(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
最大であると思われる第1の範疇は、タンクを2つの区画へと分割するイオン交換膜を使用するシステムを備える。第1の区画は、
塩(以下においては、NaCl)で飽和された溶液中に浸漬されるグラファイト電極(陽極)を受容するものである。第2の区画は、概略的にチタンで作成された第2電極(陰極)を受容する。それは、2つの電極間の電気交換に資するのみである。それは、
塩水中にではなく、水中に浸漬される。各電極に対しては低電圧電流が送られることで、電気分解が実施される。この電気分解の間において、NaClは、2つの部分(HOCl及びOCl
-)へと分解されることで、気体状形態の次亜塩素酸(HOCl)を生成する。この気体は次に、ベンチュリ効果により吸引されると共に、該気体は、処理されるべき水と混合される。
【0004】
この作動原理は、幾つかの理由により非常に制限的である。
【0005】
第1に、電気分解の間に生成された気体を排出するためには、配管上にベンチュリ・システムを配備することが必要である。このシステムは管路の直径を減少することから、その流量を相当に減少する。
【0006】
第2に、貯水槽上または水泳プール上において、配管上にフランジが取付けられたとき、水の流量はもはや維持されず、結果として、濾過されるべき水はもはや正しく濾過されない。実際、ポンプ送給量及びフィルタ直径は、設備の設計の間において、水の厳密な体積及び流量に対して選択されていた。もし、これらのパラメータが変化したなら、濾過効率は低下する。
【0007】
第3に、この形態で製造された気体は、危険であることから、直ちに水中へと投入されねばならない。もし、水の流れが減少されもしくは殆どゼロであると共に、電気分解が行われ続けながらもシステムが安全装置を有さなければ、製造された気体は空気中へと拡散され、ユーザに対する相当な毒性の虞れを伴う。
【0008】
第4に、タンク内で陽極を陰極から分離する上記膜は、非常に脆弱である。それは、硬水に耐えない。このことが、一定の製造者が、0度のTHに設定された硬水軟化剤を上流にて使用することを推奨する理由である。他の製造者は、それらのシステム中に直接的に軟化剤を取入れている。この装置は、処理されるべき水の流量を制限する。他の製造者は、カルシウムイオンを捕捉する陰イオン性樹脂が充填されたカートリッジを推奨した。処理されるべき水の流量は、更に減少される。
【0009】
第5に、これらのシステムの殆どは、陽極に対してグラファイト電極を使用する。グラファイトは、非常に短い可使寿命(平均で6ヶ月)を有する。結果として、システムはその使用が制限される。これらの条件下において、それはもはや自動的ではない。
【0010】
第2の範疇は、貯水槽または水泳プールの水中に希釈された厳密な濃度のNaClから開始し、次亜塩素酸を生成する電気塩素処理システムに関する。これらのシステムは、再循環ポンプを使用する貯水槽、貯水池、または、水泳プールに限られると共に、水を直接的には処理し得ない。
【0011】
この作動原理は、以下の如くである。
処理されるべき水の中に
塩が直接的に投入されると共に、NaClの濃度は、各電極を構成するプレートの表面積と、各電極に対して送られる電流とに依存して、処理されるべき1リットルの水あたり、2〜7gで変化する。上記
塩を担持した水は、該水を殺菌する活性塩素のレベルを維持するに必要な量の次亜塩素酸ナトリウムを獲得するために、公知の電気化学反応により塩化ナトリウムが分解される如き条件下で、公知形式であるこれらの電極を通り過ぎる。故に、濾過サイクルの間において、殺菌剤は連続的に生成される。それは、細菌及び他の微生物に作用し、それらを破壊し、水を安全にする。
【0012】
他方、これらのシステムは、消費のための水を処理するためには使用され得ない、と言うのも、そのNaCl含有量が多すぎるからである。それらはまた、建築物、冷却塔などの産業環境、もしくは、地域共同体における冷水の回路、温水の回路、または、加熱回路の如き)種々の回路中の水を処理するためにも使用され得ない。高いNaCl濃度は、これらの設備の配管もしくは金属構成要素を速やかに腐食させる。
【0013】
この作動原理は、幾つかの理由により非常に制限的である。
【0014】
第1に、貯水槽における装入量が多い(100m
3の貯水槽に対し、約500kg)。この装入量は高コストであると共に、この技術を使用する専門家は、大量のNaClのパレットを貯蔵せねばならない。
【0015】
第2に、NaClは非常に腐食的な生成物であると共に、NaCl担持水は、該水の中に浸漬された要素を次第に痛ませる。コンクリートで内張りされた貯水槽に対しては、その内張り材が次第に破壊される。水泳プールにおいて、破壊されるのは縁部である。梯子の如き金属製部分も非常に速やかに劣化する。たとえば水泳プールに対する保護カバーに対し、モータのシャフトまたはプレートの如き該カバーの構成要素もまた劣化する。
【0016】
第3の範疇は、2つの別体的なタンクを使用するシステムに関する。第1のタンクは、その中で電気分解が実施されるNaCl飽和水により満たされ、次亜塩素酸を生成する。この次亜塩素酸は次に、貯蔵に資すべく閉じられてシールされた第2のタンク内へと圧送されて注入される。次に、第2のポンプが、強力な殺菌剤であるこの生成物を吸引し、処理されるべき水回路中へと注入する。
【0017】
この作動原理は使用することが容易でない、と言うのも、それは非常に技術的だからである。それは、熟練者による相当の管理を必要とする。それは、単にひとりに対して委ねられるべきでない。その設備、特にその計量ポンプが、技術的問題の根源である。
【0018】
第4の範疇は、処理されるべき水の管路に対して接続されたタンク内でのNaCl飽和水の電気分解を、次亜塩素酸を担持した水をベンチュリ効果により吸引することにより、または、処理されるべき水中への直接的な次亜塩素酸の自然脱気により、直接的に実施するシステムに関している。
【0019】
これらのシステムは、幾つかの問題を有している。
【0020】
第1に、処理されるべき水中へと直接的に脱気するシステムに対し、電気分解を実施するために使用される方法は、十分に高信頼性ではない。実際、それは双極性でない電極を使用する、と言うのも、各電極はグラファイトにより構成されるからである。グラファイトは、次亜塩素酸ナトリウムの製造に対しては低い効率を有する。この種のシステムの平均出力は、7g/時間程度であり、これは、それほど経済的で有用ではない。
【0021】
第2に、使用の間において、水中に存在するカルシウムは、一方の電極上で固化し、電気交換はもはや行われない。
【0022】
第3に、この構成において、膜により分離されていない各電極は、貯蔵タンク内の固体の
塩ペレットに直接的に接触する。更に、これらのペレットの幾つかは溶解しない、と言うのも、上記水はNaClで飽和しているからである。電気分解の間、固体
塩のペレットは、2つの電極間の短絡を促進する。結果として、各電極は速やかに破壊される。
【0023】
第4に、各電極が挿入されるタンクは、それほど実用的でない。各電極は長寸であると共に、頂上部分を貫通して挿入される。各電極を交換することが必要とされたとき、当該装置が設置された部屋が十分な高さでなければ、この場合に交換は不可能である。
【0024】
第5に、それらのシステムは次亜塩素酸の製造を停止するための安全装置を備えておらず、動作不良の場合、上記気体は圧縮され得ることから、爆発を引き起こすことがある。結論として、この種のシステムはユーザに対して危険であり得ると共に、それらの次亜塩素酸の製造の効率は低すぎる。
【0025】
本発明に関連する既存参考特許文献:欧州特許出願公開EP0686709号、欧州特許出願公開EP0909739号、国際特許出願公開WO2009/007691号、国際特許出願公開WO01/18279号、国際特許出願公開WO09/300460号、欧州特許出願公開EP1728768号、フランス特許出願公開FR2888837号、国際特許出願公開WO2006055361号、国際特許出願公開WO11/8279号、国際特許出願公開WO03055806号、国際特許出願公開WO03055806号、欧州特許出願公開EP0063420号、欧州特許出願公開EP0686709号、国際特許出願公開WO9951332号、国際特許出願公開WO2010/0111989号、国際特許出願公開WO2006/015071号、国際特許出願公開WO2007092172号、米国特許US4596648号、フランス特許出願公開FR2576325号、国際特許出願公開WO2004108613号、国際特許出願公開WO2005/009906号、国際特許出願公開WO2007092754号、国際特許出願公開WO03055806号
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明は、水処理のための次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸を生成すると共に、圧力下で処理されるべき水の配管に対して直接的に接続されるに適した装置であって、該装置は、
固体形態の
塩を格納すると共に、圧力下で処理されるべき水の配管により直接的に供給されるに適したシリンダであって、一個以上の電気分解室を形成する一本以上の筒状部材を備えるというシリンダと、
上記一個以上の電気分解室内に受容されると共に、電極を備える一個以上の電解セルとを備え、
上記シリンダの上記一本以上の筒状部材は穿孔されることで、上記一個以上の電解セルが上記シリンダに由来する上記固体
塩により短絡されることを回避しながら、該一個以上の電解セルが
塩飽和水と接触されることを許容する、装置を提案する。
【0027】
実施形態に依れば、上記
塩は、処理されるべき水中には存在しない。
【0028】
実施形態に依れば、上記一個以上の電解セルは、上記一個以上の電気分解室内へと螺着により受容されて、該一個以上の電気分解室内へと挿入される。
【0029】
実施形態によれば、上記装置は、
上記シリンダ上に、その殆ど全高にわたり、上記一個以上の電解セルを受容する一個以上の電気分解室の接続及びシールを許容する平坦部分と、
上側部分が、圧力下で処理されるべき水の上記配管から分解して取り外されることを許容する配管継手と、を備える。
【0030】
実施形態に依れば、上記装置は、
上記高さの全体にわたり、
概略的な支持体の役割を果たす底部と、
塩の格納物を含む中央部分であって、其処で、
塩飽和水から出発して次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸を生成する電気分解を実施することが意図されたという中央部分と、
上記シリンダの蓋体と、処理されるべき水の上記配管に対する上記継手とを備えることで、処理されるべき水の上記配管から上記上側部分が分解して取り外されることを許容する頂上部分と、
を含む3つの部分を備える。
【0031】
実施形態に依れば、定期的に開成されることで、生成された気体が離脱することを許容し、且つ、当該装置が停止したときには閉成されることから、上記シリンダ内に収容された水は殆ど、圧力下で処理されるべき水の上記配管内を循環する水と直接接触しないことが意図された電気弁を備える。
【0032】
実施形態に依れば、上記シリンダの上記一本以上の筒状部材は穿孔されることで、上記一個以上の電解セルを上記シリンダ内に格納された上記固体
塩と直接接触させることを回避しながら、上記一個以上の電解セルが
塩飽和水と接触されることを許容する。
【0033】
実施形態に依れば、上記一個以上の電解セルは、交互に切り替わる極性を有する。
【0034】
実施形態に依れば、上記一個以上の電解セルは、金属酸化物により覆われたチタン製の好適には2〜20枚である一枚以上のプレートで構成される。
【0035】
本発明は更に、
上述の次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸を生成する装置と、
圧力下で処理されるべき水の配管と、
上記配管と上記装置の上記シリンダとの継手と、
次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸の製造を制御する制御ユニットとを備える、
水処理システムを提案する。
【0036】
実施形態に依れば、上記システムは、上記継手の上流において上記配管上に位置され、上記配管中に水の流れが在るか否かを検出して上記制御ユニットにより上記装置を始動させまたは始動させない流れ検出器を備える。
【0037】
実施形態に依れば、上記システムは、上記配管中に、
上記流れ検出器の後であり且つ上記継手の上流にて、上記水の酸化力を分析することで、次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸の生成を許容しもしくは許容しないことにより、上記水の酸化力を調整する酸化還元電極もしくは電流測定電極と、
上記酸化還元電極もしくは電流測定電極の後において、処理されるべき水のpHを分析して調整することを可能とするpH電極とを備える。
【0038】
実施形態に依れば、上記システムは、上記装置の頂上部分において該装置の上記シリンダ上に位置されて過剰圧力を検出する圧力調節器であって、該過剰圧力において上記制御ユニットは次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸の製造の停止を制御するという圧力調節器と、
上記底部において、上記装置の保守を許容する排液コックとを備える。
【0039】
実施形態に依れば、上記配管は、上記装置に対する上記継手の下流にて、
上記配管内の水の循環を停止させて、空気を吸引し且つ上記配管をパージするに適した倒立ボール弁を備える。
【0040】
本発明は更に、
上述のシステムと、
サーバ上の中央データ記憶装置に対する、または、遠隔的トラブルシュータに対する遠隔的データ送信のためのシステムであって、搬送電流コネクタ送信器/受信器、GPRS送信器/受信器、WIFI送信器/受信器から成る群から選択された遠隔通信デバイスを備えるというシステムとを備える、
次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸を製造する装置からのデータを遠隔処理するためのユニットを提案する。
【0041】
本発明は更に、上述のシステムであって、その制御ユニットは、上記装置の動作及び動作不良の状態に関するデータを収集するユニットを備えるというシステムと、
上記制御ユニットの外部であると共に、搬送電流により上記データ収集ユニットと通信すべく設計された遠隔的データ送信のためのシステムであって、上記収集ユニットにより収集され且つ上記制御ユニットにより受信されたデータを遠隔送信するためのモデムを備えるというシステムと、
上記モデムを以て上記遠隔的データ送信のためのシステムにより送信されたデータを処理するソフトウェアとを備える、
次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸を製造するための装置からのデータを遠隔処理するためのユニットを提案する。
【0042】
本発明はまた、
上述の次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸を生成する装置を配備する段階と、
上述の水処理システムを形成すべく、圧力下で処理されるべき水の配管に対して上記装置を接続する段階と、
上記水処理システムを用いて次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸を生成する段階と、
上記次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸の生成物を用いて、処理されるべき水を殺菌する段階とを有する、
水を処理する方法も提案する。
【0043】
実施形態に依れば、上記圧力下で処理されるべき水の配管は水泳プール設備の送給管である。
【0044】
本発明は最後に、
上述の処理ユニットを用いて、次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸を製造する装置からのデータを遠隔処理する方法であって、
上記装置からデータを収集する上記ユニットにより該装置の動作及び動作不良の状態に関するデータを収集する段階と、
上記データ収集ユニットにより収集されたデータを、搬送電流を介して、上記遠隔的データ送信のためのシステムに対して通信する段階と、
上記遠隔的データ送信のためのシステムにより、そのモデムを介して、遠隔的にデータを送信する段階であって、該データは上記処理ソフトウェアにより処理されるという段階とを有する、
方法を提案する。
【0045】
実施形態に依れば、上記方法は、遠隔的に送信された上記データの処理後に、
上記装置の制御内容を、上記遠隔的データ送信のためのシステムに対して適合化させる命令を送信することにより、上記装置の制御内容を適合化させる段階を更に有する。
【0046】
本発明に係る装置は、関連して上記に明示された種々の特許文献の欠点及び欠陥を克服することを可能とする。特にそれは、それが、貯水槽、貯水池もしくは水泳プールに対する水の中に投入されるべき塩装入量を大幅に減少するという意味において、習用の各方法を改善する。実際、
塩担持水を使用するシステムに対し、フィルタ洗浄が実施されるとき、これらの洗浄に由来する水は自然環境へと放出されると共に、
塩が過剰装填されたこの水は、環境に対して悪影響を有する。本発明は、これらの設備の水から
塩を排除することにより、この問題も克服する。本発明は更に、地域共同体、建築物、産業における飲用水の処理、冷却塔及び水系統一般の処理のために、機能停止の原因であることが多い計量ポンプを排除する。本発明はまた、塩素及び塩素誘導体の如き、特にそれらが液体ならば危険であるという化学物質の輸送及び貯蔵を回避することも可能とする。
【0047】
殺菌は、水処理における重要な段階である。それは、水が不十分に処理されたならば生じ得る多くの病気の伝染を防止するという衛生目的を有する。低品質の水の摂取により、世界の何処かで1分毎にひとりの子供が死亡すると推定される。本発明は、容易に導入されると共に、世界の何処でも、低コストでこの問題を早急に解決し得る。
【0048】
上記装置は、地域共同体、建築物の飲用水の処理、化学工業、塗料及び石灰工業、食品工業、ガラス工業、製紙工業、製薬工業、繊維工業、合成工業、廃棄物処理工業などの工業一般における水処理、及び、冷却塔、農業、貯水槽、貯水池、水泳プール及び水系統一般の処理の如き、水処理に対して提案される。
【0049】
本発明の見地に依れば、以下のものが特に提案される:水の循環のための管路上に、それを処理する目的で、直接的に設置された、(強力な殺菌剤である)次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸を製造する装置。上記システムは、一個以上の電気分解室を備え、その中には一個以上の双極性電解セルが挿入される。これらの双極性電解セルは、堅固であるに十分な厚みの数枚のプレートであって、連続的な数層にてルテニウム及びイリジウムなどの金属の酸化物により覆われたチタンの如き特定の金属製であるというプレートを備える。これらの双極性電解セルを受容する上記電気分解室は、これらのセルが固体NaClと直接接触することを阻止してNaCl飽和水に対してのみ接触させるべく、習用の
塩ペレットよりも小さな直径を備えた孔を以て穿孔された筒状部材から成る。上記双極性電解セルを備える上記電気分解室は、内部に
塩が格納されるシリンダ内へと圧力下で挿入される。全体的な操作は、特定の制御ボックスにより制御される。このボックスは、水中の酸化剤の濃度、ならびに、水のpHの分析を許容する。それは、サーバ上の中央データ記憶装置に対し、または、遠隔的トラブルシュータに対し、データを遠隔的に送信するデバイスを備える。上記遠隔通信デバイスは、搬送電流コネクタ送信器/受信器、GPRS送信器/受信器、WIFI送信器/受信器から成る群から選択された遠隔通信ユニットを備える。
【0050】
本発明の見地に依れば、次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸を製造する装置であって、
塩の格納と、一個以上の双極性電解セルが螺入される一個以上の電気分解室の挿入とを許容するシリンダを備える装置が提案される。このシリンダは、地域共同体、建築物の飲用水の処理、化学工業、塗料及び石灰工業、食品工業、ガラス工業、製紙工業、製薬工業、繊維工業、合成工業、廃棄物処理工業などの工業一般における水処理、及び、冷却塔、農業、貯水槽、貯水池、水泳プール及び水系統一般の処理の如き処理のために、主要な水取入口上に設置される。それは好適には、水泳プール、貯水槽もしくは貯水池の場合に、送給ライン上に設置される。
【0051】
変更例において、次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸を製造する上記装置は、
上記シリンダ上に、その殆ど全高にわたり、上記一個以上の電解セルを受容する一個以上の電気分解室の接続及びシールを許容する平坦部分と、
処理されるべき配管の直径を有する接合部と、
上側部分が、処理されるべき水の上記配管から分解して取り外されることを許容する配管継手と、
を備える。
【0052】
変更例に依れば、次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸を製造する上記装置は、上記管路及び上記シリンダの上流にて、主要管路の上流に位置された流れ検出器であって、水の流れが在るか否かを検出することを可能にするという流れ検出器を備える。次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸を製造する上記装置は、該情報に依存して、停止され、または、停止されない。
【0053】
変更例に依れば、次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸を製造する上記装置は、
上記流れ検出器の後であり且つ上記管路と該装置との接合部の上流にて、上記水の酸化力を分析することを許容する酸化還元電極もしくは電流測定電極と;次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸を製造する当該装置は、その結果に依存して、停止され、または、停止されず、
処理されるべき水のpHを分析して調整することを可能とするpH電極と、
を備える。
【0054】
変更例に依れば、次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸を製造する上記デバイスは、制御ユニットにより操作される電気弁であって、定期的に開成されることで、生成された気体が離脱することを許容し、または、上記シリンダ内で過剰圧力が検出されたときに開成されるという電気弁を備える。この様にして、上記主要シリンダ内に収容された水は、管路内を循環する処理されるべき水に対し、殆ど全く直接接触しない。更に、タンク内に収容された
塩水は、延長された可使寿命を有する。
【0055】
変更例に依れば、次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸を製造する上記装置は、上記シリンダの頂上部分において、過剰な気体圧力を検出する圧力調節器を備える。該情報に依存し、制御ユニットは、次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸を製造する上記装置を制御し、それを停止させ、または、停止させない。
【0056】
変更例に依れば、次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸を製造する上記装置は、上記シリンダの高さの全体にわたり、一個以上の双極性電解セルが螺入される一個以上の電気分解室を挿入するための一個以上の開口を備え、
これらの双極性電解セルは、本発明において好適には2〜20枚である数枚のプレートで構成される。
【0057】
変更例に依れば、次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸を製造する上記装置は、上記双極性電解セルが挿入されることを許容するに十分な直径の管体により構成された、これらの電気分解室を備える。この管体は、固体形態のNaClがこの管体の内側に進入することを阻止するために、底部にて閉塞される。それは頂部にては開放されることから、上記双極性電解セルは螺入され得る。上記管体の全長にわたり、それは、
塩水とは接触しながら、双極性電解セルと固体形態のNaClとの間の一切の直接接触を回避するために、NaClペレットよりも小さな直径を備える孔を以て穿孔される。
【0058】
変更例に依れば、次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸を製造する上記装置は、上記シリンダの下側部分において、該装置の保守を許容する排液コックを備える。
【0059】
変更例に依れば、次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸を製造する上記装置は、
サーバ上の中央データ記憶装置に対する、または、遠隔的トラブルシュータに対する遠隔的データ送信のためのシステムであって、該遠隔通信システムは、
搬送電流コネクタ送信器/受信器、GPRS送信器/受信器、WIFI送信器/受信器から成る群から選択された遠隔通信デバイスと、
本発明はまた、次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸を製造する装置からのデータを遠隔処理するためのユニットも提案し、
上述の装置であって、その制御ユニットは、該装置の動作及び動作不良の状態に関するデータを収集するデバイスを備えるという上述の装置と、
上記装置の外部であると共に、搬送電流により上記データ収集ユニットと通信すべく設計された遠隔的データ送信のためのシステムであって、上記収集ユニットにより収集され且つ上記システムにより受信されたデータを遠隔送信するためのモデムを備えるというシステムと、
上記モデムを以て上記送信システムにより送信されたデータを処理するソフトウェアと、
を備えるという遠隔的データ送信のためのシステムを備える。
【0060】
本発明の別の見地に依れば、
上述の処理ユニットを用いて、次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸を製造する装置からのデータを遠隔処理する方法であって、
上記装置からデータを収集する上記ユニットにより該装置の動作及び動作不良の状態に関するデータを収集する段階と、
上記データ収集ユニットにより収集されたデータを、搬送電流を介して、上記システムに対して通信する段階と、
上記送信システムにより、そのモデムを介して、遠隔的にデータを送信する段階であって、該データは上記処理ソフトウェアにより処理されるという段階とを有する、
方法が更に提案される。
【0061】
実施形態に依れば、上記方法は更に、遠隔的に送信された上記データの処理後に、上記装置の制御内容を、上記遠隔的データ送信のためのシステムに対して適合化させる命令を送信することにより、上記制御内容を適合化させる段階を更に有する。
【0062】
本発明の別の見地に依れば、
上述のシステムであって、その制御ユニットは、上記装置の動作及び動作不良の状態に関するデータを収集するユニットを備えるというシステムと、
上記制御ユニットの外部であると共に、搬送電流により上記データ収集ユニットと通信すべく設計された遠隔的データ送信のためのシステムであって、上記収集ユニットにより収集され且つ上記装置により受信されたデータを遠隔送信するためのモデムを備えるというシステムと、
上記モデムを以て上記送信システムにより送信されたデータを処理するソフトウェアとを備える、
次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸を製造するための装置からのデータを遠隔処理するためのユニットも提案される。
【0063】
本発明の別の見地に依れば、
上述の処理ユニットを用いて、次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸を製造する装置からのデータを遠隔処理する方法であって、
上記装置からデータを収集する上記ユニットにより該装置の動作及び動作不良の状態に関するデータを収集する段階と、
上記データ収集ユニットにより収集されたデータを、搬送電流を介して、上記システムに対して通信する段階と、
上記送信システムにより、そのモデムを介して、遠隔的にデータを送信する段階であって、該データは上記処理ソフトウェアにより処理されるという段階とを有する、
方法が更に提案される。
【0064】
変更例に依れば、上記方法は、遠隔的に送信された上記データの処理後に、上記装置の制御内容を、上記遠隔的データ送信のためのシステムに対して適合化させる命令を送信することにより、上記装置の制御内容を適合化させる段階を更に有する。
【0065】
本発明の他の特徴及び利点は、単なる一例として与えられる本発明の実施形態の以下の詳細な説明を、図面を参照しながら読破することで明らかとなろう。
【発明を実施するための形態】
【0067】
圧力下で処理されるべき水の管路と、水処理システム一般とに対して直接接続されるに適した、次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸を製造する装置が提案される。上記水処理システムは、提案された上記装置と、圧力下の水の管路とを備える。上記システムはそのときに、圧力下の管路から上記装置への継手も備える。
【0068】
上記提案された装置は、0.5バール〜16バール(すなわち、50,000Pa〜1,600,000Pa)の間に包含され得る、送水配管の圧力に適している。本明細書において、上記圧力に在る水は、圧力下の水と記述され、本明細書において圧力は全て、海面における大気圧に対して記述される。配管中において処理されるべき水の圧力は特に、設備の形式に依存し得る。水泳プールの送給回路の水に対し、圧力は2バール〜4バールの間に包含され得ると共に、建築物における回路の飲用水に対し、圧力は2バール〜7バールの間にわたり得る。
【0069】
図1を参照すると、次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸を製造する装置40は、シリンダ16を備える。該シリンダ16は、好適な250mmの直径と好適な800mmの高さとを備える円形の断面を有し得る。これらの寸法は、網羅的ではない。概略的に、シリンダ16は、2つの固定平面に着床する軸心に対して平行に移動する直線により生成された任意の形状を有し得る。故に、シリンダ16の円形断面は、図示された如く、その殆ど全高にわたり平坦部分13を有すべく、截断される。
【0070】
上記装置は、シリンダ16内へと挿入される一本以上の筒状部材15を備える。故に、シリンダ40は、一本以上の筒状部材15を備える。本明細書の残りの部分において、“各筒状部材”という表現は、“一本以上の筒状部材”という表現の代わりに使用される。
【0071】
図示された実施形態に依れば、各筒状部材は好適には、90mmの直径及び210mmの長さを有すると共に、フランジを用いて、上記シリンダの平坦部分上に配置される。上述された平坦部分は好適に、シリンダ40に対する各筒状部材15のシール接続を促進し得る。
【0072】
上記シリンダの各筒状部材15は、一個以上の電気分解室(以下、各電気分解室)を形成する。故に、各筒状部材15は、上記シリンダの特定の体積であって、その中で次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸の電気分解の反応が行われ得るという体積を境界決定する。
【0073】
これらの反応を実施するために、上記提案された装置は更に、各電気分解室内に受容された一個以上の電解セル42(以下、各電解セル42)を備える。上記シリンダ及び各筒状部材の材料は、好適には透明であり、たとえば、透明なPVC、または、透明なポリカーボネートで作成され得る。故に、上記材料が透明であるという事実によれば、シリンダ16の内部、ならびに、化学反応が行われる各筒状部材の内部を視認することが可能とされる。
【0074】
上記提案された装置のシリンダ16は、
塩、特に固体形態の
塩を格納するシリンダである。上記
塩は、各電解セルにより引き起こされる次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸の電気分解の化学反応の反応物質に対応する。実際、上記反応は、各電解セルが電圧下であり且つそれらが
塩溶液中に浸漬されたときに行われる。
【0075】
シリンダ16が開かれたとき、その内部へと固体
塩が容易に投入され得る。該固体
塩は、2cmの直径を有する
塩ペレットの如き
塩ペレットの形態である。シリンダ16は、たとえば、約35kgの
塩装入量を収容し得る。斯かる
塩装入量によれば、
図1に示されたシリンダの全高が充填される。シリンダ16の内側に対するアクセスを促進するために、提案されたシリンダ16は、着脱自在な頂上部分を有し得る。故に図示実施形態に依れば上記シリンダは、(シリンダ16の参照により表される)シリンダの主要部分と、着脱自在な頂上部分9と、上記装置40全体を支持するために配備された底部19すなわち台座とである、3つの部分で構成される。頂上部分9は、約50mmの直径を備えた吐出口を備え、其処に、接続のための配管継手7を受容する同一直径のPVC製の圧力ホースが接続される。この継手7によれば、装置40全体を、処理されるべき水の一般的な配管から取り外すことが可能とされる。頂上部分9は、好適には特殊ネジ山12を介してシリンダ16上に固定されることから、それは着脱自在である。
【0076】
上記提案された装置において、各筒状部材は、特に固体形態の
塩を格納するシリンダ16の部分と、当該各筒状部材により形成されたチャンバ内に受容された各電解セルとの間の境界面を形成する。これらの筒状部材は穿孔されることで、
塩を格納するシリンダの部分に由来する
塩飽和水の循環を許容する。各孔は、
塩を格納するシリンダの部分と各チャンバとの間の境界面の10%〜80%に相当し得る。換言すると、各筒状部材の壁部は、その表面積の10%〜80%にわたり、孔により構成され得る。好適には、各筒状部材の壁部は、その表面積の50%〜70%にわたり孔により構成され得る。
【0077】
但し、固体形態の
塩は、各電解セルの電極に直接接触はしないことで、各セルの電極同士の間における短絡回路の形成の促進を回避することが好適である。更に詳細には、各チャンバを形成する筒状部材の各孔は、
塩の固体凝集体であって、各セルの電極同士間に接触して留まることでそれらを短絡させるに十分なほど大寸であるという凝集体が各電気分解室内へと通り抜けることを阻止する特定の形状を有する。故に、各筒状部材における孔の形状及びサイズは、提案された電解セルの関数として、特に、これらのセルの電極同士の間の距離の関数として選択され得る。たとえば、各孔は、各セルの電極同士の間の距離よりも小さい直径を備える丸形の孔であり得る。故に、上記シリンダに
塩ペレットが装入された後、各電極を短絡させ得るサイズの
塩ペレットは、各チャンバ内へと通過せずに、各筒状部材により阻止され得る。
【0078】
好適には、各筒状部材における孔は、各セルの電極同士の間の距離に関わらずに、チャンバ内への
塩ペレットの通過を阻止する形状を有し得る。その場合に各孔は、2cmの直径を有する
塩ペレットの如き、投入された
塩ペレットのサイズに適合化されることで、投入された
塩ペレットが各チャンバに進入しないこと、及び、該
塩ペレットが各セルの電極同士の間に留まらないことを確実とする。そのときに各孔は、2mm〜2cmの直径を有する丸形であり得る。穿孔された各筒状部材は格子としても作成され得、その網目は、上記シリンダ内へと投入された
塩ペレットが各電気分解室内へと通過することを阻止するに十分なサイズである。
【0079】
筒状部材15に対して採用された孔の形状に関わらず、これらの筒状部材15は一端にて閉塞されることで、それらの製造が促進され得る。図示実施形態において、各筒状部材の第2の端部は、接着剤結合もしくは溶着されたフランジに対応する。該フランジは特殊ネジ山12を備え得、該ネジ山に対しては、各電解セル17の内の一つの電解セルが螺着される。
【0080】
次に、
図1を参照し、上記提案された装置の動作が更に詳細に記述される。シリンダ16がその
塩装入物を収容すると共に、装置40全体が閉じられて上記システムに対して接続されたとき、水は、継手7による装置40の直接接続により、該装置40に進入し得る。処理されるべき水の配管に対する上記装置の直接接続は、シリンダ40に進入する水が送水配管の圧力に在ることを意味する。
【0081】
水回路は、各矢印により表される。シリンダ16内に収容された空気は、処理されるべき水の上記システムにおける概略的な水取入管1に対して取付けられた配管を介し、管体6の吐出口を介して離脱する。空気は水より軽量であることから、該空気は、概略的な配管を通る水の流れであって、流れの方向である吐出口6を通る水の流れに続いて、自然に排出される。故に、全ての空気がシリンダ16から離脱したとき、後者は完全に水で満たされる。
【0082】
シリンダ16が水で完全に満たされたとき、該シリンダ16は、処理されるべき水を取入れる配管または管路と同一圧力である。装置40は、圧力下で処理されるべき水の配管に対して直接的に接続されることが意図されると共に、そのときにシリンダ40は、該装置が接続される送水配管の圧力に耐えるに適している。
【0083】
圧力下に在る配管に対する直接接続に依り、シリンダ40から空気が完全に排出されたとき、管路1内の新たな水と、シリンダ16内の
塩水との間における交換は、相当に制限され、または、阻止さえされる。特に、シリンダ16内の水と上記配管内の水とは同一圧力であることから、上記シリンダから上記送水配管内への
塩水の移動は無い。そのときに、シリンダ40内の
塩装入物が送水配管内で希釈されることは無いので、上記装置の
塩消費は電気分解の反応に対して使用される
塩に限られる。換言すると、上記
塩は、処理されるべき水の中には無い。このことは特に、上述された第2の範疇における先行技術であって、電気分解の反応物質の役割を果たす
塩水の一定割合が、処理されるべき水中へと圧送して放出されるという先行技術の装置と比較して好適である。上記提案された装置は特に、消費のための水を処理するために使用され得る。
【0084】
管路1内の新鮮な水とシリンダ16内の
塩水との交換は相当に制限されることから、静水圧が考慮され得ると共に、シリンダ40と上記配管との間の接続は、図示された如く、該シリンダの頂上部分にて行われる。故に、上記シリンダは、処理されるべき水の配管に対する上記装置の接続を上記継手により提供するに適した上記頂上部分9を備え得る。
【0085】
上記頂上部分において上記配管に対して上記装置を接続する配置構成は、電気分解により生成された気体を、
図1における上昇矢印に従い上記シリンダから上記配管内へと排出することに更に寄与する。その場合、電気分解の気体状生成物の斯かる排出は、上記装置から上記配管に対して直接的である。その場合に、上記装置及びシステムは好適に、第3範疇において上述された先行技術とは対照的に、処理されるべき水中への気体の希釈のための中間タンクを必要としない。気体の斯かる直接的な排出によれば、提案された反応生成物の蓄積に伴う爆発及び毒性のリスクを減少することが可能とされる。水泳プール設備の処理の場合、電気分解により生成された気体は、水を送給する圧力下の配管、すなわち、上記提案された装置が直接的に接続され得る配管中に直接的に排出される。
【0086】
上述の利点に加え、上記提案された装置及びシステムによれば、イオン交換膜の使用に頼らずに、
塩の電気分解の生成物を用いて水処理を実施することが可能とされる。上述された如く、第1範疇における先行技術を記述するとき、斯かる膜は特に、軟化された水に対してのみ良好に機能するという不都合を有している。しかし、上記提案された装置及びシステムは、膜及び/または硬水軟化剤なしで、好適に作用する。更に、上記提案された装置は、圧力下で処理されるべき水の斯かる直接的な送給をサポートしない公知装置の膜とは対照的に、圧力下の配管に対する直接接続に適している。
【0087】
上記提案された装置によれば、当該設備の水が処理されるという設備に依存して、たとえば、圧力下における送水配管の水の送給が遮断された場合に、送水配管において可能的な圧力低下が生じ得る。故に、貯水槽、貯水池、水泳プール、または、産業における冷却塔などに対し、機関室は水レベルの上位であることが可能である。一方、処理されるべき水を循環させるポンプが停止したとき、シリンダ16内及び管路1内の水圧はもはや等しくない、と言うのも、上記管路内の圧力が低下するからである。この構成において、
塩(以下、NaCl)は主要管路6内へと拡散し得ると共に、シリンダ16内の
塩の保有量が漸進的に減少する虞れがある。故に、ユーザがシリンダ16に
塩を定期的に充填する必要がない様に、上記配管と上記シリンダとの間における水の一切の交換を選択的に阻止するデバイスが配備され得る。
【0088】
図1を参照すると、装置40は、吐出口において、且つ、上記配管に対する継手であって、此処では配管継手7により例証されるという継手の前において、電気弁8を備え得る。そのときに上記システムは、制御ユニットに関連付けられた流れ検出器すなわち流れスィッチ2を備え得る。この流れスィッチ2は、水の流れが在るか否かを検出する。そのときに、生成された気体は、処理されるべき水の配管内へと離脱し得る。もし、それが水の大きな流れを検出したなら、その情報は、
図4において参照番号80で示される制御ユニットであって、電気弁8が開くことの許可を与えるという制御ユニットに対して送信される。もし上記センサが水の小さな流れを検出したなら、その情報は、電気弁8が閉じることの許可を与える上記制御ユニットに対して送信される。この情報はまた、上記制御ユニットが、次亜塩素酸ナトリウムの生成を許可するか、または、各電極14に対する電圧を切断して上記シリンダ内で生成される気体の蓄積を回避することを許可することも、許容する。故に、上記流れスィッチが水の流れを検出しなければ、その都度、制御ユニット80は、次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸の生成を停止すると共に、電気弁8の閉成を許可することが好適である。
【0089】
不図示の代替実施形態に依れば、上記システムは、倒立ボール弁を備え得る。この弁はその場合、上記配管内の水の循環の停止時に空気を吸引して該配管をパージすべく配置される。換言すると、上記倒立ボール弁は、たとえば、処理されるべき水の配管に対して位置決めされた上記装置の下流にて、該配管中に載置される。故に、水の循環が停止したとき、上記配管は空気で満たされ、その水は完全排出される。上記空気の一定割合は、上記シリンダに進入し得ると共に、水の循環が停止されている期間の全体にわたり、
塩は上記シリンダから上記配管へと拡散し得ない。この実施形態は、装置40が、処理されるべき貯水池の水レベルの上方に載置されて、送給管の水が該送給管から完全排出されることを許容するときに、特に有用である。このことは、水泳プール設備の供給水を処理するために上記装置を使用するときに特に当てはまり得る。
【0090】
上記システムの好適実施形態に依れば、上記システムは、装置40の上流にて、たとえば、上記流れ検出器の後において、測定チャンバ内に設置されて、水の酸化力が決定されることを許容する酸化還元電極もしくは電流測定用基準電極3を備え得る。それは、mV単位で表される。2つの種類の電極が選択され得る:酸化還元電極、または、電流測定分析電極。
【0091】
実際、高品質と称される水の理想値は、450〜700mVである。此処で提案された装置において、酸化還元電極もしくは電流測定電極3により分析された値が、予め決定されて記録された基準スレッショルド値、すなわち450mVより低いなら、該電極は、制御ユニット80に対し、装置40の始動を許可すべきことを伝える。逆に、上記値が更に大きいなら、それは制御ユニット80に対し、装置40の動作を停止切換えすべきことを伝える。
【0092】
上記システムはまた、装置40の上流にて、たとえば、流れ検出器2の後、及び/または、酸化還元電極もしくは電流測定電極3の後において、測定チャンバ内に設置されて、水のpHが決定されることを許容するpH基準電極4も備え得る。pHは、7を中央として、0〜14の尺度で表される。7より高いとき、pHは塩基性と称される。7より低いとき、pHは酸性と称される。水に対する理想的なpHは、7、すなわち中性であると考えられる。
【0093】
この電極4は、該電極と水との間の電位差から、上記水のpHを測定する。それは、その結果と、予め決定されて記録されたスレッショルド値とに依存して制御ユニット80に情報を伝え、該ユニットは、水のpHを可及的に7に近くし、すなわち、中性とするために必要な生成物を投入するポンプを動作させる。すると水の品質は完全となり、殺菌作用が非常に有効となる。実際、pHが更に酸性であれば、次亜塩素酸の濃度は更に高く、pHを6に維持することは好適でない、と言うのも、それは設備に対して非常に腐食的だからである。故に理想は、pHを6.8〜7.10の間に維持することである。
【0095】
好適実施形態において制御ユニット80は、幾つかの判断基準に基づき、次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸の生成の停止、及び、電気弁8の閉成を許可し得る。
【0096】
第1の判断基準:酸化還元電極もしくは電流測定電極3が、所定の事前記録された値に到達したとき、制御ユニット80は、各電解セルの電極に対する電圧を切断することにより、且つ、電気弁7を閉じることにより、次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸の生成を停止する。故に、これによれば、処理されるべき水中に、常に同一の値の次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸を提供することが可能とされる。この値が実現され且つ上記電気弁が閉じられたとき、処理されるべき水と、上記貯留器における水との間にはもはや接触が無いことから、NaClの拡散は回避され得る。
【0097】
第2の判断基準:流れ検出器2が、管路1中の水の流れ、もしくは、流れなしを検出したとき、制御ユニット80は、次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸の製造を停止し、もしくは、停止せず、且つ、電気弁7を閉じ、もしくは、閉じない。
【0098】
第3の判断基準:貯水槽、貯水池、水泳プール、または、産業における冷却塔などに対し、制御ユニット80は、循環ポンプが始動または停止したときに、上記電気弁の開成または閉成を許可する。故に、貯水槽、貯水池、水泳プール、または、産業における冷却塔の循環及び濾過のためのシステムが停止される期間の全体にわたり、シリンダ16内に収容されたNaCl担持水はもはや、処理されるべき水5と直接接触せず、且つ、NaClは拡散しない。
【0099】
例:還元電位の値のスレッショルド値が500mVに設定され、且つ、測定された値も500mVであれば、制御ユニット80は、次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸の製造の停止と、電気弁7の閉成とを許可する。故に、次亜塩素酸塩はもはや生成されず、NaCl飽和水はもはや、処理されるべき水5と直接接触せず、且つ、NaClは拡散しない。
【0100】
第4の判断基準:同様に、上記流れ検出器が概略的な水回路1中の水の流れをもはや検出しないなら、酸化還元電位の測定分析値が、選択されたスレッショルド値より低く、たとえば420mVが表示されたという事実に関わらず、制御ユニット80は、次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸の製造の停止及び電気弁7の閉成を許可する。これらの条件下においては、再度、NaCl飽和水は、処理されるべき水5ともはや接触せず、且つ、NaClは拡散しない。
【0101】
次に、
図2を参照して、上記電気分解室の実施形態が更に詳細に記述される。各電気分解室41は、上記シリンダの平坦部分13の夫々の孔のレベルにて取付けられ得る。これらの孔は、たとえば、約90mmの直径を有する。これらの電気分解室の各々に対しては、電極24を備えた電解セルが螺入され得る。差込継手による挿入の如く、上記分解室内へと電解セルを挿入する他の方法が想起され得る。可変数の電極24を備えた電解セルを、シリンダ16の電気分解室41内へと挿入し得ることから、異なる流量の水を処理すること、及び、大量の次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸を生成することが可能とされる。これらの異なる量の次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸の製造は、以下の条件下で測定された:
【0102】
1.各電解セルは双極性42であり、且つ、
図3に依れば、7枚のプレート29、すなわち210mm長及び55mm幅の寸法を備えた7個の電極を備える。各双極性電解セルは、極性の変化を伴う電解セルに対応する。換言すると、各電解セルの電極24は、使用の間において、夫々が負となり、且つ、夫々が正となる。
【0103】
2.
塩装入量は35kgであり、且つ、分析は、この装入量が水中に装入され、且つ、装置(40)が電源投入された36時間後に実施された。
【0104】
3.各分析は、異なる割合の生成量を以て実施された。結果は、2つの表に従い、以下の如くである:
【0107】
故に、言及された用途の全てに対し、次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸の生成量は、概略的に十分であることが理解され得る。更に、
1.双極性電解セルを付加することにより、または、
2.双極性電解セルが収容するプレートもしくは電極の個数を増大することにより、または、
3.付加的な提案装置を直列に付加することによる、
という幾つかの手法により、この生成量を更に増大することが可能である。
【0108】
図3に示されたこれらの双極性電解セル42は、双極性電極29を構成する数枚のプレート29で構成されるが、その枚数は網羅的ではない。好適には、提案された装置において、双極性電解セルを構成するこれらのプレート29の全ては、構成に依存し、且つ、処理されるべき水の流量に依存し、且つ、生成される次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸の所望量に依存して、2枚〜20枚の枚数である。
【0109】
双極性電解セル42を構成するこれらの種々のプレート29の間には、連続的な低電圧の所定の直流であって、たとえば、約90分〜180分毎に定期的に反転されるという直流が循環し;実際、各双極性電解セル42を構成する夫々のプレート29は一旦は正となると共に、各双極性電解セル42を構成する夫々のプレート29は一旦は負となり、逆も同様である。この極性の変化の目的は、水中に存在するカルシウムによる各プレートの汚れを回避することである。
【0110】
上述された種々の既存システムにおいて、極性のこの反転は実施されない。故に、ユーザは、自身のシステムが適切に動作することを望むなら、略々毎週、定期的に各プレートを清浄化せねばならない。この場合、それはもはや自動的ではない。
【0111】
故に、上述された如く、上述の各方法の不都合の全てを排除するために、電解セル29(
図3)は双極性であることが好適である。
【0112】
例:もし双極性電解セル42が、
図3に示された如く7枚のプレート29で構成されるなら、4枚が正であり且つ3枚が負である。90分または180分の動作の後、電流は反転されると共に、上記4枚は負となり且つ上記3枚は正となる。極性の反転に対する時間は、水硬度THに依存して、90分〜180分で変化し得る。此処で提案された装置において、それは好適には90分であるが、この時間は、水硬度THが25°THよりも低ければ、増大され得る。実際、この構成においては、水は低い炭酸カルシウム含有量を有するので、極性の変更に対するこの時間を増大することが可能である。上記双極性電解セルの可使寿命は、更に増大される。
【0113】
故に、この極性の変更は、装置40の動作の全体にわたり、定期的に行われる。双極性電解セル42を構成するプレート29に対して電流反転を実施すると、本質的に、これらのプレート29の清浄化が許容される。実際、極性に依存すると共に、水硬度THに依存して、双極性電解セル42を構成するこれらのプレート29上には析出物が生成される。もし、極性の反転が無ければ、一定の動作時間の後、プレート29上には析出物が固定されると共に、双極性電解セル42を構成する各プレート29間の電流の交換が阻止され得、且つ、
塩水の電気分解はもはや行われない。各プレート29に対する極性を定期的に反転させることにより、析出物は剥離される。故に、各プレート29は常に清浄であると共に、電流の交換は持続的であることから、定常的な生成が在る。同様に、ユーザがそれらを保守する必要がない、という利点も在る。
【0114】
更に、極性の変更は、制御ユニット80により記録され得る。制御ユニット80による、この極性の記録は特に有用である。実際、もし装置40が停止される一方、極性の変更に対する時間が経過しなければ、この残存時間が記録される。装置40が再始動したとき、制御ユニット80はカウントダウンを再開する。
【0115】
例:極性の変更は90分に固定される。カウントダウンは、以下の如く行われる。
【0116】
制御ユニット80のディスプレイは、双極性電解セル42を構成する右側のプレート29に関し、または、双極性電解セル42を構成する左側のプレート28に関し、極性の位置を示す。極性の変更は、記録かつ表示される。各極性に関する時間は、90分である。ディスプレイは、90 60を示す。最初の2桁は、分数90を示し、最後の2桁は、60秒である秒数60を示す。秒数は、ゼロまでカウントダウンされる。秒数がゼロに在るとき、分数のカウントダウンは89へと移り、90分間にわたり、以下同様である。例:90 60は次に90 59となり、次に90 58、次に90 57、次に90 56などとなり、且つ、90 00は、89 60となり、次に89 59、次に89 58、次に89 57などとなり、00 00まで減少する。
【0117】
ディスプレイ上でカウントダウンが58 47であるときに上記装置が停止するなら、装置40が再始動したとき、制御ユニット80のディスプレイは再び58 47であり、58 46、58 45、58 44などとカウントダウンし、58 00に至り、57 60へと移り、以下同様であり、00 00まで減少する。故に、双極性電解セル42を構成する各プレート28、29の可使寿命は、等しい可使寿命を有する。
【0118】
上記提案された装置は、極性変更機能に関する別の有用な利点を有し得る。双極性電解セル42を構成するプレート29の可使寿命を増進するために、装置80は、極性の変更の間において、双極性電解セル42を構成する各プレート28、29の極性化解消(depolarization)を実施する。もし電流が、一つの極性から他の極性へと急激に振れたなら、金属製であるプレート28及び29は、一定の時間長にわたり電気的に荷電されたままである。
【0119】
もし極性の変更が一つの極性から別の極性へと急激に振れたなら、各プレート28、29上では小さな短絡回路が生成される。これらの小さな短絡回路は、それらを構成する金属もしくはグラファイトを次第に劣化させ得る。この問題を回避するために、制御ユニット80により制御される好適には5分間を要する極性化解消と称される処置が提案される。
【0120】
例:もし、双極性電解セル42を構成する各プレート29に対して送られる電圧が3ボルトであり且つ電流が7アンペアであるなら、極性化解消の間において、各プレート29に対しては、約1.5秒かけて、電圧は0ボルトへともたらされ且つ電流は0アンペアへともたらされる。次に、好適には5分間である特定期間にわたり、プレート29は水中へと徐々に電気的に放電する。この期間が経過したとき、極性の変更が行われ得、今度は、各プレート28が次第に給電される。電圧及び電流強度は、夫々、先に定義された値まで漸進的に上昇する。故に、双極性電解セル42を構成する各プレート28、29の集合体の可使寿命は、相当に増大される。次に、極性化解消操作は、制御ユニット80の観点から記述される。
【0121】
極性の変更に対するカウントダウンの終了時に、左右の極性の表示は00 00を示し、制御ユニット80の塩素の生成量の表示も同様である。各双極性電解セルは、水中へと徐々に電気的に放電する。これが、極性化解消である。
【0122】
この操作によれば、各プレート28、29間の微小なまたは小さな短絡回路を回避することが可能とされる。故に、それらの可使寿命は延長される。この段階は好適には5分間を要し、且つ、各表示は00 00を示すと共に00 00から04 59へとインクリメントされる。
【0123】
この5分間の終了時に、次の極性インディケータは再び90 60を示し、且つ、極性のカウントダウンが再び開始される。
【0124】
極性の変更は、自動的に、且つ、好適には90分毎に行われる。
【0125】
各プレート28、29の可使寿命は、300アンペア/m
2の最大電流密度により、9,000〜10,000時間の動作であると見積もられる。90分毎の極性の変更により、且つ、この極性化解消の原理により、同一の条件下で、11,500時間を超える結果、すなわち、15%の増進が得られた。故に、これは相当な利点である。
【0126】
これらの各プレート28、29に対する極性の変更と、効率の増進とを許容するために、それらは好適には、特定の特性を備えた被覆を有する。
【0127】
電解セル(42)を構成するこれらのプレート28、29は好適には、金属製であり、特に、金属酸化物の被覆で覆われたチタン製である。該金属酸化物の被覆は、たとえば、45〜55%の酸化チタン、25〜30%の酸化ルテニウム、及び、20〜20%のイリジウムから成る。斯かる構成を実現するために、10〜15μの数層が、チタン系基材上に析出され得る。次に、その集合体の温度が、加熱炉を用いて上昇され(450°〜1,200°)、それを均質な基材へともたらし得る。
【0128】
更に好適には、電解セル42を構成する各プレート28、29の寸法は、50〜210mm長、及び、15〜65mm幅である。それらは好適には、2または4mmの規則的な間隔で離間される。そのときに、上記チャンバを生成する筒状部材における孔の最大寸法は、4mm未満、または、2mm未満とさえされ、たとえば、1/10ミリメートル未満である。
【0129】
更に好適には、各電極の可使寿命及びそれらの効率の更なる増進のために、電気分解は、双極性電解セル42を構成するプレート28、29上において、非常に低い電圧と、(0.20V〜8Vの電圧による1アンペア〜18アンペアという)可変電流を以て、シリンダ16内で実施される。
【0130】
例:制御ユニット80は、次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸の製造が選択されたか否かに依存して、電圧及び可変電流を送ることを可能とする。この製造は、以下の表においては%単位の生成量として表現される。シリンダ16におけるNaClの装入量は、約35kgである。双極性電解セル42を構成するプレート28、29間に送られる電圧及び電流は、以下の通りである:
【0132】
強度に対する電圧のこの比率は、双極性電解セル42の電極を構成するプレート28、29の時間単位の更に長い可使寿命であって、上述の11,500時間の代わりに、15,400時間程度の、すなわち、34%増進された可使寿命を与える。
【0133】
実際、上記の各段落においては、双極性電解セル42を構成する各プレート29の平均可使寿命は9,000〜10,000時間の動作であること、及び、この可使寿命は上記極性化解消原理に依り11,500時間まで増大されることが述べられた。
【0134】
この可使寿命は、双極性電解セル42を構成するプレート29に対して送られる電流、すなわち、次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸の最適な製造に対する最大で300アンペア/m
2の電流を伴う。上記提案された装置の実施形態に依れば、平均動作は12アンペアである。双極性電解セル42の表面積は、6cm×20cm=120cm
2に対して(たとえば7枚のプレートなどの)プレートの枚数を乗算すると、すなわち合計で840cm
2である。故に、300アンペア/m
2の最大電流密度による10,000時間の可使寿命を実現するために、双極性電解セル42は、この840cm
2の表面積の関数として、25.2アンペアまでを受け得る。最大動作は15アンペアであり得、すなわち、効率的な可使寿命の増進の更なる向上であり得る。
【0135】
故に、好適実施形態に対し、本発明者等の双極性電解セル42の可使寿命に関する増進は、先に示された11,500時間の代わりに、15,400時間の動作を超過する。双極性電解セル42を構成するプレート28、29に関する極性化解消の原理、及び、制御された電流密度によれば、増進は付加的な5,400時間である。技術的及び商業的な観点から、これは明らかな利点である、と言うのも、本発明者等の電解セル42は、提案された装置40の重要な要素だからである。
【0136】
上記装置は、頂上部分9上に固定されて上記シリンダ内の過剰圧力の検出を可能とするマノメータ10及び圧力調節器11を更に備え得る。上記情報に依存し、次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸を製造する装置40は、制御ユニット80により停止され、または、停止されない。
【0137】
マノメータ10は、たとえば、0〜12バールに目盛り付けされる。それによれば、装置40の良好なもしくは不十分な動作を確認することが可能とされる。実際、シリンダ16内の圧力が上昇したなら、このことは異常性と同義である。圧力調節器11は、それがこの過剰圧力に反応する様に較正される。この圧力が所定値を超過したとき、圧力調節器11は、制御ユニット80を介して、装置40の動作を停止させる。それはまた、可聴アラームをトリガし、且つ/又は、装置40の動作を停止させ得る。圧力調節器11は流れスィッチ2の冗長性を許容し、このことは、流量センサ2の動作不良の場合に有用である。
【0138】
上記システムは、その底部に排液コック18を備え得る。これにより、シリンダ16に
塩を充填する間、または、保守の間に、上記装置全体の排液が許容される。
【0139】
装置40全体が、上記システムの制御ユニット80により制御される。その前面上には、上記装置の動作に関する情報をユーザに対して伝える液晶画面82すなわち液晶ディスプレイ(LCD)が配備され得る。それは、水温の測定値、pHレベル、酸化/還元の程度、種々のスレッショルド値の設定値、自動運転もしくは強制運転、上記装置の動作時間、次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸の製造量の割合、ならびに、種々の診断に関する情報を与える。
【0140】
故に、ユーザは、上記装置が正しく動作しているか否かを、正確に認識する。
【0141】
流れスィッチ2、分析電極4及び3の動作、電気弁8の動作、及び、次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸を製造する双極性電解セル17の如き、装置40の要素もしくはユニットの全てであって、それらの監視が重要であり得ると共に、それらは
図1に示されるという要素もしくはユニットの全ては、制御下に在る。
【0142】
故に、各部材に対して幾つかの診断内容が決定され得る:
機械的部分:流れスィッチ2、電気弁7、及び、圧力調節器11に関しては、これらの構成要素の各々の供給電流及び/または電圧のセンサを用いて、種々の動作不良が決定され得る。その場合、以下の動作不良を決定することが可能である:
DCB 01:流れスィッチ2の供給電流がその動作範囲内に在るが、制御ユニット80の各センサにより該電流が測定されない場合における、流れスィッチ2に対する供給電流なし、すなわち、電流の測定値なし;
DEL 02:電気弁7の供給電流がその動作範囲内に在るが、制御ユニット80の各センサにより該電流が測定されない場合における、電気弁7に対する供給なし、すなわち、電流の測定値なし;
DCP 03:圧力センサすなわち圧力調節器11の値が異常である。測定された圧力が、制御ユニット80のメモリ内に予め記録された較正済みの値のスレッショルド値より高い。
【0143】
分析部分に関し、種々の動作不良が決定され得る:
DRX 04:酸化還元電極もしくは電流測定電極3の較正が、もはや行われ得ない。酸化還元電極もしくは電流測定電極3は、おそらく制御ユニット80に対して接続されていないか、それは不良であるか古すぎる。
DRX 05:酸化還元表示が持続的に変動する。酸化還元電極もしくは電流測定電極3が不良であるか、水回路1内に空気が存在する。
DRX 06:表示された値が、極限値(000及び900mV)において20分を超えて動かないままであり、その場合、それらは記録された値の限界を超えている。酸化還元電極もしくは電流測定電極3が不良であるか、もしくは、制御ユニット80に対して接続されておらず、あるいは、制御ユニット80において、IC上もしくはBNCプラグに対する接続が不適切に半田付けされている。
DRX 07:分析された各値が、記録された各値の限界値を超過している。酸化還元電極もしくは電流測定電極3が不良であるか、または、制御ユニット80のメモリ内に不正確な情報が記録されている。表示された各値は、異常であり、且つ、制御ユニット80のメモリ内に記録された基準値に対応していない。過電圧または微小な短絡回路の問題である。
DRX 08:記憶されたスレッショルド値が不可能である。制御ユニット80における接続の問題、または、過電圧もしくは微小な短絡回路の問題である。
DPH 09:pH電極4の較正ができない。pH電極4が古すぎて、もはやその較正され得ないか、該pH電極4がおそらく制御ユニット80に対して接続されていないか、または、それは不良である。
DPH 10:表示されたpHが持続的に変動する。pH電極4が不良であるか、水回路1内に空気が存在する。
DPH 11:表示された値が、極限値(0.57及び10.75)において20分を超えて動かない。pH電極4が不良であるか、もしくは、制御ユニット80に対して接続されておらず、あるいは、制御ユニット80において、IC上もしくはBNCプラグに対する接続が不適切に半田付けされている。
DPH 12:分析された各値が、記録された各値の限界値を超過している。pH電極4が不良であるか、または、制御ユニット80のメモリ内に不正確な情報が記録されている。表示された各値は、異常であり、且つ、制御ユニット80のメモリ内に記録された基準値に対応していない(該電極は、過電圧または微小な短絡回路の問題を以て、接続されていることがある)。
DPH 13:記憶されたスレッショルド値が不可能である。制御ユニット80における接続の問題、または、過電圧もしくは微小な短絡回路の問題である。
【0144】
次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸の生成に対する部材に関しては、種々の動作不良が決定され得る:
DPE 14:双極性電解セル42の接続が良好でないか、または、双極性電解セル42は、接続解除され、不適切に接続され、または、酸化されている。双極性電解セル42は、それらの所定の可使寿命を超過している。
DPE 15:上記装置の15,000時間の動作の後で、この診断内容が出現する。それは、双極性電解セル42が点検され、または、交換されるべきことを表している。
【0145】
これらの情報の全て、及び、付随する診断内容の全ては、ループ式に30日にわたり記録して保存され得る。
図4を参照すると、各要素もしくは各構成要素の内の一つが故障したとき、その情報は、LCD画面82上でユーザに対して表示され得る。LCD画面82の近傍には種々のLEDが配備されることで、上記システムの種々の動作もしくは動作不良が表示され得る。診断内容の表示の解消は、システム84の前面に載置されたボタンの適切な介在により、且つ、表示された問題が解決されたならば、行うことが可能である。
【0146】
制御ユニット80は、情報の遠隔送信のためのシステム88を備え得る。情報は、保守部門へと、情報の遠隔送信のためのシステム88に給電する電気システムを介して搬送電流により、または、情報の遠隔送信のためのシステム88に一体化されたモデムにより且つ電話システムを介して、送信され得る。情報の遠隔送信のためのシステム88は、単純に電気ソケットを介して、その適切な動作を確認することが遠隔的に照会され得る。故に、生成量の割合、電気消費量、動作の時間数、ならびに、診断メッセージ、または、異常な期間に対する上記装置の種々のシステムの動作の如き、任意の種類の情報が集中化方式で収集され得る。該情報は、サーバ上の中央データ記憶装置に対し、または、遠隔的トラブルシュータ(remote troubleshooter)に対して送信され得る。遠隔的に保存された情報は、その後、問題解決操作を実現するために使用され得る。故にユーザは、装置40に対する介入が必要であることを電話により警告され得、且つ/又は、ユーザには装置の専門技術者のアドレスが与えられ得る。
【0147】
故に、情報の遠隔送信のためのシステム88は、送信用及び収集用の搬送電流の夫々のソケットを備え得る。情報の遠隔送信のためのシステム88はまた、GPRS(汎用パケット無線サービス)システム、すなわち、情報の収集器及び送信器も備え得る。情報を送信するために、WIFI(ワイヤレス・フィデリティ)接続の使用を想起することも可能である。情報は、代替的に、コンピュータに対する、または、取外し可能なデータ記憶媒体に対する接続のための汎用シリアルバス(USB)ポートを用いて、情報の遠隔送信のためのシステム88から手動で回収され得る。
【0148】
情報の遠隔送信のためのシステム88のレベルにおいて、情報は、たとえば10秒毎に装置40の種々のユニットに対して照会を行う“データ収集”カードを以て、制御ユニット80により収集され得る。該“データ収集”カードは、データ収集構成要素である。正しく受信された情報またはデータは、情報の遠隔送信のためのシステム88に対して即時に伝達される。
【0149】
実施形態に依れば、情報の遠隔送信のためのシステム88は、装置80のユーザの構内の電話ソケットに可及的に接近して載置されるべく、外部的であり得る。情報の遠隔送信のためのシステム88は、制御ユニット80に一体化された“データ収集”カードからの情報を受信するシステムとなる。斯かる実施形態において、制御ユニット80と受信システム88との間で収集されたデータの通信は、ユーザの家屋内システム(たとえば、220Vシステム)上の搬送電流により行われ得る。データ・フレームは、受信システム88による受信の日付及び時刻と共に保存される。受信システム88は、LCDタッチスクリーンと、モデムを一体化するための手段とで構成され得る。
【0150】
上記受信システムは、その一体化モデムを介して装置40のユーザの電話線に対して接続されることから、動作の履歴が、すなわち、“データ収集”カードにより収集され且つ受信システム88により受信されたデータが、遠隔的トラブルシュータに対し、または、上記システムの製造者に対して送信されることを許容し得る。動作の履歴のこの送信は、たとえば、3日間などの長期にわたる動作不良の間において、自動的に実施され得る。好適には、情報の送信は、動作不良の場合に行われ得る。故に、動作不良の間において、遠隔的トラブルシュータは、受信システム88により保存されたデータの全てを回収する。この様に受信されたデータを処理するためのソフトウェアが提供されることで、たとえば、そのデータの記録保管、その印刷、または、チャートの調製などが許容され得る。
【0151】
好適実施形態に依れば、受信システム88は装置40の制御ユニット80と通信することで、検出された動作不良に対する制御内容を適合化する。上記装置の制御内容の適合化は、たとえば、生成量の割合の変更、強制運転もしくは自動運転、所望のスレッショルド値の変更を備え得る。斯かる実施形態に依れば、動作不良の間、受信システム88は、自身が保存したデータを遠隔的トラブルシュータに対して送信すると共に、それに対して予約(日付及び時刻)を受信し、この予約日時において受信システム88は再び、遠隔的トラブルシュータを呼び出し、装置(40)の制御内容を適合化して問題を抑制するための指令を獲得せねばならない。
【0152】
動作不良の検出の後、有用な修正がトラブルシュータにより遠隔的に実施され得なければ、装置40に対する直接的な介入が想起され得る。故にユーザは、装置40に対する介入が必要であることを電話により警告され得るか、または、装置40の専門技術者のアドレスが与えられ得る。
【0153】
上記“データ収集”カード、情報の送信のためのシステム88、受信システム88、及び、遠隔的トラブルシュータ・ソフトウェアは、装置40の情報を遠隔処理するためのユニットを構成し得る。情報を遠隔処理するこのユニットによれば、販売後の介入を実施するための介入時間を短縮すること、または、現場技術者を送る前に、如何なる種類の障害が解決されるべきかを知ることが可能とされる。これによれば、特に、不具合に対する部品と、検出された誤りの種類に対する準備の可能性とを以て、技術者が介入現場へと出発することを確実とすることにより、保守コストの節減が許容される。装置40のデータの遠隔処理のための上記ユニットはまた好適に、装置40が障害的でなく、ユーザがそれを正しく使用していないときに、技術者の派遣を回避することも可能とする。実際、斯かる不要な旅程の場合は、技術者の介入旅程の60%までに相当し得る。提案された上記ユニットによれば、可能的な将来の障害に先立つ決定が更に許容される。故に、装置40の問題の発生が切迫していることをユーザが知らないとしても、可能的な障害を予見して介入することが可能である。提案された上記ユニットは更に、介入の速度の向上を許容し、このことは特に、装置40の重要な構成要素に関する問題を解決するために有用である。
【0154】
図4は、制御ユニット80に対する装置40の結線に対する一つの可能性を示している。故に、制御ユニット80は、装置40の種々の要素もしくはユニットに対して接続されることで、情報がユーザに対してLCD画面82上に集中されることを許容するか、または、データ送信装置を介して、遠隔監視下にて保守センターに装置40の操作を許容する。
【0155】
装置40は、強制運転及び自動運転を行い得る。
【0156】
図4を参照すると、制御ユニット80は、たとえば、強制運転もしくは自動運転を選択するためのボタン、各スレッショルド値を設定するためのボタン、生成量の割合を設定するためのボタン、及び、酸化還元電極もしくは電流測定電極及びpH電極の較正を実施するためのボタンを有する、ユーザ・インタフェース84を備え得る。該ユーザ・インタフェース84はまた、たとえば、制御ユニット80を介して、電気弁7、及び/または、次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸の生成量を制御することも可能とし得る。
【0157】
ユーザ・インタフェース84はまた、たとえば制御ユニット80を介して、酸化還元電位すなわち電流測定電位3の分析及び/または次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸の生成量に基づく制御も許容し得る。
【0158】
ユーザ・インタフェース84は更に、装置40の動作状況に関し、次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸の生成量、すなわち、分析されたpH値、すなわち、分析された酸化還元値に関し、または、経時的に制御ユニット80により記録された装置40の動作時間に関し、ユーザが順次的に情報を獲得することを許容し得る。
【0159】
強制運転の間、制御ユニット80は、測定された酸化還元値86が達成されたときにのみ、装置40の停止を制御する。強制運転位置は、貯水槽、貯水池または水泳プールの場合において非常に有用である。
【0160】
自動運転の間、制御ユニット80は、次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸の生成量を最適化する。
【0161】
制御ユニット80は、流れ検出器2がもはや水の流れを検出しない場合に、双極性電解セル42への低電圧の直流の供給を切断することにより、装置40の停止を制御し得る。
【0162】
制御ユニット80は、該制御ユニット80が、たとえば、水泳プール、貯水槽、貯水池または冷却塔の水回路におけるポンプの制御ボックスなどの外部要素の制御下に在る場合に、双極性電解セル42への低電圧の直流の供給を切断することにより、且つ、上記電気弁を閉じることにより、装置40の停止を制御し得る。
【0163】
制御ユニット80は、酸化還元もしくは電流測定の電位86の分析の結果が、事前記録されたスレッショルド値を超過した場合に、双極性電解セル42への低電圧の直流の供給を切断することにより、装置40の停止を制御し得る。
【0164】
制御ユニット80は、上記圧力センサが装置40のシリンダ16内の異常圧力を検出した場合に、電気弁7の開成を制御し得る。
【0165】
制御ユニット80は、上記圧力センサが装置40の上記シリンダ内の異常圧力を検出した場合に、双極性電解セル42への低電圧の直流の供給を切断することにより、装置40の停止を制御し得る。
【0166】
制御ユニット80は、最小限の持続時間に対し、装置40の動作を制御し得る。故に、生成のための装置40の動作の開始の直後に、各条件がもはや好適でなければ、制御ユニット80は、たとえば3分間などの持続時間にわたり、動作を制御する。これにより、時間的に相互に接近しすぎる装置40の一連の開始及び停止を回避することが可能となる。同様に、装置40の停止が制御ユニット80により制御されたとき、停止のための指令は、たとえば3分間などの最小限の時間にわたり維持され得る。
【0167】
例:装置40が自動モードであり、且つ、分析された酸化還元値が500mVの如き設定値に近すぎ、且つ、分析結果が501と499との間、502と499との間などで変動するなら、上記制御ユニットは、新たな指令を発行するために、分析結果が安定化する3分間の最小値だけ待機する。
【0168】
装置40は、情報の遠隔送信のためのシステム88を備え得る。装置40はまた、以下の如き該装置40からの全てのデータを記憶するシステムも備え得る:
生成量の割合;
水pHの分析値;
水の酸化還元電位の分析値;
圧力調節器の圧力値;
選択された各スレッショルド値;
一個以上の双極性電解セルの変化を判断するための、上記装置の動作時間;
一個以上の双極性電解セルの極性の変更;
夫々の電力切断の発生;
自動運転もしくは強制運転;
診断のトリガ;たとえば、15通りの診断値が可能である。
【0169】
この情報は、30日間にわたり少なくとも毎日3回、ループ式に記録され得る。但し、電力切断の発生または診断のトリガに関する情報は、保存することが好適であり得る。