【実施例】
【0045】
実施例
[065] 以下の実施例は本発明の実施形態の例示として意図され、本発明を制限するものと解釈されることを意図していない。
【0046】
[066] 本発明の1つの実施形態は、個体の医用画像(CT、MRI又は超音波)上での肝表面小結節の定量用ソフトウェアアルゴリズムであって、疑われていないか又は疑われている肝線維症及び/又は肝硬変を有する個体において、肝線維症及び/又は肝硬変についてスクリーニングし、該疾患を診断し、該疾患の重篤度をステージ決定し、該疾患の治療応答性を評価するために単独で又は他の変量との組合せで使用できる肝表面小結節スコアを導くソフトウェアアルゴリズムである。肝表面小結節スコアは、疑われていないか又は疑われている肝線維症及び/又は肝硬変を有する個体において、肝線維症及び/又は肝硬変についてスクリーニングし、該疾患を診断し、該疾患の重篤度をステージ決定し、該疾患の治療応答性を評価するために、記載されるような他の変量と数学的に組み合わせることができる。数学的組合せは、より低いステージの肝線維症を同定し識別するための正確性を向上させる。
【0047】
[067] 本実施例では、ソフトウェアアルゴリズムが、DICOMフォーマットで肝臓のグレースケール医用画像を開いて表示する(
図1及び2)。ユーザーは、肝表面を評価するために所望するとおりに、肝臓の軸位像をスクロールし、画像を拡大しパンすることができる。
[068] ユーザーは、画像のウィンドウー設定を手動で調節して、肝表面境界検出を向上させることができる。CT画像については、ウィンドー幅は225に予め設定され、ウィンドー中心は、モノコントラスト肝臓CT画像については50に、門脈コントラスト強調肝臓CT画像については100に設定する。代替の形態では、ユーザーが肝臓の一部の平均強度を測定し、その測定値を参照してウィンドーを設定する。
【0048】
[069] 脂肪は肝臓とは実質的に異なるシグナル強度を有するので、ユーザーは画像をスクロールして腹部脂肪との肝臓境界の位置を探す。CT画像上で、腹部脂肪の減衰は-190〜-30ハウンスフィールド単位(HU)であり、肝臓より実質的に低い。肝臓の縁を検出する基本原理は、肝臓と脂肪との間での画素強度の差である。そうであるので、画素強度の差及びウィンドー設定がCT、MR及び超音波画像に重要な特徴である。
【0049】
[070] 1つの例では、ユーザーは、円形(circular)ROIツールを選択し、単一のCT画像(単一スライス)上で肝表面に沿って彩色する(
図1、中欄)。肝臓左葉の前縁がユーザー規定のROIの配置に好適な部位であるが、明白な肝表面小結節がより高い程度で他の場所に存在すれば、肝臓の前縁又は右外側縁に沿った別の部位を選択してもよい。ユーザーは、腹部脂肪との肝臓境界の位置を選択するように助言されるが、必要であれば、腹水との肝臓境界の位置を選択してもよい。ユーザーは、ROIを配置するとき、天然のシャープな縁及び裂溝を回避し、腹壁筋構造の選択を回避するように助言される。2つの異なるサイズの円形ROIツールが利用可能である。本発明者は、シャープな縁又は裂溝の不注意な選択が、時に、彩色したROIの先頭及び終端で起こることを見出した。そうであるので、これら端部を自動的に2mm切り取って、この問題の発生を低減させる。選択したROIはマスクとして働き、その範囲内で肝臓境界が検出される(
図1、右欄)。代替の形態では、肝表面境界の区画化は、ROI配置を規律する予め設定したルール(例えば、肝臓境界は、厚さが少なくとも5ミリメートルと測定される腹部脂肪に対するものとする)を用いて自動的に行う。
【0050】
[071] (「弱い」エッジがどの程度良好に検出されるかを決定する)エッジ感度はユーザーが調整できる。現行版では、各ROIについて12の異なるエッジ感度が選択される。ユーザーが選択したROI内で、処理アルゴリズムが自動的に、肝臓境界縁を抽出し分析して、肝表面小結節を定量する計量値のセットを作成する(
図3)。肝表面小結節の測定は12の全ての感度で行い、最高値に対応する画像をユーザーによるデータの確認及び手動の承認のために表示する。
【0051】
[072] 以下は、本発明の肝臓境界区画化アルゴリズムの一例である:
1) 低質のスキャンにおいてノイズを有する画素の境界に対する影響を低減するため、オプションのノイズ除去機能がユーザーに利用可能である。実際には、この機能は、ツールバー上でボタン操作により利用可能であったが、本発明者らのパイロット研究では必要なかったし、使用もしなかった。
2) エッジ検出フィルターを画像全体に適用してエッジマスクを作成し、そこで肝臓と周囲組織との間の高コントラスト界面に沿った画素のみを選択する。
3) 工程2で得られたマスクをユーザーが規定した彩色ROIマスクと重ねて、所望の境界を除く全ての領域を排除する(
図1、中欄)。
【0052】
4) 「スケルトン化」フィルターを適用して、残っているエッジ形状を単一画素が繋がった線分にする。
5) 必要な場合、その端点が十分に近接していれば、不連続の線分を「繋ぎ合わせる」。
6) 最大/最長の線を除き、全ての線分を除去する。最長の線を所望の境界エッジと推定し、「検出された肝臓境界」と名付ける(
図1、右欄)。
7) この線の両端を、上記のとおり自動的に2mm切り取る。
8) 検出された肝臓境界線の長さを測定し、記録する。
【0053】
[073] 以下は、本発明の肝表面小結節定量アルゴリズムの一例である:
1) 検出された肝臓境界線を参照として用い、ROIの範囲内にスプライン関数を描写する。スプライン関数は、検出された肝臓境界にフィットする滑らかな多項関数(滑らかな線)である。スプライン関数は、検出された肝臓境界より滑らかな(節の少ない)軌跡を有するように設計され、滑らかな肝臓境界はそのように見えるはずである線を本質的に模倣する(
図1、右欄)。検出された肝臓境界は、頻繁に、スプライン関数と複数の点で交差する。
2) スプライン関数の輪郭フィットパラメータは現行版において手動で調整でき、輪郭パラメータの変更により、スプライン関数が、検出された肝臓境界に正確にマッチし又は該境界からの距離が顕著に変化する。最適な輪郭フィットは20mm設定で見出され、広範な肝表面小結節の最適な検出及び定量を可能にする比較的滑らかなスプライン関数が提供された。
【0054】
3) 検出された肝臓境界の各画素の中心とスプライン関数との間の最短距離を測定する。現行版のソフトウェアでは、距離を二乗して大きな変動の重要性を増大させる。ROI内での二乗距離(d
i,i=1,...,n)の平均及び標準偏差を算出して10を乗じ、それぞれ平均法(Mean Method)又はSD法(SD Method)により肝表面小結節スコアを導く。肝表面小結節スコアを規定する数式は以下のとおりである:
【数1】
【0055】
4) 上記距離は、実際には、上記した12の全てのエッジ検出感度レベルで行う。各エッジ検出感度により、異なる検出された肝臓境界及び対応するスプライン関数が得られる。SD法により最高値が得られた感度レベルでの検出された肝臓境界及び対応するスプライン関数を、ユーザーによる検討のためにスクリーン上に描写する(最大SD法(Max SD Method))。最高の平均法に対応する感度レベルも記録する(最大平均法(Max Mean Method))が、視覚的に表示しない。
5) 検出された肝臓境界を緑色で表示し、スプライン関数を赤色で表示し、ROIの長さ並びに最大SD法及び最大平均法による肝表面小結節スコアは、ツールバー中にボックス内で表示する。
【0056】
6) ユーザーが画像(
図1、右欄)、ROI長及び肝表面小結節スコアを検討し、検出された肝臓境界及び対応するスコアが適切であることを確証する。適切であれば、ユーザーはツールバーのボタンを選択して、最大SD法及び最大平均法による両方の肝表面小結節測定値を保存する。検出された肝臓境界又は測定値が適切又は正確であるように見えるとユーザーが考えないとき、異なるスライスにスクロールするか又はROIツールを選択することによりスコアを破棄し、新たなROIの配置及び新たな測定値の算出のために別の位置を選択する。
7) ユーザーは、各患者について、5つの別個の位置に5つの別個のROIを配置して、肝表面小結節測定を5回行う。メジアンの肝表面小結節スコア(最大SD法又は最大平均法による)を記録する。ソフトウェアアルゴリズムの別の1つの形態では、ユーザーは、最低3回の肝表面小結節測定を行う。測定した検出された肝臓境界の長さの合計が10cmを超えるまで追加の測定が必要である。
【0057】
[074]
図1は、肝表面小結節ソフトウェアアルゴリズムにより導出した、3人の患者の非コントラスト薄層スライス肝臓CT画像を示す。上列(A)は肝疾患を有さない患者のものであり(METAVIRステージF0)、中列(B)は進行型肝硬変を有するHCV感染患者のものであり(METAVIRステージF4及びチャイルド・ピュー分類A=F4A)、下列(C)は後期ステージ肝硬変を有するHCV感染患者のものである(METAVIRステージF4及びチャイルド・ピュー分類B=F4B)。左側の画像は、所定のウィンドー設定(中心50、幅225)での肝臓の拡大図である。中欄の画像は、ペイントツールによる肝表面ROIのユーザー指示選択を示す。右欄の画像は、検出された肝臓境界(濃ダークグレーの画素で構成された線)及びスプライン関数(薄いダークグレーの線)を描く、処理された肝臓画像の5倍拡大図を示す。F0疾患の患者については、肝表面境界とスプライン関数曲線とはほぼ重複し、肝表面小結節スコアは低い(2.0)。F4A疾患の患者については、軽度の肝表面小結節が存在し、肝表面境界とスプライン関数曲線とは断続的に離間し、対応する肝表面小結節スコアは上昇してした(3.8)。F4B疾患を有する患者については、重度の肝表面小結節が存在し、肝表面境界とスプライン関数曲線とは断続的に顕著に離間し、対応する肝表面小結節スコアは顕著いに上昇した(11.2)。本実施例では、肝表面小結節スコアは、最大SD法による5回測定のメジアンであった。
【0058】
[075]
図2は、肝表面小結節ソフトウェアアルゴリズムにより導出した、2人の患者のT2加重MR画像を示す。上列(A)は肝疾患を有さない患者のものであり(METAVIRステージF0)、下列(B)は初期肝硬変を有するHCV感染患者のものである(METAVIRステージF4及びチャイルド・ピュー分類A=F4B)。左側の画像は、肝臓と腹部脂肪又は腹水との間での最適なコントラストのために調整したウィンドー設定での肝臓の拡大図である。中欄の画像は、ペイントツールによる肝表面ROIのユーザー指示選択を示す。右欄の画像は、検出された肝臓境界(大きな白色の画素で構成された線)及びスプライン関数(薄いダークグレーの線)を描く、処理された肝臓画像の5倍拡大図を示す。F0疾患の患者については、肝表面境界とスプライン関数曲線とはほぼ重複し、肝表面小結節スコアは低い(2.1)。F4B疾患の患者については、重度の肝表面小結節及び対応する肝表面小結節スコアの顕著な上昇(14.2)が存在する。本実施例では、肝表面小結節スコアは、最大SD法による5回測定のメジアンであった。
【0059】
[076]
図3は、ユーザーが規定した関心領域(ROI)により選択された、肝表面の高倍率の非強調薄層スライスCT画像を示す。これら画像は、初期肝硬変を有するHCV感染患者のものである(METAVIRステージF4及びチャイルド・ピュー分類A)。肝臓は画像の右下半分にあり、腹部脂肪は画像の左上半分にある。肝表面小結節ソフトウェアにより検出される肝表面は、大きい画素で濃い色の線で描かれ、「検出された肝臓境界」と名付けられる。スプライン関数(薄いダークグレーの線)も描かれ、検出された肝臓境界より滑らかな(節の少ない)軌跡を有するように意図的に設計され、この患者について滑らかな肝臓境界はそのように見えるはずである線を本質的に模倣する。検出された肝臓境界とスプライン関数との間に見られる薄い白色線は、検出された肝臓境界画素の中心とスプライン関数との間の最短距離を表す。検出された肝臓境界の各画素の中心とスプライン関数との間の最短距離を測定する。現行版のソフトウェアでは、距離を二乗して大きな変動の重要性を増大させる。ROI内での二乗距離(d
i,i=1,...,n)の平均及び標準偏差を算出して10を乗じ、それぞれ平均法又はSD法により肝表面小結節スコアを導く。
【0060】
[077] 上記の技法は、肝臓境界のエッジ強調及び検出に続く、個体の医用画像上での肝表面小結節の量及び程度に対応する連続測定数値を提供するソフトウェアアルゴリズムを用いる肝臓境界小結節定量により、MR画像(
図2)及び超音波画像に適用可能である。
[078] 研究所の倫理委員会が許可した遡及的パイロット(概念実証)研究の一部として、電子カルテを使用して、2006年1月1日〜2011年3月31日の間にルーチンの肝臓CT撮像(薄層(0.6〜2.0mm)及び厚層(2.5〜5.0mm)スライス軸位像の非コントラスト及び門脈位相差強調画像(それぞれ、NCCT-薄層、NCCT-厚層、CECT-薄層及びCECT-厚層撮像)を含む)を行った患者を特定した。CT撮像から1年未満でHCV感染患者から得た肝生検標本(N=31)を、METAVIRスコア決定のために専門の肝病理学者が調べた。生検がない正常肝臓の患者(N=30)をスコアF0に割り当てた。HCV誘導肝硬変について臨床管理されているが生検がない患者(N=35)をスコアF4に割り当てた。チャイルド・ピュースコア決定を用いて、生検により証明された臨床肝硬変(F4)の重篤度をA、B又はCに群分けした(N=56)。CT撮像の6ヶ月以内の以下の血中レベルを記録した:AST、ALT、総ビリルビン、アルブミン、INR、血小板及びクレアチニン。
【0061】
[079] 各CT研究(NCCT-薄層、NCCT-厚層、CECT-薄層及びCECT-厚層)の5回測定を、或るバージョンの肝表面小結節ソフトウェアアルゴリズムを用い、疾患状態について知らない、特別研究の訓練を受けた身体撮像放射線技師が行った。ユーザーは、所定のウィンドー設定で画像を視覚的に検査し、肝臓左葉の前縁(最も見つけ易い表面小結節があり、肝縁辺が腹部脂肪に接する)に沿ってROIを選択した。この領域で測定が可能でない場合、又は明らかにより大きな肝表面小結節が他の場所に存在する場合、肝臓の前縁又は右外側縁をROI配置のために選択した。ROIを配置するとき、天然のシャープな縁及び裂溝(特に、鎌状間膜の裂溝)並びに腹壁筋構造の選択を回避した。合計5回の測定を行い、最大平均法及び最大SD法によるメジアン肝表面小結節スコアを記録した。
[080] 同じ読取者がまた、総肝容積(TLV)及び左外側区画容積(LLSV)を測定し、各撮像シリーズについて門脈静脈瘤の有無を調べた。LLSV対TLV比(LLSV:TLV比)を算出した。
【0062】
[081] ROC曲線下面積(AUC)を用いて、硬変肝と非硬変肝との弁別に関する小結節スコアの正確性を評価した。ロジスティック回帰分析を行い、肝線維症及び肝硬変のステージに対する肝表面小結節スコア、肝撮像法及び臨床検査変量の共同効果を評価した。3セットのステージ決定:F2〜F4C対F0〜F1、F3〜F4C対F0〜F2及びF4A〜F4C対F0〜F3についてモデル構築した。本発明者らは多変量分析で以下の変量を考慮した:肝容積測定値(TLV、LLSV、LLSV:TLV比)、AST、ALT、総ビリルビン、アルブミン、INR、血小板、クレアチニン、チャイルド・ピュースコア及びMELDスコア。変量のp値がいずれかのロジスティック回帰モデルで5%有意レベルに達した場合、当該変量を有意と決定し、最終モデルに残した。
【0063】
[082] CECT-薄層撮像法については、最大平均法及び最大SD法によるメジアンの肝表面小結節スコアを
図4に示す。
図4中のバーは、それぞれの患者群のメジアンの肝表面小結節スコアを表す。いずれの方法による肝表面小結節スコアも、肝硬変個体において、非肝硬変個体より実質的に高かった。肝硬変個体のスコアは、チャイルド・ピュー分類が高くなるにつれて漸進的に増大した。非肝硬変(F0〜F3)と肝硬変(F4A〜F4C)とを弁別する受信者動作特性曲線下面積(AUC)は、最大平均法については0.982であり、最大SD法については0.982であった。CECT-薄層撮像法については、最大SD法によるメジアンの肝表面小結節スコアは以下のとおりであった:F0〜F2=1.59(N=33)、F3=1.78(N=7)、F4A=4.71(N=35)、F4B=7.58(N=16)、F4C=8.65(N=5)。全体傾向は、いずれの肝表面小結節スコア決定法によっても、そして全ての撮像法について、肝表面小結節スコアは、肝疾患のステージが前進的に高くなるにつれて増大するというものであった。
【0064】
[083] 硬変肝(N=56)と非硬変肝(N=40)とを弁別する最大SD法による肝表面小結節スコアのAUは、NCCT-薄層、NCCT-厚層、CECT-薄層及びCECT-厚層撮像法についてそれぞれ0.976、0.977、0.982及び0.977であった。各個体のCECT-薄層撮像法についての最大SD法によるメジアン肝表面小結節スコアは、MELDスコア(スピアマン相関=0.476、P=0.0002)及びチャイルド・ピュースコア(スピアマン相関=0.563、P<0.0001)と関係した。当該スコアを
図5に示す。全体傾向は、肝表面小結節スコアとMELDスコア及びチャイルド・ピュースコアとの間の中程度の正の相関であった。肝表面小結節スコアは、MELDスコアが高くなるにつれ、チャイルド・ピュースコアが高くなるつれ、増大した。最大平均法による肝表面小結節スコアについて結果はほぼ同一であった。本発明者らは、ルーチンのCT画像での肝表面小結節スコアは、硬変肝と非硬変肝との識別に関して高度に正確であると結論する。
【0065】
[084] (最大平均法及び最大SD法による)肝表面小結節スコアと他の撮像法及び臨床検査変量の組合せを、HCV誘導肝疾患のステージについて、ロジスティック回帰モデルで評価した。小結節形成スコアに加え、血小板及び肝容積(LLSV:TLV比)のベースライン測定値を、肝疾患のステージの予測指標として同定した。本発明者らは、F2〜F4CとF0〜F1との弁別、F3〜F4CとF0〜F2との弁別及びF4A〜F4CとF0〜F3との弁別に使用する一連のロジスティック回帰モデルを構築した。p(x)は、所与の共変量値xに関して進行ステージの疾患を有する確率とする。NS、PLT及びLVは、それぞれ肝表面小結節スコア、血小板レベル及びLLSV:TLV比を指すものとする。ロジスティック回帰モデルは、次のように数学的に表すことができる
【数2】
(式中、logit(z)=ln [z/(1-z)])。個々のロジスティック回帰モデルにおける3変量のオッズ比を表1に示す。
【数3】
は回帰係数の最尤推定値とする。全患者についてのリスクスコアは、下式で計算した:
【数4】
【0066】
[085] 各リスクスコアセットについてのAUCは、本研究に参加した個体を弁別する基本モデルの検出を示す(表1を参照)。F2〜F4CをF0〜F1と弁別するAUCは、最大平均法では0.958であり、最大SD法では0.961であった。F3〜F4CをF0〜F2と弁別するAUCは、最大平均法では0.966であり、最大SD法では0.974であった。F4A〜F4CをF0〜F3と弁別するAUCは、最大平均法では0.997であり、最大SD法では0.997であった。単変量分析で、小結節形成スコア単独は非常に高い弁別力を有していたが、有意な撮像法及び臨床検査変量を探索することは有用であった。これら変量は、より低いステージの肝疾患において、分類の正確性を大いに改善する能力を有していた。
【0067】
【表1】
【0068】
[086] 以下の参考文献は参照によりその全体が本明細書中に組み込まれる:
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【0070】
[086] 本発明において、本発明の範囲及び精神を逸脱することなく、種々の改変及び変形を行い得ることが、当業者に明らかである。本発明の他の側面は、本明細書の考慮及び本明細書に記載した本発明の実施から当業者に明らかである。本明細書及び実施例は、例示としてのみ考えられるものと意図されている。本発明の真正の範囲及び精神は添付の特許請求の範囲に示されている。