。0.45μm使い捨て濾過カップを介して濾過する。よく混ぜることと、アセトニトリルを非常にゆっくりと添加することは、可能な限りPic Aの沈殿を防ぐために非常に重要である。好ましくは、平衡化し、使用時の沈殿を避けるために、前もってこの溶離液を調製する。使用の前に濾過する。
(3)2,4ジニトロフェニルヒドラジン原液0.01g単位で四捨五入して、0.4gの2,4−DNPHを100mLガラス瓶に量り取る。20mLの無水エタノールを添加し、激しく撹拌する。撹拌しながら、16mLの濃塩酸をゆっくりと加え、続いて64mLの無水エタノールを添加する。2,4−DNPH原液は約2カ月にわたって保存することができる。
(4)試料用の2,4ジニトロフェニルヒドラジン希釈標準溶液5mLの2,4−ジニトロフェニルヒドラジン原液を100mLガラス製メスフラスコ中にピペットで取る。脱イオン水で容量を満たし、よく混合する。2,4−DNPH希釈標準溶液は毎日作り直すべきである。
(5)標準用の2,4ジニトロフェニルヒドラジン希釈標準溶液5mLの2,4−ジニトロフェニルヒドラジン原液を100mLガラス製メスフラスコ中にピペットで取る。アセトニトリルで容量を満たし、よく混合する。2,4−DNPH希釈標準溶液は毎日作り直すべきである。
【0100】
手順
1)ホルムアルデヒドの標準原液:0.0001g単位で四捨五入して1.0gの標準ホルムアルデヒドを小さな試料カップに量り取る。1Lのメスフラスコ内で脱イオン水を使用して溶解させる。重量をWstとして記録する。
2)標準希釈溶液の調製
a.5mLのホルムアルデヒド原液を50mLメスフラスコ中にピペットで取る。脱イオン水を容量まで入れ、よく混合する。
b.0、0.5、1.0、3、及び5mLの希釈した原液を、別個の50mLメスフラスコにピペットで取る。脱イオン水を容量まで入れ、よく混合する。およそ5mLの各標準希釈溶液を0.45μm使い捨てフィルタユニットに通して、ガラス製バイアル瓶へと濾過する。
3)試料調製:0.0001g単位で四捨五入して約1gの試料を50mLメスフラスコに量り取る。アセトニトリルで容量を満たし、よく混合する。約5分間にわたって不溶性の物質を沈ませる。およそ5mLの試料溶液を0.45μm使い捨てフィルタユニットに通して、ガラス製バイアル瓶へと濾過する。正確な重量をWsaとしてグラムで記録する。
4)誘導体化手順
a.1.00mLの標準溶液、濾過済みの試料溶液及び濾過済みの抽出物のそれぞれを、別個の4mL試料バイアル瓶中にピペットで測り取る。較正範囲の選択は、試料溶液中又は試料抽出物中に見込まれる遊離のホルムアルデヒド濃度によって決まる。
b.標準:標準用にそれぞれのバイアル瓶へと1.00mLの2,4−DNPH希釈標準溶液を加える。栓をして混合する。
c.試料:試料用にそれぞれのバイアル瓶へと1.00mLの2,4−DNPH希釈標準溶液を加える。栓をして混合する。
d.注入の前に10分±20秒にわたって反応させる。注意書き:このタイミングは極めて重要である。試薬を混合させるや否やタイマーをスタートさせて、試料を充填し、注入するのに要した時間も加算する。
5)装置操作:以下の条件を使用して、製造元の取扱説明書に従ってHPLCを設定する:
【表1】
【0101】
較正
1)装置の機能の適切さをチェックするために、20μLの誘導体化された標準溶液を少なくとも1回注入する(較正目的の最初の注入分は、決してデータに含める領域として使用してはならない。HPLC系を始動させてからの最初の注入は、一般的に組成物内容を表現するものではない)。
2)20μLの誘導体化された標準溶液をそれぞれ注入する。
3)付属書類9中の例を参考にして、ピーク面積を記録し、一致するピークを同定する。
【0102】
試料分析
1)20μLの誘導体化された試料溶液又は抽出物をそれぞれ注入する。
2)ホルムアルデヒドピークのピーク面積を記録する。
3)分析終了後、カラムを系から取り外す前に、溶離液を、脱イオン水、次いで保存溶媒(例えばHPLC等級メタノール)に代える。
【0103】
計算
(1)それぞれの標準溶液中のホルムアルデヒドの量を算出する(較正範囲:0〜5μg/mL)
【数1】
ここで:Wst=原液中のグラムでの標準の重量(7.1.1)
Ast=滴定により決定される、標準物質(%)の活性(7.1.5)
Dil vol=標準溶液を調製するために使用した、mLでの、希釈した標準原液の量(0〜10mL)
(2)較正曲線の作成(量対ピーク面積)。データ処理ソフトウェアのWaters Millennium 2010の使用時に、「Fit Type」(:プロセシング方法の「Component table」中にセッティングされる線形の較正)を実行する。
(3)ホルムアルデヒドのピーク面積から開始して、試料溶液又は抽出物中のホルムアルデヒドの量を較正曲線からμg/mLで読み取る。この値をμg
saとして記録する。
注意書き:この計算では、標準及び試料の注入量は同一であると仮定される。
(4)試料中のホルムアルデヒドの量を以下のように算出する:
【数2】
ここで:μgsa=μg/mLでの、試料溶液中の遊離ホルムアルデヒドの量(7.3)
Wsa=グラムでの試料重量(7.3.1)
【実施例】
【0104】
本発明の特定の実施形態について説明し記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正が可能であることが当業者には自明である。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。
【0105】
実施例1:80重量%コア/20重量%壁のメラミンホルムアルデヒド(MF)カプセル
ブチルアクリレート−アクリル酸コポリマー乳化剤(Colloid C351、25%固形分、pKa4.5〜4.7、Kemira)50%とポリアクリル酸(35%固形分、pKa1.5〜2.5、Aldrich)50%とのブレンド18グラムを脱イオン水200グラムに溶解及び混合する。溶液のpHは水酸化ナトリウム溶液でpH 3.5に調整する。6.5gの部分メチル化メチロールメラミン樹脂(Cymel 385、80%固形分Cytec)をエマルション溶液に添加する。先の混合物に機械的撹拌下で200gの香油を添加し、温度を60℃へと上昇させた。安定なエマルションが得られるまで高速で混合した後に、第2の溶液及び3.5グラムの硫酸ナトリウム塩をこのエマルションの中に注ぐ。この第2の溶液は、ブチルアクリレート−アクリル酸コポリマー乳化剤(Colloid C351、25%固形分、pKa4.5〜4.7、Kemira)10グラム、蒸留水120グラム、pHを4.6に調整するための水酸化ナトリウム溶液、部分メチル化メチロールメラミン樹脂(Cymel 385、80% Cytec)30グラムを含有する。この混合物を75℃まで加熱し、連続的に撹拌しながら6時間にわたって維持して、カプセル封入プロセスを完了させる。モデル780 Accusizerにより分析したときに20μmの平均カプセルサイズを得る。香料マイクロカプセルスラリー中に測定される遊離ホルムアルデヒド濃度は5000ppmである。
【0106】
実施例2:84重量%コア/16重量%壁のメラミンホルムアルデヒド(MF)カプセル
25グラムのブチルアクリレート−アクリル酸コポリマー乳化剤(Colloid C351、25%固形分、pKa4.5〜4.7、Kemira Chemicals,Inc.(Georgia U.S.A.))を脱イオン水200グラムに溶解及び混合する。溶液のpHは水酸化ナトリウム溶液でpH 4.0に調整する。8gの部分メチル化メチロールメラミン樹脂(Cymel 385、80%固形分(Cytec Industries West Paterson,New Jersey,U.S.A.))をエマルション溶液に添加する。機械的撹拌下での混合前に200gの香油を添加し、温度を50℃へと上昇させた。安定なエマルションが得られるまで高速で混合した後に、第2の溶液及び4グラムの硫酸ナトリウム塩をこのエマルションに添加する。この第2の溶液は、ブチルアクリレート−アクリル酸コポリマー乳化剤(Colloid C351、25%固形分、pKa4.5〜4.7、Kemira)10グラム、蒸留水120グラム、pHを4.8に調整するための水酸化ナトリウム溶液、部分メチル化メチロールメラミン樹脂(Cymel 385、80%固形分、Cytec)25グラムを含有する。この混合物を70℃まで加熱し、連続的に撹拌しながら1晩にわたって維持して、カプセル封入プロセスを完了させる。モデル780 Accusizerにより分析したときに20μmの平均カプセルサイズを得る。香料マイクロカプセルスラリー中に測定される遊離ホルムアルデヒド濃度は3500ppmである。
【0107】
実施例3:噴霧乾燥
実施例1の香料マイクロカプセルスラリーを1kg/時間の速度で並流式噴霧乾燥機(Niro Production Minor、1.2メートル直径)中にポンプし、18,000rpmの回転速度で遠心ホイール(100mm直径)を使用して噴霧する。乾燥操作条件:空気流80kg/時間、吸気温度200℃、出口温度100℃、乾燥操作圧−150ミリメートルの水封式真空。乾燥粉末はサイクロンの底部で収集する。収集した粒子はおよそ20マイクロメートルの粒径を有する測定される遊離ホルムアルデヒドは、1L当たり5000ミリグラムである。噴霧乾燥プロセスで使用される機器は以下の供給元から入手することができる:IKA Werke GmbH & Co.KG(Janke and Kunkel−Str.10,D79219 Staufen,Germany);Niro A/S(Gladsaxevej 305,P.O.Box 45,2860 Soeborg,Denmark)及びWatson−Marlow Bredel Pumps Limited(Falmouth,Cornwall,TR11 4RU,England)。
【0108】
実施例4:溶媒交換
150グラムのプロピレングリコールを、実施例1の香料マイクロカプセル100グラムに加える。混合物を25℃で調製し、回転フラッシュエバポレータ(Buchi Rotavapor R−114)に配置する。混合物を加熱し、6時間にわたって温度を65℃に維持するために、蒸発の持続時間にわたって水銀が71.6cm(28.2インチ)まで上昇する(Welch 1400 DuoSeal真空ポンプ)ように、水銀について、38.1cm(15インチ)の初期真空で、水浴(Baxter Scientific Products Durabath)を使用する。真空の上昇速度は混合物中の水の量で統制し、混合物上での「吹き出し(popping)」の危険を最小にする。最終的な水分含量は1.1重量%、固形分含量は21%、及びスラリー中の遊離ホルムアルデヒドは1L当たり2990ミリグラムであると測定される。
【0109】
200グラムのグリセロールを、実施例1の香料マイクロカプセル100グラムに加える。この混合物を25℃で調製し、回転式フラッシュエバポレータ(Buchi Rotavapor R−114)に配置する。混合物を加熱し、8時間にわたって温度を65℃に維持するために、蒸発の持続時間にわたって水銀が71.6cm(28.2インチ)まで上昇する(Welch 1400 DuoSeal真空ポンプ)ように、水銀について、38.1cm(15インチ)の初期真空で、水浴(Baxter Scientific Products Durabath)を使用する。真空の上昇速度は混合物中の水の量で統制し、混合物上での「吹き出し」の危険を最小にする。最終的な水分含量は2重量%、固形分含量は17重量%、及びスラリー中の遊離のホルムアルデヒドは1L当たり2550ミリグラムであると測定される。
【0110】
実施例5:バッチ濾過
実施例5Bは、実施例1の香料マイクロカプセルスラリー(pH 5.0)50グラムを、60グラムの脱イオン水と混合することで調製する。混合物を65℃に加熱する。次いで混合物をバッチフィルタアセンブリ上に注ぎ入れる。バッチフィルタアセンブリは、その上には膜(WPP807−ポリプロピレンであり、孔径15マイクロメートル;又は2.0SM−スパンボンドメルトブローン不織布、孔径17マイクロメートル)を載せ、濾過面積が10.2cm
2(0.011平方フィート)である、250マイクロメートルのシーブを備えるブフナー漏斗を含む。アセンブリ全体は、最大圧力で275.8kPa(40psig)まで加圧することができる。透過物には膜を透過させ、次いでより大きい孔径のシーブを透過させた後に収集する。香料マイクロカプセル混合物を膜上に加えた後、アセンブリ全体を275.8kPa(40psig)に加圧する。透過収集物の速度をモニターする。アセンブリは3分後に減圧し、脱水された香料マイクロカプセルケーキを取り出す。
【表2】
【0111】
実施例6:バッチ濾過
実施例5の2.0SM膜が、濾過ケーキ中の遊離ホルムアルデヒドの最小化について最良の結果を示す。この膜は、実施例1の香料マイクロカプセルに対する前希釈とpH調整(50重量%クエン酸による)の効果を判定するのに使用される。
【表3】
【表4】
【0112】
上記の試料中に見込まれる遊離ホルムアルデヒドは1000mg/Lである(最初の試料中のホルムアルデヒド量に基づく、また、水は濾過プロセス時に取り除かれる)。濾過ケーキ6G、6H及び6Iを水性スラリー中で再構成して、以下の方法により安定な懸濁液相を生成させる:20.8gの濾過ケーキに10.6gのDI水を加え、次いで6.0gの1重量% Optixanキサンタンガム(ADM Corporation)水溶液、並びに2.50グラムの32重量%塩化マグネシウム溶液を加える。遊離ホルムアルデヒドを測定する前に、水性懸濁液を1週間25℃で経時処理する。
【表5】
【0113】
遊離ホルムアルデヒドをバルク溶液中に生成する、ホルムアルデヒドの「リザーバ」が存在する。この「リザーバ」は、希釈+濾過で除去できなければ、更には濾過前にスラリーのpHを低下させても除去できない。
【0114】
実施例7:連続濾過
PMCスラリーの連続膜分離精製法は2つの異なる孔径−0.14マイクロメートル(酸化ジルコニウム+二酸化チタン、TAMI Industries(France))、及び300kDa(酸化ジルコニウム、TAMI Industries(France))の膜を通してなされる。3部の水を実施例1の香料マイクロカプセル1部に加える(ただしバルク中の遊離ホルムアルデヒドは、アセトアセトアミドをスカベンジャーとして用いることで1200ppmに調整される)。次いでこのスラリーを使用して、4つの異なる流速での連続濾過操作の実施、及び透過物の収集速度、及び膜を挟んでの圧力低下の測定により、x−膜フィルタを通過させるのに理想的な流速を判断する。透過物収集速度を最大化させるのに最適な経膜圧低下と流速は、300kDa膜については300L/時間かつ4バールであり、並びに0.14マイクロメートル膜については230L/時間かつ5バールであることが見出された。次いで、それぞれの膜を5回通してスラリーを濾過する(スラリーに加えられた全ての水を除去することが目的である)。この操作が1回濾過を構成する。次いで材料は、分離精製された(diafiltered)スラリー1部当たりに対して3部の水で再度希釈する。次いでスラリーを、膜を通して濾過することで、添加した水を取り除く。この操作が2回濾過を構成する。全5回の分離精製膜濾過が、それぞれの膜についてなされる。
【表6】
注意書き:遊離ホルムアルデヒドについて有意な減少は存在しない(試料中にはホルムアルデヒドの「リザーバ」が存在している)。
【0115】
実施例8:バッチ遠心分離
実施例1の香料マイクロカプセルの水性懸濁液14mLを20mL遠心管中に配置する。6つの同一のチューブを準備し、バッチ遠心器(IEC Centra CL2)に配置する。3800rpmで20分の遠心後に遠心管を取り出すと、3つの層が観察される:最上層は香料マイクロカプセルケーキ層であり、それに水性層、及び高密度の固体粒子層が続く。最上層のマイクロカプセル層を残りの材料から分取し、遊離ホルムアルデヒド分析にかける。マイクロカプセルケーキはまた、安定な懸濁液相を作製するために再構成する(香料マイクロカプセルの最上層20.8gに10.6gのDI水を加え、次いで6.0gの1重量%Optixanキサンタンガム水溶液(ADM Corporation)、並びに2.50gの32重量%塩化マグネシウム溶液(Chemical Ventures)を加える)。PMC層(最上層)中の遊離ホルムアルデヒドは2244mg/Lであると測定される。再構成したマイクロカプセル(2wk/25C経時処理)中の遊離ホルムアルデヒドは1083mg/Lであると測定される。遊離ホルムアルデヒドは、予想される傾向、つまり加えられた分の希釈水の量に対して比例する濃度の低下を示し、すなわちホルムアルデヒドの「リザーバ」はこの物理的な分離法により取り除かれる。
【0116】
実施例9:バッチ遠心分離
実施例2の香料マイクロカプセルスラリーを50重量%クエン酸でpH調整する。実施例2の香料マイクロカプセルの水性懸濁液14mLを20mL遠心管中に配置する。6つのこのような同一のチューブを準備し、バッチ遠心器(IEC Centra CL2)に配置する。3800RPMで20分の遠心後に遠心管を取り出すと、3つの層が観察される:最上層は香料マイクロカプセルケーキ層であり、それに水性層、及び高密度の固体粒子層が続く。最上層のマイクロカプセル層を残りの材料から分取する。最上層の香料マイクロカプセル層20.8gに10.6gのDI水を加え、次いで6.0gの1重量%Optixanキサンタンガム水溶液(ADM Corporation)、並びに2.50gの32重量%塩化マグネシウム溶液(Chemical Ventures)を加える。最上層のマイクロカプセル層、及び再構成した香料マイクロカプセルスラリーを、遊離ホルムアルデヒド含量について分析する(実施例9A、9B)。
【表7】
【0117】
実施例10:バッチ遠心分離
実施例2の香料マイクロカプセルの水性懸濁液14mLを20mL遠心管中に配置する。6つのこのような同一のチューブを準備し、バッチ遠心器(IEC Centra CL2)に配置する。3800rpmで20分の遠心後に遠心管を取り出すと、3つの層が観察される:最上層は香料マイクロカプセルケーキ層であり、それに水性層、及び高密度の固体粒子層が続く。最上層のマイクロカプセル層を残りの材料から分取する。4グラムの最上層のマイクロカプセル層と8グラムの脱イオン水とを混合する。4つのこのような同様のチューブを準備し、バッチ遠心分離する。遠心管から最上層のマイクロカプセル層を取り出し、遊離のホルムアルデヒドを分析する(実施例10A、2回濾過物)。
【0118】
実施例8Eの最上層のマイクロカプセル層4グラムと、8グラムの脱イオン水とを混合する。2つのこのような同様のチューブを準備し、バッチ遠心分離する(IEC Centra CL2、3800RPMで20分、25℃)。遠心管から最上層のマイクロカプセル層を分取し、遊離ホルムアルデヒドについて分析した(実施例10B、3回濾過物)。分析は、遠心分離サイクルの回数を増加させることで、香料マイクロカプセルから永久に遊離のホルムアルデヒドを除去できることを示す。
【表8】
【0119】
香料マイクロカプセルケーキ8A、10A及び10Bは水で再構成し(最上層の香料マイクロカプセル層20.8gに10.6gのDI水を加え、次いで6.0gの1重量%Optixanキサンタンガム水溶液(ADM Corporation)、並びに2.50グラムの32重量%塩化マグネシウム溶液(Chemical Ventures))を加えて35℃で96時間にわたって経時処理する。
【表9】
【0120】
遊離ホルムアルデヒドは1回遠心分離スラリーについては、1083ppm〜1466ppm増加する。複数回遠心分離サイクルでは、遊離ホルムアルデヒドの増加は経時処理に基づいて効果的に低減される。
【0121】
実施例2の香料マイクロカプセルのpH調整は、放出可能なホルムアルデヒドの有意な増加をもたらした(3116ppm〜6100ppm)。遠心分離した香料マイクロカプセルは、放出可能なホルムアルデヒドの増加を十分に低減させ、遠心分離プロセス時に、遊離ホルムアルデヒドについてのリザーバの更に大部分が除去されることを示す。
【表10】
【0122】
実施例11:反応吸着
実施例1の香料マイクロカプセルおよそ1.0グラムを、ガラス製のジャーに配置する。およそ1.0グラムの脱イオン水をジャーに加える。次いでポリマー樹脂を加えて香料マイクロカプセルスラリーを希釈する。試料を3000RPMで2分間にわたって高速混合し、25℃で1晩静置する。翌朝、試料を3000RPMで2分間にわたって高速混合する。スラリーを濾過してポリマー樹脂を取り出し、遊離ホルムアルデヒドを測定した。
実験の説明は以下の表に要約する。いずれのポリマー樹脂の添加の前の香料マイクロカプセルスラリーの遊離ホルムアルデヒドも、4800ppmであると測定される。
【表11】
【0123】
実施例12:最終製品組成物
前述の実施例の精製された香料マイクロカプセルを含有している、製品配合の非限定的な例は、以下の表に要約される。
【表12】
aN,N−ジ(タローオイルオキシエチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド。
bメチル−ビス(タローアミドエチル)−2−ヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート。
c脂肪酸とメチルジエタノールアミンとのモル比1.5:1での反応生成物を塩化メチルで四級化して得られる、N,N−ビス(ステアロイル−オキシ−エチル)N,N−ジメチルアンモニウムクロライドとN−(ステアロイル−オキシ−エチル)N−ヒドロキシエチルN,Nジメチルアンモニウムクロライドとの1:1モル混合物。
d National Starchから商標名CATO(登録商標)で入手可能なカチオン性高アミローストウモロコシデンプン。
f米国特許第5,574,179号、第15欄、1〜5行目に記載の式を有する、エチレンオキシドとテレフタレートとのコポリマーであって、式中、各Xはメチルであり、各nは40であり、uは4であり、各R1は本質的に1,4−フェニレン部分であり、各R2は、本質的にエチレン、1,2−プロピレン部分、又はこれらの混合物である。
gWackerからのSE39
hジエチレントリアミン五酢酸。
iRohm and Haas Co.から入手可能なKATHON(登録商標)CG。「PPM」は、「百万分の一」。
jグルタルアルデヒド
kDC2310の商標名でDow Corning Corp.から入手可能なシリコーン消泡剤。
lRohm and Haas Co.からAculyn(商標)44の商標名にて入手可能な、疎水的に改質されたエトキシル化ウレタン。
*マイクロカプセルの好適な組み合わせは、実施例1〜7に提供されている(活性%はマイクロカプセルのコア含量に関連する)。
【0124】
実施例12の組成物のホルムアルデヒド濃度は、本明細書の試験方法3によって測定され、50ppm未満のホルムアルデヒド濃度を有することが見出される。
【0125】
実施例13:ドライ洗濯配合におけるマイクロカプセル
前述の実施例の精製された香料マイクロカプセルを含有している、製品配合の非限定的な例は、以下の表に要約される。
【表13】
*マイクロカプセルは35%活性スラリー(水溶液)として加えられる。コア/壁比の範囲は80/20〜最大で90/10までであることができ、平均粒径は5μm〜50μmの範囲であり、前述の実施例のいずれかにより精製することができる。
【0126】
実施例13の組成物のホルムアルデヒド濃度は本明細書の試験方法3で測定され、10ppm未満のホルムアルデヒド濃度を有することが見出される。
【0127】
実施例14:液体洗濯配合(HDL)
前述の実施例の精製された香料マイクロカプセルを含有している、製品配合の非限定的な例は、以下の表に要約される。
【表14】
【0128】
マイクロカプセルは35%活性スラリー(水溶液)として加えられる。コア/壁比の範囲は80/20〜最大で90/10までであることができ、平均粒径は5μm〜50μmの範囲であり、前述の実施例のいずれかにより精製することができる。
【0129】
実施例14の組成物のホルムアルデヒド濃度は本明細書の試験方法3によって測定され、10ppm未満のホルムアルデヒド濃度を有することが見出される。
【0130】
実施例15:
前述の実施例の精製された香料マイクロカプセルを含有している、製品配合の非限定的な例は、以下の表に要約される。
【表15】
*雲母−TiO
2(EckartからのPrestige Silk Silver Star)又はBiOCl(Biron Silver CO−Merck)又はpre−crystallized EGDS(DegussaからのTegopearl N100、高純度EGDSとして表記)。
**マイクロカプセルは35%活性スラリー(水溶液)として加えられる。コア/壁比の範囲は80/20〜最大で90/10までであることができ、平均粒径は5μm〜50μmの範囲であり、前述の実施例のいずれかにより精製することができる。
【表16】
*雲母−TiO
2(EckartからのPrestige Silk Silver Star)又はBiOCl(Biron Silver CO−Merck)又はpre−crystallized EGDS(DegussaからのTegopearl N
100、高純度EGDSとして表記)。
**マイクロカプセルは35%活性スラリー(水溶液)として加えられる。コア/壁比の範囲は80/20〜最大で90/10までであることができ、平均粒径は5μm〜50μmの範囲であり、前述の実施例のいずれかにより精製することができる。
【表17】
【表18】
*マイクロカプセルは35%活性スラリー(水溶液)として加えられる。コア/壁比の範囲は80/20〜最大で90/10までであることができ、平均粒径は5μm〜50μmの範囲であり、前述の実施例のいずれかにより精製することができる。
**ポリビニルアルコールの単回投与量/サッシェの中の低水分液体洗剤
【0131】
実施例16:
25.36%香料マイクロカプセルスラリーを、容積移送式ポンプを使用して9.1kg/分(20.1ポンド/分)で密封ディスクスタック遠心分離器(Alfa LavalモデルVO194)中にポンプした。遠心分離器は5030gの作用力にて5138rpmで回転させた。重質量流に対して193.1kPa(28psig)に背圧を調節することにより、出口比を48:52(軽質量対重質量)に調整し、及び軽質量相は大気圧又は0kPa(0psig)になるように開く。軽質流の流量は4.4kg/分(9.6ポンド/分)と測定され、重質量の流量は4.8kg/分(10.5ポンド/分)と測定された。軽質量固形分は47.66%と、重質量は4.77%と測定された。入口スラリーは4.05マイクロメートルの数加重中央粒径を有した。分離した軽質量相は、10.00マイクロメートルの数加重中央粒径を有し、重質量相は1.43マイクロメートルの数加重中央粒径を有した。得られたスラリーの香料含量は20.87%であった。分離した軽質量相は44.88%の香料含量を有し、重質量相の香料含量は0.53%であった。外殻粒子の除去効率は52.9%であった。
【0132】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく制限されるものとして理解されるべきでない。それよりむしろ、特に指定されない限り、こうした各寸法は、列挙した値と、その値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することを意図したものである。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0133】
「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に関して先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。本書における用語の任意の意味又は定義が、参照として組み込まれた文献における同一の用語の任意の意味又は定義と相反する限りにおいて、本書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0134】
本発明の特定の実施形態について説明し記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正が可能であることが当業者には自明である。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。