(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
2つのスキン層と、これらの間にサンドイッチされたエラストマー性コア層とを含む多層フィルムを提供することであって前記多層フィルムが機械幅方向に活性化されていることと、
前記スキン層の変形限界を超えて前記多層フィルムを機械方向に延伸することと、
前記多層フィルムが機械方向に延伸された状態で前記多層フィルムにウェブ層を積層することと、
前記多層フィルムを復元させて伸張可能なウェブ積層体を形成することと、
を含む、伸張可能なウェブ積層体の作製方法。
前記多層フィルムが機械方向に延伸された状態で前記多層フィルムに積層される第2ウェブ層を更に提供することであって前記多層フィルムが前記2つのウェブ層の間にサンドイッチされることを含む、請求項1に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
定義
本明細書で使用される用語「活性化」及びその変化形表現は、材料の少なくとも一部分に対し弾性伸張可能性を付与するように機械的に変形された材料を指す。2つのスキン層と、その間にサンドイッチされたエラストマー性コア層とを含む多層フィルムの関連において、活性化とは、スキン層の弾性変形限界を超えて多層フィルムの少なくとも一部分を延伸させ、かつ、その多層フィルムを復元させて、延伸方向に弾性伸張性をフィルムに付与する、プロセスを指す。
【0014】
本明細書で使用される用語「機械方向」又は「MD」は一般に、材料が作製される方向を指す。用語「機械幅方向」又は「CD」は、機械方向に対して垂直な方向を指す。
【0015】
本明細書で使用される用語「復元」及びその変化形表現は、付勢力を印加することにより材料を延伸させた後、付勢力を解除することによる、延伸材料の収縮を指す。
【0016】
本発明のいずれかの実施形態を詳細に説明するのに先立って、本発明は、その用途において、以下の説明文に記載する、又は以下の図面に示す構造の細部及び構成要素の配置に限定されない点は理解されるべきである。本発明には他の実施形態が可能であり、本発明は様々な方法で実施又は実行することが可能である。また、本明細書で使用する用語及び専門用語は、説明を目的としたものであり、発明を限定するものとして見なされるべきでない点は理解されるべきである。「含む(including)」、「備える(comprising)」、又は「有する(having)」、及びこれらの変化形は、その後に列記される要素及びそれらの均等物、並びに更なる要素を包むものである。本明細書に引用される任意の数値的な範囲には、低位の値から高位の値までの全ての値を含む。例えば、濃度範囲が1%〜50%のように記載される場合、これは2%〜40%、10%〜30%、又は1%〜3%などの値が本明細書中に明示的に列挙されていることを意図する。これらは何が具体的に意図されているのかの例に過ぎず、列挙された最も低位の値と最も高位の値との間並びにこれらを含む、数値の全ての可能性のある組合せが、本明細書において明示的に記載されていると考慮される。
【0017】
概観
本発明は、多層フィルム及び少なくとも1つのウェブ層を含む伸張可能なウェブ積層体の作製方法に関する。多層フィルムは、2つのスキン層と、その間にサンドイッチされたエラストマー性コア層とを含む。ウェブ層は典型的に、不織布材料、織布材料、微細繊維ネット、及び/又はテクチャー化表面(例えばエンボス加工パターン)を備えたフィルムを含む。
【0018】
多層フィルムは一般に、スキン層の弾性変形限界を超えて多層フィルムの少なくとも一部分を延伸させ、かつ、そのスキン層をエラストマー性コア層と共に復元させることにより、第1方向に活性化され、その第1方向に弾性である多層フィルムを形成する。この活性化された多層フィルムは次に、第1方向に実質的に垂直な(すなわち、90°±5°)第2方向に、スキン層の変形限界を超えて延伸される。多層フィルムが延伸状態であるときに、少なくとも1つのウェブ層が、この多層フィルムに接着される。多層フィルムは次に復元されて、伸張可能なウェブ積層体を形成する。
【0019】
大規模製造中、この多層フィルムは典型的にロール形状で提供される。そのような場合において、第1方向は典型的に製造ラインの機械幅方向(CD)に相当し、第2方向は典型的に機械方向(MD)に相当する。よって、単純化のため、用語CD及びMDが本明細書を通して使用される。
【0020】
本発明の利点は、MD方向延伸の前にCD方向に多層フィルムを活性化させることにある。活性化されていない多層フィルムに比べて、CD方向活性化により、MD方向延伸中の多層フィルムのネッキングが低減される。ネッキングの低減は、MD方向延伸後の多層フィルムの復元が大きくなることを意味し、よって、弾性材料をより効率的に利用することを意味する。ネッキングの低減により、加工プロセス中の多層フィルムの幅変動が低減され、これによって、フィルム及び積層体の廃棄量が削減され、プロセス取扱性能が改善される。加えて、CD方向活性化は、MD方向には比較的非弾性的であり、よって、製造ライン上での早期延伸を起こしにくい。本発明の様々な態様が下記に詳しく検討される。
【0021】
多層フィルム
本発明の多層フィルムは、2つのスキン層と、その間にサンドイッチされたエラストマー性コア層とを含む。この多層フィルムは、活性化前は比較的非弾性的である。しかしながら、このフィルムはスキン層の弾性変形限界を超えて多層フィルムを延伸し、エラストマー性コア層と共にスキン層を復元することによって、弾性を付与し、延伸方向に弾性である多層フィルムを形成することができる。活性化中でのスキン層の変形により、多層フィルムは復元時にマイクロテクスチャー化表面を示す。マイクロテクスチャーとは、活性化領域におけるスキン層の構造を指す。より具体的には、スキン層は山と谷の凹凸又は折り目を含み、この細部は拡大なしには見ることができない。
【0022】
例示的な活性化されていない多層フィルムを
図1に示す。活性化されていない多層フィルム1は2つのスキン層2、4と、それらにサンドイッチされたエラストマー性コア層3とを有する。多層フィルム1は例えば、スキン層2、4の弾性変形限界を超えて方向xに多層フィルム1を延伸させ、次に多層フィルム1を復元させることによって、活性化することができる。
図2に示すように、活性化された多層フィルム5は、マイクロテクチャー化表面構造6を示す。
【0023】
図2はフィルム全体にわたるマイクロテクスチャー化表面構造を示しているが、フィルム全体に弾性を依然として付与しながら同時に、多層フィルムの一部領域を活性化させることができることが分かる。
図5は、選択された領域において活性化された多層フィルムのマイクロテクスチャー表面構造を示す。例えば、
図1のフィルムは、より詳細に後述されるように、リングローリング装置により漸増式に延伸させることができる。あるいは、多層フィルムは、その多層フィルムの選択された断面領域の弾性率の相対的値が、その多層フィルムの隣接する断面領域の弾性値よりも低くなるように制御することによって、特定の領域において優先的に延伸させるよう設計することができ、これによって、活性化領域と非活性化領域とを有する弾性多層フィルムを生じることができる。
【0024】
エラストマー性コア層は、薄いフィルム層に形成することが可能であり周囲条件でエラストマー性を示すような、任意の材料を幅広く含むことができる。エラストマー性とは、延伸された後に最初の形状に実質的に戻る材料を意味する。好ましくは、エラストマー性コア層はスキン層の変形及び復元の後に、小さな永久歪のみを維持し、この歪は、中程度の伸長(例えば約400〜500%)の後に、好ましくは元の長さの20パーセント未満、より好ましくは10パーセント未満である。一般に、エラストマー性コア層は、スキン層において比較的一定した永久変形をもたらす程度まで延伸され得る任意のものが許容される。これは、50%という低い伸長であり得る。ただし好ましくは、エラストマー性コア層は室温で最高300〜1200%の伸長を受けることが可能であり、最も好ましくは室温で最高600〜800%の伸長を受けることが可能である。エラストマー性コア層は、純粋なエラストマーであるか、又は、室温でなお、実質的にエラストマー特性を有するエラストマー相又は含有物とのブレンドであってもよい。
【0025】
熱収縮性エラストマー及び非熱収縮性エラストマーの両方が、本発明における使用に想到される。しかしながら、加工処理の見地から、非熱収縮性エラストマーの方が好ましい。非熱収縮性とは、延伸されたときに、熱の適用なしに、エラストマーが、上述のように小さな永久歪のみを残して実質的に復元されることを意味する。非熱収縮性ポリマーとしては、A−B又はA−B−Aブロックコポリマーとして当業者に周知されているものなどのブロックコポリマーが挙げられる。これらのブロックコポリマーは、例えば、米国特許第3,265,765号「Block Polymers of Monovinyl Aromatic Hydrocarbons and Conjugated Dienes」、(Holdenら)、同第3,562,356号「Block Copolymer Blends with Certain Ethylene−Unsaturated Ester Copolymers」(Nybergら)、同第3,700,633号「Selectively Hyrdogenated Block Copolymers」(Waldら)、同第4,116,917号「Hydrogenated Star−Shaped Polymer」(Eckert)、及び同第4,156,673号「Hydrogenated Star−Shaped Polymer」(Eckert)に記述されている。スチレン/イソプレン、ブタジエン又はエチレン−ブチレン/スチレン(SIS、SBS又はSEBS)ブロックコポリマーは、特に有用である。その他の有用なエラストマー組成物は、エラストマーポリウレタン、エチレンビニルアセテート、エチレン/プロピレンコポリマーエラストマー、又はエチレン/プロピレン/ジエンターポリマーエラストマーのようなエチレンコポリマーを含み得る。これらエラストマー同士のブレンド、又はこれらエラストマーと変性非エラストマーとのブレンドも想到される。いくつかの実施形態において、このエラストマー性コア層はスチレン−イソプレン−スチレン(SIS)とポリスチレンのブレンドである。更に特定の実施形態において、このSIS:ポリスチレン重量比は2:1〜19:1の範囲である。
【0026】
粘度を低下させるポリマー及び可塑剤を、エラストマー、例えば低分子量ポリエチレンとポリプロピレンのポリマー及びコポリマー、又は粘着付与樹脂とブレンドしてもよい。スキン層に対するエラストマー性コア層の接着性を高めるために粘着付与剤を使用することもできる。粘着付与剤の例には、脂肪族又は芳香族炭化水素の液体粘着付与剤、ポリテルペン樹脂粘着付与剤、並びに水素化粘着付与樹脂が挙げられる。脂肪族炭化水素樹脂が好ましい。
【0027】
染料、顔料、酸化防止剤、帯電防止剤、結合助剤、充填材、ブロッキング防止剤、スリップ剤、熱安定剤、光安定剤、発泡剤、ガラスバブル、強化繊維、分解性のためのデンプン並びに金属塩、又はマイクロファイバーのような添加剤をエラストマー性コア層に使用してもよい。
【0028】
スキン層は、エラストマー性コア層よりも弾性が低く、かつ多層フィルムの望ましい延伸率で永久的な変形を受けるような、任意の半結晶又は非晶質ポリマーで形成することができる。よって、わずかにエラストマー性の化合物、例えば一部のオレフィン性エラストマー(例えばエチレン−プロピレンエラストマー若しくはエチレン−プロピレン−ジエンターポリマーエラストマー)又はエチレン性コポリマー(例えばエチレン酢酸ビニル)を、単独又はブレンド中で、スキン層として使用することができる。しかしながら、スキン層は一般にポリオレフィン(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン又はポリエチレン−ポリプロピレンコポリマー)であるが、全体又は部分的に、ポリアミド(例えばナイロン)、ポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレート)、ポリビニリデン、ポリアクリレート(例えばポリ(メチルメタクリレート)(ブレンド中でのみ))及び同様物、並びにこれらのブレンドであってもよい。一般に、多層フィルムの活性化の後、スキン層は、次の3つの好適な様相のうち少なくとも1つの様相で、エラストマー性コア層と接触する:第1は、
図2に示されているように、コア層とマイクロテクスチャー化スキン層との間の連続的な接触;第2は、コア層の凝集破壊を備えたコア層とマイクロテクスチャー化スキン層との間の連続的な接触;第3は、スキン層とコア層との間欠的な接触を備えた、マイクロテクスチャー化折り目の下におけるコア層に対するスキン層の接着破壊。一般に、本発明の関連において、スキン層とコア層との3つの接触形態すべてが許容される。しかしながら、好ましくは、スキン層とコア層は実質的に連続的に接触しており、これによりコア層からのスキン層の剥離の可能性を最小限に抑える。
【0029】
スキン層に有用な添加剤には、鉱油エキステンダ、帯電防止剤、顔料、染料、ブロッキング防止剤(ただし約15%未満の量)、分解性のためのデンプン及び金属塩、並びに、エラストマー性コア層について記述されたもののような安定剤が挙げられるがこれらに限定されない。
【0030】
スキン層とエラストマー性コア層との間の結合を改善するために、このコア層とスキン層との間に、例えば結合層など、他の層を追加することができる。結合層は、この用途のための典型的な化合物で形成されるか、そのような化合物でコンパウンド化されたものであってよく、これには、無水マレイン酸変性エラストマー、エチレン酢酸ビニル及びオレフィン、ポリアクリル酸イミド、ブチルアクリレート、ペルオキシポリマーなどの過酸化物(例えばペルオキシオレフィン)、シラン(例えばエポキシシラン)、反応性ポリスチレン、塩素化ポリエチレン、アセテート基及び酸無水物の官能基を備えたアクリル酸変性ポリオレフィン及びエチル酢酸ビニル、並びに同様物が挙げられ、これらは、1つ又は複数のスキン層又はコア層において、ブレンド中で、又は相溶化剤として、又は剥離促進添加剤として使用することができる。
【0031】
多層フィルムは、エラストマー性コア層とスキン層との共押出により調製することができる。あるいは、多層フィルムは、エラストマー性コア層をスキン層の上に貼り付けることにより、又はその逆により、調製することができる。そのような技法は、当業者に周知である。
【0032】
多層フィルムのコア層:スキン層の厚さ比は、好ましくは、多層フィルムに対して本質的に均質な活性化を可能にするよう制御される。コア層:スキン層の厚さ比は、2つのスキン層の厚さ合計に対する、エラストマー性コア層の厚さの比として定義される。加えて、多層フィルムのコア層:スキン層の厚さ比は、スキン層が弾性変形限界を超えて延伸された後にエラストマー性コア層と共に弛緩したときに、スキン層がマイクロテクスチャー化表面を形成するように、選択する必要がある。望ましいコア層:スキン層の厚さ比は、フィルムの組成物を含むいくつかの要素に依存する。本発明のいくつかの実施形態において、多層フィルムのコア層:スキン層の厚さ比は少なくとも2:1である。他の実施形態において、多層フィルムのコア層:スキン層の厚さ比は少なくとも3:1である。
【0033】
また、実施例セクションで定義されるように、多層フィルムは、MD方向に10%延伸させるのに、少なくとも2.5N/25.4mm、より好ましくは5N/25.4mmの力を示す事が望ましい。MD方向に10%延伸させる力は、弾性変形限界を超えて多層フィルムのスキン層を延伸させるのに必要な力の量に比例する。MD方向に10%延伸させる力は、プロセスライン上で多層フィルムの早期延伸を低減するのに十分な程度の高さであるべきである。本発明のいくつかの実施形態において、MD方向に10%延伸させる力は、5N/25.4mm〜10N/25.4mmの範囲である。
【0034】
本発明のための例示的な多層フィルムは、米国特許第5,462,708号「Elastic Film Laminate」(Swensonら)、同第5,344,691号「Spatially Modified Elastic Laminates」(Hanschenら)、及び同第5,501,679号「Elastomeric Laminates with Microtextured Skin Layers」(Kruegerら)に開示されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。市販されている好適なフィルムには、3M Company(St.Paul,Minnesota,USA)から販売されているM−235が挙げられる。
【0035】
多層フィルムのスキン層は、同じ組成であってもよく、異なる組成であってもよい。同様に、スキン層の厚さは、同じであっても異なっていてもよい。1つの好ましい実施形態において、スキン層は同じ組成及び厚さである。
【0036】
本発明のいくつかの実施形態において、多層フィルムのコア層はスチレン系ブロックコポリマーであり、多層フィルムのスキン層はそれぞれポリオレフィンである。他の実施形態において、多層フィルムのコア層はSIS及びポリスチレンのブレンドであり、多層フィルムのスキン層はそれぞれポリプロピレン及びポリエチレンのブレンドである。更に他の実施形態において、多層フィルムのコア層はSIS及びポリスチレンのブレンドであり、多層フィルムのスキン層はそれぞれポリプロピレンである。
【0037】
ウェブ
ウェブ層は概して、非粘着性でありかつ、好ましくは感触が柔らかい材料を含む。ウェブ材料の例には、不織布材料、織布材料、微細繊維ネット、及びテクチャー化表面(例えばエンボス加工パターン)を備えたフィルムが挙げられる。ウェブ材料は非弾性的又は弾性的であり得る。
【0038】
不織布ウェブは、パーソナルケア産業における伸張可能なウェブ積層体に特に好適である。用語「不織布ウェブ」は、絡み合わされているが、編織物におけるような特定可能な方式では絡み合っていない個々の繊維又は糸の構造を有するウェブを指す。不織布ウェブを作製するために好適なプロセスには、エアレイイング、スパンボンド、スパンレース、結合メルトブローンウェブ及び結合カーディングウェブ形成プロセスが挙げられるが、これらに限定されない。スパンボンド不織布ウェブは、溶融された熱可塑性プラスチックを紡糸口金における一連の細密ダイオリフィスからフィラメントとして押し出すことによって作製される。押出フィラメントの直径は、例えば、非抽出若しくは抽出流体延伸又はその他の周知のスパンボンドメカニズムにより、張力下で急速に低減され、これは例えば、米国特許第4,340,563号「Method for Forming Nonwoven Webs」(Appelら);同第3,692,618号「Continuous Filament Nonwoven Web」(Dorschnerら);同第3,338,992号「Process for Forming Non−Woven Filamentary Structures from Fiber−Forming Synthetic Organic Polymers」(Kinney);同第3,341,394号「Sheets of Randomly Distributed Continuous Filaments」(Kinney);同第3,502,763号「Process of Producing Non−Woven Fabric Fleece」(Hartmann);及び同第3,542,615号「Process for Producing a Nylon Non−Woven Fabric」(Doboら)に記述されている。
【0039】
不織布ウェブ層も、結合カーディングウェブから作製することができる。カーディングウェブは、分離された短繊維から作製され、この繊維は、ほぼ機械方向に配向された繊維状不織布ウェブを形成するために、短繊維を機械方向に分離させ及び整列させるコーミング又はカーディングユニットを通して送られる。しかしながら、ランダマイザーを使用して、この機械方向の配向を低減することができる。カーディングウェブが形成されたら、次に好適な引張特性を与えるために、それはいくつかの結合方法の中の1つ又は複数によって結合される。1つの結合方法は、粉末結合であって、粉末状接着剤は、ウェブを通して分配され、次いで通常は熱風でウェブ及び接着剤を加熱することによって活性化される。別の結合方法は、加熱されたカレンダーロール又は超音波溶接機器を使用して繊維を共に結合するパターン結合であり、通常は局部的結合パターンであるが、所望される場合には、ウェブをその全表面にわたって結合することができる。一般に、ウェブのより多くの繊維が共に結合されるほど、不織布ウェブの引張特性は大きくなる。
【0040】
エアレイイングは、本発明において有用な繊維状不織布ウェブが作製できる別のプロセスである。エアレイイングプロセスでは、通常は約6〜約19ミリメートルの範囲の長さを有する小繊維の束が分離されて、供給空気に同伴され、次いで多くの場合、真空供給の援助によって、形成スクリーン上に堆積される。次に、ランダムに堆積された繊維が、例えば熱風又は噴霧接着剤を使用して互いに結合される。
【0041】
あるいは、周知のメルトブローンウェブ又はスパンレース不織布ウェブ又は同様物を使用して、不織布ウェブを形成することができる。メルトブローンウェブは、複数のダイオリフィスから熱可塑性ポリマーを押し出すことにより形成され、このポリマー溶融ストリームは、ポリマーがダイオリフィスから出る位置のすぐ近くのダイの2つの面に沿う高速熱風又は蒸気によって直ちに細径化される。結果として生じる繊維は、収集表面上に収集される前に、結果として生じる乱気流中で絡み合って凝集性ウェブになる。一般に、本発明に十分な一体性及び強度を提供するために、メルトブローンウェブは、上記のように空気通過結合、熱又は超音波溶接などによって、更に結合されなければならない。
【0042】
不織布ウェブを形成するのに好適な繊維には、天然繊維(例えば木材パルプ又は木綿)、幅広い種類の熱可塑性ポリマーから製造された人工繊維、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。好適な熱可塑性ポリマーは、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、アクリルモノマーを含有するコポリマー、並びにこれらのブレンド及びコポリマーから選択される。好適なポリオレフィンには、ポリエチレン(例えば直鎖低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、及び中密度ポリエチレン)、ポリプロピレン(例えばアイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、これらのブレンド、及びアイソタクチックポリプロピレンとアタクチックポリプロピレンとのブレンド)、ポリブチレン(例えばポリ(1−ブテン)及びポリ(2−ブテン))、並びにポリペンテン(例えばポリ−4−メチルペンテン−1及びポリ(2−ペンテン))、並びにこれらのブレンド及びコポリマーが挙げられる。好適なポリアミドには、ナイロン6、ナイロン6/6、ナイロン10、ナイロン4/6、ナイロン10/10、ナイロン12、ナイロン6/12、ナイロン12/12、並びに親水性ポリアミドコポリマー(例えばカプロラクタムとアルキレンオキシド(例えばエチレンオキシド)とのコポリマー、及び、ヘキサメチレンアジパミドとアルキレンオキシドとのコポリマー)、並びにこれらのブレンド及びコポリマーが挙げられる。好適なポリエステルには、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、及びこれらのブレンド及びコポリマーが挙げられる。アクリルコポリマーには、エチレンアクリル酸、エチレンメタクリル酸、エチレンエチルアクリレート、エチレンブチルアクリレート、及びこれらのブレンドが挙げられる。
【0043】
ウェブの選択に具体的な制限はない。本発明のいくつかの実施形態において、ウェブは、10〜13gsmの範囲の坪量を有するスパンボンド不織布である。
【0044】
伸張可能なウェブ積層体は、1つ又は複数のウェブを含むことができる。このウェブは、多層フィルムと同一の広がりを持っていてよく、又は、多層フィルムとは異なる寸法を有していてもよい。伸張可能なウェブ積層体が複数のウェブを含む場合、このウェブは同じ又は異なる組成を有していてよく、同じ又は異なる坪量を有していてよく、かつ、同じ又は異なる寸法を有していてもよい。
【0045】
方法
伸張可能なウェブ積層体を作製するための例示的な装置10を
図3に示す。多層フィルム12は、最初に、スキン層の弾性変形限界を超えて多層フィルムの少なくとも一部分をCD方向に延伸させて(図示なし)活性化させ、次に、その多層フィルムを復元させて、延伸方向に弾性伸張可能性をフィルムに付与する。CD方向延伸は、幅出し機、ダイバージングディスク、及び漸増式延伸装置を含むがこれらに限定されない、当業者に周知の数多くの装置によって作用されることができる。
【0046】
幅出し機による延伸は、例えば、米国特許第7,320,948号「Extensible Laminate Having Improved Stretch Properties and Method for Making Same」(Mormanら)に記述されている。ダイバージングディスクによる延伸は、例えば、米国特許公開第2011/0151739号「Activatable Precursor of a Composite Laminate Web and Elastic Composite Laminate Web」(Boslerら)に記述されている。
【0047】
好適な漸増式延伸装置には、米国特許第5,366,782号「Polymeric Web Having Deformed Sections Which Provide a Substantially Increased Elasticity to the Web」(Curro)に記述されているリングローリング装置が挙げられる。
図4に示すように、リングローリング装置270には、ロール272を通過する際に多層フィルムを漸増式に延伸する噛み合い歯274を有する対向ロール272が含まれる。ロール272は、均一な距離p(より一般的にはピッチとして知られる)だけ離れている歯274を含む。各ロール272の歯274は、互いに距離P/2だけずれている。ロール272の外縁276の間の距離は、噛み合い距離E(より一般的には嵌め合いとして知られる)により変化することができる。
【0048】
多層フィルムがリングローリング装置270に入ると、フィルムが歯274の先端に拘束され、ピッチp及び嵌め合いEに比例する量に、歯274の間で漸増式に延伸される。ロール272の嵌め合いEが増大すると、フィルムのこの領域の延伸量が増加する。本方法において、歯274の間の延伸量は、変形限界を超えて多層フィルムのスキン層を延伸させるのに十分である。フィルムがロール272から出る際に、変形したスキン層がエラストマー性層と共に弛緩して、活性化されたフィルムと活性化されていないフィルムとが交互のレーンを形成する。従って、リングローリングされたフィルムは、活性化されたレーン内でCD方向において弾性である。多層フィルムの活性化レーン内のスキン層は、マイクロテクスチャー化表面構造を示す。
【0049】
図5は、リングローリングにより活性化された多層フィルムの断面を示す。多層フィルム300は、活性化されたフィルム302及び活性化されていないフィルム304の領域を有する。活性化されたフィルム302の領域は、マイクロテクスチャー化表面構造306を示す。
【0050】
方法に関係なく、CD方向活性化には、多層フィルムのスキン層がそれ自体の弾性変形限界を超えて延伸される必要がある。フィルムに付与される延伸の度合は、延伸比により表わすことができる。CD方向活性化の関連における延伸比は、延伸されていないフィルムの幅に対する、延伸されたフィルムの幅として定義される。典型的な延伸比は、弾性変形限界を超えてスキン層を延伸させるのに必要な程度よりも大きいが、エラストマー性コア層を永久変形させる(ただし上述の小さな永久歪を除いて)のに必要な程度よりは小さい。いくつかの実施形態において、多層フィルムの延伸比は2:1〜5:1の範囲である。
【0051】
多層フィルムのCD方向活性化は、伸張可能なウェブ積層体の作製に使用される装置と共にインラインで実施することができる。あるいは、CD方向活性化はオフラインで実施することができ、このCD方向活性化された多層フィルム12はロール形状で供給される。
【0052】
図3に示されるように、CD方向活性化された多層フィルム12は、インライン又はオフラインで活性化され、1つ又は複数のガイドロール14により、一連の異周速ロール16、18、20に移送される。装置10に供給される際、多層フィルム12に対するCD方向の付勢力はない。多層フィルム12が異周速ロール16、18、20を通過する際、フィルムはスキン層の変形限界を超えてMD方向に延伸される。
【0053】
一実施形態において、異周速ロール16、18、20は、配置される下流に行くに従い、次第に高速で作動し、ロール20は最も高速であり、ロール16は最も低速である。この速度は、あるロールから次のロールへと直線的に増加してよく、又は非直線的に増加してもよい。別の一実施形態において、速度ロール16、18、20は脈動してもよい。例えば、ロール18は、ロール16及び20よりも遅い速度で作動してよく、これによってフィルムは、延伸と復元のシーケンスを通過することになる。隣接する速度ロール16、18、20の間の距離は、同じであっても異なっていてもよい。ロール16、18、20の間の水平隙間は、フィルムの厚さよりも大きくなければならない。3つの異周速ロール16、18、20が
図3に示されているが、2つ以上の異周速ロールを使用できることが理解されよう。
【0054】
ウェブ層22は、ガイドロール26によって、装置10内の多層フィルム12の一方の側へ供給される。ウェブ層24は、ガイドロール28、30によって、装置内の多層フィルム12の反対側へ供給される。いくつかの実施形態において、ウェブ層22、24は、多層フィルム12の一部分のみに適用される。他の実施形態において、ウェブ層22、24は多層フィルム12と同一の広がりを持つ。更に他の実施形態において、ウェブ層22、24は多層フィルム12よりもCD方向に幅広である。ウェブ層22、24は同じ組成であってよく、また異なる組成であってもよい。ウェブ層22、24のCD方向の幅は、同じであっても異なっていてもよい。
【0055】
層22、12、24は次に、超音波溶接(又は結合)を用いて一緒に積層される。超音波溶接は一般に、例えば、超音波ホーン36とパターン付きロール(例えばアンビルロール)34との間に層22、12、24を通すことによって実施されるプロセスを指す。そのような結合方法は当該技術分野において既知である。例えば、静止ホーンとパターン付き回転アンビルロールを使用する超音波溶接は、米国特許第3,844,869号「Apparatus for Ultrasonic Welding of Sheet Materials」(Rust Jr.);及び同第4,259,399号「Ultrasonic Nonwoven Bonding」(Hill)に記述されている。更に、回転ホーンをパターン付き回転アンビルロールと共に使用する超音波溶接は、米国特許第5,096,532号「Ultrasonic Rotary Horn」(Neuwirthら);同第5,110,403号「High Efficiency Ultrasonic Rotary Horn」(Ehlert);及び同第5,817,199号「Methods and Apparatus for a Full Width Ultrasonic Bonding Device」(Brenneckeら)に記述されている。もちろん、他の任意の超音波溶接技法も、本発明に使用することができる。
【0056】
いくつかの実施形態において、パターン付きロール34と異周速ロール20は同じ速度で作動する。別の実施形態において、パターン付きロール34と異周速ロール20は異なる速度で作動し、ここにおいて、パターン付きロール34は異周速ロール16、18、20の延長として働く。
【0057】
積層体層12、22、24が、パターン付きアンビル34から引き出され、復元されて、伸張可能なウェブ積層体38が形成される。伸張可能なウェブ積層体38は、別個のプロセスで物品に組み込むために、ロール形状(図示なし)で保管され得る。あるいは、ウェブ積層体は延伸した状態でのロール形態で保管され、後で復元することができる。
【0058】
また、物品作製の下流プロセスを伴う伸張可能なウェブ積層体作製方法と組み合わせることも可能である。例えば、ウェブ積層体は、パターン付きアンビル34から引き出された後に延伸状態に維持され、ウェブ積層体が復元状態に戻る前に下流プロセスで物品内に組み込むことができる。
【0059】
図3では、ウェブ積層体の層を合わせるのに超音波溶接を使用しているが、ウェブ層は、接着結合、熱結合、ポイント結合、超音波溶接、及びこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない様々なプロセスによって多層フィルムに積層させ得ることが理解されよう。好適な接着剤には、水性接着剤、溶媒系接着剤、感圧性接着剤、及びホットメルト接着剤が挙げられる。これらのプロセスはそれぞれ、当該技術分野において周知である。
【0060】
また、伸張可能なウェブ積層体は1つだけのウェブ層を含んでいてよく、また、2つ以上のウェブ層を含んでいてもよいことが理解されよう。例えば、
図3において、ウェブ層22又は24は省略でき、これによって1つだけのウェブ層を備えた伸張可能なウェブ積層体を形成できる。
【0061】
本発明の一実施形態において、ウェブ層22、24はそれぞれ不織布層を含み、CD方向活性化された多層フィルム12に超音波溶接される。超音波溶接は、米国特許第6,884,494号「Laminate Web」(Curroら)に記述されるように、この構造のウェブ積層体について特に有利である。超音波溶接は、多層フィルムを貫通して2つの不織布層を接合するのに使用することができ、これにより、多層フィルムが有孔であるが不織布層は有孔ではない伸張可能な不織布積層体を形成することができる。この構成は、通気性を必要とする用途に特に有用である。2つの不織布層は同じであっても異なっていてもよい。いくつかの例において、1つの不織布層が他のものよりも大きな坪量を有すると有利である。
【0062】
別の一実施形態において、ウェブ層22、24はそれぞれ不織布層を含み、CD方向活性化された多層フィルム12に超音波溶接され、これによって、多層フィルム及び両方の不織布層を貫通して伸びる結合部位(bond cites)で開口部が形成される。2つの不織布層は同じであっても異なっていてもよい。いくつかの例において、1つの不織布層が他のものよりも大きな坪量を有すると有利である。
【0063】
更なる一実施形態において、単一の不織布層22又は24がCD方向活性化された多層フィルムに積層される。これにより、一方の側に不織布層を、その反対側に多層フィルムのマイクロテクスチャー化表面を有する伸張可能なウェブ積層体が形成される。このマイクロテクスチャー化表面は典型的に非粘着性で感触が柔らかく、様々なプロセス及び用途において外層として使用することができる。
【0064】
更に別の一実施形態において、上述の積層プロセスの任意のものを用いて、単一の不織布層がCD方向活性化フィルムに積層化され、そこでは多層フィルムは着色されているか、及び/又は印刷パターンを含んでいる。多層フィルムは、多層フィルムの1つ又は複数の層に顔料及び/又は染料を添加することによって着色することができる。印刷パターンは、様々な既知の印刷プロセスを用いて多層フィルムに追加することができる。印刷は、例えばCD方向活性化の前に、多層フィルムに追加することができる。
【0065】
上述の方法はいくつかの利点をもたらす。例えば、多層フィルムをMD方向延伸の前にCD方向に活性化することによって、活性化されていない多層フィルムをMD方向に延伸した場合に比べて、MD方向延伸中のネッキングの量が低減される。CD方向活性化されたMD方向延伸多層フィルムのネックイン量%の低減率は、少なくとも1%、より詳細には少なくとも5%、更により詳細には少なくとも10%である。これには、CD方向活性化されたMD方向延伸多層フィルムのネックイン量%の低減率が1%〜17%である実施形態が含まれる。ネッキングの低減は、MD方向延伸後の多層フィルムの復元が大きくなることを意味し、よって、フィルムの弾性層をより効率的に利用することを意味する。ネッキングの低減により、加工プロセス中の多層フィルムの幅変動が低減され、これによって、フィルムの廃棄をなくし、プロセス取扱性能が改善される。
【0066】
加えて、比較的非弾性的な多層フィルムは、製造ラインにおいて早期延伸を受けにくい。多層フィルムのスキン層は、活性化されていないフィルムを比較的非弾性的にする。多層フィルムは、スキン層の変形限界を超えて延伸された場合にのみ、フィルムが弾性になることができる。よって、CD方向活性化された多層フィルムは、MD方向に依然として比較的非弾性的である。製造ライン上での多層フィルムの張力が、変形限界を超えるのに必要な値よりも低い限り、フィルムは早期延伸を起こす可能性は低い。本発明に使用される多層フィルムは好ましくは、MD方向に10%延伸させるのに、少なくとも2.5N/25.4mmの力を示し、ここにおいて多層フィルムはMD方向延伸の前にCD方向に活性化されている。
【0067】
用途
上記の方法によって作製された伸張可能なウェブ積層体は、様々な用途に使用することができる。好適な用途には、おむつ、トレーニングパンツ、成人用失禁用具、ブーティ及び衣類などのパーソナルケア物品における、弾性構成部品が挙げられるがこれらに限定されない。
【0068】
図6は、本発明の伸張可能なウェブ積層体を含む成人用失禁用具340を示す。成人用失禁用具340は、前ウエスト領域342、後ウエスト領域344及び中央領域346を含む。
【0069】
使用中、中央領域346は着用者の脚の間にフィットし、体液を吸収かつ保持するよう設計されている。この中央領域は典型的に、液体透過性トップシート、液体不透過性バックシート、及びこれらの間に封入された吸収性コアを含む。液体透過性トップシートは、例えば伸張可能なウェブ積層体のウェブ層に関してすでに上述したような不織布層を含み得る。トップシート材料の更なる例は、多孔質フォーム、有孔プラスチックフィルムなどである。トップシート材料として好適な材料は、柔らかく、皮膚に対して非刺激性で、尿を容易に浸透させるものであるべきである。
【0070】
液体非透過性バックシートは、薄いプラスチックフィルム(例えばポリエチレン又はポリプロピレンフィルム)、液体非透過性材料でコーティングされた不織布材料、液体透過を阻止する疎水性不織布材料、又はプラスチックフィルムと不織布材料との積層体から成ることができる。バックシート材料は、吸収性コアから蒸気を逃がすことができるよう通気性であり、同時に依然として液体がバックシート材料を通過するのを妨げることができるものであり得る。
【0071】
トップシート及びバックシート材料は典型的に、吸収性コアを超えて広がっており、例えば接着、又は熱若しくは超音波による溶接によって、吸収性コアの周縁近くで互いに接続される。トップシート及び/又はバックシートは更に、例えば接着、熱結合などの当該技術分野において既知の任意の方法によって、吸収性コアに取り付けることができる。吸収性コアはまた、トップシート及び/又はバックシートに取り付けられていなくともよい。
【0072】
吸収体は任意の従来型の種類であり得る。一般的に用いられる吸収性材料の例は、セルロース系フラッフパルプ、組織層、高吸収性ポリマー(いわゆる超吸収剤)、吸収性フォーム材料、吸収性不織布材料、又は同様物である。吸収体では、セルロース系フラッフパルプを超吸収剤と組み合わせるのが一般的である。また、液体受容能力、液体分配能力、及び貯蔵能力に関して異なる特性を備えた異なる材料の層を含む吸収体を有することも一般的である。薄い吸収体はしばしば、セルロース系フラッフパルプと超吸収剤とから成る圧縮された混合構造体又は層状構造体を含む。
【0073】
成人用失禁用具340を作製するためのプロセス350が、
図7a〜cに示されている。
図6の前ウエスト領域342及び後ウエスト領域344は、本発明の伸張可能なウェブ積層体から作製され、成人用失禁用具340を身体の形状に合わせるのに役立つ。
【0074】
図7aに示されるように、本発明の2つの伸張可能なウェブ積層体352、354が、製造ライン350上に互いに平行して運行される。
図6に示すように、一方の伸張可能なウェブが、成人用失禁用具の前ウエスト領域342に相当し、第2の伸張可能なウェブが、後ウエスト領域344に相当する。ウェブ積層体352、354は典型的に、プロセス中に延伸状態で維持される。成人用失禁用具の中央領域356を配置するために、これら2つのウェブ積層体の間には隙間が存在する。
【0075】
上述のように、中央領域356は典型的に、液体透過性トップシート、液体不透過性バックシート、及びこれらの間に封入された吸収性コアを含む。この中央領域は、オフラインで組み立てることができ、又はプロセス350の更に上流で組み立てることができる。いずれの場合でも、中央領域356はウェブ積層体352、354にまたがって配置され、これにより中央領域356の一方の端がウェブ積層体352に重なり、中央領域356のもう一方の端がウェブ積層体354に重なる。中央領域356は、隣接する中央領域356の間に隙間を置いて、所定の間隔で配置される。中央領域356は、例えば接着結合、熱結合、超音波溶接、縫合又は同様物を含むがこれらに限定されない任意の数の既知の技法を用いて、ウェブ積層体352、354に取り付けられる。
【0076】
結合されたウェブ(すなわち、ウェブ積層体352、354と中央領域356)は次に、
図7bに示すように二重に折り返され、これによって2つのウェブ積層体が互いに同一の広がりを持つ。ウェブ積層体352、354は次に、例えば接着、又は熱若しくは超音波による溶接を用いて、接合線358に沿って接着され、それと同時に、又はその後で切断される。ウェブ積層体352、354は、
図7c及び6に示すように、復元されて成人用失禁用具340を形成する。
【0077】
図7a〜cは、本発明の伸張可能なウェブ積層体を含む物品を作製する単なる一方法を示したものである。当業者に周知のこの方法について、数多くのバリエーションが存在する。更に、本発明の伸張可能なウェブ積層体は、物品を身体の形状に合わせるために弾性体を典型的に使用するような様々な用途に使用することができる。そのような物品の作製方法もまた周知である。
【0078】
(本開示の一部の実施形態)
第1の実施形態において、本開示は:
2つのスキン層と、これらの間にサンドイッチされたエラストマー性コア層とを含む多層フィルムを提供することであって前記多層フィルムが機械幅方向に活性化されていることと、
前記多層フィルムを前記スキン層の変形限界を超えて機械方向に延伸することと、
前記多層フィルムが機械方向に延伸された状態で前記多層フィルムにウェブ層を積層することと、
前記多層フィルムを復元させて伸張可能なウェブ積層体を形成することと、
を含む、伸張可能なウェブ積層体の作製方法を提供する。
【0079】
第2の実施形態において、本開示は、機械幅方向に活性化されている前記多層フィルムが、前記多層フィルムの少なくとも一部分にわたって、マイクロテクスチャー化表面構造を示している、第1の実施形態に記載の方法を提供する。
【0080】
第3の実施形態において、本開示は、前記多層フィルムが漸増式延伸により機械幅方向に活性化されている、第1又は第2の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供する。
【0081】
第4の実施形態において、本開示は、前記多層フィルムがダイバージングディスクにより機械幅方向に活性化されている、第1又は第2の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供する。
【0082】
第5の実施形態において、本開示は、活性化中における前記機械幅方向の前記多層フィルムの前記延伸比が2:1〜5:1である、第1〜第4の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供する。
【0083】
第6の実施形態において、本開示は、前記多層フィルムが異周速ロールにより機械方向に延伸される、第1〜第5の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供する。
【0084】
第7の実施形態において、本開示は、前記多層フィルムが着色されているか及び/又は印刷パターンを含む、第1〜第6の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供する。
【0085】
第8の実施形態において、本開示は、前記ウェブ層が不織布層である、第1〜第7の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供する。
【0086】
第9の実施形態において、本開示は、前記多層フィルムが前記機械方向に延伸された状態で前記多層フィルムに積層されている第2ウェブ層を更に提供し、前記多層フィルムが前記2つのウェブ層にサンドイッチされている、第1〜第8の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供する。
【0087】
第10の実施形態において、本開示は、前記ウェブ層が、接着結合、熱結合、ポイント結合、超音波溶接、又はこれらの組み合わせによって前記多層フィルムに積層されている、第1〜第9の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供する。
【0088】
第11の実施形態において、本開示は、前記ウェブ層が超音波溶接によって前記多層フィルムに積層されている、第1〜第9の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供する。
【0089】
第12の実施形態において、本開示は、前記多層フィルムが前記機械方向に延伸された状態で前記多層フィルムに積層されている第2不織布層を更に提供し、前記多層フィルムが前記2つの不織布層にサンドイッチされている、第8の実施形態に記載の方法を提供する。
【0090】
第13の実施形態において、本開示は、前記不織布層のそれぞれが異なる坪量を有している、第12の実施形態に記載の方法を提供する。
【0091】
第14の実施形態において、本開示は、前記不織布層が超音波溶接によって前記多層フィルムに積層されている、第12又は第13の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供する。
【0092】
第15の実施形態において、本開示は、前記多層フィルムが有孔であるが、前記不織布層が有孔ではない、第12〜第14の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供する。
【0093】
第16の実施形態において、本開示は、前記多層フィルム及び前記不織布層が有孔である、第12〜第14の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供する。
【0094】
第17の実施形態において、本開示は、前記多層フィルムを機械幅方向に活性化する前の前記多層フィルムのコア:スキン層比が少なくとも2:1である、第1〜第16の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供する。
【0095】
第18の実施形態において、本開示は、前記多層フィルムを前記機械幅方向に活性化する前の前記多層フィルムのコア:スキン層比が少なくとも3:1である、第1〜第17の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供する。
【0096】
第19の実施形態において、本開示は、前記エラストマー性コア層がスチレン系ブロックコポリマーであり、前記スキン層がそれぞれポリオレフィンである、第1〜第18の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供する。
【0097】
第20の実施形態において、本開示は、前記エラストマー性コア層がSISとポリスチレンとのブレンドであり、前記スキン層がポリプロピレンとポリエチレンとのブレンドである、第1〜第18の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供する。
【0098】
第21の実施形態において、本開示は、前記エラストマー性コア層がSISとポリスチレンとのブレンドであり、前記スキン層がポリプロピレンである、第1〜第18の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供する。
【0099】
第22の実施形態において、本開示は、前記多層フィルムの幅25.4mmのサンプルを機械方向に10%延伸させる力が少なくとも2.5Nであり、前記多層フィルムが延伸前に機械幅方向に活性化されている、第1〜第21の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供する。
【0100】
第23の実施形態において、本開示は、前記多層フィルムの幅25.4mmのサンプルを機械方向に10%延伸させる力が約5N〜10Nであり、前記多層フィルムが延伸前に機械幅方向に活性化されている、第1〜21の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供する。
【0101】
第24の実施形態において、本開示は、前記スキン層の変形限界を超えて機械方向に前記多層フィルムを延伸する工程中のネックイン量%の減少が、前記多層フィルムが機械幅方向に活性化されていない場合に比べて、少なくとも1%である、第1〜第23の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供する。
【0102】
第25の実施形態において、本開示は、前記スキン層の変形限界を超えて機械方向に前記多層フィルムを延伸する工程中のネックイン量%の減少が、前記多層フィルムが機械幅方向に活性化されていない場合に比べて、少なくとも5%である、第1〜第23の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供する。
【0103】
第26の実施形態において、本開示は、前記伸張可能なウェブ積層体がパーソナルケア物品に組み込まれている、第1〜第25の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供する。
【0104】
第27の実施形態において、本開示は:
2つのスキン層と、これらの間にサンドイッチされたエラストマー性コア層とを含む多層フィルムを提供することと、
前記多層フィルムを第1方向に活性化することと、
その後に、前記スキン層の変形限界を超えて前記多層フィルムを前記第1方向に垂直な第2方向に延伸することと、
前記第2方向に延伸されている前記多層フィルムにウェブ層を積層することと、
前記多層フィルムを復元させて伸張可能なウェブ積層体を形成することと、
を含む、伸張可能なウェブ積層体の作製方法を提供する。
【0105】
第28の実施形態において、本開示は、前記多層フィルムを前記第1方向に活性化することによって、前記多層フィルムの少なくとも一部分(a least)を覆ってマイクロテクスチャー化表面構造が形成されている、第27の実施形態に記載の方法を提供する。
【0106】
第29の実施形態において、本開示は、前記多層フィルムを前記第1方向に活性化することが漸増式延伸により行われる、第27又は第28の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供する。
【0107】
第30の実施形態において、本開示は、前記多層フィルムを前記第1方向に活性化することがダイバージングディスクにより行われる、第27又は第28の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供する。
【0108】
第31の実施形態において、本開示は、前記第1方向に活性化中の前記多層フィルムの延伸比が2:1〜5:1である、第27〜第30の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供する。
【0109】
第32の実施形態において、本開示は、前記多層フィルムが異周速ロールによって前記第2方向に延伸される、第27〜31の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供する。
【0110】
第33の実施形態において、本開示は、前記多層フィルムが着色されているか及び/又は印刷パターンを含んでいる、第27〜第32の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供する。
【0111】
第34の実施形態において、本開示は、前記ウェブ層が不織布層である、第27〜第33の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供する。
【0112】
第35の実施形態において、本開示は、前記多層フィルムが前記第2方向に延伸された状態で前記多層フィルムに積層される第2ウェブ層を更に提供し、前記多層フィルムが前記2つのウェブ層にサンドイッチされている、第27〜第34の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供する。
【0113】
第36の実施形態において、本開示は、前記ウェブ層が、接着結合、熱結合、ポイント結合、超音波溶接、又はこれらの組み合わせによって前記多層フィルムに積層されている、第27〜第35の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供する。
【0114】
第37の実施形態において、本開示は、前記ウェブ層が超音波溶接によって前記多層フィルムに積層されている、第27〜第35の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供する。
【0115】
第38の実施形態において、本開示は、前記多層フィルムが前記第2方向に延伸された状態で前記多層フィルムに積層される第2不織布層を更に提供し、前記多層フィルムが前記2つの不織布層にサンドイッチされている、第34の実施形態に記載の方法を提供する。
【0116】
第39の実施形態において、本開示は、前記不織布層のそれぞれが異なる坪量を有している、第38の実施形態に記載の方法を提供する。
【0117】
第40の実施形態において、本開示は、前記不織布層が超音波溶接によって前記多層フィルムに積層されている、第38〜第39の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供する。
【0118】
第41の実施形態において、本開示は、前記多層フィルムが有孔であるが、前記不織布層が有孔ではない、第38〜第40の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供する。
【0119】
第42の実施形態において、本開示は、前記多層フィルム及び前記不織布層が有孔である、第38〜第40の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供する。
【0120】
第43の実施形態において、本開示は、前記多層フィルムを機械幅方向に活性化する前の前記多層フィルムのコア:スキン層比が少なくとも2:1である、第27〜第42の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供する。
【0121】
第44の実施形態において、本開示は、前記多層フィルムを機械幅方向に活性化する前の該多層フィルムのコア:スキン層比が少なくとも3:1である、第27〜第42の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供する。
【0122】
第45の実施形態において、本開示は、前記エラストマー性コア層がスチレン系ブロックコポリマーであり、前記スキン層がそれぞれポリオレフィンである、第27〜第44の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供する。
【0123】
第46の実施形態において、本開示は、前記エラストマー性コア層がSISとポリスチレンのブレンドであり、前記スキン層がポリプロピレンとポリエチレンのブレンドである、第27〜第44の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供する。
【0124】
第47の実施形態において、本開示は、前記エラストマー性コア層がSISとポリスチレンのブレンドであり、前記スキン層がポリプロピレンである、第27〜第44の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供する。
【0125】
第48の実施形態において、本開示は、前記多層フィルムの幅25.4mmのサンプルを前記第2方向に10%延伸させる力が少なくとも2.5Nであり、前記多層フィルムが延伸前に前記第1方向に活性化されている、第27〜第47の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供する。
【0126】
第49の実施形態において、本開示は、前記多層フィルムの幅25.4mmのサンプルを前記第2方向に10%延伸させる力が約5N〜10Nであり、前記多層フィルムが延伸前に前記第1方向に活性化されている、第27〜第47の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供する。
【0127】
第50の実施形態において、本開示は、前記スキン層の変形限界を超えて前記第2方向に前記多層フィルムを延伸する工程中のネックイン量%の減少が、前記多層フィルムが前記第1方向に活性化されていない場合に比べて、少なくとも1%である、第27〜第49の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供する。
【0128】
第51の実施形態において、本開示は、前記スキン層の変形限界を超えて前記第2方向に前記多層フィルムを延伸する工程中のネッイン量%の減少が、前記多層フィルムが前記第1方向に活性化されていない場合に比べて、少なくとも5%である、第27〜第49の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供し。
【0129】
第52の実施形態において、本開示は、前記第1方向が機械幅方向であり、前記第2方向が機械方向である、第27〜第51の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供する。
【0130】
第53の実施形態において、本開示は、前記伸張可能なウェブ積層体がパーソナルケア物品に組み込まれている、第27〜第52の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供する。
【実施例】
【0131】
下記の実施例は、上述の伸張可能なウェブ積層体作製方法の利点の一部を示すために提示されるものであり、本発明の範囲を他のいかなる点において制限することを意図するものではない。
【0132】
弾性フィルムのネック幅、ネックイン量、及びネックイン量%
下記の多層フィルムのネッキング特性は、
図8に示す装置を用いてフィルムを機械方向に延伸して決定された。ネッキング装置100には2つのアルミニウムローラー102、104を含めた。ローラー102、104はそれぞれ直径dが110mmであり、スタンドに固定された軸受上に回転可能に取り付けられ、ロールの中心間距離sは210mmであった。
【0133】
多層フィルムのストリップ106を長さ約300mm及び幅150mm(実施例1及び2)ではかり取り、幅方向において幅60mm(実施例3)でスペーサー線の印をつけ、かつ機械方向に0.25インチ(6.35mm)間隔をあけて印をつけた。フィルム106の一方の端を第1ロール102にテープで固定し、フィルム106のもう一方の端を同様に第2ロール104にテープで固定した。第2ロール104を、フィルムにゆるみが出ないよう、また張力がかからないような点まで回転させた。第1ロール102を静止状態に保持し、第2ロール104を回転させることによって機械方向に所定量延伸させた。例えば、スペーサー線が機械方向に0.75インチ(19.05mm)離れるまで第2ロール104を回転させることによって、3倍延伸が達成された。「ネックされた幅」は、幅方向の最も狭い点で、延伸したフィルムの幅を測定することによって決定された。「ネックイン量」は、元の延伸していないフィルム幅から、「ネックされた幅」を差し引くことによって決定された。「ネックイン量%」は、「ネックイン量」を元の延伸していないフィルム幅で割り、100を掛けることによって算出された。
【0134】
MD方向10%延伸力
フィルムサンプルをMD方向に10%延伸させる力は、下記のように決定された。
図9aに示すフィルムロール460を、一定温度(23°±2℃)及び一定湿度(50%±5%)で24時間置いて状態調整した。次に切断テンプレートを使用して、幅方向に幅25.4mm、少なくとも長さ(機械方向)100mmのフィルムサンプル462を調製した。
図9bに示すように、フィルムサンプル462の両端をマスキングテープ又はフィラメントテープ464で覆って、テープで覆われた端の内側エッジの間の距離Lが50mmとなるようにした。フィルムサンプル462の両端を、Bluehill材料試験ソフトウェアを備えたインストロン5500R一定速度伸張引張試験機のジョーにクランプした。マスキングテープ又はフィラメントテープ464は、試験中にフィルムサンプル462の端での延伸及び/又は滑りを低減した。フィルムサンプル462は、標点距離50mm、幅25.4mmから開始して、20インチ/分(51センチ/分)で延伸された。サンプルは破断するまで引っ張られ、10%伸張時に測定された力が記録された。
【0135】
比較対照例1(活性化なしM−235)
M−235(3M(St.Paul、Minnesota、USA)から入手可能)は、坪量40g/m
2を有する、活性化されていない多層フィルムである。コアはSISとポリスチレンとのブレンドである。スキン層はポリプロピレンとポリエチレンとのブレンドである。コア:スキン層の厚さ比は4:1である。
【0136】
実施例1(CD方向活性化M−235)
M−235は、米国特許第5,422,172号「Elastic Laminated Sheet of an Incrementally Stretched Nonwoven Fibrous Web and Elastomeric Film and Method」(Wu)に記述されているものと同様の噛み合い延伸機を用いて幅方向に漸増式に延伸された。延伸機は、多層フィルムを横断して224%歪を付与するよう構成された。活性化されたM−235の坪量は35g/m
2であった。
【0137】
比較対照例2(活性化なしフィルム)
2つの外スキン層にサンドイッチされたエラストマー性コア層を有する3層積層フィルムが、従来の共押出技法で作製された。スキン層は厚さ5マイクロメートルで、PPH8069樹脂(Total Petrochemicals(Houston、Texas、USA)から入手可能なポリプロピレン)で作製された。コア層は厚さ40マイクロメートルで、70重量%のD1114(Kraton(Houston、Texas、USA)から入手可能なSISブロックコポリマー)と30重量%のEMPERA 124N(Nova Chemicals(Calgary、Alberta CA)から入手可能なポリスチレン)とのブレンドで作製された。このフィルムは坪量55gsmであり、コア:スキン層の厚さ比は4:1である。
【0138】
実施例2(CD方向活性化フィルム)
比較例2を、米国特許第5,043,036号「Width Stretching Device」(Swenson)の
図1に示されているものに類似のダイバージングディスク装置を使用して、幅方向に延伸した。フィルムを元の幅の400%に延伸させてから、完全に復元させた。活性化された実施例2の坪量は50gsmであった。
【0139】
比較対照例3(活性化なしフィルム)
2つの外スキン層にサンドイッチされたエラストマー性コア層を有する3層積層フィルムが、従来の共押出技法で作製された。スキン層はPPH8069樹脂で作製された。コア層は、95重量%のD1114と5重量%のEMPERA 124Nとのブレンドから作製された。坪量は45gsmであった。コア/スキン層の比は4.1:1であった。
【0140】
実施例3A(CD方向活性化フィルム)
比較対照例3を、実施例1に記載されているプロセスを使用して、幅方向に漸増式に延伸した。延伸機は、117%の局所的歪みを付与するよう構成された。活性化された実施例3Aの坪量は42gsmであった。
【0141】
実施例3B(CD方向活性化フィルム)
比較対照例3を、実施例1に記載されているプロセスを使用して、幅方向に漸増式に延伸した。延伸機は、297%の局所的歪みを付与するよう構成された。活性化された実施例3Bの坪量は42gsmであった。
【0142】
実施例4
25.4mmフィルムサンプルをMD方向に10%延伸させる力が、上述の手順に従って決定された。その結果が下に示されている。
【0143】
ネックイン量%は、上述の手順を用いて、各フィルムについて決定された。測定値は、2倍、3倍、4倍、5倍、及び6倍に延伸されたフィルムについて記録された。各フィルムの平均結果も下に示されている。
【0144】
【表1】
【0145】
上記に述べ、図面に示した実施形態はあくまで一例として示したものであり、本発明の概念及び原理に対する限定を目的としたものではない。したがって、当業者であれば、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく各要素並びにその構成及び配置における様々な変更が可能である点は認識されるであろう。
【0146】
このように、本発明はとりわけ、伸張可能なウェブ積層体の作製方法を提供する。本発明の種々の特徴及び利点は、添付の請求項に定める。
本発明の実施態様の一部を以下の項目[1]−[26]に記載する。
[1]
2つのスキン層と、これらの間にサンドイッチされたエラストマー性コア層とを含む多層フィルムを提供することであって前記多層フィルムが機械幅方向に活性化されていることと、
前記スキン層の変形限界を超えて前記多層フィルムを機械方向に延伸することと、
前記多層フィルムが機械方向に延伸された状態で前記多層フィルムにウェブ層を積層することと、
前記多層フィルムを復元させて伸張可能なウェブ積層体を形成することと、
を含む、伸張可能なウェブ積層体の作製方法。
[2]
機械幅方向に活性化されている前記多層フィルムが、前記多層フィルムの少なくとも一部分にわたって、マイクロテクスチャー化表面構造を示す、項目1に記載の方法。
[3]
前記多層フィルムが、漸増式延伸により機械幅方向に活性化されている、項目1に記載の方法。
[4]
前記多層フィルムが、ダイバージングディスクにより機械幅方向に活性化されている、項目1に記載の方法。
[5]
活性化中の機械幅方向の前記多層フィルムの延伸比が2:1〜5:1である、項目1に記載の方法。
[6]
前記多層フィルムが異周速ロールにより機械方向に延伸される、項目1に記載の方法。
[7]
前記多層フィルムが着色されているか、及び/又は印刷パターンを含む、項目1に記載の方法。
[8]
前記ウェブ層が不織布層である、項目1に記載の方法。
[9]
前記多層フィルムが機械方向に延伸された状態で前記多層フィルムに積層される第2ウェブ層を更に提供することであって前記多層フィルムが前記2つのウェブ層の間にサンドイッチされることを含む、項目1に記載の方法。
[10]
前記ウェブ層が、接着結合、熱結合、ポイント結合、超音波溶接、又はこれらの組み合わせによって前記多層フィルムに積層される、項目1に記載の方法。
[11]
前記ウェブ層が超音波溶接によって前記多層フィルムに積層される、項目1に記載の方法。
[12]
前記多層フィルムが機械方向に延伸された状態で前記多層フィルムに積層される第2不織布層を更に提供することであって前記多層フィルムが前記2つの不織布層の間にサンドイッチされることを含む、項目8に記載の方法。
[13]
前記不織布層のそれぞれが異なる坪量を有する、項目12に記載の方法。
[14]
前記不織布層が超音波溶接によって前記多層フィルムに積層される、項目12に記載の方法。
[15]
前記多層フィルムが有孔であるが前記不織布層は有孔ではない、項目14に記載の方法。
[16]
前記多層フィルム及び前記不織布層が有孔である、項目14に記載の方法。
[17]
前記多層フィルムを機械幅方向に活性化する前の前記多層フィルムのコア層/スキン層の比が、少なくとも2/1である、項目1に記載の方法。
[18]
前記多層フィルムを機械幅方向に活性化する前の前記多層フィルムのコア層/スキン層の比が、少なくとも3/1である、項目1に記載の方法。
[19]
前記エラストマー性コア層がスチレン系ブロックコポリマーであり、前記スキン層がそれぞれポリオレフィンである、項目1に記載の方法。
[20]
前記エラストマー性コア層がSISとポリスチレンとのブレンドであり、前記スキン層がポリプロピレンとポリエチレンとのブレンドである、項目1に記載の方法。
[21]
前記エラストマー性コア層がSISとポリスチレンとのブレンドであり、前記スキン層がポリプロピレンである、項目1に記載の方法。
[22]
前記多層フィルムの幅25.4mmのサンプルを機械方向に10%延伸させる力が少なくとも2.5Nであって、前記多層フィルムが延伸前に機械幅方向に活性化されている、項目1に記載の方法。
[23]
前記多層フィルムの幅25.4mmのサンプルを機械方向に10%延伸させる力が約5N〜10Nであって、前記多層フィルムが延伸前に機械幅方向に活性化されている、項目1に記載の方法。
[24]
前記スキン層の変形限界を超えて機械方向に前記多層フィルムを延伸する工程中のネックイン量%の減少は、前記多層フィルムが機械幅方向に活性化されていない場合に比べて、少なくとも1%である、項目1に記載の方法。
[25]
前記スキン層の変形限界を超えて機械方向に前記多層フィルムを延伸する工程中のネックイン量%の減少は、該多層フィルムが機械幅方向に活性化されていない場合に比べて、少なくとも5%である、項目1に記載の方法。
[26]
前記伸張可能なウェブ積層体がパーソナルケア物品に組み込まれる、項目1に記載の方法。