特許第6235614号(P6235614)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6235614注射用HPPH凍結乾燥粉末注射剤およびその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6235614
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】注射用HPPH凍結乾燥粉末注射剤およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/409 20060101AFI20171113BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20171113BHJP
   A61K 9/19 20060101ALI20171113BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20171113BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20171113BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20171113BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20171113BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20171113BHJP
   A61K 47/04 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
   A61K31/409
   A61P35/00
   A61K9/19
   A61K47/10
   A61K47/02
   A61K47/34
   A61K47/26
   A61K47/36
   A61K47/04
【請求項の数】11
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-555568(P2015-555568)
(86)(22)【出願日】2014年1月21日
(65)【公表番号】特表2016-506936(P2016-506936A)
(43)【公表日】2016年3月7日
(86)【国際出願番号】CN2014070974
(87)【国際公開番号】WO2014121691
(87)【国際公開日】20140814
【審査請求日】2015年8月3日
(31)【優先権主張番号】201310046627.6
(32)【優先日】2013年2月5日
(33)【優先権主張国】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】510116819
【氏名又は名称】浙江海正薬業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang Hisun Pharmaceutical CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】馮春栄
(72)【発明者】
【氏名】張環偉
(72)【発明者】
【氏名】王剣橋
【審査官】 砂原 一公
(56)【参考文献】
【文献】 特表2006−516627(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0137396(US,A1)
【文献】 特開平03−031283(JP,A)
【文献】 花輪剛久 他,医療現場における凍結乾燥注射剤の取り扱いの現状と課題,医療薬学,2003年,Vol.29, No.2,p.210-215
【文献】 第12章 注射用製剤,新・薬剤学総論(改訂第3版),株式会社南江堂,第1版,p.319-343
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
注射用HPPH凍結乾燥粉末注射剤であって、HPPHと、補助溶剤と、可溶化剤と、賦形剤と、pH調整剤とを含み、HPPHと、補助溶剤と、可溶化剤と、賦形剤との重量割合が、
HPPH 0.05%〜3.50%
補助溶剤 0.05%〜0.50%
可溶化剤 0.80%〜28.00%
賦形剤 70.00%〜99.00%
であり、
補助溶剤が、炭酸ナトリウムであることを特徴とする注射用HPPH凍結乾燥粉末注射剤。
【請求項2】
HPPHと、補助溶剤と、可溶化剤と、賦形剤との重量割合が、
HPPH 0.08%〜2.50%
補助溶剤 0.08%〜0.25%
可溶化剤 0.95%〜25.00%
賦形剤 70.00%〜99.00%
であることを特徴とする請求項1に記載の注射用HPPH凍結乾燥粉末注射剤。
【請求項3】
注射用HPPH凍結乾燥粉末注射剤であって、各原料の重量割合が、
HPPH 0.50〜7.50g
溶剤 30.00〜150.00g
補助溶剤 0.50〜0.65g
可溶化剤 5.00〜100.00g
賦形剤 300.00〜500.00g
pH調整剤 適量、pH値を6.0〜8.0に調整
注射用水 合計5000mlになるまで加える
調製する個数の合計 1000本の瓶
であり、
補助溶剤が、炭酸ナトリウムであることを特徴とする注射用HPPH凍結乾燥粉末注射剤。
【請求項4】
各原料の重量割合が、
HPPH 4.00〜6.00g
溶剤 100.00〜150.00g
補助溶剤 0.51〜0.56g
可溶化剤 25.00〜50.00g
賦形剤 350.00〜400.00g
pH調整剤 適量、pH値を6.5〜7.5に調整
注射用水 合計5000mlになるまで加える
調製する個数の合計 1000本の瓶
であることを特徴とする請求項3に記載の注射用HPPH凍結乾燥粉末注射剤。
【請求項5】
溶剤が、95%〜100%(v/v)エタノールであることを特徴とする請求項3または4に記載の注射用HPPH凍結乾燥粉末注射剤。
【請求項6】
可溶化剤が、ポリオキシエチレンヒマシ油、Tween類またはステアリン酸ポリエチレングリコール15であり、好ましくは、ポリオキシエチレンヒマシ油またはステアリン酸ポリエチレングリコール15であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の注射用HPPH凍結乾燥粉末注射剤。
【請求項7】
賦形剤が、マンニトール、ラクトースまたはデキストランであり、好ましくは、マンニトールであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の注射用HPPH凍結乾燥粉末注射剤。
【請求項8】
pH調整剤が、リン酸、塩酸または酢酸であり、好ましくは、リン酸であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の注射用HPPH凍結乾燥粉末注射剤。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか1項に記載の注射用HPPH凍結乾燥粉末注射剤の製造方法であって、
(a)所定量の賦形剤を、適量の注射用水で満たした配合タンクに移送し、撹拌して溶解させて第1溶液を得るステップ(a)と、
(b)所定量のHPPHを、配合タンクに入れ、所定量の溶剤、補助溶剤溶液、および可溶化剤を加え、撹拌して溶解させて第2溶液を得るステップ(b)と、
(c)第2溶液を第1溶液に加え、撹拌し、注射用水を加えて所定の体積にし、pH調整剤を滴下して溶液のpH値を6.0〜8.0、好ましくは6.5〜7.5に調整し、濾過し、滅菌し、溶液を液体貯蔵タンクに入れ、小分け包装し、部分的密栓し、凍結乾燥し、密栓し、包装するステップ(c)と、
を有することを特徴とする注射用HPPH凍結乾燥粉末注射剤の製造方法。
【請求項10】
ステップ(b)において、第2溶液を製剤するときの投入順序は、所定量の溶剤、補助溶剤溶液、および、可溶化剤が、HPPHに順次加えられる、というものであることを特徴とする請求項9に記載の注射用HPPH凍結乾燥粉末注射剤の製造方法。
【請求項11】
ステップ(c)において、凍結乾燥するステップは、
(1)予凍結ステップ:製品を−40〜−50℃で2〜4時間予め凍結させることによって、製品を凍結させて圧縮するステップ(1)と、
(2)一次乾燥ステップ:製品を予凍結した後、真空ポンプを起動して、真空レベルが20〜30Paになるまで排気し、製品を−5℃まで昇温させてその温度を27〜31時間維持するステップ(2)と、
(3)脱着乾燥ステップ:製品を徐々に20℃まで昇温させてその温度を3〜5時間維持するステップ(3)と、
を有することを特徴とする請求項9に記載の注射用HPPH凍結乾燥粉末注射剤の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、医薬品分野に関し、特に、注射用HPPH凍結乾燥粉末注射剤およびその製造方法に関する。
【0002】
〔背景技術〕
抗腫瘍光感作物質であるHPPHは、第2世代の光感作物質であり、米国のRoswell Park腫瘍研究所の研究者によって緑色植物から抽出、精製および半合成された一種のクロリン(chlorin)化合物である。その構造式は以下の通りである。
【0003】
【化1】
【0004】
HPPHは、良好な光動力活性を有し、理想的な活性スペクトルを有し、的中率が良好で、腫瘍細胞への浸透速度が高い。臨床では、HPPHは、肺癌、食道癌、頭・顔・首の癌、膀胱癌、胃癌およびその他の多くの種類の固体腫瘍の治療に用いることができる。第1世代の光感作物質と比べてHPPHの光毒性は明らかに減少しており、基本的に遮光の必要はない。さらに、用量が少なく、用いるのが簡便であり、それゆえ、HPPHは、非常に大きな潜在市場を持った、癌治療用PDT光感作物質であり、最近の抗腫瘍医薬の研究分野で大きな話題になってきている。外国では関連する第2相臨床試験が行われているが、中国では、PDTの市場はほぼ空白であり、現在の抗腫瘍光感作物質は第1世代に属しており、そのため毒性が高く治療費が高い。HPPHは、新世代の光感作物質として、その特有の優秀さと比較的安価であることから、その競合製品を凌ぎ、有利な地位を占めるであろう。
【0005】
HPPHは、良好な抗腫瘍効果を有するが、水への溶解性が低く、水中で不安定である。外国での第2相臨床試験で用いられる液体注射剤では、活性成分の溶解性の問題のため、HPPHの製剤の調製処理時に、過剰な投入量が必要である。さらに、溶液の製剤処理時に、活性成分を溶解させるのにはほぼ18時間必要であり、得られた製剤の保存条件は−20℃であり、有効期間は1年である。したがって、このような液体注射剤は、大規模製造に適さず、その適用は極めて制限される。さらに、このことは、臨床用医薬の安全性と有効性とにいくらかの不適切な影響をもたらしうる。
【0006】
〔発明の概要〕
本発明の目的は、製剤時の低い溶解性や、一定量の投入ができない点や、製剤の比較的低い安定性も含めて、現在のHPPH液体注射剤の欠点を解消することにある。本発明は、安定な注射用HPPH凍結乾燥粉末注射剤を提供し、ここで、このような凍結乾燥粉末注射剤は、一定量の投入ができ、溶液の製剤時間が短く、製剤製品を単に冷蔵するだけで保存でき、室温でも保存でき、顕著に長期間保存でき、すなわち、安定性が大きく増大している。
【0007】
本発明は、注射用HPPH凍結乾燥粉末注射剤であって、HPPHと、補助溶剤と、可溶化剤と、賦形剤と、pH調整剤とを含み、HPPHと、補助溶剤と、可溶化剤と、賦形剤との重量割合が、
HPPH 0.05%〜3.50%
補助溶剤 0.05%〜0.50%
可溶化剤 0.80%〜28.00%
賦形剤 70.00%〜99.00%
である注射用HPPH凍結乾燥粉末注射剤を開示する。
【0008】
好ましい実施形態では、HPPHと、補助溶剤と、可溶化剤と、賦形剤との重量割合が、
HPPH 0.08%〜2.50%
補助溶剤 0.08%〜0.25%
可溶化剤 0.95%〜25.00%
賦形剤 70.00%〜99.00%
である。
【0009】
好ましい実施形態では、各原料の重量割合が、
HPPH 0.50〜7.50g
溶剤 30.00〜150.00g
補助溶剤 0.50〜0.65g
可溶化剤 5.00〜100.00g
賦形剤 300.00〜500.00g
pH調整剤 適量、pH値を6.0〜8.0に調整
注射用水 合計5000mlになるまで加える
調製する個数の合計 1000本の瓶
である。
【0010】
他の好ましい実施形態では、各原料の重量割合が、
HPPH 4.00〜6.00g
溶剤 100.00〜150.00g
補助溶剤 0.51〜0.56g
可溶化剤 25.00〜50.00g
賦形剤 350.00〜400.00g
pH調整剤 適量、pH値を6.5〜7.5に調整
注射用水 合計5000mlになるまで加える
調製する個数の合計 1000本の瓶
である。
【0011】
ここで、上記製剤の溶剤は、95%〜100%(v/v)エタノールである。
【0012】
ここで、上記製剤の補助溶剤は、炭酸ナトリウムである。好ましくは、製剤の調製処理時、補助溶剤は、注射用水中の溶液の形で用いられる。
【0013】
ここで、上記製剤の可溶化剤は、ポリオキシエチレンヒマシ油(EL)、Tween類またはステアリン酸ポリエチレングリコール15である。ポリオキシエチレンヒマシ油(EL)またはステアリン酸ポリエチレングリコール15が好ましい。
【0014】
ここで、上記製剤の賦形剤は、マンニトール、ラクトースまたはデキストランである。マンニトールが好ましい。
【0015】
ここで、上記製剤のpH調整剤は、リン酸、塩酸または酢酸である。リン酸が好ましい。好ましくは、製剤の調製処理時、pH調整剤は、注射用水中の溶液の形で用いられる。
【0016】
本発明はまた、注射用HPPH凍結乾燥粉末注射剤の製造方法であって、
(a)所定量の賦形剤を、適量の注射用水で満たした配合タンクに移送し、撹拌して溶解させて第1溶液を得るステップ(a)と、
(b)所定量のHPPHを、上記配合タンクに入れ、所定量の溶剤、補助溶剤溶液、および可溶化剤を加え、撹拌して溶解させて第2溶液を得るステップ(b)と、
(c)第2溶液を第1溶液に加え、撹拌し、注射用水を加えて所定の体積にし、pH調整剤を滴下して溶液のpH値を6.0〜8.0、好ましくは6.5〜7.5に調整し、濾過し、滅菌し、溶液を液体貯蔵タンクに入れ、小分け包装(subpackaging)し、部分的密栓(partial stoppering)し、凍結乾燥し、密栓(stoppering)し、包装するステップ(c)と、
を有することを特徴とする注射用HPPH凍結乾燥粉末注射剤の製造方法を提供する。
【0017】
ここで、ステップ(b)において、第2溶液を製剤するときの投入順序は、所定量の溶剤、補助溶剤溶液、および、可溶化剤が、PPHに順次加えられる、というものである。実験によって、このような投入順序によれば溶解の効果が比較的良くなることがわかった。
【0018】
ここで、ステップ(c)において、凍結乾燥するステップは、
(1)予凍結ステップ:製品を−40〜−50℃で2〜4時間予め凍結させることによって、製品を凍結させて圧縮するステップ(1)と、
(2)一次乾燥ステップ:製品を予凍結した後、真空ポンプを起動して、真空レベルが20〜30Paになるまで排気し、製品を−5℃まで昇温させてその温度を27〜31時間維持するステップ(2)と、
(3)脱着(desorption)乾燥ステップ:製品を徐々に20℃まで昇温させてその温度を3〜5時間維持するステップ(3)と、
を有する。
【0019】
本発明によって製造された、得られた注射用HPPH凍結乾燥粉末注射剤は、合理的に製剤され、溶液を製剤する時間が短い。さらに、得られた製剤は、粘着性が低く(loose)、再溶解性(resolubility)が良く、水分が少なく、安定性が比較的良く、暗毒性(dark-toxicity)が低く、光感受性が高い。
【0020】
〔実施例〕
以下の実施例によって本発明をさらに説明する。以下の実施例は、本発明を説明することを意図しているだけであり、本発明の範囲を限定するものではないことに留意すべきである。
【0021】
〔実施例1〕
HPPH 5.0g
純エタノール 150.0g
炭酸ナトリウム 0.56g
ポリオキシエチレンヒマシ油(EL) 50.0g
マンニトール 300.0g
リン酸 適量、pH値を7.0に調整
注射用水 合計5000mlになるまで加える
調製する個数の合計 1000本の瓶
(a)所定量のマンニトールを、2000mlの注射用水で満たした配合タンクに移送し、撹拌して溶解させて第1溶液を得るステップ(a)と、
(b)所定量のHPPHを、上記配合タンクに入れ、所定量の純エタノールを加え、撹拌し、所定量の炭酸ナトリウム溶液、およびポリオキシエチレンヒマシ油を加え、さらに撹拌して溶解させて第2溶液を得るステップ(b)と、
(c)第2溶液を第1溶液に加え、撹拌し、注射用水を加えて5000mlにし、リン酸水溶液を滴下して溶液のpH値を7.0に調整し、濾過し、滅菌し、溶液を液体貯蔵タンクに入れ、小分け包装し、部分的密栓し、凍結乾燥し、密栓し、包装するステップ(c)とを行う。ここで、凍結乾燥するステップは、以下の順に行われる:
(1)予凍結ステップ:製品を−40〜−50℃で3時間予め凍結させることによって、製品を凍結させて圧縮するステップ(1)、
(2)一次乾燥ステップ:製品を予凍結した後、真空ポンプを起動して、真空レベルが20〜30Paになるまで排気し、製品を−5℃まで昇温させてその温度を28時間維持するステップ(2)、
(3)脱着乾燥ステップ:製品を徐々に20℃まで昇温させてその温度を5時間維持するステップ(3)。
【0022】
〔実施例2〕
HPPH 1.0g
96%アルコール 30g
炭酸ナトリウム 0.50g
Tween80 5.00g
デキストラン 500g
リン酸 適量、pH値を6.5に調整
注射用水 合計5000mlになるまで加える
調製する個数の合計 1000本の瓶
(a)所定量のデキストランを、2500mlの注射用水で満たした配合タンクに移送し、撹拌して溶解させて第1溶液を得るステップ(a)と、
(b)所定量のHPPHを、上記配合タンクに入れ、所定量の96%アルコールを加え、撹拌し、所定量の炭酸ナトリウム溶液、およびTween80を加え、さらに撹拌して溶解させて第2溶液を得るステップ(b)と、
(c)第2溶液を第1溶液に加え、撹拌し、注射用水を加えて5000mlにし、リン酸水溶液を滴下して溶液のpH値を6.5に調整し、濾過し、滅菌し、溶液を液体貯蔵タンクに入れ、小分け包装し、部分的密栓し、凍結乾燥し、密栓し、包装するステップ(c)とを行う。ここで、凍結乾燥するステップは、以下の順に行われる:
(1)予凍結ステップ:製品を−40〜−50℃で3.5時間予め凍結させることによって、製品を凍結させて圧縮するステップ(1)、
(2)一次乾燥ステップ:製品を予凍結した後、真空ポンプを起動して、真空レベルが20〜30Paになるまで排気し、製品を−5℃まで昇温させてその温度を29時間維持するステップ(2)、
(3)脱着乾燥ステップ:製品を徐々に20℃まで昇温させてその温度を4時間維持するステップ(3)。
【0023】
〔実施例3〕
HPPH 7.5g
95%アルコール 100g
炭酸ナトリウム 0.63g
ステアリン酸ポリエチレングリコール15 100g
マンニトール 500g
リン酸 適量、pH値を7.8に調整
注射用水 合計5000mlになるまで加える
調製する個数の合計 1000本の瓶
(a)所定量のマンニトールを、3000mlの注射用水で満たした配合タンクに移送し、撹拌して溶解させて第1溶液を得るステップ(a)と、
(b)所定量のHPPHを、上記配合タンクに入れ、所定量の95%アルコールを加え、撹拌し、所定量の炭酸ナトリウム溶液、およびステアリン酸ポリエチレングリコール15を加え、さらに撹拌して溶解させて第2溶液を得るステップ(b)と、
(c)第2溶液を第1溶液に加え、撹拌し、注射用水を加えて5000mlにし、リン酸水溶液を滴下して溶液のpH値を7.8に調整し、濾過し、滅菌し、溶液を液体貯蔵タンクに入れ、小分け包装し、部分的密栓し、凍結乾燥し、密栓し、包装するステップ(c)とを行う。ここで、凍結乾燥するステップは、以下の順に行われる:
(1)予凍結ステップ:製品を−40〜−50℃で4時間予め凍結させることによって、製品を凍結させて圧縮するステップ(1)、
(2)一次乾燥ステップ:製品を予凍結した後、真空ポンプを起動して、真空レベルが20〜30Paになるまで排気し、製品を−5℃まで昇温させてその温度を31時間維持するステップ(2)、
(3)脱着乾燥ステップ:製品を徐々に20℃まで昇温させてその温度を3時間維持するステップ(3)。
【0024】
〔実施例4〕
HPPH 5.0g
96%アルコール 80.0g
炭酸ナトリウム 0.55g
ポリオキシエチレンヒマシ油(EL) 30.0g
マンニトール 400.0g
リン酸 適量
注射用水 合計5000mlになるまで加える
調製する個数の合計 1000本の瓶
(a)所定量のマンニトールを、4000mlの注射用水で満たした配合タンクに移送し、撹拌して溶解させて第1溶液を得るステップ(a)と、
(b)所定量のHPPHを、上記配合タンクに入れ、所定量の96%アルコールを加え、撹拌し、所定量の炭酸ナトリウム溶液、およびポリオキシエチレンヒマシ油を加え、さらに撹拌して溶解させて第2溶液を得るステップ(b)と、
(c)第2溶液を第1溶液に加え、撹拌し、注射用水を加えて5000mlにし、リン酸水溶液を滴下して溶液のpH値を7.3に調整し、濾過し、滅菌し、溶液を液体貯蔵タンクに入れ、小分け包装し、部分的密栓し、凍結乾燥し、密栓し、包装するステップ(c)とを行う。ここで、凍結乾燥するステップは、以下の順に行われる:
(1)予凍結ステップ:製品を−40〜−50℃で2.5時間予め凍結させることによって、製品を凍結させて圧縮するステップ(1)、
(2)一次乾燥ステップ:製品を予凍結した後、真空ポンプを起動して、真空レベルが20〜30Paになるまで排気し、製品を−5℃まで昇温させてその温度を29時間維持するステップ(2)、
(3)脱着乾燥ステップ:製品を徐々に20℃まで昇温させてその温度を4時間維持するステップ(3)。
【0025】
〔実施例5 安定性の研究〕
実施例1〜4で得られた凍結乾燥粉末注射剤、および、凍結乾燥される前の原液(バルク溶液)を、個々に40℃および5℃の条件下に置いた。安定性の研究を行い、安定性に関する測定データを以下に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
上記データから、5℃および40℃において、凍結乾燥粉末注射剤の不純度の増加程度および増加速度は、凍結乾燥前の原液の増加程度および増加速度よりもはるかに小さいことがわかる。したがって、凍結乾燥粉末注射剤の安定性は、明らかに、凍結乾燥前の原液の安定性よりも高い。製剤の安全性および有効性を総合的に考慮して、凍結乾燥粉末注射剤は、好ましい製剤として選ばれるであろう。
【0028】
〔実施例6 安定性の研究〕
実施例2および4の製剤の比率および技術に沿い、別途、各3つのバッチ(小分け包装製造)の凍結乾燥粉末注射剤を調製した。各バッチを5℃の条件下に置き、安定性の研究を行った。安定性に関する測定データを以下に示す。
【0029】
【表2】
【0030】
上記データから、各バッチの凍結乾燥粉末注射剤は、均一な品質を有し、バッチ間の再現性も良好であることがわかる。5℃の条件下では、24ヶ月以内の不純物の増加速度は非常に緩慢であり、それゆえ、製品の安定性が高い。