特許第6235423号(P6235423)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6235423
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/04 20140101AFI20171113BHJP
   H01L 25/18 20060101ALI20171113BHJP
   G06F 12/00 20060101ALI20171113BHJP
   G06F 12/16 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
   H01L25/04 Z
   G06F12/00 550K
   G06F12/16 330A
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-134515(P2014-134515)
(22)【出願日】2014年6月30日
(65)【公開番号】特開2016-12693(P2016-12693A)
(43)【公開日】2016年1月21日
【審査請求日】2016年8月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】317006041
【氏名又は名称】東芝メモリ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 学
(72)【発明者】
【氏名】小澤 勲
【審査官】 秋山 直人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−213212(JP,A)
【文献】 特開平08−236693(JP,A)
【文献】 特開平06−169058(JP,A)
【文献】 特開2001−217383(JP,A)
【文献】 特開2004−158098(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/04
G06F 12/00
G06F 12/16
H01L 25/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と、該第1面とは反対側に位置した第2面とを有した基板と、
前記基板に設けられ、ホスト装置との間で信号が流れるインターフェース部と、
前記基板の第1面に設けられ、前記インターフェース部に電気的に接続された複数の第1パッドと、
前記基板の第1面に設けられ、前記インターフェース部とは電気的に絶縁された複数の第2パッドと、
半導体メモリと、該半導体メモリを制御するコントローラと、前記半導体メモリ及び前記コントローラを一体に封止した封止部と、前記コントローラに電気的に接続されて前記第1パッドに載せられた複数の第1半田ボールと、前記コントローラに電気的に接続されて前記第2パッドに載せられた複数の第2半田ボールとを有した半導体パッケージと、
前記基板の第2面に設けられ、前記複数の第2パッドに其々電気的に接続された複数の第3パッドと、
前記複数の第3パッドを一体に覆うシートと、
を備えた半導体装置。
【請求項2】
請求項1の記載において、
前記基板は、片面実装基板であり、前記第2面は、非部品実装面である半導体装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2の記載において、
前記コントローラは、前記複数の第3パッドの少なくとも一つから入力されるテストコマンドに基づいて動作可能である半導体装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかの記載において、
前記複数の第3パッドは、前記基板において前記半導体パッケージに覆われる領域の裏側に位置した半導体装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかの記載において、
前記第3パッドの数は、前記第1パッドの数よりも多い半導体装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかの記載において、
前記複数の第3パッドの配置は、前記複数の第2パッドの配置に対応した半導体装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれかの記載において、
前記コントローラは、前記インターフェース部に接続されるホストインターフェース部と、前記半導体メモリに接続されるメモリインターフェース部とを有し、
前記複数の第3パッドの少なくとも一つは、前記ホストインターフェース部を介さずに前記コントローラの内部で前記メモリインターフェース部に電気的に接続可能である半導体装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項6のいずれかの記載において、
前記コントローラは、CPUと、前記半導体メモリに電気的に接続されるメモリインターフェース部とを有し、
前記複数の第3パッドの少なくとも一つは、前記CPUを介さずに前記コントローラの内部で前記メモリインターフェース部に電気的に接続可能である半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コントローラと半導体メモリとを有したメモリカードが提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−222228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体装置は、製品の性能確認の容易化が要望されている。
【0005】
本発明の目的は、製品の性能確認の容易化を図ることができる半導体装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、半導体装置は、第1面と、該第1面とは反対側に位置した第2面とを有した基板と、前記基板に設けられ、ホスト装置との間で信号が流れるインターフェース部と、前記基板の第1面に設けられ、前記インターフェース部に電気的に接続された複数の第1パッドと、前記基板の第1面に設けられ、前記インターフェース部とは電気的に絶縁された複数の第2パッドと、半導体パッケージと、前記基板の第2面に設けられ、前記複数の第2パッドに其々電気的に接続された複数の第3パッドと、前記複数の第3パッドを一体に覆うシートとを備える。前記半導体パッケージは、半導体メモリと、該半導体メモリを制御するコントローラと、前記半導体メモリ及び前記コントローラを一体に封止した封止部と、前記コントローラに電気的に接続されて前記第1パッドに載せられた複数の第1半田ボールと、前記コントローラに電気的に接続されて前記第2パッドに載せられた複数の第2半田ボールとを有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態に係る半導体装置を例示した斜視図。
図2図1中に示された半導体装置を例示した図。
図3図2中に示された半導体パッケージのシステム構成を例示したブロック図。
図4図1中に示された半導体装置を例示した断面図。
図5図4中に示されたコントローラのシステム構成を例示したブロック図。
図6図1中に示された半導体装置の電気的接続間係を模式的に示した断面図。
図7図1中に示された半導体装置のテスト動作の一例を示したフローチャート。
図8図1中に示された半導体装置のテスト装置を模式的に例示した断面図。
図9図1中に示された半導体装置の第3パッドの周囲を例示した断面図。
図10図1中に示された半導体装置の裏面を例示した斜視図。
図11図1中に示された半導体装置の変形例の第3パッドの周囲を例示した断面図。
図12】第2実施形態に係る半導体装置を例示した図。
図13】第3実施形態に係る半導体装置の裏面を例示した斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
本明細書では、いくつかの要素に複数の表現の例を付している。なおこれら表現の例はあくまで例示であり、上記要素が他の表現で表現されることを否定するものではない。また、複数の表現が付されていない要素についても、別の表現で表現されてもよい。
【0009】
また、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係や各層の厚みの比率などは現実のものと異なることがある。また、図面相互間において互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれることもある。
【0010】
(第1実施形態)
図1乃至図11は、第1実施形態に係る半導体装置1を示す。半導体装置1は、「半導体モジュール」及び「半導体記憶装置」の其々一例である。本実施形態に係る半導体装置1は、例えばSSD(Solid State Drive)であるが、これに限られるものではない。
【0011】
本実施形態に係る半導体装置1は、例えば比較的小型のモジュールであり、その外形寸法の一例は、22mm×30mmである。なお半導体装置1の大きさはこれに限られるものではなく、本実施形態の構成は種々の大きさのものに適宜適用可能である。
【0012】
図1に示すように、半導体装置1は、例えばサーバーのようなホスト装置2に装着されて使用可能である。ホスト装置2は、例えば上方に開口した複数のコネクタ3(例えばスロット)を有する。複数の半導体装置1は、ホスト装置2のコネクタ3に其々装着され、略鉛直方向に起立した姿勢で互いに並べて支持される。このような構成によれば、複数の半導体装置1をコンパクトに纏めて実装可能であり、ホスト装置2の小型化を図ることができる。なお半導体装置1は、例えばノートブック型ポータブルコンピュータやタブレット端末のような電子機器のストレージデバイスとして使用されるものでもよい。
【0013】
図2は、半導体装置1の具体的な一例を示す。図2において、(a)は平面図、(b)は下面図、(c)は側面図である。図2に示すように、半導体装置1は、基板11、半導体パッケージ12、及び複数の電子部品13を備える。
【0014】
基板11は、例えば略矩形状の回路基板であり、半導体装置1の外形寸法を規定する。基板11は、第1面11aと、該第1面11aとは反対側に位置した第2面11bとを有する。第1面11aは、半導体パッケージ12及び電子部品13が実装される部品実装面である。本実施形態に係る基板11は、例えば片面実装基板であり、半導体パッケージ12及び電子部品13を含む略全ての部品が第1面11aに纏めて実装される。一方で、第2面11bは、部品が実装されない非部品実装面である。これにより、半導体装置1の薄型化を図ることができる。
【0015】
基板11は、第1端部11cと、該第1端部11cとは反対側に位置した第2端部11dとを有する。第1端部11cは、インターフェース部15(基板インターフェース部、端子部、接続部)を有する。インターフェース部15は、例えば複数の接続端子15a(金属端子)を有する。インターフェース部15は、ホスト装置2のコネクタ3に差し込まれ、コネクタ3に電気的に接続される。インターフェース部15は、該インターフェース部15とホスト装置2との間で信号(制御信号及びデータ信号)をやり取りする。
【0016】
本実施形態に係るインターフェース部15は、例えばPCI Express(以下、PCIe)の規格に則したインターフェースである。すなわち、インターフェース部15とホスト装置2との間には、PCIeの規格に則した高速信号(高速差動信号)が流れる。なお、インターフェース部15は、例えば他の規格に則したものでもよい。半導体装置1は、インターフェース部15を介してホスト装置2から電源の供給を受ける。
【0017】
図2に示すように、基板11の第1面11aは、例えば、第1部品実装領域21と、一対の第2部品実装領域22a,22bとを有する。第1部品実装領域21は、半導体パッケージ12とインターフェース部15との間に位置する。第2部品実装領域22a,22bは、半導体パッケージ12と基板11の第2端部11dとの間に位置する。
【0018】
基板11に実装される電子部品13は、電源部品24(電源IC)、温度センサ25、コンデンサ、及び抵抗などを含む。電源部品24は、例えば第1部品実装領域21に実装される。電源部品24は、例えばDC−DCコンバータであり、ホスト装置2から供給される電源から半導体パッケージ12などに必要な所定電圧を生成する。温度センサ25は、例えば第2部品実装領域22aに実装される。なお、これらの部品配置は、上記例に限られるものではなく、種々変形して実施可能である。
【0019】
次に、基板11に搭載される半導体パッケージ12について詳しく説明する。
本実施形態に係る半導体パッケージ12は、SiP(System in Package)タイプのモジュールであり、複数の半導体チップが1つのパッケージ内に封止されている。さらに言えば、半導体パッケージ12は、いわゆるBGA−SSD(Ball Grid Array - Solid State Drive)であり、複数の半導体メモリとコントローラとが一つのBGAタイプのパッケージとして一体に構成されている。
【0020】
図3は、半導体パッケージ12のシステム構成の一例を示す。半導体パッケージ12は、コントローラ31、複数の半導体メモリ32、DRAM33(Dynamic Random Access Memory)、オシレータ34(OSC)、EEPROM35(Electrically Erasable and Programmable ROM)、及び温度センサ36を有する。
【0021】
コントローラ31は、複数の半導体メモリ32の動作を制御する。すなわち、コントローラ31は、複数の半導体メモリ32に対するデータの書き込み、読み出し、及び消去を制御する。複数の半導体メモリ32は、其々、例えばNANDメモリ(NAND型フラッシュメモリ)である。NANDメモリは、不揮発性メモリの一例である。DRAM33は、揮発性メモリの一例であり、半導体メモリ32の管理情報の保管やデータのキャッシュなどに用いられる。
【0022】
オシレータ34は、所定周波数の動作信号をコントローラ31に供給する。EEPROM35は、制御プログラム等を固定情報として格納している。温度センサ36は、半導体パッケージ12内の温度を検出し、コントローラ31に通知する。
【0023】
図4は、半導体パッケージ12の断面を示す。半導体パッケージ12は、基板41(パッケージ基板)、コントローラ31、複数の半導体メモリ32、ボンディングワイヤ42,43、封止部44、マウントフィルム45、及び複数の半田ボール46を有する。
【0024】
基板41は、例えば多層の配線基板であり、電源層47a及びグランド層47bを有する。基板41は、第1面41aと、該第1面41aとは反対側に位置した第2面41bとを有する。コントローラ31は、基板41の第1面41aに載せられ、例えばマウントフィルム45によって基板41に固定されている。コントローラ31は、ボンディングワイヤ42によって基板41に電気的に接続されている。
【0025】
複数の半導体メモリ32は、基板41の第1面41aに積層されている。複数の半導体メモリ32は、マウントフィルム45によって基板41に固定されるとともに、ボンディングワイヤ43によって基板41に電気的に接続されている。半導体メモリ32は、基板41を介して、コントローラ31に電気的に接続されている。
【0026】
基板41の第1面41a上には、封止部44(モールド材)が設けられている。封止部44は、コントローラ31、複数の半導体メモリ32、ボンディングワイヤ42,43、DRAM33、オシレータ34、EEPROM35、及び温度センサ36を纏めて封止する(一体に覆う)。
【0027】
図4に示すように、基板41の第2面41bには、複数の半田ボール46が設けられている。複数の半田ボール46は、例えば基板41の第2面41bに格子状に配置されている。なお、複数の半田ボール46は、基板41の第2面41bの全体にフルで配置される必要はなく、部分的に配置されてもよい。
【0028】
図5は、コントローラ31のシステム構成の一例を示す。図5に示すように、コントローラ31は、バッファ51、CPU52(Central Processing Unit)、ホストインターフェース部53、及びメモリインターフェース部54を有する。
【0029】
バッファ51は、ホスト装置2から送られてくるデータを半導体メモリ32に書き込む際に、一定量のデータを一時的に記憶したり、半導体メモリ32から読み出されるデータをホスト装置2へ送り出す際に、一定量のデータを一時的に記憶したりする。
【0030】
CPU52は、半導体パッケージ12及び半導体装置1の全体の制御を司る。CPU52は、例えばホスト装置2から書込コマンド、読出コマンド、消去コマンドを受けて半導体メモリ32の該当領域に対するアクセスを実行したり、バッファ51を通じたデータ転送処理を制御したりする。
【0031】
ホストインターフェース部53は、基板11のインターフェース部15と、CPU52及びバッファ51との間に位置する。ホストインターフェース部53は、コントローラ31とホスト装置2との間のインターフェース処理を行う。ホストインターフェース部53とホスト装置2との間には例えばPCIe高速信号が流れる。
【0032】
メモリインターフェース部54は、半導体メモリ32と、CPU52及びバッファ51との間に位置する。ホストインターフェース部53は、コントローラ31と半導体メモリ32との間のインターフェース処理を行う。
【0033】
ここで、半導体パッケージ12の複数の半田ボール46は、複数の第1半田ボール61と、複数の第2半田ボール62とを含む。複数の第1半田ボール61は、ホストインターフェース部53を介して、コントローラ31の内部に電気的に接続されている。いくつかの第1半田ボール61には、ホスト装置2からPCIe高速信号による制御信号やデータ信号が流れる。また別のいくつかの第1半田ボール61には、電源電流が供給される。
【0034】
例えば信号が流れる第1半田ボール61は、基板41の第2面41bにおいて、半導体パッケージ12の中心よりも基板11のインターフェース部15の近くに寄せて配置される。これにより、第1半田ボール61と基板11のインターフェース部15との間の配線長を短くすることができ、半導体パッケージ12の高速動作性を向上させることができる。
【0035】
一方で、複数の第2半田ボール62は、ホストインターフェース部53には接続されていない。複数の第2半田ボール62は、ホストインターフェース部53を介さずに、コントローラ31の内部に電気的に接続されている。第2半田ボール62は、半導体パッケージ12のテスト用の入力端子である。
【0036】
詳しく述べると、第2半田ボール62の少なくとも一つは、ホストインターフェース部53を介さずにコントローラ31の内部でメモリインターフェース部54に電気的に接続可能である。すなわち、第2半田ボール62の少なくとも一つは、例えば半導体パッケージ12のテスト動作時に、例えばコントローラ31の内部の電気的接続が切り替えられることで、ホストインターフェース部53を介さずにメモリインターフェース部54に電気的に接続される。
【0037】
また別の観点では、第2半田ボール62の少なくとも一つは、CPU52及びバッファ51を介さずにコントローラ31の内部でメモリインターフェース部54に電気的に接続可能である。すなわち、第2半田ボール62の少なくとも一つは、例えば半導体パッケージ12のテスト動作時に、例えばコントローラ31の内部の電気的接続が切り替えられることで、CPU52及びバッファ51を介さずにメモリインターフェース部54に電気的に接続される。
【0038】
図4に示すように、基板11の第1面11aは、半導体パッケージ12の半田ボール46が載せられる複数のパッド70を有する。複数のパッド70は、複数の第1パッド71と、複数の第2パッド72とを含む。第1パッド71は、基板11のインターフェース部15に電気的に接続されている。第1パッド71は、半導体パッケージ12の第1半田ボール61が載せられる。第2パッド72は、基板11のインターフェース部15とは電気的に絶縁されている。第2パッド72は、半導体パッケージ12の第2半田ボール62が載せられる。
【0039】
図2及び図4に示すように、基板11の第2面11bは、複数の第3パッド73を有する。複数の第3パッド73は、複数の第2パッドの配置に対応して配置されている。すなわち、複数の第3パッド73の大きさ及び配置は、例えば複数の第2パッド72の大きさ及び配置と略同じである。換言すれば、第3パッド73は、第2パッド72の直下に位置する。複数の第3パッド73は、基板11において、半導体パッケージ12に覆われる領域の裏側に位置する。
【0040】
図6は、基板11及び半導体パッケージ12の電気的接続間係を模式的に示す。基板11は、複数の第2パッド72と複数の第3パッド73とを1対1で電気的に接続する接続部74を有する。接続部74は、例えばスルーホールまたはビアである。これにより、複数の第3パッド73は、複数の第2パッド72に其々電気的に接続されている。すなわち、複数の第3パッド73の各々は、接続部74、第2パッド72、及び第2半田ボール62を介して、コントローラ31に電気的に接続されている。
【0041】
第3パッド73は、「テストパッド」の一例である。すなわち、半導体装置1のテストを行う場合、第3パッド73を介してコントローラ31にテストコマンド(テスト信号)を入力する。例えば、第3パッド73を介してコントローラ31にテストコマンドを入力し、その応答を第3パッド73から取得することで、半導体メモリ32の書き込みや読み出しが正常に行われるかどうかを判定する。
【0042】
詳しく述べると、コントローラ31及び半導体メモリ32は、例えば其々単体で、第3パッド73の少なくとも一つから入力されるテストコマンドに基づいて動作可能である。半導体装置1は、第3パッド73に種々のテストコマンドを入力することで、コントローラ31が正常に動作するか、半導体メモリ32が正常に動作するか、半導体パッケージ12の電源が正常に機能するか、半導体パッケージ12が全体として正常に機能するか、などの機能チェックや信頼性チェックを行うことができる。
【0043】
本実施形態では、第3パッド73の数は、第1パッド71の数よりも多い。第3パッド73は、例えば20個以上設けられている。これにより、コントローラ31に多くの種類のテストコマンドが入力可能であり、きめ細かなテストを実施することができる。
【0044】
本実施形態では、半導体装置1のテストモードは、例えば第1モードと、第2モードとを含む。第1モードは、コントローラ31の単体テストが可能な状態である。一方で、第2モードは、例えばコントローラ31内部の電気的接続が切り替えられ、第3パッド73の少なくとも一つがCPU52及びバッファ51を介さずにメモリインターフェース部54に電気的に接続された状態である。すなわち、第2モードは、第3パッド73の少なくとも一つから半導体メモリ32に直接アクセス可能なアクセス経路が設定された状態であり、半導体メモリ32の単体テストが可能な状態である。
【0045】
図7は、半導体装置1のテスト動作の流れの一例を示す。
まず、ステップST1において、コントローラ31では、半導体メモリ32の単体テストを実行するか否かが判定される。半導体メモリ32の単体テストを実行する場合(ステップST1:YES)、ステップST2に進む。半導体メモリ32の単体テストを実行しない場合(ステップST1:NO)、ステップST5に進む。
【0046】
ステップST1において、コントローラ31は、該コントローラ31の動作モードを上記第2モードに設定する。コントローラ31の動作モードが第2モードに設定されると、ステップST3に進む。ステップST3において、半導体メモリ32の単体テストが実行される。半導体メモリ32の単体テストでは、例えば第3パッド73から書き込みデータを入力し、同じまたは別の第3パッド73から読み出しデータを取得し、書き込みデータと読み出しデータの整合性を確認することで半導体メモリ32に不具合箇所が含まれるかどうかを判定する。
【0047】
この結果、半導体メモリ32において、誤ったデータが保持されるビット(フェイルビット)や、書き込みも読み出しもできないビット(バッドブロック)等の不具合が判定される。
【0048】
半導体メモリ32の単体テストが終わると、ステップST4に進む。ステップST4において、コントローラ31は、該コントローラ31の動作モードを上記第1モードに戻す。コントローラ31の動作モードが第1モードに戻されると、ステップST5に進む。ステップST5において、コントローラ31の単体テストを実行するか否かが判定される。コントローラ31の単体テストを実行する場合(ステップST5:YES)、ステップST6に進む。コントローラ31の単体テストを実行しない場合(ステップST5:NO)、ステップST7に進む。
【0049】
ステップST6において、半導体装置1は、コントローラ31の単体テストを実行する。その一例では、第3パッド73からコントローラ31に任意のコマンドを入力し、コントローラ31が正常に応答するか、などのテストが実行される。コントローラ31の単体テストが終わると、ステップST7に進む。
【0050】
ステップST7において、コントローラ31では、半導体メモリ32の単体テストを実行するか否かが判定される。半導体メモリ32の単体テストを実行する場合(ステップST7:YES)、ステップST2に戻る。半導体メモリ32の単体テストを実行しない場合(ステップST7:NO)、テスト動作を終了する。なお、半導体装置1のテストは、上記に限られるものではなく、半導体パッケージ12の全体としてのテストやその他のテストを行ってもよい。
【0051】
なお図8は、半導体装置1のテストに用いられるテスト装置81の一例を示す。テスト装置81は、テスタ82、ステージ83、及び複数のテストピン84(プローブ)を有する。テスタ82は、ステージ83に接続されている。複数のテストピン84は、ステージ83上に立設され、ステージ83を介してテスタ82に接続されている。複数のテストピン84は、第3パッド73に対応して配置されている。
【0052】
半導体装置1のテストを行う場合、テストピン84を第3パッド73に接触させる。そして、テストコマンドをテスタ82から第3パッド73を介してコントローラ31に入力し、コントローラ31からの応答をテスタ82にて判定する。半導体装置1は、例えばテスタ82を交換することで複数種類のテストを行うことができる。半導体装置1は、例えばコントローラ31のテストと半導体メモリ32のテストとを分けて行うこともできる。
【0053】
図9は、基板11の一例を示す。図9に示すように、第3パッド73は、基板11の第2面11bに設けられたソルダーレジスト91の開口部91aから露出していてもよい。ソルダーレジスト91は、「絶縁層」及び「絶縁部」の其々一例である。
【0054】
図10は、基板11の第2面11bを示す。図10に示すように、基板11の第2面11bには、複数の第3パッド73を一体に覆うラベル92が取り付けられてもよい。ラベル92は、「シート」、「絶縁シート」、及び「絶縁部」の其々一例である。ラベル92は、例えばソルダーレジスト91よりも熱伝導性が良い材料で形成される。ラベル92は、例えばカーボングラファイト製である。
【0055】
第3パッド73は、例えば熱伝導性に優れた接続部74でコントローラ31の半田ボール46に接続されるため、コントローラ31から熱の一部が移動してきやすい。そのため、例えばソルダーレジスト91に比べて熱伝導性が良いラベル92が設けられると、半導体装置1の放熱性を高めることができる。
【0056】
図11は、基板11の変形例を示す。図11に示すように、第3パッド73は、基板11の第2面11bに設けられたソルダーレジスト91によって覆われているとともに、使用時に第3パッド73を露出させるようにソルダーレジスト91が取り除かれてもよい。また、第3パッド73は、例えばテストが終わった後にソルダーレジスト91によって覆われてもよい。
【0057】
なお以上の構成において、説明の便宜上、第2パッド72を「第1パッド」と称し、第3パッド73を「第2パッド」と称してもよい。
【0058】
このような構成の半導体装置1よれば、該半導体装置1の性能確認及び半導体装置1に含まれる各部品の性能確認の容易化を図ることができる。すなわち、本実施形態に係る半導体装置1は、基板11と、半導体パッケージ12と、パッド72,73とを備える。基板11は、第1面11aと、該第1面11aとは反対側に位置した第2面11bとを有する。パッド72は、基板11の第1面11aに設けられている。半導体パッケージ12は、コントローラ31と、パッド72に載せられてコントローラ31に電気的に接続された半田ボール62とを有する。パッド73は、基板11の第2面11bに設けられ、パッド72に電気的に接続されている。
【0059】
このような構成によれば、基板11の第2面11bに設けられたパッド73を利用して、コントローラ31の動作確認や、半導体パッケージ12の動作確認を行うことができる。これにより、半導体装置1の信頼性の向上を図ることができる。
【0060】
本実施形態では、半導体装置1は、基板11に設けられ、ホスト装置2との間で信号が流れるインターフェース部15を有する。パッド72,73は、インターフェース部15とは電気的に絶縁されている。このような構成によれば、インターフェース部15を介さずにコントローラ31に直接にアクセス可能であるため、コントローラ31のテストを容易に行うことができる。
【0061】
本実施形態では、コントローラ31は、パッド73から入力されるテストコマンドに基づいて動作可能である。このような構成によれば、種々のテストコマンドをパッド73に入力することで、半導体装置1のきめ細かなテスト動作を容易に行うことができる。これにより、半導体装置1のテストの容易化と信頼性の向上を図ることができる。
【0062】
本実施形態では、パッド73は、基板11において半導体パッケージ12に覆われる領域の裏側に位置する。このような構成によれば、パッド73と半導体パッケージ12の半田ボール62との位置関係を単純化することができる。これは、半導体装置1のテストの容易化に貢献するとともに、テスト装置81のテストピン84の配置なども容易になる。
【0063】
本実施形態では、パッド73を覆う絶縁部(ラベル92またはソルダーレジスト91)をさらに備える。このような構成によれば、通常使用時にパッド73から誤って信号が入力されてしまうことに基づく誤動作を防止することができる。
【0064】
近年、半導体装置1のさらなる小型薄厚化、高密度実装が求められおり、例えば22mm×30mmサイズの外形寸法で、且つ、片面実装が求められている。
【0065】
ここで、比較のため、コントローラと半導体メモリとが別々に基板に実装された半導体装置について考える。このような半導体装置では、基板のサイズがある程度小さくなると、コントローラ及び半導体メモリを個別のパッケージで配置することは難しく、また仮に配置できたとしても、製品性能をテストするためのテストパッドを設けることが難しい。
【0066】
そこで本実施形態では、半導体パッケージ12は、半導体メモリ32及びコントローラ31が封止部44によって纏めて封止されたいわゆるSiP部品である。このような構成によれば、基板11のサイズがある程度小さくなっても、コントローラ31及び半導体メモリ32を高密度に配置することができる。
【0067】
また本実施形態では、基板11は、片面実装基板であり、第2面11bは、非部品実装面である。すなわち本実施形態では、片面実装基板の非部品実装面を利用してテスト用のパッド73が配置されている。このような構成によれば、比較的大きなエリアを利用してパッド73を配置することができるので、十分に多い数のパッド73を配置することができる。これにより、半導体装置1のよりきめ細かなテストを行うことができる。また、比較的大きなエリアを利用することで複数のパッド73を余裕がある間隔で配置することができるので、テスト装置81のテストピン84の配置や、テストピン84をパッド73に接触させる作業などの容易化も図ることができる。
【0068】
例えば本実施形態では、第3パッド73の数は、第1パッド71の数よりも多い。このような構成によれば、半導体装置1のさらにきめ細かなテストを行うことができる。また本実施形態では、複数の第3パッド73の配置は、複数の第2パッド72の配置に対応する。このような構成によれば、パッド73と半導体パッケージ12の半田ボール62との位置関係をさらに単純化することができ、半導体装置1のテストをさらに容易化することができる。
【0069】
ここで比較のため、基板11のインターフェース部15とコントローラ31との間の信号ラインの途中からテスト用のパッドに繋がるラインが引き出された半導体装置について考える。このような構成によれば、上記テスト用のラインを設けることで信号ラインのインピーダンスが変化し、例えば高速差動信号が流れる場合などに、その信号の信号品質に影響が生じる可能性がある。
【0070】
一方で、本実施形態では、コントローラ31は、基板11のインターフェース部15に接続されるホストインターフェース部53と、半導体メモリ32に接続されるメモリインターフェース部54とを有する。複数の第3パッド73の少なくとも一つは、ホストインターフェース部53を介さずにコントローラ31の内部でメモリインターフェース部54に電気的に接続可能である。このような構成によれば、基板11のインターフェース部15とコントローラ31との間の信号ラインのインピーダンスに影響を及ぼさないので、信号ラインに流れる信号の信号品質を高く維持することができる。
【0071】
本実施形態では、コントローラ31は、CPU52と、半導体メモリ32に電気的に接続されるメモリインターフェース部54とを有する。複数の第3パッド73の少なくとも一つは、CPU52を介さずにコントローラ31の内部でメモリインターフェース部54に電気的に接続可能である。このような構成によれば、メモリインターフェース部54に直接にアクセスすることができるため、半導体メモリ32の単体テストの容易化を図ることができるとともに、その精度を向上させることができる。
【0072】
次に、第2及び第3実施形態に係る半導体装置1について説明する。なお、第1実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。また、下記に説明する以外の構成は、第1実施形態と同じである。
【0073】
(第2実施形態)
図12は、第2実施形態に係る半導体装置1の一例を示す。図2において、(a)は平面図、(b)は下面図、(c)は側面図である。本実施形態に係る基板11の複数の第3パッド73の各々は、角部に丸みを有した略矩形状に形成されている。このような構成によっても、第1実施形態と略同じ機能を実現することができる。
【0074】
(第3実施形態)
図13は、第3実施形態に係る半導体装置1の一例を示す。本実施形態に係る半導体装置1は、ラベル92に代えて、金属製の放熱板95を有する。放熱板95は、例えばソルダーレジスト91よりも熱伝導性が高い。放熱板95は、例えば複数の第3パッド73を一体に覆うとともに、第3パッド73に熱的に接続されている。このような構成によれば、第2半田ボール62、第2パッド72、接続部74、及び第3パッド73を介して、コントローラ31と放熱板95とが熱的に比較的強固に接続可能であるため、半導体装置1の放熱性をさらに高めることができる。
【0075】
以上、第1乃至第3の実施形態及び変形例について説明したが、半導体装置1の実施形態はこれらに限られない。例えば、コントローラ31及び半導体メモリ32は、個別に基板11に実装されるものでもよい。第3パッド73の数や配置は、特定のものに限定されるものではなく、適宜設定して実施可能である。
【0076】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0077】
1…半導体装置、2…ホスト装置、11…基板、11a…第1面、11b…第2面、12…半導体パッケージ、15…インターフェース部、31…コントローラ、32…半導体メモリ、44…封止部、52…CPU、53…ホストインターフェース部、54…メモリインターフェース部、61…第1半田ボール、62…第2半田ボール、71…第1パッド、72…第2パッド、73…第3パッド、91…ソルダーレジスト、92…ラベル
図1
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