(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1チャンバ(220)及び第2チャンバ(320)は、交互の第1部分(210)および交互の第2部分(310)のいずれか一方の側に配置されている請求項1乃至4の何れか1項に記載のシステム。
ガスの流れ方向にて、第1チャンバ(220)は増大する断面積を有し、第2チャンバ(320)は減少する断面積を有する請求項1乃至5の何れか1項に記載のシステム。
各第1部分(210)は2つの連続する第1ラインを含み、且つ、各第2部分(310)は2つの連続する第2ラインを含む請求項1乃至6の何れか1項に記載のシステム。
各カラム(1)は、カラム(1)から弁(4,5)への水の浸入を防止するように構成された内部フロート装置(11)を含む請求項1乃至7の何れか1項に記載のシステム。
各カラム(1)は、開口(111)を通じてカラム(1)から空気が流出することを防止するように構成された内部フロート装置(11)を含む請求項1乃至8の何れか1項に記載のシステム。
各カラム(1)は、カラム(1)内で動くように構成された内部フロート装置(11,15)を含み、内部フロート装置(11)はカラム(1)の内壁を洗浄するための手段(15)を有する請求項1乃至9の何れか1項に記載のシステム。
超過圧力ベッセル(2)の圧力の平均値、及び、真空ベッセル(3)の圧力の平均値を、大気圧に対し調節するように構成された圧力調整装置を含む請求項1乃至10の何れか1項に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
システムの概略的な構造
図1〜9を参照して、うねり及び/又は波から得られたエネルギーの変換のためのシステムを説明する。
うねり(swell)及び/又は波(wave)は、その起源(潮、風、船舶)が何であっても、海の表面の任意の振動を意味する。
また特に、このようなシステムは、うねりに直接関連付けられていないランダムな波から得られたエネルギーを変換することを可能にすることができる。
【0012】
システムは、水圧縮カラム1のアレイを含む。
カラム1は、両端の間を実質的に鉛直方向に延び、外部から分離された内部空間を画定する、1つ以上の側壁を含む中空構造を意味する。各カラムは、その両端間の流体の流れを許容する。
【0013】
各カラム1は、うねりの作用を受ける水の体積中に浸漬されるように構成され、下端110と呼ばれる第1端部を有する。
ここでは、「下」及び「上」という用語は、要素の高さに応じた、すなわち、システムの通常の使用の間における、システムがそこに設置されるように構成された場所での、海面のような基準レベルに対する高度に応じた、要素の相対位置を示す用語として理解されるであろう。
【0014】
従って、システムは、通常の使用において、各カラム1の下端110が、水面20の下に配置されるように構成されている。
下端110は、カラム1の上部120内にガスを含むチャンバを形成するように、カラム1内に前記水の体積の水を受け入れるための開口111を有する。
この方法では、開口が下方、水面下に配置されているので、ガスがチャンバ内に捕捉され、開口111を通って逃げることができない。
従って、通常の使用では、開口111は水面下に配置される。開口111は、カラム1内の水が、水の体積に作用するうねりの作用を受けるように構成されている。
ガスは、典型的には空気である。
【0015】
このようにして上部120は、チャンバを形成するために、カラム1の内側の水位とともに、ガスを圧縮可能な空間を画定する。
また、カラム1は、水の振動が、典型的にはそれが位置するチャンバの容積を減少させることによって、ガスを圧縮することができるように、すなわち、ガスに作用する機械的な力を効果的に増幅することができるように、寸法決めされている。
【0016】
ところで、うねりのような振動は、水面を伝播する波に対応する。この波は、水位が低い領域に比べて水位が高い領域の空間的な連続を形成する。表面の所定の位置で、振動は、水位が上昇する期間、及び、水位が低下する期間の時間系列を形成する。
かくして、カラム1の側壁が、カラム1内で水が大きすぎる表面積を有するように構成されている場合、カラム1内には、水位が高くなるであろう領域と、水位が低くなるであろう領域が存在するであろう。一方の効果は他方の効果を補償し、圧縮又は吸込動作がチャンバ内のガスに適用されない。
【0017】
それゆえ、カラム1の内部空間は、カラム1内の水位が交互に、平均して、上昇又は低下するように、すなわち、チャンバの容積が交互に増大又は減少するように、寸法決めされなければならない。これは、カラム1のために、システムが配置される領域で観察されたうねりの運動に比較して十分に小さい内側断面を選択することによって可能である。
もちろん、当業者は、表面当たりのカラムの数を増やし、そして、システム全体の効率を低下させる結果となるような、それらの断面積の過度な減少を回避しながら、カラム1をどのようにしてそのように寸法決めするか知っているであろう。
【0018】
各カラム1は、第1逆止弁4を有している。この第1逆止弁4は、前記カラム1からアレイのカラム1に共通な超過圧力ベッセル2への流体的な連通路にある。
従って、この第1逆止弁4は、水位がカラム1内で上昇したときに、チャンバ内のガスに圧縮力を作用させながら、チャンバ内のガスが超過圧力ベッセル2に入ることを許容するのに適している。最大圧縮力は波のピークにて得られる。
【0019】
また、この第1逆止弁4は、異なるカラム1間及び超過圧力ベッセル2に対する相対的な圧力に関係無く、超過圧力ベッセル2内のガスが、1つのカラム1に直接戻ることを防止可能である。
各カラム1は、アレイのカラム1に共通な真空ベッセル3から前記カラム1への流体的な連通路にある第2逆止弁5を有している。
従って、この第1逆止弁4は、水位がカラム1内で低下したときに、チャンバ内のガスに吸込力を作用させながら、真空ベッセル3内のガスがチャンバ内に入ることを許容するのに適している。最大吸込力は波の谷にて得られる。
また、この第1逆止弁4は、異なるカラム1間及び真空ベッセル2に対する相対的な圧力に関係無く、1つのカラム1内のガスが、真空ベッセル3に直接戻ることを防止可能である。
かくして全てのカラム1は、超過圧力ベッセル2及び真空ベッセル3に接続されており、真空ベッセル3に対し超過圧力ベッセル2内で超過圧力を得ることが可能である。
【0020】
システムでは、超過圧力ベッセル2と真空ベッセル3は、タービン6によって流体的に接続されている。ベッセル2とベッセル3の間の圧力差は、流体接続によって、超過圧力ベッセル2から真空ベッセル3へのガスの移動を引き起こす。
タービン6は、このように動作が設定され、このように受け取ったエネルギーを、他のエネルギー、典型的には電気エネルギー、に変換することができる。このようにして、このシステムは、うねりから得られたエネルギーを他の形のエネルギーに変換することができる。
【0021】
さらに、アレイのカラム1は、隣接して配置されている。言い換えれば、それらは直接隣り合っている。
隣接は、カラム1が、共通の壁又は壁の一部を共有している場合のみならず、換言すれば、壁の両側の各々がカラム1の内面をなすような場合のみならず、カラム1の壁が接触している場合も意味する。
接触しているカラム1は、カラム1の壁の各々が、アレイにおいてすぐ隣り合う2つのカラム1の間の空間に水が入ることができないように、互いに接触、接続又は配置されていることを意味する。
また接触しているカラム1は、この空間に少量の水が入ったとしても、この少量の水はうねりの作用を受けず、うねりの作用から得られる振動を再生することができないことを意味する。
【0022】
また、隣接するカラム1のアレイは、少なくとも2つの非平行な方向に沿って延在しており、すなわち、それは面にて延在し、1本の線のみにて延びていないということである。従って、少なくとも3つのカラムは整列していない。
従って、カラム1のアレイは、このように水面のタイリングを形成する傾向がある。
これは、例えば、隣接するカラム1の複数のライン又は整列線であってもよい。しかしながら、本発明は、特定の配置に限定されないことが理解されるであろう。
したがって、実質的に水平な面(典型的には水面と一致する面)のいずれかの方向にてシステム内を進むと、少なくとも2つのカラムに連続して遭遇する。従って、うねりに対するシステムの方向がどうであっても、いくつかのカラム1は水位が高い領域に配置され、この間に他のものは水位が低い領域に配置される(これはうねりの伝播が実質的に水平方向にシステムを進む場合に対応する)。このような方法にて、超過圧力ベッセル2には空気が供給され、真空ベッセル3は同時に空になる。
【0023】
従来技術のシステムとは異なり、本発明に係るシステムは、うねりの伝播プロファイルに関係なく、水の体積がうねりの作用を受けたときに、常に連続的に動作する。
具体的には、穏やかなうねりは、超過圧力ベッセル2内の圧力上昇、及び、真空ベッセル3内の圧力低下を可能にするのに十分であり、従ってタービン6の駆動を可能にするのに十分である。
本発明に係るカラムのアレイの組織は、このようにうねりの性質に関係無くシステムが動作することを可能にする。また、このように2つの非平行な方向に延在するカラムのアレイの組織を有するシステムは、従来技術のシステムよりも水面上でより大きな安定性を示し、それゆえ、荒れた海や嵐のときでさえも動作し続ける。本発明に係るシステムは、それゆえ用途が広く、種々の地理的及び気候的構成に容易に適合可能である。
【0024】
それはうねりに対するその方向に関係無く動作するので、その結果は、より高い効率及びより容易に配置されるシステムである。
さらに、このようなシステムは、カラム間の間隔に近い水位の振動運動の空間波長を含む回折現象による効率の損失を被ることがない。
実際、カラム1は、ここでも互いに近く、タイリングを形成する傾向にあり、全てのカラム1が同時に同じ水位を有することを防ぐ。
さらに、2つの非平行な方向でのこの隣接する組織は、他のカラム1に向けられ、このため海に曝されない、カラム1の多数の表面を含む。
このため、水の動きによる機械的摩耗は、アレイの周辺領域に限定される。
その結果は、従来技術に比べて、より堅牢なシステムをもたらす。さらにこのシステムは、アレイの周辺に位置するカラムの壁だけが海への暴露の影響に対し保護されるので、製造が容易かつ安価である。
さらに、システムは、このカラムの組織がより効率的に組織された圧力下での空気の収集及び分配を可能にするので、高効率を提供する。
【0025】
本発明に係るシステムの小型さは、従来技術のシステムに必要な大きなパイプ長さを、これらパイプ長さに関連する効率の損失により従来技術のシステムにおいて接続可能なカラムの数を制限している障壁を、低減又は排除することすら可能にする。
ベッセル2及びベッセル3は、より多数のカラム間で共有されることができ、タービン6へまたはタービン6からの空気の送達をプールするために、システムのこの位置でのガスの加速及びガス流れの飽和を制限するために、そしてこのようにして、関連するヘッド損失を制限するために、配置されるとともに寸法決めされることができる。
従来技術のシステムは、方向性のあるうねりから得られたエネルギーの変換に制限されていたが、本発明に係るシステムは、補足又は置換として、ランダムであるか否か、その形状や方向にかかわらずに、波全体から得られたエネルギーの変換を可能にする。
【0026】
カラムのアレイ
カラムの形状
カラム1は、本発明の実施形態に適合した任意の形状を有することができる。
カラム1は、例えば、略シリンダ形状、例えばそれらの下端110とそれらの上端の間を延びるシリンダ形状、を有する。
シリンダは、母線と呼ばれる直線によって生成され、高さが例えば2つの平行な平面によって画定された表面によって水平方向に画定された中空の体積を意味する。母線は、固定された方向を有し、準線と称される閉じた平面曲線をたどる。
図1〜6bを参照すると、カラムは、例えば、矩形の準線を有するシリンダ形状、換言すれば平行六面体形状、を有する。カラムは、例えば、回転シリンダ形状(円形断面)、管形状、又は、略角柱形状(断面多角形)のような他のシリンダ形状を有していてもよい。
【0027】
カラム1は、好ましくは、垂直に配向されている。
カラム1は、カラムの高さを変化させる手段を含むことができる。従って、カラム1は、例えば、可変高さのカラムである。特定の実施形態では、各カラム1は、このように、カラム1及びシステムを一般的に上昇させるために、テレスコピックチューブ及び/又は可動のシリンダヘッドを含むことができる。こうして、カラム1内の水位を調整することが可能である。
カラム1は、
図1〜6bに示すように、同じ形状を有することができ、または、異なる形状を有することができる。
【0028】
カラム開口
図1〜6bに示すように、カラム1の下端110の開口111を下方に向けることができる。
開口111は、他の方向に向けることができる。例えば、開口111は、例えばアレイの周辺に配置されたカラム1において、カラム1に横方向に配置されてもよい。また、開口111は、特に、それらの下端110が異なる高さまで延びるようにカラムが寸法決めされている場合、周辺の外側に配置された複数のカラム1にて横方向に配置されてもよい。
【0029】
壁
図1〜6bを参照すると、カラム1の特定の壁は、複数のカラムに共通であってもよい。
代替的に、カラム1の特定の壁は、他に対向して又は隣接して配置されてもよい。
【0030】
アレイの組織
カラム1は、ラインに、特に整列線に、例えば複数の隣接するライン及び/又はローに、組織されることができる
ラインは、隣接するカラム1のラインを意味する。ラインは、例えば曲線又は直線であり、又は、換言すれば整列線を意味する。
図1〜6bを参照すると、カラムは、特に直線的な、相互に平行な整列線に組織されることができる。このときアレイは、水面にカラム1の格子を形成するように、2つの直交する方向に延びていてもよい。
代替的に、カラム1は、直線ではないライン、例えば同心の曲線に沿った、例えば曲線に組織することができる。
カラム1及びアレイは、うねりの波長特性に応じて寸法決めされることができる。従って、システムの効率を最適化するために、特定のうねりの種類、すなわち特定の波の区分に適したアレイのために、カラム1の断面積、カラム1の高さ、及び、ラインの形を選択することが可能である。
【0031】
逆止弁及びベッセル
弁
各カラム1のために、第1逆止弁4及び/又は第2逆止弁5は、カラム1の上に配置されることができる。
代わりに、1つ以上の弁は、特に、アレイの周辺に配置されたカラムのために、または、周辺に配置されていないカラム1であって、これらのカラム1の端が、隣接するカラム1に比べ異なる高さまで延在しているカラムのために、側方に配置することができる。
【0032】
弁及びベッセルの組織
システムのカラム1の第1逆止弁4は、例えば、第1ラインに沿って、例えば整列線に沿って配置されている。システムのカラム1の第2逆止弁5は、例えば、第2ラインに沿って、例えば整列線に沿って配置されている。
ラインは、要素を接続する連続的な軌跡を幾何学的に意味する。ラインは、例えば、直線または曲線であることができる。
ラインに沿った整列線は、典型的には、異なるラインが互いに交差しないことを含み、換言すれば、1つのラインの要素が別のラインの両側に配置されることはできないということを含む。交差は、典型的には平面への投影に関して、例えば、平均的な水面によって規定される平面への投影に関して定義される。
弁4または5のラインは、典型的には、隣接するカラムの1の弁4又は5のラインである。
弁4または5のラインは、特に、弁4又は5が対応するカラム1とは異なって配置されている場合には、隣接する弁4又は5のラインであってもよい。
逆止弁は、例えばフラップ弁である。
【0033】
このようなラインや整列線は、構造の全体積を減少させることを可能にし、そして、コレクタに接続された損失を低減するために弁をより効果的に相互接続することを可能にする。
図1〜6bに示すように、弁4及び/又は5のライン又は整列線は、直線状で互いに平行であることができる。
弁4及び5は、カラム1の上に、交互の第1ライン及び交互の第2ラインを形成可能である。
特に、各第1ラインは、超過圧力ベッセル2の第1部分210に配置することができ、各第2ラインは、真空ベッセルの第2部分310に配置することができる。このとき、第1部分及び第2部分は、カラム1の上に交互に配置することができる。
【0034】
それから、
図1〜6bに示すように、ベッセル2及び3が、カラム1の上方にインターレースされた構造が得られる。交互に配置されたベッセル2と3の部分は、共通の壁によって分離することができる。
従って、各ライン又は整列線のために弁4及び5にてコレクタを使用することなく、ベッセル2及び3のそれぞれに直接各カラム1を接続したり、又は、必要なコレクタの長さを厳しく制限したり、したがってこれにより、このようなコレクタに関連する損失を制限することが可能である。
第1部分は、ガスの流れ方向にて増加する断面積を有する形状を有することができる。同様に、第2部分は、ガスの流れ方向にて減少する断面積を有する形状を有することができる。したがって、弁の近傍における、ベッセル2及び3の背圧に特に起因するガスの流れの制限を回避し、したがってヘッド損失を制限することが可能である。
【0035】
また、すべての弁は、必ずしも、1つの同じ部分で同時に開いている必要はない。これは、各弁に専用のコレクタに比べ、ガスの流れの加速又は飽和のリスクを一層減少させる。
特に、各第1部分210は、超過圧力ベッセル2の同一の第1チャンバ220に接続されることができ、第1チャンバは、各第1部分210とタービン6との間に配置される。
第2部分310は、超過圧力ベッセル2の同一の第2チャンバ320に接続されることができ、第2チャンバは、各第2部分310とタービン6との間に配置される。
接続は、流体接続を意味し、典型的には直接流体接続を意味し、典型的には、各部分が対応する第1チャンバ又は第2チャンバに直接繋がっていることを意味する。
【0036】
それから、各ベッセル2又は3は、ほぼ櫛形状を有する部分を含むことでき、部分が櫛歯を形成し、第1または第2チャンバが櫛のハンドルを形成する。2つのベッセル2及び3は、それらの櫛歯にて互いに挿入されている。これは、かなりの省スペース化と、従って、損失低減と同様に、構造の製造の低コスト化をもたらす。
第1チャンバ220または第2チャンバ320は、典型的には、アームである。アームは、対応する部分が繋がるように延ばされたベッセルの部分を意味する。
第1チャンバ220は、ガス流れ方向に増加する断面積を有する形状を有することができる。
特に、第1チャンバ220は、上流に配置された開口の断面積の合計よりも大きな断面積を有する形状を有することができ、各開口は、断面の上流の第1チャンバ220に通じる第1部分210に対応している。
したがって、典型的に、第1部分210が増加する断面積を有するとき、第1チャンバ220は、その断面の上流の第1チャンバ220に通じる第1部分210の最大の断面積の合計よりも大きな断面積を有する形状を有することができる。
【0037】
同様に、第2チャンバ320は、ガス流れ方向に減少する断面積を有する形状を有することができる。
特に、第2チャンバ320は、下流に配置された開口の各断面積の合計よりも大きな断面積を有する形状を有することができ、各開口は、断面の下流の第2チャンバ320に通じる第2部分310に対応する。
したがって、典型的に、第1部分210が増加する断面積を有するとき、第1チャンバ220は、その断面の上流の第1チャンバ220に通じる第1部分210の最大の断面積の合計よりも大きな断面積を有する形状を有することができる。
従って、特に同一のベッセルの第1チャンバ220及び第2チャンバ320の部分間の背圧による、ガスの流れの制限を回避することが可能であり、それゆえ損失を制限することが可能である。
【0038】
第1チャンバ220及び/又は第2チャンバ320は、それぞれ、ガス及び/又は圧力貯蔵器を形成することができる。従って、その後うねりや波がより少ないエネルギーを提供してもタービン6が動作し続けることができるように、タービン6が飽和動作しているとき、超過圧力ベッセル2内の圧力及び真空ベッセル3内の真空を貯蔵することができる。
特に、第1チャンバ220は、交互の第1部分210、及び、交互の第2部分310の上に配置されることができる。
同様に、第2チャンバ320は、交互の第1部分210、及び、交互の第2部分310の上に配置されることができる。
その結果として、システムのより一層の小型化がもたらされる。
他の結果として、ベッセル2(又は3)の上壁の部分が、他のベッセル3(又は2)の底壁の部分を形成している
図1〜6bに示した実施形態のように、ベッセル2の部分(又はベッセル3の部分)と、他のベッセル3の第2チャンバ(又は他のベッセル2の第1チャンバ)との間に共通の壁を使用することが可能であるため、製造コストの低減をもたらす。
同様に、ベッセル2及び3の側壁の部分は、2つのベッセル2及び3に共通であることができる。このとき、
図1に示すように、1つ以上のタービンを共通の壁の部分に配置すること、これにより一層コンパクトなシステムを製造すること、そして、タービン6にガスを送るためのダクトに関連する損失を制限することができること、が有利でありえる。
【0039】
あるいは、第1チャンバ220及び/又は第2チャンバ320は、交互の第1部分210、及び、交互の第2部分310の一方の側に配置されることができる。
第1チャンバ220及び第2チャンバ320が、交互の第1部分210及び交互の第2部分310の一方の側に配置されている場合、より低く、従ってより安定した構造を得ることができる。
第1チャンバ220及び第2チャンバ320が、ベッセル2及び3の部分210及び310の一方の側又は上に配置されていても、
図3に示すように、アームの2つの端部の間にタービン6を配置することができる。
第1チャンバ220及び第2チャンバ320の位置がどうであっても、タービン6の近傍のみにてチョークポイント(絞り部)を形成するように、ベッセル2及び3のこれらチャンバを寸法決めすることが可能である。これらチョークポイントは、タービン6への流路にて空気を加速可能であり、そして、穏やかなうねりの場合でも、空気の円滑な流れを可能にすることによって効率を増加させることができる。
【0040】
特定の実施形態によれば、各第1部分210は、連続した2つの第1ラインを含み、各第2部分310は、連続した2つの第2ラインを含む。
それから、
図3に示すように、弁が1つのラインから他のラインに、又は、1つの整列線から他の整列線に、逆さまに配置されている構造が得られる。
これは、各セクションが2つのライン又は整列線を含むために、より安価に生産される構造を得ることを可能にする。
この実施形態のさらなる利点は、波の伝播がライン又は整列線に平行であっても、うねりの波の位相シフトに関する損失を避けることであり、それから得られる利益である。
【0041】
実際には、同じタイプの全ての弁が、隣接するカラムの、2つの連続する線又は連続する整列線で組織されながら、特に、水が、ラインに、特にアライメントに、平行に伝播する波を受ける場合、少なくとも2つのラインが、特にアライメントが、開放弁を有するようにカラムは寸法決めされることができる。各セクションは、したがって、所定の時点でそれを通じてガスを流させ、及び、ガスの流れをより均等にベッセル2及び3の異なる部分の間に分配させる、より大きな蓋然性を有している。
また、ライン又は整列線と関連付けられたセクションによってガスの流れが利用可能な空間が、対をなすライン又は整列線の間に形成されながら、そして、各ライン又は整列線の弁の全てが組織的に同時に開かれず、従って、各逆止弁4及び/又は5から、又は、各逆止弁4及び/又は5へのガスの流れの間に、更に空間を節約することを可能にし、そして、ガスの加速及びガスの流れの飽和の可能性を更に減少させることができる。
【0042】
カラムの内部フロート
特定の実施形態によれば、1つ以上のカラム、好ましくは、構造のすべてのカラムが、各カラム1の内部に、浮力装置11を有している。
典型的には内部フロート11を含むこのような装置は、例えば
図8に示されている。
内部フロート11は、典型的には、カラム内の水に浮くほど十分に軽くなるように寸法決めされている。従って、内部フロートは、カラム内の水によって運ばれながら、少なくとも第1の高さの低い位置と第2の高さの高い位置との間で、カラム内を移動できるように寸法決めされている。
内部フロートの変位は、カラム1内に配置されたガイド手段によって案内されることができる。ガイド手段はガイドを含む。
例えばガイド手段は、高い位置と低い位置の間で内部フロートの動きを制限する。
従って、内部フロートがカラム1から出ることを防止することが可能である。
【0043】
代替的にまたは付加的に、ガイド手段は、例えば、他の自由度にて、内部フロートの変位を制限すること、例えば、内部フロートが傾いたり転覆することや、トンネルにそって封鎖することを回避すること、を可能にする。
例示的な実施形態によれば、ガイド手段は、カラム1の内壁に沿って延びるレールを含み、内部フロートは、内部フロートがレールに沿って移動するような相補的な要素を有する。
従って、レールは、例えばストッパ手段によって、高い位置と低い位置との間で、内部フロートの移動を制限するように、成形されることができる。
【0044】
内部フロートは、例えば、カラム内の水位を平滑化するように構成されている。
同一のカラム内の水位の差は、同一のカラム1内で流れの摂動を引き起こす傾向があり、他のものとの間で共振現象によって圧力損失を引き起こすが、こうして同一のカラム内の水位の差が回避される。
この目的のために、内部フロートは、例えば、隙間を許容するために縮小された寸法を有しながら、カラム1の内側断面積に相補的な形状を有している。
内部フロートは、例えば、カラムから弁への水の浸入を防止するように構成されている。
これは、水がベッセル2及び/又は3に入り、システムの浮力及び/又はシステムの性能を低下させることを回避することを可能にする。
加えて、これは、水によって大きすぎる力が作用して弁が損傷することを回避することを可能にする。実際、高い効率及び反応性を達成するために、弁は、好ましくは、空気によって及ぼされる圧力に高感度に反応するように寸法決めされている。しかしながら、そのような感度は、水などの液体によって及ぼされる力が弁を大幅に損傷させる可能性を示唆している。敏感な弁が設置されている場合には、それゆえそれらを保護することが望ましい。
この目的のために、カラムは、例えば、内部フロートに対し相補的な形状の上側ストップ領域14を、第2の高さに有する。上側ストップ領域14は、カラムの内壁から延び、内部フロートは、この構成まで上昇させられたときに、この位置でシールされた閉鎖を形成するように、自身を上側ストップ領域14にはめ込む。従って、内部フロートが上側ストップ領域に自身をはめ込むまで水が上昇したとき、水は、更に上昇することができず、それゆえ、ベッセル2または3のいずれにも浸入することができず、ストップ領域の上に位置する弁を損傷させることができない。
例えば、上側ストップ領域は、シールされた閉鎖を形成するように内部フロートが押し付けられるシールガスケットを含む。
上側ストップ領域は、ダンパーを形成するのに適することができ、そしてこれにより、ストップ領域に対するその連続した衝突によりフロートが摩耗することを制限するのに適することができる。代替的にまたは付加的に、減衰要素13が、フロート11上に配置されることができる。
【0045】
代替的にまたは付加的に、内部フロートは、例えば、開口111を通じてカラムから空気が逃げるのを防止するのに適している。
これは、水位が下降したときに、特に波のレベルが開口111に到達するまで十分に低下したときに、カラム内で真空を生じさせ、そして、開口111を通じてシステムの外へ向かって空気を追いやるような吸込力を生じさせ、ガスがシステムから出ることを回避することを可能にする。システム内のガスの量の減少は、徐々にシステムの効率を減少させるであろう。
この目的のために、カラムは、例えば、内部フロートに対し相補的な形状の下側ストップ領域を、第1の高さに有する。下側ストップ領域は、カラムの内壁から延び、内部フロートは、水によって、この構成までレベルが低下したときに、この位置でシールされた閉鎖を形成するように、自身を下側ストップ領域にはめ込む。従って、内部フロートが下側ストップ領域に自身をはめ込むまでカラム内の水が低下したとき、第1高さよりも上のガスはカラム内にとどまり、これによりシステムから逃げることができない。
例えば下側ストップ領域は、内部フロートが気密な閉鎖を形成するように押し付けられるシールガスケットを含む。
下側ストップ領域は、ダンパーを形成するのに適することができ、そしてこれにより、下側ストップ領域に対するその連続した衝突によりフロートが摩耗することを制限するのに適することができる。代替的にまたは付加的に、減衰要素13が、フロート11上に配置されることができる。
【0046】
あるいは、内部フロートは、カラム内で移動し、カラムの側壁を洗浄するための手段15を有するのに適することができる。
水と接触しているシステムにおける定期的な問題は、海洋性バイオフィルムの形成である。後者は、それらが発育している接触壁を損傷する傾向がある。
また、カラム1の洗浄は、実施するのが複雑であり、その従来の実施は、カラム1の動作の停止、又は可能であればシステム全体の動作の停止を必要とし、その期間エネルギーが変換されないことを意味している。
従って、カラム1内の水の振動運動と内部フロート11の移動は、カラムを洗浄し、バイオフィルムの形成を防止することを可能にする。
更に、この洗浄は、システムが通常運転しているときに連続的に行われ、従って、カラムを洗浄するためにシステムを停止することを回避する。
かくして、内部フロートは、カラムの内壁をこすり、そこに発育したフィルムを引きはがす、ブラシ及び/またはスクレーパのような要素をその周辺に含むことができる。
【0047】
圧力調整器
特定の実施形態によれば、システムは、圧力調整装置を含む。
圧力調整装置は、大気圧に対し、超過圧力ベッセル2の圧力と真空ベッセル3の圧力の合計を調節するように構成されている。
圧力調整装置は、大気圧に対し、超過圧力ベッセル2の圧力の平均値と真空ベッセル3の圧力の平均値を調節するように構成されている。
例えば、圧力調整装置は、対をなす圧力を比較するために、2つのチャンバ内に配置された2つのピストンを有する。
圧力調整装置は、例えば、チャンバ内に配置されたダブルピストンを含む。ダブルピストンは、チャンバを3つの部分にシールしながら分割する。
各ピストンは、例えば、同じチャンバ内の他のピストンから独立して移動可能である。
チャンバの1つの端部及びピストンの間の部分は、それぞれ、接続手段を介して2つのベッセル2及び3のうち1つと流体接続されている。他端は、接続手段を介して外部と流体接続されている。接続手段は、例えばダクトである。
【0048】
チャンバの三つの部分が、それぞれ、真空ベッセル3の圧力、超過圧力ベッセル2の圧力、及び、大気圧を有するように、圧力制御装置は配置可能である。
従って、ピストンの位置や変位の特性は、これらの圧力の差に依存する。
ピストンは、2つのベッセル2及び3の圧力の合計が、大気圧と一定の係数の積よりも小さい場合に、真空ベッセル3内に外気を引き込むように、それらの位置及びそれらの移動に応じて、弁を作動させることが可能である。
同様に、ピストンは、2つのベッセル2及び3の圧力の和が、大気圧と一定の係数の積よりも大きい場合に、超過圧力ベッセル2から空気が逃げることを許容するように、それらの位置に応じて弁を作動させることが可能である。
【0049】
排水装置
特定の実施形態では、超過圧力ベッセル2及び/又は真空ベッセル3は、排水手段17、例えば排水装置、を含むことができる。
ベッセル2又は3の排水装置は、例えば、重力によって水を導くことができるように、ベッセル2または3の下部に配置される。排水装置は、システムの周辺に近いベッセル2又は3の一端に配置することができる。
ベッセル2又は3の水排出装置は、例えば、逆止弁に接続されたチューブを含む。
チューブは、例えば、カラム1の高さよりも低い高さで、延びている。この方法では、
例えば下端での波の谷の通過により、水位がチューブの下端付近まで低下した場合、圧力の相互作用が、ガスの漏れをともなわずに、そしてそれ故、圧力損失をともなわずに、水が逃げることを引き起こす。このような構成は、例えば、内部圧力がチューブから水が出ることを防ぐ傾向がある、真空ベッセル3のチューブを空にすることを可能にする。
水排出装置は、例えばダンプバルブ型システムである。
このような装置は、例えば
図1に示されている。
【0050】
うねり偏向
特定の実施形態では、システムは、うねりを偏向させるための手段を含むことができる。
これら偏向手段は、例えば、カラム1内の水の振動を増大させるように、カラムの開口111に向かって、波を集中させるように構成されている。
これら偏向手段は、例えば、荒海の場合にカラム1内の水の振動を低減するために、カラム1の開口111に向かう波の集中を制限し、それによりシステムの内部、例えばカラム1のバルブを保護するように構成されている。
偏向手段は、固定可能であり、又、少なくとも2つの位置の間で変位可能でることができる。2つの位置は、穏やかな海では開口111に向けられるうねりの集中を許容し、及び/又は、荒れた海又は嵐では、開口111に向けられるうねりを制限することを許容する。
偏向手段は、少なくとも1つの偏向器(デフレクタ)を含むことができる。
偏向手段は、うねりを下方にむけるために、すなわちカラムの開口111に向けるために、固定または可動の、システムに配置された、例えばシステムの外側バッフルに配置された、少なくとも1つの壁またはバッフルを含むことができる。
偏向手段は、うねりを上方に向けるために、すなわちカラムの開口111に向けるために、及び/又は、開口111へのアクセスを制限するために、システムが正常に動作しているときに開口111の下に配置される、固定または可動の、少なくとも1つのバッフルを含むことができる。
従って、開口111の下方に配置された偏光器の位置に応じて、特に、カラムの下部に対するそれらの方向及び高さに応じて、バッフルが可動である場合、偏向の効果は調整されることができる。
従って、開口111の下方に配置された可動バッフルは、例えば、底に配置され、又は、ケーブルによってシステムに接続される。ケーブルは、例えば、うねりに対する可動バッフルの効果を変化させるために調整可能な長さを有する。
そのような可動バッフルは、例えば、
図6a及び6bに与えられている。
【0051】
システム浮力要素
システムは、システムを特定のレベルにて水の体積中に維持する浮力手段16を含むことができる。
これらの浮力要素は、典型的には、フロートである。
エネルギー変換ユニット
また、波から得られたエネルギーを変換するためのユニットについて説明する。
このようなユニットは、互いに接続された複数のシステムを含む。システムは、例えば、中央部1003に相互接続され、この中央部が異なるシステムに共通のタービン6を含むことが可能である。
好ましくは、波の伝播方向に関係なく、エネルギーの変換を最適化するように、180°以外の角度、また好ましくは90°、を形成するように、システムは相互接続される。
このような組織は、また、うねり及びや波の影響の下で、システムの運動現象、典型的にはシステムのピッチング及び/又はロールリング、を防ぐことができる。システムのパフォーマンスを低下させるため、これらの現象は回避される。実際、うねり及び波は、一般的にシステムを動かすことができ、それはこのとき、カラム1内の振動、及びそれゆえ、変換可能なエネルギーを減少させる。
従って、典型的には、複数のシステムは、少なくとも3つのシステムは、それらの間に等しい角度を形成しながら、例えば120°で、相互接続されている。
【0052】
実施形態の例
第1の例示的システム
図1及び
図2を参照しながら、本発明の第1実施形態に係るシステムを記述する。
システムは、例えばグリッド状に、隣接して組織された、カラム1を含んでいる。カラム1は、好ましくは、隣接するカラムと壁を共有している。グリッドは、例えば、それぞれ7つのカラム1からなる4つのラインを含む。
カラム1は、好ましくは、垂直に配向されている。カラム1は、典型的には、2.2メートルの高さで、0.5×0.7mのオーダーの例えば矩形の断面を有する。
カラムの頂部(図示せず)は、典型的には閉じられ、第1逆止弁4及び第2逆止弁5がカラムごとに設けられており、各逆止弁は、対応するベッセル2又は3の部分210又は310と連通している。
図2に示すように、好ましくは、2つのラインのカラムの同じ型の逆止弁4及び5が、同一の部分に接続されるように、超過圧力ベッセル2のそれぞれの第1部分210及び真空ベッセル3のそれぞれの第2部分310は、カラム1の2つの隣接したラインの上を部分的に延びている。したがって、隣接するカラム1の2つのラインに対応する第1逆止弁4の2つのラインは、例えば、同じ第1部分210に接続されている。
その結果は、逆止弁のライン又は整列線が、カラム1の1つのライン又は整列線と、隣接するライン又は整列線との間で、逆に提供されることである。
超過圧力ベッセル2(又は真空ベッセル3)は、好ましくは、第1部分210及び第2部分310の上を延びる、第1チャンバ220(又は第2チャンバ320)を示している。
ベッセル2及び3は、例えば、壁610によって分離されている。壁は、例えば、カラム1のグリッドに直交して延び、実質的にシステムの中央に配置されている。
壁610は、典型的には、超過圧力ベッセル2と真空ベッセル3との間でガスが流れることを許容する少なくとも1つのタービン6が設けられている。
したがって、超過圧力ベッセル2の各第1部分210は、真空ベッセル3の第2チャンバ320の下方に配置された遠位サブ部分211、及び、超過圧力ベッセル2の第1チャンバ220の下に配置され、超過圧力ベッセル2の第1チャンバ220に直接接続された近位サブ部分212を含む。
同様に、超過圧力ベッセル3のそれぞれの第2部分310は、超過圧力ベッセル2の第1チャンバ220の下に配置された遠位サブ部分311、及び、真空ベッセル3の第2チャンバの下に配置され、真空ベッセル3の第2チャンバ320に直接接続された近位サブ部分312を含む。
したがって、超過圧力ベッセル2の各遠位サブ部分211は、典型的には側壁2111及び2112によって、隣接する真空ベッセル3の近位サブ部分312から分離されている。
同様に、真空ベッセル3の各遠位サブ部分311は、典型的には側壁3111及び3112によって、隣接する超過圧力ベッセル2の近位サブ部分212から分離されている。
さらに、超過圧力ベッセル2の各遠位サブ部分211は、遠位サブ部分211が真空ベッセル3から密閉して分離されるように、側壁2111及び側壁2112に接続された上側壁2113によって、その上に配置された真空ベッセル3の第2チャンバ320から分離される。
同様に、真空ベッセル3の各遠位サブ部分311は、遠位サブ部分311が超過圧力ベッセル2から密閉して分離されるように、側壁3111及び側壁3112に接続された上側壁3113によって、その上に配置された超過圧力ベッセル2の第1チャンバ220から分離される。
好ましくは、上側壁2113及び3113は、増加又は減少する断面積を有するサブ部分を形成するよう、そして、サブ部分に沿って、弁4又は5に向けられた流れ、又は、弁4又は5から得られた流れの和又は差を考慮するよう、弁4又は5のライン又はアライメントに対し傾斜している。
カラム1間、および、サブ部分と第1チャンバ220と第2チャンバ320との間の壁は、典型的には、1〜3mmの厚さを有する。
超過圧力ベッセル2及び真空ベッセル3は、側壁および屋根を形成する壁によって外部から分離されることができる。
また、ベッセルは、各ベッセル内にてカラムのいずれか一方の側に保守通路18を提供するように、カラム1を越えて延びている。
【0053】
第2の例示的システム
図3〜
図5bを参照して、本発明の第2実施形態に係るシステムについて説明する。
カラム1、逆止弁4及び5、並びに、ベッセル2及び3の相対的な構成は第1実施例と同様である。
波の谷10がそれらを通過しているために、平均レベル20に対し水位が最低であるカラム1は、真空力を受ける。
波の頂点10がそれらを通過しているために、平均レベル20に対し水位が最高であるカラム1には、圧縮力を受ける。
方向における第1逆止弁4及び第2逆止弁5の分布は、ハイライト表示されている。
しかしながら、タービン6は、超過圧力ベッセル2によって、及び、真空ベッセル3によって、タービン6の両側に形成された絞り部に配置されている。この絞り部は、より良好な性能を提供するために、タービン6でのガスの流れをもっぱら加速することを可能にする。この絞り部は、第1チャンバ220及び第2チャンバ320の延長によって形成されることができる。
矢印7は、タービン6に流入するガスの流れを示し、矢印8は、タービン6から流出すガスの流れを示している。
逆止弁4及び5は、例えば、各弁によって許容される循環方向に応じて揺動するように構成されたフラッパーを含む。
第1逆止弁4は、例えば、
図4に示すように、真空ベッセル3の第2部分の側壁3111及び3112に、及び/又は、カラムの壁に配置される。
同様に、第2逆止弁5は、例えば、
図4に示されるように、カラム1の壁に、及び/又は、真空ベッセル3の第2部分の遠位サブ部分の側壁2111及び2112に配置されている。
【0054】
第3の例示的システム
図6a及び
図6bを参照して、本発明の第3実施形態に係るシステムについて説明する。
カラム1、逆止弁4及び5、並びに、ベッセル2及び3の相対的な構成は第1実施例と同様である。
システムは、うねりを偏向させるための手段を含むことができる。特に、システムは、例えば水面20に配置された1つ以上の上側側方バッフル23を含むことができる。上側側方バッフル23は、システムの両側に配置されている。
システムは、例えば、代替的又は追加的に、水面20の下に配置されたバッフルを含む。
したがって、システムは、例えば、カラム1のアレイの下に配置された下側中央バッフル22を含む。システムは、例えば、上側側方バッフルの下に配置された下側側方バッフル21を含む。
バッフルは固定されることができる。そのとき、それらは可能な構成に適合される。好ましくは、バッフルは、所定の時間に、水の体積が受けるうねりのプロファイルにうねりの偏向を適合させるために、可動である。
海が通常の状態であるとき、すなわち、うねりの高さがカラム1の寸法に、特にそれらの高さに適しているとき、所望の効率を達成するために、すべてのバッフルは、うねりを変化させないために、中立位置に、典型的には水平に配置される。
海が穏やかである場合、波の高さがカラム1の寸法に比べて低すぎる場合、バッフルは、カラム1の下端110に対して収束姿勢を取ることができる。そのときバッフルは、カラム1へのうねりの集中を可能にし、カラム内での水の振動の振幅を増大させる。実際、穏やかな海では、効率を向上させるためにうねりの動きをできるだけ大きくする必要がある。
これは、例えば、
図6aに示されたシステムとともに得られる。上側側方バッフル23は、例えば、うねりを下方に向けるように配向されている。システムの外側の壁は、上側側方バッフル23によって与えられた方向の波の動きを増大させるために同様の配向を有することができる。
下側側方バッフル21は、例えば、うねりを上方に向けるように対称的に配向されている。そのとき、下側中央バッフル22は、水平方向の波の移動を阻止しないように配置することができる。
海が荒れているときや嵐のとき、うねりの高さがカラムの1の高さに対し大きすぎる場合、バッフルはカラム1の下端110に対し、発散姿勢を取ることができる。そのとき、バッフルは、カラム1に最初向けられたうねりのエネルギーの部分的な分散を可能にし、こうしてカラム1内における水の振動の振幅を低減する。実際、荒海では、システムの損傷を防ぐために、うねりの動きを低減する必要がある。
これは、例えば、
図6bに示されたシステムとともに得られる。上側側方バッフル23は、例えば、うねりを上方に向けるように、すなわち、壁の下ではなくシステムの壁に向けるように、配向されている。
下側側方バッフル21は、例えば、うねりを下に向けるため垂直方向に近づきながら、浮揚レベル20に関して対称的に配向される。そのとき、下側中央バッフル22は、うねりを下に向けために同様の方法で配置することができる。
【0055】
第4の例示的システム
図7を参照しながら、本発明の第4実施形態に係るシステムについて説明する。
カラム1、逆止弁4及び5、並びに、ベッセル2及び3の相対的な構成は第3実施例と同様である。
ベッセル2及び3は、好ましくは、ベッセルは、各ベッセル2及び3内にてカラムのいずれか一方の側に保守通路18を提供するように、カラム1を越えて延びている。この保守通路は、例えば、修理、洗浄又は種々のメンテナンスを実行するためにベッセル2及び/又は3に人が入ることを可能にする。
システムは、浮力容量を改善するために、1つ以上の浮力要素16を含むことができる。
これらの浮力要素16は、例えばシステムの両側に、例えばシステムの下部に、例えば保守通路18の下に配置される。
さらに、システムは、ベッセル2及び/又は3から水を除去するための手段17を含むことができる。排水手段17は、ダンプバルブのような排水装置を含むことができる。
排水装置17は、例えば保守通路18に配置された水ドレインの形で、保守通路18に配置されることができる。排水装置17は、例えば浮力要素16を通過する、管状要素を含むことができる。
さらに、システムは、複数のタービン6を含むことができる。
タービン6の近傍の壁は、好ましくは、タービン6へガスの流れを向けるのに適した形状を有する。
【0056】
カラム内部のフロート装置の例
図8を参照して、カラム1の内部のフロート装置11を含む、本発明に係るシステム本発明に係るシステムのカラム1を説明する。
内部フロート11は、カラム1に沿って移動するのに適した形状を有している。
内部フロート11は、典型的には、その表面を平坦化するように、カラム1内の水の表面の大部分を覆うように構成された膜または壁を含む。
さらに、内部フロート11の形状は、典型的には、フロートが上側又は下側ストップ領域14に接触したときに、カラム1を密閉して閉鎖するように構成されている。
内部フロート11は、例えば、ストップ領域14の1つに衝突したときに衝撃を制限するために、少なくとも1つの減衰要素13を含む。この減衰要素は、例えば、その周囲にて内部フロート11から突出したバンプの形状をとる。
フロートの移動は、典型的には、ガイド手段12によって、例えばフロート11がそれに沿って動くレール12によって制限される。
フロートは、その縁に、カラム1の側壁を洗浄するための手段15を含むことができる。これら手段は、典型的にはブラシ15を含む。レール12もまた、フロートの通過によって作動されるブラシ15を有することができる。
カラム1は、典型的は、矩形の断面形状を有するシリンダ形状である。
例示的なエネルギー変換ユニット
図9を参照して、うねり又は波から得られたエネルギーの変換について説明する。
ユニットは、互いに接続された、本発明に係る複数のシステムを含む。例えば、ユニットは、中央部1003によってそれらの一端で相互に接続された3つのシステムを含む。
もう一方の端は、うねり偏向バッフル23及び1001を有することができる。
ユニットは、浮かぶことができ、案内手段1002によって、例えば柱によって、その移動が制限されることができる。
中央部1003は、別のシステムに共通のタービン6を含むことができる。
【0057】
数値例
累積して1000m
2の断面堰を有する本発明に係るシステムを、サン ジャン ド リュズの堤防の外側に配置し、冬のうねりを受けさせた。
このうねりは、2mのうねり高さH、及び、7秒の周期Tを有している。
高く見積もって30%の減衰を有するシステムによって減衰された後のうねりの平均高さをHaとする。
Ha=1.4m
OWC(振動水柱)での最大超過圧力と最大真空圧との間の圧力差をdPmaxとする。
dPmax=2・dPHa=28,000Pa
空気力学的なヘッド損失を考慮した使用可能な圧力の変化をdPuとする。
dPu=dPmax−10%=25,200Pa
1.20kg/m
3の密度ρを有する空気の15°の湿度での最大速度をVmaxとする。
Vmax=(2・dPu/p)
1/2=205m/s
最大流量をDmaxとする。
Dmax=Ha・S/T=285m
3/s
1.4mの有効タービン断面積Sを有するタービンでの空気の最大速度をVとする。
V=Dmax/S=203m/s
従って、V<Vmaxが成り立つ。
ベッツの式を用いて、それから理論的な最大電力が推定される。
Pmax=1/2・ρ・S・V
3=7,026,958W
いくつかの地域では、利用可能な気象データの観察によって、これらの条件がともに、95%以上の時間、すなわち年間8300時間以上満たされていることがわかった。
この結果は、コレクタの1000m
2に、約58,000MWh/年(又は58GWh)という理論的な最大生産可能量である。
このような理論的な効率では、約9km
2のカラム領域が、年間520TWhを、すなわちフランスの現在の総消費電力を提供するために必要とされる。
25%という現実的な効率を考慮すれば、それは36km
2の領域、又は、合計10,000m
3の本発明に係るシステム又はユニットが3600個、例えば100個のシステム又はユニットが36個のプールに分散されて、必要になるであろう。