特許第6235456号(P6235456)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社東芝の特許一覧

<>
  • 特許6235456-車載型電子機器 図000002
  • 特許6235456-車載型電子機器 図000003
  • 特許6235456-車載型電子機器 図000004
  • 特許6235456-車載型電子機器 図000005
  • 特許6235456-車載型電子機器 図000006
  • 特許6235456-車載型電子機器 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6235456
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】車載型電子機器
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/03 20060101AFI20171113BHJP
   G07C 5/00 20060101ALI20171113BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
   B60R16/03 V
   G07C5/00 Z
   H02J7/00 303D
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-262312(P2014-262312)
(22)【出願日】2014年12月25日
(65)【公開番号】特開2016-120845(P2016-120845A)
(43)【公開日】2016年7月7日
【審査請求日】2016年6月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河崎 大和
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 純
【審査官】 佐々木 智洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−161093(JP,A)
【文献】 特開2011−090645(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 16/03
G07C 5/00
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車に搭載可能な車載型電子機器であって、
コントローラと、
前記自動車の給電部にカープラグが挿入されたことで、前記給電部から前記カープラグを介して電力が給電されているかを検出する電力検出部と、
バッテリと、
前記カープラグからの電力又は前記バッテリから電力の一方に切り替えて前記車載型電子機器駆動電源を供給する切替手段と、
前記自動車に取り付けられた加速度センサ
を具備し、
前記コントローラは、
前記電力検出部によって前記カープラグを介して電力が給電されている状態であることを検出し、且つ前記加速度センサの検出値に基づいて前記自動車が運転中であると判定した場合は、前記カープラグからの電力を前記車載型電子機器に供給するよう前記切替手段を制御して、前記車載型電子機器の運転挙動を記録し、
前記電力検出部によって前記カープラグを介して電力が給電されていない状態であることを検出した場合、又は前記電力検出部によって前記カープラグを介して電力が給電されている状態であることを検出するが、前記加速度センサの検出値に基づいて前記自動車が運転中でないと判定する場合は、前記バッテリからの電力を前記車載型電子機器に供給するよう前記切替手段を制御して、前記車載型電子機器を待機状態とする
車載型電子機器。
【請求項2】
無線通信部を更に具備し、
前記コントローラは、前記カープラグが前記給電部に挿入されていないことを示すメールを所定のメールアドレス宛に前記無線通信部を用いて送信する請求項に記載の車載型電子機器。
【請求項3】
前記自動車がアイドリングストップ機能を有しない、又は前記アイドリングストップ機能が無効に設定されている場合、
前記コントローラは、
前記電力検出部によって前記カープラグを介して電力が給電されている状態であることを検出し、且つ前記加速度センサの検出値に基づいて前記自動車のエンジンが始動していると判定した場合は、前記カープラグからの電力を前記車載型電子機器に供給するよう前記切替手段を制御して、前記車載型電子機器の運転挙動を記録し、
前記電力検出部によって前記カープラグを介して電力が給電されていない状態であることを検出した場合、又は前記電力検出部によって前記カープラグを介して電力が給電されている状態であることを検出するが、前記加速度センサの検出値に基づいて前記自動車のエンジンが始動していないと判定する場合は、前記バッテリからの電力を前記車載型電子機器に供給するよう前記切替手段を制御して、前記車載型電子機器を待機状態とする
請求項1に記載の車載型電子機器。
【請求項4】
前記自動車が電気自動車である、又は前記自動車のアイドリングストップ機能が有効に設定されている場合、
前記コントローラは、
前記電力検出部によって前記カープラグを介して電力が給電されている状態であることを検出し、且つ前記加速度センサの検出値に基づいて前記自動車が走行中であると判定した場合は、前記カープラグからの電力を前記車載型電子機器に供給するよう前記切替手段を制御して、前記車載型電子機器の運転挙動を記録し、
前記電力検出部によって前記カープラグを介して電力が給電されていない状態であることを検出した場合、又は前記電力検出部によって前記カープラグを介して電力が給電されている状態であることを検出するが、前記加速度センサの検出値に基づいて前記自動車が走行中でないと判定し、且つ設定時間が経過した場合は、前記バッテリからの電力を前記車載型電子機器に供給するよう前記切替手段を制御して、前記車載型電子機器を待機状態とする
請求項1に記載の車載型電子機器。
【請求項5】
コントローラと、
自動車の給電部にカープラグが挿入されたことで、前記給電部から前記カープラグを介して電力が給電されているかを検出する電力検出部と、
バッテリと、
前記カープラグからの電力又は前記バッテリからの電力の一方に切り替えて駆動電源を供給する切替手段と、
前記自動車に取り付けられた加速度センサと
を具備する自動車に搭載可能な車載型電子機器の制御方法であって、
前記電力検出部によって前記カープラグを介して電力が給電されている状態であることを検出し、且つ前記加速度センサの検出値に基づいて前記自動車が運転中であると判定した場合は、前記カープラグからの電力を前記車載型電子機器に供給するよう前記切替手段を制御して、前記車載型電子機器の運転挙動を記録し、
前記電力検出部によって前記カープラグを介して電力が給電されていない状態であることを検出した場合、又は前記電力検出部によって前記カープラグを介して電力が給電されている状態であることを検出するが、前記加速度センサの検出値に基づいて前記自動車が運転中でないと判定する場合は、前記バッテリからの電力を前記車載型電子機器に供給するよう前記切替手段を制御して、前記車載型電子機器を待機状態とする
制御方法。
【請求項6】
コントローラと、
自動車の給電部にカープラグが挿入されたことで、前記自動車のバッテリから前記カープラグを介して電力が給電されているかを検出する電力検出部と、
バッテリと、
前記カープラグからの電力又は前記バッテリからの電力の一方に切り替えて駆動電源を供給する切替手段と、
前記自動車に取り付けられた加速度センサと
を具備する自動車に搭載可能なコンピュータによって実行されるプログラムであって、
前記電力検出部によって前記カープラグを介して電力が給電されている状態であることを検出し、且つ前記加速度センサの検出値に基づいて前記自動車が運転中であると判定した場合は、前記カープラグからの電力を前記コンピュータに供給するよう前記切替手段を制御して、前記コンピュータの運転挙動を記録する手順と、
前記電力検出部によって前記カープラグを介して電力が給電されていない状態であることを検出した場合、又は前記電力検出部によって前記カープラグを介して電力が給電されている状態であることを検出するが、前記加速度センサの検出値に基づいて前記自動車が運転中でないと判定する場合は、前記バッテリからの電力を前記コンピュータに供給するよう前記切替手段を制御して、前記コンピュータを待機状態とする手順とを
前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、自動車に搭載される車載型電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ドライブレコーダ(イベント データ レコーダ)を搭載した自動車が増えている。ドライブレコーダは、自動車に標準で搭載されていないことが多い。そのため、ドライブレコーダの電源をとるために、自動車内のアクセサリーソケットを利用することが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−75035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
アクセサリーソケットに常時給電を行う自動車がある。このような自動車では、自動車が運転されていなくても、ドライブレコーダがバッテリのエネルギーを消費してしまう。バッテリの残容量が少ない場合、ドライブレコーダによるバッテリのエネルギー消費により、バッテリの残容量が0になってしまう恐れがある。
【0005】
本発明の目的は、アクセサリーソケットから常時給電が行われるような自動車に搭載されても、自動車のバッテリの残容量が少なくなることを抑制することが可能な車載型電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、自動車に搭載可能な車載型電子機器は、コントローラと、前記自動車の給電部にカープラグが挿入されたことで、前記給電部から前記カープラグを介して電力が給電されているかを検出する電力検出部と、バッテリと、前記カープラグからの電力又は前記バッテリからの電力の一方に切り替えて前記車載型電子機器に駆動電源を供給する切替手段と、前記自動車に取り付けられた加速度センサとを具備する。前記コントローラは、前記電力検出部によって前記カープラグを介して電力が給電されている状態であることを検出し、且つ前記加速度センサの検出値に基づいて前記自動車が運転中であると判定した場合は、前記カープラグからの電力を前記車載型電子機器に供給するよう前記切替手段を制御して、前記車載型電子機器の運転挙動を記録する。前記コントローラは、前記電力検出部によって前記カープラグを介して電力が給電されていない状態であることを検出した場合、又は前記電力検出部によって前記カープラグを介して電力が給電されている状態であることを検出するが、前記加速度センサの検出値に基づいて前記自動車が運転中でないと判定する場合は、前記バッテリからの電力を前記車載型電子機器に供給するよう前記切替手段を制御して、前記車載型電子機器を待機状態とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態のドライブレコーダの外観の一例を示す斜視図。
図2】実施形態の車載型電子機器のシステム構成の一例を示すブロック図。
図3】ファームウェアの機能的構成の一例を示すブロック図。
図4】実施形態の車載型電子機器によって実行される処理の手順の一例を示すフローチャート。
図5】実施形態の車載型電子機器によって実行される処理の手順の一例を示すフローチャート。
図6】実施形態の車載型電子機器によって実行される処理の手順の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
【0009】
図1は、一実施形態に係るドライブレコーダの構成例を示す図である。ドライブレコーダ1は、自動車に搭載可能である。ドライブレコーダ1は、カメラホルダ2、カメラ本体(車載型電子機器)3を備えている。カメラホルダ2は、台座や支持機構とも称される。このカメラホルダ2は、ドライブレコーダ1を設置対象に取り付けるための貼り付け面4を有する。貼り付け面4には、例えば、両面テープやネジ止めするためのネジ穴等が設けられる。カメラホルダ2の取り付け場所は、例えば、天井面、側面等、貼り付け可能な場所であれば任意の場所で構わない。
【0010】
カメラ本体3は、直方体形状であり、カメラユニットとも称される。このカメラ本体3はカメラホルダ2の側面に設けられる回動部5を軸にして回動自在にカメラホルダ2に取り付けられる。図1の例では、カメラ本体3が上下方向に回動自在にカメラホルダ2に取り付けられた場合を示している。カメラ本体3の先端部には、撮影対象を撮影するためのレンズ6が設けられている。カメラ本体3は、このレンズ6を介して、撮影可能範囲(画角)内の撮影対象を撮影し、これを画像又は映像として記録する機能を有する。なお、撮像装置1はカメラ本体3により撮影された画像又は映像を表示するディスプレイを有していても良い。
【0011】
カメラ本体3にカープラグ7が接続されている。自動車は、外部機器に対して給電を行う給電部を有する。給電部は、アクセサリーソケットを含む。カープラグ7は、自動車に設けられたアクセサリーソケットに挿入可能である。カープラグ7は、アクセサリーソケットから電力を取得し、カメラ本体3に供給する。カメラ本体3は、カープラグ7によって取得された電力を用いて、カメラ本体3を駆動することが可能である。また、カメラ本体3内に二次電池等のバッテリが設けられ、バッテリから供給される電力を用いてカメラ本体3を駆動することも可能である。
【0012】
図2は、カメラ本体3のシステム構成を示すブロック図である。
図2に示すように、カメラ本体3は、カメラ101、マイクロコントローラ111、不揮発性メモリ121、加速度センサ122、GPS(Global Positioning System)アンテナモジュール123、移動体無線通信部124、LED131、スピーカ132、カードスロット133、バッテリ141、切替部142、電源生成部143、および電力検出部151等を備える。
【0013】
マイクロコントローラ111は、CPU(Central Processing Unit)111A、RAM(Random Access Memory)等を備える。また、マイクロコントローラ111は、各種I/Oを備える。CPU111Aは、カメラ本体3内の各種コンポーネントを制御するプロセッサである。CPU111Aは、例えば不揮発性メモリ121からRAM111Bにロードされるファームウェア(FW)200を実行する。
【0014】
カメラ101は、レンズ6を介して、撮影された画像や映像を不揮発性メモリ121、又はカードスロット133に挿入されるメモリカード内の不揮発性メモリに記録する。
【0015】
加速度センサ122は、カメラ本体3の加速度を計測する。例えばカメラ本体3が自動車に設置され、加速度センサ122はこのカメラ本体3が設置された自動車の加速度を計測する。GPSアンテナモジュール123は、アンテナと、GPSモジュールとを有する。アンテナは、数個のGPS衛星から受信した信号を受信する。GPS衛星からの信号は、衛星に搭載された原子時計による時刻のデータ、衛星の天体暦(軌道)の情報などを含む。GPSモジュールは、受信された信号に基づいて、カメラ本体3の現在位置を算出する。
【0016】
移動体無線通信部124は、例えばW−CDMA等の移動体通信の規格に準拠した無線通信を行う。
【0017】
切替部142は、ファームウェア200からの要求に応じて、バッテリ141から供給される電力、およびカープラグ7によって取得された電力の一方を電源生成部143に供給する。電源生成部143は、バッテリ141から供給される電力、およびカープラグ7によって取得された電力の一方を用いて、カメラ本体3を駆動するための駆動電源を生成し、生成された駆動電源をカメラ本体3内の各種コンポーネントに供給する。
【0018】
カープラグ7は、ソケット挿入検出部7Aを有する。ソケット挿入検出部7Aは、カープラグ7が自動車のアクセサリーソケットに挿入されているかを検出する。ソケット挿入検出部7Aは、検出結果に応じた信号をマイクロコントローラ111に出力する。
【0019】
電力検出部151は、カープラグ7がカーソケットから電力を取得しているかを検出する。電力検出部151は、検出結果に応じた信号をマイクロコントローラ111に出力する。
【0020】
アクセサリーソケットに常時給電を行う自動車がある。このような自動車では、自動車が運転されていなくても、ドライブレコーダがバッテリのエネルギーを消費してしまう。バッテリの残容量が少ない場合、ドライブレコーダによるバッテリのエネルギー消費により、バッテリの残容量が0になってしまう恐れがある。アクセサリーソケットから常時給電が行われるような自動車に搭載されても、バッテリの残容量が少なくなることを抑制するための構成および方法について以下に説明する。
【0021】
図3は、ファームウェア200の機能ブロック図である。
【0022】
ファームウェア200は、ソケット挿入判定部201、電力取得判定部202、運転判定部203、通知処理部204、切替制御部205、および運転挙動記録処理部206等を備える。
【0023】
ソケット挿入判定部201は、ソケット挿入検出部7Aから出力された信号に基づいて、カープラグ7が自動車に設けられたアクセサリーソケットに挿入されているかを判定する。カープラグ7が自動車に設けられたアクセサリーソケットに挿入されていると判定された場合に、電力取得判定部202は、カープラグ7が電力を取得しているかを判定する。言い換えると、電力取得判定部202は、自動車の給電部からカメラ本体3に給電されているかを判定する。カープラグ7が電力を取得していると判定された場合に、運転判定部203は、自動車が運転されているかを判定する。
【0024】
カープラグ7が自動車に設けられたアクセサリーソケットに挿入されていないと判定された場合に、通知処理部204は、カープラグ7がアクセサリーソケットに挿入されていないことをオーナー(運転者)通知する。例えば、通知処理部204は、移動体無線通信部124を用いて、所定のメールアドレス宛にメールを送信することによって、カープラグ7がアクセサリーソケットに挿入されていないことをオーナーに通知する。所定のメールアドレスは、例えばオーナーのメールアドレスである。また、例えば、通知処理部204は、LED131を点滅させることによって、カープラグ7がアクセサリーソケットに挿入されていないことを運転者(オーナー)に通知する。また、例えば、通知処理部204は、スピーカ132から音を出力ことによって、カープラグ7がアクセサリーソケットに挿入されていないことを運転者(オーナー)に通知する。
【0025】
切替制御部205は、電力取得判定部202、または運転判定部203からの要求に応じて、電源生成部143に供給される電力をバッテリ141から供給される電力とカープラグ7が取得した電力との間で切り換える。電源生成部143は、バッテリ141から供給される電力を用いて駆動電源を生成する。
【0026】
運転挙動記録処理部206は、運転判定部203からの要求に応じて、自動車の運転の挙動を例えばカードスロット133に挿入されるメモリカード300の不揮発性メモリに記録する。自動車の運転の挙動は、例えばカメラ101によって撮影された画像又は映像を含む。自動車の運転の挙動は、GPSアンテナモジュール123から取得された位置と時刻を含む。自動車の運転の挙動は、GPSアンテナモジュール123から取得された位置と時刻から算出された、速度を含む。
【0027】
次に、図4は、車載型電子機器3によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【0028】
最初に、カメラ本体3がパワーオンされると、切替制御部205は、切替部142に電力供給源をバッテリ141に切り替えることを要求する。切替部142は、電力供給源をバッテリ141に切り替える(ステップB11)。
【0029】
ソケット挿入判定部201は、ソケット挿入検出部7Aからの信号に基づいて、カープラグ7がアクセサリーソケットに挿入されているかを判定する(ステップB12)。カープラグ7がアクセサリーソケットに挿入されていないと判定した場合(ステップB12のNo)、通知処理部204は、無線通信部を用いて例えばオーナーの携帯電話に設定されているメールアドレス宛に、カープラグ7がアクセサリーソケットに挿入されていないことをオーナー(運転者)に通知する(ステップB17)。また、通知処理部204は、LEDを点滅させたり、スピーカから音を出力させたりすることで、カープラグ7がアクセサリーソケットに挿入されていないことをオーナー(運転者)に通知する。
【0030】
カープラグ7がアクセサリーソケットに挿入されていない場合に、カープラグ7がアクセサリーソケットに挿入されていないことをオーナー(運転者)に通知することで、オーナー(運転者)が、運転挙動を記録することができないことを知ることが可能になる。そのため、オーナー(運転者)が、カープラグ7をアクセサリーソケットに正しく取り付けることを促すことが可能になる。
【0031】
カープラグ7がアクセサリーソケットに挿入されていると判定した場合(ステップB12のYes)、電力取得判定部202は、電力検出部151からの信号に基づいて、カープラグ7が電力を取得しているかを判定する(ステップB13)。カープラグ7が電力を取得していないと判定した場合(ステップB13のNo)、切替制御部205は、切替部142に電力供給源をバッテリ141に切り替えることを要求する。切替部142は、電力供給源をバッテリ141に切り替える(ステップB18)。切替制御部205は、カメラ本体3を待機状態にする(ステップB19)。
【0032】
カープラグ7が電力を取得していると判定した場合(ステップB13のYes)、運転判定部203は、加速度センサ122の検出値に基づいて、自動車が運転されているかを判定する(ステップB14)。例えば、走行中であれば、上下方向、左右方向、進行方向等の加速度が検出される。また、自動車がエンジンで駆動されていれば、自動車が止まっていても、エンジンに起因する振動による加速度が検出される。また、アイドリングストップ機能を備えた自動車や、電気自動車の場合、エンジンがないので、止まっていても加速度がほとんど検出されない。そのため、加速度がほとんど検出されない場合、運転判定部203は、加速度がほとんど検出されない時間に応じて、自動車が運転されているかを判定する。
【0033】
自動車が運転されていないと判定した場合(ステップB13のNo)、切替制御部205は、切替部142に電力供給源をバッテリ141に切り替えることを要求する。切替部142は、電力供給源をバッテリ141に切り替える(ステップB18)。切替制御部205は、カメラ本体3を待機状態にする(ステップB19)。
【0034】
自動車が運転されていると判定した場合(ステップB14のYes)、切替制御部205は、切替部142に電力供給源をカープラグ7に切り替えることを要求する。切替部142は、電力供給源をカープラグ7に切り替える(ステップB15)。電源生成部143は、カープラグ7(自動車の給電部)から供給される電力を用いて駆動電源を生成する。そして、運転挙動記録処理部206は、自動車の運転挙動を記録する処理を行う(ステップB16)。
【0035】
カープラグ7が電力を取得していると判定され、自動車が運転されていないと判定された場合に、バッテリからの電力を用いてカメラ本体3を駆動するための駆動電源を生成することで、アクセサリーソケットに常時給電するような自動車であっても、自動車のバッテリの残容量が少なくなることを抑制することができる。
【0036】
前述したように、アイドリングストップ機能が無効に設定されている、またはアイドリングストップ機能を有しない自動車と、アイドリングストップ機能が有効に設定されている自動車または電気自動車とでは、自動車が運転されているかを判定する方法が異なる。以下に、アイドリングストップ機能が無効に設定されている、またはアイドリングストップ機能を有しない自動車の場合の処理と、アイドリングストップ機能が有効に設定されている自動車または電気自動車の処理の手順をそれぞれ説明する。なお、設定によって処理を選択しても良いし、アイドリングストップ機能が有効に設定されている自動車または電気自動車の場合の処理が優先的に選択されているようにしても良い。
【0037】
[アイドリングストップ機能が無効に設定されている、またはアイドリングストップ機能を有しない自動車]
図5は、アイドリングストップ機能が無効に設定されている、またはアイドリングストップ機能を有しない自動車に搭載される車載型電子機器によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【0038】
ステップB11、ステップB12、ステップB13は、先の説明と同様なので説明を省略する。
【0039】
カープラグ7が電力を取得していると判定した場合(ステップB13のYes)、運転判定部203は、加速度センサ122の検出値に基づいて、エンジンが始動されているかを判定する(ステップB24)。例えば、自動車が走行中であれば、上下方向、左右方向、進行方向等の加速度が検出される。また、エンジンが始動されていれば、自動車が止まっていても、エンジンに起因する振動による加速度が継続して検出される。
【0040】
エンジンが始動されていないと判定した場合(ステップB24のNo)、切替制御部205は、切替部142に電力供給源をバッテリ141に切り替えることを要求する。切替部142は、電力供給源をバッテリ141に切り替える(ステップB18)。電源生成部143は、バッテリ141から供給される電力を用いて駆動電源を生成する。切替制御部205は、カメラ本体3を待機状態にする(ステップB19)。
【0041】
エンジンが始動されていると判定した場合(ステップB24のYes)、切替制御部205は、切替部142に電力供給源をカープラグ7に切り替えることを要求する。切替部142は、電力供給源をカープラグ7に切り替える(ステップB15)。電源生成部143は、カープラグ7(自動車の給電部)から供給される電力を用いて駆動電源を生成する。そして、運転挙動記録処理部206は、自動車の運転挙動を記録する処理を行う(ステップB16)。
【0042】
[アイドリングストップ機能が有効に設定されている自動車、または電気自動車]
図6は、アイドリングストップ機能が有効に設定されている自動車、または電気自動車に搭載される車載型電子機器によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【0043】
ステップB11、ステップB12、ステップB21、ステップB22は、先の説明と同様なので説明を省略する。
【0044】
カープラグが電力を取得していると判定した場合(ステップB13のYes)、運転判定部203は、加速度センサの検出値に基づいて、自動車が走行中であるか否かを判定する(ステップB34A)。例えば、自動車が走行中であれば、上下方向、左右方向、進行方向等の加速度が検出される。走行中であると判定した場合(ステップB34AのYes)、切替制御部205は、切替部142に電力供給源をカープラグ7に切り替えることを要求する。切替部142は、電力供給源をカープラグ7に切り替える(ステップB15)。電源生成部143は、カープラグ7(自動車の給電部)から供給される電力を用いて駆動電源を生成する。そして、運転挙動記録処理部206は、自動車の運転挙動を記録する処理を行う(ステップB16)。
【0045】
走行中ではないと判定した場合(ステップB34AのNo)、運転判定部203は、走行中ではないと判定してから例えば3分の設定時間が経過したかを判定する(ステップB34B)。
【0046】
走行中ではないと判定してから設定時間が経過していないと判定した場合(ステップB34BのNo)、再度ステップB34Aからの処理に戻る
【0047】
走行中ではないと判定してから設定時間が経過した判定した場合(ステップB34BのYes)、切替制御部205は、切替部142に電力供給源をバッテリ141に切り替えることを要求する。切替部142は、電力供給源をバッテリ141に切り替える(ステップB18)。電源生成部143は、バッテリ141から供給される電力を用いて駆動電源を生成する。そして、切替制御部205は、カメラ本体3を待機状態にする(ステップB19)
【0048】
電力検出部151によってカープラグ7が第1電力を取得していることが検出され、運転判定部203によって自動車が運転されていないと判定された場合に、電源生成部143がバッテリ141から供給される電力を用いて駆動電源を生成することで、ドライブレコーダ1がアクセサリーソケットから常時給電が行われるような自動車に搭載されても、自動車のバッテリの残容量が少なくなることを抑制することが可能になる。
【0049】
なお、上記実施形態では、運転判定部203は、自動車が運転されているかを判定していたが、自動車のシステムが起動しているかを判定しても良い。自動車のシステムが起動されている場合、オーナー(ドライバー)が乗車している可能性が高い。また、自動車のシステムが起動されていれば、自動車が運転されている可能性が高い。電力検出部151によってカープラグ7が第1電力を取得していることが検出され、運転判定部203によって自動車のシステムが起動されていないと判定された場合に、電源生成部143がバッテリ141から供給される電力を用いて駆動電源を生成するようにしても良い。
【0050】
なお、本実施形態の処理は、コンピュータプログラムによって実現することができるので、このコンピュータプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を通じてこのコンピュータプログラムをコンピュータにインストールして実行するだけで、本実施形態と同様の効果を容易に実現することができる。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0052】
3…カメラ本体(電子機器)、7…カープラグ、7A…ソケット挿入検出部、101…カメラ、111…マイクロコントローラ、111A…CPU、111B…RAM、121…不揮発性メモリ、122…加速度センサ、123…GPSアンテナモジュール、124…移動体無線通信部、131…LED、132…スピーカ、133…カードスロット、141…バッテリ、142…切替部、143…電源生成部、151…電力検出部、200…ファームウェア、201…ソケット挿入判定部、202…電力取得判定部、203…運転判定部、204…通知処理部、205…切替制御部、206…運転挙動記録処理部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6