【課題を解決するための手段】
【0077】
第1の局面について、この目的の少なくとも一部は、物体を把持し保持された状態で搬送するためのグリッパによって達成される。このグリッパは、互いに対して開放された状態および閉鎖された状態になることができる第1のグリッパジョーと第2のグリッパジョーとを備える。閉鎖された状態の方向の復元力が、第1のグリッパジョーおよび第2のグリッパジョーに対して作用する。第1のグリッパジョーおよび第2のグリッパジョーは、把持する物体に対してクランピング力を加えることができる。このグリッパは、カムガイドとして設計され第1のグリッパジョーおよび/または第2のグリッパジョーに作用する、少なくとも1つの制御要素を含む。制御要素はさらにスイッチ手段と相互作用することができる。制御要素は、少なくとも1つのアーチ形輪郭セグメントを備えた機能的輪郭を有する。
【0078】
スイッチ手段要素との相互作用中にこのスイッチ手段と直に接触する制御要素の輪郭の部分が、制御要素の機能的輪郭として示される。言い換えると、制御要素の機能的輪郭とは、したがって、スイッチ手段が直接作用する、制御要素の輪郭の部分であって、スイッチ手段がたとえばジョー本体を弾性変形させるために力を直接伝達する、制御要素の輪郭の部分である。
【0079】
特に、制御要素は、少なくとも1つのジョー本体に、この少なくとも1つのジョー本体に作用する力が制御要素に作用する各力によって生じたものであるように、かつその逆になるように、接続される。
【0080】
したがって、制御要素の各運動(すなわちたとえば各変位、屈曲、伸張、圧縮および/または回転)によって、ジョー本体の運動が生じ、および/または、ジョー本体に作用する、結果として生じた力の変化が生じる。
【0081】
この、ジョー本体に作用する、結果として生じた力はしたがって、ジョー本体に作用するすべての力の総和である(したがってたとえばジョー本体によって生じる力の反力の総和でもある)。よって、ジョー本体によって生じた力は、たとえば、搬送すべき物体に対して、別のジョー本体に対して、および/または接合もしくは偏向制限部に対して、作用し得る。しかしながら、搬送すべき物体、別のジョー本体、および/または接合もしくは偏向制限部も、ジョー本体に対して力を加えることができる。
【0082】
逆に、ジョー本体の各運動も、制御要素の運動を、および/または、制御要素に作用する、結果として生じた力の変化を、生じさせる。よって、制御要素によって生じた力は、たとえばスイッチ手段に対して、および/または接合もしくは偏向制御部に対して作用し得る。しかしながら、スイッチ手段および/または接合もしくは偏向制御部も、ジョー本体に対して力を加え得る。
【0083】
言い換えると、制御要素とジョー本体は、これらのうち一方の要素の各運動によって、他方の要素に作用する力が発生するように、互いに接続される。この力はしたがって、他方の要素が運動することによって、または、他方の要素に作用する力が変化することによって、他方の要素に作用する。
【0084】
任意で、制御要素の機能的輪郭は、実質的に1つの面にある。よって、機能的輪郭は特に、搬送方向に対して平行な方向の面にある。
【0085】
搬送方向の制御要素は、それによって偏向されられるグリッパジョーに対して前および/または後ろに配置すればよい。
【0086】
一定の曲率または規則的に変化する曲率を有する数学的曲線、したがって、直線、円、円の一部、螺旋(特に、算術的、対数的、および双曲的螺旋)およびこれら螺旋の一部、ならびに円錐の断面または円錐の断面の一部によって説明できる、輪郭の領域は、輪郭部分として示される。
【0087】
制御要素はカムガイドとして設計される。カムガイドは特定の形状を有し、これが、スイッチ手段と相互作用することにより、グリッパジョーの偏向の、予め定められたおよび定められた時間的および空間的進路を、および/または、グリッパジョーに対して作用する、結果として生じた力の、予め定められたおよび定められた時間的進路を、保証する。制御要素は、この特定の形状によってカムガイドとして設計される。
【0088】
グリッパジョーに対して作用する、結果として生じた力は特に、搬送すべき物体に対してクランピング力を加えるときに(したがって物体を把持している間に)および/または搬送すべき物体からクランピング力を除くときに(したがって物体を解放している間に)、変化する。
【0089】
グリッパジョーに対して作用する、結果として生じた力は特に、グリッパジョーが閉姿勢に達したときおよび/または閉姿勢を取らなくなったときに、変化する。よって、たとえば、搬送すべき物体および/または接合もしくは偏向制限部が、グリッパジョーと協働することができる。
【0090】
このため、グリッパジョーの偏向の、予め定められたおよび定められた時間的および空間的進路は、たとえば、少なくとも一回、特に少なくとも2回、特に少なくとも3回の、グリッパジョーの速度、加速度、および/または運動方向の変化を含む。各変化はしたがって、別の変化とは無関係の、速度、加速度、および/または運動方向に関連する。
【0091】
グリッパジョーの偏向の、予め定められたおよび定められた時間的および空間的進路は、定められたパターンおよび定められた進路に従うグリッパジョーの運動のダイナミクスに対応する。言い換えると、グリッパジョーの偏向の、予め定められたおよび定められた時間的および空間的進路は、予め定められたパターンに従う一連の運動および運動変化であると理解できる。
【0092】
したがって、グリッパジョーの偏向の、予め定められたおよび定められた時間的および空間的進路は、特に、グリッパジョーが閉鎖状態から開放状態まで偏向する間に発生する。しかしながら特に、このグリッパジョーの偏向の予め定められたおよび定められた時間的および空間的進路は、グリッパジョーが開放状態から閉鎖状態まで偏向する間にも発生し得る。しかしながら、任意で、これが閉鎖状態から開放状態までの偏向時と開放状態から閉鎖状態までの偏向時に発生するようにしてもよい。
【0093】
制御要素は任意にワイヤ状または筒状材料を用いて設計される。
制御要素がワイヤ状または筒状材料を用いて成形されるのであれば、機能的輪郭を、特に単純にかつ低コストで製造することができる。これに代えて、制御要素を、鋳造してもよく、材料除去方法で製造してもよく、または、組立てて、すなわち部品を集めて作ってもよい。
【0094】
制御要素は任意でグリッパジョーと一体に設計される。
制御要素と一体に設計されたグリッパジョーは、製造が低コストで容易である。しかしながら、グリッパジョーを制御要素とは別体の要素として形成してもよい。
【0095】
上記機能的輪郭を有する制御要素の1つの利点は、この制御要素と相互作用させるのは単純なスイッチ手段で十分であるということである。制御要素の機能的輪郭と相互作用するスイッチ手段またはスイッチ手段の一部を、簡単に設計することができる。その理由は、グリッパの制御要素の機能的輪郭が、偏向したグリッパジョーのダイナミクスを制御するからである。
【0096】
単純なスイッチ手段は、たとえば、単純な幾何学的手法で、たとえば、棒、平板、直方体、曲線要素、球、ディスク、ホイール等によって設計することができる。スイッチ手段は特に、回転可能に装着されたディスク、ホイール、球、縁なし帽形状、および/またはボールディスクによって形成することができる。スイッチ手段は、搬送装置の中で、強固に不動状態で固定してもよく、可動状態で(特に回転可能状態で)固定してもよく、または弾力的に固定してもよい。
【0097】
単純なスイッチ手段は、低コストで頑丈に設計することができる。単純なスイッチ手段は、複雑に設計されたものよりも摩耗が少ない。加えて、単純なスイッチ手段は低コストで製造できる。複雑に形成または成形されたスイッチ手段と比較すると、単純なスイッチ手段は、交換、メンテナンス、および/または調整も同じく容易である。
【0098】
制御要素が機能的輪郭を有していれば、スイッチ手段が機能的輪郭を有する必要はない。典型的な例では、多数のグリッパが少数のスイッチ手段と協働または相互作用する。このため、機能的輪郭の摩耗は、好都合にも、1つのスイッチ手段に集中するのではなく多数のグリッパに分散される。
【0099】
任意で、制御要素の機能的輪郭は、少なくとも2つの連続する、特に少なくとも3つの連続する輪郭セグメントを含み、輪郭セグメントのうちの少なくとも2つ、特に少なくとも3つは、曲率、湾曲方向、および/または曲率変化が互いに相違する。
【0100】
任意で、制御要素の機能的輪郭は、少なくとも4つの連続する輪郭セグメントを含み、これら輪郭セグメントのうちの、少なくとも2つ、または特に少なくとも3つ、または特に少なくとも4つは、曲率、湾曲方向、および/または曲率変化が互いに相違する。
【0101】
任意で、制御要素の機能的輪郭は、少なくとも1つの輪郭セグメントを含む。その機能的輪郭の成形に関しては、制御要素に対して力が作用するときの制御要素の物理的変化が考慮され、特にその成形に関しては、制御要素に対して力が作用するときの制御要素の屈曲が考慮される。
【0102】
本願における物理的変化は、可逆性の機械的変化、たとえば、屈曲、ひねり(たとえばねじれでもある)、圧縮、および/または伸張による弾性変形であると理解されるはずである。本願の枠組みにおける「成形に関しては、…を考慮する」は、制御要素の予期される物理的変化を予測し機能的輪郭をそれに合わせて成形することによって補償するものであると理解されるはずである。このため、制御要素は相互作用中、制御要素が物理的に変化しても、予め定められた通りに(たとえばスイッチ手段と)相互作用する。
【0103】
上記物理的変化は、機能的輪郭の形状の物理的変化を考慮して予想され補償される。制御要素は、機能的輪郭の少なくとも1つのセグメントの形状が物理的変化を考慮したものであるので、制御要素に物理的変化が生じても、グリッパジョーに対して、物理的変化がより大きく、より小さく、またはなく、それに応じて形状が異なる制御要素と同じダイナミクスを生じさせる。
【0104】
たとえば制御要素が屈曲し易い場合、屈曲し易い制御要素の機能的輪郭は、屈曲し易い制御要素とスイッチ手段との相互作用によって偏向させるグリッパジョーが、屈曲しない制御要素と同一のスイッチ手段との相互作用の場合と、同じ位置にある(同じ圧力を加える)ように、調節される。制御要素の材料特性および寸法(たとえば厚さ)ならびに機能的輪郭の形状または制御要素の輪郭セグメントの配置が、このようにして相互作用する。
【0105】
このように、制御要素を狙い通りに成形することによって、たとえばスイッチ手段との相互作用中の制御要素の変形を補償する。これによって、グリッパジョーの偏向は、予め定められたおよび定められた時間的および空間的進路を辿る。したがって、グリッパジョーの予め定められたおよび定められた時間的および空間的進路は、制御要素の物理的変化の影響を受けない。
【0106】
これには次のような利点がある。制御要素を、さまざまな寸法の複数の材料で製造することができ、それとは無関係にグリッパジョーの所望のダイナミクスを得ることができる。たとえば、薄くそのために屈曲し易い可能性がある制御要素を、厚く屈曲しない制御要素と比較して機能的に妥協せずに形成することができる。これによってたとえば、グリッパに関して生産コストが削減され必然的に重量も減少する。グリッパの重量が減少すると、搬送設備の運転には好影響がある。すなわち、移動させる必要がある質量が少なく、これは、必要なエネルギが少なくなり、より小型のモータおよびブレーキで十分であることを意味する。加えて、移動させる質量が少なければ、事故の場合に制御されずに放出される運動エネルギが少ないので、安全性も潜在的に高まる。
【0107】
任意で、制御要素の機能的輪郭は、第1の速度で少なくとも1つのグリッパジョーのクランピング力を解除する機能的輪郭を有する第1の輪郭セグメントと、第2の速度で上記少なくとも1つのグリッパジョーの開放を実現する機能的輪郭を有する第2の輪郭セグメントとを含む。時間的に、上記少なくとも1つのグリッパジョーの開放は上記少なくとも1つのグリッパジョーのクランピング力の解除に続いて行なわれ、特に、第2の速度は第1の速度よりも速いかまたは遅い。
【0108】
クランピング力は次のように理解されるはずである。クランピング力とは、グリッパジョーが、これによって把持される物体に対して作用するときに用いる力である、すなわち、このクランピング力を用いて、グリッパは、その中で把持される物体を把持する。把持される物体がなければクランピング力も作用しない。
【0109】
クランピング力は次のように理解されるはずである。クランピング力とは、グリッパジョーが、把持される物体に対して作用するときに用いる力である、すなわち、このクランピング力を用いて、グリッパは、把持される物体を把持する。把持される物体がなければ、閉鎖状態においてグリッパジョーは互いに力を加えることができる。特に、グリッパジョーは、物体を把持していないときは、閉鎖状態において互いにクランピング力を加えない。
【0110】
上記制御要素の機能的輪郭を狙い通りに成形することによって、少なくとも1つのグリッパジョーの閉鎖状態から開放状態への偏向を制御する。この偏向は、先ず、第1の速度で、特に少なくとも1つのグリッパジョーのクランピング力をゆっくりと解除するために行なわれ、その後、第1の速度よりも速い第2の速度で、特にグリッパを速やかに開放する。言い換えると、グリッパの速やかな開放は、たとえばグリッパのクランピング力をゆっくりと解除した後に行なうことができる。これは、技術の現状の場合のようにグリッパを急に開放するときの均一的なダイナミクスと違って、開いている時間は短いながら制御された状態で静かに開放するという利点をもたらす。
【0111】
このように、上記制御要素の機能的輪郭によって、少なくとも1つのグリッパジョーの運動のダイナミクスを制御することができる。これによって、搬送方向に対して横方向に加速することなく、または、搬送方向に対して横方向に正確に定められた加速を行なって、把持されている物体を制御された状態で解放することができる。この、グリッパを開放するときの物体の横方向の加速度は、たとえば、グリッパの開放中に物体に対して作用するクランピング力によって生じる。クランピング力は、たとえば、物体を把持しながらグリッパが閉鎖状態にあるときの、グリッパジョーのばね運動を生じさせる(中へのばね力)。制御要素によってグリッパジョーのうちの一方だけが偏向させられてグリッパが開くと、制御要素によって偏向させられていないグリッパジョーが跳ね返って横方向の加速を引起し、グリッパは制御されない状態で速やかに開く。
【0112】
望ましくない横方向の加速は、グリッパジョーの運動の適切なダイナミクスによって防止でき、それにもかかわらずグリッパはできる限り速やかに開く。しかしながら、その代わりに、適切なダイナミクスによって、予め定められた所望の横方向の加速を、正確にかつ再現できるように行なうことができる。たとえば、一定の方向に排出運動が行なわれる場合は一定の回転および/または一定の速度で行なわれることが望ましい。
【0113】
任意で、制御要素の機能的輪郭は、第1の速度で少なくとも1つのグリッパジョーの閉鎖を実現する機能的輪郭を有する第1の輪郭セグメントと、第2の速度でグリッパジョーのクランピング力の印加を実現する機能的輪郭を有する第2の輪郭要素とを含む。時間的に、少なくとも1つのグリッパジョーのクランピング力の印加は、少なくとも1つのグリッパジョー
の閉鎖に続いて行なわれ、特に、第2の速度は第1の速度よりも遅いかまたは速い。
【0114】
たとえば、上記機能的輪郭によって、素早い最初の閉鎖運動によってグリッパを速やかに閉鎖しそれに続いてグリッパのクランピング力をゆっくりと印加することができる。少なくとも1つのグリッパジョーの運動の適切なダイナミクスによって、物体を把持するときのクランピング力の望ましくない急速な増加を防止できる。それでもなお、全体としてはグリッパを速やかに閉じることが可能である。クランピング力の印加が急速過ぎる場合の損傷を防止できる。このことは、たとえば、軟らかいまたは壊れやすい物体には特に好都合である。加えて、場合によっては、たとえば、グリッパジョーをセルフセンタリング方式で設計しクランピング力をゆっくりと加えることによって、物体の位置も変えることができる。
【0115】
任意で、制御要素の機能的輪郭は、少なくとも1つの輪郭セグメント、特に少なくとも2つの輪郭セグメントを含み、その機能的輪郭は、制御要素に対する力の印加の開始の領域および/または終了の領域において、少なくとも1つのグリッパジョーの偏向の速度を連続的に増加または連続的に低下させる。
【0116】
偏向速度を連続的に増加または低下させて、少なくとも1つのグリッパジョーの穏やかな接近または穏やかな制動を実現する。これは特に、開放および閉鎖速度が速いときに好都合である。これは、グリッパジョー、またはグリッパ、および/またはグリッパによって把持される物体の、材料に対して穏やかである。連続的増加または低下は、たとえば数学的な意味において、不変でも、単調でも、および/または厳密に単調でもよい
。
【0117】
本発明はまた、先に詳しく説明したグリッパと、スイッチ手段とを備える装置を含み得る。よって、スイッチ手段は、制御要素の機能的輪郭と相互作用するディスク、特にホイールを含む。
【0118】
グリッパの単純に設計された制御要素(たとえばローラまたはホイール)と相互作用しそれによってグリッパジョーの予め定められたダイナミクスを生じさせることになる、静止(カム)ガイドの形態の周知のスイッチ手段は、スイッチ手段としてのディスクと比較して、またはたとえばホイールと比較しても、複雑に設計されている。
【0119】
加えて、静止ガイドは摩耗が大きい。グリッパジョーに作用する力の変化が静止ガイドによって生じる場所において、摩耗は特に大きい。なぜなら、この静止ガイドと相互作用する各グリッパは、静止ガイドの中を通りこれに負荷をかけるからである。言い換えると、制御要素の機能的輪郭と同様に設計された場所を有しその場所でグリッパジョーに作用する力の変化が生じる、複雑に設計された静止ガイドは、特に大きな負荷を受ける。
【0120】
このため、静止ガイドの形態のスイッチ手段は、搬送設備のグリッパの数がスイッチ手段の数よりも多い場合、グリッパ上のカムガイドよりも大きな負荷を受ける。
【0121】
これに対し、スイッチ手段としてのディスクまたはホイールは、単純かつ頑丈に設計され、多数の制御要素と頻繁に相互作用した場合の負荷に容易に耐えることができる。
【0122】
グリッパの制御要素は、グリッパジョーの予め定められたダイナミクスを生じさせるために、機能的輪郭を有するカムガイドとして設計される。グリッパジョーは、このようにして予め定められたダイナミクスに従って運動するが、摩耗は大幅に減じられる。なぜなら、個々のグリッパのカムガイドの機能的輪郭は、個々のグリッパがスイッチ手段と相互作用するときしか負荷を受けないからである。
【0123】
これに対し、機能的輪郭を有する静止ガイドを含む技術の現状では摩耗が大きい。静止ガイドのまたはスイッチ手段の機能的輪郭は、遥かに頻繁に負荷を受けるので、1つのグリッパのカムガイドの機能的輪郭よりも大きく摩耗する。なぜなら、搬送設備は典型的にスイッチ手段よりも遥かに多くのグリッパを有するからである。
【0124】
特に摩耗し易い場所、たとえば頑丈に固定された静止ガイドがある場所は、たとえば静止ガイドが制御要素と相互作用し始める、または特に大きな負荷および/または摩耗が発生する場所であり、たとえば静止ガイドが突然屈曲するまたは形状変化するが、これは、スイッチ手段またはホイールの湾曲形状および回転により、スイッチ手段の側では発生しない。
【0125】
したがって、ホイールを含むスイッチ手段は、特に単純にかつ低コストで実現され、このため故障し難く、メンテナンスまたは交換がより簡単である。単純に設計されたスイッチ手段のさらに他の利点は先に詳しく述べた通りである。
【0126】
スイッチ手段は、任意で周囲側面に溝を有するホイールとして設計される。
制御要素はこの周囲側面の溝によって好都合に導くことができる。
【0127】
特に、この溝は凹状の断面を有する。溝が凹状の断面を有する場合、スイッチ手段と相互作用するときの制御要素を、たとえば、溝の断面に対してセンタリングすることによって、溝の中に配置することができる。その代わりに、溝の断面の形状は、他の形状、たとえば角がある/多角形の、段状の、または部分的に凹状の形であってもよい。
【0128】
本願出願人の未公開の特許出願に対応する搬送設備について、本発明をより適切に示すために以下のセクションで説明する。この搬送設備は、閉じた循環経路に沿って移動可能な駆動体を含み、駆動体に結合されたまたは結合可能な複数のグリッパを含む。駆動体は、たとえばガイドの中で移動させる連続搬送体、例としてチャネル、特にガイドチャネルの中のチェーンである。これに代えて、駆動体を回転体によってまたは個々の輸送手段によって実現してもよい。
【0129】
任意の特徴として、上記搬送設備は移送機構をさらに含む。移送機構は、把持された物体を、搬送設備の第1のグリッパから搬送設備の第2のグリッパに運ぶことができる。これにより、具体的には、把持された物体は、第1のグリッパに対する第1の位置から出て第2のグリッパに対する第2の位置に入るように運ばれ、第1および第2のグリッパに対する第1および第2の位置は、グリッパとの接触場所、グリッパに対する物体の場所、および/またはグリッパに対する物体の向きが、異なっている。
【0130】
移送機構によって、把持された物体を、同一の搬送設備内の同一の循環経路上で、第1のグリッパから第2のグリッパに運ぶことができる。把持された物体は、閉じた循環経路を通って単独で移動するとき、把持された物体の移送のために、閉じた循環経路を単独で移動するとき、閉じた循環経路のいくつかの部分を飛ばしてもよく、および/またはこれらの部分を数回通ってもよく、および/または特にこれらの部分を選択的に数回通ってもよい。こうすることによって、搬送設備の応用の可能性が増し、搬送設備の柔軟性が高くなる。これに代えて、移送機構なしで対処することができる。これに代えて、把持された物体を、移送機構を使用せずに移送することもできる。また、把持された物体を移送せずに対処することもできる。
【0131】
搬送設備は、一層柔軟にかつ幅広く応用することが可能である。その理由は、同一の循環設備内における、把持された物体の移送前および移送後において、それぞれのグリッパに対する、把持された物体の第1の位置および第2の位置が、互いに異なっているからである。この第1の位置と第2の位置の違いは、グリッパに対する物体の接触場所、グリッパに対する物体の位置、および/またはグリッパに対する物体の向きの相違であればよい。接触場所の相違、位置の相違、および/または向きの相違によって、たとえば、把持された物体に対し異なるやり方で作用を及ぼすことができ、および/または把持された物体に対し異なる空間方向から作用を及ぼすことができる。閉じた循環経路のいくつかの部分を飛ばすこと、および/またはこれらの部分を選択的に数回通ることが可能であることから、特に、搬送設備の応用の可能性および柔軟性を高めることができる。これに代えて、それぞれのグリッパに対する、把持された物体の位置は、移送前および移送後において同一であってもよい。
【0132】
搬送設備に関して、好ましくは、個々に制御可能な第1のグリッパジョーと、実質的に構造が同一になるように設計された第2のグリッパジョーとを有するグリッパ、ならびにこれらに割当てられた第1および第2の制御要素を、利用する。この設備はさらに、第1および/または第2のグリッパジョーの目標とする開口のために、第1および第2の制御要素とそれぞれ相互作用する、第1および第2のスイッチ手段を有する。スイッチ手段は、配置された場所で目標とするやり方でグリッパまたは個々のグリッパジョーを開放するために、循環経路に沿って異なる開口場所にまたは同一場所に配置すればよい。
【0133】
第1および第2のスイッチ手段が配置される開放場所が存在することが好ましい。第1または第2のグリッパジョーを選択的に開放するために、制御装置によってスイッチ手段を稼働および稼働停止させることができる。このことは、物体を解放する方向に影響し得る。
【0134】
グリッパは、グリッパが物体を好ましくは実質的に上から受けるように、駆動体上に固定される、すなわち駆動体に吊設されるように固定される。物体を受けるとき、開いたグリッパの口は、好ましくは鉛直方向下向きであり、物体をそこに挿入することができる。したがって、物体を、受取った(取上げた)場所において直立状態で配置することができ、搬送設備を、受取場所の隣ではなくその上に位置付けることができる。このようにすれば横方向の空間が減じられる。経路の他の領域ではグリッパが他の向きであってもよい。
【0135】
この搬送設備は特に、ほぼ不定形であり空間に延在する物体の、把持、搬送、および解放に適している。中でも、対称形の物体および/または保持リングを有する対称形の物体および/または中空形状の物体に適している。好ましい応用例は、プラスチックのブロー成形容器のための、特にPETボトルのための予成形品の搬送である。構造が同一のグリッパを用いて、形状および/またはサイズが異なる物体を、把持領域に搬送することができる。グリッパの適応能力が高いので、異なる物体を同時に搬送設備に搬送する混合運転も可能である。物体を、目標とするやり方で異なる方向に解放することができ、このため、構造が同一で個々に稼働可能な2つのグリッパジョーを有するグリッパによって、他の異なる処理ステーションに送ることができる。
【0136】
方向を定めて製品を放出することにより、物体を分類することが可能である。搬送方向から見て、物体を、たとえばサイズ等の予め定められた特徴に応じたやり方で、右または左に解放し、他の異なるステーションまたは搬送経路に送ることができる。この分類機能は簡単な手段で実現できる。
【0137】
上記搬送設備は、任意で、第1のステップにおいて把持すべき物体を搬送設備の第1のグリッパで把持する方法によって、運転することができる。第2のステップで、把持された物体を、搬送設備の第1のグリッパから搬送設備の第2のグリッパに運ぶ。把持された物体を、第3のステップで、搬送設備の第2のグリッパから解放する。
【0138】
上記方法の第2のステップで、追加の選択肢として、把持された物体は、第1のグリッパに対する第1の位置から第2のグリッパに対する第2の位置に運ばれ、それぞれのグリッパに対する第1および第2の位置は、グリッパに対する接触場所、および/またはグリッパに対する物体の位置、および/またはグリッパに対する向きが、互いに異なる。
【0139】
上記3つのステップを含む方法によって運転される搬送設備の利点および代替例は、移送機構の説明とともに先に説明した通りである。これは、第2のステップの前後(したがって移送の前後)においてそれぞれのグリッパに対する把持された物体の位置が異なることについての利点および代替例にも同様に当てはまる。したがって、任意で、この方法の第2のステップ後において把持されている物体は、把持設備の閉じた循環経路において、上記方法の第2のステップの前に既に通った部分を、少なくとも部分的に通る。言い換えると、第2のグリッパによって把持されている同一の物体は、第1のグリッパによって把持されて既に通ったのと同じ循環経路を少なくとも部分的に通る。
【0140】
閉じた循環経路において数回通る部分、特に選択的に数回通る部分の利点も同じく先に説明した通りである。これに代えて、循環経路の一部分を飛ばすこともでき、したがって、省略または短縮することもできる。このようにして、特につながっていない処理ステーション間をバイパスすることが可能である、すなわち、循環経路において対応する部分同士を架橋することができる。このように、搬送設備の同一の循環経路を、より一層幅広く柔軟でより効率的かつ経済的なやり方で利用し運転することができる。
【0141】
第2の局面に関する目的は、以下のセクションで説明する搬送設備によって、少なくともその一部が達成される。
【0142】
この設備は、循環経路に沿って移動可能な複数のグリッパを有する搬送設備を含む。よって、各グリッパは、少なくとも1つの第1のグリッパジョーと、少なくとも1つの第2のグリッパジョーと、少なくとも1つの制御要素とを含み、少なくとも1つの制御要素は、第1および/または第2のグリッパジョーの目標とする開口のためにスイッチ手段と相互作用する。加えて、搬送設備は、循環経路に沿って、第1のタイプのスイッチ手段を備えた少なくともの1つの第1の開口場所と、第2のタイプのスイッチ手段を備えた第2の開放場所とを含む。また、搬送手段の各グリッパは少なくとも1つの制御要素を含み、この制御要素は、第1のタイプのスイッチ手段か第2のタイプのスイッチ手段いずれかと相互作用するように構成される。
【0143】
異なるタイプのスイッチ手段は、各スイッチ手段が選択された制御要素のみと相互作用するという点で、異なっている。たとえば、タイプが異なるスイッチ手段は、空間配置が異なる、相互作用の時間的位相が異なる、および/または相互作用の作用のし方が異なるという意味において、異なっている。
【0144】
異なるタイプのスイッチ手段として、空間配置が異なるものの例は、次のようなスイッチ手段である。すなわち、各スイッチ手段は回転可能に装着されたディスクを含み、ディスクは、異なる長い距離の場所に配置されおよび/または搬送されるグリッパの異なる側面に配置される。グリッパは、制御要素の機能的輪郭からグリッパまでの距離に応じて、1つのタイプのスイッチ手段とのみ相互作用する。
【0145】
異なるタイプのスイッチ手段として、相互作用の時間的位相が異なるものの例は、次のようなスイッチ手段である。すなわち、各スイッチ手段は回転可能に装着されたディスクを含み、ディスクは周囲側面にリセスを有し、ディスクはその周囲側面においてグリッパと同一速度で回転する。搬送時にスイッチ手段を通過するときにスイッチ手段のディスクのリセスに当たる制御要素は、スイッチ手段との接触がないので、スイッチ手段と相互作用できない。搬送設備のグリッパとスイッチ手段の相互作用の時間的にシフトされた位相は、複数のこのようなスイッチ手段を搬送方向において順に配置することによって形成できる。
【0146】
搬送設備のグリッパは、1つの制御要素、2つの制御要素、またはそれ以上を含み得る。グリッパ1つ当たりの制御要素の数は変化し得る。制御要素は、1つのタイプのスイッチ手段とのみ相互作用できるように、またはいくつかのタイプのスイッチ手段と相互作用できるように、設計できる。
【0147】
第2の局面に関する搬送設備のグリッパは、カムガイドとして設計された制御要素を含み得る。しかしながら、搬送設備のグリッパは、これに代えて、カムガイドとして設計されていない制御要素も含み得る。搬送設備のグリッパはまた、一部がカムガイドとして設計され一部がカムガイドとして設計されていない制御要素を含み得る。
【0148】
搬送設備は、少なくとも2つ、少なくとも3つ、または特に少なくとも4つの開放場所を含み得る。よって、開放場所は各々、少なくとも1つのスイッチ手段を含むが、特に、開放場所は各々、少なくとも2つのスイッチ手段、特に少なくとも3つまたはそれ以上のスイッチ手段を含む。
【0149】
搬送設備は、それぞれ異なる開放場所に配置された、第1のタイプの少なくとも1つのスイッチ手段と、第2のタイプのスイッチ手段とを含む。また、搬送設備は、同一のおよび/または異なる開放場所に配置された、異なる3つのタイプの、または異なる4つ以上のタイプのスイッチ手段を含み得る。
【0150】
異なるタイプのスイッチ手段を含む開放場所を備えた搬送設備は、把持された物体を、異なる開放場所に、目標とするやり方で搬送できる。これにより、たとえば、異なる開放場所のグリッパの目標とする開口を通して、搬送される物体を、グリッパから排出するまたは取出すことにより、分類することができる。たとえば、他の処理のため等の異なる処理ステーションに、このような搬送設備を用い、必要に応じて物体を供給することができる。必要に応じて、装填および/または包装ステーションおよび/またはさらに搬送するための装置にも、搬送設備によって搬送される物体を供給することができる。
【0151】
任意で、搬送設備は、個々に制御可能な第1のグリッパジョーおよび実質的に構造が同一になるように設計された第2のグリッパジョーを含む複数のグリッパと、これらに割当てられた第1および/または第2の制御要素と、第1および/または第2のグリッパジョーの目標とする開口のために第1および第2の制御要素それぞれと相互作用する第1および第2のタイプのスイッチ手段とを含む。
【0152】
実質的に構造が同一になるように設計されたグリッパジョーを有するグリッパは、構成部品の構造が実質的に同一であるので、低コストで形成することができ、メンテナンスおよび交換が容易で単純である。
【0153】
しかしながら、グリッパジョーは設計が異なっていてもよい。特に、グリッパジョーは、制御要素がその都度異なるタイプのスイッチ手段と相互作用するように制御要素が設計されるという点のみにおいて、異なっていてもよい。特に、このために制御要素はそれぞれのグリッパジョーからの距離が異なる場所に配置される。
【0154】
任意で、搬送設備はその循環経路に沿って少なくとも1つの検出装置を含み、この検出装置は、グリッパに関する情報、特に把持されている物体に関する情報を、搬送設備に送るために設計されている。
【0155】
検出装置は特に、センサを含んでいてもよく、および/または搬送設備の内側および/または外側のセンサに結合されていてもよい。
【0156】
循環経路に沿う検出装置がもたらす利点は、たとえばグリッパの目標とする制御のために、シーケンスの自動化のために、品質管理のために、および/またはモニタリングのために、または安全管理として、搬送設備がさらに処理できる情報を、検出装置から搬送設備に提供することである。
【0157】
この情報は、たとえば、グリッパの開口度に関する情報、グリッパのクランピング力に関する情報、グリッパの装填状態に関する情報、把持されている物体の品質および/またはタイプに関する情報、および/または把持されている物体の分類に関する情報であればよい。種類は、たとえば同一タイプの物体であっても、サイズ、色、厚さ、塗料、および/または性質が異なるといったように、種類が異なる可能性があるという意味で、理解されるはずである。
【0158】
検出装置は、たとえば、把持されている物体が一定の品質を有するか否かに関する情報、たとえば変形しているかまたは裂けているかまたは厚さが不十分であるかに関する情報を、搬送設備に伝達することができる。
【0159】
品質が不十分である場合、搬送設備は、ある開放場所において各グリッパを開放するといったような適切な処置を講じることができる。搬送設備に、このようにして不合格品を自動的に選別する品質管理を提供することができる。
【0160】
搬送設備は、任意で、その循環経路に沿い、第1のタイプのスイッチ手段を備える第1の開放場所および第2のタイプのスイッチ手段を備える第2の開放場所とは別に、第1のタイプのスイッチ手段および第2のタイプのスイッチ手段を備えるその他の開放場所を含む。
【0161】
第1および第2のタイプのスイッチ手段を備えるその他の開放場所は、制御要素が第1および/または第2のタイプのスイッチ手段と相互作用することによってグリッパが開放されることを保証することができる。このその他の開放場所は、以下では第3の開放場所として示される。第3の開放場所は、3つ以上のタイプのスイッチ手段を用いて、すべてのタイプのスイッチ手段を同時に含むことができる。
【0162】
第3の開放場所は、いずれの場合でも、案内されたグリッパを開放する機能を果たすことができ、これにより、この場所にある搬送体のすべてのグリッパを開放する機能を果たすことができる。特に、これを、ある場所にあるすべてのグリッパから、把持されているすべての物体を取出すために、使用することができる。
【0163】
任意で、上記搬送設備のうちの1つのスイッチ手段のうちの少なくとも1つを、制御装置によって稼働および稼働停止させて、これらスイッチ手段が、案内されたグリッパの制御要素と選択的に協働するようにまたは協働しないようにすることができる。
【0164】
制御装置を、自動的に制御するおよび/または手動で切替えることができる。制御装置を、たとえば、搬送設備自体によって制御することができ、または搬送設備の外部で発生した信号によって制御することができる。
【0165】
任意で、搬送設備は、その循環経路に沿って、制御装置なしの各タイプのスイッチ手段を少なくとも1つ含み、このスイッチ手段は、搬送され相応に構成された各制御要素と相互作用する。
【0166】
搬送設備が、その循環経路に沿って、制御装置なしの各タイプのスイッチ手段を少なくとも1つ含む場合、各制御要素は、循環経路を通過する間に、少なくとも、1つの開放場所でスイッチ手段と相互作用する。これにより、グリッパは確実に、循環経路を一周する間にスイッチ手段と少なくとも1回相互作用する。このようにして、たとえば、各グリッパが、循環経路を一周する間に開くことを保証する。これを利用して、循環経路一周の間に搬送設備が完全に空になることを保証することができる。
【0167】
循環経路は、任意で、少なくとも1つの処理部(伸張部)、特に螺旋状に延在する処理部を含む。
【0168】
処理部は、循環経路の一部分であり、搬送された製品がこの部分で処理される。製品は、処理部において、たとえば、塗装され、表面処理され、熱処理(冷却および/または加熱)され、(たとえばイオン化および/または非イオン化放射)で照射され、化学処理され、滅菌され、および/またはオゾンのシャワーを受けることができる。すべての処理は、一度だけ行なっても数回行なってもよく、また、互いに組合わせてもよく、および/または連続的に行なってもよい。処理部は特に、搬送された製品をクールダウンまたは冷却できる冷却部である。
【0169】
処理部は、たとえば、らせん状に延在していてもよく、らせん形状を有していてもよく、または1つの面のみに延在していてもよい。処理部はまた、他の形状を有していてもよく、たとえば、1つの面において直線状であっても湾曲形状であってもよいが、数面において上下に隣合っていてもよい。
【0170】
搬送設備は、任意で、移送機構と、少なくとも2つのグリッパジョー対を有するグリッパとを含む。
【0171】
移送機構の利点および少なくとも2つグリッパジョー対を有するグリッパの利点は、先に詳しく述べた通りである。
【0172】
第3の局面に関する目的は、以下の段落で説明する搬送設備によって、少なくともその一部が達成される。
【0173】
搬送設備は、数個の部材を有する駆動体を含む。各部材は複数のグリッパジョー対を含み、種類が異なる物体が、同一種類の物体をグループにして、駆動体に沿って配置される。同一種類の物体のグループは、グリッパジョー対によって把持され、少なくとも、同一種類の物体からなる1グループが、駆動体の少なくとも2つの部材に配置される。本発明のこの第3の局面は、本発明の他の局面と組合わせて実現してもよいが、他の局面から完全に独立して実現してもよい。言い換えれば、第3の局面に従うと、同一種類の物体のグループは、駆動体の部材の境界を越えたところまで達している。
【0174】
第3の局面に関する搬送設備のグリッパは、カムガイドとして設計された制御要素を含み得る。また、搬送設備のグリッパは、これに代えて、カムガイドとして設計されていない制御要素を含み得る。また、搬送設備のグリッパは、一部はカムガイドとして設計され一部はカムガイドとして設計されていない制御要素を含み得る。
【0175】
特に、第3の局面に関して、その都度少なくとも2種類の物体を同一種類のグループ毎に把持するグリッパジョー対は、第1の種類の物体のすべてのグループについて、駆動体の少なくとも2つの部材に配置される。
【0176】
任意で、第3の局面に関して、その都度少なくとも2種類の物体を同一種類のグループ毎に把持するグリッパジョー対は、第1の種類の物体のすべてのグループおよび第2の種類の物体のすべてのグループについて、駆動体の少なくとも2つの部材に配置される。
【0177】
任意で、第3の局面に関して、その都度少なくとも2種類の物体を同一種類のグループ毎に把持するグリッパジョー対は、各種類の物体のすべてのグループについて、駆動体の少なくとも2つの部材に固定される。
【0178】
第3の局面に関するこのような搬送設備が提供する利点は次の通りである。すなわち、種類が異なる物体を、グループにして、グループの配置および大きさが駆動体の部材の配置および/または大きさによって制限されることなくおよび/または決められることなく、搬送することができる。
【0179】
たとえば、搬送設備の効率および搬送能力は、1つのグリッパ当たりのグリッパジョー対の数を増加させることによって高めることができる。その際、この増加によって、搬送される物体のタイプが、特に同一種類の搬送物体のグループのサイズおよび/または配置が、制限および/または予め定められることはない。
【0180】
第3の局面に関し、たとえば、駆動体の部材は2つのグリッパジョー対を含む。
しかしながら、第3の局面に関し、駆動体の1つの部材はまた、たとえば3つ、4つ、特に5つのグリッパジョー対を含み得る。1つの部材当たりのグリッパジョー対の数は、たとえば部材毎に異なっていてもよい。1つのグリッパ当たり複数のグリッパジョー対があることによって、搬送設備の効率および搬送能力が増し、搬送設備の製造、メンテナンス、および修理に要するコストが減少する。
【0181】
第3の局面に関し、たとえば、その都度、同一種類の3つの物体からなるグループを2つ、交互に順次搬送方向に搬送してもよい。
【0182】
第3の局面に関し、その都度、1グループ当たりの同一種類の物体の数は、たとえば、4つ、5つ、特に6つでもよい。その都度、1グループ当たりの同一種類の物体の数がグループ毎に異なっていてもよい。
【0183】
同一種類の物体をその都度グループにして搬送することにより、たとえば、バッチでまたは1ロットとして製造された、および/または数個の物体からなるグループとして処理されるまたは必要とされる物体を、効率的に搬送することができる。
【0184】
第3の局面に関し、任意で、同一種類の物体からなるグループを、グリッパジョー対によって把持することができ、各グループの物体は、駆動体の2つ以下、特に3つ以下、特に4つ以下の部材に固定される。
【0185】
その都度、同一種類の数個の物体からなるグループを、駆動体の数個の部材に分散させることによって、このグループを安定的にかつ柔軟に搬送することができ、および/または搬送設備を新たなタスクに柔軟に適合させることができる。
【0186】
第3の局面に関し、任意で、同一種類の物体からなるグループを把持するグリッパジョー対は、その都度、物体の種類に応じて異なる特定のスイッチ手段とのみ、相互作用することができる、少なくとも1つの制御要素を含む。
【0187】
特に、第3の局面に関し、各グリッパジョー対は固定的にプログラムされる。すなわち、各グリッパジョー対は、あるタイプのスイッチ手段とのみ相互作用するように、場合によってはある種類の物体に割当てられたあるタイプのスイッチ手段とのみ相互作用するように、設計される。
【0188】
固定的にプログラムされたグリッパジョー対の利点は、製造およびメンテナンスのコストが低いこと、設計が単純であること、および単純に機能することである。
【0189】
第3の局面に関する目的の解決策は、搬送設備を運転する方法によって実現することができ、この方法は以下の段落で説明される。
【0190】
搬送設備を運転する方法において、搬送設備は数個の部材を有する駆動体を含み、各部材は複数のグリッパジョー対を含み、駆動体に沿って、種類が異なる物体は、同一種類の物体からなるグループにして搬送され、同一種類の物体からなるグループは、グリッパジョー対によって搬送され、グリッパジョー対は、少なくとも同一種類の物体からなるグループとともに、駆動体の少なくとも2つの部材に配置される。
【0191】
技術的な理由から不可能でない限り、本発明をより良く示すために、本発明の特徴を、説明した例の特徴と組合わせてもよく、その逆でもよい。
【0192】
特に、異なる局面の特徴を互いに組合わせてもよい。具体的には、たとえば、上記グリッパはすべて制御要素を備え、制御要素は、少なくとも1つのアーチ形輪郭セグメントを有する機能的輪郭を有する。
【0193】
本発明の例が図面に示され以下で説明される。下記図面では専ら概略的に示されている。