(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
軸線方向に沿って延び、一対の主面を有する板状の検出素子であり、前記一対の主面のうち、少なくともいずれか一方の主面の後端部に複数配置された電極端子部を有する検出素子と、
前記電極端子部に対応して設けられ、対応する前記電極端子部と電気的に接続される複数の端子部材であり、前記軸線方向に沿って延びる長尺形状のフレーム本体部と、前記フレーム本体部の先端側に接続し、後端側に向かって折り返された折り返し部と、自身の先端側が前記折り返し部に接続し、後端側に向かって延びると共に、前記電極端子部に接触する素子当接部と、を備える端子部材と、
前記検出素子の後端部、および前記端子部材を取り囲む内側面を有するセパレータと、を備えるセンサであって、
前記主面に沿う方向を前記検出素子の幅方向としたときに、前記端子部材の前記素子当接部は、前記折り返し部から前記軸線方向の後端側に向かって延びる基端部と、該基端部の後端側から前記幅方向内側に向かって延びる屈曲部と、該屈曲部の前記幅方向内側の端部から前記軸線方向の後端側に向かって延び、前記電極端子部と接触する接触部と、を有し、
前記屈曲部の先端側部位が前記セパレータの前記内側面に当接する、ことを特徴とするセンサ。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明のガスセンサ1の断面図である。
図1において、ガスセンサ1の軸線Oに沿う軸線方向CLを上下方向として図示する。また、ガスセンサ1の内部に保持された検出素子10の先端部11側をガスセンサ1の先端側CL1、後端部12側をガスセンサ1の後端側CL2として説明する。
【0015】
図1に例示するガスセンサ1は、自動車の排気管(図示せず)に取り付けられるものである。ガスセンサ1は、内部に保持された検出素子10の先端部11が排気管内を流通する排気ガス中に晒される。先端部11が排気ガスに晒されることで、ガスセンサ1は排気ガス中の酸素濃度に基づいて排気ガスの空燃比を検出する。すなわち、ガスセンサ1は、いわゆる全領域空燃比センサである。
【0016】
検出素子10は、軸線方向CLに沿って延びる板状である。
図1では、紙面左右方向が検出素子10の厚さ方向であり、紙面表裏方向が検出素子10の幅方向である。ガスセンサ1は、検出素子10をカップ20内に挿通し、さらに、自動車の排気管(図示せず)に取り付けるための主体金具50内にカップ20を支持することで、検出素子10を主体金具50内に保持した構造を有する。
【0017】
カップ20は、金属によって形成され、筒底23に形成された開口25を有する有底筒状をなす。検出素子10は、カップ20の開口25を貫通して配置されている。検出素子10の先端部11は、開口25から先端側CL1に突出している。先端部11は、排気ガス中の酸素ガス成分を検出する検出部として機能する。排気ガスによる被毒から先端部11を保護するために、保護層9が先端部11の外表面を覆うように配置されている。
【0018】
カップ20の筒底23は、テーパ状に形成されている。カップ20内には、アルミナ製のセラミックリング21と滑石粉末22とが、それぞれ、自身に検出素子10を挿通させた状態で収容されている。滑石粉末22は、圧粉体である滑石リングが押し潰された状態でカップ20内に充填されている。これにより、検出素子10がカップ20内で位置決めされて保持されている。
【0019】
カップ20と一体となった検出素子10は、その周囲を筒状の主体金具50に取り囲まれた状態で保持されている。主体金具50は、SUS430等の低炭素鋼からなる。主体金具50の先端側には排気管への取り付け用の雄ねじ部51が形成されている。さらに、主体金具50のうち雄ねじ部51よりも先端側CL1には、後述するプロテクタ8が係合される先端係合部56が形成されている。主体金具50のうち軸線方向CLの中央部分には、取り付け用の工具が係合する工具係合部52が形成されている。工具係合部52の先端面と雄ねじ部51の後端との間には、排気管に取り付けた際のガス抜けを防止するためのガスケット55が嵌挿されている。さらに、工具係合部52の後端側には、後述する外筒45が係合される後端係合部57と、その後端側に、主体金具50内に検出素子10を加締め保持するための加締め部53とが形成されている。
【0020】
主体金具50の内周のうち雄ねじ部51が位置する付近には、段部54が形成されている。段部54には、カップ20の筒底23が係止されている。さらに、主体金具50の内周には滑石粉末26が、検出素子10との間隙に配置されている。また、滑石粉末26を後端側から押さえるように、筒状のスリーブ27が主体金具50内に嵌め込まれている。スリーブ27の後端側外周には段状をなす肩部28が形成されている。肩部28には、円環状の加締めパッキン29が配置されている。この状態で主体金具50の加締め部53が、加締めパッキン29を介してスリーブ27の肩部28を先端側に向けて押圧するように加締められている。スリーブ27に押圧された滑石粉末26は、主体金具50内で押し潰されることで充填されている。
【0021】
主体金具50の先端(先端係合部56)からは、検出素子10の先端部11が先端側CL1に突出している。先端係合部56には、プロテクタ8が取り付けられている。プロテクタ8は、検出素子10の先端部11を、排気ガス中のデポジット(燃料灰分やオイル成分など被毒性の付着物質)による汚損や被水などによる折損等から保護する。プロテクタ8は、内側導入孔95を有する有底筒状の内側プロテクタ90と、内側プロテクタ90の外周面との間に空隙を有した状態でその径方向周囲を取り囲む、外側導入孔85を有する筒状の外側プロテクタ80とから構成される2重構造を有する。
【0022】
外側導入孔85から外側プロテクタ80と内側プロテクタ90との間の空隙に導入される排気ガスは、内側プロテクタ90の外周を取り囲む状態で旋回流を生じ、ガス成分と水分とに分離される。ガス成分は内側導入孔95から内側プロテクタ90内に導入され、検出素子10に接触し、排出口97から外部に排出される。一方、水分は、水抜き孔96から内側プロテクタ90内に進入し、排出口97から外部に排出される。こうした構成により、検出素子10の先端部11は、排気ガス中のデポジットによる汚損や、被水に起因する熱衝撃による折損等から保護されている。
【0023】
一方、主体金具50の後端(加締め部53)からは、検出素子10の後端部12が後端側CL2に突出している。検出素子10の後端部12には、電極を取り出すための白金(Pt)からなる5つの電極端子部31〜35(
図2参照)が形成されている。電極端子部31〜35には、対応して設けられた端子部材61がそれぞれ接触する。詳細には、端子部材61が備える素子当接部69が、対応する電極端子部31〜35に弾性接触する。端子部材61は、5つの電極端子部31〜35に対応して5つ設けられている(
図1では、3つのみ図示)。なお、本実施形態では、後述するように端子部材61は、形状が異なる3種類の部材を用いている。なお、3種類の端子部材61を区別して用いる場合は、「第1端子部材61A」,「第2端子部材61B」,「第3端子部材61C」を用いるものとする。また、単に「端子部材61A」,「端子部材61B」、「端子部材61C」とも呼ぶ。
【0024】
ガスセンサ1は、さらに、筒状のセパレータ200を備える。セパレータ200は、絶縁性セラミックによって形成されている。セパレータ200は、検出素子10の後端部12及び端子部材61(素子当接部69)を取り囲む。すなわち、後端部12及び端子部材61の径方向外側にはセパレータ200が配置されている。
【0025】
外筒45は、主体金具50の後端側に取り付けられている。外筒45は、ステンレス(例えばSUS304)によって筒状に形成されている。外筒45は、検出素子10の後端部12やセパレータ200を保護するために、これらの後端部12及びセパレータ200の周囲を覆う。外筒45のうち先端側CL1に位置する開口端46は、主体金具50の後端係合部57の外周に係合され、外周側から加締められると共に、外周を一周して後端係合部57にレーザ溶接されている。これにより、外筒45は、主体金具50に取り付けられている。
【0026】
外筒45とセパレータ200との間隙には、筒状の保持金具70が設けられている。保持金具70は金属によって形成されている。保持金具70は、自身の後端を内側に折り曲げることによって形成された支持部71を有する。支持部71は、セパレータ200の後端側外周に設けられた鍔部201を係止する。これにより、保持金具70は、セパレータ200を支持している。保持金具70がセパレータ200を支持した状態で、外筒45のうち保持金具70が配置された部分の外周面が加締められることで、セパレータ200を支持した保持金具70が外筒45に固定される。
【0027】
外筒45は、ガスセンサ1の外部に引き出される5本のリード線78(
図1ではそのうちの3本を図示)と各端子部材61との各接続部分も収容している。5つの端子部材61のそれぞれの後端側は、5本のリード線78のうちの対応するリード線78に電気的に接続されている。これにより、リード線78が接続される外部機器と電極端子部31〜35との間に流れる電流の電流経路を形成する。
【0028】
さらに、セパレータ200の後端側には、グロメット75が設けられている。グロメット75は、外筒45の後端側内部を閉塞する。グロメット75には、5本のリード線78を外部に取り出すためのリード線挿通孔76が5つ(
図1ではそのうちの1つを図示)形成されている。
【0029】
図2は、検出素子10の構成について説明するための図である。ここで
図2は、検出素子10を模式的に示している。検出素子10は、対向する一対の表面を構成する第1主面14及び第2主面15と、第1主面14及び第2主面15を接続する第1側面16及び第2側面17とを有する。第1主面14と第2主面15とはそれぞれ、軸線方向CLに沿って延びる。
【0030】
ここで、第1主面14と第2主面15とが対向する方向を検出素子10の厚さ方向TLとし、第1主面14と第2主面15とに沿う方向を検出素子10の幅方向WLとする。また、厚さ方向TLのうち、第2主面15から第1主面14に向かう方向を第1厚さ方向TL1とし、第1主面14から第2主面15に向かう方向を第2厚さ方向TL2とする。また、幅方向WLのうち、第1側面16から第2側面17に向かう方向を第1幅方向WL1とし、第2側面17から第1側面16に向かう方向を第2幅方向WL2とする。
【0031】
検出素子10は、素子部18と、ヒータ19とが厚さ方向TLに積層されている。素子部18とヒータ19とは、それぞれ軸線方向CLに沿って延びる板状である。なお、全領域空燃比センサに用いられる検出素子10は公知のものであるが、その概略構成を以下に記述する。
【0032】
素子部18は、固体電解質基板の両側に多孔質電極を形成した酸素濃淡電池素子と、同じく固体電解質基板の両側に多孔質電極を形成した酸素ポンプ素子と、これらの両素子の間に積層され、中空の測定ガス室を形成するためのスペーサとから構成される。固体電解質基板は、イットリアを安定化剤として固溶させたジルコニアから形成される。多孔質電極は、Ptを主体に形成される。測定ガス室を形成するスペーサは、アルミナを主体に構成される。中空の測定ガス室の内側には、酸素濃淡電池素子の一方の多孔質電極と、酸素ポンプ素子の一方の多孔質電極が露出するように配置されている。なお、測定ガス室は、検出素子10の先端部11に位置するように形成されており、測定ガス室が形成される部分が検出部に相当する。ヒータ19は、アルミナを主体とする絶縁基板の間に、Ptを主体とする発熱抵抗体パターンが挟み込まれて形成されている。
【0033】
検出素子10の後端部12のうち、第1主面14側には、3個の電極端子部31,32,33が配置されている。また、検出素子10の後端部12のうち、第2主面15側には、2個の電極端子部34,35が配置されている。ここで、電極端子部31を「第1電極端子部31」とも呼び、電極端子部32を「第2電極端子部32」とも呼び、電極端子部33を「第3電極端子部33」とも呼び、電極端子部34を「第4電極端子部34」とも呼び、電極端子部35を「第5電極端子部35」とも呼ぶ。また、第1〜第5電極端子部31〜35を総称して用いる場合には、「電極端子部30」を使用する。
【0034】
本実施形態では、第1〜第3電極端子部31〜33は幅方向WLに沿って配置されている。すなわち、第1〜第3電極端子部31〜33は、互いに幅方向WLにずれた位置に配置されている。第2電極端子部32は、第1と第3電極端子部31,33よりも後端側CL2に配置されている。第4と第5電極端子部34,35は幅方向WLに沿って配置されている。すなわち、第4と第5電極端子部34,35は、互いに幅方向WLにずれた位置に配置されている。
【0035】
第1〜第3電極端子部31〜33は、素子部18に形成されており、そのうち1つの電極端子部が測定ガス室の内側に露出する酸素濃淡電池素子の一方の多孔質電極と酸素ポンプ素子の一方の多孔質電極と共用する形で電気的に接続される。第1〜第3電極端子部31,32,33のうち残りの2つの電極端子部は、酸素濃淡電池素子の他方の多孔質電極と酸素ポンプ素子の他方の多孔質電極と各々電気的に接続されている。また、第4と第5電極端子部34,35は、ヒータ19に形成されており、ヒータ19の厚さ方向に横切るビア(図示せず)を介して発熱抵抗体パターンの両端に各々接続されている。
【0036】
図3は、第1端子部材61Aの側面図である。
図4は、第1端子部材61Aの正面図である。
図5は、第1端子部材61Aの斜視図である。
図6は、第2端子部材61Bの正面図である。
図7は、第3端子部材61Cの斜視図である。
【0037】
第1端子部材61Aは、第3電極端子部33と第4電極端子部34に接続され、第2端子部材61Bは、第1電極端子部31と第5電極端子部35に接続され、第3端子部材61Cは、第2電極端子部32に接続される。
【0038】
端子部材61は、インコネルやステンレス鋼などの金属によって形成されている。ここで、端子部材61を形成する材料としては、高温に繰り返し晒されてもバネ弾性を維持可能な材料を用いることが好ましい。
【0039】
図3〜
図5に示すように、第1端子部材61Aは、フレーム本体部60と、折り返し部65と、素子当接部69Aと、を備える。フレーム本体部60は、軸線方向CLに沿って延びる長尺形状である。
【0040】
図3〜
図5に示すように、フレーム本体部60は、本体62と、接続部64と、一対の位置決め部63とを有する。本体62は、軸線方向CLに沿って延びる板状の部材である。接続部64は、フレーム本体部60のうち後端側CL2に形成されている。接続部64は、リード線78が挿入された状態で、内側に向かって加締められることで、リード線78を保持する。これによって、リード線78と第1端子部材61Aとが電気的に接続される。一対の位置決め部63は、本体62の幅方向WL両側から突出する板状部材である。位置決め部63の少なくとも一部がセパレータ200内に収容されることで、端子部材61Aの幅方向WLの移動が規制される。一対の位置決め部63は、フレーム本体部60の幅方向WLにおける側面を形成する。端子部材61Aがガスセンサ1に組み付けられた場合、一対の位置決め部63のうち、検出素子10の第1幅方向WL1側に位置する側を位置決め部63aとし、第2幅方向WL2側に位置する側を位置決め部63bとする。
【0041】
図3〜
図5に示すように、折り返し部65は、フレーム本体部60と素子当接部69Aとを接続する部分である。折り返し部65は、素子当接部69Aが後端側CL2に向かって延びるように折り返されている。すなわち、折り返し部65は、端子部材61Aのうちで最も先端側CL1に位置する。
【0042】
図3〜
図5に示すように、素子当接部69Aは、フレーム本体部60と対向し、基端部68と、接触部66と、屈曲部67Aとを有する。基端部68は、折り返し部65に接続された部分であり、軸線方向CLに沿って延びる。接触部66は、電極端子部30と実際に接触する部分であり、軸線方向CLに沿って延びる。屈曲部67Aは、基端部68と接触部66とを接続する部分であり、第1幅方向WL1に向かって延びる。これにより、接触部66が、折り返し部65に対し幅方向WLにズレた位置に配置される。
【0043】
接触部66は、折り返し部65を支点とした弾性変形によって変位する。特に、接触部66の幅W1は、折り返し部65の幅W2よりも狭いため、弾性変形の場合、折り返し部65が支点となりやすい。ここで、接触部66は、素子当接部69Aのうち検出素子10と対向する面に設けられた凸部によって形成される場合がある。凸部としては、例えば、後述する第3端子部材61Cの凸部79が挙げられる(
図7)。この場合において接触部66の幅W1とは、凸部自体の幅を意味する。
【0044】
図6に示すように、第2端子部材61Bは、
図4に示す第1端子部材61Aとは左右を逆にした部材である。すなわち、素子当接部69Bが備える屈曲部67Bの屈曲する方向が、第1端子部材61Aとは逆である。その他の構成については、第1端子部材61Aと同様の構成である。よって、同様の構成については第1端子部材61Aと同一の符号を付すと共に説明を省略する。屈曲部67Bは、基端部68の後端側から第2幅方向WL2に向かって延びる。これにより、接触部66が、折り返し部65に対し幅方向WLにズレた位置に配置される。
【0045】
図7に示すように、第3端子部材61Cは、素子当接部69Cの構成が第1端子部材61Aと異なる。その他の構成については第1端子部材61Aと同様の構成であるため、同様の構成については第1端子部材61Aと同一の符号を付すと共に説明を省略する。素子当接部69Cは、屈曲部67A,68Bを有していない。また、素子当接部69Cは、凸部79を有する。凸部79は、第2電極端子部32に実際に接触する部分である。
【0046】
図8は、セパレータ200の外観斜視図である。
図9は、セパレータ200を軸線方向CLの先端側CL1から見た図である。
図10は、セパレータ200に端子部材61を収容した図(軸線方向CLの先端側CL1からセパレータ200を見た時の図)である。
図11は、
図10の斜視図である。ここで理解の容易の為に、
図9では、検出素子10が収容される位置を点線で記載している。
図8及び
図9に示すように、セパレータ200は、先端から略中央まで軸線方向CLに貫通した貫通孔230を形成する内側面250を備える略筒状をなす。
【0047】
貫通孔230は、外周部分に先端から後端まで軸線方向CLに貫通した第1〜第5端子収容孔211〜215を有する。また、セパレータ200は、3つの隔壁202,204,206と、2つの側面隔壁244,248とを有する。
図10、
図11に示すように、第1端子収容孔211と第5端子収容孔215にはそれぞれ、第2端子部材61Bが収容される。また、第3端子収容孔213と第4端子収容孔214にはそれぞれ、第1端子部材61Aが収容される。さらに、第2端子収容孔212には、第3端子部材61Cが収容される。第1〜第5端子収容孔211〜215にはそれぞれ、フレーム本体部60の先端側CL1部分が収容される。
【0048】
第1隔壁202は、第1端子収容孔211と第2端子収容孔212との間に配置されている。第2隔壁204は、第2端子収容孔212と第3端子収容孔213との間に配置されている。第3隔壁206は、第4端子収容孔214と第5端子収容孔215との間に配置されている。また、第1〜第3隔壁202,204,206は、軸線方向CLに亘って形成されている。
【0049】
図9に示すように、第1側面隔壁244は、検出素子10の第1側面16と対向する。第1側面隔壁244は、セパレータ200の外周の一部を形成する周囲壁242から検出素子10の第1側面16に向かって突出する。第1側面隔壁244は、第3端子収容孔213と第5端子収容孔215との間に位置する。すなわち、
図10、
図11に示すように、第1側面隔壁244は、検出素子10の厚さ方向TL両側を挟んで対向する一対の端子部材61A,61Bの間に位置する。
【0050】
図9に示すように、第2側面隔壁248は、検出素子10の第2側面17と対向する。第2側面隔壁248は、セパレータ200の外周の一部を形成する周囲壁243から検出素子10の第2側面17に向かって突出する。第2側面隔壁244は、第1端子収容孔211と第4端子収容孔214との間に位置する。すなわち、
図10、
図11に示すように、第2側面隔壁244は、検出素子10の厚さ方向TL両側を挟んで対向する一対の端子部材61A,61Bの間に位置する。
【0051】
図12は、セパレータ200に端子部材61と検出素子10を収容した様子を軸線方向CLの先端側CL1から見た時の図である。セパレータ200に端子部材61を収容した後に、電極端子部30が接触部66,79に接触するように検出素子10の後端部12を軸線方向CLの後端側CL2に向かってセパレータ200内に挿入する。検出素子10の後端部12がセパレータ200内に挿入されることで、素子当接部69A,69B,69C(
図5〜
図7)がフレーム本体部60(
図5〜
図7)に近づく方向に変位する。これにより、接触部66,79が電極端子部30に弾性接触する。
【0052】
そして、
図4及び
図6に示すように、第1端子部材61Aと第2端子部材61Bのフレーム本体部60のそれぞれは、接触部66よりも幅方向WLにおいて外側に位置する。そのため、
図12に示すように、セパレータ200に第1端子部材61Aと第2端子部材62Bを組み付け、接触部66を電極端子部30に接触させた場合、第1端子部材61A及び第2端子部材62Bのフレーム本体部60は、接触部66よりも幅方向WL外側に位置する
【0053】
さらに、
図12に示すように、第1端子部材61Aの屈曲部67Aの先端側部位120Aがセパレータ200の内側面250に当接させている。また、第2端子部材61Bの屈曲部67Bの先端側部位120Bがセパレータ200の内側面250に当接させている。なお、本実施形態では、第1端子収容孔211に配置された第2端子部材61Bの屈曲部67Bの先端側部位120Bは、第1隔壁202の内側面250に接触している。また、第3端子収容孔213に配置された第1端子部材61Aの屈曲部67Aの先端側部位120Aは、第2隔壁204の内側面250に接触している。また、第4端子収容孔214に配置された第1端子部材61Aの屈曲部67Aの先端側部位120A、及び第5端子収容孔215に配置された第2端子部材61Bの屈曲部67Bの先端側部位120Bは、第3隔壁206の内側面250に接触している。
【0054】
上記実施形態によれば、幅方向WLに隣り合う第1端子部材61Aと第2端子部材61Bとが屈曲部67A,67Bを有する(
図4,
図6)。よって、幅方向WLに隣り合う2つの端子部材61A,61Bのフレーム本体部60、折り返し部65や基端部68の間隔(距離L2)を開けつつ、幅方向WLに隣り合う第1端子部材61A,第2端子部材61Bの素子当接部69A、69Bと検出素子10の電極端子部30との接触を良好に図ることができる。つまり、幅方向WLに隣り合2つの端子部材61A,61Bのフレーム本体部60の間隔を開けることで、幅方向WLに隣り合う2つの端子部材61A,61B同士が電気的に接続する可能性を低減できる。
【0055】
その上、上記実施形態によれば、屈曲部67A、67Bの先端側部位120A、12Bがセパレータ200の内側面250に当接している。このように、第1端子部材61Aや第2端子部材61Bに屈曲部67A、67Bが設けられる場合には、屈曲部67A、67Bの先端側部位120A、120Bをセパレータ200の内側面250に当接させることで、接触部66が径方向外側(本実施形態では厚み方向TL外側)に移動しようとすることをセパレータ200によって規制させることができ、その結果、素子当接部69A、69Bと電極端子部30とを確実に接触させることができる。
【0056】
以上のように、上記実施形態によれば、例えば、検出素子10が幅方向WLに小型化した場合であっても、電極端子部30と、端子部材61A,61Bとの接触を良好に図りつつ、幅方向WLに隣り合う端子部材61A,61Bのフレーム本体部60同士が電気的に接続する可能性を低減できる。
【0057】
なお、
図10及び
図11に示すように、検出素子10がセパレータ200に収容する前において、第1端子部材61Aの屈曲部67Aの先端側部位120A、及び第2端子部材61Bの屈曲部67Bの先端側部位120Bがセパレータ200の内側面250に当接していなくても良く、少なくとも、検出素子10がセパレータ200に収容された時に、第1端子部材61Aの屈曲部67Aの先端側部位120A、及び第2端子部材61Bの屈曲部67Bの先端側部位120Bがセパレータ200の内側面250に当接していればよい。但し、これに限られることなく、検出素子10がセパレータ200に収容する前において、第1端子部材61Aの屈曲部67Aの先端側部位120A、及び第2端子部材61Bの屈曲部67Bの先端側部位120Bがセパレータ200の内側面250に当接していても良い。
【0058】
本発明は、上記実施形態に限られることなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、省略することが可能である。
【0059】
具体的には、上記実施形態では、検出素子10は5つの電極端子部31〜35を備えていたが、電極端子部の数はこれに限定されるものではない。例えば、検出素子10は、第2電極端子部32を有さず、4つの電極端子部31,33,34,35を有していても良い。
【0060】
また、第1端子部材61A,第2端子部材61Bの形状は上記実施形態に限定されるものではなく、屈曲部67A,67Bを有していれば他の形状も採用できる。例えば、第1端子部材61A,第2端子部材61Bの一部が、軸線方向CLと直交する面に沿って捻じれていても良い。