(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6235130
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】チューナブルUMTSマルチバンドフィルタのためのバンドグループ化の組み合せ
(51)【国際特許分類】
H04B 1/405 20150101AFI20171113BHJP
H04B 1/00 20060101ALI20171113BHJP
H03H 7/075 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
H04B1/405
H04B1/00 253
H03H7/075 Z
【請求項の数】11
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2016-516213(P2016-516213)
(86)(22)【出願日】2014年5月23日
(65)【公表番号】特表2016-523064(P2016-523064A)
(43)【公表日】2016年8月4日
(86)【国際出願番号】FI2014050400
(87)【国際公開番号】WO2014191615
(87)【国際公開日】20141204
【審査請求日】2016年1月19日
(31)【優先権主張番号】13/904,131
(32)【優先日】2013年5月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】315002955
【氏名又は名称】ノキア テクノロジーズ オーユー
(74)【代理人】
【識別番号】100127188
【弁理士】
【氏名又は名称】川守田 光紀
(72)【発明者】
【氏名】レイハ ミッシェル・トーマス
【審査官】
大野 友輝
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−100180(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/140969(WO,A1)
【文献】
特表2008−519534(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0224514(US,A1)
【文献】
国際公開第2014/005061(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/405
H03H 7/075
H04B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高域アンテナ(30)に選択的に接続され、少なくとも2つの帯域(B1、B2)からなる第1のグループ(G1)内の高域無線周波数通信信号を送受信するように構成された、第1のチューナブルデュプレクサ(40)であって、前記グループ(G1)の前記少なくとも2つの帯域(B1、B2)にそれぞれ対応して該帯域を通過させる、少なくとも2つのインダクタンス値(L1、L2)と略整合するインダクタンス値を持つように調整することができる、前記デュプレクサ内のチューナブル送信フィルタ(40Tx)を含み、前記第1のグループ内の前記少なくとも2つの帯域のそれぞれが正のデュプレックスオフセットを有し、前記第1のグループ内の前記少なくとも2つの帯域にそれぞれ対応する前記少なくとも2つのインダクタンス値のそれぞれが、前記第1のグループ内のその他の帯域にそれぞれ対応するインダクタンス値に略整合するようなより低いインダクタンス値を有する、第1のチューナブルデュプレクサ(40)(40Tx)と、
前記高域アンテナ(30)に選択的に接続され、少なくとも2つの帯域(B9、B11、B21およびB23)からなる第2のグループ(G2)内の高域無線周波数通信信号を送受信するように構成された、第2のチューナブルデュプレクサ(42)であって、前記第2のグループの前記少なくとも2つの帯域にそれぞれ対応して該帯域を通過させる、少なくとも2つのインダクタンス値(L9、L11)と略整合するインダクタンス値を持つように調整することができる、チューナブル送信フィルタ(42Tx)を含み、前記第2のグループ内の前記少なくとも2つの帯域のそれぞれが正のデュプレックスオフセットを有し、前記第2のグループ内の前記少なくとも2つの帯域にそれぞれ対応する前記少なくとも2つのインダクタンス値のそれぞれが、前記第1のグループ(G1)の前記より低いインダクタンス値より高いインダクタンス値を有し、前記第2のグループ内のその他の帯域にそれぞれ対応する前記インダクタンス値に略整合する、第2のチューナブルデュプレクサ(42)と、
前記高域アンテナ(30)よりも低域のアンテナである低域アンテナ(32)に選択的に接続され、少なくとも2つの帯域(B6、B12、B17、B18、B19およびB27)からなる第3のグループ(G3)内の低域無線周波数通信信号を送受信するように構成された、第3のチューナブルデュプレクサ(44)であって、前記第3のグループの前記少なくとも2つの帯域(B6、B12)にそれぞれ対応して該帯域を通過させる、少なくとも2つのインダクタンス値(L6、L12)と略整合するインダクタンス値を持つように調整することができる、チューナブル送信フィルタ(44Tx)を含み、前記第3のグループ内の前記少なくとも2つの帯域のそれぞれが正のデュプレックスオフセットを有し、前記第3のグループ内の前記少なくとも2つの帯域にそれぞれ対応する前記少なくとも2つのインダクタンス値のそれぞれが、前記第3のグループ内のその他の帯域にそれぞれ対応する前記インダクタンス値に略整合するようなより低いインダクタンス値を有する、第3のチューナブルデュプレクサ(44)と、
前記低域アンテナ(32)に選択的に接続され、少なくとも2つの帯域(B5、B8、B26HおよびB28)からなる第4のグループ(G4)内の低域無線周波数通信信号を送受信するように構成された、第4のチューナブルデュプレクサ(46)であって、前記第4のグループの前記少なくとも2つの帯域(B5、B8)にそれぞれ対応して該帯域を通過させる、少なくとも2つのインダクタンス値(L5、L8)と略整合するインダクタンス値を持つように調整することができる、チューナブル送信フィルタ(46Tx)を含み、前記第4のグループ内の前記少なくとも2つの帯域のそれぞれが正のデュプレックスオフセットを有し、前記第4のグループ内の前記少なくとも2つの帯域にそれぞれ対応する前記少なくとも2つのインダクタンス値のそれぞれが、前記第3のグループの前記より低いインダクタンス値より高いインダクタンス値を有し、前記第4のグループ内のその他の帯域にそれぞれの対応する前記インダクタンス値に略整合する、第4のチューナブルデュプレクサ(46)と、
前記低域アンテナ(32)に選択的に接続され、負のデュプレックスオフセットを有する少なくとも1つの帯域(B13、B14およびB20)からなる第5のグループ(G5)内の無線周波数通信信号を送受信するように構成された、第5のチューナブルデュプレクサ(48)と、
を備える装置。
【請求項2】
前記第1のグループの前記少なくとも2つの帯域の受信周波数信号にそれぞれ対応して該受信周波数信号を通過させる、少なくとも2つのインダクタンス値と略整合するインダクタンス値を持つように調整することができる第1のチューナブル受信フィルタ(40Rx)を前記第1のチューナブルデュプレクサ(40)にさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
アンテナ(30)に選択的に接続され、少なくとも2つの帯域からなるグループ内の無線周波数通信信号を送受信するように構成された、チューナブルデュプレクサ(40)であって、前記グループ(G1)の前記少なくとも2つの帯域(B1、B2)にそれぞれ対応して該帯域を通過させる、少なくとも2つのインダクタンス値(L1、L2)と略整合するインダクタンス値を持つように調整することができる、前記デュプレクサ内のチューナブル送信フィルタ(40Tx)を含み、前記グループ内の前記少なくとも2つの帯域のそれぞれが正のデュプレックスオフセットを有し、前記グループ内の前記少なくとも2つの帯域にそれぞれ対応する前記少なくとも2つのインダクタンス値のそれぞれが、前記グループ内のその他の帯域にそれぞれ対応するインダクタンス値に略整合するインダクタンス値を有する、チューナブルデュプレクサ(40)と、
前記アンテナに選択的に接続され、少なくとも2つの帯域(B9、B11、B21およびB23)からなる第2のグループ(G2)の無線周波数通信信号を送受信するように構成された、第2のチューナブルデュプレクサ(42)であって、前記第2のグループの前記少なくとも2つの帯域にそれぞれ対応して該帯域を通過させる、少なくとも2つのインダクタンス値(L9、L11)と略整合するインダクタンス値を持つように調整することができる、チューナブル送信フィルタ(42Tx)を含み、前記第2のグループの前記少なくとも2つの帯域のそれぞれが正のデュプレックスオフセットを有し、前記第2のグループの前記少なくとも2つの帯域にそれぞれ対応する前記少なくとも2つのインダクタンス値のそれぞれが、前記第1のグループ(G1)の前記インダクタンス値より高いインダクタンス値を有し、前記第2のグループ内のその他の帯域にそれぞれの対応するインダクタンス値に略整合する、第2のチューナブルデュプレクサ(42)と、
前記アンテナに選択的に接続され、負のデュプレックスオフセットを有する少なくとも1つの帯域(B13、B14およびB20)からなる第5のグループ(G5)内の無線周波数通信信号を送受信するように構成された、第5のチューナブルデュプレクサ(48)と、
を備える装置。
【請求項4】
前記第2のグループの前記少なくとも2つの帯域の受信周波数信号にそれぞれ対応して該受信周波数信号を通過させる、少なくとも2つのインダクタンス値と略整合するインダクタンス値を持つように調整することができる、前記第2のデュプレクサ内のチューナブル受信フィルタ(42Rx)をさらに備える、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第3のグループの前記少なくとも2つの帯域の受信周波数信号にそれぞれ対応して該受信周波数信号を通過させる、少なくとも2つのインダクタンス値(L6、L12)と略整合するインダクタンス値を持つように調整することができる、前記第3のデュプレクサ内のチューナブル受信フィルタ(44Rx)と、
をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第1から第5のチューナブルデュプレクサに結合された、少なくとも1つのチューナブル広帯域I/Oポート(50Rxおよび50Tx)を有する送受信機(50)をさらに備える、請求項1または2に記載の装置。
【請求項7】
前記第1から第5のチューナブルデュプレクサ(40)に結合されたスイッチマトリクス(52)と、
前記スイッチマトリクスに結合された、単一ポート(54Rx/54Tx)を有する広帯域チューナブル送受信機(54)と、
をさらに備える、請求項1または2に記載の装置。
【請求項8】
セルラー方式遠隔通信ネットワークにおける、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS)周波数分割二重(FDD)通信帯域と、ロング・ターム・エボルーション(Long Term Evolution)(LTE)周波数分割二重(FDD)通信帯域の少なくともいずれかに適合させられる、請求項1から7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
多様な通信帯域が利用可能な多様な地域において動作するように構成された、セルラー方式携帯電話送受話器である、請求項1から8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
地域無線周波数通信帯域が現在の地域で利用可能であると知られている場合に、前記装置の現在の地域を判断するように構成された、位置判断モジュール(GPS)と、
前記位置判断モジュール(GPS)および前記チューナブルデュプレクサ(40)に結合され、前記判断された現在の地域で利用可能であると知られている前記地域無線周波数通信帯域に基づいて、前記チューナブルデュプレクサ内の少なくとも前記チューナブル送信フィルタ(40Tx)の帯域通過特性を調整するための制御信号を供給するように構成された、プロセッサ(134)と、
をさらに備える、請求項1から9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
前記位置判断モジュールが、前記装置の現在の地域を識別するデータを受信するように構成された、ユーザインターフェイスまたは全地球測位システム(GPS)受信機の少なくとも1つであり、
前記プロセッサ(134)が、遠隔サーバから、前記現在の地域で利用可能な既知の地域無線周波数通信帯域をダウンロードするように構成されている、
請求項10に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術分野は、セルラー方式遠隔通信システムで使用される無線周波数回路に関する。
【0002】
セルラー方式遠隔通信のための主要な第3世代(3G)技術標準として、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS)がある。UMTSセルラー方式が第4世代(4G)ロング・ターム・エボルーション(Long Term Evolution)(LTE)システムに進化すると、セルラー方式通信の速度は大幅に向上し、パケット待ち時間が短縮されるようになった。4G−LTE周波数分割二重通信(FDD)セルラー方式の携帯電話機器がサポートできるUMTS帯域の数が増加している。たとえば、29個のFDDシングル・キャリア・バンドや、25個のキャリア・アグリゲーション・バンド組み合せをサポートできるようになるとの予測もある。現在のRFフロントエンドフィルタ技術は、フィルタ数あたり1つのシングル・キャリア・バンドしか対応できない。その結果、典型的な4G−LTE FDDセルラー方式の携帯電話送受話器は、全帯域の一部にしか対応できないことがある。さらに、典型的な4G−LTE FDD送受話器は、特定の地域でだけ機能するように製造されることがあるため、OEMのグローバル・サプライ・チェーンに分断が生じている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】アール・ジェイ・キャメロン(R.J. Cameron)著、「チェビシェフ・フィルタリング機能のための一般結合行列合成法(General coupling matrix synthesis methods for Chebyshev filtering functions)」、アイトリプルイー・トランザクションズ・オン・マイクロウェーブ・セオリー・アンド・テクニクス(IEEE Trans、. Microwave Theory Tech.)、vol 47、pp. 433−442、1999年4月
【0004】
装置、方法およびシステム実施例は、改良されたRFフロントエンドを提供することにより、セルラー方式遠隔通信のための信号を同時に送受信する。
【0005】
本発明のある実施例は、
アンテナに選択的に接続され、少なくとも2つの帯域からなるグループ内の無線周波数通信信号を送受信するように構成された、チューナブルデュプレクサと、
前記グループの前記少なくとも2つの帯域にそれぞれ対応して該帯域を通過させる、少なくとも2つのインダクタンス値と略整合するインダクタンス値を持つように調整することができる、前記デュプレクサ内のチューナブル送信フィルタであって、前記グループ内の前記少なくとも2つの帯域のそれぞれが正のデュプレックスオフセットを有し、前記グループ内の前記少なくとも2つの帯域にそれぞれ対応する前記少なくとも2つのインダクタンス値のそれぞれが、前記グループ内のその他の帯域にそれぞれ対応するインダクタンス値に略整合するインダクタンス値を有する、チューナブル送信フィルタと、を備える装置を含む。
【0006】
本発明のある実施例は、
前記グループの前記少なくとも2つの帯域の受信周波数信号にそれぞれ対応して該受信周波数信号を通過させる、少なくとも2つのインダクタンス値と略整合するインダクタンス値を持つように調整することができる、前記デュプレクサ内のチューナブル受信フィルタを備える装置を含む。
【0007】
本発明のある実施例は、前記アンテナに選択的に接続され、少なくとも2つの帯域からなる第2のグループの無線周波数通信信号を送受信するように構成された、第2のチューナブルデュプレクサであって、前記第2のグループの前記少なくとも2つの帯域にそれぞれ対応して該帯域を通過させる、少なくとも2つのインダクタンス値と略整合するインダクタンス値を持つように調整することができる、チューナブル送信フィルタを含み、前記第2のグループの前記少なくとも2つの帯域のそれぞれが正のデュプレックスオフセットを有し、前記第2のグループの前記少なくとも2つの帯域にそれぞれ対応する前記少なくとも2つのインダクタンス値のそれぞれが、前記第1のグループの前記インダクタンス値より高いインダクタンス値を有し、前記第2のグループ内のその他の帯域にそれぞれの対応するインダクタンス値に略整合する、第2のチューナブルデュプレクサを備えた、装置を含む。
【0008】
本発明のある実施例は、前記第2のグループの前記少なくとも2つの帯域の受信周波数信号にそれぞれ対応して該受信周波数信号を通過させる、少なくとも2つのインダクタンス値と略整合するインダクタンス値を持つように調整することができる、前記第2のデュプレクサ内のチューナブル受信フィルタを備えた、装置を含む。
【0009】
本発明のある実施例は、前記アンテナに選択的に接続され、負のデュプレックスオフセットを有する少なくとも2つの帯域からなる第3のグループ内の無線周波数通信信号を送受信するように構成された、第3のチューナブルデュプレクサを備えた、装置を含む。
【0010】
本発明のある実施例は、
前記第3のグループの前記少なくとも2つの帯域にそれぞれ対応して該帯域を通過させる、少なくとも2つのインダクタンス値と略整合するインダクタンス値を持つように調整することができる、前記第3のデュプレクサ内のチューナブル送信フィルタと、
前記第3のグループの前記少なくとも2つの帯域の受信周波数信号にそれぞれ対応して該受信周波数信号を通過させる、少なくとも2つのインダクタンス値と略整合するインダクタンス値を持つように調整することができる、前記第3のデュプレクサ内のチューナブル受信フィルタと、
を備える装置を含む。
【0011】
本発明のある実施例は、
前記チューナブルデュプレクサが高域アンテナに選択的に接続され、少なくとも2つの帯域からなる前記グループの高域無線周波数通信信号を送受信するように構成され、前記グループ内の前記少なくとも2つの帯域にそれぞれ対応する前記少なくとも2つのインダクタンス値のそれぞれが、前記グループ内のその他の帯域にそれぞれ対応する前記インダクタンス値に略整合するようなより低いインダクタンス値を有し、
前記高域アンテナに選択的に接続され、少なくとも2つの帯域からなる第2のグループ内の高域無線周波数通信信号を送受信するように構成された、第2のチューナブルデュプレクサであって、前記第2のグループの前記少なくとも2つの帯域にそれぞれ対応して該帯域を通過させる、少なくとも2つのインダクタンス値と略整合するインダクタンス値を持つように調整することができる、チューナブル送信フィルタを含み、前記第2のグループ内の前記少なくとも2つの帯域のそれぞれが正のデュプレックスオフセットを有し、前記第2のグループ内の前記少なくとも2つの帯域にそれぞれ対応する前記少なくとも2つのインダクタンス値のそれぞれが、前記第1のグループの前記より低いインダクタンス値より高いインダクタンス値を有し、前記第2のグループ内のその他の帯域にそれぞれ対応する前記インダクタンス値に略整合する、第2のチューナブルデュプレクサを備える装置を含む。
【0012】
本発明のある実施例は、前記高域アンテナよりも低域のアンテナである低域アンテナに選択的に接続され、少なくとも2つの帯域からなる第3のグループ内の低域無線周波数通信信号を送受信するように構成された、第3のチューナブルデュプレクサであって、前記第3のグループの前記少なくとも2つの帯域にそれぞれ対応して該帯域を通過させる、少なくとも2つのインダクタンス値と略整合するインダクタンス値を持つように調整することができる、チューナブル送信フィルタを含み、前記第3のグループ内の前記少なくとも2つの帯域のそれぞれが正のデュプレックスオフセットを有し、前記第3のグループ内の前記少なくとも2つの帯域にそれぞれ対応する前記少なくとも2つのインダクタンス値のそれぞれが、前記第3のグループ内のその他の帯域にそれぞれ対応する前記インダクタンス値に略整合するようなより低いインダクタンス値を有する、第3のチューナブルデュプレクサを備えた、装置を含む。
【0013】
本発明のある実施例は、前記低域アンテナに選択的に接続され、少なくとも2つの帯域からなる第4のグループ内の低域無線周波数通信信号を送受信するように構成された、第4のチューナブルデュプレクサであって、前記第4のグループの前記少なくとも2つの帯域にそれぞれ対応して該帯域を通過させる、少なくとも2つのインダクタンス値と略整合するインダクタンス値を持つように調整することができる、チューナブル送信フィルタを含み、前記第4のグループ内の前記少なくとも2つの帯域のそれぞれが正のデュプレックスオフセットを有し、前記第4のグループ内の前記少なくとも2つの帯域にそれぞれ対応する前記少なくとも2つのインダクタンス値のそれぞれが、前記第3のグループの前記より低いインダクタンス値より高いインダクタンス値を有し、前記第4のグループ内のその他の帯域にそれぞれの対応する前記インダクタンス値に略整合する、第4のチューナブルデュプレクサを備えた、装置を含む。
【0014】
本発明のある実施例は、前記低域アンテナに選択的に接続され、負のデュプレックスオフセットを有する少なくとも1つの帯域からなる第5のグループ内の無線周波数通信信号を送受信するように構成された、第5のチューナブルデュプレクサを備えた、装置を含む。
【0015】
本発明のある実施例は、前記チューナブルデュプレクサに結合された、少なくとも1つのチューナブル広帯域I/Oポートを有する送受信機を備えた、装置を含む。
【0016】
本発明のある実施例は、
前記チューナブルデュプレクサに結合されたスイッチマトリクスと、
前記スイッチマトリクスに結合された、単一ポートを有する広帯域チューナブル送受信機と、
を備える装置を含む。
【0017】
本発明のある実施例は、前記帯域が、セルラー方式遠隔通信ネットワークにおける、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS)周波数分割二重(FDD)通信帯域である、装置を含む。
【0018】
本発明のある実施例は、前記帯域が、セルラー方式遠隔通信ネットワークにおける、ロング・ターム・エボルーション(Long Term Evolution)(LTE)周波数分割二重(FDD)通信帯域である、装置を含む。
【0019】
本発明のある実施例は装置を含み、該装置が、多様な通信帯域が利用可能な多様な地域において動作するように構成された、セルラー方式携帯電話送受話器である。
【0020】
本発明のある実施例は装置を含み、該装置が、多様な通信帯域が利用可能な多様な地域において動作するように構成された、セルラー方式携帯電話基地局である。
【0021】
本発明のある実施例は装置を含み、該装置が、
地域無線周波数通信帯域が現在の地域で利用可能であると知られている場合に、前記装置の現在の地域を判断するように構成された、前記装置内の位置判断モジュールと、
前記位置判断モジュールおよび前記チューナブルデュプレクサに結合され、前記判断された現在の地域で利用可能であると知られている前記地域無線周波数通信帯域に基づいて、前記チューナブルデュプレクサ内の少なくとも前記チューナブル送信フィルタの帯域通過特性を調整するための制御信号を供給するように構成された、前記装置内のプロセッサと、
を備える。
【0022】
本発明のある実施例は装置を含み、該装置内の前記位置判断モジュールが、前記装置の現在の地域を識別するデータを受信するように構成された、ユーザインターフェイスまたは全地球測位システム(GPS)受信機の少なくとも1つである。
【0023】
本発明のある実施例は装置を含み、該装置内の前記プロセッサが、現在の地域データおよび利用可能な既知の地域無線周波数通信帯域を、遠隔サーバからダウンロードするように構成される。
【0024】
本発明のある実施例は、
無線周波数通信の第1の複数の帯域と無線周波数通信の第2の複数の帯域が現在の地域において無線通信に利用可能であると装置により判断することと、
前記第1の複数の帯域のうちの少なくとも2つの帯域にそれぞれ対応する少なくとも2つのインダクタンス値に略整合するインダクタンス値を有するように調整された、第1のチューナブルデュプレクサのチューナブル送信フィルタに基づいて、前記第1の複数の帯域のうちの前記少なくとも2つの帯域の通信信号を前記チューナブル送信フィルタによって通すことができると装置により判断することと、
前記第2の複数の帯域のうちの少なくとも2つの帯域にそれぞれ対応する少なくとも2つのインダクタンス値に略整合するインダクタンス値を有するように調整された、第2のチューナブルデュプレクサの第2のチューナブル送信フィルタに基づいて、前記第2の複数の帯域のうちの前記少なくとも2つの帯域の通信信号を前記第2のチューナブル送信フィルタにより通すことができると前記装置により判断することと、
前記第1の複数の帯域の前記少なくとも2つの帯域を前記第1のチューナブルデュプレクサに、および前記第2の複数の帯域の前記少なくとも2つの帯域を前記第2のチューナブルデュプレクサに、前記装置により接続することと、
を含む方法を含む。
【0025】
本発明のある実施例は、前記帯域が、セルラー方式遠隔通信ネットワークにおける、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS)周波数分割二重(FDD)通信帯域とロング・ターム・エボルーション(Long Term Evolution)(LTE)周波数分割二重(FDD)通信帯域の少なくとも1つである、方法を含む。
【0026】
本発明のある実施例は、前記装置が、多様な通信帯域が利用可能な多様な地域において動作するように構成された、セルラー方式携帯電話送受話器である、方法を含む。
【0027】
本発明のある実施例は、
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つの記憶装置と、を含む装置であって、
前記少なくとも1つの記憶装置と前記コンピュータプログラムコードにより、前記少なくとも1つのプロセッサを使用して、少なくとも
無線周波数通信の第1の複数の帯域と無線周波数通信の第2の複数の帯域が現在の地域において無線通信に利用可能であると判断し、
前記第1の複数の帯域のうちの少なくとも2つの帯域にそれぞれ対応する少なくとも2つのインダクタンス値に略整合するインダクタンス値を有するように調整された、第1のチューナブルデュプレクサのチューナブル送信フィルタに基づいて、前記第1の複数の帯域のうちの前記少なくとも2つの帯域の通信信号を前記チューナブル送信フィルタによって通すことができると判断し、
前記第2の複数の帯域のうちの少なくとも2つの帯域にそれぞれ対応する少なくとも2つのインダクタンス値に略整合するインダクタンス値を有するように調整された、第2のチューナブルデュプレクサの第2のチューナブル送信フィルタに基づいて、前記第2の複数の帯域のうちの前記少なくとも2つの帯域の通信信号を前記第2のチューナブル送信フィルタにより通すことができると判断し、
前記第1の複数の帯域の前記少なくとも2つの帯域を前記第1のチューナブルデュプレクサに、および前記第2の複数の帯域の前記少なくとも2つの帯域を前記第2のチューナブルデュプレクサに、接続する、
装置を含む。
【0028】
本発明のある実施例は、コンピュータ可読の、非一時的な記憶媒体に記録されたコンピュータ実行可能プログラムコードを含むコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータ実行可能プログラムコードが、
無線周波数通信の第1の複数の帯域と無線周波数通信の第2の複数の帯域が現在の地域において無線通信に利用可能であると装置により判断するためのコードと、
前記第1の複数の帯域のうちの少なくとも2つの帯域にそれぞれ対応する少なくとも2つのインダクタンス値に略整合するインダクタンス値を有するように調整された、第1のチューナブルデュプレクサのチューナブル送信フィルタに基づいて、前記第1の複数の帯域のうちの前記少なくとも2つの帯域の通信信号を前記チューナブル送信フィルタによって通すことができると前記装置により判断するためのコードと、
前記第2の複数の帯域のうちの少なくとも2つの帯域にそれぞれ対応する少なくとも2つのインダクタンス値に略整合するインダクタンス値を有するように調整された、第2のチューナブルデュプレクサの第2のチューナブル送信フィルタに基づいて、前記第2の複数の帯域のうちの前記少なくとも2つの帯域の通信信号を前記第2のチューナブル送信フィルタにより通すことができると前記装置により判断するためのコードと、
前記現在の地域で前記装置が無線通信をおこなうために、前記第1の複数の帯域の前記少なくとも2つの帯域を前記第1のチューナブルデュプレクサに、および前記第2の複数の帯域の前記少なくとも2つの帯域を前記第2のチューナブルデュプレクサに、前記装置により接続するためのコードと、
を含むコンピュータプログラム製品を含む。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1A】
図1Aは本発明の実施例を示す図であり、1つ以上のUMTS FDD帯域をカバーする5つのチューナブルデュプレクサを有するチューナブルRFフロントエンドが、5つのチューナブル広帯域I/Oポートを有する送受信機と、本発明の実施例にしたがって接続される様子を示している。
【
図1B】
図1Bは本発明の実施例を示す図であり、1つ以上のUMTS FDD帯域をカバーする5つのチューナブルデュプレクサを有するチューナブルRFフロントエンドが、本発明の実施例にしたがって、2つの5×1スイッチマトリクスを介して、広帯域の単一ポートチューナブル送受信機と接続される様子を示している。
【
図1C】
図1Cは本発明の実施例を示す図であり、単一のアンテナに選択的に接続され、1つ以上のUMTS FDD帯域をカバーする、3つのチューナブルデュプレクサを有するチューナブルRFフロントエンドが、本発明の実施例にしたがって、3つのチューナブル広帯域I/Oポートを有する送受信機と接続される様子を示している。
【
図1D】
図1Dは本発明の実施例を示す図であり、
図1Cの3つのチューナブルデュプレクサを有するチューナブルRFフロントエンドにおいて、デュプレクサの第1番目と第2番目が、UMTS FDD帯域からなる第1のグループと第2のグループの両方が現在利用可能であることを基に、本発明の実施例にしたがって、単一のアンテナに選択的に接続される様子を示している。
【
図1E】
図1Eは本発明の実施例を示す図であり、
図1Cの3つのチューナブルデュプレクサを有するチューナブルRFフロントエンドにおいて、デュプレクサの第1番目、第2番目および第3番目が、UMTS FDD帯域からなる第1のグループ、第2のグループおよび第3のグループが現在利用可能であることに基づいて、本発明の実施例にしたがって、単一のアンテナに選択的に接続される様子を示している。
【
図2】
図2は本発明の実施例を示す図であり、本発明の実施例にしたがったチューナブルデュプレクサ回路を示す。
【
図3】
図3は本発明の実施例を示す図であり、本発明の実施例にしたがった、バンド12およびバンド6整合インダクタンス値を使用した、バンド12送信フィルタの順方向伝送を示す。
【
図4】
図4は本発明の実施例を示す図であり、本発明の実施例にしたがった、バンド12およびバンド6整合インダクタンス値を使用した、バンド12送信フィルタの入力反射係数を示す。
【
図5】
図5は本発明の実施例を示す図であり、本発明の実施例にしたがった、バンド3およびバンド4整合インダクタンス値を使用した、バンド3送信フィルタの順方向伝送を示す。
【
図6】
図6は本発明の実施例を示す図であり、本発明の実施例にしたがった、バンド3およびバンド4整合インダクタンス値を使用した、バンド3送信フィルタの入力反射係数を示す。
【
図7】
図7は本発明の実施例を示す図であり、チューナブル送信フィルタ回路の一例を示す。図に示す限定されない実施例はT形バンドパスフィルタを示し、本発明の実施例にしたがい、選択されたインダクタンス値が当該グループにグループ化された2つ以上の帯域の送信信号を通せるように調整されている。
【
図8】
図8は、本発明の実施例にしたがった携帯電話の一例を示す機能ブロック図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施例にしたがった携帯電話における、動作の流れ図の一例である。
【0030】
本発明の実施例では、UMTS帯域の組み合わせが、マルチバンド・チューナブル・フィルタにおいてグループ化される。その結果として得られるバンドの組み合せは合計5つのチューナブルフィルタで表され、これにより地理的な制約のない4G−LTE FDD通信機器を製造することができる。
【0031】
図1Aは本発明の実施例を示す図であり、1つ以上のUMTS FDD帯域をカバーすることができる5つのチューナブルデュプレクサ40、42、44、46および48を有するチューナブルRFフロントエンド20が、50Rxおよび50Tx含む5つのチューナブル広帯域I/Oポートを有する送受信機50と、本発明の実施例にしたがって接続される様子を示している。たとえば、デュプレクサ40により、1つの周波数で動作する送信機およびそれと異なる周波数で動作する受信機が、1つの同じアンテナを共有しながら、異なるRF信号の干渉と劣化を最小に抑えることができるようになる。表7は、UMTS FDD帯域No.1〜No.29に対応する周波数の一覧を示す。
【0032】
本発明の実施例によれば、第1のチューナブルデュプレクサ40は、セレクタ36により高域アンテナ30に選択的に接続され、少なくとも2つの帯域B1、B2、B3、B4、B7、B10およびB25からなる第1のグループG1の高域無線周波数通信信号を送受信するように構成されてもよい。本発明の実施例によれば、1400MHzより高い送信中心周波数を高域としてグループ化し、900MHzより低い送信中心周波数を低域としてグループ化する。
【0033】
本発明の実施例によれば、上記第1のデュプレクサ40は、上記第1のグループG1の上記少なくとも2つの帯域B1、B2等にそれぞれ対応してそれらの帯域を通過させる、少なくとも2つのインダクタンス値L1、L2等と略整合するインダクタンス値を持つように調整することができるチューナブル送信フィルタ40Txを含んでもよい。上記インダクタンス値L1、L2等は、一般化結合行列、周波数不変サセプタンス(B)、中心周波数(f
0)と比帯域幅(FBW)、および外部品質係数(Q
ext)から生成される係数に基づいて決定される。一般化結合行列については非特許文献1に掲載されており、参照によりここに援用する。
【0034】
本発明の実施例では、周波数不変サセプタンス(B)は、交差結合されたバンドパスフィルタに現れ、その動作によりフィルタの共振器が非同期に調整される。非同期に調整された共振器では、たとえば、値はB=0である。共振器の中心周波数f
1を信号源または負荷インピーダンス近傍に非同期(または同期)に調整すると、静電容量値C
1がユーザ定義のシャントインダクタンスL
0と確実に共振するようになる。以下の式で与えられるフィルタの外部品質係数Q
extにより、一般化結合行列のm
01(すなわちm
Sまたはm
L)入力とFBWの関係が表される。
Q
ext=1/(m
012×FBW) (1)
整合コンデンサC
01は下記の式から導出できる。
C
01=[C
1/(Z
0×Q
ext×FBW)]
1/2 (2)
そして、インダクタンス値L1、L2等の整合インダクタンスL
01は、以下の関係式で表される。
L
01=1/[C
01×(2πf
1)2] (3)
【0035】
たとえば、L
01インダクタンス値がB1帯域のTx信号を通せるように上記チューナブル送信フィルタ40Txを調整できる場合、B1帯域を第1のグループG1にグループ化してもよい。便宜上、L
01をL1インダクタンス値と呼ぶ。
【0036】
本発明の実施例によれば、第1のグループG1の上記少なくとも2つの帯域B1、B2等のそれぞれは、正のデュプレックスオフセットを有してもよい。負のデュプレックス周波数オフセット(たとえばf
RX−f
TX<0)を有するデュプレクサは、自分自身のデュプレクサクラスにグループ化される。上記少なくとも2つのインダクタンス値L1、L2等は、上記第1のグループG1の上記少なくとも2つの帯域B1、B2等にそれぞれ対応しながら、上記第1のグループG1のその他の帯域にそれぞれに対応するインダクタンス値に略整合するようなより低いインダクタンス値を有してもよい。上記第1のデュプレクサ40は、チューナブル受信フィルタ40Rxを備えていてもよい。
【0037】
本発明の実施例によれば、第2のチューナブルデュプレクサ42は、セレクタ36により上記高域アンテナ30に選択的に接続され、少なくとも2つの帯域B9、B11、B21およびB23からなる第2のグループG2の高域無線周波数通信信号を送受信するように構成されてもよい。上記第2のデュプレクサ42は、上記第2のグループG2の上記少なくとも2つの帯域B9、B11等にそれぞれ対応してそれらの帯域を通過させる、少なくとも2つのインダクタンス値L9、L11等と略整合するインダクタンス値を持つように調整することができるチューナブル送信フィルタ42Txを備えてもよい。上記インダクタンス値L9、L11等は、上述の第1のデュプレクサ40のL1、L2等の場合と同じ方法で決定してもよい。上記第2のデュプレクサ42は、チューナブル受信フィルタ42Rxを含んでもよい。上記第2のグループG2の上記少なくとも2つの帯域B9、B11等のそれぞれは、正のデュプレックスオフセットを有してもよい。上記少なくとも2つのインダクタンス値L9、L11等は、上記第2のグループG2の上記少なくとも2つの帯域B9、B11等にそれぞれ対応しながら、上記第1のグループG1の上述したより低いインダクタンス値より高く、上記第2のグループG2のその他の帯域にそれぞれ対応するインダクタンス値に略整合するようなインダクタンス値を有してもよい。
【0038】
本発明の実施例によれば、第3のチューナブルデュプレクサ44は、高域アンテナ30よりも低域の帯域アンテナである低域アンテナ32にセレクタ36により選択的に接続され、少なくとも2つの帯域B6、B12、B17、B18、B19およびB27からなる第3のグループG3の低域無線周波数通信信号を送受信するように構成されてもよい。上記第3のデュプレクサ44は、上記第3のグループG3の上記少なくとも2つの帯域B6、B12等にそれぞれ対応してそれらの帯域を通過させる、少なくとも2つのインダクタンス値L6、L12等と略整合するインダクタンス値を持つように調整することができるチューナブル送信フィルタ44Txを備えてもよい。上記インダクタンス値L6、L12等は、上述の第1のデュプレクサ40のL1、L2等の場合と同じ方法で決定してもよい。上記第3のデュプレクサ44は、チューナブル受信フィルタ44Rxを含んでもよい。上記第3のグループG3内の上記少なくとも2つの帯域B6、B12等のそれぞれは、正のデュプレックスオフセットを有してもよい。上記少なくとも2つのインダクタンス値L6、L12等は、上記第3のグループG3の上記少なくとも2つの帯域B6、B12等にそれぞれ対応しながら、上記第3のグループG3のその他の帯域にそれぞれ対応するインダクタンス値に略整合するようなより低いインダクタンス値を有してもよい。
【0039】
本発明の実施例によれば、第4のチューナブルデュプレクサ46は、セレクタ36により上記低域アンテナ32に選択的に接続され、少なくとも2つの帯域B5、B8、B26HおよびB28からなる第4のグループG4の低域無線周波数通信信号を送受信するように構成されてもよい。上記第4のデュプレクサ46は、上記第4のグループG4の上記少なくとも2つの帯域B5、B8等にそれぞれ対応してそれらの帯域を通過させる、少なくとも2つのインダクタンス値L5、L8等と略整合するインダクタンス値を持つように調整することができるチューナブル送信フィルタ46Txを備えてもよい。上記インダクタンス値L5、L8等は、上述の第1のデュプレクサ40内のL1、L2等の場合と同じ方法で決定してもよい。上記第4のデュプレクサ46は、チューナブル受信フィルタ46Rxを含んでもよい。上記第4のグループG4内の上記少なくとも2つの帯域B5、B8等のそれぞれは、正のデュプレックスオフセットを有してもよい。上記少なくとも2つのインダクタンス値L5、L8等は、上記第4のグループG4の上記少なくとも2つの帯域B5、B8等にそれぞれ対応しながら、上記第3のグループG3の上述したより低いインダクタンス値より高く、第4のグループG4のその他の帯域にそれぞれ対応するインダクタンス値に略整合するようなインダクタンス値を有してもよい。
【0040】
本発明の実施例によれば、第5のチューナブルデュプレクサ48は、セレクタ36により上記低域アンテナ32に選択的に接続され、負のデュプレックスオフセットを有する少なくとも1つの帯域B13、B14およびB20からなる第5のグループG5の無線周波数通信信号を送受信するように構成されてもよい。負のデュプレックス周波数オフセット(たとえばf
RX−f
TX<0)を有するデュプレクサは、自分自身のデュプレクサクラスにグループ化される。
【0041】
本発明の実施例によれば、上記5つのチューナブルデュプレクサ40、42、44、46および48は、セレクタ36によりアンテナ30、32および/または34に選択的に接続し、現在位置で局所的に利用可能なUMTS FDD帯域の総数の一部をカバーしてもよい。本発明の実施例によれば、上記5つのチューナブルデュプレクサ40、42、44、46および48を含む携帯電話等の通信機器は、局所的に利用可能なUMTS FDD帯域による地理的な制約を受けない。
【0042】
本発明の実施例によれば、携帯電話等の通信機器は、UMTS FDD帯域からなる第1のグループG1およびUMTS FDD帯域からなる第2のグループG2が現在の地域において無線通信に利用可能であると判断してもよい。UMTS FDD帯域B1、B2、B3、B4、B7、B10およびB25からなる第1のグループG1は、第1のチューナブルデュプレクサ40により通過させることが可能であると判断されてもよい。UMTS FDD帯域B9、B11、B21およびB23からなる第2のグループG2は、第2のチューナブルデュプレクサ42により通過させることが可能であると判断されてもよい。本発明の実施例によれば、上記チューナブルデュプレクサ40および42は、上記セレクタ36により上記アンテナ30に選択的に接続され、現在位置で局所的に利用可能であるグループG1およびG2の上記UMTS FDD帯域をカバーしてもよい。
【0043】
本発明の実施例によれば、5つのチューナブル広帯域I/Oポート50Rx/50Tx、52Rx/52Tx、54Rx/54Tx、56Rx/56Txおよび58Rx/58Txを有する送受信機50は、第1、第2、第3、第4および第5のチューナブルデュプレクサ40、42、44、46、および48の1つに各I/Oポートをそれぞれ結合させてもよい。
【0044】
本発明の実施例によれば、上記帯域B1〜B28は、セルラー方式遠隔通信ネットワークにおけるユニバーサル移動体通信システム(UMTS)周波数分割二重(FDD)通信帯域であってもよい。
【0045】
本発明の実施例によれば、上記帯域B1〜B28は、セルラー方式遠隔通信ネットワークにおけるロング・ターム・エボルーション(Long Term Evolution)(LTE)周波数分割二重(FDD)通信帯域であってもよい。
【0046】
本発明の実施例によれば、上記装置は、多様な通信帯域が利用可能な多様な地域で動作するように構成されたセルラー方式携帯電話送受話器であってもよい。
【0047】
本発明の実施例によれば、上記装置は、多様な通信帯域が利用可能な多様な地域で動作するように構成されたセルラー方式携帯電話基地局であってもよい。
【0048】
図1Bは本発明の実施例を示す図であり、1つ以上のUMTS FDD帯域をカバーする、
図1Aに示した5つのチューナブルデュプレクサ40、42、44、46および48を有するチューナブルRFフロントエンド20が、本発明の実施例にしたがって、2つの5×1スイッチマトリクス52を介して、広帯域の単一ポートチューナブル送受信機54と接続される様子を示している。本発明の実施例によれば、スイッチマトリクス52は、第1、第2、第3、第4および第5のチューナブルデュプレクサ40、42、44、46および48のそれぞれに結合してもよい。単一ポート54Rx/54Txを有する広帯域チューナブル送受信機54は、セレクタ36によりスイッチマトリクス52に選択的に結合されてもよい。
【0049】
図1Cは本発明の実施例を示す図であり、セレクタ36により単一のアンテナ34に選択的に接続され、1つ以上のUMTS FDD帯域をカバーする、3つのチューナブルデュプレクサ40、42および48を有するチューナブルRFフロントエンド20'が、本発明の実施例にしたがって、3つのチューナブル広帯域I/Oポート50Rx/50Tx、52Rx/52Txおよび58Rx/58Txを有する送受信機50'と接続される様子を示している。
【0050】
本発明の実施例によれば、上記第1のチューナブルデュプレクサ40は、セレクタ36により上記アンテナ30に選択的に接続され、少なくとも2つの帯域B1、B2、B3、B4、B7、B10およびB25、さらにB6、B12、B17、B18、B19およびB27からなる第1のグループG1'の無線周波数通信信号を送受信するように構成されてもよい。上記第1のデュプレクサ40は、上記第1のグループG1'の上記少なくとも2つの帯域B1、B2等にそれぞれ対応してそれらの帯域を通過させる、少なくとも2つのインダクタンス値L1、L2等と略整合するインダクタンス値を持つように調整することができるチューナブル送信フィルタ40Txを備え、上記第1のグループG1'の上記少なくとも2つの帯域B1、B2等のそれぞれが正のデュプレックスオフセットを有してもよい。上記少なくとも2つのインダクタンス値L1、L2等は、上記第1のグループG1'の上記少なくとも2つの帯域B1、B2等にそれぞれ対応しながら、上記第1のグループG1'のその他の帯域にそれぞれに対応するインダクタンス値に略整合するようなより低いインダクタンス値を有してもよい。
【0051】
本発明の実施例によれば、上記第2のチューナブルデュプレクサ42は、セレクタ36により同一のアンテナ34に選択的に接続され、少なくとも2つの帯域B9、B11、B21およびB23、さらにB5、B8、B26HおよびB28からなる第2のグループG2'における無線周波数通信信号を送受信するように構成されてもよい。上記第2のデュプレクサ42は、上記第2のグループG2'の上記少なくとも2つの帯域B9、B11等にそれぞれ対応してそれらの帯域を通過させる、少なくとも2つのインダクタンス値L9、L11等と略整合するインダクタンス値を持つように調整することができるチューナブル送信フィルタ42Txを備え、上記第2のグループG2'の上記少なくとも2つの帯域B9、B11等のそれぞれが正のデュプレックスオフセットを有してもよい。上記少なくとも2つのインダクタンス値L9、L11等は、上記第2のグループG2'の上記少なくとも2つの帯域B9、B11等にそれぞれ対応しながら、上記第1のグループG1'の上述したより低いインダクタンス値より高く、上記第2のグループG2'のその他の帯域にそれぞれ対応するインダクタンス値に略整合するようなインダクタンス値を有してもよい。
【0052】
本発明の実施例によれば、セレクタ36により同一のアンテナ34に選択的に接続された第3のチューナブルデュプレクサ48は、負のデュプレックスオフセットを有する少なくとも1つの帯域B13、B14およびB20からなる第3のグループG3'の無線周波数通信信号を送受信するように構成されてもよい。
【0053】
図1Dは本発明の実施例を示す図であり、
図1Cの3つのチューナブルデュプレクサを有するチューナブルRFフロントエンドにおいて、第1のデュプレクサ40および第2のデュプレクサ42が、UMTS FDD帯域B1、B2、B3、B4、B7、B10およびB25からなる前記第1のグループG1とUMTS FDD帯域B9、B11、B21およびB23からなる前記第2のグループG2の両方が現在利用可能であることを基に、本発明の実施例にしたがって、セレクタ36により単一のアンテナ34に選択的に接続される様子を示している。
【0054】
本発明の実施例によれば、携帯電話等の通信機器は、UMTS FDD帯域からなる上記第1のグループG1およびUMTS FDD帯域からなる上記第2のグループG2が現在の地域において無線通信に利用可能であると判断してもよい。UMTS FDD帯域B1、B2、B3、B4、B7、B10およびB25からなる上記第1のグループG1は、上記第1のチューナブルデュプレクサ40により通過させることが可能であると判断されてもよい。UMTS FDD帯域B9、B11、B21およびB23からなる上記第2のグループG2は、上記第2のチューナブルデュプレクサ42により通過させることが可能であると判断されてもよい。本発明の実施例によれば、上記チューナブルデュプレクサ40および42は、上記セレクタ36により上記アンテナ34に選択的に接続され、現在位置で局所的に利用可能であるグループG1およびG2の上記UMTS FDD帯域をカバーしてもよい。
【0055】
図1Eは本発明の実施例を示す図であり、
図1Cの3つのチューナブルデュプレクサを有するチューナブルRFフロントエンドにおいて、第1のデュプレクサ40、第2のデュプレクサ42および第3のデュプレクサ48が、UMTS FDD帯域からなる第1のグループG1、第2のグループG2および第5のグループG5が現在利用可能であることに基づいて、本発明の実施例にしたがって、セレクタ36により単一のアンテナ34に選択的に接続される様子を示している。
【0056】
本発明の実施例によれば、携帯電話等の通信機器は、UMTS FDD帯域からなる上記第1のグループG1、UMTS FDD帯域からなる上記第2のグループG2およびUMTS FDD帯域からなる第5のグループG5が現在の地域において無線通信に利用可能であると判断してもよい。UMTS FDD帯域B1、B2、B3、B4、B7、B10およびB25からなる上記第1のグループG1は、上記第1のチューナブルデュプレクサ40により通過させることが可能であると判断されてもよい。UMTS FDD帯域B9、B11、B21およびB23からなる上記第2のグループG2は、上記第2のチューナブルデュプレクサ42により通過させることが可能であると判断されてもよい。UMTS FDD帯域B13、B14およびB20からなる上記第5のグループG5は、上記第3のチューナブルデュプレクサ48により通過させることが可能であると判断されてもよい。本発明の実施例によれば、上記チューナブルデュプレクサ40、42および48は、上記セレクタ36により上記アンテナ34に選択的に接続され、現在位置で局所的に利用可能であるグループG1、G2およびG5の上記UMTS FDD帯域をカバーしてもよい。
【0057】
図2は本発明の実施例を示す図であり、本発明の実施例にしたがったチューナブルデュプレクサ回路40を表す。第1のデュプレクサ40は、チューナブル受信フィルタ40Rxおよびチューナブル送信フィルタ40Txを含むように示されている。本発明の実施例によれば、チューナブル受信フィルタ40Rxとチューナブル送信フィルタ40TXは、第1のグループG1の特定の帯域が所望の帯域の信号を通せるように調整されている。たとえば、上記チューナブル送信フィルタ40Txは、上記第1のグループG1にグループ化される上記B1帯域のTx信号を上記L
01インダクタンス値が通すことができるように調整してもよい。L
01をL1インダクタンス値と呼ぶ。チューナブル受信フィルタ40Rxは、アンテナ30から送受信機50の広帯域受信機I/Oポート50Rxに、B1帯域のRx信号を通過させる。チューナブル送信フィルタ40Txは、送受信機50の広帯域送信機I/Oポート50Txからアンテナ30に、B1帯域のTx信号を通過させる。
【0058】
本発明の実施例によれば、チューナブル受信フィルタトポロジーで使用する設計手順は、チューナブル送信フィルタトポロジーで使用した設計手順と同じである。このことは、中心周波数、したがって整合インダクタンスのみ、が変更されるという事実により理解することができる。簡略化のため、送信フィルタの設計手順およびそれに伴う図を使用して受信フィルタを表してもよい。チューナブル受信フィルタのためのバンド組み合せは、チューナブル送信フィルタのためのバンド組み合わせと同じである。
【0059】
本発明の実施例にしたがって設計・製造された携帯電話等の完成された通信機器の場合、グループG1内で局所的に利用可能な特定の帯域に合わせて、チューナブル受信フィルタ40Rxおよびチューナブル送信フィルタ40TXの帯域通過特性を微調整してもよい。
図2に示す微調整された帯域通過制御信号60RXおよび60TXを印加することで、それぞれチューナブル受信フィルタ40RXおよびチューナブル送信フィルタ40Txの静電容量を調整し、その帯域通過特性を微調整してもよい。
【0060】
本発明の実施例によれば、チューナブル送信フィルタ(またはチューナブル受信フィルタ)の帯域をグループ化する方法は以下のようになる。
a)高域アンテナに接続された帯域は1つのグループAにグループ化され、低域アンテナに接続された帯域はグループBにグループ化される。
a グループA内、
i 正のデュプレックスオフセットとより低い送受信フィルタ整合インダクタンス値(つまり、調整可能範囲内)を有する帯域は、単一のチューナブルデュプレクサ1に割り当てられる。
ii 正のデュプレックスオフセットとより高い送受信フィルタ整合インダクタンス値を有する帯域は、単一のチューナブルデュプレクサ2に割り当てられる。
b グループB内、
i 正のデュプレックスオフセットとより低い送受信フィルタ整合インダクタンス値を有する帯域は、単一のチューナブルデュプレクサ3に割り当てられる。
ii 正のデュプレックスオフセットとより高い送受信整合インダクタンス値を有する帯域は、単一のチューナブルデュプレクサ4に割り当てられる。
iii 負のデュプレックスオフセットを有する帯域は、単一のチューナブルデュプレクサ5に割り当てられる。
【0061】
本発明の実施例によれば、単一のアンテナを使用する場合、帯域は下記を基準に3つのチューナブルデュプレクサに分割することができる:
(a)正のデュプレックスオフセットおよびより低い送受信フィルタ整合インダクタンス値を有する帯域
(b)正のデュプレックスオフセットおよびより高い送受信フィルタ整合インダクタンス値を有する帯域
(c)負のデュプレックスオフセットを有する帯域
【0062】
本発明の実施例によれば、1400MHzより高い送信フィルタ中心周波数は高域としてグループ化され、900MHzより低い送信中心周波数は低域グループ化される。負のデュプレックス周波数オフセット(たとえばf
RX−f
TX<0)を有するデュプレクサは、自分自身のデュプレクサクラスにグループ化される。低域および高域チューナブルデュプレクサの数は、上述したように、それぞれの送信フィルタで使用される整合インダクタンスにより判断してもよい。
【0063】
本発明の実施例によれば、上記チューナブル受信フィルタの方法は、上記チューナブル送信フィルタの方法で使用したのと同じ設計手順である。このことは、中心周波数、したがって整合インダクタンスのみ、が変更されるという事実により理解することができる。上記チューナブル受信フィルタのためのバンド組み合せは、上記チューナブル送信フィルタのためのバンド組み合わせと同じである。
【0064】
静電容量値とは違って、インダクタンス値は調整することが困難な場合がある。したがって、本発明の実施例によれば、類似のインダクタンス値を共有する帯域は、まとめてデュプレクサクラスにグループ化される。送信フィルタで使用される整合インダクタンス値を有する高域UMTS帯域の一覧を表1に示す。
[表1]送信フィルタ整合インダクタンスを基準とした高域デュプレクサのグループ化(単位:nH)
【0065】
整合インダクタンス値を有する低域UMTS帯域の一覧を表2に示す。
[表2]送信フィルタ整合インダクタンスを基準とした低域デュプレクサのグループ化(単位:nH)
【0066】
負のデュプレックスオフセットを有するUMTS帯域の一覧を表3に示す。
[表3]負のデュプレックス周波数オフセットを基準としたデュプレクのサグループ化
【0067】
本発明の実施例によれば、LTE帯域は、5つのチューナブルデュプレクサの組み合わせにグループ化されてもよい。帯域を低域デュプレクサと高域デュプレクサに分割するのは、低域アンテナおよび高域アンテナを別々に使用するからである。さらに、送信フィルタまたは受信フィルタで1/4波長共振器伝送路を使用して、類似の整合インダクタンス値を有するUMTS帯域が低域と高域の境界をまたがってグループ化されるのを防止してもよい。
【0068】
本発明の実施例によれば、フィルタ応答を記述する伝達関数を、チューナブル送信フィルタ40Txを記述する際に使用してもよい。これらの伝達関数は、非特許文献1に記載されている一般化結合行列理論より導出される。整合部品(C01、L01など)が、整合インピーダンス(つまり50 Ohm)とフィルタ伝達関数の仲立ちをするで、整合部品は下記を使用して容易に記述することができる:
a)比帯域幅(FBW)、
b)外部品質係数(Qext)、
c)第1の共振器の周波数(f1)
したがって、部品の種類およびその構成方法とは独立している。
【0069】
図3は本発明の実施例を示す図であり、本発明の実施例にしたがった、バンド12およびバンド6整合インダクタンス値を使用した、バンド12送信フィルタの順方向伝送を示す。図はバンド12の順方向伝送を示し、バンド6整合インダクタンス値を使用した場合のバンド12の性能を、自分自身の整合インダクタンスで動作した場合のバンド12の性能と比較したものである。バンド12とバンド6を選択したのは、バンド12がデュプレクサ3(表2を参照)に必要な最低の整合インダクタンス値を構成し、バンド6がより高い整合インダクタンス値を構成するからである。
【0070】
本発明の実施例にしたがい、バンド12用5ポール送信フィルタのための結合行列の例を以下の表4に示す。
[表4]バンド12用5ポール送信フィルタのための結合配列
バンド12の場合、m01=1.1221
【0071】
図4は本発明の実施例を示す図であり、本発明の実施例にしたがった、バンド12およびバンド6整合インダクタンス値を使用した、バンド12送信フィルタの入力反射係数を示す。図は、比較的大きく、十分な(S
11<−10dB)入力整合性能の違いを示している。
【0072】
図5は本発明の実施例を示す図であり、本発明の実施例にしたがった、バンド3およびバンド4整合インダクタンス値を使用した、バンド3送信フィルタの順方向伝送を示す。図は、バンド3のインダクタンスが整合した場合のバンド3の順方向伝送と、バンド4のインダクタンスが整合した場合のバンド3の順方向伝送を示している。これらの結果、ならびに
図6に示す同じ整合インダクタンス値を使用した場合の入力反射の結果は、単一の整合インダクタンス値を使用した高域フィルタ(つまりデュプレクサ1、表1参照)に対して、十分な性能が達成できることを示している。つまり、上記分類方法は、FDD LTE動作と関連したすべてのUMTS帯域が、各デュプレクサについての単一の整合インダクタンス値と中心周波数を基準にしてグループ化できることを示している。
【0073】
本発明の実施例による、バンド3用5ポール送信フィルタのための結合行列の一例を以下の表5に示す。
[表5] バンド3用5ポール送信フィルタのための結合配列
バンド3の場合、m01=1.1247
【0074】
図6は本発明の実施例を示す図であり、本発明の実施例にしたがった、バンド3およびバンド4整合インダクタンス値を使用した、バンド3送信フィルタの入力反射係数を示す。
【0075】
本発明の実施例によれば、実際のハードウェア送信フィルタが、ある一つの時点ではバンド3の信号を通し、別の時点ではバンド4の信号を通すことができるようなバンドパスフィルタとして機能することができる。送信フィルタのハードウェア部品は調整可能であるため、バンド3の信号を通すように調整することができる。バンド3を通すようにフィルタ内のハードウェア部品を調整する場合、そのフィルタの特性はバンド3結合行列によって決定される。バンド4がバンド3とグループ化できるかどうかの判断は、送信フィルタ内の同じハードウェア部品が、別の時点で(異なる通信セッションで)バンド4の信号も通すように調整できるかどうかによる。
【0076】
本発明の実施例による、そのような判断のための処理例の要約を以下に示す:
・ バンド3が特定の結合行列(たとえばMB3)を持つ。
・ バンド4に合わせて再調整するため、新たな行列を合成する(たとえばMB4)。
・ MB3とMB4両方を使用して、非特許文献1に記載の方程式から、整合インダクター(たとえば、それぞれL_MB3とL_MB4)を決定する。
・ バンド3は、送信フィルタ1に対して最小値を持つ。バンド4は、送信フィルタ1に対し最大値を持つ。このように、バンド3がバンド4インダクター(L_MB4)を使用して十分に動作できるかどうかがリトマス試験となる。
・ バンド4整合部品を使用して、バンド3、結合行列をシミュレートし、図で表す。その結果得られた性能が、同じ整合(つまり静的)部品を使用した帯域をグループ化できるかどうかのリトマス試験であり根拠となる。
【0077】
本発明の実施例にしたがい、バンド4がバンド3送信フィルタとグループ化できるかどうかを判断するための一連の処理例、ならびにその結果としてのバンド3およびバンド4の整合パラメータを、以下の表6に示す。
[表6]バンド4をバンド3とグループ化するための一連の処理の例
【0078】
整合インダクタンスを基準にしてUMTS帯域を分類することにより、帯域が略同じ整合条件を有するようになる。
【0079】
図7は本発明の実施例示す図であり、チューナブル送信フィルタ回路40Txの一例を示す。当業者であれば、チューナブルフィルタを実現するための多くの方法が存在することを理解するであろう。これは、チューナブルフィルタの制約のない1つの例である。示された実施例は、当該グループにグループ化された2つ以上の帯域信号を送信できるように選択インダクタンス値を調整したT形バンドパスフィルタである。図は、本発明に係わる、選択されたインダクタンス値に調整された送信フィルタ回路の一例を示す。チューナブル送信フィルタ40Txは、第1のグループG1の特定の帯域が、所望の帯域の信号を通すように調整されている。たとえば、L
01インダクタンス値が第1のグループG1にグループ化されたB1帯域のTx信号を通すように、チューナブル送信フィルタ40Txを調整してもよい。L
01をL1インダクタンス値と呼ぶ。チューナブル送信フィルタ40Txは、B1帯域のTx信号を、送受信機50の広帯域送信機I/Oポート50Txからアンテナ30に、通過させる。上記デュプレクサ40内のチューナブル送信フィルタ回路40TXは、第1のグループG1の上記帯域B1、B2、B3、B4、B7、B10およびB25の少なくとも2つにおけるTx信号を、送信機I/Oポート50Txからアンテナ30に通過させるように、それぞれ対応した少なくとも2つのインダクタンス値と略整合するインダクタンス値を持つように、調整することができてもよい。整合インダクタンスを基準にしてUMTS帯域を分類することにより、帯域が略同じ整合条件を有するようになる。
【0080】
本発明の実施例によれば、ユーザが所有する完成された携帯電話は、5つのチューナブルデュプレクサ40、42、44、46および48の少なくとも1つを使用して設計・製造されたものでよい。たとえば、デュプレクサ40の少なくとも1つにおける
図7に示すチューナブル送信フィルタ40TXは、前記したように、L01のインダクタンス値がグループG1内の帯域B1、B2、B3、B4、B7、B10およびB25の少なくとも2つの帯域のTx信号を通すように設計・製造されていてもよい。上記グループG1内で局所的に利用可能なある帯域に合わせてチューナブル送信フィルタ40TXの帯域通過特性を微調整するために、
図7の帯域通過回路の例に示すように、微調整帯域通過制御信号60TXを印加して、上記チューナブル送信フィルタ40TX内の1つ以上のコンデンサの静電容量を調整してもよい。微調整帯域通過制御信号60TXは、モバイル・インダストリ・プロセッサ・インタフェース(Mobile Industry Processor Interface)(MIPI)の方式、シグナリング特性、およびプロトコルを基礎にしてもよい。このように、チューナブル送信フィルタ40TXの帯域通過特性は、そのフィルタにより扱われる帯域グループ内の特定帯域が局所的に使用できるかどうかに基づいて、ユーザの電話内の微調整帯域通過制御信号60TXにより公称帯域通過特性近傍に微調整してもよい。
【0081】
図8は機能ブロック図の一例であり、本発明の実施例による携帯電話の一例を示す。上記携帯電話の例は、デュアルコアまたはマルチコア中央演算処理装置CPU_1およびCPU_2を含んでもよいプロセッサ134、RAM記憶装置、ROM記憶装置、およびキーパッド、表示装置、および他の入力/出力機器用インタフェースを含んでもよい。上記携帯電話の例は、電話ネットワークMAC 140、チューナブルデュプレクサ40、42、44、46および48、およびスマートフォン応用プログラム136等の、プロトコルスタックを含んでもよい。上記携帯電話の例は、たとえば
図1Aおよび1Bのアンテナ30、
図1Aおよび1Bのアンテナ32、および/または
図1Cのアンテナ34等の1つ以上のアンテナを含んでもよい。セレクタ36は、チューナブルデュプレクサ40、42、44、46および48を、送受信機50およびアンテナ30、32および/または34に選択的に接続するように、プロセッサ134によって制御されてもよい。
【0082】
本発明の実施例によれば、GPSモジュール等の位置判断モジュールは、地域無線周波数通信帯域が現在の地域で利用可能であると知られている場合に、携帯電話の現在の地域を判断するように構成される。プロセッサ134は、GPS位置判断モジュールおよびチューナブルデュプレクサ40、42、44、46および48に結合されてもよい。微調整帯域通過制御信号60Tx等および60Rx等を提供するようにプロセッサ134を構成し、判断された現在の地域で利用可能であると知られている地域無線周波数通信帯域に基づいて、チューナブルデュプレクサ40、42、44、46および48内の対応するチューナブル送信フィルタ40Tx、42Tx、44Tx、46Txおよび対応する48Txおよびチューナブル受信フィルタ40Rx、42Rx、44Rx、46Rxおよび48Rxの帯域通過特性を微調整してもよい。
図1Aおよび1Bに示すように、プロセッサ134によりセレクタ36を制御して、デュプレクサ40および42を高域アンテナ30に、デュプレクサ44、46および48を低域アンテナ32に、選択的に接続してもよい。または、
図1Cに示すように、プロセッサ134によりセレクタ36を制御して、デュプレクサ40、42および48を同一のアンテナ34に選択的に接続してもよい。携帯電話内の上記位置判断モジュールは、携帯電話の現在の地域を判断するデータを受信するように構成された、ユーザインターフェイスまたは全地球測位システム(GPS)受信機の少なくとも1つであってもよい。プロセッサ134内の記憶装置RAMまたはROMまたは取り外し可能な記憶装置126は、利用可能な既知の地域無線周波数通信帯域を記憶してもよい。または、プロセッサ134は、現在の地域データおよび利用可能な既知の地域無線周波数通信帯域を、送受信機50を介して遠隔サーバからダウンロードするように、構成されてもよい。本発明の実施例によれば、携帯電話は、1つ以上のUMTS FDD帯域をカバーする、
図1Aの5つのチューナブルデュプレクサ40、42、44、46および48を含んでもよい。
【0083】
本発明の実施例によれば、プロセッサ134は、デュプレクサ40の少なくとも1つにおける、
図7に示すチューナブル送信フィルタ40TXの帯域通過特性を微調整するように、構成されてもよい。上記グループG1内で局所的に利用可能なある帯域に合わせてチューナブル送信フィルタ40TXの帯域通過特性を微調整するために、
図7の帯域通過回路の例に示すように、チューナブル送信フィルタ40TX内の1つ以上のコンデンサの静電容量に印加される微調整帯域通過制御信号60TXを調整するようにプロセッサ134を構成してもよい。プロセッサ134は、モバイル・インダストリ・プロセッサ・インタフェース(Mobile Industry Processor Interface)(MIPI)の方式、シグナリング特性、およびプロトコルに基づいて、微調整帯域通過制御信号60TXを生成してもよい。このように、チューナブル送信フィルタ40TXの帯域通過特性は、そのフィルタによって扱われる帯域グループ内の特定の帯域が局所的に使用できるかどうかに基づいて、プロセッサ134により生成された微調整帯域通過制御信号60TXによって、公称帯域通過特性近傍に調整されてもよい。
【0084】
実施例では、上記インタフェース回路は、1つ以上の無線送受信機、電池およびその他の電源、キーパッド、タッチスクリーン、表示装置、マイクロフォン、スピーカ、イヤピース、カメラ、その他の撮像装置等、と接続してもよい。RAMおよびROMは、スマートカード、SIM、WIM等の取り外し可能な記憶装置126、RAM、ROM、PROMS、フラッシュメモリ等の半導体メモリ等、であってよい。プロセッサ・プロトコル・スタック階層および/または応用プログラムは、CPUで実行された時に実施例の機能を実行する一連のプログラム化された指示として、RAMおよび/またはROM内に記憶されたプログラムロジックとして実現してもよい。上記プログラムロジックは、常駐記憶装置、スマートカード、またはその他の取り外し可能な記憶装置等のコンピュータ−で使用可能な媒体としてのコンピュータプログラム製品または製造品から、書き込み可能なRAM、PROMS、フラッシュメモリ等、に転送してもよい。または、プログラム化されたロジックアレイまたはカスタム設計された特定用途向け集積回路(ASIC)として、集積回路ロジックにより実現してもよい。機器内の1つ以上の無線器は、個別の送受信機回路であってよく、または、その1つ以上の無線器は、プロセッサに対して高速に反応しかつ時間・周波数多重化による方式で1つまたは複数のチャンネルを扱える単一のRFモジュールであってよい。取り外し可能な記憶媒体126の実施例は、磁気方式、電子方式および/または光学方式を基礎にしてもよい。取り外し可能な記憶媒体126の例としては、磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ回路機器およびマイクロSDメモリカード(SDはSecure Digital Standardを表す)がある。取り外し可能な記憶媒体126は、この発明の少なくとも一つの実施形態にしたがった、コンピュータプログラム製品の一例としてのデータおよび/またはコンピュータプログラムコードを記憶してもよい。
【0085】
図9は、本発明の実施例にしたがった携帯電話における、動作の流れ図の一例900である。流れ図の各ステップは、中央演算処理装置(CPU)により実行されたとき本発明の実施例の機能を実行する、無線機器AのRAMおよび/またはROM記憶装置に記憶されたコンピュータコード命令を表す。これらのステップは示された以外の順序で実行されてもよいし、個々のステップを分割したり他のステップと組み合わせてもよい。別のステップをこの流れ図に追加してもよい。方法の一例のステップは以下の通りである。
ステップ902:無線周波数通信の第1の複数の帯域と無線周波数通信の第2の複数の帯域が現在の地域において無線通信に利用可能であると装置により判断する。
ステップ904:上記第1の複数の帯域のうちの少なくとも2つの帯域にそれぞれ対応する少なくとも2つのインダクタンス値に略整合するインダクタンス値を有するように調整された、第1のチューナブルデュプレクサのチューナブル送信フィルタに基づいて、上記第1の複数の帯域のうちの上記少なくとも2つの帯域の通信信号を上記チューナブル送信フィルタによって通すことができると上記装置により判断する。
ステップ906:上記第2の複数の帯域のうちの少なくとも2つの帯域にそれぞれ対応する少なくとも2つのインダクタンス値に略整合するインダクタンス値を有するように調整された、第2のチューナブルデュプレクサの第2のチューナブル送信フィルタに基づいて、上記第2の複数の帯域のうちの上記少なくとも2つの帯域の通信信号を上記第2のチューナブル送信フィルタにより通すことができると上記装置により判断する。
ステップ908:上記第1の複数の帯域の上記少なくとも2つの帯域を上記第1のチューナブルデュプレクサに、および上記第2の複数の帯域の上記少なくとも2つの帯域を上記第2のチューナブルデュプレクサに、上記装置により接続する。
【0086】
本発明の実施例に係わる、UMTS FDD帯域No.1〜No.29に対応する周波数の一覧を以下の表7に表示する。番号で表された各帯域の送信(Tx)周波数および受信周波数(Rx)の一覧が、対応する帯域の低域境界周波数(FL)および高域境界周波数(FU)を表す列にそれぞれ表示されている。
[表7]
【0087】
本発明の実施例は、
無線周波数通信の第1の複数の帯域および無線周波数通信の第2の複数の帯域が現在の地域において無線通信に利用可能であると装置により判断する手段と、
上記第1の複数の帯域のうちの少なくとも2つの帯域にそれぞれ対応する少なくとも2つのインダクタンス値に略整合するインダクタンス値を有するように調整された、第1のチューナブルデュプレクサのチューナブル送信フィルタに基づいて、上記第1の複数の帯域のうちの上記少なくとも2つの帯域の通信信号を上記チューナブル送信フィルタによって通すことができると上記装置により判断する手段と、
上記第2の複数の帯域のうちの少なくとも2つの帯域にそれぞれ対応する少なくとも2つのインダクタンス値に略整合するインダクタンス値を有するように調整された、第2のチューナブルデュプレクサの第2のチューナブル送信フィルタに基づいて、上記第2の複数の帯域のうちの上記少なくとも2つの帯域の通信信号を上記第2のチューナブル送信フィルタにより通すことができると上記装置により判断する手段と、
上記第1の複数の帯域の上記少なくとも2つの帯域を上記第1のチューナブルデュプレクサに、および上記第2の複数の帯域の上記少なくとも2つの帯域を上記第2のチューナブルデュプレクサに、上記装置により接続する手段と、を備える装置を含む。
【0088】
本発明の実施例は、
少なくとも1つのプロセッサ(134)と、
コンピュータプログラムコード(902、904、906、908)を含む少なくとも1つの記憶装置と、を含む装置(
図8の携帯電話)であって、
上記少なくとも1つの記憶装置(RAM/ROM)および上記コンピュータプログラムコードにより、上記少なくとも1つのプロセッサを使用して、少なくとも、
無線周波数通信の第1の複数の帯域(B1、B2等)と無線周波数通信の第2の複数の帯域(B9、B11等)が現在の地域において無線通信に利用可能であると判断し(902)、
上記第1の複数の帯域のうちの少なくとも2つの帯域にそれぞれ対応する少なくとも2つのインダクタンス値に略整合するインダクタンス値を有するように調整された、第1のチューナブルデュプレクサ(40)のチューナブル送信フィルタに基づいて、上記第1の複数の帯域のうちの上記少なくとも2つの帯域の通信信号を上記チューナブル送信フィルタによって通すことができると判断し(904)、
上記第2の複数の帯域のうちの少なくとも2つの帯域にそれぞれ対応する少なくとも2つのインダクタンス値に略整合するインダクタンス値を有するように調整された、第2のチューナブルデュプレクサ(42)の第2のチューナブル送信フィルタに基づいて、上記第2の複数の帯域のうちの上記少なくとも2つの帯域の通信信号を上記第2のチューナブル送信フィルタにより通すことができると判断し(906)、
上記第1の複数の帯域の上記少なくとも2つの帯域を上記第1のチューナブルデュプレクサに、および上記第2の複数の帯域の上記少なくとも2つの帯域を上記第2のチューナブルデュプレクサに、接続する(908、セレクタ36およびアンテナ30または34)、装置(
図8の携帯電話)である。
【0089】
本発明の実施例によれば、無線ネットワークは他の種類のネットワークを含んでもよい。このようなネットワークの例として、GSM(登録商標)、W−CDMA(登録商標)、ハイスピード・パケット・アクセス(High Speed Packet Access)(HSPA)、ロング・ターム・エボルーション(Long Term Evolution)(LTE)、LTEアドバンスト(LTE Advanced)(LTE−A)、インターナショナル・モバイル・テレコミュニケーションズ・アドバンスト(International Mobile Telecommunications Advanced)(IMT−A)、CDMA、ワイヤレス・メトロポリタン・エリア・ネットワークス(Wireless Metropolitan Area Networks)(WMAN)およびブロードバンド・ワイヤレス・アクセス(Broadband Wireless Access)(BWA)(LMDS、 WiMAX、 AIDAASおよび HiperMAN)のようなセルラーシステム、または同種のネットワークがある。このようなネットワークの例として、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、IEEE 802.11、デジタル・エンハンスト・コードレス・テレコミュニケーションズ(Digital Enhanced Cordless Telecommunications)(DECT)、HiperLAN、ラジオ・フリークエンシー・アイデンティフィケーション(Radio Frequency Identification)(RFID)、ワイヤレスUSB(Wireless USB)、DSRC(Dedicated Short−range Communications(専用狭域通信))、ニア・フィールド・コミュニケーション(Near Field Communication)、ワイヤレス・センサ・ネットワーク、EnOcean;TransferJet、ウルトラワイドバンド(Ultra−wideband)(WiMediaアライアンスによるUWB)、WLAN、WiFi、およびHiperLANなどの狭域ネットワークがある。
【0090】
本発明の実施例は、デュプレクサの数を、潜在的な20個以上から全世界のLTEネットワークで動作する送受話器を製造するのに必要な5個に、削減してもよい。
【0091】
特定の実施例について説明してきたが、当業者は、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、特定の実施例に変更を加えられることを理解するだろう。
【符号の説明】
【0092】
20、20' チューナブルRFフロントエンド
30 高域アンテナ
32 低域アンテナ
36 セレクタ
40,42,44,46、48 チューナブルデュプレクサ
50、50' 送受信機
52 スイッチマトリクス
54 チューナブル送受信機
134 プロセッサ
136 スマートフォン応用プログラム
140 電話ネットワークMAC