特許第6235229号(P6235229)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6235229
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】日射遮蔽材昇降装置、サポート部材
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/322 20060101AFI20171113BHJP
   E06B 9/323 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
   E06B9/322
   E06B9/323
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-88870(P2013-88870)
(22)【出願日】2013年4月19日
(65)【公開番号】特開2014-211058(P2014-211058A)
(43)【公開日】2014年11月13日
【審査請求日】2016年3月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000250672
【氏名又は名称】立川ブラインド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼山 慶弘
【審査官】 佐々木 崇
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭62−133897(JP,U)
【文献】 実開昭62−68684(JP,U)
【文献】 実開平1−33897(JP,U)
【文献】 米国特許第4643238(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/24− 9/388
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドボックスと、前記ヘッドボックスに着脱可能に支持され且つガイド部材を支持するサポート部材と、一端が前記ガイド部材を通じて前記ヘッドボックスから垂下され且つ他端が前記ヘッドボックスの別の位置から垂下される昇降コードとを備え、
前記昇降コードは、前記昇降コードによって昇降される日射遮蔽材の部屋内側に垂下される部屋内側昇降コードと、前記日射遮蔽材の部屋外側に垂下される部屋外側昇降コードとを備え、
前記サポート部材は、底面と、前記底面から直立して前記サポート部材の幅方向に延びる直立壁を備え、前記サポート部材は、前記直立壁によって、前記ガイド部材を支持するガイド部材支持領域と、前記昇降コードをスライド可能に挿通させる昇降コード挿通領域とに分割され、
前記サポート部材は、前記ガイド部材支持領域を挟んで前記直立壁に対向する第1壁と、前記昇降コード挿通領域を挟んで前記直立壁に対向する第2壁とを備え、
以下の(1)〜()のうちの少なくとも1つの特徴を有する、日射遮蔽材昇降装置。
(1)前記サポート部材は、前記昇降コード挿通領域を、下側挿通領域と、上側挿通領域とに分割する上下分割壁を備える。
(2)前記直立壁は、前記昇降コードとの当接部位が金属板で被覆される。
(3)前記ガイド部材支持領域は、前記サポート部材の前後方向の片側にのみ設けられ、前記直立壁は、二重壁であり、第1壁は、1枚壁である。
(4)前記ガイド部材支持領域は、前記サポート部材の前後方向の片側にのみ設けられ、前記サポート部材は、挿通孔延長部を備え、前記挿通孔延長部は、前記サポート部材の底面から、前記直立壁とは反対側に突出するように設けられ、前記底面と前記挿通孔延長部を貫通する挿通孔が設けられる。
(5)前記ガイド部材支持領域は、前記サポート部材の前後方向の片側にのみ設けられ、前記部屋内側昇降コード用の前記サポート部材と前記部屋外側昇降コード用のサポート部材が同一構成である。
【請求項2】
前記昇降コードは、前記ヘッドボックスの右側に設けられた右側操作部によって操作される右側操作昇降コードと、前記ヘッドボックスの左側に設けられた左側操作部によって操作される左側操作昇降コードとを備え、
前記サポート部材は、前記特徴(1)を備え、
前記右側操作昇降コードは、前記下側挿通領域と前記上側挿通領域の一方に挿通され、
前記左側操作昇降コードは、前記下側挿通領域と前記上側挿通領域の他方に挿通される、請求項1に記載の日射遮蔽材昇降装置。
【請求項3】
前記サポート部材は、前記特徴(1)を備え、
前記ヘッドボックスは、天井面に開口部を有し、この開口部をカバーするボックスカバーを備え、
前記サポート部材と前記ボックスカバーの間の隙間は、前記上側挿通領域に挿通される昇降コードの直径よりも小さい、請求項1又は請求項2に記載の日射遮蔽材昇降装置。
【請求項4】
前記サポート部材は、前記特徴(1)を備え、
前記上下分割壁は、前記直立壁と第2壁に連結される、請求項1〜請求項3の何れか1つに記載の日射遮蔽材昇降装置。
【請求項5】
前記ヘッドボックスは、前記ガイド部材支持領域が部屋内側になるように前記サポート部材に嵌合可能な部屋内側嵌合孔と、前記ガイド部材支持領域が部屋外側になるように前記サポート部材に嵌合可能な部屋外側嵌合孔とを備え
前記部屋内側嵌合孔及び部屋外側嵌合孔のそれぞれに嵌合される前記サポート部材は、同一形状である、請求項1〜請求項4の何れか1つに記載の日射遮蔽材昇降装置。
【請求項6】
前記ガイド部材は、前記サポート部材に着脱可能に支持される、請求項1〜請求項の何れか1つに記載の日射遮蔽材昇降装置。
【請求項7】
ヘッドボックスに着脱可能に支持され且つガイド部材を支持するサポート部材であって、
前記サポート部材は、底面と、前記底面から直立して前記サポート部材の幅方向に延びる直立壁を備え、前記サポート部材は、前記直立壁によって、前記ガイド部材を支持するガイド部材支持領域と、昇降コードをスライド可能に挿通させる昇降コード挿通領域とに分割され、さらに、前記ガイド部材支持領域を挟んで前記直立壁に対向する第1壁と、前記昇降コード挿通領域を挟んで前記直立壁に対向する第2壁とを備え、
以下の(1)〜()のうちの少なくとも1つの特徴を有する、サポート部材。
(1)前記サポート部材は、前記昇降コード挿通領域を、下側挿通領域と、上側挿通領域とに分割する上下分割壁を備える。
(2)前記直立壁は、金属板で被覆される。
(3)前記ガイド部材支持領域は、前記サポート部材の前後方向の片側にのみ設けられ、前記直立壁は、二重壁であり、第1壁は、1枚壁である。
(4)前記ガイド部材支持領域は、前記サポート部材の前後方向の片側にのみ設けられ、前記サポート部材は、挿通孔延長部を備え、前記挿通孔延長部は、前記サポート部材の底面から、前記直立壁とは反対側に突出するように設けられ、前記底面と前記挿通孔延長部を貫通する挿通孔が設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、横型ブラインド、たくし上げカーテン、プリーツスクリーン等の日射遮蔽装置で使用される日射遮蔽材昇降装置に関する。
【背景技術】
【0002】
日射遮蔽装置の中には、ヘッドボックスから吊り下げられる日射遮蔽材の下部に設けられた中間レール又はボトムレールに昇降コードの一端を取着し、昇降コードの他端をヘッドボックス内に挿入した後にヘッドボックスの別の位置から引き出し、その引き出し量を変化させることによってボトムレールを昇降させるものがある(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許3064233号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の日射遮蔽装置では、昇降コードは、日射遮蔽材の前後方向の略中央に挿通されて垂下されており、ヘッドボックス内では全ての昇降コードがヘッドボックスの幅方向に略平行に案内されているために昇降コード同士の摩擦や昇降コードと他の部材の間の摩擦による問題は認識されていない。
本発明者は、複数の昇降コードの一部を日射遮蔽材の部屋内側に垂下させ、残りを日射遮蔽材の部屋外側に垂下させるという構成の日射遮蔽装置を開発に際して、このような構成の日射遮蔽装置では、従来構成のものよりも昇降コード同士の摩擦や昇降コードと他の部材の間の摩擦の問題が生じやすいことに気がついた。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、昇降コード同士の摩擦や昇降コードと他の部材の間の摩擦による問題を緩和することができる日射遮蔽材昇降装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、ヘッドボックスと、前記ヘッドボックスに着脱可能に支持され且つガイド部材を支持するサポート部材と、一端が前記ガイド部材を通じて前記ヘッドボックスから垂下され且つ他端が前記ヘッドボックスの別の位置から垂下される昇降コードとを備え、
前記昇降コードは、前記昇降コードによって昇降される日射遮蔽材の部屋内側に垂下される部屋内側昇降コードと、前記日射遮蔽材の部屋外側に垂下される部屋外側昇降コードとを備え、
前記サポート部材は、底面と、前記底面から直立して前記サポート部材の幅方向に延びる直立壁を備え、前記サポート部材は、前記直立壁によって、前記ガイド部材を支持するガイド部材支持領域と、前記昇降コードをスライド可能に挿通させる昇降コード挿通領域とに分割され、
前記サポート部材は、前記ガイド部材支持領域を挟んで前記直立壁に対向する第1壁と、前記昇降コード挿通領域を挟んで前記直立壁に対向する第2壁とを備え、
以下の(1)〜(3)のうちの少なくとも1つの特徴を有する、日射遮蔽材昇降装置が提供される。
(1)前記サポート部材は、前記昇降コード挿通領域を、下側挿通領域と、上側挿通領域とに分割する上下分割壁を備える。
(2)前記直立壁は、前記昇降コードとの当接部位が金属板で被覆される。
(3)前記ガイド部材支持領域は、前記サポート部材の前後方向の片側にのみ設けられる。
【0007】
本発明者は上記の摩擦による問題を緩和すべく鋭意検討を行ったところ、昇降コードを所定位置から垂下させるためのガイド部材を支持するサポート部材として、上記(1)〜(3)の少なくとも1つを備えるものを採用することによって、上記問題が緩和されることを見出し、本発明の完成に到った。サポート部材は、上記(1)〜(3)の何れか1つのみの特徴を有するものであってもよく、上記(1)〜(3)のうちの2つの特徴有するものであってもよく、上記(1)〜(3)の全ての特徴を有するものであってもよい。
【0008】
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、前記昇降コードは、前記ヘッドボックスの右側に設けられた右側操作部によって操作される右側操作昇降コードと、前記ヘッドボックスの左側に設けられた左側操作部によって操作される左側操作昇降コードとを備え、前記サポート部材は、前記特徴(1)を備え、前記右側操作昇降コードは、前記下側挿通領域と前記上側挿通領域の一方に挿通され、前記左側操作昇降コードは、前記下側挿通領域と前記上側挿通領域の他方に挿通される。
好ましくは、前記サポート部材は、前記特徴(1)を備え、前記ヘッドボックスは、天井面に開口部を有し、この開口部をカバーするボックスカバーを備え、前記サポート部材と前記ボックスカバーの間の隙間は、前記上側挿通領域に挿通される昇降コードの直径よりも小さい。
好ましくは、前記サポート部材は、前記特徴(1)を備え、前記上下分割壁は、前記直立壁と第2壁に連結される。
好ましくは、前記ヘッドボックスは、前記ガイド部材支持領域が部屋内側になるように前記サポート部材に嵌合可能な部屋内側嵌合孔と、前記ガイド部材支持領域が部屋外側になるように前記サポート部材に嵌合可能な部屋外側嵌合孔とを備え前記部屋内側嵌合孔及び部屋外側嵌合孔のそれぞれに嵌合される前記サポート部材は、同一形状である。
好ましくは、前記直立壁は、二重壁であり、第1壁は、1枚壁である。
好ましくは、前記ガイド部材は、前記サポート部材に着脱可能に支持される。
また、本発明は、ヘッドボックスに着脱可能に支持され且つガイド部材を支持するサポート部材であって、
前記サポート部材は、底面と、前記底面から直立して前記サポート部材の幅方向に延びる直立壁を備え、前記サポート部材は、前記直立壁によって、前記ガイド部材を支持するガイド部材支持領域と、昇降コードをスライド可能に挿通させる昇降コード挿通領域とに分割され、さらに、前記ガイド部材支持領域を挟んで前記直立壁に対向する第1壁と、前記昇降コード挿通領域を挟んで前記直立壁に対向する第2壁とを備え、以下の(1)〜(3)のうちの少なくとも1つの特徴を有する、サポート部材も提供する。
(1)前記サポート部材は、前記昇降コード挿通領域を、下側挿通領域と、上側挿通領域とに分割する上下分割壁を備える。
(2)前記直立壁は、金属板で被覆される。
(3)前記ガイド部材支持領域は、前記サポート部材の前後方向の片側にのみ設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態のプリーツスクリーンの(a)正面図、(b)右側面図、(c)平面図である。
図2図1のプリーツスクリーンの昇降コード6,7の配置を示す模式図であり、図2(a)では昇降コード6のみを示し、図2(b)では昇降コード7のみを示す。
図3図3(a)は、図1(c)に対応した図であり、図1(c)から昇降コード6,7の上側にある要素を取り除いて昇降コード6,7の配置を分かりやすくしたものである。図3(b)〜(d)は、それぞれ、図3(a)中の領域L,C,Rの拡大図である。
図4図4(a)及び(c)は、サポート部材8から滑車8i及び滑車軸8jを外した状態を示す斜視図であり、図4(b)及び(d)は、サポート部材8を別々の角度から見た斜視図である。
図5図5(a)は、ヘッドボックス1を下側から見た底面図であり、図5(b)〜(c)は、それぞれ、図5(a)中のA−A断面図及びB−B断面図である。
図6図6(a)〜(b)は、それぞれ、図1(c)中のC−C断面図及びR−R断面図である。
図7】本発明の第2実施形態のプリーツスクリーンの(a)正面図、(b)右側面図、(c)平面図である。
図8図8(a)は、図7(c)に対応した図であり、図7(c)から昇降コード7の上側にある要素を取り除いて昇降コード7の配置を分かりやすくしたものである。図8(b)〜(d)は、それぞれ、図8(a)中の領域L,C,Rの拡大図である。
図9図9(a)〜(b)は、それぞれ、図7(c)中のC−C断面図及びR−R断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0011】
1.第1実施形態(ペアタイプのプリーツスクリーン)
図1図6を用いて、本実施形態の第1実施形態のペアタイプのプリーツスクリーンについて説明する。このプリーツスクリーンは、ヘッドボックス1から上部スクリーン2が吊下支持され、上部スクリーン2の下端に中間レール3が取着されている。中間レール3から下部スクリーン4が吊下支持され、下部スクリーン4の下端にボトムレール5が取着されている。このプリーツスクリーンは、壁面又は天井面に固定された取付ブラケット21にヘッドボックス1を装着することによって、壁面又は天井面に取り付けることができる。ヘッドボックス1は、天井面に開口部を有しており、この開口部は、ボックスカバー47でカバーされている。
【0012】
上部スクリーン2はレース生地等の半透過性の生地をジグザグ状に折り畳み可能としたものであり、下部スクリーン4は遮光性を備えた生地をジグザグ状に折り畳み可能としたものである。
【0013】
図2(a)に模式的に示すように、中間レール3には、3本の昇降コード6l,6c,6rのそれぞれの一端が取着されている。中央の昇降コード6cは、上部スクリーン2の手前側(部屋内側)に垂下され、両端の昇降コード6l,6rは、上部スクリーン2の裏側(部屋外側)に垂下される。これらの昇降コード6l,6c,6rは、ヘッドボックス1内で左側に案内されて、左側コード出口23lを通じてヘッドボックス1外に引き出され、左側コードイコライザ19lを介して左側操作コード17lに連結される。以下、昇降コード6l,6c,6rを「昇降コード6」と総称する。
【0014】
中間レール3は、操作コード17lを操作して、コード出口23lからの昇降コード6の引き出し量を変化させることによって昇降させることができる。操作コード17lを引っ張って昇降コード6を引き出してから手を離すと、ストッパ41lが作動して昇降コード6が保持され、中間レール3の自重による降下が妨げられる。操作コード17lを再度少し引っ張るとストッパ41lが昇降コード6を解放し、中間レール3を降下させることができる。
【0015】
図2(b)に模式的に示すように、ボトムレール5には、3本の昇降コード7l,7c,7rのそれぞれの一端が取着されている。中央の昇降コード7cは、スクリーン2,4の手前側(部屋内側)に垂下され、両端の昇降コード7l,7rは、スクリーン2,4の裏側(部屋外側)に垂下される。これらの昇降コード7l,7c,7rは、ヘッドボックス1内で右側に案内されて、右側コード出口23rを通じてヘッドボックス1外に引き出され、右側コードイコライザ19rを介して右側操作コード17rに連結される。右側操作コード17rを操作して、右側コード出口23rからの昇降コード7l,7c,7rの引き出し量を変化させることによって、ボトムレール5を昇降させる。以下、昇降コード7l,7c,7rを「昇降コード7」と総称する。
【0016】
ボトムレール5は、操作コード17rを操作して、コード出口23rからの昇降コード7の引き出し量を変化させることによって昇降させることができる。操作コード17rを引っ張って昇降コード7を引き出してから手を離すと、ストッパ41rが作動して昇降コード7が保持され、ボトムレール5の自重による降下が妨げられる。操作コード17rを再度少し引っ張るとストッパ41rが昇降コード7を解放し、ボトムレール5を降下させることができる。
【0017】
なお、昇降コードの配置や本数は適宜変更可能である。例えば、幅方向中央の昇降コードを部屋外側に垂下させ、両端の昇降コードを部屋内側に垂下させてもよく、昇降コードの本数を3本よりも少なく又は多くしてもよい。左側操作昇降コード6の一端をボトムレール5に取着し、右側操作昇降コード7の一端を中間レール3に取着してもよい。また、ストッパ41l,41rの構成は特に限定されず、ヘッドボックス1の幅を狭くする必要がある場合には、ストッパ41l,41rを別体として設けず、コード出口23r,23lにストッパの機能を持たせてもよい。
【0018】
ヘッドボックス1とボトムレール5の間には、上部スクリーン2及び下部スクリーン4の折り目のピッチを保持するためのピッチ保持コード39が設けられている。ピッチ保持コード39には、環状の保持部43が等間隔に多数設けられており、この保持部43を上部スクリーン2又は下部スクリーン4に挿通させた後、昇降コード6又は昇降コード7を保持部43に挿通させることによって、保持部43が上部スクリーン2又は下部スクリーン4から抜けることを防ぎ、これによって上部スクリーン2及び下部スクリーン4のピッチ保持を可能としている。昇降コード6,7は、上部スクリーン2及び下部スクリーン4の同じ側に垂下されており、ピッチ保持コード39は、昇降コード6,7とは上部スクリーン2及び下部スクリーン4を挟んで反対側に配置されている。
【0019】
中間レール3には、ピッチ保持コード39を挿通及び保持するピッチ保持コード保持部材51aと、昇降コード6を保持し且つ昇降コード7を挿通及び保持する昇降コード保持部材53aが取着される。ボトムレール5には、ピッチ保持コード39を保持するピッチ保持コード保持部材51bと、昇降コード7を保持する昇降コード保持部材53bが取着される。ピッチ保持コード39及び昇降コード6,7は、これらの保持部材によって、中間レール3及びボトムレール5に取着される。
【0020】
図3に示すように、昇降コード6,7は、サポート部材8によって支持された滑車(ガイド部材)8iによって案内され、挿通孔8gを通じてヘッドボックス1から垂下される。昇降コード6l,6c,6rは、それぞれ、左側、中央、右側のサポート部材8の挿通孔8gから垂下され、昇降コード7l,7c,7rも、それぞれ、左側、中央、右側のサポート部材8の挿通孔8gから垂下される。つまり、左側のサポート部材8の挿通孔8gから昇降コード6l,7lが垂下され、中央のサポート部材8の挿通孔8gから昇降コード6c,7cが垂下され、右側のサポート部材8の挿通孔8gから昇降コード6r,7rが垂下される。左側及び右側のサポート部材8は、挿通孔8gが部屋外側に配置され、中央のサポート部材8は、挿通孔8gが部屋内側に配置されるので、昇降コード6l,7l,6r,7rは、スクリーン2,4の部屋外側に垂下され、昇降コード6c,7cは、スクリーン2,4の部屋内側に垂下される。昇降コード6l,7rは、縦滑車61bによって部屋外側に案内され、昇降コード6c,7cは、縦滑車61fによって部屋内側に案内される。
【0021】
ここで、図4を用いて、サポート部材8の詳細な構成について説明する。サポート部材8は、底面8uと、底面8uから直立してサポート部材8の幅方向に延びる直立壁8aを備える。サポート部材8は、直立壁8aによって、滑車軸8jとこれに回転可能に支持された滑車8iとで構成されるガイド部材を支持するガイド部材支持領域8nと、昇降コードをスライド可能に挿通させる昇降コード挿通領域8oとに分割される。直立壁8aの幅方向の両端は、角が丸められていて昇降コードとの摩擦が低減される。
【0022】
ガイド部材支持領域8nを挟んで直立壁8aに対向して第1壁8eが設けられる。滑車軸8jは、直立壁8aと第1壁8eに2つずつ設けられた滑車軸支持部8mに支持される。直立壁8aは、二重壁になっていて、滑車軸支持部8mは、第1壁8eから離れた方の内壁8a1に設けられ、第1壁8eに近い方の外壁8a2には、滑車軸8jに加わる荷重を受ける荷重受け部8lが設けられている。このような構成により、直立壁8aが滑車軸8jから受ける荷重は、第1壁8eが滑車軸8jから受ける荷重よりも大きくなっている。このように、第1壁8eを比較的薄い1枚壁にして、滑車軸8jからの荷重の多くを直立壁8aで受けるという構成にしているので、サポート部材8の前後方向の端からの挿通孔8gまでの距離を短くすることができ、ヘッドボックス1の前後方向の端から昇降コードの垂下位置までの距離を短くすることができる。これによって、スクリーン2,4の畳み込み時の、スクリーン2,4と昇降コードとの干渉を低減することができる。また、内壁8a1と外壁8a2は、幅方向中央においてリブ8vによって連結されて強度が高められている。
【0023】
ガイド部材支持領域8nには、昇降コードをヘッドボックス1の下側に垂下させるための挿通孔8gが設けられる。挿通孔8gには2本の昇降コードが挿通可能であり、昇降コード間の摩擦を防ぐための隔壁8hが設けられる。さらに、挿通孔8gの表側及び裏側の入口にはテーパー面8kが設けられており、これによって、挿通孔8gの入口での昇降コードの摩擦を低減することができる。挿通孔8gは、挿通孔延長部8p内に延び、これによって、昇降コードとヘッドボックス1の底面との摩擦を防いでいる。
【0024】
昇降コード挿通領域8oを挟んで直立壁8aに対向して第2壁8fが設けられる。昇降コード挿通領域8oは、上下分割壁8bによって、下側挿通領域8sと、上側挿通領域8tとに分割される。上下分割壁8bの幅方向の両端は、角が丸められていて昇降コードとの摩擦が低減される。上下分割壁8bは、直立壁8aと第2壁8fに連結されており、これによって、下側挿通領域8sは、全周に渡って壁に囲まれた空間となり、下側挿通領域8sに挿通された昇降コードが外れることが防止される。
【0025】
サポート部材8の底面8uの略中央には、下側に突出する中央突出部8qが設けられ、中央突出部8qの先端には、ヘッドボックス1との係合に用いられる係合突部8rが設けられている。
【0026】
サポート部材8は、左右対称形状(幅方向の中央面を中心に鏡像形状)であり、ヘッドボックス1には、挿通孔8gが部屋内側と部屋外側のどちらになるようにも取付可能である。ここで、サポート部材8をヘッドボックス1に取り付ける方法について説明する。
【0027】
ヘッドボックス1は、図5に示すように、二種類の嵌合孔1f,1gを有する。嵌合孔1f,1gは、それぞれ、サポート部材8の中央突出部8qを挿入する中央孔1aと、サポート部材8の挿通孔延長部8pを挿入する昇降コード垂下孔1bと、ピッチ保持コード39を取り付けるためのピッチ保持コード取付孔1eとを備える。嵌合孔1fには、挿通孔8gが部屋内側になるようにサポート部材8を嵌合させ、嵌合孔1gには、挿通孔8gが部屋外側になるようにサポート部材8を嵌合させる。嵌合孔1f,1gには、同一形状のサポート部材8を嵌合させることができる。
【0028】
嵌合孔1f,1gにサポート部材8を嵌合させた状態を図6に示す。サポート部材8の中央突出部8qを、ヘッドボックス1の上側から中央孔1a内に押し込むと、中央突出部8qの先端の係合突部8rがヘッドボックス1の底面1hを乗り越え、係合突部8rが底面1hによって係止されてサポート部材8がヘッドボックス1に固定される。
【0029】
また、図6には、ヘッドボックス1の前側係合溝1cと後側係合溝1dにボックスカバー47の前縁及び後縁が係合されている状態を示す。この状態において、ボックスカバー47の下面がサポート部材8の上面に当接している。このため、サポート部材8の上側挿通領域8tがサポート部材8及びボックスカバー47によって全周が囲まれる空間となり、上側挿通領域8tに挿通された昇降コードが外れることが防止される。なお、サポート部材8とボックスカバー47の間の隙間が、上側挿通領域8tに挿通される昇降コードの直径よりも小さければ昇降コードが外れることを防ぐことができるので、サポート部材8とボックスカバー47は必ずしも当接している必要はない。
【0030】
次に、サポート部材8を用いることによって、摩擦によって生じる問題が緩和される作用について説明する。なお、ここで提示する問題は、本実施形態のように昇降コードの一部を部屋内側に垂下させ、昇降コードの残りを部屋外側に挿通させるという構成の日射遮蔽装置において初めて認識されたものであり、従来は、このような問題の存在自体が全く認識されていなかった。
【0031】
1つ目のポイントは、昇降コード挿通領域8oが上下分割壁8bによって下側挿通領域8sと上側挿通領域8tとに分割されることである。これによって、図6(a)に示すように、昇降コード挿通領域8oに昇降コード6rと昇降コード7lが挿通される場合に、これらの昇降コードを下側挿通領域8sと上側挿通領域8tに分けて挿通させることによって昇降コード6r,7l間の摩擦を防ぐことができる。図3(a)及び(c)に示すように、昇降コード6rは、ヘッドボックス1の左から右に向かって部屋内側から部屋外側に方向に傾いており、昇降コード7lは、ヘッドボックス1の右から左に向かって部屋内側から部屋外側に方向に傾いているので、両者は、必然的に交差する。昇降コード挿通領域8oを前後方向に分割する隔壁を設けても昇降コード6r,7l間の摩擦を防ぐことができないが、上下分割壁8bによれば、昇降コード6r,7lを確実に分離することができる。
【0032】
2つ目のポイントは、図3に示すように、サポート部材8の直立壁8aに金属板8cを設けることである。図3(b)及び(d)に示すように、昇降コード6l,7rは、サポート部材8への入射角が大きいために昇降コード6l,7rがサポート部材8の直立壁8aに当接してしまう。この状態で中間レール3及びボトムレール5の昇降が繰り返されると昇降コード6l,7rと直立壁8aとの摩擦によって直立壁8aが摩耗してしまう。しかし、本実施形態のサポート部材8では、直立壁8aを金属板8cで被覆しているので、直立壁8aの摩耗を防ぐことができる。なお、縦滑車61bに最も近いサポート部材8において摩耗の問題が生じやすいので、金属板8cは、縦滑車61bに最も近いサポート部材8にのみ設ければよく、中央のサポート部材8にはこのような金属板8cを設ける必要はない(なお、部材共通化のために設けてもよい)。
【0033】
3つ目のポイントは、ガイド部材支持領域8nをサポート部材8の前後方向の片側にのみ配置して、残りの領域を昇降コード挿通領域8oとしたことである。サポート部材8の共通化のためには、サポート部材8の前後方向の両側にガイド部材支持領域8nを設け、部屋内側に昇降コードを垂下させる場合には部屋内側のガイド部材支持領域8nに滑車8i及び滑車軸8jを取り付け、部屋外側に昇降コードを垂下させる場合には部屋外側のガイド部材支持領域8nに滑車8i及び滑車軸8jを取り付けるという発想が自然である。しかし、本実施形態では、このような自然の発想ではなく、サポート部材8の片側にのみガイド部材支持領域8nを設け、サポート部材8を前後反転させてヘッドボックス1に装着することによってサポート部材8の共通化を可能とし、このような構成を採用することにより、昇降コード挿通領域8oが前後方向に広く確保されている。図3(c)に示すように、昇降コード6r,7lは、第2壁8fにほぼ接するように延びているので、昇降コード挿通領域8oが前後方向に狭まると昇降コード6r,7lと第2壁8fとの摩擦が増大する。従って、本実施形態の構成を採用することにより、昇降コードとサポート部材8の間の摩擦が低減される。
【0034】
2.第2実施形態(シングルタイプのプリーツスクリーン)
図7図9を用いて、本実施形態の第2実施形態のシングルタイプのプリーツスクリーンについて説明する。このプリーツスクリーンの基本構成は、第1実施形態と同じであるが、中間レール3がないために、中間レール3を昇降させるための昇降コード6やその昇降手段が省かれている。また、サポート部材8は、第1実施形態と同じものが使用することができる。図8に示すように、両端のサポート部材8と中央のサポート部材8では、サポート部材8の本体は同じであるが、滑車8iを取り付ける位置が異なっている。このように、滑車8iの取付位置を変え、且つサポート部材8を前後方向に反転させてヘッドボックス1に装着することによって、共通のサポート部材8を用いて、昇降コード7の垂下位置を部屋内側と部屋外側に振り分けることが可能になっている。また、操作コードをヘッドボックス1の左端に設ける場合にも、滑車8iの取付位置を変えることによって対応可能である。
【0035】
本実施形態では、上下分割壁8bは、昇降コード同士の摩擦を防ぐという機能を有していないが、上下分割壁8bによって下側挿通領域8sが形成され、下側挿通領域8sに昇降コード7を挿通することによって、昇降コード7がサポート部材8から外れることを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0036】
1:ヘッドボックス
2:上部スクリーン
3:中間レール
4:下部スクリーン
5:ボトムレール
6,7:昇降コード
8:サポート部材
39:ピッチ保持コード
47:ボックスカバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9