特許第6235523号(P6235523)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 矢崎総業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6235523-接点接続構造 図000002
  • 特許6235523-接点接続構造 図000003
  • 特許6235523-接点接続構造 図000004
  • 特許6235523-接点接続構造 図000005
  • 特許6235523-接点接続構造 図000006
  • 特許6235523-接点接続構造 図000007
  • 特許6235523-接点接続構造 図000008
  • 特許6235523-接点接続構造 図000009
  • 特許6235523-接点接続構造 図000010
  • 特許6235523-接点接続構造 図000011
  • 特許6235523-接点接続構造 図000012
  • 特許6235523-接点接続構造 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6235523
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】接点接続構造
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/04 20060101AFI20171113BHJP
【FI】
   H01R13/04 E
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-83260(P2015-83260)
(22)【出願日】2015年4月15日
(65)【公開番号】特開2015-216111(P2015-216111A)
(43)【公開日】2015年12月3日
【審査請求日】2016年8月10日
(31)【優先権主張番号】特願2014-91642(P2014-91642)
(32)【優先日】2014年4月25日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】松尾 孝裕
(72)【発明者】
【氏名】近藤 貴哉
【審査官】 楠永 吉孝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−101915(JP,A)
【文献】 特開2007−258156(JP,A)
【文献】 実開平05−092971(JP,U)
【文献】 国際公開第2014/034460(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/02〜13/35
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インデント部が突設され、表面にメッキ層が形成された第1接点部と、表面にメッキ層が形成された第2接点部とを有し、前記第1接点部の前記インデント部が前記第2接点部の接触面上を摺動し、端子挿入完了位置では、前記インデント部が前記第2接点部に接触する接点接続構造であって、
前記第2接点部の接触面には、酸化膜削取部が設けられ
前記インデント部は、球面状に突設され、
前記酸化膜削取部は、前記インデント部の円周部に沿って湾曲された円弧部を有することを特徴とする接点接続構造。
【請求項2】
請求項1記載の接点接続構造であって、
前記酸化膜削取部は、突形状からなり先端部が鋭角に形成されていることを特徴とする接点接続構造。
【請求項3】
請求項1又は2記載の接点接続構造であって、
前記酸化膜削取部は、前記インデント部の挿入方向に沿って延びて間隔をおいて複数設けられた突部を有することを特徴とする接点接続構造。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の接点接続構造であって、
前記酸化膜削取部は、前記第2接点部の接触面に前記インデント部の挿入方向に沿って延びて間隔をおいて複数設けられた溝部の隣り合う前記溝部間に位置する角部を有することを特徴とする接点接続構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子の接点接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から種々提案されている端子は、特許文献1や、図9〜12に示すようなメス端子100とオス端子200が提案されている。
【0003】
図9,10に示すように、メス端子100は、四角形状の箱部101と、この箱部101に設けられ、箱部101内に配置された弾性撓み部102とを有している。
【0004】
弾性撓み部102には、底面側に向かって突出するインデント部103が設けられている。
【0005】
インデント部103は、外周面がほぼ球面形状であり、中心の頂点が最下方に位置している。
【0006】
また、メス端子100には、高温環境下での接続信頼性の向上、腐食環境下での耐食性の向上等の観点から錫メッキが施されている。
【0007】
オス端子200は、平板状のタブ部201を有している。オス端子200には、高温環境下での接続信頼性の向上、腐食環境下での耐食性の向上等の観点から錫メッキが施されている。
【0008】
このような端子では、図10に示すように、オス端子200のタブ部201をメス端子100の箱部101に挿入すると、弾性撓み部102が撓み変形してタブ部201の挿入が許容される。
【0009】
タブ部201の挿入過程では、タブ部201が弾性撓み部102のインデント部103上を摺動し、端子挿入完了位置では、図10,11に示すように、弾性撓み部102のインデント部103とタブ部201の面が接触する。
【0010】
この従来例では、弾性撓み部102の撓み復帰力を接触荷重として、メス端子100のインデント部103とオス端子200のタブ部201の接触面とが電気的に接触する。そして、この接触面を電流が流れることによってメス端子100とオス端子200間が通電する。
【0011】
ところで、弾性撓み部102とタブ部201の外面には、全域に亘って錫メッキ処理が施されている。両端子を錫メッキし、さらにリフロー処理を行うことで、図12に示すように、銅合金材の母材層Aの外面側に銅/錫合金層B、錫メッキ層Cが形成されるとともに、錫メッキ層Cの外面に酸化膜Dが生成されている。
【0012】
酸化膜Dは、錫や銅に比べて電気比抵抗が非常に高いため、酸化膜Dを破壊して錫メッキ層C同士の接触面(オーミック点)を多く作り、接触抵抗の低減を図る必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2007−280825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、従来例において説明した端子では、酸化膜の破壊を促進させるために接点部間の接点圧力を大きくすることが考えられるが、両端子が大型化したり構造が複雑になってしまうという課題があった。
【0015】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するために、端子を大型化したり、構造を極力複雑化したりすることなく、接触抵抗を低減できる接点接続構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の課題を解決するために、請求項1記載の発明では、インデント部7が突設され、外面にメッキ層が形成された第1接点部3と、外面にメッキ層が形成された第2接点部4とを有し、前記第1接点部3の前記インデント部7が前記第2接点部4の接触面上を摺動し、端子挿入完了位置では、前記インデント部7が前記第2接点部4に接触する接点接続構造であって、前記第2接点部4の接触面には、酸化膜削取部6が設けられ、前記インデント部7は、球面状に突設され、前記酸化膜削取部6は、前記インデント部7の円周部に沿って湾曲された円弧部15を有することを特徴とする。
【0017】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の接点接続構造であって、前記酸化膜削取部6は、突形状からなり先端部8が鋭角に形成されていることを特徴とする。
【0018】
請求項3記載の発明では、請求項1又は2記載の接点接続構造であって、前記酸化膜削取部6は、前記インデント部7の挿入方向に沿って延びて間隔をおいて複数設けられた突部61を有することを特徴とする。
【0019】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の接点接続構造であって、前記酸化膜削取部6は、前記第2接点部4の接触面に前記インデント部7の挿入方向に沿って延びて間隔をおいて複数設けられた溝部11の隣り合う前記溝部11,11間に位置する角部13を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項1記載の発明によれば、第2接点部4を第1接点部3に挿入する際に、第2接点部4に設けられた酸化膜削取部6が第1接点部3のインデント部7に接触することによって、インデント部7と第2接点部4の接触面に生成された酸化膜を破損する。そして、酸化膜の破壊された箇所において、第1接点部3と第2接点部4のメッキ金属同士の接触を得ることができる。したがって、端子を大型化したり、極力複雑化することなく、接触抵抗を低減することができる。
また、請求項1記載の発明によれば、酸化膜削取部6がインデント部7の円周部に沿って湾曲された円弧部15を有するので、円弧部15によってインデント部7の円周部に生成される割れやすい酸化膜の破損を促進することができ、より確実にメッキ金属同士の接触を得ることができる。
【0022】
また、請求項2記載の発明によれば、酸化膜削取部6の先端部8が鋭角に形成されているため、請求項1の効果に加えて、先端部8によってインデント部7の酸化膜を削り取って破損させることができ、より確実にメッキ金属同士の接触を得ることができる。
【0023】
請求項3記載の発明によれば、酸化膜削取部6が、インデント部7の挿入方向に沿って延びて間隔をおいて複数設けられた突部61を有するので、突部61が第1接点部3のインデント部7に線接触することによって、インデント部7と第2接点部4の接触面に生成された酸化膜を破損することができ、メッキ金属同士の接触を得ることができる。
【0024】
請求項4記載の発明によれば、酸化膜削取部6が隣り合う溝部11,11間に位置する角部13を有するので、突部6が第2接点部4の接触面から突出することがなく、端子の大型化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の第1実施形態の端子挿入前の状態を示すメス端子とオス端子の断面図である。
図2】本発明の第1実施形態の端子挿入完了位置の状態を示すメス端子とオス端子の断面図である。
図3】本発明の第1実施形態のメス端子とオス端子の接点接続要部拡大図である。
図4図3に示すA−A線断面図である。
図5】本発明の第2実施形態のメス端子とオス端子の接点接続要部拡大断面図である。
図6】本発明の第3実施形態のメス端子とオス端子の接点接続要部拡大断面図である。
図7】(a)は本発明の第3実施形態のオス端子の要部拡大図である。(b)は図7(a)に示すB−B線断面図である。
図8】(a),(b)は図7(b)に示す酸化膜削取部の変形例を示す断面図である。
図9】従来例の端子挿入前の状態を示すメス端子とオス端子の断面図である。
図10】従来例の端子挿入完了位置の状態を示すメス端子とオス端子の断面図である。
図11】従来例のメス端子とオス端子の接点接続要部拡大図である。
図12】端子のメッキ層を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について、図1図8を用いて詳細に説明する。
【0028】
(第1実施形態)
図1図4を用いて第1実施形態について説明する。
【0029】
図1に示すように、本発明の端子接続構造が用いられる端子は、メス端子1と、オス端子2とからなっている。メス端子1は、図示しないメス側コネクタハウジング内の端子収容室に配置されている。
【0030】
このメス端子1は、表面に錫メッキが施されており、第1接点部としての箱部3を備えている。
【0031】
箱部3は、前方が開口された方形状に形成されおり、上面が内方へ折り曲げられて形成される弾性撓み部5aと、下面から上面へ向けて突設する底面部5bとを備えている。
【0032】
弾性撓み部5aは、弾性を有しており、箱部3の上面から下面へ向けて傾斜して形成されている。また、弾性撓み部5aの表面には、底面側へ向けて突出するインデント部7が形成されている。
【0033】
インデント部7は、弾性撓み部5aから球面状に突出しており、中心位置が球面状の最下方に位置している。インデント部7は、弾性撓み部5aに形成されているため、上下方向へ変位可能である。
【0034】
底面部5bは、インデント部7と略対向する位置に所定の間隔を空けて形成されており、底面部5bと、インデント部7との間にオス端子2が挿入される。
【0035】
オス端子2は、表面に錫メッキが施されており、第2接点部としてのタブ部4を備えている。
【0036】
タブ部4は、先端がメス端子1の底面部5bとインデント部7との間に挿入される。タブ部4の表面には、酸化膜削取部6が形成されている。この酸化膜削取部6は、メス端子1に挿入されたタブ部4とインデント部7が当接する箇所に設けられている。
【0037】
酸化膜削取部6は、オス端子2の挿入方向に沿って延びて設けられており、複数の突部61(突形状)が連なる形状となっている。突部61の先端部8は、鋭角に形成されている。また、この突部61は、隣接する突部61と間隔を空けて複数設けられている。
【0038】
次に、メス端子1とオス端子2の挿入について説明する。
【0039】
図1に示すように、オス端子2のタブ部4をメス端子1の箱部3の開口側から挿入する。箱部3の開口から挿入されたタブ部4は、インデント部7と底面部5bとの間に挿入される。タブ部4がインデント部7と底面部5bに摺動し、弾性撓み部5aを上方へ押し上げてインデント部7と底面部5bとが離間する方向へ弾性変形する。
【0040】
さらにタブ部4をメス端子1に挿入すると、図2に示す端子挿入完了位置に達する。端子挿入完了位置に達する前には、タブ部4に形成された酸化膜削取部6の突部61の先端部8がインデント部7の表面に線接触する。
【0041】
突部61の先端部8がインデント部7の同一箇所を摺動するため、インデント部7の表面に生成される酸化膜を破壊する。また、タブ部4に生成される酸化膜は、インデント部7に摺接することで破壊される。そして、酸化膜が破壊された箇所からメッキ層がにじみ出ることによって、メス端子1とオス端子2の表面に施された錫メッキ同士が接触する。
【0042】
本実施形態によれば、オス端子2をメス端子1に挿入する際に、オス端子2に設けられた酸化膜削取部6がメス端子1のインデント部7に線接触することによって、インデント部7とオス端子2の接触面に生成された酸化膜を破壊する。
【0043】
そして、酸化膜の破壊された箇所から錫メッキ層がにじみ出ることにより、メス端子1とオス端子2のメッキ金属同士の接触を得ることができる。したがって、端子を大型化したり、極力複雑化することなく、接触抵抗を低減することができる。
【0044】
また、酸化膜削取部6の突部61の先端部8が鋭角に形成されているため、先端部8がインデント部7の酸化膜を破壊することができ、より確実にメッキ金属同士の接触を得ることができる。
【0045】
(第2実施形態)
図5を用いて第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については、同様の符号を付して説明を省略する。
【0046】
本実施の形態に係る接点接続構造の酸化膜削取部6は、第2接点部としてのタブ部4の接触面にインデント部7の挿入方向に沿って延びて間隔をおいて複数設けられた溝部11から形成されている。
【0047】
図5に示すように、溝部11はV字状となっており、隣り合う溝部11,11間に位置する角部13(ここでは頂部)となっており、角部13の先端は鋭角に形成されている、
酸化膜削取部6の角部13は、タブ部11を箱部3に挿入し、インデント部7に到達するときに、インデント部7の表面に線接触しながら摺動する。
【0048】
この角部13とインデント部7との摺動により、インデント部7の表面に生成される酸化膜は角部13により削り取られ破壊される。また、タブ部4に生成される酸化膜も、インデント部7に摺接することで破壊される。そして、酸化膜が破壊された箇所からメッキ層がにじみ出ることによって、メス端子1とオス端子2の表面に施された錫メッキ同士が接触する。
【0049】
本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、オス端子2をメス端子1に挿入する際に、オス端子2に設けられた酸化膜削取部6がメス端子1のインデント部7に線接触することによって、インデント部7とオス端子2の接触面に生成された酸化膜を破壊する。
【0050】
そして、酸化膜の破壊された箇所から錫メッキ層がにじみ出ることにより、メス端子1とオス端子2のメッキ金属同士の接触を得ることができる。したがって、端子を大型化したり、極力複雑化することなく、接触抵抗を低減することができる。
【0051】
また、酸化膜削取部6は、隣り合う溝部11,11間に位置する角部13であるので、酸化膜削取部6がタブ部114の接触面から突出することがなく、端子の大型化を抑制することができる。
【0052】
(第3実施形態)
図6図8を用いて第3実施形態について説明する。なお、他の実施形態と同様の構成については、同様の符号を付して説明を省略する。
【0053】
本実施の形態に係る接点接続構造の酸化膜削取部6は、図6図7に示すように、タブ部4のインデント部7が位置する接触面に、弾性撓み部5aの接触面から球面状に突設されたインデント部7の円周部と同様の形状を有する環状の円弧部15から形成されている。円弧部15は、タブ部4の表面より突出しており、円弧部15,15の先端は、鋭角に形成されている。
【0054】
このような円弧部15,15からなる酸化膜削取部6は、タブ部11を箱部3に挿入し、インデント部7に到達するときに、インデント部7の円周部の表面に線接触しながら摺動する。
【0055】
ここで、インデント部7の表面においては、中心部近傍に生成される酸化膜よりも円周部近傍に生成される酸化膜の方が割れやすいことがわかっている。
【0056】
このため、インデント部7の円周部に沿って湾曲された円弧部15,15からなる酸化膜削取部6をインデント部7の円周部に摺動させることにより、インデント部7の表面に生成される酸化膜を削り取り、酸化膜の破壊を促進することができる。
【0057】
なお、タブ部4に生成される酸化膜は、インデント部7に摺接することで破壊される。そして、酸化膜が破壊された箇所からメッキ層がにじみ出ることによって、メス端子1とオス端子2の表面に施された錫メッキ同士が接触する。
【0058】
ここで、円弧部15,15としては、図8に示すように、タブ部4のインデント部7が位置する接触面に環状の溝部17を設け、この溝部17の角部19を円弧部15として酸化膜削取部6を構成してもよい。
【0059】
なお、溝部17の形状は、図8(a),(b)に示すように、V字状や凹字状など、角部19を有する形状であればどのような形状であってもよい。
【0060】
本実施形態によれば、他の実施形態と同様に、オス端子2をメス端子1に挿入する際に、オス端子2に設けられた酸化膜削取部6がメス端子1のインデント部7に線接触することによって、インデント部7とオス端子2の接触面に生成された酸化膜を破壊する。
【0061】
そして、酸化膜の破壊された箇所から錫メッキ層がにじみ出ることにより、メス端子1とオス端子2のメッキ金属同士の接触を得ることができる。したがって、端子を大型化したり、極力複雑化することなく、接触抵抗を低減することができる。
【0062】
また、酸化膜削取部6は、インデント部7の円周部に沿って湾曲された円弧部15を有するので、円弧部15によってインデント部7の円周部に生成される割れやすい酸化膜の破損を促進することができ、より確実にメッキ金属同士の接触を得ることができる。
【0063】
なお、本実施形態では、弾性撓み部5aとタブ部4の表面に錫メッキ層が形成されているが、本発明は、錫以外の酸化膜が形成されるメッキ層であれば同様の効果が得られる。
【0064】
また、第3実施形態では、酸化膜削取部が円弧部のみから形成されているが、例えば、円弧部で囲まれた中央部に端子の挿入方向に沿って延びる突部を酸化膜削取部としてもよく、酸化膜削取部は複数の組み合わせによって構成されてもよい。
【0065】
なお、タブ部4に形成される、酸化膜削取部6の形状は本明細書中の形態に限られない。例えば、格子形状でもよいし、ヤスリの様に複数の突部を設けた形状でもよい。
【符号の説明】
【0066】
3 第1接点部(箱部)
4 第2接点部(タブ部)
6 酸化膜削取部
7 インデント部
8 先端部
11 溝部
13 角部
15 円弧部
61 突部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12