(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記成分(c)が、ワセリン、シアバター、N―ラウロイル―L―グルタミン酸ジ(フィトステリル・ベヘニル・2−オクチルドデシル)、ミリスチン酸ミリスチル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸・ステアリン酸・ロジン酸)ジペンタエリスリチル、ダイマーリノール酸ダイマージリノレイルから選ばれる一種又は二種以上であることを特徴とする請求項1に記載の毛髪化粧料。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これまでの技術によれば毛髪に対しなめらかさ等の付与する目的で、シリコーン油を配合することが多くなされてきているが、シリコーン油を配合した毛髪化粧料は、繰り返し使用すると、いわゆるビルドアップ(毛髪表面への蓄積)を起こし、ごわつき感、きしみ感などの好ましくない感触を与える場合があった。さらに、染毛剤やパーマネント剤を施術した際に、染色性やウェーブ性などの効果の持続性が低下するという場合があった。これに対して毛髪化粧料にシリコーン油以外の油剤等は、配合される成分や、配合量によっては、べたべたとした重い感触になり、指通りの良さやなめらかさの効果に優れないなどの問題となる場合があった。
【0007】
そこで本発明者らは、ビルドアップの原因の一つとされるシリコーン油を配合することなく、なめらかで指通りの良い優れた感触の毛髪化粧料を開発することとした。さらに、すすぎ時の洗い流しやすさに優れ、毛髪に対して仕上がりのなめらかさやしなやかさに優れるという特徴を有する毛髪化粧料を提供することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような事情に鑑み、本発明者らは上記課題を解決するべく鋭意研究を行った結果、特定のポリオキシプロピレン鎖を有するポリオキシプロピレンブチルエーテルが、毛髪化粧料として毛髪に付着した際になめらかな指通り感を得られるということを見出した。この特性をさらに高めるために、毛髪化粧料に配合する種々の成分をさらに検討した結果、25℃でペースト状の油を併せて用いることで、毛髪への付着性を飛躍的に高めるという知見を見出し、本発明の毛髪化粧料を完成するに至った。この技術を用いることで、従来より使用されているシリコーン油と同等の効果特性が得られ、すすぎ時や仕上がりの指通りの良さやなめらかさなど優れた感触を実現することが可能となった。
【0009】
すなわち、本発明は、
次の成分(a)〜(d);
(a)カチオン性界面活性剤
(b)高級アルコール
(c)25℃でペースト状の油
(d)ポリオキシプロピレン基の重合度が15以上60以下のポリオキシプロピレンブチルエーテルを配合することを特徴とする毛髪化粧料を提供するものである。
【0010】
また、成分(c)が、ワセリン、シアバター、N―ラウロイル―L―グルタミン酸ジ(フィトステリル・ベヘニル・2−オクチルドデシル)、ミリスチン酸ミリスチル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸・ステアリン酸・ロジン酸)ジペンタエリスリチル、ダイマーリノール酸ダイマージリノレイルから選ばれる一種又は二種以上であることを特徴とする毛髪化粧料を提供するものである。
【0011】
さらに成分(c)と成分(d)の含有質量比(d)/(c)が、0.1〜1であることを特徴とする毛髪化粧料を提供するものである。
【0012】
そしてさらに成分(e)として、両性ポリマー及び/又はカチオン性ポリマーを含有することを特徴とする毛髪化粧料を提供するものである。
【0013】
そしてまた、水中油乳化型であることを特徴とする毛髪化粧料を提供するものである。
【0014】
そして、さらにシリコーン油を実質的に配合しないことを特徴とする毛髪化粧料を提供するものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の毛髪化粧料は、べたつき感がなく、軽い仕上がりの良好な使用感でありながら、すすぎ時や仕上がりの指通り性やなめらかさに優れ、高いコンディショニング効果の得られるものである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書において、「〜」はその前後の数値を含む範囲を意味するものとする。
【0017】
本発明に用いられる、成分(a)カチオン性界面活性剤は、乳化剤等の目的で配合されるものであり、通常化粧料に使用できるカチオン性界面活性剤であれば特に限定されない。具体的には、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム等の塩化アルキルトリメチルアンモニウムや、塩化ジラウリルジメチルアンモニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジベヘニルジメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム等の塩化ジアルキルジメチルアンモニウム等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。
これらの中でも、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム等の塩化アルキルトリメチルアンモニウムから選ばれる1種又は2種以上を用いると、より乳化安定性に優れる毛髪化粧料を得ることができ好ましい。
【0018】
本発明に用いられる、成分(a)カチオン性界面活性剤の配合量は、特に限定されないが、0.01〜20.0質量%(以下、単に「%」と略す)、さらに好ましくは0.5〜10.0%の範囲にあるものである。成分(a)カチオン性界面活性剤の配合量がこの範囲にあると、仕上がりのなめらかさ、しなやかさに優れる毛髪化粧料を得ることができる。
【0019】
本発明に用いられる、成分(b)高級アルコールは、通常化粧料に使用できる高級アルコールであれば特に限定されないが、直鎖または分岐鎖の炭化水素基を有する炭素数12〜22のものが好ましい。具体的には、ミリスチルアルコ−ル、セチルアルコ−ル、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコ−ル、ベヘニルアルコール、ラノリンアルコール、水素添加ラノリンアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、2−オクチルドデカノール、ヘキサデシルアルコール、イソステアリルアルコール、ホホバアルコール等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。これらの中でも、セチルアルコ−ル、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコ−ルから選ばれる1種又は2種以上を用いると、仕上がりのなめらかさ、しなやかさが更に優れる毛髪化粧料を得ることができ好ましい。
【0020】
本発明に用いられる、成分(b)高級アルコールの配合量は、特に限定されないが、0.1〜12%が好ましく、0.5〜8%がより好ましい。この範囲であれば、仕上がりのなめらかさ、しなやかさに優れる毛髪化粧料を得ることができる。
【0021】
本発明に用いられる、成分(c)25℃でペースト状の油は、後述する成分(d)と共に用いることで、より一層のなめらかさやまとまり感を期待できる成分である。なお、本発明におけるペースト状とは25℃の粘度が5000〜100000mPa・sのものとして定義されるものである。本発明において、前記粘度は、試料を25℃で一日放置後、単一円筒型回転粘度計ビスメトロン型式VS−A1(芝浦システム社製)を用いて測定した。このような成分(c)は、通常化粧料に使用できるペースト状の油であれば特に限定されない。具体的には、ワセリン、シアバター、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・ベヘニル・2−オクチルドデシル)、ミリスチン酸ミリスチル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸・ステアリン酸・ロジン酸)ジペンタエリスリチル、ダイマーリノール酸ダイマージリノレイル、イソステアリン酸コレステリル、ラノリン、ラノリン誘導体、モノステアリン酸硬化ヒマシ油、トリ(カプリル・カプリン・ステアリン酸)グリセリド、ジペンタエリトリット・12−ヒドロキシステアリン酸エステル、部分水添ヤシ油、部分水添ホホバ油、テトライソステアリン酸ペンタエリトリット、ポリブテン、ポリイソブチレン、重質流動イソパラフィン等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。
【0022】
これらの中でも、ワセリン、シアバター、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・ベヘニル・2−オクチルドデシル)、ミリスチン酸ミリスチル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸・ステアリン酸・ロジン酸)ジペンタエリスリチル、ダイマーリノール酸ダイマージリノレイルから選ばれる1種又は2種以上を用いると、すすぎ時や仕上がりのなめらかさが更に優れる毛髪化粧料を得ることができ好ましい。
【0023】
本発明に用いられる、成分(c)25℃でペースト状の油の配合量は、特に限定されないが、0.1〜15%が好ましく、さらには0.5〜10%がより好ましい。この範囲であれば、すすぎ時や仕上がりのなめらかさが更に優れる毛髪化粧料を得ることができる。
【0024】
本発明に用いられる、成分(d)ポリオキシプロピレン基の重合度が15以上60以下のポリオキシプロピレンブチルエーテルは、本発明においては、すすぎ時や仕上がりの指通りの良さやなめらかさ等に寄与する成分であり、1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。さらにポリオキシプロピレン基の重合度が、40〜60の範囲になると、適度に髪に残りなめらかさを与えるためより好ましいものとなる。
なお、ポリオキシプロピレン基の重合度が15未満では、十分な指通りの良さやなめらかさを得ることができず、一方60を超えると毛髪にごわつきやべたつきが残り、十分な感触を得られない場合がある。
【0025】
本発明に用いられる、成分(d)ポリオキシプロピレン基の重合度が15以上60以下のポリオキシプロピレンブチルエーテルとしては、日本油脂社製のユニルーブMB−14、同MB−370、同MB−700、旭電化工業社製アデカポールM−110、同M−250P、同M−370、同M−700等として市販されるものを使用することができる。
【0026】
本発明に用いられる、成分(d)ポリオキシプロピレン基の重合度が15以上60以下のポリオキシプロピレンブチルエーテルの配合量は、特に限定されないが、0.2〜8%が好ましく、0.4〜4%がより好ましい。この範囲であれば、すすぎ時や仕上がりの指通り性やなめらかさが更に優れる毛髪化粧料を得ることができる。
【0027】
本発明は、前述した成分(c)及び成分(d)を特定比率で配合することにより、さらにすすぎ時や仕上がりの毛髪の指通り性なめらかさがより良好なものとすることが可能である。このような配合比(d)/(c)は、特に限定されるものではないが、0.1〜1.0であれば、より好ましくなり、さらに0.3〜0.7の範囲とすることにより好ましいものとすることができる。
【0028】
上記成分の他に成分(e)両性ポリマー及び/又はカチオン性ポリマーを本発明の毛髪化粧料に配合することにより、仕上がり時の毛髪の指通りの良さやなめらかさに更に優れる毛髪化粧料を得ることができる。
【0029】
このような成分(e)両性ポリマーとしては、具体的には、N−メタクリロイルエチルN,N−ジメチルアンモニウムα−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸ブチル共重合体、アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタクリル酸ブチルアミノエチル・アクリル酸オクチルアミド共重合体、アクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体、アクリル酸・アクリル酸メチル・塩化メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム共重合体等が挙げられ1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。
【0030】
また成分(e)カチオン性ポリマーとしては、具体的には、カチオン化セルロース誘導体、カチオン性澱粉、カチオン化フェヌグリークガム誘導体、カチオン化グアーガム誘導体、カチオン化タラガム誘導体、カチオン化ローカストビーンガム誘導体、ジアリル四級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合物、ビニルイミダゾリウムトリクロライド/ビニルピロリドン共重合体、ヒドロキシエチルセルロース/ジメチルジアリルアンモニウムクロライド共重合体、ビニルピロリドン/四級化ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート/ビニルカプロラクタム共重合体、ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピル塩化トリメチルアンモニウム共重合体、アルキルアクリルアミド/アクリレート/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体、アジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピルエチレントリアミン共重合体、ジアリル四級アンモニウム塩/ビニルポリピロリドン/ビニルイミダゾール共重合体等が挙げられる。本発明では、カチオン化セルロース誘導体がより好ましく用いられる。
【0031】
本発明で使用される上記の成分(e)両性ポリマー及び/又はカチオン性ポリマーは、NALCO社製のマーコート550PR、7SPR、3330PR、3331PR、BASF社製のルビカットセンセーション、アマーコール社製のUcareポリマーJR-30M、JR-125、JR-400、同社製のUcareポリマーLR-30M、花王社製ポイズC−150L、C−60H、ローディア社製のJAGUAR C−13S、C−14S、C−17、EXCEL、C−500、SANCARE 2000、HP−8、HP−105、HP−120、東邦化学社製のカチナールHC−100、HC−200、LC−100、LC−200、CG−100、CG−100S、CTR−100、CLB−100、CF−100、同社製のMEポリマー 09W、H40W、三菱化学社製のユカフォーマ R205、SM、301、AMOPHOSET、202、アクゾノーベル社製のアンフォマー28−4910、LV−71、SH30等として市販されるものを使用することができる。
【0032】
本発明の毛髪化粧料には上記成分(a)カチオン性界面活性剤、成分(b)高級アルコール、成分(c)25℃でペースト状油、成分(d)酸化プロピレン付加モル数が15以上60以下のポリオキシプロピレンブチルエーテルを必須成分とし、これらに水又は水に適宜な溶剤を加えた液に含有させることによって調製される。なお、本発明の毛髪化粧料に用いられる水は、特に限定されず、例えば、精製水、蒸留水、温泉水、海洋深層水、ラベンダー花水等、種々の水をあげることができ、必要に応じて、これらの一種又は二種以上を組合わせて使用することができる。また、水の配合量は、上記した各成分に応じて適宜決めることができるが、概ね20〜95%の範囲で使用可能である。
【0033】
これらの必須成分以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で通常毛髪化粧料に一般的に配合される他の成分を目的に応じて配合することができる。具体的には、例えば、ラウリル硫酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩、ラウリルベンゼンスルホン酸塩、ラウロイルメチル−β−アラニンナトリウム等のアニオン性界面活性剤;2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油アルキルN−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム等の両性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤;高重合ポリエチレングリコール等の高分子化合物;グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール等の湿潤剤;ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸;ミリスチン酸イソプロピル等のエステル油;流動イソパラフィン、ワセリン、スクワラン等の炭化水素;エタノール、メタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール;L−アスパラギン酸、L−アスパラギン酸ナトリウム、DL−アラニン、L−アルギニン、グリシン、L−グルタミン酸、L−システイン、L−スレオニン等のアミノ酸;その他紫外線吸収剤、防腐剤、糖類、香料、色剤、金属イオン封鎖剤、酸化防止剤、各種薬剤等が挙げられる。
【0034】
本発明の毛髪化粧料の製造方法は、特に限定されるものではなく、常法により調製される。即ち、上記成分(a)〜(e)及び必要に応じて上記任意成分を常法に従って処理することにより製造することが出来る。
【0035】
本発明の毛髪化粧料は、他の成分との併用や容器の機構により、液状、乳液状、クリーム状、オイル状、ジェル状、ムース状等、種々の形態にて実施することは可能である。なかでも特に成分(a)を主乳化剤、成分(b)を乳化助剤とし、成分(c)を被乳化油として、さらに成分(d)を配合した乳化型でも水中油乳化型とすることにより、すすぎ時の洗い流しやすさや、仕上がりのなめらかさ、しなやかさ等の本発明の効果を得る上では好ましい。
【0036】
本発明は、ポリオキシプロピレン基の重合度が15以上60以下のポリオキシプロピレンブチルエーテルと25℃でペースト状の油を組合わせることにより、毛髪に付着した際になめらかな指通り感を得られることが可能となり、従来より使用されているシリコーン油と同等の効果特性が得られるものである。そのためシリコーン油を特に配合することなく、仕上がりのなめらかさ、しなやかさなど優れるものとすることができ、ビルドアップしないことを特徴としている。このような理由から本発明においてシリコーン油を特に配合する必要がないものである。なお、本発明における「実質的に配合しない」とは、全く配合しないか、配合したとしても、毛髪化粧料全量に対しての配合量が1%以下であり、より好ましくは、0.1%以下であることを意味している。
【0037】
本発明の毛髪化粧料は、具体的にはシャンプー、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアパック、ヘアクリーム、ヘアローション、ヘアジェル、ヘアスタイリングムース、ヘアスプレー等の毛髪用製品として用いることができる。使用方法としては、毛髪に塗布した後洗い流すタイプ、または乾いた毛髪に塗布するタイプ等いずれの製品にも用いることができるが、これに限定されるものではない。
【実施例】
【0038】
次に実施例をもって本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらにより、何ら限定されるものではない。
【実施例1】
【0039】
本発明品1〜19及び比較品1〜5:ヘアコンディショナー
表1〜表4に示す処方及び下記製造方法によりヘアコンディショナーを調製し、「すすぎ時の洗い流しやすさ」、「仕上がりのなめらかさ」、「仕上がりのしなやかさ」及び「ビルドアップのなさ」について、以下に示す評価方法及び判定基準により評価判定し、結果を併せて表1に示した。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
(製造方法)
A:成分(1)〜(19)を80℃に加熱して均一混合する。
B:成分(20)〜(26)を80℃に加熱する。
C:BにAを添加して均一に乳化混合し、冷却する。
D:Cに成分(27)を添加混合し、容器に充填してヘアコンディショナーを得た。
【0045】
(評価方法)
化粧品評価専門パネル10名に、本発明品1〜19及び比較品1〜5のヘアコンディショナーを使用してもらい、「すすぎ時の洗い流しやすさ」、「仕上がりのなめらかさ」、「仕上がりのしなやかさ」について以下の評価基準(a)を、「ビルドアップのなさ」について以下の評価基準(b)を用いて5段階評価してもらった。その後、全パネルの評点の平均点を、以下の判定基準に従って判定した。
<評価基準(a)> :すすぎ時の洗い流しやすさ
[評価結果] :[評点]
非常に洗い流しやすい :5点
洗い流しやすい :4点
やや洗い流しやすい :3点
やや洗い流しにくい :2点
洗い流しにくい :1点
<評価基準(a)> :仕上がりのなめらかさ
[評価結果] :[評点]
非常になめらかである :5点
なめらかである :4点
ややなめらかである :3点
ややなめらかさに劣る :2点
なめらかさに劣る :1点
<評価基準(a)> :仕上がりのしなやかさ
[評価結果] :[評点]
非常にしなやかである :5点
しなやかである :4点
ややしなやかである :3点
ややしなやかさに劣る :2点
しなやかさに劣る :1点
<評価基準(b)>:ビルドアップのなさ
1回/1日の使用頻度で1ヶ月間使用した中で、髪がごわつきを感じるまでの使用回数として評価した。
[評価結果] :[評点]
1ヶ月の連用でもごわつきを感じない :5点
1ヶ月の連用でわずかにごわつきを感じる :4点
3週間の連用でわずかにごわつきを感じる :3点
2週間の連用でわずかにごわつきを感じる :2点
1週間の連用でわずかにごわつきを感じる :1点
【0046】
上記評価基準にて、評価した評点の平均値から、以下の判定基準に基づいて判定した。
<判定基準> :
[評点の平均点] : [判定]
4.5以上 : ◎
3.5以上4.5未満 : ○
1.5以上3.5未満 : △
1.5未満 : ×
【0047】
表1〜表4の結果から明らかなように、本発明品の1〜19のヘアコンディショナーは、いずれも「すすぎ時の洗い流しやすさ」、「仕上がりのなめらかさ」、「仕上がりのしなやかさ」及び「ビルドアップのなさ」において極めて優れた効果を示すものであることが実証された。
これに対して、成分(c)を配合せずに代わりにミネラルオイルを配合した比較品1は、「すすぎ時の洗い流しやすさ」、「仕上がりのなめらかさ」に劣っており、成分(d)が本発明の酸化プロピレン付加モル数の範囲にない比較品2〜4は、「仕上がりのなめらかさ」、比較品3においては「ビルドアップのなさ」も劣っているものであった。さらに、成分(d)を配合せずに代わりにジメチルポリシロキサンを配合した比較品5は、「ビルドアップのなさ」に劣っているものであった。
【実施例2】
【0048】
ヘアミルク
(成分) (%)
1.塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム 0.2
2.ジココイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート 0.2
3.セトステアリルアルコール 2
4.パルミチン酸2−エチルヘキシル 1
5.ワセリン 1
6.シア脂 (注1) 1
7.硬化ヒマシ油 1
8.ホホバアルコール 1
9.パラメトキシケイ皮酸―2−エチルヘキシル 0.1
10.ポリオキシプロピレン(52)ブチルエーテル (注4) 3
11.ジプロピレングリコール 3
12.1,3−ブチレングリコール 2
13.塩化[2−ヒドロキシー3−(トリメチルアンモニオ)
プロピル]ヒドロキシエチルセルロース (注7) 0.2
14.フェノキシエタノール 0.2
15.グリコシルトレハロース 0.1
16.クエン酸 0.1
17.クエン酸ナトリウム 0.1
18.香料 0.5
19.精製水 残量
(製造方法)
A:成分1〜10を均一に加熱溶解する。
B:成分11〜17及び19を均一に加熱溶解する。
C:BにAを添加し、均一に乳化混合し、冷却する。
D.Cに成分18を添加混合した後、容器に充填してヘアミルクを得た。
【0049】
以上のようにして得られた実施例2のヘアミルクは、仕上がりのなめらかさ、しなやかさ、ビルドアップのなさ等の優れた毛髪化粧料であった。
【実施例3】
【0050】
ヘアローション(ヘアミスト)
(成分) (%)
1.1,3−ブチレングリコール 1
2.ワセリン 0.1
3.塩化ジココイルジメチルアンモニウム 0.5
4.セトステアリルアルコール 0.05
5.ポリオキシプロピレン(52)ブチルエーテル (注4) 1
6.エタノール 10
7.ヒドロキシエチルセルロース 0.1
8.精製水 残量
9.バラ抽出物 0.1
10.イソステアロイル加水分解コラーゲン・アミノメチル
プロパンジオール塩 0.1
11.メチルパラベン 0.1
12.1,2−ペンタンジオール 2
13.香料 0.5
(製造方法)
A:成分1〜5を加温して均一混合する。
B:Aに成分6〜14を加え均一に混合する。
C:Bをアトマイザー容器に充填してヘアローションを得た。
【0051】
以上のようにして得られた実施例3のヘアローション(ヘアミスト)は、べたつきがなく、仕上がりのなめらかさ、しなやかさ、ビルドアップのなさに優れた毛髪化粧料であった。
【実施例4】
【0052】
スティック状毛髪化粧料
(成分) (%)
1.フィッシャートロプシュワックス 5
2.ベヘニルアルコール 4
3.マイクロクリスタリンワックス 6
4.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 5
5.トリイソステアリン酸ジグリセリル 残量
6.塩化アルキルトリメチルアンモニウム 6
7.シア脂(注1) 2
8.流動パラフィン 10
9.ワセリン 30
10.グリチルレチン酸ステアリル 1
11.メチルシロキサン網状重合体(注2) 0.1
12.ポリオキシプロピレン(40)ブチルエーテル (注5) 2
13.シリル化処理無水ケイ酸 0.1
14.ジブチルヒドロキシトルエン 0.1
15.フェノキシエタノール 0.1
16.1,2−ペンタンジオール 0.1
17.香料 適量
(注2)トスパール2000B*(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)
(製造方法)
A:成分1〜12を加温して均一混合する。
B:Aに成分13〜16を加え均一に混合する。
C:Bに成分17を添加混合した後、容器に充填してスティック状毛髪化粧料を得た。
【0053】
以上のようにして得られた実施例4のスティック状毛髪化粧料は、べたつきがなく、仕上がりのなめらかさ、しなやかさ、ビルドアップのなさ等に優れた毛髪化粧料であった。
【実施例5】
【0054】
ヘアトリートメント
(成分) (%)
1.セトステアリルアルコール 2.5
2.ベヘニルアルコール 2.5
3.ポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油 0.5
4.モノステアリン酸グリセリル 0.2
5.N―ラウロイル―L―グルタミン酸ジ(フィトステリル・ベヘニル・
2−オクチルドデシル) 1
6.ミリスチン酸イソプロピル 3
7.アスタキサンチン 0.01
8.ヘマトコッカスプルビアリエキス(注8) 0.01
9.ポリオキシプロピレン(40)ブチルエーテル (注5) 2
10.精製水 残量
11.プロピレングリコール 10
12.1,2−ペンタンジオール 0.1
13.塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.5
14.塩化[2−ヒドロキシー3−(トリメチルアンモニオ)
プロピル]ヒドロキシエチルセルロース (注7) 0.2
15.フェノキシエタノール 0.1
16.香料 適量
(注8)アスタキサンチン−5C(オリザ油化社製)
(製造方法)
A:成分1〜9を均一に加熱溶解する。
B:成分10〜15を均一に加熱溶解する。
C:BにAを添加し、均一に乳化混合し、冷却する。
D.Cに成分16を添加混合した後、容器に充填してヘアトリートメントを得た。
【0055】
以上のようにして得られた実施例5のヘアトリートメントは、仕上がりのなめらかさ、しなやかさ、ビルドアップのなさ等の優れた毛髪化粧料であった。