【文献】
IZEDDIN I,WAVELET ANALYSIS FOR SINGLE MOLECULE LOCALIZATION MICROSCOPY,OPTICS EXPRESS [ONLINE],2012年 1月30日,V20 N3,P2081-2095,URL,https://www.osapublishing.org/oe/abstract.cfm?uri=oe-20-3-2081
【文献】
IGNACIO IZEDDIN,PSF SHAPING USING ADAPTIVE OPTICS FOR THREE-DIMENSIONAL SINGLE-MOLECULE SUPER-RESOLUTION 以下備考,OPTICS EXPRESS [ONLINE],2012年 2月27日,V20 N5,P4957-4967,IMAGING AND TRACKING,URL,https://www.osapublishing.org/oe/abstract.cfm?uri=oe-20-5-4957
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記粒子は、生物細胞、分子、蛍光タンパク質、有機蛍光体、量子ドット、カーボンナノチューブ、ダイヤモンド、金属ビーズ、誘電ビーズ、および蛍光体で標識された粒子のうちの少なくとも1つ含む、請求項1に記載の装置。
前記プロセッサは、前記結像システムが、前記3D空間の別の画像を取得する間、(a)、(b)、および(c)を実施するようにさらに構成されている、請求項1に記載の装置。
前記プロセッサは、前記画像の分析を実施し、前記画像の分析に基づいて、前記結像システムの焦点、視野、フレームサイズ、フレーム率、および積分時間のうちの少なくとも1つを調節するようにさらに構成されている、請求項1に記載の装置。
前記粒子は、生物細胞、分子、蛍光タンパク質、有機蛍光体、量子ドット、カーボンナノチューブ、ダイヤモンド、金属ビーズ、誘電ビーズ、および蛍光体で標識された粒子のうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載の方法。
ステップ(a)、(b)、および(c)のうちの少なくとも1つを実施する間、前記3D空間内の別の平面の別の画像を取得することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
粒子検出および重心位置特定(centroid localization)のためのウェーブレットセグメント化は、時間がかかるデータ分析によって生じる限界に対処する。本発明の装置および技法は、生物細胞、分子(例えば、蛍光タンパク質)、有機蛍光体、量子ドット、カーボンナノチューブ、ダイヤモンド、金属または誘電ビーズ、および蛍光体で標識された粒子を含むが、それらに限定されない、単一粒子結像、超解像度結像、粒子追跡、および/または蛍光粒子の操作のために使用されることができる。本ウェーブレットアプローチには、2次元(2D)ガウス適合を伴うものより2桁以上高速であるその処理時間と、ナノメートルの位であり得る、その非常に良好な位置特定精度(localization accuracy)の少なくとも2つの利点がある。加えて、2Dウェーブレット位置特定(wavelet localization)は、追加の適合技法とともに使用され、3次元(3D)におけるリアルタイムまたは近リアルタイム位置特定を提供することができる。
【0017】
(単一分子のウェーブレットベースの局在顕微鏡法)
図2Aは、超解像度結像のための2Dおよび3D両方の単一粒子位置特定を実施するように構成されている、蛍光顕微鏡200を示す。
図2Aは、蛍光顕微鏡を示すが、当業者は、本明細書に開示されるウェーブレットベースの技法が、任意の好適な結像システムと適合性があり、それに対して拡張され得ることを容易に理解するであろう。例えば、ウェーブレットベースの粒子位置特定はまた、広視野顕微鏡、共焦点顕微鏡、多光子蛍光顕微鏡、および全内部反射蛍光(TIRF)顕微鏡を含む、任意の好適な蛍光顕微鏡とともに使用されることができる。
【0018】
顕微鏡200は、音響光学可変波長フィルタ(AOTF)等の励起フィルタ204に向かって光を放出するレーザ等の光源202を含み、励起フィルタ204は、光を励起波長で透過し、光を他の波長で吸収、反射、または回折する。当業者は、励起フィルタ204が調整可能であり得、光源202自体が、異なる励起波長で狭帯域幅放射を放出可能な調整可能レーザまたは源であり得ることを容易に理解するであろう。
【0019】
狭帯域幅励起放射は、励起放射を試料Sの表面上または試料2内のある点に集束させる、対物レンズ208に向かって、ダイクロイックミラー206から反射する。当業者によって理解されるように、対物レンズ208は、1つ以上のレンズ要素およびプリズム要素を含み得、それらの各々は、所定の点広がり関数(PSF)を伴うビームを産生するように、湾曲または別様に成形され得る。PSFは、集束ビームによって産生されるぼやけた点の形状を表す。完璧なレンズの場合、PSFは、円形であり、その半径は、焦点面からの距離の関数として変動する。
【0020】
図2Bは、完璧なレンズと異なり、対物レンズ208が、対物レンズの光学軸(
図2Aおよび2Bに示される座標系内のz軸)に沿って非対称である、PSFを有することを示す。言い換えると、PSFは、対物レンズの焦点面からの距離の関数として、形状および/または配向を変化させる(単にスケールを変化させるのとは対照的)。例えば、対物レンズ208は、
図2Bに示されるように、若干、非点収差を導入するレンズ要素または位相マスクを含み得る。対物レンズ208が、非点収差を有するとき、PSFは、焦点面の一方の側においてその半長径がx軸と整列された楕円形209a、公称焦点面における円形209b、および、焦点面の他方の側においてその半長径がy軸と整列された別の楕円形209cとして現れ得る。代替として、対物レンズ208は、z軸に沿った位置の関数として回転するPSFを有し得る。z軸に対するPSFの非対称性は、以下に説明されるように、z次元における粒子の位置を位置特定するために使用されることができる。PSFは、事前に計算されるか、または、例えば、既知の標本を結像し、その結果を使用して、顕微鏡200を較正することによって、実験的に決定されることができる。
【0021】
標本S中の蛍光粒子(蛍光体)は、励起光を吸収し、励起波長と異なる放出波長で蛍光放射を放出する。対物レンズ208は、ダイクロイックミラー206および放出フィルタ210を介して、電子増倍型電荷結合素子(EM−CCD)、ガイガーモードアバランシェフォトダイオードアレイ、または任意の他の好適な検出器アレイ等の検出器220上に蛍光放射を結像させる。励起フィルタ204のように、放出フィルタ210も、光を放出波長で透過し、光を他の波長で吸収または反射し、検出器220における焦点ぼけ、雑音、および他の望ましくない効果を低減させる。
【0022】
検出器220は、入射光を電流または電圧等の検出可能電気信号に変換し、その振幅は、対物レンズ208によって投影される標本Sの画像を表す。検出器220は、画像の表現を記憶する、メモリ230と、リアルタイム、近リアルタイム、またはオフライン(例えば、後処理において)で画像を処理し、標本S中の1つ以上の粒子を位置特定する、プロセッサ240とに連結される。いくつかの実施形態では、プロセッサ240は、少なくとも1つの中央処理ユニット(CPU)242と、少なくとも1つのグラフィック処理ユニット(GPU)244とを含む。CPU242およびGPU244は、ウェーブレットベースの位置特定に関連付けられた異なるタスクを行い、例えば、リアルタイムまたは近リアルタイム粒子位置特定のための計算時間を短縮することができる。
【0023】
本ハイブリッドCPU242/GPU244アーキテクチャは、50フレーム/秒以上の画像取得率で、リアルタイム分析を可能にする。ウェーブレット分解は、コンボリューションに非常に類似するため、画像内の各ピクセルは、画像内の他のピクセルから独立して処理されることができる。ウェーブレット分解の局所性質は、GPU244上での並列ピクセル毎処理に好適である。実際、ハイブリッドCPU/GPUプロセッサ240を用いた計算時間は、500,000個の分子の画像に対して、CPUのみの実装より約7倍高速であり得る。
【0024】
(2Dおよび3Dウェーブレットベースの位置特定)
図2Cは、3Dウェーブレットベースの画像セグメント化および粒子位置特定プロセス250と、3Dプロセス250の一部を形成する、2D(リアルタイム)ウェーブレットベースの単一粒子位置特定プロセス260の両方を図示する流れ図である。プロセス250および260は両方とも、例えば、
図2Aに示される顕微鏡200または任意の他の好適な結像システムを使用した、ゼロ、1つ、または2つ以上の蛍光粒子を伴う、少なくとも1つの2D画像の取得(ステップ252)から開始する。(粒子が画像内に現れない場合、粒子は、位置特定されない。)ウェーブレットフィルタ処理は、画像雑音を除去し、ハード閾値法およびオブジェクトセグメント化を可能にする。流域アルゴリズムが、標識化後に適用され、密接に融合した粒子が分離され、重心セグメント化を使用して、2Dにおいて位置特定される。PSF形状に対する適合が使用され、位置特定された粒子の軸方向位置を読み出し、粒子の3D位置をもたらす。
【0025】
これらのプロセス250、260は、ユーザが、画像取得の間、超解像画像を確認することを可能にする。これらはまた、以下により詳細に説明されるように、取得および位置特定パラメータをリアルタイムで制御することによって取得プロセスを最適化する可能性をもたらす。位置特定プロセス250、260は、各分子画像のSNRに応じて、ナノメートルスケールの解像度(例えば、1nm、2nm、3nm、4nm、5nm、または10nm、または数ナノメートル〜約50nmの間の任意の他の値以内)で、2(2D)または3(3D)次元のいずれかにおいて、各粒子の空間座標の精密な読み出しを可能にする。高取得フレーム率(例えば、50フレーム/秒、100フレーム/秒、またはそれ以上の率)でのリアルタイム再構成には時間がかかり過ぎ得る、ガウスPSF適合と異なり、ウェーブレットベースの位置特定は、50フレーム/秒以上のフレーム率において、リアルタイム処理のために使用されることができる。
【0026】
(2D粒子位置特定)
ステップ254では、プロセッサ(例えば、
図2Aに示されるハイブリッドCPU/GPUプロセッサ240)が、3次Bスプライン曲線を使用する「a trous」と呼ばれる冗長ウェーブレット変換を使用して、2D画像をウェーブレットマップに分解する。(他のウェーブレット変換も、同様に機能し得る。)a trousウェーブレット変換は、周知であり、以下により詳細に説明される。プロセッサは、a trousウェーブレット分解を迅速かつ正確に実行し、1つ以上の等方性の点を検出することができる。この分解は、雑音の大部分が存在する場所である、高周波数の源画像(例えば、以下に説明される、
図4の2列目に示されるような)を含む第1のウェーブレットマップ(または、第1のウェーブレット平面)をもたらす。また、回折限界に近いサイズを伴う構造(例えば、
図4の3列目に示されるような)を含む第2のウェーブレットマップ(または、第2のウェーブレット平面)をもたらす。この第2のウェーブレットマップは、単一粒子位置特定に非常に好適である。より高次のウェーブレットマップは、より粗い画像詳細およびより低い空間周波数を含み得る。
【0027】
ステップ254の一部として、プロセッサは、その値が、2D画像に関連付けられた背景雑音レベルの標準偏差の約0.1倍〜約10倍(例えば、約0.5倍〜約2.0倍)の範囲である固定閾値を適用することによって、第2のウェーブレット平面を抽出する。例えば、プロセッサは、標準偏差と等しい閾値から開始し、画質に基づいて、および/またはユーザ入力に応答して、閾値を調節し得る。また、第1のウェーブレットマップから背景ガウス雑音を推定することによって、最大雑音レベルであり得るこの背景雑音レベルを決定し得る。単一粒子の特定の信号が、単一粒子ベースの超解像度に対して所望されるように、疎らである場合、源画像の標準偏差は、閾値処理のために使用される、雑音レベルの良好な推定値である。
図4の4列目に示される画像のウェーブレットセグメント化のために使用された閾値は、最も雑音の多い画像の標準偏差の0.5倍に設定された。
【0028】
単一粒子ベースの超解像度結像は、多数の検出された粒子を使用して、画像を(再)構成することからから恩恵を受け得る。いくつかの生物学的用途、とりわけ、生体細胞動態の場合、高結像率が、要求され、したがって、高密度の蛍光単一粒子を伴う画像が、取得される。これは、異なる粒子からの複数のPSFが重複するとき、不正確な粒子位置特定をもたらし得る(
図4における1列目の中央および下の画像内の左上アスタリスク参照)。
【0029】
ステップ256では、プロセッサは、第2のウェーブレットマップを1粒子ずつ伴う領域に分割またはセグメント化する。プロセッサは、流域アルゴリズムを適用することによって、第2のウェーブレットマップをセグメント化し得る。流域アルゴリズムの適用は、粒子を表す領域が所定の閾値を上回る強度値を有し、粒子の不在を表す領域が所定の閾値を下回る強度値を有することを決定することを伴い得る。プロセッサはまた、あるサイズ(例えば、4ピクセル未満)を下回る領域を除去し、雑音による可能性として考えられる残りの位置特定を回避し得る。
【0030】
ステップ258では、プロセッサは、粒子を表す各領域に対して、重心、すなわち、質量中心の位置を推定する。画像が2Dであるため、重心は、画像によって表される3D体積の平面内の粒子の横軸座標(例えば、そのxおよびy座標)を表す。画像のSNRに応じて、プロセッサは、10nm、5nm、4nm、3nm、2nm、またはさらに1nmを上回る精度で、重心を特定可能であり得る。プロセッサは、この重心抽出の結果を使用して、ステップ270において、粒子の2D超解像度画像を生成し得る。また、以下に説明されるように、3D画像可視化(ステップ284)を含む、さらなる処理のために、粒子の横軸座標をメモリ内に記憶し得る(ステップ272)。
【0031】
ステップ259では、プロセッサは、ウェーブレット分解、ウェーブレットセグメント化、および/または重心抽出を通して導出された画像(または、画像特性)に基づいて、統計計算または分析を実施する。例えば、プロセッサは、画像内の粒子の数、強度、および空間分布を決定し得る。ステップ262では、プロセッサは、全所望の2D画像を取得したかどうかを決定する。取得されるべきさらなる画像が存在する場合、プロセッサは、ステップ263において、ステップ259において決定された画像統計が容認可能であるかどうかチェックする。そうではない場合、プロセッサは、ステップ264において、粒子からの蛍光放出を励起するために使用されるビームの強度を調節し得る。また、結像システムに3D体積内の別の平面に焦点を合させ得る。
【0032】
(3D粒子位置特定)
3D位置特定は、結像システムのPSFの演繹的知識を利用し、粒子の軸方向位置、すなわち、3D空間内の第3の次元(例えば、z次元)における位置を見出すことを伴う。例えば、非点収差レンズを使用する、PSF工学は、軸方向位置の読み出しを可能にする。実際、この情報は、通常、最尤推定法(MLE)または非線形最小二乗法(NLLS)のような高度な方法を使用して、粒子の周囲にガウス適合を適用することによって計算される。位置特定精度の観点におけるMLEおよびNLLSの信頼性にかかわらず、最終画像を再構成するために要求される時間は、ルーチンにおけるデータ生成の障害のままである。QuickPALM(古典的Hogbom「CLEAN」法)またはLivePALM(fluoroBancroftアルゴリズム)のような他の方法も提案された。これらの技法は、計算時間の観点から非常に効率的であるが、オフライン処理(後処理)に限定され得る。
【0033】
プロセッサが、ステップ262において、所望の2D画像の全てが取得されたことを示す場合、またはその指標を受信する場合、ステップ280において、3D画像を生成するかどうかを決定する。3D画像が所望される場合、プロセッサは、例えば、50nm、40nm、25nm、10nm、5nm、またはそれ以上の精度で、以前に位置特定された粒子のうちの1つ以上の軸方向(z)位置を特定する(ステップ282)。ある実施形態では、プロセッサのGPUは、各粒子の横軸位置(重心)の周囲の、結像システムの非対称PSFに基づいて関数を適合することによって、この3D位置特定を実施する。z次元の関数としての関数パラメータは、結像システムの較正を通して決定され得、位置特定された粒子の軸方向座標は、ウェーブレットセグメント化プロセスによって既に計算された座標(例えば、重心)の周囲の生データの局所適合を実施することによって読み出されることができる。
【0034】
結像システムが、非点収差式である場合、例えば、GPUは、光学軸(軸方向またはz次元)に沿って変化する偏心配向(eccentricity orientation)を伴う楕円形形状であるPSFに基づいて、適合を計算し得る。例えば、GPUは、粒子の軸方向座標を決定するために使用される楕円形パラメータ(例えば、楕円形の長軸および短軸のサイズおよび配向)を計算するために、非線形最小二乗法を使用して、非等方性ガウス分布を9ピクセル×9ピクセル面積に適合させ得る。適合された楕円形が偏心しているほど、粒子は、対物レンズの焦点面から遠くにある。楕円形の長軸の配向は、粒子が焦点面の近い側または遠い側にあるかどうかを示す。完全円形適合は、粒子が焦点面にあることを示す。当業者は、他の適合関数および/または他のPSFもまた、可能性であることを容易に理解するであろう。
【0035】
この適合ステップは、CPU内で行われると、時間がかかり得、GPUベースの実装を示唆する。なお、リアルタイム制約は、超並列実装を可能にしない場合がある。その結果、GPUベースの実装でも、ガウス適合がリアルタイムで行われることを可能にしない場合がある。したがって、リアルタイムまたは近リアルタイム粒子位置特定の場合、プロセッサは、2ステップアプローチを実装する、すなわち、i)ウェーブレットセグメント化を使用して、2D画像をリアルタイムで計算し(プロセス260)、ii)画像取得の終了直後、適合および3D抽出を計算し得る(ステップ266)。GPU実装は、CPU単独での数十分と比較して、百万個の粒子の軸方向座標を数分で計算可能にする。これは、ユーザが、取得プロセス後、実践的使用のために十分に高速である、数秒から数分以内に3D情報にアクセスすることを可能にする。計算は、GPU対CPUの場合、ほぼ20倍高速となる。GPU実装は、各検出された粒子のPSFが横断平面において異なる場合、3D適合の並列性質を効率的に利用することができる。
【0036】
(「A Trou」ウェーブレット実装)
V{i}をレベルiにおける係数マップ、W{i}をレベルiにおけるウェーブレット(または、詳細)係数マップとして定義する。V{i}およびW{i}は、オリジナル画像と同一のサイズを有する。W{2}は、前述のように、閾値および流域技法を使用してセグメント化された第2のウェーブレットマップである。一実装では、a trousウェーブレット分解は、以下のステップを含む。
【0037】
(1)V{0}をオリジナル画像に対して初期化する。
【0038】
(2)V{1}:V{1}=convV(convH(V{1}、g{1})、g{1})を計算する。
【0039】
(3)V{2}:V{2}=convV(convH(V{2}、g{2})、g{2})を計算する。
【0040】
(4)W{2}:W{2}=V{1}−V{2}を計算する。
【0041】
ここでは、g{1}は、低域通過[H2、H1、H0、H1、H2]を指し、g{2}は、低域通過[H2、0、H1、0、H0、0、H1、0、H2]を指し、H0=3/8、H1=1/4、H2=1/16である。convHは、列(columns)にわたるコンボリューションを指し、convVは、行(lines)にわたるコンボリューションを指す。
【0042】
(リアルタイム位置特定を使用した結像制御)
図2Dは、リアルタイムまたは近リアルタイム粒子位置特定を使用して、結像システム291による画像取得を制御するためのシステム290を図示する。結像システム291は、1つ以上のレンズ(例えば、対物レンズ208(
図2A))または他の光学要素および/または3D空間の場所(標本S(
図2A))に対する焦点面の位置を変化させるための1つ以上のステージを含み得る。システム290は、画像(フレーム)を取得するためのCCDカメラ220と、画像分析292を実施するためのGPU244(例えば、ハイブリッドプロセッサ240の一部)およびメモリ230とを含み、画像分析292は、超解像度画像再構成294、ライブ粒子/画像統計296、および自動結像システム制御298のための粒子位置特定を含む。
【0043】
プロセッサ240は、粒子を励起させるために使用される源(レーザ)202の強度を制御し得る。例えば、プロセッサ240は、所与の画像内で可視である粒子の数を増加させるように、源の強度を上げてもよい。また、例えば、所与のフレーム取得期間で位置特定されるべき視野内に、多過ぎるまたは少な過ぎる粒子が現れるため、所与の画像内で可視の粒子の数を減少させるように、源の強度を下げ得る。ある実施形態では、プロセッサ240はまた、放出波長を調整し得る(例えば、レーザ202またはフィルタ204を調整することによって)。プロセッサ240は、異なる蛍光体を励起させるため、または励起される蛍光体の数を増減させるために、これを行い得る。
【0044】
プロセッサ240はまた、フレームあたりの粒子密度のリアルタイム調整のために、おそらく、最適密度を達成するために、結像システムの視野を移動、拡張、縮小、または別様に制御し得る。これは、結像システムの焦点面または視野を変化させることによって行い得る。代替として、または加えて、プロセッサ240は、CCDカメラ220の積分時間(integration time)、フレーム率、および/またはフレームサイズを調節または制御し得る。
【0045】
(シミュレートされた画像を用いた2Dウェーブレットセグメント化)
単離された単一点放出体のシミュレーションは、ウェーブレットセグメント化の検出および位置決定ならびに重心決定の速度、信頼性、および精度を図示する。
【0046】
(現実的単一粒子画像のシミュレーション)
単一粒子画像が、最大強度I
0、標準偏差σ、および強度オフセットBの2D等方性ガウス分布を使用してシミュレートされ、ピクセルサイズDの離散空間内でサンプリングされた。σおよびDは、それぞれ、物体空間内の対物レンズの解像度およびCCDカメラピクセルサイズを指す。この場合、高NA対物レンズに対する理想的サンプリングをシミュレートするために、σ=1およびD=100nmである。2πσI
0は、単一粒子あたりの収集される光子の数N
Pを指す。オフセットI
B値は、1000グレーレベルであり、I
0強度は、超解像度顕微鏡法において使用される従来の一般的蛍光タンパク質および有機単一粒子色素によって放出される光子の数に匹敵する、100〜1000グレーレベルの範囲であった。画像は、ポアソン(光子)およびガウス(電子)雑音の混合物によって変質される。各ピクセルpにおいて、シミュレートされた画像の強度I
Pに対する雑音モデルは、限定光子数N
Pから生じる率μ
Pのポアソン雑音と、電子雑音を集約する平均I
Bおよび分散σ
Bのガウス雑音B
Pとの和となる。利得は、CCDによって収集された画像内の光電子あたりのグレーレベルの比率を表す。最後に、強度は、I
P=gN
P+B
Pとして記述され得る。各画像に対して、SNRは、以下のように定義される。
【0048】
式中、Iは、単一粒子信号の最大強度であり、σ
2Bは、背景強度の分散であり、σ
2Iは、光子の数に比例する、単一粒子に対して積算された信号として計算される、光子雑音を構成する。
【0049】
図3は、100nmピクセルサイズの256ピクセル×256ピクセルマトリクス上の単一粒子のシミュレートされた画像を示す。各単一点は、分散σ
2=1ピクセル(例えば、250nmのFWHM)を伴う2Dガウス関数を用いて、コンボリューションされ、次いで、100nmのピクセルサイズを用いて、256ピクセル×256ピクセルマトリクス上でサンプリングされる。画像が、次いで、ガウスおよびポアソン雑音の混合物によって変性される。これらのシミュレーションは、画像あたりの異なるSNRおよび粒子密度で行われた。2.6〜10.3のSNR値および0.1粒子/μm
2〜1粒子/μm
2の粒子密度は、蛍光タンパク質または有機蛍光色素を使用したPALMおよびSTORM結像において遭遇される実験条件の範囲を網羅する。所与のSNRおよび密度に対して、ランダムに再分布された粒子の一連の100フレームが、生成された。
【0050】
図3では、そのような合成データの実施例が、粒子密度の増加およびSNRの減少に対して示される。
図3のパネル(1)は、SNR=7.1、粒子密度0.1、0.25、0.5、0.75、および1粒子/μm
2(左から右)における実施例を示す。パネル(2)は、分子密度0.1粒子/μm
2、10.3、6.6、3.6、3、および2.6(左から右)の線形単位におけるSNRにおける実施例を示す。パネル(3)は、差し込み図内で正規化される、異なるSNRに対する1つの単一粒子にわたる強度プロファイルのプロット(左)と、同一のデータの生画像(右)を含む。
図3に示されるデータの典型的SNR値は、選定された蛍光体およびシミュレートされた実験条件に応じて、約8である。より低いSNRにおける調査性能は、より低い量子収率を伴う蛍光探査および光活性化可能な蛍光体(sptPALM)の単一粒子追跡の両方を満たし、両方とも、各画像フレーム内でより少ない光子が検出されることにつながる。
【0051】
図4は、シミュレートされたデータを使用したウェーブレットセグメント化を図示する。各列は、異なるタイプの画像を示し、各行は、異なるSNRを示す。左から右に、(1)ボックス内の単一粒子の位置特定を伴う、源画像、(2)源画像に関連付けられた第1のウェーブレット平面、(3)源画像に関連付けられた第2のウェーブレット平面、(4)セグメント化された画像、(5)セグメント化された画像において定義された位置特定粒子に対する重心計算である。上から下に、最も雑音の多い画像の標準偏差の0.5倍によって定義された、同一のセグメント化閾値を使用した異なるSNR(それぞれ、10.3、3.6、および3)を伴う例証である。マーカー(*)は、誤検出および検出漏れの検出を図示する。
【0052】
(ウェーブレットセグメント化対ガウス適合)
生成された画像は、速度および精度の観点から、ウェーブレットセグメント化アプローチおよびガウス適合アプローチの性能を比較するために使用されることができる。この比較は、ガウス適合アプローチとして、多標的追跡(MTT)を使用して行われた。MTTは、理論的限界に近い性能を伴う、高密度単一粒子検出計算のためのロバストな技法である。MTTは、粒子検出のための仮説検定に続いて、多パラメータガウス適合を使用し、単一粒子のサブピクセル位置を推定する。MTTは、重複PSFの位置を決定可能であり、追跡能力を含むが、この比較は、収縮ループおよび軌道決定を除く、単一PSFの検出および位置決めに限定される。
【0053】
ウェーブレットセグメント化およびMITTは両方とも、O(n)の複雑性を有し、式中、nは、フレームあたりの画像内のピクセルの数である。表1(以下)は、両方法の主要ステップを詳述する。2つのアプローチ間の差異の1つは、位置特定座標が計算される方法である。ウェーブレットの場合、単純重心が、各領域に対して第2のウェーブレットマップ上で計算される。セグメント化後の粒子の数およびその表面は、限定されるため、流域の複雑性も同様に、O(n)に近似され得る。ガウス適合は、2Dガウス曲線を記述する5つのパラメータ(x、y、σ、強度、およびオフセット)を抽出するために、最低30回の反復に依拠する。したがって、ここでの比較は、その計算複雑性の代わりに、計算動作の数に基づく。
【0055】
(計算時間)
効率的結像実験を実施する要素の1つは、取得の間またはその直後に実験構成を改変し得る決定を行う能力である。これは、顕微鏡下の実験の効果的時間が、試料の生理学的条件を維持するために限定され得る、生体細胞実験において、特に有用であり得る。長い後処理時間(すなわち、実際の実験後)は、したがって、数十万個の単一粒子データ点の定量的分析を伴う超解像度結像実験の設計および可能な用途を大幅に制限し得る。
【0056】
図5A−5Cは、広範囲のSNRおよび粒子密度値における一連の100枚の画像に対する計算時間の比較を示す。これらの比較は、クロック速度2.26GHz、48GBのRAM、および2つのクワッドIntel XeonプロセッサE5520を伴う、Dell Precision T7500コンピュータ上で行われたが、1つのみのコアが、計算の間、使用された。一般に、ウェーブレット技法の計算速度は、MTTより10倍以上高速である。
【0057】
図5Aおよび5Bは、ウェーブレットセグメント化とMTTアプローチとの間の計算時間の比較を示す。シミュレートされた単一粒子を伴う一連の100枚の画像の位置を検出および決定するために必要とされる合計時間は、異なるSNRに対する分子密度の関数(
図5A)と、いくつかの分子密度に対するSNRの関数(
図5B)として表される。SNRの関数としての計算時間は、ウェーブレットセグメント化およびMTTの両方に対して、SNRの同様の値で飽和するが、飽和レベルは、ウェーブレット分析の場合、約20倍高速である(対数スケールに留意されたい)。一方、
図5Aは、粒子密度の関数としての計算時間の線形増加を示す。なお、正確な実験記録は、典型的には、重複PSFを回避するために、粒子密度をより低い密度レベルに制限するであろう。
【0058】
図5Cは、前述で使用された同一のシミュレートされたデータセットにおける一連の4000枚の画像に対するウェーブレットアプローチとQuickPALMとの間の比較を示し、画像フレームあたりの粒子密度は、0.1〜0.75粒子/μm
2であり、QuickPALMアルゴリズムに対して1〜4のCPUを使用した。QuickPALMは、プログラムを並列して処理され得る多くのタスクに分割し、その性能を使用されるプロセッサの数にリンクさせることを伴う、マルチスレッディングアプローチを使用する。QuickPALMでは、2〜4のCPUプロセッサが、計算のために使用された。
図5Cは、ウェーブレットセグメント化が、4つのプロセッサを使用しても、高密度(>150粒子)の場合、QuickPALMより効率的であることを示す。低密度(<150粒子)の場合、ウェーブレットセグメント化およびQuickPALMは両方とも、使用されるプロセッサの数に応じて変動性を伴う、同様の性能を示す。QuickPALMと異なり、ウェーブレットセグメント化は、マルチプロセッサアーキテクチャを伴っても、1つのみのプロセッサを使用する。なお、異なる画像の処理は、ウェーブレットセグメント化では完全に独立しているので、マルチプロセッサアーキテクチャ上の実装は、実行可能である。
【0059】
図5Dは、異なる粒子位置特定技法の2次元リアルタイム検出(左)および3次元後処理適合(右)に対する処理時間対粒子の数のプロットである。標準的CPUプロセッサおよびハイブリッドCPU/GPUプロセッサ(「WaveTracer」)上に実装される2Dウェーブレットベースの位置特定は、ガウス分解より数桁高速である。実際、これらは、100フレーム/秒(以下)のフレーム率約、および100粒子/平方ミクロンの粒子密度に対するリアルタイム画像再構成に好適である。3Dウェーブレットベースの位置特定は、3Dガウス適合より何桁も高速であり、1,000,000粒子以上の場合でも、数分以下(近リアルタイム)で行われることができる。
【0060】
(位置特定精度)
再構成された画像の解像度は、各単一蛍光体の位置を決定する際の精度に依存する。故に、任意の位置特定技法の全体的性能が、計算速度にわたり指示精度を損なわないことが望ましい。各粒子の位置特定における誤差を特性評価する方法の1つは、シミュレートされたデータの座標と、分析されたデータ内の最も近い座標との間のユークリッド距離を測定することである。位置特定精度が、次いで、各データセットの全検出に対して計算された位置決め誤差の平均値として定義され得る。
【0061】
図6は、SNRの関数として、蛍光体の位置を読み出す際の両アルゴリズムの性能を示す。位置特定精度は、各データセット内の全検出に対して計算された位置決め誤差の平均値として計算され、いくつかの分子密度に対するSNRの関数として示される。予期されるように、位置特定精度は、検出された光子の数が大きい場合、SNRに反比例し、低SNRでは、背景雑音によって左右される。単一粒子位置を決定する際の精度は、本研究において使用されるSNRおよび粒子密度の全範囲に対して、両アルゴリズムを使用して比較可能である。ウェーブレットアプローチアルゴリズムを用いて得られる結果は、可変粒子密度およびSNRを伴う異なるシミュレートされたデータのセットに対して、表2(以下)に要約される。
【0062】
(誤検出および検出漏れ率)
検討すべき別のパラメータは、粒子検出の信頼性、すなわち、雑音の多い画像内で個々のPSFを検出する能力である。例えば、シミュレートされたデータ内に存在する粒子が、半径100nm以内に、分析されたデータセット内に一致する検出を有していない場合、検出漏れの検出としてカウントされ得る。同様に、誤検出の検出は、半径100nm以内に、シミュレートされたデータに存在しなかった、分析されたデータセット内の粒子の識別として定義され得る。
【0063】
図7および8は、それぞれ、異なる分子密度におけるウェーブレットアプローチおよびMTTに対するSNRの関数として、誤検出率および検出漏れ率を示す。これらのプロットは、誤検出および検出漏れの検出の割合が、所与の分子密度において極めて一定のままであるウェーブレット分析によって行われる誤検出率を除き、ウェーブレットアプローチおよびMTTの両方で類似し、シミュレートされたデータのSNRに大きく依存することを示す。異なる最小強度閾値の選定は、計算速度および位置特定精度の観点において、性能を事実上損なうことなく、誤検出および検出漏れの検出率を改変させ得る。また、粒子検出および位置特定に先立って適用される、雑音低減フィルタは、検出誤差を改善し得る。
【0064】
(試験パターンシミュレーション)
図9A−9Cは、幅200nm〜6nmの範囲のサイズの交互黒色および白色ストライプから作成される試験パターンを使用したシミュレーションを図示する。このタイプの試験パターンは、X線結像システムの解像度を決定するために、放射線学において広く使用されている。これは、セグメント化性能を視覚的に監視し、再構成された画像から変調伝達関数(MTF)を計算するために使用されることができる。MTF(f)は、比率C(f)/C(0)として、試験パターンの各周波数fに対して計算され、式中、C(f)は、周波数fに対するコントラストであり、C(0)は、低周波数に対するコントラストである。
【0065】
図9Aは、理想的シミュレートされたパターン(上)および限定粒子数から再構成されたシミュレートされたパターン(下)の両方を示す。
図9Bは、種々のSNRおよび粒子密度に対する位置特定後の再構成された画像を示す。このシミュレーションおよび分析は、黒色ストライプが、前述のプロトコルを使用して(
図9Aおよび9B)、0.5粒子/μm
2およびSNR7.1から1粒子/μm
2およびSNR3.1の異なる密度およびSNRにおける単一粒子を取り込んだ4つの異なる単一粒子実験のものである。
【0066】
図9Cは、
図9Aおよび9Bにおけるシミュレーションに対するコントラスト関数(左)およびMTF(f)(右)を示し、次いで、画像の解像度がMTF(fc)=0のときに得られたカットオフ周波数(fc)の逆数として推定される。この表現は、理想的基準(例えば、密度0.5粒子/μm
2、SNR6.6、および解像度約25nm)からのSNRの低下および粒子密度の増加が、超解像度画像の解像度を劣化させるという事実を立証する。これは、1粒子/μm
2密度およびSNR3の場合における、ライン50nmおよびさらに100nmに対するコントラストの損失によって図示される。その視覚的側面に加え、この表現は、他のシミュレーションを補完し、源点の座標の知識を要求せず、性能検定に対してそれをより好適にする。また、それは、単一粒子超解像度顕微鏡法に影響を及ぼす、解像度に及ぼす検出された粒子の密度の影響の定量化も可能にする。この側面が、本願において定量化されなくても、限定粒子数が、シミュレートされた画像のMTFに影響を及ぼすことは明らかである。
【0067】
最後に、表2は、閾値がそれを下回ると、コントラストに雑音が多くなる、MTF(f)>15%である第1の点におけるMTFの線形補間およびカットオフ周波数計算の結果を示す。表2における結果は、シミュレーションにおいて計算された解像度に合致する。異なるSNRおよび分子密度においてシミュレートされたデータを用いた分析は、ウェーブレットアプローチが、最大20倍の計算速度の増加を伴って、古典的ガウス適合分析と比較して、位置特定精度または検出された粒子の数を損なわせないことを示す。
【0069】
(実験データを用いた2Dウェーブレットベースの位置特定対ガウス適合)
超解像度結像が、倒立蛍光顕微鏡上で行われた。光活性化は、405nmレーザを用いて行われ、励起は、561nmレーザを用いて行われ、両方とも、顕微鏡にコリメートされ、高NA(1.49)100倍対物レンズの背面に集束され、したがって、広視野構成において、試料を照明する。光子密度は、3×10
−2kW/cm
2(405nm)および4kW/cm
2(561nm)であった。単一粒子信号が、561nmダイクロイックを用いて分離され、617nmを中心とするスペクトル幅70nmの放出フィルタを用いてフィルタ処理された。信号は、1.5倍レンズを用いて拡大され、ピクセルサイズ16μmを用いて、EMCCD上に集束され、したがって、画像平面上のピクセルサイズは、107nmとなった。蛍光体の事前に変換された形態の低解像度画像が、照明(励起485nm、放出525nm)のための水銀灯を使用して得られた。
【0070】
図10A−10Cは、ウェーブレットベースの位置特定およびガウス適合で処理された、ABP−tdEosFPを発現し、4%パラホルムアルデヒドで固定されたラットの海馬神経のアクチン細胞骨格の実験的に取得された画像を示す。
図10Aは、蛍光体の事前に変換された形態の回折限界予備スナップショット(左)を示す。続いて、単一tdEosFP蛍光体の疎らなサブセットが、光変換され、退色するまで結像され、50msの50,000フレームの長期取得を記録した(約42分の記録)。これらのフレームは、ウェーブレットベースの位置特定およびガウス適合を用いて処理され、
図10Aの中心および右における超解像度再構成物を生成した。ウェーブレットセグメント化アルゴリズムを用いた処理は、7.7分かかり、1,058,886個の単一粒子事象を識別した一方、ガウス分布アプローチは、116分かかり、1,092,266個の事象を検出した。再構成された超解像度画像は、同一の解像度を有し、画像の劣化は、観察されなかった。
【0071】
図10Bは、低解像度画像、およびウェーブレットセグメント化およびMTTの両方を用いて行われた超解像度再構成物に対する樹状突起軸(
図10Aにおける白色線)を横断する強度プロファイルセクションを示す。これらの超解像度画像は、検出された単一粒子の位置座標を重畳することによってレンダリングされ、検出された粒子の平均位置特定精度によって決定された標準偏差を有する、単位強度値の2Dガウス曲線で表された。
【0072】
図10Cの上パネルは、単一樹状突起棘を含むより小さい領域内の検出された蛍光体のSNRを示す(
図10A(左)におけるボックス)。より小さい領域は、約2.65μm×2.65μmであり、個々の樹状突起棘を含んでおり、45,878個の単一粒子事象がウェーブレットセグメント化を用いて検出された。検出された粒子は、事前に変換された蛍光体の回折限界画像と重ね合わせられる。
図10Cの下パネルは、ピクセルサイズ9.6nmを伴う、超解像度再構成物を示し、各単一粒子は、1ピクセルの単位強度によって表される。
【0073】
図10Dは、平均SNR5.3を伴う、領域内で検出された単一蛍光体強度のSNR値のヒストグラムであり、SNRの平均値は、最も明るい10%、25%、50%、75%、および100%検出を検討する。より具体的には、
図10Dは、4588,11469、22939,34405、および45878個の検出に対応する、全検出された粒子の最も明るい10%、25%、50%、75%、および100%と、それぞれ、10.8、8.7、7.1、6.1、および5.3のSNRの平均値を検討する、平均SNR分布を示す。
【0074】
単一粒子技法に基づく超解像度光学顕微鏡法は、とりわけ、取得パラメータおよび画像分析に依存し得る。より一般的には、超解像度顕微鏡法は、実験データを用いて得られた画像解像度の実質定量的情報を欠く。ある場合には、空間解像度は、データ自体で定量化されるか、または理論的フレームワークを使用して決定されるかのいずれかであった。単一粒子位置特定(例えば、PALM、STORM、およびGSD)に基づく技法では、最終再構成画像の解像度は、粒子あたりの検出された光子の数に比例し得る、各個々の粒子のSNRと、総粒子密度とに依存する。再構成された画像解像度は、指示精度の2.4倍である、単一粒子位置の不確実性分布のFWHMと見なされ得る。しかし、超解像度画像の有意義な表現は、最小密度の検出粒子に変換される、最小サンプリングを要求し得る。ナイキスト−シャノンの情報サンプリング定理は、2fの周波数でサンプリングされる場合、帯域幅fの信号が、その全体として、再構成され得ることを示す。単一粒子ベースの超解像度の分野では、本定理の一般化は、一般に、画像解像度および検出された粒子の密度の観点において使用される。すなわち、検出された粒子のサンプリングは、画像解像度の密度の少なくとも2倍であるべきである。
【0075】
生物学的実験データの場合、全検出された粒子のSNRは、樹状突起棘のPALM表現に対して
図10Dに図示されるように、広い分布を有し得る。そのような広い分布および単一粒子検出の高密度を前提として、PALM再構成の解像度を改善する方法の1つは、最高SNRを伴う点のみを検討し、解像度の損失に影響する低指示精度を伴うものを排除することである。この帰納的フィルタ処理は、最終画像解像度を改善し得るが、粒子の密度の低下を犠牲にし、解像度のさらに別の制限要因を伴う。実際、これは、各個々の粒子の位置特定精度から独立して、ある画像解像度に達成するために、最小粒子密度を与える。
図10Cの個々の突起棘の場合、検出されたアクチン粒子は、面積1μm
2内に分布する。
【0076】
その結果、サンプリング定理のこの一般化に従う解像度は、最も明るい10%の検出を検討すると29.5nm、最も明るい粒子の25%を検討すると18.7nm、検出の50%では13.2nm、75%では10.8nm、および100%では9.3nmとなる。この解像度限界は、検出された粒子の密度によって与えられ、検出のSNRによってではない。したがって、低密度の場合、検出された粒子の数は、最大画像解像度を定義し得る一方、その基準を超えると、検出のSNRは、限界パラメータとなり得る。分子密度とデータの帰納的フィルタ処理との間の均衡は、超解像度画像を構成するときに考慮すべき2つの要因である。
【0077】
(3Dウェーブレットベースの粒子位置特定)
図11Aおよび11Bは、Alexa647蛍光体で標識されたチューブリンの回折限界画像である。
図11Cは、一連の回折限界画像を含み、単一分子の種々の配向を示す。
図11Dおよび11Eは、それぞれ、
図11Aおよび11Bに示される場面からリアルタイムで構成されたdSTORM超解像度強度画像である。
図11Fおよび11Gは、それぞれ、
図11Dおよび11Eに示される分子の3Dマッピングを示す。これらの3Dマッピングは、
図11Dおよび11Eに示される2D超解像度画像の構成後に生成された。
【0078】
図11Hは、個々の分子の3D位置を抽出するために使用された顕微鏡の較正関数(PSF)のプロットである。x軸は、公称焦点面から測定されたz距離を表し、y軸は、検出された画像に対するガウス適合の半値全幅(σ)を表す。差し込み画像は、焦点面から異なる距離におけるPSFの外観を図示する。公称焦点面から負の距離では、PSFは、プロットのx軸と平行に整列された長軸を伴う略楕円形であるように現れる。PSFの偏心は、焦点面に近いほど減少し、次いで、公称焦点面からの正の距離に伴って増加し、長軸は、プロットのx軸に垂直に整列されている。
【0079】
図11における超解像度画像は、前述のウェーブレットセグメント化およびガウス適合を使用して、リアルタイム(2D)または近リアルタイム(3D)で得られた。最右の画像は、横方向(x、y)解像度15nmおよび軸方向(z)解像度40nmを伴う異なる平面における微小管構築を示し、2D超解像度画像は、100フレーム/秒のストリーム取得の間、リアルタイムで観察され得る一方、1.2百万個の粒子の3D再構成は、取得後、数秒から数分以内に得られた。画像粒子密度は、取得の間、405nmレーザ電力を調節することによって、全体的取得プロセスの間、一定に保たれた。
【0080】
(免疫細胞化学)
COS7細胞が、18mmカバースリップ上に置かれ、4%パラホルムアルデヒドおよびスクロースを使用して固定され、PBS、次いで、PBSを含む1%BSAで洗浄された。洗浄された細胞は、透過化に先立って、5分間、NH
4Cl50mMでインキュベートされた。これらは、0.1%トリトンを使用して透過処理され、30分間、1%BSAを含むPBSでインキュベートされた。これらは、次いで、30分間、マウス抗βチューブリン抗体(T4026、Clone2.1、Sigma)でインキュベートされ、1%BSAを含むPBSで数回洗浄された。一次抗体が、次いで、Alexa647連結抗マウスIgG二次抗体(A21245、Invitrogen)を室温で30分間インキュベートすることによって現れた。
【0081】
(直接確率的光学再構成顕微鏡法)
染色されたカバースリップは、翌日、100X、1.45NAPL−APO対物レンズおよびパーフェクトフォーカスシステムを具備する、倒立電動顕微鏡(Nikon Ti,Japan)上に搭載された密閉されたチャンバ(Ludin Chamber, Life Imaging Services,Switzerland)内において、室温で結像され、傾斜照明モードで長期取得を可能にした。結像は、還元および酸素除去系を含む、細胞外溶液中で行われた。dSTORMの場合、Alexa647の蛍光集合は、最初に、30−50kW/cm
2強度で、640nmレーザを使用して、暗状態に変換された。蛍光集合が、フレームあたり所望の密度の単一粒子に変換されると、レーザ電力が、7−15kW/cm
2まで減少され、20,000フレームに対して50fpsで連続して結像された。フレームあたりの単一粒子のレベルは、405nmレーザ(Omicron, Germany)を使用することによって制御された。レーザ電力は、確率的に活性化された粒子の特定のレベルを保つように調節され、取得の間、良好に分離された。
【0082】
蛍光集合および単一粒子蛍光は両方とも、ダイクロイックおよび放出フィルタ(それぞれ、D101−R561およびF39−617、Chroma、USA)とクアッドバンドダイクロイックフィルタ(Di01−R405/488/561/635、Semrock、USA)の組み合わせによって収集された。蛍光は、高感度EM CCD(Evolve,Photometric,USA)を使用して収集された。取得シーケンスは、256ピクセル×256ピクセル以下の着目領域の面積を使用して、50フレーム/秒(20msec露光時間)におけるストリーミングモードで、Metamorphソフトウェア(分子デバイス、USA)によって駆動された。Multicolour蛍光マイクロビーズ(Tetraspeck,Invitrogen)が、長期取得を登録し、横変位および色シフトを補正するために使用された。空間解像度14nmが、dSTORM単一粒子画像として、同様のSNRを伴って取得された100nmTetraspeckビーズ上の重心決定を使用して測定された。
【0083】
(結論)
本発明の種々の実施形態が、明細書に説明および図示されたが、当業者は、機能を果たし、および/または本明細書に説明される結果および/または利点のうちの1つ以上を得るために、種々の他の手段および/または構造を容易に想起し、そのような変形例および/または修正はそれぞれ、本明細書に説明される本発明の実施形態の範囲内であると見なされる。より一般的には、当業者は、本明細書に説明される全パラメータ、寸法、材料、および構成が、例示であることが意図され、実際のパラメータ、寸法、材料、および/または構成が、本発明の教示が使用される、具体的用途または複数の用途に依存するであろうことを容易に理解するであろう。当業者は、本明細書に説明される本発明の実施形態に特有の多くの均等物を認識する、またはルーチンにすぎない実験を使用して、確認可能であろう。したがって、前述の実施形態は、一例として提示されるにすぎず、具体的に、説明および請求されない限り、添付の請求項およびその均等物の範囲内において、本発明の実施形態が実践され得ることを理解されたい。本開示の本発明の実施形態は、本明細書に説明される各個々の特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法を対象とする。加えて、2つ以上のそのような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法の任意の組み合わせも、そのような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法が、互に矛盾しない限り、本発明の本開示の範囲内に含まれる。
【0084】
前述の実施形態は、多数の方法のいずれかにおいて実装され得る。例えば、実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせを使用して実装され得る。ソフトウェア内に実装されるとき、ソフトウェアコードが、単一コンピュータ内に提供されるか、または複数のコンピュータ間に分散されるかにかかわらず、任意の好適なプロセッサまたはプロセッサ集合上で実行されることができる。
【0085】
さらに、コンピュータは、ラック搭載コンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、またはタブレットコンピュータ等のいくつかの形態のいずれかにおいて具現化され得ることを理解されたい。加えて、コンピュータは、携帯情報端末(PDA)、スマートフォン、あるいは任意の他の好適なポータブルまたは固定電子デバイスを含む、概して、コンピュータとして見なされないが、好適な処理能力を伴う、デバイス内に埋め込まれ得る。
【0086】
また、コンピュータは、1つ以上の入力および出力デバイスを有し得る。これらのデバイスは、とりわけ、ユーザインターフェースを提示するために使用されることができる。ユーザインターフェースを提供するために使用されることができる、出力デバイスの実施例として、出力の可視提示のためのプリンタまたはディスプレイ画面および出力の可聴提示のためのスピーカまたは他の音発生デバイスが挙げられる。ユーザインターフェースのために使用されることができる、入力デバイスの実施例として、キーボード、ならびにマウス、タッチパッド、およびディジタイズ用タブレット等の指示デバイスが挙げられる。別の実施例として、コンピュータは、発話認識を通して、または他の可聴形式において、入力情報を受信し得る。
【0087】
そのようなコンピュータは、企業ネットワーク等のローカルエリアネットワークまたは広域ネットワーク、およびインテリジェントネットワーク(IN)またはインターネットを含む、任意の好適な形態における1つ以上のネットワークによって、相互接続され得る。そのようなネットワークは、任意の好適な技術に基づいてもよく、任意の好適なプロトコルに従って動作し得、無線ネットワーク、有線ネットワーク、または光ファイバネットワークを含み得る。
【0088】
メモリは、任意のコンピュータ読み取り可能な媒体を備え得、本明細書に説明される種々の機能性を実装するためのコンピュータ命令(また、本明細書では、「プロセッサ実行可能命令」と称される)を記憶し得る。処理ユニット(例えば、CPUおよびGPU)が、命令を実行するために使用され得る。通信インターフェースは、有線または無線ネットワーク、バス、あるいは他の通信手段に連結され得、したがって、プロセッサおよび/または処理ユニットが、他のデバイスに通信を伝送する、および/またはそこから通信を受信することを可能にし得る。ディスプレイユニットは、例えば、ユーザが、命令の実行に関連して、種々の情報を確認することを可能にするために提供され得る。ユーザ入力デバイスは、例えば、ユーザが、手動調節を行う、選択を行う、データまたは種々の他の情報を打ち込む、および/または命令の実行の間、プロセッサと種々の様式のいずれかで相互作用することを可能にするために提供され得る。
【0089】
本明細書で概説された種々の方法またはプロセスは、種々のオペレーティングシステムまたはプラットフォームの任意の1つを採用する、1つ以上のプロセッサ上で実行可能なソフトウェアとしてコード化され得る。加えて、そのようなソフトウェアは、いくつかの好適なプログラミング言語および/またはプログラミングまたはスクリプティングツールのいずれかを使用して書かれてもよく、また、フレームワークまたは仮想機械上で実行される、実行可能機械言語コードまたは中間コードとしてコンパイルされ得る。
【0090】
この点において、本発明の種々の概念は、非一過性コンピュータ読み取り可能な記憶媒体(または、複数のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体)(例えば、コンピュータメモリ、1つ以上のフロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク、光学ディスク、磁気テープ、フラッシュメモリ、フィールドプログラマブルゲートアレイまたは他の半導体デバイス内の回路構成、あるいは1つ以上のコンピュータまたは他のプロセッサ上で実行されると、前述の本発明の種々の実施形態を実装する方法を実施する、1つ以上のプログラムでエンコードされた他の非一過性媒体または有形コンピュータ記憶媒体)として具現化され得る。コンピュータ読み取り可能な媒体または媒体は、その上に記憶されたプログラムまたは複数のプログラムが、1つ以上の異なるコンピュータまたは他のプロセッサ上にロードされ、前述のような本発明の種々の側面を実装し得るように、トランスポータブルであることができる。
【0091】
用語「プログラム」または「ソフトウェア」は、前述のような実施形態の種々の側面を実装するように、コンピュータまたは他のプロセッサをプログラムするために採用され得る、任意のタイプのコンピュータコードまたは一式のコンピュータ実行可能命令を指すように、一般的意味において、本明細書で使用される。加えて、一側面によると、実行されると、本発明の方法を実施する、1つ以上のコンピュータプログラムは、本発明の種々の側面を実装するために、単一コンピュータまたはプロセッサ上に常駐する必要はなく、いくつかの異なるコンピュータまたはプロセッサ間にモジュール方式で分散され得ることを理解されたい。
【0092】
コンピュータ実行可能命令は、1つ以上のコンピュータまたは他のデバイスによって実行される、プログラムモジュール等の多くの形態であり得る。概して、プログラムモジュールは、特定のタスクを実施する、または特定の抽象データタイプを実装する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、構成要素、データ構造等を含む。典型的には、プログラムモジュールの機能性は、種々の実施形態において、所望に応じて、組み合わせられる、または分散され得る。
【0093】
また、データ構造は、任意の好適な形態において、コンピュータ読み取り可能な媒体内に記憶され得る。例証の便宜上、データ構造は、データ構造内の場所を通して関連するフィールドを有するように示され得る。そのような関係は、同様に、フィールド間の関係を伝える、コンピュータ読み取り可能な媒体内の場所を伴うフィールドのための記憶を割り当てることによって達成され得る。しかしながら、任意の好適な機構が、データ構造のフィールド内の情報間の関係を確立するために使用され得る(例えば、ポインタ、タグ、またはデータ要素間の関係を確立するための他の機構の使用を通して)。
【0094】
また、本発明の種々の概念は、その実施例が提供された、1つ以上の方法として具現化され得る。方法の一部として行われる作用は、任意の好適な方法で順序付けられてもよい。故に、実施形態は、作用が図示されるものと異なる順序で行われるように構築され得、例証的実施形態において、逐次作用として示される場合でも、いくつかの作用を同時に実施することを含み得る。
【0095】
本明細書に定義および使用される全ての定義は、辞書定義、参照することによって組み込まれる文書中の定義、および/または定義される用語の通常の意味に優先するものと理解されたい。
【0096】
流れ図が本明細書で使用される。流れ図の使用は、行われる動作の順序に関して限定的となるように意図されていない。本明細書で説明された主題は、異なる他の構成要素内に含有される、またはそれらと接続される、異なる構成要素を図示することもある。そのような描写されたアーキテクチャは例示的にすぎず、実際には、同一の機能性を達成する、多くの他のアーキテクチャを実装できることを理解されたい。概念的な意味で、所望の機能性が達成されるように、同一の機能性を達成するための構成要素の任意の配列が、効果的に「関連付けられる」。したがって、アーキテクチャまたは中間構成要素にかかわらず、所望の機能性が達成されるように、特定の機能性を達成するように組み合わせられる、本明細書の任意の2つの構成要素は、互に「関連付けられる」と見なすことができる。同様に、そのように関連付けられる任意の2つの構成要素はまた、所望の機能性を達成するように、互に「動作可能に接続される」または「動作可能に連結される」と見なすこともでき、そのように関連付けられることが可能な任意の2つの構成要素はまた、所望の機能性を達成するように、互に「動作可能に連結可能である」と見なすこともできる。動作可能に連結可能なものの特定の実施例は、物理的に嵌合可能な、および/または物理的に相互作用する構成要素、および/または無線で相互作用可能な、および/または無線で相互作用する構成要素、および/または論理的に相互作用する、および/または論理的に相互作用可能な構成要素を含むが、それらに限定されない。
【0097】
実質的にあらゆる複数形および/または単数形の用語の本明細書での使用に関して、当業者であれば、文脈および/または用途に適切であるように、複数形から単数形へ、および/または単数形から複数形へ言い換えることができる。種々の単数/複数形の順列が、明確にするために明示的に本明細書に記載され得る。
【0098】
一般に、本明細書で、特に、添付の請求項(例えば、添付の請求項の本文)で使用される用語は、概して、「非制約的な」用語として意図されていることが、当業者によって理解されるであろう(例えば、「〜を含む」という用語は、「〜を含むが、それらに限定されない」として解釈されるべきであり、「〜を有する」という用語は、「少なくとも〜を有する」として解釈されるべきであり、「含む」という用語は、「含むが、それらに限定されない」として解釈されるべきである、等)。さらに、特定の番号の導入された請求項の記載が意図される場合、そのような意図は、請求項で明示的に記載され、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことが、当業者によって理解されるであろう。例えば、理解の補助として、以下の添付の請求項は、請求項の記載を導入するように、「少なくとも1つの」および「1つ以上の」という導入語句の使用を含み得る。
【0099】
しかしながら、そのような語句の使用は、たとえ同一の請求項が、「1つ以上の」または「少なくとも1つの」という導入語句、および「1つの」(「a」または「an」)等の不定冠詞を含むときでさえも、「1つの」(「a」または「an」)という不定冠詞による請求項の記載の導入は、そのような導入された請求項の記載を含む任意の特定の請求項を、1つだけのそのような記載を含む主題に限定すると示唆するように解釈されるべきではない(例えば、「1つの」(「a」および/または「an」)は、典型的には、「少なくとも1つの」または「1つ以上の」)を意味するように解釈されるべきである)。同じことが、請求項の記載を導入するために使用される定冠詞の使用に当てはまる。加えて、たとえ特定の番号の導入された請求項の記載が明示的に記載されたとしても、当業者であれば、そのような記載は、典型的には、少なくとも記載された番号を意味すると解釈されるべきであると認識するであろう(例えば、他の修飾語がない「2つの記載」という最低限の記載は、典型的には、少なくとも2つの記載、または2つ以上の記載を意味する)。
【0100】
さらに、「A、B、およびC等のうちの少なくとも1つ」に類似する慣例が使用される場合において、一般に、当業者であれば慣例を理解するであろうという意味で、そのような構造が意図される(例えば、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、ともにAおよびB、ともにAおよびC、ともにBおよびC、および/またはともにA、B、およびC等を有する、システムを含むが、それらに限定されないであろう)。「A、B、およびC等のうちの少なくとも1つ」に類似する慣例が使用される場合において、一般に、当業者であれば慣例を理解するであろうという意味で、そのような構造が意図される(例えば、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、ともにAおよびB、ともにAおよびC、ともにBおよびC、および/またはともにA、B、およびC等を有する、システムを含むが、それらに限定されないであろう)。
【0101】
さらに、説明、請求項、または図面の中にかかわらず、2つ以上の代替的な用語を提示する、事実上あらゆる離接語および/または語句は、該用語のうちの1つ、該用語のいずれか一方、または両方の用語を含む可能性を考慮すると理解されるべきであると、当業者によって理解されるであろう。例えば、「AまたはB」および「Aおよび/またはB」という語句はそれぞれ、「A」または「B」あるいは「AおよびB」の可能性を含むと理解されるであろう。
【0102】
例証的実施形態の先述の説明が、例証および説明の目的で提示されている。開示される正確な形式に関して包括的または限定的となることは意図されておらず、修正および変形例が、上記の教示に照らして可能であるか、または開示された実施形態の実践から取得され得る。本発明の範囲は、本明細書に添付される請求項およびそれらの同等物によって定義されることが意図されている。