特許第6235602号(P6235602)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6235602
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】鉱物懸濁剤、その製造方法および使用
(51)【国際特許分類】
   B01J 13/00 20060101AFI20171113BHJP
   B01F 17/00 20060101ALI20171113BHJP
   E02F 7/00 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
   B01J13/00 B
   B01F17/00
   E02F7/00 F
【請求項の数】18
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2015-540701(P2015-540701)
(86)(22)【出願日】2013年10月22日
(65)【公表番号】特表2016-504174(P2016-504174A)
(43)【公表日】2016年2月12日
(86)【国際出願番号】US2013066114
(87)【国際公開番号】WO2014070519
(87)【国際公開日】20140508
【審査請求日】2016年4月4日
(31)【優先権主張番号】13/664,948
(32)【優先日】2012年10月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515117693
【氏名又は名称】アクティブ ミネラルス インターナショナル, エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】ACTIVE MINERALS INTERNATIONAL, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001863
【氏名又は名称】特許業務法人アテンダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロバート ジェイ パーセル ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】デニス シー パーカー
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ジェイ ライマン
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムス エム スミス
【審査官】 吉岡 沙織
(56)【参考文献】
【文献】 特開平01−139131(JP,A)
【文献】 特開平04−314787(JP,A)
【文献】 米国特許第5439317(US,A)
【文献】 特表2004−508258(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 13/00
B01F 17/
E21C 25/−51/
E02F 7/00
B65G 53/30
E21B
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体微粒子を前記固体微粒子の水性懸濁液として輸送する方法であって、固体微粒子を少なくとも1つの鉱物懸濁剤の存在下で水性液体中に分散させるステップと、前記固体微粒子の水性懸濁液中で前記固体微粒子を200m以上の距離を輸送するステップと、を含み、
記固体微粒子の水性懸濁液は、
水および場合により少なくとも1つの他の液体を含む水性液体であって、前記水は、水および前記少なくとも1つの他の液体の体積の総体積に対して50%v/v超の量で存在する、水性液体と;
前記水および固体微粒子の乾燥重量の総重量に対して固定微粒子が重量%から95重量%までの範囲の量で存在する固体微粒子と;
前記固体微粒子の0.05重量%から0.15重量%までの範囲の量で存在する、少なくとも1つの鉱物懸濁剤であって、非アタパルジャイト鉱物を実質的に含まない精製アタパルジャイトである、前記少なくとも1つの鉱物懸濁剤と
を含む。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記分散させるステップは、固体微粒子を前記少なくとも1つの鉱物懸濁剤の存在下、水性液体中で撹拌することを含む。
【請求項3】
請求項に記載の方法であって、前記固体微粒子の水性懸濁液は、少なくとも1つの付加剤をさらに含む。
【請求項4】
請求項に記載の方法であって、前記少なくとも1つの付加剤は、
前記固体微粒子の0.01重量%から5重量%までの範囲の量で存在する、前記固体微粒子のための少なくとも1つの湿潤且つ分散剤;
前記少なくとも1つの鉱物懸濁剤のための少なくとも1つの分散剤;および
少なくとも1つの中和剤
から選択される。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、前記輸送は、前記固体微粒子が前記距離を輸送されるように、前記固体微粒子の水性懸濁液を導管中に流すことを含む。
【請求項6】
請求項に記載の方法であって、前記流すことは、輸送中および前記固体微粒子が前記距離を輸送される時間の間、4,000未満のレイノルズ数をもたらす。
【請求項7】
請求項に記載の方法であって、輸送中、流れの速度が50%変化する。
【請求項8】
請求項に記載の方法であって、前記流すことは、輸送中、8時間超の時間、中断され、その後流すことが再開される。
【請求項9】
輸送後、前記固体微粒子の水性懸濁液を輸送コンテナ中に収集するステップと、その後、前記固体微粒子の水性懸濁液を含有する前記コンテナを100km以上の第2の距離を運搬するステップをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
請求項に記載の方法であって、運搬するステップは、列車、トラック、飛行機および船から選択される乗り物を用いて達成される。
【請求項11】
さらに、その後、前記固体微粒子の水性懸濁液を第2の導管中に流すことによって、前記固体微粒子を200m以上の第3の距離を輸送するステップをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項12】
前記固体微粒子は、岩石、鉱物コロイド、有機コロイド、ミネラロイドおよび鉱物から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法であって、前記水性懸濁液は、均一な水性懸濁液である。
【請求項14】
請求項1に記載の方法であって、前記水性懸濁液は、不均一な水性懸濁液である。
【請求項15】
請求項1に記載の方法であって、前記水性懸濁液は、非沈降性スラリーである。
【請求項16】
固体微粒子を前記固体微粒子の水性懸濁液として輸送する方法であって、固体微粒子を少なくとも1つの鉱物懸濁剤の存在下で水性液体中に分散させるステップと、パイプライン中を前記固体微粒子の水性懸濁液中で前記固体微粒子を200m以上の距離を輸送するステップと、を含み、
記固体微粒子の水性懸濁液は、
水および場合により少なくとも1つの他の液体を含む水性液体であって、前記水は、水および前記少なくとも1つの他の液体の体積の総体積に対して50%v/v超の量で存在する、水性液体と;
水および固体微粒子の乾燥重量の総重量に対して固定微粒子が重量%から95重量%までの範囲の量で存在する固体微粒子と;
前記固体微粒子の0.05重量%から0.15重量%までの範囲の量で存在する、少なくとも1つの鉱物懸濁剤であって、非アタパルジャイト鉱物を実質的に含まない精製アタパルジャイトである、前記少なくとも1つの鉱物懸濁剤と
を含む。
【請求項17】
請求項16記載の方法であって、
前記少なくとも1つの鉱物懸濁剤は、前記固体微粒子の0.05重量%から0.1重量%までの範囲の量で存在する。
【請求項18】
請求項1記載の方法であって、
前記少なくとも1つの鉱物懸濁剤は、前記固体微粒子の0.05重量%から0.1重量%までの範囲の量で存在する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
撹拌して固体微粒子を分散させるのに十分な量で水性液体中に存在する少なくとも1つの鉱物懸濁剤を含む、水性懸濁液の形態の組成物。該組成物は多くの用途に供されるが、いくつかの実施形態において、固体微粒子を、固体微粒子を含む水性懸濁液として200m超の距離を輸送するのに好適である。該組成物は複数の方法により製造可能であるが、いくつかの実施形態において、固体微粒子を少なくとも1つの鉱物懸濁剤の存在下で水性液体中に分散させることによって製造される。いくつかの実施形態において、該鉱物懸濁剤は、高せん断に耐え、摩耗による劣化に抵抗する。
【背景技術】
【0002】
採掘した鉱物を移動させることは数種の方法によって実施可能である。例えば、鉱物は、時には水に懸濁され、該水性懸濁液を流すことによって、ある場所から別の場所へ時には50m以上の距離にわたって輸送される。いかなる理由にせよ、その流れが停止するかまたは実質的に減少した場合、懸濁された鉱物は沈降を始める。沈降した鉱物、特に、硬く圧縮した沈降スラリーは、水を流すことによる輸送効率が悪い。
【0003】
さらに、特に流れが規則的に停止または実質的に減少する場合、懸濁液の増加する水の体積および比較的低い固体含量は、パイプラインを運転することを望ましくないものとする。
【0004】
いくつかの採掘プロセスは、固体を回収し、回収された固体を粉砕し、該粉砕され、回収された固体を極めて大きなコンベヤーベルトを用いてステーションに輸送する。そのような輸送は、埃をたて、これは固体によっては、環境の質またはその居住者に影響しうる。さらに、時には固体は脱水され、その後深水港まで運搬され、そこで、脱水された固体が輸送コンテナに積載される。通常、これらの輸送コンテナはさらに別の深水港に運搬され、ここで、脱水された固体は再び荷降ろしされ、運搬される。各積載および荷降ろしがさらに埃を生じるだけでなく、深水港を作り、維持しそして使用するのにはかなりのコストが必要であるため、深水港は実質的に運搬コストを増大させる。
【0005】
以上の一般的説明および以下の詳細な説明はどちらも、代表的かつ説明的なものにすぎず、特許請求された本発明を限定するものでないと理解されるべきである。
【0006】
本明細書に組み込まれ、その一部を構成する、添付の図面は、本発明の実施形態を例示し、明細書と一緒になって本発明の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1は、鉄鉱スラリーの粘度(η)対せん断速度f(γ)のプロットである。
【0008】
図2A−Dのそれぞれは、鉄鉱スラリーの粘度(η)対せん断速度f(γ)のプロットであり、図2E−Hのそれぞれは、鉄鉱スラリーのせん断応力対せん断速度f(γ)のプロットである。
【0009】
図3は、ボーキサイトスラリーの粘度(η)対せん断速度f(γ)のプロットである。
【0010】
図4は、ボーキサイトスラリーのせん断応力(τ)対せん断速度f(γ)のプロットである。
【0011】
図5A−Cのそれぞれは、ボーキサイトスラリーの粘度(η)対せん断速度f(γ)のプロットである。
【0012】
図6A−Fのそれぞれは、TiOスラリーの粘度(η)対Brookfield RPMのプロットである。
【0013】
図7は、MgOHスラリーの粘度(η)対Brookfield RPMのプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態に詳細に言及し、その例を添付の図面に例示する。
【0015】
固体微粒子を固体微粒子の水性懸濁液として輸送する方法であって、分散相および/または液体相中の少なくとも1つの鉱物懸濁剤および/または場合により少なくとも1つの付加剤の存在下で、固体微粒子を水性液体中に分散させるステップを含み、固体微粒子が200m以上の距離を輸送される。
【0016】
本明細書中で使用されるとおり、懸濁液は、固体粒子が分散された液体である。
【0017】
水性懸濁液のいくつかの実施形態において、液体は水である。水性懸濁液のいくつかの実施形態において、液体は水および少なくとも1つの他の液体を含む。水性懸濁液のいくつかの実施形態において、水は、水および少なくとも1つの他の液体の体積の総体積に対して50%v/v超の量で存在する。いくつかの実施形態において、該量は、60%v/vまたは70%v/vまたは96%v/vまたは99%v/v超である。いくつかの実施形態において、該量は、75%v/vから95%v/vまで、または80%v/vから90%v/vまでの範囲である。
【0018】
水は多くの供給源から入手可能である。いくつかの実施形態において、水は淡水の供給源または塩性水の供給源からのものである。いくつかの実施形態において、水は汽水性であるかまたは塩水である。いくつかの実施形態において、水は、塩水池、海水、海洋水、湖、池および地下水から選択される供給源からものである。
【0019】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの他の液体は、有機液体である。いくつかの実施形態において、有機液体は、シリコーン、炭化水素およびアルコールから選択される。いくつかの実施形態において、有機液体は、タールサンド、オイルサンドおよび炭質亜炭から選択される。いくつかの実施形態において、有機液体は、グリコールまたはシリコーンから選択される。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの他の液体は、水と混和性であるか、または少なくとも部分的に水と混和性である。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの他の液体は、例えば、固体微粒子を集めるプロセスにおいて、採掘される。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの他の液体は、例えば、固体微粒子を採掘する前もしくは後の加工処理ステップにより、または任意の他の理由のために、添加される。
【0020】
いくつかの実施形態において、液体の水性相は、2から13までの範囲のpHを有する。いくつかの実施形態において、pHは、2から7まで、または4.5から9.5まで、または7から13までの範囲のである。いくつかの実施形態において、pHは、中和剤を用いて調節される。
【0021】
いくつかの実施形態において、中和剤は、石こう、消石灰、硝酸アンモニウムおよび硫酸アルミニウムから選択される。いくつかの実施形態において、中和剤は、水酸化ナトリウム、苛性ソーダ、消石灰、貝殻粉末、石灰岩、焼石灰、ドロマイト、シュガービートライム(sugar beet lime)およびケイ酸カルシウムから選択される。いくつかの実施形態において、中和剤は、硫酸アルミニウム、塩化カルシウム、石灰イオウ合剤、硫酸第二鉄、硫酸、イオウおよび石こうから選択される。いくつかの実施形態において、中和剤は、石こう、消石灰、硝酸アンモニウムおよび硫酸アルミニウムから選択される。
【0022】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの他の固形物質が水性液体中に存在する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの他の固形物質は、水などの水性液体相の成分中に混和できる。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの他の固形物質は、水性液体相の成分中に混和できない。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの他の固形物質は、水の供給源中にあるかまたは固体微粒子を集めるプロセスにおいて添加される。
【0023】
固体微粒子の水性懸濁液は、水および固体微粒子の乾燥重量の総重量に対して固体微粒子が5重量%から95重量%(%w/w)までであると定義される。いくつかの実施形態において、固体微粒子の水性懸濁液は、水および固体微粒子の乾燥重量の総重量に対して固体微粒子が10%w/wから90%w/wまでの範囲の量で存在する。いくつかの実施形態において、上記量は、20%w/wから85%w/wまで、15%w/wから80%w/wまで、または20%w/wから70%w/wまで、または25%w/wから60%w/wまでの範囲である。
【0024】
懸濁液の固体粒子は、固体微粒子である。
【0025】
いくつかの実施形態において、固体微粒子は、人工物、天然起源のものまたはそれらの混合物である。いくつかの実施形態において、固体微粒子は、無機物、有機物またはそれらの混合物である。
【0026】
いくつかの実施形態において、固体微粒子は、岩石、鉱物コロイド、有機コロイド、ミネラロイドおよび鉱物から選択される。それらの混合物が考慮される。いくつかの実施形態において、固体微粒子は採掘される。
【0027】
いくつかの実施形態において、固体微粒子は、ポリマー、メタリックミネラル(metalic minerals)および燃料から選択される。
【0028】
いくつかの実施形態において、固体微粒子は、岩石であり、いくつかの実施形態において、岩石は、石灰岩および礫岩から選択される。
【0029】
いくつかの実施形態において、鉱物コロイドおよび有機コロイドは、土由来である。いくつかの実施形態において、コロイドは、結晶性ケイ酸粘土、非結晶性ケイ酸粘土、(その結晶性および非結晶性種のような)鉄およびアルミニウム酸化物粘土ならびに有機コロイドから選択される。いくつかの実施形態において、有機コロイドは、腐植土である。
【0030】
いくつかの実施形態において、固体微粒子は、工業鉱物である。いくつかの実施形態において、工業鉱物は、集合岩、明ばん石、アスベスト、アスファルト(天然)、重晶石、ベントナイト、ホウ酸塩、塩水、炭酸塩、粘土、球状粘土、コランダム、ダイアモンド、ケイ藻岩、長石、霞石閃長岩、蛍石、フラー土、ざくろ石、ジェムミネラル(gem mineral)、花崗岩、黒鉛、石こう、カオリン、藍晶石、ケイ線石、紅柱石、石灰岩、ドロマイト、大理石、雲母、橄欖石、パーライト、燐灰石、カリ、カリウム鉱物、軽石、石英、塩、粘板岩、けい砂、トリポリ、ソーダ灰、重炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、十字石、イオウ、タルク、バーミキュライト、ウォラストナイトおよびゼオライトから選択される。
【0031】
いくつかの実施形態において、固体微粒子は、石灰岩、粘土、砂、礫岩、ケイ藻岩、カオリン、ベントナイト、シリカ、重晶石、石こうおよびタルクから選択される。
【0032】
いくつかの実施形態において、固体微粒子は、石炭、亜炭および泥炭から選択される。
【0033】
いくつかの実施形態において、固体微粒子は、セメント、スラグおよびシリカフュームから選択される。
【0034】
いくつかの実施形態において、固体微粒子は、ニッケル、銀、ダイアモンドおよび金を含むものから選択される。
【0035】
いくつかの実施形態において、固体微粒子は、ミネラロイドであり、いくつかの実施形態において、ミネラロイドは、黒曜石、コハク、イルメナイト、オパール、コハク、黒玉および褐鉄鉱から選択される。
【0036】
いくつかの実施形態において、固体微粒子は、ケイ酸塩類、炭酸塩類、硫酸塩類、ハライド類、酸化物類、硫化物類、リン酸塩類、元素類および有機物類に属するものから選択される鉱物から選択される。
【0037】
いくつかの実施形態において、鉱物は、ケイ酸塩類に属する。いくつかの実施形態において、ケイ酸塩は、岩石の形態である。いくつかの実施形態において、ケイ酸塩は、長石、石英、橄欖石、輝石、角閃石、ざくろ石および雲母から選択される。
【0038】
いくつかの実施形態において、鉱物は、炭酸塩類に属する。いくつかの実施形態において、炭酸塩は、方解石、あられ石、ドロマイトおよび菱鉄鉱から選択される。いくつかの実施形態において、炭酸塩は、ハンクサイトである。
【0039】
いくつかの実施形態において、鉱物は、硫酸塩類に属する。いくつかの実施形態において、硫酸塩は、硬石こう、天青石、重晶石および石こうから選択される。いくつかの実施形態において、硫酸塩は、クロム酸塩、モリブデン酸塩、セレン酸塩、亜硫酸塩、テルル酸塩およびタングステン酸塩鉱物から選択される。
【0040】
いくつかの実施形態において、鉱物は、ハライド類に属する。いくつかの実施形態において、ハライド鉱物は、蛍石、岩塩、カリ岩塩およびろ砂などの天然塩である。いくつかの実施形態において、ハライド類は、フッ化物、塩化物、臭化物およびヨウ化物鉱物から選択される。
【0041】
いくつかの実施形態において、鉱物は、酸化物類に属する。いくつかの実施形態において、酸化物鉱物は、赤鉄鉱、磁鉄鉱、クロム鉄鉱、尖晶石、イルメナイトおよび金紅石から選択される。いくつかの実施形態において、酸化物鉱物は、酸化物および水酸化物鉱物から選択される。
【0042】
いくつかの実施形態において、鉱物は、硫化物類に属する。いくつかの実施形態において、硫化物鉱物は、黄鉄鉱、黄銅鉱、ペントランド鉱および方鉛鉱から選択される。いくつかの実施形態において、硫化物鉱物は、セレン化物、テルル化物、ひ化物、アンチモン化物、ビスマシナイド(bismuthinides)および硫塩鉱物から選択される。
【0043】
いくつかの実施形態において、鉱物はリン酸塩類に属する。いくつかの実施形態において、リン酸塩鉱物は、四面体単位AO4を有する任意の鉱物から選択され、ここで、Aは、リン、アンチモン、ヒ素またはバナジウムから選択される。いくつかの実施形態において、リン酸塩鉱物は燐灰石である。いくつかの実施形態において、リン酸塩鉱物は、ヒ酸塩、バナジン酸塩およびアンチモン酸塩鉱物から選択される。
【0044】
いくつかの実施形態において、鉱物は、元素類から選択される。いくつかの実施形態において、元素鉱物は、金、銀、銅、アンチモン、ビスマス、黒鉛およびイオウから選択される。いくつかの実施形態において、元素鉱物は、エレクトラム、リン化物、珪化物、窒化物およびカーバイドなどの天然合金である。
【0045】
いくつかの実施形態において、鉱物は、有機物類に属する。いくつかの実施形態において、有機鉱物は、シュウ酸塩、メリト酸塩、クエン酸塩、シアン酸塩、酢酸塩、ギ酸塩および炭化水素から選択される。いくつかの実施形態において、有機鉱物は、ヒューウェライト、ムールーアイト、蜜蝋石、フィヒテル石、カルパチア石、エヴェンキ石およびアーベルソン石から選択される。
【0046】
固体微粒子の水性懸濁液中の固体微粒子は、固体微粒子が懸濁されるために十分なサイズを有する。いくつかの実施形態において、サイズはD50を用いて測定される。いくつかの実施形態において、D50は、約0.0001から0.15mmまでの範囲である。いくつかの実施形態において、D50は、0.00024から0.004mmまで、または0.004から0.062mmまで、または0.063から0.125mmまでの範囲である。いくつかの実施形態において、D50は、0.00045から0.1まで、または0.01から0.08mmまでの範囲である。いくつかの実施形態において、D50は、約0.1から75mmまでの範囲である。いくつかの実施形態において、D50は、0.25から50mmまで、または0.4から40mmまで、または0.6から32mmまでの範囲である。いくつかの実施形態において、D50は、0.5から25まで、または1から20mmまでの範囲である。
【0047】
いくつかの実施形態において、粒径分布は、10μmから10mmまでの範囲である。
【0048】
いくつかの実施形態において、固体微粒子の水性懸濁液は、D10を用いて測定されるサイズを有する。いくつかの実施形態において、D10は、約0.0001から6.5mmまでの範囲である。いくつかの実施形態において、D10は、0.0001から0.01mmまで、または0.0024から4.0mmまで、または0.04から2.0mmまで、または0.6から1.3mmまでの範囲である。いくつかの実施形態において、D10は、0.0045から1.0mmまで、または0.1から5.0mmまでの範囲である。
【0049】
いくつかの実施形態において、固体微粒子の水性懸濁液は、D90を用いて測定されるサイズを有する。いくつかの実施形態において、D90は、約0.001から35mmまでの範囲である。いくつかの実施形態において、D90は、0.01から32mmまでの範囲である。いくつかの実施形態において、D90は、0.0024から4.0mmまで、または0.01から32mmまで、または0.04から2.0mmまで、または0.6から1.3mmまでの範囲である。いくつかの実施形態において、D90は、0.0045から1.0mmまで、または0.1から5.0mmまでの範囲である。
【0050】
いくつかの実施形態において、固体微粒子の水性懸濁液は、D10および/またはD50および/またはD90を用いて測定されるサイズを有する。いくつかの実施形態において、値は、D10、D50およびD90に関して上で言及されたものの任意の組合せである。いくつかの実施形態において、D10は、0.0001から0.01mmまでであり;D90は、0.01から32mmまでであり;D50は、0.0001から0.15mmまでである。
【0051】
固体微粒子のサイズ(D10、D50、D90など)は、いくつかの実施形態において、1つまたは複数のサイズ処理プロセスを用いて製造される。いくつかの実施形態において、サイズ処理プロセスは、固体微粒子のろ過、布ごし、研削およびパウンディングから選択される。
【0052】
いくつかの実施形態において、固体微粒子は、輸送中に摩耗によってサイズを変える。例えば、混合またはせん断は、時には固体微粒子のサイズを経時的に減少させる。そのようなものとして、いくつかの実施形態において、サイズは、輸送の開始時に測定される。
【0053】
いくつかの実施形態において、固体微粒子は丸いが、棒状および角張った表面などの他の形状も可能である。いくつかの実施形態において、固体微粒子は、様々な形状を有する要素を含む。いくつかの実施形態において、大多数の微粒子のアスペクト比は、1から1,000,000までの範囲である。いくつかの実施形態において、大多数の微粒子のアスペクト比は、25または100または1,000未満である。いくつかの実施形態において、大多数の微粒子のアスペクト比は、25から500まで、または1,500から15,000まで、または150,000から750,000までの範囲である。
【0054】
上で言及したとおり、水性懸濁液は、固体微粒子を水性液体中に分散するのに十分な量の少なくとも1つの鉱物懸濁剤を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの鉱物懸濁剤の有効量は、少なくとも1つの鉱物懸濁剤および固体微粒子の総重量に対して0.05重量%から5.0重量%までの範囲である。いくつかの実施形態において、有効量は、0.1%から4.5%まで、または0.4%から3.0%まで、または1%から2%までの範囲である。
【0055】
少なくとも1つ鉱物懸濁剤の上記量は、いくつかの実施形態において、固体微粒子の最大重量パーセントを、該少なくとも1つの鉱物懸濁剤を含まない対応する水性懸濁液に対して2%から6%まで増加させることを可能とする。
【0056】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの鉱物懸濁剤は、パリゴルスカイト、アタパルジャイト、ベントナイト、モンモリロナイトおよびセピオライトから選択される粘土である。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの鉱物懸濁剤は、パリゴルスカイトである。いくつかの実施形態において、パリゴルスカイトは、Attapulgus、Georgiaからのものである。
【0057】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの鉱物懸濁剤は、アタパルジャイトである。いくつかの実施形態において、アタパルジャイトは、Popovka River、Perm、Russia近郊のPalygorskaya;Attapulgus、Decatur Co.、Georgia;Tafraout、Morocco;およびHyderabad deposit、Andhra Pradesh、Indiaから選択される産地からのものである。いくつかの実施形態において、アタパルジャイトは、Attapulgus、Decatur Co.、Georgiaからのものである。いくつかの実施形態において、アタパルジャイトは、モンモリロナイト、ドロマイト、方解石、タルク、緑泥片岩、石英などの他の非アタパルジャイト鉱物を伴う。いくつかの実施形態において、アタパルジャイトは、非アタパルジャイト鉱物を実質的に含まない。そのような精製アタパルジャイトは、いくつかの実施形態において、それぞれが全体として本明細書に組み込まれる、米国特許第6,444,601号および米国特許第6,130,179号中の方法を使用することによって利用可能である。
【0058】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの鉱物懸濁剤は、ベントナイトである。いくつかの実施形態において、ベントナイトは、Rock River、Wyoming近郊およびMississippiから選択される産地からのものである。いくつかの実施形態において、ベントナイトは、カルシウムベントナイトおよびナトリウムベントナイトから選択される。いくつかの実施形態において、ベントナイトは、非ベントナイト鉱物を実質的に含まない。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの鉱物懸濁剤は、モンモリロナイトである。いくつかの実施形態において、モンモリロナイトは、Montmorillon、Vienne、France;Belle Fourche、Butte Co.、South Dakota;およびNewcastle、Crook Co.近郊のClay Spur、およびStrasburg、Shenandoah Co.、Virginiaから選択される産地からのものである。いくつかの実施形態において、モンモリロナイトは、クリストバライト、ゼオライト、黒雲母、石英、正長石、ドロマイトなどの他の非モンモリロナイト鉱物を伴う。いくつかの実施形態において、モンモリロナイトは、非モンモリロナイト鉱物を実質的に含まない。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの鉱物懸濁剤は、セピオライトである。いくつかの実施形態において、セピオライトは、Little Cottnwood Canyon、Salt Lake Co.、Utah;Crestmore、Riverside Co.、California;Ash Meadows、Nye Co.、Nevada;およびCerro Mercado、Durango、Mexicoから選択される産地からのものである。いくつかの実施形態において、セピオライトは、ドロマイトなどの他の非セピオライト鉱物を伴う。いくつかの実施形態において、セピオライトは、非セピオライト鉱物を実質的に含まない。
【0059】
いくつかの実施形態において、水性懸濁液は、粘土分散剤を含む。いくつかの実施形態において、粘土分散剤は、水性の環境において、少なくとも1つの鉱物懸濁剤を吸着し、少なくとも1つの鉱物懸濁剤を脱凝集させるかまたは少なくとも1つの鉱物懸濁剤の懸濁液を安定化させる能力を有する物質から選択される。いくつかの実施形態において、粘土分散剤は、縮合リン酸塩、ポリアクリル酸塩、有機ホスホン酸塩、ポリスルホン酸塩、スルホン化重縮合物、ポリマレイン酸塩および天然物由来のポリマーから選択される。いくつかの実施形態において、粘土分散剤は、粘土分散剤として機能するポリアニオン性、ポリカチオン性、ポリ非イオン性およびポリ両性分散剤から選択される。
【0060】
いくつかの実施形態において、粘土分散剤は、ピロリン酸四ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、縮合リン酸塩分散剤およびそのナトリウム塩から選択される。いくつかの実施形態において、粘土分散剤は、ケイ酸塩、四級アミン、石油、スルホン酸塩、ソーダ灰および石灰から選択される。いくつかの実施形態において、ケイ酸塩は、ケイ酸ナトリウムおよびケイ酸カリウムから選択される。いくつかの実施形態において、石灰は、石灰カルシウムから選択される。
【0061】
いくつかの実施形態において、水性懸濁液は、少なくとも1つの鉱物懸濁剤および固体微粒子の重量に対して、0.01重量%から6重量%までの範囲の量の、少なくとも1つの湿潤且つ分散剤を含む。いくつかの実施形態において、該量は、0.05から4%まで、または0.1から3.5%までの範囲である。湿潤且つ分散剤の選択肢は、特に限定されず、時には、固体微粒子の加工処理中に添加される。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの鉱物懸濁剤は、固体微粒子の加工処理中などに添加される湿潤且つ分散剤を妨害しない。
【0062】
いくつかの実施形態において、湿潤且つ分散剤は、水中で低発泡性から非発泡性であり、懸濁された固体微粒子の表面に吸着することのできる有機部分を含む構造を有する。固体微粒子が、(例えば、石炭、泥炭などの)有機粒子を含む場合、湿潤且つ分散剤は、(水などの)連続相に適合性である荷電した親水性部分を有する。固体微粒子が、例えば、無機粒子を含む場合、湿潤且つ分散剤は、(ボーキサイト、鉄鉱、砂、銅、モリブデン、タルク、二酸化チタン、炭酸カルシウム、カリ、他の工業鉱物などの)無機粒子の表面に吸着することができる有機部分および(水などの)連続相に適合性である荷電した親水性部分を有する。
【0063】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの湿潤且つ分散剤は、ポリアニオン性有機分散剤、ポリカチオン性有機分散剤、ポリ非イオン性有機分散剤、(石炭、泥炭などの)有機物として機能する微粒子分散剤であるポリ両性有機分散剤および(ボーキサイト、鉄鉱、砂、銅、モリブデン、タルク、二酸化チタン、炭酸カルシウム、カリ、他の工業鉱物などの)無機微粒子分散剤として機能するポリ両性有機分散剤から選択される。
【0064】
いくつかの実施形態において、微粒子のための少なくとも1つの湿潤且つ分散剤は、縮合ナフタレンホルムアルデヒドスルホン酸塩の塩、アルキルナフタレンスルホン酸の重合塩、重合置換安息香酸アルキルスルホン酸(benzoic alkyl sulfonic acid)の塩、リグノスルホン酸塩の塩およびポリアクリル酸塩の塩から選択される。
【0065】
いくつかの実施形態において、上で言及したもの以外の付加剤が、水性懸濁液に添加される。いくつかの実施形態において、付加剤は、固体微粒子または水供給源を加工処理するために添加される物質から選択される。
【0066】
いくつかの実施形態において、懸濁液は、少なくとも1つの鉱物懸濁剤の存在下での撹拌によって、固体粒子を水性液体中に分散させることによって作製される。いくつかの実施形態において、撹拌は、1つまたは複数の付加剤の存在下にある。いくつかの実施形態において、撹拌は、少なくとも1つの湿潤且つ分散剤および/または少なくとも1つの粘土分散剤の存在下にある。
【0067】
水性液体、固体微粒子および少なくとも1つの鉱物懸濁剤は、任意の順番で混合される。いくつかの実施形態において、水性液体、固体微粒子、少なくとも1つの鉱物懸濁剤および/または場合により少なくとも1つの鉱物懸濁剤のための少なくとも1つの分散剤、および/または場合により固体微粒子のための少なくとも1つの湿潤且つ分散剤、および/または1つまたは複数の追加の付加剤(中和剤、少なくとも1つの他の固形物質および/または本明細書中で言及される他のもの)は、任意の順番で混合される。
【0068】
いくつかの実施形態において、水性液体および固体微粒子の両方が少なくとも1つの鉱物懸濁剤に添加される。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの鉱物懸濁剤および固体微粒子の両方が水性液体に添加される。
【0069】
いくつかの実施形態において、撹拌は、水性懸濁液を実質的に均一化するために十分である。いくつかの実施形態において、撹拌は、水性懸濁液を均一化するために十分である。いくつかの実施形態において、均一化は、固体微粒子が、沈降のストークス式により予測されるものと一致しないやり方で沈降することを可能とする。
【0070】
いくつかの実施形態において、水性懸濁液は、不均一な水性懸濁液である。
【0071】
いくつかの実施形態において、撹拌は機械的である。いくつかの実施形態において、撹拌は、かきまぜ、ポンピングおよび粉砕から選択される。いくつかの実施形態において、固体微粒子は、水性液体においてせん断力を生じ、水性懸濁液の均一化を容易にするために十分な量で存在する。いくつかの実施形態において、撹拌は、コンクリート削孔、超音波による分散またはキャビテーションによる。
【0072】
いくつかの実施形態において、鉱物懸濁剤は、粉末粘土の形態で添加される。いくつかの実施形態において、粉末粘土は、添加前に乾燥している。
【0073】
いくつかの実施形態において、鉱物懸濁剤は、少なくとも1つの鉱物懸濁剤および水から成るプレゲルの形態で添加される。いくつかの実施形態において、プレゲルは、1重量%から15重量%までの少なくとも1つの鉱物懸濁剤および残りの水から成る。いくつかの実施形態において、水は、水性懸濁液の液体相に関して本明細書中で既に開示された値から選択されるpHを有する。いくつかの実施形態において、水は、水性懸濁液の液体相に関して本明細書中で既に開示されたものから選択される少なくとも1つの中和剤を含む。
【0074】
いくつかの実施形態において、鉱物懸濁剤は、少なくとも1つの鉱物懸濁剤、粘土分散剤および水から成るプレ分散体(pre−dispersion)の形態で添加される。いくつかの実施形態において、プレ分散体は、1重量%から45重量%までの少なくとも1つの鉱物懸濁剤、0.05重量%から1.0重量%までの粘土分散剤および残りの水から成る。いくつかの実施形態において、水は、水性懸濁液の液体相に関して本明細書中で既に開示された値から選択されるpHを有する。いくつかの実施形態において、水は、水性懸濁液の液体相に関して本明細書中で既に開示されたものから選択される少なくとも1つの中和剤を含む。
【0075】
いくつかの実施形態において、水性懸濁液は、水性液体に湿潤且つ分散剤を添加し;その後、少なくとも1つの鉱物懸濁剤を添加し;その後、固体微粒子を撹拌しながら添加する、ことによって作製される。
【0076】
いくつかの実施形態において、水性懸濁液は、プレゲルの形態の鉱物懸濁剤を調製し;少なくとも1つの鉱物懸濁剤のための分散剤を水性液体に添加することにより、プレゲルの形態の鉱物懸濁剤を調製し;上記プレゲルを前記スラリー水に添加し;その後、少なくとも1つの鉱物懸濁剤を添加し;その後、固体微粒子を撹拌しながら添加する、ことによって作製される。
【0077】
いくつかの実施形態において、水性懸濁液は、粘土分散剤および粘土を水性液体に撹拌しながら添加し、粘土が分散してプレ分散体を形成するまで撹拌を継続することによって、プレ分散体の形態の鉱物懸濁剤を調製し;少なくとも1つの鉱物懸濁剤のための分散剤を水性液体に添加し;プレ分散体の形態の前記鉱物懸濁剤を水性液体に添加し;固体微粒子を撹拌しながら添加する、ことによって作製される。
【0078】
水性懸濁液は、鉱物を長距離輸送することを可能とする。輸送は、有効量の少なくとも1つの鉱物懸濁剤の添加によって容易化される。
【0079】
いくつかの実施形態において、固体微粒子は、200m以上の距離を輸送される。いくつかの実施形態において、該距離は、0.600kmまたは5kmまたは10km以上である。いくつかの実施形態において、該距離は、40kmから500kmまで、または100kmから420kmまで、または200kmから380kmまでの範囲である。
【0080】
いくつかの実施形態において、輸送することは、固体微粒子の水性懸濁液を導管中に流すことを含む。いくつかの実施形態において、導管は、パイプライン、堰、u型構造、ムービングコンベヤおよび200m超の距離にわたって水を運搬するための他の構造を含む。いくつかの実施形態において、パイプラインにおけるパイプは、少なくとも1.28cmまたは5cmまたは300cmの内径を有する。いくつかの実施形態において、パイプは、1.28cmから200cmまで、または5cmから100cmまで、または10cmから75cmまでの範囲の内径を有する。いくつかの実施形態において、上記導管、パイプライン、u型構造、堰、ムービングコンベヤおよび200m超の距離にわたって水を運搬するための他の構造は、少なくとも1.28cmまたは5cmまたは100cmの横断寸法を有する。いくつかの実施形態において、上記導管、パイプライン、u型構造、堰、ムービングコンベヤおよび200m超の距離にわたって水を運搬するための他の構造は、1.28cmから300cmまで、または10cmから200cmまで、または75cmから150cmまでの範囲の横断寸法を有する。
【0081】
いくつかの実施形態において、輸送は、固体微粒子が距離全体を輸送されるように、固体微粒子の水性懸濁液を導管中に流すことを含む。いくつかの実施形態において、輸送は、固体微粒子が距離の少なくとも200mを輸送されるように、固体微粒子の水性懸濁液を導管中に流すことを含む。
【0082】
いくつかの実施形態において、水性懸濁液を流すことによる輸送の間、流すことは4,000未満のレイノルズ数をもたらす。いくつかの実施形態において、レイノルズ数は2,000未満である。いくつかの実施形態において、レイノルズ数は、2,000から3,000まで、または500から1,750までの範囲である。
【0083】
いくつかの実施形態において、流すことによる輸送の間、流すことは速度が少なくとも10%または25%または50%変化する。
【0084】
いくつかの実施形態において、輸送は、水性懸濁液をポンピングすることを含む。いくつかの実施形態において、輸送は、重力および導管の設置によってさらに容易化される。
【0085】
いくつかの実施形態において、水性懸濁液は、固体微粒子の水性懸濁液を貯蔵するのに好適な容器中に貯蔵される。いくつかの実施形態において、該容器は、導管および輸送コンテナから選択される。いくつかの実施形態において、該輸送コンテナは、インターモーダル輸送コンテナ、中間バルク輸送コンテナ、ドラム、航空コンテナおよび固体微粒子の水性懸濁液に好適な専用輸送コンテナから選択される。
【0086】
いくつかの実施形態において、貯蔵は、8時間超の期間である。いくつかの実施形態において、貯蔵は、8時間から90日までの範囲の期間である。いくつかの実施形態において、貯蔵は、7日から70日まで、または20日から60日まで、または30日から40日までの範囲の期間である。いくつかの実施形態において、貯蔵期間は、30日から1年までである。
【0087】
いくつかの実施形態において、水性懸濁液は、水性懸濁液の流れが開始していないかまたは中断されているので、導管に貯蔵される。
【0088】
いくつかの実施形態において、水性懸濁液を流すことによる輸送の後、固体微粒子の水性懸濁液が輸送コンテナ中に収集される。その後、輸送コンテナは、固体微粒子の水性懸濁液を含有する容器を貯蔵および/または100km以上の第2の距離を運搬するのに好適である。いくつかの実施形態において、貯蔵された固体微粒子の水性懸濁液を運搬することが、列車、トラック、飛行機および船から選択される乗り物を用いて達成される。その目的地に到着後、貯蔵され、輸送された固体微粒子の水性懸濁液は、いくつかの実施形態において、固体微粒子の水性懸濁液を(本明細書の上記の)第2の導管中に流すことによって、(本明細書の上記の)200m以上のさらに別の距離を再びさらに輸送される。
【0089】
いくつかの実施形態において、固体微粒子を固体微粒子の水性懸濁液として輸送することは、輸送コンテナ中で固体微粒子を少なくとも1つの鉱物懸濁剤の存在下で水性液体中に分散させること、その後、該コンテナを、100km以上の距離を運搬することを含む。当然、運搬の間、水性懸濁液は(本明細書の上記のように)貯蔵される。
【0090】
いくつかの実施形態において、水性懸濁液は、固体微粒子が輸送される前に貯蔵される。いくつかの実施形態において、水性懸濁液は、固体微粒子が運搬される間、貯蔵される。いくつかの実施形態において、水性懸濁液は、それが輸送された後、貯蔵される。
【0091】
いくつかの実施形態において、貯蔵および/または輸送の間、固体微粒子の沈降が、沈降のストークス式により予測されるものと一致しないやり方で起こる。いくつかの実施形態において、水性懸濁液は、硬い圧縮を防止する。
【0092】
いくつかの実施形態において、水性懸濁液は、非沈降性スラリーである。非沈降性スラリーは、24時間沈降しない均一な水性懸濁液である。
【0093】
[実施例1]
【0094】
この実施例の目的は、鉱物懸濁剤の存在下および非存在下で鉄鉱スラリーのレオロジー特性を試験することである。
【0095】
70%および74%の固体重量百分率を有する鉄鉱スラリーを、Iron Ore Slurry Pipeline Operatorから受け入れた。液体相は水である。両スラリーは、コンテナの底に硬く沈降または圧縮された。明らかに、これらの懸濁液は、パイプライン中を流すためには不適切であった。
【0096】
表1中に示すとおり、水性懸濁液を調製した。
【0097】
【表1】
Sw=固体重量百分率;AG=(ActiGel 208(登録商標)、Active Mineral Internationalから入手可能)
【0098】
サンプルA−Dに関して、70%固体スラリーを4つの分画に分割し、固体重量百分率0重量%、0.05重量%、0.075重量%および0.10重量%の鉱物懸濁剤(ActiGel 208(登録商標)、Active Mineral Internationalから入手可能)を混合することによって水性懸濁液を作製した。
【0099】
同様に、サンプルEに関して、固体重量百分率0.10重量%の鉱物懸濁剤(ActiGel 208(登録商標)、Active Mineral Internationalから入手可能)を混合することによって水性懸濁液を作製した。
【0100】
サンプルA−Eを、混合物を撹拌するためにコンクリートドリルを使用して再懸濁した。
【0101】
サンプルB−Eに関して、ロッド貫入試験機試験AMI−WI−ORE−003を用いて、60日間、硬い圧縮は観察しなかった。比較のために、サンプルAは1時間以内に硬く圧縮された。これらの観察に基づいて、サンプルB−Eは、硬く圧縮されることなくまたは再懸濁の必要なく、60日間貯蔵可能であった。したがって、サンプルB−Eは、長距離の運搬および/または類似する期間の貯蔵が可能であった。
【0102】
荒いおよび微細な固体微粒子の両方が懸濁されたと決定するために、サンプルB−Eを質的に観察した。
【0103】
サンプルB−Eに関して、Brookfield RS+Rheometer Concentric Cylinder CC−40を使用して、粘度測定プロフィール試験を行い、半径20mmおよび21mmのボブおよびカップ、1mmのギャップ;ソフトウエア:Rheo 3000;プログラムプロフィール:サンプルB−EをStep Programでせん断速度:178s−1、156s−1、134s−1、112s−1、89s−1、67s−1、45s−1および23s−1を使用して試験した。これらの結果を、サンプルB−Eそれぞれについての粘度(η)対せん断速度f(γ)のプロットである、図1に示す(なお、「せん断速度f(γ)」のγの上にはドットが付されるものであるが、電子出願で使用可能な文字の都合上、本願では単に「せん断速度f(γ)」とのみ記載した)。
【0104】
サンプルB−Eそれぞれについての低いせん断速度f(γ)における粘度(η)の変化は、定常状態から流動状態へ水性懸濁液を変化させるのに最小エネルギーで十分であることおよびサンプルB−Eを流すために比較的低いエネルギー消費で十分であることを示す。さらに、サンプルB−Eは、鉄鉱のために使用した比較サンプルであるサンプルFよりも固体重量パーセントが2から6まで高い。つまり、サンプルB−Eは、比較サンプルFよりも、固体重量百分率が2.9から8.8%高い。
【0105】
次に、同じ機器および条件を用いて粘度測定プロフィールを繰り返したが、ヒステリシスについてシステムをチェックした。レオメーターを、90秒にわたり、0s−1から600s−1までせん断速度を傾斜させ;維持せずに、次いで、90秒にわたり、600s−1から0s−1までせん断速度を傾斜させた。これらの結果を、粘度(η)対せん断速度f(γ)のプロットである、図2A−Dに示す。図2E−Hに示すのは、類似の条件下でのせん断応力対せん断速度f(γ)のプロットである。
【0106】
図2A−Hはそれぞれ、サンプルB−Eが最小速度を有さないことを実証する。さらに、ヒステリシスのないのは、例えば、効率的にパイプラインを操作するためにパイプラインオペレーターが必ずしも流速の履歴に絶えず注意しなくてもよいことを意味する。
【0107】
サンプルB−Eはそれぞれ、導管中に流すことによる輸送に好適である。
【0108】
[実施例2]
【0109】
65%の固体重量パーセントおよび24%の粒径が10μm未満であるボーキサイトスラリーサンプルを、ボーキサイト採掘およびスラリーパイプラインの会社から受け入れた。
【0110】
以下の表2に示すように、水性懸濁液を調製した。
【0111】
【表2】
Sw=固体重量百分率;AG=(ActiGel 208(登録商標)、Active Mineral Internationalから入手可能)。命名法は以下のとおりである:サンプル−#−Sw−(文字A、B、C、D)。#は、ボーキサイト粒径を示し;Swは、固体重量百分率yy%を示し、ここで、yy%=65%、60%、55%または50%;および文字A、B、C、Dは、AGの量を表し、例えば、サンプル1−65−Aは、24%のボーキサイト粒径が10μm未満、65%の固体重量パーセントおよび0%のAGを有する。サンプル3−60−Cは、32%のボーキサイト粒径が10μm未満、60%の固体重量パーセントおよび0.075%のAGを有する、などである。
【0112】
サンプル1−65−A−Dに関しては、65%固体スラリーを4つの分画に分割し、固体重量百分率0%、0.05%、0.075%および0.10%の鉱物懸濁剤(ActiGel 208(登録商標)、Active Mineral Internationalから入手可能)を混合することによって、水性懸濁液を作製した。
【0113】
サンプル1−60−A−D、1−55−A−Dなどについてこのプロセスを繰り返し、表2中の40サンプルを調製した。
【0114】
受け入れたままのすべてのスラリー(表2に示すとおり、サンプル1−yy−A;2−yy−A;および3−yy−A、ここで、yy=50、55、60または65)は、容器の底に硬く圧縮された。したがって、これらのサンプルは、パイプライン中を流すことによる輸送に好適でなかった。
【0115】
コンクリートドリルおよび混合機器を用いて様々なスラリーを再懸濁した。
【0116】
Brookfield RS+Rheometer Concentric Cylinder CC−40、半径20mmおよび21mmのボブおよびカップ、1mmのギャップ、ソフトウエア:Rheo 3000を使用して、粘度プロフィール測定を行った。プログラムプロフィール:90秒にわたり、0s−1から600s−1まで傾斜させ、維持せずに、次いで、90秒にわたり、600s−1から0s−1まで傾斜させた、せん断速度を用いてスラリーを試験した。結果を図3−5に示す。
【0117】
図3中の結果は、それぞれが65%の固体重量百分率および24%の粒径が10μm未満の、すなわち、実施例2の最も荒く、固体が最も多い、4つのサンプル1−65−B−Dについての粘度(η)対せん断速度f(γ)をプロットする。サンプル1−65−A、すなわち、0%の鉱物懸濁剤を含むものは、Brookfieldにおいて試験するには濃厚すぎ、したがって、パイプライン中を流すことによる輸送には好適でなかった。サンプル1−65−Aについて示すこれらのデータも同様であり、それは、沈降速度が速すぎるからである(サンプル3−65−Aについて示すデータも同様であり、それは、沈降速度が速すぎるからである)。
【0118】
これらのデータは、残りの3つのサンプル1−65−B−Dが定常状態から流動状態に水性懸濁液を変化させるために最小量のエネルギーを使用し、サンプル1−65−B−Dを流すために比較的低いエネルギー消費で十分であることを示す。さらに、ヒステリシスのないのは、実施例1において言及したものに類似する理由で、流れている間にパイプラインオペレーターがサンプル1−65−B−Dをモニターすることをより容易にする。
【0119】
図4中の結果は、それぞれが65%の固体重量百分率および24%の粒径が10μm未満の、すなわち、実施例2の最も荒く、固体が2番目に多い、4つのサンプル1−65−A−Dについてのせん断応力(τ)対せん断速度f(γ)をプロットする。サンプル1−65−A、すなわち、0%の鉱物懸濁剤を含むものは、Brookfieldにおいて試験するには濃厚すぎ、したがって、パイプライン中を流すことによる輸送には好適でなかった。
【0120】
これらのデータは、残りの3つのサンプル1−65−B−Dが定常状態から流動状態に水性懸濁液を変化させるために最小量のエネルギーを使用し、サンプル1−65−B−Dを流すために比較的低いエネルギー消費で十分であることを示す。さらに、ヒステリシスのないのは、実施例1において言及したものに類似する理由で、流れている間にパイプラインオペレーターがサンプル1−65−B−Dをモニターすることをより容易にする。
【0121】
結果が図5A−D中にあり、これは、サンプル1−65−A;2−65−A;3−65A、すなわち、65%の固体重量パーセントでAGを含まないサンプル;およびサンプル1−65−D;2−65−D;3−65D、すなわち、65%の固体重量パーセントおよび0.10%のAGを含むサンプルについての粘度(η)対せん断速度f(γ)のプロットである。
【0122】
サンプル1−65−A、すなわち、24%が10μm未満で、微粉の添加が最少のものは、鉱物懸濁剤を含まずに試験するには濃厚すぎた。サンプル1−65−Aは、明らかにパイプライン中を流すには好適でなかった。図5Aを参照のこと。
【0123】
サンプル1−65−D;2−65−D;および3−65Dに見られるように、粒径(微細粒子の量)は、鉱物懸濁剤の効率に対する影響は少ない。1−65−D;2−65−D;および3−65Dの各サンプルは、パイプライン中を流すのに好適である。図5A
−Cを参照のこと。
【0124】
52週間の期間、スパチュラを用いる目視検査により測定して、AGを含むいずれのサンプル(1−65−D;2−65−D;および3−65Dなど)においても硬い圧縮は起こらなかった。
【0125】
鉱物懸濁剤を含まないサンプル(サンプル1−65−A;2−65−A;3−65A;など)は、2週間以内に硬く圧縮された。
【0126】
[実施例3]
【0127】
75.2%、76.4%および77.8%の固体を含有する二酸化チタン(TiO)スラリーを、0.10重量%−0.30重量%のAGを用いて分散させた。スラリーを以下のように標識した:スラリー#1:75.2%TiO、スラリー#2:76.4%TiO、スラリー#3:77.8%TiO
【0128】
【表3】
Sw=固体重量百分率;AG=(ActiGel 208(登録商標)、Active Mineral Internationalから入手可能)。命名法は以下のとおりである:サンプル−#−(文字A、B、C、D)。#は、固体重量百分率yy%を示し、ここで、yy%=75.2%、76.4%または77.8%;および文字A、B、C、Dは、AGの量を表し、例えば、サンプル1−Aは、75.2%の固体重量パーセント、および0.15%のAGを有する。サンプル3−Cは、77.8%の固体重量パーセント、および0.25%のAGを有する、などである。
【0129】
上で言及した条件下で、これらのスラリーについてBrookfield粘度測定を行った。これらの結果は、粘度(η)対Brookfield RPMのプロットである図6A−G中にある。データの観察から、鉱物懸濁剤が、低いせん断粘度を優先的に高めることが明らかであり、これは、沈降およびシネレシス挙動の消滅を説明する。
【0130】
鉱物懸濁剤は、低いせん断粘度を増大させて、顔料の沈降を消滅させる。これは、TiO負荷が高いと特に明らかであった。
【0131】
データは、TiOが最小量(75.2%)のサンプル−1−A−D(図6A)に関して、鉱物懸濁剤のレベルは、それがサンプル−2−A−D(図6B)またはサンプル3−A−D(図6C)中のより高いTiOレベル(すなわち、76.4,77.8重量%のTiO)に対するのと同様の低いせん断粘度の上昇を提供しないことを示す。サンプル1−3について0.15%AGを比較する図6Dも参照のこと。
【0132】
鉱物懸濁剤の使用は、スラリー製造者が、粘度限界を超過せずに、より少量の水または他の水性液体相を消費者まで輸送することを可能とする。
【0133】
サンプル3において(図6C)、0.15%および0.20%のレベルまで鉱物懸濁剤を添加すること(サンプル3−A−B)は、サンプル1−A−B(図6A)またはサンプル2−A−B(図6B)についての対応例よりも有効であった。これは、固体が多いと必要な鉱物懸濁剤はより少ないためである。
【0134】
サンプル2−C−D中の0.25%および0.30%の鉱物懸濁剤の添加レベルは、非常に有効であった。26週間にわたって、硬い圧縮は起こらなかった。
【0135】
鉱物懸濁剤により安定化したすべてのスラリーのBrookfield粘度は、500cps未満であった。
【0136】
鉱物懸濁剤により安定化したスラリーは、硬い圧縮の起こらないこと、せん断下での流れおよび容器の側面へのスラリーのより少ないケーキングを可能とする。これは、より効率的なTiO除荷と言い換えることができる。
【0137】
[実施例4]
【0138】
鉱物懸濁剤AG(上記)の存在下で水酸化マグネシウム(MgOH)懸濁液を分散させて、鉱物懸濁剤により安定化したMgOHサンプル対安定化しないMgOHサンプルの粘度を比較した。
【0139】
高速ミキサーを用いて、固体重量パーセント30%の水中MgOHを水中で作製した。次いで、MgOH懸濁液に鉱物懸濁剤AGを2重量%および5重量%添加した。これは、乾燥重量%に基づいて0.6%(サンプルA)および1.5%(サンプルB)の鉱物懸濁剤の負荷と同等である。
【0140】
高せん断混合下で、スラリーを併合した。
【0141】
これらの結果を、粘度(η)対Brookfield RPM(1/s)をプロットする、図7に示す。
【0142】
粘度の即時の上昇は、図7中の曲線に示された。
【0143】
せん断に際して、サンプルA−Bは、優れたビンガム流体流動特性(すなわち、せん断下での優れた流れ)を示した。
【0144】
密封容器中での30日間の貯蔵後、ロッド貫入試験機試験AMI−WI−ORE−003を用いて、懸濁液の特性についてスラリーをチェックした。サンプルA−Bには、いくらかの浮遊物がみられた。30日の期間にわたって硬い圧縮を観察しなかった。
【0145】
[実施例5]
【0146】
石炭鉱床は、鉱物、スルホキシドおよび灰の組合せを含有する。パイプラインを水性スラリー中、55−60%の固体重量百分率で運転する。400,000ガロンの水を使用して、年間300万トンの固体が移動可能と考えられる。
【0147】
スラリーにパリゴルスカイトを1.0%の固体重量百分率の量で、セピオライトを0.01%の固体重量百分率で添加する。360,000ガロンの水を使用して、年間300万トンの固体が移動可能と考えられる。
【0148】
さらに、上部圧力の減少が電力消費を減少させるという考えに基づき、スラリーをポンプでくみ上げるために使用する電力量は約10%減少する。
【0149】
[実施例6]
【0150】
腐食性の赤泥は、ボーキサイトの採掘において生じる固体廃棄物であり、約12−13のpHを有する。典型的に、腐食性の赤泥は、溜池などに貯蔵するためにポンプでくみ上げられる。腐食性の赤泥をポンプでくみ上げるのは極めて困難である。
【0151】
0.3固体重量%のアタパルジャイトの存在下で水に腐食性の赤泥を懸濁する。腐食性の赤泥は、水性懸濁液を流すことによって容易に輸送されると考えられる。アタパルジャイトは、最小限の摩耗によって腐食性の環境に耐えることができると考えられる。
【0152】
[実施例7]
【0153】
尾鉱が生じる。0.2固体重量%のセピオライトの存在下で尾鉱を水に懸濁する。尾鉱は、水性懸濁液を流すことによって容易に輸送されると考えられる。
【0154】
[実施例8]
【0155】
鉱床は水中約2000フィートの海底で発見される。しなやかなパイプおよびポンプを使用して、固体を海底からくみ上げる。しなやかなチューブの入口において、2%の固体重量パーセントのベントナイトおよび1%の固体重量パーセントのモンモリロナイトを導入する。鉱物懸濁剤は、水性懸濁液を流すことによる固体を介する輸送を容易化したと考えられる。
【0156】
明細書の検討および本明細書に開示された実施形態の実行から、本発明の他の実施形態は当業者に明らかである。明細書および実施例は非限定的であると認められ、本発明の真の範囲および精神は以下の特許請求の範囲により示されるものとする。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図7