(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6235575
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】部品内蔵基板の製造方法及び部品内蔵基板
(51)【国際特許分類】
H05K 3/46 20060101AFI20171113BHJP
H05K 3/00 20060101ALI20171113BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
H05K3/46 Q
H05K3/46 B
H05K3/46 N
H05K3/00 N
H01L23/12 N
【請求項の数】12
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-516796(P2015-516796)
(86)(22)【出願日】2013年5月14日
(86)【国際出願番号】JP2013063432
(87)【国際公開番号】WO2014184873
(87)【国際公開日】20141120
【審査請求日】2016年2月2日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000243906
【氏名又は名称】株式会社メイコー
(74)【代理人】
【識別番号】100090022
【弁理士】
【氏名又は名称】長門 侃二
(72)【発明者】
【氏名】戸田 光昭
(72)【発明者】
【氏名】松本 徹
(72)【発明者】
【氏名】村田 聖子
【審査官】
齊藤 健一
(56)【参考文献】
【文献】
特表2007−535157(JP,A)
【文献】
特開2007−173276(JP,A)
【文献】
米国特許第6292366(US,B1)
【文献】
特開2001−332866(JP,A)
【文献】
特開2005−45228(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/009831(WO,A1)
【文献】
特開2008−159805(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0145328(US,A1)
【文献】
特開2011−249745(JP,A)
【文献】
特開2004−179288(JP,A)
【文献】
国際公開第03/065778(WO,A1)
【文献】
国際公開第03/065779(WO,A1)
【文献】
特表2011−522403(JP,A)
【文献】
特開2001−53447(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K1/00−3/46
H01L23/00−23/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1表面側に第1端子を備えるとともに、前記1表面側よりもクラックの発生を抑制できない脆弱な構造を有する第2表面側に第2端子を備えるIC部品を内蔵する部品内蔵基板の製造方法であって、
表面上に金属膜が形成された支持板を準備する準備工程と、
前記金属膜の表面上に接着層を介して前記第1端子を接合するとともに、前記接着層側とは反対側に前記第2端子を配置してIC部品を搭載する搭載工程と、
前記金属膜及び前記IC部品を覆うように絶縁樹脂材料を積層し、前記IC部品を埋設する第1絶縁層を形成する第1絶縁層形成工程と、
前記第1絶縁層の表面上に内側金属層を形成する内側金属層形成工程と、
前記第1端子と前記金属膜とを電気的に接続して第1端子用配線パターンを形成する配線パターン形成工程と、
前記内側金属層を覆うように絶縁樹脂材料を積層して第2絶縁層を形成する第2絶縁層形成工程と、
前記第2絶縁層の表面上に外側金属層を形成する外側金属層形成工程と、
前記外側金属層から前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層を貫通して前記第2端子に到達するビアをレーザ照射により形成し、前記ビア内に導電体を充填して前記外側金属層と前記第2端子とを電気的に接続する導通ビアを形成する導通ビア形成工程と、を含むことを特徴とする部品内蔵基板の製造方法。
【請求項2】
前記第1端子はソース端子及びゲート端子の少なくともいずれかであり、且つ前記第2端子はドレイン端子であることを特徴とする請求項1に記載の部品内蔵基板の製造方法。
【請求項3】
前記内側金属層形成工程においては、前記内側金属層に所望の形状を形成するパターン形成工程を含み、
前記導通ビア形成工程においては、前記内側金属層の非形成部分における前記第2絶縁層を貫通し、前記外側金属層と前記第2端子とを直接的に接続することを特徴とする請求項1又は2に記載の部品内蔵基板の製造方法。
【請求項4】
前記導通ビア形成工程においては、前記導通ビアと前記内側金属層とを接触させつつ、前記第2端子、前記内側金属層、及び前記外側金属層を導通ビアによって電気的に接続させることを特徴とする請求項1又は2に記載の部品内蔵基板の製造方法。
【請求項5】
前記導通ビア形成工程においては、フィルドメッキ又は導電性ペーストの充填によって前記導通ビアを形成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の部品内蔵基板の製造方法。
【請求項6】
前記外側金属層形成工程の後に前記導通ビア形成工程を行うことにより、前記IC部品におけるクラックの発生が防止されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の部品内蔵基板の製造方法。
【請求項7】
絶縁樹脂材料を含む第1絶縁層と、
第1表面側に第1端子を備え、且つ前記1表面側よりもクラックの発生を抑制できない脆弱な構造を有する第2表面側に第2端子を備えるとともに、前記絶縁層に埋設されたIC部品と、
前記IC部品の前記第1端子と前記第1絶縁層の外部とを電気的に接続する第1端子用配線パターンと、
前記第1絶縁層における前記第1端子用配線パターンの形成面とは反対側に形成された内側金属層と、
絶縁樹脂材料を含み、前記内側金属層を覆うように形成された第2絶縁層と、
前記第2絶縁層上に形成された外側金属層と、
前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層を貫通して前記外側金属層と前記第2端子とを電気的に接続する導通ビアと、を有し、
前記導通ビアは、前記第1絶縁層を貫通する部分と、前記第2絶縁層を貫通する部分とが同一工程内にて形成されることを特徴とする部品内蔵基板。
【請求項8】
前記第1端子はソース端子及びゲート端子の少なくともいずれかであり、且つ前記第2端子はドレイン端子であることを特徴とする請求項7に記載の部品内蔵基板。
【請求項9】
前記導通ビアは、前記外側金属層と前記内側金属層とを電気的に接続することなく、前記外側金属層と前記第2端子とを直接的に接続することを特徴とする請求項7又は8に記載の部品内蔵基板。
【請求項10】
前記導通ビアは、前記内側金属層を貫通しつつ、前記外側金属層、前記内側金属層、及び前記第2端子を電気的に接続することを特徴とする請求項7又は8に記載の部品内蔵基板。
【請求項11】
前記導通ビアは、フィルドメッキ又は導電性ペーストの充填によって形成されることを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載の部品内蔵基板。
【請求項12】
前記外側金属層の形成後に前記導通ビアを形成することにより、前記IC部品にクラックが発生しないことを特徴とする請求項7乃至11に記載の部品内蔵基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気部品又は電子部品を内蔵する部品内蔵基板を製造するための製造方法、及び当該製造方法によって製造される部品内蔵基板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、各種の電気・電子機器の小型化、薄型化、軽量化、及び多機能化を図るための研究開発が行われてきている。特に、携帯電話、ノートパソコン、デジタルカメラ等の民生品では、多機能化を図りつつも小型化、薄型化、及び軽量化が強く求められている。また、各種の電気・電子機器においては、伝送信号の高周波化及び高速化も図られており、これに伴う信号ノイズの増大を防止することも要求されている。
【0003】
このような要求を実現するために、電気・電子機器に組み込まれる回路基板として、従来は基板表面に実装されていた各種の電気・電子部品を基板の絶縁層である絶縁基材内に内蔵した構造を備える部品内蔵基板や、当該部品内蔵基板を積層してなる部品内蔵多層回路基板の研究開発及び製造が従来から行われてきている。例えば、特許文献1に、部品内蔵基板及びその製造方法が開示されている。
【0004】
特許文献1に開示された部品内蔵基板の製造方法においては、支持体上に銅箔からなる導電薄膜層を形成して、当該導電薄膜層上に接着剤を塗布する。続いて、当該接着剤を介して内蔵部品の実装を行い、その後に当該内蔵部品を覆うように絶縁基材を形成する。このような製造工程を経て形成された部品内蔵基板は、基板自体の厚さが従来よりも薄くなり、更には基板表面上に実装するよりも多くの電気・電子部品を内蔵することが可能となり、様々な用途の電気・電子機器に用いることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4874305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
内蔵部品として、一般的な金属酸化膜半導体の電界効果型トランジスタ(MOSFET:Metal-Oxide-Semiconductor
Field-Effect Transistor)を使用する場合、電気特性を向上させるために当該MOSFETのドレイン端子と部品内蔵基板の配線層とを電気的に接続するドレインビアを形成する。そして、部品内蔵基板の多層配線を形成するために、当該ドレインビアに接続された配線層(すなわち、内層配線)を絶縁層で覆うとともに、当該絶縁層の表面上に別の配線層(すなわち、外層配線)を形成することになる。
【0007】
しかしながら、一般的なMOSFETにおいては、ドレイン端子側が脆弱な構造を有するため、外層配線をプレス形成する際におけるドレインビアへの圧力集中によって、MOSFETにクラックが発生してしまう。
【0008】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、部品内蔵基板の製造工程中においても内蔵部品へのクラック発生が抑制される部品内蔵基板の製造方法、及び内蔵部品へのクラック発生率が従来よりも低減された部品内蔵基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の部品内蔵基板の製造方法は、第1表面側に第1端子を備えるとともに、前記第1表面側よりも
クラックの発生を抑制できない脆弱な構造を有する第2表面側に第2端子を備えるIC部品を内蔵する部品内蔵基板の製造方法であって、表面上に金属膜が形成された支持板を準備する準備工程と、前記金属膜の表面上に接着層を介して前記第1端子を接合するとともに、前記接着層側とは反対側に前記第2端子を配置してIC部品を搭載する搭載工程と、前記金属膜及び前記IC部品を覆うように絶縁樹脂材料を積層し、前記IC部品を埋設する第1絶縁層を形成する第1絶縁層形成工程と、前記第1絶縁層の表面上に内側金属層を形成する内側金属層形成工程と、前記第1端子と前記金属膜とを電気的に接続して第1端子用配線パターンを形成する第1端子用配線パターン形成工程と、前記内側金属層を覆うように絶縁樹脂材料を積層して第2絶縁層を形成する第2絶縁層形成工程と、前記第2絶縁層の表面上に外側金属層を形成する外側金属層形成工程と、前記外側金属層から前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層を貫通して前記第2端子に到達するビアをレーザ照射により形成し、前記ビア内に導電体を充填して前記外側金属層と前記第2端子とを電気的に接続する導通ビアを形成する導通ビア形成工程と、を含むことを特徴とする。
【0010】
上述した部品内蔵基板の製造方法において、前記第1端子はソース端子及びゲート端子の少なくともいずれかであり、且つ前記第2端子はドレイン端子であってもよい。
【0011】
上述したいずれかの部品内蔵基板の製造方法における前記内側金属層形成工程においては、前記内側金属層に所望の形状を形成するパターン形成工程を含み、前記導通ビア形成工程においては、前記内側金属層の非形成部分における前記第2絶縁層を貫通し、前記外側金属層と前記第2端子とを直接的に接続してもよい。
【0012】
また、前記外側金属層と前記第2端子とを直接的に接続するためのビアを形成することなく、前記導通ビア形成工程においては、前記導通ビアと前記内側金属層とを接触させつつ、前記第2端子、前記内側金属層、及び前記外側金属層を導通ビアによって電気的に接続させてもよい。
【0013】
上述した部品内蔵基板の製造方法おける前記導通ビア形成工程においては、フィルドメッキ又は導電性ペースの充填によって前記導通ビアを形成することが好ましい。
【0014】
上述した部品内蔵基板の製造方法においては、前記外側金属層形成工程の後に前記導通ビア形成工程を行うことにより、前記IC部品におけるクラックの発生が防止されている。
【0015】
更に、上記目的を達成するため、本発明の部品内蔵基板は、絶縁樹脂材料を含む第1絶縁層と、第1表面側に第1端子を備えるとともに、前記1表面側よりも
クラックの発生を抑制できない脆弱な構造を有する第2表面側に第2端子を備えるとともに、前記絶縁層に埋設されたIC部品と、前記IC部品の前記第1端子と前記第1絶縁層の外部とを電気的に接続する第1端子用配線パターンと、前記第1絶縁層における前記第1端子用配線パターンの形成面とは反対側に形成された内側金属層と、絶縁樹脂材料を含み、前記内側金属層を覆うように形成された第2絶縁層と、前記第2絶縁層上に形成された外側金属層と、前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層を貫通して前記外側金属層と前記第2端子とを電気的に接続する導通ビアと、を有し、前記導通ビアは、前記第1絶縁層を貫通する部分と、前記第2絶縁層を貫通する部分とが同一工程内にて形成されることを特徴とする。
【0016】
上述した部品内蔵基板において、前記第1端子はソース端子及びゲート端子の少なくともいずれかであり、且つ前記第2端子はドレイン端子であってもよい。
【0017】
上述したいずれかの部品内蔵基板において、前記導通ビアは、前記外側金属層と前記内側金属層とを電気的に接続することなく、前記外側金属層と前記第2端子とを直接的に接続してもよい。
【0018】
また、前記導通ビアが前記外側金属層と前記第2端子とを直接的に接続せずに、前記内側金属層を貫通しつつ、前記外側金属層、前記内側金属層、及び前記第2端子を電気的に接続してもよい。
【0019】
上述したいずれかの部品内蔵基板において、前記導通ビアは、フィルドメッキ又は導電性ペースの充填によって形成されることが好ましい。
【0020】
上述したいずれかの部品内蔵基板において、前記外側金属層の形成後に前記導通ビアを形成することにより、前記IC部品におけるクラックの発生が防止されている。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る部品内蔵基板の製造方法においては、外側金属層形成後に、外側金属層から第1絶縁層及び第2絶縁層を貫通して第2端子に到達する導通ビアを形成するため、外側金属層形成の際には、IC部品及びその第2端子に対して圧力集中が生じることがなくなる。このため、部品内蔵基板の製造工程中において、第1絶縁層内に埋設されたIC部品にクラックが生じることがない。
【0022】
本発明に係る部品内蔵基板においては、外側金属層から第1絶縁層及び第2絶縁層を貫通して第2端子に到達する導通ビアを外側金属層形成後の同一工程内にて形成するため、IC部品及びその第2端子に対する圧力集中にともなうクラックが生じることがなく、当該部品内蔵基板は優れた電気的特性及び信頼性を有することになる。
【0023】
また、本発明に係る部品内蔵基板において、外側金属層、内側金属層、IC部品の第2端子を導通ビアによって電気的に接続する場合には、電気的特性が向上することになる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の実施例に係る部品内蔵基板の製造方法の各製造工程における概略断面図である。
【
図2】本発明の実施例に係る部品内蔵基板の製造方法の各製造工程における概略断面図である。
【
図3】本発明の実施例に係る部品内蔵基板の製造方法の各製造工程における概略断面図である。
【
図4】本発明の実施例に係る部品内蔵基板の製造方法の各製造工程における概略断面図である。
【
図5】本発明の実施例に係る部品内蔵基板の製造方法の各製造工程における概略断面図である。
【
図6】本発明の実施例に係る部品内蔵基板の製造方法の各製造工程における概略断面図である。
【
図7】本発明の実施例に係る部品内蔵基板の製造方法の各製造工程における概略断面図である。
【
図8】本発明の実施例に係る部品内蔵基板の製造方法の各製造工程における概略断面図である。
【
図9】本発明の実施例に係る部品内蔵基板の製造方法の各製造工程における概略断面図である。
【
図10】本発明の変形例に係る部品内蔵基板の製造方法の各製造工程における概略断面図である。
【
図11】本発明の変形例に係る部品内蔵基板の製造方法の各製造工程における概略断面図である。
【
図12】本発明の変形例に係る部品内蔵基板の製造方法の各製造工程における概略断面図である。
【
図13】本発明の変形例に係る部品内蔵基板の製造方法の各製造工程における概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について、実施例及び変形例に基づき詳細に説明する。なお、本発明は以下に説明する内容に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において任意に変更して実施することが可能である。また、実施例及び変形例の説明に用いる図面は、いずれも本発明による部品内蔵基板及びその構成部材を模式的に示すものであって、理解を深めるべく部分的な強調、拡大、縮小、または省略などを行っており、部品内蔵基板及びその構成部材の縮尺や形状等を正確に表すものとはなっていない場合がある。更に、実施例及び変形例で用いる様々な数値は、いずれも一例を示すものであり、必要に応じて様々に変更することが可能である。
【0026】
<実施例>
以下において、本発明の実施例に係る部品内蔵基板の製造方法について、
図1乃至
図9を参照して詳細に説明する。ここで、
図1乃至
図9は、本実施例に係る部品内蔵基板の製造方法の各製造工程における概略断面図である。
【0027】
先ず、
図1に示すように、支持板1を準備する準備工程が行われる。具体的には、剛性を有する支持板1上に金属膜2を形成し、表面が金属膜2に覆われた支持板1を準備する。金属膜2は、後の製造工程において、第1端子用配線パターンの一部となるべきものである。支持板1として、プロセス条件にて必要とされる程度の剛性を有するものが用いられる。例えば、支持板1は、剛性のあるSUS(ステンレス)板又はアルミ板等で形成されてもよい。また、本実施例において、金属膜2は銅から構成されている。例えば、支持板1がSUS板から構成されていれば銅めっきを析出させて金属膜2を形成することができ、支持板1がアルミ板であれば銅箔を貼り付けて金属膜2を形成できる。
【0028】
次に、
図2に示すように、例えばディスペンサーや印刷等によって絶縁材料からなる接着層3を金属膜2上に形成する。本実施例においては、当該接着層3上に後述するIC部品4を実装することで、当該IC部品4を金属膜2上に固着している。なお、本実施例においては1つのIC部品を内蔵させるため、金属膜2上の1箇所に接着層3を形成したが、実装する内蔵部品の数量、寸法、形状に応じて接着層3の数量及び配置構成を適宜変更することができる。また、接着層3の材料は、絶縁材料に限定されることがなく、半田ペーストを用いてもよいが、この場合には後述するIC部品4の端子と金属膜2とを電気的に接続させるための工程(ビアホール形成及び導通ビア形成)が不要となる。
【0029】
次に、
図3に示すように、接着層3を介してIC部品4を金属膜2上に搭載する搭載工程が行われる。ここで、IC部品4は一般的なMOSFETであり、第1表面4a側にゲート端子及びソース端子の少なくとも一方として機能する第1端子4bを備えるとともに、第1表面4aとは反対に位置する第2表面4c側にドレイン端子として機能する第2端子4dを備えている。また、IC部品4において、第2端子4dの形成面である第2表面4c側は、ドレイン端子である金属層が大部分を占めているため、比較的に脆弱な構造を有することになるが、第1端子4bの形成面である第1表面4a側は、金属層及び絶縁層等からなる比較的に強固な層構造を有している。すなわち、IC部品4においては、ドレイン端子側がゲート端子及びソース端子側よりも脆弱な構造となっており、外部応力等の影響によりクラックが発生しやすくなっている。なお、IC部品の第1表面4a側にゲート端子及びソース端子が設けられる場合には、少なくとも2つ以上の第1端子4bが設けられることになり、1つの第1端子4bがゲート端子として機能し、他の第1端子4bがソース端子として機能することになる。
【0030】
具体的な搭載方法としては、吸引ノズルを備える表面実装機(チップマウンタ)を用い、内蔵部品であるIC部品4を接着層3上に実装する。ここで、IC部品4の第1表面4aを接着層3に近接させ、接着層3を介してIC部品4の第1端子4bを金属膜2の表面に接合する。すなわち、第1端子4bが金属膜2に近接する位置に配置され、第2端子4dが金属膜2から離間する位置に配置されることになる。
【0031】
次に、
図4に示すように、第1絶縁層5を形成する第1絶縁層形成工程が行われる。当該第1絶縁層形成工程においては、金属膜2及びIC部品4を覆うように(すなわち、金属膜2及びIC部品4に対して)、第1絶縁層5となるべき絶縁樹脂材料を積層し、IC部品4を第1絶縁層5内に埋設する。具体的には、IC部品4に対して金属膜2が配された側とは反対側(すなわち、第2表面4c側)にプリプレグ等の絶縁樹脂材料をレイアップし、これを真空下で加熱しながらプレスして行う。このプレスは、例えば真空加圧式のプレス機を用いて行われる。なお、絶縁樹脂材料は、熱膨張係数がIC部品4に近いものを使用することが好ましい。また、第1絶縁層5の形成の際に、金属膜2が位置する面とは反対側の表面上に、第2端子4d用の内側金属層6が形成される。ここで、内側金属層6は、後の製造工程において、第2端子4d用の配線パターンの一部となるべきものである。
【0032】
次に、
図5に示すように、支持板1が除去されるとともに、金属膜2及び接着層3を貫通してIC部品4の第1端子4bに到達する第1ビア7が形成される。第1ビア7の形成方法としては、支持板1を先ず除去し、その後に、例えばCO
2レーザをビア形成箇所に照射することにより、CO
2レーザの照射部分の部材が除去されて第1ビア7が形成される。なお、CO
2レーザに限られることがなく、例えば、UV−YAGやエキシマ等の高周波レーザを用いてもよい。
【0033】
第1ビア7が形成された後、デスミア処理を施し、ビア形成の際に残留している樹脂を除去することが好ましい。また、第1端子4bには更にソフトエッチング処理を施し、ビア形成によって露出した第1端子4bの露出面の酸化物や有機物を除去することが好ましい。これにより、新鮮な金属の表面が露出することになり、その後のめっき処理において析出する金属との密着性が高まり、結果として電気的な接続信頼性が向上する。
【0034】
次に、
図6に示すように、第1ビア7内に導電体を充填して第1導通ビア8を形成するとともに、金属膜2及び内側金属層6のパターニングを行う。これにより、第1導通ビア8及びパターニングされた金属膜2からなる第1端子用配線パターン9が形成される。具体的には、必要に応じて第1ビア7にデスミアやハーフエッチング処理を施して化学銅めっきや電気銅めっき等のめっき処理を施し、第1ビア7にめっきを析出させて導電体を充填して第1導通ビア8を形成する。そして、第1絶縁層5の両面に配された金属膜2及び内側金属層6に対してエッチング処理を施す。ここで、内側金属層6に対するエッチングは、IC部品4の第2端子4dの直上部分に開口が形成されるように行われる。すなわち、IC部品4の第2端子4dの直上部分には、内側金属層6が存在しない領域があり、当該領域部分に第1絶縁層5が露出することになる。このような工程を経て、第1絶縁層5の内部(すなわち、IC部品4の第1端子4b)から外部に向かって延在しつつ、第1絶縁層5の表面上においても延在する第1端子用配線パターン9が形成される。
【0035】
なお、上述した第1導通ビア8の形成工程においては、第1ビア7に導電体であるフィルドメッキを充填し、第1導通ビア8であるフィルドビアを形成したが、第1ビア7に導電性ペーストを充填し、第1導通ビア8を形成してもよい。
【0036】
次に、
図7に示すように、第2絶縁層11及び第3絶縁層12を形成する追加絶縁層形成工程が行われる。当該追加絶縁層形成工程においては、パターニングされた内側金属層6を覆うように、第2絶縁層11となるべき絶縁樹脂材料を積層するとともに、パターニングされた金属膜2を覆うように、第3絶縁層12となるべき絶縁樹脂材料を積層し、IC部品4が内蔵された状態の中間形成体を第2絶縁層11及び第3絶縁層12によって挟み込む。本実施例においては、第2絶縁層11及び第3絶縁層12の具体的な形成方法及び絶縁材料は、上述した第1絶縁層5の形成方法及び絶縁材料と同様であるため、その説明は省略するが、第2絶縁層11及び第3絶縁層12の形成方法及び絶縁材料は、上述した第1絶縁層5の形成方法及び絶縁材料と同様にすることなく、他の公知の形成方法及び一般的な他の絶縁材料を用いてもよい。
【0037】
また、
図7に示すように、第2絶縁層11及び第3絶縁層12の形成の際に、第2絶縁層11及び第3絶縁層12の表面上に、第1外側金属層13及び第2外側金属層14が形成される。すなわち、追加の金属層となる第1外側金属層13及び第2外側金属層14を形成する外側金属層形成工程が行われる。ここで、第2外側金属層14は、後の製造工程において、第2端子4d用の配線パターンの一部となるべきものである。
【0038】
次に、
図8に示すように、第2外側金属層14、第2絶縁層11、及び第1絶縁層5を貫通してIC部品4の第2端子4dに到達する第2ビア15が形成される。第2ビア15の形成方法としては、第1ビア7の形成方法と同様に、例えばCO
2レーザをビア形成箇所に照射することにより、CO
2レーザの照射部分の部材が除去されて各ビアが形成される。なお、CO
2レーザに限られることがなく、例えば、UV−YAGやエキシマ等の高周波レーザを用いてもよい。
【0039】
ここで、第2ビア15の形成工程においては、内側金属層6のパターン形成によって露出した第1絶縁層5の直上部分に位置する第2絶縁層11及び第2外側金属層14を貫通するように第2ビア15を形成する。すなわち、第2ビア15は、内側金属層6を貫通することなく、内側金属層6のパターン開口部分を充填する第2絶縁層11(換言すれば、内側金属層6の非形成部分における第2絶縁層11)を貫通することになる。
【0040】
第2ビア15が形成された後、デスミア処理を施し、ビア形成の際に残留している樹脂を除去することが好ましい。また、第2端子4dには更にソフトエッチング処理を施し、ビア形成によって露出した第2端子4dの露出面の酸化物や有機物を除去することが好ましい。これにより、新鮮な金属の表面が露出することになり、その後のめっき処理において析出する金属との密着性が高まり、結果として電気的な接続信頼性が向上する。
【0041】
次に、
図9に示すように、第2ビア15内に導電体を充填して第2導通ビア16を形成するとともに、第2外側金属層14のパターニングを行う。これにより、第2導通ビア16及びパターニングされた第2外側金属層14を含む第2端子用配線パターン17が形成される。すなわち、第2外側金属層14から第1絶縁層5及び第2絶縁層11を貫通して第2端子4dに到達する第2ビア15を形成した後に、第2ビア15に導電体を充填して第2外側金属層14と第2端子4dとを電気的に接続する第2導通ビア16を形成する導通ビア形成工程が行われる。具体的には、必要に応じて第2ビア15にデスミアやハーフエッチング処理を施して化学銅めっきや電気銅めっき等のめっき処理を施し、第2ビア15にめっきを析出させて導電体を充填して第2導通ビア16を形成する。そして、第2絶縁層11に形成された第2外側金属層14に対してエッチング処理を施す。このような工程を経て、第1絶縁層5の内部(すなわち、IC部品4の第2端子4d)から外部に向かって延在しつつ、第2絶縁層11の表面上においても延在する第2端子用配線パターン17が形成される。
【0042】
上述したような第2導通ビア16の形成工程がなされることにより、第2導通ビア16を構成する部分のうち、第1絶縁層5を貫通する部分と、第2絶縁層11を貫通する部分とが、第2外側金属層14の形成後の同一工程内において形成されることになる。すなわち、第1絶縁層5を貫通する部分と、第2絶縁層11を貫通する部分との間には、境界が存在することなく、第1絶縁層5を貫通する部分及び第2絶縁層11を貫通する部分は同一材料によって一続きに形成されていることになる。
【0043】
ここで、
図9には示されていないが、内側金属層6と第2外側金属層とは、他の導通ビア等によって電気的に接続されている。すなわち、第2端子用配線パターンには、パターニングされた内側金属層6も含まれることになる。当該他の導通ビアの形成は、上述した第2ビアの形成、及び第2ビアへの導電体の充填を行う工程の際に、同様にして行われることになる。なお、内側金属層6と第2外側金属層とを電気的に接続させる当該他の導通ビアを形成しなくてもよい。また、金属膜2及び第1導通ビア8からなる第1端子用配線パターン9は、第3絶縁層12を貫通する他の導通ビアを介して、第1外側金属層13と電気的に接続されていてもよい。
【0044】
以上のような製造工程を経て、
図9に示すような部品内蔵基板20の形成が完了する。なお、実際の部品内蔵基板20の製造においては、複数の部品内蔵基板20が1枚の基板として製造され、複数の部品内蔵基板20の形成完了後に当該1枚の基板を切断し、最終的に複数の部品内蔵基板20を同時に製造することになる。
【0045】
本実施例の製造方法においては、内側金属層6の形成後であって第2外側金属層14の形成前に、IC部品4の第2端子4dに電気的に接続する導通ビアを形成することなく、第2外側金属層14の形成後に、第1絶縁層5を貫通する導通ビア及び第2絶縁層11を貫通する導通ビアを第2導通ビア16として同時に形成している。このように、第2外側金属層14の形成後に第2導通ビア16を形成しているため、第2外側金属層14の形成時にはIC部品4のドレインビア(すなわち、第2導通ビア16)に圧力集中が生じることがなく、IC部品自体にもクラックが発生することがなくなる。
【0046】
なお、第1端子4b側においては、第1外側金属層の形成前に、第1導通ビア8を形成しているが、第1端子4bはソース端子及びゲート端子の少なくとも一方であることから、第1端子4bの形成面側は比較的に強固である。このため、第1導通ビア8に圧力集中が生じたとしても、IC部品4
自体にクラックが生じることはない。
【0047】
また、本実施例の製造方法おいては、内側金属層6の積層後に、上述したドレインビアに対する圧力集中が生じないため、IC部品4に負荷を生じさせ、IC部品4におけるクラック発生に繋がる製造工程が存在しないことになる。同様に、本実施例の部品内蔵基板20には、経年変化に伴って製品に不具合(電気的特性の不良)を引き起こす微少クラック等も生じていないため、部品内蔵基板20は非常に優れた信頼性を備えることになる。
【0048】
更に、本実施例の部品内蔵基板20においては、第2外側金属層14とIC部品4の第2端子4dとが電気的に直接接続されているため、部品内蔵基板20の第2外側金属層14を接地電位(グランド)に接続することにより、部品内蔵基板20自体の電気的特性を向上させることができる。すなわち、IC部品4のオン状態及びオフ状態における電位差を大きくすることができ、IC部品4のオンオフを高精度に行うことができる。
【0049】
そして、本実施例の部品内蔵基板20においては、第2ビア15内をフィルドメッキ又は導電性ペーストにより充填を行って第2導通ビア16を形成するため、導通ビア1つ当たりの抵抗値を低減することができ、部品内蔵基板20自体の電気的特性の向上を図ることができる。
【0050】
以上のように、本実施例に係る部品内蔵基板20の製造方法においては、部品内蔵基板20の製造工程中、及び製造工程後の各種の処理においてもIC部品4へのクラック発生が抑制され、IC部品4へのクラック発生率が従来よりも低下した部品内蔵基板20を提供することができる。
【0051】
<変形例>
本発明にかかる部品内蔵基板の製造方法は、上述した実施例に限定されることがなく、第2導通ビアが内側金属層と接触するように、内側金属層のパターン形成、第2ビア、及び第2導通ビアの形成を行ってもよい。このような場合の部品内蔵基板の製造方法及びこれによって製造される部品内蔵基板20’を
図10乃至
図13を参照しつつ説明する。ここで、
図10乃至
図13は、変形例に係る部品内蔵基板の製造方法の各製造工程における概略断面図である。なお、上述した実施例における
図1乃至
図5の製造工程(準備工程〜第1ビア7の形成工程)の説明は、変形例における製造方法においても同一であるため、その説明は省略する。また、上述した実施例に係る部品内蔵基板20と同一構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0052】
図10に示すように、第1ビア7の形成後、第1ビア7内に導電体を充填して第1導通ビア8を形成するとともに、金属膜2及び内側金属層6のパターニングを行う。これにより、第1導通ビア8及びパターニングされた金属膜2からなる第1端子用配線パターン9が形成される。本変形例においては、内側金属層6に形成されるパターンの開口径が、上述した実施例よりも小さくなっている。
【0053】
次に、
図11に示すように、第2絶縁層11及び第3絶縁層12を形成する追加絶縁層形成工程が行われる。当該追加絶縁層形成工程においては、パターニングされた内側金属層6を覆うように、第2絶縁層11となるべき絶縁樹脂材料を積層するとともに、パターニングされた金属膜2を覆うように、第3絶縁層12となるべき絶縁樹脂材料を積層し、IC部品4が内蔵された状態の中間形成体を第2絶縁層11及び第3絶縁層12によって挟み込む。
【0054】
また、
図11に示すように、第2絶縁層11及び第3絶縁層12の形成の際に、第2絶縁層11及び第3絶縁層12の表面上に、第1外側金属層13及び第2外側金属層14が形成される。すなわち、追加の金属層となる第1外側金属層13及び第2外側金属層14を形成する外側金属層形成工程が行われる。
【0055】
次に、
図12に示すように、第2外側金属層14、第2絶縁層11、内側金属層6、及び第1絶縁層5を貫通してIC部品4の第2端子4dに到達する第2ビア21が形成される。第2ビア21の形成方法としては、上述した実施例の第1ビア7の形成方法と同様に、例えばCO
2レーザをビア形成箇所に照射することにより、CO
2レーザの照射部分の部材が除去されて各ビアが形成される。この際、第2ビア21の側部が内側金属層6の側面と接触するようにする。これにより、後述する第2導通ビア22が内側金属層6と接触することになる。なお、CO
2レーザに限られることがなく、例えば、UV−YAGやエキシマ等の高周波レーザを用いてもよい。
【0056】
次に、
図13に示すように、第2ビア21内に導電体を充填して第2導通ビア22を形成するとともに、第2外側金属層14のパターニングを行う。これにより、第2導通ビア22、パターニングされた第2外側金属層14、内側金属層6からなる第2端子用配線パターン17が形成される。すなわち、第2外側金属層14から第1絶縁層5、内側金属層6、及び第2絶縁層11を貫通して第2端子4dに到達する第2ビア21を形成した後に、第2ビア21に導電体を充填して第2外側金属層14、内側金属層6、及び第2端子4dを電気的に接続する第2導通ビア22を形成する導通ビア形成工程が行われる。導電体を充填する工程については、上述した実施例と同一であるため、その説明は省略する。このような工程を経て、第1絶縁層5の内部(すなわち、IC部品4の第2端子4d)から外部に向かって延在しつつ、第1絶縁層5及び第2絶縁層11の表面上においても延在する第2端子用配線パターン17が形成される。
【0057】
以上のような製造工程を経て、
図13に示すような部品内蔵基板20’の形成が完了する。部品内蔵基板20’は、内側金属層6の形成面積が比較的に大きく且つ第2端子用配線パターン17の形成面積も従来よりも大きくなり、ドレイン端子である第2端子4dの電位を接地電位により確実に近づけることができ、部品内蔵基板20’の電気的特性がより向上されることになる。
【符号の説明】
【0058】
1 支持板
2 金属膜
3 接着層
4 IC部品
4a 第1表面
4b 第1端子
4c 第2表面
4d 第2端子
5 第1絶縁層
6 内側金属層
7 第1ビア
8 第1導通ビア
9 第1端子用配線パターン
11 第2絶縁層
12 第3絶縁層
13 第1外側金属層
14 第2外側金属層
15 第2ビア
16 第2導通ビア
17 第2端子用配線パターン
20、20’ 部品内蔵基板
21 第2ビア
22 第2導通ビア