(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る情報表示装置20の構成を示すブロック図である。
図2は、操作部23の構成を示す正面図である。
【0017】
本実施形態の情報表示装置20は、
図1に示すように、制御部21と、海図情報記憶部22と、操作部23と、表示部24と、を備えている。また、情報表示装置20は、物標及び自船の位置情報等を検出可能な様々なセンサと接続されている。これらのセンサの検出結果は、制御部21に入力される。制御部21は、センサの検出結果に基づいて、レーダ映像及び自船の周囲の海図等を作成して矩形状の画面を有する表示部24に表示することができる。
【0018】
また、ユーザは、操作部23を操作することにより、表示部24の表示内容を切り替えたり、各種設定を変更したりすることができる。操作部23は、
図2に示すように、各種のキーに加え、操作ノブ(選択操作部)51と、トラックボール(選択操作部)52と、を有している。
【0019】
操作ノブ51は、回転させることにより所定のメニュー項目にカーソルを合わせることが可能であるとともに、操作ノブ51を押してそのメニュー項目を選択することができる。トラックボール52は、所定のメニュー項目にポインタを合わせることが可能であるとともに、クリックすることによりそのメニュー項目を選択することができる。なお、メニュー項目の選択方法は、後述のようにアプリケーションを切り替えた場合でも、共通の操作で行うことができるように構成されている。
【0020】
本実施形態の情報表示装置20には、主として、アンテナユニット10と、GPS受信機14と、風向風速計15と、方位センサ16と、が接続されている。
【0021】
アンテナユニット10は、レーダアンテナ11と、送受信部12と、を備えている。レーダアンテナ11は、指向性の高いパルス状の電波(送信パルス信号)を送信可能であるとともに、物標からのエコー信号(反射波)を受信するように構成されている。
【0022】
送受信部12は、レーダアンテナ11が受信したエコー信号をサンプリングし、デジタル化したエコー信号を情報表示装置20の制御部21へ出力するように構成されている。
【0023】
情報表示装置20の制御部21は、図略のCPU、RAM及びROM等からなるハードウェアと、前記ROMに記憶された各種のプログラムからなるソフトウェアと、から構成されている。制御部21は、プログラムを実行することにより、情報表示装置20の制御(例えば表示制御)を行うことができる。なお、このプログラムは、制御部21が備える前記ROMに記憶される構成の他、記憶媒体(CD−ROM等)に記憶されたものであっても良い。制御部21は、レーダアンテナ11がエコー信号を受信するまでの時間に基づいて、エコー源(船舶や陸地などの物標)までの距離を算出する。また、前記エコーを受信したときのレーダアンテナ11の向き(電波の送受信方向)によって、エコー源が存在する方位がわかる。制御部21は、このようにしてエコー源の位置を算出して表示部24に表示することができる。また、制御部21は、ユーザの操作に応じて、レーダアンテナ11及びレーダ映像の設定(送信パルス信号のパルス幅の設定及び干渉除去処理を行うか否か等)を行うことができる。
【0024】
GPS受信機14は、GPSアンテナ13から測位信号を受信して自船の位置(詳細にはGPSアンテナ13の位置)の現在の位置情報を検出する。GPS受信機14が算出した位置情報は、情報表示装置20の制御部21に出力される。
【0025】
風向風速計15は、例えば回転可能な本体に垂直尾翼とプロペラとが取り付けられた構成である。この構成で、垂直尾翼は風を受けることにより、プロペラが風上を向くように本体を回転させる。従って、このときの本体の向きから風向きを検出することができるとともに、プロペラの回転数から風速を検出することができる。風向風速計15が算出した風向き及び風速は、情報表示装置20の制御部21に送信される。
【0026】
方位センサ16は、自船に固定された複数のGPSアンテナを備えており、GPSアンテナの相対的な位置関係から船首方位を検出することができる。方位センサ16が算出した船首方位は、情報表示装置20の制御部21に送信される。なお、方位センサ16としては、この構成以外にも、例えば磁気方位センサやジャイロコンパス等を用いることができる。
【0027】
制御部21は、風向風速計15、方位センサ16及び図略の他のセンサから入力されたデータに基づいて、センサの検出結果を表示部24に表示することができる。制御部21は、ユーザの操作に応じて、表示部24に表示するデータを変更したり、データの表示箇所を変更したりすることが可能である。
【0028】
また、情報表示装置20は、電子海図を記憶する海図情報記憶部22を備えている。制御部21は、前記GPS受信機14から入力された自船の位置情報と、海図情報記憶部22の記憶内容と、に基づいて、自船の周囲の海図を表示部24に自動的に表示することができる。
【0029】
また本実施形態の制御部21は、ルート作成機能を有しており、予め記憶されているマーク等の情報に基づいて出発地から目的地に到達するためのルートを作成し、当該ルートを自船位置とともに表示部24に表示することができる。
【0030】
以上のように、本実施形態の制御部21は、アンテナユニット10及びレーダ映像に関する処理を行うアプリケーションと、ユーザの設定に応じた構成でデータを表示するアプリケーションと、電子海図及びルートに関する処理を行うアプリケーションと、を実行可能に構成されている。そして、制御部21は、どのアプリケーションからの情報画像を表示部24に表示するかをユーザの選択に応じて切替可能に構成されている。
【0031】
次に、表示部24に表示される内容及びその操作方法等について
図3から
図7までを参照して説明する。
図3及び
図4は、表示対象のアプリケーションがECDIS(電子海図及びルートに関する処理を行うアプリケーション)であるときの表示部24の表示内容を示す図である。
図5は、アプリケーションがECDISからRADAR(アンテナユニット10及びレーダ映像に関する処理を行うアプリケーション)に切り替えられるときの表示部24の表示内容を示す図である。
図6及び
図7は、表示対象のアプリケーションがRADARであるときの表示部24の表示内容を示す図である。
【0032】
表示部24の表示内容は、
図3(a)等に示すように、画面中央に大きく表示される情報画像としての電子海図又はレーダ映像等に加え、アプリケーション表示部30と、第1メニュー項目表示部31と、第2メニュー項目表示部32と、共通メニュー項目表示部35と、航海データ表示部36と、から構成されている。また、表示部24には、
図4に示すように、第3メニュー項目表示部33又は第4メニュー項目表示部34が一時的に表示されることがある。
【0033】
初めに、表示対象のアプリケーションがECDISであるときについて説明する。
【0034】
アプリケーション表示部30は、画面の左上隅に配置されている。アプリケーション表示部30には、どのアプリケーションからの情報画像が現在表示されているかが示されている。表示対象のアプリケーションを切り替える場合(例えばECDISからRADARに切り替える場合)、ユーザは、トラックボール52を操作してポインタ37を移動させてアプリケーション表示部30をクリックする。そうすると、
図5(a)に示すように、アプリケーション表示部30の下方にアプリケーションの一覧が表示される。この一覧と、前記アプリケーション表示部30と、により、アプリケーション選択メニュー30aが構成される。そして、ユーザは、表示させたいアプリケーションであるRADARにポインタ37を合わせる。このとき、
図5(a)に示すように、ポインタ37を合わせたRADARには、枠状のカーソルが表示される(
図5(a)を参照)。そして、この状態でクリックすることにより、表示対象のアプリケーションをECDISからRADARに切り替えることができる(
図5(b)を参照)。なお、このアプリケーション表示部30及びアプリケーション選択メニュー30aの構成は、表示対象のアプリケーション間で共通となっている。そして、アプリケーションの選択方法(選択に用いる機器及び選択の手順等)についても、表示対象のアプリケーション間で共通となっている。
【0035】
第1メニュー項目表示部31は、画面の左上隅(アプリケーション名が表示された画面隅)から、画面の端(表示部24の上端部分)に沿う細長い領域に配置されている。第1メニュー項目表示部31には、第1メニュー項目が前記左右方向に並べて表示されている。第1メニュー項目とは、アプリケーション表示部30に表示されたアプリケーションで用いられるメニュー項目である。本実施形態ではメニュー項目が多いアプリケーション(ECDIS、RADAR等)が用いられているので、これらのアプリケーションでは階層式のメニューが設定されている。第1メニュー項目表示部31には、当該階層式のメニューの最上位階層に相当する全てのメニュー項目が表示される。
【0036】
ユーザは、第1メニュー項目を選択するときには、初めにトラックボール52を操作してポインタ37を動かして所望の第1メニュー項目に合わせる。このとき、ポインタ37を合わせた第1メニュー項目には、枠状のカーソルが表示される(
図3(a)を参照)。そして、この状態でクリックすることにより、第1メニュー項目を選択することができる。選択された第1メニュー項目は、他の第1メニュー項目と表示色が異なる(例えば色が反転する)ように表示される(
図3(b)を参照)。
【0037】
第2メニュー項目表示部32は、画面の左上隅(アプリケーション名が表示された画面隅)から、画面の端(表示部24の左端部分)に沿う細長い領域に配置されている。第2メニュー項目表示部32には、第2メニュー項目が前記上下方向に並べて表示されている。つまり、前記アプリケーション選択メニュー30aは、第1メニュー項目の配列方向と第2メニュー項目の配列方向とが交差する位置に表示されている。第2メニュー項目表示部32には、上記のようにして選択された第1メニュー項目の直下の階層の全てのメニュー項目が、第2メニュー項目として同じ方向に並べて表示される。つまり、
図3(a)及び
図3(b)に示すように、第2メニュー項目表示部32には、第1メニュー項目の選択に応じて、異なる第2メニュー項目が表示される。また、第2メニュー項目には、当該第2メニュー項目より更に下層のメニュー項目(第3メニュー項目)が存在するものと存在しないものとがあり、それらが区別できるように表示されている。本実施形態では、下層の第3メニュー項目が存在する第2メニュー項目にのみ、枠の右下に三角状の識別マークが表示されており、これによってユーザは第3メニュー項目の有無を判別することができる。
【0038】
ユーザは、第2メニュー項目を選択するときには、第2メニュー項目表示部32に表示される枠状のカーソルを操作ノブ51の回転操作により動かし、所望の第2メニュー項目に合わせる。そして、この状態で操作ノブ51を押すことにより、第2メニュー項目を選択することができる。ユーザは、識別マークが表示されていない第2メニュー項目を選択することにより、選択した作業及び設定を制御部21に行わせることができる。また、ユーザは、識別マークが表示された第2メニュー項目を選択することにより、第3メニュー項目表示部33を表示させることができる(
図4(a)を参照)。
【0039】
また、第2メニュー項目表示部32は、通常は常時表示される。そのため、例えば、頻繁に使う第1メニュー項目があった場合、当該第1メニュー項目を毎回選択することなく、その下層の第2メニュー項目の選択を行うことができる。なお、第2メニュー項目表示部32は、操作部23の操作に応じて隠すことも可能である。
【0040】
第3メニュー項目表示部33は、電子海図等と重なることを防ぐために通常は表示されず、識別マークが表示された第2メニュー項目が選択されたときのみ、
図4(a)に示すように、当該第2メニュー項目表示部32から右側に延びる細長い領域に表示される。第3メニュー項目表示部33には、選択された第2メニュー項目の下層の第3メニュー項目が左右方向(第1メニュー項目が並べられた方向と同方向)に並べて配置される。また、第3メニュー項目には、第2メニュー項目と同様に、当該第3メニュー項目の更に下層のメニュー項目(第4メニュー項目)が存在するものにのみ、枠の右下に識別マークが表示されている。なお、第3メニュー項目表示部33の選択は、第1メニュー項目の選択と同様にトラックボール52を用いて行う。
【0041】
ユーザは、識別マークが表示されていない第3メニュー項目を選択することにより、選択した作業及び設定を制御部21に行わせることができる。また、ユーザは、識別マークが表示された第3メニュー項目を選択することにより、第4メニュー項目表示部34を表示させることができる(
図4(b)を参照)。なお、第3メニュー項目の選択、又は当該第3メニュー項目に対応付けられた第4メニュー項目の選択が行われた後に、当該第3メニュー項目は、非表示となるように構成されている。
【0042】
第4メニュー項目表示部34においては、選択された第3メニュー項目と対応付けられた第4メニュー項目が上下方向(第2メニュー項目が並べられる方向と同方向)に並べて配置される。なお、第4メニュー項目表示部34の選択は、第1メニュー項目の選択と同様にトラックボール52を用いて行う。
【0043】
本実施形態では、メニュー項目の配置は、表示対象のアプリケーションによらず同じであり、メニュー項目の内容がアプリケーションに応じて変更される構成である。従って、複数のアプリケーション間で操作感を統一することができる。また、本実施形態の表示部24は、
図5(a)等に示すように、選択中のアプリケーションの実行により作成される情報画像(電子海図等)とともに、アプリケーション選択メニュー30aと、選択されたアプリケーションで用いられるメニュー項目(第1から第4メニュー項目)と、を同時に表示可能である。
【0044】
本実施形態では以上のようにしてメニュー項目の選択が行われるが、上記では第2メニュー項目の選択のみに操作ノブ51を用い、その他の選択にはトラックボール52を用いる構成である。これにより、第1メニュー項目の選択後に大きくポインタ37を動かす必要がないので、素早く第2メニュー項目の選択を行うことができる。また、メニュー項目の選択方法は任意の設定が可能であり、例えば操作ノブ51を用いて第2メニュー項目以外のメニュー項目の選択が可能な設定、トラックボール52を用いて第2メニュー項目の選択が可能な設定等、様々に変更することができる。
【0045】
また、選択操作部としては、例えばトラックボール52に代えて外付けのマウスを用いることもできる。他にも、方向キー及び決定キーを備えた構成を選択操作部として用いることができる。
【0046】
共通メニュー項目表示部35は、第2メニュー項目よりも画面の下側に配置されている。共通メニュー項目表示部35には、異なるアプリケーション間で共通して用いられるメニュー項目である共通メニュー項目が表示されている。共通メニュー項目表示部35は、アプリケーションを切り替えた場合であっても、位置が変わらないように構成されている(
図5を参照)。従って、複数のアプリケーション間の操作感を統一することができる。
【0047】
共通メニュー項目で行われる処理の具体例としては、例えば操作を取り消して元に戻す処理や、画面の表示色を調整する処理等を挙げることができる。
【0048】
航海データ表示部36には、アプリケーションに応じた情報(ECDISの場合はルートに関する設定情報等)と、アプリケーションによらず常に表示される情報(船速、位置、及び船首方位等)と、が表示される。
【0049】
次に、アプリケーションがECDISであるときのメニュー項目の具体例について簡単に説明する。ECDISでは、第1メニュー項目として、例えば「航路監視」、「航路計画」、及び「海図管理」等が設定される。「航路監視」は、設定されたルートの表示に関する設定を行うためのメニュー項目である。「航路計画」は、ルートを設定するためのメニュー項目である。「海図管理」は、電子海図のインストールやアップデートを行うためのメニュー項目である。
【0050】
「航路監視」に対応付けられた第2メニュー項目としては、例えば「表示設定」を挙げることができる。そして、この「表示設定」に対応付けられた第3メニュー項目としては、例えば「分割表示」及び「オブジェクト設定」を挙げることができる。「分割表示」とは、尺度又は位置が異なる複数の海図を表示部24に表示するためのメニュー項目である。「オブジェクト設定」とは、電子海図上に表示する情報の設定を行うためのメニュー項目である。
【0051】
「オブジェクト設定」に対応付けられた第4メニュー項目としては、例えば「表示対象選択」及び「シンボル設定」を挙げることができる。「表示対象選択」とは、海図上に表示する対象(ユーザが設定したマーク及びブイ等)を選択するためのメニュー項目である。「マーク設定」とは、表示するマークの形状等を設定するためのメニュー項目である。
【0052】
次に、アプリケーションがECDISからRADARに切り替えられた後の表示部24の構成について説明する。本実施形態では、実行するアプリケーションが変更された場合に、第1メニュー項目及び第2メニュー項目が、変更されたアプリケーションに対応するメニュー項目に変更される(
図5を参照)。
図5に示すように、アプリケーションがECDISからRADARに切り替わった場合でも、第1メニュー項目表示部31は、画面の上端に沿うように配置されたままであるし、第2メニュー項目表示部32も画面の左端に沿うように配置されたままである。なお、第1メニュー項目表示部31に表示されるメニュー項目の数や第2メニュー項目表示部32に表示されるメニュー項目の大きさ等については微小ではあるが変化する。本発明では、アプリケーション間でこのような微小な変化がある場合を含めて「メニュー項目の表示位置が略共通である」ものとする。
【0053】
また、表示対象のアプリケーションがRADARに切り替わった場合、前述のように共通メニュー項目表示部35の表示内容は変化しない。また、航海データ表示部36の表示内容は、アプリケーションに応じた情報(RADARの場合は目標追尾に関する情報等)が表示されるように一部変化する。第1メニュー項目としては、アンテナユニット10及びレーダ映像に関する設定を行うためのメニュー項目が表示される。具体的には、パルス信号の送信の開始を指示するためのメニュー項目、レーダアンテナが複数配置された場合に使用するアンテナを選択するためのメニュー項目、及びレーダ映像の表示モードを切り替えるためのメニュー項目等を挙げることができる。
【0054】
以下、レーダ映像の表示モードについて説明する。レーダには様々な設定項目が存在するが、表示モードを設定することにより、これらの設定を一括して行うことができる。本実施形態では、表示モードとして、例えば、近距離モード、遠距離モード、海岸モード、及びユーザ設定モード(ユーザによって所望の設定がされた表示モード)等が設定されている(図では、MODE1、MODE2・・・と記す)。
【0055】
第1メニュー項目表示部31には、
図5(b)等に示すように、現在設定されている表示モードが表示されている。ユーザが表示モードの切替えを希望する場合、当該ユーザはトラックボール52を操作して、第1メニュー項目表示部31の表示モードをクリックする。そうすると、
図6(a)に示すように、表示モードの一覧(表示モード選択メニュー31a)が表示される。そして、ユーザは、所望の表示モードをクリックすることにより、表示モードを切り替えることができる。なお、
図6には、MODE3からMODE2に表示モードを切り替えるときの様子が示されている。
【0056】
一方、第2メニュー項目表示部32には、第2メニュー項目としてレーダに関する設定項目が表示されている。また、第2メニュー項目には、設定項目の内容だけでなく、現在の設定(どのレベルが選択されているか、機能がONかOFFか)についても表示するように構成されている。この第2メニュー項目の具体例としては、パルス幅の設定、ゲイン設定、及び同調設定等を挙げることができる。
【0057】
これらの第2メニュー項目は、上記のように表示モードを選択することで、一括して設定を変更することができる(
図6を参照)。例えば、近距離モードを選択した場合は、近距離の物標が見易くなるように、それぞれの設定が同時に変更される。
【0058】
また、ユーザは、表示モードの切替後に、表示対象のアプリケーションがECDISである場合の第3メニュー項目を選択する方法と同様の操作により、設定項目のレベルを変更してレーダ映像の調整を行うことができる(
図7を参照)。特に、本実施形態では、第2メニュー項目が表示され続けるとともに、第2メニュー項目に現在の設定が表示されているので、この調整を簡単に行うことができる。
【0059】
このように、メニュー項目の選択は、操作ノブ51及びトラックボール52を用いて、アプリケーションがECDISの場合と同様の手順(選択方法)で行われる。なお、アプリケーションがRADARである場合、ECDISの場合と異なり、第1メニュー項目の選択時にプルダウン式の表示モード選択メニュー31aから選択を行う必要がある。本発明では、このようにアプリケーション間で選択方法が少し異なる場合も含めて「メニュー項目の選択方法が略共通である」ものとする。
【0060】
以上に説明したように、本実施形態の情報表示装置20では、選択中のアプリケーションの実行により作成される情報画像を表示するとともに、画面の左上隅に選択中のアプリケーション名が表示される。このアプリケーション名が表示された場所から、画面の端に沿って左右方向に、第1メニュー項目が表示される。また、情報表示装置20では、このアプリケーション名が表示された場所から、画面の端に沿って上下方向に、第1メニュー項目に対応付けられた第2メニュー項目が表示される。そして、情報表示装置20では、実行するアプリケーションが変更された場合に、変更されたアプリケーションに対応するメニュー項目が表示される。なお、以上で示した表示部24の表示に関する処理は、前述のように、制御部21の前記ROMに記憶されたプログラムを実行することにより行われる。
【0061】
これにより、複数のアプリケーション間で操作感を統一することができる。また、メニュー項目の数が多いアプリケーション(例えばECDIS)であっても、所望のメニュー項目を容易に見つけ出すことができる。
【0062】
また、本実施形態の情報表示装置20は、第2メニュー項目の選択に基づいて処理が行われた後でも、第2メニュー項目が表示され続ける。従って、第1メニュー項目に対応付けられた第2メニュー項目を連続して選択する場合等に、第2メニュー項目を簡単な操作で選択することができる。
【0063】
また、情報表示装置20には、第3メニュー項目が対応付けられている第2メニュー項目を識別するための識別マークが表示されるので、ユーザは、第2メニュー項目を一見するだけで第3メニュー項目の有無を把握することができる。また、第3メニュー項目は、第2メニュー項目が選択された場合にのみ表示されるので、第3メニュー項目によって画面の視認性が低下することを防止できる。
【0064】
また、本実施形態の情報表示装置20は、選択操作部(操作ノブ51及びトラックボール52)を備える。選択操作部は、第1メニュー項目及び第2メニュー項目のうち少なくとも一方の選択が可能である。従って、第1メニュー項目と第2メニュー項目の位置が離れがちとなる本構成であっても、メニュー項目の選択に掛かる時間及び手間が増大することを防止できる。
【0065】
また、本実施形態の情報表示装置は、以下の特徴及び効果を有する。即ち、情報表示装置においては、選択されたアプリケーションで用いられるメニュー項目は、第1メニュー項目と第2メニュー項目とを含んで構成される。第1メニュー項目は、画面の端に沿って上下方向又は左右方向に表示される。第2メニュー項目は、画面の端に沿って上下方向又は左右方向に表示され、第1メニュー項目に対応付けられたメニュー項目である。
【0066】
これにより、画面の上部に並べて配置された項目を選択することで当該選択項目の下方にメニュー項目が表示されるプルダウン方式のメニュー構成と比較して、メニュー項目の選択時における情報画像の視認性を良好にすることができる。
【0067】
また、情報表示装置においては、第1メニュー項目と、第2メニュー項目と、で配列方向が異なる。
【0068】
これにより、第1メニュー項目と第2メニュー項目とをL字状に配置することが可能となり、メニュー項目同士を近づけることができる。従って、ユーザは、あまり視線を移動させずに双方のメニュー項目の内容を把握することができる。また、メニュー項目の位置をまとめることができるので、ユーザの操作性を向上させることができる。
【0069】
また、情報表示装置においては、表示部は、第1メニュー項目の配列方向と第2メニュー項目の配列方向とが交差する位置にアプリケーションを選択するためのメニュー項目を表示する。
【0070】
これにより、アプリケーションを選択するためのメニュー項目の表示位置と、第1メニュー項目及び第2メニュー項目の表示位置と、を近づけることができる。従って、メニュー項目の位置を一層まとめることができるので、ユーザの操作性をより向上させることができる。
【0071】
また、情報表示装置においては、表示部は、アプリケーションを選択するためのメニュー項目を、表示画面の左上、右上、左下、右下の何れかの隅に表示する。
【0072】
これにより、表示画面を有効に活用できるので、アプリケーションの実行により作成される情報画像を大きく表示することができる。
【0073】
また、情報表示装置においては、表示部は、実行するアプリケーションが変更された場合に、第1メニュー項目及び第2メニュー項目を、変更されたアプリケーションに対応するメニュー項目に変更して表示する。
【0074】
これにより、アプリケーションを変更した場合であっても、変更後のアプリケーションに対応するメニュー項目を変更前と同じ表示形式で表示することができる。
【0075】
また、情報表示装置においては、第1メニュー項目は、選択中のアプリケーションの最上位階層のメニュー項目であり、第2メニュー項目は、第1メニュー項目の直下の階層のメニュー項目である。
【0076】
これにより、ユーザは、メニュー項目の数が多いアプリケーションであっても、所望のメニュー項目を容易に見つけ出すことができる。
【0077】
また、情報表示装置においては、表示部は、第1メニュー項目として、最上位階層の全てのメニュー項目を同じ方向に並べて表示する。
【0078】
これにより、アプリケーションに設定されたメニューツリーが把握し易くなる。
【0079】
また、情報表示装置においては、表示部は、第2メニュー項目として、第1メニュー項目の直下の階層の全てのメニュー項目を同じ方向に並べて表示する。
【0080】
これにより、アプリケーションに設定されたメニューツリーが一層把握し易くなる。
【0081】
また、情報表示装置においては、第2メニュー項目には、対応する設定項目についての設定内容が表示される。
【0082】
これにより、ユーザは、第2メニュー項目を一見するだけで設定内容を把握することができるので、設定の変更を容易に行うことができる。
【0083】
また、情報表示装置においては、第3メニュー項目の選択、又は当該第3メニュー項目に対応付けられたメニュー項目の選択が行われた後に、当該第3メニュー項目が非表示となる。
【0084】
これにより第3メニュー項目によって表示画面が占有されることを防止できるので、情報画像の視認性が低下することを防止できる。
【0085】
また、情報表示装置においては、第3メニュー項目が対応付けられている第2メニュー項目と、第3メニュー項目が対応付けられていない第2メニュー項目と、を区別して表示する。
【0086】
これにより、ユーザは、第2メニュー項目を一見するだけで第3メニュー項目の有無を把握することができる。
【0087】
の情報表示装置においては、表示部は、異なるアプリケーション間で共通して用いられるメニュー項目である共通メニュー項目を表示する。共通メニュー項目は、アプリケーションが切り替わっても同位置に表示され続ける。
【0088】
これにより、複数のアプリケーション間で操作感をより統一することができる。
【0089】
また、情報表示装置においては、複数の選択操作部のうち少なくとも1つは、第1メニュー項目又は第2メニュー項目のうち一方のみの選択が可能である。
【0090】
これにより、例えば第2メニュー項目のみ選択可能な選択操作部を備える場合、第1メニュー項目の選択後に素早く第2メニュー項目の選択を行うことができる。
【0091】
また、情報表示装置においては、複数の選択操作部は、選択可能なメニュー項目を変更可能である。
【0092】
これにより、様々な方法でメニュー項目の選択を行うことが可能となるので、利用環境及びユーザの好み等に柔軟に対応することができる。
【0093】
また、情報表示装置は、船舶に搭載される。また、アプリケーションとして、レーダアンテナからの信号に基づいて自船の周囲の物標を情報画像として表示するアプリケーションと、自船の周囲の海図を情報画像として表示するアプリケーションと、が含まれる。
【0094】
これにより、船舶に搭載される情報表示装置においても、上記の効果を発揮させることができる。特に、船舶においてはメニュー項目が多いアプリケーションが多く、かつメニュー項目の選択時であっても情報画像が隠れることが好ましくないため、本発明の効果を特に有効に発揮させることができる。
【0095】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
【0096】
上記実施形態で説明した表示画面は一例であり、情報画像の表示位置と、アプリケーション選択メニューの表示位置と、選択されたアプリケーションで用いられるメニュー項目の表示位置と、がアプリケーション間で略共通していれば良い。
【0097】
アプリケーション選択メニュー30a(アプリケーション表示部30)は、画面の左上隅に表示する場合に限らず、右上隅、左下隅、右下隅であっても良い。
【0098】
上記実施形態の構成に代えて、第1メニュー項目を、アプリケーションを選択するためのメニューが表示される箇所(画面の左上隅)から画面の端に沿って上下方向に並べ、第2メニュー項目を、アプリケーションを選択するためのメニューが表示される箇所(画面の左上隅)から画面の端に沿って左右方向に並べても良い。また、第1メニュー項目と、第2メニュー項目と、を平行に並べても良い。具体的には、画面の上端に沿うように第1メニュー項目を並べ、画面の下端に沿うように第2メニュー項目を並べたり、画面の左端に沿うように第1メニュー項目を並べ、画面の右端に沿うように第2メニュー項目を並べたり、しても良い。更には、画面の上端の一部(例えば左側)に第1メニュー項目を並べ、その隣(画面の上端の右側)に、第2メニュー項目を並べても良い。
【0099】
表示装置に接続される機器は、上記で説明した例に限られず、例えばソナー及び魚群探知機等を接続することができる。また、制御部21で実行可能なアプリケーションは、上記で説明した例に限られず、例えば魚群探知機から取得したデータに基づいて魚群情報を表示するアプリケーション等を実行可能であっても良い。
【0100】
本発明の情報表示装置は、船舶用に限られず、自動車及び航空機等の他の移動体に搭載され、当該移動体で利用されるアプリケーション(ナビゲーションソフト等)の情報画像を表示する構成であっても良い。また、例えば、複数のアプリケーションを切り替えて売上げ及びスタッフの管理を行う店舗管理システムや、複数のアプリケーションを切り替えて映像及び音声の編集を行うシステム等に適用することができる。