特許第6235326号(P6235326)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6235326
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】エレベータシステム
(51)【国際特許分類】
   B66B 1/14 20060101AFI20171113BHJP
   B66B 3/00 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
   B66B1/14 L
   B66B3/00 M
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-256966(P2013-256966)
(22)【出願日】2013年12月12日
(65)【公開番号】特開2015-113205(P2015-113205A)
(43)【公開日】2015年6月22日
【審査請求日】2016年8月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】伊村 優一
(72)【発明者】
【氏名】菊池 康男
(72)【発明者】
【氏名】中村 賢
【審査官】 井上 信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−162463(JP,A)
【文献】 特開2013−56733(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/00 − 1/52
B66B 3/00 − 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗場に設置されるセンサを用いて乗客を検知する乗客検知装置を備え、前記乗客検知装置の検知結果に応じて乗場呼びを登録するエレベータシステムにおいて、
前記乗客検知装置が前記乗場における所定区域への乗客の進入を検知したら、前記乗客の所定の動きについて案内する案内装置が設けられ、
前記乗客検知装置が、前記乗場における前記所定区域において、前記案内装置の案内に従って前記乗客が前記所定の動きを行ったことを検知した場合に、前記乗場呼びを登録することを特徴とするエレベータシステム。
【請求項2】
請求項1において、前記乗客の前記所定の動きは、前記乗客が前記所定区域内に進入後の動きであることを特徴とするエレベータシステム。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、前記乗客の前記所定の動きが、後方への動きであることを特徴とするエレベータシステム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項において、前記乗客検知装置が、前記乗客の前記所定の動きを検知した場合は、上方向および下方向の内の一方の乗場呼びを登録し、前記乗客の前記所定の動きが検知されない場合は、他方の乗場呼びを登録することを特徴とするエレベータシステム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項において、前記乗場の床面に前記所定区域を示す表示が施されていることを特徴とするエレベータシステム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項において、
前記センサはカメラであり、前記乗客検知装置は、前記カメラによって取得された画像に基づいて前記乗客の前記所定の動きを検知することを特徴とするエレベータシステム。
【請求項7】
請求項1乃至のいずれか一項において、
前記センサは、前記乗場の床部に設けられ、乗客による荷重を検出する荷重センサであり、前記乗客検知装置は、前記乗客による荷重に基づいて前記乗客の前記所定の動きを検知することを特徴とするエレベータシステム。
【請求項8】
請求項1乃至のいずれか一項において、
前記センサは光電センサであり、前記乗客検知装置は、前記光電センサによる可視光または赤外線の検出の有無によって、前記乗客の前記所定の動きを検出することを特徴とするエレベータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータ乗場に居る乗客を検知することにより乗場呼びを登録するエレベータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータの呼び登録装置では、車いす利用者や視覚障害者などが乗場呼びを登録するための専用ボタンを設置し、この専用ボタンが押された際は、ドア開時間を長くするなど、専用運転が実施される。しかし、専用ボタンの操作は必ずしも容易ではないため、利便性を向上する技術として、特許文献1に記載の技術が知られている。
【0003】
本技術においては、車いすに設けたICタグに記憶された情報を、乗場床面に表示された車いす用停車枠に設けられる情報読み取り装置によって読み取る。そして、読み取られた情報に応じて、乗場呼びが登録される。さらに、本技術においては、車いす用停車枠を上行き用と下行き用に分け、それぞれに情報読み取り装置を設けることにより、車いす利用者が選択した停車枠に応じて、上下方向のいずれかの乗場呼びが登録される。本技術により、車いす利用者は、専用ボタンを操作することなく、乗場呼びを登録できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−298507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術によれば、専用ボタンの操作は不要となるが、車いす利用者は、ICタグを情報読み取り装置に近接させるように車いすを動かして停止させる必要がある。また、車いすの停止位置によっては、情報が的確に読み取ることが難しく、車いすの位置を調整する必要がある。さらに、上下方向の呼びを選択するために、異なる位置の停車枠に車いすを停車する必要がある。従って、上記従来技術によっては、利便性を十分向上することが難しい。このような問題は、視覚障害者が使用する杖にICタグを設けて、上記従来技術を適用する場合も、同様である。
【0006】
そこで、本発明は、車いす利用者や視覚障害者などがエレベータの乗場呼びを登録する際の利便性を十分向上することができるエレベータシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明によるエレベータシステムは、乗場に設置されるセンサを用いて乗客を検知する乗客検知装置を備え、乗客検知装置の検知結果に応じて乗場呼びを登録するものであって、乗客検知装置が乗場における所定区域への乗客の進入を検知したら、乗客の所定の動きについて案内する案内装置が設けられ、乗客検知装置が、乗場における所定区域において、案内装置の案内に従って乗客が所定の動きを行ったことを検知した場合に、乗場呼びを登録する。

【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、車いす利用者や視覚障害者などが、専用ボタンを操作することなく、かつ容易に乗場呼びを登録することができる。これにより、車いす利用者や視覚障害者などがエレベータを利用する際の利便性が向上する。
【0009】
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態であるエレベータシステムの全体構成を示す概略図である。
図2】カメラが設けられる階床におけるエレベータ乗場の平面図である。
図3】エレベータ制御装置の動作フローを示す。
図4図1の実施形態の変形例であるエレベータシステムの乗場の平面図を示す。
図5図1の実施形態の他の変形例であるエレベータシステムの乗場の平面図を示す。
図6図5の変形例における光電センサ設置部を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明の一実施形態であるエレベータシステムの全体構成を示す概略図である。
【0012】
本実施形態においては、昇降路壁111に囲まれる昇降路内にロープ103によって吊られた乗りかご101が、A階,B階およびC階にサービスする。各階の乗場には、乗りかご101を配車するための乗場呼びを登録する乗場側呼びボタン110−A,110−B,110−Cが設けられる。乗場側呼びボタンは、上方向の呼びボタンおよび下方向呼びボタンからなり、どちらかのボタンが乗客によって押されると、乗場呼び信号がエレベータ制御装置104に送信される。エレベータ制御装置104は、乗場呼び信号を受信し乗場呼びが登録されると、押された乗場側呼びボタンの点灯装置を点灯して呼びが登録されたことを表示するとともに、図示されない駆動装置によりロープ103を駆動することにより、登録された乗場呼びに該当する階床に乗りかご101を配車する。
【0013】
本実施形態においては、乗場側呼びボタンによる呼び登録のほか、カメラ109によって取得される乗場の画像に基づいて、次のように乗客108の動きを検知することにより、乗場呼びを登録することができる。なお、本実施形態における乗客検知装置が備えるカメラ109は図中の全階床に設けられるが、簡単のためにA階に設けられているとして説明する。
【0014】
A階において、車いす利用者である乗客108が、乗場における所定区域、すなわち本実施形態では床面に乗客認識枠106が表示された区域に進入すると、エレベータ制御装置104は、カメラ109が取得する所定区域の画像に画像処理を施して、所定区域への乗客108の進入を検知する。本画像処理においては、エレベータ制御装置104が備えるメモリ105に記憶された、乗客が居ない場合の所定区域の画像と、カメラ109によって取得された画像の差分を検出することにより、乗客108を検知する。このとき、予め、車いす利用者である場合の画像特徴量を特定し、メモリ105に記憶しておき、取得された画像の特徴を、記憶された特徴量と照合することにより、車いすに乗った乗客であることを検知しても良い。乗客108が検知されると、エレベータ制御装置104は、案内装置107を制御して、乗客108に対して、所定の動きをするように案内する。例えば、本案内は、下方向の呼びを登録する場合は後方すなわちエレベータの乗場ドアから離れる方向へ下がり、上方向の呼びを登録する場合は動かずに停止していることを指示する。なお、本案内は、音声放送や画像表示によって実行される。
【0015】
案内後、エレベータ制御装置104は、カメラ109によって取得される乗客108を含む所定区域の画像に画像処理を施して、乗客108が案内に従って所定の動きを行ったか否かを判定する。本画像処理においては、案内の前後あるいは案内後における、カメラ画像の時間変化によって、乗客108の所定の動きが検知される。乗客108の所定の動きが検知されると、エレベータ制御装置104は、乗客108が居る階における下方向の乗場呼びを登録する。また、乗客108の所定の動きが検知されない場合、すなわち乗客108が停止していることが検知されると、エレベータ制御装置104は、乗客108が居る階における上方向の乗場呼びを登録する。乗場呼びが登録されると、エレベータ制御装置104は、乗場側呼びボタン110−Aが押された場合と同様に、登録された呼びの方向に対応する乗場側呼びボタンの点灯装置を点灯して、登録された乗場呼びに該当する階床に乗りかご101を配車する。
【0016】
エレベータ制御装置104は、上記のような乗客108の動きによって登録される呼びが車いす利用者による専用呼びであると判断し、配車されるかごに対して、ドア閉速度を通常よりも、すなわち乗場側呼びボタン110−Aが押されて呼びが登録される場合よりも遅くするような専用運転指令や、ドア開時間を通常よりも長くするような専用運転指令を、乗りかごに設置される通信装置102を介して、乗りかごに設けられる図示しないドア制御装置に送信する。また、エレベータ制御装置は、専用呼びが登録された旨を乗りかご内に表示するための指令を、通信装置102を介して、乗りかご101に設けられる図示しない表示制御装置に送信しても良い。
【0017】
図2は、図1において乗客検知装置が備えるカメラが設けられる階床(A階)におけるエレベータ乗場の平面図である。
【0018】
カメラ109は、乗場において、床面に表示された矩形状の乗客認識枠106を含む領域の画像を取得できる位置に設けられる。車いすを利用する乗客108が乗客認識枠106内に入ると、上述したように、エレベータ制御装置104は、カメラ109によって取得される乗客108の画像を画像処理することにより、乗客へのアナウンスおよび乗場呼びの登録を実行する。さらに、上述したように、エレベータ制御装置104は、乗りかごが乗場に到着してから出発するまでにおける乗場ドア201および図示しないかごドアのドア閉速度を通常よりも遅くしたり、ドア開時間を通常よりも長くしたりするように、ドア制御装置に指令を送信する。
【0019】
案内装置107は、乗客認識枠106内に進入した乗客108が案内を十分把握することができる位置に、すなわち音声放送ならば音声が聞こえる位置に、画像表示ならば画像が見える位置に、設置される。本実施形態において、案内装置107は、図2に示すように、昇降路壁111の乗場側の面に設けられている。
【0020】
なお、乗客認識枠106は、塗料によって床面に描いたり、床面にテープを貼ったりすることにより、表示される。また、LEDなどの発光素子を床部に設けて、表示しても良い。また、乗客認識枠106は、矩形状のものに限らず、所定区域の前後あるいは左右の範囲を示す2本の平行ライン状のものなどでも良い。
【0021】
本実施形態によれば、予め定められた動き、すなわち、停止および後方に下がる動きによって呼びが登録されるので、乗場側呼びボタンを操作することなく、呼びを登録することができる。しかも、動く位置や距離を指定することなく、単に後方という概略的な動きであるため、呼びを登録するために乗客に負担がかからない。また、一か所の乗客認識枠すなわち所定区域に進入すれば、乗客は、上下方向を選択して、乗場呼びを登録できる。従って、乗客の利便性が向上する。また、画像処理によって乗客108の動きを検知しているので、後方へ移動する動きであれば、移動する距離や方向に自由度を持たせることができるため、高精度に乗客の動きを検知して呼びを登録することができる。また、本実施形態においては、乗客認識枠106を設けることにより、乗客検知装置が乗客を検知できる所定区域に、乗客を容易に誘導できると共に、乗客を検知する範囲を限定することにより、乗客検知の確度を向上することができる。また、所定区域への乗客の進入を検知して、呼びを登録するための所定の動きをアナウンスするので、乗客に、確実に所定の動きをさせて呼びを登録することができると共に、初めて利用する乗客が戸惑うことが防止されて乗客の利便性が向上する。
【0022】
図3は、本実施形態におけるエレベータ制御装置104の動作フローを示す。
【0023】
A階の乗場側にて車いすを利用する乗客108が乗客認識枠106内に進入し、カメラ109によって取得された画像に基づいて乗客108の進入を検知すると(S301)、案内装置107から音声放送、例えば「上へ行く方はその場所でお待ちください。下へ行く方は後ろへ下がってください。」という放送によって、乗客に対して呼びを登録するための所定の動きを案内する(S302)。
【0024】
ステップS302による案内後、乗客の移動を検知したか否かを判定する(S303)。ステップS303において、一定時間、例えば3秒後間の間に乗客の移動が検知されなかった場合(N)には上呼びを登録する(S304)。また、ステップ303において乗客の動きを検知した場合(Y)には、乗客の動きが後方への動きであるか否かを判定する(S307)。ステップS307において、乗客の後方以外への移動を検知した場合(N)、エレベータ利用客ではないと判断し、呼びは登録せずに(S309)、動作を終了する(S306)。また、ステップS307において、乗客の後方への移動を検知した場合(Y)には、下呼びを登録する(S308)。
【0025】
ステップS304またはS308が実行され、上下いずれかの呼びが登録されると、対応する乗場側呼びボタン101−Aの点灯装置を点灯すると共に、呼びに応答するエレベータの到着を、案内装置107から出力する音声案内によって予報する(S305)。例えば、上呼びが登録された場合には「上へ参ります」とアナウンスし、下呼びが登録された場合には「下へ参ります」とアナウンスする。ステップS305が実行されると、動作を終了する(S306)。
【0026】
なお、上述したような乗場における呼びの登録方法について、車いす利用者が事前に説明を受けていたり、乗場に常時表示している場合には、ステップ302を省略したり、案内放送に代えてチャイムを鳴らすことにより所定区域に進入したことを乗客に報知したりしても良い。また、ステップS305においては、上方向あるいは下方向のホールランタンを点灯させたり、チャイムを鳴らしたりして、エレベータの到着を予報しても良い。チャイムを鳴らす場合、上方向の呼びと下方向の呼びとでは鳴らす回数を変えたり、チャイムの音色を変えたりして、上下方向のどちらが登録されたかを乗客に報知しても良い。また、乗場側呼びボタンの点灯だけで、乗客に報知しても良い。
【0027】
図4は、図1の実施形態の変形例であるエレベータシステムの乗場の平面図を示す。本変形例においては、乗客検知装置が、図1のカメラに代えて、荷重センサを備える。すなわち、乗客認識枠106内の床部に、複数の荷重センサ300が設けられている。
【0028】
本変形例においては、複数の荷重センサ300により、乗客から床面が受ける荷重の分布を計測する。そして、計測された荷重の分布あるいはその時間的変化により、乗客の進入,停止および後方への移動を検知して、案内放送や乗場呼びの登録が実行される。なお、乗客が荷重センサ300の表面あるいは設置個所を視認できる場合は、乗客認識枠106を表示しなくても良い。
【0029】
図4の変形例によれば、上述した実施形態と同様に、エレベータを利用する車いす利用者の利便性が向上する。また、荷重分布を計測することにより、比較的簡単なデータ処理によって乗客の動きを検知できる。
【0030】
図5は、図1の実施形態の他の変形例であるエレベータシステムの乗場の平面図を示す。図5の本変形例においては、乗客検知装置が、図1のカメラに代えて、床部に設けられる複数の光電センサ400を備える。なお、光電センサとしては、発光素子と受光素子を備える反射型の光電センサが用いられる。
【0031】
本変形例においては、光電センサ400における発光素子が発した可視光あるいは赤外線が乗客によって反射され、この時の反射光を同光電センサの受光素子によって検知する。このとき、複数の光電センサから出力される信号により、反射光の有無、あるいは反射光の有無の時間的変化によって、乗客の進入,停止および後方への移動を検知して、案内放送や乗場呼びの登録が実行される。ここで、光電センサは、本変形例のように乗客認識枠の外側に設けるか、あるいは乗客認識枠の直下に設けることにより、乗客認識枠内に位置する乗客に対し確実に、可視光又は赤外線を照射して反射光を検出することができる。
【0032】
図6は、図5の変形例における光電センサ設置部を示す。光電センサ400は、床表面500下に埋設される。光電センサ上には、可視光又は赤外線を透過する板材からなるふた401を設け、床面500との段差をなくすと共に、塵埃などから光電センサ400を保護する。また、光電センサ400は、その光軸が乗客の方へ向くように、支持部材402によって支持される。
【0033】
図4の変形例によれば、上述した実施形態と同様に、エレベータを利用する車いす利用者の利便性が向上する。また、光電センサを用いることにより、比較的簡単なデータ処理によって乗客の動きを検知できると共に、乗客検知装置を小型化でき、設置場所の自由度が向上する。
【0034】
なお、本発明は前述した実施形態および変形例に限定されるものではなく、他の様々な変形例が含まれる。例えば、前述した実施形態および変形例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、前述した実施形態または変形例の構成の一部を他の実施形態または変形例の構成に置き換えることが可能であり、さらに、前述した実施形態または変形例の構成に他の実施形態または変形例の構成を加えることも可能である。さらにまた、前述した実施形態または変形例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置き換えをすることが可能である。
【0035】
例えば、上記実施形態およびその変形例は、視覚障害者がエレベータを利用する場合にも、同様に利便性を向上できる。
【0036】
また、乗客を検知するためのセンサとしては、上記のものに限らず、距離画像センサや人感センサなどを適用できる。また、乗場におけるセンサの設置位置も、乗場の広さや形態、専用運転できるエレベータの台数などに応じて、適宜、設定できる。
【0037】
なお、呼び登録のための特定の動きは、後方への動きだけでなく、前方への動きなどでも良い。なお、本発明者の検討によれば、後方への動きは、乗場に居ながらもエレベータの利用を意図していないビル利用者あるいは専用運転が設定されない他のエレベータを利用しようとしている乗客の動きとの区別が容易である。
【0038】
また、図3のフローにおいて、乗客の動きが、停止すなわち検知されない場合に、下呼びを登録し、後方への動きである場合に上呼びを登録しても良い。
【符号の説明】
【0039】
101…乗りかご
102…通信装置
103…ロープ
104…エレベータ制御装置
105…メモリ
106…乗客認識枠
107…案内装置
108…乗客
109…カメラ
110−A,100−B,100−C…乗場側呼びボタン
111…昇降路壁
201…乗場ドア
300…荷重センサ
400…光電センサ
401…ふた
402…支持部材
500…床面
図1
図2
図3
図4
図5
図6