特許第6235090号(P6235090)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6235090
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】流体回収再生充填装置
(51)【国際特許分類】
   F25B 45/00 20060101AFI20171113BHJP
【FI】
   F25B45/00 A
【請求項の数】4
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2016-185181(P2016-185181)
(22)【出願日】2016年9月23日
【審査請求日】2017年4月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】597095120
【氏名又は名称】株式会社岡常歯車製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100080746
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 武嗣
(72)【発明者】
【氏名】野田 一行
(72)【発明者】
【氏名】高部 義幸
【審査官】 石黒 雄一
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第5493869(US,A)
【文献】 特開平5−60431(JP,A)
【文献】 特開2014−211267(JP,A)
【文献】 特開2016−200357(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両空調装置(S)から回収した第1冷媒を貯えるための第1回収タンク(Ta)と、上記車両空調装置(S)とは異なる別の車両空調装置(S´)から回収した第2冷媒を貯えるための第2回収タンク(Tb)と、を備えた装置本体(9)を具備し、
さらに、上記車両空調装置(S)の高圧サービスバルブ(Sa)に着脱自在な第1高圧用継手部材(10A)を有する第1高圧用ホース(1A)と、上記車両空調装置(S)の低圧サービスバルブ(Sb)に着脱自在な第1低圧用継手部材(20A)を有する第1低圧用ホース(2A)と、を備えた第1ホースユニット(Ya)と、
上記別の車両空調装置(S´)の高圧サービスバルブ(Sa´)に着脱自在な第2の高圧用継手部材(10B)を有する第2高圧用ホース(1B)と、上記別の車両空調装置(S´)の低圧サービスバルブ(Sb´)に着脱自在な第2低圧用継手部材(20B)を有する第2低圧用ホース(2B)と、を備えた第2ホースユニット(Yb)と、
を具備し、
上記装置本体(9)は、上記第1高圧用継手部材(10A)及び上記第1低圧用継手部材(20A)の少なくとも一方が接続・分離可能な第1不使用継手接続部(3A)と、上記第1不使用継手接続部(3A)が継手接続状態か否かを判定するための第1判定部(4A)と、上記第2高圧用継手部材(10B)及び上記第2低圧用継手部材(20B)の少なくとも一方が接続・分離可能な第2不使用継手接続部(3B)と、上記第2不使用継手接続部(3B)が継手接続状態か否かを判定するための第2判定部(4B)と、上記第1判定部(4A)及び上記第2判定部(4B)の判定結果に基づいて上記第1回収タンク(Ta)及び上記第2回収タンク(Tb)のいずれを使用するかを決定する制御部と、を備えたことを特徴とする流体回収再生充填装置。
【請求項2】
上記装置本体(9)は、上記第1回収タンク(Ta)及び上記第2回収タンク(Tb)を有する配管回路部(80)と、該配管回路部(80)に接続されると共に上記第1高圧用ホース(1A)と上記第2高圧用ホース(1B)とが選択的に接続可能な高圧接続部材(91)と、該配管回路部(80)に接続されると共に上記第1低圧用ホース(2A)と上記第2低圧用ホース(2B)とが選択的に接続可能な低圧接続部材(92)と、を備え、
上記高圧接続部材(91)に上記第1高圧用ホース(1A)と上記第2高圧用ホース(1B)とが対応すると共に上記低圧接続部材(92)に上記第1低圧用ホース(2A)と上記第2低圧用ホース(2B)とが対応することを判別可能な対応ホース識別手段を、上記高圧接続部材(91)と上記第1高圧用ホース(1A)と上記第2高圧用ホース(1B)と上記低圧接続部材(92)と上記第1低圧用ホース(2A)と上記第2低圧用ホース(2B)とに付与した請求項1記載の流体回収再生充填装置。
【請求項3】
車両空調装置(S)から回収した第1冷媒を貯えるための第1回収タンク(Ta)と、上記車両空調装置(S)とは異なる別の車両空調装置(S´)から回収した第2冷媒を貯えるための第2回収タンク(Tb)と、を備えた装置本体(9)を具備し、
さらに、上記車両空調装置(S)の高圧サービスバルブ(Sa)に着脱自在な第1高圧用継手部材(10A)と、上記車両空調装置(S)の低圧サービスバルブ(Sb)に着脱自在な第1低圧用継手部材(20A)と、を備え、
上記別の車両空調装置(S´)の高圧サービスバルブ(Sa´)に着脱自在な第2高圧用継手部材(10B)を先端に有すると共に基端が装置本体(9)側に接続された高圧用ホース(1)と、上記別の車両空調装置(S´)の低圧サービスバルブ(Sb´)に着脱自在な第2低圧用継手部材(20B)を有すると共に基端が上記装置本体(9)側に接続された低圧用ホース(2)と、を備え、
上記高圧用ホース(1)の第2高圧用継手部材(10B)に上記第1高圧用継手部材(10A)を着脱自在に構成すると共に、上記低圧用ホース(2)の第2低圧用継手部材(20B)に上記第1低圧用継手部材(20A)を着脱自在に構成し、
上記装置本体(9)は、上記第1高圧用継手部材(10A)及び上記第1低圧用継手部材(20A)の少なくとも一方が接続・分離可能な不使用継手接続部(3)と、上記不使用継手接続部(3)が継手接続状態か否かを判定するための判定部(4)と、該判定部(4)の判定結果に基づいて上記第1回収タンク(Ta)及び上記第2回収タンク(Tb)のいずれを使用するかを決定する制御部と、を備えたことを特徴とする流体回収再生充填装置。
【請求項4】
上記高圧用ホース(1)の上記第2高圧用継手部材(10B)に上記第1高圧用継手部材(10A)が対応すると共に上記低圧用ホース(2)の上記第2低圧用継手部材(20B)に上記第1低圧用継手部材(20A)が対応することが判別可能な対応ホース識別手段を、上記高圧用ホース(1)と上記第1高圧用継手部材(10A)と上記低圧用ホース(2)と上記第1低圧用継手部材(20A)とに付与した請求項3記載の流体回収再生充填装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体回収再生充填装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両空調装置から冷媒を回収再生する流体回収再生充填装置は、タンクに回収した冷媒を、車両空調装置に充填するものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−117719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在、広く用いられている冷媒(例えばHFC−134a)よりも、地球温暖化係数(GWP)や毒性が低い新たな冷媒(例えばHFO−1234yf)の採用、普及が進みつつある。そのため、従来の流体回収再生充填装置は、例えば、HFC−134aを使用していた車両に対して冷媒回収再生充填作業を行った後に、HFO−1234yfを使用している車両に対して冷媒回収再生充填作業を行うと、タンクに残留していた前作業のHFC−134aと、後作業のHFO−1234yfとが混合し、車両空調装置に2種類の冷媒が混合したものが充填され、適切な冷媒性能が得られないといった問題があった。また、複数台の流体回収再生充填装置を、冷媒の種類に応じて使い分けても、冷媒の種類と使用すべき流体回収再生充填装置の組合せを間違える虞があるといった問題や、複数台を所有するため保守管理に手間やコストがかかるといった問題もあった。
【0005】
そこで、本発明は、1台で複数種類の冷媒を回収可能、かつ、適切な冷媒性能を維持させたまま充填可能な流体回収再生充填装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の流体回収再生充填装置は、車両空調装置から回収した第1冷媒を貯えるための第1回収タンクと、上記車両空調装置とは異なる別の車両空調装置から回収した第2冷媒を貯えるための第2回収タンクと、を備えた装置本体を具備し、さらに、上記車両空調装置の高圧サービスバルブに着脱自在な第1高圧用継手部材を有する第1高圧用ホースと、上記車両空調装置の低圧サービスバルブに着脱自在な第1低圧用継手部材を有する第1低圧用ホースと、を備えた第1ホースユニットと、上記別の車両空調装置の高圧サービスバルブに着脱自在な第2の高圧用継手部材を有する第2高圧用ホースと、上記別の車両空調装置の低圧サービスバルブに着脱自在な第2低圧用継手部材を有する第2低圧用ホースと、を備えた第2ホースユニットと、を具備し、上記装置本体は、上記第1高圧用継手部材及び上記第1低圧用継手部材の少なくとも一方が接続・分離可能な第1不使用継手接続部と、上記第1不使用継手接続部が継手接続状態か否かを判定するための第1判定部と、上記第2高圧用継手部材及び上記第2低圧用継手部材の少なくとも一方が接続・分離可能な第2不使用継手接続部と、上記第2不使用継手接続部が継手接続状態か否かを判定するための第2判定部と、上記第1判定部及び上記第2判定部の判定結果に基づいて上記第1回収タンク及び上記第2回収タンクのいずれを使用するかを決定する制御部と、を備えたものである。
【0007】
また、上記装置本体は、上記第1回収タンク及び上記第2回収タンクを有する配管回路部と、該配管回路部に接続されると共に上記第1高圧用ホースと上記第2高圧用ホースとが選択的に接続可能な高圧接続部材と、該配管回路部に接続されると共に上記第1低圧用ホースと上記第2低圧用ホースとが選択的に接続可能な低圧接続部材と、を備え、上記高圧接続部材に上記第1高圧用ホースと上記第2高圧用ホースとが対応すると共に上記低圧接続部材に上記第1低圧用ホースと上記第2低圧用ホースとが対応することを判別可能な対応ホース識別手段を、上記高圧接続部材と上記第1高圧用ホースと上記第2高圧用ホースと上記低圧接続部材と上記第1低圧用ホースと上記第2低圧用ホースとに付与したものである。
【0008】
あるいは、車両空調装置から回収した第1冷媒を貯えるための第1回収タンクと、上記車両空調装置とは異なる別の車両空調装置から回収した第2冷媒を貯えるための第2回収タンクと、を備えた装置本体を具備し、さらに、上記車両空調装置の高圧サービスバルブに着脱自在な第1高圧用継手部材と、上記車両空調装置の低圧サービスバルブに着脱自在な第1低圧用継手部材と、を備え、上記別の車両空調装置の高圧サービスバルブに着脱自在な第2高圧用継手部材を先端に有すると共に基端が装置本体側に接続された高圧用ホースと、上記別の車両空調装置の低圧サービスバルブに着脱自在な第2低圧用継手部材を有すると共に基端が上記装置本体側に接続された低圧用ホースと、を備え、上記高圧用ホースの第2高圧用継手部材に上記第1高圧用継手部材を着脱自在に構成すると共に、上記低圧用ホースの第2低圧用継手部材に上記第1低圧用継手部材を着脱自在に構成し、上記装置本体は、上記第1高圧用継手部材及び上記第1低圧用継手部材の少なくとも一方が接続・分離可能な不使用継手接続部と、上記不使用継手接続部が継手接続状態か否かを判定するための判定部と、該判定部の判定結果に基づいて上記第1回収タンク及び上記第2回収タンクのいずれを使用するかを決定する制御部と、を備えたものである。
また、上記高圧用ホースの第2高圧用継手部材に上記第1高圧用継手部材が対応すると共に上記低圧用ホースの上記第2低圧用継手部材に上記第1低圧用継手部材が対応することが判別可能な対応ホース識別手段を、上記高圧用ホースと上記第1高圧用継手部材と上記低圧用ホースと上記第1低圧用継手部材とに付与したものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、異なる種類の冷媒が混ざるのを防止し、適切な冷媒性能を維持(保持)できる。1台で、複数種類の冷媒回収作業に対応できる。冷媒の種類に応じて流体回収再生充填装置を、複数台、所有する必要がなく、保守管理の手間やコストを削減できる。使用すべき回収タンクが確実に用いられて種類の異なる冷媒が混合するのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の一形態を示す要部断面正面図である。
図2】第1の冷媒回収再生工程を説明するための配管回路図である。
図3】第1のオイル充填工程を説明するための配管回路図である。
図4】第1の再生液化冷媒充填工程を説明するための配管回路図である。
図5】第1のホース洗浄工程を説明するための配管回路図である。
図6】第1のオイル供給部洗浄工程を説明するための配管回路図である。
図7】第1の回収再生配管部循環洗浄工程を説明するための配管回路図である。
図8】第1の残留冷媒回収工程を説明するための配管回路図である。
図9】第2の冷媒回収再生工程を説明するための配管回路図である。
図10】第2の再生液化冷媒充填工程を説明するための配管回路図である。
図11】第2のホース洗浄工程を説明するための配管回路図である。
図12】第2のオイル供給部洗浄工程を説明するための配管回路図である。
図13】第2の回収再生配管部循環洗浄工程を説明するための配管回路図である。
図14】第2の残留冷媒回収工程を説明するための配管回路図である。
図15】連通接続手段の他例を説明するための配管回路図である。
図16】第1冷媒作業準備状態を示す構成図である。
図17】第2冷媒作業準備状態を示す構成図である。
図18】他の実施形態を示す要部拡大図であって、(a)は第2冷媒作業準備状態を説明するための要部拡大図であり、(b)は第1冷媒作業準備状態を説明するための要部拡大図である。
図19】他の実施形態を示し、第1冷媒作業準備状態を示す構成図である。
図20】他の実施形態を示し、第2冷媒作業準備状態を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図示の実施形態に基づき本発明を詳説する。
本発明に係る流体回収再生充填装置は、図1及び図2図16に示すように、第1冷媒が予め充填されている車両空調装置Sの高圧サービスバルブSaに着脱自在な第1高圧用継手部材10Aを先端側に有する第1高圧用ホース1Aと、車両空調装置Sの低圧サービスバルブSbに着脱自在な第1低圧用継手部材20Aを先端側に有する第1低圧用ホース2Aと、車両空調装置Sから回収した第1冷媒を貯えるための第1回収タンクTaと、を備えている。
【0012】
さらに、図1及び図9図17に示すように、上記車両空調装置Sとは異なる別の車両空調装置S´の高圧サービスバルブSa´に着脱自在な第2高圧用継手部材10Bを先端側に有する第2高圧用ホース1Bと、上記別の車両空調装置S´の低圧サービスバルブSb´に着脱自在な第2低圧用継手部材20Bを先端側に有する第2低圧用ホース2Bと、上記別の車両空調装置S´から回収した第2冷媒を貯えるための第2回収タンクTbと、を備えている。
第1冷媒と第2冷媒は種類が異なる。つまり、別の車両空調装置S´には第1冷媒と異なる種類の第2冷媒が予め充填されている。例えば、第1冷媒は、HFC−134aであり、第2冷媒は、HFO−1234yfである。
【0013】
第1回収タンクTa及び第2回収タンクTbを備えた装置本体9は、本体ケーシング90から外方へ突出する高圧接続部材91と低圧接続部材92とを有している。
高圧接続部材91は、基端が本体ケーシング90に固着され本体ケーシング90内の配管回路部80と接続された高圧接続具91cと、高圧接続具91cに基端が接続されると共に先端が高圧連結具91aに接続された高圧接続ホース91bと、を有している。
低圧接続部材92は、本体ケーシング90に基端が固着され本体ケーシング90内の配管回路部80と接続された低圧接続具92cと、低圧接続具92cに基端が接続されると共に先端が低圧連結具92aに接続された低圧接続ホース92bと、を有している。
【0014】
第1・第2高圧用ホース1A,1B(以下、高圧用ホース1と呼ぶ場合もある)は、基端側に、高圧接続部材91の高圧連結具91aに着脱自在な第1・第2高圧用連結部材11A,11Bを備えている。
高圧連結具91a及び第1・第2高圧用連結部材11A,11Bは、ワンタッチ継手や迅速継手とも呼ばれる差込接続型雌雄継手ユニットで構成され、高圧連結具91aは雌雄一方側継手(雌雄一方のカプラ)であり、第1・第2高圧用連結部材11A,11Bは、雌雄他方側継手(雌雄他方のカプラ)である。
【0015】
第1・第2低圧用ホース2A,2B(以下、低圧用ホース2と呼ぶ場合もある)は、基端側に、低圧接続部材92の低圧連結具92aに着脱自在な第1・第2低圧用連結部材21A,21Bを備えている。
低圧連結具92a及び第1・第2低圧用連結部材21A,21Bは、ワンタッチ継手や迅速継手とも呼ばれる差込接続型雌雄継手ユニットで構成され、低圧接続部材92は雌雄一方側継手(雌雄一方のカプラ)であり、第1・第2低圧用連結部材21A,21Bは、雌雄他方側継手(雌雄他方のカプラ)である。
【0016】
つまり、第1高圧用ホース1Aと第1低圧用ホース2Aを備えた第1ホースユニットYaと、第2高圧用ホース1Bと第2低圧用ホース2Bを備えた第2ホースユニットYbとを、装置本体9の接続部材91,92(高圧接続部材91及び低圧接続部材92)に対して着脱自在に設けている。
第1ホースユニットYa、又は、第2ホースユニットYbを選択して装置本体9の高圧接続部材91及び低圧接続部材92に接続して装置本体9側の配管回路部80と連通するように構成している。
つまり、装置本体9は、第1高圧用ホース1Aと第2高圧用ホース1Bとが選択的に(第1高圧用ホース1Aと第2高圧用ホース1Bとの内、選択されたものが)接続可能な高圧接続部材91と、第1低圧用ホース2Aと第2低圧用ホース2Bとが選択的に接続可能な低圧接続部材92と、を備えている。
【0017】
さらに、装置本体9は、図1及び図2に示すように、第1オイルが充填されている第1オイル缶J1が接続可能な第1接続口部96と、第2オイルが充填されている第2オイル缶J2が接続可能な第2接続口部97と、補充用の冷媒が充填されている冷媒缶Kが接続可能な冷媒缶接続口部98と、高圧用ホース1の基端側(高圧接続部材91)と低圧用ホース2の基端側(低圧接続部材92)に連通可能に接続される配管回路部80と、配管回路部80の各電磁弁(開閉弁)VやコンプレッサCや真空引き用のポンプP等の被制御部材を制御するためのCPUやシーケンサ、リレー回路を有する電気基盤等の制御部(図示省略)と、制御部に指示信号を送るボタンやタッチパネル等の操作部(図示省略)と、を備えている。
【0018】
そして、装置本体9は、図16及び図17に示すように、第1高圧用継手部材10Aが接続・分離可能(着脱自在)な第1不使用継手接続部3Aと、第1不使用継手接続部3Aに第1高圧用継手部材10Aが接続された継手接続状態か否かを判定するための第1判定部4Aと、第2高圧用継手部材10Bが接続・分離可能(着脱自在)な第2不使用継手接続部3Bと、第2不使用継手接続部3Bに第2高圧用継手部材10Bが接続された継手接続状態か否かを判定するための第2判定部4Bと、を備えている。
【0019】
第1不使用継手接続部3Aは、車両空調装置Sの高圧サービスバルブSaと継手規格(抜き差し部の呼び径寸法や着脱構造)が同じものである。
第2不使用継手接続部3Bは、別の車両空調装置S´の高圧サービスバルブSa´と継手規格(抜き差し部の呼び径寸法や着脱構造)が同じものである。
つまり、第1不使用継手接続部3Aに第2ホースユニットYbは構造的に接続不可能であり、第2不使用継手接続部3Bに第1ホースユニットYaは構造的に接続不可能である。
【0020】
第1・2判定部4A,4Bは、リミットスイッチであって、細棒状の検知子が、各円筒状の第1・第2不使用継手接続部3A,3Bに挿通されている。
第1・2判定部4A,4Bは、第1・第2不使用継手接続部3A,3Bに接続された第1・第2高圧用継手部材10A,10B内部の相手側継手逆止弁解除用の棒状突出部によって、検知子が押圧されて電気的信号(ON―OFF信号)を送信するように構成している。
なお、第1・第2判定部4A,4Bは、リミットスイッチに限らず、継手接続状態か否かを判定(検知)して電気的信号を制御部に送信可能であればよく、光電センサ、近接センサ、磁気センサ等の電気的検知器(判定器)とするも良い。
【0021】
また、図示省略するが、第1不使用継手接続部3Aを、第1低圧用継手部材20Aと接続・分離可能に設け、第1判定部4Aを第1不使用継手接続部3Aに第1低圧用継手部材20Aが継手接続状態か否かを判定するように設けても良い。この場合、第1不使用継手接続部3Aは、車両空調装置Sの低圧サービスバルブSbと継手規格が同じものとする。
或いは、第1不使用継手接続部3Aを、第1高圧用継手部材10Aと第1低圧用継手部材20Aの両方が夫々接続・分離可能に2つ設け、第1判定部4Aを、第1不使用継手接続部3Aに第1高圧用継手部材10A及び第1低圧用継手部材20Aの両方が接続された継手接続状態か否かを判定するよう設けても良い。
また、第2不使用継手接続部3Bを、第2低圧用継手部材20Bと接続・分離可能に設け、第2判定部4Bを第2不使用継手接続部3Bに第2低圧用継手部材20Bが継手接続状態か否かを判定するように設けても良い。この場合、第2不使用継手接続部3Bは、別の車両空調装置S´の低圧サービスバルブSb´と継手規格が同じものとする。
或いは、第2不使用継手接続部3Bを、第2高圧用継手部材10Bと第2低圧用継手部材20Bの両方が夫々接続・分離可能に2つ設け、第2判定部4Bを、第2不使用継手接続部3Bに第2高圧用継手部材10B及び第2低圧用継手部材20Bの両方が継手接続状態か否かを判定するように設けても良い。
【0022】
さらに、高圧接続部材91に高圧用ホース1が対応することを判別可能にすると共に、低圧接続部材92に低圧用ホース2が対応することを判別可能にする対応ホース識別手段を、高圧接続部材91と高圧用ホース1と低圧接続部材92と低圧用ホース2とに付与している。
【0023】
対応ホース識別手段は、高圧接続部材91(の一部又は全部)と高圧用ホース1(の一部又は全部)に、第1識別表示を付与すると共に、低圧接続部材92(の一部又は全部)と低圧用ホース2(の一部又は全部)に、第1識別表示と異なる第2識別表示を付与するものであって、目視で判別(識別)を可能とする。
識別表示とは、色、模様、文字や記号等視認で識別(区別)が可能なように表現することをいう。
例えば、高圧接続部材91の高圧接続ホース91bと、高圧用ホース1のホース部に表面が赤(系)色のホース材を用いる。そして、低圧接続部材92の低圧接続ホース92bと、低圧用ホース2のホース部に表面が青(系)色のホース材を用いる。つまり、色(素材色)をもって識別表示を行い、目視での判別を可能とする。
或いは、高圧連結具91aと、第1・第2高圧用連結部材11A,11Bと、のメッキ色や素材色を第1識別表示とし、低圧連結具92aと、第1・第2低圧用連結部材21A,21Bと、のメッキ色や素材色を第2識別表示として、判別可能とする。
【0024】
また、対応ホース識別手段の他例としては、高圧連結具91aと、高圧用ホース1の高圧用連結部材11(第1・第2高圧用連結部材11A,11B)とを、第1連結用継手規格をもって、接続・分離自在に構成する。また、低圧連結具92aと、低圧用ホース2の低圧用継手部材20(第1・第2低圧用連結部材21A,21B)とを、第1連結用継手規格とは異なる第2連結用継手規格をもって、接続・分離自在に構成し、継手規格の相違による接続可否によって、判定を可能とする。
【0025】
図2に示すように、配管回路部80は、高圧接続部材91(高圧用ホース1の基端側)と一端側が接続される第1配管部81と、低圧接続部材92(低圧用ホース2の基端側)と一端側が接続される第2配管部82と、第1配管部81及び第2配管部82の他端側に合流連結部Qaにて一端側が連通可能に接続された合流配管部83と、合流配管部83の他端側に連結用逆止弁Baを介して接続されると共に第1回収タンクTa及び第2回収タンクTbの流入側に連通可能に接続される回収再生配管回路部84と、第1オイル缶J1が接続可能な第1接続口部96を先端側に有すると共に基端側が第1合流部Q1にて合流配管部83に接続される第1オイル供給配管部86と、第2オイル缶J2が接続可能な第2接続口部97を先端側に有すると共に基端側が第2合流部Q2にて合流配管部83に接続される第2オイル供給配管部87と、冷媒缶Kが接続可能な冷媒缶接続口部98を先端側に有すると共に基端側が合流配管部83に接続される冷媒補充配管部88と、を有している。
【0026】
そして、第1配管部81に高圧側電磁弁(第1電磁弁)V1を介装し、第2配管部82に低圧側電磁弁(第2電磁弁)V2を介装している。
また、第1オイル供給配管部86に、第1オイル用電磁弁(第6電磁弁)V6を介装し、第2オイル供給配管部87に、第2オイル用電磁弁(第7電磁弁)V7を介装し、冷媒補充配管部88に、冷媒補充用電磁弁(第8電磁弁)V8を介装している。
【0027】
また、合流配管部83において、第1合流部Q1と第2合流部Q2の間に、合流用電磁弁(第3電磁弁)V3を介装している。
また、合流配管部83において第1合流部Q1を第2合流部Q2よりも一端側に配設している。第2合流部Q2と連結用逆止弁Baの間に、冷媒補充配管部88を合流配管部83に合流させている。
【0028】
回収再生配管回路部84は、図2に示すように、車両空調装置Sから回収したオイル(冷凍機油)混じりの第1冷媒を、オイルセパレータ84aにてオイルと第1冷媒に分離し、オイルが分離された第1冷媒を液化させて、第1回収タンクTaへ送るための配管回路であると共に、図9に示すように、別の車両空調装置S´から回収したオイル(冷凍機油)混じりの第2冷媒を、オイルセパレータ84aにてオイルと第2冷媒に分離し、オイルが分離された第2冷媒を液化させて、第2回収タンクTbへ送るための配管回路である。つまり、第1回収タンクTaと第2回収タンクTbは、回収再生配管回路部84に並列的に接続されている。
【0029】
図2に於て、回収再生配管回路部84は、合流配管部83の他端側に連結用逆止弁Baを介して入口側が接続されるオイルセパレータ84aと、オイルセパレータ84aの出口側にドライフィルタ84bを介して吸込側が接続されるコンプレッサCと、コンプレッサCの吐出側と図示省略の安全弁及びコンプレッサ用電磁弁(第16電磁弁)V16を介して接続されオイルセパレータ84a内に配設される熱交換器(コンデンサ)84dと、オイルセパレータ84aの外に配設され熱交換器84dと回収タンク(第1回収タンクTa及び第2回収タンクTb)の流入側との間に配設される液化器(フィンコンデンサ)84eと、液化器84eの液化出口側と第1回収タンクTaの流入側を接続すると共に第1再生回収用電磁弁(第9電磁弁)V9が介装される第1タンク供給配管部84fと、液化器84eの液化出口側と第2回収タンクTbの流入側を接続すると共に第2再生回収用電磁弁(第13電磁弁)V13が介装される第2タンク供給配管部84gと、を備えている。
【0030】
また、配管回路部80は、第1回収タンクTaの流出側に一端側(上流側)が接続され、他端側(下流側)が、共用配管部70の基端側に、接続される第1回収流体充填配管部71を有している。第1回収流体充填配管部71に第1液化冷媒用電磁弁(第10電磁弁)V10を介装している。
また、第2回収タンクTaの流出側に一端側(上流側)が接続され、他端側(下流側)が共用配管部70の基端側に接続される第2回収流体充填配管部72を有している。第2回収流体充填配管部72に第2液化冷媒用電磁弁(第14電磁弁)V14を介装している。
【0031】
共用配管部70は、先端側が、第1配管部81において、高圧接続部材91との接続部と、第1電磁弁V1と、の間に連通可能に接続され、共用電磁弁(第19電磁弁)V19及び液化冷媒用逆止弁Bbが介装されている。
【0032】
また、配管回路部80は、第1回収流体充填配管部71と、オイルセパレータ84aの入口側と連結用逆止弁Baの間と、を第1循環用電磁弁(第12電磁弁)V12を介して接続する第1循環用配管部73を有している。
また、第2回収流体充填配管部72と、オイルセパレータ84aの入口側と連結用逆止弁Baの間と、を第2循環用電磁弁(第15電磁弁)V15を介して接続する第2循環用配管部74を有している。
【0033】
さらに、配管回路部80は、コンプレッサCの吐出側と第16電磁弁V16の間と、第9電磁弁V9と第1回収タンクTaの流入側の間と、を第1残留冷媒回収用電磁弁(第17電磁弁)V17を介して接続する第1残留冷媒回収用配管部77を有している。
また、配管回路部80は、コンプレッサCの吐出側と第16電磁弁V16の間と、第13電磁弁V13と第2回収タンクTbの流入側の間と、を第2残留冷媒回収用電磁弁(第18電磁弁)V18を介して接続する第2残留冷媒回収用配管部78を有している。
【0034】
また、配管回路部80は、合流配管部83の他端側(合流配管部83と冷媒補充配管部88の合流部)と連結用逆止弁Baの間と、第16電磁弁V16と熱交換器84dの間と、を均圧用電磁弁(第11電磁弁)V11を介して接続する均圧配管部79を有している。
【0035】
また、配管回路部80は、合流連結部Qa(第1配管部81と第2配管部82と合流配管部83)に、接続される真空引き用のポンプPを有する真空引き配管回路部85を具備している。
真空引き配管回路部85は、合流連結部QaとポンプPの間に、真空引き用電磁弁(第4電磁弁)V4を有している。また、第4電磁弁V4とポンプPの間に、負圧パージ用電磁弁(第5電磁弁)V5を有する負圧パージ用配管部を接続している。
なお、図示の配管回路部80は、圧力センサや圧力計、安全弁やドレイン配管等は図示省略している。また、各配管部を接続する(している)とは、流体が送流できるように連通可能に連結させる(させている)ことである。
【0036】
そして、図2に示すように、予め第1冷媒が充填されている車両空調装置Sから第1冷媒を第1回収タンクTaに回収再生する場合(第1の冷媒回収再生工程)は、第1ホースユニットYaを選択し、第1高圧用ホース1Aを高圧接続部材91に接続すると共に第1低圧用ホース2Aを低圧接続部材92に接続する。また、第1高圧用ホース1Aの第1高圧用継手部材10Aを高圧サービスバルブSaに接続し、第1低圧用ホース2Aの第1低圧用継手部材20Aを低圧サービスバルブSbに接続する。さらに、図2乃至図8図15においては図示省略するが、図16に示すように、第2ホースユニットYbの第2高圧用継手部材10Bを第2不使用継手接続部3Bに接続して第1冷媒作業準備状態とする。
【0037】
すると、第1判定部4Aが継手接続状態でない(非継手接続状態)と判定し、第2判定部4Bが継手接続状態であると判定(検知)して検知信号(不使用継手確認電気信号)を制御部に送信する。
制御部は、第1判定部4A及び第2判定部4Bの判定結果(電気信号の有無)に基づいて、第2ホースユニットYbが不使用状態であるということを認識し、第1ホースユニットYaが使用され、第1ホースユニットYaに対応する車両空調装置Sと第1冷媒とに関する工程(第1冷媒作業)を行うための準備がされたと判断し、第1回収タンクTaを使用すべきと決定する。また、第1冷媒作業の開始(運転スタート)を許可する。
このように、制御部によって自動的に第1回収タンクTa及び第2回収タンクTbのいずれを使用すべきかが決定され、使用者による誤操作(誤選択)を防止する。
つまり、第1冷媒作業中(工程)は、不使用である第2ホースユニットYbの第2高圧用継手部材10B及び第2低圧用継手部材20Bの少なくとも一方を第2不使用継手接続部3Bに接続している。
【0038】
図2に示すように、制御部が、第1・第2・第3・第9・第16電磁弁V1,V2,V3,V9,V16を開状態にし、第4・第5・第6・第7・第8・第10・第11・第12・第13・第14・第15・第17・第18・第19電磁弁V4,V5,V6,V7,V8,V10,V11,V12,V13,V14,V15,V17,V18,V19を閉状態にする。つまり、第1回収タンクTaを使用することを決定する。そして、制御部はコンプレッサCを駆動させる。
【0039】
第1の冷媒回収再生工程に於て、図2に太線で示すように、車両空調装置S内のオイル混じりの第1冷媒(流体)は、第1高圧用ホース1A及び第1配管部81を介して合流配管部83に流れると共に第1低圧用ホース2A及び第2配管部82を介して合流配管部83に流れる。さらに、第1冷媒は回収再生配管回路部84を流れ、オイルが除去されると共に液化される再生処理が行われ、第1回収タンクTa内に液化冷媒(液化フロンや回収流体とも呼ばれる)として貯えられる。
【0040】
第1の冷媒回収再生工程によって車両空調装置S内は大気圧付近(近傍)まで低下しているが、さらに、車両空調装置S内を真空状態(大気圧よりも低圧)にする真空引きが可能であって、真空引きする場合(第1の真空引き工程)は、例えば、第1の冷媒回収再生工程後に行う。制御部が、第1・第2・第4電磁弁V1,V2,V4を開状態にし、第3・第5・第6・第7・第8・第9・第10・第11・第12・第13・第14・第15・第16・第17・第18・第19電磁弁V3,V5,V6,V7,V8,V9,V10,V11,V12,V13,V14,V15,V16,V17,V18,V19を閉状態にする。そして、制御部はコンプレッサCを停止状態とし、真空引き用のポンプPを作動させる。
【0041】
第1の真空引き工程において、車両空調装置S内の流体は、高圧サービスバルブSaから第1高圧用ホース1Aと第1配管部81を流れて合流連結部Qaへ向かうと共に低圧サービスバルブSbから第1低圧用ホース2Aと第2配管部82を流れて合流連結部Qaへ向かう。さらに、合流連結部Qaから真空引き用電磁弁V4を介して真空引き用のポンプPへ流れ、その後、大気(装置本体9外)へ排出される。
【0042】
図3に示すように、車両空調装置用オイルを充填する場合(第1のオイル充填工程)は、第1高圧用ホース1Aの第1高圧用継手部材10Aを高圧サービスバルブSaに接続し、第1低圧用ホース2Aの第1低圧用継手部材20Aを低圧サービスバルブSbに接続する。
第1接続口部96に第1オイル缶J1を接続した場合は、制御部が、第1・第6電磁弁V1,V6を開状態にし、第2・第3・第4・第5・第7・第8・第9・第10・第11・第12・第13・第14・第15・第16・第17・第18・第19電磁弁V2,V3,V4,V5,V7,V8,V9,V10,V11,V12,V13,V14,V15,V16,V17,V18,V19を閉状態にする。
第1オイル缶J1の内圧によって、及び、車両空調装置Sの配管内を予め配管回路部80よりも低圧にすることによって、(図3に太線で示すように)オイルが第1オイル供給配管部86と、第1合流部Q1から合流連結部Qaまでと、第1配管部81と、第1高圧用ホース1Aと、を流れて高圧サービスバルブSa側から充填される。
【0043】
また、図示省略するが、第2接続口部97に第1オイルと同じ種類のオイルが充填されている第2オイル缶J2を接続した場合は、制御部が、第1・第3・第7電磁弁V1,V3,V7を開状態にし、第2・第4・第5・第6・第8・第9・第10・第11・第12・第13・第14・第15・第16・第17・第18・第19電磁弁V2,V4,V5,V6,V8,V9,V10,V11,V12,V13,V14,V15,V16,V17,V18,V19を閉状態にする。第2オイルが第2オイル供給配管部87と、第2合流部Q2から合流連結部Qaまでと、第1配管部81と、第1高圧用ホース1と、を流れて高圧サービスバルブSa側から充填される。
【0044】
また、図4に示すように、第1回収タンクTa内の第1冷媒(第1再生液化冷媒)を車両空調装置Sに充填する場合(第1の再生液化冷媒充填工程)は、第1高圧用ホース1Aの第1高圧用継手部材10Aを高圧サービスバルブSaに接続し、第1低圧用ホース2Aの第1低圧用継手部材20Aを低圧サービスバルブSbに接続する。また、図16に示すように、不使用である第2ホースユニットYbの第2高圧用継手部材10Bを第2不使用継手接続部3Bに接続している。第1・第2判定部4A,4Bに基づいて図4に示すように、制御部が第10・第19電磁弁V10,V19を開状態にし、第1・第2・第3・第4・第5・第6・第7・第8・第9・第11・第12・第13・第14・第15・第16・第17・第18電磁弁V1,V2,V3,V4,V5,V6,V7,V8,V9,V11,V12,V13,V14,V15,V16,V17,V18を閉状態にする。つまり、第1回収タンクTaを使用することを決定する。
【0045】
第1の再生液化冷媒充填工程は、第1回収タンクTaの内圧によって、及び、車両空調装置Sの配管内を予め配管回路部80よりも低圧にすることによって、(図4に太線で示すように)第1再生液化冷媒が第1回収流体充填配管部71と、共用配管部70と、共用配管部70と第1配管部81の接続部から第1高圧用ホース1Aを流れて高圧サービスバルブSa側から充填される。
【0046】
さらに、図5に示すように、第1再生液化冷媒を第1高圧用ホース1Aと第1低圧用ホース2Aと回収再生配管回路部84に送流させて配管洗浄であって、高圧サービスバルブSaから離脱させた第1高圧用継手部材10Aと、低圧サービスバルブSbから離脱させた第1低圧用継手部材20Aと、を接続するための第1冷媒用連結具6A(連結具6)を備え、さらに、第1オイル供給配管部86において第1合流部Q1よりも第1接続口部96側と、第2オイル供給配管部87において第2合流部Q2よりも第2接続口部97側と、を連通状態にするための連通接続手段5を備えている。
【0047】
第1冷媒用連結具6Aは、一端部が第1高圧用継手部材10Aに着脱自在に設けられ、他端部が第1低圧用継手部材20Aに着脱自在に設けられ、第1高圧用継手部材10Aと第1低圧用継手部材20Aを連通させる流路を内部に有している。
第1高圧・低圧用継手部材10A・20Aは、ワンタッチ継手や迅速継手とも呼ばれる差込接続型雌雄継手ユニットの雌側継手であって、具体的には、雌カプラである。
第1冷媒用連結具6Aの一端部及び他端部は、ワンタッチ継手や迅速継手とも呼ばれる差込接続型雌雄継手ユニットの雄側継手であって、具体的には、雄カプラである。
第1冷媒用連結具6Aの一端部は、高圧サービスバルブSaと継手規格(抜き差し部の呼び径寸法や着脱構造)が同じものである。
第1冷媒用連結具6Aの他端部は、低圧サービスバルブSbと継手規格が同じものである。
連結具6(第1冷媒用連結具6A及び後述の第2冷媒用連結具6B)の中間部は、パイプ状部材やホース状部材等、流体が送流可能であれば良い。なお、連結具6は、流路全長が200mm以下となるように設けるのが望ましい。また、空気の流入を防ぐために連結具6の内部に逆止弁を設けるのも好ましい。
【0048】
連通接続手段5は、第1接続口部96と着脱自在な第1連結部材56を一端側に有すると共に、他端側に第2接続口部97と着脱自在な第2連結部材57を有する連結配管部材55から構成されている。なお、第2接続口部97と第7電磁弁V7の間に逆止弁を設けるのが望ましい。
ここで、第1・第2接続口部96,97は、円筒形に形成され第1・第2オイル缶J1,J2の雄ネジ口部と螺合する(缶螺着用)の雌ネジ部と、缶開封用の注射針状の突入刃と、を有している。
連結配管部材55の第1・第2連結部材56,57は、円筒形に形成され、第1・第2接続口部96,97の雌ネジ部に螺着可能な雄ネジ部を有すると共に第1・第2接続口部96,97との螺合状態で突入刃が差し込まれて流体が送流可能に連通する開口部を有している。
第1接続口部96と第2接続口部97の雌ネジ部は同じネジ規格(ネジの巻き方向、ネジ形状、条数、ピッチ、呼び径)である。
第1・第2連結部材56,57及び第1・第2オイル缶J1,J2の雄ネジ部は、同じネジ規格である。
連結配管部材55の中間部は、パイプ状部材やホース状部材等、流体が送流可能であれば
良い。なお、連結配管部材55は、流路全長が700mm以下に設けるのが望ましい。連結配管部材55の第1・第2連結部材56,57と、第1・第2接続口部96,97との接続は、カプラを介して行っても良い。
【0049】
図5に示すように、第1高圧用ホース1A及び第1低圧用ホース2Aに第1再生液化冷媒を流して洗浄する場合(第1のホース洗浄工程)は、高圧サービスバルブSaと離脱させた第1高圧用継手部材10Aと低圧サービスバルブSbと離脱させた第1低圧用継手部材20Aとを装置本体9の外部側で第1冷媒用連結具6Aを介して接続して、第1高圧用ホース1Aと第1低圧用ホース2Aを接続し、さらに、連結配管部材55を第1接続口部96と第2接続口部97とに接続して連通状態として、配管洗浄準備状態とする。なお、図16に示すように、不使用である第2ホースユニットYbの第2高圧用継手部材10Bは、第2不使用継手接続部3Bに接続している。制御部が、第2・第3・第9・第10・第16・第19電磁弁V2,V3,V9,V10,V16,V19を開状態にし、第1・第4・第5・第6・第7・第8・第11・第12・第13・第14・第15・第17・第18電磁弁V1,V4,V5,V6,V7,V8,V11,V12,V13,V14,V15,V17,V18を閉状態にする。つまり、第1回収タンクTaを使用することを決定する。そして、制御部がコンプレッサCを駆動させる。
【0050】
第1再生液化冷媒が第1回収流体充填配管部71と共用配管部70を流れ、共用配管部70と第1配管部81との接続部から第1配管部81と第1高圧用ホース1Aと第1冷媒用連結具6Aと第1低圧用ホース2Aと第2配管部82を流れ、さらに、合流連結部Qaから合流配管部83を流れ、連結用逆止弁Baを介して回収再生配管回路部84を流れてオイルが除去され第1回収タンクTaに戻るように循環させる。
【0051】
また、図6に示すように、第1オイル供給配管部86及び第2オイル供給配管部87と回収再生配管回路部84に第1回収タンクTa内の第1冷媒(第1再生液化冷媒)を流して洗浄する場合(第1のオイル供給部洗浄工程)は、上述の配管洗浄準備状態とし、制御部が、第1・第6・第7・第9・第10・第16・第19電磁弁V1,V6,V7,V9,V10,V16,V19を開状態にし、第2・第3・第4・第5・第8・第11・第12・第13・第14・第15・第17・第18電磁弁V2,V3,V4,V5,V8,V11,V12,V13,V14,V15,V17,V18を閉状態にして、コンプレッサCを駆動させる。
【0052】
第1再生液化冷媒が第1回収タンクTaから第1回収流体充填配管部71と共用配管部70を流れ、共用配管部70と第1配管部81との接続部から第1配管部81(第1電磁弁V1)を流れ、合流連結部Qaから第1合流部Q1を介して第1オイル供給配管部86と連結配管部材55(連通接続手段5)と第2オイル供給配管部87を流れ、そして、第2合流部Q2から連結用逆止弁Baを介して回収再生配管回路部84を流れてオイルが除去され第1回収タンクTaに戻るように循環する。
【0053】
このように、第1オイル供給配管部86を基端(第1合流部Q1)から先端(第1接続口部96)まで洗浄できると共に、第2オイル供給配管部87を先端(第2接続口部97)から基端(第2合流部Q2)まで洗浄できるため、オイルの種類に応じて第1接続口部96と第2接続口部97から供給するオイルの種類を限定する(専用とする)必要がなくなる。つまり、第1オイル缶に充填される第1オイルと、第2オイル缶に充填されるオイル(第2オイル)は、同じ種類であっても異なる種類であっても良い。例えば、大型車両に短時間でオイルを大量に供給したい場合は、第1接続口部96に第1オイル缶J1を接続し、第1オイル缶J1と同じ種類のオイルが充填されている第2オイル缶J2を第2接続口部97に接続して、供給しても良い。
【0054】
また、図7に示すように、第1再生液化冷媒を合流配管部83に流さずに回収再生配管回路部84を洗浄可能であって(第1の回収再生配管部循環洗浄工程)、制御部が、第9・第12・第16電磁弁V9,V12,V16を開状態にし、第1・第2・第3・第4・第5・第6・第7・第8・第10・第11・第13・第14・第15・第17・第18・第19電磁弁V1,V2,V3,V4,V5,V6,V7,V8,V10,V11,V13,V14,V15,V17,V18,V19を閉状態にする。さらに、制御部がコンプレッサCを駆動させる。回収再生配管回路部84を重点的に効率良く洗浄できる。さらに、第1循環用配管部73を洗浄できる。
【0055】
さらに、図8に示すように、第1冷媒をコンプレッサCにて熱交換器84d及び液化器84eを介して第1回収タンクTaへ圧送後に(第1の冷媒回収再生工程後に)、コンプレッサCにて熱交換器84d及び液化器84e内に残留している第1冷媒を吸い出して第1回収タンクTaに圧送すること(第1の残留冷媒回収工程)が可能であって、制御部が、第11・第17電磁弁V11,V17を開状態にし、第1・第2・第3・第4・第5・第6・第7・第8・第9・第10・第12・第13・第14・第15・第16・第18・第19電磁弁V1,V2,V3,V4,V5,V6,V7,V8,V9,V10,V12,V13,V14,V15,V16,V18,V19を閉状態にする。さらに、制御部がコンプレッサCを駆動させる。
【0056】
第9電磁弁V9と液化器84e(の液化出口側)の間の配管部内、液化器84e内、液化器84e(の液化入口側)と熱交換器84d(の熱交換出口側)の間の配管部内、熱交換器84d内、熱交換器84d(の熱交換入口側)と第16電磁弁V16の間の配管部内、に残留していた第1冷媒を、第1の冷媒回収再生工程とは逆方向に流し、均圧配管部79を利用してオイルセパレータ84aの入口側へ流し、ドライフィルタ84bを介して、コンプレッサCの吸込口側から吸い込む。そして、残留していた第1冷媒を、コンプレッサCの吐出口側から第1冷媒回収用配管部77を介して第1回収タンクTaに圧送して回収する。液化器84eの液化入口側から吸い出すと共に熱交換器84dの熱交換入口側から吸い出して残留冷媒を回収する。回収再生配管回路部84内に冷媒が多く残留することを防止でき、後作業において、第1冷媒と異なる第2冷媒を回収再生する際に、混合するのを防止できる。
【0057】
図例においては、均圧配管部79をコンプレッサ吸込吐出側連通用配管部に併用し、均圧用電磁弁V11をコンプレッサ吸込吐出側連通用電磁弁に併用している。つまり、均圧配管部79は、コンプレッサ吸込吐出側連通用配管部79とも呼べる。また、均圧用電磁弁(第11電磁弁)V11は、コンプレッサ吸込吐出側連通用電磁弁V11とも呼べる。
【0058】
なお、図示省略するが、ホース洗浄工程及びオイル供給部洗浄工程を同時に(同工程にて)行うことも可能であって、上記配管洗浄準備状態とした後、制御部が、第2・第6・第7・第9・第10・第16・第19電磁弁V2,V6,V7,V9,V10,V16,V19を開状態にし、第1・第3・第4・第5・第8・第11・第12・第13・第14・第15・第17・第18電磁弁V1,V3,V4,V5,V8,V11,V12,V13,V14,V15,V17,V18を閉状態にし、コンプレッサCを駆動させる。
【0059】
第1再生液化冷媒が第1回収タンクTaから第1回収流体充填配管部71と共用配管部70を流れ、共用配管部70と第1配管部81との接続部から第1配管部81と第1高圧用ホース1Aと第1冷媒用連結具6Aと第1低圧用ホース2Aと第2配管部82を流れ、さらに、合流連結部Qaから第1合流部Q1を介して第1オイル供給配管部86と連結配管部材55と第2オイル供給配管部87を流れ、そして、第2合流部Q2から連結用逆止弁Bbを介して回収再生配管回路部84を流れてオイルが除去され第1回収タンクTaに戻るように循環する。
【0060】
また、図示省略するが、第1再生液化冷媒で第1高圧用ホース1A及び第1低圧用ホース2Aを洗浄せずに(第1のホース洗浄工程を行わずに)、合流配管部83の一端側から他端側まで第3電磁弁V3を介して送流させて洗浄可能であって(第1の合流用電磁弁洗浄工程は)、制御部が第1・第3・第9・第10・第16・第19電磁弁V1,V3,V9,V10,V16,V19を開状態にし、第2・第4・第5・第6・第7・第8・第11・第12・第13・第14・第15・第17・第18電磁弁V2,V4,V5,V6,V7,V8,V11,V12,V13,V14,V15,V17,V18を閉状態にする。さらに、制御部がコンプレッサCを駆動させる。
【0061】
第1の合流用電磁弁洗浄工程において、第1再生液化冷媒が、第1回収流体充填配管部71から第1電磁弁V1を介して、合流連結部Qaと第3電磁弁V3を通過するように合流配管部83全体に流れ、その後、連結用逆止弁Baを介して回収再生配管回路部84を流れて、オイルが除去され、第1回収タンクTaに戻るように循環する。この洗浄工程は、上述の第1のホース洗浄工程と第1のオイル供給部洗浄工程とを同時に洗浄する工程の前又は後に行うのが好ましい。
【0062】
また、図示省略するが、上述の第1の各洗浄工程や残留冷媒回収工程において、コンプレッサCを駆動させる前に、制御部が、第11・第16電磁弁V11,V16を開状態にし、第1・第2・第3・第4・第5・第6・第7・第8・第9・第10・第12・第13・第14・第15・第17・第18・第19電磁弁V1,V2,V3,V4,V5,V6,V7,V8,V9,V10,V12,V13,V14,V15,V17,V18,V19を閉状態にして、コンプレッサCの吐出側と吸込側を均圧配管部79を介して連通させ、コンプレッサCの吐出側の残留している冷媒を、コンプレッサCの吐出側と吸込側で生じる圧力差によって、オイルセパレータ84aに流すようにする(第1の均圧配管部洗浄工程)こともできる。
上述の第1の各洗浄工程や残留冷媒回収工程のいくつかを組み合わせて行うことにより、配管回路部80全てを、第1冷媒にて洗浄できる。
【0063】
ここで、第1冷媒が充填されている車両空調装置Sの高圧サービスバルブSaと、第1冷媒と異なる第2冷媒が充填されている別の車両空調装置S´の高圧サービスバルブSa´とは、継手規格(抜き差し部の呼び径寸法や着脱構造)が異なる。
また、車両空調装置Sの低圧サービスバルブSbと、上記別の車両空調装置S´の低圧サービスバルブSb´とは、継手規格(抜き差し部の呼び径寸法や着脱構造)が異なる。
【0064】
そこで、図9に示すように、第1冷媒と異なる第2冷媒が予め充填されている別の車両空調装置S´から第2冷媒を第2回収タンクTbに回収する場合(第2の冷媒回収再生工程)は、第2ホースユニットYbを選択し、第2高圧用ホース1Bを高圧接続部材91に接続すると共に第2低圧用ホース2Bを低圧接続部材92に接続する。また、第2高圧用ホース1Bを別の車両空調装置S´の高圧サービスバルブSa´に接続すると共に第2低圧用ホース2Bを別の車両空調装置S´の低圧サービスバルブSb´に接続する。さらに、図9乃至図14においては図示省略するが、図17に示すように、第1ホースユニットYaの第1高圧用継手部材10Aを第1不使用継手接続部3Aに接続して第2冷媒作業準備状態(別の車両空調装置作業準備状態)とする。
【0065】
すると、第1判定部4Aが継手接続状態であると判定(検知)して検知信号(不使用継手確認電気信号)を制御部に送信する。第2判定部4Bが継手接続状態でないと判定する。制御部は、第1判定部4A及び第2判定部4Bの判定結果(電気信号の有無)に基づいて、第1ホースユニットYaが不使用状態であるということを認識し、第2ホースユニットYbが使用され、第2ホースユニットYbに対応する別の車両空調装置S´と、第1冷媒と異なる種類の第2冷媒と、に関する第2冷媒作業(別の車両空調装置作業)をおこなうための準備がされたと判断し、第2回収タンクTbを使用すべきと決定する。また、第2冷媒作業の開始を許可する。
つまり、第2冷媒作業中(工程)は、不使用である第1ホースユニットYaの第1高圧用継手部材10A及び第1低圧用継手部材20Aの少なくとも一方を第1不使用継手接続部3Aに接続している。
【0066】
図9に示すように、制御部が第1・第2・第3・第13・第16電磁弁V1,V2,V3,V13,V16を開状態にし、第4・第5・第6・第7・第8・第9・第10・第11・第12・第14・第15・第17・第18・第19電磁弁V4,V5,V6,V7,V8,V9,V10,V11,V12,V14,V15,V17,V18,V19を閉状態にする。つまり、第2回収タンクTbを使用することを決定する。そして、制御部はコンプレッサCを駆動させる。
【0067】
第2の冷媒回収再生工程に於て、図9に太線で示すように、別の車両空調装置S´内のオイル混じりの第2冷媒(流体)は、第2高圧用ホース1B及び第1配管部81を介して合流配管部83に流れると共に第2低圧用ホース2B及び第2配管部82を介して合流配管部83に流れる。さらに、第2冷媒は回収再生配管回路部84を流れ、オイルが除去されると共に液化される再生処理が行われ、第2回収タンクTb内に液化冷媒(液化フロンや回収流体とも呼ばれる)として貯えられる。
【0068】
また、真空引きする場合(第2の真空引き工程)は、図示省略するが、第2高圧用ホース1Bを別の車両空調装置S´の高圧サービスバルブSa´に接続し、第2低圧用ホース2Bを別の車両空調装置S´の低圧サービスバルブSb´に接続する。電磁弁Vの開閉は第1の真空引き工程と同じである。
【0069】
また、車両空調装置用オイルを、別の車両空調装置S´に充填する場合(第2のオイル充填工程)は、図示省略するが、第2高圧用ホース1Bを別の車両空調装置S´の高圧サービスバルブSa´に接続し、第2低圧用ホース2Bを別の車両空調装置S´の低圧サービスバルブSb´に接続する。また、第1オイルと異なる種類の第2オイルが充填されている第2オイル缶J2を、第1接続口部96及び第2接続口部97の一方又は両方に接続する。電磁弁Vの開閉は、第1接続口部96に第2オイル缶J2を接続した場合は、制御部が、第1・第6電磁弁V1,V6を開状態にし、第2・第3・第4・第5・第7・第8・第9・第10・第11・第12・第13・第14・第15・第16・第17・第18・第19電磁弁V2,V3,V4,V5,V7,V8,V9,V10,V11,V12,V13,V14,V15,V16,V17,V18,V19を閉状態にする。第2オイルが第1オイル供給配管部86と、第2合流部Q2から合流連結部Qaまでと、第1配管部81と、第1高圧用ホース1と、を流れて高圧サービスバルブSa´側から充填される。
さらに、第2接続口部97にも第2オイル缶J2を接続した場合は、制御部が、第7電磁弁V7も開状態にし、第2オイルが第2オイル供給配管部87にも流れる。
【0070】
また、図10に示すように、第2回収タンクTb内の第2冷媒(第2再生液化冷媒)を別の車両空調装置S´に充填可能であって(第2の再生液化冷媒充填工程は)、第2高圧用ホース1Bを高圧サービスバルブSa´に接続し、第2低圧用ホース2Bを低圧サービスバルブSb´に接続する。また、図17に示すように、不使用である第1ホースユニットYaの第1高圧用継手部材10Aを第1不使用継手接続部3Aに接続している。制御部が第14・第19電磁弁V14,V19を開状態にし、第1・第2・第3・第4・第5・第6・第7・第8・第9・第10・第11・第12・第13・第15・第16・第17・第18電磁弁V1,V2,V3,V4,V5,V6,V7,V8,V9,V10,V11,V12,V13,V15,V16,V17,V18を閉状態にする。つまり、第2回収タンクTbを使用することを決定する。
【0071】
第2の再生液化冷媒充填工程は、第2再生液化冷媒が第2回収流体充填配管部72と、共用配管部70と、共用配管部70と第1配管部81の接続部から第2高圧用ホース1Bを流れて別の車両空調装置S´の高圧サービスバルブSa´側から充填される。
【0072】
さらに、図11に示すように、別の車両空調装置S´の高圧サービスバルブSa´から離脱させた第2高圧用継手部材10Bと、別の車両空調装置S´の低圧サービスバルブSb´から離脱させた第2低圧用継手部材20Bと、を接続するための第2冷媒用連結具6B(連結具6)を備えている。
第2冷媒用連結具6Bは、一端部が第2高圧用継手部材10Bに着脱自在に設けられ、他端部が第2低圧用継手部材20Bに着脱自在に設けられ、第2高圧用継手部材10Bと第2低圧用継手部材20Bを連通させる流路を内部に有している。
第2高圧・低圧用継手部材10B・20Bは、ワンタッチ継手や迅速継手とも呼ばれる差込接続型雌雄継手ユニットの雌側継手であって、具体的には、雌カプラである。
第2冷媒用連結具6Bの一端部及び他端部は、ワンタッチ継手や迅速継手とも呼ばれる差込接続型雌雄継手ユニットの雄側継手であって、具体的には、雄カプラである。
第2冷媒用連結具6Bの一端部は、別の車両空調装置S´の高圧サービスバルブSa´と継手規格(抜き差し部の呼び径寸法や着脱構造)が同じものである。
第2冷媒用連結具6Bの他端部は、別の車両空調装置S´の低圧サービスバルブSb´と継手規格が同じものである。
【0073】
そして、第2再生液化冷媒を、第2高圧用ホース1Bと第2低圧用ホース2Bと回収再生配管回路部84に送流させて配管洗浄する場合(第2のホース洗浄工程)は、第2高圧用ホース1Bと第2低圧用ホース2Bを第2冷媒用連結具6B(連結具6)にて接続し、連結配管部材55を第1接続口部96と第2接続口部97とに接続して連通状態として、配管洗浄準備状態とする。制御部が、第2・第3・第13・第14・第16・第19電磁弁V2,V3,V13,V14,V16,V19を開状態にし、第1・第4・第5・第6・第7・第8・第9・第10・第11・第12・第15・第17・第18電磁弁V1,V4,V5,V6,V7,V8,V9,V10,V11,V12,V15,V17,V18を閉状態にする。さらに、制御部がコンプレッサCを駆動させる。
【0074】
第2再生液化冷媒が第2回収流体充填配管部72と共用配管部70を流れ、共用配管部70と第1配管部81との接続部から第1配管部81と第2高圧用ホース1Bと第2冷媒用連結具6Bと第2低圧用ホース2Bと第2配管部82を流れ、さらに、合流連結部Qaから合流配管部83を流れ、連結用逆止弁Baを介して回収再生配管回路部84を流れてオイルが除去され第2回収タンクTbに戻るように循環させる。
【0075】
また、図12に示すように、第1オイル供給配管部86及び第2オイル供給配管部87と回収再生配管回路部84に第2再生液化冷媒を流して洗浄する場合(第2のオイル供給部洗浄工程)は、上述の配管洗浄準備状態とし、制御部が、第1・第6・第7・第13・第14・第16・第19電磁弁V1,V6,V7,V13,V14,V16,V19を開状態にし、第2・第3・第4・第5・第8・第9・第10・第11・第12・第15・第17・第18電磁弁V2,V3,V4,V5,V8,V9,V10,V11,V12,V15,V17,V18を閉状態にして、コンプレッサCを駆動させる。
【0076】
第2再生液化冷媒が第2回収タンクTbから第2回収流体充填配管部72と共用配管部70を流れ、共用配管部70と第1配管部81との接続部から第1配管部81(第1電磁弁V1)を流れ、合流連結部Qaから第1合流部Q1を介して第1オイル供給配管部86と連結配管部材55(連通接続手段5)と第2オイル供給配管部87を流れ、そして、第2合流部Q2から連結用逆止弁Baを介して回収再生配管回路部84を流れてオイルが除去され第2回収タンクTbに戻るように循環する。
【0077】
また、図13に示すように、第2再生液化冷媒を合流配管部83に流さずに回収再生配管回路部84を洗浄可能であって(第2の回収再生配管部循環洗浄工程は)、制御部が第13・第15・第16電磁弁V13,V15,V16を開状態にし、第1・第2・第3・第4・第5・第6・第7・第8・第9・第10・第11・第12・第14・第17・第18・第19電磁弁V1,V2,V3,V4,V5,V6,V7,V8,V9,V10,V11,V12,V14,V17,V18,V19を閉状態にする。さらに、制御部がコンプレッサCを駆動させる。
【0078】
さらに、図14に示すように、第2冷媒をコンプレッサCにて熱交換器84d及び液化器84eを介して第2回収タンクTbへ圧送後に(第2の冷媒回収再生工程後に)、熱交換器84d及び液化器84e内に残留している第2冷媒をコンプレッサCにて吸い出して第2回収タンクTbに圧送することが可能であって(第2の残留冷媒回収工程は)、制御部が、第11・第18電磁弁V11,V18を開状態にし、第1・第2・第3・第4・第5・第6・第7・第8・第9・第10・第12・第13・第14・第15・第16・第17・第19電磁弁V1,V2,V3,V4,V5,V6,V7,V8,V9,V10,V12,V13,V14,V15,V16,V17,V19を閉状態にする。さらに、制御部がコンプレッサCを駆動させる。
【0079】
第13電磁弁V13と液化器84e(の液化出口側)の間の配管部内、液化器84e内、液化器84e(の液化入口側)と熱交換器84d(の熱交換出口側)の間の配管部内、熱交換器84d内、熱交換器84d(の熱交換入口側)と第16電磁弁V16の間の配管部内、に残留していた第2冷媒を、第2の冷媒回収再生工程とは逆方向に流し、均圧配管部79を利用してオイルセパレータ84aの入口側へ流し、ドライフィルタ84bを介して、コンプレッサCの吸込口側から吸い込む。そして、残留していた第2冷媒を、コンプレッサCの吐出口側から第2冷媒回収用配管部78を介して第2回収タンクTbに圧送して回収する。液化器84eの液化入口側から吸い出すと共に熱交換器84dの熱交換入口側から吸い出して残留冷媒を回収する。回収再生配管回路部84内に第2冷媒が多く残留することを防止でき、後作業において、第2冷媒と異なる第1冷媒を回収再生する際に、混合するのを防止できる。
【0080】
なお、図示省略するが、第2のホース洗浄工程及び第2のオイル供給部洗浄工程を同時に(同工程にて)行うことも可能であって、上記配管洗浄準備状態とした後、制御部が、第2・第6・第7・第13・第14・第16・第19電磁弁V2,V6,V7,V13,V14,V16,V19を開状態にし、第1・第3・第4・第5・第8・第9・第10・第11・第12・第15・第17・第18電磁弁V1,V3,V4,V5,V8,V9,V10,V11,V12,V15,V17,V18を閉状態にし、コンプレッサCを駆動させる。
【0081】
第2再生液化冷媒が第2回収タンクTbから第2回収流体充填配管部72と共用配管部70を流れ、共用配管部70と第1配管部81との接続部から第1配管部81と第2高圧用ホース1Bと連結具6と第2低圧用ホース2Bと第2配管部82を流れ、さらに、合流連結部Qaから第1合流部Q1を介して第1オイル供給配管部86と連結配管部材55と第2オイル供給配管部87を流れ、そして、第2合流部Q2から連結用逆止弁Baを介して回収再生配管回路部84を流れてオイルが除去され第2回収タンクTbに戻るように循環する。
【0082】
また、図示省略するが、第2高圧用ホース1B及び第2低圧用ホース2Bを第2再生液化冷媒で洗浄せずに(第2のホース洗浄工程を行わずに)、合流配管部83の一端側から他端側まで第3電磁弁V3を介して送流させて洗浄可能であって(第2の合流用電磁弁洗浄工程は)、制御部が第1・第3・第13・第14・第16・第19電磁弁V1,V3,V13,V14,V16,V19を開状態にし、第2・第4・第5・第6・第7・第8・第9・第10・第11・第12・第15・第17・第18電磁弁V2,V4,V5,V6,V7,V8,V9,V10,V11,V12,V15,V17,V18を閉状態にする。さらに、制御部がコンプレッサCを駆動させる。この洗浄工程は、上述の第2のホース洗浄工程と第2のオイル供給部洗浄工程とを同時に洗浄する工程の前又は後に行うのが好ましい。
【0083】
第2の合流用電磁弁洗浄工程において、第2再生液化冷媒が、第2回収流体充填配管部72から共用配管部70と第1電磁弁V1を介して、合流連結部Qaと第3電磁弁V3を通過するように合流配管部83全体に流れ、その後、連結用逆止弁Baを介して回収再生配管回路部84を流れて、オイルが除去され、第2回収タンクTbに戻るように循環する。
【0084】
また、図示省略するが、上述の第2の各洗浄工程や残留冷媒回収工程において、コンプレッサCを駆動させる前に、制御部が第11・第16電磁弁V11,V16を開状態にし、第1・第2・第3・第4・第5・第6・第7・第8・第9・第10・第12・第13・第14・第15・第17・第18・第19電磁弁V1,V2,V3,V4,V5,V6,V7,V8,V9,V10,V12,V13,V14,V15,V17,V18,V19を閉状態にして、て、コンプレッサCの吐出側と吸込側を均圧配管部79を介して連通させ、コンプレッサCの吐出側の残留している冷媒を、コンプレッサCの吐出側と吸込側で生じる圧力差によって、オイルセパレータ84aに流すようにする(第2の均圧配管部洗浄工程)こともできる。
このように、上述の第2の各洗浄工程と残留冷媒回収工程のいくつかを組み合わせて行うことにより、配管回路部80全てを、第2冷媒にて洗浄できる。
【0085】
図15に、連通接続手段5の他例を示す。
連通接続手段5を、第1オイル供給配管部86の中間部と第2オイル供給配管部87の中間部とをバイパス用電磁弁Vaを介して接続するバイパス配管部50で構成している。
第1オイル供給配管部86において第1接続口部96の基端側近傍に第1逆止弁B6を設け、第2オイル供給配管部87において第2接続口部97の基端側近傍に第2逆止弁B7を設けている。第1逆止弁B6と第6電磁弁V6の間に(第1逆止弁B6の基端側近傍に)バイパス配管部50の一端側を接続し、第2逆止弁B7と第7電磁弁V7の間に(第2逆止弁B7の基端側近傍に)バイパス配管部50の他端側を接続している。そして、第1接続口部96を第1オイル缶J1(第1オイル)専用とし、第2接続口部97を第1オイルと異なる種類の第2オイルが充填されている第2オイル缶J2(第1オイルと異なる種類の第2オイル)専用とする。
第1オイル供給配管部86と第2オイル供給配管部87の洗浄を行う際に、バイパス配管部50を開状態にすることで、バイパス配管部50に回収流体(第1再生液化冷媒又は第2再生液化冷媒)を送流させて配管洗浄を可能としたものである。
【0086】
次に、図示省略するが、高圧接続部材91及び低圧接続部材92の変形例を説明する。
変形例の高圧接続部材91は本体ケーシング90に固着され本体ケーシング90内の配管回路部80と接続されると共に高圧用ホース1の基端側(選択された第1・第2高圧用連結部材11A,11B)と接続・分離可能な高圧連結具91aで構成されている(高圧接続ホース91bを省略している)。また、変形例の低圧接続部材92は、本体ケーシング90に固着され本体ケーシング90内の配管回路部80と接続されると共に低圧用ホース2の基端側(選択された第1・第2低圧用連結部材21A,21B)と接続・分離可能な低圧連結具92aで構成されている(低圧接続ホース92bを省略している)。他の構成は上述の実施形態と同様である。
【0087】
次に、図18乃至図20に示す他の実施形態では、車両空調装置Sの高圧サービスバルブSaに先端側が着脱自在な第1高圧用継手部材10Aと、車両空調装置Sの低圧サービスバルブSbに先端側が着脱自在な第1低圧用継手部材20Aと、を備えている。
そして、別の車両空調装置S´の高圧サービスバルブSa´に着脱自在な第2高圧用継手部材10Bを先端に有すると共に、高圧接続部材91を介して基端が装置本体9側の配管回路部80に接続された高圧用ホース1と、別の車両空調装置S´の低圧サービスバルブSb´に着脱自在な第2低圧用継手部材20Bを有すると共に、低圧接続部材92を介して基端が装置本体9側の配管回路部80に接続された低圧用ホース2と、を備えている。
高圧接続部材91は、高圧用ホース1の基端が連通して固着可能な配管部材からなる高圧接続具91cにて構成されている
低圧接続部材92は、低圧用ホース2の基端が連通して固着可能な配管部材からなる低圧接続具92cにて構成されている。
そして、高圧用ホース1の第2高圧用継手部材10Bに第1高圧用継手部材10Aの基端側を着脱自在に取着し、低圧用ホース2の第2低圧用継手部材20Bに第1低圧用継手部材20Aの基端側を着脱自在に取着した構成である。
【0088】
第1高圧用継手部材10Aは、先端側に、車両空調装置Sの高圧サービスバルブSaに着脱自在な高圧継手本体aを有している。
第1高圧用継手部材10Aは、基端側に、第2高圧用継手部材10Bと連通するための流路を内部に有すると共に外周側に第2高圧用継手部材10Bと着脱自在な継手構造を有する高圧用アダプタ部材7を、高圧継手本体aの基端部に一体に、又は、着脱自在に、有している。
第1高圧用継手部材10Aの基端側(高圧用アダプタ部材7の基端部)は、第2高圧用継手部材10Bに着脱自在に設けられ、別の車両空調装置S´の高圧サービスバルブSa´と継手規格(抜き差し部の呼び径寸法や着脱構造)が同じものである。具体的には雄カプラである。
【0089】
第1低圧用継手部材20Aは、先端側に、車両空調装置Sの低圧サービスバルブSbに着脱自在な低圧継手本体bを有している。
第1低圧用継手部材20Aは、基端側に、第2低圧用継手部材20Bと連通するための流路を内部に有すると共に外周側に第2低圧用継手部材20Bと着脱自在な継手構造を有する低圧用アダプタ部材8を、低圧継手本体bに一体に、又は、着脱自在に、有している。
第1低圧用継手部材20Aの基端側(低圧用アダプタ部材8の基端部)は、第2低圧用継手部材20Bに着脱自在に設けられ、別の車両空調装置S´の低圧サービスバルブSb´と継手規格(抜き差し部の呼び径寸法や着脱構造)が同じものである。具体的には雄カプラである。
【0090】
そして、図19及び図20に示すように、装置本体9は、第1高圧用継手部材10Aの先端側(高圧継手本体a)が接続・分離可能な不使用継手接続部3と、不使用継手接続部3が継手接続状態か否かを判定するための判定部4と、を備え、制御部を、判定部4の判定結果に基づいて第1回収タンクTa及び第2回収タンクTbのどちらを使用するかを決定するように構成している。
なお、不使用継手接続部3は第1低圧用継手部材20Aの先端側(低圧継手本体b)が接続・分離可能とするも良い。或いは、不使用継手接続部3は第1高圧用継手部材10A及び第1低圧用継手部材20Aの両方の先端側が、夫々接続・分離可能に2つ設けるも良い。
【0091】
また、高圧用ホース1の第2高圧用継手部材10Bに、第1高圧用継手部材10Aが対応すると共に低圧用ホース2の第2低圧用継手部材20Bに、第1低圧用継手部材20Aが対応することが、接続可否で判別可能及び目視(色)で判別可能な対応ホース識別手段を、高圧用ホース1と第1高圧用継手部材10Aと低圧用ホース2と第1低圧用継手部材20Aとに付与している。
つまり、第2高圧用継手部材10Bと第1高圧用継手部材10Aの基端側(高圧用アダプタ部材7)との継手規格と、第2低圧用継手部材20Bと第1低圧用継手部材20Aの基端側(低圧用アダプタ部材8)との継手規格とは、異なるため、接続可否で判別可能とした対応ホース識別手段が付与されているが(付け間違いは発生しないが)、さらに、接続作業を容易かつ迅速に行えるようにするため、素材色やメッキ色といった色による目視で判別可能に設けるのが好ましい。
なお、高圧継手本体aと高圧用アダプタ部材7を着脱自在に設けると共に、低圧継手本体bと低圧用アダプタ部材8を着脱自在に設けた場合は、高圧継手本体aに高圧用アダプタ部材7が対応すると共に、低圧継手本体bに、低圧用アダプタ部材8が対応することが、接続可否で判別可能及び/又は目視(色)で判別可能な対応ホース識別手段を、高圧継手本体aと高圧用アダプタ部材7と低圧継手本体bと低圧用アダプタ部材8とに付与する。
【0092】
第1冷媒が充填された車両空調装置Sに対して作業を行う場合は、図18(b)及び図19に示すように、第2高圧用継手部材10Bに第1高圧用継手部材10Aを接続し、第2低圧用継手部材20Bに第1低圧用継手部材20Aを接続した第1冷媒作業準備状態とする。
すると、判定部4が継手接続状態でないと判定する。制御部は、判定部4の判定結果(電気信号無し)に基づいて、第1高圧用継手部材10A及び第1低圧用継手部材20Aが使用状態であるということを認識し、車両空調装置Sと第1冷媒とに関する第1冷媒作業を行うための準備がされたと判断し、第1回収タンクTaを使用すべきと決定する。
そして、上述の実施形態と同様に、第1冷媒回収工程、オイル充填工程、第1の再生液化冷媒充填工程、各洗浄工程等の第1冷媒作業を行う。
【0093】
そして、第2冷媒が充填された別の車両空調装置S´に対して作業を行う場合は、図18(a)及び図20に示すように、第2高圧用継手部材10Bから第1高圧用継手部材10Aを離脱させ、第2低圧用継手部材20Bから第1低圧用継手部材20Aを離脱させ、さらに、第1高圧用継手部材10Aを不使用継手接続部3に接続して第2冷媒作業準備状態とする。すると、判定部4が継手接続状態と判定する。制御部は、判定部4の判定結果(電気信号有り)に基づいて、第1高圧用継手部材10A及び第1低圧用継手部材20Aが不使用状態であるということを認識し、別の車両空調装置S´と第2冷媒とに関する第2冷媒作業を行うための準備がされたと判断し、第2回収タンクTbを使用すべきと決定する。
そして、上述の実施形態と同様に、第2冷媒回収工程、オイル充填工程、第2の再生液化冷媒充填工程、各洗浄工程等の第2冷媒作業を行う。他の構成及び作用効果は、図1乃至図17を用いて説明した実施形態と同様である。
【0094】
なお、本発明は、設計変更可能であって、回収タンクを3つ以上設けても良い。例えば、第3回収タンクを設けると共に、第3回収流体充填配管部、第3循環用配管部、第3タンク供給配管部、第3残留冷媒回収用配管部、第3回収再生用電磁弁、第3液化冷媒用電磁弁、第3循環用電磁弁、第3残留回収用電磁弁、を設けるも良い。また、冷媒缶Kと異なる種類の冷媒が充填された第2の冷媒缶や第3の冷媒缶に対応するように構成しても良い。例えば、第2・第3の冷媒缶用接続口部、第2・第3の冷媒補充配管部、第2・第3の冷媒補充用電磁弁を設けても良い。第1ホースユニットYaと第2ホースユニットYbを装置本体9に固着して設けても良い。図6図7図8図12図13図14の工程及び図示省略の第1・第2の均圧配管部洗浄工程に於て高圧用ホース1と低圧用ホース2を連結具6にて接続していなくても良い。また、図5図7図8図13図14の工程と図示省略の第1・第2の均圧配管部洗浄工程に於て連結配管部材55を接続していなくても良い。また、第2の洗浄工程(第2のホース洗浄工程や第2のオイル供給部洗浄工程に使用する連結具6及び連結配管部材55は、第1の洗浄工程(第1のホース洗浄工程や第1のオイル供給部洗浄工程)に使用する連結具6及び連結配管部材55と、同じものであるが、第1の洗浄工程用(第1冷媒用)と、第2の洗浄工程用(第2冷媒用)と、に区別して設けても良い。また、第17電磁弁V17及び第18電磁弁V18は、各回収タンクTa,Tbからの圧力(内圧)に対向できるもの(逆圧に強いもの)が望ましい。また、第17電磁弁V17と第1回収タンクTaの間や、第18電磁弁V18と第2回収タンクTbの間に、逆流防止用電磁弁を介装してもよい。回収再生配管回路部84は、回収冷媒を再生処理可能であれば、図示した以外の回路でも良い。第1・第2のオイル充填工程において車両空調装置Sの配管内を配管回路部80よりも低圧にすることによって、合流配管部83から液化冷媒やオイルが回収再生配管回路部84へ流れることはないが、第1・第2のオイル充填工程において液化冷媒やオイルが回収再生配管回路部84へ流れるのを阻止するように閉状態となる逆流防止用電磁弁を合流配管部83と回収再生配管回路部84の間に設けても良い。図2図15に於て、第19電磁弁V19を省略するも自由である。
【0095】
また、第1冷媒をコンプレッサCにて液化器84eを介して第1回収タンクTaへ圧送後に、コンプレッサCにて液化器84e内に残留している第1冷媒を吸い出して第1回収タンクTaに圧送するように構成し、第2冷媒をコンプレッサCにて液化器84eを介して第2回収タンクTbへ圧送後に、コンプレッサCにて液化器84e内に残留している第2冷媒を吸い出して第2回収タンクTbに圧送するように構成したので、装置本体9側の配管回路部80内、特に、回収再生配管回路部84内で、異なる種類の冷媒が混ざるのを防止できる。冷媒を回収再生する際に冷媒を送るためのコンプレッサCを、残留冷媒の回収のために利用でき、部品点数が少なくなって、製造を容易に行うことができると共に装置本体9を小型・軽量化できる。
【0096】
以上のように、本発明の流体回収再生充填装置は、車両空調装置Sから回収した第1冷媒を貯えるための第1回収タンクTaと、車両空調装置Sとは異なる別の車両空調装置S´から回収した第2冷媒を貯えるための第2回収タンクTbと、を備えた装置本体9を具備し、さらに、車両空調装置Sの高圧サービスバルブSaに着脱自在な第1高圧用継手部材10Aを有する第1高圧用ホース1Aと、車両空調装置Sの低圧サービスバルブSbに着脱自在な第1低圧用継手部材20Aを有する第1低圧用ホース2Aと、を備えた第1ホースユニットYaと、上記別の車両空調装置S´の高圧サービスバルブSa´に着脱自在な第2の高圧用継手部材10Bを有する第2高圧用ホース1Bと、別の車両空調装置S´の低圧サービスバルブSb´に着脱自在な第2低圧用継手部材20Bを有する第2低圧用ホース2Bと、を備えた第2ホースユニットYbと、を具備し、上記装置本体9は、第1高圧用継手部材10A及び第1低圧用継手部材20Aの少なくとも一方が接続・分離可能な第1不使用継手接続部3Aと、第1不使用継手接続部3Aが継手接続状態か否かを判定するための第1判定部4Aと、第2高圧用継手部材10B及び第2低圧用継手部材20Bの少なくとも一方が接続・分離可能な第2不使用継手接続部3Bと、第2不使用継手接続部3Bが継手接続状態か否かを判定するための第2判定部4Bと、第1判定部4A及び第2判定部4Bの判定結果に基づいて第1回収タンクTa及び第2回収タンクTbのいずれを使用するかを決定する制御部と、を備えたので、異なる種類の冷媒が混ざるのを防止し、適切な冷媒性能を維持(保持)できる。1台で、複数種類の冷媒回収作業に対応できる。冷媒の種類に応じて流体回収再生充填装置を、複数台、所有する必要がなく、保守管理の手間やコストを削減できる。種類の異なる冷媒がホースユニットYa,Yb内や回収タンクTa,Tbで混ざるのを防止でき、適切な冷媒性能を得ることができる。使用者による操作ミスを防止でき、使用すべき回収タンクTa,Tbが確実に選択され、冷媒の回収・再生・充填・洗浄を適切に行うことができる。
【0097】
また、装置本体9は、第1回収タンクTa及び第2回収タンクTbを有する配管回路部80と、配管回路部80に接続されると共に第1高圧用ホース1Aと第2高圧用ホース1Bとが選択的に接続可能な高圧接続部材91と、配管回路部80に接続されると共に第1低圧用ホース2Aと第2低圧用ホース2Bとが選択的に接続可能な低圧接続部材92と、を備え、高圧接続部材91に第1高圧用ホース1Aと第2高圧用ホース1Bとが対応すると共に低圧接続部材92に第1低圧用ホース2Aと第2低圧用ホース2Bとが対応することを判別可能な対応ホース識別手段を、高圧接続部材91と第1高圧用ホース1Aと第2高圧用ホース1Bと低圧接続部材92と第1低圧用ホース2Aと第2低圧用ホース2Bとに付与したので、本体側接続部材91,92と、高圧用ホース1及び低圧用ホース2と、の付け間違いを防止できると共に、迅速に連結作業を行うことができる。
【0098】
また、車両空調装置Sから回収した第1冷媒を貯えるための第1回収タンクTaと、車両空調装置Sとは異なる別の車両空調装置S´から回収した第2冷媒を貯えるための第2回収タンクTbと、を備えた装置本体9を具備し、さらに、車両空調装置Sの高圧サービスバルブSaに着脱自在な第1高圧用継手部材10Aと、車両空調装置Sの低圧サービスバルブSbに着脱自在な第1低圧用継手部材20Aと、を備え、別の車両空調装置S´の高圧サービスバルブSa´に着脱自在な第2高圧用継手部材10Bを先端に有すると共に基端が装置本体9側に接続された高圧用ホース1と、別の車両空調装置S´の低圧サービスバルブSb´に着脱自在な第2低圧用継手部材20Bを有すると共に基端が装置本体9側に接続された低圧用ホース2と、を備え、高圧用ホース1の第2高圧用継手部材10Bに第1高圧用継手部材10Aを着脱自在に構成すると共に、低圧用ホース2の第2低圧用継手部材20Bに第1低圧用継手部材20Aを着脱自在に構成し、装置本体9は、第1高圧用継手部材10A及び第1低圧用継手部材20Aの少なくとも一方が接続・分離可能な不使用継手接続部3と、不使用継手接続部3が継手接続状態か否かを判定するための判定部4と、判定部4の判定結果に基づいて第1回収タンクTa及び第2回収タンクTbのいずれを使用するかを決定する制御部と、を備えたので、簡素な構成としながらも、第1冷媒が充填されている車両空調装置Sと第2冷媒が充填されている別の車両空調装置S´の両方に対応できる。第1冷媒用の作業準備と、第2冷媒用の作業準備と、に容易かつ迅速に切り換えることができる。ホース部分を共用でき部品点数が少なくなって、容易に(安価に)製造することができる。使用者による操作ミスを防止でき、使用すべき回収タンクTa,Tbが確実に選択され、冷媒の回収・再生・充填・洗浄を適切に行うことができる。
【0099】
また、高圧用ホース1の第2高圧用継手部材10Bに第1高圧用継手部材10Aが対応すると共に低圧用ホース2の第2低圧用継手部材20Bに第1低圧用継手部材20Aが対応することが判別可能な対応ホース識別手段を、高圧用ホース1と第1高圧用継手部材10Aと低圧用ホース2と第1低圧用継手部材20Aとに付与したので、付け間違いを防止できると共に、迅速かつ容易に連結(接続)作業を行うことができる。
【符号の説明】
【0100】
1 高圧用ホース
1A 第1高圧用ホース
1B 第2高圧用ホース
2 低圧用ホース
2A 第1低圧用ホース
2B 第2低圧用ホース
3 不使用継手接続部
3A 第1不使用継手接続部
3B 第2不使用継手接続部
4 判定部
4A 第1判定部
4B 第2判定部
9 装置本体
10A 第1高圧用継手部材
10B 第2高圧用継手部材
20A 第1低圧用継手部材
20B 第2低圧用継手部材
80 配管回路部
91 高圧接続部材
92 低圧接続部材
S 車両空調装置
S´ 別の車両空調装置
Sa 高圧サービスバルブ
Sa´ 高圧サービスバルブ
Sb 低圧サービスバルブ
Sb´ 低圧サービスバルブ
Ta 第1回収タンク
Tb 第2回収タンク
Ya 第1ホースユニット
Yb 第2ホースユニット
【要約】      (修正有)
【課題】1台で複数種類の冷媒を回収可能、かつ、適切な冷媒性能を維持させたまま充填可能な流体回収再生充填装置を提供する。
【解決手段】車両空調装置Sから回収した第1冷媒を貯える第1回収タンクTaと、車両空調装置Sとは異なる別の車両空調装置から回収した第2冷媒を貯える第2回収タンクTbを備えた装置本体9と、さらに、車両空調装置Sの高圧サービスバルブSaに着脱自在な第1高圧用継手部材10Aを有する第1高圧用ホース1Aと、車両空調装置Sの低圧サービスバルブSbに着脱自在な第1低圧用継手部材20Aを有する第1低圧用ホース2Aからなる第1ホースユニットYaと、別の車両空調装置の高圧サービスバルブに着脱自在な第2の高圧用継手部材10Bを有する第2高圧用ホース1Bと、別の車両空調装置の低圧サービスバルブに着脱自在な第2低圧用継手部材20Bを有する第2低圧用ホース2Bからなる第2ホースユニットYbとを有する。
【選択図】図16
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20